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技術 マイクロカプセル及びその製造方法

出願人 国立大学法人新潟大学
発明者 田中眞人
出願日 2006年10月5日 (14年4ヶ月経過) 出願番号 2007-542294
公開日 2009年4月30日 (11年9ヶ月経過) 公開番号 WO2007-052436
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 含有質量 ポリイソプロピルアクリルアミド 温度応答性 体温付近 配合条件 放出率 カプセル化効率 環境変化
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (16)

課題・解決手段

皮膚に塗布した際に、有効成分を徐放する速度をコントロールすることのできる、新規マイクロカプセル及びその製造方法を提供する。有効成分2と、ポリイソプロピルアクリルアミド3と、メチルセルロース4とを内包した非水溶性エチルセルロース1からなる。皮膚の温度や水分の環境変化の条件に応じて、温度応答性のあるポリイソプロピルアクリルアミド3と、吸水性のあるメチルセルロース4と、マイクロカプセルのマトリックスとなる非水溶性エチルセルロース1の混合割合を変化させることにより、有効成分2の徐放性をコントロールすることができる。

概要

背景

従来、化粧品に配合される有効成分として、そのまま配合すると化学的に不安定であったり、ほかの成分に悪影響を及ぼしたりするものがあり、化粧料に配合する上での問題となっていた。

この問題を解決する方法として、化粧料に配合される有効成分をマイクロカプセルに安定した状態で内包し、皮膚に塗布した後に有効成分が放出されるようにすることが、例えば、特許文献1などに開示されている。この特許文献1に開示されているマイクロカプセルは、pHの変化により崩壊しうる樹脂に有効成分を内包せしめ、有効成分をpHの変化により放出するものであった。
特開平7−96166号公報

概要

皮膚に塗布した際に、有効成分を徐放する速度をコントロールすることのできる、新規のマイクロカプセル及びその製造方法を提供する。有効成分2と、ポリイソプロピルアクリルアミド3と、メチルセルロース4とを内包した非水溶性エチルセルロース1からなる。皮膚の温度や水分の環境変化の条件に応じて、温度応答性のあるポリイソプロピルアクリルアミド3と、吸水性のあるメチルセルロース4と、マイクロカプセルのマトリックスとなる非水溶性エチルセルロース1の混合割合を変化させることにより、有効成分2の徐放性をコントロールすることができる。

目的

そこで、本発明は、皮膚に塗布した際に、有効成分を徐放する速度をコントロールすることのできる、新規のマイクロカプセル及びその製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

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請求項1

有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドとを含有することを特徴とするマイクロカプセル

請求項2

メチルセルロースを含有し、メチルセルロースの含有質量はポリイソプロピルアクリルアミドの含有質量の2倍以下であることを特徴とする請求の範囲第1項記載のマイクロカプセル。

請求項3

前記有効成分として、ハイドロキノンポリフェノールコラーゲンコエンザイムQ10,グルカンカテキンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載のマイクロカプセル。

請求項4

有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを内包した非水溶性エチルセルロースからなることを特徴とするマイクロカプセル。

請求項5

前記有効成分として、ハイドロキノン,ポリフェノール,コラーゲン,コエンザイムQ10,グルカン,カテキンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第4項記載のマイクロカプセル。

請求項6

有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドとを含有するマイクロカプセルを含有することを特徴とする化粧料

請求項7

前記マイクロカプセルは、メチルセルロースを含有し、メチルセルロースの含有質量はポリイソプロピルアクリルアミドの含有質量の2倍以下であることを特徴とする請求の範囲第6項記載の化粧料。

請求項8

前記マイクロカプセルは、前記有効成分として、ハイドロキノン,ポリフェノール,コラーゲン,コエンザイムQ10,グルカン,カテキンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第6項記載の化粧料。

請求項9

有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを内包した非水溶性エチルセルロースからなるマイクロカプセルを含有することを特徴とする化粧料。

請求項10

前記マイクロカプセルは、前記有効成分として、ハイドロキノン,ポリフェノール,コラーゲン,コエンザイムQ10,グルカン,カテキンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第9項記載の化粧料。

請求項11

有効成分と、非水溶性エチルセルロースと、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを溶媒に溶解し、これをスプレイドライ法によりマイクロカプセル化することを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。

請求項12

前記溶媒はエタノールであることを特徴とする請求の範囲第11項記載のマイクロカプセルの製造方法。

請求項13

前記有効成分として、ハイドロキノン,ポリフェノール,コラーゲン,コエンザイムQ10,グルカン,カテキンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第11項記載のマイクロカプセルの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、化粧料に使用するためのマイクロカプセル及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、化粧品に配合される有効成分として、そのまま配合すると化学的に不安定であったり、ほかの成分に悪影響を及ぼしたりするものがあり、化粧料に配合する上での問題となっていた。

0003

この問題を解決する方法として、化粧料に配合される有効成分をマイクロカプセルに安定した状態で内包し、皮膚に塗布した後に有効成分が放出されるようにすることが、例えば、特許文献1などに開示されている。この特許文献1に開示されているマイクロカプセルは、pHの変化により崩壊しうる樹脂に有効成分を内包せしめ、有効成分をpHの変化により放出するものであった。
特開平7−96166号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、特許文献1に開示されているマイクロカプセルは、pHに依存して有効成分を放出するものであり、適合したpH条件において速やかにマイクロカプセルが崩壊して有効成分が放出されるため、皮膚に塗布した際に長時間にわたり有効成分が徐々に放出するように、有効成分の徐放性コントロールすることは難しかった。

0005

そこで、本発明は、皮膚に塗布した際に、有効成分を徐放する速度をコントロールすることのできる、新規のマイクロカプセル及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明のマイクロカプセルは、有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドとを含有することを特徴とする。

0007

また、メチルセルロースを含有し、メチルセルロースの含有質量はポリイソプロピルアクリルアミドの含有質量の2倍以下であることを特徴とする。

0008

また、前記有効成分として、ハイドロキノンポリフェノールコラーゲンコエンザイムQ10,グルカンカテキンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。

0009

また、有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを内包した非水溶性エチルセルロースからなることを特徴とするマイクロカプセル。

0010

本発明の化粧料は、有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドとを含有するマイクロカプセルを含有することを特徴とする。

0011

また、前記マイクロカプセルは、メチルセルロースを含有し、メチルセルロースの含有質量はポリイソプロピルアクリルアミドの含有質量の2倍以下であることを特徴とする。

0012

また、前記マイクロカプセルは、前記有効成分として、ハイドロキノン,ポリフェノール,コラーゲン,コエンザイムQ10,グルカン,カテキンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする
また、有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを内包した非水溶性エチルセルロースからなるマイクロカプセルを含有することを特徴とする。

0013

本発明のマイクロカプセルの製造方法は、有効成分と、非水溶性エチルセルロースと、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを溶媒に溶解し、これをスプレイドライ法によりマイクロカプセル化することを特徴とする。

0014

また、前記溶媒はエタノールであることを特徴とする。

0015

また、前記有効成分として、ハイドロキノン,ポリフェノール,コラーゲン,コエンザイムQ10,グルカン,カテキンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明のマイクロカプセルは、有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドとを含有することで、皮膚の温度や水分の環境変化の条件に応じて、温度応答性のあるポリイソプロピルアクリルアミドにより、有効成分の徐放性をコントロールすることができる。

0017

また、本発明のマイクロカプセルは、有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを内包した非水溶性エチルセルロースからなることで、皮膚の温度や水分の環境変化の条件に応じて、温度応答性のあるポリイソプロピルアクリルアミドと、吸水性のあるメチルセルロースと、マイクロカプセルのマトリックスとなる非水溶性エチルセルロースの混合割合を変化させることにより、有効成分の徐放性をコントロールすることができる。

0018

本発明のマイクロカプセルの製造方法は、有効成分と、非水溶性エチルセルロースと、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを溶媒に溶解し、これをスプレイドライ法によりマイクロカプセル化することで、本発明のマイクロカプセルを極めて容易に製造することができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明のマイクロカプセルの模式図である。
実施例1におけるポリイソプロピルアクリルアミドを1g、メチルセルロースを0.5質量%としたときに得られた本発明のマイクロカプセルの電子顕微鏡写真である。
実施例1におけるポリイソプロピルアクリルアミドを1g、メチルセルロースを0.5質量%としたときに得られた本発明のマイクロカプセルの電子顕微鏡写真である。
実施例1におけるポリイソプロピルアクリルアミドを0,0.25,0.5,1gとし、メチルセルロースを0質量%としたときに得られたマイクロカプセルの電子顕微鏡写真である。
実施例2におけるマイクロカプセルのカプセル化効率を示すグラフである。
実施例3におけるマイクロカプセルの平均粒径を示すグラフである。
実施例4におけるマイクロカプセルのハイドロキノンの放出率温度依存性を示すグラフである。
実施例4におけるマイクロカプセルのハイドロキノンの放出率の温度依存性を示すグラフである。
実施例5におけるマイクロカプセルのハイドロキノンの放出率の経時変化を示すグラフである。
実施例5におけるマイクロカプセルの電子顕微鏡写真である。
実施例6におけるマイクロカプセルのハイドロキノンの放出率の経時変化を示すグラフである。
実施例6におけるマイクロカプセルの電子顕微鏡写真である。
実施例7におけるマイクロカプセルのハイドロキノンの放出率の経時変化を示すグラフである。
実施例8におけるマイクロカプセルの電子顕微鏡写真である。
実施例9におけるマイクロカプセルのハイドロキノン及びブドウポリフェノールの放出率の経時変化を示すグラフである。

符号の説明

0020

1非水溶性エチルセルロース
2 有効成分
3ポリイソプロピルアクリルアミド
4 メチルセルロース

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明のマイクロカプセル及びその製造方法について、添付した図面を参照しながら説明する。

0022

本発明のマイクロカプセルは、必須成分として、有効成分と、ポリイソプロピルアクリルアミドとを含有している。

0023

本発明のマイクロカプセルの一実施形態の模式図を示す図1において、1はマイクロカプセルのマトリックスとなる非水溶性エチルセルロース(EC)であり、有効成分2と、ポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPA)3と、メチルセルロース(MC)4とを内包している。

0024

なお、本実施形態では、有効成分2、ポリイソプロピルアクリルアミド3、メチルセルロース4を非水溶性エチルセルロース1が内包しているが、これら有効成分2、ポリイソプロピルアクリルアミド3、メチルセルロース4が水溶性エチルセルロース1の表面に露出していてもよい。また、マトリックスは非水溶性エチルセルロース1に限定されない。

0025

有効成分2は、マイクロカプセルをファンデーションなどの化粧料に用いる場合は、例えば、皮膚のソバカスシミを脱色する機能、すなわち美白効果を有するハイドロキノンや、このほか、化粧料として配合される成分であるコラーゲン,コエンザイムQ10,グルカン,カテキンなどとすることができ、特定の成分に限定されず、任意の成分で構成することができる。また、必要に応じて有効成分2を複数の成分から構成すれば、マイクロカプセルに複数の機能を付与することが可能となる。そして、マイクロカプセルを皮膚に塗布すると、の水分によって、マイクロカプセル中の有効成分2が徐々に放出されるようになっている。

0026

ポリイソプロピルアクリルアミド3は、温度応答性を有し、低温で有効成分2の放出を促進し、体温付近の40℃では有効成分2の放出を抑制する。ポリイソプロピルアクリルアミド3は、長時間にわたって有効成分2を徐々に放出させるために添加されるものである。

0027

メチルセルロース4は、ポリイソプロピルアクリルアミド3の有効成分2の放出を抑制する作用が強すぎるので、マイクロカプセルの吸水性を補い、有効成分2の放出を促進するために添加されるものである。また、メチルセルロース4は、マイクロカプセル製造時におけるカプセル化効率の向上に重要な働きをする。すなわち、メチルセルロース4を添加することによって、カプセル化効率、すなわちマイクロカプセル中への有効成分2の収率が向上し、例えば、有効成分2がハイドロキノンの場合にはカプセル化効率が100%となる。

0028

なお、カプセル化効率とは、マイクロカプセルの製造時の有効成分2の仕込み量のうち、マイクロカプセル中へ取り込まれた有効成分2の量の割合を示すものである。

0029

そして、皮膚の温度や水分の環境変化の条件に応じて、温度応答性のあるポリイソプロピルアクリルアミド3と、吸水性のあるメチルセルロース4と、マイクロカプセルのマトリックスとなる非水溶性エチルセルロース1の混合割合を変化させることにより、有効成分2の徐放性をコントロールすることができる。また、ポリイソプロピルアクリルアミド3とメチルセルロース4の添加量によって、マイクロカプセルの平均粒径をコントロールすることができる。また、マトリックスが非水溶性エチルセルロースであることから、汗などの水分によってマイクロカプセルが崩壊することなく、長時間安定した状態で有効成分2を徐放することができる。

0030

なお、メチルセルロース4は、必要に応じて添加すればよく、好ましくは、メチルセルロースの含有質量がポリイソプロピルアクリルアミドの含有質量の2倍以下となるようにする。メチルセルロースの含有質量がポリイソプロピルアクリルアミドの含有質量の2倍を超えると、ポリイソプロピルアクリルアミド3が有効成分2の放出を抑制する作用が、メチルセルロース2の有効成分2の放出を促進する作用によって完全に打ち消されてしまうためである。

0031

また、分子量が1×105以下のメチルセルロース4を添加すると、マイクロカプセルの形状は凹凸の少ない球形となり、さらに、メチルセルロース4の添加量を増すと、表面が緻密な球形のマイクロカプセルが得られる。一方、メチルセルロース4の添加量を一定として、分子量を1×105から次第に大きくしていくと、マイクロカプセルの表面に凹凸が増してくる。あるいは、ポリイソプロピルアクリルアミド3の分子量を増すと、表面が緻密な球形であって、良好な水分応答性を呈するマイクロカプセルが得られる。

0032

このように、添加するメチルセルロース2の分子量や添加量、あるいはポリイソプロピルアクリルアミド3の分子量によって、マイクロカプセルの形状を制御することができる。したがって、例えば、滑らかな感触や光沢が必要な場合は、球形のマイクロカプセルを用い、大きな付着性が必要な場合は、表面に凹凸が多く表面積の大きいマイクロカプセルを用いるといったように、化粧品の用途に応じて、種々の形状のマイクロカプセルを使い分けることができる。

0033

本発明のマイクロカプセルは、有効成分と、非水溶性エチルセルロースと、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを溶媒に溶解し、これをスプレイドライ法によりマイクロカプセル化することで得られる。

0034

溶媒としては、有効成分が変質しないものが好適に用いられる。また、マイクロカプセルを皮膚に塗布することを考慮して、できるだけ皮膚に安全なものを用いるのが好ましい。例えば、有効成分がハイドロキノンの場合、ハイドロキノンは水溶性でかつ水に溶けると変質するため、ハイドロキノンの安定性に影響を及ぼさず、皮膚にも安全であるエタノールが好適に用いられる。

0035

スプレイドライ法については、公知の技術であるので、詳細な説明を省略するが、例えば、入口温度90℃、出口温度50℃、圧力0.1MPaの条件とすることで、本発明のマイクロカプセルを製造することができる。

0036

以上のように、本発明のマイクロカプセルは、有効成分2と、ポリイソプロピルアクリルアミド3とを含有することで、皮膚の温度や水分の環境変化の条件に応じて、温度応答性のあるポリイソプロピルアクリルアミド3により、有効成分2の徐放性をコントロールすることができる。

0037

また、本発明のマイクロカプセルによれば、有効成分2と、ポリイソプロピルアクリルアミド3と、メチルセルロース4とを内包した非水溶性エチルセルロース1からなることにより、皮膚の温度や水分の環境変化の条件に応じて、温度応答性のあるポリイソプロピルアクリルアミド3と、吸水性のあるメチルセルロース4と、マイクロカプセルのマトリックスとなる非水溶性エチルセルロース1の混合割合を変化させることにより、有効成分2の徐放性をコントロールすることができる。

0038

また、本発明のマイクロカプセルの製造方法は、有効成分と、非水溶性エチルセルロースと、ポリイソプロピルアクリルアミドと、メチルセルロースとを溶媒に溶解し、これをスプレイドライ法によりマイクロカプセル化することで、本発明のマイクロカプセルを極めて容易に製造することができる。

0039

有効成分としてハイドロキノンを用いて種々の配合量でマイクロカプセルを調製した。

0040

溶媒としての90%エタノール水溶液又は80%エタノール水溶液50gに、非水溶性エチルセルロースを2g、ポリイソプロピルアクリルアミドを0〜1.5gを加え、メチルセルロースをマイクロカプセル中で0〜1.5質量%となるように加え、さらに、ハイドロキノンをマイクロカプセル中で20質量%となるように0.5〜0.85g加えて溶解し、入口温度90℃、出口温度50℃、圧力0.1MPaの条件のスプレイドライ法でマイクロカプセルを調製した。

0041

図2図3に、ポリイソプロピルアクリルアミドを1g、メチルセルロースを0.5質量%としたときに得られたマイクロカプセルの電子顕微鏡写真を示す。本発明のマイクロカプセルの製造方法によれば、表面が非常に緻密で球形のマイクロカプセルが得られることが確認された。

0042

また、図4には、ポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPA)を0,0.25,0.5,1gとし、メチルセルロースを0質量%としたときに得られたマイクロカプセルの電子顕微鏡(SEM)写真を示す。ポリイソプロピルアクリルアミドの添加量を増加させることによって、マイクロカプセルの表面が緻密になり、より球形に近づくことが確認された。

0043

実施例1で調製したマイクロカプセルのカプセル化効率を調べた。

0044

図5に、メチルセルロースを加えず、ポリイソプロピルアクリルアミドの添加量を変化させた場合(黒四角)、ポリイソプロピルアクリルアミドの添加量を1gで一定とし、メチルセルロースの添加量を変化させた場合(白丸)の、カプセル化効率Eを示す。

0045

図5に示すように、メチルセルロースを加えない場合(黒四角)はポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPA)の量を変化させてもカプセル化効率Eが100%にならないのに対し、ポリイソプロピルアクリルアミド1gに加えてメチルセルロースを添加した場合(白丸)は、メチルセルロース(MC)の添加量に関わらず、メチルセルロースが微量であってもカプセル化効率Eが100%となった。

0046

メチルセルロースを添加することによって、カプセル化効率、すなわちマイクロカプセル中へのハイドロキノンの収率が100%となることが確認された。

0047

実施例1で調製したマイクロカプセルの平均粒径を調べた。図6に示すように、メチルセルロースを加えない場合(黒四角)はポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPA)の量を増加させると平均粒径Dpが大きくなった。これは、ポリイソプロピルアクリルアミドによりマイクロカプセルの粘度が高くなることが原因であると考えられる。また、ポリイソプロピルアクリルアミド1gに加えてメチルセルロースを添加した場合(白丸)は、メチルセルロース(MC)の添加量を増加させると平均粒径Dpが小さくなった。これは、メチルセルロースによりマイクロカプセルの表面張力が下がることが原因であると考えられる。

0048

ポリイソプロピルアクリルアミドの添加量を増加させると平均粒径Dpが大きく、メチルセルロースの添加量を増加させると平均粒径Dpが小さくなることから、ポリイソプロピルアクリルアミドとメチルセルロースの添加量によって、マイクロカプセルの平均粒径をコントロールすることができることが確認された。

0049

実施例1で調製したマイクロカプセルのハイドロキノンの放出率の温度依存性を調べた。

0050

図7に、メチルセルロースを加えず、ポリイソプロピルアクリルアミドを0.25g加え、温度を室温とした場合(黒四角)、同様の配合において温度だけを40℃とした場合(白丸)、メチルセルロース0.5質量%とポリイソプロピルアクリルアミドを0.25g加え温度を40℃とした場合(白四角)の、マイクロカプセルを水中においたときのハイドロキノンの放出率Rを示す。

0051

図7に示すように、メチルセルロースを加えずポリイソプロピルアクリルアミドを0.25g加えた常温の場合(黒四角)は、時間tの経過とともに急速にハイドロキノンの放出率Rが上昇し、1時間経過後における放出率Rは約80%であった。同様の配合において温度だけを40℃とした場合(白丸)は、ハイドロキノンの放出率Rが抑制され、1時間経過後における放出率Rは約45%であった。さらに、メチルセルロース0.5質量%とポリイソプロピルアクリルアミドを0.25g加え温度を40℃とした場合(白四角)は、メチルセルロースの添加によってハイドロキノンの放出率Rが促進される効果が見られ、1時間経過後における放出率Rは約60%であった。

0052

また、比較例として、図8に、メチルセルロースとポリイソプロピルアクリルアミド加えず、温度を室温とした場合(黒四角)、同様の配合において温度だけを40℃とした場合(白丸)、メチルセルロース0.5質量%のみを加え温度を40℃とした場合(白四角)の、ハイドロキノンの放出率Rを示す。

0053

図8に示すように、メチルセルロースとポリイソプロピルアクリルアミドを加えない常温の場合(黒四角)は、時間tの経過とともにハイドロキノンの放出率Rが上昇し、1時間経過後における放出率Rは約80%であったが、ポリイソプロピルアクリルアミドを加えた図7の場合と比較して、放出率Rの立ち上りは鈍かった。同様の配合において温度だけを40℃とした場合(白丸)は、ハイドロキノンの放出率Rが抑制され、1時間経過後における放出率Rは約55%であった。さらに、メチルセルロース0.5質量%を加え温度を40℃とした場合(白四角)は、メチルセルロースの添加によってハイドロキノンの放出率Rが促進される効果が見られ、1時間経過後における放出率Rは約70%であった。

0054

ポリイソプロピルアクリルアミドは、低温でハイドロキノンの放出を促進し、体温付近の40℃ではハイドロキノンの放出を抑制することが確認された。また、メチルセルロースは、ハイドロキノンの放出を促進することが確認された。したがって、ポリイソプロピルアクリルアミドとメチルセルロースの添加量によって、ハイドロキノンの徐放性をコントロールすることができることがわかった。

0055

マイクロカプセル中のメチルセルロースの濃度がハイドロキノンの放出率に及ぼす影響を検討した。

0056

非水溶性エチルセルロースを2g、分子量5.0×105のポリイソプロピルアクリルアミドを0.25g、ハイドロキノンを0.70gの配合とし、そのほかは実施例1と同様の条件でマイクロカプセルを作製した。

0057

また、上記の配合条件に分子量3.0×104のメチルセルロースを添加して、マイクロカプセルを作製した。なお、メチルセルロースの配合量については、ポリイソプロピルアクリルアミドと同量の0.25g、2倍の0.50g、3倍の0.75gとしたものをそれぞれ作製した。

0058

つぎに、作製したマイクロカプセルを、それぞれ常温の25℃と、40℃の水中に保持し、ハイドロキノンの水中への放出率の経時変化を測定した。その結果を図9に示す。

0059

メチルセルロースを添加しない場合と、ポリイソプロピルアクリルアミドと同量の0.25gのメチルセルロースを添加した場合は、常温よりも40℃において、ハイドロキノンの放出が緩やかであった。ポリイソプロピルアクリルアミドの2倍の0.50gのメチルセルロースを添加した場合は、放出率は常温と40℃でほぼ同等となった。ポリイソプロピルアクリルアミドの3倍の0.75gのメチルセルロースを添加した場合は、逆転して、常温の方がハイドロキノンの放出が緩やかになった。

0060

これらの結果より、メチルセルロースの含有質量を増すほどハイドロキノンの放出率が増加し、メチルセルロースの含有質量がポリイソプロピルアクリルアミドの含有質量の2倍を超えると、40℃の条件下で、ポリイソプロピルアクリルアミドがハイドロキノンの放出を抑制する作用が、メチルセルロースのハイドロキノンの放出を促進する作用によって完全に打ち消されてしまうことが確認された。したがって、メチルセルロースの含有質量をポリイソプロピルアクリルアミドの含有質量の2倍以下にするのが好ましいことがわかった。

0061

また、作製したマイクロカプセルのSEM写真を図10に示す。メチルセルロースの添加量を増すと、表面が緻密な球形マイクロカプセルが得られることが確認された。

0062

マイクロカプセル中のメチルセルロースの分子量がハイドロキノンの放出率に及ぼす影響を検討した。

0063

非水溶性エチルセルロースを2.0g、分子量5.0×105のポリイソプロピルアクリルアミドを0.25g、ハイドロキノンを0.70gの配合とし、そのほかは実施例1と同様の条件でマイクロカプセルを作製した。

0064

また、上記の配合条件に分子量3.0×104のメチルセルロース、又は分子量1.1×105のメチルセルロースを0.5g添加して、マイクロカプセルを作製した。

0065

つぎに、作製したマイクロカプセルを常温の25℃の水中に保持し、ハイドロキノンの水中への放出率の経時変化を測定した。その結果を図11に示す。

0066

メチルセルロースの分子量が小さい方の吸水性がやや良いが、ハイドロキノンの放出率の経時変化にほとんど差は見られなかった。

0067

また、作製したマイクロカプセルのSEM写真を図12に示す。分子量が1×105以下のメチルセルロースを添加すると、マイクロカプセルの形状は凹凸の少ない球形となり、分子量を大きくしていくと、マイクロカプセルの表面に凹凸が増してくることが確認された。したがって、メチルセルロースの分子量によって、マイクロカプセルの形状を制御することができることが確認された。

0068

マイクロカプセル中のポリイソプロピルアクリルアミドの分子量がハイドロキノンの放出率に及ぼす影響を検討した。

0069

非水溶性エチルセルロースを2.0g、ポリイソプロピルアクリルアミドを0.25g、ハイドロキノンを0.7g、分子量3.0×104のメチルセルロースを0.5gの配合とし、そのほかは実施例1と同様の条件でマイクロカプセルを作製した。なお、ポリイソプロピルアクリルアミドの分子量については、1.0×104、2.5×105、5.0×105とした。

0070

つぎに、作製したマイクロカプセルを、それぞれ常温の25℃と、40℃の水中に保持し、ハイドロキノンの水中への放出率の経時変化を測定した。その結果を図13に示す。

0071

ポリイソプロピルアクリルアミドの分子量を増すほど40℃におけるハイドロキノンの放出率が抑えられ、良好な温度応答性を呈することが確認された。したがって、ポリイソプロピルアクリルアミドの分子量によって、ハイドロキノンの徐放性をコントロールすることができることがわかった。

0072

マイクロカプセル中のポリイソプロピルアクリルアミドの添加量がマイクロカプセルの形状に及ぼす影響を検討した。

0073

非水溶性エチルセルロースを2g、メチルセルロースを0.25gの配合とし、そのほかは実施例1と同様の条件でマイクロカプセルを作製した。

0074

また、上記の配合条件にメチルセルロースを0.25g、0.5g、1g添加したものをそれぞれ作製した。

0075

作製したマイクロカプセルのSEM写真を図14に示す。ポリイソプロピルアクリルアミドの添加量を増すほど表面が緻密な球形のマイクロカプセルが得られることが確認された。

0076

マイクロカプセル中の有効成分の種類がハイドロキノンの放出率に及ぼす影響を検討した。

0077

非水溶性エチルセルロースを2.0g、分子量5.0×105のポリイソプロピルアクリルアミドを0.25g、分子量3.0×104のメチルセルロースを0.5gの配合とし、さらに、ハイドロキノン(HQ)又はブドウポリフェノール(PF)を0.7g加えて、そのほかは実施例1と同様の条件でマイクロカプセルを作製した。

0078

つぎに、作製したマイクロカプセルを、それぞれ常温の25℃と、40℃の水中に保持し、ハイドロキノン又はブドウポリフェノールの水中への放出率の経時変化を測定した。その結果を図15に示す。

0079

ハイドロキノン、ブドウポリフェノールのいずれについても、常温よりも40℃において放出率Rが抑えられることが確認された。したがって、有効成分の種類によらず、放出率を制御できることがわかった。

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