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技術 縫合器

出願人 オリンパスメディカルシステムズ株式会社
発明者 三日市高康鈴木孝之梶国英塩野潤二林憲介佐藤雅俊岩坂誠之
出願日 2006年9月28日 (14年1ヶ月経過) 出願番号 2007-537676
公開日 2009年4月9日 (11年7ヶ月経過) 公開番号 WO2007-037326
状態 特許登録済
技術分野 手術用機器 内視鏡 手術用機器 内視鏡
主要キーワード 連絡部分 アンカー端 カム構成 チューブ外側 有底筒形 ネジ係合 線バネ 各係止突起
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年4月9日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

体内に挿入され、組織係止される細長アンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記アンカーが通過可能な側孔が設けられた針と、前記針内に収容された前記アンカーに遠位端が当接し、前記細長部材内を軸方向に移動可能に配設されたプッシャと、前記針又は前記プッシャに設けられ、前記プッシャで前記側孔の形成位置まで移動させられた前記アンカーの移動方向を前記針の長さ方向から前記側孔に向かう方向に変化させる押し出し制御部と、を有する縫合器とした。

概要

背景

患者体内処置を行う際には、外科手術によって患者の体を切開する場合と、経口内視鏡的な、又は経肛門内視鏡的な処置とがあげられる。外科手術で腹部穿孔縫合する方法は、特許文献1の図6a〜6cに示されている。この縫合方法では、針が穿孔付近組織穿刺され、針から縫合糸の付いたアンカーが押し出される。針を組織から抜いた後、穿孔を挟む2本の縫合糸を結ぶと穿孔が塞がれる。
内視鏡を用いた処置は、内視鏡のチャンネル鉗子高周波処置具切開具縫合具などを通して行う。例えば、口や肛門などの生体内の自然の開口を介して管腔内に挿入された内視鏡を用いて腹腔内で医療行為を行う場合、腹腔内から組織を切除あるいは切開して孔を形成し、この孔を介して管腔内から腹腔内にアプローチして医療行為を行う。医療行為を行った後、形成された孔は縫合具で縫合される。

ここで、管腔器官内で縫合を行う方法は、例えば、特許文献2の図6から図9に示されている。この縫合方法では、組織がオーバーチューブ内に引き込まれ、この組織の手前側から先端側に向かって針が貫通させられる。針の内部からは、縫合糸の付いたアンカーが組織の先端側に押し出される。その後、針を引き抜くと、縫合糸が組織に貫通するので、この縫合糸で組織を締め付ける。また、特許文献3の図1、図4、図5A〜5Cに示す方法がある。この方法で、軟性内視鏡は、口経由又は肛門経由で穿孔の近傍に挿入される。穿孔の周囲の組織は、軟性内視鏡のチューブ吸引される。チューブ外側に装着されているOリングチューブ先端から押し出すと、吸引した組織がOリングでクランプされる。

ここで、アンカーの打ち出しは、1つずつコントロールできることが好ましい。例えば、硬性内視鏡用処置具では、アンカーを押し出すプッシャストロークを一定量に制限するノッチ手元側の操作部に複数設けることが知られている(例えば、特許文献4)。

米国特許第6066146号公報
日本国特開2004−601号公報
米国特許第5297536号公報
米国特許第5507754号公報

概要

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記アンカーが通過可能な側孔が設けられた針と、前記針内に収容された前記アンカーに遠位端が当接し、前記細長部材内を軸方向に移動可能に配設されたプッシャと、前記針又は前記プッシャに設けられ、前記プッシャで前記側孔の形成位置まで移動させられた前記アンカーの移動方向を前記針の長さ方向から前記側孔に向かう方向に変化させる押し出し制御部と、を有する縫合器とした。

目的

しかしながら、軟性の内視鏡用処置具では、手元側の操作部にノッチを設けても、操作部とアンカーの間には長い軟性部分が存在するので、プッシャをノッチ1つ分前進させても同じ量だけアンカーを押圧できないことがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アンカーを1つずつ確実に押し出すことができる縫合器を提供することを主な目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
11件

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請求項1

体内に挿入され、組織係止される細長アンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記アンカーが通過可能な側孔が設けられた針と、前記針内に収容された前記アンカーに遠位端が当接し、前記細長部材内を軸方向に移動可能に配設されたプッシャと、前記針又は前記プッシャに設けられ、前記プッシャで前記側孔の形成位置まで移動させられた前記アンカーの移動方向を前記針の長さ方向から前記側孔に向かう方向に変化させる押し出し制御部と、を有する縫合器。

請求項2

前記押し出し制御部は、前記針内に設けられ、前記側孔に向けて突出する板バネである請求項1に記載の縫合器。

請求項3

前記押し出し制御部は、前記針に回動自在に取り付けられ、前記側孔に向けて起き上がり可能な起上フックである請求項1に記載の縫合器。

請求項4

前記押し出し制御部は、前記プッシャの先端に前記側孔に向けて斜めに設けられ、2つの前記アンカーのうちで基端側に収容される前記アンカーの基端部に当接する当接面であり、基端側に収容される前記アンカーの先端部にも前記側孔に向けて傾斜し、先端側に収容される前記アンカーの基端部に当接する面が形成されている請求項1に記載の縫合器。

請求項5

前記針は、前記鋭利な端部に開口部をさらに有し、前記押し出し制御部は先端側の第一のアンカーを前記側孔に向けて押圧するように突出する突起からなり、先端側の第一のアンカーは前記突起に案内されて前記側孔から押し出される外形を有し、基端側の第二のアンカーは、前記突起と干渉せずに前記開口部から押し出し可能な外形を有する請求項1に記載の縫合器。

請求項6

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能な針と、前記針の側部に前記針の長手方向に沿って設けられた側孔と、を有し、前記アンカーは長さ方向に直交する方向に圧縮することで、この方向の寸法が減少し、かつ長さ方向に伸張させた状態で前記針に収容される縫合器。

請求項7

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能な針と、前記針の側部に前記針の長手方向に沿って設けられ、1つの前記アンカーの伸張した長さより短い開口長を有する側孔と、を有する縫合器。

請求項8

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に第一のアンカー及び第二のアンカーを収容可能な針と、先端側に収容される前記第一のアンカーを前記針から押し出す第一のプッシャと、前記第一のプッシャに対して進退自在に設けられ、前記第二のアンカーを前記針から押し出す第二のプッシャと、を備える縫合器。

請求項9

前記第一のプッシャに前記第二のアンカーを配置する収容部が設けられ、前記第一のプッシャの内部に前記第二のプッシャが進退自在に通されている請求項8に記載の縫合器。

請求項10

前記第一のプッシャは、前記第二のプッシャに通されており、前記第二のアンカーに形成された貫通孔を通して前記第一のアンカーを押し出す請求項8に記載の縫合器。

請求項11

前記第二のプッシャは、前記針の長さ方向に押し引き可能に通され、前記第一のプッシャの基端部は、前記第二のプッシャに対してネジ込み可能に係合している請求項10に記載の縫合器。

請求項12

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、前記針の前記開口部から延設され、前記アンカーに取り付けられた縫合糸が通されると共に、前記針の前記開口部から前記アンカーを1つずつ押し出し可能な形状に形成された側孔と、を有する縫合器。

請求項13

前記側孔は、先端側に収容される第一のアンカーから延びる前記縫合糸を通す部分が、基端側に収容される第二のアンカーから延びる前記縫合糸を通す部分に対して前記針の周方向にずれるように屈曲した形状を有し、前記プッシャは前記第二のアンカーに周方向に係合する先端部を有する請求項12に記載の縫合器。

請求項14

前記側孔は、先端側に配置される第一のアンカーから延びる前記縫合糸を通す部分が、基端側に配置される第二のアンカーから延びる前記縫合糸を通す部分に対して前記針の周方向にずれるように湾曲した形状を有する請求項12に記載の縫合器。

請求項15

前記側孔には、部分的に開口幅を狭めた狭窄部が形成されている請求項12に記載の縫合器。

請求項16

前記アンカーは、前記側孔に挿入される突起を有する請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の縫合器。

請求項17

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、を有し、前記針には、内径を減少させる突起が形成されると共にバネ性を持たせて製造されており、先端側に配置される第一のアンカーは前記突起を通過可能な外径を有し、基端側に配置される第二のアンカーは前記突起に干渉する外径を有する縫合器。

請求項18

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能あると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、先端側に配置される第一のアンカーと基端側に配置される第二のアンカーを連結し、かつ破断可能な第一の接続部と、前記第二のアンカーと前記プッシャを連結し、かつ破断可能な第二の接続部と、を有する縫合器。

請求項19

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が斜めに設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、を有し、前記針は、鋭利な端部の傾斜方向に沿った径方向に2つの前記アンカーを並んで収容可能である縫合器。

請求項20

前記プッシャの先端部は、2つの前記アンカーのそれぞれを押圧可能で、かつ傾斜する鋭利な端部の基端側が突出している請求項19に記載の縫合器。

請求項21

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が斜めに設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、を有し、前記プッシャの先端部は、前記針の長さ方向に2つの前記アンカーの1つずつ収容可能な凹部を有し、先端側の前記凹部は前記開口部の開口方向に向けて形成され、基端側の前記凹部は、先端側の前記凹部の反対向きに形成されている縫合器。

請求項22

体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能で、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が設けられた針と、前記アンカーを前記針から押し出すプッシャと、を有し、前記針又はプッシャには、前記開口部から前記アンカーを1つずつ押し出させるために前記アンカーの少なくとも一方に係脱可能な押し出し制御部が設けられている縫合器。

請求項23

前記押し出し制御部は、前記針の内側に向けて形成した突起からなり、前記アンカーには前記突起に係脱可能な凹部を設けた請求項22に記載の縫合器。

請求項24

前記押し出し制御部は、前記針に装着され、前記針を貫通して内側に向けて突出する突起を有し、前記アンカーには前記突起に係脱可能な凹部を設けた請求項22に記載の縫合器。

請求項25

前記押し出し制御部は、前記アンカーに形成された凹部に係脱可能に付勢された突部を有する細長のバネからなる請求項22に記載の縫合器。

請求項26

前記針には前記アンカーが2つ収容され、一方の前記アンカーのみに前記凹部が形成されている請求項23から請求項25のいずれか一項に記載の縫合器。

請求項27

前記押し出し制御部は、前記針の長さ方向に圧縮されたときに径方向に拡径して前記アンカーとの係合を解消するスプリングである請求項22に記載の縫合器。

請求項28

前記押し出し制御部として、前記プッシャの先端部に設けられ、記第二のアンカーに係脱自在な中間部材を有し、前記針は基端側で前記中間部材と前記第二のアンカーが係合するように前記中間部材を付勢し、先端側では前記中間部材と前記第二のアンカーの係合が解除されるように前記中間部材の付勢を解除する側孔が設けられている請求項22に記載の縫合器。

請求項29

前記押し出し制御部として、前記プッシャの先端部に設けられ、記第二のアンカーに係脱自在な中間部材を有し、前記第二のアンカーと前記中間部材のいずれか一方を永久磁石で製造し、他方を磁性体で製造した請求項22に記載の縫合器。

請求項30

前記押し出し制御部として、前記プッシャに先端部に設けられ、基端側に収容されるアンカーの凹部に挿入されて係合し、前記凹部から引き出されたときに、前記アンカーの基端部を押圧可能に展開するフックを備える請求項22に記載の縫合器。

技術分野

0001

この発明は、内視鏡を用いた縫合器に関する。例えば、管腔器官の壁に形成された穿孔縫合する縫合器に関する。
本願は、2005年9月28日に出願された米国特許出願第11/238016号、米国特許出願第11/238017号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0002

患者体内処置を行う際には、外科手術によって患者の体を切開する場合と、経口内視鏡的な、又は経肛門内視鏡的な処置とがあげられる。外科手術で腹部の穿孔を縫合する方法は、特許文献1の図6a〜6cに示されている。この縫合方法では、針が穿孔付近組織穿刺され、針から縫合糸の付いたアンカーが押し出される。針を組織から抜いた後、穿孔を挟む2本の縫合糸を結ぶと穿孔が塞がれる。
内視鏡を用いた処置は、内視鏡のチャンネル鉗子高周波処置具切開具縫合具などを通して行う。例えば、口や肛門などの生体内の自然の開口を介して管腔内に挿入された内視鏡を用いて腹腔内で医療行為を行う場合、腹腔内から組織を切除あるいは切開して孔を形成し、この孔を介して管腔内から腹腔内にアプローチして医療行為を行う。医療行為を行った後、形成された孔は縫合具で縫合される。

0003

ここで、管腔器官内で縫合を行う方法は、例えば、特許文献2の図6から図9に示されている。この縫合方法では、組織がオーバーチューブ内に引き込まれ、この組織の手前側から先端側に向かって針が貫通させられる。針の内部からは、縫合糸の付いたアンカーが組織の先端側に押し出される。その後、針を引き抜くと、縫合糸が組織に貫通するので、この縫合糸で組織を締め付ける。また、特許文献3の図1図4図5A〜5Cに示す方法がある。この方法で、軟性内視鏡は、口経由又は肛門経由で穿孔の近傍に挿入される。穿孔の周囲の組織は、軟性内視鏡のチューブ吸引される。チューブ外側に装着されているOリングチューブ先端から押し出すと、吸引した組織がOリングでクランプされる。

0004

ここで、アンカーの打ち出しは、1つずつコントロールできることが好ましい。例えば、硬性内視鏡用処置具では、アンカーを押し出すプッシャストロークを一定量に制限するノッチ手元側の操作部に複数設けることが知られている(例えば、特許文献4)。

0005

米国特許第6066146号公報
日本国特開2004−601号公報
米国特許第5297536号公報
米国特許第5507754号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、軟性の内視鏡用処置具では、手元側の操作部にノッチを設けても、操作部とアンカーの間には長い軟性部分が存在するので、プッシャをノッチ1つ分前進させても同じ量だけアンカーを押圧できないことがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アンカーを1つずつ確実に押し出すことができる縫合器を提供することを主な目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の請求項1に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記アンカーが通過可能な側孔が設けられた針と、前記針内に収容された前記アンカーに遠位端が当接し、前記細長部材内を軸方向に移動可能に配設されたプッシャと、前記針又は前記プッシャに設けられ、前記プッシャで前記側孔の形成位置まで移動させられた前記アンカーの移動方向を前記針の長さ方向から前記側孔に向かう方向に変化させる押し出し制御部と、を有する縫合器とした。
この縫合器では、プッシャを前進させることで複数のアンカーを針の長さ方向で先端に向かって移動させる。押し出し制御部は、最初に側孔の形成位置まで移動してきた1番目のアンカーを側孔に向けて移動させ、このアンカーを側孔から押し出させる。2番目のアンカーは、1番目のアンカーが押し出された後に、形成位置まで移動してから押し出し制御部で側孔から押し出される。

0008

本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の縫合器において、前記押し出し制御部は、前記針内に設けられ、前記側孔に向けて突出する板バネである。
この縫合器では、側孔の形成位置まで移動してきたアンカーは、板バネに付勢されて側孔から押し出される。

0009

本発明の請求項3に係る発明は、請求項1に記載の縫合器において、前記押し出し制御部は、前記針に回動自在に取り付けられ、前記側孔に向けて起き上がり可能な起上フックである。
この縫合器では、アンカーが側孔の形成位置まで移動したら、起上フックを起き上がらせてアンカーを側孔から押し出す。

0010

本発明の請求項4に係る発明は、請求項1に記載の縫合器において、前記押し出し制御部は、前記プッシャの先端に前記側孔に向けて斜めに設けられ、基端側に収容される前記アンカーの基端部に当接する当接面であり、基端側に収容される前記アンカーの先端部にも前記側孔に向けて傾斜し、先端側に収容される前記アンカーの基端部に当接する面が形成されている。
この縫合器では、プッシャと基端側のアンカーの接触面が側孔に向けて斜めになっているので、基端側のアンカーが側孔の形成位置に達したときに、アンカーを押す力が側孔に向けて斜めに作用する。その結果、基端側のアンカーが側孔から押し出される。先端側のアンカーと基端側のアンカーの当接面も側孔に向けて傾斜しているので、プッシャの力が先端側のアンカーに斜めに伝達されて側孔から押し出される。

0011

本発明の請求項5に係る発明は、請求項1に記載の縫合器において、前記針は、前記鋭利な端部に開口部をさらに有し、前記押し出し制御部は先端側の第一のアンカーを前記側孔に向けて押圧するように突出する突起からなり、先端側の第一のアンカーは前記突起に案内されて前記側孔から押し出される外形を有し、基端側の第二のアンカーは、前記突起と干渉せずに前記開口部から押し出し可能な外形を有する。
この縫合器では、プッシャを前進させると第一のアンカーが突起によって側孔に向けて移動させられ、側孔から押し出される。これに対して、第二のアンカーは、突起と干渉せずに先端側の開口部から押し出される。

0012

本発明の請求項6に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能な針と、前記針の側部に前記針の長手方向に沿って設けられた側孔と、を有し、前記アンカーは長さ方向に直交する方向に圧縮することで、この方向の寸法が減少し、かつ長さ方向に伸張させた状態で前記針に収容される縫合器とした。
この縫合器は、アンカーを変形させた状態で針内に収容する。プッシャを前進させてアンカーを側孔の形成位置まで移動させると、アンカーが復元して側孔から放出される。

0013

本発明の請求項7に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能な針と、前記針の側部に前記針の長手方向に沿って設けられ、1つの前記アンカーの伸張した長さより短い開口長を有する側孔と、を有する縫合器とした。
この縫合器は、プッシャを前進させてアンカーを湾曲させる。針の長さ方向の沿うアンカーの長さが側孔から短くなると、側孔からアンカーが押し出される。

0014

本発明の請求項8に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に第一のアンカー及び第二のアンカーを収容可能な針と、先端側に収容される前記第一のアンカーを前記針から押し出す第一のプッシャと、前記第一のプッシャに対して進退自在に設けられ、前記第二のアンカーを前記針から押し出す第二のプッシャと、
を備える縫合器とした。
この縫合器は、第一のプッシャと第二のプッシャを順番に作動させることで、2つのアンカーが順番に針から押し出される。

0015

本発明の請求項9に係る発明は、請求項8に記載の縫合器において、前記第一のプッシャに前記第二のアンカーを配置する収容部が設けられ、前記第一のプッシャの内部に前記第二のプッシャが進退自在に通されている。
この縫合器は、第一のプッシャは、第二のプッシャを収容しつつ第一のアンカーを押し出す。その後、第一のプッシャに対して第二のプッシャを前進させると、第二のプッシャが第一プッシャ及び針から押し出される。

0016

本発明の請求項10に係る発明は、請求項8に記載の縫合器において、前記第一のプッシャは、前記第二のプッシャに通されており、前記第二のアンカーに形成された貫通孔を通して前記第一のアンカーを押し出す。
この縫合器は、第二プッシャに対して第一のプッシャを前進させると、第一のプッシャは、第二のアンカーを貫通して第一のアンカーを針から押し出す。第二のプッシャは、第二のアンカーを前進させることで押し出せる。

0017

本発明の請求項11に係る発明は、請求項10に記載の縫合器において、前記第二のプッシャは、前記針の長さ方向に押し引き可能に通され、前記第一のプッシャの基端部は、前記第二のプッシャに対してネジ込み可能に係合している。
この縫合器は、第一のプッシャを第二のプッシャにネジ込んで、第一のアンカーを押し出す。第二のアンカーは、第二のプッシャを押し込んで針から押し出す。2つのプッシャを押し出すときの操作方法を異ならせることで、アンカーを1つずつ確実に押し出せる。

0018

本発明の請求項12に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、前記針の前記開口部から延設され、前記アンカーに取り付けられた縫合糸が通されると共に、前記針の前記開口部から前記アンカーを1つずつ押し出し可能な形状に形成された側孔と、を有する縫合器とした。
この縫合器は、アンカーを1つずつ押し出すための押し出し制御部としての側孔を有する。側孔の形状によってアンカーの押し出しがコントロールされる。

0019

本発明の請求項13に係る発明は、請求項12に記載の縫合器において、前記側孔は、先端側に収容される第一のアンカーから延びる前記縫合糸を通す部分が、基端側に収容される第二のアンカーから延びる前記縫合糸を通す部分に対して前記針の周方向にずれるように屈曲した形状を有し、前記プッシャは前記第二のアンカーに周方向に係合する先端部を有する。
この縫合器は、側孔が屈曲形状を有するので、第二のアンカーを押し出すには、周方向に回転させる必要がある。このため、複数のアンカーが同時に押し出されることはない。

0020

本発明の請求項14に係る発明は、請求項12に記載の縫合器において、前記側孔は、先端側に配置される第一のアンカーから延びる前記縫合糸を通す部分が、基端側に配置される第二のアンカーから延びる前記縫合糸を通す部分に対して前記針の周方向にずれるように湾曲した形状を有する。
この縫合器は、側孔の湾曲した形状に沿って第二のアンカーを押し出すので、第二のアンカーの押し出しに必要な力が、第一のアンカーの押し出しに必要な力より大きくなる。このため、複数のアンカーが同時に押し出されることはない。

0021

本発明の請求項15に係る発明は、請求項12に記載の縫合器において、前記側孔には、部分的に開口幅を狭めた狭窄部が形成されている。
この縫合器は、狭窄部が抵抗になるので、複数のアンカーが同時に押し出されることはない。

0022

本発明の請求項16に係る発明は、請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の縫合器において、前記アンカーは、前記側孔に挿入される突起を有する。
この縫合器は、アンカーの突起を側孔の形状に合わせて先端側に導くことで、複数のアンカーが同時に押し出されることを防止する。

0023

本発明の請求項17に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、を有し、前記針には、内径を減少させる突起が形成されると共にバネ性を持たせて製造されており、先端側に配置される第一のアンカーは前記突起を通過可能な外径を有し、基端側に配置される第二のアンカーは前記突起に干渉する外径を有する縫合器とした。
この縫合器は、プッシャを前進させると、第一のアンカーは突起を通過してスムーズに押し出されるが、第二のアンカーは突起に干渉して止まる。第二のアンカーを押し出すためには、さらに大きな力を加える必要があるので、複数のアンカーが同時に押し出されることがなくなる。

0024

本発明の請求項18に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能あると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、先端側に配置される第一のアンカーと基端側に配置される第二のアンカーを連結し、かつ破断可能な第一の接続部と、前記第二のアンカーと前記プッシャを連結し、かつ破断可能な第二の接続部と、を有する縫合器とした。
この縫合器は、第一、第二のアンカーがプッシャに連結されている。第一のアンカーを留置するときは、第一の接続部を破断させる。第二のアンカーを留置するときは、第一のアンカーを留置した後に第二の接続部を破断させる。

0025

本発明の請求項19に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が斜めに設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、を有し、前記針は、鋭利な端部の傾斜方向に沿った径方向に2つの前記アンカーを並んで収容可能である縫合器とした。
この縫合器では、傾斜する開口部の基端側のアンカーが最初に針から突出するので、このアンカーを先に留置することができる。傾斜する開口部の先端側のアンカーは、開口部が傾斜に応じて遅れて針から突出する。このため、2つのアンカーが同時に針から押し出されることはない。

0026

本発明の請求項20に係る発明は、請求項19に記載の縫合器において、前記プッシャの先端部は、2つの前記アンカーのそれぞれを押圧可能で、かつ傾斜する鋭利な端部の基端側が突出している。
この縫合器では、プッシャが、傾斜する鋭利な端部の基端側を突出させることで、この位置に配置されているアンカーを他のアンカーより早く押し出すことができる。

0027

本発明の請求項21に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能であると共に、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が斜めに設けられた針と、前記アンカーを前記開口部を通して前記針から押し出すプッシャと、を有し、前記プッシャの先端部は、前記針の長さ方向に2つの前記アンカーの1つずつ収容可能な凹部を有し、先端側の前記凹部は前記開口部の開口方向に向けて形成され、基端側の前記凹部は、先端側の前記凹部の反対向きに形成されている縫合器とした。
この縫合器は、先端側の凹部に配置されているアンカーが先に針から押し出される。このとき、基端側のアンカーは、プッシャの基端側の凹部と針に挟まれているので、針から押し出されない。

0028

本発明の請求項22に係る発明は、体内に挿入され、組織に係止される細長のアンカーを放出する縫合器であって、手元側の近位端から組織に導入される遠位端まで延び、可撓性を有する細長部材と、前記細長部材の遠位端に設けられ、先端に組織を穿通可能な鋭利な端部を有し、内部に前記アンカーを複数収容可能で、前記鋭利な端部に前記アンカーを押し出し可能な開口部が設けられた針と、前記アンカーを前記針から押し出すプッシャと、を有し、前記針又はプッシャには、前記開口部から前記アンカーを1つずつ押し出させるために前記アンカーの少なくとも一方に係脱可能な押し出し制御部が設けられている縫合器とした。
この縫合器は、アンカーと押し出し制御部を係脱させることで、複数のアンカーが同時に押し出されないようにする。

0029

本発明の請求項23に係る発明は、請求項22に記載の縫合器において、前記押し出し制御部は、前記針の内側に向けて形成した突起からなり、前記アンカーには前記突起に係脱可能な凹部を設けた。
この縫合器は、凹部を有するアンカーを押し出すときは、プッシャを押し込んで、凹部と突起を係脱させる。

0030

本発明の請求項24に係る発明は、請求項22に記載の縫合器において、前記押し出し制御部は、前記針に装着され、前記針を貫通して内側に向けて突出する突起を有し、前記アンカーには前記突起に係脱可能な凹部を設けた。
この縫合器は、押し出し制御部を針に装着すると、押し出し制御部の突起がアンカーの凹部に係脱可能に配置される。

0031

本発明の請求項25に係る発明は、請求項22に記載の縫合器において、前記押し出し制御部は、前記アンカーに形成された凹部に係脱可能に付勢された突部を有する細長のバネからなる。
この縫合器は、凹部を有するアンカーを押し出すときは、プッシャを押し込んで、押し出し制御部を変形させて凹部と突部を係脱させる。

0032

本発明の請求項26に係る発明は、請求項23から請求項25のいずれか一項に記載の縫合器において、前記針には前記アンカーが2つ収容され、一方の前記アンカーのみに前記凹部が形成されている。
この縫合器は、押し出し制御部に係合するアンカーと、押し出し制御部に係合しないアンカーとがあるので、これらのアンカーを押し出すときに操作感が異なってアンカーを1つずつ押し出し易くなる。

0033

本発明の請求項27に係る発明は、請求項22に記載の縫合器において、前記押し出し制御部は、前記針の長さ方向に圧縮されたときに径方向に拡径して前記アンカーとの係合を解消するスプリングである。
この縫合器は、スプリングがストッパになってアンカーの突出が防止される。スプリングが係止しているアンカーを押し出すときは、スプリングを圧縮する。スプリングの径が広がって、スプリングとアンカーの係合が解除されるので、アンカーを押せば針から突出させることができる。

0034

本発明の請求項28に係る発明は、請求項22に記載の縫合器において、前記押し出し制御部として、前記プッシャの先端部に設けられ、記第二のアンカーに係脱自在な中間部材を有し、前記針は基端側で前記中間部材と前記第二のアンカーが係合するように前記中間部材を付勢し、先端側では前記中間部材と前記第二のアンカーの係合が解除されるように前記中間部材の付勢を解除する側孔が設けられている。
この縫合器は、第一のアンカーを押し出すときは、中間部材と共に第二のアンカーも前進するが、中間部材と第二のアンカーは係合しているので、2つのアンカーが同時に押し出されることはない。

0035

本発明の請求項29に係る発明は、請求項22に記載の縫合器において、前記押し出し制御部として、前記プッシャの先端部に設けられ、記第二のアンカーに係脱自在な中間部材を有し、前記第二のアンカーと前記中間部材のいずれか一方を永久磁石で製造し、他方を磁性体で製造した。
この縫合器では、第二のアンカーを押し出すためには、永久磁石と磁性体の間の吸引力に打ち勝つ力を与える必要があるので、2つのアンカーが同時に押し出されることを防止できる。

0036

本発明の請求項30に係る発明は、請求項22に記載の縫合器において、前記押し出し制御部として、前記プッシャに先端部に設けられ、基端側に収容されるアンカーの凹部に挿入されて係合し、前記凹部から引き出されたときに、前記アンカーの基端部を押圧可能に展開するフックを備える。
この縫合器は、フックを基端側のプッシャの凹部に挿入した状態で先端側のアンカーを押し出す。基端側のアンカーは、フックと凹部の係合を解除してから押し出す。

発明の効果

0037

本発明に係る配置や構造を針の先端側又はプッシャに設けることで、手元側でプッシャを操作したときに、針内に収容した複数のアンカーを所定の順番で1つずつ確実に押し出すことが可能になる。手元側における微妙な操作が不要になるので、手技が容易になり、手技の効率が向上する。

図面の簡単な説明

0038

内視鏡及び縫合器の概略構成を示す図である。
縫合器及び内視鏡の先端部分の断面図である。
縫合器及び内視鏡の先端部分の斜視図である。
縫合具の構成を示す図である。
図2のA−A線に沿った断面図である。
患者のに内視鏡を挿入し、胃内から切開予定位置を観察するステップを示す図である。
穿孔を通って腹腔で処置を行うステップを示す図である。
針を刺入する位置を示す図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
針を穿通した後に第一のアンカーを押し出した図である。
縫合具を装着した図である。
縫合具を締め付ける鉗子を示す図である。
鉗子の外シースで縫合具を締め付けるステップを示す図である。
縫合具を装着した図である。
縫合具を締め付けた図である。
縫合具を締め付けた図である。
針を穿孔の内周面に斜めに刺入するステップを示す図である。
針を貫通した後にアンカーを押し出した図である。
縫合具を装着した図である。
穿孔の周囲で、胃の内部側の粘膜を切除した図である。
粘膜を切除して露出した面に針を刺入するステップを示す図である。
縫合具を装着した図である。
縫合具を締め付けた図である。
粘膜を切除した周囲を局注して膨隆させた面に針を刺入するステップを示す図である。
縫合具を装着した図である。
縫合具を締め付けた図である。
胃の粘膜を切除した図である。
縫合器、把持鉗子及び内視鏡先端部分の斜視図である。
粘膜を切除した周囲を把持鉗子で挙上するステップを示す図である。
挙上した粘膜に針を刺入するステップを示す図である。
縫合具を締め付けた図である。
粘膜を挙上させ、アンカーを留置する形態を種々示す図である。
粘膜を挙上させ、アンカーを留置する形態を種々示す図である。
粘膜を挙上させ、アンカーを留置する形態を種々示す図である。
湾曲したアンカーを収容した縫合器の先端部分の断面図である。
第一のアンカーを針から押し出す動作を説明する図である。
針の内部に板バネを有する縫合器の先端部分の断面図である。
第一のアンカーを針から押し出す動作を説明する図である。
針の内部に起上フックを有する縫合器の先端部分の断面図である。
2つのアンカーを押し出す経路が異なる針を備える縫合器の先端部の断面図である。
図40のB−B線に沿った断面図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
アンカーが永久磁石である場合の縫合器の先端部分の断面図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
径の異なる2つのアンカーとそれぞれに対応したプッシャを有する縫合器の先端部分の断面図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
平行に2つのアンカーを収容する縫合器の先端部分の斜視図である。
平行に2つのアンカーを収容する縫合器の他の形態の先端部分の斜視図である。
第二のアンカーを貫通して第一のアンカーを押し出し可能なプッシャを備える縫合器の構成を示す断面図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
2つのアンカーがプッシャに連結された縫合器の先端部分の断面図である。
図54のC−C線に沿った断面図である。
第一のアンカーを押し出し、第二のアンカーから分離させる動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出し、プッシャから分離させる動作を説明する図である。
針にアンカーの経路を狭める突起を有する縫合器の先端部分を示す図である。
針にアンカーの経路を狭める突起を有する縫合器の先端部分の断面図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
クランク状の側孔を有する縫合器の先端部分の斜視図である。
第二のアンカーとプッシャの連結構造を説明する図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出すために回転させる動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
長さの異なる2つのアンカーを収容する縫合器の先端部分の断面図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
アンカーを収容する凹部を異なる向きに2つ有するプッシャを示す図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
針にアンカーに係合可能な突起を有する縫合器の先端部分の斜視図である。
図73のC−C線に沿った断面図である。
図73に示す縫合器の先端部分の断面図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
第二のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
突起の代わりにリングを装着する形態を説明する図である。
リングを装着したときの断面図である。
突起の代わりに線バネを取り付けた形態を説明する図である。
針の側孔の狭窄部を有する縫合器の先端部分を示す図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
側孔がカム状に形成されている縫合器の先端部分を示す図である。
アンカーを保持するスプリングを有する縫合器の先端部分の断面図である。
第一のアンカーを押し出す動作を説明する図である。
第一のアンカーを押し出したときに第二のアンカーがスプリングに係止された図である。
第二のアンカーを収容する収容部を備える縫合器の先端部分の斜視図である。
第二のアンカーと収容部を示す斜視図である。
図88のE−E線に沿った断面図である。
図88のF−F線に沿った断面図である。
第二のアンカーと係合するフックをプッシャに設けた縫合器の先端部分の一部を断面にして示す図である。
図91の状態からプッシャを引いてフックを第二のアンカーから外した図である。
胃の外部側を観察するステップを示す概略図である。
縫合器の針で組織を穿刺するステップを示す概略図である。
針からアンカーを胃の内部側に押し出すステップを示す概略図である。
アンカーを2つとも胃の外部側に留置した概略図である。
縫合具で穿孔を締め付けるステップを示す概略図である。
患者の胃に内視鏡を挿入し、胃内から切開予定位置を観察するステップを示す図である。
縫合位置に針を穿刺するステップを示す図である。
針を穿刺してアンカーを腹腔側に押し出すステップを示す図である。
2つの縫合具を装着した図である。
2つの縫合器を2つのチャンネルにそれぞれと通した形態を示す図である。
切開予定位置を切開するステップを示す図である。
穿孔から腹腔に内視鏡挿入部を挿入して処置するステップを示す図である。
縫合具を締め付けるために鉗子を内視鏡に通した図である。
鉗子で縫合具の縫合糸を掴んだ図である。
鉗子の外シースで縫合具を締め付けた図である。
2つの縫合具を締め付けて穿孔を縫合した図である。
多数の縫合具の締め付け順番を説明するための図である。
内視鏡に合わせて穿孔を絞るステップを説明する図である。
内視鏡に合わせて穿孔を絞るステップを説明する図である。
オーバーチューブに合わせて穿孔を絞るステップを説明する図である。
オーバーチューブに合わせて穿孔を絞るステップを説明する図である。
管腔の壁を縫い縮め、管腔径を小さくする方法を説明するための図である。
図114のG−Gに沿った断面で管腔の壁を縫い縮めて管腔径が小さくなる過程を説明する図である。

符号の説明

0039

11,101,101A,101B,101C,101D,131,131A,131B,141,151,161,171,181,201,211,231,241縫合器
13内シース(細長部材)
14,115,132,140,145,152,162,172,182,203,212,232,242 針
15,104,137,154,164,174,184,204,252側孔
16縫合具
20,134,135,142A,142B,144,145,148A,148Bプッシャ
21 先端部(押し出し制御部)
25縫合糸
27,103,120,133,156A,156B,165A,165B,175,185A,185B,206A,206B,216A,216B,237A,237B,244A,244B,244Cアンカー
116,153,163,173,183,203,213,234,243 開口部
32A,33A,33B 斜面
106板バネ(押し出し制御部)
110 起上フック(押し出し制御部)
117突起(押し出し制御部)
141A,141B,146A,146Bルーメン
176 凹部
177係合部
209A 突起部(押し出し制御部)
210A 係合部(押し出し制御部)
215狭窄部(押し出し制御部)
239スプリング(押し出し制御部)
245 収容部(押し出し制御部)
261 凹部
262 フック(押し出し制御部)

発明を実施するための最良の形態

0040

次に、この発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の各実施形態の説明において、同一部分には同一符号を付してある。また、重複する説明は省略する。

0041

〔第1の実施形態〕
図1に本実施形態に使用される内視鏡及び縫合器を示す。内視鏡1(軟性内視鏡)は、術者が操作をする内視鏡操作部2を有する。内視鏡操作部2は、ユニバーサルケーブル3で制御装置に接続されており、各種のスイッチ4や、アングルノブ5が設けられている。内視鏡操作部2の先端は、可撓性で長尺の内視鏡挿入部6が延設されている。内視鏡挿入部6の先端には、体内の映像を取得する観察装置7及び照明装置8と、チャンネル9の先端開口などが設けられている。観察装置7には、CCD(Charge Coupled Device)を有する撮像装置や、光ファイバーなどが用いられる。照明装置8は、光源の光を導く光ファイバーを有する。チャンネル9は、内視鏡挿入部6を通って内視鏡操作部2の側部2aに開口する。側部2aの開口には、蓋10が装着されている。蓋10には、挿入孔が形成されており、この挿入孔から縫合器11などの処置具がチャンネル9内に挿入される。つまり、内視鏡1やチャンネル9は、縫合器11などの処置具を生体の自然の開口から管腔内に挿入するツールとして使用される。

0042

図1から図3に示すように、縫合器11は、可撓性の外シース12の内側に可撓性の内シース13が進退自在に通されている。内シース13(細長部材)の先端(手元側からみて遠位端)には、中空の針14が固定されている。針14は、先端が鋭利な端部であると共に閉塞されている。針14の内部には、縫合具16のアンカー27が2つ収容される。外シース12及び内シース13のそれぞれの長さは、内視鏡1のチャンネル9よりも長い。内シース13の基端(手元側からみて近位端)には、操作部17が取り付けられている。操作部17は、操作部本体18に対してスライド自在なハンドル19を有する。ハンドル19には、プッシャ20の基端(近位端)が固定されている。プッシャ20は、内シース13の内側を通って、針14内まで延びる。プッシャ20の遠位側の先端部21は、縫合具16に付き当てられている。

0043

図4に示すように、縫合具16は、縫合糸25を有する。縫合糸25は、略2つ折りにして、折り返し点の近傍に結び目31が形成されている。さらに、縫合糸25は、両端部を束ねた状態で、略三角形状のストッパ26に通されている。縫合糸25のそれぞれの端部には、アンカー27が一つずつ固定されている。アンカー27は、円柱形の細長形状を有し、縫合糸25がアンカー27の長手方向の略中央に固定される。これらアンカー27は、一方の端部に斜面32Aが形成された第一のアンカー27Aと、両方の端部に斜面33A,33Bが形成された第二のアンカー27Bとからなる。第二のアンカー27Bの両端の斜面33A,33Bには、2つの斜面が略平行になるように形成されている。ストッパ26は、細長の板部材の長手方向の中央に縫合糸25を通す孔28を有する。ストッパ26の長手方向の両端部29は、斜めに折り返されて縫合糸25を挟み込んでいる。ストッパ26の長手方向の両端部29は、三角形状の切片30にカットされている。ストッパ26は、切片30が交差するように両端部29が斜めに折り返されて縫合糸25を挟み込んでいる。このため、縫合糸25が端部29の間から抜け落ちない。縫合糸25の結び目31がストッパ26から離れる方向に引っ張られると、ストッパ26の両端部29が僅かに開く。したがって、ストッパ26は、この方向への縫合糸25の移動を許容する。一方、縫合糸25のアンカー27側の端部を引っ張ると、縫合糸25は図4に矢印で示す方向に移動しようとする。しかしながら、このとき、ストッパ26の両端部29が閉じて縫合糸25を締め付けるので、縫合糸25は移動しない。

0044

図3に示すように、縫合具16は、2つのアンカー27が先端側から第一のアンカー27A、第二のアンカー27Bの順番に針14の内孔に順番に収容される。針14の側部には、アンカー27を放出するための側孔15が設けられている。側孔15は、針14の先端側に設けられ、針14の長さ方向に延びている。その長さは、アンカー27の長さに略等しい。図5に示すように、側孔15の長さ方向に直交する幅L1は、アンカー27の径Wより小さい。図2及び図3に示すように、側孔15の基端側からは、幅を減少させた側孔35がさらに延設されている。側孔35には、第二のアンカー27Bの縫合糸25が通される。第一のアンカー27Aの斜面32Aは、側孔15の位置と反対側に向けられる。第二のアンカー27Bは、一方の端部の斜面33Aが第一のアンカー27Aの斜面32Aに向かい合うように、つまり側孔15に向けて配置される。このとき、第二のアンカー27Bの他方の端部の斜面33Bは、側孔35の反対側に向けられる。プッシャ20の先端部21は、この向きの斜面33Bに向き合って当接するように傾斜した押し出し制御部である。
図2に示すように、ストッパ26は、外シース12内の針14よりも先端に収容される。なお、アンカー27の数や、ストッパ26の形状は、図示した形態に限定されない。

0045

次に、この実施形態の縫合方法について図6から図13を主に参照して説明する。なお、図6から図13は、手技を説明する模式図であり、管腔器官の一例として胃が示されている。
図6に示すように、マウスピース40を装着した患者41の口から内視鏡挿入部6を挿入し、アングルノブ5で内視鏡挿入部6の先端を湾曲させる。内視鏡挿入部6のチャンネル9に高周波切除具である針状ナイフを通して、胃43の壁部に穿孔を形成する。図7に示すように、内視鏡挿入部6は、穿孔42を通って腹腔44に導かれる。チャンネル9に鉗子54を通し、鉗子54で腹腔44の処置を行う。

0046

処置が終了したら、鉗子54の代わりに縫合器11をチャンネル9に通す。内視鏡挿入部6の先端部を湾曲させ、胃43の外部側(腹腔44側)からチャンネル9の先端開口を穿孔42の周辺の壁部45に向け、縫合器11の針14を外シース12から突出させる。ストッパ26が腹腔44側に落ちる。第一のアンカー27Aは、針14の側孔15の開口幅が狭いので、この段階で針14から脱落することはない。図8に示すように、針14は、穿孔42の開口周縁から所定の距離の刺入点46に刺入される。針14が胃43の壁部45を筋層47、粘膜48の順番に貫通したら、プッシャ20(図2参照)を前進させる。

0047

プッシャ20の先端部21の傾斜部分が第二のアンカー27Bの斜面33Bを押す。第二のアンカー27Bが前進して斜面32A,33Bで面接触している第一のアンカー27Aを針14の先端に向かって押す。ここで、アンカー27A,27B同士の接触面は、針14の長さ方向に交差する方向で、かつ側孔15側に向かって傾斜している。さらに、針14の先端部は、閉塞されている。したがって、図9に示すように、第一のアンカー27Aの移動方向は、針14の長さ方向から側孔15に向かう方向になる。第一のアンカー27Aは、図5に矢印で示す方向に側孔15の開口部分を押し広げながら針14から放出される。第一のアンカー27Aが放出されることで、空いたスペースに第二のアンカー27Bが移動する。だだし、第一のアンカー27Aを放出した後は側孔15の開口幅が元の大きさに戻っているので、第二のアンカー27Bが針14から脱落することはない。
図10に示すように、第一のアンカー27Aを押し出したら、針14を壁部45から引き抜く。第一のアンカー27が胃43の内部に留置され、縫合糸25が壁部45を貫通して、胃43の外部側に引き出される。

0048

同様にして、穿孔42を挟んで刺入点と対称な位置を刺入点49(図8参照)とし、この刺入点49に針14を再び刺入する。針14が壁部45を貫通したら、第二のアンカー27Bをプッシャ20で針14から押し出す。プッシャ20と第二のアンカー27Bの接触面が側孔15に向けて傾斜しているので、第二のアンカー27Bは針14の閉塞された端部に当接した後に側孔15に向けて移動し、側孔15の開口幅を押し広げながら針14外に放出される。
この後、針14を引き抜くと、図11に示すように、縫合具16が穿孔42の周辺に装着される。

0049

次に、図12に示すように、内視鏡挿入部6を胃43の内部側に引き戻し、縫合具16を鉗子60で締め付ける。鉗子60は、アンカー27よりも外径の大きい外シース61に内シース62が進退自在に通されている。内シース62の先端には、支持部材63に一対の把持片64が開閉自在に支持されている。この把持片64は、縫合具16の縫合糸25の結び目31を把持する。外シース61を前進させると、外シース61の先端がストッパ26に突き当たる。図13に示すように、外シース61がさらに前進すると、ストッパ26が壁部45に向かって押し込まれる。ストッパ26は、この方向には移動可能に構成されているので、壁部45に向かってストッパ26が移動する。一対の把持片64の位置は変わらないので、ストッパ26は、縫合糸25に対して相対的に前進する。その結果、ストッパ26とアンカー27との間の距離が縮まって、縫合糸25が絞られる。

0050

穿孔42の縫合が終了したら、外シース61を後退させてから把持片64を開く。把持片64から縫合糸25が離れる。ストッパ26の端部は、縫合糸25で組織を締め付ける方向には移動可能だが、縫合糸25を緩める方向には縫合糸25を締め付けるように働く。したがって、胃43内に縫合具16を留置したときに、縫合糸25は、弛まずに縫合した状態を維持する。

0051

この実施形態では、内視鏡1及び作業用のチャンネル9を針14を通すツールとして用いて、生体の自然の開口から挿入した針14を腹腔44側から壁部45に刺入し、この刺入点46,49が略位置するように縫合糸25を締め付けたので、筋層47同士を密着させることが可能になる。実施形態では筋層47同士をより確実に密着させて穿孔42を密閉できる。それゆえ、癒着の進行が早く、治癒が早い。

0052

この実施形態の変形例を図14から図16に示す。図14に示すように、針14は、刺入点46,49から筋層47を貫通し、筋層47と粘膜48との間にアンカー27を留置させる。縫合糸25は、筋層47のみを通って壁部45に装着される。図15に示すように、縫合糸25を締め付けると、刺入点46,49同士が近接して、組織が胃43の内部側に巻き込まれ、筋層47の外面同士が密着する。図16に示すように、刺入点46,49同士を略一致させると、穿孔42が閉じられる。アンカー27は、筋層47と粘膜48の間に留置されているので、縫合糸25を挿通させるために壁部45に形成された孔を通って胃43内から腹腔44にリークすることが防止される。また、アンカー27が胃43の内部側に露出しないので、アンカー27が胃液などから保護される。更に、アンカー27が胃43の内部側に露出しないので、アンカー27を略無菌状態で維持できる。この場合、治癒が促進される。

0053

〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素や、作用の説明は省略する。
図17に示すように、内視鏡挿入部6のチャンネルに縫合器11を通す。針14は、穿孔42の内周面に露出する筋層47の所定の刺入点71に斜めに刺入される。図18に示すように、刺入点71から刺入された針14が筋層を斜めに貫通し、針14の先端部が腹腔44側に露出したら、1つ目のアンカー27を腹腔44側に押し出す。針14を引き抜いて、図17に示す穿孔42の反対側の内周面に露出する筋層47の所定の刺入点72に斜めに刺入する。刺入点71と、刺入点72とは、壁部45の厚さ方向で略等しい位置であることが好ましい。針14が筋層47を穿孔42の内周面から腹腔44側に斜めに貫通したら、2つ目のアンカー27を腹腔44側に押し出す。その後、針14が壁部45から引き抜かれると、図19に示すように、2つ目のアンカー27が1つ目のアンカー27と同様に腹腔44側に留置される。縫合糸25は、筋層47を斜めに貫通した後に、穿孔42の内側を通って胃43に引き込まれている。

0054

この実施形態では、穿孔42の内周に露出する筋層47に斜めに針14を刺入し、アンカー27を腹腔44側に留置した後に、縫合糸25で刺入点71,72が一致するように組織を締め付けたので、筋層47同士を確実に密着させることが可能になる。したがって、筋層47が確実に癒着し、穿孔42を速やかに塞ぐことができる。縫合糸25を貫通させる孔が粘膜に形成されない。

0055

〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素や、作用の説明は省略する。
図20に示すように、内視鏡挿入部6のチャンネル9に例えば、スネアなどの処置具80を通し、穿孔42の周囲の粘膜48を切除する。粘膜48を切除したら、縫合器11で縫合具16を装着する。図21に示すように、針14は、粘膜48の切除によって露出した筋層47の内面47aの所定位置(刺入点81)に刺入される。針14が筋層47を貫通して腹腔44側に突出したら、アンカー27が押し出される。針14が筋層47から引き抜かれると、縫合糸25が筋層47を貫通し、アンカー27が腹腔44側に留置される。同様にして、穿孔42を挟んで略対称な位置に針14が再び刺入される。このときの刺入点82は、粘膜48が切除された筋層47の内面47aが露出した場所に設定される。針14で筋層47を内面側(胃43の内部側)から外面側(胃43の外部側)に向けて貫通し、2つ目のアンカー27を押し出す。図22に示すように、針14を抜くと、縫合具16は穿孔42を跨ぐように装着される。

0056

この縫合具16は、第2の実施形態と同様にして締め付けられる。縫合糸25を引っ張られることで、穿孔42の内周面が引き寄せられて密着する。縫合糸25は、刺入点81,82同士が略一致するまで引っ張られる。このとき、胃43の内部側で筋層47の端部47b同士が最初に突き当てられ、ここを起点にして内面47a同士が引き寄せられる。図23に示すように、穿孔42の内周面が胃43の外部側に向かうように組織が押し出され、粘膜48の切除によって露出した筋層47の内面47a同士が密着する。

0057

〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素や、作用の説明は省略する。
図24に示すように、内視鏡挿入部6のチャンネル9に例えば、スネアなどの処置具を通し、穿孔42の周囲の粘膜48を切除する。粘膜48を切除したら、縫合器11で縫合具16を装着する。針14は、粘膜に局注することで膨隆させた部分に刺入される。針14を粘膜内に刺入したら、アンカー27が押し出される。針14が粘膜から引き抜かれると、縫合糸25が粘膜を貫通し、アンカー27が腹腔44側に留置される。同様にして、穿孔42を挟んで略対称な位置に針14が再び刺入される。このときの刺入点は、局注によって膨隆された部分になる。針14で粘膜を貫通し、2つ目のアンカー27を押し出す。図25に示すように、針14を抜くと、縫合具16は穿孔42を跨ぐように装着される。

0058

この縫合具16は、第2の実施形態と同様にして締め付けられる。縫合糸25を引っ張られることで、図26に示すように穿孔42の内周面が引き寄せられて密着する。

0059

〔第5の実施形態〕
本発明の第5の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素や、作用の説明は省略する。
図27に示すように、内視鏡挿入部6のチャンネル9に例えば、スネアなどの処置具80を通し、粘膜48を切除する。粘膜48を切除したら、縫合器11で縫合具16を装着する。また、図28に示すように、別のチャンネル9には、把持鉗子80Aを通す。図29に示すように、把持鉗子80Aで切除した粘膜48の端をつかむ図30に示すように、把持鉗子80Aで挙上された粘膜48を通して針14を貫通したら、第一のアンカー27Aが押し出される。針14が粘膜から引き抜かれると、縫合糸25が粘膜を貫通し、アンカー27が腹腔44側に留置される。同様にして、粘膜切除面47cを挟んで略対称な位置に針14が再び刺入される。針14で粘膜を貫通し、第二のアンカー27Bを押し出す。針14を抜くと、縫合具16は粘膜切除面47cを覆うように装着される。
この縫合具16は、第2の実施形態と同様にして締め付けられる。縫合糸25を引っ張られることで、図31に示すように粘膜切除面47cの周囲の粘膜が引き寄せられて密着する。
ここで、アンカー27の留置形態及び粘膜への刺入方法は、図32図34に示すように種々の変更が可能である。また、刺入方向も限定されない。なお、図32は、穿孔の内側から外側に針14を刺入して外側にアンカー27を留置したものである。図33は、内側で膨隆させた組織の針14を刺入して内側にアンカー27を留置したものである。図34は、一方のアンカー27を外側から内側に通して留置し、他方のアンカー27を内側から外側に通して留置するものである。

0060

〔第6の実施形態〕
図35に示すように、縫合器101の針14は、細長部材となる内シース13の先端に設けられている(以下の実施の形態においても特に断らない限り同様とする)。針14は、鋭利な先端部が閉塞された中空形を有し、内部に縫合具16の2つのアンカー103が長さ方向に並んで収容されている。各アンカー103は、中央部に縫合糸25の端部がそれぞれ通されている。アンカー103は、中央部から長さ方向の両方の端部にかけて滑らかに湾曲しており、側孔15に向かって凸となるアーチ形になっている。アンカー103は、弾性変形可能な材料から製造されており、針14の内孔に収入されるときには扁平方向に付勢される。針14内でアンカー103は、長さ方向に直交する方向(上下方向)に圧縮することで、この方向の寸法が減少し、かつ長さ方向に伸張している。針14の内孔の径は、外力が作用せずに復元したとき(自然状態)のアンカー103の端部から中央部までの高さより小さい。なお、アンカー103は、円柱形の部材をアーチ状に湾曲させても良いし、板部材をアーチ状に湾曲させても良い。

0061

針14の先端側の側部には、内孔に連通する側孔104が形成されている。側孔104は、針14の長さ方向に延びており、その長さは針14内で扁平方向に付勢されたアンカー103の長さより短い。側孔104の長さ方向に直交する開口幅は、アンカー103の幅より大きいことが好ましいが、針14を弾性的に変形させて開口幅を広げる場合にはアンカー103の幅以下でも良い。

0062

針14から第一のアンカー103Aを押し出すときは、プッシャ20で第二のアンカー103Bを先端に押し込む。第一のアンカー103Aが側孔104の形成位置、つまり側孔104の真下まで移動すると、第一のアンカー103Aの扁平方向への付勢が解放され、自然状態に復元するので、図36に示すようにアンカー端部から中央部までの高さが針14の内径を越え、かつ第一のアンカー103Aの長さが側孔104の長さ以下になるため、側孔104を通って針14から放出される。
また、より確実に第一のアンカー103Aを針14から押し出したいときは、プッシャ20で第二のアンカー103Bをさらに先端側に押し込む。第二のアンカー103Bに押された第一のアンカー103Aは、針14の先端部が閉塞されていることから、湾曲する。第1のアンカー103Aは、長さ方向に圧縮されることで、アンカー端部から中央部までの高さがさらに増し、第一のアンカー103Aが側孔104を通って針14から押し出される。

0063

この縫合器101では、アンカー103の弾性変形を利用して押し出しを制御するようにしたので、アンカー103を1つずつ確実に針14から押し出すことが可能になる。

0064

なお、この縫合器101では、アンカー103を側孔104の形成位置まで移動させたときに、アンカー103の弾性変形と、プッシャ20による押し曲げを利用してアンカー103を針14から放出しているが、アンカー103の弾性変形のみで針14から放出するようにしても良い。また、アンカー103の弾性変形を利用せずに、プッシャ20による押し曲のみを利用してアンカー103を針14から放出しても良い。第一のアンカー103Aが押し出されたときに空いたスペースには、第二のアンカー103Bが進入する。このときの第二のアンカー103Bは、側孔104より長いので、側孔104から脱落することはない。第二のアンカー103Bを押し出すときには、プッシャ20で押して第二のアンカー103Bを側孔104の方向に圧縮して側孔104の長さ以下にする。さらにプッシャ20を前進させると、第二のアンカー103Bが側孔104から押し出される。

0065

ここで、図37から図45に変形例を示す。
図37に示す縫合器101Aの針14は、針14内に先端側に押し出し制御部として板バネ106が側孔104の形成位置に合わせて設けられている。板バネ106は、先端側が側孔104に向けて突出するように傾斜して配置されている。縫合具16の2つのアンカー107は、円柱形の細長形状を有し、中央部から縫合糸25が延びている。初期状態で、2つのアンカー107は板バネ106より基端側に配置されている。図38に示すように、プッシャ20を前進させると、第二のアンカー107Bを介して第一のアンカー107Aが針14の先端側に移動させられる。第一のアンカー107Aは、板バネ106を押し潰しながら前進するが、第一のアンカー107Aが板バネ106に乗り上げると、板バネ106の復元力によって側孔104に向けて押され、側孔104から押し出される。復元した板バネ106は、第二のアンカー107Bの飛び出しを防止するように働く。第二のアンカー107Bを押し出すときは、同様にして板バネ106を押し潰しながら第二のアンカー107Bを乗り上げさせ、押し出させる。この縫合器101Aでは、押し出し制御部として板バネ106を針14に備えることで前記と同様の効果が得られる。

0066

図39に示す縫合器101Bは、針14の側孔104の形成位置の略反対側に起上フック110が設けられている。起上フック110は、針14に設けられた孔111に取り付けられたピン112に回動自在に支持されている。起上フック110の先端部は、針14の先端側に向けて配置されており、ここに操作ワイヤ113が取り付けられている。操作ワイヤ113は、針14内を通って手元側に引き出されている。第一のアンカー107Aを押し出すときは、プッシャ20で第二のアンカー107Bを先端に押して第一のアンカー107Aを側孔104の形成位置、つまり起上フック110の上まで移動させる。操作ワイヤ113を引いて起上フック110を側孔104に向けて起き上がらせると、第一のアンカー107Aが起上フック110に押されて針14から押し出される。第一のアンカー107Aを押し出したら、操作ワイヤ113を押して起上フック110を孔111内に収める。この状態では、第二のアンカー107Bが側孔104の形成位置に移動しても側孔104の方向に移動することはないので、第二のアンカー107Bが針14から押し出されることはない。この縫合器101Bでは、押し出し制御部として起上フック110を針14に備えることで前記と同様の効果が得られる。

0067

図40に示す縫合器101Cは、中空の針115を有する。針115は、先端に斜めに傾斜する開口部116を有する。開口部116の基端側の内周部分に、突起117が突設されている。図41に示すように、突起117の突出量は、針115の内孔115Aの半径より小さく、突起117の基端側は滑らかなカーブになっている。また、針115の側部で、突起117と反対側の位置には、側孔118が形成されている。側孔118の基端部には、縫合糸25を通す側孔119が連続して形成されている。
縫合具16の細長のアンカーは、針14の先端側に収容される第一のアンカー120Aと、基端側に収容される第二のアンカー120Bとを有する。第一のアンカー120Aの外径は、突起117によって減少させられた部分より大きいが、側孔118から抜け出し可能である。第二のアンカー120Bは、突起117を通過可能にカットした逃げ面121を有する。第二のアンカー120Bの長さは、側孔118より長いことが好ましい。

0068

第一のアンカー120Aを押し出すときは、プッシャ20を前進させる。第二のアンカー120Bを介して第一のアンカー120Aが先端に向けて押される。図42に示すように、突起117のカーブに案内されて側孔118から押し出される。この状態では、第二のアンカー120Bは、側孔118から外側に出ることはない。第二のアンカー120Bを押し出すときは、プッシャ20をさらに前進させる。図43に示すように、第二のアンカー120Bは、逃げ面121によって突起117を越えて先端に移動し、開口部116から針115の外に押し出される。
この縫合器101Cでは、押し出し制御部として突起117を針14の先端側に設けて第一のアンカー120Aを押し出す経路と、第二のアンカー120Bを押し出す経路とを異ならせることで、前記と同様の効果が得られる。

0069

図44に示す縫合器101Dは、2つのアンカー125A,125Bが永久磁石から製造されている。先端側の第一のアンカー125Aと、基端側の第二のアンカー125Bは、互いに同じ磁極が向き合うように針14内に収容されている。図44に示す例では、S極同士が向き合わされる。プッシャ20を前進させると、磁石間斥力によって図45に示すように第一のアンカー125Aが針14から押し出される。斥力を利用しているので第二のアンカー125Bが同時に押し出されることはない。この縫合器101Dでは、アンカー125A,125Bに磁石を使用することで前記と同様の効果が得られる。なお、2つのアンカー125A,125Bの近接する端部のみを磁石で形成しても良い。また、2つのアンカー125A,125Bのそれぞれの両端部を磁石にしても良い。

0070

〔第7の実施形態〕
図46に示すように、縫合器131は、細長部材を兼ねる針132を有する。針132は、先端に開口部132Aが斜めに形成された中空形状を有する。針132の内部には、縫合具16の2つのアンカー133A,133Bと、第一のアンカー133Aを押し出す第一のプッシャ134と、第二のアンカー133Bを押し出す第二のプッシャ135とが収容されている。第一のアンカー133Aは、先端側に配置されており、第二のアンカー133Bより大径の細長形状を有する。第二のアンカー133Bは、円筒形の第一のプッシャ134内に収容された細長形状を有する。第一のプッシャ134の先端側の側部にはスリット136が形成されており、ここから縫合糸25が引き出されている。縫合糸25は、針132の側孔137から外側にさらに引き出されている。側孔137は、縫合糸25は通すが、アンカー133A,133Bは通過不能な開口幅を有する。第二のプッシャ135は、第一のプッシャ134内に進退自在に通されている。第一、第二のプッシャ134,135は、手元側に引き出されており、それぞれを独立に進退できるようになっている。

0071

第一のアンカー133Aを押し出すときは、第一のプッシャ134を前進させる。図47に示すように、第一のアンカー133Aが先端の開口部132Aから押し出される。このとき、第二のアンカー133Bは、第一のプッシャ134と共に移動するが、第一のプッシャ134内に収容されたままなので、針132から放出されることはない。第二のアンカー133Bを押し出すときは、第二のプッシャ135のみを前進させる。図48に示すように、第2のアンカー133Bが第一のプッシャ134及び針132から押し出される。

0072

この縫合器131では、第一のアンカー133Aを押し出す装置と、第二のアンカー133Bを押し出す装置とを別々に備えるので、第一のアンカー133Aのみを確実に押し出すことができる。なお、針132は、内シース13の先端に設けられても良い。

0073

ここで、図49から図50に変形例を示す。
図49に示す縫合器131Aは、針140に2つのルーメン141A,141Bが形成されている。これらルーメン141A,141Bは、針140の先端の傾斜方向に対して直交する方向に配置されている。第一のルーメン141Aには、第一のアンカー107Aと、第一のプッシャ142Aが収容されており、側部の側孔140Aから縫合糸25が引き出されている。第二のルーメン141Bには、第二のアンカー107Bと、第二のプッシャ142Bが収容されており、側部の側孔140Bから縫合糸25が引き出されている。第一のアンカー107Aを押し出すときは、第一のプッシャ142Aのみを前進させる。第二のアンカー107Bを押し出すときは、第二のプッシャ142Bのみを前進させる。この縫合器131Aでは、2つのアンカー107A,107Bを異なる経路に収容し、経路ごとにプッシャ142A、142Bを独立して備えることで、アンカー107A,107Bを一つずつ確実に押し出せる。

0074

図50に示す縫合器131Bは、針145に2つのルーメン146A,146Bが針145の先端の傾斜方向に沿って並んで配置されている。第一のルーメン146Aには、断面形状が半円形状を有し、細長の第一のアンカー147Aと、第一のプッシャ148Aが収容されている。第二のルーメン146Bは、断面形状が半円形状を有し、細長の第二のアンカー147Bと、第二のプッシャ148Bが収容されている。各アンカー147A,147Bの縫合糸25は、側部に形成された側孔(不図示)から引き出されている。第一のアンカー147Aを押し出すときは、第一のプッシャ148Aのみを前進させる。第二のアンカー147Bを押し出すときは、第二のプッシャ148Bのみを前進させる。この縫合器131Bでは、独立に駆動できる2つのプッシャ148A,148Bを備えることで、アンカー147A,147Bを1つずつ確実に押し出せる。さらに、ルーメン146A,146Bの断面形状を半円形にしたので、針145内のスペースを有効活用することができる。

0075

〔第8の実施形態〕
図51に示すように、縫合器141の針132は、先端の鋭利な端部に開口部132Aが斜めに形成されており、内部に先端側から縫合具16の第一のアンカー133Aと、第二のアンカー133Cが収容されている。2つのアンカー133A,133Cの外形は略等しいが、第二のアンカー133Cは、長さ方向に貫通する孔143が中央部に形成されている。この孔143には、第一のプッシャ144が進退自在に通されている。さらに、第二のアンカー133Cより基端側では、第一のプッシャ144の外周を覆うように第二のプッシャ145が筒状に設けられている。

0076

第二のプッシャ145の手元側の操作部は、シース12の基端から引き出されており、シース12の基端から所定長さ引き出された位置にフランジ状の突起145Aが一体に延設されている。突起145Aからシース基端側までの長さLp1は、第二のプッシャ145のストロークに相当する。突起145Aより基端側の外周には、雄ネジ147が刻まれており、第一のプッシャ144の基端部148がねじ込まれている。第一のプッシャ144の基端部148を第二のプッシャ145に対してねじ込める距離Lp2が第二のプッシャ145に対する第一のプッシャ144のストロークになる。なお、各プッシャ144,145の手元側の操作部分は、図示したものに限定されない。

0077

第一のアンカー133Aを押し出すときは、第二のプッシャ145は移動させずに第一のプッシャ144の基端部148を回転させる。第一のプッシャ144が第二のプッシャ145に対して前進する。図52に示すように、第二のアンカー133Cを貫通する第一のプッシャ144の先端部で第一のアンカー133Aが押し出される。第一のプッシャ144は、第二のアンカー133Cを押圧しないので、第二のアンカー133Cは針132内に留まる。第二のアンカー133Cを押し出すときは、第二のプッシャ145を針132に対して前進させる。図53に示すように、第二のプッシャ145の突起145Aを針132の基端部に当接させる。第二のプッシャ145で第二のアンカー133Cが押し出される。

0078

この実施の形態では、第一のアンカー133Aのみを押し出すことができる第一のプッシャ144と、第二のアンカー133Cを押し出す第二のプッシャ145を同軸上に設けることで、外径を小さくしながら第一のアンカー133Aのみを確実に押し出すことが可能になる。また、第二のプッシャ145は押し引き自在であるが、第一のプッシャ144は第二のプッシャ145にネジ係合させてあり、アンカー133A,133Bを押し出すための操作が2つのプッシャ144,145で異ならせている。したがって、アンカー133A,133Bの押し出しを制御し易い。

0079

〔第9の実施形態〕
図54に示すように、縫合器151の針152は、先端の鋭利な端部に斜めの開口部153を有し、側部に2つの側孔154,155が周方向に約90°位置をずらして形成されている。針152内には、2つの細長のアンカー156A,156Bが長さ方向に並んで収容されている。先端側の第一のアンカー156Aは、その基端部が第一の接続部157で第二のアンカーの156Bの先端部に連結されている。第二のアンカー156Bの基端部は、第二の接続部158でプッシャ20に連結されている。各接続部157,158は、薄肉の扁平した部材からなり、折り曲げることで破断させることができる押し出し制御部である。第一の接続部157と第二の接続部158の向きは、中心軸回りに約90°位置をずらしてある。より好適には、第一の接続部157の扁平な面が側孔154に向き、第二の接続部158の扁平な面が側孔155に向けられる。

0080

第一のアンカー156Aを留置するときは、プッシャ20を前進させて第一のアンカー156Aを針152の先端から突出させる。このままでは第一のアンカー156Aは、プッシャ20に一体になっているので、縫合具16を締め付ける締付具159全体を引き戻す。縫合糸25で第一のアンカー156Aが引っ張られる。図56に示すように、第一のアンカー156Aが第一の接続部157を基点にして折り曲げられ、第一の接続部157が破断して針152及び第二のアンカー156B(及びプッシャ20)から離脱する。前記したように側孔154と第一の接続部157を折り曲げ易い方向とを一致させておくと、第一の接続部157を容易に破断させることができる。なお、プッシャ20と第二のアンカー156Bは第二の接続部158を介して連結されているので、第二のアンカー156Bが脱離することはない。

0081

第二のアンカー156Bを留置するときは、プッシャ20をさらに前進させて、第二のアンカー156Bを針152の先端から突出させる。再び締付具159全体を引き戻し、縫合糸25を介して第二のアンカー156Bを引っ張る。図57に示すように、第二のアンカー156Bが第二の接続部158を基点にして折り曲げられ、第二の接続部158が破断して針152及びプッシャ20から離脱する。前記したように側孔155と第二の接続部158を折り曲げ易い方向とを一致させておくと、第二の接続部158を容易に破断させることができる。

0082

この実施の形態では、プッシャ20と一体に設けられた2つのアンカー156A,156Bを順番に離脱させるようにしたので、第一のアンカー156Aのみを確実に留置することができる。
また、アンカー156A,156Bを一体で形成させるため、アンカーの製造コストや、縫合器151の組立コストを他の実施の形態に比べて低くすることが可能である。

0083

〔第10の実施形態〕
図58及び図59に示すように、縫合器161の針162は、先端の鋭利な端部に開口部163が斜めに形成されており、開口部163の基端側から側孔164が針162の長さ方向に沿って形成されている。側孔164は、縫合糸25を通すもので、アンカー165A,165Bを通すことはできない。開口部163よりも基端側の内周には、突出規制用の突起166(押し出し制御部)が内径を減少させるように略環状に形成されている。突起166は、面取りされた滑らかなカーブを形成している。2つの細長のアンカー165A,165Bは、突起166より基端側に直列に収容されている。第一のアンカー165Aの外径は突起166の内周以下である。第二のアンカー165Bの外径は、第一のアンカー165Aより大きく、突起166の内周より大きい。

0084

第一のアンカー165Aを押し出すときは、プッシャ20を前進させる。図60に示すように、第一のアンカー165Aは、突起166を通過して開口部163から押し出される。第二のアンカー165Bは、突起166に引っ掛かって止まる。第二のアンカー165Bを押し出すときは、プッシャ20でさらに押して第二のアンカー165Bで突起166を押圧して針162の先端部を押し広げる。図61に示すように、突出規制の突起166の形成位置の空間が拡がって、開口部163から第一のアンカー165Aが押し出される。

0085

この実施の形態では、針162に押し出し制御部として突起166を設け、第一のアンカー165Aはそのまま押し出せるのに対して、第二のアンカー165Bはさらに大きな力を針162に与えないと押し出せないようにしたので、アンカー165A,165Bを1つずつ確実に押し出すことが可能になる。

0086

〔第11の実施形態〕
図62に示すように、縫合器171の針172は、先端の鋭利な端部に開口部173が斜めに形成されており、開口部173の基端側から側孔174が形成されている。側孔174は、先端側の第一の部分174Aが針172の長手方向の沿って延びた後に、周方向に延びる第二の部分174Bを経て再び長手方向に沿って第三の部分174Cが延びる屈曲形状を有する。針172内には、縫合具16の2つの細長のアンカー175A,175Bが順番に挿入されている。第一のアンカー175Aは、側孔174の第一の部分174Aの付近に収容されており、縫合糸25が第一の部分174Aから引き出されている。第二のアンカー175Bは、側孔174の第3の部分174Cの付近に収容されており、縫合糸25が第三の部分174Cから引き出されている。図63に示すように、第二のアンカー175Bの基端部は、凹部176が2つ形成されている。
プッシャ20は、先端に突起状の係合部177が2つ形成されている。係合部177は、第二のアンカー175Bの凹部176に係合可能な形状を有する。これによって、第二のアンカー175と、プッシャ20とは、軸線回りの回転方向に係合させることができる。

0087

第一のアンカー175Aを押し出すときは、プッシャ20を押し出す。図64に示すように、縫合糸25が側孔174の第一の部分174Aにガイドされて第一のアンカー175が開口部173から押し出される。第二のアンカー175Bは、縫合糸25が通された側孔174の第3の部分174Cに沿って移動するのみなので、針172から押し出されることはない。なお、第3の部分174Cは、第一のアンカー175Aを押し出したときに、第二のアンカーの縫合糸25が第3の部分174Cに留まる長さである。より好適には、第3の部分174Cの先端で第2の部分174Bとの連絡部分まで縫合糸25が移動するようにすると、後の操作で第二のアンカー175Bの押し出しを速やかに行えるようになる。

0088

第二のアンカー175Bを押し出すときは、プッシャ20を回転させる。プッシャ20と第二のアンカー175Bは、係合部177で回転方向には連結されているので、図65に示すように第二のアンカー175Bがプッシャ20と共に回転して縫合糸25が側孔174の第二の部分174Bを通って第一の部分174Aに移動する。この状態で、プッシャ20をさらに前進させると、図66に示すように縫合糸25が第一の部分174Aに沿って移動し、第二のアンカー175Aが針172から押し出される。プッシャ20と第二のアンカー175Bの係合部分は、プッシャ20を引き戻す方向には係合しないので、第二のアンカー175Bはプッシャ20から外れて針172から離脱する。

0089

この実施の形態では、押し出し制御部としてクランク状の側孔174を設け、先端側に第一のアンカー175Aを配置し、基端側に第二のアンカー175Bを配置すると共に、第二のアンカー175Bに回転方向に係合するプッシャ20を設けたので、第一のアンカー175Aのみを確実に押し出すことができる。

0090

〔第12の実施形態〕
図67に示すように、縫合器181の針182は、先端の鋭利な端部に開口部183が斜めに形成されており、開口部183の基端側から側孔184が長手方向に延びている。針182内には、縫合具16の細長の第一のアンカー185Aと、第一のアンカー185Aより長尺の第二のアンカー185Bが針182の直径方向に並んで配置されている。第一のアンカー185Aは、針182の開口部183の基端側、即ち側孔184側に配置されている。プッシャ20は、先端部186(押し出し制御部)が段差を有し、側孔184側の端部186Aが先端に向けて突出している。このプッシャ20の先端部186は、2つのアンカー185A,185Bのそれぞれに当接している。

0091

第一のアンカー185Aを押し出すときは、プッシャ20を前進させる。2つのアンカー185A,185Bは、プッシャ20の先端部186によって同時に押されるが、第一のアンカー185Aの長さが短く、かつ開口部183の開口方向にある。したがって、図68に示すように、第二のアンカー185Bより先に全長が針182の外に突出する。その結果、第一のアンカー185Aが先に押し出される。このとき、第二のアンカー185Bは、針182からほとんど露出していないか、全く露出していない。さらに、針182とプッシャ20の端部186Aに挟まれているので、針182から脱落することはない。第二のアンカー185Bを押し出すときは、プッシャ20をさらに前進させる。図69に示すように、第二のアンカー185Bの略全長を針182から突出させて、縫合器181から離脱させる。

0092

この実施の形態では、押し出し制御部としてプッシャ20の先端部186を備えるので、長さの異なる2つのアンカー185A,185Bを順番に押し出すことが可能になる。第一のアンカー185Aは、第二のアンカー185Bより短く、かつ先に開口部183から突出するように配置されているので、第二のアンカー185Bより先に確実に押し出すことができる。

0093

ここで、変形例を図70から図72に示す。プッシャ20の先端部190(押し出し制御部)は、円柱形の先端側と基端側をそれぞれ1箇所ずつ半円形に切り取った外形を有する。先端側では、傾斜した開口部183の開口方向側が切り取られており、縫合具16の細長のアンカーを1つ収容する凹部191が形成されている。基端側の凹部192は、先端側の凹部191とは反対側を切り取ることで形成されている。この凹部192にもアンカーを1つ収容することができる。
図71に示すように、第一のアンカー107Aを押し出すときは、第一のアンカー107Aの略全長が開口部183から突出するまでプッシャ20を前進させる。これによって、開口方向に配置されている第一のアンカー107Aが針182から離脱する。このとき、第二のアンカー107Bは、プッシャ20の凹部192と針182の間に納まっているので、針182から離脱しない。第二のアンカー107Bを押し出すときは、図72に示すように、第二のアンカー107Bの略全長が針182から突出するまでプッシャ20を前進させる。
押し出し制御部としてプッシャ20の先端部190を備えることで、2つのアンカー107A,107Bが離脱可能に突出するタイミングを異ならせることができるので、アンカー107A,107Bを1つずつ確実に押し出せる。

0094

〔第13の実施形態〕
図73から図75に示すように、縫合器201の針202は、先端の鋭利な端部に開口部203が斜めに形成されており、開口部203の基端側から側孔204が長手方向に延びている。針202には、突起205(押し出し制御部)が内側に向けて2つ形成されている。針202は、ばね性を有する材料から製造することが好ましい。なお、側孔204を設けることで、バネ性が向上されている。
縫合具16の第一、第二のアンカー206A,206Bは、細長形状を有し、それぞれの外周には、溝207が1つずつ環状に形成されている。溝207は、針202の突起205に係合可能な大きさを有する。初期状態では、先端側の第一のアンカー206Aの溝207に針202の突起205が係合している。

0095

第一のアンカー206Aを押し出すときは、プッシャ20を前進させる。第一のアンカー206Aが突起205を越えて進み、突起205との係合を解消する。係合を解消するために必要な力量は、手元から入力可能な大きさになっている。図76に示すように、そのままプッシャ20を前進させると、第一のアンカー206Aが先端の開口部203から押し出される。第二のアンカー206Bは、溝207が突起205に係合して停止する。このため、第一のアンカー206Aのみが押し出される。第二のアンカー206Bを押し出すときは、プッシャ20をさらに前進させる。図77に示すように、第一のアンカー206Aの場合と同様にして第二のアンカー206Bが押し出される。

0096

この実施の形態によれば、押し出し制御部として針202側に突起205を設け、アンカー206A,206B側の溝207を係合させることで、第一のアンカー206Aのみを確実に押し出すことが可能になる。なお、第一のアンカー206Aを押し出すときと、第二のアンカー206Bを押し出すときで操作感を変えるために、第1のアンカー206Aに溝207を設けずに、アンカー押し出し時の力量差を設けても良い。

0097

ここで、図78から図80に変形例を示す。
図78及び図79に示すように、針202に突起の代わりに、孔208を形成し、孔208に中央に突出部209Aを形成した略C字形のリング209(押し出し制御部)を装着しても良い。リング209の突出部209Aは、針202に装着したときには孔208を通って針202内に突出する。この突出部209Aは、前記の突起205と同様の機能を果たす。

0098

図80に示す針202は、側孔204より基端側に線バネ210(押し出し制御部)が設けられている。線バネ210は、先端に向けて延びて側孔204内で内向きに折り曲げられた係合部210Aが形成されている。この係合部210Aは、前記の突起205と同様の機能を果たす。この押し出し制御部は、細長であれば良く線状に限定されず、板状、リボン状でも良い。

0099

〔第14の実施形態〕
図81に示すように、縫合器211の針212は、先端の鋭利な端部に開口部213が斜めに形成されており、開口部213の基端側から側孔214が長手方向に沿って延びている。側孔214は、先端側で開放長さが小さくなる狭窄部215を形成している。狭窄部215は、滑らかなカーブを有する一対の突部で構成される。針内に収容された縫合具16の2つのアンカー216A,216Bは、細長形状の外周部のそれぞれに突起217が1つずつ設けられている。突起217は、縫合糸25が引き出されている場所から基端側にずれた位置に設けられている。突起217の径は、針212の狭窄部215に外力が作用していないときの開放長さより大きい。したがって、突起217が狭窄部215に引っ掛かってアンカー216A,216Bの脱落を防止する。

0100

第一のアンカー216Aを押し出すときは、プッシャ20を前進させる。第一のアンカー216Aの突起217が狭窄部215を押し広げて前進し、先端の開口部213から押し出される。図82に示すように、突起217が通過した後は、狭窄部215が復元するので、第二のアンカー216Bの突起217が引っ掛かって係止される。このように、押し出し制御部として狭窄部215を備えることで、力量差を設けることができ、第一のアンカー216Aのみを確実に押し出すことができる。第二のアンカーを押し出すときは、新たに力量を加えて狭窄部215を押し開く。なお、突起217で狭窄部215を押し開く代わりに、縫合糸25で狭窄部215を押し開いても良い。

0101

図83に変形例を示す。側孔220は、先端側の第一の部分220Aから滑らかに湾曲する接続部220Bを経て基端側の第二の部分220Cに連なるカム構成を有する。初期状態では第一の部分220Aに第一のアンカー216Aの縫合糸25及び突起217が通され、第二の部分220Cに第二のアンカー216Bの縫合糸25及び突起217が通されている。側孔220の各部220A〜220Cの長さは、第二のアンカー216Bの突起217が第二の部分220Cにあるうちに第一のアンカー216Aを押し出せるように設定されている。

0102

第一のアンカー216Aは、プッシャ20を前進させれば押し出せる。第二のアンカー216Bは、突起217が側孔220の第二の部分220Cに留まっているので、第二のアンカー216Bが同時に押し出されることはない。第二のアンカー216Bを押し出すときは、突起217を側孔220の湾曲した接続部220Bに通さなければならないので、操作者からみて動きが重たくなる。接続部220Bを越えると、再び少ない力で第二のアンカー216Bが前進して、針212から押し出される。このように、押し出し制御部としての側孔220を備えることで、2つのアンカー216A,216Bを押し出すときに必要な力量に差が設けられ、2つのアンカー216A,216Bの押し出しを確実にコントロールできる。

0103

〔第15の実施形態〕
図84に示すように、縫合器231の針232は、シース233の先端に固定されている。針232の先端の鋭利な端部には、開口部234が斜めに形成されている。針232の内部は、先端側で大径の第一の収容部235と、基端側で小径の第二の収容部236とを有する。初期状態で、第一の収容部235に縫合具16の細長の第一のアンカー237Aが収容され、第二の収容部236に縫合具16の細長の第二のアンカー237Bが収容されている。第一の収容部235は、第二の収容部236に連なり、先端側が針232の内壁を突出させた環状の壁部238で区画されている。さらに、第一の収容部235には、コイル状のスプリング239が収容されている。スプリング239は、外力が作用しない状態では、先端側の外径が、第一のアンカー237Aの外径及び壁部238の内径より大きい。スプリング239の基端部は、縮径されており、第一のアンカー237Aの外周に刻まれた溝240に係合している。このため、第一のアンカー237Aは、スプリング239の先端部が壁部238に付き当たることで移動が規制されて、第一の収容部235に留まる。2つのアンカー237A,247Bは、基端側に溝240が形成されると共に、先端部の外周が面取りされて縮径している。

0104

プッシャ20を前進させると、第一のアンカー237Aが先端の開口部234に向けて移動し、スプリング239の先端部が壁部238に突き当てられる。さらに、プッシャ20を前進させると、スプリング239の先端部は壁部238に当接して移動しないのに対して、スプリング239の基端部は第一のアンカー237Aと共に前進するので、スプリング239が圧縮されて拡径する。その結果、図85に示すように、スプリング239の基端部が拡径して第一のアンカー237Aの溝240から外れ、第一のアンカー237Aが針232の先端から押し出される。第一のアンカー237Aが押し出されることで、第二のアンカー237Bが第一の収容部235に進入するが、このとき、面取りされた先端部によってスプリング239の基端部が拡径する。このまま第二のアンカー237Bが前進すると、スプリング239の基端部が第二のアンカー237Bの外周に沿って相対的に移動すると、図86に示すように第二のアンカー237Bの溝240に係合する。これによって、第二のアンカー237Bの移動が規制されるので、2つのアンカー237A,237Bが同時に押し出されることはない。

0105

この実施の形態では、押し出し制御部としてスプリング239を有し、スプリング239を圧縮したときに径方向に拡径することを利用してアンカー237A,237Bの移動をコントロールするようにしたので、アンカー237A,237Bを1つずつ確実に押し出すことが可能になる。スプリング239は、アンカー237A,237Bを押し出した後は、復元するので、繰り返して使用することが可能である。

0106

〔第16の実施形態〕
図87及び図88に示すように、縫合器241の針242は、先端の鋭利な端部に開口部243が斜めに形成されている。針242内には、先端側から順番に縫合具16の細長の第一のアンカー244Aと、第一のアンカー244Aより小径の第二のアンカー244Bが収容されている。第二のアンカー244Bは、プッシャ20の先端部に設けられた収容部245(中間部材)に収容されている。

0107

収容部245は、ばね製を有する材料から製造されており、有底筒形になっている。収容部245の筒部245Aには、長さ方向に沿ってスリット246が形成されている。筒部245Aの基端部は、一対の係止突起247がスリット246を挟んで設けられており、各係止突起247は径方向外側に延びている。さらに、収容部245の円筒部245Aの内側には、突起248が内向きに2つ形成されている。これら突起248は、第二のアンカー244Bの凹部249に係合す。図89に示すように、収容部245の底部245Bには、孔250が形成されている。孔250は、プッシャ20の進退自在に通すが、プッシャ20の先端部の拡径された部分251は挿入不能な大きさである。

0108

図87に示すように、針242には、側孔252が長さ方向に沿って形成されている。側孔252は、先端に拡幅部252Aが形成されている。拡幅部252Aの周方向に沿った幅は、収容部245の一対の係止突起247の間の距離より大きい。拡幅部252Aを除く残りの側孔252の幅は、自然状態にある一対の係止突起247の間の距離より小さい。図90に示すように、係止突起247同士が接する程度に近接させれば側孔252を通すことができる。このとき、収容部245の突起248が第二のアンカー244Bの凹部249に係合する。これに対して、側孔252の拡幅部252Aでは、仮想線で示すように、一対の係止突起247が開くように復元する。このとき、収容部245の突起248が径方向外側に移動して第二のアンカー244Bの凹部249との係合が解消される。

0109

第一のアンカー244Aを押し出すときは、プッシャ20を前進させる。プッシャ20で押される第二のアンカー244B及び収容部245を介して第一のアンカー244Aが針242から押し出される。収容部245の係止突起247は、側孔252で近接するように付勢されているので、突起248が第二のアンカー244Bの凹部249に係合した状態を維持して第二のアンカー244Bと共に前進する。このため、第一のアンカー244Aが針242から押し出されても、第二のアンカー244Bが同時に押し出されることはない。

0110

第一のアンカー244Aを押し出してからプッシャ20をさらに前進させると、係止突起247が側孔252の拡幅部252Aに進入する。係止突起247を近接方向に付勢していた力が取り除かれるので、収容部245の筒部245Aが開いて、係止突起247と第二のアンカー244Bの凹部249の係合が解消される。この状態で、プッシャ20をさらに前進させると、プッシャ20の先端の部分251で第二のアンカー244Bが押される。これに対して、収容部245は、プッシャ20と第二のアンカー244Bの両方に係合しておらず、側孔252もこれ以上は先端側に延びていないので移動しない。したがって、プッシャ20の前進に伴って第二のアンカー244Bが針242から押し出される。

0111

この実施の形態では、収容部245と第二のアンカー244B、プッシャ20との係合状態を調整することで、第一のアンカー244Aを押し出すときに第二のアンカー244Bが収容部245から出ないようにすることができる。したがって、2つのアンカー244A,244Bの押し出しをコントロールすることができる。
また、第一のアンカー244Aを押し出した後で、プッシャ20を引っ張ることで第二のアンカー244Bを引き戻すことができる。このため、第二のアンカー244Bが針242の先端部にあると針242の穿刺性能に影響を与える場合に、穿刺特性を良好にできる。

0112

ここで、この実施の形態の変形例を示す。
第二のアンカー244Bを磁性体から製造し、収容部245を永久磁石から背製造しても良い。この場合、プッシャ20は、非磁性体から製造される。第二のアンカー244Bと収容部245は磁力による吸引力で係合しており、この磁力に打ち勝つ力量を加えると、第二のアンカー244Bを押し出すことが可能になる。収容部245を磁性体とし、第二のアンカー244Bを永久磁石にしても良い。

0113

図91に示すように、細長の第二のアンカー244Cの基端部の中央に、長手方向に延びる凹部261が形成しても良い。この凹部261には、プッシャ20の先端のフック262が押し込まれている。フック262は、外力が作用しないときには穴の径より幅広になっている。針242は、第二のアンカー244Cの基端部を付き当て可能で、プッシャ20を進退できる壁部263が設けられている。
第一のアンカー244Aを押し出すときは、第二のアンカー244Cがフック262で係合しているので、プッシャ20と共に第二のアンカー244Cが前進する。第一のアンカー244Aを押し出した後は、プッシャ20を後退させる。プッシャ20に係合する第二のアンカー244Cが引き戻される。第二のアンカー244Cは、壁部263に付き当たると、これ以上後退できないが、プッシャ20はさらに後退できる。図92に示すように、プッシャ20のフック262が第二のアンカー244Cの凹部261から引き出され、両者の係合が解消される。フック262が復元すると、凹部261より大きくなる。したがって、再びプッシャ20を前進させると、フック262で第二のアンカー244Cが押し出される。

0114

〔第17の実施形態〕
この実施形態では、他の縫合方法について、第1の実施形態と同じ内視鏡1及び縫合器11を用いた場合として説明するが、他の実施の形態の縫合器を用いでも良い。
この実施形態の縫合方法について説明する。図6に示すように、内視鏡挿入部6を穿孔42の近傍に挿入し、胃43内から穿孔42を観察する。次に、図7に示すように、内視鏡挿入部6を穿孔42から腹腔44に送り出し、内視鏡挿入部6の観察装置(第一の観察装置)7で穿孔42の周囲を腹腔44側から観察する。他の組織が穿孔42の周囲(針14が通る位置、穿刺位置あるいはアンカー27が留置される位置)にないことを確認したら、内視鏡挿入部6は、胃43内に引き戻される。次に、チャンネル9に通した縫合器11を突出させる。図93に示すように、縫合器11の先端部は、穿孔42から腹腔44に送り出される。そして、縫合器11の先端部は、湾曲させられ、腹腔44で胃43の外部側、かつ穿孔42の周囲に向けられる。

0115

図94に示すように、縫合器11は、針14を外シース12から突出させ、針14は穿孔42の周囲の組織を腹腔44側から胃43内に向けて貫通する。針14を外シース12から突出させるときには、ストッパ26が胃43内に入るようにすることが好ましい。図95に示すように、針14が組織を貫通したら、1つ目のアンカー27を胃43の内部側に押し出して留置させる。図96に示すように、穿孔42を挟むように2つのアンカー27を胃43内に留置させたら、縫合器11は、胃43内に戻されてチャンネル9内に収容される。そして、図97に示すように、鉗子60をチャンネル9に通し、鉗子60を使用して組織を縫合具16で締め付けると、穿孔42が縫合される。締め付け方法は、第2の実施形態と同じである。
この実施形態では、内視鏡1の観察装置7で胃43の内部側と外部側とを順番に観察し、穿孔42の周囲に他の組織などがないことを確認し、内視鏡1を胃43内に戻すと共に、胃43の外部側から針14で組織を貫通させるようにした。したがって、内視鏡1を用いて縫合する際に他の組織などの巻き込みが簡単に防止される。

0116

〔第18の実施形態〕
この実施形態では、他の縫合方法について、図98から図114を主に参照して第1の実施形態と同じ内視鏡1及び縫合器11を用いた場合として説明するが、他の実施の形態の縫合器を用いでも良い。なお、図98から図114は、手技を説明する模式図であり、管腔器官の一例として胃が示されている。
図98に示すように、マウスピース40を装着した患者41の口(生体内の自然の開口、肛門、なども含む)から内視鏡挿入部6を挿入し、アングルノブ5で内視鏡挿入部6の先端を湾曲させる。図98に仮想線で示す切開予定線300を胃43の内部側(管腔器官の内部側)から観察装置7で確認し、この切開予定線300に、後に切開する切開予定線300を決定する。その際に、切開予定線300を高周波ナイフなどでマーキングしても良い。図99に示すように、縫合器11を突出させ、針14を外シース12から押し出してストッパ26を胃43内に落下させる。縫合器11の内シース13を前進させ、さらに、切開予定線300を基準にして、縫合器11で縫合する際の縫合位置として、穿刺位置301,302,303,304を決定する。穿刺位置301と穿刺位置302とは、切開予定線300を基準にして対称な位置にあり、2つの穿刺位置301,302を通る直線は、切開予定線300に略直交する。穿刺位置303,404についても同様である。その際に、切開予定線300を高周波ナイフなどでマーキングしても良い。

0117

穿刺位置301,302,303,304を決定したら、最初の穿刺位置301に針14が刺入される。図100に示すように、針14が胃43の壁部を貫通したら、図1に示す手元側のハンドル19を押し込んでプッシャ20を前進させる。プッシャ20が1つ目のアンカー27を針14の先端から、胃43の外部側(管腔器官の体腔側又は腹腔側とも称する)に押し出す。1つ目のアンカー27を押し出したら、ハンドル19を停止させ、内シース13を引き戻す。針14が壁部から引き抜かれ、縫合糸25のみが壁部を貫通し、1つ目のアンカー27が腹腔44側に留置される。

0118

次に、図99に示す切開予定線300を挟んで対称な位置にある穿刺位置302に針14を刺入する。2つ目のアンカー27を同様にして腹腔44に押し出す。図8に示すように、穿刺位置303及び穿刺位置304に別の縫合具16を同様にして装着する。2つ縫合具16を装着する際には、縫合具16を1つ装着するごとに縫合器11を内視鏡1から抜き、新しい縫合具16を収容した縫合器11を内視鏡1に通しても良い。また、図102に示すように、2つのチャンネル9に縫合器11を予め1本ずつ通しておき、順番に縫合具16を装着しても良い。
縫合具16を装着したら、切開予定線300を切開する。図103に示すように、内視鏡挿入部6のチャンネル9には、切開用の処置具、例えば、高周波切除具である針状ナイフ51が通される。針状ナイフ51の先端部分には、高周波が印加され、この針状ナイフ51を切開予定線300に沿って移動させると、壁部を切開されて穿孔42が形成される。図11に示すように、穿孔42を通して内視鏡挿入部6が腹腔53に送り出される。チャンネル9に鉗子54などの処置具を通し、腹腔53内で医療行為を行う。

0119

腹腔53での医療行為が終了したら、内視鏡挿入部6が胃43内に引き戻され、2つの縫合具16を締め付けて穿孔42を縫合する。この際に、例えば、図105に示すような鉗子60を使用する。鉗子60は、アンカー27よりも外径の大きい外シース61を有し、外シース61内に内シース62が進退自在に通されている。内シース62の先端には、支持部材63を有し、支持部材63に一対の把持片64が開閉自在に支持されている。図106に示すように、この把持片64で縫合具16の縫合糸25の結び目31を把持した後に、外シース61を前進させて外シース61の先端をストッパ26に押し当てる。図107に示すように、外シース61がさらに前進すると、ストッパ26が胃43の壁部に向かって押し込まれる。ストッパ26は、この方向に移動可能に構成されているので、壁部45に向かってストッパ26が移動する。その結果、ストッパ26とアンカー27との間の距離が縮まる。これによって、穿孔42の周囲の組織が引き寄せられて、縫合糸25によって穿孔42が縫合される。縫合具16で穿孔42を縫合したら、外シース61を後退させてから把持片64を開いて縫合糸25を離す。ストッパ26の端部は、縫合糸25で組織を締め付ける方向には移動可能だが、縫合糸25を緩める方向には縫合糸25を締め付けるように働くので、胃43内に縫合具16を留置しても縫合糸25は弛まない。

0120

2つの縫合具16を順番に締め付けることで、穿孔42は、図108に示すように縫合される。胃43を大きく切開する場合など、3つ以上の縫合具16で穿孔42を縫合する場合には、複数並んだ縫合具16の端から順番に締め付けると良い。例えば、図109の例では、縫合具16a、縫合具16b、縫合具16c、縫合具16d、縫合具16eの順番に締め付ける。穿孔42を端から縫合することになり、穿孔42の大きさを徐々に小さくできるので、縫合が楽になる。また、複数並んだ縫合具16の中間にある縫合具16を最初に締め付け、次に中央の締め付けた縫合具16と端にある縫合具16の中間に位置する縫合具16を締め付けても良い。図109の例では、最初に縫合具16cが締め付けられ、次に縫合具16b及び縫合具16dが締め付けられ、最後に縫合具16a及び縫合具16eが締め付けられる。常に開口の中間位置を縫合することになるので、縫合位置のずれが小さくなる。

0121

この実施形態によれば、胃43を切開する前に、予め切開予定線300を跨いで縫合具16を装着することで、縫合位置のずれを防止できる。従来の方法では、切開した後に、目視で縫合位置を確認しながら針を穿刺していたので、縫合位置がずれ易く、穿孔からのリークを防止するためには細心の注意が必要であったが、この実施形態では縫合位置のずれが防止されるので手技が容易になる。また、経内視鏡的な手技では、一方向からのアプローチに限定されるので、視野が限定されたり、組織の逃げや伸びを考慮して縫合位置を選定しなければなかったが、この実施形態では、切開前に穿刺位置301,46,47,48を特定するので、確実に穿孔42を塞ぐことができる。

0122

ここで、内視鏡挿入部6を穿孔42から腹腔53に送り出し、大きな組織を切除して穿孔42から胃43内を通って体外に取り出すことがある。組織の大きさに合わせて穿孔42を形成すると、穿孔42の大きさが内視鏡挿入部6の径よりも大きくなることがある。この場合に、腹腔53で処置を行うときに、内視鏡挿入部6の先端部から気体を供給して腹腔を膨らませると、内視鏡挿入部6と穿孔42の隙間から気体が胃43内に入り込んでしまう。胃43内への気体の流入を防止するためには、縫合具16を軽く締め付けて、穿孔42の大きさを内視鏡挿入部6の大きさ程度に絞ると良い。図110に示すように、内視鏡挿入部6を穿孔42から腹腔53に送り出したら、内視鏡挿入部6に通した鉗子54でストッパ26を腹腔53に引き出す。図111に示すように、鉗子54でストッパ26を胃43の外壁押し付けて縫合具16を軽く締め付けると、穿孔42の隙間は、小さくなる。その後に、内視鏡挿入部6の先端部から送気すると、腹腔44が膨らむ。処置が終了したら、内視鏡挿入部6は、胃43内に引き戻される。鉗子54でストッパ26を胃43内に引き込み、縫合具16を締め付けると、穿孔42が縫合される。

0123

また、図112に示すように、オーバーチューブ70に内視鏡挿入部6を通して手技を行う場合には、オーバーチューブ70の先端を穿孔42から腹腔53に突出させる。図113に示すように、胃43内部側にあるオーバーチューブ70の側孔70Aから鉗子54を送り出して縫合具16を軽く締め付けて穿孔42をオーバーチューブ70の外径程度に絞る。オーバーチューブ70の先端から内視鏡挿入部6を突出させ、腹腔53を気体で膨らませて処置をする。処置が終了したら、オーバーチューブ70は穿孔42から引き戻される。その後、鉗子54で縫合具16を締め付けると、穿孔42が縫合される。

0124

なお、本発明は、前記の各実施形態に限定されずに広く応用できる。
例えば、内視鏡1は、肛門から管腔器官の一例である大腸に挿入しても良い。この場合には、大腸などの穿孔が縫合される。
第1、第2の実施形態において、針14は、筋層47に対して略垂直に刺入されるが、所定の傾斜角度で刺入しても良い。縫合糸25が穿孔42の軸線に対して斜めに筋層47を貫通することになる。この場合にも、同様の効果が得られる。
また、穿孔縫合、粘膜縫縮に限らずに、図114のように管腔400の径を縫縮するなど、様々な応用例が考えられる。この場合、図115に示すように、管腔400の内周方向に間隔をおいてアンカー27A,27Bを留置させ、締め付けることにより、管腔壁を折り畳むように縫縮する。このような縫合を管軸方向に複数個形成することで、任意の長さの管腔についても縮径を行うことができる。
内視鏡挿入部6が2つのチャンネル9を有する場合に、それぞれのチャンネル9に縫合器11を1本ずつ通しても良い。この場合に、縫合具16のアンカー27は、各縫合器11の針14のそれぞれに1つずつ収容される。
アンカーの数は、複数であれば良く2つ限定されない。

0125

この発明に係る縫合方法、縫合器は、医療用に好適に利用することが可能である。

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