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課題・解決手段

D-アロース新規用途(高血圧心肥大発症抑制の用途)の提供。 D-アロースを有効成分とする血圧上昇を抑制するための組成物。D-アロース、および/または、その誘導体を配合した、好ましくは0.1〜50重量%含まれるように配合した組成物。上記組成物は、好ましくは高血圧発症および心肥大などの循環器障害発症の予防および治療に用いることができる食品添加物食品素材飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである。血圧上昇は食塩感受性高血圧である。D-アロースを血圧上昇の抑制に使用することを特徴とするD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。)。

概要

背景

高血圧症は国内外で最も罹患率の高い疾患であり、本症あるいは動脈硬化症心肥大腎機能障害などの関連臓器での病態進行には、生体循環臓器組織における酸化ストレスの増大が重要な役割を果たすことが示唆されている(非特許文献1,2)。過去に血圧上昇とそれに伴なう心血管腎臓系などの循環器臓器障害時では活性酸素類の産生増加が認められ、この活性酸素類が高血圧性臓器機能障害を引き起こす原因となるとされている。
高血圧患者は、通常病気だと感じないので、末期臓器不全が始まるまでしばしば診断を受けず、治療しないまま放置する。従って、高血圧はヒトにおける心臓血管の罹患率および死亡率の主な原因である。多くの高血圧患者は、高塩分の食事血圧を上昇させ、またはすでに上昇した血圧を悪化させるという点で塩分に敏感である。
近年では高血圧モデル動物、あるいはヒトにおいても活性酸素消去薬を投与することによってこれら高血圧性臓器障害、さらには血圧上昇までも抑制する効果があることが知られている。特に食塩摂取量依存性に血圧の上昇が引き起こされる食塩感受性高血圧症モデルラットにおいては、活性酸素消去薬の有効性が顕著に認められている(非特許文献3)。
Curr Hypertens Rep 2000;2: 98-105.
Curr Hypertens Rep 2002;4: 160-166.
J Am Soc Nephrol 2004;15:306-315.

概要

D-アロース新規用途(高血圧、心肥大発症抑制の用途)の提供。 D-アロースを有効成分とする血圧上昇を抑制するための組成物。D-アロース、および/または、その誘導体を配合した、好ましくは0.1〜50重量%含まれるように配合した組成物。上記組成物は、好ましくは高血圧発症および心肥大などの循環器障害発症の予防および治療に用いることができる食品添加物食品素材飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである。血圧上昇は食塩感受性高血圧である。D-アロースを血圧上昇の抑制に使用することを特徴とするD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。)。

目的

本発明は、D-アロースの新規用途(高血圧発症抑制の用途)を提供しようとするものである。今日、欧米先進国を中心として高血圧症などの生活習慣病蔓延しつつあり、日本国も例外ではなく、食環境の欧米化に伴う生活習慣病の急増顕在化している。その結果、心肥大などの循環器障害が死亡原因となる例が近年増加傾向にある。
しかるに、従来の高血圧症の治療効果の高い医療用医薬品は、一般的に副作用が強い上に多剤服用による重複毒性の問題などが存在するため、長期間に亘る使用には適していない。本発明は、このような従来の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、高血圧症に関連する疾患に対し、副作用などの心配をせずに予防、改善、および治療などを行い得る薬剤並びに機能性食品を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

D-アロースを有効成分とする血圧上昇を抑制するための組成物

請求項2

D-アロース、および/または、その誘導体を配合した組成物である請求項1の血圧上昇を抑制するための組成物。

請求項3

D-アロース、および/または、その誘導体が、組成物中に0.1〜50重量%含まれるように配合されている請求項1または2の血圧上昇を抑制するための組成物。

請求項4

上記組成物が、D-アロース、および/または、その誘導体を有効成分として配合した食品添加物食品素材飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである請求項1ないし3のいずれかの血圧上昇を抑制するための組成物。

請求項5

上記組成物が、D-アロース、および/または、その誘導体を有効成分として配合した、高血圧発症および/または心肥大などの循環器障害発症の予防および治療に用いることができる食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである請求項4の血圧上昇を抑制するための組成物。

請求項6

血圧上昇が食塩感受性高血圧である請求項1ないし5のいずれかの血圧上昇を抑制するための組成物。

請求項7

D-アロースを血圧上昇の抑制に使用することを特徴とするD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。)。

請求項8

D-アロースが、D-アロース、および/または、その誘導体、および/または、それを配合した組成物である請求項7のD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。)。

請求項9

D-アロースが、D-アロース、および/または、その誘導体を配合した組成物である場合、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである請求項8のD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。)。

請求項10

上記組成物が、D-アロース、および/または、その誘導体を有効成分として配合した、高血圧発症および/または心肥大などの循環器障害の発症の予防および治療に用いることができる食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである請求項9のD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。)。

請求項11

D-アロース、および/または、その誘導体を、組成物中に0.1〜50重量%含まれるように配合する請求項9または10のD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。)。

請求項12

血圧上昇が食塩感受性高血圧である請求項7ないし11のいずれかのD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。)。

技術分野

0001

本発明は、D-アロース高血圧発症抑制に使用する技術に関する。より詳細には本発明は、D-アロースを食品添加物食品素材飲食品、健康飲食品、医薬品、飼料の形態で飲食経口投与等することにより、D-アロースの高血圧発症抑制作用を利用することに関する。また高血圧発症を抑制する効果として、心肥大などの循環器障害発症を抑制する作用を利用することに関する。
[表や図に使われている英語表記や省略の表記
表1、表2、図1
DR: Dahl salt-resistant(食塩抵抗性Dahlラット
DS: Dahl salt-sensitive(食塩感受性Dahlラット)
表3
WKY: Wister Kyoto rat
SHR: Spontaneously hypertensive rat自然発症高血圧ラット
図2
DR: Dahl salt-resistant(食塩抵抗性Dahlラット)
DS: Dahl salt-sensitive(食塩感受性Dahlラット)
DHE: dihydroethidium
cpm/mg dry tissue: cpm/mg乾燥組織
図3
SHR: Spontaneously hypertensive rat自然発症高血圧ラット

背景技術

0002

高血圧症は国内外で最も罹患率の高い疾患であり、本症あるいは動脈硬化症、心肥大、腎機能障害などの関連臓器での病態進行には、生体循環臓器組織における酸化ストレスの増大が重要な役割を果たすことが示唆されている(非特許文献1,2)。過去に血圧上昇とそれに伴なう心血管腎臓系などの循環器臓器障害時では活性酸素類の産生増加が認められ、この活性酸素類が高血圧性臓器機能障害を引き起こす原因となるとされている。
高血圧患者は、通常病気だと感じないので、末期臓器不全が始まるまでしばしば診断を受けず、治療しないまま放置する。従って、高血圧はヒトにおける心臓血管の罹患率および死亡率の主な原因である。多くの高血圧患者は、高塩分の食事血圧を上昇させ、またはすでに上昇した血圧を悪化させるという点で塩分に敏感である。
近年では高血圧モデル動物、あるいはヒトにおいても活性酸素消去薬を投与することによってこれら高血圧性臓器障害、さらには血圧上昇までも抑制する効果があることが知られている。特に食塩摂取量依存性に血圧の上昇が引き起こされる食塩感受性高血圧症モデルラットにおいては、活性酸素消去薬の有効性が顕著に認められている(非特許文献3)。
Curr Hypertens Rep 2000;2: 98-105.
Curr Hypertens Rep 2002;4: 160-166.
J Am Soc Nephrol 2004;15:306-315.

発明が解決しようとする課題

0003

本発明は、D-アロースの新規用途(高血圧発症抑制の用途)を提供しようとするものである。今日、欧米先進国を中心として高血圧症などの生活習慣病蔓延しつつあり、日本国も例外ではなく、食環境の欧米化に伴う生活習慣病の急増顕在化している。その結果、心肥大などの循環器障害が死亡原因となる例が近年増加傾向にある。
しかるに、従来の高血圧症の治療効果の高い医療用医薬品は、一般的に副作用が強い上に多剤服用による重複毒性の問題などが存在するため、長期間に亘る使用には適していない。本発明は、このような従来の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、高血圧症に関連する疾患に対し、副作用などの心配をせずに予防、改善、および治療などを行い得る薬剤並びに機能性食品を提供することにある。

0004

高血圧の治療に用いられる慣用薬物療法が十分に効かない被検者にとっては、薬物療法の改良が望まれている。また、これらの病原症状の増加は、現在のアプロ−チに代わるか又はそれを補うようなより新しい治療的介入及び戦略が必要とされていることを示唆するものである。本発明はこの必要性に対処し、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品、飼料の形態で飲食、あるいは経口投与するだけで、高血圧発症の抑制および心肥大などの循環器障害の発症を抑制することができるD-アロースの使用技術を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、以下の(1)〜(5)の血圧上昇を抑制するための組成物を要旨としている。
(1)D-アロースを有効成分とする血圧上昇を抑制するための組成物。
(2)D-アロース、および/または、その誘導体を配合した組成物である(1)の血圧上昇を抑制するための組成物。
(3)D-アロース、および/または、その誘導体が、組成物中に0.1〜50重量%含まれるように配合されている(1)または(2)の血圧上昇を抑制するための組成物。
(4)上記組成物が、D-アロース、および/または、その誘導体を有効成分として配合した食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものであ(1)ないし(3)のいずれかの血圧上昇を抑制するための組成物。
(5)上記組成物が、D-アロース、および/または、その誘導体を有効成分として配合した、高血圧発症および/または心肥大などの循環器障害の発症の予防および治療に用いることができる食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである(4)の血圧上昇を抑制するための組成物。
(6)血圧上昇が食塩感受性高血圧である(1)ないし(5)のいずれかの血圧上昇を抑制するための組成物。

0006

本発明は、以下の(7)〜(11)のD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。)を要旨としている。
(7)D-アロースを血圧上昇の抑制に使用することを特徴とするD-アロースの使用方法(但し、医療行為を除く。以下省略)。
(8)D-アロースが、D-アロース、および/または、その誘導体、および/または、それを配合した組成物である(7)のD-アロースの使用方法。
(9)D-アロースが、D-アロース、および/または、その誘導体を配合した組成物である場合、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである(8)のD-アロースの使用方法。
(10)上記組成物が、D-アロース、および/または、その誘導体を有効成分として配合した、高血圧発症および/または心肥大などの循環器障害の発症の予防および治療に用いることができる食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである(9)のD-アロースの使用方法。
(11)D-アロース、および/または、その誘導体を、組成物中に0.1〜50重量%含まれるように配合する(9)または(10)のD-アロースの使用方法。
(12)血圧上昇が食塩感受性高血圧である(7)ないし(11)のいずれかのD-アロースの使用方法。

発明の効果

0007

本発明は、D-アロースの高血圧発症抑の用途を提供することができる。
より具体的には、本発明は、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品、飼料の形態で飲食、あるいは経口投与するだけで、高血圧発症の抑制をすることができる、また高血圧発症を抑制する効果として、心肥大などの循環器障害の発症を抑制することができる、D-アロースの使用技術を提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

D-アロースによる血圧上昇の抑制の効果を示す図面である。
D-アロースによる大動脈活性酸素産生抑制の効果を示す図面および写真である。
D-アロースのSHR収縮期血圧に及ぼす効果を示す図面である。

発明を実施するための最良の形態

0009

D-アロースは、希少糖研究の中で特に各種生理活性を有することが判明してきた希少糖である。希少糖とは、自然界に微量にしか存在しない単糖および糖アルコールと定義づけることができる。自然界に多量に存在する単糖は、D-グルコース、D-フラクトース、D-ガラクトース、D-マンノース、D-リボースD-キシロース、L-アラビノースの7種類あり、それ以外の単糖は全て希少糖である。また糖アルコールは単糖を還元してできるが、自然界にはD-ソルビトールが比較的多いがそれ以外のものは量的には少ないので、これらも希少糖と考えられる。本発明で分離回収の対象となるD-アロース(D-アロヘキソース)は、アルドースアルドヘキソース)に分類されるアロースのD体であり、融点が178℃の六炭糖(C6H12O6)である。

0010

このD-アロースの製法としては、D-アロンラクトンナトリウムアマルガムで還元する方法による製法や、また、シェイクワット・ホセイン・プイヤン等による「ジャーナルオブファンメンテーションアンドバイオエンジニアリング」第85巻、539ないし541頁(1993年)において記載されている、L-ラムノースイソメラーゼを用いてD-プシコースから合成する製法がある。また近年では、特開2002-17392号公報に、D-プシコースを含有する溶液にD-キシロース・イソメラーゼを作用させて、D-プシコースからD-アロースを生成する製法が発明されている。その公報に記載されている製法によれば、D-アロースを生成する場合には、未反応のD-プシコースと共に、新たに生成したD-アロースを含有している酵素反応液として得られる。さらに最近では、D-アロースに変換可能な基質酵素反応でD-アロースに変換する際に用いる酵素は、WO2004/063369号公報ではD-プシコースからD-アロースを生産することができる酵素としてPseudomonas stutzeriiLL172(IPODFERM BP-08593)および特願2005-95538号ではBacillus pallidus strain 14a(IPOD FERMAP-20172)由来L-ラムノース・イソメラーゼを用いる。

0011

たとえば、基質を含む溶液を原料にして、Bacillus pallidus strain 14a(IPODFERMAP-20172)由来のL-ラムノース・イソメラーゼ活性を有するタンパク質を用いる酵素反応で、60℃〜80℃で反応させて、効率よくD-アロースを含む溶液としてD-アロースを得ることができる。更にこのD-アロースを含む溶液から、D-アロースを分離回収することができ、また上記の反応は連続的に製造することができる。

0012

D-アロースは、D-アロース、および/または、その誘導体を用いることができる。D-アロースは、安定的に入手することができる単糖原料である。天然由来であり、食品食用として広く用いられている単糖であることから、人体にとって安全性のものであるといえる。
D-アロースの誘導体について説明する。ある出発化合物から分子の構造を化学反応により変換した化合物を出発化合物の誘導体と呼称する。D-アロースを含む六炭糖の誘導体には、糖アルコール(単糖類を還元すると、アルデヒド基およびケトン基アルコール基となり、炭素原子同数多価アルコールとなる)や、ウロン酸(単糖類のアルコール基が酸化したもので、天然ではD-グルクロン酸ガラクチュロン酸マンヌロン酸が知られている)、アミノ糖糖分子OH基がNH2基で置換されたもの、グルコサミンコンドロサミン配糖体などがある)などが一般的であるが、それらに限定されるものではない。

0013

本発明は、血圧上昇の抑制により症状が改善される、あるいは発病が予防される高血圧症の予防および治療に用いることができる、また高血圧発症を抑制する効果としての、心肥大などの循環器障害の発症が予防および治療に用いることができる、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料に関するものである。
本発明の食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料は、D-アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物が有効成分として含有されていることを特徴とする。

0014

すなわち、D-アロースは、D-アロース、および/または、その誘導体を有効成分として配合した組成物として用いることができる。経口等により内服することも、皮膚等に塗布することもできる。常法にしたがって経口、非経口製品に配合することができ、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、皮膚外用剤、医薬品および飼料等の様々な分野で利用することができる。高血圧発症抑制効果は、健康飲食品、栄養飲食品のほか、医薬品分野や食品添加物、食品素材、飲食品、飼料および化粧品分野において実利的な利用が期待されるものである。D-アロースの生体への適用は飲食物、医薬品、肥料、飼料、皮膚外用剤などに使用することで、その高血圧発症抑制効果、および様々な2次的な効果(心肥大などの循環器障害の発症抑制効果など)を得ることができる。

0015

D-アロース、および/または、その誘導体が、組成物中に0.1〜50重量%含まれるように配合されている。
本発明のD-アロース、および/または、その誘導体は、その機能性を生かして健康飲食品、患者用栄養飲食品を謳った食品、同様に、家畜家禽などの飼育動物のための飼料の開発が可能となった。D-アロースをその機能性を生かして用いる場合は、その含量は、特に制限されないが、目的とする機能の度合い、使用態様、使用量等により適宜調整することができ、例えば0.1〜50重量%である。

0016

D-アロースは高血圧発症抑制効果をもつことが本発明者らの実験によって証明できた。
そこでまず原因のはっきりしていない高血圧症、すなわち高血圧の90%以上を占める本態性高血圧症について説明する。成人病としての高血圧症、特に、本態性高血圧症(他に基礎疾患を持たない高血圧症)の成因に関して今日までに多くの研究開発がなされており、複雑な血圧調節機構複合して成立することによるものであることが解明されてきている。こうした因子には、腎性昇圧因子、副腎皮質神経性および神経体液性因子血行因子、ナトリウム代謝に関係する因子などが挙げられる。
腎性昇圧因子について、レニン傍糸球体細胞で産生されるタンパク質分解酵素で、傍糸球体装置内圧変化に応じて放出され、α2グロブリン中の基質であるアンジオテンシノーゲンの10,11番目のLeu−Leu(ヒトではLeu−Val)結合を特異的に加水分解してアンジオテンシンIデカペプチド)を生じる。これがアンジオテンシンI変換酵素の作用で2個のアミノ酸を失いアンジオテンシンIIオクタペプチド)となる。このアンジオテンシンIIは末梢血管平滑筋を直接収縮させ、強い昇圧活性作用発現することに起因するものである。副腎皮質について、アンジオテンシンIIは副腎皮質球状層に作用し、アルドステロン分泌を顕著に増加させ、レニン−アンジオテンシン系昇圧作用はアルドステロンを介して働くとされているものである(通常、レニン−アンジオテンシン系が異常に亢進する高血圧では、腎血管性高血圧悪性高血圧、また希ではあるがレニン産生腫瘍による高血圧となり、本態性高血圧症も、レニン−アンジオテンシン系が関与するといわれている)。神経性および神経体液性因子について、交感神経系の関与が考えられているものである(ただし、現在確証は得られていない)。血行因子について、血管反応性血管平滑筋収縮機構によるものである。この他に、遺伝因子、ナトリウム代謝に関係する因子などが挙げられる。

0017

こうした高血圧症の治療に使われるものに血圧降下剤があり広く用いられている。該薬剤は、血圧調節機構に影響を与えて血圧を下げるもので、作用機序を異にする多数の薬物があり、こうしたものとして(1)血管平滑筋に直接働いて血管拡張を起こす薬、(2)交感神経系の活性中枢から末梢血管の受容体に至る経路のどこかで抑制する薬(中枢性交感神経抑制薬、中枢、末梢の両方で抑制する薬物、神経節遮断薬アドレナリン作動性ニューロン遮断薬α受容体遮断薬)、(3)利尿薬、(4)アンジオテンシン拮抗薬(アンジオテンシンIIの作用を遮断する薬、アンジオテンシンI変換酵素抑制薬)等が用いられている。

0018

しかしながら、こうした薬剤は、いずれも高血圧症の患者に対して治療薬として用いられるもので、かつ医師による適切な診断による正しい処方が必要となる。従って、こうした治療薬を用いなくても食事療法等により該高血圧症を予防できることが望ましいわけであるが、そのために食塩の摂取量をコントロールすることで高血圧症を予防ないし抑制できることがその後の予防医学の研究等により確認されている。

0019

すなわち、食塩(塩化ナトリウム)の過剰な摂取により、上記の高血圧症の成因に関する血圧調節機構に大きく影響を及ぼし、その結果として高血圧症となることが確認されている。こうした中で、原因のはっきりしていない高血圧症、すなわち高血圧の90%以上を占める本態性高血圧症であっても食塩制限などの指導が行われているのである。
医学会は、高血圧症研究の結果に基づき、一般的にほとんどの個体において食事ナトリウム摂取を低下するように推奨している。例えば、成人の一日当たり食塩3.0gの制限を推奨している(アメリカ心臓協会「健康なアメリカ成人のための食事の指針Circulation 77:721-724,1988)。同様に、DASH研究により、食塩摂取を1.5gまで低下すると2.4gの食事の場合よりも血圧が低下することが示された。(NIH News Release,May 17,2000「NHLBI Studyは食事ナトリウム減少の血圧に対する大きな有益性を示す」)。

0020

一般的な認識ではナトリウム摂取量の減少は有益であるということであるが、ナトリウム摂取を減らそうとしない、あるいはできない人は多い。ナトリウムの作用は特に食塩感受性の個体において著しく、そのような個体は高血圧症になる危険性がより大きい。食塩感受性の個体における高血圧症は、それが普通の食事成分である塩化ナトリウムによって引き起こされるという点で他の型の高血圧症と区別される病理学的症状である。治療せずに放置すると、この症状を患う患者は心筋梗塞、卒中、心不全、腎機能障害、臓器障害やその他の心血管病状の発生率も増加することになる。

0021

さらに、D-アロースは血圧上昇の抑制のみならず、その結果として起こる心肥大(一定程度)抑制されることが本発明者らの実験によって証明できた。
高血圧は心臓における負荷を増大させ、心肥大をもたらすことが非臨床ならびに臨床試験において報告されている〔Schmieder REら, Cardiovasc Pharmacol.,16 (Suppl. 6), S16-S22 (1990)、Chevalier B ら,Circulation, 92, pp. 1947-1953 (1995) 〕。心肥大は高血圧に対抗して心拍出量を維持するための代償機転と言える。ところが、高血圧が長期にわたり持続すると、冠血管抵抗の上昇、冠血流予備能の低下および冠血流自動調節下限域の上昇などの冠血流調節異常をもたらし、上記の代償機転に限界が生じて心収縮力が徐々に低下し、虚血性心疾患あるいは心不全などの心血管病に陥ることがある〔Marcus ML ら, Circulation, 75 (Suppl. 1), I19-I25 (1987)〕。
心肥大は、遺伝的背景または後天的な圧負荷などによって心臓が通常より大きくなった状態であり、心不全につながる可能性がある。しかしながら、心肥大に対し、その進行を防ぐまたはその退縮を促進するといった心肥大抑制剤は、現在のところ市販されていない。これは、現在知られる心肥大抑制剤が強い副作用を有するため、実際にヒトに適用することができないからである。したがって、心肥大を抑制または改善し、かつ副作用などの問題のない薬剤が切望されている。D-アロースは前記のような問題点を解消する抗高血圧剤(血圧降下剤、心肥大抑制剤などを含む)であるということができる。

0022

また、本発明で用いられる抗高血圧剤としては、主に経口投薬としてタブレットカプセル粉末顆粒錠剤流体、またはゲル調製品等の形に成されるものである。同様に本発明の食品添加物質も、食品(飲料品を含む)中に粉末、顆粒、錠剤、流体、またはゲル等の形で添加されていれば良く、さらに体内腸管)で適当に作用できるように遅延剤等で予めコーティングしておいてもよい。

0023

さらに本発明で用いられる抗高血圧剤の経口投薬としてのタブレットおよびカプセルは、1回毎の服用量担持してなるものが好ましく、例えばシロップアカシアまたはソルビトール等のつなぎ薬品としての通常の賦形剤、例えばラクトース砂糖またはトウモロコシデンプンのような充填剤等を含有するものである。

0024

また経口液状製剤としては、水分または油分を含んだ懸濁液、溶液、乳濁液、シロップまたはエリキシルの形に成されるものであり、使用前に水または他の適当な賦形剤を加えて液状に戻すことのできる乾燥生成物としてもよい。こうした経口液状製剤は、例えばソルビトール、シロップまたはゼラチンのような懸濁剤、アカシア、レシチン等の乳化剤ココナッツ油、油状エステルプロピレングリコール等)のような非水賦形剤、その他通常の薬品として用いられる防腐剤添加剤、さらには必要に応じて調味料着色剤またはビタミン剤等が用いられる。 また本発明の食品添加物質または抗高血圧剤中の該キトサン添加量(または服用量)は、食塩の摂取量により、また高血圧症の度合や体重、年齢性別等によっても異なるものであり、好ましくは使用に際して適当な量を患者に応じて決めることが望ましいが、通常1日当たりの食塩の摂取量が12gである場合、70kgの高血圧症の成人男性の患者に対し、通常5〜6g/日の範囲がその治療に必要な大体の目安となるであろう。

0025

本発明による薬剤を医薬品として用いる際には、予防や治療に有効な量のフラボノイド製薬学的許容できる担体または希釈剤と共に製剤化されると良い。その他にも、結合剤吸収促進剤滑沢剤、乳化剤、界面活性剤酸化防止剤、防腐剤、着色剤、香料甘味料などを添加しても良い。

0026

このような医薬製剤において、有効成分であるフラボノイドの担体成分に対する割合は、0.1〜10重量%の範囲であり、特に0.5〜1.0重量%の範囲が好ましい。

0027

医薬製剤の剤形としては、顆粒剤細粒剤、錠剤、丸剤カプセル剤噴霧剤、溶液剤、懸濁液剤軟膏、ゲル、ペーストクリームなどを挙げることができ、その投与経路としては、経口、静脈内、筋肉内、皮下、関節腔など、種々の投与経路を挙げることができる。また、有効成分の投与量および投与頻度は、病状、年齢、性別、投与経路などに応じて適宜に変更することができる。

0028

本発明によるフラボノイドは、機能性食品に添加しても良い。この機能性食品は、栄養素一種以上含む天然物およびその加工物を指し、菓子類清涼飲料など、あらゆる飲食物に適用可能である。

0029

本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されることはない。

0030

Dahl食塩感受性高血圧発症ラットを用いて、食塩負荷開始後の血圧上昇経過と血管活性酸素産生に及ぼすD-アロース経口投与の影響を検討した。

0031

[方法]
動物及び処置
7週令雄性Dahl食塩感受性高血圧発症(DS)ラット及び同週令雄性Dahl食塩非感受性(DR)ラットを用いた。DSラットは、0.5%食塩食あるいは4%食塩食(オリエンタ酵母)で4週間飼育した(それぞれ0.5%食塩食群、4%食塩食群)。4%食塩食群はさらに、D-アロース(D-アロース群)あるいはD-グルコース(D-グルコース群)をkg体重あたり1日2gを期間中経口投与した。DRラットは0.5%食塩食で飼育し、正常対照とした。血圧はtail-cuff法で経時的に測定し、また食塩負荷の前と終了時に1日尿を採取した。観察期間終日胸部大動脈摘出し、その一部はルシジェニン法によって大動脈活性酸素産生量を定量し、また他の一部はDihydroxyethidium(DHE)蛍光法によって活性酸素産生量を群間比較した。さらに組織酸化ストレスの増大に関与するとされるNADPHオキシダーゼメッセンジャーRNA発現量定量(J Hypertens. 2004;22:2161-2168)のために、腎臓皮質と胸部大動脈の一部を-80度で保存した。

0032

〈大動脈活性酸素産生量測定〉
胸部大動脈片を10 mmol/L diethyldithiocarbamateを含んだ緩衝液; NaCl 118.3, KCl 4.7, CaCl2 2.5, KH2PO4 1.2, MgSO4 1.2, NaHCO3 25.0, glucose 5.5,EDTA0.026(in mmol/L)中で、5% CO2含有酸素ガスを通しながら37度で30分間インキュベートした後、10μmol /Lルシジェニンを含んだKrebs-HEPES緩衝液;NaCl 119,HEPES20, KCl 4.6, CaCl2 1.2, KH2PO4 0.4, MgSO4 1.0, Na2HPO4 0.15, NaHCO3 25.0, glucose 5.5 (pH 7.4) (in mmol/L)中に移し、生じた発光数をルミネセンスリーダーBLR-301;Aloka)で定量した。
また、一部の胸部大動脈片は、10μmol/L DHEを含んだKrebs-HEPES緩衝液中、37度で30分間インキュベートした後、直ちにOCT包埋した。クリオスタットにて包埋大動脈から10μmリングスライス片を作成し、共焦点顕微鏡(Bio-Rad)で活性酸素とDHEの特異的な反応によって生じたethidiumの組織内局在発光強度を観察した。

0033

[結果]
1)血圧(図1
4%食塩食飼育開始後、無処置のDSラットの収縮期及び拡張期血圧は徐々に上昇し、4週間後にはそれぞれ161 ± 5 及び125 ± 6 mmHgとなった。D-アロース群は、収縮期血圧135 ± 7 mmHg、拡張期血圧102 ± 4 mmHgに留まり、0.5%食塩食で飼育したDSラットと有意な差を認めなかった。一方、D-グルコース群では収縮期血圧162 ± 5 mmHg、拡張期血圧125 ± 6 mmHgと置4%食塩食無処群と同程度の血圧上昇が観察された。

0034

2)体重及び臓器重量(表1)
無処置DSラットでは、0.5%食塩食と4%食塩食による4週間の飼育で有意な体重の変化はなかった。D-アロース群は、無処置0.5%食塩食群あるいは4%食塩食群と比較し体重の増加の減弱がみられたが、D-グルコース群とは有意な差は認めなかった。また4%食塩食飼育3群間に摂取量に差はなかった(無処置群; 20.4 ± 1.0, D-アロース群; 20.6 ± 0.8, D-グルコース群; 21.4 ± 0.8 g/day per rat)。心重量/体重比は4%食塩食によって増大し、D-アロース群では有意に抑制された。腎臓重量/体重比も4%食塩食によって増大したが、D-アロースあるいはD-グルコース処置の影響はなかった。

0035

3)尿生成及び尿中タンパク排泄量(表1)
4%食塩食により、尿量及び尿中ナトリウム排泄量は顕著に増加した。4%食塩食無処置群、D-アロース群、D-グルコース群の各群間で有意な差はなかった。尿中タンパク排泄量は4%食塩食無処置群で増大し、D-アロース群では明らかに抑制されたが、D-グルコース群では変化がなかった。

0036

4)大動脈活性酸素産生(図2
ルシジェニン法によるラット胸部大動脈活性酸素産生量定量では、4%食塩食無処置群で有意な活性酸素産生増加を示し、D-アロース群では0.5%食塩食群あるいはDR正常対照群ベルに抑制された。一方、D-グルコース処置では抑制効果は見られなかった。DHE蛍光イメージでは、4%食塩食無処置群から得られた大動脈中膜核にシグナル集積増強を認め、これはD-アロース群では抑制されたが、D-グルコース群では変化がなかった。

0037

5)NADPHオキシダーゼ構成因子メッセンジャーRNA(表2)
NADPHオキシダーゼ構成因子であるp22phox及びNoxアナログ(Nox-1、gp91phox, Nox-4)のメッセンジャーRNA発現量を胸部大動脈及び腎皮質比較定量した。4%食塩食無処置群の胸部大動脈においてgp91phoxと Nox-4のメッセンジャーRNAの、また腎皮質ではgp91phoxのそれぞれ有意な増加を認め、これらはいずれもD-アロース併用投与によって0.5%食塩食群あるいはDR正常対照群レベルにまで抑制された。

0038

[考察]
食塩負荷によって生じる血圧上昇の機序は未だ不明な点が多いが、循環器系組織での酸化ストレスの増大が血圧上昇に結びついていることは、動物実験でほぼ明らかになっている(Curr Hypertens Rep;2:98-105)。食塩感受性高血圧はまた、インスリン抵抗性と密接に関係していることが知られている。過去の報告例では、活性酸素消去薬による治療でこのインスリン抵抗性の改善も併せて期待できることが述べられている(Am J Hypertens 1998;11: 397-402., Hypertension 2002;40:83-89.)。
Zhangらは、高カロリー食で飼育したDSラットに食塩を負荷することによって血圧上の昇度合いがさらに増強することを報告しており、これはカロリー摂取量と食塩感受性高血圧の密接な関連性を指摘するものである(Am J Hypertens 1999;12:183-187.)。循環器系疾患リスクファクターとなる高血圧や肥満などは、個人食生活習慣に大きく依存しており、American Heart Associationでは日からエネルギー源摂取過剰を防ぎ、運動習慣を身につけることを推奨している(AHA dietary guidelines. Revision 2000: A statement for healthcare professionals from the nutrition committee of the American Heart Association.Circulation 2000;102:2284-2299.)。この意味において、1)D-アロースはノンカロリー単糖であり、これを甘味料などとして食品に使用することは余剰カロリー摂取を抑制することとなり、高血圧に直結する体重増加を防ぐ一助となる。さらに、2)D-アロースは活性酸素産生抑制作用を有することから、インスリン抵抗性の改善と共に高血圧に付随しておこる組織障害の原因となる酸化ストレスを軽減することに付加的価値があるといえる。
試験成績で明らかとしたD-アロースによる食塩感受性高血圧発症ラットにおける血圧上昇抑制効果は、上記2)に示した血管組織での酸化ストレスの軽減に第一義的に起因すると考えられるが、D-アロースに代替えすることによって総カロリー摂取量を制限することを可能とすれば、上記1)の理由によって相乗的に食塩感受性高血圧の進展抑制に効果を発揮することができる。さらにD-アロースは、組織依存性グルコーストランスポーター機能を修飾することが報告されており、組織への糖の取り込みに影響を与えることで、血圧の食塩感受性を抑制する機序も考えられる。

0039

高血圧自然発症ラットを用いて、食塩負荷及び非負荷での血圧上昇経過に及ぼすD-アロース経口投与の影響を検討した。

0040

[方法]
〈動物及び処置〉
8週令雄性高血圧自然発症ラット(SHR)及び同週令雄性ウィスターKYOTOラット(WKY)を用いた。SHRは、0.5%食塩食あるいは8%食塩食(オリエンタル酵母)で4週間飼育した(それぞれ0.5%食塩食群、8%食塩食群)。0.5%食塩食および8%食塩食群はさらに、D-アロース(D-アロース群)あるいはD-グルコース(D-グルコース群)をkg体重あたり1日2gを期間中経口投与した。WKYは0.5%食塩食で飼育し、正常対照とした。収縮期血圧はtail-cuff法で経時的に測定した。

0041

[結果]
1)血圧(図3
SHRは0.5%食塩食での4週間の飼育で、収縮期血圧がそれぞれ169 ± 4から201 ± 2 mmHgに上昇したのに対し、WKYの収縮期血圧の変化は、124 ± 4から131 ± 4 mmHgであった。SHRにおいては8%食塩食飼育によって、血圧上昇はさらに顕著となり4週後には収縮期血圧は254 ± 8 mmHgに達した。 D-アロース処置により、0.5%食塩食飼育での血圧上昇は有意に抑制され、収縮期血圧は 180 ± 5 mmHgであった。また8%食塩食飼育においてもD-アロース処置により、その収縮期血圧上昇は222 ± 8 mmHg、に留まった。一方、D-グルコース処置群ではいずれの食塩食飼育においても無処置コントロール同程度の収縮期血圧上昇が観察された。(0.5%食塩食+D-グルコース;201 ± 7 mmHg、8%食塩食+D-グルコース;255 ± 5 mmHg )。

0042

2)心臓重量および腎臓重量 (表3)
SHRでは、0.5%食塩食あるいは8%食塩食それぞれの群間に有意な体重の変化はなかった。D-アロース群は、0.5%食塩食飼育と8%食塩食飼育のいずれにおいてもD-アロース処置群はコントロールと比較して心臓重量および心臓/体重比の有意な抑制を認めた。一方、D-グルコース処置群は、いずれの食塩食飼育においてもコントロールと差は認めなかった。

0043

[考察]
D-アロースの経口摂取は、高血圧自然発症ラット(SHR)の収縮期血圧の上昇を有効に抑えることがわかった。高食塩負荷においては血圧の上昇はより著明になるが、D-アロースはその上昇も抑制した。またD-アロース投与は、心疾患の一因とされる心肥大を抑制した。また同様に高食塩負荷によりこの心肥大は促進されるが、D-アロースはそれを抑制した。

0044

D-アロースの高血圧発症抑制効果が確立されれば、これまでの薬剤と異なり、糖であるという利便性を生かして、つまり薬剤としてではなく食品や嗜好品などの形で利用も可能となる。高血圧発症抑制薬としての利用もさることながら、食品や嗜好品などの形で利用においても社会的な効果(経済効果も含め)は大きいと思われる。
食塩摂取量を制限しコントロールする必要がなく、糖であるという決定的な特徴を生かして食事の味つけにおいても健康な人(動物)のものと変わらずでき、わざわざ低食塩食を作る必要もなくまた味覚的にも塩味を呈する食塩(塩味は食塩であるNa+ とCl- の総合的な味として知覚される)を用いることができ、低食塩食における味気無いものとならない点でも優れた食品添加物質および抗高血圧剤となり得るものである。
さらに、D-アロースは血圧上昇の抑制のみならず、その結果として起こる心肥大を一定程度抑制する効果が確立されれば、心肥大を抑制または改善し、かつ副作用などの問題のない薬剤となり得るものである。その心肥大抑制効果は食品や嗜好品などの形で利用も可能である。

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