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技術 無線通信装置、移動端末装置及び無線通信方法

出願人 富士通株式会社
発明者 筒井正文
出願日 2005年5月20日 (15年7ヶ月経過) 出願番号 2007-516173
公開日 2008年12月25日 (12年0ヶ月経過) 公開番号 WO2006-123418
状態 特許登録済
技術分野 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等) 移動無線通信システム 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等) 時分割方式以外の多重化通信方式
主要キーワード 角度差φ 切替距離 非線形アルゴリズム 位置測定器 SP変換 GPS測位法 受信時刻差 振り分け制御
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図面 (19)

課題・解決手段

マルチストリームの送信を行う第1のマルチアンテナ送信制御シングルストリーム送信を行う第2のマルチアンテナ送信制御とを切り替え通信を行う通信システムにおいて、基地局と移動端末間の距離を算出し、端末までの距離が設定距離より小さければ、第1のマルチアンテナ送信制御としてのマルチインプットマルチアウトプットMIMO)送信制御を行い、端末までの距離が設定距離より大きければ前記第2のマルチアンテナ送信制御、例えばAAA制御を行う。

概要

背景

マルチアンテナを用いて通信するマルチアンテナ技術にはマルチストリームの送信を行うMIMO(マルチインプットマルチアウトプット送信制御と、シングルストリームの送信を行うAAA(アダプティブアレーアンテナ)送信制御がある。
・MIMO
図18はMIMO多重送信システムの構成図であり、TRXは送信局、RECは受信局である。送信アンテナの数Mと同じ数のデータストリームD0DM-1が、それぞれの送信装置(TRX0〜TRXM-1) 10〜1M-1でデータ変調・D/A変換・直交変調周波数アップコンバートなどの処理を経て、各送信アンテナ20〜2M-1から送信される。お互いに無相関となるように配置されたアンテナ20〜2M-1から送信された信号は、独立のフェージングチャネルhnm(m=0〜M-1,n=0〜N-1)を通り、空間で多重された後、N本の受信アンテナ30〜3N-1で受信される。各受信アンテナで受信された信号は、受信装置(REC0〜RECN-1) 40〜4N-1で周波数ダウンコンバート直交検波・A/D変換処理等を経て、y0〜yN-1の受信データストリームが生成される。各受信データストリームは、M個の送信データストリームが多重された形になっているため、データ処理部5で全ての受信データストリームに対して信号処理を行うことにより、送信データストリームD0〜DM-1を分離・再生できる。
受信信号より送信データストリームD0〜DM-1を分離する信号処理のアルゴリズムには、チャネル相関行列逆行列を用いるZF(Zero-Forcing) やMMSEといった線形アルゴリズムとBLAST(Bell Laboratories Layered Space-Time)に代表される非線形アルゴリズムがある。また、MLD(Maximum Likelihood Decoding)などの相関行列逆行列演算を使用しない方法も知られている。MLDアルゴリズムについて説明する。
今、送信データストリームをM次元複素行列で、受信データストリームをN次元の複素行列で表すと、次式の関係がある。



MLDアルゴリズムは、相関行列の逆行列演算を使用しない方法であり、次式により送信データストリーム(送信ベクトル)Dを推定する。



ここで、M個の各アンテナに入力する変調データの信号点配置数をQとすると送信ベクトルDの組合せはQM個存在する。QPSKでQ=4, 16QAMでQ=16, 64QAMでQ=64となる。MLDアルゴリズムではQM個の送信ベクトルの候補(レプリカ)を発生して上式演算を行ない、結果が最小となるレプリカが入力データであると推定する方法である。

・AAA
複数個アンテナ素子を例えば直線状に異なる空間位置に配置したものをアレーアンテナという。このアレーアンテナの各アンテナ素子に入力する信号に重み付けして送信ビーム移動端末に向ける技術が適応アレーアンテナ(AAA: Adaptive Array Antenna) 制御である。
図19はAAA制御によりデータを送受信する無線装置の構成図である。アレーアンテナ30は信号を受信し、ベースバンド及びディジタル信号処理部31に入力する。信号処理部31はアンテナ素子毎に信号処理して複素ディジタル受信データを出力する。到来方向推定部32は各アンテナ素子の複素ディジタル受信データを用いて信号の到来方向を推定する。ビーム形成器(受信ビームフォーマ)33は到来方向推定部32から取得した信号の到来方向の推定値を用いて信号源方向ピークを有するようにビームを形成する。すなわち、ビーム形成器33は干渉雑音などを抑圧しながら希望信号(移動端末からの信号)を抽出してチャネル受信部34に送る。チャネル受信部34は周知の方法で受信処理を行って受信データを復調、出力する。
一方、データを移動端末に向けて送信する場合、送信ビームフォーマ35は、送信部36から送信データが入力されると、到来方向推定部32により推定された方向にピークが向くように送信ビームパターンを形成し、複素ディジタル送信信号をベースバンド及びディジタル信号処理部37に入力する。信号処理部37は複素ディジタル送信データを無線信号に変換してアレーアンテナ38の各アンテナ素子に入力する。この結果、受信局に向けてビームが放射され、誤り率を低下できる。なお、アレーアンテナ30,38を共通化することができる。

ところで、MIMOやAAAなどのマルチアンテナ技術は現在サービスされている携帯電話システムに導入されたことがなく、今後、適用が検討されている技術である。ただし、PHSへのAAAの導入、無線LANへのMIMOの適用は報告されている。
今後の移動通信システムへの導入を目指して、これらマルチアンテナ技術の検討がなされ、種々の方式が提案されている。MIMO送信は前述のように送受信のアンテナ間が無相関に近いときに高速データ伝送が実現でき、AAA送信は送受信のアンテナ間の相関が1に近いときに有利である。この事実をもとに、第1従来技術としてアンテナ間の相関が低いときにMIMO送信を行い、相関が高いときにAAA送信に切り替える方法が提案されている(特許文献1参照)。第1従来技術は、受信装置においてアンテナ間の空間相関値と受信信号のSIR(Signal to Interference Ratio)を測定し、これら空間相関値とSIRを用いて伝送方式(MIMO、AAAなど)毎の通信容量を決定して通信容量最大の伝送方式を送信装置に通知し、送信装置が該伝送方式にしたがって送信するものである。しかし、第1従来技術は、各アンテナ間の空間相関値、SIRを算出する必要があり、構成が複雑になる問題がある。また、各伝送方式の通信容量を算出し、通信容量最大の伝送方式を決定するまで最適な伝送方式に切り替えることができず、切り替えが遅延する問題もある。
また、第2従来技術として、SIRを測定し、該SIRが閾値以下の場合、MIMOからSTC(Space-Time Coding:時空間符号化)に切替える方法が提案されている(特許文献2参照)。STCは、複数のアンテナから符号化サブストリームを同時に送信する伝送技術で、符号化と送信ダイバーシチを結合した技術である。すなわち、STCにおいて、送信装置は、データストリームに時空間符号化処理を施すことにより、複数の互いに異なるデータストリームを生
成し、複数の送信アンテナからこれらデータストリームを同時に同一周波数無線送信し、受信装置は、受信信号に含まれるパイロットシンボルを用いて送信アンテナと受信アンテナの対毎に対応する伝搬路推定を行い、推定した伝搬路特性に基づいて情報ビットパリティビット重畳された受信信号を復号する。
第2従来技術は、受信装置において複数の受信アンテナの受信SIRを算出し、全受信アンテナのSIRを評価して最適な伝送方式を決定し、該伝送方式で送信するよう送信装置に指示するものであり、第1従来技術ほど構成は複雑にはならないが切り替えが遅延する問題がある。
移動通信システムへのマルチアンテナ技術の導入に際して、MIMO送信は伝送レートの改善(高スループット化)を目的とし、AAA送信は通信品質(SNR:Signal to Noise Ratio)の改善を目的とする。全送信電力を一定としたとき、MIMO送信では多くのストリームに電力割り振ることで高い伝送レートを実現し、AAAではシングルストリームを指向性ビームフォーミングすることで、より遠くまで電波を飛ばして遠距離通信を実現する。言い換えると、MIMO送信では高速伝送は実現できるものの通信距離を大きく出来ない。また、AAA送信では、通信距離は大きく出来るものの伝送レートに制限がある。
上より、本発明の目的は、MIMO送信の高速伝送と、AAA送信によるセル半径増大効果を併せ持つ移動通信システムを実現することである。
本発明の別の目的は、簡単な制御で高速にMIMO送信とAAA送信を切替えられるようにすることである。
特開2004-194262号公報
特開2004-72624号公報

概要

マルチストリームの送信を行う第1のマルチアンテナ送信制御とシングルストリーム送信を行う第2のマルチアンテナ送信制御とを切り替えて通信を行う通信システムにおいて、基地局と移動端末間の距離を算出し、端末までの距離が設定距離より小さければ、第1のマルチアンテナ送信制御としてのマルチインプットマルチアウトプット(MIMO)送信制御を行い、端末までの距離が設定距離より大きければ前記第2のマルチアンテナ送信制御、例えばAAA制御を行う。

目的

移動通信システムへのマルチアンテナ技術の導入に際して、MIMO送信は伝送レートの改善(高スループット化)を目的とし、AAA送信は通信品質(SNR:Signal to Noise Ratio)の改善を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
4件

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請求項1

複数のアンテナを備え、マルチストリーム送信を行う第1のマルチアンテナ送信制御シングルストリーム送信を行う第2のマルチアンテナ送信制御とを切り替え無線通信装置において、前記第1のマルチアンテナ送信制御としてのマルチインプットマルチアウトプットMIMO)送信制御を行う第1の送信部、第2のマルチアンテナ送信制御を行う第2の送信部、通信相手までの距離が設定距離より小さければ前記第1のマルチアンテナ送信制御としてのMIMO送信を行い、設定距離より大きければ前記第2のマルチアンテナ送信を行うように制御する制御部、を備えたことを特徴とする無線通信装置。

請求項2

前記第2のマルチアンテナ送信制御はアダプティブアレーアンテナ(AAA)送信制御であり、前記第2の送信部はAAA送信部である、ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。

請求項3

前記第2のマルチアンテナ送信制御はアンテナダイバーシチ送信制御であり、前記第2の送信部はアンテナダイバーシチ送信部である、ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。

請求項4

前記通信相手である移動端末より該端末位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記制御部は該位置情報より移動端末までの前記距離を算出する、ことを特徴とする請求項1乃至3記載の無線通信装置。

請求項5

前記通信相手である移動端末より該端末の位置情報を取得する位置情報取得部、該端末の位置情報より該端末の方向を算出する端末方向算出部を備え、前記AAA送信部は該端末方向にビームを向けるためのビームフォーミング制御を行うビームフォーマを有することを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。

請求項6

前記位置情報は端末の所在する位置の経度緯度、高さの三次元情報であり、前記ビームフォーマは該端末方向にビームを向けるための三次元ビームフォーミング制御を行う、ことを特徴とする請求項5記載の無線通信装置。

請求項7

建物の位置と該建物の三次元形状を特定する建物データを備えた地図情報記憶部を有し、前記制御部は、前記建物データを参照して無線通信装置と通信相手を結ぶ直線上に該通信相手を遮る建物が存在するか判断し、存在する場合には該通信相手までの前記距離が設定距離より大きくてもMIMO送信するよう制御する、ことを特徴とする請求項1乃至3記載の無線通信装置。

請求項8

前記通信相手である移動端末より該端末の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記AAA送信部は2つの端末の位置情報より求まる各端末方向の角度差設定角度より大きければ各端末へのAAA送信を同時に行い、小さければ別々のタイミングでAAA送信を行うよう制御する、ことを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。

請求項9

複数のアンテナを備え、マルチストリーム受信を行う第1のマルチアンテナ受信制御とシングルストリーム受信を行う第2のマルチアンテナ受信制御とを切り替える移動端末装置において、移動端末の位置を測定する位置測定部、該位置情報を基地局に送信する位置送信部、MIMO受信制御を前記第1のマルチアンテナ受信制御として行う第1のマルチアンテナ受信部、AAA受信制御あるいはアンテナダイバーシチ受信制御を第2のマルチアンテナ受信制御として行う第2のマルチアンテナ受信部、基地局と移動端末間の距離に基づいて基地局装置が決定する送信方式に基づいて第1のマルチアンテナ受信と第2のマルチアンテナ受信の受信切り替えを行う切替部、を備えたことを特徴とする移動端末装置。

請求項10

前記位置測定部は、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するGPS受信機、GPS信号より移動端末の位置を算出する位置算出部、を備えていることを特徴とする請求項9記載の移動端末装置。

請求項11

前記位置測定部は、複数の基地局から同期して送信される信号の受信時刻差を検出し、該受信時刻差及び基地局位置に基づいて移動端末の位置を算出する位置算出部、を備えていることを特徴とする請求項9記載の移動端末装置。

請求項12

マルチストリームの送信を行う第1のマルチアンテナ送信制御とシングルストリームの送信を行う第2のマルチアンテナ送信制御とを切り替えて通信を行う通信システムにおける無線通信方法において、基地局と移動端末間の距離を算出し、該距離が設定距離より小さければ、前記第1のマルチアンテナ送信制御としてのマルチインプットマルチアウトプット(MIMO)送信制御を行い、該距離が設定距離より大きければ前記第2のマルチアンテナ送信制御を行う、ことを特徴とする無線通信方法。

請求項13

前記第2のマルチアンテナ送信制御はアダプティブアレーアンテナ(AAA)送信制御である、ことを特徴とする請求項12記載の無線通信方法。

請求項14

前記第2のマルチアンテナ送信制御はアンテナダイバーシチ送信制御である、ことを特徴とする請求項12記載の無線通信方法。

請求項15

移動端末が測定した該移動端末の位置情報により基地局と端末間の前記距離を算出する、ことを特徴とする請求項12乃至14記載の無線通信方法。

請求項16

前記移動端末はGPS測位方法により位置を測定することを特徴とする請求項15記載の無線通信方法。

請求項17

移動端末が測定した該移動端末の位置情報より該端末の方向を算出し、該端末方向にビームを向けるためのビームフォーミング制御を行う、ことを特徴とする請求項13記載の無線通信方法。

請求項18

前記位置情報は端末の所在する位置の経度、緯度、高さの三次元情報であり、該端末方向にビームを向けるための三次元ビームフォーミング制御を行う、ことを特徴とする請求項17記載の無線通信方法。

請求項19

建物の位置と三次元形状を特定する建物データを備え、該建物データを参照して基地局と移動端末を結ぶ直線上に該端末を遮る建物が存在するか判断し、存在する場合には端末までの距離が設定距離より大きくてもMIMO送信するよう制御する、ことを特徴とする請求項12乃至14記載の無線通信方法。

請求項20

移動端末より該端末の位置情報を取得し、2つの端末の位置情報より各端末方向の角度差を算出し、該角度差が設定角度より大きければ各端末へのAAA送信を同時に行い、小さければ別々のタイミングでAAA送信を行うよう制御する、ことを特徴とする請求項13記載の無線通信方法。

技術分野

0001

本発明は、無線通信装置移動端末装置及び無線通信方法に係わり、特に、複数のアンテナを備え、マルチストリーム送信を行う第1のマルチアンテナ送信制御(例えばMIMO送信制御)とシングルストリーム送信を行う第2のマルチアンテナ送信制御(例えばAAA送信制御)を切り替える無線通信装置、移動端末装置及び無線通信方法に関する。

背景技術

0002

マルチアンテナを用いて通信するマルチアンテナ技術にはマルチストリームの送信を行うMIMO(マルチインプットマルチアウトプット)送信制御と、シングルストリームの送信を行うAAA(アダプティブアレーアンテナ)送信制御がある。
・MIMO
図18はMIMO多重送信システムの構成図であり、TRXは送信局、RECは受信局である。送信アンテナの数Mと同じ数のデータストリームD0DM-1が、それぞれの送信装置(TRX0〜TRXM-1) 10〜1M-1でデータ変調・D/A変換・直交変調周波数アップコンバートなどの処理を経て、各送信アンテナ20〜2M-1から送信される。お互いに無相関となるように配置されたアンテナ20〜2M-1から送信された信号は、独立のフェージングチャネルhnm(m=0〜M-1,n=0〜N-1)を通り、空間で多重された後、N本の受信アンテナ30〜3N-1で受信される。各受信アンテナで受信された信号は、受信装置(REC0〜RECN-1) 40〜4N-1で周波数ダウンコンバート直交検波・A/D変換処理等を経て、y0〜yN-1の受信データストリームが生成される。各受信データストリームは、M個の送信データストリームが多重された形になっているため、データ処理部5で全ての受信データストリームに対して信号処理を行うことにより、送信データストリームD0〜DM-1を分離・再生できる。
受信信号より送信データストリームD0〜DM-1を分離する信号処理のアルゴリズムには、チャネル相関行列逆行列を用いるZF(Zero-Forcing) やMMSEといった線形アルゴリズムとBLAST(Bell Laboratories Layered Space-Time)に代表される非線形アルゴリズムがある。また、MLD(Maximum Likelihood Decoding)などの相関行列逆行列演算を使用しない方法も知られている。MLDアルゴリズムについて説明する。
今、送信データストリームをM次元複素行列で、受信データストリームをN次元の複素行列で表すと、次式の関係がある。



MLDアルゴリズムは、相関行列の逆行列演算を使用しない方法であり、次式により送信データストリーム(送信ベクトル)Dを推定する。



ここで、M個の各アンテナに入力する変調データの信号点配置数をQとすると送信ベクトルDの組合せはQM個存在する。QPSKでQ=4, 16QAMでQ=16, 64QAMでQ=64となる。MLDアルゴリズムではQM個の送信ベクトルの候補(レプリカ)を発生して上式演算を行ない、結果が最小となるレプリカが入力データであると推定する方法である。

0003

・AAA
複数個アンテナ素子を例えば直線状に異なる空間位置に配置したものをアレーアンテナという。このアレーアンテナの各アンテナ素子に入力する信号に重み付けして送信ビーム移動端末に向ける技術が適応アレーアンテナ(AAA: Adaptive Array Antenna) 制御である。
図19はAAA制御によりデータを送受信する無線装置の構成図である。アレーアンテナ30は信号を受信し、ベースバンド及びディジタル信号処理部31に入力する。信号処理部31はアンテナ素子毎に信号処理して複素ディジタル受信データを出力する。到来方向推定部32は各アンテナ素子の複素ディジタル受信データを用いて信号の到来方向を推定する。ビーム形成器(受信ビームフォーマ)33は到来方向推定部32から取得した信号の到来方向の推定値を用いて信号源方向ピークを有するようにビームを形成する。すなわち、ビーム形成器33は干渉雑音などを抑圧しながら希望信号(移動端末からの信号)を抽出してチャネル受信部34に送る。チャネル受信部34は周知の方法で受信処理を行って受信データを復調、出力する。
一方、データを移動端末に向けて送信する場合、送信ビームフォーマ35は、送信部36から送信データが入力されると、到来方向推定部32により推定された方向にピークが向くように送信ビームパターンを形成し、複素ディジタル送信信号をベースバンド及びディジタル信号処理部37に入力する。信号処理部37は複素ディジタル送信データを無線信号に変換してアレーアンテナ38の各アンテナ素子に入力する。この結果、受信局に向けてビームが放射され、誤り率を低下できる。なお、アレーアンテナ30,38を共通化することができる。

0004

ところで、MIMOやAAAなどのマルチアンテナ技術は現在サービスされている携帯電話システムに導入されたことがなく、今後、適用が検討されている技術である。ただし、PHSへのAAAの導入、無線LANへのMIMOの適用は報告されている。
今後の移動通信システムへの導入を目指して、これらマルチアンテナ技術の検討がなされ、種々の方式が提案されている。MIMO送信は前述のように送受信のアンテナ間が無相関に近いときに高速データ伝送が実現でき、AAA送信は送受信のアンテナ間の相関が1に近いときに有利である。この事実をもとに、第1従来技術としてアンテナ間の相関が低いときにMIMO送信を行い、相関が高いときにAAA送信に切り替える方法が提案されている(特許文献1参照)。第1従来技術は、受信装置においてアンテナ間の空間相関値と受信信号のSIR(Signal to Interference Ratio)を測定し、これら空間相関値とSIRを用いて伝送方式(MIMO、AAAなど)毎の通信容量を決定して通信容量最大の伝送方式を送信装置に通知し、送信装置が該伝送方式にしたがって送信するものである。しかし、第1従来技術は、各アンテナ間の空間相関値、SIRを算出する必要があり、構成が複雑になる問題がある。また、各伝送方式の通信容量を算出し、通信容量最大の伝送方式を決定するまで最適な伝送方式に切り替えることができず、切り替えが遅延する問題もある。
また、第2従来技術として、SIRを測定し、該SIRが閾値以下の場合、MIMOからSTC(Space-Time Coding:時空間符号化)に切替える方法が提案されている(特許文献2参照)。STCは、複数のアンテナから符号化サブストリームを同時に送信する伝送技術で、符号化と送信ダイバーシチを結合した技術である。すなわち、STCにおいて、送信装置は、データストリームに時空間符号化処理を施すことにより、複数の互いに異なるデータストリームを生
成し、複数の送信アンテナからこれらデータストリームを同時に同一周波数無線送信し、受信装置は、受信信号に含まれるパイロットシンボルを用いて送信アンテナと受信アンテナの対毎に対応する伝搬路推定を行い、推定した伝搬路特性に基づいて情報ビットパリティビット重畳された受信信号を復号する。
第2従来技術は、受信装置において複数の受信アンテナの受信SIRを算出し、全受信アンテナのSIRを評価して最適な伝送方式を決定し、該伝送方式で送信するよう送信装置に指示するものであり、第1従来技術ほど構成は複雑にはならないが切り替えが遅延する問題がある。
移動通信システムへのマルチアンテナ技術の導入に際して、MIMO送信は伝送レートの改善(高スループット化)を目的とし、AAA送信は通信品質(SNR:Signal to Noise Ratio)の改善を目的とする。全送信電力を一定としたとき、MIMO送信では多くのストリームに電力割り振ることで高い伝送レートを実現し、AAAではシングルストリームを指向性ビームフォーミングすることで、より遠くまで電波を飛ばして遠距離通信を実現する。言い換えると、MIMO送信では高速伝送は実現できるものの通信距離を大きく出来ない。また、AAA送信では、通信距離は大きく出来るものの伝送レートに制限がある。
上より、本発明の目的は、MIMO送信の高速伝送と、AAA送信によるセル半径増大効果を併せ持つ移動通信システムを実現することである。
本発明の別の目的は、簡単な制御で高速にMIMO送信とAAA送信を切替えられるようにすることである。
特開2004-194262号公報
特開2004-72624号公報

0005

本発明の第1は、マルチストリーム送信を行う第1のマルチアンテナ送信制御とシングルストリーム送信を行う第2のマルチアンテナ送信制御とを切り替えて通信する無線通信装置であり、前記第1のマルチアンテナ送信制御としてのマルチインプットマルチアウトプット(MIMO)送信制御を行う第1の送信部、前記第2のマルチアンテナ送信制御を行う第2の送信部、通信相手までの距離が設定距離より小さければ前記MIMO送信を行い、設定距離より大きければ第2のマルチアンテナ送信を行うように制御する制御部を備えている。
前記第2のマルチアンテナ送信制御はアダプティブアレーアンテナ(AAA)送信制御あるいはアンテナダイバーシチ送信制御であり、前記第2の送信部はAAA送信部あるいはアンテナダイバーシチ送信制御である。
上記無線通信装置は、通信相手である移動端末より該端末位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記制御部は該位置情報より端末までの前記距離を算出する。
上記無線通信装置は、通信相手である移動端末より該端末の位置情報を取得する位置情報取得部、該端末の位置情報より該端末の方向を算出する端末方向算出部を備え、前記AAA送信部は該端末方向にビームを向けるためのビームフォーミング制御を行うビームフォーマを有している。
上記無線通信装置は、建物の位置と該建物の三次元形状を特定する建物データを備えた地図情報記憶部を備え、前記制御部は、前記建物データを参照して無線通信装置と通信相手を結ぶ直線上に該通信相手を遮る建物が存在するか判断し、存在する場合には該通信相手までの前記距離が設定距離より大きくてもMIMO送信するよう制御する。
上記無線通信装置は、通信相手である移動端末より該端末の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記AAA送信部は、2つの端末の位置情報より求まる各端末方向の角度差設定角度より大きければ各端末へのAAA送信を同時に行い、小さければ別々のタイミングでAAA送信を行うよう制御する。
本発明の第2は、複数のアンテナを備え、マルチストリーム受信を行う第1のマルチアンテナ受信制御とシングルストリーム受信を行う第2のマルチアンテナ受信制御とを切り替える移動端末装置であり、移動端末の位置を測定する位置測定部、該位置情報を基地局に送信する位置送信部、MIMO受信制御を前記第1のマルチアンテナ受信制御として行う第1の
マルチアンテナ受信部、 AAA受信制御あるいはアンテナダイバーシチ受信制御を第2のマルチアンテナ受信制御として行う第2のマルチアンテナ受信部、基地局と移動端末間の距離に基づいて基地局装置が決定する送信方式に基づいて第1のマルチアンテナ受信と第2のマルチアンテナ受信の受信切り替えを行う切替部を備えている。
前記位置測定部は、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するGPS受信機、GPS信号より移動端末の位置を算出する位置算出部を備えている。あるいは、前記位置測定部は、複数の基地局から同期して送信される信号の受信時刻差を検出し、該受信時刻差及び基地局位置に基づいて移動端末の位置を算出する位置算出部を備えている。
本発明の第3はマルチストリームの送信を行う第1のマルチアンテナ送信制御とシングルストリームの送信を行う第2のマルチアンテナ送信制御とを切り替えて通信を行う通信システムにおける無線通信方法であり、基地局と移動端末間の距離を算出するステップ、該距離が設定距離より小さければ、第1のマルチアンテナ送信制御としてのマルチインプットマルチアウトプット(MIMO)送信制御を行い、該距離が設定距離より大きければ第2のマルチアンテナ送信制御を行うステップを有している。前記第2のマルチアンテナ送信制御はアダプティブアレーアンテナ(AAA)送信制御あるいはアンテナダイバーシチ送信制御である。

図面の簡単な説明

0006

通信距離によるMIMO送信とAAA送信のスループットの比較例である。
第1実施例の通信システムの構成図である。
フレームフォーマットである。
MIMO送信部とAAA送信部の構成図である。
GPS測位法により位置を測定する原理説明図である。
三角測量法により位置を測定する原理説明図である。
送信方式決定処理フローである。
受信方式決定処理フローである。
第2実施例の説明図である。
第2実施例の通信システムの構成図である。
第2実施例の送信方式決定処理フローである。
ユーザデータ1,2を同時多重送信する場合の説明図である。
第3実施例のAAA送信部の構成図である。
STTDの説明図である。
STTDの別の説明図である。
[STTD+スペースダイバーシチ構成]の受信側の構成図である。
第4実施例の通信システムの構成図である。
MIMO多重送信システムの構成図である。
AAA制御によりデータを送受信する無線装置の構成図である。

発明を実施するための最良の形態

0007

(A)第1実施例
図1は通信距離によるMIMO送信とAAA送信のスループットの比較例であり、横軸を通信距離としたときの伝送レートを示している。図において、AはAAA送信の特性、BはMIMO送信の特性であり、送信アンテナ数受信アンテナ数が共に4本の場合である。図1よりいずれの送信方式においても、伝送距離が長くなるにつれて伝搬損失が大きくなり伝送レートが低下してくる。
MIMO送信は近距離で高レート伝送が実現できるものの、距離とともに伝送レートが低下している。一方、AAA送信は近距離での伝送レートに制限があるものの、通信距離が伸びても伝送レートが低下しにくい特徴がある。従ってMIMO送信とAAA送信を、2つの通信装置間の距離により切り替えることにより、すなわち、近距離においてMIMO送信を行い、遠距離においてAAA送信を行うことにより、近距離での高レート伝送を実現でき、かつ、遠距離間通信を実現できる。切替距離は両特性A,Bが交差する距離(図1の例では4km)である。
図2は第1実施例の通信システムの構成図であり、基地局装置50と1つの移動局(移動端末装置) 70が示されている。基地局装置50、移動端末70はそれぞれ複数のアンテナを備え、基地局50から移動端末70へのダウンリンクの通信に際してマルチアンテナ送信を行い、移動端末70から基地局50へのアップリンク通信に際してはシングルアンテナ送受信を行うようになっている。すなわち、基地局50は複数の送信用アンテナ511〜51mと1本の受信用アンテナ52を備え、移動端末60は受信用の複数のアンテナ711〜71nと1本の送信用アンテナ62を備えている。なお、基地局において、送信用アンテナ511〜51mのうち1本を受信用アンテナに兼用し、移動端末において受信用の複数のアンテ711〜71nの1本を送信用アンテナに兼用することができる。
移動端末70には位置測定部73が設けられており、移動端末70の2次元位置(経緯度)あるいは3次元位置を測定できるようになっている。送信処理部74は基地局へ送信するデータを符号化すると共に所定のフォーマットに組み立てて無線送信部75に入力する。無線送信部75はベースバンドの送信データを高周波数信号に変換して送信アンテナ72より基地局50に向けて送信する。
基地局50の無線受信部53は受信アンテナ52が受信した高周波信号ベースバンド信号に周波数ダウンコンバートして受信信号復調部54に入力する。受信信号復調部54は受信信号に復調処理を施し、移動端末の位置情報(経緯度)をMIMO/AAA切替判定部55に入力する。MIMO/AAA切替判定部55は基地局50の既知である位置情報(経緯度)と入力された移動端末の位置情報(経緯度)とを用いて、基地局と移動端末間の距離Dを算出し、該距離Dが設定距離Ds(例えば図1の例では4km)より大きいか、小さいか判定する。距離Dが設定距離Dsより小さければMIMO送信を行うものとし、距離Dが設定距離Dsより大きければAAA送信を行うものとして送信方式を制御チャネル作成部56と振り分け部57に入力する。
制御チャネル作成部56は送信方式(MIMO/AAA送信の別)を示すデータを含む制御チャネルを作成し、合成部58は制御チャネルCCHとデータチャネルDCHを結合して例えば図3に示すフォーマットを有するフレームに組み立てて振り分け部57に入力する。振り分け部57は、送信方式が変化したか監視しており、変化すれば、新たな送信方式を示す制御チャネルを含むフレームをそれまでの送信方式の送信部に入力し、次のフレームから新たな送信方式の送信部に入力するよう振り分け制御する。

0008

MIMO送信部59は図4に示すようにシリアルパラレル変換部(SP変換部)59aを備え、シリ
アルデータをm個並列データに変換し、m本の送信アンテナ511〜51mに入力するよう送出する。すなわち、MIMO送信は送信データをm個のマルチデータストリームに変換して送信する。
AAA送信部60の移動端末方向計算部60aは、移動端末70の位置情報と基地局50の位置情報とから移動端末の方向θを算出し、ビームフォーマ60bは入力データをm分岐し、移動端末の方向にビームが向くように各分岐入力データに所定の重み付け(w1〜wm)をしてm本の送信アンテナに入力するよう出力する。すなわち、AAA送信はMIMO送信と異なり送信データをシングルデータストリームで送信する。なお、θは2次元平面における移動端末の方向とし、該方向にビームが向くようにビームフォーマ60b が2次元ビームフォーミングを行うが、移動端末の3次元方向を求め、該方向にビームが向くようにビームフォーマ60b が3次元ビームフォーミングを行うようにもできる。
図2に戻って、無線送信部61はMIMO送信部59あるいはAAA送信部60から入力するm系列のデータをそれぞれ高周波数信号に変換し、しかる後増幅して送信アンテナ511〜51mから移動端末70に向けて送信する。
送信アンテナ511〜51mから送信された信号は移動端末の受信アンテナ711〜71nに受信され、無線受信部76は各受信アンテナで受信された信号をベースバンド信号に周波数ダウンコンバートして振り分け部77に入力する。振り分け部77は、入力されたm系列の受信データを基地局50より指示された送信方式に対応するMIMO受信部78あるいはAAA受信部79に入力する。MIMO受信部78はMIMO受信処理を行って復調データを受信処理部80に入力し、AAA受信部79はAAA受診制御を行って復調データを受信処理部80に入力する。受信処理部80は入力された復調データに誤り訂正復号処理を施して出力すると共に、制御チャネルに含まれる送信方式情報を抽出して振り分け部77に入力する。振り分け部77は入力された送信方式情報が示すMIMO受信部78あるいはAAA受信部79にデータを入力する。

0009

図5はGPS測位法により位置を測定する原理説明図である。位置測定部73のGPSアンテナ73aは、GPS(Global Positioning System)衛星SL1〜SL3からGPS電波を受信し、GPS受信機73bは受信電波より各GPS衛星SL1〜SL3の位置(xi,yi,zi)(i=1〜3)と各衛星からの電波伝搬時間τiを求める。ついで、GPS受信機73bは該電波伝搬時間と光速度cから各GPS衛星までの距離ri(=c・τi)を計算し、該距離riと前記各衛星の位置(xi,yi,zi)(i=1〜3)とから移動端末の位置(x0,y0,z0)を計算する。すなわち、各衛星について次式
ri=[(xi‐x0)2+(yi‐y0)2+(zi‐z0)2]1/2
成立するから、上式より移動端末の位置(x0,y0,z0)を計算する。
図6は三角測量法により位置を測定する原理説明図であり、位置が既知の3つの基地局501,502,503から発信される電波を位置測定器73cで受信して到達時間差T1‐T2,T1‐T3を測定し、該到達時間差と各基地局の位置(Xi,Yi)(i=1〜3)とから移動端末の位置(X0,Y0)を測定する。すなわち、Cを電波伝搬速度とすると、
C(T1‐T2)= [(X1‐X0)2+(Y1‐Y0)2 ]1/2‐[(X2‐X0)2+(Y2‐Y0)2 ]1/2
C(T1‐T3)= [(X1‐X0)2+(Y1‐Y0)2 ]1/2‐[(X3‐X0)2+(Y3‐Y0)2 ]1/2
が成立するから、上式より移動端末の位置(X0,Y0)を計算する。
図7は送信方式決定処理フローである。MIMO/AAA切替判定部55は、移動端末の位置情報を受信すれば(ステップ101)、該移動端末の位置情報と基地局50の既知の位置情報を用いて基地局から移動端末までの距離D算出し(ステップ102)、該距離と設定距離Dsを比較し(ステップ103)、D<Dsであれば、MIMO送信を行うよう制御し(ステップ104)、D≧DsであればAAA送信を行うよう制御する(ステップ105)。

0010

図8は受信方式決定処理フローである。受信処理部80は制御データを抽出し(ステップ201)、送信方式特定データがMIMO送信を指示しているか、AAA送信を指示しているか判断する(ステップ202)。MIMO送信が指示されていれば、振り分け部77は受信データをMIMO受信部78に入力し、MIMO受信部78はMIMO受信制御を行って復調データを受信処理部80に入力する(ステップ203)。一方、AAA送信が指示されていれば、振り分け部77は受信データをAAA
受信部78に入力し、AAA受信部79はAAA受信制御を行って復調データを受信処理部80に入力し(ステップ204)、以後、上記処理を繰り返す。

0011

(B)第2実施例
第1実施例では、距離の大小に基づいてMIMO送信するか、AAA送信するか決定したが、第2実施例では、基地局と移動端末間の間に電波を遮る建物等が存在するか否か、換言すれば基地局から移動端末を見通せるか否かを、送信方式決定の条件に組み込んでいる。
図9は第2実施例の説明図である。基地局50と移動端末70間の距離が設定距離以上であってもその間に電波を遮る建物81が存在する場合、基地局において移動端末70に向くようにビームを形成してもビームは該建物により遮られてしまい、ビームフォーミングする意味が無い。そこで、第3実施例において、基地局50は移動端末70までの距離が設定距離以上で、その間に電波を遮る建物が存在しなければAAA送信を行うよう制御し、基地局50と移動端末70間の距離が設定距離以上であっても移動端末70の移動によりその間に電波を遮る建物81が存在する場合には、MIMO送信を行うよう制御する。電波を遮る建物81が存在するか否かの判定は、車載用ナビゲーション装置に用いられている地図データベース、あるいは建物の位置と三次元形状を特定する建物地図データベース(道路情報は不要)を用いて行う。
図10は第2実施例の通信システムの構成図であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、地図データベース82が設けられている点、MIMO/AAA切替判定部55が、基地局から移動端末を見通せるか否かを送信方式決定の条件に組み込んでいる点である。
図11は第2実施例の送信方式決定処理フローである。MIMO/AAA切替判定部55は、移動端末の位置情報を受信すれば(ステップ301)、該移動端末の位置情報と基地局50の位置情報を用いて基地局から移動端末までの距離D算出し(ステップ302)、該距離と設定距離Dsを比較し(ステップ303)、D<Dsであれば、MIMO送信を行うよう制御し(ステップ304)、D≧Dsであれば建物情報を参照して基地局から移動端末を見通せるか否かを判断し(ステップ305)、移動端末を見通せなければMIMO送信を行うよう制御し(ステップ304)、見通せればAAA送信を行うよう制御する(ステップ306)。

0012

(C)第3実施例
図12(a)に示すように2つの移動端末70a,70b間の角度φが大きければ、基地局より周波数同一のフレームデータを各端末70a,70bに同時に送信しても干渉することなく各移動端末は送信データを正しく受信できる。しかし、図12(b)に示すように2つの移動端末70a,70b間の角度φが小さい場合に同時に送信すると干渉が発生し各移動端末は送信データを正しく受信することができなくなる。そこで、第3実施例では、2つの移動端末70a,70bの位置情報より各端末方向の角度差φを算出し、該角度差φが設定角度より大きければ各端末へのAAA送信を同時に行って送信レートを高め、小さければAAA送信を別々のタイミングで行うよう制御する。
図13は第3実施例のAAA送信部の構成図である。時分割/多重送信制御部91は移動端末70a,70bの位置情報より各端末方向θ1、θ2を算出すると共に、これら方向の角度差φを計算し、φが設定角度φs以上であるか判断する。角度差φが設定角度φs以下であれば(図12(b))、データ振り分け部92は移動端末70a,70b宛のデータ(ユーザデータ1、ユーザデータ2)を第1AAA送信部93に時分割的に入力し、第1AAA送信部93は方向θ1、θ2に基づいてビームフォーミングしてユーザデータ1、ユーザデータ2をそれぞれ移動端末70a,70bに向けて時分割送信する。
一方、角度差φが設定角度φs以上であれば(図12(a))、データ振り分け部92は移動端末70a,70b宛のデータ(ユーザデータ1、ユーザデータ2)を第1AAA送信部93と第2AAA送信部94に同時に入力し、第1AAA送信部93は方向θ1に基づいてビームフォーミングしてユーザデータ1を移動端末70aに向けて送信し、第2AAA送信部94は方向θ2に基づいてビームフォーミングしてユーザデータ2を移動端末70bに向けて送信する。これにより、移動端末70
a,70bへのデータ送信を同時に多重して行う。

0013

(D)第4実施例
以上の実施例では、シングルストリーム送信を行う送信制御としてAAA送信を行う場合について説明したが、AAA送信に替えてアンテナダイバーシチ送信を行うようにすることができる。アンテナダイバーシチ送信制御として、例えば時空間送信ダイバーシチ(Space-Time Transmit Diversity: STTD)によるマルチアンテナ送信制御がある(特開2003−258763号公報の図20〜図21参照)。
図14は送信アンテナ数及び受信アンテナ数が共に2本の場合のSTTD説明図である。送信側においてSTTDエンコーダ10は、周期Tの連続する2シンボルデータ[x0,x1]を2系列のシンボルデータ列に変換する。第1のデータ列は[x0,−x1*]であり、第2のデータ列は[x1,x0*]である。この2系列のデータが図15に示すように2つの送信アンテナATt0,ATt1より受信アンテナATr0,ATr1に向けて送信される。2つの送信アンテナATt0,ATt1と2つの受信アンテナAtr0,Atr1間のチャネル応答特性をh0,0,h0,1,h1,0,h1,1、ノイズをn0,0,n0,1,n1,0,n1,1、第j受信アンテナの時刻tにおける受信信号をrj,tとすれば、受信アンテナATr0,ATr1の受信信号r0,0,r0,1;r1,0,
r1,1は次式
r0,0= h0,0x0 +h1,0x1 +n0,0 (3a)
r0,1=−h0,0x1*+h1,0x0*+n0,1 (3b)
r1,0= h0,1x0 +h1,1x1 +n1,0 (3c)
r1,1=−h0,1x1*+h1,1x0*+n1,1 (3d)
表現できる。
図16は、[STTD+スペースダイバーシチ構成]の受信側の構成図である。ブランチ#0、#1におけるチャネル推定部110,111はブランチ#0、#1におけるチャネル応答特性h0,0,h1,0;h0,1,h1,1を推定してSTTDデコーダ120,121に入力する。STTDデコーダ120,121はそれぞれ次式
s0,0=h0,0*r0,0+h1,0r0,1* (3e)
s0,1=h1,0*r0,0−h0,0r0,1* (3f)
s1,0=h0,1*r1,0+h1,1r1,1* (3g)
s1,1=h1,1*r1,0−h0,1r1,1* (3h)
に示す信号s0,0,s0,1;s1,0,s1,1を出力する。上式に(3a)〜(3d)式を代入すると次式
s0,0=(|h0,0|2+|h1,0|2)x0+h0,0* n0,0+h1,0n0,1* (3i)
s0,1=(|h0,0|2+|h1,0|2)x1+h1,0* n0,0−h0,0n0,1* (3j)
s1,0=(|h0,1|2+|h1,1|2)x0+h0,1*n1,0+h1,1n1,1* (3k)
s1,1=(|h0,1|2+|h1,1|2)x1+h1,1*n1,0−h0,1n1,1* (3m)
が得られる。(1i)〜(1m)の右辺第1項の括弧内の値はSTTDゲインである。
スペースダイバーシチ合成部13は各ブランチのSTTDデコーダ120,121の出力を合成し、合成信号



を復調部14に入力する。右辺の括弧内の値はSTTDゲインとダイバーシチゲイン合計値である。以上は送信アンテナ数及び受信アンテナ数が共に2本の場合のSTTDであるが、アンテ
ナ数を増加することができる。
図17は第4実施例の通信システムの構成図であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、基地局50においてAAA送信部に変えてアンテナダイバーシチ送信部21を設け、MIMO/AAA切替判定部55に替えてMIMO/アンテナダイバーシチ切替判定部22を設けた点、移動端末70において、AAA受信部に替えてアンテナダイバーシチ受信部23を設けた点である。第4実施例における基地局の送信方式の切替制御(MIMO/アンテナダイバーシチ送信の切替制御)や移動端末における受信方式の切替制御(MIMO/アンテナダイバーシチ受信の切替制御)は第1実施例と全く同じに制御することができる。また、第2実施例、第3実施例を、アンテナダイバーシチ送信を行う場合に同様に適用することができる。
以上では、ダウンリンク方向の通信においてマルチアンテナ送信する場合について本発明を説明したが、アップリンク方向の通信においてマルチアンテナ送信する場合にも本発明を適用可能である。すなわち、マルチアンテナ送信するのは基地局装置に限らない。

0014

発明の効果
本発明によれば、MIMOにより基地局近傍における高速データ伝送が可能である。またAAAの指向性ビーム形成により基地局から離れたセル端でも通信が可能である。すなわち、本発明によれば、MIMOとAAAあるいはアンテナダイバーシチを切替えて用いることから、基地局近傍からセル端に渡って各距離に応じた最大限サービスが可能となる。

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