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技術 誘電体バリア放電ランプ点灯装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 倉地敏明小南智
出願日 2006年3月27日 (14年7ヶ月経過) 出願番号 2006-519652
公開日 2008年12月18日 (11年11ヶ月経過) 公開番号 WO2006-120809
状態 特許登録済
技術分野 放電ランプ高周波または変換器直流点灯回路 インバータ装置
主要キーワード バスタブ曲線 スパイク波形 矩形波高電圧 トランス電流 パルス形 脈流電流 略矩形波 スパイク電流
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図面 (12)

課題・解決手段

誘電体バリア放電ランプ点灯装置は、二次巻線(L2)から誘電体バリア放電ランプ(1)に駆動電圧を供給するトランス(T)と、誘電体バリア放電ランプ(1)に駆動周波数fdの駆動電圧を供給するよう、トランス(T)への入力電圧を制御する駆動回路(4)とを備える。トランスにおける一次巻線開放して測定される二次巻線の自己共振周波数frは、駆動周波数fdまたは駆動周波数fd近傍の周波数である。例えば、0.9fd≦fr≦1.3fdを満たす。

概要

背景

近年、液晶技術の発達と共にテレビモニター等の情報表示装置として液晶ディスプレイが一般的に用いられている。液晶ディスプレイは、液晶の背面に光源装置(以下「バックライト」と呼ぶ)を配置し、このバックライトからの光を液晶パネルを透過させることで画面表示を行う構造を有する。これらのバックライトの主な光源としては、細管冷陰極蛍光ランプを多数配置したものが最も多く用いられている。

一方、液晶用バックライトへの応用を目指し、誘電体バリア放電ランプ研究開発が盛んに行われている。誘電体バリア放電ランプはランプ内部に水銀を含まず、希ガス発光を利用するため、環境に優しく、リサイクル性に優れているなどの特長を持っている。さらに、誘電体バリア放電ランプは水銀を含まないため、従来の冷陰極蛍光ランプのようにランプ内部の水銀が暖まって充分に蒸気化するまでの光束の時間変化がほとんどなく、光の立ち上がりが早いという特長を有している。

誘電体バリア放電ランプの点灯装置の好適な例として、図10に示すように、内部にトランスを含む構成がある(特許文献1参照)。この点灯装置は、トランスTの二次巻線L2側において誘電体バリア放電ランプ1の外部電極と接続している。トランスTの一次巻線は二つの巻線部L11とL12に分割されている。一次巻線L11およびL12には一方向性電流素子D1,D2を介してスイッチング素子S1,S2が各々接続されている。

これらのスイッチング素子S1,S2は、駆動回路4からの駆動信号により交互にオンオフする。図10(a)に示すように、駆動回路4からの駆動信号がS1オン、S2オフのときは一次側巻線L11から一方向性電流素子D1を通り、スイッチング素子S1を通ってグランド(GND)に電流が流れる。このとき、二次巻線L2には正の矩形波高電圧が発生し、ランプ1に正のパルス電流が流れる。また、図10(b)に示すように、駆動回路4からの駆動信号がS1オフ、S2オンのときは一次側巻線L12から一方向性電流素子D2を通り、スイッチング素子S2を通ってグランド(GND)に電流が流れる。このとき、二次巻線L2には負の矩形波高電圧が発生し、ランプ1に負のパルス電流が流れる。

以上の動作により、誘電体バリア放電ランプ1を矩形波電圧によりパルス点灯している。また、一方向性電流素子D1,D2の作用により、ランプ電流(二次巻線L2の電流)のオーバーシュートおよびアンダーシュートが抑制されるため、結果的にトランスTに不要な脈流電流が流れなくなり、トランスTにおける損失が抑制される効果があると推定される。

さらに、トランスTの例として、漏れインダクタンスが2.5%以下、ランプ電圧(トランスの出力電圧)が1000〜3000Vであることが好適であることが開示されている(特許文献2参照)。それによって、同じ入力電力点灯した場合、輝度が30%向上することが開示されている。

さらに、図11に示すように、トランスTの二次側巻線の寄生容量と、ランプ1の周囲に発生する寄生容量とを共振回路の一部として用い、かつ二次側回路共振周波数を調整することにより、回路の小型化と高効率化が可能であることが開示されている(特許文献3参照)。図11の回路において、トランスTの漏れインダクタンスと、ランプ1と並列に接続される補助コンデンサ5と、トランスTの寄生容量とランプ1の周辺に生じる寄生容量などの二次側回路に生ずる寄生容量6によって共振回路を構成している。これにより、ランプ1に高電圧給電するとともに、力率が改善されて回路効率が向上するとされている。
特開2004−95379号公報特開平10−289791号公報特開平7−67357号公報

概要

誘電体バリア放電ランプの点灯装置は、二次巻線(L2)から誘電体バリア放電ランプ(1)に駆動電圧を供給するトランス(T)と、誘電体バリア放電ランプ(1)に駆動周波数fdの駆動電圧を供給するよう、トランス(T)への入力電圧を制御する駆動回路(4)とを備える。トランスにおける一次巻線を開放して測定される二次巻線の自己共振周波数frは、駆動周波数fdまたは駆動周波数fd近傍の周波数である。例えば、0.9fd≦fr≦1.3fdを満たす。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、トランス損失を最小限に抑えるとともに、比較的低コストでトランスを構成できる誘電体バリア放電ランプの点灯装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

内部電極外部電極を有する誘電体バリア放電ランプ点灯させる点灯装置であって、一次巻線及び二次巻線を有し、前記二次巻線から前記誘電体バリア放電ランプに駆動電圧を供給するトランスと、前記誘電体バリア放電ランプに駆動周波数fdの駆動電圧を供給するよう、前記トランスへの入力電圧を制御する駆動回路とを備え、前記トランスにおける一次巻線を開放して測定される二次巻線の自己共振周波数frが、前記駆動周波数fdまたは該駆動周波数fd近傍の周波数であることを特徴とする誘電体バリア放電ランプ点灯装置

請求項2

前記自己共振周波数frが、0.9fd≦fr≦1.3fdを満たすことを特徴とする請求項1記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。

請求項3

前記自己共振周波数frが、0.95fd≦fr≦1.25fdを満たすことを特徴とする請求項1記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。

請求項4

前記自己共振周波数frが、1.0fd≦fr≦1.2fdを満たすことを特徴とする請求項1記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。

請求項5

前記駆動電圧は略矩形波状の電圧であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。

請求項6

前記駆動回路が、プッシュプルインバータからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。

請求項7

前記駆動回路が、ハーフブリッジインバータからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。

技術分野

0001

本発明は、トランスを含む駆動回路を備える誘電体バリア放電ランプ点灯装置に関する。

背景技術

0002

近年、液晶技術の発達と共にテレビモニター等の情報表示装置として液晶ディスプレイが一般的に用いられている。液晶ディスプレイは、液晶の背面に光源装置(以下「バックライト」と呼ぶ)を配置し、このバックライトからの光を液晶パネルを透過させることで画面表示を行う構造を有する。これらのバックライトの主な光源としては、細管冷陰極蛍光ランプを多数配置したものが最も多く用いられている。

0003

一方、液晶用バックライトへの応用を目指し、誘電体バリア放電ランプの研究開発が盛んに行われている。誘電体バリア放電ランプはランプ内部に水銀を含まず、希ガス発光を利用するため、環境に優しく、リサイクル性に優れているなどの特長を持っている。さらに、誘電体バリア放電ランプは水銀を含まないため、従来の冷陰極蛍光ランプのようにランプ内部の水銀が暖まって充分に蒸気化するまでの光束の時間変化がほとんどなく、光の立ち上がりが早いという特長を有している。

0004

誘電体バリア放電ランプの点灯装置の好適な例として、図10に示すように、内部にトランスを含む構成がある(特許文献1参照)。この点灯装置は、トランスTの二次巻線L2側において誘電体バリア放電ランプ1の外部電極と接続している。トランスTの一次巻線は二つの巻線部L11とL12に分割されている。一次巻線L11およびL12には一方向性電流素子D1,D2を介してスイッチング素子S1,S2が各々接続されている。

0005

これらのスイッチング素子S1,S2は、駆動回路4からの駆動信号により交互にオンオフする。図10(a)に示すように、駆動回路4からの駆動信号がS1オン、S2オフのときは一次側巻線L11から一方向性電流素子D1を通り、スイッチング素子S1を通ってグランド(GND)に電流が流れる。このとき、二次巻線L2には正の矩形波高電圧が発生し、ランプ1に正のパルス電流が流れる。また、図10(b)に示すように、駆動回路4からの駆動信号がS1オフ、S2オンのときは一次側巻線L12から一方向性電流素子D2を通り、スイッチング素子S2を通ってグランド(GND)に電流が流れる。このとき、二次巻線L2には負の矩形波高電圧が発生し、ランプ1に負のパルス電流が流れる。

0006

以上の動作により、誘電体バリア放電ランプ1を矩形波電圧によりパルス点灯している。また、一方向性電流素子D1,D2の作用により、ランプ電流(二次巻線L2の電流)のオーバーシュートおよびアンダーシュートが抑制されるため、結果的にトランスTに不要な脈流電流が流れなくなり、トランスTにおける損失が抑制される効果があると推定される。

0007

さらに、トランスTの例として、漏れインダクタンスが2.5%以下、ランプ電圧(トランスの出力電圧)が1000〜3000Vであることが好適であることが開示されている(特許文献2参照)。それによって、同じ入力電力点灯した場合、輝度が30%向上することが開示されている。

0008

さらに、図11に示すように、トランスTの二次側巻線の寄生容量と、ランプ1の周囲に発生する寄生容量とを共振回路の一部として用い、かつ二次側回路共振周波数を調整することにより、回路の小型化と高効率化が可能であることが開示されている(特許文献3参照)。図11の回路において、トランスTの漏れインダクタンスと、ランプ1と並列に接続される補助コンデンサ5と、トランスTの寄生容量とランプ1の周辺に生じる寄生容量などの二次側回路に生ずる寄生容量6によって共振回路を構成している。これにより、ランプ1に高電圧給電するとともに、力率が改善されて回路効率が向上するとされている。
特開2004−95379号公報特開平10−289791号公報特開平7−67357号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、誘電体バリア放電ランプの点灯装置において、駆動回路における損失の大部分は、依然としてトランス損失であることが、本願発明者の実験にて明らかになった。従って、トランス損失をいかに抑制するかが点灯装置の効率を大きく左右する。

0010

さらに、トランス損失が非常に高いと、トランス巻線の温度が高くなるため、巻線の絶縁寿命を確保するためには高耐熱絶縁被覆を有する高価な巻線を用いざるを得なくなってしまう。その結果、コスト的にも不利となる。

0011

また、上記の特許文献1に開示されている点灯装置では、トランスTにおける損失が抑制される可能性はあるものの、新たに追加された一方向性電流素子D1,D2における電力損失により、回路全体の損失を抑制できるかどうかは不明である。さらに、特許文献2に開示されている好適なトランスTの例では、漏れインダクタンスが小さく、低ランプ電圧でパルス点灯することによってランプの発光効率を向上するものである。従って、あくまでトランスTにおける損失を抑制し、回路効率を向上するものではない。さらに、特許文献3に開示されている点灯装置では、トランスTの漏れインダクタンスと補助コンデンサ並びに寄生容量によってフィルタを構成してしまう。このため、ランプ1に供給される電流・電圧略正弦波となる。誘電体バリア放電ランプの場合、略正弦波で駆動した場合、略矩形波電圧でパルス状の電流で駆動した場合と比較して、ランプ1の発光効率が低下するため、特許文献3の構成をそのまま適用することはできない。さらに、誘電体バリア放電ランプのようにパルス状の電流を出力する回路においては、補助コンデンサ5などを用いて二次側回路の共振条件を変化させても力率が改善されるわけではないため、トランスTの損失抑制効果は何ら期待できない。

0012

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、トランス損失を最小限に抑えるとともに、比較的低コストでトランスを構成できる誘電体バリア放電ランプの点灯装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明に係る誘電体バリア放電ランプ点灯装置は、内部電極と外部電極を有する誘電体バリア放電ランプを点灯させる点灯装置である。その点灯装置は、一次巻線及び二次巻線を有し、二次巻線から前記誘電体バリア放電ランプに駆動電圧を供給するトランスと、誘電体バリア放電ランプに駆動周波数fdの駆動電圧を供給するよう、トランスへの入力電圧を制御する駆動回路とを備える。トランスにおける一次巻線を開放して測定される二次巻線の自己共振周波数frは、駆動周波数fdまたは駆動周波数fd近傍の周波数である。

0014

上記誘電体バリア放電ランプ点灯装置において、自己共振周波数frは、0.9fd≦fr≦1.3fdを満たすのが好ましい。または、自己共振周波数frは、0.95fd≦fr≦1.25fdを満たしてもよい。または、自己共振周波数frは、1.0fd≦fr≦1.2fdを満たしてもよい。

0015

上記誘電体バリア放電ランプ点灯装置において、駆動電圧は略矩形波状の電圧であってもよい。

0016

上記誘電体バリア放電ランプ点灯装置において、駆動回路は例えばプッシュプルインバータまたはハーフブリッジインバータで構成できる。

発明の効果

0017

本発明は、トランスの一次巻線を開放して測定される二次巻線の自己共振周波数を、駆動回路の駆動周波数に近づけることにより、トランスにおける損失を最小限に抑えることができる。また、トランスの温度が低減できるため、比較的安価なトランス巻線材料を用いることができ、点灯装置のコストを抑えることができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の実施の形態1における誘電体バリア放電ランプ点灯装置の構成を示す図本発明の実施の形態1における誘電体バリア放電ランプ点灯装置の動作を説明するための図本発明の実施の形態1における誘電体バリア放電ランプ点灯装置の動作時の電圧波形電流波形を示す図誘電体バリア放電ランプ点灯装置の電力損失の内訳を示す図本発明の実施の形態1におけるトランスのインダクタンス周波数特性を示す図本発明の実施の形態1におけるトランスの自己共振周波数と温度上昇(損失)の関係を示す図本発明の実施の形態1におけるトランス電流を説明するための図本発明の実施の形態1における巻線の巻き層数と自己共振周波数の関係を示す図本発明の実施の形態2における誘電体バリア放電ランプ点灯装置の構成を示す図従来の放電ランプ点灯装置の構成および動作を示す概略図従来の放電ランプ点灯装置の構成を示す図

符号の説明

0019

1ランプ
2外部電極
3内部電極
4駆動回路
5 ランプ1と並列に接続される補助コンデンサ
6トランスTの寄生容量とランプ1の周辺に生じる寄生容量などの二次側回路に生ずる寄生容量
T トランス
L11,L12一次巻線の第一の巻線部分
L2二次巻線
D1,D2一方向性電流素子
S1,S2スイッチング素子
直流電源
C1,C2 コンデンサ

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。

0021

(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘電体バリア放電ランプ点灯装置を模式的に示す図である。

0022

図1において、点灯装置はランプ1を点灯させる装置であって、ランプ1の駆動電圧を生成するトランスTと、トランスTへの入力電圧を制御するスイッチング素子S1、S2、スイッチング素子S1、S2を駆動する駆動回路4とを含む。

0023

ランプ1は、その長手方向の軸に沿って配設された外部電極2およびランプ1の一端に配設された内部電極3を有する誘電体バリア放電ランプであり、ソーダガラスホウ珪酸ガラスなどの透光性材料により形成されている。さらに、ランプ1の内部にはキセノンアルゴン混合ガスが160Torr封入されるとともに、ランプ1の内面には蛍光体皮膜が形成されている。なお、本実施の形態におけるランプ1の寸法はφ2.6mm、長さ160mmである。

0024

外部電極2および内部電極3は、トランスTの二次巻線L2に各々接続されている。さらにトランスTは、二つの一次巻線L11およびL12を有し、一次巻線L11およびL12の各々一端が直流電源Eに接続されるとともに、他端はスイッチング素子S1,S2を介してそれぞれグランド(GND)に接続されている。また、スイッチング素子S1,S2は駆動回路4に各々接続され、駆動回路4で発生する制御信号に応じて交互にオン/オフする。上記構成の駆動回路方式は、一般にプッシュプルインバータとして知られている。駆動回路4は、スイッチング素子S1,S2のオン/オフを制御することでトランスTの一次巻線L11およびL12への入力電圧を制御し、ランプ1の駆動電圧の電圧、周波数を制御する。

0025

以上のように構成された誘電体バリア放電ランプ点灯装置について、図2を参照しながらその動作を説明する。

0026

図2(a)に示すように、駆動回路4からスイッチング素子S1をオン、スイッチング素子S2をオフさせるための制御信号が与えられると、直流電源EからトランスTの一次巻線L11及びスイッチング素子S1を通りGNDへ電流が流れる。これにより、トランスTの二次巻線L2における内部電極2と接続された方の端子に負の電圧を生じ、内部電極2からGNDの方向へ電流が流れる。

0027

次に、図2(b)に示すように、駆動回路4からスイッチング素子S1をオフ、スイッチング素子S2をオンさせるための制御信号が与えられると、直流電源EからトランスTの一次巻線L12及びスイッチング素子S2を通りGNDへ電流が供給される。すると、トランスTの二次巻線L2における内部電極2と接続された方の端子に正の電圧を生じ、GNDから内部電極2の方向へ電流が流れる。

0028

このように、スイッチング素子S1,S2のスイッチング動作によって、ランプ1の電極間交流電圧を発生し、ランプ1内部に放電プラズマを発生させる。放電プラズマが発生すると、封入ガス励起され、基底状態に戻るときに紫外若しくは可視の発光を呈する。紫外線は、ランプ1の内面に塗布された蛍光体膜によって可視光に変換され、ランプ1の外部に放出される。

0029

ここで、ランプ1に発生する交流電圧(トランスTの二次巻線L2に発生する電圧)は、図3(a)に示すような略矩形波である。矩形波が好ましい理由は、ランプ1に流れる電流をパルス状にすることで休止期間を長く設けることができ、これにより、発光効率を高めることができるからである。なお、誘電体バリア放電ランプの場合、複数の電極間でコンデンサを形成した構成となる。従って、ランプ1のインピーダンス容量性である。従って、ランプ1に流れる電流波形は図3(b)に示すように電圧波形の微分となり、原理的にパルス状になる。なお、以上の点灯装置の構成は、従来の技術と同様である。

0030

本実施形態において、トランスTには、初透磁率2400のコアを用いた。なお、コアにはギャップを設けない。これは漏れインダクタンスを極力抑えることによって、ランプ電圧波形の立ち上がりを早くするためである。なお、本実施の形態におけるトランスTは、一次巻線L11およびL12と二次巻線L2の間の結合係数が0.999以上である。

0031

トランスTの巻線は、以下の手順でボビンに巻きつける。まず、二次巻線L2を所定の巻数で巻きつける。本実施の形態における巻線材料はφ0.08mmの単線であるが、線径は巻線仕上がり外径を考慮のうえ、φ0.02mm〜φ0.15mmの範囲から適宜選択できる。巻き方は整列巻き分割巻きなど種々巻き方が適用できるが、ここでは分割巻きを用いている。二次巻線L2を巻き終わったら、その上に絶縁テープを巻きつける。なお、テープの厚さは、一次巻線と二次巻線の間の絶縁を考慮のうえ決定する。絶縁テープを巻いたら、その上から一次巻線L11およびL12をバイファラ巻きにて巻きつける。ここでは、一次巻線としてφ0.12mmの単線を6本束ねリッツ線を用いた。最後に巻き崩れを防ぐためにテープを巻きつけて巻線を固定する。

0032

トランスTの一次巻線L11およびL12と二次巻線L2との巻数比は、ランプ1の最適な駆動電圧と、電源Eの電圧との比率により決定される。本実施の形態におけるランプ1の場合、電源電圧は20Vであり、巻数比は1:53、ランプ両端に発生する電圧(電極間の電圧)は、ピーク間電圧で約4kVが最も好適であった。なお、理論上は、入力電圧20V、巻数比1:53の場合は、トランスTの二次側電圧はピーク間電圧で約2kVとなるはずであるが、スイッチング動作の瞬間に発生する逆電圧のため、二次側電圧のピーク値は、電源電圧20Vの53倍よりも高い電圧となっている。以下、特に記載がない限り巻数比は1:53である。

0033

本発明者は実験を行い、上記の構成を有する誘電体バリア放電ランプ点灯装置について、各部分における電力損失を評価した。その結果、電力損失全体において、トランスTにおける損失が支配的であることを見出した。

0034

図4に、点灯装置に入力された電力の損失の内訳を示す。図4に示すように、点灯装置における電力損失には、トランスによる損失、スイッチング素子であるFETによる損失、駆動回路4による損失、及びコンデンサ、ノイズフィルタ等のその他の部品による損失等が含まれる。特に、図4から、電力損失の大半がトランスTによる損失であることが分かる。従って、トランスTの損失を極力抑えることが極めて重要である。

0035

一方、トランスTの巻数は、通常、トランスTにおける飽和の有無や許容損失の観点から決定されるが、巻数比が変わらない限り任意の値を取ることが可能である。そこで、巻数比を一定とし、巻数の異なる種々のトランスTを作成し、実際に点灯装置を動作させ、トランスTの温度上昇を調べた。

0036

一般に、トランスTは、巻線における寄生容量と巻線自身の持つインダクタンスにより自己共振を発生する。図5は、トランスTの一次巻線L11およびL12を開放とし、二次巻線L2の両端で測定したインダクタンスの周波数特性を示す。図5に示すように、インダクタンスは急峻な周波数特性(共振周波数35.9kHz)を持っている。

0037

トランスTの巻数を増やすと、インダクタンスの上昇と寄生容量がともに増加することによって、自己共振周波数は低下する傾向にある。通常、トランスTは、自己共振を発生すると、トランスT内部の共振により共振電流を発生してしまい、損失の増加を招くと考えられる。従って、実際にトランスTが動作する周波数(回路の駆動周波数)に対して、自己共振周波数が充分に高い値になるように設計するのが一般的である。

0038

ところが、本願発明者の実験により、回路の駆動周波数とトランスTの自己共振周波数が近い場合の方が、トランスTにおける損失が少なく抑えられることが判明した。

0039

図6に、トランスTの巻線比を一定として巻数を変化させながらトランスTの二次巻線L2が持つ自己共振周波数を変化させた場合の、自己共振周波数と、トランスTにおける温度上昇との関係を示す。なお、自己共振周波数は、トランスTの一次巻線L11およびL12を開放とし、二次巻線L2の両端で測定したものである。また、回路の駆動周波数は約29kHzである。

0040

図6から判るように、自己共振周波数が駆動周波数(約29kHz)を大幅に下回ると、すなわち、自己共振周波数が26kHzを下回ると、トランス損失(巻線の温度上昇)が急激に増加する。損失の増加原因は、上述のとおり、共振電流によるトランスTの内部損失が増えたためであると考えられる。自己共振周波数が26kHz〜38kHzの周波数範囲にあるときは、巻線の温度は比較的低い温度で安定する。

0041

一方、トランスTの巻数を減らすことで自己共振周波数を駆動周波数(約29kHz)よりも充分に高い状態にすると、すなわち、自己共振周波数が38kHzを超えると、損失が大きくなり、トランスTにおける温度上昇が急激に増加する。

0042

以上のように、トランスTの損失は、回路の駆動周波数とトランスTの二次巻線L2の自己共振周波数が極めて近い領域において極小値を持つバスタブ曲線となる。損失の極小値近傍、すなわち図6において斜線ハッチングした領域(自己共振周波数が26kHz〜38kHzの周波数範囲)では、比較的広い範囲で損失が一定レベルを保っていることが判る。自己共振周波数に対する損失に一定レベルが存在することは、本実施形態の誘電体バリア放電ランプにおいて予測もしなかったことである。理由は次の通りである。誘電体バリア放電ランプは、Q値が非常に大きくなる。Q値が大きくなる原因は、誘電体バリア放電ランプが、ガラス等の誘電体を介して放電が生じるため、負荷に容量性の素子が接続された構成になるからである(なお、負荷に抵抗素子が接続された場合は、Q値は小さくなる)。Q値が非常に大きいと、供給電力の周波数特性は急峻なピークとなる。したがって、自己共振周波数に対する損失も急峻なピークになり、自己共振周波数に対する損失に一定レベルが存在するとは予測もしていなかった。

0043

以上の本実施形態の結果から、トランスTの自己共振周波数frは、回路の駆動周波数fdと等しいか、その近傍の値に設定することが好ましいことがわかる。トランスTの自己共振周波数としてより好適な範囲は具体的には図6より、
0.9fd≦fr≦1.3fd(図6における斜線ハッチングの領域)
と求められる。

0044

なお、比較例として、駆動周波数29kHzに対して自己共振周波数が充分に高いトランスTとして、一次巻線L11,L12と二次巻線L2の巻数を減じ、自己共振40.4kHzのものを試作、同様の評価をした。その結果、トランスTにおける発熱が7.44℃/Wとなり、損失が非常に高いことが確認された。

0045

図6を参照すると、本比較例におけるトランスTの発熱と本発明におけるトランスTの発熱では、約2.5℃/Wの差が生じる。従って、例えば点灯装置への入力電力が10Wの場合、トランスTの温度差は約25℃となる。一般に、トランスTの温度が8℃上昇する毎に、トランス巻線の絶縁被覆の耐圧寿命がほぼ半減すると言われている。このことから、本発明のトランス巻線の絶縁被覆の耐圧寿命は本比較例の場合と比較して約10倍も長くできると予想される。

0046

自己共振周波数が駆動周波数よりも充分に高い場合にトランス損失が増加する原因は、以下のように推定される。

0047

誘電体バリア放電ランプのように、駆動回路の負荷が容量性の場合、駆動回路の出力電流(すなわち、トランスTに流れる電流)は電圧波形の微分となるから、電流波形は電圧立上がり期間に集中的に流れるスパイク波形となる。ところが、トランスTが寄生容量を持つ場合、トランスTの持つ漏れインダクタンスと寄生容量の間で共振が発生し、図3(b)に示したような振動電流を発生する。この振動電流は、主にトランスTの巻線が持つ抵抗成分により減衰する。従って、トランスTの巻数を少なくすると、振動電流の減衰が遅くなり、損失が増加すると考えられる。

0048

図7(a)に、トランスTに抵抗負荷を接続した場合の等価回路を示す。ここでは簡単のためトランスTの寄生容量を省略するとともに、一次側の巻線を1つのみとしている。図7(a)において、L1,L2は、それぞれ一次巻線と二次巻線のインダクタンス、R1,R2はそれぞれ一次巻線と二次巻線の抵抗成分、Mは相互インダクタンス、Rは負荷の抵抗値を示す。また、Sはスイッチである。図7(a)の回路において急にスイッチSがオンの状態になったとき、二次側に流れる電流I2を求めると、以下の式のように表現される。また、次式の電流の概略波形図7(b)のようになる。

0049

トランスTの巻数が少ないとき、L1,L2,R1,R2がいずれも小さな値となり、その結果、図7(b)に示すように二次側電流I2の減衰が非常に遅くなっていることが判る。このことから、巻数が少ないとき、振動電流が長く持続することは明らかである。

0050

以上の結果から、自己共振周波数が駆動周波数よりも充分に高い場合にトランスの損失が増加する原因が、容量性である誘電体バリア放電ランプによって発生するスパイク電流に起因すること、および、トランスの巻数が少ないことに起因することがわかる。

0051

なお、太陽電池用電源装置において、電源装置の効率と自己共振周波数との関係を開示した文献がある(特開2003−333861号公報)。本文献では、トランスは自己共振周波数自身が高いことが好ましく、高い自己共振周波数を実現するためにトランスの巻線を少なくする技術が開示されている。本文献に開示されている電源装置では、トランスの巻線の「寄生容量」と「漏れインダクタンス」との共振による損失は非常に少なく、本実施形態の誘電体バリア放電ランプ点灯装置の場合と異なる。以下、本文献と本実施形態の電源装置の差異について詳細に説明する。

0052

特開2003−333861号公報に記載の電源装置における負荷は、バッテリあるいは抵抗負荷である抵抗性の素子であり、常時連続して負荷へ電流が流れ続ける。負荷へ電流が流れ続けるため、トランスTの巻線における「漏れインダクタンス」に蓄積されたエネルギーも負荷へ取り出され続ける。従って、トランス内部のエネルギーが少なく、トランスに寄生容量が存在した場合でもトランスTの巻線の「寄生容量」と「漏れインダクタンス」との共振電流が少なくなる。したがって、トランスの損失が非常に小さく、損失は主に巻線の銅損によるものとなる。一方、本実施形態の誘電体バリア放電ランプ点灯装置では、負荷は容量性であるため、上述の通り、トランスTに電流が流れない期間が存在する。トランスTが負荷に電流を出力しない期間では、トランスTにおける漏れインダクタンスに蓄積されたエネルギーは行き場がなくなる。行き場のなくなったエネルギーは、トランスTの巻線の「寄生容量」と「漏れインダクタンス」により発生する共振電流となり、トランスT内部において多大なエネルギー損失を発生する。したがって、特開2003−333861号公報に記載の電源装置と本実施形態の誘電体バリア放電ランプ点灯装置とでは、負荷が抵抗性であるか容量性であるかという点が異なり、トランスTで発生する損失原因が大きく異なる。

0053

さらに、特開2003−333861号公報における太陽電池用電源装置では、トランスの巻線は少ない方が好ましいと記載しており、本実施形態において、スパイク電流を減衰させてトランスの効率を高めるにはトランスの巻線を多くすることが好ましいとしている点でも相反する。

0054

なお、図7(a)では解析を簡略化するために寄生容量を省略したが、寄生容量を付与した回路の場合は、電流が上記のような減衰率を持つ正弦波振動の形になるだけで、本質的には同様である。

0055

また、駆動周波数に対してトランスTの自己共振周波数が非常に低い場合は、二次巻線L2のインダクタンスが見かけマイナスとなり、相互インダクタンスM(M2=k2L1L2、kは結合係数)が計算できない。このため、上記のような解析が行えない。詳細は不明であるが、この場合も、やはり自己共振による共振電流のために損失が増加に転じるものと推定される。

0056

なお、トランスTの結合係数として好適な範囲は0.99以上である。0.99未満になると、漏れインダクタンスの影響でランプ電圧波形の立ち上がりが急峻ではなくなり、結合係数が低下するほど正弦波に近づいていく。このため、ランプ1の発光効率が低下する。

0057

次に、自動巻線機を用いて、同一仕様の巻線を10個試作し、自己共振周波数のばらつきを求めた。その結果、標準偏差σ平均値の1.66%であった。従って、自己共振周波数のばらつき3σを許容する場合、トランス損失が確実に極小値の領域になるようにするためには、回路の駆動周波数をfd、自己共振周波数をfrとすると、
0.95fd≦fr≦1.25fd
とすることが好適である。さらにばらつき6σを許容するためには、
1.0fd≦fr≦1.2fd
とすることが、さらに好ましいと考えられる。

0058

なお、トランスTの自己共振周波数は、巻線の巻き方によってある程度変化させることが可能である。

0059

図8に、二次巻線L2の巻線の線径を変えることにより層数を変化させた場合の自己共振周波数の変化を示す。ここでの二次巻線の巻き方は整列巻きである。図8から判るように、二次巻線L2の層数を増やすと、自己共振周波数が単調に上昇することが判る。従って、自己共振周波数を下げて回路の駆動周波数に近づけたい場合は、例えば、巻線の線径をやや細くして層数を減らしたり、コアの寸法を長くして1層当たりの巻数を増やすことによって層数を減らしたりすればよい。このようにすることで、自己共振周波数と駆動周波数が充分に近くなるように設計することが可能である。

0060

ここで、本実施形態と、特許文献3に開示されている従来技術との差異について、以下に説明する。

0061

図11に、特許文献3に開示されている点灯装置の回路図を示す。図11の回路において、トランスTの二次側において、トランスTの漏れインダクタンスL2と、補助コンデンサ5と、寄生容量6とによって共振回路を構成している。すなわち、回路の駆動周波数と二次側回路の共振周波数が極めて近い場合、二次側回路のインピーダンスはほぼ抵抗性となり、力率が向上するため、トランスTの銅損が少なくなり回路損失が抑制できるとされている。

0062

しかしながら、従来技術(特許文献3)のように、ランプ1が冷陰極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプなど、ランプ電圧・電流が略正弦波である場合には二次側回路の共振周波数の調整により力率を改善することは可能であるが、本願発明のように誘電体バリア放電ランプの場合には事情が全く異なっている。上述したとおり、誘電体バリア放電ランプの場合、ランプ1に発生する電流波形は、電流の休止期間を長く取るためにパルス形状が最も好ましく、ランプ1の発光効率を鑑みると、例えばランプ電流の導通角を広げたり、略正弦波に近づけるなどの方法は採用できない。従って、図11に示す特許文献3の回路構成を誘電体バリア放電ランプ点灯装置として用いるには無理がある。

0063

しかも、図11の回路構成では、トランスTの漏れインダクタンスによるインダクタンス成分L2と、寄生容量6及び補助コンデンサ5による容量成分とにより、フィルタを構成することが明らかである。この場合、ランプ1を略矩形波で駆動するためにトランスTを略矩形波電圧で駆動すると、二次巻線L2から出力される電流は非常に大きな高周波成分を含むことになる。この高周波成分は、上記インダクタンス成分によりランプ1側に伝達されにくく、伝達された高周波電流は上記容量成分を容易に通過してグランドへ流れる。従って、ランプ1に供給される電流、電圧はやはり略正弦波となる。従って、トランスTの二次巻線L2の出力電流は、漏れインダクタンスと寄生容量とを介して二次巻線L2へ還流する。従って、トランスTの内部で大きな電力損失を発生する可能性があり、本願発明のように、トランスTの損失を抑制することはできない。

0064

これに対し本願発明はトランスTを矩形波で動作させながら、上述のような寄生容量を介した還流パスがあってもトランス損失を最小限に抑制するものであり、図11に示した従来技術とは本質的に異なっている。

0065

上述のように、従来においては、自己共振周波数と駆動周波数が近い領域ではトランスは使用されなかった。その理由は、共振電流により損失が大きくなると考えられていたことと、図5に示したように、自己共振周波数近傍でインピーダンスが大きく変化するために、回路の特性が安定せず、点灯装置全体での消費電力が安定しなかったためである。

0066

一方、誘電体バリア放電ランプの場合、ランプ自身が持つ容量を充電し、容量に蓄積されたエネルギーを用いてランプを発光させるというメカニズムを有している。従って、ランプの持つ容量と、その容量を充電するときの電圧とによって消費電力がほぼ決定される。

0067

以上の理由から、共振電流による損失増大の問題がなければ、自己共振周波数と駆動周波数が近い領域でも充分に使用に耐え得る。

0068

なお、ランプ1の封入ガスはキセノンとアルゴンの混合ガスを用いたが、キセノン、クリプトン、アルゴン、ネオンヘリウム、若しくはこれらの群の中から適宜選択された混合ガスを用いてもよく、本発明の効果は封入ガスの種類により限定されない。また、封入ガスの圧力により限定されない。

0069

また、本発明の効果は、電極形状に左右されない。なぜなら、上述のトランス損失低減のメカニズムが電極形状に依存しないためである。本実施の形態では、片方電極がランプ1の内部に位置し、他方の電極がランプ1の外部に配置された内部−外部電極構造について記載しているが、双方の電極がランプ外部に配置された外部−外部電極構造でも同様の効果が得られる。また、外部電極は一つに限定されず、複数に分割したものでもよい。また、ランプ1の両端に内部電極を配置した構造等も考えられる。いずれも、略矩形波電圧で駆動される限り、トランス損失のメカニズムが同じであるから、本願発明の範囲において良好な結果が得られる。

0070

また、本発明の効果はトランスTの寸法に左右されない。なぜなら、トランスTの損失が、トランスの自己共振周波数と駆動周波数が酷似している場合に極小となる理由は、あくまでも電流波形の変化によるものであり、トランスTのコアに発生する磁束密度などに依存しているわけではないからである。

0071

また、本実施の形態において、トランスTの一次巻線にはリッツ線を用い、二次巻線には単線を用いたが、一次巻線、二次巻線ともに単線を用いても良い。ただし、大電流が流れる一次巻線にはリッツ線を用いたほうが、一次巻線における銅損が少なくなるため好ましい。

0072

なお、電源Eの電圧範囲は、液晶用のバックライトの場合、12Vまたは24Vが最も一般的である。しかしながら、本願発明の効果は電源電圧に左右されない。なぜなら、トランスの損失は、上述のように、電流の減衰の早さに依存している。式(1)〜(3)から明らかなように、電源電圧は電流のピーク値を決めるのみであり、減衰の早さを左右しないからである。

0073

また、本願発明の効果は駆動周波数に左右されない。しかしながら、駆動周波数が高くなりすぎると、希ガスのエキシマ発光が充分に行われる前に電圧が反転することになり、逆電流によりエキシマ分子破壊されて、ランプの発光効率を悪化させる。従って、駆動周波数の好適な範囲は、10kHzから50kHz程度である。

0074

また、図10に示した従来技術における駆動回路のように、スイッチング素子S1,S2に直列ダイオードを挿入してもよい。ダイオードの有無によってトランスTにおける損失は若干変化するものの、トランス二次巻線の自己共振周波数の好適な範囲は上述の範囲のとおりである。

0075

また、スイッチング素子S1,S2は、バイポーラトランジスタMOSFETが一般的に用いられるが、本発明の効果はスイッチング素子の種類に左右されないことは明らかである。

0076

(実施の形態2)
図9は、本発明の第2の実施の形態における誘電体バリア放電ランプ点灯装置を模式的に示す図である。図9において、実施の形態1の構成と異なるところは駆動回路の構成をハーフブリッジ・インバータとした点である。なお、実施形態1と同一の構成は同一の符号を記して説明を省略する。また、インバータそのものの動作は広く一般に知られているため、ここでは詳述しない。

0077

本実施の形態のように、ハーフブリッジ・インバータを用いた場合、プッシュプル・インバータの場合と同じ電圧をランプに出力しようとする場合、プッシュプル・インバータの場合に比して巻線比が倍になる。つまり、入力電圧Eが同じであれば、巻線比は1:106となる。従って、プッシュプル・インバータのときのトランスTの巻数に対して、二次巻線L2の巻数を二倍にするか、一次巻線L1の巻数を半減する必要がある。

0078

二次巻線L2の巻数を二倍にした場合、二次側のインダクタンスも寄生容量も大幅に上昇し、自己共振周波数が著しく低下する。従って、実施の形態1で示したような0.9fd≦fr≦1.3fd(回路の駆動周波数:fd、自己共振周波数:fr)の条件を満たさなくなる。よって、実際には一次巻線L1の巻数を半減して用いるのが好ましい。

0079

実施の形態1の場合と同様に、巻数比を固定し、一次巻線L1と二次巻線L2の巻数を変化させて、巻数の好適な範囲を求めた。その結果、上述の実施の形態1の場合とほぼ同様に、0.9fd≦fr≦1.3fdの範囲においてトランスTの温度上昇が極小値となった。

0080

なお、本実施の形態におけるハーフブリッジ・インバータの代わりにフルブリッジ・インバータを用いることもできる。その場合も、本実施の形態2に示したハーフブリッジ・インバータの場合と同等の効果を得ることが可能である。

0081

本発明は、特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の開示に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定され得る。なお、本出願は日本国特許出願、特願2005−140881号(2005年5月13日提出)に関連し、それらの内容は参照することにより本文中に組み入れられる。

0082

本発明の誘電体バリア放電ランプ点灯装置は、トランスの損失を最小限に抑制することができ、安価な巻線材料が使用できるため、液晶用のバックライト等として有用である。

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