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技術 不純物導入方法

出願人 パナソニック株式会社
発明者 佐々木雄一朗水野文二岡下勝己金成国伊藤裕之
出願日 2005年5月31日 (15年6ヶ月経過) 出願番号 2006-514097
公開日 2008年4月3日 (12年8ヶ月経過) 公開番号 WO2005-119745
状態 未査定
技術分野 拡散 アニール
主要キーワード アルゴンガス濃度 ヘリウムガス濃度 接合境界面 ガスドーピング ガス物質 不純物導入装置 n領域 ヘリウムプラズマ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

浅く効率よい不純物の導入を実現する。半導体層を含む固体基体表面に前記半導体層中電気的に不活性粒子で構成されたプラズマを用いて前記半導体層表面アモルファス化する第1の工程と、前記固体基体表面に不純物を導入する第2の工程とを含み、第1の工程を実行した後、前記第2の工程を実行することにより、半導体層を含む固体基体表面に微細ポーラスを有するアモルファス層を形成し、前記アモルファス層内に不純物を導入し不純物導入層を形成する。

概要

背景

近年、デバイス微細化に伴って浅い接合を形成する技術が求められている。従来、浅い接合の形成技術としては、低エネルギーイオン注入技術が挙げられる。低エネルギーイオン注入技術は、イオン源からある程度高電圧イオンを引き出した後に、後段減速させる方法であり、ビーム電流値をある程度大きく保ち、且つ、低エネルギーの注入ができるように工夫がなされてきた。このような工夫の結果、数10nm程度の浅い不純物層の形成が可能となり、半導体装置の製造工程において工業的な適用がなされている。

さらに浅い接合形成のために、近年注目されている技術としてプラズマドーピング技術が挙げられる。プラズマドーピング技術とは、所望の粒子を含んだプラズマを、半導体基板等の被処理体の表面に接触させて、被処理体表面に不純物を導入する技術である。ここで、プラズマはたかだか数100Vの低エネルギーであるため浅い不純物層の形成に適しており、10数nmから数10nm程度の浅い接合を形成した実験報告されている。

更に、現在最も浅いP型接合を達成した実験が非特許文献1に開示されている。これによると接合の深さは7nmであると説明されている。
また、ガスソースを用いた気相ドーピング法が、(1)非特許文献2、(2)非特許文献3、(3)非特許文献4等に提案されている。これは常圧水素雰囲気で半導体基板を加熱し、B2H6やPH3を供給することでP型およびN型不純物拡散層を形成する方法である。ここで水素キャリアガスシリコン上の自然酸化膜を除去し、清浄表面を保つことで不純物特にボロン表面偏析を抑制する効果がある。

またガスを分解するためには、一般に600℃以上の温度が必要である。例えば非特許文献5には、半導体基板を900℃に加熱して、1ppmのB2H6ガスを40秒供給することで高濃度の浅い接合を形成した実験結果が開示されている。これによると、ボロン濃度が1×1018cm−3となる深さを接合深さとして接合深さは上記と同程度の約7nmである。

更に、非特許文献6には、気相ドーピング法を室温で実現する技術が開示されている。これらは、表面に酸化物などの膜が付着している固体基体物質を導入する際に、酸化物などの膜を除去した後に、所望の粒子を付着あるいは導入する方法である。その報告によると不純物導入層の深さは3〜4nmである。

以上、説明したように、プラズマドーピングや低エネルギーイオン注入などの方法により、近年では10数nmから数10nm程度の浅い接合を形成した実験が報告されている。現在最も浅いP型の接合を達成した実験では7nm程度の浅い不純物層を形成している。しかし、デバイスのさらなる微細化が進むに従ってより浅い不純物層をより簡単に、かつ低抵抗に形成する方法の提供が求められている。

このような要求に応える技術として、プラズマドーピング技術は小さい加速エネルギーで粒子を半導体基板に導入できるため、イオン注入に比べて浅い導入層の形成が可能となる。しかし、小さいエネルギーとはいえ加速エネルギーを持つため、浅くすることには限界がある。また、プラズマドーピングではラジカルドーパントとして基板に供給されることが知られている。ラジカルは電荷を持たないため、シース間加速されて基板に打ち込まれることはないが、活性であるため基板表面と反応して基板に導入されると考えられる。ガスソースを用いた気相ドーピング法は、加速エネルギーを持たないドーパントを基板に供給して表面反応によって不純物拡散層を形成する技術である。これらはエネルギーを持ったイオンを基板に照射する方法の限界を超える技術と位置付けられている。

半導体基板、例えば結晶シリコンアモルファス化する技術としては、ゲルマニウムやシリコンをイオン注入する方法が従来から広く知られている。ゲルマニウムやシリコンをシリコン基板にイオン注入して表面をアモルファス化した後に、ボロンなどの不純物をイオン注入し、その後、アニールする工程が広く検討されている。不純物をイオン注入するに先立ちアモルファス化しておく利点として、以下のことが知られている。(1)ボロンなどの小さい不純物がイオン注入時に深くまで導入されにくくなること。(2)アモルファスシリコンは結晶シリコンと比較して光の吸収係数が高いので、アニール時に効率良く不純物を活性化できること。
しかし、イオン注入によるアモルファス化は、浅いアモルファス層を形成する際に十分な精度を得ることができない点や、アニール後シリコン結晶回復するアニールの条件範囲が狭いという課題があった。

これに対して、最近では不純物導入の前処理として、シリコン基板にプラズマを照射してシリコン表面をアモルファス化する技術が提案されている。非特許文献7には、筆者達のグループによりシリコン基板にアルゴンプラズマを照射して4.3nmのアモルファス層を形成した後にボロンを不純物として導入する技術が開示されている。また、非特許文献8には、シリコン基板に水素プラズマを照射して25nmのダメージリッチ層を形成した結果が開示されている。ここでは、その後、300℃で5分間アニールすることで低温のアニールでダメージが回復したことが報告されている。

ところで、シリコン基板にプラズマを照射して表面改質する技術としては、ヘリウムプラズマを用いたものが知られている。非特許文献9には、シリコン基板にヘリウムプラズマを照射してシリコン内部にポーラスを形成する技術が開示されている。これによると、ヘリウムプラズマをシリコン基板に照射することで表面から50nm以上250nm以下程度の深さ範囲に、直径が8nmから50nmのポーラスを形成できるとしている。プラズマに加えたバイアスは8keVや20keVとしている。さらに、20nm以上から100nm以下程度の深さ範囲にポーラスを形成した断面TEM写真も開示されている。このときのポーラスの大きさは、直径が16nmや20nmのものを含んでいる。
テクカルダイジェストオブシンポジウムオンブイエルエスアイテクノロジ」(Technical Digest of Symposium onVLSITechnology,Honolulu,P.110(2000))「インターナシナルワークショップオンジャンクションテクノロジ」International Workshop on Junction Technology(IWJT),p.19(2000)J.Vac.Sci.Technol.A16,P.1,(1998)、シリコンテクノロジーNo.39 18thJune,2002シリコンテクノロジー(No.39,18thJune,2002)「インターナショナル ワークショップ オン ジャンクション テクノロジ」International Workshop on Junction Technology(IWJT),p.39−40(2002)「インターナショナル ワークショップ オン ジャンクション テクノロジ」International Workshop on Junction Technology(IWJT),p.46−49(2004)「インターナショナル ワークショップ オン ジャンクション テクノロジ」International Workshop on Junction Technology(IWJT),p.54−57(2004)Handbook of Plasma Immeシート抵抗ion Ion Implantation and Deposition,p.663−666

概要

浅く効率よい不純物の導入を実現する。半導体層を含む固体基体表面に前記半導体層中電気的に不活性な粒子で構成されたプラズマを用いて前記半導体層表面をアモルファス化する第1の工程と、前記固体基体表面に不純物を導入する第2の工程とを含み、第1の工程を実行した後、前記第2の工程を実行することにより、半導体層を含む固体基体表面に微細なポーラスを有するアモルファス層を形成し、前記アモルファス層内に不純物を導入し不純物導入層を形成する。

目的

以上のように、従来の方法では、浅い接合を高精度に形成するのは極めて困難であった。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、浅く効率よい不純物の導入を実現することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

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請求項1

半導体層を含む固体基体表面に前記半導体層中電気的に不活性粒子で構成されたプラズマを用いて前記半導体層表面アモルファス化する第1の工程と、前記固体基体表面に不純物を導入する第2の工程とを含むことを特徴とする不純物導入方法

請求項2

請求項1に記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、前記半導体層表面にプラズマを照射する工程である不純物導入方法。

請求項3

請求項1に記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、前記プラズマを、メッシュを介して、前記半導体層表面に導きイオンを照射する工程である不純物導入方法。

請求項4

請求項1乃至3のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程を実行した後、前記第2の工程を実行することにより、半導体層を含む固体基体表面に微細ポーラスを有するアモルファス層を形成し、前記アモルファス層内に不純物を導入し不純物導入層を形成することを特徴とする不純物導入方法。

請求項5

請求項1乃至3のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第2の工程を実行した後、前記第1の工程を実行することにより、半導体層を含む前記固体基体表面に不純物を導入して不純物導入層を形成した後、前記不純物導入層に半導体中で電気的に不活性な粒子を含むプラズマを照射してアモルファス層を形成するようにしたことを特徴とする不純物導入方法。

請求項6

請求項1乃至3のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第2工程は前記第1工程と同時に実行されることを特徴とする不純物導入方法。

請求項7

請求項1乃至6のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記電気的に不活性なプラズマは、ヘリウムプラズマであることを特徴とする不純物導入方法。

請求項8

請求項7に記載の不純物導入方法であって、前記第2の工程は、半導体中で電気的に活性になる不純物をヘリウム希釈したプラズマを前記固体基体表面に照射することを特徴とする不純物導入方法。

請求項9

請求項4に記載の不純物導入方法であって、前記ポーラスの直径が8nm未満であることを特徴とする不純物導入方法。

請求項10

請求項1乃至9のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1および第2の工程の後に、前記不純物を電気的に活性化させるアニール工程を含むことを特徴とする不純物導入方法。

請求項11

請求項1乃至10のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1工程は、深さが19nm以下のアモルファス層を形成する工程であることを特徴とする不純物導入方法。

請求項12

請求項1乃至10のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1工程は、深さが5nm以上のアモルファス層を形成する工程であることを特徴とする不純物導入方法。

請求項13

請求項1乃至12のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第2の工程は不純物をプラズマドーピングする工程であることを特徴とする不純物導入方法。

請求項14

請求項1乃至13のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第2の工程はプラズマからメッシュを介して不純物イオンを供給する工程であることを特徴とする不純物導入方法。

請求項15

請求項1乃至13のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第2の工程が不純物をイオン注入する工程であることを特徴とする不純物導入方法。

請求項16

請求項1乃至13のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第2の工程が不純物をガスドーピングする工程であることを特徴とする不純物導入方法。

請求項17

請求項12乃至16のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1工程と前記第2工程を同じ真空チャンバー内連続工程としてin−situで行うことを特徴とする不純物導入方法。

請求項18

請求項12乃至16のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記固体基体シリコンであり、前記第1の工程が、前記固体基体の表面に照射するプラズマに関するバイアス電圧、照射時間、バイアスパワーおよびシース電圧のうちの少なくとも1つの条件を変えることで、前記アモルファス層の厚さを制御する工程であることを特徴とする不純物導入方法。

請求項19

請求項1乃至18のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、希ガス元素の少なくとも1種を含むプラズマを照射する工程を含む不純物導入方法。

請求項20

請求項1乃至18のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、Heを含むプラズマを照射する工程を含む不純物導入方法。

請求項21

請求項20に記載の不純物導入方法であって、前記第1および第2の工程は同時に実行され、前記99から99.999ガス濃度%のHeを含むプラズマを照射する工程を含む不純物導入方法。

請求項22

請求項1乃至18のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、Neを含むプラズマを照射する工程を含む不純物導入方法。

請求項23

請求項1乃至18のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、Arを含むプラズマを照射する工程を含む不純物導入方法。

請求項24

請求項1乃至18のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、Krを含むプラズマを照射する工程を含む不純物導入方法。

請求項25

請求項1乃至18のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、Xeを含むプラズマを照射する工程を含む不純物導入方法。

請求項26

請求項1乃至18のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、Rnを含むプラズマを照射する工程を含む不純物導入方法。

請求項27

請求項2に記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程が、原子量をY(u)とし、アモルファス層の深さをX(nm)として原子量Y(u)の元素で構成されるプラズマを用いて、−(1/0.481)・ln(Y/121.37)<X<(Y/270.87)−(1/1.2684)で表される範囲のアモルファス層を形成する工程を含む不純物導入方法。

請求項28

請求項6に記載の不純物導入方法であって、前記第1および第2の工程は同時に実行され、前記0.001から1.0ガス濃度%のB2H6を含むプラズマを照射することにより、不純物導入層を形成する工程を含む不純物導入方法。

請求項29

請求項28に記載の不純物導入方法であって、前記不純物導入層を形成する工程は、前記0.001から1.0ガス濃度%のB2H6を含むHeプラズマを照射することにより、不純物導入層を形成する工程を含む不純物導入方法。

請求項30

請求項1乃至18のいずれかに記載の不純物導入方法であって、前記第1の工程は、水素を含むプラズマを照射する工程を含む不純物導入方法。

技術分野

0001

本発明は不純物導入方法係り、特に、半導体等の製造プロセスにおいて不純物を導入する不純物導入方法に関する。

背景技術

0002

近年、デバイス微細化に伴って浅い接合を形成する技術が求められている。従来、浅い接合の形成技術としては、低エネルギーイオン注入技術が挙げられる。低エネルギーイオン注入技術は、イオン源からある程度高電圧イオンを引き出した後に、後段減速させる方法であり、ビーム電流値をある程度大きく保ち、且つ、低エネルギーの注入ができるように工夫がなされてきた。このような工夫の結果、数10nm程度の浅い不純物層の形成が可能となり、半導体装置の製造工程において工業的な適用がなされている。

0003

さらに浅い接合形成のために、近年注目されている技術としてプラズマドーピング技術が挙げられる。プラズマドーピング技術とは、所望の粒子を含んだプラズマを、半導体基板等の被処理体の表面に接触させて、被処理体表面に不純物を導入する技術である。ここで、プラズマはたかだか数100Vの低エネルギーであるため浅い不純物層の形成に適しており、10数nmから数10nm程度の浅い接合を形成した実験報告されている。

0004

更に、現在最も浅いP型接合を達成した実験が非特許文献1に開示されている。これによると接合の深さは7nmであると説明されている。
また、ガスソースを用いた気相ドーピング法が、(1)非特許文献2、(2)非特許文献3、(3)非特許文献4等に提案されている。これは常圧水素雰囲気で半導体基板を加熱し、B2H6やPH3を供給することでP型およびN型不純物拡散層を形成する方法である。ここで水素キャリアガスシリコン上の自然酸化膜を除去し、清浄表面を保つことで不純物特にボロン表面偏析を抑制する効果がある。

0005

またガスを分解するためには、一般に600℃以上の温度が必要である。例えば非特許文献5には、半導体基板を900℃に加熱して、1ppmのB2H6ガスを40秒供給することで高濃度の浅い接合を形成した実験結果が開示されている。これによると、ボロン濃度が1×1018cm−3となる深さを接合深さとして接合深さは上記と同程度の約7nmである。

0006

更に、非特許文献6には、気相ドーピング法を室温で実現する技術が開示されている。これらは、表面に酸化物などの膜が付着している固体基体物質を導入する際に、酸化物などの膜を除去した後に、所望の粒子を付着あるいは導入する方法である。その報告によると不純物導入層の深さは3〜4nmである。

0007

以上、説明したように、プラズマドーピングや低エネルギーイオン注入などの方法により、近年では10数nmから数10nm程度の浅い接合を形成した実験が報告されている。現在最も浅いP型の接合を達成した実験では7nm程度の浅い不純物層を形成している。しかし、デバイスのさらなる微細化が進むに従ってより浅い不純物層をより簡単に、かつ低抵抗に形成する方法の提供が求められている。

0008

このような要求に応える技術として、プラズマドーピング技術は小さい加速エネルギーで粒子を半導体基板に導入できるため、イオン注入に比べて浅い導入層の形成が可能となる。しかし、小さいエネルギーとはいえ加速エネルギーを持つため、浅くすることには限界がある。また、プラズマドーピングではラジカルドーパントとして基板に供給されることが知られている。ラジカルは電荷を持たないため、シース間加速されて基板に打ち込まれることはないが、活性であるため基板表面と反応して基板に導入されると考えられる。ガスソースを用いた気相ドーピング法は、加速エネルギーを持たないドーパントを基板に供給して表面反応によって不純物拡散層を形成する技術である。これらはエネルギーを持ったイオンを基板に照射する方法の限界を超える技術と位置付けられている。

0009

半導体基板、例えば結晶シリコンアモルファス化する技術としては、ゲルマニウムやシリコンをイオン注入する方法が従来から広く知られている。ゲルマニウムやシリコンをシリコン基板にイオン注入して表面をアモルファス化した後に、ボロンなどの不純物をイオン注入し、その後、アニールする工程が広く検討されている。不純物をイオン注入するに先立ちアモルファス化しておく利点として、以下のことが知られている。(1)ボロンなどの小さい不純物がイオン注入時に深くまで導入されにくくなること。(2)アモルファスシリコンは結晶シリコンと比較して光の吸収係数が高いので、アニール時に効率良く不純物を活性化できること。
しかし、イオン注入によるアモルファス化は、浅いアモルファス層を形成する際に十分な精度を得ることができない点や、アニール後シリコン結晶回復するアニールの条件範囲が狭いという課題があった。

0010

これに対して、最近では不純物導入の前処理として、シリコン基板にプラズマを照射してシリコン表面をアモルファス化する技術が提案されている。非特許文献7には、筆者達のグループによりシリコン基板にアルゴンプラズマを照射して4.3nmのアモルファス層を形成した後にボロンを不純物として導入する技術が開示されている。また、非特許文献8には、シリコン基板に水素プラズマを照射して25nmのダメージリッチ層を形成した結果が開示されている。ここでは、その後、300℃で5分間アニールすることで低温のアニールでダメージが回復したことが報告されている。

0011

ところで、シリコン基板にプラズマを照射して表面改質する技術としては、ヘリウムプラズマを用いたものが知られている。非特許文献9には、シリコン基板にヘリウムプラズマを照射してシリコン内部にポーラスを形成する技術が開示されている。これによると、ヘリウムプラズマをシリコン基板に照射することで表面から50nm以上250nm以下程度の深さ範囲に、直径が8nmから50nmのポーラスを形成できるとしている。プラズマに加えたバイアスは8keVや20keVとしている。さらに、20nm以上から100nm以下程度の深さ範囲にポーラスを形成した断面TEM写真も開示されている。このときのポーラスの大きさは、直径が16nmや20nmのものを含んでいる。
テクカルダイジェストオブシンポジウムオンブイエルエスアイテクノロジ」(Technical Digest of Symposium onVLSITechnology,Honolulu,P.110(2000))「インターナシナルワークショップオンジャンクションテクノロジ」International Workshop on Junction Technology(IWJT),p.19(2000)J.Vac.Sci.Technol.A16,P.1,(1998)、シリコンテクノロジーNo.39 18thJune,2002シリコンテクノロジー(No.39,18thJune,2002)「インターナショナル ワークショップ オン ジャンクション テクノロジ」International Workshop on Junction Technology(IWJT),p.39−40(2002)「インターナショナル ワークショップ オン ジャンクション テクノロジ」International Workshop on Junction Technology(IWJT),p.46−49(2004)「インターナショナル ワークショップ オン ジャンクション テクノロジ」International Workshop on Junction Technology(IWJT),p.54−57(2004)Handbook of Plasma Immeシート抵抗ion Ion Implantation and Deposition,p.663−666

発明が解決しようとする課題

0012

以上のように、従来の方法では、浅い接合を高精度に形成するのは極めて困難であった。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、浅く効率よい不純物の導入を実現することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

そこで本発明の不純物導入方法は、半導体層を含む固体基体表面半導体層中電気的に不活性な粒子で構成されたプラズマを用いて前記半導体層表面をアモルファス化する第1の工程と、前記固体基体表面に不純物を導入する第2の工程とを含むことを特徴とする。
この方法によれば、不純物の導入に際し、ダメージ層の形成を抑制し得るようにプラズマ条件を調整して、不活性プラズマにより光吸収特性の良い、浅い、アモルファス層を、半導体の特性に影響を及ぼすことなく容易に作成する一方で、プラズマからシリコン中に導入された元素をアニール工程で効率よく外方拡散するようにし、結晶性の回復をはかることが可能となる。

0014

本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程が、前記半導体層表面にプラズマを照射する工程であるものを含む。
この方法によれば、不活性プラズマの照射により良好にアモルファス化を行なうことができる。不活性プラズマなのでシリコンと反応しにくい。電気的に及ぼす影響を低減、抑制できる。プラズマ中でラジカルになりにくいので、シリコンなどの固体基体を構成する原子と反応することも少ない。元素の種類によるが、エッチングレートを低減できる効果もある。

0015

本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程が、前記プラズマを、メッシュを介して、前記半導体層表面に導きイオンを照射する工程であるものを含む。
この方法によれば、所定の電位としたメッシュを介してプラズマを半導体層表面に照射することにより、イオンシャワーと呼ばれるいわゆる分散したイオン照射がなされ、効率よくアモルファス化を実現することができる。この方法ではイオンの質量分離を行わないので、固体基体に照射されるイオンビーム電流量は、プラズマに直接曝すプラズマドーピングに比べれば小さいが、イオン注入と比較すると桁違いに大きい。そのため、比較的原子量の小さい軽元素でも効率良くアモルファス化できる。例えばヘリウム水素などの最も原子量の小さい元素でもアモルファス化できる可能性が期待できる。

0016

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程を実行した後、前記第2の工程を実行することにより、半導体層を含む固体基体表面に微細なポーラスを有するアモルファス層を形成し、前記アモルファス層内に不純物を導入し不純物導入層を形成するようにしたことを特徴とする。
この方法によれば、このポーラスにのみ選択的に不純物が導入されるので、不純物を導入する領域、すなわち不純物を閉じ込めておく領域を絞り込むことができる。そのため、ポーラスができる領域とできない領域の不純物の濃度に急激な差をつけることができるので、深さ方向の不純物濃度急峻性を高くできる。すなわち、例えばpn接合接合界面付近での不純物濃度を急激に変化させることができる。

0017

また本発明の不純物導入方法は、前記第2の工程を実行した後、前記第1の工程を実行することにより、半導体層を含む前記固体基体表面に不純物を導入して不純物導入層を形成した後、前記不純物導入層に半導体中で電気的に不活性な粒子を含むプラズマを照射してアモルファス層を形成するようにしたことを特徴とする。
この方法によれば、前記と同様にポーラスにのみ選択的に不純物が導入されるので、不純物を導入する領域、すなわち不純物を閉じ込めておく領域を絞り込むことができる。同様に、ポーラスができる領域とできない領域の不純物の濃度に急激な差をつけることができるので、深さ方向の不純物濃度の急峻性を高くできる。

0018

また本発明の不純物導入方法は、前記第2工程が前記第1工程と同時に実行されることを特徴とする。この方法によれば、不純物が導入される深さと、アモルファス層の深さを1つの工程で同時に決めることができる。不純物が導入される深さとアモルファス層の深さは、固体基体に印加するバイアス電圧によって制御できるが、前記第1工程と前記第2工程を別々に行った場合には、不純物が導入される深さとアモルファス層の深さは、互いの工程で印加したバイアス電圧に影響を受ける。すなわち、不純物が導入される深さはアモルファス層の深さによって変化する。また、アモルファス層の深さは、不純物を導入する工程で程度の差はあるが増加することが多い。特に、あらかじめ作るアモルファス層の深さが浅く、浅いアモルファス層ができたシリコン基板に深くまで不純物を導入したい場合には、不純物を導入する工程でアモルファス層が元の深さより深くなる。前記第2工程が前記第1工程と同時に実行した場合には、不純物が導入される深さと、アモルファス層の深さを1つの工程で同時に決めることができるので、制御し易いという効果がある。さらに、工程を1つ削減できるので効率的である。

0019

また本発明の不純物導入方法は、前記ヘリウムプラズマであることを特徴とする。
この方法によれば、シリコンなどの半導体中にポーラスをつくることが特に容易である。これはヘリウムプラズマが特別に有する性質である。He元素はアニール工程中に半導体基板の外に外方拡散し易く、アニール後に半導体基板中に残留しないため、シリコンの結晶性の回復が容易である。さらに、不活性元素であるため、プラズマ照射時にも、さらに半導体基板中においてもシリコンと反応し難い。

0020

また本発明の不純物導入方法は、半導体中で電気的に活性になる不純物をヘリウムで希釈したプラズマを前記固体基体表面に照射することを特徴とする。
この方法によれば、前記第2工程が前記第1工程と同時に実行できるので工程数を省略できる。また、前記と同様に不純物が導入される深さと、アモルファス層の深さを1つの工程で同時に決めることができるので、制御し易いという効果がある。ここで用いる不純物プラズマは極度にヘリウムで希釈したものを用いる。これにより、ヘリウムが半導体基板外に外方拡散し易く、半導体の結晶性の回復力が高められ、結晶性の良好な不純物領域を形成することができるという効果がある。また、ヘリウムに他の元素を混ぜることで、シリコン基板中に大きなポーラスができ難くなるので、シート抵抗が低下し難くなることを回避できる。あるいは、ヘリウムに他の元素を混ぜることで、シリコン基板中にポーラスを作らずにヘリウムが有する外方拡散し易く結晶性の回復力が高いアモルファス層を形成できるという利点を備えた工程を実現できる。

0021

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程が、直径が20nm未満の微細なポーラスを有するアモルファス層を形成する工程であることを特徴とする。
この方法によれば、ポーラスが大きすぎてアニール後に半導体結晶が回復せず、シート抵抗に悪影響を及ぼすのを避けることができる。ポーラスの径を適切な大きさに調整することが望ましい。

0022

また本発明の不純物導入方法は、前記ポーラスの直径が8nm未満であることを特徴とする。
この方法によれば、アニール後のシート抵抗が低下することを実証できている。ポーラスの各孔が前記8nm未満の直径であれば、シリコン結晶がより回復し易いので望ましい。

0023

また本発明の不純物導入方法は、前記第1および第2の工程の後に、前記不純物を電気的に活性化させるアニール工程を含むことを特徴とする。
この方法によれば、アニール時に光を効率的に吸収して、不純物を効率的に電気的に活性化できる。その結果、極浅で低抵抗の層を形成できる。また、ポーラスがある場合、ポーラスはアモルファス層中にあるので、近傍で熱が効率的に発生する。そのため、ポーラスに閉じ込められている不純物も効率的に電気的に活性化できる。その結果、極浅で急峻性の良い低抵抗の層を形成できる。

0024

また本発明の不純物導入方法は、前記第1工程が、深さが19nm以下のアモルファス層を形成する工程であることを特徴とする。

0025

また本発明の不純物導入方法は、前記第1工程が、深さが5nm以上のアモルファス層を形成する工程であることを特徴とする。
この方法によれば、表面荒れを影響のない範囲に抑制しつつ光吸収特性の良いアモルファス層を形成し易い。5nm以下であれば、アモルファス層でのアニール時の光吸収率は低く、低抵抗化し難くなる。19nm以上であれば、プラズマ照射による表面荒れが発生し、半導体デバイスへの影響が懸念される。

0026

また本発明の不純物導入方法は、前記第2の工程が不純物をプラズマドーピングする工程であるものを含む。
この方法によれば、極浅の不純物導入を高いスループットで実現できるのでより望ましい。

0027

また本発明の不純物導入方法は、前記第2の工程はプラズマからメッシュを介して不純物イオンを供給する工程であるものを含む。
この方法によれば、極浅の不純物導入をイオン注入より高いスループットで実現できるのでより望ましい。また、イオンだけを抽出して固体基体に照射するので、ラジカルと固体基体が反応することがない。そのため、プラズマに含まれるラジカルと固体基体を構成する原子が反応したスパッタリングが起きないという効果がある。

0028

また本発明の不純物導入方法は、前記第2の工程が不純物をイオン注入する工程であるものを含む。
この方法によれば、半導体産業ですでに工業的に長年使用されており、信頼性の高い不純物導入が可能である。

0029

また本発明の不純物導入方法は、前記第2の工程が不純物をガスドーピングする工程であるものを含む。
この方法によれば、加速エネルギーをほとんど有しない不純物の導入が可能であり、プラズマドーピングよりも浅い不純物導入層を形成できる。

0030

また本発明の不純物導入方法は、前記第1工程と前記第2工程を同じ真空チャンバー内連続工程としてin−situで行うものを含む。
この方法によれば、第2の工程が受ける自然酸化膜の影響を低減できる。すなわち、一般的に、自然酸化膜が厚いほど第2の工程で不純物のドーズ量が低下するなどの影響が出易い。特に浅い不純物導入層を作るために、不純物を低エネルギーで導入する場合には、自然酸化膜が厚いほど不純物導入量が低減する。ここで、前記第1工程と前記第2工程を同じ真空チャンバー内で連続工程としてin−situで行った場合には、第1工程後の自然酸化膜の厚さは、第1工程前よりは少なくとも薄くなる。或いは、第1工程後には自然酸化膜は存在しないか、非常に薄いために無視できる厚さしかない。さらに、真空中なので、第1工程と第2工程の間に自然酸化膜が成長することがない。そのため、第2の工程が受ける自然酸化膜の影響を低減できる。さらに、第1工程と第2工程の間の半導体基板の搬送や管理などの手間を削減できる。

0031

また本発明の不純物導入方法は、固体基体の表面に照射するプラズマに関するバイアス電圧、照射時間、バイアスパワーおよびシース電圧のうちの少なくとも1つの条件を変えることで、前記アモルファス層の厚さを制御する工程であるものを含む。
この方法によれば、バイアス電圧、バイアスパワーおよびシース電圧を変えることで固体基体に衝突するプラズマ中のイオンの加速エネルギーを変えることができるので、アモルファス層の厚さを変えることができる。さらに、固体基体に衝突するプラズマ中のイオンの加速エネルギーが同じであっても、イオンが固体基体に衝突する時間を変えることで、ある程度はアモルファス層の厚さを変えることができる。

0032

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程は、希ガス元素の少なくとも1種を含むプラズマを照射する工程を含む。
この方法によれば、不活性な元素のプラズマを用いるので、半導体中で電気的に及ぼす影響を少なくして、プラズマを照射することができる。さらに、不活性元素なのでプラズマ照射時にも、さらに半導体基板中においてもシリコンと反応し難いので、プラズマ照射時のエッチングレートが低いので望ましい。また、希ガスは化学的に安定であるため、シリコンをはじめとする固体基体表面との反応性が低く、固体基体表面に吸着しにくい。そのため、イオンによる不純物導入に加えて、ガス吸着による不純物の導入が期待できる。

0033

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程が、Heを含むプラズマを照射する工程を含む。
この方法によれば、He元素はアニール工程中に半導体基板の外に外方拡散し易く、アニール後に半導体基板中に残留しないという理由から、シリコンの結晶が回復し易いので望ましい。さらに、シリコンやゲルマニウムに比べて原子半径が小さいので、わずかにシリコン中に残った場合でも、結晶回復を妨げにくいので望ましい。また、不活性元素であるためプラズマ照射時にも、さらに半導体基板中においてもシリコンと反応し難く、プラズマ照射時のエッチングレートが低いので望ましい。
さらにまた、本発明の不純物導入方法は、前記第1および第2の工程は同時に実行され、前記99から99.999ガス濃度%のHeを含むプラズマを照射することにより、アモルファス層を形成する工程を含む。
この方法によれば、ボロンを導入せず、砒素などを導入してn層を形成したい場合にも応用できる。すなわち、砒素などの不純物元素を含むガスをHeガスで希釈した方法である。この方法によれば、砒素などの不純物を、一般的にイオン注入で使われるドーズ量を導入してn層を形成できる。さらにアモルファス層の形成にHeを用いるので、アニール工程中に半導体基板の外に外方拡散し易く、アニール後に半導体基板中に残留しないという理由から、シリコンの結晶が回復し易い。さらに、シリコンやゲルマニウムに比べて原子半径が小さいので、わずかにシリコン中に残った場合でも、結晶回復を妨げにくい。また、不活性元素であるためプラズマ照射時にも、さらに半導体基板中においてもシリコンと反応し難く、プラズマ照射時のエッチングレートが低い。

0034

また、ガス種を選択することにより、アモルファス化の深さを選択することができることがわかった。そこで必要とするアモルファス層の深さに応じてガス種を選択することができる。アモルファス層の深さに応じてガス種を選択することで装置に大きな負荷をかけたり、電源を大型化したりすることなく、所望の深さのアモルファス層を形成することができる。

0035

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程は、Neを含むプラズマを照射する工程を含む。
この方法によれば、実験結果から3.7〜7.7nmのアモルファス層を容易に形成できることが期待できる。このため、ガス種を選択することにより、効率よく所望の深さに不純物領域を形成することができる。さらに、シリコンやゲルマニウムに比べて原子半径が小さいので、わずかにシリコン中に残った場合でも、結晶回復を妨げにくいので望ましい。

0036

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程は、Arを含むプラズマを照射する工程を含む。
この方法によれば,実験結果から2〜4.7nmのアモルファス層を形成することができることがわかっている。このため、効率よく所望の深さに不純物領域を形成することができる。さらに、ゲルマニウムに比べて原子半径が小さいので、わずかにシリコン中に残った場合でも、ゲルマニウムよりは結晶回復を妨げにくいので望ましい。

0037

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程は、Krを含むプラズマを照射する工程を含む。
この方法によれば,実験結果から2.5nm以下の浅いアモルファス層を容易に形成できることが期待できる。このため、効率よく所望の深さに不純物領域を形成することができる。

0038

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程は、Xeを含むプラズマを照射する工程を含む。
この方法によれば,実験結果から2.1nm以下の浅いアモルファス層を形成することができることがわかっている。このため、浅い不純物領域を形成することができる。

0039

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程は、Rnを含むプラズマを照射する工程を含む。
この方法によれば,実験結果から1.2nm以下のアモルファス層を形成し易いことが期待できる。このため、効率よく所望の深さに不純物領域を形成することができる。

0040

さらにまた、本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程が、原子量をY(u)とし、アモルファス層の深さをX(nm)として原子量Y(u)の元素を主成分として構成されるプラズマを用いて、
−(1/0.481)・ln(Y/121.37)<X<(Y/270.87)−(1/1.2684)で表される範囲のアモルファス層を形成する工程を含む。
実験結果からプラズマに用いる元素の原子量と形成されるアモルファス層の深さとの関係を測定した結果、上記式の範囲となることがわかった。したがって、必要とするアモルファス層の深さに応じてプラズマに用いる元素の種類を選択する事により、容易に所望の深さを得ることができる。ここでプラズマは直接照射してもよいし、プラズマから引き出すイオンシャワーを用いてイオンとして照射してもよい。

0041

さらにまた、本発明の不純物導入方法は、前記第1および第2の工程は同時に実行され、前記0.001から1.0ガス濃度%のB2H6含むプラズマを照射することにより、不純物導入層を形成する工程を含む。
この方法によれば、400nm以上の波長の光吸収率が極めて良好な半導体層を形成することができ、且つ、一般的に半導体で用いる不純物のドーズ量を実現できるので、良好に活性化され実用可能な抵抗値を有する不純物領域を形成することができる。

0042

さらにまた、本発明の不純物導入方法は、前記不純物導入層を形成する工程は、前記0.001から1.0ガス濃度%のB2H6を含むHeプラズマを照射することにより、不純物導入層を形成する工程を含む。
この方法によれば、上記効果に加え、アニール工程中に半導体基板の外に外方拡散し易く、アニール後に半導体基板中に残留しないという理由から、シリコンの結晶が回復し易い。さらに、シリコンやゲルマニウムに比べて原子半径が小さいので、わずかにシリコン中に残った場合でも、結晶回復を妨げにくい。また、不活性元素であるためプラズマ照射時にも、さらに半導体基板中においてもシリコンと反応し難く、プラズマ照射時のエッチングレートが低い。また、一般的にイオン注入で使われる範囲の不純物ドーズ量を導入できる。

0043

また本発明の不純物導入方法は、前記第1の工程は、水素を含むプラズマを照射する工程を含む。
この方法によれば、水素はアニール工程中に半導体基板の外に外方拡散し易く、アニール後に半導体基板中に残留しないという理由から、シリコンの結晶が回復し易いので望ましい。さらに、シリコンやゲルマニウムに比べて原子半径が小さいので、わずかにシリコン中に残った場合でも、結晶回復を妨げにくいので望ましい。

0044

また本発明の不純物導入装置は、固体基体表面に半導体中で電気的に不活性な粒子で構成されたプラズマを照射する照射手段と、固体基体表面に不純物を導入する導入手段とを含む。
この装置によれば、上記方法を効率よく実現可能である。

0045

また本発明の不純物導入装置は、導入した前記不純物を活性化させるアニール手段を含む。

0046

また本発明の不純物導入装置は、前記導入手段、照射手段、アニール手段は同一チャンバー内で順次実行できるように構成される。
この装置によれば、装置の小型化をはかることができ、被処理物である固体基体が外気に触れることなく一連の処理を実行することができる。

0047

さらにまた、本発明の不純物導入装置は、前記導入手段、照射手段、アニール手段の少なくとも2つが同一チャンバー内で同時に実行できるように構成されたものを含む。
この装置によれば、装置を小型化できる。

発明の効果

0048

本発明の不純物導入方法によれば、不活性なガスプラズマを照射して、アモルファス層を形成し、ここに不純物を導入しているため、不純物が効率よく導入され浅く高精度の接合が可能となる。またアモルファス層内に微細なポーラスを形成することができ、このポーラス内に不純物を効率よく導入することができるため、微細な不純物領域を形成することができ、高精度に微細な領域に接合を形成することができる。

図面の簡単な説明

0049

本発明の一実施の形態で用いられる装置の要部断面図である。本発明に係るプラズマ処理後のシリコン基板表面をAFM観察した図である。比較例のプラズマ処理後のシリコン基板表面をAFMで観察した図である。比較例のイオン注入後のシリコン基板表面をAFMで観察した図である。本発明の一実施の形態と比較例とについてアモルファス層の厚さと表面粗さとバイアスの関係を示す図である。本発明の実施例の断面TEM観察像を示した図である。本発明の実施例の断面TEM観察像を示した図である。比較例の断面TEM観察像を示した図である。比較明の実施例の断面TEM観察像を示した図である。本発明の一実施の形態と比較例とについて不純物導入後のボロンのSIMプロファイルを比較した図である。本発明の一実施の形態と比較例とについてRTAを用いた場合のシート抵抗とバイアスの関係を示した図である。本発明の一実施の形態と比較例とについてspikeRTAを用いた場合のシート抵抗とバイアスと接合深さの関係を示した図である。本発明に係るアモルファス層の深さとプラズマ照射に用いる元素の原子量の関係を示した図である。Heガス,アルゴンとヘリウムの混合ガス窒素ガスのプラズマ照射アモルファス化におけるバイアスとアモルファス層厚さの関係を示した図である。アルゴンとヘリウムの混合ガスプラズマ照射アモルファス化におけるArガスの混合割合とアモルファス層厚さの関係を示した図である。ヘリウムで希釈したB2H6のプラズマドーピングとRTAの前処理に、ヘリウム照射アモルファス化とアルゴンとヘリウムの混合ガスプラズマ照射アモルファス化を用いた場合の、アモルファス化におけるバイアスとシート抵抗の関係を示した図である。本発明と比較例の波長530nmの光に対する光吸収係数を比較した図である。本発明と比較例のB2H6ガスとヘリウムガスの混合比を変えた場合のアモルファス層の厚さを比較した図である。B2H6ガスとヘリウムガスの混合比を変えた場合のボロンドーズ量の変化を説明する図である。本発明の一実施の形態で用いられるイオンシャワー装置の要部断面図である。

符号の説明

0050

高周波電源
マッチングボックス
コイル
マスフローコントローラ
5 マスフローコントローラ
ターボ分子ポンプ
コンダクタンスバルブ
ドライポンプ
サーキュレータ
10DC電源
11 マッチングボックス
12 高周波電源
13被処理基板
14 下部電極
15 真空チャンバー

発明を実施するための最良の形態

0051

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
図1は本発明の不純物導入装置を模式的に示した断面図である。

0052

この不純物導入装置100は、図1に示すように、装置内で、プラズマドーピング、プラズマ照射、アニールが順次実行できるように構成されたものである。即ちこの装置は、真空チャンバー15内に配設された下部電極14を兼ねるサセプタに被処理基板13としての半導体基板を設置し、この基板表面近傍に、プラズマ発生領域を形成し、プラズマドーピングおよびプラズマ照射を実現するものである。高周波電源1から、マッチングボックス2を介してコイル3が取り付けられており、このコイル3と下部電極14との間に高周波電力が供給される。また下部電極14は、DC電源10に接続されるとともに高周波電源12に対して、マッチングボックス11を介して接続されている。

0053

また、真空チャンバー15の真空度はコンダクタンスバルブ7を介して接続されたターボ分子ポンプ6及びドライポンプ8で調整される。また下部電極14はサーキュレータ9によって回転可能に形成されている。またこのチャンバーには、Heガスなどの不活性ガスをチャンバー内に供給するための不活性ガス用のマスフローコントローラ4とこれに対向した位置にジボランガスを導入するための不純物ガス用のマスフローコントローラ5が形成されている。

0054

このようにして不純物導入装置の本体部が構成されるが、この装置は枚葉型でしかも急速処理を可能にするために、全体の容積特に真空チャンバー15の容積が必要最小限になるように構成することが重要である。ここで、プラズマ発生領域は、ヘリコン波プラズマ源、ECR(Electron Cycloron Resonance)プラズマ源、ICPプラズマ源等を用いて形成するのが望ましい。このようなプラズマ源により、被処理基板13に導入するための不純物あるいはプラズマ照射のためのガスを含有する物質、ここではB2H6およびHeガスをそれぞれの工程でプラズマ励起する。

0055

上記不純物を含有するガス物質の供給系では、マスフローコントローラ4、5を介して真空チャンバー15に一定量のガス物質が供給される。なお、ガス流量はマスフローコントローラ4,5で別々に制御することができるように構成されている。この供給量はマスフローコントローラ4、5、真空チャンバー15の容積、温度、真空度で決定され、それぞれ温度計および圧力計モニターされ、図示しないがそれぞれの温度制御部、圧力制御部でガス温度、圧力が安定的に制御されている。

0056

この装置では、シリコン基板13を真空チャンバー15内に搬送した後、下部電極14上に設置した。真空チャンバー15には希ガスの導入管16とジボランガスの導入管17を別々に接続した。なお、希ガスは、希ガスプラズマを表面に照射することでシリコン基板表面をアモルファス化させるために用いる。ジボランガスは、プラズマ化されてプラズマドーピングするために用いられたり、ガスのまま真空チャンバー15に導入されてガスドーピングに用いられたりする。

0057

まず、真空チャンバーを所望の真空度にセットした後、希ガスの導入管16を開き、希ガスのプラズマを生成してシリコン基板13に、電気的に不活性な粒子のみからなるプラズマを照射してアモルファス層を形成する。アモルファス層は、プラズマ照射条件により、微細なポーラスを有することもあるし、有さないこともある。
そしてジボランガスの導入管17を開き、このアモルファス化されたシリコン基板13の所定の領域に、前記固体基体に不純物導入層を形成する。
そして、図示しないアニール手段でアニールし、浅い接合を形成する。
このようにして浅く低抵抗で高精度の不純物ドーピングが実現される。

0058

(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。
前記実施の形態1では、アモルファス化したのち不純物を導入したが、実施の形態2では、不純物を導入した後、不活性なガスプラズマを照射してアモルファス層を形成するようにしたことを特徴とする。

0059

すなわち、真空チャンバーを所望の真空度にセットした後、ジボランガスの導入管17を開き、シリコン基板13の所定の領域に不純物導入層を形成する。
この後、希ガスの導入管16を開き、希ガスのプラズマを生成してシリコン基板13に、電気的に不活性な粒子のみからなるプラズマを照射してアモルファス層を形成する。アモルファス層は、プラズマ照射条件により、微細なポーラスを有することもあるし、有さないこともある。

0060

そして、図示しないアニール手段でアニールし、浅い接合を形成する。
このようにして浅く低抵抗で高精度の不純物ドーピングが実現される。

0061

(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について説明する。
前記実施の形態1では、アモルファス化したのち不純物を導入したが、実施の形態3では、不純物を導入する工程と、不活性なガスプラズマを照射してアモルファス層を形成する工程とを同時に実行するようにしたことを特徴とする。

0062

すなわち、真空チャンバーを所望の真空度にセットした後、希ガスの導入管16とジボランガスの導入管17とを同時に開き、希ガスのプラズマを生成してシリコン基板13に、電気的に不活性な粒子のみからなるプラズマを照射してアモルファス層を形成しながら、シリコン基板13の所定の領域に、前記固体基体に不純物導入層を形成する。アモルファス層は、プラズマ照射条件により、微細なポーラスを有することもあるし、有さないこともある。
そして、図示しないアニール手段でアニールし、浅い接合を形成する。
このようにして浅く低抵抗で高精度の不純物ドーピングが実現される。

0063

次に本発明の実施例について具体的に説明する。
以下の実施例では、固体基体自体の表面アモルファス化のためのプロセスについて説明する。

(表面荒れ)
まず、プラズマを照射してアモルファス層を形成する工程での表面荒れについて詳細に説明する。
真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
ここでプラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。
用いたガスは、ヘリウムガスである。

0064

まず最初に、シリコン基板13にヘリウムプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、圧力0.9Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧75Vから310Vの範囲で行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を最初に真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。取り出した基板の表面をAFMで測定した。

0065

図2は、本発明の実施例としてヘリウムプラズマを照射におけるバイアス電圧を75Vから150Vの範囲で変化させたときの表面のAFM観察結果である。シリコン基板21表面の表面荒れは、RMSで0.3nm以下であった。
図3は、比較例としてバイアス電圧を250Vと310Vとしてヘリウムプラズマ処理した場合の表面のAFM観察結果である。シリコン基板21表面の表面荒れは、RMSで0.355nmと0.517nmであり表面荒れが発生した。
図4は、比較例として通例の条件を用いたイオン注入でボロンをシリコン基板に注入した後のシリコン基板21表面である。加速エネルギーは0.5kV、ボロンドーズ量は1×1015cm−2と2×1014cm−2である。表面荒れは、RMSで0.3nm以下であった。イオン注入は既に工業的に長年の実績があることから、RMSで0.3nm程度の表面荒れは生産工程上で許容できると考えられる。

0066

上記の結果から、プラズマを照射してアモルファス層を形成する工程においては、プラズマ照射における印加電圧が250V未満の場合には表面荒れはイオン注入の水準以下の水準であり、実用上の問題は発生しないと考えられる。よって、バイアス電圧は250V未満が望ましいことが了解できる。

0067

(アモルファス層の厚さ)
次に、プラズマを照射してアモルファス層を形成する工程でのアモルファス層の厚さについて詳しく説明する。

0068

真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。用いたガスは、ヘリウムガスである。
最初に、シリコン基板にヘリウムプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、圧力0.9Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧75Vから310Vの範囲で行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を最初に真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。エリプソメトリーで取り出した基板表面のアモルファス層の厚さを測定した。一部のサンプルは、断面TEMでアモルファス層の厚さを確認し、エリプソメトリーの測定結果と比較した。そして、断面TEMの測定結果を用いてエリプソメトリーの測定結果を校正することで、全てのサンプルのアモルファス層の深さを求めた。

0069

図5は、バイアス電圧とアモルファス層の厚さの関係である。参照のために、前節で説明したバイアス電圧と表面荒れの関係もあわせて示した。アモルファス層の厚さは、バイアス電圧の増加に従って増加した。形成できるアモルファス層の厚さ範囲は、4.5nm以上、24nm以下の範囲である。ここで、表面荒れの観点からは、バイアス電圧が225V以下の場合に実用上の問題は発生しない。このような範囲のアモルファス層の厚さは、19nm以下である。つまり、表面荒れの観点から実用上の問題が発生しないアモルファス層の厚さは、19nm以下である。

0070

ポーラスシリコン
次に、プラズマを照射してアモルファス層を形成する工程でのアモルファス層の中のポーラス形成について詳しく説明する。ここで、ポーラスとはシリコン基板中で密度が疎の部分のことであり、マイクロカプセルバブルと言われることもある。
真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。
用いたガスは、ヘリウムガスである。

0071

最初に、シリコン基板にヘリウムプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、ソースパワー1500W、圧力0.9Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧75V、150V、200V、310Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を最初に真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。TEMで取り出した基板の断面を観察した。
図6は、バイアス電圧を75Vとして行った場合の断面TEM像である。表面から8nmの深さのアモルファス層が形成されていた。ポーラスは見られなかった。或いは、TEMでは観察できない程度に寸法の微細なポーラスが形成されている可能性もある。これにより、光吸収性の良いアモルファス層を形成できる。

0072

図7は、バイアス電圧を150Vとして行った場合の断面TEM像である。表面から13.5nmの深さのアモルファス層が形成されていた。また、表面からの深さが3.2nmから9.6nmの範囲に、直径が6.4nm以下のポーラス(微孔)が存在している。ポーラスとは、周囲のアモルファスシリコンに比べて、微孔の存在により、密度が疎となっている部分をいうものとする。

0073

このときアモルファスシリコン層の厚さは13.5nmであり、アモルファスシリコン層内にポーラスが形成されており、この部分に選択的に不純物を導入することにより不純物濃度プロファイルの急峻性が良く、微細で結晶性の良好な不純物領域が形成可能である。

0074

図8は、バイアス電圧を200Vとして行った場合の断面TEM像である。表面から17.5nmの深さのアモルファス層が形成されていた。表面からの深さが3.2nmから14.5nmの範囲に、直径が9.5nm以下のポーラスが存在している。断面TEM像のポーラスは、バイアス電圧が150Vの場合と比べて、輪郭がはっきりしていることが了解できる。これは、ポーラスの密度が結晶シリコンの密度に比べて、より小さくなったためと考えられる。

0075

このときアモルファスシリコン層の厚さは17.5nmであり、アモルファスシリコン層内にポーラスが形成されており、この部分に選択的に不純物を導入することにより不純物濃度プロファイルの急峻性の良好な不純物領域が形成可能である。

0076

図9は、バイアス電圧を310Vとして行った場合の断面TEM像である。表面から24nmの深さのアモルファス層が形成されていた。表面からの深さが3.2nmから19nmの範囲に、直径が9.5nm以下のポーラスが存在している。断面TEM像のポーラスは、バイアス電圧が200Vの場合と比べて、輪郭がよりはっきりしていることが了解できる。これは、ポーラスの密度が結晶シリコンの密度に比べて、バイアス電圧が200Vの場合よりもさらに小さくなったためと考えられる。また、アモルファス層と結晶シリコン層の界面にダメージができていた。

0077

このときアモルファスシリコン層の厚さは24nmであり、アモルファスシリコン層内にポーラスが形成されており、この部分に選択的に不純物を導入することにより不純物濃度プロファイルの急峻性の良好な不純物領域が形成可能である。
このように、ヘリウムプラズマ照射時のバイアス電圧を変化させることで、アモルファス層の厚さとポーラスの形成位置、ポーラスの直径、密度を変化させることができる。

0078

(as dopedのSIMSプロファイルの比較)
次に、ポーラスを有するアモルファス層が不純物の深さ方向のプロファイルに及ぼす影響について説明する。
真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。
用いたガスは、アモルファス化工程はヘリウムガスであり、ドーピング工程はジボランガスである。

0079

最初に、シリコン基板にヘリウムプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、ソースパワー1500W、圧力0.9Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧150V、250Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きした。その後、シリコン基板を真空チャンバー15から取り出さずにジボランとヘリウムの混合ガスプラズマを照射した。混合ガスは、ジボランガス濃度5%、ヘリウムガス濃度95%で行った。プラズマ照射条件は、ソースパワー1000W、圧力2.5Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧100Vで行った。その後、プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きし、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。

0080

また、比較のために、ヘリウムプラズマ照射を行わないサンプルも作成した。すなわち、最初に、シリコン基板にジボランとヘリウムの混合ガスプラズマを照射した。混合ガスは、ジボランガス濃度5%、ヘリウムガス濃度95%で行った。プラズマ照射条件は、ソースパワー1000W、圧力2.5Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧100Vで行った。その後、プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きし、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。
全てのサンプルについて、SIMSで取り出した基板のボロン濃度の深さプロファイルを測定した。

0081

図10は、as−dopedのSIMSプロファイルである。黒色で示したプロファイルは、ヘリウムプラズマ照射なしでB2H6ガスを5%でHeガスを95%とした混合したガスを用い、SP 1000W、圧力0.9Pa、バイアス100V、7秒の条件でプラズマドーピングした場合である。長い鎖線で示したプロファイルは、ヘリウムプラズマ照射をバイアス150Vで行った後に上記と同じ条件でプラズマドーピングしたものである。短い鎖線のプロファイルは、ヘリウムプラズマ照射を250Vで行った後に同様にプラズマドーピングした場合のas−dopedのSIMSプロファイルである。

0082

ボロン濃度深さプロファイルの結果は、プラズマドーピング条件が同じであるにも係らず、ヘリウムプラズマ照射のバイアスによりSIMSプロファイルは異なっていた。さらに、ヘリウムプラズマ照射を行った場合の方が、行わなかった場合と比較して深くまでドーピングされた。ドーピングの深さをボロン濃度が5E18cm−3になる深さとした場合、ドーピングの深さはヘリウムプラズマ照射で形成したアモルファス層の深さの50%から60%の深さであった。

0083

また、ヘリウムプラズマ照射で形成したアモルファス層の深さが深いほど、ドーピングの深さも深くなった。すなわち、ヘリウムプラズマ照射で13.5nmのアモルファス層を形成しておいた場合にはボロンのドーピング深さは8.1nmであり、アモルファス層の厚さを21.4nmとした場合はボロンのドーピング深さは11.2nmであった。これは、イオン注入を用いたGeプレアモルファス化イオン注入とボロンイオン注入組合せの場合と異なる結果である。イオン注入の場合は、Geプレアモルファス化イオン注入でプレアモルファス化を行うことで、チャネリングを防ぐ効果がある。

0084

すなわち、Geプレアモルファス化イオン注入では、プレアモルファス化を行った方が、ボロンドーピングの深さが浅くなることが報告されている。本発明の実験結果は、ヘリウムプラズマ照射によってSi基板中に微小なマイクロカプセルを準備した後、ポーラス内部にボロンを入れることで、ポーラスにボロンが選択的に導入されている可能性を示唆している。

0085

結果をプロファイルの急峻性でまとめた。急峻性とは、ボロン濃度が1E19cm−3から1E18cm−3になるときの深さ方向の距離で表される。この距離が短いほど、急峻なプロファイルを実現できていることになる。急峻性が高い方が、pn接合のp領域とn領域接合境界面付近で不純物濃度が急激に変化することになり望ましい。ヘリウムプラズマ照射をしていないサンプルの急峻性は、3.2nm/decであった。これに対して、150Vでヘリウムプラズマ照射した後にプラズマドーピングしたサンプルの急峻性は、1.7nm/decであった。250Vでヘリウムプラズマ照射した後にプラズマドーピングしたサンプルの急峻性は、2.5nm/decであった。プロファイルの急峻性は、ヘリウムプラズマを照射した場合の方が高いことが了解でき、本発明の効果が認められる。

0086

(ヘリウムプラズマ照射のバイアスがシート抵抗に及ぼす影響)
ヘリウムプラズマ照射のバイアスとシート抵抗の関係について詳しく説明する。
真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。
用いたガスは、ヘリウムガスである。

0087

最初に、シリコン基板にヘリウムプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、圧力0.9Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧75V、150V、200V、250Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を5秒間真空引きした。その後、B2H6ガスをHeガスで希釈したガスを用いたプラズマを照射した。
プラズマ照射条件は、圧力2.5Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧100Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。

0088

比較のために、ヘリウムプラズマを照射していないサンプルも作成した。すなわち、最初に、シリコン基板にB2H6ガスをHeガスで希釈したガスを用いたプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、圧力2.5Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧100Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。

0089

その後、全てのサンプルを昇温速度が12℃/秒、降温速度が6℃/秒の高速熱アニール(RTA)で900℃で熱処理した。温度を900℃に維持した時間はゼロ秒である。熱処理後、4探針法を用いてシート抵抗を測定した。また、全てのサンプルについて熱処理前にSIMSを用いてボロンのドーズ量を測定した。
ボロンのドーズ量は、全てのサンプルが2×1015cm−2とほぼ同じであった。

0090

図11はヘリウムプラズマ照射時のバイアスとシート抵抗の関係である。シート抵抗は、ヘリウムプラズマ照射なしの場合、つまりB2H6ガスをHeガスで希釈したガスを用いたプラズマの照射だけを行った場合にシート抵抗は1934ohm/sqであった。150Vのヘリウムプラズマ照射を前処理として行うことで、シート抵抗は1570ohm/sqに低下した。シート抵抗低下の割合は、19%であった。ただし、ヘリウムプラズマ照射のバイアスがシート抵抗を最小にする値を超えると、シート抵抗は急に高くなった。つまり、200Vのヘリウムプラズマ照射を行った場合のシート抵抗は1815ohm/sqであり、150Vの場合よりも高くなった。

0091

(ヘリウムプラズマ照射のバイアスが接合深さに及ぼす影響)
ヘリウムプラズマ照射のバイアスとシート抵抗の関係について詳しく説明する。
真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。
用いたガスは、ヘリウムガスである。

0092

最初に、シリコン基板にヘリウムプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、圧力0.9Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧75V、150V、250Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を5秒間真空引きした。その後、B2H6ガスをHeガスで希釈したガスを用いたプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、圧力2.5Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧200Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。

0093

比較のために、ヘリウムプラズマを照射していないサンプルも作成した。すなわち、最初に、シリコン基板にB2H6ガスをHeガスで希釈したガスを用いたプラズマを照射した。
プラズマ照射条件は、圧力2.5Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧200Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。

0094

その後、全てのサンプルを昇温速度が200℃/秒、降温速度が52℃/秒のスパイク高速熱アニール(spikeRTA)を用いて1000℃で熱処理した。温度を1000℃に維持した時間はゼロ秒である。熱処理後、4探針法を用いてシート抵抗を測定した。また、全てのサンプルについて熱処理後のSIMSプロファイルを測定した。
ボロンのドーズ量は、全てのサンプルがほぼ同じで2×1015cm−2であった。
以上の結果から不純物の導入に先だち、150V以下の不活性プラズマ照射を前処理として実施し、深さ4.5nm以上19nm未満のアモルファス層を形成しておくことにより、ばらつきが少なく低抵抗の不純物領域を形成することが可能となる。

0095

また、ヘリウムプラズマ照射におけるバイアスと接合深さXjの関係とを測定した。
図12はヘリウムプラズマ照射時のバイアスと接合深さXjの関係を測定した結果である。シート抵抗も合わせて示した。シート抵抗は150Vのヘリウムプラズマ照射を前処理として行った場合に最小の値であった。これに対して、接合深さはボロン濃度が1E18cm−2のときの深さで定義すると、全てのサンプルに対してほぼ同じであった。なお、ボロンのドーズ量は全てのサンプルで同じである。
このように、ヘリウムプラズマ照射におけるバイアスには、ボロンドーズ量が同じであるにも係らず接合深さを変えることなしにシート抵抗を最小にする最適値が存在する。

0096

(プラズマ照射に用いるガスの種類がアモルファス層の深さに及ぼす影響)
プラズマを照射してシリコン結晶をアモルファス化するときの、プラズマの元素の原子量と、形成できるアモルファス層の深さの関係について詳しく説明する。
真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源とICPプラズマ源を用いた。
用いたガスは、ヘリウムガス、窒素ガス、酸素ガスアルゴンガスキセノンガスをそれぞれ用いた。

0097

最初に、プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いてシリコン基板にプラズマを照射した。プラズマは、ヘリウム、窒素酸素、アルゴン、キセノンのプラズマをそれぞれ別々に用いた。プラズマ照射条件は、圧力0.9Paから2.5Paの範囲、プラズマ照射時間7秒から60秒の範囲、バイアス電圧75Vから310Vの範囲で条件を変化させて行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。

0098

次に、ICP(Inductively Coupled Plasma)プラズマ源を用いて同様にサンプルを作成した。ICPプラズマ源を備えた装置は、ヘリコン波プラズマ源を備えたものとチャンバーの形状や寸法などが異なる真空装置を用いた。すなわち、プラズマ源とチャンバーを変えて同様の実験を行った。最初に、シリコン基板にプラズマを照射した。プラズマは、ヘリウム、窒素、酸素、アルゴン、キセノンのプラズマをそれぞれ別々に用いた。プラズマ照射条件は、圧力1.0Paから3.0Paの範囲、プラズマ照射時間7秒から30秒の範囲、バイアス電圧490Vから900Vの範囲で条件を変化させて行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。

0099

エリプソメトリーを用いて全てのサンプルのアモルファス層の深さを測定した。
図13はプラズマに用いた元素の原子量とアモルファス層の深さの関係である。図13中の×は、ヘリコン波プラズマ源を備えた真空装置を用いた場合の結果である。一方、塗りつぶした丸はICPプラズマ源を備えた真空装置を用いた場合の結果である。真空装置やプラズマ源に因らず、原子量が大きい元素を用いた方が、原子量の小さい元素を用いた場合と比較してアモルファス層の深さが浅かった。また、形成できるアモルファス層の深さ範囲は、元素の種類に大きく依存することが了解できる。

0100

つまり、ヘリウムプラズマを用いた場合には、7nm以上で、32nm以下、望ましくは27nm以下のアモルファス層の形成に適している。そして、窒素プラズマは、2nm以上、望ましくは4.5nm以上で、10nm以下のアモルファス層の形成に適している。酸素プラズマは4nm以上で、7.2nm以下に適している。アルゴンプラズマは、2nm以上で、4.7nm以下に適している。キセノンプラズマは、2.1nm以下に適している。この範囲と異なる深さのアモルファス層を作成しようとすると、以下の課題が発生する。ある元素を用いて、指定した範囲よりも浅いアモルファス層を形成しようとすると、バイアス電圧が制御可能の電圧値以下になり、制御し難くなる。バイアス電圧の安定性が低下するという課題がある。一方、ある元素を用いて、指定した範囲よりも浅いアモルファス層を形成しようとすると、大きなバイアス電圧を加える必要があるためにバイアス電源が大型化したり、バイアス電源や装置の絶縁部にかかる負荷が大きくなったりするという課題がある。

0101

原子量をY(u)とし、アモルファス層の深さをX(nm)とすると、元素に適したアモルファス層の深さ範囲は、図13
Y>121.37exp(−0.481X) ・・・(式1)
Y<270.87X−1.2684 ・・・(式2)
で囲まれた領域で表される。式1と式2をXについて解くと、
−(1/0.481)・ln(Y/121.37)<X<(Y/270.87)−(1/1.2684) ・・・(式3)
となる。式3から、プラズマ照射に用いる元素を選択することで、装置を大型化したり、負荷を掛けたりすることなく形成できるアモルファス層の深さを選択できる。

0102

逆に、形成したいアモルファス層の深さが決まれば、装置を大型化したり、負荷を掛けたりすることなく形成できるように元素を選択できる。

0103

例えば、水素プラズマを用いたときには、10nm以上で、82nm以下の範囲のアモルファス層を形成することが望ましい。逆に、10nm以上で、82nm以下の範囲のアモルファス層を形成するためには、水素プラズマを用いることが望ましい。

0104

同様に、ネオンプラズマを用いたときには、3.7nm以上で、7.7nm以下の範囲のアモルファス層を形成することが望ましい。クリプトンプラズマを用いたときには、2.5nm以下の範囲のアモルファス層を形成することが望ましい。ラドンプラズマを用いたときには、1.2nm以下の範囲のアモルファス層を形成することが望ましい。

0105

さらに、シリコンを含む系のプラズマを用いる場合には、3nm以上で、6nm以下の範囲のアモルファス層を形成することが望ましい。ゲルマニウムを含む系のプラズマを用いる場合には、1.1nm以上で、2.8nm以下の範囲のアモルファス層を形成することが望ましい。ボロンを含む系のプラズマを用いる場合には、5nm以上で、12.7nm以下の範囲のアモルファス層を形成することが望ましい。リンを含む系のプラズマを用いる場合には、2.8nm以上で、5.5nm以下の範囲のアモルファス層を形成することが望ましい。砒素を含む系のプラズマを用いる場合には、1nm以上で、2.8nm以下の範囲のアモルファス層を形成することが望ましい。
なお、これらの範囲は、元素の原子量に大きく依存するものであり、プラズマに直接曝す場合にも有効であるし、イオンシャワーの場合にも同様に有効であると考えられる。

0106

(異なる種類の希ガス混合ガスを用いたプラズマ照射アモルファス化)
真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。
用いたガスは、ヘリウムとアルゴンの混合ガスである。混合比は、ヘリウムガス濃度99%とアルゴンガス濃度1%のもの、ヘリウムガス濃度99%とアルゴンガス濃度1%のもの、ヘリウムガス濃度90%とアルゴンガス濃度10%のもの、を用いた。
最初に、シリコン基板にプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、ソースパワー1500W、圧力0.9Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧75V、150V、200Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きした。その後、プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きし、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。エリプソメトリーを用いてアモルファス層の厚さを測定した。

0107

図14は、Heガス,ArとHeの混合ガス、N2ガスプラズマ照射アモルファス化におけるバイアスとアモルファス層厚さの関係である。バイアスが75V−200Vの範囲で形成されるアモルファス層の厚さは、Heガスプラズマ照射アモルファス化では8nm−18nmであるのに対して、Arを1%混合したArとHeの混合ガスプラズマ照射アモルファス化では8nm−15nmであった。Arを10%混合したArとHeの混合ガスプラズマ照射アモルファス化の場合は、3.8nm−7.5nmであった。HeにArを混合することで、形成可能なアモルファス層の厚さ範囲を変更できた。

0108

図15は、ArとHeの混合ガスプラズマ照射アモルファス化でHeとArガスの混合比を変化させたときの、Arガスの混合割合とアモルファス層厚さの関係である。HeとArガスの混合比は、Ar/He 0%/100%,1%/99%,10%/90%の3種類である。バイアスは75V,150V,200Vで、プラズマ照射時間は7秒である。Arガスとヘリウムガスの混合比を変えることで、アモルファス層の厚さを変えることができることを明らかに示せた。アモルファス層の厚さが変化した原因は、Arガスとヘリウムガスの混合比を変えることで、等価的にプラズマ中の元素の原子量を変化させたことによる。つまり、ヘリウムの原子量は約4.0で、アルゴンの原子量は約39.9であるが、これらを混合することで、等価的に原子量が4.0と39.9の間の元素を用いた場合と同等の効果を得られる。等価的に見かけの原子量は、ヘリウムとアルゴンのガスの混合比で変化させることができる。

0109

(異なる種類の希ガス混合ガスを用いたプラズマ照射アモルファス化がシート抵抗に及ぼす影響)
真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。
用いたガスは、アモルファス化工程はヘリウムとアルゴンの混合ガスである。混合比は、ヘリウムガス濃度99%とアルゴンガス濃度1%のもの、ヘリウムガス濃度99%とアルゴンガス濃度1%のもの、ヘリウムガス濃度90%とアルゴンガス濃度10%のもの、を用いた。比較のために、ヘリウムガスと、窒素ガスを用いたアモルファス化も行った。
ドーピング工程はジボランガスをヘリウムガスで希釈した混合ガスを用いた。

0110

最初に、シリコン基板にアモルファス化のためのプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、ソースパワー1500W、圧力0.9Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧75V、150V、200Vで行った。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きした。その後、シリコン基板を真空チャンバー15から取り出さずにジボランとヘリウムの混合ガスプラズマを照射した。混合ガスは、ジボランガス濃度5%、ヘリウムガス濃度95%で行った。プラズマ照射条件は、ソースパワー1000W、圧力2.5Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧100Vで行った。その後、プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きし、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。

0111

また、比較のために、アモルファス化のためのプラズマ照射を行わないサンプルも作成した。すなわち、最初に、シリコン基板にジボランとヘリウムの混合ガスプラズマを照射した。混合ガスは、ジボランガス濃度5%、ヘリウムガス濃度95%で行った。プラズマ照射条件は、ソースパワー1000W、圧力2.5Pa、プラズマ照射時間7秒、バイアス電圧100Vで行った。その後、プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きし、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。
全てのサンプルについて、900℃、0秒でRTAし、4探針法でシート抵抗を測定した。

0112

図16は、アルゴンとヘリウムの混合ガスプラズマ照射アモルファス化と、ジボランとヘリウムの混合ガスプラズマドーピングと、RTAで試作したp層のシート抵抗を、ヘリウムプラズマ照射アモルファス化と、ジボランとヘリウムの混合ガスプラズマドーピングと、RTAで試作したものと比較した図である。ヘリウムプラズマ照射アモルファス化では、バイアスが200Vのときには150Vと比較して、シート抵抗が高くなった。これに対して、ヘリウムとアルゴンの混合ガスプラズマ照射アモルファス化の場合には、シート抵抗はバイアスを高くするに従って低下した。バイアスを高くすることで、よりシート抵抗を低減できると考えられる。実際に、アモルファス化のためのプラズマ照射時のバイアスが200Vのときで比較すると、Arを1%混合したアルゴンとヘリウムの混合ガスプラズマ照射アモルファス化を用いた方が、アモルファス層の厚さが2.8nm浅いにも係らず、ヘリウムプラズマ照射アモルファス化よりもシート抵抗が低下した。ヘリウムとアルゴンの混合ガスを用いた場合の方が、ヘリウムガスを用いた場合よりもシート抵抗を低減し易い。

0113

(B2H6ガスをヘリウムガスで極度に希釈したプラズマ照射によるアモルファス化とプラズマドーピング)
プラズマ照射で、アモルファス化と同時にボロンのドーピングを行う場合について詳しく説明する。

0114

真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。
用いたガスは、ヘリウムガスとジボランガスの混合ガスである。混合比は、ヘリウムガス濃度95%でジボランガス濃度5%から、ヘリウムガス濃度99.975%でジボランガス濃度0.025%の範囲で変化させた。
最初に、シリコン基板にプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、ソースパワー1500W、圧力0.9Pa、プラズマ照射時間7秒、30秒、60秒とした。バイアス電圧は60Vで行った。その後、プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空引きし、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。
全てのサンプルについて、エリプソメトリーで測定し、アモルファス層の厚さと波長530nmの光に対する光吸収係数を測定した。さらに、SIMSでボロンのドーズ量を測定した。

0115

図17は、B2H6/He混合ガスに占めるB2H6ガスの割合を変化させてプラズマドーピングした場合のB2H6ガス濃度とSi表面の530nmの波長の光に対する光吸収係数の関係である。光吸収係数は、Heガスだけのプラズマでアモルファス化した場合が最大であった。また、B2H6とHeのガス濃度がB2H6/Heで0.025%/99.975%から0.1%/99.9%の範囲では光吸収係数は余り変化しなかった。ところが、B2H6ガス濃度を0.1%よりも増加させると、B2H6ガス濃度の増加に従って光吸収係数は低下した。例えば、B2H6/Heガス濃度が5%/95%で試作したアモルファス層の光吸収係数は、B2H6/Heガス濃度が0.1%/99.9%のときの55%の水準であり、He 100%のときと比べると46%の水準まで低下した。ただし、B2H6/Heガス濃度5%/95%でプラズマドーピングした場合でも、c−Siと比較すると6.3倍の光吸収係数を持つことがわかる。

0116

図18は、B2H6/Heガス濃度を変化させてプラズマドーピングしたときのアモルファス層の厚さの変化である。基本的に、He 100%でアモルファス化した場合と同じ水準の厚さのアモルファス層が形成されることが了解できる。ただし、より詳細には、B2H6/Heガス濃度が0.1%/99.9%のときに最も厚いアモルファス層が形成され、それよりB2H6ガス濃度が高くなっても、低くなってもアモルファス層の厚さは低下する傾向にある。つまり、アモルファス化とプラズマドーピングを同時に行いたい場合には、B2H6/Heガス濃度は0.05%/99.95%から0.1%/99.9%にすることが最も望ましい。

0117

B2H6ガス濃度を0.1%よりも増加させたときに、アモルファス層の厚さが同じであるにも係らず、光吸収係数が低下する原因は、アモルファス度合が低下しているためと考えられる。つまり、B2H6ガス濃度が低く、ヘリウムガス濃度が高い方がより結晶がばらばらになる度合が高くなる。光吸収係数の高いアモルファス層を形成するためには、B2H6ガス濃度は0.1%以下、ヘリウムガス濃度は99.9%以上であることが望ましい。

0118

図19は、B2H6ガスとヘリウムガスの混合比を変えた場合のボロンドーズ量の変化である。B2H6ガス濃度を0.1%以下にすると、ボロンのドーズ量が低下した。プラズマ照射時間が7秒の場合、B2H6ガス濃度が0.1%以下、0.025%以上の範囲でB2H6ガス濃度とドーズ量の関係が得られた。その関係は、B2H6ガス濃度をZ(%)、ボロンのドーズ量をW(cm−2)とすると、
W=1016・Z1.1554 ・・・(式4)
で表される。この関係をB2H6ガス濃度が0.025%以下の領域に外挿することで、所望のボロンドーズ量を得るために必要なB2H6ガス濃度が算出できる。つまり、ボロンドーズ量を1E14cm−2以上としたい場合には、B2H6ガス濃度は0.02%以上とすることが望ましい。ボロンドーズ量を1E13cm−2以上としたい場合には、B2H6ガス濃度は0.0026%以上とすることが望ましい。ボロンドーズ量を1E12cm−2以上としたい場合には、B2H6ガス濃度は0.00035%以上とすることが望ましい。ボロンドーズ量を1E11cm−2以上としたい場合には、B2H6ガス濃度は0.00005%以上とすることが望ましい。

0119

なお、ボロンドーズ量を増やすためには、プラズマ照射時間を増やすという方法もある。プラズマ照射時間を30秒とした場合には、7秒と比較して約3倍のドーズ量が得られた。またプラズマ照射時間を60秒とした場合には、7秒と比較して約5倍のドーズ量が得られた。ただし、スパッタレートは約0.08nm/秒であるため、30秒照射した場合には2.4nm、60秒のときには約5nmもシリコンを削ってしまうことになる。デバイスへの影響を考えた場合、スパッタは小さい方がよく、30秒の照射は長すぎると考えられる。そこで、前記所望のドーズ量下限に対するB2H6ガス濃度の下限は、1/3だけB2H6ガス濃度が低い方向にシフトする可能性はあるが、それ以上は違わない。また、プラズマ照射時間が短ければバイアス電圧などを安定してプラズマ照射ができないので、プラズマ照射時間は5秒以上、望ましくは7秒以上であることが望ましい。

0120

以上のことから、B2H6ガスとヘリウムガスの混合プラズマを照射して、アモルファス化と同時にボロンのドーピングを行う場合、光吸収係数を高く保つという理由でB2H6ガス濃度は0.1%以下が望ましい。さらに、スパッタを許容範囲内で納めて、且つ、ボロンのドーズ量を確保するという理由でB2H6ガス濃度は、ボロンドーズ量を1E14cm−2以上としたい場合には0.02%以上とすることが望ましい。1E13cm−2以上としたい場合には0.0026%以上、1E12cm−2以上としたい場合には0.00035%以上、1E11cm−2以上としたい場合には0.00005%以上とすることが望ましい。

(プラズマ照射で形成したアモルファス層の深さによる接合深さ制御)
プラズマ照射で形成したアモルファス層の深さを変えることで、接合深さを変化させる方法について詳しく説明する。
真空チャンバー15内で、被処理体13としてのシリコン基板にプラズマを照射した。
プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。
用いたガスは、ヘリウムガスである。
最初に、シリコン基板にヘリウムプラズマを照射した。バイアス電圧を2種類変えることで、6.5nmと19.5nmと深さの異なるアモルファス層を形成した。プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を5秒間真空引きした。その後、B2H6ガスをHeガスで希釈したガスを用いたプラズマを照射した。プラズマ照射を止めて、真空引きした後、窒素ガスでパージをして基板を真空チャンバー15から取り出した。
その後、前記2種類のサンプルに0.53μmのレーザーを100ナノ秒照射した。レーザーのエネルギー密度は1500mJ/cm2とした。
そして、全てのサンプルのボロンのSIMSプロファイルを測定した。
ヘリウムプラズマ照射によるアモルファス層の深さを6.5nmにしたサンプルのレーザーアニール後の接合深さは16.5nmであった。一方、アモルファス層の深さを19.5nmにしたサンプルの接合深さは33nmであった。アモルファス中の方が結晶シリコン中と比較してアニール時のボロンの拡散係数が大きいので、アニール前のアモルファス層の深さが深い方が深くまでボロンが拡散し易い。この理由から、ドーピング条件とアニール条件を同じにした場合もアモルファス層の深さの違いにより、接合深さを変化させることができる。

0121

(実施の形態4)
(イオンシャワー装置を用いた場合)
次にイオンシャワー装置を用いた不純物ドーピング方法について説明する。
不純物ドーピングに際し、イオンシャワーを用いることによってもアモルファス化の度合は小さいが、アモルファス化と同時にボロンのドーピングを行うことができる。
図20は本発明の実施の形態4で用いられるイオンシャワー装置の要部断面図である。この装置は、チャンバー20にプラズマ発生室Pと、このプラズマ発生室Pで生成されたプラズマからメッシュM(ここではシリコングリッド)を介してイオンを引き出し、前記被処理基板13としての固体基体表面にイオンシャワーを導くようにした装置である。即ちこのメッシュに印加された電圧でプラズマからイオンを引き出して固体基体にイオンを照射する。

0122

プラズマはイオンの他にラジカルやガスが固体基体に衝突する。一方で、イオンシャワーはイオンしか衝突しない。プラズマを直接照射した方が、イオンシャワーと比較して単位時間当たりに固体基体に衝突する物質の量は多い。このため、イオンシャワーはプラズマを直接照射する方式に比べてアモルファスの度合は低下する。ただし、質量分析を行わないので、イオン注入と比較すると、固体基体に衝突するイオンの量は多い。
以上の点から、イオンシャワーを用いた場合でも、ヘリウムなどの原子量が小さい元素を用いた浅いアモルファス化ができる可能性がある。また、本発明で開示した希ガスを用いたアモルファス化や、アモルファス化と同時にボロンのドーピングを行うことができることも同様である。

0123

以上説明してきたように、本発明によれば、浅くかつ高精度の接合の形成が可能であるため、微細素子への適用が有効である。また、形成領域についても微細範囲に規定することができるため、量子素子など超微細素子への適用が可能となる。

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