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技術 有機エレクトロルミネッセンス素子

出願人 出光興産株式会社
発明者 荒金崇士熊均川村久幸岩隈俊裕細川地潮
出願日 2005年3月15日 (15年9ヶ月経過) 出願番号 2006-513497
公開日 2008年3月27日 (12年9ヶ月経過) 公開番号 WO2005-112518
状態 特許登録済
技術分野 電場発光光源(EL) エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード 車載表示機器 初期色度 光学的バンド キャリア再結合領域 一定時間駆動 情報表示機器 n型半導体 可視光吸収スペクトル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年3月27日)のものです。
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図面 (6)

課題・解決手段

陽極、第一発光層(5)、電荷障壁層(6)、第二発光層(7)、陰極をこの順に積層していて、電荷障壁層(6)のイオン化ポテンシャルが、第一発光層(5)のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きく、電荷障壁層(6)のアフィニティレベルが、第一発光層(5)及び第二発光層(7)のアフィニティレベルよりも0.1eV以上小さい有機エレクトロルミネッセンス素子

概要

背景

近年、白色系有機EL素子は、モノカラー表示装置、バックライト等の照明及びカラーフィルターを使用したフルカラー表示装置等に使用できるため積極的に開発されている。特に白色系有機EL素子を照明用途に用いる場合、例えば蛍光灯発光効率と比較して同等レベル以上にある、発光効率が高い白色系有機EL素子が要求される。

有機ELにより白色発光を得る方法は数多く開示されている。これらの方法は、1種類の発光材料だけで白色を得るものは少なく、通常は2種類又は3種類の発光材料を一つの有機EL素子の中で、同時に発光させている。2種類の発光材料を使用する場合は、青色系とその補色となる黄色〜赤色系の発光材料を選択するが、黄色〜赤色系の発光が強くなることが多く、赤味を帯びた白色になりがちである。

特開2003−272857号公報では、発光層を2分割するタイプにおいて、発光層の発光領域が偏りやすい陽極側の発光層を青色系発光層とすることで、発光色が赤色に偏りがちな傾向を打ち消し、色変化を抑制した白色素子を提案しているが、その発光効率は必ずしも十分なレベルではなかった。

また、特開平08−078163号公報では、正孔輸送層電子輸送層の間にキャリア再結合領域制御層を挿入した構造において、必ずしも実用上十分なレベルではないが、ある程度発光効率が高い白色発光を得た。しかしながら、上記キャリア再結合領域制御層のアフィニティ−レベルが正孔輸送層のアフィニティ−レベルに対して大きい値であったため、駆動電圧が高く、さらに駆動時間とともに正孔輸送層に電子注入されにくくなった。その結果、青色発光強度が低下し、発光色が赤色に偏りがちであった。

本発明は、発光効率が高くかつ色度変化が少ない有機EL素子を提供することを目的とする。

概要

陽極、第一発光層(5)、電荷障壁層(6)、第二発光層(7)、陰極をこの順に積層していて、電荷障壁層(6)のイオン化ポテンシャルが、第一発光層(5)のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きく、電荷障壁層(6)のアフィニティレベルが、第一発光層(5)及び第二発光層(7)のアフィニティレベルよりも0.1eV以上小さい有機エレクトロルミネッセンス素子

目的

本発明は、発光効率が高くかつ色度変化が少ない有機EL素子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
9件

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請求項1

陽極、第一発光層電荷障壁層、第二発光層陰極をこの順に積層していて、前記電荷障壁層のイオン化ポテンシャルが、前記第一発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きく、前記電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第一発光層及び第二発光層のアフィニティレベルよりも0.1eV以上小さい有機エレクトロルミネッセンス素子

請求項2

前記電荷障壁層のイオン化ポテンシャルが、前記第一発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.2eV以上大きく、前記電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第一発光層及び第二発光層のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さい請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項3

陽極、第一発光層、第一電荷障壁層、第二電荷障壁層、第二発光層、陰極をこの順に積層していて、前記第一電荷障壁層のイオン化ポテンシャルが、前記第一発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きく、前記第二電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第二発光層のアフィニティレベルよりも0.1eV以上小さい有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項4

前記第一電荷障壁層のイオン化ポテンシャルが、前記第一発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.2eV以上大きく、前記第二電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第二発光層のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さい請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項5

前記第一発光層が、第一の発光色のドーパントを含有し、前記第二発光層が第二の発光色のドーパントを含有する請求項1又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項6

少なくとも1つの電荷障壁層が、第三の発光色のドーパントを含有する請求項5記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項7

前記第一、第二及び第三のドーパントが青色系緑色系及び赤色系から選択される請求項6記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項8

前記第一発光層からの発光が、青色系発光又は赤色系発光である請求項1又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項9

前記第二発光層からの発光が、青色系発光又は赤色系発光である請求項1又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項10

前記第一発光層及び前記第二発光層のいずれかの発光層からの発光が、青色系発光であり、他の発光層からの発光が赤色系発光である請求項1又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項11

前記第一発光層が正孔輸送性材料からなり、前記第二発光層が電子輸送性材料からなる請求項1又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項12

前記第一発光層の正孔移動度が10−5cm2/v・s以上であり、前記第二発光層の電子移動度が10−6cm2/v・s以上である請求項11記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項13

白色を発光する請求項1又は3項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

技術分野

0001

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する)に関する。

背景技術

0002

近年、白色系有機EL素子は、モノカラー表示装置、バックライト等の照明及びカラーフィルターを使用したフルカラー表示装置等に使用できるため積極的に開発されている。特に白色系有機EL素子を照明用途に用いる場合、例えば蛍光灯発光効率と比較して同等レベル以上にある、発光効率が高い白色系有機EL素子が要求される。

0003

有機ELにより白色発光を得る方法は数多く開示されている。これらの方法は、1種類の発光材料だけで白色を得るものは少なく、通常は2種類又は3種類の発光材料を一つの有機EL素子の中で、同時に発光させている。2種類の発光材料を使用する場合は、青色系とその補色となる黄色〜赤色系の発光材料を選択するが、黄色〜赤色系の発光が強くなることが多く、赤味を帯びた白色になりがちである。

0004

特開2003−272857号公報では、発光層を2分割するタイプにおいて、発光層の発光領域が偏りやすい陽極側の発光層を青色系発光層とすることで、発光色が赤色に偏りがちな傾向を打ち消し、色変化を抑制した白色素子を提案しているが、その発光効率は必ずしも十分なレベルではなかった。

0005

また、特開平08−078163号公報では、正孔輸送層電子輸送層の間にキャリア再結合領域制御層を挿入した構造において、必ずしも実用上十分なレベルではないが、ある程度発光効率が高い白色発光を得た。しかしながら、上記キャリア再結合領域制御層のアフィニティ−レベルが正孔輸送層のアフィニティ−レベルに対して大きい値であったため、駆動電圧が高く、さらに駆動時間とともに正孔輸送層に電子注入されにくくなった。その結果、青色発光強度が低下し、発光色が赤色に偏りがちであった。

0006

本発明は、発光効率が高くかつ色度変化が少ない有機EL素子を提供することを目的とする。

0007

上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、二層有機発光層間に電荷障壁層を挿入し、そのエネルギーレベルを制御することで、高い発光効率を有しかつ色度変化の少ない有機EL素子が得られることを見出し本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の有機EL素子が提供できる。
1.陽極、第一発光層、電荷障壁層、第二発光層、陰極をこの順に積層していて、
前記電荷障壁層のイオン化ポテンシャルが、前記第一発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きく、前記電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第一発光層及び第二発光層のアフィニティレベルよりも0.1eV以上小さい有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.前記電荷障壁層のイオン化ポテンシャルが、前記第一発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.2eV以上大きく、前記電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第一発光層及び第二発光層のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さい1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.陽極、第一発光層、第一電荷障壁層、第二電荷障壁層、第二発光層、陰極をこの順に積層していて、
前記第一電荷障壁層のイオン化ポテンシャルが、前記第一発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きく、
前記第二電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第二発光層のアフィニティレベルよりも0.1eV以上小さい有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記第一電荷障壁層のイオン化ポテンシャルが、前記第一発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.2eV以上大きく、
前記第二電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第二発光層のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さい3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記第一発光層が、第一の発光色のドーパントを含有し、前記第二発光層が第二の発光色のドーパントを含有する1〜4のいずれか一の有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.少なくとも1つの電荷障壁層が、第三の発光色のドーパントを含有する1〜5のいずれか一記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記第一、第二、第三のドーパントが青色系、緑色系、赤色系から選択される1〜6のいずれか一記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.前記第一発光層からの発光が、青色系発光又は赤色系発光である1〜7のいずれか一記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.前記第二発光層からの発光が、青色系発光又は赤色系発光である1〜7のいずれか一記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
10.前記第一発光層及び前記第二発光層のいずれかの発光層からの発光が、青色系発光であり、他の発光層からの発光が赤色系発光である1〜7のいずれか一記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
11.前記第一発光層が正孔輸送性材料からなり、前記第二発光層が電子輸送性材料からなる1〜10のいずれか一記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
12.前記第一発光層の正孔移動度が10−5cm2/v・s以上であり、前記第二発光層の電子移動度が10−6cm2/v・s以上である1〜11のいずれか一記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
13.白色を発光する1〜11のいずれか一記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

0008

本発明よれば、高効率かつ色度変化の少ない有機EL素子、特に白色系有機EL素子を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

実施形態1の白色系有機EL素子の構成を示す図である。
実施形態1の第一発光層、電荷障壁層、第二発光層のエネルギーレベル図である。
実施形態2の白色系有機EL素子の構成を示す図である。
実施形態2の第一発光層、第一電荷障壁層、第二電荷障壁層、第二発光層のエネルギーレベル図である。
図5(a)は実施例1のエネルギーレベル図、図5(b)は比較例2のエネルギーレベル図、図5(c)は比較例3のエネルギーレベル図、図5(d)は比較例4のエネルギーレベル図である。

発明を実施するための最良の形態

0010

実施形態1
図1は、本発明の一実施形態にかかる白色系有機EL素子の構成を示す図であり、図2は、この有機EL素子の第一発光層、電荷障壁層、第二発光層のエネルギーレベル図である。

0011

図1に示されるように、白色系有機EL素子1は、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、第一発光層5、電荷障壁層6、第二発光層7、電子輸送層8及び陰極9を積層した構造を有している。第一発光層5は、第一のホスト材料と第一のドーパントを含み、第二発光層7は第二のホスト材料と第二のドーパントを含む。

0012

この素子1では、第一発光層5を青色系発光とし、第二発光層7を赤色系発光とすることにより、白色発光を得ている。

0013

図2は、有機EL素子1の第一発光層5、電荷障壁層6、第二発光層7のエネルギーレベルを示し、この図において上辺のレベルは電子のアフィニティレベル、下辺はイオン化ポテンシャルを示す。エネルギーレベル図においては、下方がより大きい値を示す。

0014

電荷障壁層6のイオン化ポテンシャルは、第一発光層5のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上、好ましくは0.2eV以上、より好ましくは0.3eV以上、大きく、電荷障壁層6のアフィニティレベルは、第一発光層5及び第二発光層7のアフィニティレベルよりも0.1eV以上、好ましくは0.2eV以上、より好ましくは0.3eV以上、小さい。

0015

図2において、陽極2(図示せず)から、正孔注入層3(図示せず)、正孔輸送層4(図示せず)を通って輸送された正孔は、第一発光層5に注入されるが、電荷障壁層6が障壁となるため、電荷障壁層6付近Xで局在する。しかし、正孔の一部は電荷障壁層6を超えて第二発光層7に移動する。一方、陰極9(図示せず)から、電子輸送層8(図示せず)を通って輸送された電子は、第二発光層7に注入されるが、電荷障壁層6が障壁となるため、電荷障壁層6付近Yで局在する。しかし、電子の一部は電荷障壁層6を超えて第一発光層5に移動する。従って、正孔又は電子が局在する電荷障壁層付近X,Yで、第一発光層5、第二発光層7が特に発光する。

0016

第一発光層5が正孔輸送性材料から構成されていると、正孔輸送層4から注入された正孔が電荷障壁層6付近Xまで輸送されやすくなり、第二発光層7が電子輸送性材料から構成されていると、電子輸送層8から注入された電子が電荷障壁層6付近Yまで輸送されやすくなる。好ましくは、第一発光層5の正孔移動度は10−5cm2/v・s以上であり、第二発光層7の電子移動度は10−6cm2/v・s以上である。尚、正孔又は電子移動度は、Time of flight法で測定する。

0017

このように、本実施形態の白色系有機EL素子1においては、二層の発光層5,7間に電荷障壁層6が存在し、その電荷障壁層6のエネルギーレベルを制御することで二つの発光層5,7が効率的に発光し、高い発光効率を実現できる。この白色系有機EL素子は実用的な発光効率を有するため、情報表示機器車載表示機器照明器具等に好適に使用できる。

0018

尚、この実施形態では、第一発光層5を青色系発光、第二発光層7を赤色系発光としているが、その逆でもよい。第一発光層5の第一のホスト材料と第一のドーパントは、第二発光層7の第二のホスト材料と第二のドーパントと、それぞれ同一でも異なっていてもよく、適宜選択できる。

0019

また、電荷障壁層6も、第一及び第二のドーパントと同一でも異なっていてもよい第三のドーパントを含有することができる。電荷障壁層6が第三のドーパントを含有することにより、より色度変化が少ない素子を実現できる。
好ましくは、第一、第二、第三のドーパントが青色系、緑色系、黄色〜橙色又は赤色を呈する赤色系から選択される。このように選択することにより白色色度の調整が容易で、色度変化が少ない素子を実現できる。

0020

本発明において、好ましくは、青色系発光の発光最大波長は450〜500nmであり、緑色系発光の発光最大波長は500〜550nmであり、赤色系発光の発光最大波長は550〜650nmである。

0021

実施形態2
図3は、本発明の他の実施形態にかかる白色系有機EL素子の構成を示す図であり、図4は、この有機EL素子の第一発光層、第一電荷障壁層、第二電荷障壁層、第二発光層のエネルギーレベル図である。

0022

図3に示すように、この実施形態は、実施形態1の電荷障壁層6を、複数の電荷障壁層6a,6bに変えたものである。
図4に示すように、電荷障壁層6aのイオン化ポテンシャルは、第一発光層5のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上、好ましくは0.2eV以上、大きく、電荷障壁層6bのアフィニティレベルは、第二発光層7のアフィニティレベルよりも0.1eV以上、好ましくは0.2eV以上、小さい。

0023

このように、電荷障壁層を複数にすることによりより発光効率が高い素子を実現できる。
尚、この実施形態では、電荷障壁層は2つであるが、3以上の電荷障壁層を設けてもよい。その場合、陽極に最も近い電荷障壁層が第一電荷障壁層となり、陰極に最も近い電荷障壁層が第二電荷障壁層となる。

0024

上述したように、本発明では、陽極、第一発光層、電荷障壁層、第二発光層及び陰極がこの順序に積層して構成されている。電荷障壁層は複数層であってもよい。本発明において、陽極と第一発光層の間、又は第二発光層と陰極の間に、他の有機層又は無機層を介在させることができる。介在層は、電子及び正孔を輸送できるものであれば制限されない。光取り出し方向にある場合は、透明性であることが好ましい。本発明の好適な有機EL素子の例として、以下の構成が挙げられる。
・陽極/第一発光層/電荷障壁層/第二発光層/陰極
・陽極/正孔輸送層/第一発光層/電荷障壁層/第二発光層/陰極
・陽極/第一発光層/電荷障壁層/第二発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/第一発光層/電荷障壁層/第二発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第一発光層/電荷障壁層/第二発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第一発光層/電荷障壁層/第二発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/第一発光層/第一電荷障壁層/第二電荷障壁層/第二発光層/陰極
・陽極/正孔輸送層/第一発光層/第一電荷障壁層/第二電荷障壁層/第二発光層/陰極
・陽極/第一発光層/第一電荷障壁層/第二電荷障壁層/第二発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/第一発光層/第一電荷障壁層/第二電荷障壁層/第二発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第一発光層/第一電荷障壁層/第二電荷障壁層/第二発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第一発光層/第一電荷障壁層/第二電荷障壁層/第二発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極

0025

以下、本発明の特徴的な部分である電荷障壁層、青色系発光層及び赤色系発光層を中心に説明する。ここで赤色系とは黄色〜橙色又は赤色のことである。本発明では、電荷障壁層と発光層が所定のエネルギーレベルを有するように、電荷障壁層と発光層の材料を選択する。その他の有機層、無機化合物層、陽極、陰極等の構成や製法については、一般的な構成を採ることができるため、簡単に説明する。

0026

1.電荷障壁層
陽極に近い方の有機発光層から陰極に近い方の有機発光層への正孔の注入を制限し、かつ陰極に近い方の有機発光層から陽極に近い方の有機発光層への電子の注入を制限する層であって、電荷障壁層は各発光層からの発光量を調整するために設ける。

0027

1層の電荷障壁層を用いる場合、電荷障壁層に用いられる材料は陽極に近い方の有機発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きいイオン化ポテンシャルを有し、さらにいずれの有機発光層のアフィニティレベルよりも0.1eV以上小さなアフィニティレベルを有する。イオン化ポテンシャル又はアフィニティレベルの差は0.2eV以上であることが好ましい。

0028

また、複数の電荷障壁層を積層しても良く、その場合、陽極に最も近い電荷障壁層は陽極に近い方の有機発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きいイオン化ポテンシャルを有し、かつ陰極に最も近い電荷障壁層が、陰極に近い方の有機発光層のアフィニティレベルよりも0.1eV以上小さなアフィニティレベルを有する。イオン化ポテンシャル又はアフィニティレベルの差は0.2eV以上であることが好ましい。

0029

電荷障壁層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、0.1〜50nmである。より好ましくは0.1〜10nmである。

0030

電荷障壁層として種々の有機化合物無機化合物を用いることができる。有機化合物としては、第三級アミン化合物カルバゾール誘導体含窒素複素環を含む化合物や金属錯体等を用いることができる。無機化合物としては、Ba,Ca,Sr,Yb,Al,Ga,In,Li,Na,K,Cd,Mg,Si,Ta,Ge,Sb,Zn,Cs,Eu,Y,Ce,W,Zr,La,Sc,Rb,Lu,Ti,Cr、Ho,Cu,Er,Sm、W、Co、Se、Hf,Tm、Fe、Nb等の金属との酸化物、窒化物複合酸化物硫化物弗化物等を用いることができる。

0031

尚、電荷障壁層は以下に説明する青色系、緑色系又は赤色系のドーパントを含むことができる。

0032

2.発光層
(1)青色系発光層
青系発光層は、好ましくは発光の最大波長が450〜500nmである発光層であり、ホスト材料と青色系ドーパントからなる。ホスト材料は、スチリル誘導体アリーレン誘導体又は芳香族アミンであることが好ましい。スチリル誘導体は、ジスチリル誘導体トリスチリル誘導体、テトラスチリル誘導体及びスチリルアミン誘導体の中から選ばれる少なくとも一種類であることが特に好ましい。アリーレン誘導体は、アントラセン誘導体、特にアリールアントラセン骨格を含有する化合物であることが特に好ましい。芳香族アミンは、芳香族置換された窒素原子を2〜4個有する化合物であることが好ましく、芳香族置換された窒素原子を2〜4個有し、かつアルケニル基を少なくとも一つ有する化合物が特に好ましい。

0033

上記スチリル誘導体及びアントラセン誘導体としては、例えば下記一般式〔1〕〜〔6〕で示される化合物が、上記芳香族アミンとしては、例えば下記一般式〔7〕〜〔8〕で示される化合物が挙げられる。



〔式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子ハロゲン原子シアノ基ニトロ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の単環基、置換もしくは未置換の炭素原子数10〜30の縮合多環基又は置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の複素環基である。Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリール基又は置換もしくは未置換のアルケニル基であり、置換基としては、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の単環基、置換もしくは未置換の炭素原子数10〜30の縮合多環基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の複素環基又は置換もしくは未置換の炭素原子数4〜40のアルケニル基である。〕

0034

〔式中、R1〜R10、Ar1及びAr2は式[1]と同じである。〕

0035

〔式中、R1〜R10、Ar3及びAr4は式[1]と同じである。lは1〜3、mは1〜3、かつl+m≧2である。〕

0036

〔式中、R1〜R8、Ar1及びAr2は式[1]と同じである。〕

0037

〔式中、R11〜R20は、それぞれ独立に水素原子、アルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基アリーロキシ基アルキルアミノ基アリールアミノ基又は置換してもよい複素環式基を示し、a及びbは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R11同士又はR12同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよく、またR11同士又はR12同士が結合して環を形成していてもよいし、R13とR14、R15とR16、R17とR18、R19とR20がたがいに結合して環を形成していてもよい。L1は単結合又は−O−、−S−、−N(R)−(Rはアルキル基又は置換してもよいアリール基である)又はアリーレン基を示す。〕

0038

〔式中、R21〜R30は、それぞれ独立に水素原子、アルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリーロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基又は置換してもよい複数環式基を示し、c、d、e及びfは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R21同士、R22同士、R26同士又はR27同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよく、またR21同士、R22同士、R26同士又はR27同士が結合して環を形成していてもよいし、R23とR24、R28とR29がたがいに結合して環を形成していてもよい。L2は単結合又は−O−、−S−、−N(R)−(Rはアルキル基又は置換してもよいアリール基である)又はアリーレン基を示す。〕

0039

〔式中、Ar5、Ar6及びAr7は、それぞれ独立に炭素原子数6〜40の置換若しくは無置換の一価芳香族基を示し、それらの中の少なくとも一つはスチリル基を含んでいてもよく、gは1〜4の整数を示す。〕

0040

〔式中、Ar8、Ar9、Ar11、Ar13及びAr14は、それぞれ独立に炭素原子数6〜40の置換若しくは無置換の一価の芳香族基を示し、Ar10及びAr12は、それぞれ独立に炭素原子数6〜40の置換若しくは無置換の二価の芳香族基を示し、Ar8〜Ar14の少なくとも一つはスチリル基又はスチリレン基を含んでいてもよく、h及びkはそれぞれ0〜2の整数、i及びjはそれぞれ0〜3の整数である。〕

0041

青色系ドーパントは、スチリルアミンアミン置換スチリル化合物及び縮合芳香族環含有化合物の中から選ばれる少なくとも一種類であることが好ましい。そのとき、青色系ドーパントは異なる複数の化合物から構成されていもよい。上記スチリルアミン及びアミン置換スチリル化合物としては、例えば下記一般式〔9〕〜〔10〕で示される化合物が、上記縮合芳香族環含有化合物としては、例えば下記一般式〔11〕で示される化合物が挙げられる。

0042

〔式中、Ar5、Ar6及びAr7は、それぞれ独立に、炭素原子数6〜40の置換もしくは無置換の芳香族基を示し、それらの中の少なくとも一つはスチリル基を含み、pは1〜3の整数を示す。〕

0043

〔式中、Ar15及びAr16は、それぞれ独立に、炭素原子数6〜30のアリーレン基、E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素原子数6〜30のアリール基もしくはアルキル基、水素原子又はシアノ基を示し、qは1〜3の整数を示す。U及び/又はVはアミノ基を含む置換基であり、該アミノ基がアリールアミノ基であると好ましい。〕

0044

〔式中、Aは炭素原子数1〜16のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアリール基、炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、又は炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアリールアミノ基、Bは炭素原子数10〜40の縮合芳香族環基を示し、rは1〜4の整数を示す。〕

0045

また、青色系発光層としては、りん光発光性ドーパントを含む発光層を用いることもできる。この場合、ホスト材料は、カルバゾール環を含む化合物が好ましい。具体例を以下に示す。

0046

ホスト化合物のその他の具体例としては、トリアゾール誘導体オキサゾール誘導体オキサジアゾール誘導体イミダゾール誘導体ポリアリルアカン誘導体、ピラゾリン誘導体ピラゾロン誘導体フェニレンジアミン誘導体アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体ヒドラゾン誘導体スチルベン誘導体シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体チオピランジオキシド誘導体カルボジイミド誘導体フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体ナフタレンペリレン等の複素テトラカルボン酸無水物フタロシアニン誘導体8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニンベンゾオキサゾールベンゾチアゾール配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物ポリN−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体チオフェンオリゴマーポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマーポリチオフェン誘導体ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。ホスト化合物は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。

0047

りん光発光性ドーパントは、三重項励起子から発光することのできる化合物である。その種類は、三重項励起子から発光する限り特に制限はないが、具体的には、Ir、Ru、Pd、Pt、Os、またはRe原子を含む金属錯体であることが好ましく、この中でも、ポルフィリン金属錯体又はオルトメタル化金属錯体が好ましい。ポルフィリン金属錯体としては、ポルフィリン白金錯体が好ましい。オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては種々のものがあるが、好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニルピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有しても良い。特に、フッ素化物トリフルオロメチル基を導入したものが、青色系ドーパントとしては好ましい。さらに補助配位子としてアセチルアセトナートピクリン酸等の上記配位子以外の配位子を有していてもよい。りん光発光性ドーパントは単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。

0048

りん光発光性ドーパントの青色系発光層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、好ましくは0.1〜70質量%であり、より好ましくは1〜30質量%である。りん光発光性ドーパントの含有量が0.1質量%未満では、添加の効果が十分に発揮されない場合があり、70質量%を超えると、いわゆる濃度消光と言われる現象により素子性能が低下する場合がある。

0049

青色系発光層の膜厚は、好ましくは5〜30nm、より好ましくは7〜30nm、最も好ましくは10〜30nmである。5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となる恐れがあり、30nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。

0050

(2)赤色系(黄色〜橙色又は赤色)発光層
赤色系発光層は、好ましくは発光の最大波長が550〜650nmである発光層であり、ホスト材料と黄色〜橙色又は赤色ドーパントからなる。ホスト材料は、スチリル誘導体、アントラセン誘導体、芳香族アミン、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体であることが好ましい。スチリル誘導体、アントラセン誘導体、芳香族アミンの具体例としては、青色系発光層で用いられるホスト材料を黄色〜橙色又は赤色発光層にも用いることができる。8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを用いることができる。ホスト材料としてアントラセン誘導体のような電子輸送性の化合物を用いる場合は青色系発光層と黄色〜橙色又は赤色発光層に用いるホスト材料は同一でも異なっていても構わない。

0051

黄色〜橙色又は赤色系ドーパントは、少なくとも一つのフルオランテン骨格又はペリレン骨格を有する蛍光性化合物が使用でき、例えば下記一般式〔12〕〜〔28〕で示される化合物が挙げられる。

0052

〔式中、X1〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルキル基、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜30のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は置換もしくは無置換炭素原子数8〜30のアルケニル基であり、隣接する置換基及びX1〜X20は結合して環状構造を形成していてもよい。隣接する置換基がアリール基の時は、置換基は同一であってもよい。〕
また、一般式〔12〕〜〔26〕の化合物は、アミノ基又はアルケニル基を含有すると好ましい。

0053

〔式中、X21〜X24は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基であり、X21とX22及び/又はX23とX24は、炭素−炭素結合又は−O−、−S−を介して結合していてもよい。X25〜X36は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルキル基、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜30のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は置換もしくは無置換炭素原子数8〜30のアルケニル基であり、隣接する置換基及びX25〜X36は結合して環状構造を形成していてもよい。各式中の置換基X25〜X36の少なくとも一つがアミノ基又はアルケニル基を含有すると好ましい。〕

0054

また、フルオランテン骨格を有する蛍光性化合物は、高効率及び長寿命を得るために電子供与性基を含有することが好ましく、好ましい電子供与性基は置換もしくは未置換のアリールアミノ基である。さらに、フルオランテン骨格を有する蛍光性化合物は、縮合環数5以上が好ましく、6以上が特に好ましい。これは、蛍光性化合物が540〜700nmの蛍光ピーク波長を示し、青色系発光材料と蛍光性化合物からの発光が重なって白色を呈するからである。上記の蛍光性化合物は、フルオランテン骨格を複数有すると、発光色が黄色〜橙色又は赤色領域となるため好ましい。特に好ましい蛍光性化合物は、電子供与性基とフルオランテン骨格又はペリレン骨格を有し、540〜700nmの蛍光ピーク波長を示すものである。

0055

また、赤色系発光層は、りん光発光性ドーパントを添加した発光層を用いることができる。この場合のホスト材料は、カルバゾール環を含む化合物が好ましく、青色系発光層で用いられる化合物を用いることができる。
りん光発光性ドーパントは、三重項励起子から発光することのできる化合物であり、三重項励起子から発光する限り特に制限されない。好ましくは、Ir、Ru、Pd、Pt、Os、またはRe原子を含む金属錯体であることであり、この中でも、ポルフィリン金属錯体又はオルトメタル化金属錯体が好ましい。オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては種々のものがあるが、好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有してもよい。特に、黄色〜赤色系ドーパントとしては、2−フェニルキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体等が好ましい。さらに補助配位子として、アセチルアセトナート、ピクリン酸等の上記配位子以外の配位子を有していてもよい。

0056

りん光発光性ドーパントの赤色系発光層における含有量は、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは0.1〜70質量%であり、より好ましくは、1〜30質量%である。りん光発光性ドーパントの含有量が0.1質量%未満では、添加効果が十分に発揮しない場合がある。70質量%を超えると、いわゆる濃度消光と言われる現象が顕著になり素子性能が低下する場合がある。

0057

赤色系発光層の膜厚は、好ましくは10〜50nm、より好ましくは20〜50nm、最も好ましくは30〜50nmである。10nm未満では発光効率が低下する恐れがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。

0058

(3)緑色系発光層
緑色系発光層は、好ましくは発光の最大波長が500〜550nmである発光層であり、ホスト材料と緑色系ドーパントからなる。ホスト材料は、スチリル誘導体、アントラセン誘導体、芳香族アミン、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体であることが好ましい。スチリル誘導体、アントラセン誘導体、芳香族アミンの具体例としては、青色系発光層で用いられるホスト材料を緑色発光層にも用いることができる。8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを用いることができる。ホスト材料としてアントラセン誘導体のような電子輸送性の化合物を用いる場合は青色系発光層と緑色系発光層に用いるホスト材料は同一でも異なっていても構わない。緑色系ドーパントとしては、C545T〔10−(2−ベンゾチアゾリル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,2,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン〕等が挙げられる。

0059

また、緑色系発光層としては、りん光発光性ドーパントを添加した発光層を用いることができる。この場合のホスト材料は、カルバゾール環を含む化合物が好ましく、青色系発光層で用いられる化合物を用いることができる。

0060

りん光性ドーパントは三重項励起子から発光することのできる化合物であり、三重項励起子から発光する限り特に制限されない。好ましくは、Ir,Ru,Pd,Pt,Os,又はRe原子を含む金属錯体であり、この中でも、ポリフィリン金属錯体又はオルトメタル化金属錯体が好ましい。ポルフィリン金属錯体としては、ポルフィリン白金錯体が好ましい。オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては種々のものがあるが、好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有しても良い。特に、緑色系ドーパントとしては2−フェニルピリジン誘導体が好ましい。さらに補助配位子として上記配位子以外の配位子を有していてもよい。りん光発光性ドーパントは単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。

0061

りん光発光性ドーパントの緑色系発光層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、好ましくは0.1〜70質量%であり、より好ましくは1〜30質量%である。りん光発光性ドーパントの含有量が0.1質量%未満では、添加の効果が十分に発揮されない場合があり、70質量%を超えると、いわゆる濃度消光と言われる現象により素子性能が低下する場合がある。

0062

緑色系発光層の膜厚は、好ましくは10〜50nm、より好ましくは20〜50nm、最も好ましくは30〜50nmである。10nm未満では発光効率が低下する恐れがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。

0063

3.他の有機層
(1)第一の有機層
陽極と発光層の間に、第一の有機層として、正孔注入層、正孔輸送層又は有機半導体層等を設けることができる。正孔注入層又は正孔輸送層は、発光層への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV以下と小さい。正孔注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和する等、エネルギーレベルを調整するために設ける。このような正孔注入層又は正孔輸送層としてはより低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の移動度が、例えば104〜106V/cmの電界印加時に、少なくとも10−6cm2/V・秒であるものが好ましい。正孔注入層又は正孔輸送層を形成する材料としては、従来、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや、有機EL素子の正孔注入層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。

0064

このような正孔注入層又は正孔輸送層の形成材料としては、具体的には、例えばトリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同55−74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報、同55−52063号公報、同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報、同57−148749号公報、特開平2−311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同第61−228451号公報、同61−14642号公報、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93455号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)、特開平1−211399号公報に開示されている導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を挙げることができる。

0065

正孔注入層又は正孔輸送層の材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報等に開示のもの)、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報等参照)、芳香族第三級アミン化合物を用いることもできる。また米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノビフェニル、また特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン等を挙げることができる。さらに、発光層の材料として示した前述の芳香族ジメチリディン系化合物の他、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入層又は正孔輸送層の材料として使用することができる。

0066

この正孔注入層又は正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる一層で構成されてもよいし、また、正孔注入層又は正孔輸送層とは別種の化合物からなる正孔注入層又は正孔輸送層を積層したものであってもよい。正孔注入層又は正孔輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、20〜200nmである。

0067

有機半導体層は、発光層への正孔注入又は電子注入を助ける層であって、10−10S/cm以上の導電率を有するものが好適である。このような有機半導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマーや特開平8−193191号公報に記載の含アリールアミンオリゴマー等の導電性オリゴマー、含アリールアミンデンドリマー等の導電性デンドリマー等を用いることができる。有機半導体層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、10〜1,000nmである。

0068

(2)第二の有機層
陰極と発光層の間に、第二の有機層として、電子注入層又は電子輸送層等を設けることができる。電子注入層又は電子輸送層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きい。電子注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和する等、エネルギーレベルを調整するために設ける。

0069

電子輸送層は数nm〜数μmの膜厚で適宜選ばれるが、104〜106V/cmの電界印加時に電子移動度が10−5cm2/Vs以上であるものが好ましい。

0070

電子輸送層に用いられる材料としては、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体が好適である。
上記8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物が挙げられる。

0071

例えば発光材料の項で記載したAlqを電子注入層として用いることができる。

0072

一方オキサジアゾール誘導体としては、下記の式で表される電子伝達化合物が挙げられる。



(式中、Ar17,Ar18,Ar19,Ar21,Ar22,Ar25は置換又は無置換のアリール基を示し、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。またAr20,Ar23,Ar24は置換又は無置換のアリーレン基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい)

0073

ここでアリール基としてはフェニル基ビフェニル基アントラニル基ペリレニル基ピレニル基が挙げられる。またアリーレン基としてはフェニレン基ナフチレン基ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基等が挙げられる。また置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。この電子伝達化合物は薄膜形成性のものが好ましい。

0074

上記電子伝達性化合物の具体例としては下記のものを挙げることができる。



〔式中、tBuはt−ブチル基、Meはメチル基を示す。〕

0075

下記式で表される含窒素複素環誘導体



(式中、A1〜A3は、窒素原子又は炭素原子である。
Rは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0から5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一又は異なっていてもよい。
また、隣接する複数のR基同士で互いに結合して、置換又は未置換の炭素環式脂肪族環、あるいは、置換又は未置換の炭素環式芳香族環を形成していてもよい。
Ar26は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリール基である。
Ar27は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリール基である。
Ar26’は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリーレン基である。
ただし、Ar26、Ar27、Ar26’のいずれか一方は置換基を有していてもよい炭素数10〜60の縮合環基、置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロ縮合環基である。
L3、L4は、それぞれ単結合、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の縮合環、置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロ縮合環又は置換基を有していてもよいフルオレニレン基である。)

0076

下記式で表される含窒素複素環誘導体
HAr−L5−Ar28−Ar29
(式中、HArは、置換基を有していても良い炭素数3〜40の含窒素複素環であり、
L5は、単結合、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリーレン基又は置換基を有していてもよいフルオレニレン基であり、
Ar28は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基であり、
Ar29は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基又は、
置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリール基である。)

0077

特開平第09−087616号公報に示されている、下記式で表されるシラシクロペンタジエン誘導体を用いた電界発光素子



(式中、Q1及びQ2は、それぞれ独立に炭素数1から6までの飽和若しくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基アルキニルオキシ基ヒドロキシ基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環であり、Q1とQ2は結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、R31〜R34は、それぞれ独立に水素ハロゲン、置換もしくは無置換の炭素数1から6までのアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パーフルオロアルキル基パーフルオロアルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基アリールカルボニル基アルコキシカルボニル基アリールオキシカルボニル基アゾ基アルキルカルボニルオキシ基アリールカルボニルオキシ基アルコキシカルボニルオキシ基アリールオキシカルボニルオキシ基スルフィニル基スルフォニル基スルファニル基シリル基カルバモイル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基ニトロソ基ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シアネート基イソシアネート基チオシアネート基、イソチオシアネート基又はシアノ基であり、隣接した場合には結合して置換若しくは無置換の環が縮合した構造を形成してもよい。)

0078

特開平第09−194487号公報に示されている下記式で表されるシラシクロペンタジエン誘導体



(式中、Q3及びQ4は、それぞれ独立に炭素数1から6までの飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のヘテロ環であり、Q3とQ4が結合して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよく、R35〜R38は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、置換もしくは無置換の炭素数1から6までのアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、スルフィニル基、スルフォニル基、スルファニル基、シリル基、カルバモイル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、又はシアノ基であり、隣接した場合には結合して置換もしくは無置換の環が縮合した構造を形成してもよい(但し、R35及びR38がフェニル基の場合、Q3及びQ4は、アルキル基及びフェニル基ではない。R35及びR38がチエニル基の場合、Q3及びQ4は、一価炭化水素基を、R36及びR37は、アルキル基、アリール基、アルケニル基又はR36とR37が結合して環を形成する脂肪族基を同時に満たさない構造である。R35及びR38がシリル基の場合、R36、R37、Q3及びQ4は、それぞれ炭素数1から6の一価炭化水素基又は水素原子でない。R35及びR36がベンゼン環が縮合した構造を形成する場合、Q3及びQ4は、アルキル基及びフェニル基ではない。))

0079

特再第2000−040586号公報に示されている下記式で表されるボラン誘導体



(式中、R39〜R46及びQ8は、それぞれ独立に、水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、芳香族基、ヘテロ環基、置換アミノ基、置換ボリル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、Q5、Q6及びQ7は、それぞれ独立に、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、芳香族基、ヘテロ環基、置換アミノ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、Q7とQ8の置換基は相互に結合して縮合環を形成してもよく、sは1〜3の整数を示し、sが2以上の場合、Q7は異なってもよい。但し、sが1、Q5、Q6及びR40がメチル基であって、R46が水素原子又は置換ボリル基の場合、及びsが3でQ7がメチル基の場合を含まない。)

0080

特開平10−088121に示されている下記式で示される化合物



(式中、Q9,Q10は、それぞれ独立に、下記式(3)で示される配位子を表し、L6は、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、−OR47(R47は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、又は置換もしくは未置換の複素環基である。)又は−O−Ga−Q11(Q12)(Q11及びQ12は、Q9及びQ10と同じ意味を表す。)で示される配位子を表す。)

0081

(式中、環A4及びA5は、それぞれ置換基を有してよい互いに縮合した6員アリール環構造である。)
この金属錯体はn型半導体としての性質が強く、電子注入能力が大きい。さらには、錯体形成時の生成エネルギーも低いために、形成した金属錯体の金属と配位子との結合性も強固になり、発光材料としての蛍光量子効率も大きくなっている。

0082

上記式の配位子を形成する環A4及びA5の置換基の具体的な例を挙げると、塩素臭素ヨウ素、フッ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基、ステアリル基トリクロロメチル基等の置換もしくは未置換のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−フルオロフェニル基、3−トリクロロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3−ニトロフェニル基等の置換もしくは未置換のアリール基、メトキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、6−(パーフルオロエチルヘキシルオキシ基等の置換もしくは未置換のアルコキシ基、フェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、p−tert−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、3−トリフルオロメチルフェノキシ基等の置換もしくは未置換のアリールオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等の置換もしくは未置換のアルキルチオ基、フェニルチオ基、p−ニトロフェニルチオ基、ptert−ブチルフェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基等の置換もしくは未置換のアリールチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等のモノ又はジ置換アミノ基、ビス(アセトキシメチル)アミノ基、ビス(アセトキシエチル)アミノ基、ビス(アセトキシプロピル)アミノ基、ビス(アセトキシブチル)アミノ基等のアシルアミノ基水酸基シロキシ基アシル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、プロイピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等の置換カルバモイル基カルボン酸基スルフォン酸基イミド基シクロペンタン基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、フェナントリル基フルオレニル基、ピレニル基等のアリール基、ピリジニル基ピラジニル基、ピリミジニル基ピリダジニル基トリアジニル基インドニル基キノリニル基アクリジニル基ピロリジニル基、ジオキサニル基ピペリジニル基モルフォリジニル基、ピペラジニル基トリアチニル基、カルバゾリル基フラニル基チオフェニル基オキサゾリル基オキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基チアゾリル基チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基トリアゾリル基、イミダゾリル基ベンゾイミダゾリル基、プラニル基等の複素環基等がある。また、以上の置換基同士が結合してさらなる6員アリール環もしくは複素環を形成しても良い。

0083

電子を輸送する領域又は陰極と有機層の界面領域に、還元性ドーパントを含有してもよい。ここで、還元性ドーパントとは、電子輸送性化合物還元ができる物質と定義される。従って、一定の還元性を有するものであれば、様々なものが用いられ、例えば、アルカリ金属アルカリ土類金属希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物又は希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体、希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも一つの物質を好適に使用することができる。

0084

また、より具体的に、好ましい還元性ドーパントとしては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)及びCs(仕事関数:1.95eV)からなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ金属や、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0〜2.5eV)、及びBa(仕事関数:2.52eV)からなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ土類金属が挙げられる。仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち、より好ましい還元性ドーパントは、K、Rb及びCsからなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ金属であり、さらに好ましくは、Rb又はCsであり、最も好ましのは、Csである。これらのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、電子注入域への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還元性ドーパントとして、これら2種以上のアルカリ金属の組合わせも好ましく、特に、Csを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、CsとRbあるいはCsとNaとKとの組み合わせであることが好ましい。Csを組み合わせて含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子注入域への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。

0085

本発明においては陰極と有機層の間に絶縁体半導体で構成される電子注入層をさらに設けても良い。この時、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲナイドアルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲナイド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲナイドとしては、例えば、Li2O、LiO、Na2S、Na2Se及びNaOが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、及びCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF2、BaF2、SrF2、MgF2及びBeF2といったフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。

0086

また、電子輸送層を構成する半導体としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。また、電子輸送層を構成する無機化合物が、微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子輸送層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。なお、このような無機化合物としては、上述したアルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。

0087

電子注入層又は電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、1〜100nmである。

0088

陽極に最も近い有機層である第一発光層又は第一の有機層が、酸化剤を含有していることが好ましい。第一発光層又は第一の有機層に含有される好ましい酸化剤は、電子吸引性又は電子アクセプターである。好ましくは各種キノン誘導体、ジシアノキノジメタン誘導体又は芳香族アミンと、ルイス酸で形成された塩類である。特に好ましいルイス酸は、塩化鉄塩化アンチモン塩化アルミニウム等である。

0089

陰極に最も近い有機層である発光層又は第二の有機層が、還元剤を含有していることが好ましい。好ましい還元剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物アルカリ土類酸化物希土類酸化物アルカリ金属ハロゲン化物アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物又はアルカリ金属と、芳香族化合物で形成される錯体である。特に好ましいアルカリ金属はCs、Li、Na、Kである。

0090

4.無機化合物層
陽極及び/又は陰極に接して無機化合物層を有していてもよい。無機化合物層は、付着改善層として機能する。無機化合物層に使用される好ましい無機化合物としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiOX、AlOX、SiNX、SiON、AlON、GeOX、LiOX、LiON、TiOX、TiON、TaOX、TaON、TaNX、C等各種酸化物、窒化物、酸化窒化物である。特に陽極に接する層の成分としては、SiOX、AlOX、SiNX、SiON、AlON、GeOX、Cが安定な注入界面層を形成して好ましい。また、特に陰極に接する層の成分としては、LiF、MgF2、CaF2、MgF2、NaFが好ましい。無機化合物層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、0.1nm〜100nmである。

0091

発光層を含む各有機層及び無機化合物層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、蒸着法、スピンコート法キャスト法、LB法等の公知の方法を適用することができる。また、得られる有機EL素子の特性が均一となり、また、製造時間が短縮できることから、電子注入層と発光層とは同一方法で形成することが好ましく、例えば、電子注入層を蒸着法で製膜する場合には、発光層も蒸着法で製膜することが好ましい。

0092

5.電極
陽極としては、仕事関数の大きい(例えば、4.0eV以上)金属、合金電気伝導性化合物又はこれらの混合物を使用することが好ましい。具体的には、インジウムチンオキサイド(ITO)、インジウムジンクオキサイド、スズ、酸化亜鉛、金、白金パラジウム等の1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0093

また、陽極の厚さも特に制限されるものではないが、10〜1,000nmの範囲内の値とするのが好ましく、10〜200nmの範囲内の値とするのがより好ましい。

0094

陰極には、仕事関数の小さい(例えば、4.0eV未満)金属、合金、電気電導性化合物又はこれらの混合物を使用することが好ましい。具体的には、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、リチウムナトリウム、銀等の1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また陰極の厚さも特に制限されるものではないが、10〜1000nmの範囲内の値とするのが好ましく、10〜200nmの範囲内の値とするのがより好ましい。陽極又は陰極の少なくとも一方は、発光層から放射された光を外部に有効に取り出すことが出来るように、実質的に透明、より具体的には、光透過率が10%以上の値であることが好ましい。電極は、真空蒸着法スパッタリング法イオンプレーティング法電子ビーム蒸着法CVD法MOCVD法プラズマCVD法等により製造できる。
[実施例]

0095

以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、各例で得られた有機EL素子の評価は下記の通りである。

0096

(1)初期色度:ミノルタ製CS1000を用い、CIE1931色度座標にて色度を測定した。発光効率を算出、評価した。
(2)発光効率:ミノルタ製CS1000を用いて測定した輝度と、そのときの電流密度から算出した。
(3)駆動前後の色度差:室温にて定電流で一定時間駆動した後、初期色度と同様の方法で駆動後の色度を測定した。色度差=駆動後の色度−初期色度とした。駆動試験時の初期輝度は1000cd/m2とした。
(4)イオン化ポテンシャル(以下、IPと表す):大気光電子分光測定装置理研計器製、AC−1)を用いて測定した。材料(粉末)に照射した紫外線エネルギーに対し、放出された光電子を1/2乗でプロットし、光電子放出エネルギーのしきい値をIPとした。
(5)アフィニティレベル(以下、Afと表す):Af=IP−Egとした。(ただし、Egは紫外可視分光光度計島津製、UV−3100PC)を用い、材料の溶液溶媒トルエン)の紫外−可視光吸収スペクトルを測定し、その長波長側接線から算出した光学的バンドキャップを表す。)
(6)正孔又は電子移動度:オプテル製TOF−301を用いてTime of flight法で測定した。

0097

実施例1
(有機EL素子の形成)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして膜厚60nmのN,N’−ビス(N,N’−ジフェニル−4−アミノフェニル)−N,N−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル膜(以下「TPD232膜」と略記する)を成膜した。このTPD232膜は、正孔注入層として機能する。TPD232膜の成膜に続けて、このTPD232膜上に膜厚20nmの4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル膜(以下「NPD膜」と略記する)を成膜した。このNPD膜は正孔輸送層として機能する。

0098

さらに、NPD膜の成膜に続けて、膜厚10nmにて式〔32〕で示されるスチリル誘導体DPDPANと、式〔33〕で示されるB1を40:1の重量比で蒸着し成膜し、第一発光層(IP/Af(eV)=5.66/2.73)とした。この第一発光層は青色発光する。次いで,膜厚5nmにて〔34〕で示される式4,4−N,N−ジカルバゾールビフェニル膜(以下「CBP膜」と略記する)を成膜した。このCBP膜は、電荷障壁層(IP/Af〔eV〕=5.86/2.41)として機能する。次いで、30nmにてスチリル誘導体DPVDPANと式〔35〕で示されるR1(蛍光ピーク波長545nm)を40:1の重量比で蒸着し成膜し、黄色〜赤色系発光層(Af=2.73)とした。この膜上に、電子輸送層として膜厚10nmのトリス(8−キノリノール)アルミニウム膜(以下「Alq膜」と略記する。)を成膜した。この後、Li(Li源:サエスゲッター社製)とAlqを二元蒸着させ、電子注入層としてAlq:Li膜を10nm形成した。このAlq:Li膜上に金属Alを150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。図5(a)は実施例1の電荷障壁層前後のエネルギーレベル図である。

0099

0100

(有機EL素子の性能評価
この素子は直流電圧6.5Vで発光輝度100cd/m2、効率14cd/Aであった。本材料で作製した素子はCIE1931色度座標にて(x,y)=(0.281,0.281)であり白色と確認された。この素子を初期輝度1000cd/m2で定電流駆動したところ寿命は1万時間であり優れていた。一万時間駆動後での色度は(0.291,0.290)であり、一万時間駆動前後での色差は(0.010,0.009)であり優れていることが確認できた。実施例1及び下記の実施例2〜7及び比較例1〜5で得られた有機EL素子の初期性能、寿命及び耐熱性測定結果を表1に示す。この表から明らかなように、本実施例の有機EL素子は、従来のものにくらべ発光効率が高く、色変化が少なかった。

0101

実施例2
実施例1と同様に素子を作製した。ただし、第一発光層の上に、膜厚5nmにて〔36〕で示されるCzTT膜を成膜し、電荷障壁層(IP/Af(eV)=5.90/2.41)とした。この素子は直流電圧6.5Vで発光輝度103cd/m2、効率13cd/Aであった。色度は(0.293,0.282)となり、白色発光が得られた。一万時間駆動前後での色差は(0.012,0.011)であり、高効率かつ色度変化が少ないことが確認できた。

0102

実施例3
実施例1と同様に素子を作製した。ただし、第一発光層の上に、膜厚2.5nmにて〔37〕で示されるBCP膜を成膜し、さらにこのBCP膜に続けて、膜厚2.5nmにて〔38〕で示されるNPD膜を成膜し、複数層からなる電荷障壁層(BCPのIP/NPDのAf(eV)=5.93/2.20)とした。この素子は直流電圧6.5Vで発光輝度99cd/m2、効率16cd/Aであった。色度は(0.295,0.281)となり、白色発光が得られた。一万時間駆動前後での色差は(0.008,0.007)であり、高効率かつ色度変化が少ないことが確認できた。

0103

0104

比較例1(電荷障壁層のアフィニティーレベルが発光層に比べて0.08eV小さいケース
実施例1と同様に素子を作製した。ただし、第一発光層の上に、膜厚2.5nmにて〔39〕で示されるAlq膜を成膜し、さらにこのAlq膜に続けて、膜厚2.5nmにて〔40〕で示されるCz1膜を成膜し、複数層からなる電荷障壁層(AlqのIP/CzlのAf(eV)=5.70/2.65)とした。この素子は直流電圧6.5Vで発光輝度101cd/m2、効率8cd/Aであり,十分なレベルではなかった。色度は(0.286,0.283)となり、白色発光が得られた。しかし一万時間駆動前後での色差は実施例1〜3に比べて大きかった。

0105

0106

比較例2(電荷障壁層のアフィニティーレベルが発光層と同等のケース)
実施例1と同様に素子を作製した。ただし、第一発光層の上に、膜厚5nmにてDPVDPAN膜を成膜し、電荷障壁層として機能しないノンドープ層(IP/Af(eV)=5.66/2.73)を設けた。この素子は直流電圧6.5Vで発光輝度100cd/m2、効率6cd/Aであり、十分なレベルではなかった。色度は(0.280,0.282)となり、白色発光が得られた。しかし一万時間駆動前後での色差は実施例1〜3に比べて大きかった。図5(b)は比較例2の電荷障壁層前後のエネルギーレベル図である。

0107

比較例3(電荷障壁層のアフィニティーレベルが発光層に比べて大きいケース)
実施例1と同様に素子を作製した。ただし、第一発光層の上に、膜厚5nmにて〔41〕で示されるTAZ膜を成膜し、電荷障壁層(IP/Af(eV)=6.30/2.88)とした。この素子は直流電圧8.5Vで発光輝度98cd/m2、効率9cd/Aであった。色度は(0.281,0.282)となり、白色発光が得られた。しかし一万時間駆動前後での色差は実施例1〜3に比べて非常に大きかった。図5(c)は比較例3の電荷障壁層前後のエネルギーレベル図である。

0108

0109

比較例4(電荷障壁層のイオン化ポテンシャルが第一発光層に比べて小さいケース)
実施例1と同様に素子を作製した。ただし、第一発光層の上に、膜厚5nmにて〔42〕で示されるTCTA膜を成膜し、電荷障壁層(IP/Af(eV)=5.63/2.28)とした。この素子は直流電圧7.0Vで発光輝度105cd/m2、効率7cd/Aであった。色度は(0.283,0.281)となり、白色発光が得られた。しかし一万時間駆動前後での色差は実施例1〜3に比べて非常に大きかった。図5(d)は比較例4の電荷障壁層前後のエネルギーレベル図である。

0110

0111

比較例5(電荷障壁層がないケース)
実施例1と同様に素子を作製した。ただし、第一発光層の上に、第二発光層を成膜し、電荷障壁層を成膜しなかった。この素子の色度は(0.282,0.281)となり、白色発光が得られた。しかし一万時間駆動前後での色差は実施例1〜3に比べて大きかった。

0112

実施例4
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして膜厚60nmのTPD232膜を成膜した。このTPD232膜は、正孔注入層として機能する。TPD232膜の成膜に続けて、このTPD232膜上に膜厚20nmのNPD膜を成膜した。このNPD膜は正孔輸送層として機能する。

0113

さらに、NPD膜の成膜に続けて、膜厚10nmにて式〔32〕で示されるスチリル誘導体DPVDPANと、式〔33〕で示されるB1を40:1の重量比で蒸着し成膜し、第一発光層(IP/Af(eV)=5.66/2.73)とした。この第一発光層は青色発光する。次いで,膜厚5nmにて酸化チタン膜を成膜した。この酸化チタン膜は、電荷障壁層(IP/Af(eV)=6.21/2.01)として機能する。次いで、30nmにてスチリル誘導体DPVDPANと式〔35〕で示されるR1(蛍光ピーク波長545nm)を40:1の重量比で蒸着し成膜し、黄色〜赤色系発光層(Af=2.73)とした。この膜上に、電子輸送層として膜厚10nmのAlq膜を成膜した。この後、Li(Li源:サエスゲッター社製)とAlqを二元蒸着させ、電子注入層としてAlq:Li膜を10nm形成した。このAlq:Li膜上に金属Alを150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。

0114

この素子は直流電圧6.5Vで発光輝度100cd/m2、効率13cd/Aであった。本材料で作製した素子はCIE1931色度座標にて(x,y)=(0.282,0.280)であり白色と確認された。一万時間駆動前後での色差は(0.011,0.012)であり優れていることが確認できた。本実施例の有機EL素子は、従来のものにくらべ発光効率が高く、色変化が少なかった。さらに酸化チタン酸化ゲルマニウム酸化珪素やフッ化リチウムに置き換えても同等の性能が得られた。

0115

実施例5
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして膜厚60nmのTPD232膜を成膜した。このTPD232膜は、正孔注入層として機能する。TPD232膜の成膜に続けて、このTPD232膜上に膜厚20nmのNPD膜を成膜した。このNPD膜は正孔輸送層として機能する。

0116

さらに、NPD膜の成膜に続けて、膜厚10nmにて式〔32〕で示されるスチリル誘導体DPVDPANと、式〔33〕で示されるB1を40:1の重量比で蒸着し成膜し、第一発光層(IP/Af(eV)=5.66/2.73)とした。この第一発光層は青色発光する。次いで,膜厚5nmにて〔34〕で示されるCBP膜を成膜した。このCBP膜は、電荷障壁層(IP/Af(eV)=5.86/2.41)として機能する。次いで、30nmにて式〔43〕で示されるカルバゾール誘導体と式〔44〕で示されるイリジウム錯体を30:1.5の重量比で蒸着し成膜し、赤色発光層(Af(eV)=2.55)とした。この膜上に、電子輸送層として膜厚10nmのトリス(8−キノリノール)アルミニウム膜(以下「Alq膜」と略記する。)を成膜した。この後、Li(Li源:サエスゲッター社製)とAlqを二元蒸着させ、電子注入層としてAlq:Li膜を10nm形成した。このAlq:Li膜上に金属Alを150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。

0117

この素子は直流電圧8.5Vで発光輝度101cd/m2、効率12cd/Aであった。本材料で作製した素子はCIE1931色度座標にて(x,y)=(0.301,0.281)であり白色と確認された。この素子を初期輝度1000cd/m2で定電流駆動したところ寿命は5千時間であり優れていた。5千時間駆動後での色度は(0.287,0.266)であり、5千時間駆動前後での色差は(−0.014,−0.015)であり優れていることが確認できた。本実施例の有機EL素子は、従来のものにくらべ発光効率が高く、色変化が少なかった。

0118

0119

実施例6
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして膜厚60nmのTPD232膜を成膜した。このTPD232膜は、正孔注入層として機能する。TPD232膜の成膜に続けて、このTPD232膜上に膜厚20nmのNPD膜を成膜した。このNPD膜は正孔輸送層として機能する。

0120

さらに、NPD膜の成膜に続けて、膜厚10nmにて式〔32〕で示されるスチリル誘導体DPVDPANと、式〔33〕で示されるB1を40:1の重量比で蒸着し成膜し、第一発光層(IP/Af(eV)=5.66/2.73)とした。この第一発光層は青色発光する。次いで,膜厚5nmにて〔34〕で示されるCBP膜と式〔44〕で示されるイリジウム錯体を30:1.5の重量比で蒸着成膜し、電荷障壁層かつ赤色発光層(IP/Af(eV)=5.86/2.41)とした。次いで、30nmにて式〔42〕で示されるカルバゾール誘導体と式〔45〕で示されるイリジウム錯体を30:1.5の重量比で蒸着し成膜し、緑色発光層(Af(eV)=2.55)とした。この膜上に、電子輸送層として膜厚10nmのトリス(8−キノリノール)アルミニウム膜(以下「Alq膜」と略記する。)を成膜した。この後、Li(Li源:サエスゲッター社製)とAlqを二元蒸着させ、電子注入層としてAlq:Li膜を10nm形成した。このAlq:Li膜上に金属Alを150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。

0121

この素子は直流電圧8.5Vで発光輝度95cd/m2、効率13cd/Aであった。本材料で作製した素子はCIE1931色度座標にて(x,y)=(0.300,0.295)であり白色と確認された。この素子を初期輝度1000cd/m2で定電流駆動したところ寿命は6千時間であり優れていた。6千時間駆動後での色度は(0.289,0.282)であり、6千時間駆動前後での色差は(−0.011,−0.013)であり優れていることが確認できた。本実施例の有機EL素子は、従来のものに比べ発光効率が高く、色変化が少なかった。

0122

0123

実施例7
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして膜厚60nmのTPD232膜を成膜した。このTPD232膜は、正孔注入層として機能する。TPD232膜の成膜に続けて、このTPD232膜上に膜厚20nmのNPD膜を成膜した。このNPD膜は正孔輸送層として機能する。

0124

さらに、NPD膜の成膜に続けて、膜厚10nmにて式〔46〕で示される4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)(正孔移動度:8×10−4cm2/v・s)と、式〔47〕で示される4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)スチルベン(DPAVB)を40:1の重量比で蒸着し成膜し、第一発光層(IP/Af(eV)=5.65/2.57)とした。この第一発光層は青色発光する。次いで,膜厚5nmにて〔34〕で示されるCBP膜を成膜した。このCBP膜は、電荷障壁層(IP/Af(eV)=5.86/2.41)として機能する。次いで、30nmにて式〔39〕で示されるAlq(電子移動度:1×10−6cm2/v・s)と式〔35〕で示されるR1(蛍光ピーク波長545nm)を40:1の重量比で蒸着し成膜し、黄色〜赤色系発光層(Af(eV)=3.00)とした。この膜上に、電子輸送層として膜厚10nmのAlq膜を成膜した。この後、Li(Li源:サエスゲッター社製)とAlqを二元蒸着させ、電子注入層としてAlq:Li膜を10nm形成した。このAlq:Li膜上に金属Alを150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。

0125

この素子は直流電圧6.5Vで発光輝度99cd/m2、効率11cd/Aであった。本材料で作製した素子はCIE1931色度座標にて(x,y)=(0.298,0.305)であり白色と確認された。この素子を初期輝度1000cd/m2で定電流駆動したところ寿命は1万時間であり優れていた。一万時間駆動後での色度は(0.308,0.317)であり、一万時間駆動前後での色差は(0.010,0.012)であり優れていることが確認できた。本実施例の有機EL素子は、従来のものに比べ発光効率が高く、色変化が少なかった。

0126

0127

0128

本発明の有機EL素子は、発光効率が高くかつ色度変化が少ないため、各種表示装置(例えば、民生用及び工業用ディスプレイ、具体的には、携帯電話、PDA、カーナビモニター、TV等の各種モノカラー、フルカラー表示装置)、各種証明(バックライト等)等に利用できる。

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