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技術 耐衝撃性繊維強化複合材

出願人 日鉄コンポジット株式会社株式会社金星東洋紡株式会社
発明者 村上惇西訓生光藤雅博村上信吉竹田敏和一柳隆治野村幸弘
出願日 2004年1月28日 (15年6ヶ月経過) 出願番号 2005-504717
公開日 2006年5月18日 (13年3ヶ月経過) 公開番号 WO2004-068059
状態 未査定
技術分野 武器;爆破 強化プラスチック材料 積層体(2)
主要キーワード 防護用具 配向角度α 繊維シート材 防護材 衝撃部位 防護製品 マトリックス樹脂量 高強度有機繊維
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年5月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題・解決手段

耐衝撃性繊維強化複合材は、引張強度が17cN/dtex以上、引張り弾性率が450cN/dtex以上の高強度繊維fにて形成される繊維シート2と、マトリックス樹脂3とを有する耐衝撃性繊維強化複合材1において、マトリックス樹脂3として、エチレンメタクリル酸共重合体分子間を金属イオン架橋したアイオノマー樹脂を、繊維fに対して3〜100重量%含有する。耐衝撃性繊維強化複合材は、刃物に対する耐刃性能及び弾丸破片などの高速飛翔体から人体などを保護するための耐弾性能に優れ、且つ、軽量の、防刃チョッキ防弾チョッキ防弾ヘルメット防刃手袋など身体の一部及び全体を刃物、弾丸から守護する衣料具材、また、警棒警杖刺股、盾など携帯用防護用具、更には、車両、舟艇航空機ヘリコプターなどに用いる防護材防弾板などを好適に作製することができる。

概要

背景

従来、防刃チョッキ防弾チョッキ防弾ヘルメット防弾板など耐弾用の防護材料としては、特殊鋼チタンなどの金属が主として使用されている。しかし、金属を使用した材料では、重量が重くなり、着用性、取扱性、操作性において問題が生じる。
そこで、現在、繊維強化複合材が注目を浴びている。例えば、特開平8−189797号公報では、少なくとも17cN/dtexの引張強度と、少なくとも450cN/dtex以上の引張弾性率の高強度高弾性ポリエチレン繊維を有する布帛と、樹脂からなる防護材料が提案されている。
この特開平8−189797号公報に開示される防護材料は、特に、樹脂として、ビニルエステル樹脂を使用し、樹脂成分中末端及び側鎖にビニル基を有するブタジエンアクリロニトリル共重合体エラストマーを20〜80重量%添加されていることを特徴としている。
上記特開平8−189797号公報に開示される防護材料は、軽量で且つ高い弾道抵抗性耐弾性能)及び耐刃性能に優れているという特長を有している。
本願発明者らは、更に、軽量で、且つ、高い弾道抵抗性(耐弾性能)及び耐刃性能に優れている耐衝撃性繊維強化複合材を提供するべく、多くの研究実験を行った。
その結果、特に、樹脂、即ち、高強度繊維含浸するマトリックス樹脂として、エチレンメタクリル酸共重合体分子間を金属イオン架橋したアイオノマー樹脂を使用し、この樹脂を特定の割合で高強度繊維に含浸させた場合に、軽量化、耐刃性能及び耐弾性能を大幅に改善し得ることを見出した。
本発明は、本発明者らの斯かる新規な知見に基づくものであり、上記特開平8−189797号公報に開示される防護材料を更に改良し、発展させたものである。
つまり、本発明の目的は、刃物に対する耐刃性能及び弾丸破片などの高速飛翔体から人体などを保護するための耐弾性能に優れ、且つ、軽量の、防刃チョッキ、防弾チョッキ、防弾ヘルメット、防刃手袋など身体の一部及び全体を刃物、弾丸から守護する衣料具材、また、警棒警杖刺股、盾など携帯用防護用具、更には、車両、舟艇航空機ヘリコプターなどに用いる防護材、防弾板などを好適に作製することのできる耐衝撃性繊維強化複合材を提供することである。

概要

耐衝撃性繊維強化複合材は、引張強度が17cN/dtex以上、引張り弾性率が450cN/dtex以上の高強度繊維fにて形成される繊維シート2と、マトリックス樹脂3とを有する耐衝撃性繊維強化複合材1において、マトリックス樹脂3として、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂を、繊維fに対して3〜100重量%含有する。耐衝撃性繊維強化複合材は、刃物に対する耐刃性能及び弾丸や破片などの高速飛翔体から人体などを保護するための耐弾性能に優れ、且つ、軽量の、防刃チョッキ、防弾チョッキ、防弾ヘルメット、防刃手袋など身体の一部及び全体を刃物、弾丸から守護する衣料、具材、また、警棒、警杖、刺股、盾など携帯用防護用具、更には、車両、舟艇、航空機、ヘリコプターなどに用いる防護材、防弾板などを好適に作製することができる。

目的

本願発明者らは、更に、軽量で、且つ、高い弾道抵抗性(耐弾性能)及び耐刃性能に優れている耐衝撃性繊維強化複合材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

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請求項1

引張強度が17cN/dtex以上、引張弾性率が450cN/dtex以上の高強度繊維にて形成される繊維シートと、マトリックス樹脂とを有する耐衝撃性繊維強化複合材において、前記マトリックス樹脂として、エチレンメタクリル酸共重合体分子間を金属イオン架橋したアイオノマー樹脂を、前記繊維に対して3〜100重量%含有することを特徴とする耐衝撃性繊維強化複合材。

請求項2

前記アイオノマー樹脂は、比重が0.93〜0.97で、曲げ弾性率が100〜330MPaであることを特徴とする請求項1の耐衝撃性繊維強化複合材。

請求項3

前記繊維シートは、織布、編布若しくは不織布とされる布帛を単独で或いは組み合わせて1層以上積層して形成されるか、又は、高強度繊維を一方向に配列した繊維層を繊維の配向角度が互いに異なるように積層して形成されるか、又は、これら各種の布帛及び一方向配列繊維層を組み合わせて形成されることを特徴とする請求項1又は2の耐衝撃性繊維強化複合材。

請求項4

前記高強度繊維は、アラミド繊維ポリアリレート繊維ポリエチレン繊維ポリビニルアルコール繊維ベンズアゾール繊維炭素繊維、及び高強度ガラス繊維を、単独で、或いは、複数種の繊維を組み合わせて使用することを特徴とする請求項1、2又は3の耐衝撃性繊維強化複合材。

技術分野

本発明は、一般には複合材料に関し、特に、刃物に対する耐刃性能及び弾丸破片などの高速飛翔体から人体などを保護するための耐弾性能に優れ、防刃チョッキ防弾チョッキ防弾ヘルメット防刃手袋など身体の一部及び全体を刃物、弾丸から守護する衣料具材、また、警棒警杖刺股、盾など携帯用防護用具、更には、車両、舟艇航空機ヘリコプターなどに用いる防護材防弾板などを好適に作製することのできる耐衝撃性繊維強化複合材に関するものである。

背景技術

従来、防刃チョッキ、防弾チョッキ、防弾ヘルメット、防弾板など耐弾用の防護材料としては、特殊鋼チタンなどの金属が主として使用されている。しかし、金属を使用した材料では、重量が重くなり、着用性、取扱性、操作性において問題が生じる。
そこで、現在、繊維強化複合材が注目を浴びている。例えば、特開平8−189797号公報では、少なくとも17cN/dtexの引張強度と、少なくとも450cN/dtex以上の引張弾性率の高強度高弾性ポリエチレン繊維を有する布帛と、樹脂からなる防護材料が提案されている。
この特開平8−189797号公報に開示される防護材料は、特に、樹脂として、ビニルエステル樹脂を使用し、樹脂成分中末端及び側鎖にビニル基を有するブタジエンアクリロニトリル共重合体エラストマーを20〜80重量%添加されていることを特徴としている。
上記特開平8−189797号公報に開示される防護材料は、軽量で且つ高い弾道抵抗性(耐弾性能)及び耐刃性能に優れているという特長を有している。
本願発明者らは、更に、軽量で、且つ、高い弾道抵抗性(耐弾性能)及び耐刃性能に優れている耐衝撃性繊維強化複合材を提供するべく、多くの研究実験を行った。
その結果、特に、樹脂、即ち、高強度繊維含浸するマトリックス樹脂として、エチレンメタクリル酸共重合体分子間を金属イオン架橋したアイオノマー樹脂を使用し、この樹脂を特定の割合で高強度繊維に含浸させた場合に、軽量化、耐刃性能及び耐弾性能を大幅に改善し得ることを見出した。
本発明は、本発明者らの斯かる新規な知見に基づくものであり、上記特開平8−189797号公報に開示される防護材料を更に改良し、発展させたものである。
つまり、本発明の目的は、刃物に対する耐刃性能及び弾丸や破片などの高速飛翔体から人体などを保護するための耐弾性能に優れ、且つ、軽量の、防刃チョッキ、防弾チョッキ、防弾ヘルメット、防刃手袋など身体の一部及び全体を刃物、弾丸から守護する衣料、具材、また、警棒、警杖、刺股、盾など携帯用防護用具、更には、車両、舟艇、航空機、ヘリコプターなどに用いる防護材、防弾板などを好適に作製することのできる耐衝撃性繊維強化複合材を提供することである。

上記目的は本発明に係る耐衝撃性繊維強化複合材にて達成される。要約すれば、本発明は、引張強度が17cN/dtex以上、引張弾性率が450cN/dtex以上の高強度繊維にて形成される繊維シートと、マトリックス樹脂とを有する耐衝撃性繊維強化複合材において、
前記マトリックス樹脂として、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂を、前記繊維に対して3〜100重量%含有することを特徴とする耐衝撃性繊維強化複合材である。
本発明の一実施態様によると、前記アイオノマー樹脂は、比重が0.93〜0.97で、曲げ弾性率が100〜330MPaである。
アイオノマー樹脂を繊維シートに含浸させる方法としては、アイオノマーフィルムラミネートし、加熱圧着させる方法、ペレット若しくはパウダーを加熱圧着させる方法、アイオノマー分散液にディッピングする方法を採用し得る。
本発明の他の実施態様によると、前記繊維シートは、織布、編布若しくは不織布とされる布帛を単独で或いは組み合わせて1層以上積層して形成されるか、又は、高強度繊維を一方向に配列した繊維層を繊維の配向角度が互いに異なるように積層して形成されるか、又は、これら各種の布帛及び一方向配列繊維層を組み合わせて形成される。
本発明の他の実施態様によると、前記高強度繊維は、アラミド繊維ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維ベンズアゾール繊維炭素繊維、及び高強度ガラス繊維を、単独で、或いは、複数種の繊維を組み合わせて使用する。

図面の簡単な説明

図1は、本発明に係る耐衝撃性繊維強化複合材の一実施例の断面構成図である。
図2は、繊維シートの一構成例を示す斜視図である。
図3は、繊維シートの他の構成例を示す斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明に係る耐衝撃性繊維強化複合材を更に詳しく説明する。
図1に、本発明に係る耐衝撃性繊維強化複合材の一実施例の断面構成を示す。本実施例にて、耐衝撃性繊維強化複合材1は、高強度繊維fにて形成される繊維シート2と、この繊維シート2に含浸された樹脂、即ち、マトリックス樹脂3とを有する。
前記繊維シート2は、図2(A)、(B)に一例を示すように、織布、編布などの布帛2a(図2(A))、或いは、不織布(図2(B))のような布帛2bとすることができる。布帛2a、2bにおける目付量は、限定されるものではないが、通常、30〜500g/m2とされる。また、繊維シート2は、このような布帛2a或いは2bを、即ち、織布、編布若しくは不織布などとされる布帛を単独で1層以上積層して、又は、異なる種類の布帛を組み合わせて1層以上積層して形成することができる。
又、別法として、図3(A)、(B)に一例を示すように、高強度繊維fを一方向に配列して形成される繊維層を複数層、例えば、3層以上積層した繊維層積層体(繊維層2a、2b、2c)とすることもできる(図3(A))。このとき、各繊維層2a、2b、2cは、好ましくは、各繊維層積層体にて網目構造が形成されるように、各繊維層2a、2b、2cの繊維の配向角度αa、αb、αcが互いに異なる角度とされる。一例を挙げれば、例えば、配向角度αa=+30〜65°、αb=0°、αc=−30〜65°とされる。
又、図3(B)に示すように、繊維層積層体は、上記3層構成とするのではなく、配向角度αaが90°とされる繊維層2aと、配向角度αbが0°とされる繊維層2bとを積層した2層構成の繊維層積層体(繊維層2a、2b)とすることもできる。更に、この2層からなる繊維層積層体(2a、2b)を2枚以上積層して使用することも可能である。
更には、図2に示す各種の布帛と、図3に示す一方向配列繊維層を組み合わせて形成することも可能である。
本発明によれば、繊維シート2を形成する繊維fは、耐刃性能、耐弾性能(弾道抵抗性)及び軽量性を確保するために、引張強度が17cN/dtex以上、引張弾性率が450cN/dtex以上の高強度繊維であることが必要である。
斯かる高強度繊維としては、上記特開平8−189797号公報に記載する高強度高弾性率のポリエチレン繊維を使用することができ、その他にも、高強度繊維としては、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、ベンズアゾール繊維などの高強度有機繊維、及び、炭素繊維、高強度ガラス繊維などの高強度無機繊維を、単独で、或いは、複数種の繊維を組み合わせて使用することができる。
マトリックス樹脂3として、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂が使用される。
つまり、アイオノマー樹脂は、ポリエチレン分子鎖カルボン酸基の側鎖があり、このカルボン酸基の一部が金属陽イオン(Na+或いはZn++)によって分子鎖間で架橋された構造を有し、強靱性弾力性屈曲性に優れ、極めて良好な耐衝撃特性を有している。
通常、本発明に使用されるアイオノマー樹脂は、比重が0.93〜0.97で、曲げ弾性率が100〜330MPaである。
本発明によれば、このようなアイオノマー樹脂をマトリックス樹脂3として、高強度繊維f、即ち、繊維シート2に対して3〜100重量%含有させることにより、耐刃、耐弾性能に優れ、耐衝撃性繊維強化複合材1を提供することができる。
マトリックス樹脂量が、100重量%を越えると、上記特開平8−189797号公報に記載するような防護材料と比較して、耐刃、耐弾性能に優れた複合材が得られなくなり、また、3重量%未満では、繊維シート2の各繊維f間に樹脂3が充填されなくなり、剛性及び保形性が急激に悪化する。
本実施例の耐衝撃性繊維強化複合材1は、任意の方法にて作製することができるが、通常、上記構成の繊維シート2にマトリックス樹脂3を含浸させてプリプレグシートを作製し、このプリプレグシートを所望枚数積層して、金型にて加熱加圧して所定形状に賦形することにより、耐衝撃性繊維強化複合材1を利用した防護製品が得られる。
また、それ以外の作製方法としては、アイオノマーフィルムをラミネートし、加熱圧着させる方法、また、例えばペレット若しくはパウダーとされる粉体状ののアイオノマー樹脂を付着後、加熱圧着などにより溶融含浸させる方法、更には、アイオノマーを分散させた液を調製し、そこへ前記繊維シートをディッピングし、引き続き乾燥工程により作製する方法などを用いることも可能である。
また、このプリプレグシートを所要枚数積層し縫合した場合、或いは、このプリプレグシートと繊維シート2を所要枚数積層し縫合した場合は、柔軟性のある防護製品が得られる。
つまり、耐衝撃性繊維強化複合材1としてのプリプレグシートは、防弾板のような板形状に成形することもできるし、又、防弾ヘルメットなどに成形することもできる。また、このプリプレグシートを所要枚数積層し縫合した場合、或いは、このプリプレグシートと繊維シート2を所要枚数積層し縫合した場合は、柔軟性のある防刃チョッキ、防弾チョッキを作製することができる。
本発明の耐衝撃性繊維強化複合材1によれば、高強度繊維fからなる繊維シート2が、強靱性、弾力性、屈曲性に優れ、極めて良好な耐衝撃特性を有したアイオノマー樹脂により被覆、即ち、含浸された構造とされるので、外部より複合材1に加えられた、例えば、弾丸や破片などの高速飛翔体による衝撃が、アイオノマー樹脂3、及び、高強度繊維fからなる繊維シート2により十分に吸収され、弾丸に対する優れた耐弾性能、及び、刃物に対する優れた耐刃性能を有することとなる。しかも、本発明の耐衝撃性繊維強化複合材1は、軽量であり、着用性、取扱性、操作性において優れている。
本発明の効果に関しては、以下の理由が考えられる。
つまり、アイオノマー樹脂が含浸されていない場合、飛翔体などから衝撃を受けた場合、その衝撃部位に存在する繊維束とその近傍の繊維束のみが、エネルギーを吸収する傾向にある。一方、アイオノマー樹脂が含浸されている場合、アイオノマー樹脂は、耐衝撃性に優れ且つ接着性に優れているため繊維束が適度に一体化されており、そのために、衝撃部位のみならず、周辺の繊維束まで含めてエネルギー吸収が可能になる。そのために、アイオノマー樹脂を含浸されたシートからなる繊維シート材は、優れた衝撃吸収能力を有すると共に、衝撃による適度の変形を防ぐことが可能となっているものと考えられる。また、アイオノマー成分中には金属イオンが含有されているために金属弾との親和力が高く、そのために、被弾時に金属弾との相互作用が大きく、金属弾の頭部を大変形させる効果が大きく、アイオノマー含浸繊維シートの耐衝撃性と耐変形性能を向上させる効果が発現しているものと考えられる。
アイオノマー含浸繊維シートは、防刃材料としても優れた特性を有している。耐衝撃性と耐擦過性に優れるアイオノマーフィルムは、ゴルフボール用途で多用される材料である。したがって、アイオノマー含浸繊維シートの場合、アイオノマー自体の耐衝撃性と耐擦過性が、刃物などの鋭利なものに対する強靱性に有益に寄与し、またアイオノマーが接着材として繊維シートの繊維束を一体化させ応力を分散させることも防刃材料として優れた性能に寄与しているものと考えられる。
次に、本発明の耐衝撃性繊維強化複合材1を実施例に即して更に説明する。
実施例1、2、3
引張強度37cN/dtex、引張弾性率1150cN/dtexのPBO繊維東洋紡績株式会社、商品名「ザイロン」)を用いて、目付け135g/m2の平織物を製造し、これを繊維シート2として使用した。
この繊維シート2に、マトリックス樹脂3として、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名「ハイミラン」)を、前記強化繊維に対して60重量%含浸させ、プリプレグを作製した。
次いで、このプリプレグ10枚と繊維シート2を40枚積層し、合計50枚縫合し、実施例1とした。また、このプリプレグ20枚と繊維シート2を30枚積層し、合計50枚縫合し、実施例2とした。また、このプリプレグ30枚と繊維シート2を20枚積層し、合計50枚縫合し、実施例3とした。
比較例1、2、3、4
マトリックス樹脂3として、120℃、5分で硬化する末端鎖にビニル基を有するブタジエン/アクリロニトリル共重合体のエラストマーをビニルエステル樹脂中に40重量%溶解させたものを使用した以外は、上記実施例1〜3と同様にして比較例1、2、3を成形した。
また、繊維シート2を50枚積層し、縫合して比較例4を作製した。
上記実施例1〜3及び比較例1〜4のサンプルについて、耐刃性能、耐衝撃性能の評価を行った。
(耐刃性能評価)
耐刃性能評価は、被試験資材の裏に厚み40mmのウレタンを置き、アイスピックバタフライナイフ加重掛け垂直落下させ、刃先の貫通深さによって性能評価を行った。アイスピックは、高久産業(株)製パイロットシリーズ1本爪、爪長148mmを使用した。バタフライナイフは、(株)瀬戸金型刃物工業製SETOバタフライシリーズSK−49W、刃渡り70mmを使用した。また、衝撃エネルギー発生方法は、以下の表1に示す方法で行った。

表2及び表3に、各サンプルの耐刃性能を評価した結果を示す。表2及び表3にて、横軸はエネルギー量、縦軸に被検査資材、表中の数字は貫通深さ(mm)を示す。

実施例1〜3は貫通深さが少なく、アイスピックに対し耐刃性能が高いことを示している。

実施例1〜3は貫通深さが少なく、バタフライナイフに対し耐刃性能が高いことを示している。
(耐衝撃性能評価)
耐衝撃性能評価は、被試験資材の裏に100mm厚の粘土を置き、44口径の発射装置から15.6gの重さの弾丸を上記サンプルに対し、5mの距離から直角に発射し、弾丸の速度を測定し、衝撃のエネルギー量を計算し、それに対する被試験資材の粘土方向への凹み量を測定し、耐衝撃性能を評価した。
表4に、各サンプルの耐衝撃性能を評価した結果を示す。

実施例1〜3は凹み量が少なく、耐衝撃性能が高いことを示している。

以上説明したように、本発明の耐衝撃性繊維強化複合材は、引張強度が17cN/dtex以上、引張弾性率が450cN/dtex以上の高強度繊維にて形成される繊維シートと、マトリックス樹脂とを有する耐衝撃性繊維強化複合材において、マトリックス樹脂として、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂を、強化繊維に対して3〜100重量%含有する構成とされるので、刃物に対する耐刃性能及び弾丸や破片などの高速飛翔体から人体などを保護するための耐弾性能に優れ、且つ、軽量の、防刃チョッキ、防弾チョッキ、防弾ヘルメット、防刃手袋など身体の一部及び全体を刃物、弾丸から守護する衣料、具材、また、警棒、警杖、刺股、盾など携帯用防護用具、更には、車両、舟艇、航空機、ヘリコプターなどに用いる防護材、防弾板などを好適に作製することができる。

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