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図面 (7)

課題・解決手段

本発明は、血中滞留性がより向上した、ポリアルキレングリコール類アルブミンとが結合しているリポソームを提供する。

概要

背景

リポソーム脂質二重膜からなる、脂質カプセルであり、種々の薬物のキャリアーとして、主に注射剤を中心に研究されている。さらに最近では遺伝子治療の際の遺伝子の運搬体としての応用も盛んに研究されている。既に抗真菌薬アンホテリシンB抗ガン剤ドキソルビシンダウノルビシン造影剤インジウム等がリポソーム製剤として市販されている(非特許文献1)。
リポソームは生体適合性の脂質で構成されてはいるものの、静脈内投与後には免疫系による異物認識を受けるため、速やかに血中から消失することが知られている。従って、投与後の薬物の作用が長続きしないことが最大の欠点である。これらの欠点を解決するために、糖蛋白糖脂質リポソーム表面化学修飾する方法、グルクロン酸誘導体を結合させる方法等が報告されているが、製剤化に至ったものはない。
これに対して、1990年代になってリポソーム表面を親水性ポリエチレングリコールで化学修飾することで、免疫系による認識を回避し、リポソームの血中滞留性を向上させることによって、薬物の作用を持続させる技術が広く知られており、前出の市販リポソーム製剤もこの技術を応用したものである。また、シスプラチンビンクリスチンカンプトテシン等の抗ガン剤にも広く応用検討がされている(非特許文献2)。
また、リポソームの表面修飾ガン細胞肝臓実質細胞への薬物のターゲッティングを目的とした研究でも盛んに行われており、抗体(非特許文献1)やトランスフェリンを結合させてガン細胞を認識させる方法、種々の糖鎖を結合させて肝臓実質細胞へ取り込ませる方法等が報告されている。これらの化学修飾において、アルブミンスペーサーとして利用することが報告されている(非特許文献3)。
Troy O.Harasym,Marcel B.Bally,Paul Tardi,”Clearance properties of liposomes involving conjugated proteins for targeting”,Advanced Drug Dlivery Reviews,1998,vol.32,p.99−118. Naoto Oku,Yoshihiro Tokudome,Tomohiro Asai and Hideo Tsukada,”Evaluation of Drug Targeting Strategies and Liposomal Trafficking”,Current Pharmaceutical Design,2000,vol.6,p.1669−1691.小島周二、曽川祐介、田芳香、山嵜登、「シアル酸修飾による糖蛋白質結合リポソームの細網内皮系への取り込み抑制と促進に関する検討」、Drug Delivery System,2002,vol.17−1,p.63−68

概要

本発明は、血中滞留性がより向上した、ポリアルキレングリコール類とアルブミンとが結合しているリポソームを提供する。

目的

また、リポソームの表面修飾はガン細胞や肝臓実質細胞への薬物のターゲッティングを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

請求項2

さらに、生理活性成分を含有している請求の範囲第1項に記載のリポソーム。

請求項3

生理活性成分が医薬活性物質である請求の範囲第2項に記載のリポソーム。

請求項4

医薬活性物質が抗腫瘍剤である請求の範囲第3項に記載のリポソーム。

請求項5

請求の範囲第2項〜第4項に記載のリポソームを含んでいる医薬組成物

請求項6

注射剤である請求の範囲第5項に記載の医薬組成物。

請求項7

ポリアルキレングリコール類とアルブミンとが結合していて、かつ抗腫瘍剤を含有しているリポソームを含む医薬組成物を投与することを特徴とするガン治療方法

請求項8

ポリアルキレングリコール類とアルブミンとが結合していて、かつ生理活性成分を含有しているリポソームの、生理活性成分の体内滞留時間延長のための使用。

請求項9

下記式(1);(式中、Rは、炭素数2〜35の脂肪酸由来アシル基を示す。)で示される化合物構成脂質として有するリポソームとアルブミンとを結合させるか、下記式(2);(式中、Rは上記定義に同じ。)で示される化合物を構成脂質として有するリポソームと、式(3);(Alb−NH)−CO−CH2−CH2−SH(3)(式中、Alb−NHは、Alb−NH2で表されるアルブミン分子からそのアミノ基の1個の水素原子を除去して形成される基を示す。)で示される化合物とを結合させるか、下記式(4);(式中、nは5〜100,000の整数を示す。Rは上記定義に同じ。)で示される化合物を構成脂質として有するリポソームと、式(5);(Alb−NH)−CO−CH2−SH(5)(式中、Alb−NHは、上記定義に同じ。)で示される化合物とを結合させるか、下記式(6);(式中、n、RおよびAlb−NHは、上記定義に同じ。)で示される化合物をリポソームに挿入するか、上記式(1)で示される化合物を構成脂質として有するリポソームと、下記式(7);(式中、−NH−Alb−NH2は、H2N−Alb−NH2で表されるアルブミン分子の1個のアミノ基から水素原子1個を除去して形成される基を示す。nは上記定義に同じ。)で示される化合物とを結合させるか、上記式(2)で示される化合物を構成脂質として有するリポソームと、下記式(8);(式中、−NH−Alb−NH−は、H2N−Alb−NH2で表されるアルブミン分子から、その2つのアミノ基のそれぞれ1個づつの水素原子を除去して形成される基を示す。nは上記定義に同じ。)で示される化合物とを結合させる、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のリポソームの製造方法。

技術分野

本発明は、優れた血中滞留性を有するリポソームに関する。

背景技術

リポソームは脂質二重膜からなる、脂質カプセルであり、種々の薬物のキャリアーとして、主に注射剤を中心に研究されている。さらに最近では遺伝子治療の際の遺伝子の運搬体としての応用も盛んに研究されている。既に抗真菌薬アンホテリシンB抗ガン剤ドキソルビシンダウノルビシン造影剤インジウム等がリポソーム製剤として市販されている(非特許文献1)。
リポソームは生体適合性の脂質で構成されてはいるものの、静脈内投与後には免疫系による異物認識を受けるため、速やかに血中から消失することが知られている。従って、投与後の薬物の作用が長続きしないことが最大の欠点である。これらの欠点を解決するために、糖蛋白糖脂質リポソーム表面化学修飾する方法、グルクロン酸誘導体を結合させる方法等が報告されているが、製剤化に至ったものはない。
これに対して、1990年代になってリポソーム表面を親水性ポリエチレングリコールで化学修飾することで、免疫系による認識を回避し、リポソームの血中滞留性を向上させることによって、薬物の作用を持続させる技術が広く知られており、前出の市販リポソーム製剤もこの技術を応用したものである。また、シスプラチンビンクリスチンカンプトテシン等の抗ガン剤にも広く応用検討がされている(非特許文献2)。
また、リポソームの表面修飾ガン細胞肝臓実質細胞への薬物のターゲッティングを目的とした研究でも盛んに行われており、抗体(非特許文献1)やトランスフェリンを結合させてガン細胞を認識させる方法、種々の糖鎖を結合させて肝臓実質細胞へ取り込ませる方法等が報告されている。これらの化学修飾において、アルブミンスペーサーとして利用することが報告されている(非特許文献3)。
Troy O.Harasym,Marcel B.Bally,Paul Tardi,”Clearance properties of liposomes involving conjugated proteins for targeting”,Advanced Drug Dlivery Reviews,1998,vol.32,p.99−118. Naoto Oku,Yoshihiro Tokudome,Tomohiro Asai and Hideo Tsukada,”Evaluation of Drug Targeting Strategies and Liposomal Trafficking”,Current Pharmaceutical Design,2000,vol.6,p.1669−1691.小島周二、曽川祐介、田芳香、山嵜登、「シアル酸修飾による糖蛋白質結合リポソームの細網内皮系への取り込み抑制と促進に関する検討」、Drug Delivery System,2002,vol.17−1,p.63−68

本発明は、血中滞留性がより向上したリポソームを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、リポソームにポリエチレングリコール(以下、PEGと略称することもある。)とアルブミンを同時に結合することで、相乗効果的にリポソームの血中滞留性が向上することを見いだした。さらにPEG単独の修飾では血中滞留性において効果が殆ど認められない程度のPEGの修飾量においても、アルブミンを併用修飾することで、明らかな効果が認められることを見いだした。なお、PEGとアルブミンをリポソーム表面に結合させる報告は未だ無い。
すなわち、本発明は、
(1)ポリアルキレングリコール類とアルブミンとが結合しているリポソーム、
(2) さらに、生理活性成分を含有している前記(1)に記載のリポソーム、
(3) 生理活性成分が医薬活性物質である前記(2)に記載のリポソーム、
(4) 医薬活性物質が抗腫瘍剤である前記(3)に記載のリポソーム、
(5) 前記(2)〜(4)に記載のリポソームを含んでいる医薬組成物
(6)注射剤である前記(5)に記載の医薬組成物、
(7) ポリアルキレングリコール類とアルブミンとが結合していて、かつ抗腫瘍剤を含有しているリポソームを含む医薬組成物を投与することを特徴とするガン治療方法
(8) ポリアルキレングリコール類とアルブミンとが結合していて、かつ生理活性成分を含有しているリポソームの、生理活性成分の体内滞留時間延長のための使用、
(9)下記式(1);

(式中、Rは、炭素数2〜35の脂肪酸由来アシル基を示す。)
で示される化合物構成脂質として有するリポソームとアルブミンとを結合させるか、
下記式(2);

(式中、Rは上記定義に同じ。)
で示される化合物を構成脂質として有するリポソームと、
式(3);(Alb−NH)−CO−CH2−CH2−SH (3)
(式中、Alb−NHは、Alb−NH2で表されるアルブミン分子からそのアミノ基の1個の水素原子を除去して形成される基を示す。)
で示される化合物とを結合させるか、
下記式(4);

(式中、nは5〜100,000の整数、好ましくは10〜1,200の整数を示す。Rは上記定義に同じ。)
で示される化合物を構成脂質として有するリポソームと、
式(5);(Alb−NH)−CO−CH2−SH (5)
(式中、Alb−NHは、上記定義に同じ。)
で示される化合物とを結合させるか、
下記式(6);

(式中、n、RおよびAlb−NHは、上記定義に同じ。)
で示される化合物を、リポソームに挿入するか、
上記式(1)で示される化合物を構成脂質として有するリポソームと、下記式(7);

(式中、−NH−Alb−NH2は、H2N−Alb−NH2で表されるアルブミン分子の1個のアミノ基から水素原子1個を除去して形成される基を示す。nは上記定義に同じ。)
で示される化合物とを結合させるか、
上記式(2)で示される化合物を構成脂質として有するリポソームと、下記式(8);

(式中、−NH−Alb−NH−は、H2N−Alb−NH2で表されるアルブミン分子から、その2つのアミノ基のそれぞれ1個づつの水素原子を除去して形成される基を示す。nは上記定義に同じ。)
で示される化合物とを結合させる、
ことを特徴とする前記(1)に記載のリポソームの製造方法、
に関する。
上記化合物(1)、(2)、(4)および(6)におけるRは、炭素数2〜35の飽和または不飽和の脂肪酸由来のアシル基を示す。前記脂肪酸は、より好ましくは炭素数6〜18、もっとも好ましくは炭素数8〜16である。そのような脂肪酸としては、具体的には、オクタン酸(好ましくは、カプリル酸)、デカン酸(好ましくは、カプリン酸)、ドデカン酸(好ましくは、ラウリル酸)、ヘキサデカン酸(好ましくは、パルミチン酸)、オクタデカン酸(好ましくはステアリン酸)、それらのモノエン又はポリエン脂肪酸(好ましくはオレイン酸)等が挙げられる。また、そのような脂肪酸由来のアシル基の具体例としては、オクタノイル基(好ましくはカプリロイル基)、デカノイル基(好ましくはカプリノイル基)、ドデカノイル基(好ましくは、ラウロイル基)、ヘキサデカノイル基(好ましくは、パルミトイル基)、オクタデカノイル基(好ましくは、ステアロイル基)等が挙げられ、1個またはそれ以上の二重結合を有していてもよい(例えば、オレオイル基)。

図面の簡単な説明

第1図は、試験例において測定したリポソームの血中濃度経時変化を示す図である。
第2図は、実施例1方法1のリポソーム製造工程を示す模式図である。(a)は、NGPEを含有しているPEG修飾リポソームの模式図である。図中のR’はオレオイル基を示す。かかるリポソーム中の1のNGPEのみ化学式を示している。実施例1方法1(2)の工程において、NGPEの矢印で示したカルボキシル基にWSCが結合し、(b)の模式図で示したリポソームが得られる。(b)においては、NGPEとWSCとの結合のうち1の結合のみを化学式を用いて詳しく示しているが、他の結合も同一である。ついで、矢印で示したカルボニルオキシ基ヒト血清アルブミン(rHSA)のアミノ基が結合し、(c)の模式図で示した目的のリポソームが得られる。(c)においては、NGPEとrHSAとの結合のうち1の結合のみを化学式を用いて詳しく示したが、他の結合も同一である。また、DSPEとPEGとの結合についても1の結合のみを化学式を用いて詳しく示しているが、他の結合も同一である。なお、Rはステアロイル基を示す。
第3図は、実施例1方法2のリポソーム製造工程を示す模式図である。実施例1方法2(1)の工程においてDOPEとSPDPを結合させてDTP−DOPEを製造し、(2)の工程において、かかるDTP−DOPEとPEG結合DSPEとを構成脂質として用いて(a)の模式図で示したリポソームを製造する。図中のR’はオレオイル基を示す。かかるリポソーム中の1のDTP−DOPEのみ化学式を示している。かかるリポソームにおいて、DTP−DOPEのジチオ基に対して、(3)の工程において製造されたSH化ヒト血清アルブミン(rHSA)(図中の(b))のメルカプト基を反応させると、(c)の模式図で示した目的のリポソームが得られる。(c)においては、DTP−DOPEとrHSAとの結合のうち1の結合のみを化学式を用いて詳しく示したが、他の結合も同一である。また、DSPEとPEGとの結合についても1の結合のみを化学式を用いて詳しく示しているが、他の結合も同一である。なお、図中のRはステアロイル基を示す。
第4図は、実施例2方法1のリポソーム製造工程を示す模式図である。(a)は、実施例2方法1(2)の工程において製造されるSH化rHSAの模式図である。(b)は、実施例2方法1(1)の工程において製造されるmaleimide−PEG修飾リポソームの模式図である。(b)においては、リポソーム中の1のmaleimide−PEG−DSPEのみ化学式を示している。(a)の模式図で示されるSH化rHSAと、(b)の模式図で示されるリポソームとを反応させることにより、(c)の模式図で示した目的のリポソームが得られる。ここで、マレイミド基を介したPEGとrHSAとの結合のうち1の結合のみを化学式を用いて詳しく示しているが、他の結合も同一である。なお、図中のRはステアロイル基を示す。
第5図は、実施例2方法2のリポソーム製造工程を示す模式図である。(a)はmaleimide−PEG修飾DSPEの化学式を示す。(b)は、実施例2方法2(2)の工程において製造されるSH化rHSAの模式図である。(b)の模式図で示されるSH化rHSAと、(a)の模式図で示される脂質とを反応させることにより、(c)の模式図で示されるrHSA−PEG−DSPE複合体を得ることができる。これを予め製造したリポソームに挿入することにより、(d)の模式図で示される目的のリポソームが得られる。ここで、マレイミド基を介したPEGとrHSAとの結合、および前記PEGとリポソームとの結合のうち1の結合のみを化学式を用いて詳しく示しているが、他の結合も同一である。なお、図中のRはステアロイル基を示す。
第6図は、実施例3方法1のリポソーム製造工程を示す模式図である。(a)は、NGPEを含有しているPEG修飾リポソームの模式図である。図中のR’はオレオイル基を示す。かかるリポソーム中の1のNGPEのみ化学式を示している。実施例3方法1(4)の工程において、NGPEの矢印で示したカルボキシル基にWSCが結合し、(b)の模式図で示したリポソームが得られる。(b)においては、NGPEとWSCとの結合のうち1の結合のみを化学式を用いて詳しく示しているが、他の結合も同一である。(c)は、実施例3方法1(2)の工程において製造されるSH化rHSAの模式図である。(c)の模式図で示されるSH化rHSAと、(d)の模式図で示されるmaleimide−PEG修飾DSPEとを反応させることにより、(e)の模式図で示されるマレイミド基を介してポリエチレングリコールが結合しているアルブミンを得ることができる。(b)の模式図で示したリポソームと(e)の模式図で示されるアルブミンとを反応させることにより、矢印で示したカルボニルオキシ基にrHSAのアミノ基が結合し、(f)の模式図で示した目的のリポソームが得られる。ここで、マレイミド基を介したPEGとrHSAとの結合、および前記rHSAとリポソームとの結合のうち1の結合のみを化学式を用いて詳しく示しているが、他の結合も同一である。
第7図は、実施例3方法2のリポソーム製造工程を示す模式図である。実施例3方法2(1)の工程においてDOPEとSPDPを結合させてDTP−DOPEを製造し、(2)の工程において、かかるDTP−DOPEを構成脂質として用いて(a)の模式図で示したリポソームを製造する。図中のR’はオレオイル基を示す。(b)は、実施例3方法1(3)の工程において製造されるSH化rHSAの模式図である。(b)の模式図で示されるSH化rHSAと、(c)の模式図で示されるmaleimide−PEG修飾DSPEとを反応させることにより、(d)の模式図で示されるマレイミド基を介してポリエチレングリコールが結合しているアルブミンを得ることができる。(5)の工程において、前記アルブミンのアミノ基をメルカプト基に変換することにより、(e)の模式図で示されるアルブミンを得ることができる。(a)の模式図で示したリポソームと(e)の模式図で示されるアルブミンとを反応させることにより、矢印で示したジチオ基にアルブミンのメルカプト基が結合し、(f)の模式図で示した目的のリポソームが得られる。

発明を実施するための最良の形態

通常、「リポソーム」とは、膜状に集合した脂質及び内部の水相から構成される閉鎖小胞を意味するが(D.D.Lasic、「liposomes:frombasicto applications」、Elsevier Science Publishers、pp.1−171(1993)参照。)、本発明においては、特に内水相を有しているか否かに関わらず、脂質が集合化した微粒子全体を意味する。また、本発明のリポソームの構造も特に限定されず、多重層リポソームであってもよいし、一枚膜リポソームであってもよい。
本発明のリポソームの大きさは特に限定されないが、体積平均粒子径が約10〜5000nm程度、好ましくは約50〜500nm程度である。リポソームの体積平均粒子径は、動的光散乱法等の原理に基づき求めることができる(D.D.Lasic、「Liposomes:from basic to applications」、Elsevier Science Publishers、pp.1−171(1993)参照)。
本発明のリポソームを構成する脂質も特に限定されず、公知の脂質であってよい。前記脂質としては、例えばリン脂質、糖脂質、脂肪酸、両親媒性ジアルキルジメチルアンモニウム(dialkyl dimethylammnonium amphiphiles)、ポリグリセロールアルキルエーテルポリオキシエチレンアルキルエーテル等(Liposome Technology,2nd edition,vol.1,141,1993)、アルキルグリコシドアルキルメチルグルカミド、アルキルシュークロースエステル、ジアルキルポリオキシエチレンエーテル、ジアルキルポリグリセロールエーテル等(Liposome Technology,2nd edition,vol.1,141,1993)、ポリオキシエチレンポリ乳酸等の両親媒性ブロック共重合体等(特表平6−508831号公報)、長鎖アルキルアミン類(テトラデシルアミンヘキサデシルアミンステアリルアミン等)、または長鎖脂肪酸ヒドラジド類ミリスチン酸ヒドラジド、パルミチン酸ヒドラジドもしくはステアリン酸ヒドラジド等)などを挙げることができる。
前記リン脂質としては、例えばホスファチジルコリン大豆ホスファチジルコリン卵黄ホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンもしくはジステアロイルホスファチジルコリン等)、ホスファチジルエタノールアミン(ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミンもしくはジステアロイルホスファチジルエタノールアミン等)、ホスファチジルセリン(ジラウロイルホスファチジルセリン、ジミリストイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリンもしくはジステアロイルホスファチジルセリン等)、ホスファチジン酸ホスファチジルグリセロール(ジラウロイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロールもしくはジステアロイルホスファチジルグリセロール等)、ホスファチジルイノシトール(ジラウロイルホスファチジルイノシトール、ジミリストイルホスファチジルイノシトール、ジパルミトイルホスファチジルイノシトールもしくはジステアロイルホスファチジルイノシトール等)、リゾホスファチジルコリンスフィンゴミエリン卵黄レシチン大豆レシチンまたは水素添加リン脂質等の天然または合成のリン脂質等が挙げられる。
前記糖脂質としては、例えばグリセロ糖脂質スフィンゴ糖脂質ステロール類等が挙げられる。前記グリセロ糖脂質としては、ジガラクトシルジグリセリド類(ジガラクトシルジラウロイルグリセリド、ジガラクトシルジミリストイルグリセリド、ジガラクトシルジパルミトイルグリセリドもしくはジガラクトシルジステアロイルグリセリドなど)、またはガラクトシルジグリセリド類(ガラクトシルジラウロイルグリセリド、ガラクトシルジミリストイルグリセリド、ガラクトシルジパルミトイルグリセリドもしくはガラクトシルジステアロイルグリセリド等)等が挙げられる。前記スフィンゴ糖脂質としては、例えばガラクトシルセレブロシドラクトシルセレブロシドまたはガングリオシド等が挙げられる。前記ステロール類としては、例えば、コレステロール、コレステロールヘミサクシネート、3β−[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタンカルバモイル]コレステロール、エルゴステロールまたはラノステロール等が挙げられる。
本発明においては、これらの脂質は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いるポリアルキレングリコール類としては、特に限定されないが、アルキレン鎖が炭素数1〜6程度のものが好ましい。また、アルキレン鎖は、本発明に支障のない置換基、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基などで置換されていてもよい。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコールなどを用いることができるが、ポリエチレングリコールを用いることが特に好ましい。ポリアルキレングリコール類の分子量は特に限定されないが、分子量が約200〜400万程度のもの、好ましくは約1,000〜50,000程度のものを用いることができる。ポリエチレングリコールを用いる場合には、特に上記分子量のものが好ましい。
本発明において、ポリアルキレングリコール類の含有量は特に限定されないが、リポソームを構成する総脂質量に対して約0.5〜30モル%程度が好ましい。
本発明で用いるアルブミンは、特に限定されないが、例えば、卵アルブミン血清アルブミン乳アルブミンもしくは筋アルブミン(ミオゲン)などの動物性アルブミン、または例えば、ロイコシンレグリンもしくはリシンなどの植物性アルブミンなどが挙げられる。中でも、本発明においては投与対象と同一動物の血清アルブミンを用いることが好ましい。また、本発明で用いるアルブミンは、遺伝子組換え技術により得られるアルブミンであってもよい。前記アルブミンは、野生型アルブミンと同一のアミノ酸配列を有していてもよいし、本発明の目的に反しない限り、1ないし複数個、好ましくは1〜数個アミノ酸欠失、置換または付加している変異型アルブミンであってもよい。このようなアルブミンは、公知の技術に従って容易に作製することができる。本発明においては、感染の危険性がないことから、遺伝子組換えアルブミンを用いることが好ましい。
本発明において、アルブミンの含有量は特に限定されないが、リポソームを構成する総脂質量に対して約0.0001〜10モル%程度が好ましい。
本発明のリポソームは、上述したポリアルキレングリコール類とアルブミンとを含有していれば、どのような構造をとっていてもよい。ポリアルキレングリコール類とアルブミンとの結合の位置結合の様式はどのようなものでもよい。しかし、本発明のリポソームは、ポリアルキレングリコール類とアルブミンとを表面に有していることが好ましい。また、ポリアルキレングリコール類およびアルブミンは、リポソームに対して、例えば吸着電気的結合物理的結合ファンデルワールス力など)、化学結合など、どのような形式で結合していてもよいが、化学結合により結合していることが好ましい。
本発明のリポソームの好ましい態様としては、(a)ポリアルキレングリコール類とアルブミンとがそれぞれリポソームに結合している場合が挙げられる。また、(b)ポリアルキレングリコール類を介して、リポソームとアルブミンとが結合している場合が挙げられる。すなわち、ポリアルキレングリコール類にリポソームが結合し、その結合部位とは異なる部位でアルブミンがポリアルキレングリコール類に結合している場合である。さらに、(c)アルブミンを介して、リポソームとポリアルキレングリコール類とが結合している場合が挙げられる。すなわち、アルブミンにリポソームが結合し、その結合部位とは異なる部位でポリアルキレングリコール類がアルブミンに結合している場合である。本発明においては、前記(a)〜(c)の態様のリポソームが混在していてもよい。
本発明にかかるリポソームは、公知技術を用いて製造することができる。本発明にかかるリポソームの好ましい製造方法を、上記3つの実施態様に分けて下記に説明する。
(a)ポリアルキレングリコール類とアルブミンとがそれぞれリポソームに結合している場合、本発明にかかるリポソームの製造方法としては、(i)ポリアルキレングリコール類が結合しているリポソームに、アルブミンを結合させる方法、(ii)アルブミンが結合しているリポソームに、ポリアルキレングリコール類を結合させる方法、(iii)ポリアルキレングリコール類が結合している脂質と、アルブミンが結合している脂質とを用いて、リポソームを製造する方法等が挙げられる。
上記(i)の方法において、ポリアルキレングリコール類が結合しているリポソームは、公知の方法を用いて容易に製造することができる。例えば、ポリアルキレングリコール類が結合している脂質を用いてリポソームを製造するという方法が挙げられる。前記「ポリアルキレングリコール類が結合している脂質」としては、ポリアルキレングリコール類修飾リン脂質、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルポリアルキレングリコールヒマシ油誘導体またはポリアルキレングリコールソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。これら脂質の「ポリアルキレングリコール」部分はポリエチレングリコールが好ましい。「ポリアルキレングリコール類が結合している脂質」としては、ポリエチレングリコール修飾リン脂質が好ましく、リン脂質がホスファチジルエタノールアミン類であるものがより好ましい。
より具体的には、例えば、PEG−DSPE[1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン−N−(ポリエチレングリコール)]、
次式(11);
CH3O−(CH2CH2O)n−CO−CH2CH2−CO−NH−PE (11)
(式中、nは5〜100,000の整数、好ましくは10〜1,200の整数を示し、−NH−PEはホスファチジルアミノ基を示す。)
で表されるN−モノメトキシポリエチレングリコールサクシニルホスファチジルエタノールアミン類、
次式(12);

(式中、nおよび−NH−PEは上記同意義。)
で表されるN−モノメトキシポリエチレングリコール(2−クロロ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジイル)サクシニルホスファチジルエタノールアミン類、
次式(13);
CH3O−(CH2CH2O)n−1−CO−NH−PE (13)
(式中、nおよび−NH−PEは上記同意義。)
で表されるN−モノメトキシポリエチレングリコールカルボニルホスファチジルエタノールアミン類
または次式(14);
CH3O−(CH2CH2O)n−CH2CH2−NH−PE (14)
(式中、nおよび−NH−PEは上記同意義。)
で表されるN−モノメトキシポリエチレングリコールエチレンホスファチジルエタノールアミン類が挙げられる。
以上のような「ポリアルキレングリコール類が結合している脂質」は、公知の技術を用いて容易に製造することができ、また市販品を用いてもよい。かかる脂質を構成脂質として用いてリポソームを製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いてよい。例えば、上記脂質および水相を使用し、薄膜法、逆相蒸発法、エタノール注入法エーテル注入法、脱水再水和法等により、リポソームを製造することができ、超音波照射法、凍結融解後の超音波照射法、エクストルージョン法フレンチプレス法、ホモジナイゼーション法等の方法により、体積平均粒子径を調節することができる(D.D.Lasic、「Liposomes:from basic to applications」、Elsevier Science Publishers、pp.1−171(1993)参照。)。ここで、「水相」とは、リポソーム内部を構成する水溶液を意味し、本技術分野において通常使用されるものであれば特に制限はないが、塩化ナトリウム水溶液リン酸緩衝液もしくは酢酸緩衝液等の緩衝液グルコース水溶液トレハロース等の糖水溶液またはこれらの混合水溶液が好適である。一般に、生体内に投与されたリポソームの構造を安定に保つため、リポソームの製造に使用される水相は、リポソーム外、すなわち、体液に対して等張に近く、リポソーム内外にかかる浸透圧が小さいことが好ましい。
得られたポリアルキレングリコール類結合リポソームにアルブミンを結合するには、例えば、メルカプト基−マレイミド基カップリング手法(sulfhydryl−maleimide coupling technique)(Derksen,J.T.P.and Scherphof,G.L.(1985)Biochem.Biophys.Acta 814,p.151−155)などの公知手法を用いて容易に行うことができる。なかでも、反応性介在基を介して前記リポソームとアルブミンを結合させるという方法が好適に採用され得る。反応性介在基としては、特に限定されず、当技術分野で公知の基であってよい。
好ましい態様としては、下記方法が挙げられる。上記のようにポリアルキレングリコール類結合リポソームを作製する際に、構成脂質としてポリアルキレングリコール類が結合している脂質に加えて反応性介在基を有する脂質を用いる。反応性介在基を有する脂質としては、1,2−ジオレイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−(グルタリル)(1,2−Dioleoyl−sn−Glycero−3−Phosphoethanolamine−N−(Glutaryl)、以下「NGPE」と略称する。)が好ましい。かかる構成脂質を用いて上述のようにポリアルキレングリコール類結合リポソームを作製した後、前記リポソームが有する反応性介在基を介してアルブミンを結合させる。NGPEを用いた場合は、NGPEの末端カルボキシル基にアルブミンのアミノ基を結合させるのが好ましい。このとき、前記リポソームが有する反応性介在基の反応性を高めるための官能基を予め結合し、かかる官能基と置換させる形でアルブミンを結合してもよい。例えば、NGPEを用いた場合は、水溶性カルボジイミドを用いてNGPEに予めカルボジイミド基を結合し、前記カルボジイミド基と置換させる形でNGPEにアルブミンを結合させる。
他の好ましい態様としては、反応性介在基を有する脂質として、1,2−ジオレイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1,2−Dioleoyl−sn−Glycero−3−Phosphoethanolamine、以下「DOPE」と略称する。)のアミノ基に3−(2−ピリジルジチオプロピオネート(3−(2−pyridyldithio)propionate、以下「DTP」と略称する。)が結合している脂質(以下「DTP−DOPE」と略称する。)を用いる方法が挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコール類が結合している脂質に加えてDTP−DOPEを構成脂質として用いて、上述のようにポリアルキレングリコール類結合リポソームを作製する。一方で、アルブミンにメルカプト基を導入する。メルカプト基の導入方法は特に限定されず、公知の方法を用いてよい。好ましくは、アルブミンにDTPを導入し、ついでジチオスレイトール(dithiothreitol)と反応させることによって、メルカプト基が導入されたアルブミンを得ることができる。上記リポソームとアルブミンを反応させることにより、ポリアルキレングリコール類結合リポソームにアルブミンを結合させることができる。
上記(ii)および(iii)に記載の方法は、以上述べてきた記載に従って容易に行うことができる。
(b)ポリアルキレングリコール類を介してリポソームとアルブミンとが結合している場合、本発明にかかるリポソームの製造方法としては、(i)ポリアルキレングリコール類が結合しているリポソームを製造し、前記リポソームのポリアルキレングリコール類にアルブミンを結合させる方法、(ii)アルブミンが結合しているポリアルキレングリコール類に、アルブミンとの結合部位とは異なる部位でリポソームと結合させる方法等が挙げられる。
上記(i)の方法において、ポリアルキレングリコール類結合リポソームの製造方法は上述と同様である。前記リポソームのポリアルキレングリコール類にアルブミンを結合させるには、公知手法を用いてよい。なかでも、反応性介在基を介してポリアルキレングリコール類とアルブミンを結合させるという手法が採用され得る。反応性介在基としては、特に限定されず、当技術分野で公知の基であってよいが、マレイミド基が好適な例として挙げられる。
より具体的には、下記方法が挙げられる。ポリアルキレングリコール類が結合している脂質において、ポリアルキレングリコール類に反応性官能基を結合させておく。例えば、ポリアルキレングリコール類の水酸基にマレイミド基が結合されていることが好ましい。得られた脂質を用いて、上記と同様にしてリポソームを製造する。得られたリポソームとアルブミンとを反応させることにより、リポソームに結合しているポリアルキレングリコール類の反応性官能基を介してアルブミンが結合し、目的のリポソームが得られる。この際に、前記反応性官能基とアルブミンが結合しやすいように、アルブミンに前記反応性官能基に応じた置換基を導入するなど公知の処理を施しておいてもよい。前記反応性官能基がマレイミド基である場合は、アルブミンに予めメルカプト基を導入しておくことが好ましい。メルカプト基の導入方法は特に限定されず、公知の方法を用いてよい。より具体的には、アルブミンとアセチルチオアセテートを反応させてアルブミンのアミノ基にアセチルチオアセテートを結合させ、ついでアセチル基を脱離することにより、メルカプト基が導入されたアルブミンが得られる。
上記(ii)の方法において、ポリアルキレングリコール類とアルブミンを結合させる方法は、特に限定されず公知の手法を用いてよいが、反応性介在基を介して結合させることが好ましい。反応性介在基としては、特に限定されず、当技術分野で公知の基であってよいが、マレイミド基が好適な例として挙げられる。ついで、得られたアルブミン結合ポリアルキレングリコール類にアルブミンとの結合部位とは異なる部位でリポソームと結合させる。その方法も特に限定されず公知の手法を用いてよい。好ましくは、ポリアルキレングリコール類として、予め脂質が結合されているポリアルキレングリコール類を用い、前工程で得られたアルブミン−ポリアルキレングリコール類−脂質複合体をリポソームに挿入するという方法が挙げられる。
より具体的には、先に述べたようにしてポリアルキレングリコール類を脂質に結合させる。ついで、得られた脂質のポリアルキレングリコール類に反応性官能基を結合する。例えば、ポリアルキレングリコール類の水酸基にマレイミド基を結合されることが好ましい。ついで、得られた脂質のポリアルキレングリコール類に反応性官能基を介してアルブミンを反応させる。この際に、前記反応性官能基とアルブミンが結合しやすいように、アルブミンに前記反応性官能基に応じた置換基を導入するなど公知の処理を施しておいてもよい。前記反応性官能基がマレイミド基である場合は、アルブミンに予めメルカプト基を導入しておくことが好ましい。メルカプト基の導入方法は特に限定されず、公知の方法を用いてよい。より具体的には、アルブミンとアセチルチオアセテートを反応させてアルブミンのアミノ基にアセチルチオアセテートを結合させ、ついでアセチル基を脱離することにより、メルカプト基が導入されたアルブミンが得られる。一方で、リポソームを公知方法により作製しておき、得られたアルブミン−ポリアルキレングリコール類−脂質複合体をリポソームに挿入することにより、目的のリポソームを得ることができる。
(c)アルブミンを介して、リポソームとポリアルキレングリコール類とが結合している場合、本発明にかかるリポソームの製造方法としては、(i)ポリアルキレングリコール類が結合しているアルブミンに、ポリアルキレングリコール類との結合部位とは異なる部位でリポソームと結合させる方法、(ii)アルブミンが結合しているリポソームを製造し、前記リポソームのアルブミンにポリアルキレングリコール類を結合させる方法等が挙げられる。
上記(i)の方法において、ポリアルキレングリコール類とアルブミンを結合させる方法は、特に限定されず公知の手法を用いてよいが、反応性介在基を介して結合させることが好ましい。反応性介在基としては、特に限定されず、当技術分野で公知の基であってよいが、マレイミド基が好適な例として挙げられる。より具体的には、ポリアルキレングリコール類に反応性官能基を結合する。例えば、ポリアルキレングリコール類の水酸基にマレイミド基を結合されることが好ましい。ついで、ポリアルキレングリコール類に反応性官能基を介してアルブミンを反応させる。この際に、前記反応性官能基とアルブミンが結合しやすいように、アルブミンに前記反応性官能基に応じた置換基を導入するなど公知の処理を施しておいてもよい。前記反応性官能基がマレイミド基である場合は、アルブミンに予めメルカプト基を導入しておくことが好ましい。メルカプト基の導入方法は特に限定されず、公知の方法を用いてよい。より具体的には、アルブミンとアセチルチオアセテートを反応させてアルブミンのアミノ基にアセチルチオアセテートを結合させ、ついでアセチル基を脱離することにより、メルカプト基が導入されたアルブミンが得られる。
ついで、得られたポリアルキレングリコール類が結合しているアルブミンと、リポソームを結合する。その方法は上述したとおりである。
上記(ii)の方法において、アルブミンをリポソームに結合させる方法は上述のとおりである。ついで、前記アルブミンにポリアルキレングリコール類を結合する。その方法も、前記と同一であってよい。
上記製造方法において得られる下記中間体
式(3);(Alb−NH)−CO−CH2−CH2−SH (3)
(式中、Alb−NHは、Alb−NH2で表されるアルブミン分子からそのアミノ基の1個の水素原子を除去して形成される基を示す。)
で示される化合物、
式(5);(Alb−NH)−CO−CH2−SH (5)
(式中、Alb−NHは、上記定義に同じ。)
で示される化合物、
式(6);

(式中、Alb−NHは、上記定義に同じ。nは5〜100,000の整数、好ましくは10〜1,200の整数を示す。Rは、炭素数2〜35の飽和または不飽和の脂肪酸由来のアシル基を示す。前記脂肪酸は、より好ましくは炭素数6〜18、最も好ましくは炭素数8〜16である。そのような脂肪酸としては、具体的には、オクタン酸(好ましくは、カプリル酸)、デカン酸(好ましくは、カプリン酸)、ドデカン酸(好ましくは、ラウリル酸)、ヘキサデカン酸(好ましくは、パルミチン酸)、オクタデカン酸(好ましくはステアリン酸)、それらのモノエン又はポリエン脂肪酸(好ましくはオレイン酸)等が挙げられる。また、そのような脂肪酸由来のアシル基の具体例としては、オクタノイル基(好ましくはカプリロイル基)、デカノイル基(好ましくはカプリノイル基)、ドデカノイル基(好ましくは、ラウロイル基)、ヘキサデカノイル基(好ましくは、パルミトイル基)、オクタデカノイル基(好ましくは、ステアロイル基)等が挙げられ、1個またはそれ以上の二重結合を有していてもよい(例えば、オレオイル基)。)
で示される化合物、
式(7);

(式中、−NH−Alb−NH2は、H2N−Alb−NH2で表されるアルブミン分子の1個のアミノ基から水素原子1個を除去して形成される基を示す。nは上記定義に同じ。)
で示される化合物、
式(8);

(式中、−NH−Alb−NH−は、H2N−Alb−NH2で表されるアルブミン分子から、その2つのアミノ基のそれぞれ1個づつの水素原子を除去して形成される基を示す。nは上記定義に同じ。)
で示される化合物、
新規物質である。
本発明のリポソームは、好ましくは生理活性成分を担持させて使用する。生理活性成分の担持形態は特に限定されない。例えば、生理活性成分はリポソーム内に封入されていてもよいし、リポソームの表面に吸着もしくは結合していてもよい。また、生理活性成分は、アルブミンやポリアルキレングリコール類に吸着もしくは結合していてもよい。
前記生理活性成分としては、動物、好ましくはヒトに投与できる任意の化合物あるいは物質組成物であれば、特に限定されない。例えば前記生理活性成分としては、体内で生理活性を発揮し、疾患の予防または治療に有効な化合物または組成物、例えば造影剤などの診断に用いる化合物または組成物、さらに遺伝子治療に有用な遺伝子なども含まれる。前記生理活性成分としては、具体的に、アシクロビア、ジドブディン(zidovudin)、インターフェロン類などの抗ウイルス剤アミノグリコシドセファロスポリンテトラサイクリンなどの抗菌剤ポリエン系抗生物質イミダゾールトリアゾールなどの抗真菌剤葉酸プリン及びピリミジン類似体などの抗代謝剤アントラサイクリン抗生物質、植物アルカロイドなどの抗腫瘍剤;コレステロールなどのステロール;例えば糖やデンプンなどの炭水化物細胞受容体蛋白質免疫グロブリン酵素ホルモン神経伝達物質、糖蛋白質などのアミノ酸、ペプチド、蛋白質;色素放射性同位体、放射性同位体標識化合物などの放射線標識放射線不透過性化合物蛍光性化合物散瞳性化合物;気管支拡張剤局所麻酔薬などが挙げられる。
本発明においては、中でも生理活性成分として抗腫瘍剤を用いることが好ましい。前記抗腫瘍剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキル化剤、各種代謝拮抗剤抗腫瘍性抗生物質、その他抗腫瘍剤、抗腫瘍性植物成分、BRM(生物学的応答制御物質)、血管新生阻害剤細胞接着阻害剤マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤またはホルモンなどが挙げられる。
より具体的には、アルキル化剤として、例えば、ナイトロジェンマスタード、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、クロラムブチルなどのアルキル化剤;例えば、カルボコンチオテパなどアジリジン系アルキル化剤;例えば、ディブロモマンニトール、ディブロモダルトールなのエポキシド系アルキル化剤;例えば、カルムスチンロムスチンセムスチン、ニムスチンハイドロクロライドストレプトゾシン、クロロゾトシン、ラニムスチンなどニトロソウレア系アルキル化剤;ブスルファントシル酸インプロスルファンダカルバジンなどが挙げられる。各種代謝拮抗剤としては、例えば、6−メルカプトプリン6−チオグアニンチオイノシンなどのプリン代謝拮抗剤フルオロウラシルテガフール、テガフール・ウラシルカルモフールドキシフルリジンブロクスウリジンシタラビンエノシタビンなどのピリミジン代謝拮抗剤、メトトレキサートトリメトレキサートなどの葉酸代謝拮抗剤など、および、その塩もしくは複合体が挙げられる。
抗腫瘍性抗生物質としては、例えば、マイトマイシンCブレオマイシンペプロマイシン、ダウノルビシン、アクラルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシンTHPアドリアマイシン、4’−エピドキソルビシンエピルビシンなどのアントラサイクリン系抗生物質抗腫瘍剤、クロモマイシンA3アクチノマイシンDなど、および、その塩もしくは複合体が挙げられる。その他抗腫瘍剤しては、例えば、シスプラチン、カルボプラチンタモキシフェン、カンプトテシン、イホスファミドシクロホスファミドメルファランL−アスパラギナーゼ、アセクラトンシゾフィランピシバニールウベニメクスクレスチンなど、および、その塩もしくは複合体が挙げられる。また、プロカルバジンピポブロマンネオカルチノスタチンヒドロキシウレアなども挙げることができる。
抗腫瘍性植物成分としては、例えば、ビンデシン、ビンクリスチン、ビンブラスチンなどのビンカアルカロイド類、エトポシド、テニポシドなどのエピポフィトキシン類、および、その塩もしくは複合体が挙げられる。BRMとしては、例えば、腫瘍壊死因子インドメタシンなど、および、その塩もしくは複合体が挙げられる。血管新生阻害剤としては、例えばフマジロール誘導体、および、その塩もしくは複合体が挙げられる。細胞接着阻害剤としては、例えば、RGD配列を有する物質、および、その塩もしくは複合体が挙げられる。マトリックス・メタロプロテアーゼ阻害剤としては、例えば、マリマスタット、バチマスタットなど、および、その塩もしくは複合体が挙げられる。ホルモンとしては、例えばヒドロコルチゾンデキサメタゾンメチルプレドニゾロンプレドニゾロン、プラステロン、ベタメタゾントリアムシノロンオキシメトロンナンドロロンメテノロンホスフェストロールエチニルエストラジオールクロルマジノンメドロキシプロゲステロンなど、および、その塩もしくは複合体が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、上記生理活性成分を担持している本発明のリポソームのみからなるものであってもよいが、通常、該リポソームと薬理学的に許容される担体とを自体公知の方法[製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方(例えば第13改正)に記載の方法等]にしたがって混合することによって製造される。薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤滑沢剤結合剤崩壊剤液状製剤における溶剤溶解補助剤懸濁化剤等張化剤緩衝剤無痛化剤などが挙げられる。また必要に応じて、界面活性剤発泡剤、色素、酸味剤防腐剤抗酸化剤着色剤甘味剤矯味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
薬学的に許容される担体として、より具体的には、クエン酸カルシウムリン酸カルシウムなどの無機塩の賦形剤;例えば、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウム軽質無水ケイ酸含水二酸化珪素などの滑沢剤;ヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース、α化デンプン、ポリビニルアルコールポリビニルピロリドンアラビアゴム末ゼラチンまたはプルランなどの結合剤;低置換度ヒドロキシプロピルセルロース結晶セルロース等のセルロース類トウモロコシデンプン部分アルファ化デンプンヒドロキシプロピルスターチ等の各種デンプンもしくはデンプン誘導体クロスポビドンまたはベントナイト等の崩壊剤等が挙げられる。
また、塩溶液ブドウ糖溶液または塩溶液とブドウ糖溶液の混合物などの溶剤;例えば、デキストラン、ポリビニルピロリドン、安息香酸ナトリウムエチレンジアミンサリチル酸アミドニコチン酸アミドポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体など溶解補助剤;例えば、ホウ酸緩衝剤リン酸緩衝剤クエン酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、酢酸緩衝剤など緩衝剤;例えばアルブミン、グリセリンプロピレングリコール等の多価アルコールリドカイン塩酸塩ベンジルアルコールなど無痛化剤等が挙げられる。
さらには、例えば、ソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレン脂肪酸エステル、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステルポリエチレングリコール脂肪酸エステルポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤;例えば、炭酸水素ナトリウム炭酸ナトリウム炭酸カルシウムなどの発泡剤;例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸など酸味剤;例えば、三二酸化鉄黄色三二酸化鉄タール系色素などの色素;例えば、レモンレモンライム、オレンジパイン、ミントメントールなどの香料;例えば、サッカリンナトリウムグリチルリチン二カリウムアスパルテームステビアソーマチンなどの甘味剤;例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウムコハク酸、酒石酸、フマル酸グルタミン酸などの矯味剤などが挙げられる。
さらに、安定化剤としては、例えば糖類や亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。糖類としては、グルコースフルクトースキシリトールフコースガラクトースなどの単糖類マルトースシュクロースラクトース、ラクツトース、メリビオースなどの二糖類フルクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖ラクトオリゴ糖などのオリゴ糖類;デキストランなどの多糖類などが挙げられる。保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、ベンジルアルコール、クロロクレゾールフェネチルアルコール塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。キレート剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムアスコルビン酸ナトリウムチオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明に係る医薬剤形としては、例えば錠剤カプセル剤ソフトカプセルマイクロカプセル腸溶性カプセルを含む)、散剤顆粒剤シロップ剤等の経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤,静脈内注射剤,筋肉内注射剤,腹腔内注射剤等)、外用剤(例、経鼻投与製剤,経皮製剤軟膏剤等)、坐剤(例、直腸坐剤,膣坐剤等)、ペレット点滴剤徐放性製剤(例、徐放性マイクロカプセル等)等の非経口剤が挙げられる。本発明に係る医薬は、注射剤の剤形を有していることが特に好ましい。
本発明にかかる医薬の投与量は、リポソームが有する生理活性物質の種類、医薬の剤型、治療すべき病態の種類、症状および疾患の重篤度、患者年齢性別もしくは体重、投与方法などにより異なるので、一概には言えないが、医師が上記の状況を総合的に判断して決定することができる。
本発明にかかる医薬の投与経路は、特に限定されず、上述のような本発明にかかる医薬の形態により、経口投与してもよいし、非経口投与していもよい。例えば、本発明にかかる医薬が注射剤の場合、例えば、静脈内注射、皮下注射、皮内注射、筋肉内注射あるいは腹腔内注射のような医療上適当な投与形態が例示できる。
本発明にかかる医薬は、本発明のリポソームに担持されている生理活性物質の種類に応じて種々の疾患の予防および治療をすることができる。例えば、生理活性物質が抗腫瘍剤である場合、本発明にかかる医薬は、例えば大腸癌脳腫瘍頭頚部癌乳癌肺癌食道癌胃癌肝癌胆嚢癌胆管癌膵癌膵島細胞癌、絨毛癌結腸癌腎細胞癌副腎皮質癌、膀胱癌精巣癌、前立腺癌睾丸腫瘍卵巣癌子宮癌、絨毛癌、甲状腺癌悪性カルチノイド腫瘍皮膚癌悪性黒色腫骨肉腫軟部組織肉腫神経芽細胞腫ウィルムス腫瘍網膜芽細胞腫メラノーマ扁平上皮癌など腫瘍の予防または治療に有用である。

以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されないことは言うまでもない。下記実施例で用いるrHSAは、株式会社バイファより入手した。なお、本実施例に記載の略語を下記のように定義する。
rHSA:recombinant Human Serum Albumin
PEG:polyethylene glycol
DSPE:1,2−Distearoyl−sn−Glycero−3−Phosphoethanolamine
NGPE:1,2−Dioleoyl−sn−Glycero−3−Phosphoethanolamine−N−(Glutaryl)
NHS:N−hydroxysuccimide
WSC:water soluble carbodiimide
SPDP:N−succinimidyl 3−(2−pyridyldithio)propionate
DTP:3−(2−pyridyldithio)propionate
DOPE:1,2−Dioleoyl−sn−Glycero−3−Phosphoethanolamine
DTT:dithiothreitol
SATA:N−succinimidyl−S−acetylthioacetate
HEES:N−2−hydroxyethylpiperazine−N’−2−ethanesulfonic acid
EDTA:ethylenediamine tetraacetic acid sodium salt
PBS:pH7.4のリン酸緩衝溶液塩化ナトリウム塩化カリウムリン酸二水素カリウムリン酸水素二ナトリウムからなる。)

表面にPEGおよびrHSAが結合しているリポソームの製造
方法1 WSCを用いた製造
(1)NGPEを含有しているPEG修飾リポソームの製造
脂質を溶解したクロロホルム溶液全脂質:100μmol、卵黄レシチン:コレステロール:NGPE:PEG結合DSPE(Shearwater Co.製)=59:30:10:1のモル比率で溶解)約8mLをナスフラスコに添加した。ついで、[3H(トリチウム)]Cholesteryl hexadecyl ether(社団法人日アイソトープ協会製)200万dpmを添加した。全量を10mLとなるようにクロロホルムを入れた後、ロータリーエバポレーター窒素雰囲気下、溶媒減圧留去し、一晩乾燥させた。できた脂質薄膜にPBS約2mLを添加し、55℃に加温しながら15分間以上撹拌混合して脂質薄膜を懸濁させた。この懸濁液を200nmのポリカーボネートメンブランを装着したエクストルーダーを用いて粒径を揃えた。
(2)rHSA・PEG修飾リポソームの製造
上記PEG修飾リポソームにNHS100μmolとWSC10μmolを添加し、15分間振とうしてNGPEとWSCを結合させた。この液に2−メルカプトエタノール500μmolを添加した。リポソームに結合していないNHS及びWSCを除くため、ゲル濾過でリポソーム分画小分子物質を分離し、リポソーム分画を回収した。直ちにrHSA1μmolを添加して一晩振とうし、rHSAをリポソームに結合させた。未反応のrHSAを除くためにゲル濾過をしてrHSA結合リポソーム分画とrHSA単体の分画に分離し、rHSA結合リポソーム分画を回収した(20mL)。
方法2 SPDPを用いた製造
(1)DTP−DOPEの製造
DOPEクロロホルム溶液10μmolにSPDP12μmolを加えて攪拌した。反応液にPBS約2mLを添加し、5分間激しく振とうした後、3000rpmで10分間遠心分離した。PBS層を除去し、精製水を添加して、3分間激しく振とう後、遠心分離をして再び水層を除去した。この精製水での洗浄をもう一度行った。下層に残った白い半固形物を、エバポレーターで溶媒留去・乾燥した。残留物にクロロホルム1.0mLを添加、再溶解してDTP−DOPEを製造した。
(2)DTP−DOPE含有PEG修飾リポソームの製造
脂質を溶解したクロロホルム液(全脂質:90μmol、卵黄レシチン:コレステロール:PEG結合DSPE(Shearwater Co.製)=59:30:1のモル比率で溶解)約8mLをナスフラスコに添加した。さらにDTP−DOPEを10μmol添加し、[3H(チリチウム)]Cholesteryl hexadecyl ether(社団法人日本アイソトープ協会製)200万dpmを添加した。全量を10mLとなるようにクロロホルムを入れた後、ロータリーエバポレーターで窒素雰囲気下、溶媒を減圧留去し、一晩乾燥させた。できた脂質薄膜にPBS約2mLを添加し、55℃に加温しながら15分間以上撹拌混合して脂質薄膜を懸濁させた。この懸濁液を200nmのポリカーボネートメンブランを装着したエクストルーダーを用いて粒径を揃えた。
(3)SH化rHSAの製造
rHSA水溶液1μmolにSPDP20μmolを添加した後、攪拌してDTP−rHSAを製造した。未反応SPDPを除去するためにゲルろ過を行い、PD−rHSA分画を分取した。DTP−rHSAに終濃度50mMとなるようにDTTを添加し、20分間攪拌してrHSAをSH化させた。未反応のDTTを除くためにゲルろ過を行い,SH化rHSA分画を分取した。
(4)DTP−DOPE含有リポソームとSH化rHSAの反応
DTP−DOPE含有PEG修飾リポソームにSH化rHSA溶液を添加し、室温で24時間以上攪拌した。その後、反応液をゲル濾過し、リポソームと未反応rHSAを分離し、リポソーム分画を回収してrHSA・PEG修飾リポソームを得た。

表面にPEGが結合し、更にPEG末端にrHSAが結合しているリポソームの製造方法
方法1PEG修飾リポソーム製造後、rHSAをPEGと結合さることによる製造
(1)maleimide−PEG修飾リポソームの製造
脂質を溶解したクロロホルム溶液(全脂質:100μmol、卵黄レシチン:コレステロール:maleimide−PEG結合DSPE(Shearwater Co.製)=63:32:5のモル比率で溶解)約8mLをナスフラスコに添加した。[3H(トリチウム)]Cholesteryl hexadecyl ether(社団法人日本アイソトープ協会製)200万dpmを添加した。全量を10mLとなるようにクロロホルムを入れた後、ロータリーエバポレーターで窒素雰囲気下、溶媒を減圧留去し、一晩乾燥させた。できた脂質薄膜にPBS約2mLを添加し、55℃に加温しながら15分間以上撹拌混合して脂質薄膜を懸濁させた。この懸濁液を200nmのポリカーボネートメンブランを装着したエクストルーダーを用いて粒径を揃えた。
(2)SATAによるSH化rHSAの製造
rHSA水溶液1μmolにジメチルホルムアミドで溶解したSATA8μmolをジメチルホルムアミドの濃度が1%以上にならないように添加し、30分間室温で振とうしてacetylthioacetateをrHSAのアミノ基と結合させた。未反応のSATAを除去する為にゲル濾過を行い、acetylthioacetate結合rHSA分画を分取した。0.5MHEPESと25mMEDTAに溶解したヒドロキシルアミンを50μmol添加してacetyl基を脱離し、SH化rHSAを製造した。
(3)リポソームに修飾したPEGへのrHSAの結合
maleimide−PEG修飾リポソーム液とSH化rHSA液とを4℃下で混合して18時間かけて反応させた。最後にゲル濾過をして未反応のSH化rHSA分画を除去し、rHSA結合PEG修飾リポソーム分画を分取した。
方法2 rHSAをPEG−DSPEに結合後、リポソームに挿入することによる製造方法
(1)リポソームの製造
脂質を溶解したクロロホルム溶液(全脂質:95μmol、卵黄レシチン:コレステロール=63:32のモル比率で溶解)約8mLをナスフラスコに添加する。[3H(トリチウム)]Cholesteryl hexadecyl ether(社団法人日本アイソトープ協会製)200万dpmを添加した。全量を10mLとなるようにクロロホルムを入れた後、ロータリーエバポレーターで窒素雰囲気下、溶媒を減圧留去し、一晩乾燥させた。できた脂質薄膜にPBS約2mLを添加し、55℃に加温しながら15分間以上撹拌混合して脂質薄膜を懸濁させた。この懸濁液を200nmのポリカーボネートメンブランを装着したエクストルーダーを用いて粒径を揃えた。
(2)SATAによるSH化rHSAの製造
rHSA水溶液1μmolにジメチルホルムアミドで溶解したSATA8μmolをジメチルホルムアミドの濃度が1%以上にならないように添加し、30分間室温で振とうしてacetylthioacetateをrHSAのアミノ基に結合させた。未反応のSATAを除去する為にゲル濾過を行い、acetylthioacetate結合rHSA分画を分取した。0.5M HEPESと25mM EDTAに溶解したヒドロキシルアミンを50μmol添加してacetyl基を脱離し、SH化rHSAを製造した。
(3)maleimide−PEGへのrHSAの結合
maleimide−PEG結合DSPE(Shearwater Co.製)5μmolとSH化rHSA液とを4℃下で混合して18時間かけて反応させた。ゲル濾過を行い、rHSA−PEG結合DSPE分画を分取した。
(4)rHSA−PEG結合DSPEのリポソームへの挿入
rHSA−PEG結合DSPE液を上記(1)で製造したリポソームに添加し、振とうしてリポソームに挿入させ、rHSA−PEGをリポソーム表面に修飾させた。

表面にrHSAが結合し、更にrHSAにPEGが結合しているリポソームの製造方法
方法1 SATAおよびWSCを用いた製造
(1)NGPE含有リポソームの製造
脂質を溶解したクロロホルム溶液(全脂質:100μmol、卵黄レシチン:コレステロール:NGPE=60:30:10のモル比率で溶解)約8mLをナスフラスコに添加した。[3H(トリチウム)]Cholesteryl hexadecyl ether(社団法人日本アイソトープ協会製)200万dpmを添加した。全量を10mLとなるようにクロロホルムを入れた後、ロータリーエバポレーターで窒素雰囲気下、溶媒を減圧留去し、一晩乾燥させた。できた脂質薄膜にPBS約2mLを添加し、55℃に加温しながら15分間以上撹拌混合して脂質薄膜を懸濁させた。この懸濁液を200nmのポリカーボネートメンブランを装着したエクストルーダーを用いて粒径を揃えた。
(2)SATAによるSH化rHSAの製造
rHSA水溶液1μmolにジメチルホルムアミドで溶解したSATA8μmolをジメチルホルムアミドの濃度が1%以上にならないように添加し、30分間室温で振とうしてacetylthioacetateをrHSAのアミノ基に結合させた。未反応のSATAを除去する為にゲル濾過を行い、acetylthioacetate結合rHSA分画を分取した。0.5MHEPESと25mMEDTAに溶解したヒドロキシルアミンを50μmol添加してacetyl基を脱離し、SH化rHSAを製造した。
(3)maleimide−PEGへのrHSAの修飾
maleimide−PEG(Shearwater Co.製)5μmolとSH化rHSA液とを4℃下で混合して18時間かけて反応させた。ゲル濾過を行い、rHSA−PEG分画を分取した。
(4)rHSA−PEGのNGPE含有リポソームとの結合
上記NGPE含有リポソームにNHS100μmolとWSC10μmolを添加し、15分間振とうしてNGPEとWSCを結合させた。この液に2−メルカプトエタノール500μmolを添加した。リポソームに結合していないNHS及びWSCを除くため、ゲル濾過で分離し、リポソーム分画を回収した。直ちにrHSA−PEG(rHSA1μmol分に相当)を添加して一晩振とうし、rHSA−PEGをリポソームに結合させた。未反応のrHSA−PEGを除くためにゲル濾過をし、rHSA−PEG結合リポソーム分画を回収した。
方法2 SATAおよびSPDPを用いた製造
(1)DTP−DOPEの製造
DOPEクロロホルム溶液10μmolにSPDP12μmolを加えて攪拌した。反応液にPBS2mLを添加し、5分間激しく振とうした後、3000rpmで10分間遠心分離した。PBS層を除去し、精製水を添加して、3分間激しく振とう後、遠心分離をして再び水層を除去した。この精製水での洗浄をもう一度行った。下層に残った白い半固形物を、エバポレーターで溶媒留去・乾燥した。残留物にクロロホルム1.0mLを添加し、再溶解してDTP−DOPEを製造した。
(2)DTP−DOPE含有リポソームの製造
脂質を溶解したクロロホルム液(全脂質:90μmol、卵黄レシチン:コレステロール=60:30のモル比率で溶解)約8mLをナスフラスコに添加する。さらにDTP−DOPEを10μmol添加し、[3H(トリチウム)]Cholesteryl hexadecyl ether(社団法人日本アイソトープ協会製)200万dpmを加えた。全量を10mLとなるようにクロロホルムを入れた後、ロータリーエバポレーターで窒素雰囲気下、溶媒を減圧留去し、一晩乾燥させた。できた脂質薄膜にPBS約2mLを添加し、55℃に加温しながら15分間以上撹拌混合して脂質薄膜を懸濁させた。この懸濁液を200nmのポリカーボネートメンブランを装着したエクストルーダーを用いて粒径を揃えた。
(3)SATAによるSH化rHSAの製造
rHSA水溶液1μmolにジメチルホルムアミドで溶解したSATA8μmolをジメチルホルムアミドの濃度が1%以上にならないように添加し、30分間室温で振とうしてacetylthioacetateをrHSAのアミノ基に結合させた。未反応のSATAを除去する為にゲル濾過を行い、acetylthioacetate結合rHSA分画を分取した。0.5M HEPESと25mM EDTAに溶解したヒドロキシルアミンを50μmol添加してacetyl基を脱離し、SH化rHSAを製造した。
(4)rHSAのmaleimide−PEGへの修飾
maleimide−PEG5μmolとSH化rHSA液とを4℃下で混合して18時間かけて反応させた。ゲル濾過を行い、rHSA−PEG分画を分取した。
(5)SH化rHSA−PEGの製造
rHSA−PEG水溶液(rHSA 1μmol分に相当)にSPDP20μmolを添加した後、攪拌してDTP−rHSA−PEGを製造した。未反応SPDPを除去するためにゲルろ過を行い、DTP−rHSA−PEG分画を分取した。DTP−rHSA−PEGに終濃度50mMになるようにDTTを添加し、20分間攪拌してrHSA部分をSH化させた。未反応のDTTを除くためにゲルろ過を行い、SH化rHSA−PEG分画を分取した。
(6)DTP−DOPE含有リポソームとSH化rHSAの反応
DTP−DOPE含有リポソームにSH化rHSA−PEG溶液を添加し、室温で24時間以上攪拌してrHSA−PEGをリポソームに修飾させた。その後、反応液をゲル濾過し、リポソームと未反応rHSA−PEGを分離し、リポソーム分画を回収してrHSA−PEG修飾リポソームを得た。
試験例 リポソームサンプルのラットへの投与実験
(1)血中濃度の検討
3匹のラットにそれぞれ実施例1で作製したリポソームサンプル20μmol/kgを投与した。投与直後から4時間ごとに24時間経過時まで、頚動脈より約300μLを採血して直ちに遠心分離(4℃下で1500×g、3分)をした。上清100μLを回収し、クリアゾル(液シンカクテル)を10mL入れてよく混和した。この液を液体シンチレーションカウンターで定量した。サンプル1本に付き5分間測定した。
比較として、表面に何ら修飾されていないリポソームおよび表面にPEGが修飾されたリポソームを用いて同一の試験を行った。
その結果を第1図に示す。第1図に示した数値は3匹のラットにおける血中濃度の平均値を示す。

リポソーム表面にポリエチレングリコール鎖とアルブミン分子を結合させることによって、人や動物に投与した際のリポソームの血中滞留性を向上させることができ、リポソームに封入または結合させた薬物の治療効果や診断効果を高めることができる。アルブミンとして遺伝子組み換えヒト血清アルブミンを使用することで、感染の危険性がなく、PEG単独に比較して、さらに代謝面でも生体適合性が向上したリポソームを作成することが可能である。

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