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技術 大脳辺縁系の精査のための脳の断層画像の作成方法及び装置

出願人 松澤大樹
発明者 松澤大樹
出願日 2001年11月26日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2002-543959
公開日 2004年3月25日 (17年10ヶ月経過) 公開番号 WO2002-041775
状態 特許登録済
技術分野 マイクロ波、NMR等による材料の調査 放射線診断機器 磁気共鳴イメージング装置
主要キーワード 固定帯 マグネット端 OMライン 観察情報 判断内容 頭部用 連合野 帯状束
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題・解決手段

精神障害の検討に有効な脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成方法を得ることを目的とし、脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成方法において、大脳辺縁系海馬扁桃脳幹及び大脳皮質の断層画像を、すべて同一画像面上に撮影する工程を有する脳の断層画像の作成方法を提供する。また、該脳の断層画像の作成方法を実施する装置を提供する。

概要

背景

概要

精神障害の検討に有効な脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成方法を得ることを目的とし、脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成方法において、大脳辺縁系海馬扁桃脳幹及び大脳皮質の断層画像を、すべて同一画像面上に撮影する工程を有する脳の断層画像の作成方法を提供する。また、該脳の断層画像の作成方法を実施する装置を提供する。

目的

よって、上記の装置で従来の撮影方法を用い脳の断層を撮影すると、精神障害を生じる疾患者に対し、診断治療する上で十分な画像情報を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成方法において、大脳辺縁系海馬扁桃脳幹及び大脳皮質の断層画像を、すべて同一画像面上に撮影する工程を有する脳の断層画像の作成方法。

請求項2

前記すべて同一画像面上に撮影する工程が、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像を同一画像面上に左右対称に撮影する工程である請求の範囲第1項記載の脳の断層画像の作成方法。

請求項3

前記脳の断層画像の作成方法において、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一画像面上に撮影できる面に平行な面を、基準面として選択する工程、及び該基準面に対して、撮影する断層面平行移動する工程とを有する請求の範囲第1項又は第2項記載の脳の断層画像の作成方法。

請求項4

前記移動する工程において、前記基準面に平行な面を複数撮影するよう移動する請求の範囲第3項記載の脳の断層画像の作成方法。

請求項5

前記基準面を選択する工程において、側脳室後端より発し、大脳辺縁系の海馬、扁桃に添って前下方に直線的に伸びる、側脳室後下角に平行な面を、基準面として選択することを特徴とする、請求の範囲第3項又は第4項記載の脳の断層画像の作成方法。

請求項6

前記基準面を選択する工程において、前頭葉下端小脳下端を結ぶ面から小脳の上側に向かって40〜50度傾けた面を、基準面として選択することを特徴とする、請求の範囲第3項〜第5項の何れか一項記載の脳の断層画像の作成方法。

請求項7

前記基準面を選択する工程において、前頭葉前下端と小脳下端を結ぶ面から小脳の上側に向かって40〜46度傾けた面を、基準面として選択することを特徴とする、請求の範囲第6項記載の脳の断層画像の作成方法。

請求項8

脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成装置において、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像を、すべて同一画像面上に撮影する手段を有する脳の断層画像の作成装置。

請求項9

前記すべて同一画像面上に撮影する手段が、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像を同一画像面上に左右対称に撮影する手段である請求の範囲第8項記載の脳の断層画像の作成装置。

請求項10

前記脳の断層画像の作成装置において、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一画像面上に撮影できる面に平行な面を、基準面として選択する手段、及び該基準面に対して、撮影する断層面を平行移動する手段とを有する請求の範囲第8項又は第9項記載の脳の断層画像の作成装置。

請求項11

前記移動する手段において、前記基準面に平行な面を複数撮影するよう移動する請求の範囲第10項記載の脳の断層画像の作成装置。

請求項12

前記基準面を選択する手段において、側脳室の後端より発し、大脳辺縁系の海馬、扁桃に添って前下方に直線的に伸びる、側脳室後下角に平行な面を、基準面として選択することを特徴とする、請求の範囲第10項又は第11項記載の脳の断層画像の作成装置。

請求項13

前記基準面を選択する手段において、前頭葉前下端と小脳下端を結ぶ面から小脳の上側に向かって40〜50度傾けた面を、基準面として選択することを特徴とする、請求の範囲第10項〜第12項の何れか一項記載の脳の断層画像の作成装置。

請求項14

前記基準面を選択する手段において、前頭葉前下端と小脳下端を結ぶ面から小脳の上側に向かって40〜46度傾けた面を、基準面として選択することを特徴とする、請求の範囲第13項記載の脳の断層画像の作成装置。

技術分野
本発明は、新規な脳の断層画像作成方法及び脳の断層画像の作成装置に関する。
背景技術
近年、医用画像撮影装置は、撮影すれば直接見えるものから、デジタル画像処理技術の発展にともなって、コンピューター処理により画像として観察するタイプの装置に至るまで、広く開発されている。
磁気共鳴映像装置MRI)、X線コンピューター断層装置(CT)又はポジトロン断層装置(PET)などもその1つである。
また、最近では、脳ドック需要増加に伴い上記の装置を用い、特に脳の断層を撮影することが盛んに行われている。
一方、近年精神障害と脳の大脳辺縁系における細胞破壊との関係が明らかにされつつある(こころと脳の革命 徳間書店(株)発行)。しかし、大脳辺縁系の神経核破壊の画像を再現性良く作成する方法は開示されていない。
よって、上記の装置で従来の撮影方法を用い脳の断層を撮影すると、精神障害を生じる疾患者に対し、診断治療する上で十分な画像情報を提供することは困難である。
そこで、精神障害を生ずるすべての疾患、つまり痴呆症心身症そううつ病精神分裂症の疾患者に、医用観察情報を有効に提供できる、大脳辺縁系の精査のための脳の断層画像を与える方法及び装置の提供が望まれていた。
発明の開示
そこで本発明は、精神障害の検討に有効な、大脳辺縁系の精査のための脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成方法及び脳の断層画像の作成装置を提供することを課題とする。
すなわち、本発明者は、精神障害を生じた諸疾患の患者の脳の断層画像について検討を重ねた結果、精神障害の状態を把握する上で、大脳辺縁系の海馬扁桃脳幹及び大脳皮質の断層画像が、すべて同一画像面上に撮影された画像を得ることが重要であることを確認した。
そして、前記すべて同一画像面上に撮影された画像において、大脳辺縁系の神経核破壊状態を観察することが、後の医用診断につなげる上で特に有効であることを見出し、その画像を得る手段について研究を重ねることにより、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成方法において、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像を、すべて同一画像面上に撮影する工程を有する脳の断層画像の作成方法。
(2)前記すべて同一画像面上に撮影する工程が、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像を同一画像面上に左右対称に撮影する工程である(1)に記載の脳の断層画像の作成方法。
(3)前記脳の断層画像作成方法において、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一画像面上に撮影できる面に平行な面を、基準面として選択する工程、及び該基準面に対して、撮影する断層面平行移動する工程とを有する(1)又は(2)に記載の脳の断層画像の作成方法。
(4)前記移動する工程において、前記基準面に平行な面を複数撮影するよう移動する(3)に記載の脳の断層画像の作成方法。
(5)前記基準面を選択する工程において、側脳室後端より発し、大脳辺縁系の海馬、扁桃に添って前下方に直線的に伸びる、側脳室後下角に平行な面を、基準面として選択することを特徴とする、(3)又は(4)に記載の脳の断層画像の作成方法。
(6)前記基準面を選択する工程において、前頭葉下端小脳下端を結ぶ面から小脳の上側に向かって40〜50度傾けた面を、基準面として選択することを特徴とする、(3)〜(5)の何れか一つに記載の脳の断層画像の作成方法。
(7)前記基準面を選択する工程において、前頭葉前下端と小脳下端を結ぶ面から小脳の上側に向かって40〜46度傾けた面を、基準面として選択することを特徴とする、(6)に記載の脳の断層画像の作成方法。
(8)脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成装置において、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像を、すべて同一画像面上に撮影する手段を有する脳の断層画像の作成装置。
(9)前記すべて同一画像面上に撮影する手段が、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像を同一画像面上に左右対称に撮影する手段である(8)に記載の脳の断層画像の作成装置。
(10)前記脳の断層画像の作成装置において、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一画像面上に撮影できる面に平行な面を、基準面として選択する手段、及び該基準面に対して、撮影する断層面を平行移動する手段とを有する(8)又は(9)に記載の脳の断層画像の作成装置。
(11)前記移動する手段において、前記基準面に平行な面を複数撮影するよう移動する(10)に記載の脳の断層画像の作成装置。
(12)前記基準面を選択する手段において、側脳室の後端より発し、大脳辺縁系の海馬、扁桃に添って前下方に直線的に伸びる、側脳室後下角に平行な面を、基準面として選択することを特徴とする、(10)又は(11)に記載の脳の断層画像の作成装置。
(13)前記基準面を選択する手段において、前頭葉前下端と小脳下端を結ぶ面から小脳の上側に向かって40〜50度傾けた面を、基準面として選択することを特徴とする、(10)〜(12)の何れか一つに記載の脳の断層画像の作成装置。
(14)前記基準面を選択する手段において、前頭葉前下端と小脳下端を結ぶ面から小脳の上側に向かって40〜46度傾けた面を、基準面として選択することを特徴とする、(13)に記載の脳の断層画像の作成装置。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の画像作成方法は、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像を、すべて同一面上に撮影できる面を選択し、該面で撮影を行う方法である。
本発明の画像作成方法を図1を用いて説明する。図1中、符号1は側脳室を、符号2は側脳室後下角(lateral posterior horn)を、符号3は大脳辺縁系を、符号4は脳幹を、符号5は小脳下端を、符号6は大脳の前頭葉下端を、符号7は前頭葉前下端と小脳下端を結ぶ面を、符号8は40°〜50°の傾きを表す。
本発明は、符号2に平行な面(つまり、大脳辺縁系の画像(少なくとも、海馬と扁桃を有する)、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一面上に撮影できる面)で脳の断層を撮影するものである。
さらに、本発明の方法によれば、大脳辺縁系の画像(少なくとも、海馬と扁桃を有する)、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一面上に左右対称な画像として得ることができる(後記実施例で示す)。
また、本発明の方法は、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一画像面上に撮影できる面(図1符号2)に平行な面を、基準面として選択し、該基準面に平行な面を複数撮影するよう撮影する箇所を移動し、断層画像を得る方法である(図2参照)。図2中、符号1〜4はそれぞれ、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一面上に撮影できる面に平行な面を表す。符号5は撮影の移動方向を示す。
以下、本発明の方法を更に具体的に説明する。
脳脊髄液生命の水)の入っている側脳室の後端より発し、大脳辺縁系の海馬、扁桃に添って前下方に直線的に伸びる、側脳室後下角に平行な面の断面図を撮影する(図1符号2参照)。
但し、所望の断面図を得るには、前記側脳室後下角に平行な十数枚の断面図を撮影することになる(図2符号1〜4)。
これにより、大脳辺縁系の画像(少なくとも、海馬と扁桃を有する)、脳幹及び大脳皮質の断層からなる3層構造が左右対称な画像として、すべて1枚の画像として撮し出される。
そして、その画像情報をもとに脳に異常があるかの明瞭な知見が得られることになる。
尚、撮影する断面図を図2中、符号5のように移動させつつ撮影した場合、実際、上記3層構造が1枚の画像で得られる割合は、十数枚の断層図のうち3〜4枚程度である。
本発明の方法を用いMRIの装置で、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一画像面上に撮し出したものを、図3(a)に示す。また、図3(b)には、本発明の方法と従来の方法の違いを説明するための図を示す。
図3(a)中、符号3は脳幹を、符号5は海馬を、符号6は扁桃を、符号7は大脳皮質を表す。
図3(b)中、符号1は大脳を、符号2は小脳を、符号3は脳幹を、符号4は大脳辺縁系を、符号Aは本発明の方法による撮影方向を、符号Bは従来の方法(1)による撮影方向を、符号Cは従来の方法(2)による撮影方向を表す。
本発明を図3(a)と図3(b)を用いて説明する。
図2の符号1〜4と図3(b)の符号Aとは対応している。
図3(b)符号Aで示すように側脳室後下角に平行な十数枚の断面図を撮影すると、図3(a)に示す画像が得られる。この図で示すように、大脳辺縁系の画像(少なくとも、海馬と扁桃を有する)、脳幹及び大脳皮質の断層からなる3層構造の画像が左右対称な形で、すべて1枚の画像に撮し出される。
この画像を用い、大脳辺縁系の検査を行うことができる。特に、大脳辺縁系の神経核破壊状態が充分確認することができるため、その知見に基づき精神障害をおこす疾患、例えば痴呆症、心身症、そううつ病、精神分裂症などの診断と治療に役立てることができる。特に、これら疾患は、図3(a)の画像で示すような大脳辺縁系の画像において、異常が左右対称な形で表れるため、本発明の方法で左右対称な画像として断面図が得られることは、診断、治療の情報を得る上で特に有効なものとなる。
本発明の図1中、符号2で示す面は、前頭葉前下端と小脳下端を結ぶ面(図1中、符号7で示す)を基準に、人によって異なるが、小脳の上側に向かって約40〜50度、好ましくは40〜46度(大半の人は、43°±3°の範囲内で検索することができる)傾けた(図1中、符号8で示す)ことにより、得られる。尚、この符号7で表される面は、以下に記載のOMラインと呼ばれる基準面とはそもそも全く異なる基準面となっており、本発明の符号Aの面を選択するために設定された新しい基準面である。
本発明の移動工程において、各撮影断面の間隔は(以下、スライスという)、厚さ5〜8mm、間隔1〜2mm、より好ましくは、厚さ5mm、間隔1mmで行うとよい。
次に、従来の撮影法について説明する。
従来の撮影方法(1)を図4で説明する。図4中、符号1は目を、符号2は眼窩(orbital)上縁を、符号3は耳介を、符号4は脳幹を、符号5は外耳道(meatus)を、符号6は大脳辺縁系を、符号7は符号Aの線を基準にした面に平行な複数の面を、符号8は撮影の移動方向を、符号Aは眼窩上縁と外耳道を結ぶ線(OMライン)を表す。図4の符号7と図3(b)の符号Bとは、対応している。
このように従来の撮影方法(1)は、OMラインを基準とし、その面に平行な面を複数撮影し脳の断層画像を得るというものである。
しかし、この方法では大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一画像面上に撮し出すことは、出来ない。また、海馬や扁桃の1部の画像が幾つかの断面に複数枚にわたり撮ってしまうため、大脳辺縁系の全貌を把握することは難しい。さらに、撮影方法(1)による画像では、そもそもそれが海馬であるとか扁桃であるとかといった同定をすることすら困難な場合が多い。
このように、大脳辺縁系の画像(少なくとも、海馬と扁桃を有する)、脳幹及び大脳皮質の断層からなる3層構造を同一画面上に撮し出した画像をもとに、大脳辺縁系の検査を行い、医用知見を得ようとしている場合、特に大脳辺縁系の全貌を写し出し、大脳辺縁系の神経核破壊状態を観察することにより医用知見を得ようとしている場合には、従来の方法では目的を達成することができない。
また従来の撮影方法(2)についても説明する。
この方法は、上記従来の撮影方法(1)を基準として、その基準面に対して垂直な面において撮影するものである。図3(b)中、符号Cは符号Bに垂直に交わる従来の撮影方法(2)の撮影方向を示す。
この方法によると、従来の撮影方法(1)に比べれば、海馬であるあるいは扁桃であるとの特定が比較的容易な画像が得られるが、図5で示すように海馬や扁桃の1部の画像が、幾つかの断面に複数枚にわたり撮し出されるだけである。図5中、(a)〜(c)は、従来の撮影方法(2)を用いて、脳の後ろから前に向かって、断層を撮影した場合に得られる断面図を示す。図5中、符号1は海馬を、符号2は海馬を、符号3は扁桃を示す。
このように撮影方法(2)も大脳辺縁系の全貌をとらえることは出来ず大脳辺縁系の異常、神経核の破壊状態を観察することにより医用知見を得る場合には、不十分な情報しか得ることができない。
尚、本発明の方法により撮影する大脳辺縁系は、特に海馬と扁桃のような大きな終末神経核であるが、図6で示す大脳辺縁系の他の諸神経核(乳頭体視床前核視床内側核手綱核など)等が撮影されていれば、より好ましい。
図6中、符号1は帯状束帯状回)を、符号2は脳弓を、符号3は分界条を、符号4は視床髄条を、符号5は視床前核を、符号6は視床内側核を、符号7は手綱核(群)を、符号8は乳頭(体)視床路を、符号9は(シュッツの)背側縦束を、符号10は前交連を、符号11は乳頭(体)被蓋路を、符号12は手綱脚間(核)路を、符号13は内側終脳束(内側前脳束)を、符号14は乳頭体脚を、符号15は乳頭体を、符号16は脚ワナを、符号17は嗅球を、符号18は外側嗅条を、符号19は扁桃(体)を、符号20は海馬を表す。
また本発明の方法は、脳の断面画像を撮影できる医用画像撮影装置であればいかなるタイプの装置でも、適用し得るが、好ましくは磁気共鳴映像装置(MRI)、X線コンピューター断層装置(CT)又はポジトロン断層装置(PET)が適用し得る。
次に、本発明の画像の作成装置について説明する。該装置は上述したようにMRI、CT、PETが好ましくは使用できる。これら装置の概略図を図7に示す。図7中、符号1はMRI装置を、符号2はPET装置を、符号3はX−CT装置を表す。
本発明の装置は、図7に示す市販の装置を使用し得るが、本発明の画像の作成方法の特徴である大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一画像面上に撮影する手段を、有している装置であれば特に制限はない。
本発明の画像の作成装置の一実施形態にかかる構成図を図8に示す。図8中、符号1は撮影装置を、符号2は信号処理装置を、符号2aは撮影情報得手段を、符号2bは断面画像の作成手段を、符号2cはスライス稼動手段を、符号3は位置決め手段を、符号3aは位置検出手段を、符号3bは位置判断手段を、符号4は位置修正手段を、符号5は表示装置を、符号6は記憶装置を表す。
本発明の画像の作成装置は、図8で示すように、脳画像を撮影する撮影装置部(1)と、かかる撮影した情報を信号処理する信号処理装置部(2)と、処理情報を表示する表示装置部(5)と、処理情報を記憶する記憶装置部(6)とからなる。上記信号処理装置部(2)は、さらに撮影情報取得手段(2a)、断層画像の作成手段(2b)、スライス稼動手段(2c)らを有しており、これら手段がコンピューターの中央処理装置上で実現される。
そして、本発明の装置は所望の画像を撮影するため、位置決め手段(3)と位置修正手段(4)を有している。位置決め手段(3)は、位置決めを行うための脳断層画像の情報を検出する検出手段(3a)と、該取得した情報に基づいて脳の断層と撮影方向との位置関係(脳に対する撮影方向の傾き)を判断する判断手段(3b)とを有し、位置修正手段(4)は上記判断内容に応じ、撮影方向の傾きを修正する機能を有している。
この位置決め手段(3)と位置修正手段(4)は装置として、別個に設けてもよいし、信号処理装置部(2)等、他の装置内に組み込んでもかまわない。
実施例
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
1,被検者をMRI装置のベット仰向けに寝かせ、ヘットレスト(頭を入れる固定装置)に頭を置いた。
2,固定バンドと額を固定し、体を体幹固定帯で固定した。
3,頭部用コイルを頭にかぶせた。
4,ベットを移動し、位置決めライトを用いマグネット端鼻根部が位置するようにした。
5,更にベットを機械磁石内で移動させ、磁場の中心部が鼻根部に一致するようにした(この稼動は装置に組み込まれている)。これにより、鼻根部を撮影の中心におくことができる。
6,頭部の矢状断位置決め機(前述の位置決め手段(3)及び位置修正手段(4)の機能を併せ持つ)を利用し、位置決めを行った。その際、前頭葉前下端と小脳下端を結ぶ面に一旦焦点を合わせ、その後小脳の上側に向かって(左回転で)40°〜50°(大半の人は、43°±3°の範囲内で設定できる)の範囲にある側脳室後下角を検索し側脳室後下角に平行な面を基準とした。
次に該基準面よりスライスの厚さ6mm、間隔2mmで撮影した画像及びスライスの厚さ5mm、間隔1mmで撮影した画像をそれぞれ十数枚撮影した。
7,上記の撮影はT1強調画像、T2強調画像の2種類で行った。そして、それぞれ十数枚の画像を得た。この中で、大脳辺縁系の画像(少なくとも、海馬と扁桃核を有する)、脳幹及び大脳皮質の断層画像がすべて同一画像面上に撮影できている画像を選択した。T1とT2それぞれ3〜4枚ずつの良好な画像が得られた。
撮影した結果を図9に示す。図9はMRIで撮影した脳断層画像の写真である。
図9(a)は正常な人の脳断面図を、図9(b)はアルツハイマー病中期)の人の脳断面図を、図9(c)は多発性梗塞性痴呆の人の脳断面図を示す。図9中、符号1は扁桃核を、符号2は脳幹を、符号3は海馬を、符号4は大脳皮質を表す。
この結果より、アルツハイマー病では大脳辺縁系が選択的に破壊(アポトーシス細胞自殺)されることが明かになった。アルツハイマー病ではあたかもつぶ実験のように海馬、扁桃などの主要神経核を含む大脳辺縁系の崩壊後方から前方に向かって全く左右対称的に進行する。病状の進行にともない、大脳皮質の後方の諸連合野側頭頭頂後頭)がまず機能障害に陥り、次いで前方の連合野(前頭及び諸運動)が順次侵される。
アルツハイマー病は、今までは大脳皮質の異常のみを問題としてきた。しかし、図9(b)で示すようにアルツハイマー病の発症を考えるにあたり大脳辺縁系の崩壊の様子を知ることが、本質的に重要となる。
図9(c)では、多発性梗塞性痴呆の初期の症例を示す。アルツハイマー病と同様に海馬と扁桃の萎縮が明かである。図9(b)及び図9(c)にみられる痴呆の神経核細胞の欠損には、ES細胞胚性幹細胞)の注入を行う等の治療を施すことにより、疾患の抜本的治療が可能となる。
さらに、本発明の方法を用いて得られた、各種の精神障害を生ずる諸疾患の脳断層画像の写真を示す。図10(a)は、心身症の子供(13男子)の断層画像を、図10(b)は、そううつ病の女性(40才)の断層画像を、図10(c)は、精神分裂病の男子(19才)の断層画像を示す。
図9及び図10で示されるように、精神障害を伴う全ての諸疾患において、大脳辺縁系の神経核破壊がみられることが、本発明により、明らかにされた。
また、その破壊は必ず左右対称に表れることも、極めて特徴的なことである。
本発明は、今迄、全く原因が不明であった精神病の科学的解明の糸口となりうる重要な意義を持つ発明である、といえる。
産業上の利用の可能性
本発明により、精神障害の検討に有効な大脳辺縁系の精査のための脳の断層画像を得る脳の断層画像の作成方法及び脳の断層画像の作成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の画像の作成方法を説明するため脳の各部位と本発明の撮影面との関係を明かにする図である。
図2は、本発明の画像の作成方法を説明するため脳の各部位と本発明の撮影面との関係を明かにする画像を示す図(写真)である。
図3は、本発明の方法を従来の方法に比較した上で、本発明の方法により得られた大脳辺縁系の断層画像の図(写真)である。(a)は、大脳辺縁系の海馬と扁桃、脳幹及び大脳皮質の断層画像をすべて同一画像面上に撮し出した画像の図であり、(b)は、本発明の方法と従来の方法の違いを説明する図である。
図4は、従来の撮影方法を説明するため脳の各部位と従来の撮影面との関係を明かにする図である。
図5の(a)〜(c)は、従来の撮影方法(図3(b)C)を用いて、脳の後ろから前に向かって、断層を撮影した場合に得られる断面図である。
図6は、大脳辺縁系の模式図である。
図7は、本発明で適用可能な装置の概略図である。
図8は、本発明の画像の作成装置の一実施形態にかかる構成図である。
図9の(a)〜(c)は、本発明の方法を用いMRIで撮影した結果、得られた脳断層画像の写真である。
図10の(a)〜(c)は、本発明の方法を用いMRIで撮影した結果、得られた脳断層画像の写真である。

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