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技術 セマフォリン阻害剤を有効成分とする神経再生促進剤

出願人 大日本住友製薬株式会社
発明者 木村徹菊地薫熊谷和夫細谷宣生岸野晶祥
出願日 2001年7月27日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2002-515308
公開日 2004年1月8日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 WO2002-009756
状態 特許登録済
技術分野 化合物または医薬の治療活性 O,S系縮合複素環 非環式または炭素環式化合物含有医薬 微生物による化合物の製造 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 微生物、その培養処理 ピラン系化合物 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 切断用ナイフ 取得量 サブローブ ポリプロピレングリコール誘導体 蟻酸水溶液 嗅覚異常 核酸関連化合物 アルコール脱水
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題・解決手段

セマフォリン阻害剤や、かかるセマフォリン阻害剤を有効成分として含有する、末梢あるいは中枢における神経再生促進剤や、かかる神経再生促進剤を含有する神経障害性疾患・神経変性疾患に対する予防剤治療剤等を提供すること。セマフォリン3A、セマフォリン6C等のセマフォリンの有する成長円錐退縮活性及び/又はセマフォリンの有するコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性を10μg/ml以下の濃度で抑制する作用を有し、実質的に細胞増殖に影響を与えることがない低分子化合物を、ペニシリウム属SPF−3059株の培養物から得る。得られたセマフォリン阻害作用を有する低分子化合物はインビボにおける神経再生促進作用を有する。

概要

背景

概要

セマフォリン阻害剤や、かかるセマフォリン阻害剤を有効成分として含有する、末梢あるいは中枢における神経再生促進剤や、かかる神経再生促進剤を含有する神経障害性疾患・神経変性疾患に対する予防剤治療剤等を提供すること。セマフォリン3A、セマフォリン6C等のセマフォリンの有する成長円錐退縮活性及び/又はセマフォリンの有するコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性を10μg/ml以下の濃度で抑制する作用を有し、実質的に細胞増殖に影響を与えることがない低分子化合物を、ペニシリウム属SPF−3059株の培養物から得る。得られたセマフォリン阻害作用を有する低分子化合物はインビボにおける神経再生促進作用を有する。

目的

本発明の課題は、セマフォリン阻害剤や、かかるセマフォリン阻害剤を有効成分として含有する、末梢あるいは中枢における神経再生促進剤や、かかる神経再生促進剤を含有する神経障害性疾患・神経変性疾患に対する予防剤や治療剤等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

神経伸長反発因子阻害剤を有効成分とすることを特徴とする神経再生促進剤

請求項2

神経伸長反発因子阻害剤が、セマフォリン阻害剤であることを特徴とする請求項1記載の神経再生促進剤。

請求項3

セマフォリン阻害剤が、クラ3型セマフォリン阻害剤であることを特徴とする請求項2記載の神経再生促進剤。

請求項4

クラス3型セマフォリン阻害剤が、セマフォリン3A阻害剤であることを特徴とする請求項3記載の神経再生促進剤。

請求項5

セマフォリン阻害剤が、クラス6型セマフォリン阻害剤であることを特徴とする請求項2記載の神経再生促進剤。

請求項6

クラス6型セマフォリン阻害剤が、セマフォリン6C阻害剤であることを特徴とする請求項5記載の神経再生促進剤。

請求項7

セマフォリン阻害剤が、中枢及び/又は末梢における神経再生促進作用を有する化合物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか記載の神経再生促進剤。

請求項8

セマフォリン阻害剤が、セマフォリンの有する成長円錐退縮活性及び/又はセマフォリンの有するコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか記載の神経再生促進剤。

請求項9

成長円錐退縮活性の抑制活性及び/又はコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物が、100μg/ml以下の濃度で前記抑制作用を示すことを特徴とする請求項8記載の神経再生促進剤。

請求項10

成長円錐退縮活性の抑制活性及び/又はコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物が、10μg/ml以下の濃度で前記抑制作用を示すことを特徴とする請求項9記載の神経再生促進剤。

請求項11

成長円錐退縮活性の抑制活性及び/又はコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物が、3μg/ml以下の濃度で前記抑制作用を示すことを特徴とする請求項10記載の神経再生促進剤。

請求項12

セマフォリン阻害剤が、セマフォリンと接触することによってセマフォリンの機能を阻害する化合物であることを特徴とするセマフォリン阻害剤である請求項2〜11のいずれか記載の神経再生促進剤。

請求項13

セマフォリン阻害剤が、実質的に細胞増殖に影響を与えることがない化合物であることを特徴とする請求項2〜12のいずれか記載の神経再生促進剤。

請求項14

セマフォリン阻害剤が、分子量1000以下の化合物であることを特徴とする請求項2〜13のいずれか記載の神経再生促進剤。

請求項15

セマフォリン阻害剤が、非ペプチド非ヌクレオチド系化合物であることを特徴とする請求項2〜14のいずれか記載の神経再生促進剤。

請求項16

非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物が、ペニシリウムエスピー(Penicilliumsp.)SPF−3059株を培養することにより得られる非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物であることを特徴とする請求項15記載の神経再生促進剤。

請求項17

ペニシリウム・エスピー(Penicilliumsp.)SPF−3059株を培養することにより得られる非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物が、分子内に式[1]、式[2]、式[4]若しくは式[5]で表される基、及び/又は、式[6]若しくは式[7]で表される基を有する非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物であることを特徴とする請求項16記載の神経再生促進剤。[化学式1](式中、[化学式2]は単結合若しくは二重結合を表し、R1は水素原子カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を表し、R2は水素原子、水酸基又はアシルオキシ基を表す。)[化学式3](式中、R1及びR2は式[1]と同義であり、R3は水素原子、メトキシメチル基、又は式[3][化学式4]を表す。)[化学式5](式中、R1及びR2は式[1]と同義である。)[化学式6][化学式7](式中、R4は水素原子、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を表し、R5は水素原子、水酸基又はアシルオキシ基を表す。)[化学式8](式中、R4及びR5は式[6]と同義である。)

請求項18

分子内に式[1]、式[2]、式[4]又は式[5]で表される基、及び、式[6]若しくは式[7]で表される基を有する化合物であることを特徴とする化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有するセマフォリン阻害剤。[化学式9](式中、[化学式10]は単結合若しくは二重結合を表し、R1は水素原子、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を表し、R2は水素原子、水酸基又はアシルオキシ基を表す。)[化学式11](式中、R1及びR2は式[1]と同義であり、R3は水素原子、メトキシメチル基、又は式[3][化学式12]を表す。)[化学式13](式中、R1及びR2は式[1]と同義である。)[化学式14][化学式15](式中、R4は水素原子、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を表し、R5は水素原子、水酸基又はアシルオキシ基を表す。)[化学式16](式中、R4及びR5は式[6]と同義である。)

請求項19

式[8]で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤。[化学式17][式中、R4及びR5は式[6]と同義であり、R6及びR7は、下記の(1)又は(2)のいずれかで表される。(1)R6はメチル基を表し、R7は式[2]で表される基、式[9]で表される基、又は式[10]で表される基を表す。[化学式18](式中、R1及びR2は式[1]と同義であり、R3は水素原子、メトキシメチル基、又は式[3][化学式19]を表す。[化学式20](式中、R1及びR2は式[1]と同義である。)[化学式21](式中、R1及びR2は式[1]と同義である。)(2)R6は式[5]で表される基、又は式[11]で表される基を表し、R7はアセチル基を表す。[化学式22][化学式23]

請求項20

式[12]で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤。[化学式24](式中、R1、R2、R4及びR5は、式[1]及び式[6]と同義である。)

請求項21

式[12]において、R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項20記載のセマフォリン阻害剤。

請求項22

式[12]において、R2が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項21記載のセマフォリン阻害剤。

請求項23

式[12]において、R2及びR5が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項21記載のセマフォリン阻害剤。

請求項24

式[12]において、R4がカルボキシル基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項20〜23のいずれか記載のセマフォリン阻害剤。

請求項25

式[12]において、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R2が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項20記載のセマフォリン阻害剤。

請求項26

請求項18〜25のいずれか記載のセマフォリン阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする神経再生促進剤。

請求項27

式[12][化学式25](式中、R1、R2、R4及びR5は式[1]及び式[6]と同義である。)において、R1、R2、R4、及びR5のうち少なくとも1つが水素原子で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項28

R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表すことを特徴とする請求項27記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項29

R2が水酸基を表すことを特徴とする請求項28記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項30

R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項28記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項31

R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項27〜30のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項32

R1及びR4がカルボキシル基を表し、R2が水酸基を表すことを特徴とする請求項27記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項33

式[13]で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤。[化学式26](式中、R1、R2、R4及びR5は、式[1]及び式[6]と同義である。)

請求項34

式[13]において、R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項33記載のセマフォリン阻害剤。

請求項35

式[13]において、R2が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項34記載のセマフォリン阻害剤。

請求項36

式[13]において、R2及びR5が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項34記載のセマフォリン阻害剤。

請求項37

式[13]において、R4がカルボキシル基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項33〜36のいずれか記載のセマフォリン阻害剤。

請求項38

式[13]において、R2及びR5が水酸基を表し、R1がカルボキシル基を表し、R4が水素原子を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項33記載のセマフォリン阻害剤。

請求項39

式[13]において、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R5が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項33記載のセマフォリン阻害剤。

請求項40

請求項33〜39のいずれか記載のセマフォリン阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする神経再生促進剤。

請求項41

式[13][化学式27](式中、R1、R2、R4及びR5は、式[1]及び式[6]と同義である。)において、R1、R2及びR5のうち少なくとも1つが水素原子で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項42

R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表すことを特徴とする請求項41記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項43

R2が水酸基を表すことを特徴とする請求項42記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項44

R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項42記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項45

R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項41〜44のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項46

R2が水酸基を表し、R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項41記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項47

R1及びR4がカルボキシル基を表し、R5が水酸基を表すことを特徴とする請求項41記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項48

式[14][化学式28](式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、式[2]及び式[6]と同義である。)で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項49

R2及びR5のうち少なくとも一方が水酸基を表すことを特徴とする請求項48記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項50

R2が水酸基を表すことを特徴とする請求項49記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項51

R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項49記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項52

R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項48〜51のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項53

R1及びR4がカルボキシル基を表し、R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項48記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項54

R1がカルボキシル基を表し、R2及びR5が水酸基を表し、R3がメトキシメチル基を表すことを特徴とする請求項48記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項55

R1がカルボキシル基若しくはメトキシカルボニル基を表し、R4がカルボキシル基を表し、R3が水素原子を表し、R5が水酸基を表すことを特徴とする請求項48記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項56

R1がカルボキシル基若しくはメトキシカルボニル基を表し、R4がカルボキシル基を表し、R2及びR3が水素原子を表し、R5が水酸基を表すことを特徴とする請求項55記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項57

R3が式[3]に示される基を表すことを特徴とする請求項48〜53のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。[化学式29]

請求項58

請求項48〜57のいずれかの化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤。

請求項59

請求項58記載のセマフォリン阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする神経再生促進剤。

請求項60

式[15][化学式30](式中、R4及びR5は、式[6]と同義である。)で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項61

R5が水酸基表すことを特徴とする請求項60記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項62

R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項60又は61記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項63

請求項60〜62のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤。

請求項64

請求項63記載のセマフォリン阻害剤を有効成分とすることを特徴とする神経再生促進剤。

請求項65

式[16][化学式31](式中、R1、R2、R4及びR5は、式[1]及び式[6]と同義である。)で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項66

R2及びR5の少なくとも一方が水素原子を表すことを特徴とする請求項65記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項67

R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項65記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項68

R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項65〜67のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。

請求項69

請求項65〜68のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤。

請求項70

請求項69記載のセマフォリン阻害剤を有効成分とすることを特徴とする神経再生促進剤。

請求項71

請求項1〜17のいずれか、26、40、59、64又は70記載の神経再生促進剤を含有することを特徴とする神経障害疾患及び/又は神経変性疾患の予防若しくは治療剤

請求項72

神経障害疾患及び/又は神経変性疾患が、脊髄神経の損傷及び/又は末梢神経の損傷を伴う疾患であることを特徴とする請求項71記載の神経障害疾患及び/又は神経変性疾患の予防若しくは治療剤。

請求項73

神経障害疾患及び/又は神経変性疾患が、嗅覚異常症、外傷性神経傷害脳梗塞神経障害顔面神経麻痺糖尿病性神経症緑内障網膜色素変性症アルツハイマー病パーキンソン病、神経変性疾患、筋発育不全側索硬化症筋萎縮性側索硬化症ハンチントン病、脳梗塞、又は外傷性神経変性疾患であることを特徴とする請求項71記載の神経障害疾患及び/又は神経変性疾患の予防若しくは治療剤。

請求項74

ペニシリウム属に属する、請求項27〜32のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項27〜32のいずれか記載の化合物の製造方法。

請求項75

ペニシリウム属に属する、請求項41〜47のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項41〜47記載の化合物の製造方法。

請求項76

ペニシリウム属に属する、請求項48〜57のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項48〜57のいずれか記載の化合物の製造方法。

請求項77

ペニシリウム属に属する、請求項60〜62のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項60〜62のいずれか記載の化合物の製造方法。

請求項78

ペニシリウム属に属する、請求項65〜68のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項65〜68のいずれか記載の化合物の製造方法。

請求項79

ペニシリウム属に属する生産菌が、ペニシリウム・エスピー(Penicilliumsp.)SPF−3059株であることを特徴とする請求項74〜78のいずれか記載の製造方法。

請求項80

ペニシリウム・エスピー(Penicilliumsp.)SPF−3059株(FERMBP−7663)又は該SPF−3059株から誘導される菌株

技術分野
本発明はセマフォリン阻害剤を有効成分とする中枢又は末梢における神経再生促進剤、該神経再生促進剤を含有する神経変性疾患等の予防・治療剤非ペプチド非ヌクレオチド系セマフォリン阻害剤、セマフォリン阻害活性を有する化合物、及び該化合物の微生物学的製造方法等に関する。
背景技術
神経細胞成体において分裂能を持っていない特殊な組織である。そのため一旦障害を受けると長期にわたって障害が続く。特に脳や脊髄といった中枢神経系では全く再生能がない。脊髄損傷に代表される外因性傷害アルツハイマー病パーキンソン病といった神経変性疾患に対する治療方法がないことも、中枢神経における再生能が無いことが一つの原因になっているということができる。他方、末梢神経は再生能を有しており、一旦切断された後も軸索再生し機能が回復する。しかしこの場合にも再生に要する期間は数ヶ月から1年以上と非常に長時間を要し、患者にとっての苦痛は大きい。更にこのように再生に長期間を要するために、その間に神経細胞が死滅機能回復に至らない場合も多い。このように再生能を有する末梢神経の場合も、脳や脊髄といった中枢神経系の環境では全く伸長することはできない。そのため、中枢神経系には神経の伸長を阻止する物質が存在しているとされている。この中枢神経系に存在する神経再生阻害物質を抗体などで抑制すると一部ではあるが、中枢での神経再生が起こり、機能の回復も見られる。最近、この中枢神経再生阻害因子としてNogoが発見された(Nature 403,434,2000、Nature 403,439,2000)。しかし、Nogoを阻害することによって、再生する神経線維は一部であり、他の再生阻害物質が存在するのではないかと考えられている。かかる神経再生阻害の候補物質として、MAG(ミエリン会合糖タンパク質)、テネイシンガングリオシドエフリンネトリンスリット、セマフォリンなどが挙げられているが、その根拠インビトロ神経伸長を阻害することのみであり、インビボで実際にこれらの物質が神経の再生阻害に働いているかはこれまで明らかにされていない。
ところで、セマフォリンは、もともと発生期におけるバッタの神経系形成に関係する因子としてその遺伝子が単離されたものであるが、その後、線虫哺乳類さらにはある種のウイルスなどにも分布する大きな遺伝子ファミリーを形成していることが報告され、現在ではセマフォリン遺伝子は構造上8つの遺伝子サブファミリークラス、に分類されている(Cell 97,551,1999)。セマフォリンは神経成長円錐退縮させ軸索の伸長を抑制する因子として同定された内因性タンパク質であり、これまでに約20種の分子種が知られている(Cell 97,551,1999)が、多くのセマフォリンファミリーの大部分の機能について詳しいことはわかっていない。最も良く研究されているのがクラス3型と呼ばれるサブファミリーの遺伝子群であり、これらの翻訳産物はすべて分泌型蛋白質である。これらの遺伝子がコードする蛋白質はインビトロで強い神経突起伸長抑制活性、成長円錐退縮活性を有していることが知られているが、ある条件下では神経突起伸長に誘引的に作用するとの報告もある。中でも最も良く研究されているのがセマフォリン3A(Sema3A)(Cell 75,217,1993、Cell 75,1389,1993)であり、この蛋白は10pMという低濃度で短時間のうちに培養神経細胞の成長円錐退縮を誘発する。セマフォリンのインビボでの機能を解析する研究として、Sema3Aの受容体の一つのコンポーネントであるニューロピリン−1のノックアウトマウスの研究がなされている(Neuron 19,995,1997)。当該ノックアウトマウスは胎生致死であるが、三叉神経など一部の神経系の走行異常、血管形成異常が起こることが知られている。一方、Sema3Aのノックアウトマウスでも同様の神経系の走行異常は認められるが、大きな異常も無く成体にまで発育する個体もあるとされており、生体内でのSema3Aの機能については未だ不明な点も多い。
その他セマフォリンに関しては、セマフォリンW、セマフォリンY、セマフォリンZに対する抗体等のアンタゴニストアンチセンスヌクレオチドを中枢神経の再生促進剤とすること(WO98/15628、WO98/11216、WO98/20928)や、神経細胞とヒトコラプシンに特異的に結合する抗体とを接触させることにより、神経突起成長誘導する方法(米国特許第5416197号明細書)が知られている。しかし、インビボにおけるこれら抗体等の作用は明らかにされていない。また、セマフォリンに対する抗体やアンチセンスヌクレオチド等のペプチド系ヌクレオチド系以外の物質でセマフォリンを特異的に阻害する低分子化合物は、これまで全く知られていなかった。
本発明の課題は、セマフォリン阻害剤や、かかるセマフォリン阻害剤を有効成分として含有する、末梢あるいは中枢における神経再生促進剤や、かかる神経再生促進剤を含有する神経障害性疾患・神経変性疾患に対する予防剤や治療剤等を提供することにある。
発明の開示
セマフォリンは多くの作用を有していると考えられ、一部ではセマフォリンが神経の発生のみでなく再生にも関与しているとの考えもあったが、実際のところは全くわかっていなかった。また、古くから多くの研究によって神経再生阻害に関係していると考えられてきたMAGのノックアウト動物において、神経再生促進が認められなかったことからもわかるように、特定の遺伝子を欠損した動物においては他の遺伝子による代償作用のため、遺伝子欠損動物において必ずしもその遺伝子本来の機能が欠失するとは限らない。そこで本発明者らは、セマフォリンを標的として、セマフォリンノックアウト動物を用いることなく、セマフォリンのインビボにおける神経再生促進作用を検証する研究に着手した。
まずインビトロでセマフォリンの活性を完全に阻害する物質をスクリーニングし、スクリーニングしたセマフォリン阻害剤を神経再生モデル動物投与することによって、該セマフォリン阻害剤のインビボでの神経再生促進作用を明らかにした。この過程で、セマフォリンの成長円錐退縮活性を完全に抑制すると同時に、コラーゲンゲル中でセマフォリン活性を持続的に阻害してセマフォリン存在下でも神経突起伸長を促進する物質が、インビボで神経再生促進作用を示すことを見い出した。さらにセマフォリン活性を抑制することによって、末梢のみでなく、中枢においても神経再生が促進されることを見い出した。かかる研究により、セマフォリンのインビボでの作用が解明されただけでなく、これまで全く知られていなかったセマフォリン阻害剤を有効成分とする神経再生促進剤や、かかる神経再生促進剤を含有する医薬品を提供することが可能となった。また、本発明者らがスクリーニングしたペニシリウムエスピー(Penicillium sp.)SPF−3059株の培養物中に見い出される分子内に特定構造を有する化合物がセマフォリン阻害活性を有することも明らかにした。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、神経伸長反発因子阻害剤を有効成分とすることを特徴とする神経再生促進剤(請求項1)や、神経伸長反発因子阻害剤が、セマフォリン阻害剤であることを特徴とする請求項1記載の神経再生促進剤(請求項2)や、セマフォリン阻害剤が、クラス3型セマフォリン阻害剤であることを特徴とする請求項2記載の神経再生促進剤(請求項3)や、クラス3型セマフォリン阻害剤が、セマフォリン3A阻害剤であることを特徴とする請求項3記載の神経再生促進剤(請求項4)や、セマフォリン阻害剤が、クラス6型セマフォリン阻害剤であることを特徴とする請求項2記載の神経再生促進剤(請求項5)や、クラス6型セマフォリン阻害剤が、セマフォリン6C阻害剤であることを特徴とする請求項5記載の神経再生促進剤(請求項6)や、セマフォリン阻害剤が、中枢及び/又は末梢における神経再生促進作用を有する化合物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか記載の神経再生促進剤(請求項7)や、セマフォリン阻害剤が、セマフォリンの有する成長円錐退縮活性及び/又はセマフォリンの有するコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか記載の神経再生促進剤(請求項8)や、成長円錐退縮活性の抑制活性及び/又はコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物が、100μg/ml以下の濃度で前記抑制作用を示すことを特徴とする請求項8記載の神経再生促進剤(請求項9)や、成長円錐退縮活性の抑制活性及び/又はコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物が、10μg/ml以下の濃度で前記抑制作用を示すことを特徴とする請求項9記載の神経再生促進剤(請求項10)や、成長円錐退縮活性の抑制活性及び/又はコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物が、3μg/ml以下の濃度で前記抑制作用を示すことを特徴とする請求項10記載の神経再生促進剤(請求項11)や、セマフォリン阻害剤が、セマフォリンと接触することによってセマフォリンの機能を阻害する化合物であることを特徴とするセマフォリン阻害剤である請求項2〜11のいずれか記載の神経再生促進剤(請求項12)や、セマフォリン阻害剤が、実質的に細胞増殖に影響を与えることがない化合物であることを特徴とする請求項2〜12のいずれか記載の神経再生促進剤(請求項13)や、セマフォリン阻害剤が、分子量1000以下の化合物であることを特徴とする請求項2〜13のいずれか記載の神経再生促進剤(請求項14)や、セマフォリン阻害剤が、非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物であることを特徴とする請求項2〜14のいずれか記載の神経再生促進剤(請求項15)や、非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物が、ペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF−3059株を培養することにより得られる非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物であることを特徴とする請求項15記載の神経再生促進剤(請求項16)や、ペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF−3059株を培養することにより得られる非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物が、分子内に式[1]、式[2]、式[4]若しくは式[5]で表される基、及び/又は、式[6]若しくは式[7]で表される基を有する非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物であることを特徴とする請求項16記載の神経再生促進剤。
化学式1]

(式中、
[化学式2]

単結合若しくは二重結合を表し、R1は水素原子カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を表し、R2は水素原子、水酸基又はアシルオキシ基を表す。)
[化学式3]

(式中、R1及びR2は式[1]と同義であり、R3は水素原子、メトキシメチル基、又は式[3]
[化学式4]

を表す。)
[化学式5]

(式中、R1及びR2は式[1]と同義である。)
[化学式6]

[化学式7]

(式中、R4は水素原子、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を表し、R5は水素原子、水酸基又はアシルオキシ基を表す。)
[化学式8]

(式中、R4及びR5は式[6]と同義である。)(請求項17)に関する。
また本発明は、分子内に式[1]、式[2]、式[4]又は式[5]で表される基、及び、式[6]若しくは式[7]で表される基を有する化合物であることを特徴とする化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有するセマフォリン阻害剤。
[化学式9]

(式中、
[化学式10]

は単結合若しくは二重結合を表し、R1は水素原子、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を表し、R2は水素原子、水酸基又はアシルオキシ基を表す。)
[化学式11]

(式中、R1及びR2は式[1]と同義であり、R3は水素原子、メトキシメチル基、又は式[3]
[化学式12]

を表す。)
[化学式13]

(式中、R1及びR2は式[1]と同義である。)
[化学式14]

[化学式15]

(式中、R4は水素原子、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を表し、R5は水素原子、水酸基又はアシルオキシ基を表す。)
[化学式16]

(式中、R4及びR5は式[6]と同義である。)(請求項18)や、式[8]で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤。
[化学式17]

[式中、R4及びR5は式[6]と同義であり、R6及びR7は、下記の(1)又は(2)のいずれかで表される。
(1)R6はメチル基を表し、R7は式[2]で表される基、式[9]で表される基、又は式[10]で表される基を表す。
[化学式18]

(式中、R1及びR2は式[1]と同義であり、R3は水素原子、メトキシメチル基、又は式[3]
[化学式19]

を表す。
[化学式20]

(式中、R1及びR2は式[1]と同義である。)
[化学式21]

(式中、R1及びR2は式[1]と同義である。)
(2)R6は式[5]で表される基、又は式[11]で表される基を表し、R7はアセチル基を表す。
[化学式22]

[化学式23]

(請求項19)や、式[12]で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤。
[化学式24]

(式中、R1、R2、R4及びR5は、式[1]及び式[6]と同義である。)(請求項20)や、式[12]において、R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項20記載のセマフォリン阻害剤(請求項21)や、式[12]において、R2が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項21記載のセマフォリン阻害剤(請求項22)や、式[12]において、R2及びR5が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項21記載のセマフォリン阻害剤(請求項23)や、式[12]において、R4がカルボキシル基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項20〜23のいずれか記載のセマフォリン阻害剤(請求項24)や、式[12]において、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R2が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項20記載のセマフォリン阻害剤(請求項25)や、請求項18〜25のいずれか記載のセマフォリン阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする神経再生促進剤(請求項26)に関する。
さらに本発明は、式[12]
[化学式25]

(式中、R1、R2、R4及びR5は式[1]及び式[6]と同義である。)において、R1、R2、R4、及びR5のうち少なくとも1つが水素原子で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項27)や、R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表すことを特徴とする請求項27記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項28)や、R2が水酸基を表すことを特徴とする請求項28記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項29)や、R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項28記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項30)や、R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項27〜30のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項31)や、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R2が水酸基を表すことを特徴とする請求項27記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項32)に関する。
また本発明は、式[13]で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤。
[化学式26]

(式中、R1、R2、R4及びR5は、式[1]及び式[6]と同義である。)(請求項33)や、式[13]において、R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項33記載のセマフォリン阻害剤(請求項34)や、式[13]において、R2が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項34記載のセマフォリン阻害剤(請求項35)や、式[13]において、R2及びR5が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項34記載のセマフォリン阻害剤(請求項36)や、式[13]において、R4がカルボキシル基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項33〜36のいずれか記載のセマフォリン阻害剤(請求項37)や、式[13]において、R2及びR5が水酸基を表し、R1がカルボキシル基を表し、R4が水素原子を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項33記載のセマフォリン阻害剤(請求項38)や、式[13]において、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R5が水酸基を表す化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項33記載のセマフォリン阻害剤(請求項39)や、請求項33〜39のいずれか記載のセマフォリン阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする神経再生促進剤(請求項40)に関する。
また本発明は、式[13]
[化学式27]

(式中、R1、R2、R4及びR5は、式[1]及び式[6]と同義である。)において、R1、R2及びR5のうち少なくとも1つが水素原子で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項41)や、R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表すことを特徴とする請求項41記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項42)や、R2が水酸基を表すことを特徴とする請求項42記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項43)や、R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項42記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項44)や、R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項41〜44のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項45)や、R2が水酸基を表し、R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項41記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項46)や、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R5が水酸基を表すことを特徴とする請求項41記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項47)や、式[14]
[化学式28]

(式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、式[2]及び式[6]と同義である。)
で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項48)や、R2及びR5のうち少なくとも一方が水酸基を表すことを特徴とする請求項48記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項49)や、R2が水酸基を表すことを特徴とする請求項49記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項50)や、R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項49記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項51)や、R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項48〜51のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項52)や、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項48記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項53)や、R1がカルボキシル基を表し、R2及びR5が水酸基を表し、R3がメトキシメチル基を表すことを特徴とする請求項48記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項54)や、R1がカルボキシル基若しくはメトキシカルボニル基を表し、R4がカルボキシル基を表し、R3が水素原子を表し、R5が水酸基を表すことを特徴とする請求項48記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項55)や、R1がカルボキシル基若しくはメトキシカルボニル基を表し、R4がカルボキシル基を表し、R2及びR3が水素原子を表し、R5が水酸基を表すことを特徴とする請求項55記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項56)や、R3が式[3]に示される基を表すことを特徴とする請求項48〜53のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体。
[化学式29]

(請求項57)や、請求項48〜57のいずれかの化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤(請求項58)や、請求項58記載のセマフォリン阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする神経再生促進剤(請求項59)に関する。
また本発明は、式[15]
[化学式30]

(式中、R4及びR5は、式[6]と同義である。)で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項60)や、R5が水酸基表すことを特徴とする請求項60記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項61)や、R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項60又は61記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項62)や、請求項60〜62のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤(請求項63)や、請求項63記載のセマフォリン阻害剤を有効成分とすることを特徴とする神経再生促進剤(請求項64)に関する。
また本発明は、式[16]
[化学式31]

(式中、R1、R2、R4及びR5は、式[1]及び式[6]と同義である。)で表される化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項65)や、R2及びR5の少なくとも一方が水素原子を表すことを特徴とする請求項65記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項66)や、R2及びR5が水酸基を表すことを特徴とする請求項65記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項67)や、R4がカルボキシル基を表すことを特徴とする請求項65〜67のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体(請求項68)や、請求項65〜68のいずれか記載の化合物、その医薬的に許容される塩、又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とするセマフォリン阻害剤(請求項69)や、請求項69記載のセマフォリン阻害剤を有効成分とすることを特徴とする神経再生促進剤(請求項70)に関する。
また本発明は、請求項1〜17のいずれか、26、40、59、64又は70記載の神経再生促進剤を含有することを特徴とする神経障害疾患及び/又は神経変性疾患の予防若しくは治療剤(請求項71)や、神経障害疾患及び/又は神経変性疾患が、脊髄神経の損傷及び/又は末梢神経の損傷を伴う疾患であることを特徴とする請求項71記載の神経障害疾患及び/又は神経変性疾患の予防若しくは治療剤(請求項72)や、神経障害疾患及び/又は神経変性疾患が、嗅覚異常症、外傷性神経傷害脳梗塞神経障害顔面神経麻痺糖尿病性神経症緑内障網膜色素変性症、アルツハイマー病、パーキンソン病、神経変性疾患、筋発育不全側索硬化症筋萎縮性側索硬化症ハンチントン病、脳梗塞、又は外傷性神経変性疾患であることを特徴とする請求項71記載の神経障害疾患及び/又は神経変性疾患の予防若しくは治療剤(請求項73)や、ペニシリウム属に属する、請求項27〜32のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項27〜32のいずれか記載の化合物の製造方法(請求項74)や、ペニシリウム属に属する、請求項41〜47のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項41〜47記載の化合物の製造方法(請求項75)や、ペニシリウム属に属する、請求項48〜57のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項48〜57のいずれか記載の化合物の製造方法(請求項76)や、ペニシリウム属に属する、請求項60〜62のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項60〜62のいずれか記載の化合物の製造方法(請求項77)や、ペニシリウム属に属する、請求項65〜68のいずれか記載の化合物生産菌を培養して、その培養物から前記化合物を採取することを特徴とする請求項65〜68のいずれか記載の化合物の製造方法(請求項78)や、ペニシリウム属に属する生産菌が、ペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF−3059株であることを特徴とする請求項74〜78のいずれか記載の製造方法(請求項79)や、ペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF−3059株(FERM BP−7663)又は該SPF−3059株から誘導される菌株(請求項80)に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の神経再生促進剤としては、セマフォリン等の神経伸長反発因子の阻害剤を有効成分とするものであれば特に制限されるものではない。ここでセマフォリンとは、およそ500アミノ酸残基からなる類似構造のセマフォリンドメインを有する蛋白質の総称であり(Neuron 14,941−948,1995)、現在までに約20種以上が報告されているが、これら公知のセマフォリンに限定されるものではない。かかるセマフォリンとしては、ヒト等の哺乳類のセマフォリン、好ましくは文献(Cell 97,551,1999)において定義されたクラス3型,4型5型又は6型のセマフォリン、更に好ましくはクラス3型又はクラス6型セマフォリンを例示することができ、最も好ましくはクラス3型セマフォリンにおいてはセマフォリン3A(Cell 75,217,1993、Cell 75,1389,1993)を、またクラス6型セマフォリンにおいてはセマフォリン6C(国際公開第98/11216号パンフレット、Moll.Cell.Neurosci.13,9−23(1999))を例示することができる。これらセマフォリンをコードする遺伝子の配列情報は、GenBankデータベースや前記文献等において公開されているため、当該配列情報に基づき、適当なDNA部分をハイブリダイゼーションプローブ又はPCRプライマーとし、例えば脳由来cDNAライブラリー等を用いることにより、セマフォリンをコードするcDNAをクローニングすることができる。これらのクローニングは、例えばMolecular Cloning 2nd Edt.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)などの基本書に従い、当業者ならば容易に行うことができる。また、以上のようにして得られたセマフォリンをコードする遺伝子を発現させてタンパクを産生することも、例えば前述のMolecular Cloning等の多くの成書や文献に基づいて実施することができる。また、本発明におけるセマフォリンには、天然型組換え型のタンパク質に限ることなく、膜結合型セマフォリンの細胞外ドメインのみを発現可溶化させたもの、抗体やアルカリホスファターゼなどの他のタンパク質との融合タンパク質、あるいはヒスタグフラグなどのタグを付けたもの、さらには一部のアミノ酸を欠失、置換、付加させた変異体なども含まれる。
例えば、セマフォリン6C(Sema6C)は膜結合型タンパク質であり、Sema6Cの有する活性の促進・抑制作用を利用して被験物質の活性を測定する場合等においては、通常Sema6Cの細胞外ドメインが使用される。Sema6Cの細胞外ドメインには2つのアイソフォームが知られているが(国際公開第98/11216号パンフレット及びMoll.Cell.Neurosci.13,9−23(1999))、そのいずれも成長円錐退縮活性を有している。かかるSema6Cの細胞外ドメインと、マーカータンパク質及び/又はペプチドタグとを結合させた融合タンパク質も、Sema6C活性を損なわない限り、被験物質の活性を測定する場合等において有利に用いることができ、マーカータンパク質としては、例えばアルカリホスファターゼ(Cell 63,185−194(1990))、抗体のFc領域(Genbank accession number M87789)、HRPなどの従来よく知られたマーカータンパク質を、またペプチドタグとしては、例えばミックタグ、ヒスタグ、フラグタグなどの従来よく知られたペプチドタグを挙げることができる。
また本発明においてセマフォリン阻害剤とは、上記セマフォリンのいずれかが有する活性、例えば、細胞遊走活性、細胞死誘導活性、細胞の球状化や成長円錐の退縮といった細胞の形態変化、神経突起伸長抑制あるいは促進活性、神経細胞の樹状突起の伸長促進あるいは抑制活性、神経軸索ガイダンス活性などを阻害する物質をいい、かかるセマフォリン阻害剤としては、前記セマフォリン活性を阻害する物質であれば特に制限されるものではないが、好ましくは中枢及び/又は末梢における神経再生促進作用を有する化合物、より好ましくはセマフォリンの有する成長円錐退縮活性及び/又はコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物、さらに好ましくはセマフォリンの有する成長円錐退縮活性とコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の両方に対して抑制作用を有する化合物を挙げることができる。
上記中枢及び/又は末梢における神経再生促進作用とは、脳及び脊髄などからなる中枢(組織)、及び/又は該中枢(組織)以外の周辺・末梢部である体表体内の諸器官である末梢(組織)における神経の再生を促進する作用を言う。ここで中枢における神経再生促進作用には、網膜神経大脳皮質神経のような、中枢領域にある神経細胞体から軸索を出し同じく中枢にある他の神経細胞に投射する神経の再生促進作用のみならず、嗅神経後根神経節感覚神経中枢性線維等の、末梢に存在する神経細胞体から出る神経であっても、神経軸索が再生される環境が中枢(組織)であるときの神経再生促進作用も含まれる。また、末梢における神経再生促進作用としては、末梢にある神経細胞体から出て末梢組織の中を伸びる神経の再生促進作用のみならず、中枢(脳及び脊髄など)にある神経細胞体から出る神経であっても、再生される環境が末梢(組織)であるときの神経再生促進作用も含まれる。後者としては具体的に、脊髄運動神経交感神経副交感神経といった自律神経系節前神経等の神経再生促進作用を例示することができる。また坐骨神経のように、前記の両方の神経を含む神経の再生促進作用も含まれる。そして、本発明のセマフォリン阻害剤としては、中枢及び末梢における神経再生促進作用を有する化合物が特に好ましい。なお、前記において中枢(組織)とは、脳、延髄、脊髄、眼などからなる組織で詳しくは血液脳関門血液網膜関門といった構造によって高分子量物質輸送が制限されている領域であり、末梢組織とは身体のそれ以外の領域を指す。一般に、神経線維は末梢組織の中では再生が可能であるが、中枢組織の中では再生することができない。
上記セマフォリンの有する成長円錐退縮(コラプス)活性とは、神経細胞(通常は神経節組織片)をインビトロで所定時間培養し、伸長した神経突起とその神経突起先端の成長円錐を観察しうる状態にした後、所定の濃度(例えば、約3ユニット/ml;なお、1ユニット/mlは50%の成長円錐を退縮させるセマフォリンの濃度をいう)のセマフォリンを加えさらに所定時間(例えば1時間)培養を続けた後に観察される成長円錐を消失させる活性をいう。伸長した神経突起とその神経突起先端の成長円錐を観察しうる状態とするために、神経細胞のインビトロでの培養は通常10時間から20時間行われるが、神経の種類、培養条件によって適宜変更することができる。そして、例えばこの実験系において、セマフォリンを添加する約1時間前にあらかじめ適当濃度の化合物を加えておいた場合に、セマフォリンによる成長円錐の退縮が抑制されたとき、かかる化合物をセマフォリン阻害剤、特にセマフォリンの成長円錐退縮活性の抑制作用を有する化合物ということができる。また、かかる成長円錐退縮活性の抑制作用を有する化合物としては特に制限されるものではないが、100μg/ml以下、好ましくは30μg/ml以下、より好ましくは10μg/ml以下、最も好ましくは3μg/ml以下の濃度で前記抑制作用を示すものを例示することができる。さらに、セマフォリン阻害剤としては、神経細胞やセマフォリン発現細胞等の細胞の増殖に実質的に影響を与えることがない化合物が、本発明のセマフォリン阻害剤の効果を確認する上で、また、医薬品として用いた場合の安全性の点で好ましい。
また上記セマフォリンの有するコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性とは、例えばセマフォリン産生細胞と神経細胞(通常は神経節)とを共に含むコラーゲンゲル中で観察される神経伸長阻害活性をいう。そして当該神経伸長阻害活性の抑制作用とは、コラーゲンゲル中でのセマフォリン活性を持続的に阻害する活性であり、例えばコラーゲンゲル中で神経細胞と近接してセマフォリン産生細胞を培養し、通常一晩以上経過した後に神経突起伸長を観察したときに、セマフォリン産生細胞と逆側へ伸長している神経突起に比べてセマフォリン産生細胞の方へは1/3以下しか伸長しない実験条件において、その物質存在下で培養すると1/2以上の長さにまで伸長することのできる活性をいう。また、かかるコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有する化合物としては特に制限されるものではないが、100μg/ml以下、好ましくは30μg/ml以下、より好ましくは10μg/ml以下、最も好ましくは3μg/ml以下の濃度で前記抑制作用を示すものを例示することができる。
上記セマフォリンの2種類の活性測定において用いられるセマフォリンとしては、天然型のセマフォリンに限定されることなく、前記の膜結合型のセマフォリンの細胞外ドメインのみを発現可溶化させたもの、抗体やアルカリホスファターゼなどの他のタンパク質との融合タンパク質、あるいはヒスタグや、フラグなどのタグを付けたもの、一部のアミノ酸を変化させたものなども使用することができる。また、培養に用いる神経細胞としては、ニワトリ日齢、8日齢の胎仔から取り出した後根神経節が便利であるが、ニワトリ以外の動物の後根神経節、また、後根神経節以外の交感神経節、網膜神経節、上頚神経節など、インビトロ培養下において神経突起を伸長する神経細胞であればどのような神経細胞でも用いることができる。培養条件としては、神経突起の伸長を観察でき、セマフォリンの活性が測定できる条件であれば、特に制限されるものではない。
本発明におけるセマフォリン阻害剤の作用機序は、以下のように考えられる。すなわち、セマフォリンの神経突起伸長抑制活性あるいは成長円錐退縮活性の発現は、まずセマフォリンが神経細胞表面(成長円錐)上のレセプターに結合することに始まる。セマフォリンの結合したレセプターから細胞内にシグナルが伝達され最終的にアクチン繊維脱重合惹起され、その結果として神経突起伸長抑制、成長円錐退縮が生じる。セマフォリン活性阻害はこれら一連の反応のいずれかの部分を阻害・遮断することで達成される。上記セマフォリンのレセプターとしては、前述のセマフォリンのいずれかのレセプターであればよく、セマフォリンが結合することができれば、その改変体や、その一部のコンポーネントであってもよい。具体的には、ニューロピリン−1、プレキシン等が例示される。そして、本発明のセマフォリン阻害剤は、作用機序により限定されるものではなく、また上記の作用機序において、いずれの段階を阻害するものであっても本発明の範疇に含まれる。すなわち、上記セマフォリンのレセプター結合からアクチン繊維脱重合までに至る細胞内情報伝達に関わる反応を阻害することによりセマフォリン活性を阻害する化合物もまた、本発明の範疇に含まれる。なお、セマフォリンのレセプター結合阻害活性を測定する方法としては、当業者により適宜選択される方法であればどのような方法であってもよく、例えば、前述の抗体やアルカリホスファターゼなどの他のタンパク質を融合したセマフォリン、あるいはヒスタグや、フラグなどのタグを付けたセマフォリンを、被験物質存在下において当該セマフォリンレセプターあるいはレセプターコンポーネントを発現する細胞に対して結合させることで、セマフォリンのレセプター結合阻害活性を測定する方法を例示することができる。
例えば、セマフォリン3A(Sema3A)のコラプス活性及び神経伸長阻害活性を共に阻害する、本発明者らにより見い出された化合物であるSPF−3059−1のニューロピリン−1への結合阻害活性を、実際に、アルカリホスファターゼ融合Sema3A(=Sema3A−AP)及びニューロピリン−1発現COS7細胞を用いて調べたところ、SPF−3059−1はSema3A−APのニューロピリン−1への結合を濃度依存的に阻害することがわかった。更にその阻害の作用機序、すなわち、SPF−3059−1がSema3Aとそのレセプターのどちらに作用するかを解明するために、コラプス活性の測定実験において、(1)十分な阻害活性が認められる濃度(0.25μg/ml)のSPF−3059−1とSema3Aをあらかじめ混合した試料を、後根神経節の培養液に添加した場合のコラプス活性と、(2)SPF−3059−1を上記培養液に加えた後、Sema3Aを添加した場合のコラプス活性を比較した。(1)、(2)の場合ともに、培養液中のSPF−3059−1の最終濃度(0.05μg/ml)は、同じになるように設定している。この濃度は、(2)においては、コラプス活性阻害は認められない濃度である。ところが、(1)においてはコラプス活性阻害が認められた。この結果は、Sema3AにSPF−3059−1が接触したことによって、そのコラプス活性が失われたことを意味する。以上の検討から、SPF−3059−1は、Sema3Aに直接作用することでレセプターへの結合を阻害するというメカニズムで作用することが考えられた。かかる知見より、本発明のセマフォリン阻害剤としては、セマフォリンと接触することによってそのレセプター結合を阻害し、ひいてはセマフォリンの機能・活性を阻害する化合物が好ましい。このように、コラプス活性を測定する方法やレセプター結合阻害活性を測定する方法などにより、セマフォリン阻害剤、特にセマフォリンと接触することによってセマフォリンの機能を阻害する化合物をスクリーニングすることができる。
本発明におけるセマフォリン阻害剤としては、セマフォリン阻害剤が、実質的に細胞増殖に影響を与えることがない化合物、すなわち細胞増殖抑制作用を示さない化合物、例えばセマフォリン阻害活性が認められる濃度の50〜3000倍以上の濃度でも細胞増殖抑制作用を示さない化合物が好ましい。また、本発明におけるセマフォリン阻害剤の分子量は特に制限されるものではないが、分子の拡散性膜透過性、組織移行性、特に血液脳関門透過性などを考慮した場合、分子量が小さい化合物が望ましく、例えば分子量10000未満の低分子化合物、好ましくは分子量5000以下、より好ましくは分子量1000以下、特に分子量600以下の化合物を好適に例示することができる。また、本発明におけるセマフォリン阻害剤としては、非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物を例示することができる。かかる非ペプチド・非ヌクレオチド系化合物としては、後述するペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF−3059株の培養物から得られる化合物の他、脂肪族化合物であるM162や、放線菌由来の化合物であるA721を例示することができる。
上記ペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF−3059株の培養物から得られる化合物としては、例えば、分子内に前記一般式[1]、一般式[2]、一般式[4]若しくは式[5]で表される基及び/又は前記一般式[6]若しくは一般式[7]で表される基を有し、セマフォリン阻害活性を有する化合物、好ましくは、前記一般式[8]で表される化合物、さらに好ましくは、前記一般式[12]ないし[16]で表される化合物を挙げることができる。これら化合物における、一般式[1]、[2]、[4]、[9]、[10]、[11]、[12]、[13]、[14]及び[16]において、R1は、水素原子、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基、好ましくは水素原子又はカルボキシル基を表し、上記アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基プロポキシカルボニル基等を挙げることができ、中でもメトキシカルボニル基が好ましい。特に、一般式[1]、[4]、[9]、[10]、[11]、[12]、[13]及び[16]におけるR1は、好ましくは水素原子又はカルボキシル基を表し、一般式[2]及び[14]におけるR1は、好ましくは水素原子、カルボキシル基又はメトキシカルボニル基、更に好ましくは水素原子又はカルボキシル基を表す。同様に、一般式[1]、[2]、[4]、[9]、[10]、[11]、[12]、[13]、[14]及び[16]において、R2は、水素原子、水酸基又はアシルオキシ基、好ましくは水素原子又は水酸基を表し、上記アシルオキシ基としては、アセトキシ基プロピオニルオキシ基、ピバロイルオキシ基等を挙げることができる。一般式[2]及び[14]において、R3は、水素原子、メトキシメチル基又は式[3]に示される基を表す。一般式[6]、[7]、[8]、[12]、[13]、[14]、[15]及び[16]において、R4は、水素原子、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基、好ましくは水素原子又はカルボキシル基を表し、上記アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等を挙げることができ、中でもメトキシカルボニル基が好ましい。同様に、一般式[6]、[7]、[8]、[12]、[13]、[14]、[15]及び[16]において、R5は、水素原子、水酸基又はアシルオキシ基、好ましくは水素原子又は水酸基を表し、上記アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ピバロイルオキシ基等を挙げることができる。一般式[8]において、R6及びR7は、(1)R6がメチル基を表わすときは、R7は式[2]に示される基、式[9]に示される基、又は式[10]に示される基を表し、(2)R6が式[5]に示される基又は式[11]に示される基を表わすときは、R7はアセチル基を表す。
上記の分子内に前記一般式[1]、一般式[2]、一般式[4]若しくは式[5]で表される基及び/又は一般式[6]若しくは一般式[7]で表される基を有する化合物、好ましくは、前記一般式[8]で表される化合物、特に前記一般式[12]ないし[16]で表される化合物は、ペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF−3059株の培養物からセマフォリン阻害活性を指標として得ることができる。また、このようにして得られたセマフォリン阻害活性を有する化合物等から公知の転換方法や公知の合成方法により作製した化合物からセマフォリン阻害活性を指標として同定することができる。本発明のセマフォリン阻害剤を構成する化合物として、具体的には、後述する本件明細書実施例に記載された式[17]〜[37]に示される化合物、より詳細には、式[17]、[20]、[23]、[24]及び[32]に示される一般式[12]で表される化合物や、式[18]、[19]、[21]、[25]、[26]、[27]及び[28]に示される一般式[13]で表される化合物や、式[22]、[30]、[31]、[34]、[36]及び[37]に示される一般式[14]で表される化合物や、式[29]及び[35]に示される一般式[15]で表される化合物や、式[33]に示される一般式[16]で表される化合物を例示することができる。なお、上記具体的に例示された化合物は、式[17]に示される化合物SPF−3059−1(特開平5−239050号公報)、式[18]に示される化合物SPF−3059−2(Pure & Appl.Chem.66,2383−2386,1994)及び式[19]に示される化合物SPF−3059−5(Pure & Appl.Chem.66,2383−2386,1994、特表平6−506202号公報)を除き、いずれも新規化合物である。
また、本発明のセマフォリン阻害剤を構成する化合物においては、それらの塩やそれらの誘導体、好ましくは医薬的又は獣医薬的に許容される塩や誘導体も本発明の範疇に含まれる。ここで、塩としては、ナトリウム塩カリウム塩カルシウム塩マグネシウム塩アルミニウム塩アンモニウム塩等の無機塩基塩や、トリエチルアンモニウム塩トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩や、アルギニンリジン等の塩基性アミノ酸塩などを挙げることができる。また誘導体としては、化合物のカルボキシル基や水酸基がエステル基に変換された誘導体が挙げられ、例えば水酸基がアセチル基、プロピオニル基などの炭素数2〜5のアシル基アシル化された誘導体や、カルボキシル基がメチルエステルエチルエステルなどの炭素数2から5のエステルへ変換された誘導体等を挙げることができる。
本発明の化合物、好ましくはセマフォリン阻害活性を有する化合物、特に、ペニシリウム・エスピーSPF−3059株の培養物から得られ、セマフォリン阻害活性を有する化合物としては、前記一般式[12](式中、R1、R2、R4及びR5は先に説明したとおり)において、R1、R2、R4及びR5のうち少なくとも1つが水素原子で表される化合物、好ましくは、R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表す化合物、例えばR2が水酸基を表す化合物(R2が水酸基を表し、R5が水素原子を表す化合物等)やR2及びR5が水酸基を表す化合物、R4がカルボキシル基を表す上記化合物、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R2が水酸基を表す上記化合物等を例示することができ、具体的には、式[20]に示される化合物SPF−3059−3、[23]に示される化合物SPF−3059−7、[24]に示される化合物SPF−3059−9及び[32]に示される化合物SPF−3059−30を挙げることができる。また、本発明の化合物には、上記一般式[12]で表される化合物の医薬的に許容される塩や誘導体も含まれる。
また、本発明の化合物、好ましくはセマフォリン阻害活性を有する化合物、特に、ペニシリウム・エスピーSPF−3059株の培養物から得られ、セマフォリン阻害活性を有する化合物としては、前記一般式[13](式中、R1、R2、R4及びR5は先に説明したとおり)において、R1、R2及びR5のうち少なくとも1つが水素原子で表される化合物、好ましくは、R2又はR5のうち少なくとも一方が水酸基を表す化合物、例えばR2が水酸基を表す化合物(R2が水酸基を表し、R5が水素原子を表す化合物等)やR2及びR5が水酸基を表す化合物、R4がカルボキシル基を表す上記化合物、R2が水酸基を表し、R4がカルボキシル基を表す上記化合物、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R5が水酸基を表す上記化合物等を例示することができ、具体的には、式[21]に示される化合物SPF−3059−4、[25]に示される化合物SPF−3059−12、[26]に示される化合物SPF−3059−24、[27]に示される化合物SPF−3059−25及び[28]に示される化合物SPF−3059−26を挙げることができる。さらに、本発明の化合物には、上記一般式[13]で表される化合物の医薬的に許容される塩や誘導体も含まれる。
また、本発明の化合物、好ましくはセマフォリン阻害活性を有する化合物、特に、ペニシリウム・エスピーSPF−3059株の培養物から得られ、セマフォリン阻害活性を有する化合物としては、前記一般式[14](式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は先に説明したとおり)で表される化合物、好ましくは、R2及びR5のうち少なくとも一方が水酸基を表す化合物、例えばR2が水酸基を表す化合物(R2が水酸基を表し、R5が水素原子を表す化合物等)やR2及びR5が水酸基を表す化合物、R4がカルボキシル基を表す上記化合物、R1及びR4がカルボキシル基を表し、R2及びR5が水酸基を表す化合物、R1がカルボキシル基を表し、R2及びR5が水酸基を表し、R3がメトキシメチル基を表す化合物、R1がカルボキシル基若しくはメトキシカルボニル基を表し、R4がカルボキシル基を表し、R3が水素原子を表し、R5が水酸基を表す化合物、特にR1がカルボキシル基若しくはメトキシカルボニル基を表し、R4がカルボキシル基を表し、R2及びR3が水素原子を表し、R5が水酸基を表す化合物、R3が前記式[3]に示される基を表す化合物等を例示することができ、具体的には、式[22]に示される化合物SPF−3059−6、[30]に示される化合物SPF−3059−28、[31]に示される化合物SPF−3059−29、[34]に示される化合物SPF−3059−35、[36]に示される化合物SPF−3059−37及び[37]に示される化合物SPF−3059−39を挙げることができる。さらに、本発明の化合物には、上記一般式[14]で表される化合物の医薬的に許容される塩や誘導体も含まれる。
また、本発明の化合物、好ましくはセマフォリン阻害活性を有する化合物、特に、ペニシリウム・エスピーSPF−3059株の培養物から得られ、セマフォリン阻害活性を有する化合物としては、前記一般式[15](式中、R4及びR5は先に説明したとおり)で表される化合物、好ましくは、R5が水酸基表す化合物、R4がカルボキシル基を表す上記化合物等を例示することができ、具体的には、式[29]に示される化合物SPF−03059−27及び[35]に示される化合物SPF−3059−36を挙げることができる。さらに、本発明の化合物には、上記一般式[15]で表される化合物の医薬的に許容される塩や誘導体も含まれる。
また、本発明の化合物、好ましくはセマフォリン阻害活性を有する化合物、特に、ペニシリウム・エスピーSPF−3059株の培養物から得られ、セマフォリン阻害活性を有する化合物としては、前記一般式[16](式中、R1、R2、R4及びR5は先に説明したとおり)で表される化合物、好ましくはR2及びR5の少なくとも一方が水酸基を表す化合物、特にR2及びR5が水酸基を表す化合物、R4がカルボキシル基を表す上記化合物等を例示することができ、具体的には、式[33]に示される化合物SPF−3059−34を挙げることができる。さらに、本発明の化合物には、上記一般式[16]で表される化合物の医薬的に許容される塩や誘導体も含まれる。
そして、分子内に前記一般式[1]、一般式[2]、一般式[4]若しくは式[5]で表される基及び/又は前記一般式[6]若しくは一般式[7]で表される基を有し、セマフォリン阻害活性を有する化合物、好ましくは、前記一般式[8]で表される化合物、さらに好ましくは、前記一般式[12]ないし[16]で表される化合物、より具体的には上記の式[17]〜[37]等に示される本発明のセマフォリン阻害剤を構成する化合物は、いずれも本発明者らが大阪府内土壌より分離したペニシリウム属に属するカビSPF−3059株を培養することにより効果的に得ることができる。SPF−3059株は次のような菌学的性質を有する。
(a)培養的・形態的性
麦芽エキス寒天培地上で、コロニーの生育は遅く、25℃、21日で直径2.8〜2.9cm、綿毛状を呈し、コロニー表面は白色又は黄色、コロニー裏面は濃い黄色であり、可溶性色素の産生及び胞子形成は認められない。ポテトグルコース寒天培地上では、コロニーの生育は遅く、25℃、21日で直径3.2〜3.3cm、綿毛状を呈し、コロニー表面の色は白色又はクリーム色、コロニー裏面は濃い黄色又は黄褐色であり、可溶性色素の産生及び胞子形成は認められない。ツアペック寒天培地上では、コロニーの生育は遅く、25℃、21日で直径3.1〜3.2cm、綿毛状を呈し、コロニー表面は白色又は灰色、コロニー裏面はクリーム色であり、可溶性色素の産生及び胞子形成は認められない。オートミール寒天培地(日本製薬製放線菌培地No.3「ダイゴ」)上では、コロニーの生育は遅く、25℃、21日で直径2.0〜2.1cm、綿毛状を呈し、コロニー表面は白色、灰緑色又は黄色、コロニー裏面はクリーム色又は灰色であり、可溶性色素の産生は認められないが、分生胞子を形成する。分生子柄は平滑、長さ5〜20μmであり、分生子柄の先端に3〜6個のフィアライド単輪生する。フィアライドは長さ3〜4μmであり、その先端から分生子が2〜10個の連鎖を形成する。分生子は球形で、直径2.2〜2.4μm、表面には縦に通常10本のしわがある。テレオモルフは認められない。
(b)生理学的性質
▲1▼生育pH範囲
サブローブロス中、27℃、3日間の振盪培養における生育は次の通り。
pH 生育
3.1 −
4.5 +
5.5 ++
7.1 +++
8.0 ++
9.0 ±
10.0 −
▲2▼生育温度範囲
オートミール寒天培地上、38℃、5日間の培養で生育が認められる。
以上の菌学的性質より、本菌株をペニシリウム属に属する菌株であると同定し、ペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF−3059と命名した。本菌株は、特許手続上の微生物寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に基づき、2001年7月13日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM BP−7663として寄託されている。
上記SPF−3059株の培養に使用される培地は液状でも固体でもよいが、通常は液体培地による振盪培養又は通気撹拌培養が有利である。使用する培地は、特に限定されるものではないが、炭素源としては、例えばグルコース、ショ糖グリセリンデンプンデキストリン糖蜜等が用いられ、また窒素源としては、例えばペプトンカザミノ酸等の蛋白質加水分解物肉エキス酵母エキス大豆粉綿実粉、コーンスティープリカーヒスチジン等のアミノ酸類等の有機窒素源や、アンモニウム塩や硝酸塩等の無機窒素源が用いられる。その他、浸透圧調整、pH調整、微量成分の補給等のために、各種リン酸塩硫酸マグネシウム塩化ナトリウム塩化カリウム炭酸カルシウム等の無機塩類を添加することも可能である。さらに菌の生育を促進する目的で、各種ビタミン類核酸関連化合物等を添加しても良い。なお、培養期間中に、シリコン油ポリプロピレングリコール誘導体大豆油等の消泡剤を添加することも可能である。そして、培養温度としては、好ましくは20〜35℃の範囲、より好ましくは25〜30℃の範囲の温度を挙げることができ、培地のpHとして例えば、中性付近の範囲を挙げることができ、培養期間としては例えば、5〜10日間の範囲を例示することができる。
上記式[17]〜[37]等に示される本発明のセマフォリン阻害剤を構成する化合物を培養液から単離・精製するには、微生物の生産する二次代謝物の培養物から、通常使用される単離・精製手段を用いることができる。培養液上清から目的物を単離・精製する場合は、培養濾液からの通常の単離・精製法、例えば溶媒抽出イオン交換樹脂吸着クロマトグラフィー分配クロマトグラフィーゲル濾過クロマトグラフィー高速液体クロマトグラフィーHPLC)、薄層クロマトグラフィー等を用いることができ、これらの単離・精製法は単独又は組み合わせて行うことができる。また、培養菌体から目的物を単離・精製する場合は、濾過又は遠心分離等の手段で集めた菌体を、アセトンメタノール等の水溶性有機溶媒を用いて直接抽出することができ、抽出物は培養液上清からの単離・精製と同様の方法で、目的化合物を得ることができる。該目的化合物は、水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチルクロロホルムエーテル等の適当な溶媒を用いて、約1当量塩基を作用させることによって、塩とすることもできる。また、該目的化合物は、公知の方法で水酸基をアシル化したり、カルボキシル基をエステル化することができる。例えば、適当な有機溶媒中、塩基の存在下、無水酢酸アセチルクロリド等のアシル化剤を加えることによって、水酸基をアシル化することや、あるいは、適当な有機溶媒中、塩基の存在下、ヨウ化メチル臭化エチルなどのハロゲン化アルキルを用いてカルボキシル基をエステル化することができる。該有機溶媒としてはアセトン、酢酸エチル、クロロホルム、エーテル、DMFピリジン等が挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム等が挙げられる。
さらに、本発明における別のセマフォリン阻害剤として、実施例に記載のM162やA721が挙げられる。M162は脂肪族化合物であり、また紫外吸収スペクトルが弱い化合物であり、A721は放線菌由来で分子量437、紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)397nmで極大を有する天然物である。これらのことから、M162やA721は、前記式[17]〜[37]等に示される化合物とは構造・骨格の全く異なる低分子化合物である。
本発明の脊髄神経の損傷及び/又は末梢神経の損傷を伴う疾患を含む神経障害疾患及び/又は神経変性疾患の予防若しくは治療剤は、神経伸長反発因子阻害剤、特に上記セマフォリン阻害剤を有効成分とする前記の神経再生促進剤を含有するものであれば特に制限されるものではないが、薬学的に許容される通常の担体結合剤安定化剤賦形剤希釈剤、pH緩衝剤崩壊剤可溶化剤溶解補助剤等張剤などの各種調剤用配合成分を添加することができる。またこれら予防若しくは治療剤は、経口的又は非経口的に投与することができる。すなわち通常用いられる投与形態、例えば粉末顆粒カプセル剤シロップ剤、懸濁液等の剤型で経口的に投与することができ、あるいは、例えば溶液乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注射の型で非経口投与することができる他、スプレー剤の型で鼻孔内投与することもできる。
投与量及び投与回数は、投与法と患者の年齢、体重、病状等によって異なるが、病床部位に局所的に投与する方法が好ましい。神経の再生には通常数日から数ヶ月以上の期間を要するので、その間セマフォリンの活性を抑制するために1回又は2回以上投与することが好ましい。2回以上投与するときは連日あるいは適当な間隔をおいて繰り返し投与することが望ましい。投与量は一回当たりセマフォリン阻害剤として数百μg〜2g、好ましくは数十mg以下を用いることができ、投与回数を減らすために徐放性製剤を用いたり、オスティックポンプなどで長期間にわたって少量ずつ投与することもできる。そして、これらのいずれの投与方法においても、作用部位においてセマフォリンの活性を充分に阻害する濃度になるような投与経路、投与方法を採用することが好ましい。
上記脊髄神経の損傷及び/又は末梢神経の損傷を伴う疾患を含む神経障害疾患及び/又は神経変性疾患としては、末梢神経や中枢神経の傷害、変性疾患、すなわち老化等に起因する嗅覚異常症、脊髄損傷などの外傷による嗅覚以外の神経傷害、脳梗塞などに起因する神経障害、顔面神経麻痺、糖尿病性神経症、緑内障、網膜色素変性症、アルツハイマー病やパーキンソン病、ALSといった神経変性疾患、筋発育不全性側索硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、脳梗塞、外傷性神経変性疾患などを具体的に挙げることができる。さらに、受容体がニューロピリンである点が共通であるVEGF165が関与する血管新生を伴う疾患も、対象となる。
また、本発明の神経再生促進剤の用途は、神経障害疾患及び/又は神経変性疾患の予防若しくは治療剤等の医薬品に限定されることなく、動物薬、さらにはセマフォリンシグナル阻害剤として産業上重要な実験試薬としても利用が可能である。本発明の神経再生促進剤はセマフォリン阻害剤を有効成分として含むことから、末梢神経である嗅神経の再生や、脳や脊髄の中の嗅球、大脳皮質、海馬線条体視床間脳中脳小脳、橋、延髄、精網膜などにあって脳脊髄関門で区切られた領域である中枢内での神経の再生を促進する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1(化合物SPF−3059−1、SPF−3059−2、SPF−3059−5の製造)
グルコース2%、ショ糖5%、綿実粉2%、硝酸ナトリウム0.1%、L−ヒスチジン0.1%、リン酸カリウム0.05%、塩化カリウム0.07%、硫酸マグネシウム7水和物0.0014%を含み、pH7.0に調整した培地75mlを500ml容坂口フラスコ分注オートクレーブ滅菌した。これに斜面培養したペニシリウム・エスピーSPF−3059株(FERM BP−7663)を1白金耳接種し、27℃、130rpmにて5日間振盪培養して前培養とした。2リットル容坂口フラスコ10本に上記と同じ組成の培地を300mlずつ分注しオートクレーブで滅菌した後、上記の前培養液を6mlずつ添加し、27℃、110rpmにて7日間振盪培養した。
培養終了後、培養液を4℃、10,000rpmにて10分間遠心分離して上清液と菌体に分離し、上清液画分を3リットルの酢酸エチル−蟻酸(99:1)で抽出した。菌体画分は3リットルのアセトンで抽出し、濾過、濃縮後、水溶液となったところで1リットルの酢酸エチル−蟻酸(99:1)で抽出した。両抽出液を混合し、減圧濃縮して粗抽出物10.4gを得た。これを100mlのメタノールに溶解し、Sephadex(登録商標LH−20(アマシャムファルマシアバイオテク社)を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、メタノールで溶出した。活性画分を集め、溶媒を減圧留去し、粗精製物2.6gを得た。これを100mlのメタノールに溶解し、TSKgel TOYOPERL HW−40F(東ソー)を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、メタノールで溶出した。活性画分を集め、溶媒を減圧留去し、粗精製物1.6gを得た。これを50mgずつ1mlのジメチルスルホキシドDMSO)に溶解し、逆相HPLCに付した。逆相HPLCの条件は、カラム:Wakopak−Wakosil−II5C18RS(20×50mmと20×250mmを連結、和光純薬工業製)、溶出液A:1%蟻酸水溶液、溶出液B:メタノール、グラジエント:B液割合35%から65%へ90分間の直線的グラジエント、流速:5ml/分、検出:260nmにおける吸光度、とした。保持時間59分、74分、81分の溶出画分を集め、減圧下に溶媒を留去することによって、それぞれ化合物SPF−3059−5(34.2mg)、SPF−3059−1(64.1mg)、SPF−3059−2(12.0mg)を得た。得られた化合物の物理化学的性状はそれぞれ次の通りである。
(化合物SPF−3059−1)
性状黄色粉末
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:579.0772
計算値:579.0776
分子式:C28H18O14
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
241(31,600)、315(23,400)、365(16,500)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3400、1701、1615、1570、1457、1273
1H—NMR(500MHz、DMSO−d6)δppm:
2.28、2.67、2.69、4.6〜4.7、5.02、6.40、6.91、7.91、8.52、9.33、
11.1〜11.6、12.8
13C—NMR(125MHz、DMSO−d6)δppm:
16.5、17.0、32.4、56.2、65.7、68.0、102.3、104.2、108.8、110.1、
118.2、118.5、120.6、122.2、125.8、127.7、132.4、134.9、137.6、139.1、
140.7、140.8、150.1、150.2、152.2、153.8、154.5、156.3、167.5、167.6、
172.7、172.8、186.3、199.1、202.7、202.9
これらから化合物SPF−3059−1の構造式を、下式[17]:
[化学式32]

互変異性体)と決定した。
(化合物SPF−3059−2)
性状:クリーム色粉末
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:533.0710
計算値:533.0721
分子式:C27H16O12
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
209(40,600)、236(42,600)、283(28,500)、323(25,400)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3266、1678、1654、1623、1562、1471、1296
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.53(6H,s)、6.93(1H,s)、6.95(1H,s)、7.47(1H,s)、8.15(1H,s)、8.54(1H,s)、9.38(1H,brs)、9.89(1H,brs)、10.78(1H,brs)、11.37(1H,brs)、
12.68(1H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
29.1、32.1、102.3、103.1、108.7、112、5、113.5、119.6、119.8、120.9、
126.2、132.4、133.6、136.1、141.7、144.5、150.71、150.74、152.49、
152.54、152.7、154.4、167.4、172.9、173.4、199.2、201.2
これらから化合物SPF−3059−2の構造式を次式[18]:
[化学式33]

と決定した。
(化合物SPF−3059−5)
性状:クリーム色粉末
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:577.0615
計算値:577.0619
分子式:C28H16O14
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
229(35,800)、284(22,600)、322(21,000)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3260、1684、1626、1567、1467、1288
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.53(3H,s)、2.55(3H,s)、6.93(1H,s)、6.96(1H,s)、8.17(1H,s)、8.53(1H,s)、9.5〜13.0(6H)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
29.1、32.1、102.26、102.32、109.9、112.4、119.6、119.8、120.3、120.9、
126.3、132.5、133.4、136.2、141.2、141.7、150.4、150.8、152.1、152.68、
152.73、154.5、167.4、167.5、172.5、172.9、199.1、201.1
これらから化合物SPF−3059−5の構造式を次式[19]:
[化学式34]

と決定した。
実施例2(Sema3Aのコラプス活性に対する本発明の化合物SPF−3059−1、SPF−3059−2、SPF−3059−5、M162、A721の抑制作用)
ポリリジンを塗布した96ウェルプレート(住友ベークライト)にさらにラミニン塗布(20μg/mlのラミニン、室温1時間)を行った。各ウェルに100μlの培地(10%の胎仔血清、20ng/mlのNGF、100ユニット/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンを含むF12培地)を入れ、ここに7日齢ニワトリ胚から摘出した後根神経節を接種し、16〜20時間5%CO2、37℃の条件下で培養した。その後、対象化合物を種々の濃度で培地に添加し1時間培養後、2ユニット/mlのマウスセマフォリン3A(Sema3A)を添加し、更に1時間培養した。1時間経過後、速やかに最終濃度1%になるようにグルタルアルデヒドを添加し、室温に15分間放置して組織片を固定した後、顕微鏡下で退縮した成長円錐の割合を測定した。また、Sema3Aを添加しないウェルを対照とした。結果を図1及び図2に示す。
図1及び図2に示すように、化合物の濃度が増すに従って退縮する成長円錐の割合が減少した。一方、化合物単独では何ら影響を及ぼさなかった。これらの結果から、これら化合物(SPF−3059−1、SPF−3059−2、SPF−3059−5、M162、A721)は、Sema3Aの成長円錐退縮活性を濃度依存的に阻害することが明らかとなった。なお、図中の縦軸は退縮した成長円錐の割合を、横軸は化合物の濃度を示し、●■▲は化合物処理後にSema3Aを添加した場合、○□△はSema3Aを添加しなかった場合の結果を示す。さらに、以下の方法で阻害剤のIC50(μg/ml)を測定した。すなわち、陰性対照群(化合物、Sema3A共に不添加)の成長円錐退縮率(A)%を求め、次に陽性対照群(化合物不添加、Sema3A添加)の成長円錐退縮率(B)%を求めて、各化合物における成長円錐退縮率が(A+B)/2%になる濃度をグラフより求めIC50値とした。結果を以下に示す。
化合物 IC50(μg/ml)
SPF−3059−1 <0.1
SPF−3059−2 <0.1
SPF−3059−5 <0.1
M162 2.0
A721 5.0
かかる結果から、SPF−3059−1、SPF−3059−2、SPF−3059−5は強くセマフォリンを阻害することがわかる。
実施例3(Sema6Cのコラプス活性に対するSPF−3059−1の抑制作用)
マウスセマフォリン3A(Sema3A)に代えてラットセマフォリン6C−AP(Sema6C−AP:Sema6Cの細胞外領域ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼの融合蛋白)を、7日齢ニワトリ胚から摘出した後根神経節に代えて8日齢ニワトリ胚から摘出した後根神経節を用いる以外は実施例2と同様に行い、種々の濃度の化合物SPF−3059−1を添加後にSema6C−APを加えたときの成長円錐の退縮の割合を測定した。結果を図3に示す。図中の縦軸は退縮した成長円錐の割合を、横軸はSPF−3059−1の濃度を示し、●はSPF−3059−1処理後にSema6C−APを添加した場合、○はSema6C−APを添加しなかった場合の結果を示す。図3に示されるように、SPF−3059−1の濃度が増すに従って退縮する成長円錐の割合が減少した。一方、SPF−3059−1単独では何ら影響を及ぼさなかった。これらの結果から、SPF−3059−1は、Sema6C−APの成長円錐退縮活性を濃度依存的に阻害することが明らかとなった。
実施例4(セマフォリン3Aの神経伸長阻害活性の阻害剤による抑制)
Sema3A発現COS7細胞塊と7〜8日齢ニワトリ胚後根神経節のコラーゲンゲル共培養(Neuroprotocols 4,116,1994)により、対象化合物(SPF−3059−1、M162、A721)が、Sema3Aに対する持続的阻害作用を示すかどうかを検討した。Sema3A発現COS7細胞塊は以下の方法で作製した。一夜培養したCOS7細胞(100000細胞/35mm培養皿)にFuGENE6トランスフェクション試薬(ロッシュ)を用いて1μgのSema3A発現プラスミドを導入した。トランスフェクション開始2.5時間経過後、トリプシンを用いてCOS7細胞を培養皿から剥離し、遠心分離により集め、200μlの培地に再懸濁した。細胞懸濁液20μlを培養皿の蓋(内側)に載置し、この蓋を反転させ20時間培養した(ハンギングドロップカルチャー)(Cell 78,425,1994)。培養後、凝集したCOS7細胞(塊)を培地に回収し、0.5mm径の大きさにトリミングした。このSema3A発現COS7細胞塊と上記後根神経節を0.5〜1mmの距離を隔てて0.2%のコラーゲンゲル内に並置し、このコラーゲンゲルを上記化合物を種々の濃度で含む培地内で2日間5%CO2、37℃の条件下に培養した。その後、速やかに最終濃度が1%になるようにグルタルアルデヒドを添加し、室温に1時間放置して組織片を固定した後、顕微鏡下で神経突起伸長の様子を観察した。結果を図4に示す。
上記コラーゲンゲル内では、Sema3A発現プラスミドを導入したCOS7細胞塊からSema3Aが分泌され濃度勾配が形成される(COS7細胞塊に近い方が高濃度)。被験化合物を含まない培地を用いた場合、神経突起はSema3A濃度が高いCOS7細胞塊が存在する方向には伸長できず、反対方向のみに伸長するが、化合物SPF−3059−1やM162を培地に添加した場合、Sema3A発現COS7細胞塊方向への神経突起伸長が認められた。このSema3A発現COS7細胞塊方向への神経突起伸長は化合物濃度が高いほど顕著であり、濃度依存性が認められた。この結果からSPF−3059−1及びM162はSema3Aの活性を持続的に阻害し得ることが明らかとなった。ただし、A721を添加した場合についてのみ、SPF−3059−1及びM162のようなSema3A発現COS7細胞塊方向への神経突起伸長は認められなかった。このことからA721はSema3Aに対する持続的阻害作用を有さないことが分かった。
実施例5(セマフォリン3Aの神経伸長阻害活性の阻害剤による抑制)
実施例4と同様にして、神経伸長阻害活性の抑制の検討を、化合物SPF−3059−1、SPF−3059−2、SPF−3059−5について行った。Sema3A非発現COS7細胞を用いた対照群と同様の、完全に同心円状に神経突起が伸長している場合を+++(強いSema3A阻害効果)、ほぼ同心円状だがSema3A発現COS細胞側への伸長がやや抑えられている場合を++、半月状にSema3A発現COS細胞側への伸長がかなり抑えられている場合を+、Sema3A発現COS細胞側への伸長が全くない場合(Sema3A阻害効果なし)を−の判定とした測定結果を次に示す。
化合物 被験化合物濃度(μg/m
l)
0.5 1.0 2.

SPF−3059−1 + ++ +
++
SPF−3059−2 + ++ +
++
SPF−3059−5 + ++ +

PBS(対照) − − −
この結果から、化合物SPF−3059−1、SPF−3059−2、SPF−3059−5は、48時間の培養期間中、Sema3A発現COS細胞から分泌されるSema3Aの作用を持続的に阻害することが判明した。
実施例6(セマフォリン阻害剤SPF−3059−1のインビボにおける嗅神経切断に対する神経再生促進作用)
雄性Wistar系ラット(6.5週齢)を日本チャールズリバー(株)より購入し、専用飼育室で自由摂、摂水下で飼育した。SPF−3059−1を1mg/mlになるようにPBSにて希釈したものをサンプル液とし、浸透圧ポンプ(alzet 2004,ALZA co.,USA)に充填した。なお、対照としてPBSを充填したものを用いた。これらサンプル液等の調製は手術前日に行い、浸透圧ポンプはPBSに浸漬、室温で一晩静置しておいた。手術直前にサンプル液等を満たしたシリコンチューブの一方にL型カニューレを接続し、他方をポンプに接続した。ラットをペントバルビタール(50mg/kg、腹腔内投与)で麻酔し、脳定位固定装置に頭部を固定した。頭部皮膚を正中に沿って切開し、ドリル頭蓋嗅球上を開口し、嗅球(前部)を露出した。嗅神経切断用ナイフカミソリを幅1.5mmに切断したもの)を嗅球と篩板の間に挿入し嗅神経を切断した。この操作により嗅球上部に投射する嗅神経が切断される。頭蓋嗅球上の開口に、カニューレ先端切断部位付近に位置するよう、L型カニューレを外科用瞬間接着剤歯科用セメントで固定した。サンプル排出量は6μl(6μg)/日に設定した。ポンプを背首部皮下に挿入、創部を縫合し、動物を回復させた。
術後2週間及び3週間にペントバルビタールで麻酔したラットを仰向けに置き、マイクロシリンジを用いて鼻腔内に100μlの1%のWGA−HRP/PBS(TOYOBO)を投与した。HRP投与24時間後、再度ペントバルビタール(50mg/kg、腹腔内投与)で麻酔し、胸部を切開して左心室よりPBSを灌流した後、200mlの4%のパラホルムアルデヒドを含むPBSを灌流した。嗅球を摘出し、30%のシュークロースを含むPBSに入れ、4℃で一夜浸漬後、ドライアイス凍結した。嗅球をドライアイス上でOTCコンパウンド包埋後、クリオスタットで30μmの切片を作製し、トリス緩衝液(TBS)中に分取した(3枚おきに1枚)。TBSにて洗浄後、0.48%のDAB、0.096%のNiCl、0.036%のH2Oを含む0.1MのTBSを添加し、15分間反応させた。TBSにて洗浄後、切片をスライドグラス上に乗せ、乾燥後に封入した。顕微鏡下で観察し、嗅球外側部の糸球体のHRP反応を観察した。
頭頂より何枚目の嗅球の水平切片からHRP陽性の糸球体が現れるかで嗅神経の再生を定量評価した。結果を図5及び表1に示す。評価には、2週間目にHRP投与時に窒息死した1匹以外の全例を採用した。SPF−3059−1投与の場合、2週目及び3週目とも対照のPBS投与よりも浅い切片でHRP陽性となることが示された。SPF−3059−1投与群のPBS投与群に対する有意差検定を行ったところ、3週目で有意にPBS投与よりも浅い切片でHRP陽性となることが示された。これらの結果より、成体ラットの嗅神経切断モデルにおいて、SPF−3059−1は顕著な神経再生の促進作用を示すことが分かった。

実施例7(セマフォリン阻害剤M162及びA721のインビボにおける嗅神経切断に対する神経再生促進作用)
実施例6と同じ実験を、M162及びA721を用いて行った。結果を図6に示す。この結果から、M162にはインビボにおける神経再生の促進作用があるが、A721にはかかる作用がないことがわかった。
実施例8(セマフォリン阻害剤SPF−3059−1のインビボにおける坐骨神経挫滅に対する神経再生促進作用)
Wistar系雄性ラットを7週齢にて購入し(日本チャールズリバー)、12時間明暗サイクルの条件下で飼育した。ラット用固形飼料日本クレア、CE2)と水は自由に摂取させ、約1週間の予備飼育を経て実験に使用した。ペントバルビタール麻酔下にて大腿部の坐骨神経を露出し、これを5mm幅ピンセットで30秒間挟むことで挫滅した。挫滅部位は10−0ナイロン糸にてマーキングした。SPF−3059−1はPBSに8.3ug/mlで溶解し、浸透圧ポンプ(2ML2,5ul/hr,alzet社)を用いて流速1ug/dayで障害部位に14日間連続的に局所投与した。対照群にはPBS投与した。投与14日後に坐骨神経を摘出し、障害部位(マーキングの位置)から2mm、6mm、10mmの遠位部位で坐骨神経を切り出し、2.5%グルタルアルデヒド/0.1Mリン酸バッファー中で一昼夜固定した。固定後、アルコール脱水を経て、エポキシ樹脂に包埋した。坐骨神経の横断切片を作製しトルイジン染色を施し光顕下にて写真をとり有髄線維数を測定した。有髄線維密度は、坐骨神経の面積を測定後、面積を有髄線維数で割って算出した。結果を図7に示す。挫滅部位から2mm及び6mm遠位側においてPBS投与群に比べSPF−3059−1投与群で有髄線維密度の増加が認められた。この結果からSPF−3059−1に障害を受けた坐骨神経の再生を促進する効果のあることがわかった。
実施例9(セマフォリン阻害剤SPF−3059−1の細胞増殖への影響)
COS7細胞を96ウェルプレート(培地100μl/ウェル)に1ウェル当たり10000個撒き込み、同時に種々の濃度のSPF−3059−1を添加し、37℃、5%CO2存在下で2日間培養した。その後、5mg/mlのMTT溶液を各ウェルに10μl添加し、さらに1時間培養した後、培養上清を除き、50μlのDMSOで細胞内に蓄積したホルマザン(Formazan;生細胞中で生成されたMTT変換体)を溶解し、570nmの吸光度を測定することにより、COS7細胞の増殖を測定した。結果を図8に示す。図8に示すように、SPF−3059−1存在下で培養しても非存在下の場合と同程度の細胞増殖が認められた。この結果からSPF−3059−1に細胞増殖抑制活性のないことが明らかとなった。なお、図中の縦軸は細胞増殖を、横軸はSPF−3059−1の濃度を示し、各カラムには標準偏差(n=4)を付加した。
実施例10(セマフォリン阻害剤SPF−3059−1、SPF−3059−2、SPF−3059−5の細胞増殖への影響)
実施例9と同様の細胞増殖への影響の検討を、化合物SPF−3059−1、SPF−3059−2、SPF−3059−5について行った。これら化合物を用いたウェルをサンプル、PBSを用いたウェルを対照とし、細胞を添加せずに同様に実験を行なったウェルをブランクとし、以下の式で求められる細胞増殖阻害率のIC50(μg/ml)を測定した。
細胞増殖阻害率(%)=(1−(サンプルウエルの吸光度−ブランクウエルの吸光度)/(対照ウエルの吸光度−ブランクウエルの吸光度))×100
上記各化合物の細胞増殖阻害率の測定結果は次の通りとなり、セマフォリン阻害活性が認められる濃度の1000〜3000倍以上の濃度でも細胞毒性は認められないことが判明した。
化合物 IC50(μg/ml)
SPF−3059−1 >300
SPF−3059−2 >100
SPF−3059−5 >300
実施例11(Sema3Aのレセプター結合に対する阻害活性)
SPF−3059−1がSema3Aとそのレセプター複合体の構成成分であるニューロピリン−1への結合を阻害するかどうかをレセプター結合実験により調べた。現在、Sema3Aレセプターの構成成分にはニューロピリン−1とプレキシンA1が知られているが、Sema3Aの結合には主にニューロピリン−1の寄与が大きいことがわかっている。レセプター結合実験のリガンドにはアルカリホスファターゼ(ヒト由来熱耐性)融合Sema3A(Sema3A−AP)を用い、そのレセプターへの結合量はアルカリホスファターゼ活性を指標に検出した。Sema3Aはマウス由来のものを用いた。当該Sema3Aの758番目のアミノ酸からC末端側にアルカリホスファターゼを融合した組換え遺伝子を作製し、これをCOS7細胞に導入し発現分泌させることでSema3A−APを調製した。
レセプター結合実験は以下に記載する方法で行った。ニューロピリン−1発現プラスミド(pUCSRα−ニューロピリン‐1)をCOS7細胞に導入し、24時間培養した。この細胞はニューロピリン−1を細胞表面に発現する。細胞をHBH緩衝液(20mMHEES[pH7.2],0.5mg/mlウシ血清アルブミンを含むハンク平衡塩緩衝液)で1回洗浄した後、Sema3A−APを含むHBH緩衝液と種々濃度(0〜10μg/ml)のSPF−3059−1を同時に添加した。振とうしながら1時間室温に放置することでSema3A−APをニューロピリン−1発現細胞に結合させた後、上清を除き、過剰のSema3A−APを除くためHBH緩衝液で細胞を6回洗浄した。その後、10mM Tris−HCl[pH8.0],1% Triton X−100溶液で細胞に結合したSema3A−APを可溶化した(細胞抽出液)。遠心により細胞抽出液中の不溶物を除いた後、65℃で1時間処理することにより細胞自身が持つアルカリホスファターゼを失活させた。この細胞抽出液中のSema3A−AP由来のアルカリホスファターゼ活性(=Sema3A−AP結合量)を測定した。一定量の細胞抽出液をSEAP緩衝液(1M diethanolamine,0.5mM MgCl2,10mM L−homoarginine)、発色基質(10mM p−nitirophenyl phosphate)と混合し37℃で保温した後、溶液の405nmの吸光度(p−nitrophenol:p−nitirophenyl phosphateからアルカリホスファターゼにより生成)を測定した。結果を図9に示す。その結果、Sema3A−APの結合量がSPF−3059−1の濃度依存的に減少した。このことからSPF−3059−1のセマフォリン3A活性阻害はSema3Aのレセプター結合阻害によることが明らかとなった。
実施例12(Sema3Aの阻害剤との接触によるコラプス活性阻害)
Sema3Aをあらかじめ十分阻害活性の認められる濃度(0.25μg/ml)のSPF−3059−1と混合した(=Pre−Mixサンプル)。その後、Pre−Mixサンプルを後根神経節の培養液に添加し、Sema3Aの成長円錐退縮活性が阻害されるかどうかを調べた。Pre−Mixサンプルの添加量は培養液の1/4容量とした。すなわち、後根神経節の培養液への添加時にはSPF−3059−1濃度は、0.25μg/mlから0.05μg/mlに希釈(1/5倍)される。この濃度はSPF−3059−1とSema3Aを別々に添加した際には阻害活性の認められない濃度である。結果を図10に示す。図10から、Pre−Mixサンプルを後根神経節の培養液に添加したものではSPF−3059−1の最終濃度が0.05μg/ml(阻害活性のない濃度)であるにもかかわらず、Sema3A活性が阻害されることがわかる。すなわち、SPF−3059−1に接触したSema3Aはその時点で活性が阻害されるということになる。この結果からSPF−3059−1の作用点はSema3Aであることが考えられた。
実施例13(セマフォリン阻害剤SPF−3059−1のインビボにおける脊髄神経(大脳皮質‐脊髄路)切断に対する神経再生促進作用)
雄性Wistar系ラット(10週齢)を日本チャールズリバー(株)より購入し、専用飼育室で自由摂餌、摂水下で飼育した。約1週間の予備飼育を経て実験に使用した。SPF−3059−1は、PBSにて0.1mg/mLに調製した。対照としてPBSを用いた。薬剤は浸透圧ポンプ(Alzet社製 model2004、4週投与用、流速0.25μl/hr)に充填した。ポンプにはサンプル液等を満たしたカニューレを接続した。生理食塩水中で、室温にて一夜、プレインキュベーションを行った。
ラットにペントバルビタールを腹腔内投与し(50mg/kg)、麻酔下にて、背側胸髄部の皮膚、筋肉を切開し、T8〜T12椎骨を露出した。顕微鏡下でT11胸椎骨について椎弓切除(laminectomy)を施した。マニピュレーターに取り付けた眼科用ハサミを、正中線をまたいで硬膜表面より1.5mmの位置まで刺入し、大脳皮質‐脊髄路を切断した。椎骨の開口部にスポゼルを充填した。カニュレーションはT9椎骨より行なった。T9椎骨をサージカルドリルで穿孔して硬膜を露出した。注射針でカニューレを刺入する部分の硬膜に穿孔し、ポンプを接続したシリコンチューブを挿入した。T11の脊損部にカニューレの先端が到達していることを確認し、椎骨の開口部にスポンゼルを充填して、外科用瞬間接着剤を少量染み込ませた。カニューレは近傍の筋肉に縫合糸で固定し、抜けるのを防止した。術部の筋肉を縫合した後、切開した皮膚を外科用クレンメで縫合した。サンプル排出量は0.6μg/日で、4週間連続投与した。
術後2週間後のラットをペントバルビタール(50mg/kg、腹腔内投与)で麻酔し、頭部を脳定位固定装置に固定した。頭部皮膚を正中に沿って切開し、ドリルで頭蓋を開口し、大脳を露出した。マイクロシリンジを用いて大脳皮質運動野に10%のDBA(Dextran Biotinylated Amine)を0.1μlずつ18箇所に注入した。その後、創部を縫合し動物を回復させた。DBAは神経核から脊髄路神経に輸送される。2週間飼育後、再度ペントバルビタールで麻酔し、胸部を切開して左心室よりPBSを灌流した後、200mlの4%のパラホルムアルデヒドを含むPBSを灌流した。脊髄(切断部)を摘出し、一夜同液中後固定した。その後、30%のシュークロースを含むPBSに入れ、4℃で浸漬した。脊髄をOTCコンパウンドに包埋後、ドライアイス上で凍結した。クリオスタットで30μmの切片を作製し、トリス緩衝液(TBS)中に分取した。切片はTBSにて洗浄後、ABC反応液中に2時間浸漬した。洗浄後、DBA基質にて視覚化し、プレパラートを作製した。顕微鏡下にて切断部位の再生神経線維の様子を観察した。本発明のSPF−3059−1投与の結果を図11に、対照としてのPBS投与の結果を図12に示す。図11A,B,C及び図12A,B,Cはそれぞれ傷害部付近の連続切片を示し、図11D及び図12Dはそれぞれ図11B及び図12Bの強拡大図である。SPF−3059−1投与の場合、図11Dに示されるように、傷害部吻側にDBAの滞留(濃い矢頭)が観察され、滞留部から多数のDBA陽性線維が傷害部(薄い矢頭)に沿って尾側まで観察され、切断部位を回避して伸長する再生神経線維が多く認められた。一方、PBS投与の場合、図12Dに示されるように、傷害部吻側にDBAの滞留(濃い矢頭)が観察され、ごく少数のDBA陽性線維が傷害部(薄い矢頭)に沿って尾側まで観察され、神経線維はごくわずかであった。これらの結果より、成体ラットの脊髄損傷モデルにおいて、SPF−3059−1は神経再生の促進作用を示すことが分かった。
実施例14(本発明の新規化合物の製造)
グルコース2%、ショ糖5%、綿実粉2%、硝酸ナトリウム0.1%、L−ヒスチジン0.1%、リン酸2カリウム0.05%、塩化カリウム0.07%、硫酸マグネシウム7水和物0.0014%を含み、pH7.0に調整した培地10mlを50ml容の三角フラスコに分注しオートクレーブで滅菌した。これに斜面培養したペニシリウム・エスピーSPF−3059株(FERM BP−7663)を1白金耳接種し、27℃、180rpmにて4日間回転振盪培養して前々培養とした。500ml容三角フラスコ5本に上記と同じ組成の培地を125mlずつ分注しオートクレーブで滅菌した後、上記の前々培養液を4mlずつ添加し、27℃、180rpmにて4日間回転振盪培養して前培養とした。50リットル容ジャーファーメンターに、グルコース1.43%、ショ糖3.57%、綿実粉1.43%、硝酸ナトリウム0.07%、L−ヒスチジン0.07%、リン酸2カリウム0.036%、塩化カリウム0.05%、硫酸マグネシウム7水和物0.001%、アデカノールLG−295S(旭電化製消泡剤)0.01%を含み、pH7.0に調整した培地を30リットル分注し、高圧蒸気滅菌(121℃、20分)した後、上記の前培養液を500ml添加し、27℃、400rpm、通気量15リットル/分にて9日間通気攪拌培養した。
培養終了後、培養液を10,000rpmにて10分間遠心分離して上清液と菌体に分離し、上清液画分を20リットルの酢酸エチル−蟻酸(99:1)で2回抽出した。菌体画分は30リットルのアセトンで抽出し、濾過、濃縮後、水溶液となったところで10リットルの酢酸エチル−蟻酸(99:1)で抽出した。両抽出液を混合し、減圧濃縮して粗抽出物224gを得た。粗抽出物100gを500mlのメタノールに溶解し、Sephadex(登録商標)LH−20(アマシャムファルマシアバイオテク社)を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、メタノールで溶出した。活性画分を集め、溶媒を減圧留去し、油状物48.8gを得た。これを400mlのメタノールに溶解し、TSKgel TOYOPERL HW−40F(東ソー)を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、メタノールで溶出した。活性画分を集め、溶媒を減圧留去し、粗精製物21.8gを得た。これを200mgずつ2mlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、分取逆相HPLCに付した。分取逆相HPLCの条件は、カラム:Wakopak登録商標Wakosil−II 5C18HGprep(φ5×10cmとφ5×25cmを連結、和光純薬工業製)、溶出液A:1%蟻酸水溶液、溶出液B:メタノール、グラジエント:B液割合45%から75%へ2時間の直線的グラジエント、流速:25ml/分、検出:260nmにおける吸光度、とし、溶出液を1分ずつ分取した。
上記分取した画分を分析用HPLCで分析した。分析用HPLCの条件は、カラム:Wakopak登録商標Wakosil−II5C18RS(φ4.6×150mm、和光純薬工業製)、溶出液A:1%蟻酸水溶液、溶出液B:メタノール、グラジエント:B液割合20%から67%へ71.1分間の直線的グラジエント、流速:1.3ml/分、検出:260nmにおける吸光度、とした。この分析用HPLCにおける保持時間を指標に分取用HPLCの溶出画分を集め、減圧下に溶媒を留去した後、再度分取用HPLCに付して上記と同様に精製し、さらにTSKgel TOYOPERL HW−40F(東ソー)を用いるカラムクロマトグラフィーに付して上記と同様に精製し、溶媒を減圧留去、乾燥することにより、以下に示す精製品を得た。
化合物取得量(mg) 分析用HPLCでの保持時間(分)
SPF−3059−12 6.2 34.4
SPF−3059−24 28.0 34.5
SPF−3059−4 10.2 36.0
SPF−3059−25 4.0 39.3
SPF−3059−34 2.9 40.8
SPF−3059−6 34.9 45.6
SPF−3059−27 17.4 46.1
SPF−3059−26 6.2 46.5
SPF−3059−28 11.8 46.6
SPF−3059−7 13.0 47.0
SPF−3059−39 2.8 49.95
SPF−3059−37 4.0 50.0
SPF−3059−3 118.2 50.1
SPF−3059−35 11.0 51.5
SPF−3059−9 100.9 52.7
SPF−3059−29 45.6 54.0
SPF−3059−36 3.7 57.8
SPF−3059−30 23.5 63.0
得られた化合物の物理化学的性状は次の通り。
(SPF−3059−3)
外観:黄色粉末
分子量:534
分子式:C27H18O12
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):535(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):533(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:535.0905
計算値:535.0877(C27H19O12)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
242(30,800)、317(22,700)、367(14,000)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3356、1700、1652、1610、1515、1475、1283
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.28、2.29、2.68、2.69、4.62、4.62、4.64、4.72、5.03、6.38、6.40、6.90、6.91、7.44、7.98、8.54、8.90〜11.10、12.70
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
16.5、17.0、32.3、32.4、56.2、65.8、68.0、103.0、104.2、108.7、108.8、109.4、113.5、118.2、118.6、122.2、125.7、127.5、129.8、132.0、132.6、134.8、137.6、137.9、138.8、144.3、150.5、150.6、152.0、152.6、154.2、154.5、155.5、156.3、167.6、167.7、173.4、183.5、186.2、199.2、202.8、203.0
溶解性:水、ヘキサン不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−3の構造式を、次式[20]と決定した(互変異性体)。
[化学式35]

(SPF−3059−4)
外観:クリーム色粉末
分子量:560
分子式:C28H16O13
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):561(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):559(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:561.0667
計算値:561.0670(C28H17O13)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
221(35,600)、250(38,100)、276sh(25,800)、323(24,300)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3412、1665、1619、1563、1465、1427、1263
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.53(3H,s)、2.56(3H,s)、6.84(1H,d,2.1)、6.95(1H,s)、6.96(1H,d,2.1)、8.17(1H,s)、8.52(1H,s)、10.10〜11.40(3H,brs)、12.71(1H,brs)、13.26(1H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
29.2、32.1、102.3、103.2、110.1、112.4、112.8、119.6、120.3、120.8、126.3、133.1、133.4、136.7、137.5、141.7、150.8、152.3、152.7、152.8、157.2、163.9、167.4、169.3、172.2、172.9、199.3、201.0
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−4の構造式を次式[21]と決定した。
[化学式36]

(SPF−3059−6)
外観:クリーム色粉末
分子量:592
分子式:C29H20O14
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):593(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):591(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:593.0949
計算値:593.0932(C29H21O14)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
210sh(45,900)、223(47,700)、317(25,800)、358sh(14,700)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3418、1701、1617、1565、1465、1301
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.22(3H,s)、2.72(3H,s)、3.11(3H,s)、3.98(2H,brs)、6.78(1H,s)、6.88(1H,s)、8.21(1H,s)、9.00〜13.00(6H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
16.8、32.4、57.8、64.4、102.1、102.3、109.3、111.9、118.4、118.6、119.1、119.6、127.6、128.2、131.6、139.0、141.6、142.1、150.7(2C)、151.9、152.9、155.5、162.0、167.8、167.9、172.4、174.6、202.6
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−6の構造式を次式[22]と決定した。
[化学式37]

(SPF−3059−7)
外観:黄色粉末
分子量:562
分子式:C28H18O13
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):563(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):561(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:563.0843
計算値:563.0826(C28H19O13)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
242(31,600)、312(24,500)、385(10,200)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3424、1701、1603、1504、1448、1420、1270
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.28、2.29、2.68、2.69、4.62、4.67、4.71、5.04、6.38、6.41、6.81、6.92、6.93、7.95、8.52、9.33、11.22、11.35、12.93
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
16.6、17.0、32.3、32.4、56.2、65.7、67.9、102.3、102.8、103.1、104.3、108.7、109.3、110.1、112.5、112.6、118.5、118.7、121.6、122.1、125.9、127.6、130.1、131.9、132.4、135.3、137.4、137.6、138.9、139.7、151.9、152.3、154.5、155.5、156.2、157.1、163.6、167.6、169.3、172.7、172.8、183.7、186.2、199.1、202.5、202.7
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−7の構造式を次式[23]と決定した(互変異性体)。
[化学式38]

(SPF−3059−9)
外観:黄色粉末
分子量:534
分子式:C27H18O12
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):535(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):533(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:535.0876
計算値:535.0877(C27H19O12)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
207(47,600)、243(41,800)、314(34,000)、369(23,000)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3444、1702、1614、1474、1289
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.29、2.31、2.67、2.70、4.60、4.65、4.69、5.97、6.32、6.35、6.89、6.90、7.03、7.17、7.94、8.50、12.50、9.20〜10.80
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
16.6、17.1、32.3、32.4、56.2、65.9、68.2、102.3、103.0、103.2、103.9、109.9、110.0、110.4、110.5、111.9、112.2、118.2、118.6、120.5、125.7、127.7、130.0、131.9、132.4、134.8、138.2、139.1、140.9、141.1、141.5、150.2、150.3、151.7、152.2、154.1、154.6、154.9、155.8、156.6、167.5、172.6、172.7、183.5、187.2、199.3、202.7、202.9
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−9の構造式を次式[24]と決定した(互変異性体)。
[化学式39]

(SPF−3059−12)
外観:クリーム色粉末
分子量:560
分子式:C28H16O13
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):561(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):559(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:561.0680
計算値:561.0670(C28H17O13)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
232(37,400)、250sh(34,800)、285(28,000)、308sh(23,200)、360sh(9,000)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3080、1698、1608、1468、1291
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.54(3H,s)、2.55(3H,s)、6.82(1H,d,2.1)、6.87(1H,s)、6.95(1H,d,2.1)、8.22(1H,s)、8.55(1H,s)、9.50〜13.50(5H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
29.1、32.2、102.1、103.0、109.4、112.1、113.5、119.8、120.0、121.7、126.6、132.0、133.3、135.9、136.7、141.7、150.6、152.1、153.0、155.4、157.6、162.4、167.4、167.6、172.2、172.9、199.1、201.1
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−12の構造式を次式[25]と決定した。
[化学式40]

(SPF−3059−24)
外観:クリーム色粉末
分子量:532
分子式:C27H16O12
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):533(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):531(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:531.0621
計算値:531.0564(C27H17O12)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
212(36,900)、229sh(34,500)、283(26,300)、323(21,700)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3447、1697、1629、1578、1470、1290
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.52(3H,s)、2.54(3H,s)、6.92(1H,s)、6.93(1H,s)、7.28(1H,s)、8.13(1H,s)、8.54(1H,s)、9.50〜13.00(5H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
29.1、32.3、102.3、102.9、107.9、110.0、115.8、119.8、120.4、120.7、126.5、133.0、133.3、136.0、141.2、145.0、150.4、151.1、152.2、152.9、153.0、154.3、167.5、172.6、173.6、199.1、201.1
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−24の構造式を次式[26]と決定した。
[化学式41]

(SPF−3059−25)
外観:クリーム色粉末
分子式:C27H16O11
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):517(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):515(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:517.0778
計算値:517.0771(C27H17O11)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
215(35,000)、253(35,100)、276sh(25,200)、323(23,400)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3417、1691、1625、1471、1293
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.54(6H,s)、6.82(1H,brs)、6.92(2H,brs)、7.27(1H,s)、8.14(1H,s)、8.53(1H,s)、9.5〜14.0(4H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
29.2、32.3、102.9、103.0、107.8、109.9、113.0、115.7、120.4、120.6、126.4、133.3、133.4、136.4(2C)、145.0、151.2、152.3、152.98、153.01、157.3、164.2、169.4、172.6、173.6、199.2、201.0
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−25の構造式を次式[27]と決定した。
[化学式42]

(SPF−3059−26)
外観:クリーム色粉末
分子量:488
分子式:C26H16O10
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):489(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):487(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:489.0823
計算値:489.0822(C26H17O10)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
212(31,500)、235(30,900)、284(23,900)、324(19,500)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3454、1694、1625、1517、1471、1293
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.53(3H,s)、2.54(3H,s)、6.91(1H,s)、6.92(1H,s)、7.27(1H,s)、7.47(1H,s)、8.11(1H,s)、8.57(1H,s)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
29.1、32.2、102.9、103.0、107.9、108.5、113.3、115.7、119.8、120.7、126.3、132.7、133.5、135.8、144.6、145.0、150.8、151.1、152.5、152.9(2C)、154.7、173.3、173.6、199.1、201.2
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−26の構造式を次式[28]と決定した。
[化学式43]

(SPF−3059−27)
外観:黄色粉末
分子量:642
分子式:C33H22O14
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):643(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):641(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:643.1088
計算値:643.1089(C33H23O14)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
213(46,100)、246(46,600)、287(31,700)、354(19,900)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3400、1694、1640、1604、1468、1290
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.41(3H,s)、2.45(3H,s)、2.67(3H,s)、6.34(1H,s)、6.63(1H,s)、6.90(1H,s)、7.48(1H,d,2.1)、7.97(1H,d,2.1)、8.49(1H,s)、11.9(1H,brs)、12.5(1H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
27.4、30.2、32.7、102.3、102.8、109.8、111.8、117.4、119.6、119.7、120.3、126.7、127.5、128.4、133.0、133.4、135.1、135.8、138.6、139.9、141.3、150.5、151.7、154.6、155.8、157.5、158.3、167.5、172.5、196.3、200.0、201.6、205.3
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−27の構造式を次式[29]と決定した。
[化学式44]

(SPF−3059−28)
外観:クリーム色粉末
分子量:532
分子式:C27H16O12
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):533(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):531(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:533.0735
計算値:533.0721(C27H17O12)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
217(35,300)、236(34,100)、309(26,100)赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3502、3096、1690、1598、1503、1434、1303
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.39(3H,s)、2.71(3H,s)、6.52(1H,s)、6.85(1H,d,2.1)、6.92(1H,d,2.1)、6.98(1H,d,2.1)、8.25(1H,s)、9.5〜13.5(5H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
17.3、32.4、102.3、103.3、110.0、112.1、112.3、113.4、118.8、120.6、127.6、128.9、132.1、136.1、138.8、140.9、150.2、152.0、154.1、157.8、162.2、162.6、167.5、169.2、172.6、175.3、202.7
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−28の構造式を次式[30]と決定した。
[化学式45]

(SPF−3059−29)
外観:クリーム色粉末
分子量:548
分子式:C28H20O12
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):549(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):547(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:549.1027
計算値:549.1034(C28H21O12)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
226(48,900)、316(26,200)、352sh(17,400)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3388、1687、1662、1626、1469、1296
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.23(3H,s)、2.72(3H,s)、3.11(3H,s)、3.98(2H,brs)、6.89(1H,s)、6.93(1H,s)、7.44(1H,s)、8.27(1Hs)、9.00〜13.00(5H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
16.8、32.4、57.8、64.4、102.3、103.1、108.6、112.0、113.5、118.46、118.48、119.1、127.7、128.1、131.8、138.9、141.8、144.3、150.6、150.7、151.9、152.6、154.2、162.1、167.8、173.5、174.6、202.7
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−29の構造式を次式[31]と決定した。
[化学式46]

(SPF−3059−30)
外観:クリーム色粉末
分子量:490
分子式:C26H18O10
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):491(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):489(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:491.0966
計算値:491.0979(C26H19O10)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
206(36,000)、240(32,700)、315(26,500)、372(17,900)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3396、1704、1618、1518、1479、1294
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.28、2.30、2.67、2.69、4.62、4.66、4.70、4.96、6.32、6.36、6.90、6.91、7.03、7.17、7.43、7.98、8.54、9.20〜10.80
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
16.5、17.0、32.3、32.4、56.2、65.9、68.3、103.0、103.2、103.8、108.6、110.4、111.8、113.4、118.6、125.6、127.5、129.5、132.1、132.6、134.4、137.9、138.8、141.2、141.5、144.3、150.6、152.0、152.5、154.3、154.6、154.9、155.8、156.6、172.6、173.4、183.5、187.2、199.3、202.7、202.9
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−30の構造式を次式[32]と決定した(互変異性体)。
[化学式47]

(SPF−3059−34)
外観:黄色粉末
分子量:550
分子式:C27H18O13
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):551(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):549(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:551.0846
計算値:551.0826(C27H19O13)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
211(35,600)、240(31,100)、283(24,100)、349(14,500)
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.18(3H,s)、2.66(3H,s)、4.39(1H,d,11.9)、4.64(1H,d,11.9)、6.37(1H,s)、6.84(1H,s)、7.09(1H,s)、8.47(1H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
16.8、32.4、72.5、80.0、102.1、103.0、109.5、110.6、111.1、117.7、120.0、126.5、131.8、133.6、138.6、141.4、141.5、150.5、151.7、154.9、155.0、156.2、167.7、172.6、188.5、202.8、204.0
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−34の構造式を次式[33]と決定した。
[化学式48]

(SPF−3059−35)
外観:クリーム色粉末
分子量:546
分子式:C28H18O12
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):547(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):545(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:547.0911
計算値:547.0877(C28H19O12)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
216(38,600)、237(37,300)、307(30,100)、356sh(8,800)
赤外吸収スペクトルνmax(KBr)cm−1:
3460、3076、1734、1699、1629、1466、1302
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.39(3H,s)、2.71(3H,s)、3.82(3H,s)、6.49(1H,s)、6.86(1H,d,2.1)、6.92(1H,s)、7.01(1H,d,2.1)、8.25(1H,s)、9.5〜13.5(4H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
17.3、32.4、52.5、102.3、103.8、110.0、112.1、112.8、113.5、118.8、120.6、127.7、129.0、132.1、134.3、138.8、140.9、150.3、152.1、154.1、157.7、162.2、162.8、167.5、168.6、172.6、175.1、202.7
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−35の構造式を次式[34]と決定した。
[化学式49]

(SPF−3059−36)
外観:クリーム色粉末
分子量:598
分子式:C32H22O12
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):599(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):597(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M+H)+:
実測値:599.1198
計算値:599.1190(C32H23O12)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
213(46,300)、246(48,700)、287(33,200)、360(20,000)
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.41(3H,s)、2.45(3H,s)、2.66(3H,s)、6.34(1H,s)、6.63(1H,s)、6.90(1H,s)、7.46(1H,d,2.0)、7.46(1H,s)、7.95(1H,d,2.0)、8.52(1H,s)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
27.3、30.2、32.7、102.8、103.1、108.6、111.7、113.4、117.3、119.6(2C)、126.7、127.5、128.5、133.2、133.4、135.1、135.6、138.6、139.7、144.6、150.8、152.1、154.6、155.9、157.5、158.4、173.3、196.3、200.0、201.6、205.2
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−36の構造式を次式[35]と決定した。
[化学式50]

(SPF−3059−37)
外観:黄色粉末
分子量:806
分子式:C41H26O18
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):807(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):805(M−H)−
高分解能高速電子衝撃質量スペクトル(HRFAB−MS)m/z(M−H)−:
実測値:807.1197
計算値:807.1198(C41H27O18)
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
219(68,900)、323(30,700)、349(30,600)
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.08(3H,s)、2.20(3H,s)、2.53(3H,s)、3.42(1H,d,15.6)、3.56(1H,d,15.6)、4.64(1H,d,13.4)、4.71(1H,d,13.4)、6.27(1H,s)、6.83(1H,s)、6.84(1H,s)、6.88(1H,s)、8.15(1H,s)、9.0〜13.0(8H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
16.6、17.7、20.0、32.0、62.3、102.1、102.25、103.8、106.0、108.4、108.7、109.9、111.55、118.56、119.2、119.6、120.4、121.7、127.9、129.13、131.1、139.5、140.6、141.00、141.7、150.1、150.23、150.46、150.51、151.6、152.3、154.09、154.17、158.7、161.1、167.7、168.0、172.5、173.2、175.1、202.2
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−37の構造式を次式[36]と決定した。
[化学式51]

(SPF−3059−39)
外観:黄色粉末
分子量:548
分子式:C27H16O13
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(positive):549(M+H)+
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB−MS)m/z(negative):547(M−H)−
紫外可視吸収スペクトルλmax(メタノール中)nm(ε):
223(40,000)、319(23,900)、349(20,100)
1H—NMR(DMSO−d6)δppm:
2.37(3H,s)、2.71(3H,s)、6.47(3H,s)、6.91(1H,s)、6.98(1H,s)、8.22(1H,s)、9.0〜13.0(6H,brs)
13C—NMR(DMSO−d6)δppm:
17.3、32.4、102.3、102.7、109.9、111.49、112.4、118.64、118.8、120.5、127.5、129.12、132.1、138.8、140.96、142.5、150.29、151.1、152.0、152.6、154.24、162.1、167.5、167.9、172.6、175.5、202.7
溶解性:水、ヘキサンに不溶、メタノール、DMSOに可溶
これらからSPF−3059−39の構造式を次式[37]と決定した。
[化学式52]

実施例15(Sema3Aのコラプス活性に対する本発明の新規化合物の抑制作用)
実施例2と同様に、Sema3Aのコラプス活性に対する本発明の新規化合物の抑制作用を測定した。IC50は次の通りで、何れもSema3Aを強く阻害した。
化合物 IC50(μg/ml)
SPF−3059−3 0.2
SPF−3059−4 2.0
SPF−3059−6 0.1
SPF−3059−7 1.0
SPF−3059−9 0.1
SPF−3059−12 2.0
SPF−3059−24 0.1
SPF−3059−25 4.0
SPF−3059−26 0.2
SPF−3059−27 0.5
SPF−3059−28 2.0
SPF−3059−29 0.1
SPF−3059−30 0.2
SPF−3059−34 0.1
SPF−3059−35 2.0
SPF−3059−36 4.0
SPF−3059−37 <0.1
SPF−3059−39 0.1
実施例16(セマフォリン3Aの神経伸長阻害活性の阻害剤による抑制)
実施例5と同様に、セマフォリン3Aの神経伸長阻害活性に対する本発明の新規化合物の抑制作用を測定した。測定結果を次に示す。
被験化合物 化合物濃度(μg/ml)
2 6 20
SPF−3059−2 +++NTNT
SPF−3059−3 +++ NT NT
SPF−3059−5 ++ NT NT
SPF−3059−4 − + ++
SPF−3059−6 ++ ++ +++
SPF−3059−7 + + ++
SPF−3059−12 + + ++
PBS(対照) − − −
(NT=not tested)
この結果から、本発明の新規化合物はSema3Aが示す神経伸長阻害活性を持続的に阻害し得ることが明らかとなった。
実施例17(本発明の新規化合物の細胞毒性の測定)
実施例10と同様に、COS7細胞を用いて細胞増殖への影響を測定した。本発明の新規化合物の細胞増殖阻害率の測定結果は次の通りとなり、セマフォリン阻害活性が認められる濃度の50〜1000倍の濃度でも細胞毒性は認められないことが判明した。
被験化合物 IC50(μg/ml)
SPF−3059−3 >100
SPF−3059−4 >100
SPF−3059−6 >100
SPF−3059−7 >100
SPF−3059−9 >100
SPF−3059−12 >100
SPF−3059−24 >100
SPF−3059−29 >100
SPF−3059−30 >100
実施例18(本発明の化合物の塩の製造)
本発明の化合物をメタノールに溶解して1mM溶液を調製する。この溶液1mlに、1mM水酸化ナトリウムメタノール溶液を、本発明の化合物が2個のカルボキシル基を持つ場合は2ml、本発明の化合物が1個のカルボキシル基を持つ場合は1ml加え、十分に混合する。この溶液を減圧下に溶媒を留去、乾燥し、本発明の化合物のナトリウム塩1μmolを得る。
産業上の利用可能性
本発明の神経再生促進剤の有効成分であるセマフォリン阻害剤は、低濃度においても、末梢あるいは中枢における神経再生促進作用を有し、セマフォリンの有する成長円錐退縮活性及び/又はセマフォリンの有するコラーゲンゲル中での神経伸長阻害活性の抑制作用を有し、特に分子量1000以下の低分子化合物セマフォリン阻害剤を用いた場合、分子の拡散性、膜透過性、組織移行性、特に血液脳関門透過性などに優れていることから、各種神経障害性疾患・神経変性疾患に対する予防剤や治療剤として有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1、M162及びA721のSema3Aの成長円錐退縮活性に対する濃度依存的な抑制作用を示す図である。
第2図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1、SPF−3059−2、SPF−3059−5のSema3Aの成長円錐退縮活性に対する濃度依存的な抑制作用を示す図である。
第3図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1のSema6Cの成長円錐退縮活性に対する濃度依存的な抑制作用を示す図である。
第4図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1、M162及びA721の、コラーゲンゲル共培養法におけるSema3Aの神経伸長阻害活性の抑制作用を示す写真である。
第5図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1のインビボにおける嗅神経切断に対する神経再生促進作用を示す図である。
第6図は、本発明のセマフォリン阻害剤M162及びA721のインビボにおける嗅神経切断に対する神経再生促進作用を示す図である。
第7図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1の坐骨神経挫滅に対する神経再生促進作用を示す図である。
第8図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1のCOS7細胞の増殖に対する影響を調べた結果を示す図である。
第9図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1のセマフォリン3Aのレセプター(ニューロピリン−1)結合に対する影響を調べた結果を示す図である。
第10図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1の標的分子がセマフォリン3Aであることを調べた結果を示す図である。
第11図は、本発明のセマフォリン阻害剤SPF−3059−1のインビボにおける脊髄神経(大脳皮質‐脊髄路)切断に対する神経再生促進作用を調べた結果を示す写真である。
第12図は、対照としてのPBSのインビボにおける脊髄神経(大脳皮質‐脊髄路)切断に対する神経再生促進作用を調べた結果を示す写真である。

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