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技術 SiC単結晶およびその成長方法

出願人 株式会社シクスオン関西電力株式会社三菱商事株式会社住友電気工業株式会社
発明者 塩見弘木本恒暢松波弘之
出願日 2000年9月6日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2001-521813
公開日 2003年4月2日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 WO2001-018286
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理 気相成長(金属層を除く)
主要キーワード 集合面 熱シールド部材 半導体電子部品 オフ角α 高周波パワーデバイス SiC原料粉末 高耐圧ダイオード ドナー密度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題・解決手段

4H型ポリタイプのSiC単結晶(40)を成長させる方法であって、{03−38}面(30u)、または{03−38}面に対して約10°以内のオフ角αだけ傾いた面、を露出させたSiC単結晶からなる種結晶(30)上に4H型ポリタイプのSiC単結晶(40)を成長させる。本発明のSiC単結晶は、表面にマイクロパイプおよび積層欠陥が殆ど露出しておらず、また、本発明のSiC単結晶の成長方法によれば、SiC単結晶の表面に露出するマイクロパイプおよび積層欠陥を低減させることができる。

概要

背景

概要

4H型ポリタイプのSiC単結晶(40)を成長させる方法であって、{03−38}面(30u)、または{03−38}面に対して約10°以内のオフ角αだけ傾いた面、を露出させたSiC単結晶からなる種結晶(30)上に4H型ポリタイプのSiC単結晶(40)を成長させる。本発明のSiC単結晶は、表面にマイクロパイプおよび積層欠陥が殆ど露出しておらず、また、本発明のSiC単結晶の成長方法によれば、SiC単結晶の表面に露出するマイクロパイプおよび積層欠陥を低減させることができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

4H型ポリタイプのSiC単結晶成長させる方法であって、{03−38}面、または{03−38}面に対して約10°以内のオフ角αだけ傾いた面、を露出させたSiC単結晶からなる種結晶上に、4H型ポリタイプのSiC単結晶を成長させることを特徴とするSiC単結晶の成長方法

請求項2

前記オフ角αは、5°以内であることを特徴とする請求項1記載のSiC単結晶の成長方法。

請求項3

前記オフ角αは、3°以内であることを特徴とする請求項1記載のSiC単結晶の成長方法。

請求項4

化学気相堆積法によって、前記種結晶上に前記SiC単結晶を成長させることを特徴とする請求項1記載のSiC単結晶の成長方法。

請求項5

黒鉛製坩堝内SiC原料粉末昇華させて、前記坩堝内に設置された種結晶上に4H型ポリタイプのSiC単結晶を再結晶させるSiC単結晶の成長方法において、前記種結晶として、{03−38}面、または{03−38}面に対して約10°以内のオフ角αだけ傾いた面、を露出させたSiC単結晶を用いることを特徴とするSiC単結晶の成長方法。

請求項6

請求項1〜請求項5のうち何れか一項記載のSiC単結晶の成長方法により成長させられたことを特徴とするSiC単結晶。

技術分野

0001

本発明は、半導体電子部品に適したSiC単結晶およびその成長方法、特に、4H型ポリタイプのSiC単結晶およびその成長方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、炭化珪素(SiC)あるいは窒化ガリウム(GaN)等の軽元素で構成される化合物半導体の研究が盛んである。かかる化合物半導体は、軽元素で構成されているため結合エネルギーが強く、その結果、エネルギー禁制帯幅バンドギャップ)、絶縁破壊電界熱伝導度が大きいことが特徴である。そして、特にSiCは、このワイドバンドギャップの特徴を活かして、高効率・高耐圧パワーデバイス高周波パワーデバイス高温動作デバイス、あるいは青色から紫外発光デバイス用の材料として注目を集めている。しかしながら、結合エネルギーが強いため、SiCの化合物は、大気圧では高温にしても融解せず、シリコン(Si)など他の半導体で用いられる融液再結晶化によるバルク結晶育成が困難である。

0003

バルク状のSiC単結晶を成長させる方法としては、特公昭第59−48792号公報や特開平2−30699号公報に掲載されたいわゆる改良型レーリー法が知られている。この改良型レーリー法は、黒鉛製るつぼにSiC単結晶からなる種結晶を設置し、さらに減圧雰囲気下原料SiC粉末昇華させて、種結晶上に目的規模のSiC単結晶を再結晶させるものである。

0004

この改良型レーリー法をはじめとするいわゆる昇華法においては、その種結晶として、主として{0001}面を露出させたSiC単結晶基板が使用されている。しかしながら、面方位が{0001}であるSiC単結晶基板を用いてSiC単結晶を成長させる場合、マイクロパイプという<0001>軸方向に延びる欠陥が単結晶の表面に到達するため、このSiC単結晶を用いて素子を作製すると、リーク電流等が発生する場合があった。

0005

このマイクロパイプに関する問題を解消するための技術として、例えば特許第2804860号公報に掲載されたSiC単結晶の成長方法が知られている。この方法は、種結晶として{0001}面より60°〜120°の角度αだけずれた結晶面を露出させたSiC単結晶を使用するものであり、より好ましくは、{1−100}面や{11−20}面を露出させたSiC単結晶を使用するものである。このような種結晶を使用すれば、単結晶の表面に到達するマイクロパイプを減少させることができる。

発明の開示

0006

しかしながら、特許第2804860号公報に掲載されたSiC単結晶の成長方法には、次のような問題があった。すなわち、同公報に記載された発明の発明者らがフィカステイタスソリッド(b)(202号163頁〜175頁1997年)において述べているように、{1−100}面あるいは{11−20}面が露出したSiC単結晶を種結晶として使用する場合は、結晶多形の制御ができ、マイクロパイプの表面への到達を抑制できるものの、高密度積層欠陥スタッキングフォールト)がSiC単結晶の表面に露出するという問題があった。この積層欠陥は、結晶を成長させる際に面状に広がるものであり、かかる積層欠陥が表面に露出したSiC単結晶を用いて素子を作製すると、マイクロパイプが表面に露出したSiC単結晶を用いる場合と同様に、リーク電流等が発生するおそれがある。

0007

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、表面に露出するマイクロパイプおよび積層欠陥が低減されたSiC単結晶およびその成長方法を提供することを目的とする。

0008

本発明は、4H型ポリタイプのSiC単結晶を成長させる方法であって、{03−38}面、または{03−38}面に対して約10°以内のオフ角αだけ傾いた面、を露出させたSiC単結晶からなる種結晶上に、4H型ポリタイプのSiC単結晶を成長させることを特徴とする。

0009

本発明に係るSiC単結晶の成長方法において、例えば{03−38}面を露出させた種結晶を用いれば、当該種結晶の露出面はマイクロパイプが延びる<0001>方向に対して約35°の傾きを有することになる。このため、このような種結晶上に4H型ポリタイプのSiC単結晶を成長させれば、マイクロパイプは当該SiC単結晶の側面に到達し、表面にマイクロパイプが到達する事態を抑制することができる。また、種結晶の露出面({03−38}面)は、積層欠陥が広がる面、すなわち<0001>方向と垂直な面に対して約55°の傾きを有するため、このような種結晶上に4H型ポリタイプのSiC単結晶を成長させれば、積層欠陥は当該SiC単結晶の側面に到達し、表面に積層欠陥が到達する事態を抑制することができる。また、種結晶の露出面を{03−38}面とせず、この{03−38}面に対して約10°以内のオフ角αだけ傾けた面としても、同様に、成長させられたSiC単結晶の表面にマイクロパイプおよび積層欠陥が到達する事態を抑制することができる。

0010

また、オフ角αは、5°以内であることが好ましい。さらに、オフ角αは、3°以内であることが好ましい。すなわち、種結晶の表面が{03−38}面に近くなるほど、表面にマイクロパイプおよび積層欠陥が到達する事態を確実に抑制することができる。

0011

また、化学気相堆積法によって、種結晶上にSiC単結晶を成長させてもよい。

0012

また、本発明に係る他のSiC単結晶の成長方法は、黒鉛製の坩堝内SiC原料粉末を昇華させて、坩堝内に設置された種結晶上に4H型ポリタイプのSiC単結晶を再結晶させるSiC単結晶の成長方法において、種結晶として、{03−38}面、または{03−38}面に対して約10°以内のオフ角αだけ傾いた面、を露出させたSiC単結晶を用いることを特徴とする。

0013

このようなSiC単結晶の成長方法によれば、黒鉛製の坩堝内に設置する種結晶の露出面を例えば{03−38}面とすれば、当該種結晶の露出面はマイクロパイプが延びる<0001>方向に対して約35°の傾きを有することになる。このため、SiC原料粉末を昇華させてこのような種結晶上に4H型ポリタイプのSiC単結晶を成長させれば、マイクロパイプは当該SiC単結晶の側面に到達し、表面にマイクロパイプが到達する事態を抑制することができる。また、種結晶の露出面({03−38}面)は、積層欠陥が広がる面、すなわち<0001>方向と垂直な面に対して約55°の傾きを有するため、このような種結晶上に4H型ポリタイプのSiC単結晶を成長させれば、積層欠陥は当該SiC単結晶の側面に到達し、表面に積層欠陥が到達する事態を抑制することができる。また、種結晶の露出面を{03−38}面とせず、この{03−38}面に対して約10°以内のオフ角αだけ傾けた面としても、同様に、成長させられたSiC単結晶の表面にマイクロパイプおよび積層欠陥が到達する事態を抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、添付図面を参照して、本発明に係るSiC単結晶およびその成長方法の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。また、実施形態および実施例の説明で結晶の格子方向および格子面を使用する場合があるが、ここで、格子方向及び格子面の記号の説明をしておく。個別方位は[]、集合方位は<>、個別面は()、集合面は{}でそれぞれ示すことにする。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、明細書作成の都合上、数字の前に負号を付けることにする。

0015

図1は、本実施形態のSiC単結晶を成長させるための結晶成長装置2を示す断面図である。結晶成長装置2は、主として、内部でSiC単結晶を成長させる黒鉛製の坩堝4と、坩堝4の熱が外部へ放射されるのを防止する熱シールド部材6と、この熱シールド部材6を包囲する水冷式反応管8と、反応管8の周囲に巻回されるとともに坩堝4を加熱するための高周波コイル10と、から構成されている。また、反応管8の頂上部には、アルゴンガスなどの不活性ガスを導入するためのガス導入管12が介挿され、反応管8の底部には、不活性ガスを外部に排出するためのガス排出管14が介挿されている。

0016

坩堝4は、有底円筒形状をなしてSiC多結晶からなる原料15を収容する収容部16と、この収容部16の上部開口を封止する蓋部18と、蓋部18に取り付けられるとともに種結晶30が底面に固定された種結晶配置部20と、を有する。ここで、本実施形態では、種結晶30として、{03−38}面が露出した4H型ポリタイプ(“H”は六方晶系、“4”は原子積層が4層で一周期となる結晶構造を意味する)のSiC単結晶を用いる。

0017

続いて、図2を参照して、4H−SiC単結晶の(03−38)面について説明する。同図に示すように、(03−38)面は、[0001]方向に対して約35°(35.26°)の傾きを有し、[0001]方向と垂直な面に対して約55°(54.74°)の傾きを有している。

0018

次に、図1図4を参照して、SiC単結晶の成長方法を説明する。

0019

原料15および種結晶30を収容した坩堝4を反応管8内に設置した後、反応管8内を約1時間ほど真空排気し、次に、ガス導入管12より不活性ガスを導入して反応管8内を常圧(760Torr)にする。そして、再び反応管8内を約10分ほど真空排気した後、ガス導入管12より不活性ガスを導入して反応管8内を再度常圧(760Torr)にする。

0020

以上の作業が終了した後、高周波コイル10によって坩堝4を加熱し始める。この際、坩堝4の温度を約2000℃にするとともに、種結晶30の温度が原料15の温度よりも約50℃だけ低くなるように温度勾配をつける。同時に、反応管8内の圧力を約4Torrまで低下させる。これにより、SiC多結晶からなる原料15が昇華し、原料15のガスが種結晶30に到達して、図3に示すように、種結晶30の表面(露出面)30u上に直径約2インチの4H型ポリタイプのSiC単結晶40を成長させることができる。なお、図3においては、発明の理解を容易にするために種結晶30の上方にSiC単結晶40を位置させているが、実際は、図1から分かるように種結晶30の下方にSiC単結晶40が成長する。また、原料15の代わりに、シランプロパン等のガスを供給するいわゆる化学気相堆積法(CVD法)によって種結晶上にSiC単結晶を成長させてもよい。

0021

ここで、図3を参照して、SiC単結晶40の成長過程を詳説する。通常、SiC単結晶を成長させるに際して、<0001>方向に延びるマイクロパイプや、<0001>方向と垂直な面に広がる積層欠陥がSiC単結晶の内部に含まれることが多い。そして、多数のマイクロパイプや積層欠陥が表面に露出したSiC単結晶を用いて素子を作製すると、リーク電流等が発生するおそれがある。

0022

ここで、本実施形態のように{03−38}面を露出させた種結晶30を用いると、種結晶30の表面30uは、上述のように、マイクロパイプ42(図中一点鎖線で示す)が延びる<0001>方向に対して約35°の傾きを有することになる。このため、ある程度SiC単結晶40を成長させると、マイクロパイプ42はSiC単結晶40の側面40sに到達し、マイクロパイプ42が表面40uに到達する事態を抑制することができる。また、種結晶30の表面30uは、積層欠陥44(図中破線で示す)が広がる面、すなわち<0001>方向と垂直な面に対して約55°の傾きを有する。このため、ある程度SiC単結晶40を成長させると、積層欠陥44はSiC単結晶40の側面40sに到達し、積層欠陥44が表面40uに到達する事態を抑制することができる。

0023

また、図4に示すように、種結晶30の表面30uを本実施形態のように{03−38}面とせず、この{03−38}面に対して約10°以内のオフ角αだけ傾けた面としても、同様に、成長させられたSiC単結晶40の表面40uにマイクロパイプ42および積層欠陥44が到達する事態を抑制することができる。さらに、オフ角αは5°以内であることが好ましく、より好適には、3°以内であることが好ましい。すなわち、種結晶の表面が{03−38}面に近くなるほど、SiC単結晶40の表面40uにマイクロパイプ42および積層欠陥44が到達する事態を確実に抑制することができる。

0024

また、本発明のSiC単結晶を用いて、各種の半導体デバイスを作製することができる。図5は、本発明のSiC単結晶を用いて作製した高耐圧ダイオード60を示す断面図である。

0025

ダイオード60は、種結晶としてのn型SiC基板30と、n型SiC活性層40と、SiC活性層40の上面に位置するショットキー電極12と、SiC基板30の下面に位置するオーム性電極14と、を備えている。また、SiC基板30及びSiC活性層40は、単結晶の4H−SiC{03−38}基板とされている。さらに、活性層40の上部には、高抵抗p型領域(ガードリング)16が形成されている。

0026

次に、このようなダイオード60の製造方法を説明する。SiC基板30は、4H−SiC(000−1)種結晶上に改良レーリー法或いはCVD法によって成長したインゴットを成長方向に54.7°傾けてスライスし、鏡面研磨することによって作製することができる。

0027

そして、このSiC基板30を種結晶として、CVD法によって窒素ドープn型4H−SiCである活性層40をエピタキシャル成長させる。活性層のドナー密度は約6×1015cm−3、膜厚は約16μmとする。

0028

このときの主な成長条件は、下記の通りである。ただし、窒素などのドーパント不純物取り込み効率はSiC面方位に依存するので、デバイスを作製するときには、CVD成長時の原料ガス流量およびドーパント原料供給量を、用いる面方位に応じて調整することが必要である。尚、以下の成長条件は一例であり、これに限定されるものではない。

0029

活性層: SiH4流量 0.50sccm
C3H8流量 0.50sccm
N2流量 1x10−3〜4x10−3sccm
H2流量 3.0slm
基板温度1520℃
成長時間 240分

0030

さらに、このようにして作製した4H−SiC(0−33−8)基板を用いたSiC単結晶に、円形のショットキー電極52及びオーム性電極54を形成する。ショットキー電極52は活性層35の上面に形成し、オーム性電極54はSiC基板30の下面に形成する。また、ショットキー電極52にはチタン(Ti:180nm)、裏面のオーム性電極54には1000℃で20分間の熱処理を施したニッケル(Ni:200nm)を用いることができる。

0031

そして、ショットキー電極52端部での電界集中を緩和するために、ホウ素(B)イオン注入して高抵抗p型領域46を形成し、ショットキーダイオード60を完成させる。ホウ素イオンの注入は、例えば30keV〜120keVで、総ドーズ量を3×1013cm−2とする。

0032

また、ガードリングを形成するp型領域46の幅を100μm、このp型領域46とショットキー電極52の重なり部の幅を10μmとする。また、イオン注入は室温で行い、注入イオン活性化のための熱処理(アニール)は、例えばアルゴンガス雰囲気中1550℃、30分の条件で行う。なお、これらの選択的イオン注入用マスク電極金属パターニングには、フォトリソグラフィ技術を用いることができる。

0033

このようにして得られたダイオード60は、上述のようにマイクロパイプ及び積層欠陥がSiC活性層40の側面に到達し、SiC活性層40の表面には到達しないため、高品質になっている。また、4H−SiC{03−38}面を用いることによって成長表面平坦性がよくなり、ショットキー電極/SiC界面での電界集中が低減されるという効果も得ることができる。

0034

尚、ここでは本発明のSiC単結晶をショットキーダイオードに適用した例を述べたが、エピタキシャル成長あるいはイオン注入で形成されたpn接合ダイオードpinダイオードやpnpnあるいはnpnpサイリスタの場合でも、4H−SiC{03−38}基板を用いることが有効である。
[実施例]

0035

本発明のSiC単結晶およびその成長方法について、実施例を参照してより具体的に説明する。
実施例1

0036

実施例1では、種結晶30として、(03−38)面が露出した4H−SiC単結晶を使用した。そして、反応管8内の圧力を4Torrに保持し、原料15の温度を約2300℃にするとともに種結晶30の温度を約2250℃にして、種結晶30上に直径2インチのSiC単結晶40をバルク成長させた。このときの成長速度は1mm/hで、SiC単結晶40の厚さを80mmとした。

0037

このようにして得られたSiC単結晶40をラマン分光分析したところ、表面全体が4H型になっていることが判明した。さらに、SiC単結晶40のバルクを厚さ約330μmのウエハ状にスライスした後、ダイヤモンド砥石によって研磨処理を施して、ウエハの表裏面を鏡面状にした。目視により、このSiC単結晶のウエハは、表面全体が均質であり、端部からの多結晶化や結晶の多形化は起こっていないことが分かった。さらに、溶融水酸化カリウムを用いてウエハにエッチング処理を施して評価したところ、ウエハの表面に、マイクロパイプおよび積層欠陥は観察されなかった。
実施例2

0038

実施例2では、種結晶30として、(03−38)面から(0001)面の方向に3°傾いた面が露出した4H−SiC単結晶を使用した。そして、反応管8内の圧力を4Torrに保持し、原料15の温度を約2300℃にするとともに種結晶30の温度を約2170℃にして、種結晶30上に直径2インチのSiC単結晶40をバルク成長させた。このときの成長速度は0.8mm/hで、SiC単結晶40の厚さを64mmとした。そして、実施例1と同様に、SiC単結晶40のバルクをスライスしてウエハを作製し、このウエハにエッチング処理を施して評価したところ、マイクロパイプおよび積層欠陥は観察されなかった。
実施例3

0039

実施例3では、種結晶30として、(03−38)面から(0001)面の方向に5°傾いた面が露出した4H−SiC単結晶を使用した。そして、反応管8内の圧力を4Torrに保持し、原料15の温度を約2300℃にするとともに種結晶30の温度を約2170℃にして、種結晶30上に直径2インチのSiC単結晶40をバルク成長させた。このときの成長速度は0.8mm/hで、SiC単結晶40の厚さを64mmとした。そして、SiC単結晶40のバルクをスライスしてウエハを作製し、このウエハにエッチング処理を施して評価したところ、マイクロパイプおよび積層欠陥は観察されなかった。
実施例4

0040

実施例4では、種結晶30として、(03−38)面から(0001)面の方向に10°傾いた面が露出した4H−SiC単結晶を使用した。そして、反応管8内の圧力を4Torrに保持し、原料15の温度を約2300℃にするとともに種結晶30の温度を約2170℃にして、種結晶30上に直径2インチのSiC単結晶40をバルク成長させた。このときの成長速度は0.8mm/hで、SiC単結晶40の厚さを64mmとした。そして、SiC単結晶40のバルクをスライスしてウエハを作製し、このウエハにエッチング処理を施して評価したところ、マイクロパイプおよび積層欠陥は観察されなかった。
比較例1

0041

上記実施例と比較するために、種結晶として(0001)面が露出した4H−SiC単結晶を使用した。そして、反応管内の圧力を4Torrに保持し、原料の温度を約2300℃にするとともに種結晶の温度を約2170℃にして、種結晶上に直径2インチのSiC単結晶をバルク成長させた。このときの成長速度は0.6mm/hで、SiC単結晶の厚さを48mmとした。そして、SiC単結晶のバルクをスライスしてウエハを作製し、このウエハにエッチング処理を施して評価したところ、積層欠陥は観察されなかったが、マイクロパイプが約300個/cm2観察された。
比較例2

0042

比較例2では、種結晶として(0−101)面が露出した4H−SiC単結晶を使用した。そして、反応管内の圧力を4Torrに保持し、原料の温度を約2300℃にするとともに種結晶の温度を約2170℃にして、種結晶上に直径2インチのSiC単結晶をバルク成長させた。このときの成長速度は0.8mm/hで、SiC単結晶40の厚さを64mmとした。そして、SiC単結晶のバルクをスライスしてウエハを作製し、このウエハにエッチング処理を施して評価したところ、マイクロパイプは観察されなかったが、積層欠陥が1000個/cm2観察された。
比較例3

0043

比較例3では、種結晶として(11−20)面が露出した4H−SiC単結晶を使用した。そして、反応管内の圧力を4Torrに保持し、原料の温度を約2300℃にするとともに種結晶の温度を約2170℃にして、種結晶上に直径2インチのSiC単結晶をバルク成長させた。このときの成長速度は0.7mm/hで、SiC単結晶40の厚さを56mmとした。そして、SiC単結晶のバルクをスライスしてウエハを作製し、このウエハにエッチング処理を施して評価したところ、マイクロパイプは観察されなかったが、積層欠陥が500個/cm2観察された。

0044

以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、SiC単結晶を成長させるための結晶成長装置は、図1に示すものに限られず、この他種々のものを使用することができる。
産業上の利用可能性

0045

以上説明したように、本発明のSiC単結晶は、表面にマイクロパイプおよび積層欠陥が殆ど露出しておらず、また、本発明のSiC単結晶の成長方法によれば、SiC単結晶の表面に露出するマイクロパイプおよび積層欠陥を低減させることができる。

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