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技術 層状掃気2サイクルエンジン

出願人 小松ゼノア株式会社
発明者 宮崎浩大辻孝昌
出願日 2000年3月29日 (21年3ヶ月経過) 出願番号 2000-613931
公開日 2002年7月30日 (18年11ヶ月経過) 公開番号 WO2000-065209
状態 特許登録済
技術分野 その他の吸気量を増加させるための吸気装置
主要キーワード 空気流通穴 ピストン長 吸入面積 空気絞り 円筒穴 軽量コンパクト ピストン溝 掃気流路
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年7月30日)のものです。
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図面 (19)

課題・解決手段

先導空気吸入効率を向上し、簡単構造で低コストな層状掃気2サイクルエンジンを提供する。このために、シリンダ室(10)に接続する排気ポート(22)及び掃気ポート(21)と、シリンダ室(10)及びクランク室(11)に非接続な先導空気用吸気ポート(24)と、クランク室(11)に接続する混合気用吸気ポート(23)と、掃気ポート(21)及びクランク室(11)間を接続する掃気流路(20)と、吸入行程の際に、先導空気用吸気ポート(24)及び掃気ポート(21)間を接続し、かつ混合気用吸気ポート(23)及び掃気ポート(21)間を非接続とする、ピストン(4)の外周部に設けられるピストン溝(25)とを備える層状掃気2サイクルエンジンにおいて、先導空気用吸気ポート(24)は、シリンダ(3)の軸線に対し、混合気用吸気ポート(23)の反対側に位置する。

概要

背景

概要

先導空気吸入効率を向上し、簡単構造で低コストな層状掃気2サイクルエンジンを提供する。このために、シリンダ室(10)に接続する排気ポート(22)及び掃気ポート(21)と、シリンダ室(10)及びクランク室(11)に非接続な先導空気用吸気ポート(24)と、クランク室(11)に接続する混合気用吸気ポート(23)と、掃気ポート(21)及びクランク室(11)間を接続する掃気流路(20)と、吸入行程の際に、先導空気用吸気ポート(24)及び掃気ポート(21)間を接続し、かつ混合気用吸気ポート(23)及び掃気ポート(21)間を非接続とする、ピストン(4)の外周部に設けられるピストン溝(25)とを備える層状掃気2サイクルエンジンにおいて、先導空気用吸気ポート(24)は、シリンダ(3)の軸線に対し、混合気用吸気ポート(23)の反対側に位置する。

目的

効果

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2件

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請求項1

エンジンシリンダ室(10)に接続する排気ポート(22)及び掃気ポート(21)と、ピストン(4)の全ストロークにおいて前記シリンダ室(10)及びクランク室(11)に非接続な先導空気吸気ポート(24)と、前記クランク室(11)に接続する混合気用吸気ポート(23)と、前記掃気ポート(21)及び前記クランク室(11)間を接続する掃気流路(20)と、吸入行程の際に、前記先導空気用吸気ポート(24)及び前記掃気ポート(21)間を接続し、かつ前記混合気用吸気ポート(23)及び前記掃気ポート(21)間を非接続とする、前記ピストン(4)の外周部に設けられるピストン溝(25)とを備え、前記先導空気用吸気ポート(24)、前記混合気用吸気ポート(23)及び前記掃気ポート(21)が前記ピストン(4)の上下動により開閉される層状掃気2サイクルエンジンにおいて、前記先導空気用吸気ポート(24)は、前記シリンダ(3)の軸線に対し、前記混合気用吸気ポート(23)の反対側に位置していることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジン。

請求項2

請求の範囲1記載の層状掃気2サイクルエンジンにおいて、ピストン上死点で、前記ピストン溝(25)は、前記排気ポート(22)と非接続であり、及び前記排気ポート(22)のピストン周方向の幅部分とはシリンダ(3)軸線方向に重ならない範囲でのピストン溝上縁(25a)は、排気ポート下縁(22a)よりもシリンダ(3)軸線方向のシリンダンヘッド(7)側に位置していることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジン。

請求項3

請求の範囲1又は2記載の層状掃気2サイクルエンジンにおいて、前記先導空気用吸気ポート(24)に密接して配設され、吸入空気量を調整する空気制御弁(30)を備えることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジン。

請求項4

請求の範囲3記載の層状掃気2サイクルエンジンにおいて、前記空気制御弁(30a)のバルブボディ(31a)は、前記シリンダ(3)と一体成形であることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジン。

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0001

技 術 分 野
本発明は、層状掃気2サイクルエンジン係り、特には、混合気掃気用先導空気とを分けて吸気する、ピストンバルブ式の層状掃気2サイクルエンジンに関する。
背 景 技 術

0002

従来、ピストン外周部に先導空気用吸気ポート掃気ポートとを接続するピストン溝を有する、ピストンバルブ式の層状掃気2サイクルエンジンの一例としては、国際公開WO98/57053号に開示されたものが知られている。

0003

図12及び図13は、WO98/57053に記載された層状掃気2サイクルエンジンの一構成例を示している。シリンダ3内には、ピストン4が摺動自在で、かつ枢密に挿入されて設けられている。ピストン4は、コネクティングロッド6を介してクランク室11内のクランク5に連結されている。シリンダ3内におけるピストン4の上方の容積が変化する空間部分が、シリンダ室10になっている。シリンダ室10とクランク室11とを連通させる2つの掃気流路20,20が、シリンダ3の両側面に設けられている。シリンダ室10には、各掃気流路20,20が掃気ポート21,21として開口している。またシリンダ3には、シリンダ3の軸線方向で、かつ掃気ポート21,21よりもピストン4の上死点側の位置に、排気ポート22が設けられている。さらに、シリンダ3の内周面には、混合気用吸気ポート23、及び混合気用吸気ポート23の両側の先導空気用吸気ポート24,24が設けられている。ピストン4の下部には、貫通孔31が設けられている。貫通孔31を挟んで左右の外周面には、ピストン4の上下動に伴って先導空気用吸気ポート24,24と掃気ポート21,21とをそれぞれ連通させるピストン溝25,25が、設けられている。

0004

図14に示すように、ピストン4の全ストロークにおいて先導空気用吸気ポート24,24と混合気用吸気ポート23とが連通しないようにするために、2つの先導空気用吸気ポート24,24の間隔、すなわちピストン溝25,25の間隔Kは、混合気用吸気ポート23の幅Mより大きく設定されている。

0005

上記構成による層状掃気2サイクルエンジンにおいては、ピストン4が下死点から上昇すると、クランク室11の圧力が低下し始めるとともに、シリンダ室10の圧力が上昇し始め、掃気ポート21及び排気ポート22が順次閉じる。そして、この際に、図14に示すように、上死点の下方の近傍の位置で、先導空気用吸気ポート24,24がピストン溝25,25及び掃気ポート21,21を介して掃気流路20,20に接続された状態になると共に、混合気用吸気ポート23が開口して貫通孔31を介してクランク室11に接続された状態になる。これにより、空気が先導空気用吸気ポート24,24から掃気流路20,20を経由してクランク室11内に吸入される。このとき、掃気流路20,20内は空気が充満した状態になる。

0006

さらにピストン4が上昇し、ピストン4が上死点付近に達するとシリンダ室10内の混合気に点火されて爆発し、ピストン4が下降を始める。そうすると、クランク室11の圧力が上昇し始めると共に、ピストン溝25,25が先導空気用吸気ポート24,24及び掃気ポート21,21に対して遮断された状態になり、かつ混合気用吸気ポート23がピストン4により閉じた状態となり、クランク室11内の圧力が上昇する。

0007

ピストン4の下降の途中で、排気ポート22及び掃気ポート21,21が順次シリンダ室10に開口された状態になり、まず排気ポート22から燃焼ガスが排出される。次に、掃気流路20、20内に溜まっていた空気がクランク室11内の上昇した圧力によって、掃気ポート21,21からシリンダ室10内に噴出する。これにより、シリンダ室10内に残っていた燃焼ガスが、排気ポート22から図示しない消音器を経て大気中に追い出される。次いで、クランク室11内の混合気が、掃気流路20,20及び掃気ポート21,21を経由してシリンダ室10内に充填される。

0008

そしてまた、ピストン4が下死点から上昇し始めることによって、クランク室11内の圧力が低下し始めると共に、掃気ポート21及び排気ポート22が順次閉じ、上記サイクルを再び繰り返す。

0009

また従来から、先導空気用吸気ポートの上流側には、空気の供給量を調整する空気制御弁が設けられている。その一例として日本実公55−4518号が知られている。

0010

図15は日本実公55−4518号に記載された層状掃気2サイクルエンジンの一構成例を示しており、図16図15の16−16断面図である。図12同一部材には同一符号を付して説明は省略し、異なる部分について説明する。クランク室11に開口する混合気用吸気ポート23部には、吸気絞り弁51を備えた気化器50が設けられている。空気供給管60に取着され、2本の空気供給通路62,62に分岐した二股形状分岐管61はシリンダ3に取着されている。分岐管61の空気供給通路62,62は、シリンダ室10に開口する掃気ポート21,21に連通している。空気供給通路62,62にはそれぞれ逆止弁65,65が設けられている。空気供給管60には、バタフライ式可変弁64を有する空気制御弁63が設けられている。可変弁64はロッド52により気化器50の吸気絞り弁51に連結し、連動するようになっている。シリンダ3の空気供給管60の対向面には、排気ポート22が設けられている。

0011

上記構成において、ピストン4が下死点から上昇開始すると空気は、空気供給管60から分岐管61の空気供給通路62,62を経て、掃気ポート21,21に供給される。そしてこの空気量は空気制御弁63により調整される。空気制御弁63は、気化器30の吸気絞り弁31と連動して作動し、エンジンがアイドリングまたは低負荷運転時には0もしくは微小量が供給され、それ以外の運転時には運転状況に応じた量の空気が供給されるように設定されている。

0012

しかしながら、上記WO98/57053号に開示した構成においては、以下のような問題を生ずる。

0013

混合気の吸入効率を高めるために、混合気用吸気ポート23を所定面積以上に形成する必要がある。また同様に、先導空気の吸入効率及び掃気効率も高めるために、掃気ポート21,21及びピストン溝25,25を所定面積以上に形成する必要がある。したがって、WO98/57053には詳細に記載されてないが、図17に示すように、実際には、混合気用吸気ポート23、掃気ポート21,21及びピストン溝25,25が非常に大きな面積占有している。

0014

そして、先導空気用吸気ポート24,24からの空気と混合気用吸気ポート23からの混合気とが混ざらないように制御するために、2つの先導空気用吸気ポート24,24の間隔Kは、図14に示すように、混合気用吸気ポート23の幅Mより大きく設定する必要がある。このため、混合気用吸気ポート23と掃気ポート21,21との間に挟まれて位置する先導空気用吸気ポート24,24の幅Nは、小さくなる。したがって、先導空気用吸気ポート24,24の面積は小さくなり、先導空気の吸入効率が悪いという問題が生じている。

0015

また、日本実公55−4518号に開示した構成においては、以下のような問題点を生じる。空気制御弁63を有する空気供給管60を、分岐管61を介してシリンダ3に取着しているため、部品点数が多く、構造複雑で、場積が大きい。そのため、このエンジンを用いて製品構成する場合、全体をコンパクトに纏めることが困難となり、汎用性が劣るとともに、コストも高いという問題がある。
発 明 の 開 示

0016

WO98/57053号により生じる上記問題を解決する手段として、混合気用吸気ポート23と2つの先導空気用吸気ポート24,24とを互いにシリンダ3の軸線方向に所定距離ずらした位置に設けると共に、2つの先導空気用吸気ポート24,24の間隔を混合気用吸気ポート23の幅よりも小さく設定することが考えられる。図18は、このように構成した例を説明するシリンダ3の側面概略図である。図18において、2つの先導空気用吸気ポート24,24の間隔Rは、混合気用吸気ポート23の幅Sより小さく設定されている。これにより、先導空気用吸気ポート24,24の幅Tを大きくし、その面積を十分に大きく設定できる。

0017

しかしながら、この構成では、ピストン4の全ストロークにおいて、ピストン溝25を混合気用吸気ポート23と非接続にする必要がある。このため、混合気用吸気ポート23と2つの先導空気用吸気ポート24,24とを互いにシリンダ3の軸線方向にずらした分、ピストン4の長さL2を長くしなければならない。したがって、エンジン自体が大型となるので、重量が重く、占有スペースが大きくなり、コストも高くなるという問題点がある。

0018

本発明は上記の問題点に着目し、先導空気の吸入効率を向上し、ピストンを小型化でき、簡単構造で部品点数が少なく、場積が小さく、低コストな層状掃気2サイクルエンジンを提供することを目的としている。

0019

本発明に係る層状掃気2サイクルエンジンは、エンジンのシリンダ室に接続する排気ポート及び掃気ポートと、ピストンの全ストロークにおいてシリンダ室及びクランク室に非接続な先導空気用吸気ポートと、クランク室に接続する混合気用吸気ポートと、掃気ポート及びクランク室間を接続する掃気流路と、吸入行程の際に、先導空気用吸気ポート及び掃気ポート間を接続し、かつ混合気用吸気ポート及び掃気ポート間を非接続とする、ピストンの外周部に設けられるピストン溝とを備え、先導空気用吸気ポート、混合気用吸気ポート及び掃気ポートがピストンの上下動により開閉される層状掃気2サイクルエンジンにおいて、
先導空気用吸気ポートは、シリンダの軸線に対し、混合気用吸気ポートの反対側に位置する構成としている。

0020

かかる構成によれば、先導空気用吸気ポートの位置を混合気用吸気ポートの反対側としたため、ピストン長さが短くとも、先導空気用吸気ポートの開口面積を十分に確保できる。これにより、先導空気吸入効率の良く、小型、軽量で、場積が小さく、かつコストも安い層状掃気2サイクルエンジンが得られる。

0021

また2サイクルエンジンは、
ピストン上死点で、
ピストン溝は、排気ポートと非接続であり、及び
排気ポートのピストン周方向の幅部分とはシリンダ軸線方向に重ならない範囲でのピストン溝上縁は、排気ポート下縁よりもシリンダ軸線方向のシリンダンヘッド側に位置する構成としてもよい。

0022

かかる構成により、ピストン溝のシリンダ軸線方向の寸法を大きくすることができる。したがって、吸入行程に際し、先導空気用吸気ポートと掃気ポートとの接続時間を長くし、多量の先導空気を吸入することが可能となる。これにより、ピストンの長さを短くしても、先導空気吸入効率を高くすることができるので、小型で、性能が良好な層状掃気2サイクルエンジンが得られる。

0023

また2サイクルエンジンは、先導空気用吸気ポートに密接して配設され、吸入空気量を調整する空気制御弁を備える構成としてもよい。

0024

かかる構成によれば、空気制御弁を先導空気用吸気ポートに密接して設けるため、場積が小さくなり、コンパクトな製品構成が可能となり、汎用性に優れた層状掃気2サイクルエンジンが得られる。

0025

また2サイクルエンジンは、空気制御弁のバルブボディが、シリンダと一体成形である構成としてもよい。

0026

かかる構成により、部品点数が少なく、簡単構造で、軽量コンパクトで、低コストにすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0027

以下に、本発明に係る層状掃気2サイクルエンジンの好ましい実施形態について、図1図11を参照して詳述する。

0028

図1は第1実施形態の層状掃気2サイクルエンジン1のピストン上死点における正面断面図であり、図2は側面断面図である。図1図2において、クランクケース2の上側に取着されたシリンダ3には、ピストン4が枢密に、かつ摺動自在に挿入されている。クランクケース2に回転自在に取着されたクランク5とピストン4とは、コネクティングロッド6により連結されている。シリンダ3内におけるピストン4より上側の、容積が変化する空間部分が、シリンダ室10になっている。そして、ピストン4より下側のシリンダ3及びクランクケース2によって囲まれた空間部分が、クランク室11になっている。シリンダ3の上部には、シリンダヘッド7が設けられている。シリンダ3の内周面の一側には排気ポート22及び先導空気用吸気ポート24が設けられ、他側には混合気用吸気ポート23が設けられている。また、シリンダ3の両側面には、シリンダ室10とクランク室11とを接続する掃気流路20,20がそれぞれ設けられている。掃気流路20,20は、シリンダ室10との接続部が掃気ポート21,21としてシリンダ3の内周面に開口している。なお、図2では、シリンダ3の両側にそれぞれ2つの掃気流路20,20及び2つの掃気ポート21,21を備えた例を示しているが、シリンダ3の片側に各1つの掃気流路20及び掃気ポート21を備える構成でもよい。ピストン4の両側の外周面部には、吸入行程の際に先導空気用吸気ポート24と掃気ポート21とを接続するピストン溝25,25が、それぞれ設けられている。

0029

図3に示すように、先導空気用吸気ポート24及び排気ポート22は、シリンダ3の中心軸(軸線)Pに対し、混合気用吸気ポート23とは反対側に設けられている。両側の2つの掃気ポート21,21はそれぞれ、排気ポート22、混合気用吸気ポート23及び先導空気用吸気ポート24に対して、角度90°をなす位置に設けられている。ピストン4の両側の外周面に設けられた2つのピストン溝25,25は、掃気ポート21と先導空気用吸気ポート24とを接続する位置に設けられている。なお、上記掃気ポート21の位置は必ずしも90°の位置に限定されるものではなく、先導空気用吸気ポート24及び排気ポート22の位置関係により適宜選択でき、左右非対称でもよい。また、掃気ポート21の個数も2つに限定するものではない。

0030

図4は、図3の4−4断面での展開であり、ピストン上死点位置における掃気ポート21、排気ポート22、混合気用吸気ポート23、先導空気用吸気ポート24及びピストン溝25,25の相互の位置関係を示している。すなわち、ピストン溝25,25は、ピストン上死点位置において、排気ポート22及び混合気用吸気ポート23とは非接続であり、掃気ポート21と先導空気用吸気ポート24とを接続している。そして、ピストン溝上縁25aは、排気ポート下縁22aよりピストン4の軸線方向に、距離Gだけシリンダヘッド7側に位置している。また、先導空気用吸気ポート上縁24aは、排気ポート下縁22aよりピストン4の軸線方向に、距離Hだけクランク室11側に位置している。したがって、排気ポート22を中心として左右両側に2つ設けられた先導空気用吸気ポート24,24の間隔Eを狭くすることが可能であり、先導空気用吸気ポート24の幅Fを大きくして先導空気吸入面積を大きくすることができる。また、ピストン溝上縁25aを排気ポート下縁22aより距離Gだけシリンダヘッド7側に位置させたため、シリンダ3の軸線方向の長さLを短くしても、ピストン溝25のシリンダ軸線方向の寸法Jを大きくすることができる。なお、ピストン溝25は、ピストン上死点位置から2点鎖線に示すピストン下死点位置までの間、混合気用吸気ポート23と接続しないような位置に設けられている。

0031

次に、かかる構成での作動について説明する。図5は、ピストン4が下降する爆発及び排気最終行程であるピストン下死点位置における、各ポートの位置関係を示す模式図である。掃気ポート21及び排気ポート22は、シリンダ室10に接続している。ピストン上縁4aは排気ポート下縁22aの近傍に位置している。先導空気用吸気ポート24はピストン4により閉じられていて、先導空気用吸気ポート24と掃気ポート21とは非接続である。掃気ポート21は掃気流路20を介してクランク室11と接続しており、混合気用吸気ポート23はピストン4により閉じられている。すなわち、排気ガスは、掃気ポート21から押し出された先導空気により、排気ポート22から排出される。シリンダ室10には、クランク室11の混合気が、掃気流路20を通って掃気ポート21から供給される。

0032

図6は、ピストン4が上昇する圧縮及び吸入の中間行程における各ポートの位置関係を示しており、ピストン溝25が先導空気用吸気ポート24と接続開始した状態を示している。すなわち、排気ポート22と掃気ポート21とは、ピストン4により閉じられている。ピストン溝上縁25aは掃気ポート下縁21aの位置にあり、先導空気用吸気ポート24と掃気ポート21とは、ピストン溝25を介して接続開始の状態にある。また、ピストン下縁4bは混合空気用吸気ポート下縁23aの位置にあり、混合空気吸入開始状態にある。この状態ではシリンダ室10の混合気は圧縮され、クランク室11の内圧は低下している。なお、先導空気用吸気ポート24及び混合気用吸気ポート23の開閉のタイミングに関し、第1実施形態では同時としているが、必ずしも同時である必要はない。

0033

図6の状態からピストン4がさらに上昇すると、先導空気用吸気ポート24はピストン溝25を介して掃気ポート21に接続され、先導空気は掃気流路20に流入する。同時に混合気用吸気ポート23は開いてクランク室11に接続され、混合気はクランク室11に吸入される。

0034

次に、図7に示すようにピストン4が上死点位置に来ると、排気ポート22はピストン4により閉じられ、先導空気用吸気ポート24及び掃気ポート21はピストン溝25を介して全開で接続し、混合気用吸気ポート23もクランク室11に全開で接続する。

0035

上述のように、第1実施形態に係る層状掃気2サイクルエンジン1は、先導空気用吸気ポート24,24の位置を混合気用吸気ポート23の反対側としたので、ピストン4の長さは短くとも先導空気用吸気ポート24,24の開口面積を大きくできる。また、排気ポート22のピストン周方向の幅部分とはシリンダ軸線方向に重ならない範囲でのピストン溝上縁25aを、排気ポート下縁22aよりも、シリンダ軸線方向のシリンダヘッド7側に位置させている。これにより、ピストン溝25のシリンダ軸線方向の寸法Jを大きくすることができる。したがって、ピストン溝25の断面積すなわち先導空気通過面積を大きくできると共に、ピストン4の上下運動時の先導空気用吸気ポート24と掃気ポート21との接続時間を長くし、多量の先導空気を吸入でき、先導空気の吸入効率を向上することができる。しかも、先導空気用吸気ポート24の面積を大きくしてもピストン4の長さは従来と同等にできるので、小型で、かつ軽量に構成でき、コストの安い層状掃気2サイクルエンジン1が得られる。

0036

図8は第2実施形態の空気制御弁を設けた層状掃気2サイクルエンジン1の正面断面図であり、図9図8の9−9断面図である。図1と同一部材には同一符号を付して説明は省略し、異なる部分について説明する。図8および図9において、混合気用吸気ポート23の上流側には、空気絞り弁51を有する気化器50が配設されている。シリンダ3の先導空気用吸気ポート24に連通する先導空気吸入通路26の入り口で、排気ポート22に接続する排気管27の下方には、ロータリバルブ式の空気制御弁30を取着している。空気制御弁30のバルブボディ31には段付円筒穴32が設けられ、段付円筒穴32にはロータリバルブ40が回動自在に挿入されている。段付円筒穴32の段付部33側の端部には、段付円筒穴32に連通する空気取入口34が設けられ、吸気管(図示せず)を介してエアクリーナ(図示せず)に接続している。バルブボディ31のシリンダ3への取付面35には、段付円筒穴32と先導空気吸入通路26とを接続する空気排出口36が設けられている。バルブボディ31にはフランジ37が設けられ、ボルト38によりシリンダ3に締着されている。ロータリバルブ40には、空気取入口34に連通する空気流通穴41が設けられている。また、ロータリバルブ40の壁面には、回動して空気流通穴41と先導空気吸入通路26との連通路の開閉を行う連通穴42が設けられている。

0037

図9の10−10断面図である図10バルブ開の状態を示しているが、バルブボディ31に設けられた空気排出口36が矩形形状であるのに対し、ロータリバルブ40に設けられた連通穴42は半月形状をなしている。これにより、ロータリバルブ40を閉位置から開位置に回動させた場合、通路円弧頂点部Vから徐々に開き始め、通路面積を徐々に大きくすることができる。ロータリバルブ40の一端部に設けられるレバー43(図9参照)は、図示しないリンク装置によって気化器50の空気絞り弁51(図8参照)と連結して連動する。レバー43により、エンジンがアイドリング時又は低負荷運転時には開口面積をゼロにするか小さくするかのいずれかを行い、またエンジン高負荷時には負荷に応じ開口面積を大きくし、これらにより必要な空気を吸入するようになっている。

0038

図9に示すように、ロータリバルブ40を回動させ、連通穴42と空気排出口36とが連通すると、空気は矢印のように空気取入口34から空気流通穴41を通り、先導空気吸入通路26から先導空気用吸気ポート24に供給される。

0039

以上説明したように第2実施形態においては、先導空気用吸入ポート24に近接してロータリバルブ式の空気制御弁30を配設している。これにより、エンジン負荷に応じて所定量の先導空気を供給可能であるとともに、小型で、簡単構造で、軽量に構成でき、製品を構成する場合にコンパクトにすることができ、しかも低コストな層状掃気2サイクルエンジン1が得られる。

0040

図11は第3実施形態の空気制御弁30aを設けた層状掃気2サイクルエンジン1の要部断面図である。シリンダ3の先導空気吸入通路26の端末部には、シリンダ3と一体に成形されたバルブボディ31aが設けられている。バルブボディ31aに穿設された段付円筒穴32には、ロータリバルブ40が回動自在に挿入されている。その他の部材の構成ならびに作動については、第2実施形態の空気制御弁30と同一なので説明は省略する。

0041

第3実施形態ではバルブボディ31aをシリンダ3と一体構成としたため、部品点数が減少して簡単構造となり、より一層コンパクトになるとともに、コストも低減することができる。
産業上の利用可能性

0042

本発明は、先導空気の吸入効率を向上でき、ピストンを小型化でき、簡単構造で低コストな層状掃気2サイクルエンジンとして有用である。

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    【課題】内燃機関、回転電機、電子機器、過給器およびインタークーラを備えた車両において、車両に衝撃力が加えられたときに、電子機器の損傷が抑制された車両を提供する。【解決手段】車両は、車両1の前方側に形成... 詳細

  • コベルコ建機株式会社の「 インタークーラの湿気排出構造」が 公開されました。( 2021/04/22)

    【課題】インタークーラの冷却コア部で結露水が凍結するのを抑制することが可能なインタークーラの湿気排出構造を提供する。【解決手段】ターボチャージャー52とインタークーラ54とをつなぐ第1配管56に設けら... 詳細

  • 日野自動車株式会社の「 車両用冷却装置」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題】インタークーラの冷却効率及びラジエータの冷却効率の双方の向上が図られる車両用冷却装置を提供する。【解決手段】車両用冷却装置1は、エンジン冷却液を冷却するラジエータ4と、ラジエータ4と対向して配... 詳細

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