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技術 水素添加ブロック共重合体及びそれを含有したポリプロピレン系樹脂組成物

出願人 旭化成株式会社
発明者 米沢順加藤清雄
出願日 1999年6月2日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 1999-551517
公開日 2001年5月15日 (18年9ヶ月経過) 公開番号 WO1999-064489
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 衝撃破壊 水素添加ブロック 耐熱変形 溶融成形後 TOD レオロジー測定 オレフィン性不飽和二重結合 ビニル芳香族炭化水素化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年5月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題・解決手段

2個のビニル芳香族炭化水素化合物重合体ブロックAと、1個の水添されたブタジエン重合体ブロックBから構成され、水添される前のブタジエン重合体ブロック中のオレフィン性不飽和二重結合のうち90%以上が水添された水添ブロック共重合体において、ビニル芳香族炭化水素化合物の結合量が13重量%を越え25重量%未満であり、水添前のブタジエン重合体ブロックにおける1,2結合量が40モル%を越え60モル%未満であり、結晶融解熱量が0.05J/g未満であり、秩序−無秩序転移温度が200℃以上であり、メルトフローレート値が0.1g/10分以上30g/10分未満である水添ブロック共重合体及びこれを含むポリプロピレン組成物

概要

背景

概要

2個のビニル芳香族炭化水素化合物重合体ブロックAと、1個の水添されたブタジエン重合体ブロックBから構成され、水添される前のブタジエン重合体ブロック中のオレフィン性不飽和二重結合のうち90%以上が水添された水添ブロック共重合体において、ビニル芳香族炭化水素化合物の結合量が13重量%を越え25重量%未満であり、水添前のブタジエン重合体ブロックにおける1,2結合量が40モル%を越え60モル%未満であり、結晶融解熱量が0.05J/g未満であり、秩序−無秩序転移温度が200℃以上であり、メルトフローレート値が0.1g/10分以上30g/10分未満である水添ブロック共重合体及びこれを含むポリプロピレン組成物

目的

効果

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請求項1

2個のビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位主体とする重合体ブロックAと、1個の水素添加されたブタジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックBから構成され、水素添加される前のブタジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック中のオレフィン性不飽和二重結合のうち90%以上が水素添加された水素添加ブロック共重合体において、水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素化合物の結合量が13重量%を越え25重量%未満であり、水素添加前のブタジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックにおける1、2結合量が40モル%を越え60モル%未満であり、結晶融解熱量(ΔH)が0.05J/g未満であり、秩序−無秩序転移温度が200℃以上であり、JIS K7210に準拠し温度230℃、荷重2.16Kgの条件で求めたメルトフローレート値MFR)が0.1g/10分以上30g/10分未満である水素添加ブロック共重合体。

請求項2

(1)99〜60重量部のポリプロピレン系樹脂及び(2)1〜40重量部の請求の範囲第1項記載の水素添加ブロック共重合体よりなるポリプロピレン系樹脂組成物

請求項3

さらに(3)1〜40重量部のエチレンα-オレフィン共重合ゴムを含む請求の範囲第2項記載のポリプロピレン系樹脂組成物。

請求項4

さらに(4)1〜30重量部の無機充填材を含む請求の範囲第3項記載のポリプロピレン系樹脂組成物。

請求項5

JIS K7210に準拠し温度230℃、荷重2.16Kgの条件で求めたメルトフローレート値(MFR)が0.1g/10分以上15g/10分未満である請求の範囲第1項記載の水素添加ブロック共重合体。

請求項6

水素添加される前のブタジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを重合する際の反応器内温のピーク温度が85℃以下であり、温度幅(ΔT)が15℃以下である事を特徴とする請求の範囲第1項記載の水素添加ブロック共重合体。

請求項7

該ポリプロピレン系樹脂がJIS K7210に準拠し温度230℃、荷重2.16Kgの条件で求めたメルトフローレート値(MFR)が50g/10分以上のプロピレンブロック共重合体からなる請求の範囲第2項記載のポリプロピレン系樹脂組成物。

請求項8

該エチレン−α-オレフィン共重合ゴムがエチレン−オクテン共重合体である請求の範囲第3項記載のポリプロピレン系樹脂組成物。

請求項9

該エチレン−α-オレフィン共重合ゴムがエチレン−オクテン共重合体であり、エチレン−オクテン共重合体中のオクテン含量が15重量%以上である請求の範囲第3項記載のポリプロピレン系樹脂組成物。

技術分野

0001

本発明は水素添加ブロック共重合体及びその組成物に関する。更に詳しくはポ
リプピレン系樹脂に優れた耐衝撃性脆化温度、引っ張り破断伸び耐熱変形
性、剛性バランスを付与する事ができることを特徴とする水素添加ブロック
重合体及びそのポリプロピレン系樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

ポリプロピレン系樹脂組成物は、一般に耐薬品性機械的特性に優れているた
め、機械部品自動車部品など広範に使用されている。最近、各種製品の機能性
の追求、経済性の追求から製品の大型化、薄肉化が進み、耐衝撃性、脆化温度、
剛性、耐熱変形性、引っ張り破断伸びに優れたポリプロピレン系樹脂組成物が要
望されており、引っ張り破断伸びは、自動車材料として用いた場合に衝撃破壊
破片が飛び散らないようにするため、あるいは変形によって衝撃を吸収するた
め、あるいはクリープ変形時に破断をおこさないため等の理由で要求度の高い物
性の一つである。また、耐熱変形性も、自動車外装材オンラィン塗装するとき
高温雰囲気下において成形材料が変形しないために要求度の高い物性の一つで
ある。これら、脆化温度、引っ張り破断伸び、耐衝撃性と剛性、耐熱変形性は一
方を改良すると、他方が悪化するというように相反する性質であり、全体の物性
バランスを向上させる発明が待たれていた。

0003

特開平3−188114号公報には、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロ
ックと水素添加されたイソプレンブタジエンブロックからなる、結晶融解熱
8cal/g以下であるブロック共重合体が開示されている。しかしこの発明は
1,2結合量が35%以下であることを必須としており、組成物にした場合に特
に引っ張り破断伸びが悪くなる。また、結晶融解熱と組成物にした場合の脆化
度との関係について記載も示唆もなく、秩序−無秩序転移温度と組成物にした場
合の耐熱変形性に関する記載も示唆もない。よって開示されている技術では本発
明の目的を達成できない。

0004

POLYMER,Volume38,Number17(1997)にはポリ
スチレン水素添加ポリブタジエンよりなる水素添加ブロック共重合体が記載さ
れており、1,2結合量が50モル%、スチレン量が20重量%、結晶融解熱量
が5.1J/g、1,2結合量が40モル%、スチレン量が20重量%、結晶
解熱量が12.3J/gの例が記載されている。この論文中ではこれらの水素
加ブロック共重合体の機械的性質は記載されているが、組成物に用いた場合の効
果に関していっさい記載されていない。また記載されている水素添加ブロック共
重合体の結晶融解熱量は、重合が冷却による反応熱除熱をしない昇温下で行わ
れているため本発明の範囲になく、記載されている水素添加ブロック共重合体で
は本発明の目的を達成できないことは明らかである。

0005

特開平8−20684号公報には剛性、耐熱変形性、耐衝撃性、成形性に優れ
樹脂組成物として、結晶性プロピレン、2種類の水添ブロック共重合体スチ
レンエチレンブチレンスチレン共重合体、スチレン−エチレン/プロピ
共重合体)、エチレン−αオレフィン共重合ゴムタルクよりなる樹脂組成物
が開示されている。しかしながら、これらにおいては水添ブロック共重合体の結
融解熱量と脆化温度の関係、秩序−無秩序転移温度と耐熱変形性の関係に関す
る記載も示唆もなく、これらの物性にまだ満足のいくものではない。

0006

以上のように優れた耐衝撃性、脆化温度、引っ張り破断伸びと耐熱変形性、剛
性のバランスを付与することができる水素添加ブロック共重合体、及びそれらの
物性バランスに優れるポリプロピレン系樹脂組成物は未だ得られていなのが現状
であった。

0007

本発明の目的は、耐衝撃性、脆化温度、引っ張り破断伸び、剛性、耐熱変形性
のバランスに優れ、経済性にも優れたポリプロピレン系樹脂組成物の供給を可能
にする水素添加ブロック共重合体を提供することにある。

0008

本発明の他の目的は、上記の物性バランスの優れたポリプロピレン系樹脂組成
物を提供することにある。

発明の開示

0009

上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明者らはある特定の水素
添加ブロック共重合体が上記課題を効果的に解決することを見いだし本発明を完
成するに至った。すなわち、ある特定の水素添加ブロック共重合体が、耐衝撃性
、脆化温度、剛性、耐熱変形性、引っ張り破断伸びのバランスに優れる組成物の
供給を可能にすることを発見した事による。

0010

本発明の水素添加ブロック共重合体は、2個のビニル芳香族炭化水素化合物
量体単位主体とする重合体ブロックAと、1個の水素添加されたブタジエン
量体単位を主体とする重合体ブロックBから構成され、水素添加される前のブタ
ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック中のオレフィン性不飽和二重結合
のうち90%以上が水素添加された水素添加ブロック共重合体において、水素添
加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素化合物の結合量が13重量%を越
え25重量%未満であり、水素添加前ブタジエン単量体単位を主体とする重合
体ブロックにおける1、2結合量が40モル%を越え60モル%未満であり、結
晶融解熱量(ΔH)が0.05J/g未満であり、秩序−無秩序転移温度が20
0℃以上であり、JIS K7210に準拠し温度230℃、荷重2.16Kg
の条件で求めたメルトフローレート値MFR)が0.1g/10分以上30g
/10分未満である水素添加ブロック共重合体である。

0011

一般に水素添加ブロック共重合体の結晶は、水素添加前のブタジエン単量体
位を主体とする重合体ブロックにおける1、2結合量が60モル%以上になると
消失することが知られている(G.Holden,Thermoplastic Elastomers 2nd Edition
P301)。本発明者らは水素添加ブロック共重合体の結晶を消失させれば、エラ
トマーとしての性能が向上し、組成物において優れた物性バランスを発現する
ことを期待して検討を行ったが、結晶が消失する60モル%以上では得られる組
成物の脆化温度が悪化するため低温性能を必要とする用途に用いることができな
いことが判明した。本発明者らは新たに、水素添加前のブタジエン単量体単位を
主体とする重合体ブロックにおける1、2結合量が60モル%未満で、しかもさ
らに結晶をなくした水素添加ブロック共重合体を用いた組成物は、機械的物性
バランスが大幅に改良されるとの新しい考えにたちさらなる検討を行った。その
結果、驚くべき事に本来結晶を持つ40〜60モル%の1、2結合量領域におい
て、結晶成分を持たないか、結晶融解熱量がある特定値未満の水素添加ブロック
共重合体は組成物の物性バランスを著しく向上させることを本発明者らは発見し
、完成されたものである。

0012

また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(1)99〜60重量部のポ
プロピレン系樹脂、及び(2)1〜40重量部の上記水素添加ブロック共重合
体よりなる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、SEBS4のTODTの決定の方法を示す。

0014

図2は、SEBS11のTODTの決定の方法を示す。
本発明を実施するための最良の形態

0015

本発明の第一の態様である水素添加ブロック共重合体は、2個のビニル芳香族
炭化水素化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックAと、1個の水素添加さ
れたブタジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックBから構成される。ビニ
芳香族化合物単量体単位としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p
メチルスチレン、p−ターシャブチルスチレン等のアルキルスチレン、p−
メトキシスチレンビニルナフタレン等のうちから1種、または2種以上が選ば
れ、中でもスチレンが好ましい。上記ブロック共重合体におけるビニル芳香族化
合物単量体単位の含量は13重量%を越え25重量%未満であり、剛性、脆化温
度の点から15重量%以上23重量%未満であることが好ましく、15重量%以
上20重量%未満であることがとりわけ好ましい。13重量%以下であると剛性
が悪化し、25重量%以上であると脆化温度が高くなる。ビニル芳香族化合物単
量体単位の含量は核磁気共鳴装置(NMR)、紫外分光光度計(UV)などによ
り測定できる。本発明における「主体とする」という言葉は例えば「ビニル芳香
族化合物単量体単位を主体とする」の場合、ビニル芳香族単量体の1種または2
種以上からなる場合、もしくはこれらとリビングアニオン重合する他の単量体
共重合されている場合も含まれる。これら共重合可能な他の単量体としては、共
ジエン化合物単量体、メチルメタクリレートブチルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステルシクロヘキサジエンカプロラクトン等をあげることができ
る。共重合の形態としては、ランダム、交互、テーパー等いかなる形態でも良く
、2個ある重合体ブロックAはそれぞれその組成、分子量などが異なっても構わ
ない。

0016

水素添加される前のブタジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックは、そ
のブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことができ、1、2結合量が40モ
ル%を越え60モル%未満であり、41モル%以上55モル%以下であることが
好ましく、46モル%以上54モル%以下がさらに好ましい。40モル%以下の
場合、分散不良をまね伸びが劣り、60モル%以上の場合、脆化温度、耐熱
形性が悪化する。また1,2結合はポリマー鎖中にできるかぎり均一(局所的に
1,2結合が集まらないように)に存在することが望ましい。ミクロ構造は核磁
共鳴装置(NMR)により測定できる。「ブタジエン単量体単位を主体とする
」という言葉には、ブタジエン単量体とリビングアニオン重合する他の単量体が
共重合されている場合も含まれる。これら共重合可能な他の単量体としては、イ
プレン等の他の共役ジエン化合物単量体、ビニル芳香族化合物単量体、メチル
メタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルシクロヘキ
サジエン、カプロラクトン等をあげることができる。共重合の形態としては、ラ
ダム、交互、テーパー等いかなる形態でも良い。

0017

また、本明細書中で使用される「主体とする」という言葉は該当単量体単位が
重合体ブロックにおいて、少なくとも50モル%を越え、望ましくは70モル%
以上、さらに望ましくは80%以上、とりわけ望ましくは90%以上を占めるこ
とを意味する。

0018

本発明の水素添加ブロック共重合体は、水素添加される前の重合体ブロックB
中のオレフィン性不飽和二重結合のうち90%以上が水素添加されたものである
。90%未満であるとポリプロピレン界面での接着性が低下し、耐衝撃性、伸び
が低下し、熱、光などにより劣化をおこし熱可塑性が低下する。また、ブロック
A中のビニル芳香族化合物のベンゼン環不飽和二重結合は、ビニル芳香族化合
物全体において20%までは水素添加されていても良い。水素添加率核磁気
鳴装置(NMR)によって測定できる。

0019

また、水素添加ブロック共重合体のJIS K7210(1976年版)に準
拠し温度230℃、荷重2.16Kgの条件で求めたメルトフローレート値(M
FR)は0.1g/10分以上30g/10分未満の範囲になければならない。
好ましい範囲としては0.1g/10分以上15g/10分未満、さらに好まし
い範囲としては1.0g/10分以上10g/10分未満、とりわけ好ましい範
囲としては3.0g/10分以上8g/10分未満である。0.1g/10分未
満であると耐衝撃性が悪化し、30g/10分以上であると伸びがでない。

0020

本発明における水素添加ブロック共重合体の秩序−無秩序転移温度は200℃
以上である。水素添加ブロック共重合体の秩序−無秩序転移温度は200℃未満
であると本発明で得られる組成物の耐熱変形性が悪化する。耐熱変形性は射出
形した組成物の熱変形温度を測定することにより判断できる。秩序−無秩序転移
温度とは室温付近ではゴム相拘束相の二相相分離している水素添加ブロック
共重合体の相分離状態が消失する温度をいい、小角X線散乱レオロジー測定
より決定することができる。レオロジー測定で秩序−無秩序転移温度を決定する
場合、十分なせん速度範囲において種々の温度で動的な貯蔵弾性率(G’)、
損失弾性率(G”)を測定し、G’をG”に対してプロットした直線の傾き、切
片が同じになり始める温度より決定できる。または、十分低い周波数、たとえば
0.1Hz以下の周波数でG’の温度依存性高温側から測定し、もっとも高温
側に現れる変曲点からも決定できる。

0021

水素添加ブロック共重合体は例えば特公昭36−19286号公報、特公昭4
3−14979号公報、特公昭49−36957号公報などに記載された方法で
、ある炭化水素溶剤中でアニオン重合開始剤として有機リチウム化合物等を用い
、1,2結合量調節剤としてジエチルエーテルテトラヒドロフラン等のエーテ
化合物トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジア
ミン等の第3級アミンを用い逐次重合するか、もしくは必要に応じカップリング
剤としてジメチルジクロロシラン安息香酸エチル安息香酸フェニル等の二官
能性化合物を用い、2個のビニル芳香族単量体を主体とする重合ブロックと1個
のブタジエン単量体を主体とする重合体ブロックをブロック共重合し、このブロ
ック共重合体を、公知の方法、例えば、特公昭42−87045号公報に記載の
方法で水素添加することにより、本発明の範囲となるように製造することで得ら
れる。

0022

特に、本発明においてはブタジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを
重合する際には反応器内温のピーク温度が85℃以下であり、重合中の反応器内
最高温度最低温度の差である温度幅(ΔT)が15℃以下であると最終的に
得られる水素添加ブロック共重合体の結晶融解熱量(△H)が低下する。反応器
内温のピーク温度を85℃以下、温度幅(ΔT)を15℃以下にするためには、
反応熱を冷却により取り除く必要がある。ピーク温度が85℃を越える、あるい
は温度幅(△T)が15℃を越えると結晶融解熱量(△H)が増加してしまい、
最終的に得られる組成物の脆化温度が悪化するため好ましくない。さらに好まし
い範囲としては反応器内温のピーク温度が80℃以下であり、温度幅(ΔT)が
10℃以下である。本発明においては水素添加ブロック共重合体の結晶融解熱量
(ΔH)は0.05J/g未満である。0.05J/g以上であると得られる組
成物の脆化温度が高くなる。結晶融解熱量(ΔH)は通常DSC法によって求め
ることができる。

0023

本発明の水素添加ブロック共重合体は、不飽和カルボン酸またはその誘導体
付加反応により変性させ、官能基を導入しても良い。

0024

本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
(1)99〜60重量部のポリプロピレン系樹脂、及び
(2)1〜40重量部の本発明の水素添加ブロック共重合体
よりなる組成物である。

0025

水素添加ブロック共重合体の量が1重量部未満であると耐衝撃性、脆化温度、
伸びに劣り、40重量部を越えると剛性に劣る。また、必要に応じて本発明の水
素添加ブロック共重合体とは種類の異なる、共役ジエン重合体ブロックを水素添
加した水素添加ブロック共重合体を併用する事ができる。

0026

本発明の樹脂組成物に使用される(1)ポリプロピレン系樹脂とはプロピレン
を主体とし、必要に応じエチレン、炭素数4〜12のα−オレフィン、例えば、
1−ブテン1−オクテンイソブチレン、4−メチル−1−ペンテン等から1
種以上選ばれる単量体と重合して得られる樹脂であり、なかでも、プロピレンの
単独重合体プロピレンブロック共重合体プロピレンランダム共重合体、また
はこれらの混合物があげられ、分子量、組成の異なる物を混ぜた物であっても良
い。特に好ましいのはプロピレンブロック共重合体である。プロピレンのブロッ
ク、ランダム共重合体コモノマーとしてはプロピレン以外のα−オレフィン類
、エチレンが用いられるが、なかでもエチレンが望ましく、これら共重合体中の
プロピレン含量は55モル%以上が望ましい。エチレンもしくはα−オレフィン
をコモノマーに用いたプロピレンブロック共重合体にあっては、ホモプロピレン
ブロックを連続相としてエチレン/α−オレフィンブロックが分散相を形成して
いるが、この分散相成分の含量はプロピレンブロック共重合体の5〜30重量%
が望ましい。この分散相中にはポリエチレンが含まれていても良い。また、本発
明におけるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(JIS K7210(
1976年版)L条件に準拠)は0.1〜200g/10分の範囲にあることが

ましく、50g/10分以上であることが剛性、成形性の点で好ましい。

0027

2種類以上のポリプロピレン系樹脂を混合して使用する場合は、少なくとも1
つのポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートが50g/10分以上であるこ
とが剛性、成形性の点で好ましい。

0028

ポリプロピレン系樹脂の重合方法は従来公知の方法のいずれでもよく、遷移
合、ラジカル重合イオン重合等があげられる。

0029

本発明の好ましいポリプロピレン系樹脂組成物は、
(1)99〜60重量部のポリプロピレン系樹脂、
(2)1〜40重量部の本発明の水素添加ブロック共重合体、及び
(3)1〜40重量部のエチレン−α-オレフィン共重合ゴム
よりなるものである。

0030

エチレン−α-オレフィン共重合ゴムの量が1重量部未満であると耐衝撃性、
脆化温度、伸びに劣る傾向があり、40重量部を越えると剛性に劣る。エチレン
−α-オレフィン共重合ゴムとはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン、
例えばプロピレン、1−ブテン、イソブチレン、オクテンなどを共重合したもの
であればいずれでも良いが、脆化温度、剛性の点からエチレン−オクテン共重合
体が好ましい。α−オレフィンの量は15wt%以上であることが好ましく、特
にオクテン含量が15wt%以上であるエチレン−オクテン共重合体は脆化温度
、剛性に優れるので好ましい。また、エチレン−α-オレフィン共重合体の比重
は0.880g/cc以下であることが脆化温度、剛性に優れるので好ましい。

0031

これらエチレン−α-オレフィン共重合体は、特に重合方法は問わないが、比
重が小さいこと等から、活性点が均一のメタロセン触媒で重合した物が好ましい
。重合系としては溶液均一系、スラリー系いずれでもかまわない。

0032

本発明のより好ましいポリプロピレン系樹脂組成物は、
(1)99〜60重量部のポリプロピレン系樹脂、
(2)1〜40重量部の本発明の水素添加ブロック共重合体、
(3)1〜40重量部のエチレン−α-オレフィン共重合ゴム、及び
(4)1〜30重量部の無機充填材
よりなるものである。

0033

無機充填材の量が1重量部未満であると剛性に劣る傾向があり、30重量部を
越えると耐衝撃性に劣る。無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タルク
水酸化マグネシウムマイカ硫酸バリウム、けい酸(ホワイトカーボン)、
酸化チタンカーボンブラック等が挙げられる。

0034

本発明のポリプロピレン系組成物は安定剤、滑剤着色剤シリコンオイル
難燃剤等を添加する事が出来る。安定剤としてはヒンダードフェノール酸化
止剤りん熱安定剤ヒンダードアミン光安定剤ベンゾトリアゾール系U
吸収剤等が挙げられる。滑剤としてはステアリン酸ステアリン酸エステル
ステアリン酸の金属塩アモルファスシリカ、タルク、マイカ等が挙げられる。

0035

本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、その各成分の組成比に応じて通常の
高分子物質の混合に供される装置によって調整できる。それら混合装置としては
、例えばバンバリーミキサーラボプラストミル単軸押出機、2軸押出機、等
混練装置があげられ、押出機による溶融混合法が生産性、良混練性の点から好
ましい。

0036

以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例のみによ
って何ら制限されるものではない。
実施例

0037

以下に物性測定の方法を示す。
MFR:JIS K7210 L条件に準拠した。
アイゾット衝撃強度:JIS K7110に準拠し、ノッチ付きで測定した。
脆化温度:JIS K7216に準拠した。
曲げ弾性率:JIS K7203曲げ速度2mm/minに準拠した。
熱変形温度:JIS K7207荷重0.45MPaに準拠した。
引っ張り試験:JIS K6758 引っ張り速度20mm/minに準拠した。
(I)各成分
(1) ポリプロピレン系樹脂

0038

プロピレンブロック共重合体であるPP1(日本ポリオレフィン株式会社製M
K755HMFR 63g/10分)、PP2(日本ポリオレフィン株式会社製M
K711H MFR 43g/10分)を用いた。
(2) 水素添加ブロック共重合体

0039

n−ブチルリチウム開始剤とし、シクロヘキサン溶媒中で、テトラヒドロ
ランを1,2結合量調節剤として、スチレンとブタジエンをスチレン、ブタジエ
ン、スチレンの順にアニオンブロック共重合することにより、スチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体を重合した。ブタジエンの重合時には反応熱を取り除く
ため冷却を行い、また反応器内温のピーク温度とブタジエンの重合中の反応器内
の最高温度と最低温度の差である温度幅(ΔT)を記録した。ピーク温度を下げ
る場合、また温度幅(ΔT)を狭くする場合には、冷却とともにブタジエン単量
体の反応系における濃度の低下、ブタジエン単量体の供給速度を減らすなどの手
法をとった。

0040

次に得られたスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体を、ビス(η5−シク
ペンタジエニルチタニウムジクロリドとn−ブチルリチウムを水素添加触媒
として、水素圧5kg/cm2、温度50℃で水素添加を行った。ポリマー構造
は、モノマー仕込量順序、MFRは主に触媒量、1,2結合量は1,2結合
量調節剤量、重合温度及び温度幅(ΔT)、秩序−無秩序転移温度(TODT)は
スチレン量、MFR、1,2結合量を調節し、また水素添加率は水素添加時間を
変化させることによりコントロールした。

0041

結晶融解熱量(ΔH)は、PERKIN-ELMER社製7Series Thermal Analysis Syste
mを用い10℃/minの昇温速度でDSCカーブを測定しピーク面積を求める
ことにより得た。DSCカーブ測定用の水素添加ブロック共重合体のサンプルは
溶融成形後、十分に結晶化を促進させたものを用いた。また、スチレン含有量
は、紫外分光光度計(UV)を、1,2結合量、水素添加率は、核磁気共鳴装置
(N
MR)を用いて測定した。秩序−無秩序転移温度(TODT)は、レオメトリック
ス社製RMS800メカニカルスペクトルメータを用い、25mmパラレルプレ
ート、0.1rad/sec〜100rad/secの条件で230℃、200
℃の順に各温度においてG’、G”の測定を行い、G’をG”に対してプロット
した直線の傾きが緩やかになる温度とした。200℃における測定で傾きが急で
ある場合、TODTは200℃未満であると判断した。また、200℃で傾きが緩
やかであり230℃で傾きが急である場合、TODTは200℃以上230℃未満
であると判断した。200、230℃で傾きが緩やかである場合、TODTは23
0℃以上であると判断した。MFRが高い場合は測定中パラレルプレートから
流れ出してしまい観測不可能であった。またスチレン量が低い場合は感度の問題
で明確にTODTが観測されず観測不可能であった。

0042

TODTの決定の仕方図1図2に示した。また、各サンプルの構造及び分析
値を表1に示した。
(3)エチレン−α-オレフィン共重合ゴム

0043

市販のDow Plastics社製オクテン含量25wt%、比重0.868g/ccの
ENGAGE EG8150(エチレン−オクテン共重合体)、日本合成ゴム
製プロピレン含量27wt%、比重0.860g/ccのEP07P(エチレン
プロピレン共重合体)を用いた。
(4)無機充填剤(タルク)

0044

市販の日本タルク社製マイクロエースP−4を用いた。
(II)樹脂組成物の調整と物性測定

0045

各(1)成分、(2)成分、(3)成分、(4)成分を表2に示した割合でド
ライブレンドし、得られた混合物を230℃に設定された同方向二軸押出機(ス
クリュー径30mm)により溶融混練してペレット化した。次に、このペレット
を230℃に設定された射出成型機を用いて射出成形を行い、測定用の試験片
作成した。得られた試験片の物性測定結果を表2に示した。本発明の樹脂組成物
が優れていることは表2により明らかである。
産業上の利用可能性

0046

本発明の水素添加ブロック共重合体は、組成物にした場合の耐衝撃性、脆化温
度、引っ張り破断伸び、剛性、耐熱変形性のバランス発現能力に優れる。これら
の効果により、自動車内装材料、自動車外装材料、チューブ、各種容器シート
等として好適に用いることができる。

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