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図面 (15)

課題・解決手段

下記式〔I〕で表される2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩。

概要

背景

概要

下記式〔I〕で表される2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩。

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請求項1

. 下記式〔I〕で表される2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩。

請求項4

HE=034 WI=082 LX=0650 LY=05552. 下記工程を包含することを特徴とする式〔I〕て表される2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩の製造方法。

請求項1

種の物を加熱処理し、2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノンを生成させる工程、(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物、(B):必要に応じて、得られた加熱処理物より2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノンを単離する工程。

請求項3

.ウロン酸がガラクツロン酸グルクロン酸グルロン酸マンヌロン酸及び/又はイズロン酸である請求の範囲2記載の製造方法。

請求項4

.ウロン酸誘導体が、ウロン酸の塩、あるいはウロン酸ラクトン、ウロン酸エステル、ウロン酸アミド又はそれらの塩である請求の範囲2記載の製造方法。

請求項5

.糖化合物がペクチンペクチン酸アルギン酸ヒアルロン酸ヘパリンフコイダンコンドロイチン硫酸コンドロイチンデルマタン硫酸及び/又はその分解物から選択される糖化合物である請求の範囲2記載の製造方法。

請求項6

.加熱処理物が60〜350℃、数秒〜数日加熱処理して得られる加熱処理物である請求の範囲2〜5のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項7

加熱処理物が酸性中性の条件下で加熱処理を行って得られる加熱処理物である請求の範囲2〜6のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項8

下記式〔II〕で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを下記式〔I〕で表される2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノンに変換させる工程を包含することを特徴とする式〔I〕で表される2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩の製造方法。

請求項5

HE=059 WI=082 LX=0650 LY=07259. 請求の範囲1記載の2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも1以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする医薬

請求項10

.医薬が制がん剤である請求の範囲9記載の医薬。

請求項11

. 請求の範囲1記載の2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも1以上の化合物を含有することを特徴とする食品又は飲料。

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0001

発明の属する技術分野
本発明は、医薬食品及び飲料の分野で有用な、制がん作用等の生理活性を有
するヒドロキシシクロペンタノン化合物、その製造方法及びその利用に関する。
従来の技術

0002

従来、臨床上の療法に用いられている薬物はアルキル化剤代謝阻害剤、植物
アルカロイド等の制がん剤抗生物質免疫促進剤免疫調節剤など多岐にわた
っているが、これらの薬物療法はいまだ完成したとはいいがたい。

0003

これらのうち、天然物由来であるプロスタグランジンの中で、シクロペンテ
ン環を有するプロスタグランジンA及びJ類がDNA合成を抑制することにより
、安全性の高い制がん剤としての可能性が報告され、それらの各種誘導体が合成
されている(特開昭62−96438号公報参照)。
発明が解決しようとする課題

0004

本発明の目的は、制がん作用等の生理作用を有する安全性の高いシクロペンタ
ノン化合物を開発し、当該化合物の製造方法、当該化合物を含有する医薬、食品
及び飲料を提供することにある。
課題を解決するための手段

0005

本発明者らば式〔I〕で表される化合物、2,3,4−トリヒドロキシ−2−
シクロペンタノン(以下、単にヒドロキシシクロペンタノンと称す)がウロン酸
ウロン酸誘導体、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、ウ
ロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される少な
くとも1種の物の加熱処理物中に生成し、加熱処理物中より単離された当該化合
物が制がん作用等の生理活性を有することを見出し、本発明を完成させた。

0006

本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は下記式〔I〕で表される2,3,
4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩に
関する。

0007

本発明の第2の発明は下記工程を包含することを特徴とする式〔I〕で表され
る2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそ
れらの塩の製造方法に関する。

0008

(A):下記(a)、(b)、(c)より選択される少なくとも1種の物を加
熱処理し、2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノンを生成させる工程、
(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、
(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、
(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物、

0009

(B):必要に応じて、得られた加熱処理物より2,3,4−トリヒドロキシ
シクロペンタノンを単離する工程。

0010

本発明の第3の発明は下記式〔II〕で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シ
クロペンテン−1−オンを式〔I〕で表される2,3,4−トリヒドロキシシク
ペンタノンに変換させる工程を包含することを特徴とする式〔I〕で表される
2,3,4−トリヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれ
らの塩の製造方法に関する。

0011

本発明の第4の発明は本発明の第1の発明の2,3,4−トリヒドロキシシク
ロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも
1以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする医薬に関する。

0012

本発明の第5の発明は本発明の第1の発明の2,3,4−トリヒドロキシシク
ロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも
1以上の化合物を含有することを特徴とする食品又は飲料に関する。

図面の簡単な説明

0013

図1は保持時間と示差屈折検出計の出力の関係を示す図である。

0014

図2シクロペンテノン、ヒドロキシシクロペンタノン混合物の1H−NMR
スペクトルを表す図である。

0015

図3はシクロペンテノン、ヒドロキシシクロペンタノン混合物の13C−NMR
スペクトルを表す図である。

0016

図4トリメチルシリル化されたシクロペンテノン、ヒドロキシシクロペンタ
ノン混合物のガスクロマトグラムを表す図である。

0017

図5図4ピーク(1)のマススペクトルを表す図である。

0018

図6図4のピーク(2)のマススペクトルを表す図である。

0019

図7はヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーAの1H−NMRスペ
トルを表す図である。

0020

図8はヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーBの1H−NMRスペク
トルを表す図である。

0021

図9はヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーAの13C−NMRスペク
トルを表す図である。

0022

図10はヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーBの13C−NMRスペ
クトルを表す図である。

0023

図11はトリメチルシリル化されたヒドロキシシクロペンタノンジアステレオ
マーAのガスクロマトグラムを表す図である。

0024

図12はトリメチルシリル化されたヒドロキシシクロペンタノンジアステレオ
マーBのガスクロマトグラムを表す図である。

0025

図13図11のピーク(1)のマススペクトルを表す図である。

0026

図14図12のピーク(2)のマススペクトルを表す図である。
発明の実施の形態

0027

以下、本発明をより具体的に説明する。

0028

本発明において、ウロン酸、ウロン酸誘導体、ウロン酸及び/又はウロン酸誘
導体を含有する糖化合物、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化
物含有物とは、その加熱処理物中にヒドロキシシクロペンタノンが生成されれば
特に限定はない。

0029

本発明により、食品又は飲料中に生理活性を有するヒドロキシシクロペンタノ
ン、その光学活性体及び/又はそれらの塩の適量を含有させることが可能となっ
た。これらの化合物が有する制がん作用等によって、本発明の食品又は飲料は制
がん性食品又は制がん性飲料として極めて有用である。

0030

また本発明によりヒドロキシシクロペンタノン、その光学活性体及び/又はそ
れらの塩を含有する医薬が提供され、該医薬はがん治療剤又は予防剤として有
用である。

0031

本発明に使用されるヒドロキシシクロペンタノンは、(a)ウロン酸又はウロ
酸誘導体、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(
c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択され
る物を加熱処理することにより生成される。従って上記(a)、(b)又は(c
)を含有しない原料物理的、化学的酵素的あるいはその他の手段を用いて生
成せしめた(a)、(b)又は(c)を加熱処理することにより、本発明のヒド
ロキシシクロペンタノンを得ることもできる。

0032

また本発明においてはヒドロキシシクロペンタノンを含有する加熱処理物、該
加熱処理物からの部分精製ヒドロキシシクロペンタノン及び精製ヒドロキシシク
ロペンタノンを使用することができる。

0033

ウロン酸はグリクロン酸ともいい、アルドースアルデヒド基はそのままにし
て他端の第1アルコール基だけをカルボキシル基酸化したヒドロキシアルデヒ
ド酸の総称であり、天然では動植物の各種の多糖の構成成分として存在する。ウ
ロン酸を含有する多糖としては、ペクチンペクチン酸アルギン酸、ヒアルロ
ン酸、ヘパリンヘパラン硫酸フコイダンコンドロイチン硫酸コンドロ
チン、デルマタン硫酸等があり、種々の生理機能が知られている。

0034

本発明で使用することができるウロン酸は特に限定されるものでなく、例えば
ガラクツロン酸グルクロン酸グルロン酸マンヌロン酸イズロン酸等があ
り、ウロン酸の誘導体としては、それらのラクトン、それらのエステル、それら
アミド、それらの塩等があり、加熱処理によりヒドロキシシクロペンタノンを
生成する物はすべて本発明の誘導体に包含される。ウロン酸のラクトンとしては
グルクロノ−6,3−ラクトン(以下、グルクロノラクトン略記する)、マン
ヌロノ−6,3−ラクトン、イズロノ−6,3−ラクトン等が例示される。ウロ
ン酸エステルとしては、例えばメチルエステルエチルエステルプロピレン
リコールエステル、カルボキシメチルエステル等がありウロン酸より製造するこ
とができる。またウロン酸のアミド化によりウロン酸アミドも製造することがで
きる。更にこれらの塩は常法により製造することができる。

0035

次に本明細書において、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合
物は特に限定されるものでなく、例えばペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒ
アルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、フコイダン、コンドロイチン硫酸、コン
ドロイチン、デルマタン硫酸、それらの化学的、酵素的、物理的処理物である、
その分解物、分解物の誘導体、分解物の塩を使用することができる。

0036

前記の化学的な処理方法としては、原料化合物を例えば室温〜200℃で数秒
〜数時間、好ましくは50〜130℃で数秒〜60分処理すれば良く、酸性下こ
の処理を行うとグリコシド結合加水分解を受け、ペクチンの場合、ガラクツ
ン酸及び/又はガラクツロン酸エステルを含む分解物が生ずる。また例えばpH
6.8、95℃で数分〜数十分処理することによりβ−脱離反応が生じ、235
nm付近吸光度が増大した不飽和ウロン酸及び/又は不飽和ウロン酸エステル
を有する糖化合物が得られる。本発明の糖化合物にはウロン酸及び/又はウロン
酸エステルを含有する多糖類のβ−脱離反応により生成する非還元末端に不飽和
ウロン酸及び/又は不飽和ウロン酸エステルを含有する糖化合物が含まれる。

0037

また前記の酵素学的な処理方法としては、原料糖化合物のウロン酸及び/又は
ウロン酸エステル含有多糖加水分解酵素、例えばペクチナーゼ、ヒアルロニダー
ゼ等によるウロン酸及び/又はウロン酸エステル含有多糖の公知の分解が挙げら
れる。また、ウロン酸及び/又はウロン酸エステル含有多糖リアーゼによるウロ
ン酸及び/又はウロン酸エステル含有多糖の公知の分解が挙げられる。例えばペ
クチン、ペクチン酸の場合、各々公知のペクチンリアーゼ(EC4.2.2.1
0)、ペクチン酸リアーゼ(EC4.2.2.2)、エキソポリガラクツロン酸
リアーゼ(EC4.2.2.9)で分解することによって、非還元末端に4−デ
オキシ−L−トレオヘキス−4−エノピラノシルウロネート(4-deoxy-L-th
reo-hex-4-enopyranosyl uronate)又はそのメチルエステルを有する糖化合物が
得られる。また、ヒアルロン酸の場合はヒアルロン酸リアーゼ(EC4.2.2
.1)、アルギン酸の場合はアルギン酸リアーゼ(EC4.2.2.3)が使用
される。なお、アルギン酸の場合は非還元末端に4−デオキシ−L−エリトロ
ヘキス−4−エノピラノシル ウロネートを有する糖化合物か得られる。この非
還元末端に4−デオキシ−L−トレオ−ヘキス−4−エノピラノシル ウロネー
ト、4−デオキシ−L−エリトロ−ヘキス−4−エノピラノシル ウロネート又
はそれらのメチルエステルを有する酵素分解物も本発明の糖化合物に包含される

0038

更に前記の物理的な処理方法としては、原料糖化合物の近赤外線赤外線、マ
イクロ波、超音波処理等が挙げられ、例えばペクチン及び/又はペクチン酸をp
中性又はアルカリ性溶液中に入れ、温度は適宜、室温以上で、適宜還元下
例えばアスコルビン酸存在下で、時間は1秒以上、好ましくは5秒〜1時間の超
音波処理をし、振動エネルギーを与えることが挙げられる。なお超音波以外にも
マイクロ波、近赤外線、赤外線等の照射も有効で、これらを組合せ照射しても良
い。照射は連続的に行っても良く、断続的に行っても良い。

0039

本発明においてウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物
とは、上記のウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物の含有物で
あれば特に限定はない。ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物
含有物としてはリンゴ、例えばミカンレモン等の柑橘類バナナ白菜、キャ
ベツ、レタスシソカボチャセロリゴボウ、エシャロットブロッコリー
ピーマン、ほうれん草、タマネギ人参、人参の葉、大根の葉、ゴマ、マ
メ、イモ等の双子葉類植物の果実野菜、葉、種実等、麦、米等の単子葉植物
穀物褐藻類、例えば昆布ワカメ等、紅藻類緑藻類単細胞緑藻類等の藻類
微生物としてはリオフィラムウルマリウムハタケシメジナメコ、シイタ
ケ、エノキタケヒラタケマッシュルーム等の担子菌類サナギタケ、ノムシ
タケ等の子のう菌類酵母糸状菌、例えば麹菌、細菌、例えば納豆菌乳酸菌
等、動物としては脊椎動物又は無脊椎動物ブタ皮膚ウシ皮膚、サメ軟骨、鯨
軟骨等が例示され、本発明においては、これらの植物、微生物又は動物由来のウ
ロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物を使用することがで
きる。

0040

また本発明においては、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合
物含有物として、果物果皮、果物搾かす、例えばリンゴ搾汁かす、ミカン搾汁
かす、野菜搾汁かす、穀類かす、例えば清酒粕ビールかす焼酎かす、ウイス
キーかす、豆類かす、例えばおから、海藻かす等の農水産食品加工処理物をそ
のまま、あるいは乾燥、粉砕して用いても良い。

0041

本発明で使用するウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有
物はそのまま、若しくは前処理として通常の、煮る、焼く、炒る、焙じる、煎じ
る、蒸す、炒める、揚げる等の任意の加工方法で処理することができる。

0042

本発明においては、これらのウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖
化合物含有物は前記の化学的、酵素的(微生物による発酵を含む)、物理的前処
理を行って得られる該含有物の処理物、又は該処理物よりの精製物を使用しても
良い。

0043

ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物である多糖類は公知の
化学的、酵素学的、物理的な処理方法により製造することができる。例えばペク
チンとしては、例えば柑橘類の果皮及びリンゴの果実より抽出される高分子の多
糖類を使用することができる。工業的なペクチン製造の原料はフルーツで、レモ
ン、ライム等の柑橘類のジュースしぼりかす(主として内果皮)が用いられる
ほか、リンゴのジュースのしぼりかすも用いられている。ジュースのしぼりかす
には主として不溶性プロトペクチンが含まれており、製造の段階でこれを可溶
化(抽出)し、ペクチンを調製する。可溶化は酸性の温水熱水で抽出すること
によって行うことができ、抽出時の温度、pH、時間条件を原料に合せてコント
ロールすることにより、分子量やエステル化度の一定なペクチンを高収量で製造
することができる。抽出液遠心分離やろ過によって精製し、濃縮アルコール
を添加してペクチンを沈殿させ回収することができる。回収された沈殿を乾燥、
粉砕し、所定の乾燥ペクチンを調製することができる。

0044

ペクチンの主構造は、部分的にメチル化されたガラクツロン酸のポリマーであ
る。カルボキシル基はメチルエステル化されたり、遊離の酸のままか、あるいは
アンモニウム塩化カリウム塩化、又はナトリウム塩化されている。ペクチンは
メチルエステル化度DM度:全カルボキシル基に対するメトキシル基の割合)
によって、DM度の高いHMペクチン及びDM度の低いLMペクチン分類され
〔吉積智司ほか編、(株)光琳発行、新食品開発用素材便覧、第114〜119
頁(1991)〕、本発明においては市販の食品添加物ペクチン〔外山章夫編、
食品と科学社発行、天然物便覧、第12版、第138頁(1993)〕、市販の
HMペクチン、LMペクチン等(前出の新食品開発用素材便覧)を使用すること
ができる。

0045

合成法により合成されるウロン酸、ウロン酸誘導体、オリゴ糖等も本発明で使
用することができる。

0046

本発明に使用する加熱処理物は、(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)
ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/
又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される物を原料として製
造することができる。

0047

本発明に使用するヒドロキシシクロペンタノンを含有する加熱処理物の製造に
おける加熱処理方法としては、本発明のヒドロキシシクロペンタノンが生成する
条件であれば特に限定は無いが、ウロン酸、ウロン酸誘導体、ウロン酸及び/又
はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、ウロン酸含有物及び/又はウロン酸誘導
体を含有する糖化合物含有物を例えば60〜350℃で数秒〜数日、好ましくは
80〜150℃で数分〜数日加熱処理すれば良く、ペクチンの場合、例えば80
〜150℃で数分〜数日の加熱処理を行うことにより、ヒドロキシシクロペンタ
ノンを含有する加熱処理物を得ることができる。またウロン酸、ウロン酸のラク
トン、ウロン酸エステルを60〜150℃で数分〜数日加熱処理することにより
ヒドロキシシクロペンタノンを含有する目的の加熱処理物を得ることができる。

0048

加熱処理時のpHは特に限定はないが、中性から酸性下で行うのが好ましく、
その原料に応じ加熱処理時のpHを調整すればよい。

0049

加熱処理時の原料の濃度はその加熱処理によりヒドロキシシクロペンタノンを
生成しうる範囲内であれば特に限定は無く、操作性、収率等の点を考慮し設定す
れば良い。本発明における加熱処理は湿式加熱でも、乾式加熱でも良いが、本発
明のヒドロキシシクロペンタノンの生成効率の点からは湿式加熱が好ましい。湿
式加熱としては、水蒸気加熱水蒸気加圧加熱加圧式加熱等任意の湿式加熱方
法を用いることができる。乾式加熱としては、乾燥熱風による直接加熱法熱源
から隔壁を通して加熱する間接加熱法等が使用できる。直接加熱方法としては、
気流乾熱法、噴霧乾熱法等があり、間接加熱法としてはドラム乾熱法等が使用で
きる。

0050

本発明に使用する加熱処理物中のヒドロキシシクロペンタノンはがん細胞増殖
抑制等を指標に精製、単離することができる。精製、単離手段としては、化学的
方法、物理的方法等の公知の精製、単離手段を用いれば良く、ゲルろ過法、分子
分画膜による分画法、溶媒抽出法分留法、イオン交換樹脂順相逆相の各
クロマトグラフィー法等の従来公知の精製方法を組合せ、加熱処理物中に生成
されたヒドロキシシクロペンタノンを採取することができる。

0051

例えば、グルクロノラクトン水溶液を加熱し、この加熱液陰イオン交換カラ
ムクロマトグラフィー、合成吸着剤カラムクロマトグラフィー及びシリカゲル
ラムクロマトグラフィーに順次かけることよってヒドロキシシクロペンタノンを
精製することができる。

0052

本発明のヒドロキシシクロペンタノンは下記式〔II〕で表される4,5−ジヒ
ドロキシ−2−シクロベンテン−1−オン(以下、単にシクロペンテノンと称す
)を出発物質として製造することもできる。

0053

例えば、シクロペンテノンを水又は水を含む溶媒に溶解することによってヒド
ロキシシクロペンタノンは生成する。本発明のヒドロキシシクロペンタノン生成
の条件には何ら限定はなく、ヒドロキシシクロペンタノンが生成する条件であれ
ばよい。

0054

生成したヒドロキシシクロペンタノン量は順相、逆相等のカラムを用いたHP
LC、ガスクロマトグラフィー薄層クロマトグラフィーペーパークロマト
ラフィー、核磁気共鳴等の方法で測定できる。

0055

このヒドロキシシクロペンタノンを精製する方法としては化学的方法物理学
的方法等の公知の方法を用いれば良く、ゲルろ過法、分子量分画膜による分画法
、溶媒抽出法、分留法、イオン交換、逆相、順相等の各種クロマトグラフィー法
等の従来公知の精製方法を組合せ、反応生成物中のヒドロキシシクロペンタノン
又はその光学活性体を精製、単離することができる。

0056

例えばシクロペンテノン水溶液を4℃で30日間保存するとシクロペンテノン
の約30%がヒドロキシシクロペンタノンに変化する。

0057

単離したヒドロキシシクロペンタノンの構造は質量分析法核磁気共鳴法、赤
外吸収スペクトル、紫外吸収スペクトル等の公知の方法で決定することができる

0058

本発明のヒドロキシシクロペンタノンとシクロペンテノンは水溶液中で相互に
変換し、平衡関係にある。単離したシクロペンテノンから上記のようにヒドロキ
シシクロペンタノンが生成するが、逆に、単離したヒドロキシシクロペンタノン
水溶液状態放置するとヒドロキシシクロペンタノンの一部はシクロペンテノ
ンに変化する。

0059

なお、本発明において使用する式〔II〕で表されるシクロペンテノンは、化学
合成法により合成することができる〔カーボハイドレートリサーチ(Carbohyd
rate Res.)、第247巻、第217〜222頁(1993)、ヘルベチカ キミ
アクタ(Helvetica Chimica Acta)、第55巻、第2838〜2844頁(
1972)〕。またシクロペンテノンはウロン酸、ウロン酸誘導体、ウロン酸及
び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導
体含有糖化合物含有物から選択される少なくとも1種の物の加熱処理物中に生成
する化合物であって、本発明ではその精製物も使用することがきる。

0060

例えば、ウロン酸としてD−グルクロン酸を使用し、その1%溶液を121℃
で4時間加熱処理することにより、加熱処理物中にシクロペンテノンが生成する
。この加熱処理物中のシクロペンテノンを溶媒で抽出し、抽出物を濃縮する。次
にこの濃縮物シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、溶出するシクロ
ペンテノン画分を濃縮し、濃縮物からシクロペンテノンをクロロホルムで抽出す
ることにより、加熱処理物中のシクロペンテノンが単離される。

0061

シクロペンテノンの物性を下記に示す。なおシクロペンテノンの質量分析はD
X302質量分析計日本電子社製)を用いて行った。また、重クロロホルム溶
媒を用いたNMRスペクトルの測定はJNM−A500(日本電子社製)を用い
た。比旋光度DIP−370型旋光計(日本分光社製)、UV吸収スペクトル
はUV−2500分光光度計島津製作所社製)、赤外吸収スペクトル(IR)
はFTIR−8000赤外分光光度計(島津製作所社製)をそれぞれ用い測定し
た。
FAB−MS m/z 115〔M+H〕+
マトリックスとしてグリセロールを用いた。

0062

1H−NMR(CDCl3)

0063

δ4.20(1H,d,J=2.4Hz,5−H)、4.83(1H,m,4
−H)、6.30(1H,dd,J=1.2,6.1Hz,2−H)、7.48
(1H,dd,J=2.1,6.1Hz,3−H)

0064

但し、1H−NMRの化学シフト値はCHCl3の化学シフト値を7.26pp
mとして表した。

0065

旋光度:〔α〕D20 0°(c 1.3、水)

0066

IR(KBr法):3400、1715、1630、1115、1060、1
025cm-1に吸収を有する。

0067

UV:λmax 215nm(水)

0068

単離されたヒドロキシシクロペンタノンを光学分割することによりヒドロキシ
シクロペンタノンの光学活性体を得ることができる。なお、同様にして、上記し
たシクロペンテノンの光学活性体を得ることもできる。

0069

光学活性体の分離はラセミ混合物機械的分割優先晶出法、ジアステレオマ
ー塩あるいは包接化合物としての結晶化による分割、酵素・微生物による動力学
的分割、クロマトグラフィーによる分割等により行うことができる。

0070

クロマトグラフィーによる分割としては、ガスクロマトグラフィー、液体クロ
マトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等を用いることができ、それぞれに適
したキラル固定相を使用すればよい。

0071

液体クロマトグラフィーによる光学分割としてはキラル固定相を用いる方法
、キラルな溶離液を用いる方法、ジアステレオマーとしての分離等を用いること
ができる。

0072

キラル固定相としてはアミド系固定相、尿素系固定相、配位子交換型固定相、
多糖・多糖誘導体固定相、タンパク質固定相、ポリメタクリル酸エステル固定相
ポリメタクリルアミド固定相等が使用できる。

0073

溶離液としてはヘキサン系、アルコール系、水(緩衝液)系等が使用でき、上
記固定相との組合せにおいて適宜使用することができる。

0074

ヒドロキシシクロペンタノン又はその光学活性体としては、医薬として許容
れる塩があり、公知の方法にて変換することができる。

0075

ヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩は制がん
活性、がん細胞増殖抑制活性アポトーシス誘発活性、トポイソメラーゼII阻害
活性、がん細胞分化誘導活性抗リウマチ活性、慢性関節リウマチ抑制作用、フ
アス抗原産生誘導活性抗菌活性抗ウイルス活性肝機能改善活性、熱ショッ
タンパク誘導活性、血液成分正常化活性、がん免疫増強活性抗炎症活性、腫
壊死因子産生抑制活性一酸化窒素産生抑制活性、免疫調節活性、例えば遅延
過敏反応抑制活性、リンパ球幼若化反応抑制活性、混合リンパ球反応抑制活性
IgE産生抑制活性、カラゲーナン浮腫抑制活性等の生理活性を有し、これら
の活性により、ヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれら
の塩から選択される少なくとも1以上の化合物を有効成分として含有する医薬は
、例えば生体防御機構に作用する医薬、例えば抗体産生機構に作用する製剤、抗
炎症剤抗アレルギー剤抗リウマチ剤インターフェロン誘発剤等、糖質代謝
に作用する医薬、例えば糖尿病治療剤病原生物に作用する医薬、例えば、抗菌
剤、抗ウイルス剤等として有用である。従って本発明で得られる医薬は、ヒドロ
キシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩に感受性を示す疾
病用の医薬として、例えばがん、ウイルス性疾患リウマチ糖尿病アレル
ー、自己免疫疾患、炎症等の疾病治療用医薬又は予防用医薬として極めて有用
である。

0076

ヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩は、例え
ヒト前骨髄性白血病細胞HL−60、ヒト急性リンパ芽球性白血病細胞MOL
T−3、肺がん細胞A−549、SV40形質転換肺細胞WI−38VA13、
肝がん細胞Hep G2、結腸がん細胞HCT 116、ヒト結腸がん細胞SW
480、ヒト結腸がん細胞WiDr、胃がん細胞AGS、ミエローマ細胞等のが
ん細胞に細胞増殖抑制作用、制がん活性を有し、ヒドロキシシクロペンタノン若
しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも1以上の化合物
を有効成分として含有する制がん剤を製造することができる。また、これらの化
合物はがん細胞にアポトーシス誘発作用、がん細胞のトポイソメラーゼII阻害作
用を有する。ヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの
塩のがん細胞増殖抑制作用機作は本発明を何ら制限するものではないが、例えば
がん細胞に対するアポトーシス誘発作用、トポイソメラーゼII阻害作用も本発明
において制がん作用に包含される。

0077

制がん剤の製造は一般的には、ヒドロキシシクロペンタノン、その光学活性体
及び/又はそれらの塩を薬学的に許容できる液状又は固体状担体と配合し、か
つ必要に応じて溶剤分散剤乳化剤緩衝剤、安定剤、賦形剤結合剤崩壊
剤、滑沢剤等を加えて、錠剤顆粒剤散剤粉末剤カプセル剤等の固形剤
通常液剤懸濁剤乳剤等の液剤であることができる。またこれを使用前に適当
な担体の添加によって液状となし得る乾燥品とすることができる。

0078

本発明の制がん剤は、製剤形態に応じた適当な投与経路投与される。投与方
法も特に限定はなく、内用外用及び注射によることができる。注射剤は、例え
静脈内、筋肉内、皮下、皮内等に投与し得、外用剤には座剤等も包含される。

0079

制がん剤としての投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的及びこれに適
用される患者年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではないが一般に
は製剤中に含有されるヒドロキシシクロペンタノン、その光学活性体及び/又は
それらの塩の量が成人日当り10pg〜200mg/kgである。もちろん投
与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場
合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。本発明の薬剤はそのまま
経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることができる。

0080

ヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択
される少なくとも1以上の化合物を有効成分として含有する生体防御機構に作用
する医薬、例えば抗体産生機構に作用する製剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、抗
リウマチ剤、インターフェロン誘発剤等、糖質代謝に作用する医薬、例えば糖尿
病治療剤、病原生物に作用する医薬、例えば、抗菌剤、抗ウイルス剤、アポト
ーシス誘発剤等は制がん剤に準じ、製剤化することができ、制がん剤に準じた方
法、用量で投与することができる。

0081

ヒドロキシシクロペンタノンはシクロペンテノンと水溶液中にて平衡の関係に
あり、生体内にてシクロペンテノンより変換されるヒドロキシシクロペンタノン
も医薬としての効果を発揮すると考えられる。従って生体内でのヒドロキシシク
ロペンタノンの形成を目的とするシクロペンテノン若しくはその光学活性体又は
それらの塩の使用も本願に包含されるものである。

0082

本発明のヒドロキシシクロペンタノン又はその光学活性体はがん細胞増殖抑制
作用等の種々の生理活性を有し、本発明のヒドロキシシクロペンタノン若しくは
その光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも1以上の化合物を含有
希釈又は添加してなる食品又は飲料は例えば制がん性の食品又は飲料等の機能
性食品又は飲料として有用である。

0083

なお、本発明の食品又は飲料の製造においてはヒドロキシシクロペンタノンを
含有する加熱処理物、該加熱処理物からの部分精製ヒドロキシシクロペンタノン
、精製ヒドロキシシクロペンタノン及び/又はその光学活性体を使用することが
できる。

0084

本発明のヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩
から選択される少なくとも1以上の化合物を含有、希釈又は添加してなる食品又
は飲料とは、特に限定はないが、例えば穀物加工品小麦粉加工品デンプン類
加工品、プレミックス加工品、麺類マカロニ類パン類、あん類、そば類、
、ビーフン、はるさめ、包装餅等)、油脂加工品可塑性油脂てんぷら油、サ
ラダ油、マヨネーズ類ドレッシング等)、大豆加工品豆腐類味噌納豆
)、食肉加工品ハムベーコンプレスハムソーセージ等)、水産製品(冷
すりみ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、すじ、魚肉ハム
、ソーセージ、かつお節魚卵加工品、水産缶詰、つくだ煮等)、乳製品(原料
乳、クリームヨーグルトバターチーズ練乳粉乳アイスクリーム等)
、野菜・果実加工品ペースト類ジャム類漬け物類、果実飲料野菜飲料
ミックス飲料等)、菓子類チョコレートビスケット類、菓子パン類、ケーキ
餅菓子米菓類等)、アルコール飲料日本酒、中国酒、ワインウイスキー
焼酎ウオッカブランデージン、ラム酒、ビール清涼アルコール飲料、
果実酒リキュール等)、嗜好飲料緑茶紅茶ウーロン茶コーヒー、清涼
飲料、乳酸飲料等)、調味料しょうゆ、ソース、酢、みりん等)、缶詰・瓶詰
め・袋詰め食品飯、釜飯赤飯カレー、その他の各種調理済み食品)、半
乾燥又は濃縮食品(レバペースト、その他のスプレッド、そば・うどんの汁、
濃縮スープ類)、乾燥食品即席麺類即席カレー、インスタントコーヒー、粉
末ジュース、粉末スープ即席味噌汁、調理済み食品、調理済み飲料、調理済み
スープ等)、冷凍食品(すき焼き、茶碗蒸し、うなぎかば焼き、ハンバーグステ
ーキ、シュウマイ餃子、各種スティック、フルーツカクテル等)、固形食品
液体食品(スープ等)、香辛料類等の農産・林産加工品、畜産加工品、水産加工
品等が挙げられる。

0085

本発明の食品又は飲料の製造法は、特に限定はないが、調理、加工及び一般に
用いられている食品又は飲料の製造法による製造を挙げることができ、製造され
た食品又は飲料に制がん作用を有するヒドロキシシクロペンタノン、その光学
性体及び/又はそれらの塩が含有されていれば良い。

0086

調理及び加工においては、調理、加工後の(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体
、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン
酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される物の加熱
処理物中にヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩
から選択される化合物が含有されていれば良い。

0087

すなわち調理・加工前、調理・加工時、更には調理・加工後にヒドロキシシク
ロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される化合物を含
有する(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸
誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有す
る糖化合物含有物から選択される物の加熱処理物を添加してもよいし、調理及び
加工品やその材料を、ヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又は
それらの塩から選択される化合物を含有する(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体
、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン
酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される物の加熱
処理物へ添加し、該加熱処理物中のヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光
活性体又はそれらの塩から選択される化合物を希釈してもよい。

0088

次に食品又は飲料の製造においては、任意の工程で、加熱処理を行い、加熱処
理物中に有効量のヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれ
らの塩から選択される化合物を含有させれば良く、ヒドロキシシクロペンタノン
若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される化合物を含有する加熱処
理物を添加してもよい。また食品又は飲料やその原料をヒドロキシシクロペンタ
ノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される化合物を含有する加
熱処理物へ添加し、該加熱処理物中のヒドロキシシクロペンタノン若しくはその
光学活性体又はそれらの塩から選択される化合物を希釈してもよい。また、添加
は1回又は数回に渡って行ってもよい。したがって、簡便に新規な生理作用を示
す食品又は飲料を製造することができる。また製造時において(a)ウロン酸又
はウロン酸誘導体、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合
物、(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体含有糖化合物含有物から選択され
る物を含有せしめ、製造時において生成した加熱処理物中のヒドロキシシクロペ
ンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される化合物を構成成
分とする食品又は飲料も本発明に包含される。いずれの工程を経た場合も、ヒド
ロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される
化合物を含有する加熱処理物を含有、添加及び/又は希釈してなる食品又は飲料
は本発明の食品又は飲料と定義される。

0089

またヒドロキシシクロペンタノン、その光学活性体及び/又はそれらの塩と、
SH基含有化合物、例えばSH基含有アミノ酸、又はその誘導体、例えばシステ
イン含有アミノ酸誘導体との反応物として、食品、飲料中でも生成したヒドロキ
シシクロペンタノン誘導体を含有、添加及び/又は希釈してなる食品又は飲料も
本発明の食品又は飲料と定義される。

0090

制がん作用を有するヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又は
それらの塩から選択される化合物の食品中の含有量は特に制限されず、その官能
と生理活性の点より適宜選択できるが、例えばヒドロキシシクロペンタノン若し
くはその光学活性体又はそれらの塩から選択される化合物の含有量は食品100
当り10-9部以上、食品としての官能、制がん作用の面からは好ましくは10
-8〜5部、更に好ましくは10-7〜2部であり、生理的有効量の食品を摂取すれ
ば良い。

0091

また、制がん作用を有するヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性
体又はそれらの塩から選択される化合物の飲料中の含有量は特に制限されず、そ
の官能と生理活性の点より適宜選択できるが、例えばヒドロキシシクロペンタノ
ン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される化合物の含有量は飲料
100部当り10-9部以上、飲料としての食味、制がん作用の面からは好ましく
は10-8〜5部、更に好ましくは10-7〜2部であり、生理的有効量の飲料を摂
取すれば良い。なお、本明細書において部は重量部を意味する。

0092

本発明の食品又は飲料としては、制がん性を有するヒドロキシシクロペンタノ
ン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される化合物が含有、添加及
び/又は希釈されていれば特にその形状に限定は無く、タブレット状顆粒状、
カプセル状ゲル状、ゾル状等の形状の経口的に摂取可能な形状物も包含する。

0093

本発明の食品又は飲料は生理活性を有するヒドロキシシクロペンタノン若しく
はその光学活性体又はそれらの塩から選択される化合物を含有し、ヒドロキシシ
クロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩の有する種々の生理活性
、制がん作用、抗菌作用、アポトーシス誘発作用、抗ウイルス作用、肝機能改善
作用等によって、これらを摂取することにより発がん予防、がん抑制効果、ウイ
ルス性疾患予防治療アルツハイマー病予防効果、肝機能改善効果を有する健
康食品又は飲料であり、生体恒常性の維持、特に胃腸健康保持に有用な食品又
は飲料である。またその抗菌力により、極めて保存性の良い、食品又は飲料であ
る。

0094

本発明のヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩
は100mg/kgの経口投与でマウスに毒性は認められない。
実施例

0095

以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例における%は重量%を意味
する。
実施例1

0096

(1)10gのD−グルクロン酸(シグマ社製 G 5269)を1リットル
の水に溶解し、121℃で4時間加熱した後約10mlになるまで減圧下濃縮
た。これに酢酸ブチル酢酸:水=3:2:2混合液上層40mlを加えて混
合後、遠心によって得た上清減圧下約10mlまで濃縮した。

0097

上記抽出液をカラムクロマトグラフィー用シリカゲルBW−300SP(2×
28cm、富士シリシア化学社製)にアプライし、酢酸ブチル:酢酸:水=3:
2:2の上層を溶離液としてコンプレッサーで0.2kg/cm2に加圧し、毎
分5mlの流速で分離を行った。1画分当り10mlになるようにフラクショネ
ションを行い、各画分の一部をとって薄層クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ61番から80番までの画分に高純度のシクロペンテノンが含まれていた。こ
れらの画分を集めて減圧下濃縮した後40mlのクロロホルムで抽出し、抽出液
を減圧下濃縮することによって100mgのシクロペンテノンを得た。

0098

この画分をパルパックタイプSカラムを用いた順相HPLCで分離し、215
nmの紫外線吸収で検出したところ、純度は98%であった。

0099

(2)実施例1−(1)で調製したシクロペンテノンの水溶液(50mg/m
l)を4℃で30日間保存した試料を以下の条件のHPLCで分析した。

0100

カラム:リクロソーブ(Lichrosorb)NH2−5(4.6×250
mm、メルク社製)

0101

移動相:80%アセトニトリル水溶液

0102

流速:0.8ml/分

0103

カラム温度:25℃

0104

検出:示差屈折検出計(YRD−880 midget、島計器製作所社製

0105

試料:10倍希釈液を100μl注入

0106

その結果、5.7分のシクロペンテノンのピークに加えて6.8分の本発明の
ヒドロキシシクロペンタノンのピークが見られた。クロマトグラム図1に示す
。すなわち図1は保持時間と示差屈折検出計の出力の関係を示す図であり、横軸
は保持時間(分)、縦軸は示差屈折検出計の出力を示す。
実施例2

0107

(1)市販のグルクロノラクトン(ナカライテスク社製)500gを38リッ
トルの水に溶解し、生蒸気を吹き込んで125℃で5時間加熱した。冷却後減圧
下濃縮し、NaOHで濃縮液をpH5.0に調整した。この液を水で平衡化した
ダイヤイオンSA−10A(三菱化学社製)を用いた陰イオン交換カラム(20
リットル)にチャージし、水で溶出してくる非吸着画分24リットルを得た。

0108

この画分を減圧下、2.8リットルまで濃縮し、終濃度2MになるようにNa
Clを加え、2MNaCl水溶液で平衡化した合成吸着剤SP−207(三菱
化学社製)カラム(15リットル)に2回に分けてチャージした。2M NaC
l水溶液でカラムを洗浄し、0.1M NaCl水溶液で溶出される画分合計7
8リットルを得た。

0109

この画分を減圧下11リットルまで濃縮し、濃縮液に対して上記と同様のSP
−207カラムクロマトグラフィーを行い24リットルの溶出液を得た。但し、
すべての試料を1回のクロマトグラフィーにかけ、溶出は水で行った。

0110

溶出液を減圧下100mlまで濃縮し、AC−110−10透析膜(旭化成
製)を用いた電気透析により脱塩し、シクロペンテノン、ヒドロキシシクロペン
タノン混合液100mlを得た。

0111

(2)実施例2−(1)で得たシクロペンテノン、ヒドロキシシクロペンタノ
ン混合液10mlを減圧下濃縮乾固し、酢酸ブチル:酢酸:水=3:2:2の上
層15mlに溶解した。これを実施例1−(1)と同様のシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにかけ、500〜700mlの溶離液で溶出されてくるシクロペ
テノンを含む画分と950〜1700mlの溶離液で溶出されてくるヒドロキ
シシクロペンタノンを含む画分を得た。但し、カラムサイズは2.5×50cm
とした。ヒドロキシシクロペンタノン含有画分を減圧下濃縮、乾固し、75mg
のヒドロキシシクロペンタノンを得た。

0112

(3)実施例2−(2)と同様のシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い
、1070ml〜1240mlの溶離液で溶出される画分1と1320ml〜1
500mlの溶離液で溶出される画分2を得た。

0113

画分1と画分2をそれぞれ減圧下濃縮し、以下の条件でそれぞれのHPLCを
行った。

0114

カラム:CAPCLLPAK C18 SG300A 5μm
(6×250mm、資生堂社製)

0115

移動相:0.1%TFA水溶液

0116

流速:1ml/分

0117

検出:210nmにおける吸光度

0118

それぞれの保持時間6.0分のピークを分取し、凍結乾燥した。画分1のHP
LC処理物からは20mgのヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーA、
画分2のHPLC処理物からは27mgのヒドロキシシクロペンタノンジアステ
レオマーBを得た。
実施例3

0119

実施例2−(2)で得たヒドロキシシクロペンタノンを4mMになるように水
に溶解し、4℃、37℃、又は45℃で16時間放置した。各試料1μlをシリ
カゲル60シートF254(メルク社製)にスポットし、酢酸ブチル:酢酸:水=
3:2:2の上層で展開した後、オルシノール硫酸法で検出した。すなわち、
400mgのオルシン一水和物(ナカライテスク社製、257−30)を22.
8mlの硫酸に溶解し、水を加えて200mlとした液を展開後の薄層に噴霧し
、120℃で1〜2分間加熱してスポットを観察した。

0120

その結果、すべての試料にシクロペンテノンのスポットが見られ、放置温度
長いほどシクロペンテノンのスポットの発色は強かった。
実施例4
(1)NMR

0121

実施例2−(1)で得たシクロペンテノン、ヒドロキシシクロペンタノン混合
液を減圧下乾固し、重水に溶解して1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペ
クトルをJNM−A500(日本電子社製)を用いて測定した。その結果を以下
に示す。

0122

1H−NMR
(A)
δ2.42(1H,dd,J=2.0,20.0Hz,5−H),2.53(1
H,dd,J=5.5,20.0Hz,5−H),3.91(1H,dd,J=
4.0,10.5,3−H),4.23(1H,dd,J=2.0,10.5H
z,2−H),4.27(1H,dd,J=4.0,5.5Hz,4−H)
(B)
δ2.13(1H,dd,J=9.0,20.0Hz,5−H),2.86(1
H,ddd,J=2.5,8.5,20.0Hz,5−H),3.76(1H,
dd,J=8.5,10.0,3−H),4.04(1H,dd,J=2.5,
10.0Hz,2−H),4.13(1H,ddd,J=8.5,8.5,9.
0Hz,4−H)

0123

ODの化学シフト値を4.65ppmとして表した。

0124

この試料に含まれるヒドロキシシクロペンタノンは下記式〔III〕に示す構造
とその対掌体及び下記式〔IV〕に示す構造とその対掌体の混合物であり、(A)
、(B)のどちらか一方が式〔III〕に示す構造とその対掌体、他方が式〔IV〕
に示す構造とその対掌体のシグナルである。

0125

1H−NMRスペクトルを図2に示す。すなわち図2はシクロペンテノン、ヒ
ドロキシシクロペンタノン混合物の1H−NMRスペクトルを表す図であり、横
軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。なお、4.1、4
.6、6.2、7.4ppmのシグナルはシクロペンテノン由来のシグナルであ
る。

0126

13C−NMR
(A)
δ44.2(5−C),67.4(4−C),76.4(3−C),78.1(
2−C),218.1(1−C)
(B)
δ43.5(5−C),69.5(4−C),80.7(2−C),80.8(
3−C),214.7(1−C)

0127

ジオキサンの化学シフト値を67.4ppmとして表した。

0128

この試料に含まれるヒドロキシシクロペンタノンは式〔III〕に示す構造とそ
の対掌体及び式〔IV〕に示す構造とその対掌体の混合物であり、(A)、(B)
のどちらか一方が式〔III〕に示す構造とその対掌体、他方が式〔IV〕に示す構
造とその対掌体のシグナルである。

0129

13C−NMRスペクトルを図3に示す。すなわち図3はシクロペンテノン、ヒ
ドロキシシクロペンタノン混合物の13C−NMRスペクトルを表す図であり、横
軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。なお、76.9、
81.4、132.9、163.2、208.0ppmのシグナルはシクロペン
テノン由来のシグナルである。
(2)GC/MS

0130

実施例2−(1)で得たシクロペンテノン、ヒドロキシシクロペンタノン混合
液0.5μlを減圧下乾固し、トリメチルクロロシラン(ジ−エルサイエンス
製):N,O−ビストリメチルシリル)−アセタミド(ジ−エルサイエンス社
製):無水ピリジンシリレーショングレードピアス社製)=4:1:4混合
液100μlに溶解して60℃で1時間トリメチルシリル化した。この試料1μ
1を以下に示すガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって分析
した。

0131

カラム:TC−1(30m×0.25mm、ジ−エルサイエンス社製)

0132

カラム温度:100℃→160℃(4℃/分)
160℃→300℃(16℃/分)
300℃(5分)

0133

キャリヤーガス:He 1.2ml/分

0134

その結果を図4図5図6に示す。すなわち図4はトリメチルシリル化され
たシクロペンテノン、ヒドロキシシクロペンタノン混合物のガスクロマトグラム
を表す図であり、横軸はスキャン番号、縦軸はイオン強度を示す。図5図6
図4のピーク(1)とピーク(2)のマススペクトルを表す図であり、横軸はM
/Z、縦軸は相対強度(%)を示す。

0135

その結果、図4のピーク(1)とピーク(2)は共にM/Z 349[M+H
]+を示し、これはトリメチルシリル化されたヒドロキシシクロペンタノンの構
造から計算される値と一致した。
実施例5
(1)NMR

0136

実施例2−(3)で得たヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーA及び
Bをそれぞれ重水に溶解して1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクトル
をJNM−A500(日本電子社製)を用いて測定した。その結果を以下に示す

0137

1H−NMR
ヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーA
δ2.42(1H,dd,J=2.0,20.0Hz,5−H),2.53(1
H,dd,J=5.5,20.0Hz,5−H),3.91(1H,dd,J=
4.0,10.5,3−H),4.23(1H,dd,J=2.0,10.5H
z,2−H),4.27(1H,dd,J=4.0,5.5Hz,4−H)
ヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーB
δ2.13(1H,dd,J=9.0,20.0Hz,5−H),2.86(1
H,ddd,J=2.5,8.5,20.0Hz,5−H),3.76(1H,
dd,J=8.5,10.0,3−H),4.04(1H,dd,J=2.5,
10.0Hz,2−H),4.13(1H,ddd,J=8.5,8.5,9.
0Hz,4−H)

0138

HODの化学シフト値を4.65ppmとして表した。

0139

ヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーA、Bのどちらか一方が式〔II
I
〕に示す構造を持つ物質とその対掌体、他方が式〔IV〕に示す構造を持つ物質と
その対掌体である。

0140

1H−NMRスペクトルを図7及び図8に示す。すなわち図7はヒドロキシシ
クロペンタノンジアステレオマーAの、図8はヒドロキシシクロペンタノンジア
ステレオマーBの1H−NMRスペクトルを表す図であり、横軸は化学シフト値
(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。

0141

13C−NMR
ヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーA
δ44.2(5−C),67.4(4−C),76.4(3−C),78.1(
2−C),218.1(1−C)
ヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーB
δ43.5(5−C),69.5(4−C),80.7(2−C),80.8(
3−C),214.7(1−C)

0142

ジオキサンの化学シフト値を67.4ppmとして表した。

0143

ヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーA,Bのどちらか一方が式〔II
I〕に示す構造を持つ物質とその対掌体、他方が式〔IV〕に示す構造を持つ物質
とその対掌体である。

0144

13C−NMRスペクトルを図9及び図10に示す。すなわち図9はヒドロキシ
シクロペンタノンジアステレオマーAの、図10はヒドロキシシクロペンタノン
ジアステレオマーBの13C−NMRスペクトルを表す図であり、横軸は化学シフ
ト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。

0145

(2)GC/MS

0146

実施例2−(3)で得たヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーAの2
0mM水溶液とヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーBの40mM水溶
液各々0.5μlを減圧下乾固し、トリメチルクロロシラン(ジ−エルサイエン
ス社製):N,O−ビス(トリメチルシリル)−アセタミド(ジ−エルサイエン
ス社製):無水ピリジン(シリレーショングレード、ピアス社製)=4:1:4
混合液100μlに溶解して室温で20分間トリメチルシリル化した。この試料
2μlを以下に示すガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって
分析した。

0147

カラム:TC−1(30m×0.25mm、ジ−エルサイエンス社製)

0148

カラム温度:100℃→160℃(4℃/分)
160℃→300℃(16℃/分)
300℃(5分)

0149

キャリヤーガス:He 1.2ml/分

0150

その結果を図11図14に示す。すなわち図11はトリメチルシリル化され
たヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーAのガスクロマトグラム、図1
2はトリメチルシリル化されたヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーB
のガスクロマトグラムを表す図であり、横軸はスキャン番号、縦軸はイオン強度
を示す。図13図14はそれぞれ図11のピーク(1)と図12のピーク(2
)のマススペクトルを表す図であり、横軸はM/Z、縦軸は相対強度(%)を示
す。

0151

その結果、図11のピーク(1)と図12のピーク(2)は共にM/Z 34
9[M+H]+を示し、これはトリメチルシリル化されたヒドロキシシクロペン
タノンの構造から計算される値と一致した。
実施例6

0152

150、110、70又は40μMヒドロキシシクロペンタノンジアステレオ
マーA水溶液、200、150、100又は60μMヒドロキシシクロペンタノ
ンジアステレオマーB水溶液、あるいは対照として水10μlを96穴マイクロ
タイタープレートの各ウェルに添加した。前骨髄性白血病細胞株HL−60(A
TCC CCL−240)を10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地
5×104個/mlとなるように懸濁し、90μlずつ上記マイクロタイター
レートの各ウェルに分注し、5% CO2存在下37℃で48時間培養した。5
mg/mlの3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフ
ニルテトラゾリウムブロミドMTT;シグマ社製)リン酸緩衝食塩水溶液10
μlを加えて更に4時間培養を続けた後、顕微鏡で細胞の生育状態を観察した。
また、0.04NHCl含有2−プロパノール100μlを加えてよくかくは
んし、590nmにおける吸光度を測定した。

0153

その結果、110μM以上のヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーA
添加区分(終濃度11μM)及び100μM以上のヒドロキシシクロペンタノン
ジアステレオマーB添加区分(終濃度10μM)において細胞の増殖が見られな
かった。よって、ヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーAは11μM濃
度で、ヒドロキシシクロペンタノンジアステレオマーBは10μM濃度でHL−
60細胞の増殖を完金に抑制することが明らかになった。
発明の効果

0154

本発明により制がん作用、がん細胞増殖抑制作用、がん細胞分化誘導作用、ア
ポトーシス誘発作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、肝機能改善作用等の生理活性
を有し、安全性の高いヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又は
それらの塩が提供され、かつ、該化合物を含有する生理活性機能を有する医薬、
食品及び飲料が提供される。

0155

本発明により、ヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれ
らの塩は天然由来の原料から簡便に、効率良く製造することが可能となった。

0156

本発明により提供されるヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体
は又はそれらの塩の種々の生理活性、制がん作用、抗菌作用、アポトーシス誘発
作用、抗ウイルス作用、肝機能改善作用等によって、発がん予防、がん抑制効果
、ウイルス性疾患予防、治療、アルツハイマー病予防効果、肝機能改善効果を有
する医薬として使用することが可能となり、該医薬は生体の恒常性の維持、特に
胃腸健康保持に有用な医薬となる。

0157

また本発明により、食品又は飲料中に生理活性を有するヒドロキシシクロペン
タノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩の適量を含有させることが可能と
なった。このヒドロキシシクロペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの
塩が有する種々の生理活性、制がん作用、分化誘導作用、異常細胞の増殖抑制
用、アポトーシス誘発作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、肝機能改善作用等によ
って、本発明により提供される食品又は飲料は発がん予防、制がん効果、ウイル
ス性疾患予防、抗菌効果、アポトーシス誘発作用等の生体の恒常性(ホメオスタ
シス)維持機能を有する健康食品又は飲料であり、本発明により、胃腸健康保持
に有用な機能性物質入りの食品又は飲料が提供される。また、ヒドロキシシクロ
ペンタノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩を添加することにより、食品
又は飲料の抗菌力を簡便に増強することができ、ヒドロキシシクロペンタノン若
しくはその光学活性体又はそれらの塩を有効成分とする製剤は食品又は飲料の防
腐剤としても極めて有用である。

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