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下記(a)、(b)、(c)より選択される少なくとも1種の物を加熱処理することを特徴とする下記式

で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法。(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物

概要

背景

概要

下記(a)、(b)、(c)より選択される少なくとも1種の物を加熱処理することを特徴とする下記式

で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法。(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物

目的

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
10件

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請求項

1.下記(a)、(b)、(c)より選択される少なくとも1種の物を加熱処理することを特徴とする下記式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法。(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。ID=000004HE=034 WI=076 LX=0680 LY=08952.下記(a)、(b)、(c)より選択される少なくとも1種の物を加熱処理し、次いで該加熱処理物より式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを採取することを特徴とする4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法。(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。ID=000005 HE=034 WI=076 LX=0680 LY=18303.ウロン酸がガラクツロン酸グルクロン酸グルロン酸マンヌロン酸及び/又はイズロン酸である請求の範囲1又は2記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法。4.ウロン酸誘導体が、ウロン酸の塩、あるいはウロン酸ラクトン、ウロン酸エステル、ウロン酸アミド又はそれらの塩である請求の範囲1又は2記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法。5.糖化合物がペクチンペクチン酸アルギン酸ヒアルロン酸ヘパリンヘパラン硫酸フコイダンコンドロイチン硫酸コンドロイチンデルマタン硫酸及び/又はその分解物から選択される糖化合物である請求の範囲1又は2記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法。6.加熱処理物が60〜350℃、数秒〜数日加熱処理して得られる請求の範囲1〜5のいずれか1項に記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法。7.加熱処理物が酸性中性の条件下で加熱処理を行って得られる請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法。8.下記工程を包含することを特徴とする4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの光学活性体の製造方法。(A):(a)、(b)、(c)より選択される少なくとも1種の物を加熱処理し、4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを生成させる工程、(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物、(B):必要に応じて、得られた加熱処理物より4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを単離する工程、(C):4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを光学分割する工程。9.ウロン酸がガラクツロン酸、グルクロン酸、グルロン酸、マンヌロン酸及び/又はイズロン酸である請求の範囲8記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの光学活性体の製造方法。10.ウロン酸誘導体が、ウロン酸の塩、あるいはウロン酸ラクトン、ウロン酸エステル、ウロン酸アミド又はそれらの塩である請求の範囲8記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの光学活性体の製造方法。11.糖化合物がペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、フコイダン、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸及び/又はその分解物から選択される糖化合物である請求の範囲8記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの光学活性体の製造方法。12.加熱処理物が60〜350℃、数秒〜数日加熱処理して得られる請求の範囲8〜11のいずれか1項に記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの光学活性体の製造方法。13.加熱処理物が酸性〜中性の条件下で加熱処理を行って得られる請求の範囲8〜12のいずれか1項に記載の4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの光学活性体の製造方法。14.旋光度が[α]D20−105°(c0.30,エタノール)である(−)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン。15.旋光度が[α]D20+104°(c0.53,エタノール)である(+)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン。16.式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有することを特徴とする制がん剤。ID=000006 HE=034 WI=072 LX=0700 LY=174517.式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有することを特徴とするがん細胞分化誘導剤。ID=000007 HE=034 WI=082 LX=0650 LY=234018.式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有することを特徴とするアポトーシス誘発剤。ID=000008 HE=034 WI=082 LX=0650 LY=038519.式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有することを特徴とする抗菌剤。ID=000009 HE=034 WI=082 LX=0650 LY=089520.請求の範囲19記載の抗菌剤を有効成分とする防腐剤。21.請求の範囲19記載の抗菌剤を有効成分とする歯磨剤。22.請求の範囲19記載の抗菌剤を有効成分とする化粧料。23.請求の範囲19記載の抗菌剤を有効成分とする浴用剤。24.請求の範囲1記載の製造方法で得られる式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを有効成分として含有することを特徴とする請求の範囲16〜23いずれか1項に記載の剤。25.請求の範囲1記載の加熱処理物を有効成分として含有することを特徴とする請求の範囲16〜23いずれか1項に記載の剤。26.請求の範囲2記載の製造方法で採取される式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを有効成分として含有することを特徴とする請求の範囲16〜23いずれか1項に記載の剤。27.式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を有効成分として使用することを特徴とするがん細胞分化誘導方法。ID=000010 HE=034 WI=072 LX=0700 LY=030028.式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を有効成分として使用することを特徴とするアポトーシス誘発方法。ID=000011 HE=034 WI=076 LX=0680 LY=089529.請求の範囲1記載の製造方法で得られる式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを有効成分として使用することを特徴とする請求の範囲27又は28記載の方法。30.請求の範囲1記載の加熱処理物を有効成分として使用することを特徴とする請求の範囲27又は28に記載の方法。31.請求の範囲2記載の製造方法で採取される式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを有効成分として使用することを特徴とする請求の範囲27又は28に記載の方法。32.式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有、希釈及び/又は添加してなることを特徴とする食品又は飲料。ID=000012 HE=034 WI=080 LX=0660 LY=225533.請求の範囲1記載の製造方法で得られる式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを含有、希釈及び/又は添加してなることを特徴とする請求の範囲32記載の食品又は飲料。34.請求の範囲1記載の加熱処理物を含有、希釈及び/又は添加してなることを特徴とする請求の範囲32記載の食品又は飲料。35.請求の範囲2記載の製造方法で採取される式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを含有、希釈及び/又は添加してなることを特徴とする請求の範囲32記載の食品又は飲料。36.式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を100重量部当り5×10-6重量部以上含有することを特徴とする請求の範囲32〜35いずれか1項に記載の食品又は飲料。37.制がん性食品又は制がん性飲料である請求の範囲32〜36いずれか1項に記載の食品又は飲料。38.抗菌性食品又は抗菌性飲料である請求の範囲32〜36いずれか1項に記載の食品又は飲料。39.ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物中のウロン酸、ウロン酸誘導体、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの生成中間体、又は式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンと反応性を有するアミン類アミノ酸類ペプチド類又は蛋白質の反応性の少なくとも一部が消失した及び/又は該反応性物質の少なくとも一部が除去されたものであるウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。ID=000013 HE=034 WI=072 LX=0700 LY=208540.乾式加熱処理されて、ウロン酸、ウロン酸誘導体、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの生成中間体、又は式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンと反応性を有するアミン類、アミノ酸類、ペプチド類又は蛋白質の反応性の少なくとも一部が消失した及び/又は該反応性物質の少なくとも一部が除去されたものである請求の範囲39記載のウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。41.乾式加熱処理が、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物を60〜400℃の熱風で数秒から数日の焙炒処理を行うものである請求の範囲40記載のウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。42.ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物が焙炒植物、焙炒動物又は焙炒微生物から選択される請求の範囲41記載のウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。43.ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物が焙炒野菜、焙炒果物、焙炒穀物、焙炒きのこ、焙炒海藻、焙炒皮質又は焙炒軟骨から選択される請求の範囲42記載のウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。44.蛋白分解酵素処理されて、ウロン酸、ウロン酸誘導体、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの生成中間体、又は式

請求項1

で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンと反応性を有するアミン類、アミノ酸類、ペプチド類又は蛋白質の反応性の少なくとも一部が消失した及び/又は該反応性物質の少なくとも一部が除去されたものである請求の範囲39記載のウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。

--

0001

発明の属する技術分野

0002

本発明は、制がん作用等の生理活性を有する安全性の高いシクロペンテノン類
に関し、更に詳細には当該化合物の製造方法、該化合物を有効成分とする医薬
に関する。また本発明は食品、飲料等の分野で有用な一連の発明に関する。
従来の技術

0003

従来、臨床上の療法に用いられている薬物はアルキル化剤代謝阻害剤、植物
アルカロイド等の制がん剤抗生物質免疫促進剤免疫調節剤など多岐にわた
っているが、これらの薬物療法はいまだ完成したとは言いがたい。

0004

これらのうち、天然物由来であるプロスタグランジンの中で、シクロペンテ
ン環を有するプロスタグランジンA及びJ類がDNA合成を抑制することにより
、安全性の高い制がん剤としての可能性が報告され、それらの各種誘導体が合成
されている(特開昭62−96438号公報参照)。
発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、制がん作用等の生理作用を有する安全性の高いシクロペンテ
ノン化合物を開発し、該化合物の製造方法及び該化合物を有効成分とする制がん
剤等の医薬品、該化合物を含有する食品又は飲料を提供することにある。また本
発明の目的は該化合物の使用方法、該化合物の関連化合物等を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段

0006

本発明を概説すれば本発明の第1の発明は、下記(a)、(b)、(c)より
選択される少なくとも1種の物を加熱処理することを特徴とする下記式【1】で
表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法に関
する。
(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体
(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物
(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物

0007

本発明の第2の発明は下記(a)、(b)、(c)より選択される少なくとも
1種の物を加熱処理し、次いで該加熱処理物より式【1】で表される4,5−ジ
ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを採取することを特徴とする4,5
−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製造方法に関する。
(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、
(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、
(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。

0008

本発明の第3の発明は、下記工程を包含することを特徴とする4,5−ジヒド
ロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの光学活性体の製造方法に関する。

0009

(A):(a)、(b)、(c)より選択される少なくとも1種の物を加熱処
理し、4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを生成させる工程

(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、
(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、
(c)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物。

0010

(B):必要に応じて、得られた加熱処理物より4,5−ジヒドロキシ−2−
シクロペンテン−1−オンを単離する工程、

0011

(C):4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを光学分割
る工程。

0012

本発明の第4の発明は、旋光度が[α]D20−105°(c0.30,エタノ
ール)である(−)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンに
関する。

0013

本発明の第5の発明は、旋光度が[α]D20+104°(c0.53,エタノ
ール)である(+)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンに
関する。

0014

本発明の第6の発明は、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シク
ペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有することを特徴とする制
がん剤に関する。

0015

本発明の第7の発明は、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シク
ロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有することを特徴とするが
細胞分化誘導剤に関する。

0016

本発明の第8の発明は、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シク
ロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有することを特徴とするア
ポトーシス誘発剤に関する。

0017

本発明の第9の発明は、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シク
ロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有することを特徴とする抗
菌剤に関する。

0018

本発明の第10の発明は、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シ
クロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を有効成分として使用するこ
とを特徴とするがん細胞分化誘導方法に関する。

0019

本発明の第11の発明は、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シ
クロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を有効成分として使用するこ
とを特徴とするアポトーシス誘発方法に関する。

0020

本発明の第12の発明は、式【1】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シ
クロペンテン−1−オン及び/又はその光学活性体を含有、希釈及び/又は添加
してなることを特徴とする食品又は飲料に関する。

0021

本発明の第13の発明は、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化
合物含有物中の、ウロン酸、ウロン酸誘導体、式【1】で表される4,5−ジヒ
ドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの生成中間体又は式【1】で表される
4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンと反応性を有するアミン
類、アミノ酸類ペプチド類又は蛋白質の反応性の少なくとも一部が消失した及
び/又は該反応性物質の少なくとも一部が除去されたものであるウロン酸及び/
又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物に関する。

0022

本発明者らは式【1】で表される化合物、4,5−ジヒドロキシ−2−シクロ
ペンテン−1−オン(以下、単にシクロペンテノンと称す)がウロン酸、ウロン
酸誘導体、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、ウロン酸及
び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される少なくとも1
種の物の加熱処理物中に生成し、加熱処理物中より単離された当該化合物が制が
ん作用、アポトーシス誘発作用抗菌作用等の種々の生理活性を有することを見
出し、当該化合物の光学活性体の創製にも成功し、本発明を完成させた。

図面の簡単な説明

0023

図1はシクロペンテノンのマススペクトルを示す図である。

0024

図2はシクロペンテノンの1H−NMRスペクトルを示す図である。

0025

図3アルギン酸加熱処理物より調整したシクロペンテノンのアポトーシス誘
発作用を示す図である。

0026

図4はシクロペンテノンのIR吸収スペクトルを示す図である。

0027

図5はシクロペンテノンのUV吸収スペクトルを示す図である。

0028

図6はシクロペンテノンの検量線を示す図である。

0029

図7グルクロン酸加熱処理物のガスクロマトグラフ結果を示す図である。

0030

図8は保存時間とシクロペンテノン量の関係を示す図である。

0031

図9は(−)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの溶出
曲線を示す図である。

0032

図10は(+)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの溶
出曲線を示す図である。

0033

図11は(−)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの1
H−NMRスペクトルを示す図である。

0034

図12は(+)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの1
H−NMRスペクトルを示す図である。

0035

図13は培養時間と培養液中の生細胞数の関係を示す図である。

0036

図14は培養時間と培養細胞中において成熟骨髄細胞の占める比率の関係を示
す図である。

0037

図15シクロペンテノンの制がん効果を示す図である。
発明の実施の形態

0038

以下、本発明をより具体的に説明する。

0039

本発明において、ウロン酸、ウロン酸誘導体、ウロン酸及び/又はウロン酸誘
導体を含有する糖化合物、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合
物含有物とは、その加熱処理物中にシクロペンテノンが生成されれば特に限定は
ない。

0040

本発明により、食品又は飲料中に生理活性を有するシクロペンテノン及び/又
はその光学活性体の適量を含有させることが可能となった。これらの化合物が有
する制がん作用、抗菌作用等によって、本発明の食品又は飲料は制がん性、抗菌
性食品又は制がん性、抗菌性飲料として極めて有用である。

0041

また本発明によりシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を含有する医薬
組成物が提供され、該医薬用組成物はがんの治療剤又は予防剤として、また防
腐剤、抗菌性歯磨剤抗菌性化粧料、抗菌性浴用剤等の抗菌剤として有用である

0042

更に本発明によりシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を有効成分とし
て使用するがん細胞分化誘導方法、アポトーシス誘発方法が提供され、これらの
方法は生化学研究や、がん細胞分化剤、アポトーシス誘発阻害剤等の医薬品のス
クリーニングにおいて有用である。

0043

本発明に使用されるシクロペンテノンは、(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体
、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン
酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される物を加熱
処理することにより生成される。従って上記(a)、(b)又は(c)を含有し
ない原料物理的、化学的酵素的あるいはその他の手段を用いて生成せしめた
(a)、(b)又は(c)を加熱処理することにより、本発明のシクロペンテノ
ンを得ることもできる。

0044

また本発明においてはシクロペンテノンを含有する加熱処理物、該加熱処理物
からの部分精製シクロペンテノン及び精製シクロペンテノンを使用することがで
きる。

0045

ウロン酸はグリクロン酸ともいい、アルドースアルデヒド基はそのままにし
て他端の第1アルコール基だけをカルボキシル基酸化したヒドロキシアルデヒ
ド酸の総称であり、天然では動植物の各種の多糖の構成成分として存在する。ウ
ロン酸を含有する多糖としては、ペクチンペクチン酸、アルギン酸、ヒアルロ
ン酸、ヘパリンヘパラン硫酸フコイダンコンドロイチン硫酸コンドロ
チン、デルマタン硫酸等があり、種々の生理機能が知られている。

0046

本発明で使用することができるウロン酸は特に限定されるものでなく、例えば
ガラクツロン酸、グルクロン酸、グルロン酸マンヌロン酸イズロン酸等があ
り、ウロン酸の誘導体としては、それらのラクトン、それらのエステル、それら
アミド、それらの塩等があり、加熱処理によりシクロペンテノンを生成する物
はすべて本発明の誘導体に包含される。ウロン酸のラクトンとしてはグルクロノ
−6,3−ラクトン(以下、グルクロノラクトン略記する)、マンヌロノ−6
,3−ラクトン、イズロノ−6,3−ラクトン等が例示される。ウロン酸エス
ルとしては、例えばメチルエステルエチルエステルプロピレングリコール
テルカルボキシメチルエステル等がありウロン酸より製造することができる
。またウロン酸のアミド化によりウロン酸アミドも製造することができる。更に
これらの塩は常法により製造することができる。

0047

次に本明細書において、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合
物は特に限定されるものでなく、例えばペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒ
アルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、フコイダン、コンドロイチン硫酸、コン
ドロイチン、デルマタン硫酸、それらの化学的、酵素的、物理的処理物である、
その分解物、分解物の誘導体、分解物の塩を使用することができる。

0048

前記の化学的な処理方法としては、原料化合物を例えば室温〜200℃で数秒
〜数時間、好ましくは50〜130℃で数秒〜60分処理すれば良く、酸性下こ
の処理を行うとグリコシド結合加水分解を受け、ペクチンの場合、ガラクツ
ン酸及び/又はガラクツロン酸エステルを含む分解物が生ずる。また例えばpH
6.8、95℃で数分〜数十分処理することによりβ−脱離反応が生じ、235
nm付近吸光度が増大した不飽和ウロン酸及び/又は不飽和ウロン酸エステル
を有する糖化合物が得られる。本発明の糖化合物にはウロン酸及び/又はウロン
酸エステルを含有する多糖類のβ−脱離反応により生成する非還元末端に不飽和
ウロン酸及び/又は不飽和ウロン酸エステルを含有する糖化合物が含まれる。

0049

また前記の酵素学的な処理方法としては、原料糖化合物のウロン酸及び/又は
ウロン酸エステル含有多糖加水分解酵素、例えばペクチナーゼ、ヒアルロニダー
ゼ等によるウロン酸及び/又はウロン酸エステル含有多糖の公知の分解が挙げら
れる。また、ウロン酸及び/又はウロン酸エステル含有多糖リアーゼによるウロ
ン酸及び/又はウロン酸エステル含有多糖の公知の分解が挙げられる。例えばペ
クチン、ペクチン酸の場合、各々公知のペクチンリアーゼ(EC4.2.2.1
0)、ペクチン酸リアーゼ(EC4.2.2.2)、エキソポリガラクツロン酸
リアーゼ(EC4.2.2.9)で分解することによって、非還元末端に4−デ
オキシ−L−トレオヘキス−4−エノピラノシルウロネート(4-deoxy-L-th
reo-hex-4-enopyranosyl uronate)又はそのメチルエステルを有する糖化合物が
得られる。また、ヒアルロン酸の場合はヒアルロン酸リアーゼ(EC4.2.2
.1)、アルギン酸の場合はアルギン酸リアーゼ(EC4.2.2.3)が使用
される。なお、アルギン酸の場合は非還元末端に4−デオキシ−L−エリトロ
ヘキス−4−エノピラノシル ウロネートを有する糖化合物が得られる。この非
還元末端に4−デオキシ−L−トレオ−ヘキス−4−エノピラノシル ウロネー
ト、4−デオキシ−L−エリトロ−ヘキス−4−エノピラノシル ウロネート又
はそれらのメチルエステルを有する酵素分解物も本発明の糖化合物に包含される

0050

更に前記の物理的な処理方法としては、原料糖化合物の近赤外線赤外線、マ
イクロ波、超音波処理等が挙げられ、例えばペクチン及び/又はペクチン酸をp
中性又はアルカリ性溶液中に入れ、温度は適宜、室温以上で、適宜還元下
例えばアスコルビン酸存在下で、時間は1秒以上、好ましくは5秒〜1時間の超
音波処理をし、振動エネルギーを与えることが挙げられる。なお超音波以外にも
マイクロ波、近赤外線、赤外線等の照射も有効で、これらを組合せ照射しても良
い。照射は連続的に行っても良く、断続的に行っても良い。

0051

本発明においてウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物
とは、上記のウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物の含有物で
あれば特に限定はない。ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物
含有物としてはリンゴ、例えばミカンレモン等の柑橘類バナナ白菜、キャ
ベツ、レタスシソカボチャセロリゴボウ、エシャロットブロッコリー
ピーマン、ほうれん草、タマネギ人参、人参の葉、大根の葉、ゴマ、マ
メ、イモ等の双子葉類植物の果実野菜、葉、種実等、麦、米等の単子葉植物
穀物褐藻類、例えば昆布ワカメ等、紅藻類緑藻類単細胞緑藻類等の藻類
微生物としてはリオフィラムウルマリウムハタケシメジナメコ、シイタ
ケ、エノキタケヒラタケマッシュルーム等の担子菌類サナギタケ、ノムシ
タケ等の子のう菌類酵母糸状菌、例えば麹菌、細菌、例えば納豆菌乳酸菌
等、動物としては脊椎動物又は無脊椎動物ブタ皮膚ウシ皮膚、サメ軟骨、鯨
軟骨等が例示され、本発明においては、これらの植物、微生物又は動物由来のウ
ロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物を使用することがで
きる。

0052

また本発明においては、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合
物含有物として、果物果皮、果物搾かす、例えばリンゴ搾汁かす、ミカン搾汁
かす、野菜搾汁かす、穀類かす、例えば清酒粕ビールかす焼酎かす、ウイス
キーかす、豆類かす、例えばおから、海藻かす等の農水産食品加工処理物をそ
のまま、あるいは乾燥、粉砕して用いても良い。

0053

本発明で使用するウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有
物はそのまま、若しくは前処理として通常の、煮る、焼く、炒る、焙じる、煎じ
る、蒸す、炒める、揚げる等の任意の加工方法で処理することができる。

0054

本発明においては、これらのウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖
化合物含有物を前記の化学的、酵素的(微生物による発酵を含む)、物理的前処
理を行って得られる該含有物の処理物、該処理物よりの精製物を使用しても良い

0055

ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物には、ウロン酸
、ウロン酸誘導体、シクロペンテノンの生成中間体又はシクロペンテノンと反応
性を有する物質、例えばアミン類、アミノ酸類、ペプチド類及び/又は蛋白質が
含有されており、シクロペンテノンを製造するため好適にはこれらの反応性物質
の反応性の少なくとも一部を消失させるための及び/又は該反応性物質の少なく
とも一部を除去するための前処理を行うことが好ましい。該前処理方法に特に限
定はないが、乾式加熱処理が好適であり、例えば上記のウロン酸及び/又はウロ
ン酸誘導体を含有する糖化合物の含有物の水分を除いたものを60〜400℃で
数秒から数日の加熱処理を行うことにより、本発明のシクロペンテノン、その光
活性体の製造に好適な、蛋白質等が不溶化変性、若しくは不活性化されたウ
ロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物を得ることができる
。乾式加熱処理の方法としては特開平2−79965号公報に記載の熱風を使用
する焙炒処理方法があり、該方法により多量の加熱処理物、即ち焙炒処理物を効
率よく調製することができる。焙炒処理物に特に限定はないが、焙炒植物、焙炒
動物、焙炒微生物、例えば焙炒野菜、焙炒果実、焙炒穀物、焙炒きのこ、焙炒海
藻、焙炒皮質、焙炒軟骨等が例示される。他の例としては該糖化合物含有物を蛋
白質分解酵素処理した後、蛋白質分解物を除去した画分が挙げられる。また該糖
化合物含有物の粉砕物水洗物画分、該糖化合物含有物の酸で前処理した画分、
該糖化合物含有物のアルカリで前処理した画分等が挙げられる。上記のように、
シクロペンテノンの製造に好適であるシクロペンテノン生成性前処理物は全て
本発明で定義したウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物
に包含される。

0056

シクロペンテノンの生成中間体とはウロン酸、ウロン酸誘導体、ウロン酸及び
/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体
を含有する糖化合物含有物の加熱処理中に生成し、更に反応を行えばシクロペン
テノンに変化する物質を意味する。シクロペンテンの生成中間体としては、ウロ
ン酸の脱炭酸物、ウロン酸の脱水物、ウロン酸の脱炭酸・脱水物が例示される。

0057

ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物である多糖類は公知の
化学的、酵素学的、物理的な処理方法により製造することができる。例えばペク
チンとしては、例えば柑橘類の果皮及びリンゴの果実より抽出される高分子の多
糖類を使用することができる。工業的なペクチン製造の原料はフルーツで、レモ
ン、ライム等の柑橘類のジュースしぼりかす(主として内果皮)が用いられる
ほか、リンゴのジュースのしぼりかすも用いられている。ジュースのしぼりかす
には主として不溶性プロトペクチンが含まれており、製造の段階でこれを可溶
化(抽出)し、ペクチンを調製する。可溶化は酸性の温水熱水で抽出すること
によって行うことができ、抽出時の温度、pH、時間条件を原料に合せてコント
ロールすることにより、分子量やエステル化度の一定なペクチンを高収量で製造
することができる。抽出液遠心分離やろ過によって精製し、濃縮アルコール
を添加してペクチンを沈殿させ回収することができる。回収された沈殿を乾燥、
粉砕し、所定の乾燥ペクチンを調製することができる。

0058

ペクチンの主構造は、部分的にメチル化されたガラクツロン酸のポリマーであ
る。カルボキシル基はメチルエステル化されたり、遊離の酸のままか、あるいは
アンモニウム塩化カリウム塩化、又はナトリウム塩化されている。ペクチンは
メチルエステル化度DM度:全カルボキシル基に対するメトキシル基の割合)
によって、DM度の高いHMペクチン及びDM度の低いLMペクチン分類され
〔吉積智司ほか編、(株)光琳発行、新食品開発用素材便覧、第114〜119
頁(1991)〕、本発明においては市販の食品添加物ペクチン〔外山章夫編、
食品と科学社発行、天然物便覧、第12版、第138頁(1993)〕、市販の
HMペクチン、LMペクチン等(前出の新食品開発用素材便覧)を使用すること
ができる。

0059

合成法により合成されるウロン酸、ウロン酸誘導体、オリゴ糖等も本発明で使
用することができる。

0060

本発明に使用する加熱処理物は、(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)
ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/
又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される物を原料として製
造することができる。

0061

本発明に使用する加熱処理物の製造における加熱処理方法としては、本発明の
シクロペンテノンが生成する条件であれば特に限定は無いが、ウロン酸、ウロン
酸誘導体、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、ウロン酸含
有物及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物を例えば60〜350
℃で数秒〜数日、好ましくは80〜150℃で数分〜数日加熱処理すれば良く、
ペクチンの場合、例えば80〜150℃で数分〜数日の加熱処理を行うことによ
り、シクロペンテノンを含有する加熱処理物を得ることができる。またウロン酸
、ウロン酸のラクトン、ウロン酸エステルを60〜150℃で数分〜数日加熱処
理することによりシクロペンテノンを含有する目的の加熱処理物を得ることがで
きる。これらの加熱処理物には4位と5位のヒドロキシル基トランスの関係に
あるトランス−シクロペンテノンとシスの関係にある微量のシス−シクロペンテ
ノンが含まれている。この加熱処理物から精製したシクロペンテノンを無水ピリ
ジン中で無水酢酸と反応させて得た4,5−ジアセチルシクロペンテノンをシリ
ゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、核磁気共鳴法で各々の画分の構造解
析を行うことにより、本加熱処理物中にトランス−シクロペンテノンと微量のシ
ス−シクロペンテノンが含まれていることが確認できる。

0062

加熱処理時のpHは特に限定はないが、中性から酸性下で行うのが好ましく、
その原料に応じ加熱処理時のpHを調整すればよいが、通常は酸性下の加熱処理
により、シクロペンテノンの生成が加速される。

0063

加熱処理時の原料の濃度はその加熱処理によりシクロペンテノンを生成しうる
範囲内であれば特に限定は無く、操作性、収率等の点を考慮し設定すれば良い。

0064

本発明における加熱処理は湿式加熱でも、乾式加熱でも良いが、本発明のシク
ロペンテノンの生成効率の点からは湿式加熱が好ましい。湿式加熱としては、水
蒸気加熱水蒸気加圧加熱加圧式加熱等任意の湿式加熱方法を用いることがで
きる。乾式加熱としては、乾燥熱風による直接加熱法熱源から隔壁を通して加
熱する間接加熱法等が使用できる。直接加熱方法としては、気流乾熱法、噴霧
熱法等があり、間接加熱法としてはドラム乾熱法等が使用できる。

0065

本発明に使用する加熱処理物中のシクロペンテノンは制がん作用、抗菌作用、
アポトーシス誘発作用等を指標に採取することができる。採取手段としては、化
学的方法、物理的方法等の公知の精製、単離手段を用いれば良く、ゲルろ過法
分子量分画膜による分画法、溶媒抽出法分留法、イオン交換樹脂順相逆相
の各種クロマトグラフィー法等の従来公知の精製方法を組合せ、加熱処理物中に
生成されたシクロペンテノンを採取することができる。

0066

例えば、ウロン酸としてD−グルクロン酸を使用し、その1%溶液を121℃
で4時間加熱処理することにより、加熱処理物中にシクロペンテノンが生成され
る。この加熱物中のシクロペンテノンを溶媒で抽出し、抽出物を濃縮する。次に
この濃縮物シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、溶出するシクロペ
ンテノン画分を濃縮し、濃縮物からシクロペンテノンをクロロホルムで抽出する
ことにより、加熱処理物中のシクロペンテノンが単離される。

0067

また上記グルクロン酸加熱処理物をイオン交換樹脂カラム、好ましくは陰イオ
交換樹脂カラム処理し、非吸着性画分を集めることによりシクロペンテノンが
精製される。あるいは上記グルクロン酸加熱物を活性炭カラム処理し、非吸着
分の除去、カラム洗浄を行った後、親水性有機溶媒、例えばエタノール水溶液
、好ましくは40%以上のエタノール水溶液で溶出することにより、精製シクロ
ペンテノンを得ることができる。またこれらの方法を組合わせることにより、高
純度のシクロペンテノンを得ることができる。

0068

単離されたシクロペンテノンを光学分割することにより、本発明の(−)−4
,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び(+)−4,5−ジヒ
ドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを得ることができる。当然、合成方法
により得られたシクロペンテノンも本発明により光学分割することができる。

0069

光学活性体の分離はラセミ混合物機械的分割優先晶出法ジアステレオ
ー塩あるいは包接化合物としての結晶化による分割、酵素・微生物による動力学
的分割、クロマトグラフィーによる分割等により行うことができる。

0070

クロマトグラフィーによる分離としては、ガスクロマトグラフィー液体クロ
マトグラフィ、薄層クロマトグラフィー等を用いることができ、それぞれに適し
キラル固定相を使用すればよい。

0071

液体クロマトグラフィーによる光学分割としてはキラル固定相を用いる方法
、キラルな溶離液を用いる方法、ジアステレオマーとしての分離等を用いること
ができる。

0072

キラル固定相としてはアミド系固定相、尿素系固定相、配位子交換型固定相、
多糖・多糖誘導体固定相、タンパク質固定相、ポリメタクリル酸エステル固定相
ポリメタクリルアミド固定相等が使用できる。

0073

溶離液としてはヘキサン系、アルコール系、水(緩衝液)系等が使用でき、上
記固定相との組合せにおいて適宜使用することができる。

0074

本発明で使用するシクロペンテノンの製造方法はいかなる方法でも良く、本発
明で開示の方法で製造しても良く、化学合成法カーボハイドレートリサーチ
Carbohydrate Res.)、第247巻、第217〜222頁(1
993)、ヘルベチカ キミカアクタ(Helvetica Chimica

0075

Acta)、第55巻、第2838〜2844頁(1972)〕で合成しても
良く、シクロペンテノンのトランス体シス体が本発明に使用される。当然、化
学合成法で得られたシクロペンテノンの光学活性体も本発明の光学活性体に包含
される。またウロン酸、ウロン酸誘導体、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を
含有する糖化合物、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有
物から選択される少なくとも1種の物の加熱処理物中に生成するシクロペンテノ
ン、その精製物、その光学活性体も使用することもできる。

0076

シクロペンテノン及びその光学活性体は、例えばヒト前骨髄性白血病細胞HL
−60、ヒト急性リンパ芽球性白血病細胞MOLT−3、肺がん細胞A−549
SV40形質転換肺細胞WI−38VA13、肝がん細胞Hep G2、結腸
がん細胞HCT 116、ヒト結腸がん細胞SW480、ヒト結腸がん細胞Wi
Dr、胃がん細胞AGS、ミエローマ細胞等のがん細胞に細胞増殖抑制作用、制
がん活性を有し、シクロペンテノン及びその光学活性体は制がん剤の有効成分と
して使用することができる。また、これらのがん細胞にアポトーシス誘発作用を
有する。本発明のシクロペンテノン及びその光学活性体のがん細胞増殖抑制作用
機作は本発明をなんら制限するものではないが、例えばがん細胞に対するアポト
ーシス誘発作用も本発明に包含される。

0077

制がん作用を有するシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を有効成分と
し、これを公知の医薬用担体組合せ製剤化すれば制がん剤を製造することがで
きる。制がん剤の製造は一般的には、シクロペンテノン及び/又はその光学活性
体を薬学的に許容できる液状又は固体状の担体と配合し、かつ必要に応じて溶剤
分散剤乳化剤緩衝剤、安定剤、賦形剤結合剤崩壊剤滑沢剤等を加え
て、錠剤顆粒剤散剤粉末剤カプセル剤等の固形剤、通常液剤懸濁剤
乳剤等の液剤であることができる。またこれを使用前に適当な担体の添加によっ
て液状となし得る乾燥品とすることができる。

0078

医薬用担体は、上記投与形態及び剤型に応じて選択することができ、経口剤
場合は、例えばデンプン乳糖白糖マンニット、カルボキシメチルセルロ
ス、コーンスターチ無機塩等が利用される。また経口剤の調製に当っては、更
に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、流動性促進剤、矯味剤着色剤香料
等を配合することもできる。

0079

一方、非経口剤の場合は、常法に従い本発明の有効成分であるシクロペンテノ
ン及び/又はその光学活性体を希釈剤としての注射用蒸留水生理食塩水、ブド
糖水溶液注射用植物油ゴマ油ラッカセイ油ダイズ油トウモロコシ油
、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等に溶解ないし懸濁させ、必
要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤無痛化剤等を加えることにより調製され
る。

0080

本発明の制がん剤は、製剤形態に応じた適当な投与経路投与される。投与方
法も特に限定はなく、内用外用及び注射によることができる。注射剤は、例え
静脈内、筋肉内、皮下、皮内等に投与し得、外用剤には座剤等も包含される。

0081

制がん剤としての投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的及びこれに適
用される患者年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではないが一般に
は製剤中に含有されるシクロペンテノン及び/又はその光学活性体の量が成人
日当り0.1μg〜200mg/kgである。もちろん投与量は、種々の条件に
よって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは
範囲を超えて必要な場合もある。本発明の薬剤はそのまま経口投与するほか、任
意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。

0082

シクロペンテノン及び/又はその光学活性体は制がん作用を有するが、低濃度
ではがん細胞の分化誘導能を有し、シクロペンテノン及び/又はその光学活性体
はがん細胞の分化誘導剤(脱がん剤)としても有用である。シクロペンテノン及
び/又はその光学活性体を有効成分とするがん細胞分化誘導剤は、上記制がん剤
に準じ、製剤化することができ、制がん剤に準じた方法で投与することができる

0083

がん細胞分化誘導剤としての投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的及
びこれに適用される患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではな
いが一般には製剤中に含有されるシクロペンテノン及び/又はその光学活性体の
量が成人1日当り0.1μg〜100mg/kgである。もちろん投与量は、種
々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし
、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。本発明の薬剤はそのまま経口投与す
るほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。

0084

本発明のがん細胞分化誘導剤はがん細胞分化誘導方法に使用することができる
。すなわちシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を有効成分として使用す
ることによりがん細胞を分化させることができ、該方法はがん細胞の分化誘導
構の解明、分化誘導剤のスクリーニング等に有用である。

0085

本発明の抗菌剤はシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を有効成分とし
、これを公知の医薬用担体と組合せ製剤化すれば本発明の抗菌剤を製造すること
ができる。当該製剤の製造は一般的には、シクロペンテノン及び/又はその光学
活性体を薬学的に許容できる液状又は固体状の担体と配合し、かつ必要に応じて
溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を
加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通常液剤、懸濁
剤、乳剤等の液剤とすることができる。またこれを使用前に適当な担体の添加に
よって液状となし得る乾燥品とすることができる。

0086

医薬用担体は、上記投与形態及び剤型に応じて選択することができ、経口剤の
場合は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロー
ス、コーンスターチ、無機塩等が利用される。また経口剤の調製に当っては、更
に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料
等を配合することもできる。

0087

一方、非経口剤の場合は、常法に従い本発明の有効成分であるシクロペンテノ
ン及び/又はそれらの光学活性体を希釈剤としての注射用蒸留水、生理食塩水、
ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコ
シ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等に溶解ないし懸濁させ
、必要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤等を加えることにより調製
される。

0088

本発明の抗菌剤は、製剤形態に応じた適当な投与経路で投与される。投与方法
も特に限定はなく、内用、外用及び注射によることができる。注射剤は、例えば
静脈内、筋肉内、皮下、皮内等に投与し得、外用剤には座剤等も包含される。

0089

抗菌剤としての投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的及びこれに適用
される患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではないが一般には
製剤中に含有されるシクロペンテノン及び/又はその光学活性体の量が成人1日
当り10μg〜20mg/kgである。もちろん投与量は、種々の条件によって
変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を
超えて必要な場合もある。本発明の薬剤はそのまま経口投与するほか、任意の飲
食品に添加して日常的に摂取させることもできる。またシクロペンテノン及び/
又はその光学活性体含有物を抗菌性飲食品の原料として用いても良い。またエタ
ノール、グリシン酢酸ナトリウム、アスコルビン酸、グリセリン脂肪酸エステ
ル、食塩EDTA等の他の抗菌性物質と組合せて使用しても良い。

0090

本発明の抗菌剤はシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を有効成分とし
、食品又は飲料の保存性を向上させる防腐剤として使用することができる。また
、シクロペンテノン及び/又はその光学活性体を食品又は飲料に添加し、食品又
は飲料を防腐する方法に使用することができる。

0091

食品又は飲料に添加する場合のシクロペンテノン及び/又はその光学活性体含
有抗菌剤の形状は、液状、ペースト状、粉末状、フレーク状、顆粒状等いずれの
形状でも良い。取り扱いやすさや、他の添加物と混合して使用することも考えれ
ば、乾燥して粉末状、フレーク状、顆粒状にすることが好ましい。乾燥方法とし
ては、通常の乾燥方法、例えばスプレー乾燥ドラム乾燥式乾燥、真空乾燥
凍結乾燥などで行うことができる。

0092

シクロペンテノン及び/又はその光学活性体の食品又は飲料への添加量は食品
又は飲料の種類により異なり、その目的に応じた量を添加すれば良い。

0093

本発明の抗菌剤の使用方法として、食品又は飲料に適当な方法で添加する方法
が行われる。添加する方法は特に制限はなく、要するに何らかの方法でシクロペ
ンテノン及び/又はその光学活性体が食品又は飲料に含有されれば良い。したが
って、本発明の抗菌剤の使用において、添加とはシクロペンテノン及び/又はそ
の光学活性体を食品又は飲料中に含有させるいかなる方法も含む。通常の方法は
食品又は飲料の製造工程中に添加するが、シクロペンテノン及び/又はその光学
活性体を含有する溶液に食品を一定時間浸漬する方法も用いることができる。更
にまた、食品中に添加する方法と浸漬方法を併用することもできる。浸漬方法に
適する食品としては、水中でも形くずれしない食品、例えば、蒲鉾、ウインナ
セージ等の畜肉練り製品、ゆで麺等の麺類冷凍前の海老魚類等の冷
凍食品などを挙げることができる。

0094

本発明の抗菌剤を防腐剤として用いることにより、食品又は飲料の保存性を一
段と向上させることができる。また冷凍食品冷菓等においては、冷凍前の加工
工程において、汚染した微生物の増殖を抑制することができ、衛生上極めて好ま
しい結果を得ることができる。本発明の抗菌剤はグラム陽性細菌グラム陰性
菌の両方に効果を有し、例えばメチシリン耐性黄色ブドウ球菌等の薬剤耐性菌
サルモネラ菌エンテロトキシン生産性黄色ブドウ球菌嘔吐型のバシルス
ウス下痢型のバシルスセレウス腸出血性大腸菌O−157等の食中毒菌
に極めて有効である。更に火落菌にも有効である。また細菌起因性疾病の起因菌
、例えば在郷軍人病の起因菌のレジオネラニューモフィラ(Legionel
la pneumophila)、食中毒起因菌のビブリオパラハエモリチカ
ス(Vibrio parahaemolyticus)、潰瘍起因菌のヘリ
バクターピロリ(Helicobacter pylori)、胃腸炎起因菌
キャンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejun
i)等、例えばLegionella pneumophila(ATCC33
153)、Vibrio parahaemolyticus(ATCC178
02)、Helicobacter pylori(NCTC11637)、C
ampylobacter jejuni(ATCC29428)等に抗菌作用
を有し、また、酵母、カビ等の微生物にも有効である。特に天然食品由来のシク
ロペンテノン及び/又はその光学活性体を含有する防腐剤は天然由来の食中毒予
防剤、除菌剤として有用性が高い。なお本発明の抗菌剤を用い、衣服敷布等の
殺菌を行うことができ、本発明の抗菌剤を散布すること、本発明の抗菌剤での拭
き取り等により、目的物除菌、殺菌を行うことができる。例えばビル冷房
水に添加することにより、在郷軍人病の予防を行うことができる。

0095

本発明の抗菌剤は虫歯菌歯周病菌にも抗菌活性を示し、本発明の抗菌剤を含
有する口内用剤を提供することができる。口内用剤の形状は液状、ペースト状等
の公知の形状とすることができる。口内用剤としては歯磨剤が例示される。歯磨
剤としては液状でもよく、またペースト状、粉末状でもよく、公知の歯磨剤の形
状とすることができる。歯磨剤中のシクロペンテノン及び/又はその光学活性体
の歯磨剤中の含有量は特に制限されず、虫歯菌や歯周病菌に対する有効濃度が含
有されていればよい。歯磨剤中には公知の添加剤、例えば湿潤剤、界面活性剤、
結合剤、香料、甘味料等を添加すればよい。本発明の歯磨剤の有効成分としては
シクロペンテノン含有物、例えば野菜、果物等の加熱処理物も使用でき、これら
のシクロペンテノン含有の加熱処理物を含有する口内用剤、例えば歯磨剤も本発
明に包含される。

0096

本発明の抗菌剤を使用することにより抗菌性化粧料を提供することができる。
本発明の化粧料としては有効量のシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を
含有するクリーム乳液ローション洗顔料パック等の基礎化粧料口紅
ファンデーション等のメイクアップ化粧料、ポディソープ石鹸等の形態に調製
することができる。また、頭髪に対しても有効であり、ヘアートニックヘアー
リキッドヘアーセットローション、ヘアーブロー剤ヘアークリーム、ヘアー
コート等のヘアー製品シャンプーリンス、ヘアートリートメント等の頭髪用
トイレタリー等のヘアーケアー製品の形態にすることができる。化粧料への配合
量としては通常化粧料100部(重量部、以下同様)中のシクロペンテノン及び
/又はその光学活性体を約10-3〜10部、好ましくは10-2〜1部とすれば良
い。化粧料の他の成分は通常化粧料に配合されるものが使用できる。本発明の化
粧料はアトピー性皮膚炎の起因菌にも有効に作用し、アトピー性皮膚炎の改善、
予防にも著効を有する。

0097

本発明の抗菌剤を使用することにより浴用剤を提供することができる。本発明
の浴用剤としては有効量のシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を含有す
る粉末浴用剤、顆粒浴用剤、固形浴用剤、液状浴用剤等の形態に調製することが
できる。浴用剤への配合量としては通常浴用剤100部(重量部、以下同様)中
のシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を約10〜100部、好ましくは
20〜90部とすれば良く、かくして調製される本発明の浴用剤は、湯200リ
トルに対し通常5〜25グラム添加すれば良い。浴用剤の他の成分は通常浴用
剤に配合されるものが使用できる。本発明の浴用剤はアトピー性皮膚炎の起因菌
にも有効に作用し、アトピー性皮膚炎の改善、予防にも著効を有する。また浴場
からの病因菌の駆除にも有効である。

0098

以上、本発明により、医薬、化粧料、浴用剤として有用な抗菌剤が提供される
。またシクロペンテノン等を含有する食品又は飲料は食中毒、胃腸炎等の改善及
び/又は予防に極めて有用である。

0099

本発明のアポトーシス誘発剤は、アポトーシス誘発性を有するシクロペンテノ
ン及び/又はその光学活性体を有効成分とし、これを上記制がん剤に準じ、製剤
化することができ、制がん剤に準じた方法で投与することができる。

0100

アポトーシス誘発剤としての投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的及
びこれに適用される患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではな
いが一般には製剤中に含有されるシクロペンテノン及び/又はその光学活性体の
量が成人1日当り0.1μg〜100mg/kgである。もちろん投与量は、種
々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし
、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。本発明の薬剤はそのまま経口投与す
るほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。

0101

なおアポトーシスは、病理的細胞死である壊死と異なり、細胞自身の遺伝子に
最初から組込まれている死であると考えられている。すなわち何らかの外部的又
は内部的要因引き金となってアポトーシスをプログラムする遺伝子が活性化さ
れ、この遺伝子を基にプログラム死遺伝子タンパク質が生合成され、生成したプ
ログラム死タンパク質により細胞自体が分解され、死に至ると考えられている。

0102

本発明のアポトーシス誘発剤は、このようなアポトーシスを所望の組織、細胞
発現させることができ、不要若しくは病原細胞を自然の形で生体から排除する
ことが可能となり、極めて有用なものである。

0103

本発明のアポトーシス誘発剤はアポトーシス誘発方法に使用することができる
。すなわちシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を有効成分として使用す
ることによりアポトーシスを誘発させることができ、該方法はアポトーシス誘発
機構の解明、アポトーシス誘発剤、アポトーシス誘発阻害剤のスクリーニング等
に有用である。

0104

本発明の抗菌性食品又は飲料とは、特に限定はないが、例えば穀物加工品(小
麦粉加工品、でんぷん類加工品、プレミックス加工品、麺類、マカロニ類パン
類、あん類、そば類、、ビーフン、はるさめ、包装餅等)、油脂加工品可塑
性油脂、てんぷら油、サラダ油マヨネーズ類ドレッシング等)、大豆加工品
豆腐類味噌納豆等)、食肉加工品ハムベーコンプレスハム、ソーセ
ージ等)、水産製品(冷凍すりみ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、
つみれ、すじ、魚肉ハム、ソーセージかつお節魚卵加工品、水産缶詰、つく
だ煮等)、乳製品原料乳、クリーム、ヨーグルトバターチーズ練乳、粉
乳、アイスクリーム等)、野菜・果実加工品ペースト類ジャム類漬け物
果実飲料野菜飲料ミックス飲料等)、菓子類チョコレートビスケット
類、菓子パン類、ケーキ、餅菓子米菓類等)、アルコール飲料日本酒、中国
酒、ワインウイスキー焼酎ウオッカブランデー、ジン、ラム酒、ビール
清涼アルコール飲料、果実酒リキュール等)、嗜好飲料緑茶紅茶、ウー
ロン茶、コーヒー清涼飲料乳酸飲料等)、調味料しょうゆ、ソース、酢、
りん等)、缶詰・瓶詰め・袋詰め食品飯、釜飯赤飯カレー、その他の
各種調理済み食品)、半乾燥又は濃縮食品(レバーペースト、その他のスプレ
ド、そば・うどんの汁、濃縮スープ類)、乾燥食品即席麺類即席カレー、イ
スタトコーヒー、粉末ジュース、粉末スープ即席味噌汁、調理済み食品、
調理済み飲料、調理済みスープ等)、冷凍食品(すき焼き、茶碗蒸し、うなぎ
ば焼き、ハンバークステーキシュウマイ餃子、各種スティック、フルーツカ
クテル等)、固形食品液体食品(スープ等)、香辛料類等の農産・林産加工品
畜産加工品、水産加工品等が挙げられる。

0105

本発明の食品又は飲料の製造法は、特に限定はないが、調理、加工及び一般に
用いられている食品又は飲料の製造法による製造を挙げることができ、製造され
た食品又は飲料にシクロペンテノン及び/又はその光学活性体が含有されていれ
ば良い。

0106

調理及び加工においては、調理、加工後の(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体
、(b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン
酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される物の加熱
処理物中にシクロペンテノン及び/又はその光学活性体が含有されていれば良い

0107

すなわち調理・加工前、調理・加工時、更には調理・加工後にシクロペンテノ
ン及び/又はその光学活性体を含有する(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(
b)ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及
び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される物の加熱処理
物を添加してもよいし、調理及び加工品やその材料を、シクロペンテノン及び/
又はその光学活性体を含有する(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)ウロ
ン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/又は
ウロン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される物の加熱処理物へ添加
し、該加熱処理物中のシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を希釈しても
よい。

0108

次に食品又は飲料の製造においては、任意の工程で、加熱処理を行い、加熱処
理物中にシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を含有させれば良く、シク
ロペンテノン及び/又はその光学活性体を含有する加熱処理物を添加してもよい
。また食品又は飲料やその原料をシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を
含有する加熱処理物へ添加し、該加熱処理物中のシクロペンテノン及び/又はそ
の光学活性体を希釈してもよい。また、添加は1回又は数回に渡って行ってもよ
い。したがって、簡便に新規な生理作用を示す食品又は飲料を製造することがで
きる。また製造時において(a)ウロン酸又はウロン酸誘導体、(b)ウロン酸
及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物、(c)ウロン酸及び/又はウロ
ン酸誘導体を含有する糖化合物含有物から選択される物を含有せしめ、製造時に
おいて生成した加熱処理物中のシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を構
成成分とする食品又は飲料も本発明に包含される。いずれの工程を経た場合も、
シクロペンテノン及び/又はその光学活性体を含有、添加及び/又は希釈してな
る食品又は飲料は本発明の食品又は飲料と定義される。

0109

生理作用を有するシクロペンテノン及び/又はその光学活性体の食品中の含有
量は特に制限されず、その官能と制がん性、抗菌性等の生理活性の点より適宜選
択できるが、例えばシクロペンテノン及び/又はその光学活性体の含有量は食品
100部当り5×10-6部以上、食品としての官能、生理作用の面からは好まし
くは10-6〜5部、更に好ましくは10-4〜2部である。

0110

また、生理作用を有するシクロペンテノンの飲料中の含有量は特に制限されず
、その官能と制がん性、抗菌性等の生理活性の点より適宜選択できるが、例えば
シクロペンテノンの含有量は飲料100部当り5×10-6部以上、飲料としての
官能、生理作用の面からは好ましくは10-5〜5部、更に好ましくは10-4〜2
部である。

0111

本発明の食品又は飲料としては、制がん性、抗菌性等の生理作用を有するシク
ロペンテノン及び/又はその光学活性体が含有、添加及び/又は希釈されていれ
ば特にその形状に限定は無く、タブレット状、顆粒状、カプセル状ゲル状、ゾ
ル状等の形状の経口的に摂取可能な形状物も包含する。

0112

以上、本発明に使用するシクロペンテノン及びその光学活性体は、安価に製造
でき、その種々の生理的機能により、食品又は飲料の添加剤として使用すること
により、食品又は飲料に簡便に種々の生理的機能、抗菌力、アポトーシス誘発作
用、制がん作用等を付与することができ、本発明のシクロペンテノン及びその光
学活性体は食品又は飲料への添加剤として極めて有用である。

0113

本発明に使用するシクロペンテノン及びその光学活性体の製造方法はいかなる
方法でも良く、本発明で開示の方法で製造しても良く、化学合成方法で合成して
も良い。すなわち、シクロペンテノン及び/又はその光学活性体を含有する食品
又は飲料、抗菌剤、制がん剤、がん細胞分化誘導剤、アポトーシス誘発剤はすべ
て本発明に包含される。またシクロペンテノン及び/又はその光学活性体を有効
成分として使用するがん細胞分化誘導方法及びアポトーシス誘発方法はすべて本
発明に包含される。

0114

本発明のシクロペンテノン及びその光学活性体は100mg/kgの経口投与
マウスに毒性は認められない。

0115

以上、シクロペンテノン及びその光学活性体は、安価に簡便に製造でき、その
種々の生理的機能により、医薬、食品等の広い分野において極めて有用な化合物
である。
実施例

0116

本発明を以下の実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例に何ら限定されるものではない。なお、実施例における%及び部は特記しない
限り重量による。
実施例 1

0117

(1)市販のリンゴ製ペクチンを1%になるように水に溶解し、還流冷却器
取り付けたナス型フラスコに入れて110〜120℃に設定した油浴中18時間
、42時間、及び66時間加熱した。加熱中のペクチン溶液の温度は100〜1
02℃であった。

0118

上記ペクチン溶液を遠心して沈殿を除き、その上清を3倍及び10倍に水で希
釈した試料を調製した。次に該加熱処理物をNaOHでpH7.0に調整した後
、ヒト前骨髄性白血病細胞HL−60細胞(ATCCCCL−240)に対す
る細胞増殖抑制作用を以下に記載のMTT法で測定した。

0119

すなわち希釈した試料10μlと56℃、30分間処理した牛胎児血清ギブ
コ社製)を10%含むRPMI1640培地(日水社製)にて37℃で培養した
5000個のHL−60細胞を含むRPMI1640培地100μlを96穴
イクロタイタープレートウェルに添加し、5%炭酸ガス存在下37℃で48時
間培養後、5mg/mlの3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2
,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT;シグマ社製)リン酸緩衝
塩水溶液10μlを加えて更に4時間培養を続けた後、顕微鏡で細胞の生育状態
を観察した。また、0.04NHCl含有2−プロピルアルコール100μl
を加えて良く攪拌し、590nmにおける吸光度を測定してこれを細胞増殖度
した。

0120

その結果、18時間加熱ペクチンの3培希釈液添加区分、42時間及び66時
間加熱ペクチンの3倍、10倍希釈液添加区分において生細胞は観察されず、こ
れらの希釈液濃度において100℃加熱ペクチンは細胞増殖抑制活性を示した。

0121

一方、18時間加熱ペクチンの10倍希釈液添加区分ではほぼすべての細胞が
生細胞であったが、対照水添加区分と比べて590nmにおける吸光度は低か
った。

0122

(2)100℃で18〜66時間加熱したペクチン200μlに200μlの
メタノールを加えて混合後遠心を行い、上清200μlを減圧下濃縮乾固した。
これを10μlの50%メタノール水溶液に溶解し、1μlをシリカゲル60シ
ートF(メルク社製)にスポットした後、展開溶媒酢酸ブチル酢酸蒸:蒸留
水=3:1:1の上層)で展開した。展開し終えた薄層シリカゲルを乾燥後、A
gNO3−NH3溶液(0.1M AgNO3と5N NH3の等量混合物)を噴
霧し、加熱することにより、スポットを検出した。その結果、Rf値約0.3付
近のスポットが18時間加熱したペクチンで現れ、42時間加熱したペクチンで
は18時間加熱したペクチンよりも増加しており、66時間加熱したペクチンで
は42時間加熱したペクチンと同程度の量であった。

0123

(3)実施例1−(1)記載の100℃で66時間加熱したペクチン1mlに
メタノール1mlを加えて混合し、遠心によって上清を得た。この上清を減圧
濃縮乾固し、100μlのメタノールに懸濁した。この懸濁液を遠心して不溶物
を除き、上清をシリカゲル60シートF254にスポットし、実施例1−(2)に
記載の溶媒で展開した。薄層の一部を切り取って実施例1−(2)に記載の方法
で発色させてRf値約0.3付近のスポットが出現することを確認し、このRf
値に相当する部分のシリカゲルを未発色の薄層からかき取った。

0124

かき取ったシリカゲルから1mlのメタノールで3回抽出し、減圧下濃縮乾固
してRf値約0.3付近のスポットを単離した。この乾固物を250μlの水に
溶解し、更に水で10倍に希釈した液10μlを試料として実施例1−(1)記
載のMTT法でHL−60細胞に対する細胞増殖抑制活性を測定した。

0125

その結果、水を添加したウェルではほとんどの細胞が生育していたのに対して
本希釈液を添加したウェルでは生細胞が見られなかった。すなわち、このかき取
り区分のがん細胞増殖抑制作用を確認した。

0126

(4)実施例1−(3)で単離したRf値約0.3付近のがん細胞増殖抑制
質の質量分析をDX302質量分析計日本電子社製)を用いて行った。また、
重クロロホルム溶媒を用いて核磁気共鳴法(NMR)によって構造を解析した。
核磁気共鳴装置はJNM−A500(日本電子社製)を用いた。その結果を以下
に示す。
FAB−MS m/z 115〔M+H〕+
マトリックスとしてグリセロールを用いた。
1H−NMR(CDCl3)

0127

δ4.20(1H,d,J=2.4Hz,5−H)、4.83(1H,m,4
−H)、6.30(1H,dd,J=1.2,6.1Hz,2−H)、7.48
(1H,dd,J=2.1,6.1Hz,3−H)

0128

但し、1H−NMRの化学シフト値はCHCl3の化学シフト値を7.26pp
mとして表した。

0129

これらの値はアハマド(T. Ahmad)ら〔カーボハイドレートリサー
チ(Carbohydrate Res.)第247巻、第217−222頁(
1993)〕が報告しているトランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペン
テン−1−オンの数値と一致した。

0130

図1にそのマススペクトルを示し、その縦軸相対強度(%)、横軸はm/
z値を示す。

0131

図2にその1H−NMRスペクトルを示し、その縦軸はシグナルの強度、横軸
は化学シフト値(ppm)を示す。
実施例 2

0132

(1)25gのアルギン酸(非膨潤性和光純薬社製)を475mlの水に懸
濁し、121℃で2時間加熱した後、遠心によって得た上清を0.22μmのメ
ブレフィルターでろ過し、ろ液を20mlになるまで減圧下濃縮した。これ
に180mlのエタノールを加えて混合後、−20℃で1時間放置し、遠心によ
って上清を得た。この上清を減圧下20mlまで濃縮し、180mlのアセト
トリルを加えた後、遠心によって得た上清を減圧下20mlまで濃縮し、再び1
80mlのアセトニトリルを加えて遠心し、その上清を減圧下15mlまで濃縮
した。 4mlの上記濃縮液を減圧下約400μlまで濃縮した後、酢酸ブチル
:酢酸:水=3:2:2混合液の上層を等量加えて攪拌して遠心上清を集めると
いう操作を繰り返し、8mlの抽出液を得た。

0133

4mlの上記抽出液をカラムクロマトグラフィー用シリカゲルBW−300S
P(2x28cm、富士シリシア化学社製)にアプライし、酢酸ブチル:酢酸:
水=3:2:2の上層を溶離液としてコンプレッサーで0.18kg/cmに加
圧し、毎分約5mlの流速で分離を行った。1画分当り6〜7mlになるように
フラクショネーションを行い、各画分の一部をとって薄層クロマトグラフィーで
分析したところ31番から35番までの画分に高純度のシクロペンテノンが含ま
れており、35mgのシクロペンテノンを得た。

0134

この画分をパルパックタイプSカラムを用いた順相HPLCで分離し、215
nmの紫外部吸収で検出したところ、純度は95.8%であった。

0135

(2)実施例2−(1)で調製したシクロペンテノンを用い、2.86mM、
955μM、318μM、106μM、35μM、12μM、及び0.18μM
のシクロペンテノン水溶液を調製した。次に該加熱処理物をNaOHでpH7.
0に調整した後、HL−60細胞に対するアポトーシス誘発活性を次のように測
定した。

0136

56℃、30分間処理した牛胎児血清を10%含むRPMI1640培地にて
37℃で培養したHL−60細胞を10%牛胎児血清含有RPMI1640培地
にて5.8×104個/1.35mlとなるように懸濁した。

0137

この懸濁液1.35mlに対し、前記シクロペンテノン溶液を0.15ml添
加し、37℃、5%二酸化炭素存在下で20時間培養した。

0138

その結果、培養20時間後において106μM以上のシクロペンテノンを添加
した区分(終濃度10.6μM)では生細胞数及び細胞生残率の低下が見られ、
35μM シクロペンテノンを添加した区分(終濃度3.5μM)ではアポトー
シス誘発によるDNAの低分子化と細胞形状の変化(核の凝縮、細胞の縮小、ア
ポトーシス小体の形成)が見られた。

0139

その結果を図3に示す。すなわち図3はHL−60細胞の培養液に様々な濃度
のシクロペンテノンを添加したときの培養時間と生細胞数の関係を示す図であり
、横軸は培養時間(時間)、縦軸は培養液中の生細胞数(×104個/1.5m
l)を示す。

0140

図3中において白四角印(□)は試料無添加(対照)、白ひし形印(◇)は2
.86mMシクロペンテノン添加区分、白丸印(○)は955μMシクロペ
ンテノン添加区分、白三角印(△)は318μM シクロペンテノン添加区分、
黒四角印(■)は106μM シクロペンテノン添加区分、黒ひし形印(◆)は
35μM シクロペンテノン添加区分、黒丸印(●)は12μM シクロペンテ
ノン添加区分をそれぞれ示す。
実施例 3

0141

(1)10gのD-グルクロン酸(シグマ社製 G 5269)を1リットル
水に溶解し、121℃で4時間加熱した後約10mlになるまで減圧下濃縮した
。これに酢酸ブチル:酢酸:水=3:2:2混合液の上層40mlを加えて混合
後、遠心によって得た上清を減圧下約10mlまで濃縮した。

0142

上記抽出液をカラムクロマトグラフィー用シリカゲルBW−300SP(2×
28cm、富士シリシア化学社製)にアプライし、酢酸ブチル:酢酸:水=3:
2:2の上層を溶離液としてコンプレッサーで0.2kg/cmに加圧し、毎分
5mlの流速で分離を行った。1画分当り10mlになるようにフラクショネー
ションを行い、各画分の一部をとって薄層クロマトグラフィーで分析したところ
61番から80番までの画分に高純度のシクロペンテノンが含まれていた。これ
らの画分を集めて減圧下濃縮した後40mlのクロロホルムで抽出し、抽出液を
減圧下濃縮することによって100mgのシクロペンテノンを得た。

0143

この画分をパルパックタイプSカラムを用いた順相HPLCで分離し、215
nmの紫外部吸収で検出したところ、純度は98%であった。

0144

(2)上記シクロペンテノンの質量分析をDX302質量分析計を用いて行っ
た。また、重クロロホルム溶媒を用いたNMRによって構造を解析した。核磁気
共鳴装置はJNM−A500を用いた。比旋光度DIP−370型旋光計(日
分光社製)、UV吸収スペクトルはUV−2500分光光度計島津製作所社
製)、赤外吸収スペクトル(IR)はFTIR−8000赤外分光光度計(島津
製作所社製)をそれぞれ用いた。質量分析、NMRは実施例1−(4)と同一の
結果であった。他の結果を示す。

0145

旋光度:[α]D20 0°(c1.3,水)

0146

IR(KBr法):3400、1715、1630、1115、1060、1
025cm-1に吸収を有する。

0147

UV:λmax215nm(水)

0148

図4にそのIRスペクトルを示し、その横軸は波数(cm-1)、縦軸は透過率
を示す。

0149

図5にそのUV吸収スペクトルを示し、その横軸は波長(nm)、縦軸は吸光
度を示す。
実施例 4

0150

1%のD-グルクロン酸(シグマ社製 G 5269)水溶液を121℃で4時
間加熱し、1N NaOHでpHを7に調整した。5mlの本試料を水で平衡化
したハイトラップQカラム(5ml;ファルマシア社製)にアプライし、25m
lの水でカラムを洗浄した。最初にカラムから溶出してきた5mlをP0画分、
番目に溶出してきた5mlをP1画分、3番目に溶出してきた10mlをP2
画分、最後に溶出してきた10mlをP3画分とした。次に25mlの0.5M
酢酸で溶出を行った。最初にカラムから溶出してきた5mlをE0画分、2番目
に溶出してきた5mlをE1画分、3番目に溶出してきた5mlをE2画分、最
後に溶出してきた10mlをE3画分とした。

0151

各画分の一部をとって薄層クロマトグラフィーで分析したところシクロペンテ
ノンはP1画分に含まれており、本画分に定量的に回収されていた。ハイトラッ
プQカラムで精製する前に含まれていた未反応のグルクロン酸と反応生成物であ
るレダクチン酸はP1画分には見られなかった。
実施例 5

0152

(1)実施例3−(1)記載のシクロペンテノン精製標品を0.67mg/mlとなる
ように水に溶解した。また、n-オクタコサン(ナカライテスク社製)を1mg/mlと
なるようにn-ヘキサン(ナカライテスク社製)に溶解した。チューブ5本に対し
て、n-オクタコサン溶液は100μl(100μg)ずつ、シクロペンテノン水溶液は各
々15μl(10μg)、45μl(30μg)、90μl(60μg)、135μl(90μg)、180μ
l(120μg)加えた。各々のチューブを減圧下乾燥し、トリメチルシリル化溶液
[N,O-ビストリメチルシリル)−アセトアミド(ナカライテスク社製);トリ
メチルクロロシラン(ジーエルサイエンス社製):ピリジンピアス社製)=4
:1:1の混合液)]を100μlずつ加え、完全に溶解した。

0153

2.1m×3.2mmφのガラスカラム(島津社製)に2% 0V17 Uniport HP 60/80
mesh(ジーエルサイエンス社製)を充てんしたものを、ガスクロマトグラフ装置
GC-7AG(島津社製)によりキャリアーガスN2で20ml/分の流速で15時間空焼きを
行った。

0154

このガスクロマトグラフシステムで、上記各トリメチルシリル化試料を1μlア
プライした。分析条件は以下に示すとおりである。
キャリアーガス:N2
流速:50ml/分
注入口温度:280℃
初期温度:80℃、4分
昇温:8℃/分
最終温度:270℃
検出 :水素炎イオン化検出装置

0155

この結果、シクロペンテノンは保持時間およそ9.7分のところに、n-オクタ
サンは保持時間およそ26.7分のところに単一でピークが検出できた。このときに
得られた各ピークの面積は以下に示すとおりである。

0156

このようにして得られたシクロペンテノン量に対するシクロペンテノンのピー
ク面積(a)/n-オクタコサンのピーク面積(b)をグラフに表すと図6のように
表される。すなわち図6はシクロペンテノンの検量線を示す図であり、縦軸はシ
クロペンテノンのピーク面積とn−オクタコサンのピーク面積の比を、横軸はシ
クロペンテノン量(μg)を示す。

0157

すなわちシクロペンテノン量が未知の試料に対してn-オクタコサンを100μg
加え減圧下乾燥後、トリメチルシリル化し、上記方法に従いガスクロマトグラフ
で分析して、シクロペンテノンのピーク面積/n-オクタコサンのピーク面積の値
(y)を求めることにより、シクロペンテノン量が定量できる。

0158

(2)1%(重量%)の濃度に調製したグルクロン酸(ナカライテスク社製)
水溶液を120℃、4時間オートクレーブで加圧加熱した。これを100μl(グルク
ロン酸1mg相当)チューブにとりn-オクタコサンを100μg加え減圧下乾燥後、ト
メチルシリル化した。これを上記方法に従い、ガスクロマトグラフで分析した
ところ図7に示すようなパターンが得られた。すなわち図7はグルクロン酸加熱
処理物のガスクロマトグラフ結果を示す図であり、縦軸は検出強度を示し、横軸
は保持時間(分)を示す。シクロペンテノンは保持時間およそ10.2分[ピーク(
a)〕のところに、n-オクタコサンは保持時間およそ27.8分〔ピーク(b)〕のと
ころに単一でピークが検出される。

0159

この結果、以下に示すとおりとなり、グルクロン酸の加熱処理によるシクロペ
ンテノンへの変換率モル換算で約15%となった。

0160

シクロペンテノンのピーク面積(a) :203,794

0161

n-オクタコサンのピーク面積(b) :305,444

0162

(a)/(b) :0.6672

0163

シクロペンテノン量(μg) :88.4
実施例 6

0164

市販のグルクロノラクトン(メルク社製 code No.100282)を1%になるよ
うに水に溶解し、121℃で0.5時間、1時間、2時間、4時間、又は16時
間加熱した。本加熱処理液を上記実施例5−(1)記載の方法に従ってトリメチ
ルシリル化し、ガスクロマトグラフで分析した。

0165

分析結果を以下に示す。

0166

この結果、グルクロノラクトンの加熱処理によるシクロペンテノンへの変換率
は加熱16時間処理においてモル換算で約20%であった。

0167

また実施例3−(1)に記載の方法に準じ、上記グルクロノラクトンの16時
加熱処理液より精製シクロペンテノンを得た。
実施例 7

0168

市販のキャベツ100gに100mlの水を加え、ミキサーで粉砕した。5m
lのプロテイナーゼK(20mg/ml;宝酒造社製、9033)を添加して5
0℃で1時間反応させた後、ろ過してその残渣を1.5リットルの水で洗浄した
。洗浄した残渣に100mlの水を加えてpH6.5の懸濁液を得、これを12
1℃で2時間加熱した後、ろ過することによりpH4.7のろ液を得た。このろ
液を減圧下14mlまで濃縮し、36mlのメタノールを添加して混合後、40
00×gで10分間遠心して上清を得た。この上清を減圧下濃縮して3.5ml
の濃縮液を得た。

0169

この濃縮液100μl中に含まれるシクロペンテノン量を実施例5−(1)に
記載の方法で測定したところ、24.9μgであった。ミキサーによる粉砕後、
プロテイナーゼK処理と水洗による除タンパク処理を行わず、そのまま加熱した
場合にはシクロペンテノンの生成が認められなかった。このことから、100g
のキャベツをプロテイナーゼK処理と水洗による除タンパク後に、上記条件で加
熱することにより0.87mgのシクロペンテノンが生成していることが明らか
になった。

0170

次に実施例3−(1)の方法に準じてこの濃縮液からシクロペンテノンを精製
、単離した。
実施例 8

0171

(1)ペクチン(リンゴ製、和光純薬社製)の1%水溶液8mlに1.36単
位、0.68単位、又は0.14単位のペクチナーゼ(8.1単位/mg蛋白
シグマ社製、P9932)を加え、25℃で1晩放置した。これらの酵素反応
物、及び酵素反応物の遠心上清、にHClを加えてpH3に調製した後121
℃で4時間加熱して加熱処理物を得た。加熱処理物中に含まれるシクロペンテノ
ンを実施例5−(1)記載の方法に従ってトリメチルシリル化し、加熱処理物中
のシクロペンテノン量をガスクロマトグラフで測定した。

0172

その結果を表1に示す。

0173

この結果、ペクチンをペクチナーゼ処理によって加水分解してから加熱処理を
行った場合、加熱処理のみを行った場合に比べてシクロペンテノン生成量は25
〜75%上昇した。

0174

(2)1gのアルギン酸(非膨潤性;和光純薬社製)を100mlの0.1
N HCl又は0.1M Na2CO3に懸濁又は溶解し、95℃で15時間加
熱した後、には粉末Na2CO3、には6N HClを加えてpHを2.7に
調整した。一方、1gのアルギン酸を100mlの水に懸濁したもの(pH2
.7)と1gのアルギン酸を100mlの0.1M Na2CO3に溶解した後
6N HClでpH2.7に調整したものを調整した。〜を121℃で4時
間加熱したもの(試料〜試料と呼ぶ)に含まれるシクロペンテノン量を以下
の方法で測定した。

0175

試料〜試料に含まれる不溶物を遠心分離によって除き、上清10μlをT
SKgel G2000PWカラム(7.5mm×30cm;東ソー社製)を
用いたゲルろ過HPLCによって分析した。なお、移動相は水、流速は1ml/
分、カラム温度は40℃とし、215nmにおける吸光度で検出した。標準物質
としては実施例3−(1)記載の精製シクロペンテノンを用い、内部標準物質
して2−シクロペンテン−1−オン(アルドリッチ社)を用いた。

0176

その結果、試料には414μg/ml、試料には279μg/ml、試料
には289μg/ml、試料には296μg/mlのシクロペンテノンが含
まれていることが明らかになった。すなわち、121℃で4時間加熱した試料
に比べて、121℃、4時間加熱の前に0.1N HCl中で95℃、15時間
加熱した場合に1.43倍のシクロペンテノンが生成した。

0177

各試料より、実施例3−(1)記載の方法で精製シクロペンテノンを調製した

0178

(3)市販の50gのおからに120mlの水を加えて室温で2時間振とう
、遠心分離とろ過によって固形物を除いた。50mlのろ液に1N H2SO4を
加えてpH2に調整し、121℃で4時間加熱して試料を得た。

0179

100gのおからに300mlのアセトンを加えて攪拌し、ろ過によって55
gの残渣を得た。27.5gの残渣を1リットルの水で洗浄し、水を加えて15
0mlとした後、1N H2SO4を加えてpH2に調整し、121℃で4時間加
熱して試料を得た。

0180

アセトン処理の残渣の残り27.5gを200mlの水に懸濁し、プロテイ
ーゼK(20mg/ml、宝酒造社製)500μlを加えて50℃で2時間反応
させた。反応物を1リットルの水で洗浄し、水を加えて180mlとした後、1
N H2SO4を加えてpH2に調整し、121℃で4時間加熱て試料を得た。
試料〜をろ過して得たろ液を減圧下約10mlまで濃縮して4倍量のアセト
ンを加え、遠心して上清を得た。これらの上清を更に減圧下濃縮し、試料から
は5.5ml、試料からは3.8ml、試料からは3.0mlの濃縮液を得
た。これらの濃縮液に含まれるシクロペンテノン量を実施例8−(2)記載の方
法で測定した。

0181

その結果、いずれも50gのおからから出発して、試料では0.54mg、
試料では2.79mg、試料では3.98mgのシクロペンテノンが生成し
ていた。また、試料〜調製途中の121℃、4時間加熱前の試料のいずれに
もシクロペンテノンは含まれなかった。従ってプロテイナーゼ処理によって除タ
ンパクすることにより、シクロペンテノン生成量は約40%増加した。

0182

試料〜の各試料より、実施例3−(1)記載の方法で精製シクロペンテノ
ンを調製した。

0183

50gのおからを200mlの水に懸濁し、6N HClでpH1.5に調整
した後、50℃で3時間加熱した。NaOHでpH5.0に調整し、ろ過によっ
てろ液を得た。このろ液を6N HClでpH2.05に調整し、121℃で4
時間加熱した。これを試料とする。試料に含まれるシクロペンテノン量を実
施例8−(2)記載の方法で測定した。

0184

その結果、50gのおからから5.0mgのシクロペンテノンが生成していた
。なお121℃、4時間加熱前の濾液にはシクロペンテノンは含まれなかった。

0185

(4)市販のアップルファイバー乾燥粉末、ニチロ社製)に以下の処理を行
った。

0186

アップルファイバー0.5gを50mlの水に懸濁し、121℃で4時間加熱
した。遠心によって37mlの上清を得た。これを試料とする。

0187

アップルファイバー5gを50mlの水に懸濁し、121℃で4時間加熱した
。遠心によって20mlの上清を得た。これを試料(10)とする。

0188

アップルファイバー5gを50mlの水に懸濁して室温で2時間振とうし、そ
の遠心上清を121℃で4時間加熱した。遠心によって25mlの上清を得た。
これを試料(11)とする。

0189

試料(11)調製時の室温での2時間振とう後の遠心によって得られた沈殿を50
mlの水に懸濁し、121℃で4時間加熱した。遠心によって31mlの上清を
得た。これを試料(12)とする。

0190

試料〜(12)に含まれるシクロペンテノン量を実施例8−(2)記載の方法で
測定した。

0191

その結果、試料には14.8μg/ml、試料(10)には76.3μg/ml
、試料(11)には54.0μg/ml、試料(12)には34.2μg/mlのシクロ
ペンテノンが含まれていた。また、試料の121℃、4時間加熱前の試料には
シクロペンテノンは含まれていなかった。したがって、アップルファイバー1g
から、試料の製造方法では1.09mg、試料(10)の製造方法では0.305
mg、試料(11)の製造方法では0.270mg、試料(12)の製造方法では0.2
12mgのシクロペンテノンが生成した。

0192

試料〜(12)の各試料より、実施例3−(1)記載の方法により精製シクロペ
ンテノンを調製した。
実施例 9

0193

市販の煎茶の葉、焙じ茶の葉、烏竜茶の葉、又は紅茶の葉2gに100mlの
水を加えてミキサーで粉砕し、1N硫酸でpH3に調整し、121℃で16時間
加熱した。これらの加熱処理物に含まれるシクロペンテノン量を実施例8−(2
)に記載のゲル濾過HPLC法によって測定した。この結果、煎茶からは0.1
9mM、焙じ茶からは0.28mM、烏竜茶からは0.34mM、紅茶からは0
.12mMのシクロペンテノンが生成していた。これらの原料はその製造過程
おいて乾式加熱処理を受けており、シクロペンテノンが効率よく生成した。
実施例 10

0194

ペクチン(和光純薬工業株式会社製 code 167-00542)、アルギン酸(非膨潤
性:和光純薬工業株式会社製 code 011-13341)、D-α-ガラクツロン酸(ナカ
ライスク社製 code 165-18)、及びD-グルクロン酸(ナカライテスク社製cod
e 169-28)をそれぞれ1%になるように蒸留水に溶解し、各溶液を調製した。更
に、ペクチンは、1N酢酸水溶液に溶解した溶液も調製した。

0195

ペクチンの1%水溶液のpHはpH3.4であった。ペクチンの1%酢酸溶液
のpHはpH2.6であった。ガラクツロン酸水溶液の加熱前のpHはpH2.
5であった。グルクロン酸水溶液の加熱前のpHはpH2.4であった。アルギ
酸水溶液の加熱前のpHはpH3.3であった。

0196

次に、これらの1%溶解液を121℃で2、4、16時間の加熱処理を行い、
各々の加熱処理物をNaOHでpH7に調整した後、0.22μmのフィルター滅菌
を行い、シクロペンテノン生成量測定試料を調製した。

0197

シクロペンテノンはシリカゲルシート60F254(メルク社製)上にスポット
した後、展開溶媒(酢酸ブチル:酢酸:蒸留水=3:1:1の上層)で展開し、
展開し終えた薄層シリカゲルを乾燥後、AgNO3−NH3溶液(0.1M Ag
NO3と5N NH3の等量混合物)を噴霧し、加熱することにより、Rf値約0
.3付近のスポットとして検出される。

0198

上記シクロペンテノン生成量測定試料の2倍、5倍、10倍、20倍、50倍
、100倍希釈液を調製し、その希釈液のTLCを上記の方法で行った。なお、
ペクチンの1%水溶液の2時間加熱処理物の2倍希釈物のシクロペンテノンの生
成量を1単位とし、各加熱処理物のシクロペンテノン生成量を測定した。その結
果を表2に示す。

0199

各試料において加熱時間の増加とともにシクロペンテノンの生成量の増加が認
められ、ガラクツロン酸水溶液の加熱処理物においては30分後に1単位、1時
間後には5単位、グルクロン酸水溶液の加熱処理物においては3分後に5単位、
1時間後に10単位のシクロペンテノンの生成が認められた。
実施例 11

0200

(1)市販のグルクロノラクトン(メルク社製 code No.100282)を1%に
なるように水に溶解し、121℃で0.5時間、1時間、2時間、4時間、又は
16時間加熱した。本加熱処理液を実施例5−(1)記載の方法に従ってトリメ
チルシリル化し、生成するシクロペンテノン量をガスクロマトグラフで分析した

0201

測定結果を表3に示す。

0202

この結果、グルクロノラクトンの加熱処理によるシクロペンテノンへの変換率
は加熱16時間処理においてモル換算で約20%であった。

0203

また上記実施例3−(1)記載の方法に準じ、上記グルクロノラクトンの16
時間加熱処理液よりシクロペンテノンを精製、単離した。

0204

(2)上記グルクロノラクトンを1%、2%、5%、10%、又は20%にな
るように水に溶解し、121℃で4時間加熱した。本加熱処理液を実施例5−(
1)記載の方法に従ってトリメチルシリル化し、生成するシクロペンテノン量を
ガスクロマトグラフで測定した。

0205

測定結果を表4に示す。

0206

この結果、グルクロノラクトンの加熱処理によるシクロペンテノンへの変換率
は0.1%グルクロノラクトン水溶液を用いた場合、モル換算で約23%であっ
た。

0207

(3)上記グルクロノラクトンの1%水溶液のpHをHCl又はNaOHでp
H1、2、3、又は4.5に調整し、121℃で4時間加熱した。本加熱処理液
を実施例5−(1)記載の方法に従ってトリメチルシリル化し、生成するシクロ
ペンテノン量をガスクロマトグラフで測定した。

0208

測定結果を表5に示す。

0209

この結果、グルクロノラクトンの加熱処理によるシクロペンテノンへの変換率
はpH4.5の場合、モル換算で約19%であった。

0210

(4)1%ガラクツロン酸水溶液のpHをHCl又はNaOHで1、2、3、
4、5、6、又は7に調整し、121℃で4時間加熱した。本加熱処理液を実施
例5−(1)記載の方法に従ってトリメチルシリル化し、生成するシクロペンテ
ノン量をガスクロマトグラフで測定した。

0211

測定結果を表6に示す。

0212

この結果、ガラクツロン酸の加熱処理によるシクロペンテノンへの変換率はp
H2の場合、モル換算で約11%であった。

0213

(5)アルギン酸(非膨潤性)の1%水懸濁液のpHをHCl又はNaOHで
1、2、3、又は4に調整した。また、アルギン酸(非膨潤性)を1%濃度で0
.1M酢酸緩衝液に溶解してpH5に調整したもの、0.1Mリン酸緩衝液に溶
解してpH6又は7に調整したものを作製した。これらを121℃で4時間加熱
した。本加熱液に含まれるシクロペンテノン量を以下に示す条件のゲル濾過HP
LC法によって測定した。

0214

カラム:TSKgel α−2500(7.8×800mm:東ソー社製)

0215

カラム温度:40℃

0216

移動相:0.01%トリフルオロ酢酸水溶液

0217

流速:1ml/分

0218

検出:215nmにおける吸光度

0219

実施例3−(1)で調製した精製シクロペンテノンを標準物質として、10.
0分付近に溶出されてくるシクロペンテノンのピーク面積を測定することにより
シクロペンテノン濃度を決定した。

0220

その結果を表7に示す。

0221

この結果、アルギン酸(非膨潤性)の加熱処理によるシクロペンテノンへの変
換率はpH3の場合、約2.3%であった。
実施例 12

0222

ポモシンペクチンタイプLM−13CGハーキュリーズ社製)、アルギニッ
アシッドFD(大日本製薬社製)、D−グルクロン酸(ナカライテスク社製
)及びグルクロノラクトン(メルク社製)を1%となるように水に溶解又は懸濁
し、30℃、60℃、95℃、121℃又は132℃で16時間加熱した。この
加熱処理物のシクロペンテノンを実施例5−(1)記載の方法に従ってトリメチ
ルシリル化し、加熱処理物中のシクロペンテノン生成量をガスクロマトグラフで
測定した。その結果を表8に示す。
実施例 13

0223

(1)コンドロイチン硫酸A生化学工業社製)、コンドロイチン(ナトリウ
ム塩、生化学工業社製)、デルマタン硫酸(ナトリウム塩セルビオ社製)、ヘ
パリン(ナトリウム塩、和光純薬社製)、又はヒアルロン酸(生化学工業社製)
を1%になるように水に溶解し、1N HClでpH3に調整した。これらを1
21℃で4時間又は16時間加熱することによって加熱処理液を調製した。

0224

(2)実施例13−(1)で調製したコンドロイチン硫酸A、コンドロイチン
、デルマタン硫酸、またはヘパリンの各加熱処理液100μlをn−オクタコサ
ン(ナカライテスク社製)のn-ヘキサン(ナカライテスク社製)溶液(1mg/
ml)100μlと混合し、減圧下乾燥した。これに100μlの上記トリメチ
ルシリル化溶液を加えて完全に溶解し、実施例5−(1)記載の方法で加熱処理
物中のシクロペンテノン量を分析した。

0225

その結果を表9に示す。

0226

(3)100μlのヒアルロン酸加熱液を減圧下乾燥した後、10μlのメタ
ノールに懸濁し、遠心によって不溶物を除いた。遠心上清1μlをシリカゲルシ
ート60F254(メルク社製)にスポットして酢酸ブチル:酢酸:水=3:2:
2の上層を展開溶媒として薄層クロマトグラフィー(TLC)を行った。展開後
オルシノール−硫酸法によって発色させ、シクロペンテノン標準物質のスポ
トと比較した。その結果、ヒアルロン酸4時間加熱物中にシクロペンテノンの生
成が見られ、16時間加熱物中では更に増加していた。
実施例 14

0227

デルマタン硫酸1gを100mlの水に溶解して1N HClでpH3に調整
し、121℃で16時間加熱し加熱処理液を調製した。次に実施例3−(1)の
方法に準じて加熱処理物よりシクロペンテノンの精製を行い、30mgの精製シ
クロペンテノンを得た。
実施例 15

0228

(1)実施例3−(1)記載の精製、単離シクロペンテノンを水、10mM
トリス(Tris)−HCl(pH7)、又は10mM トリス(pH10)に
25mMになるように溶解し、室温又は4℃で放置した後、実施例13−(3)
記載のTLC法で分析した。その結果、水又は10mM トリス−HCl(pH
7)に溶解した場合、室温放置、4℃放置ともに1ヵ月経過後において若干の分
解物が見られたが大部分は未分解であった。10mM トリス(pH10)に溶
解した場合は室温で速やかに分解し、溶解直後にTLC法で分析したところシク
ロペンテノンのスポットは見られなかった。

0229

水に溶解したシクロペンテノンを121℃で30分間加熱し、TLC法で分析
したところ、若干の分解物は見られたが大部分のシクロペンテノンは未分解であ
った。

0230

(2)1%D−グルクロン酸水溶液を121℃で4時間加熱し、pH未調整の
試料とNaOHでpH6.6に調整した試料を調製した。各々を1mlずつ分注
し、−20℃、4℃、37℃で保存した後、シクロペンテノンを実施例5−(1
)記載の方法に従ってトリメチルシリル化し、試料中のシクロペンテノン量をガ
スクロマトグラフで測定した。

0231

その結果、25日間保存後では、37℃で保存した場合にシクロペンテノン量
がやや減少していたが、4℃、−20℃ではほぼ安定であった。その結果を図8
に示す。すなわち図8は保存時間とシクロペンテノン量の関係を示す図であり、
横軸は保存時間(日)、縦軸はシクロペンテノン濃度(mg/ml)を示す。図
8中において白四角印(□)はpH未調整で−20℃保存、黒四角印(■)はp
H6.66で−20℃保存、白丸印(○)はpH未調整で4℃保存、黒丸印(●
)はpH6.66で4℃保存、白三角印(△)はpH未調整で37℃保存、黒三
角印(▲)はpH6.66で37℃保存を示す。
実施例 16

0232

(1)実施例3−(1)記載の精製、単離シクロペンテノン113.9mgをエタノ
ール2.85mlに溶かした。このエタノール溶液にヘキサン/エタノール(94/6)3.
85mlを更に加え、17mg/mlのシクロペンテノン溶液を調製した。この液を0.5μm
のフィルターでろ過し、光学分割HPLC試料溶液とした。

0233

この試料溶液を以下の条件で光学分割HPLCを行い、前ピークのシクロペンテノ
ン及び後ピークのシクロペンテノンのフラクションをそれぞれ集め、減圧乾固し
、前ピークのシクロペンテノン43.2mg、後ピークのシクロペンテノン43.0mgをそ
れぞれ得た。
光学分割HPLC条件

0234

カラム:キラールパックAS(ダイセル化学工業)2.0cm×25.0cm

0235

カラム温度:40℃

0236

移動相:ヘキサン/エタノール(94/6)

0237

流速:14.0ml/min

0238

検出:UV210nm

0239

試料注入量:150μl(2.55mg)

0240

得られた前ピークのシクロペンテノン及び後ピークのシクロペンテノンは両者
共に約1%のエナンチオマーを含有していたため再度上記の条件で光学分割した
。その結果、前ピークのシクロペンテノン30.0mgから19.7mgのエナンチオマーを
含有しないシクロペンテノンを、後ピークのシクロペンテノン37.4mgから27.7mg
のエナンチオマーを含有しない後ピークのシクロペンテノンをそれぞれ得た。得
られた前ピークのシクロペンテノン及び後ピークのシクロペンテノンの旋光度は
それぞれ[α]D20−105°(c0.30、エタノール)及び[α]D20+104°(
c0.53、エタノール)であり、前ピーク物質が(−)−トランス−4,5−ジヒ
ドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン[以下(−)体シクロペンテノンと称
す]、後ピーク物質が(+)−トランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペ
ンテン−1−オン[以下(+)体シクロペンテノンと称す]であった。なお旋光
度は前記のDIP−370型旋光計(日本分光社製)を用いて測定した

0241

(−)体シクロペンテノン及び(+)体シクロペンテノンの光学分割HPLCの溶
出曲線を図9図10に示す。すなわち図9は(−)体シクロペンテノンの溶出
曲線であり、図9中、縦軸は吸光度、横軸は溶出時間(分)を示す。また、図1
0は(+)体シクロペンテノンの溶出曲線であり、図10中、縦軸は吸光度、横
軸は溶出時間(分)を示す。

0242

次に(−)体シクロペンテノン及び(+)体シクロペンテノンのそれぞれの質
量分析、核磁気共鳴法(NMR)による構造解析、UV吸収スペクトルの測定、
赤外吸収スペクトルの測定を実施例3−(2)に記載の方法に準じ行った。その
結果、両光学活性体は光学分割前のシクロペンテノンと同一の結果を示した。

0243

図11に(−)体シクロペンテノンの1H−NMRスペクトルを示す。図11
中その縦軸はシグナルの強度、横軸は化学シフト値(ppm)を示す。

0244

図12に(+)体シクロペンテノンの1H−NMRスペクトルを示す。図12
中その縦軸はシグナルの強度、横軸は化学シフト値(ppm)を示す。

0245

(2)前出カーボハイドレートリサーチ記載の方法により、トランス−シクロ
ペンテノンを合成した。また前出ヘルベチカ キミカアクタ記載の方法に従い
シス−シクロペンテノンを合成した。また光学分割法により各々の光学活性体を
調製した。

0246

調製した(+)−トランス−シクロペンテノン、(−)−トランス−シクロペ
ンテノン、(+)−シス−シクロペンテノン、(−)−シス−シクロペンテノン
につき各実施例に記載の方法で細胞増殖抑制活性、アポトーシス誘発活性、がん
細胞分化誘導活性、抗菌活性を測定したところ、(+)−トランス−シクロペン
テノン、(−)−トランス−シクロペンテノン、(+)−シス−シクロペンテノ
ン、(−)−シス−シクロペンテノンは各々細胞増殖抑制活性、アポトーシス誘
発活性、がん細胞分化誘導活性、抗菌活性を示した。
実施例 17

0247

実施例16で得た(−)体シクロペンテノンと(+)体シクロペンテノンのそ
れぞれの1mg/mlエタノール溶液を75%エタノール水溶液で2倍、4倍、
8倍、16倍、32倍、64倍、128倍、256倍、512倍、1024倍及
び2048倍に希釈し、96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに5μlず
つ入れて風乾した。5000個のヒト前骨髄性白血病細胞HL−60(ATCC
CCL−240)細胞を含む10%牛胎児血清含有RPMI1640培地100
μlを各ウェルに加え、5%炭酸ガス存在下37℃で48時間培養した。細胞の
形態を光学顕微鏡で観察した後、5mg/mlの3−(4,5−ジメチルチアゾ
ール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT;シグ
マ社製)リン酸緩衝食塩水溶液10μlを加えて更に4時間培養を続けた後、顕
微鏡で細胞の生育状態を観察した。また、0.04NHCl含有2−プロパノ
ール100μlを加えて良く攪拌し、590nmにおける吸光度を測定してこれ
を細胞増殖度とした。

0248

その結果、シクロペンテノンの光学活性体の各128倍希釈液添加区分(終濃
度0.39μg/ml)においても細胞増殖抑制活性が見られ、またアポトーシ
ス誘発作用が見られた。
実施例 18

0249

(1)1×105/mlのHL−60細胞を含む10%牛胎児血清含有RPM
I1640培地に10、1、0.1、又は0.01μg/mlのシクロペンテノ
ンを添加し、5%炭酸ガス存在下37℃で3日間及び6日間培養した後、生細胞
数を計数した。その結果、培養6日目においてシクロペンテノンを添加しない対
照に比べて10μg/ml添加区分では生細胞は見られず、1μg/ml添加区
分では約90%、0.1μg/ml添加区分では約55%、0.01μg/ml
添加区分では約40%の細胞増殖阻害が見られた。

0250

その結果を図13に示す。すなわち図13はHL−60細胞の培養液にシクロ
ペンテノンを様々な濃度で添加したときの培養時間と培養液中の生細胞数の関係
を示す図であり、横軸は培養時間(日)、縦軸は培養液中の生細胞数(×104
/ml)を示す。図中において白四角印(□)は試料無添加(対照)、白菱形
(◇)は10μg/ml、白丸印(〇)は1μg/ml、白三角印(△)は0.
1μg/ml、黒四角印(■)は0.01μg/mlのシクロペンテノン添加を
それぞれ示す。

0251

(2)HL−60細胞に10-4μg/mlのシクロペンテノンを添加して実施
例15−(1)と同様に3日間培養した。細胞の一部をとってスライドガラス
塗抹し、「組織培養の技術」(日本組織培養学会編、書店、1982年)第
191頁に記載のライトギムザ染色を行い、光学顕微鏡で観察した。その結果
、シクロペンテノン無添加の対照では分化した細胞が10%前後であったのに対
してシクロペンテノン添加区分では50%以上の細胞が単球又はマクロファージ
様細胞に分化していた。

0252

(3)HL−60細胞に0.5μg/ml又は0.005μg/mlのシクロ
ペンテノンを添加して実施例18−(1)と同様に3日間又は6日間培養した。
細胞の一部をとってスライドガラスに塗抹後、ライト−ギムザ染色を行い、光学
顕微鏡で観察した。その結果、シクロペンテノン無添加の対照では分化して形態
の変化した細胞が約10%であったのに対して、シクロペンテノン0.005μ
g/ml添加区分では25%以上の細胞が分化して成熟骨髄細胞になっていた。
その結果を図14に示す。すなわち図14は培養時間と、培養細胞中において成
熟骨髄細胞の占める比率の関係を示す図であり、横軸は培養時間(日)、縦軸は
培養細胞中において成熟骨髄細胞の占める比率(%)を示す。図14において白
四角印(□)は試料無添加(対照)、白丸印(○)は0.5μg/mlシクロペ
ンテノン添加、白三角印(△)は0.005μg/mlシクロペンテノン添加を
それぞれ示す。
実施例 19

0253

(1)実施例3−(1)記載の精製、単離シクロペンテノンの抗菌作用を以下
菌株で測定した。測定に使用した菌株は被検菌(1):サルモネラエンテリテ
ィディス(Salmonella enteritidis)(食中毒事例株)
、被検菌(2):サルモネラティフィムリウム(Salmonella typ
himurium(食中毒事例株)、被検菌(3):スタフィロコッカスアウレ
ウス(Staphylococcus aureus)FRI722(A型エ
テロトキシン産生株)、被検菌(4):Staphylococcus aur
eus(メチシリン耐性株)、被検菌(5):バチルスセレウス(Bacill
us cereus)(嘔吐型食中毒事例株)及び被検菌(6):Bacillu
s cereus(下痢型食中毒事例株)である。これらの菌株はいずれも
栄養大学・衛生学教室保存菌株である。

0254

抗菌作用の測定は、各被検菌に対する増殖抑制効果を指標に行った。すなわち
、一定濃度のシクロペンテノンを含む菌体培地に各被検菌を一定量添加した試験
菌液を調製し、16hr、48hr培養後の生菌数を比較することにより行った

0255

まず、感受性測定ブイヨン(日水製)に、一定濃度のシクロペンテノンを加え
、2n連続希釈を行った。それに感受性測定ブイヨンで37℃16時間前培養を
行った菌液を106/mlになるように接種し、37℃で培養を行った。各菌株
の各培養時間ごとの生菌数の測定は、培養液を適宜希釈し表面塗培養法により
行った。なお、それぞれの菌株の菌数測定に当ってはSalmonellaはD
HL(栄研製)、S.aureusはBaird Parker agar(B
BL製)、B.cereusはNGKG agar(日水製)を使用した。なお
、B.cereusのみは32℃で培養を行った。各培養時間での測定した菌数
は、CFU(colony forming units)/mlとして常用
数値で表示した。下記表10に培養16時間後の被検菌数、表11に培養48時
間後の被検菌数を示す。シクロペンテノンはいずれの被検菌にも抗菌作用を示し
た。なお以下、表10〜13において表中の−記号は、被検菌の生育が見られな
かったことを意味する。

0256

(2)上記シクロペンテノンの大腸菌及び腸管出血性大腸菌への抗菌作用を測
定した。被検菌は下記のとおりである:

0257

被検菌(7):エシェリヒアコリ(Escherichia coli)(S
−O157:H7、VT1、2産生抹)、被検菌(8):Escherichia

0258

coli(Y.3−O157:H7、VT1、2産生株)、被検菌(9):Es
cherichia coli(Y.1−O157:H7、VT1産生株)、被
検菌(10):Escherichia coli(S−O26:HNM、VT1産
生株)、被検菌(11);Escherichia coli(S−O111;HN
M、VT1、2産生株)及び被検菌(12):Escherichia coli(
食品分離株)である。

0259

使用した菌株はいずれも女子栄養大学・衛生学教室保存菌株である。

0260

抗菌作用の測定は、実施例19−(1)と同様に行った。

0261

まず、感受性測定ブイヨン(日水製)に一定濃度のシクロペンテノンを加え、
2n連続希釈を行った。それに感受性測定ブイヨンで37℃16時間前培養を行
った菌液を106/mlになるように接種し、37℃で培養を行った。なお、菌
株の各培養時間ごとの菌数の測定は、培養液を適宜希釈し表面塗抹培養法により
行った。なお、菌株の菌数測定にあたってはDHL(栄研製)を使用した。測定
した各培養時間での菌数は上記と同様に対数値で表示した。下記表12、表13
にその結果を示す。シクロペンテノンはいずれの被検菌にも抗菌作用を示した。

0262

(3)被検菌として被検菌(13):Escherichia coli HB101(ATCC33694)、被
検菌(14):Salmonella typhimuriumLT-2(ATCC 27106)、被検菌(15):シュー
ドモナスアエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)(IFO 3080)、被検菌(1
6);Staphylococcus aureus 3A(NCTC 8319)、被検菌(17):バチルスズブチ
リス(Bacillus subtilis)(IFO 3034)、被検菌(18):ストレプトコッカス
ミュータンス(Streptococcus mutans)GS5(国立予防衛生研究所保存株)を使
用し、上記シクロペンテノンの抗菌活性を測定した。

0263

被検菌をL-ブロス(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、5% NaCl pH7.0)で、一晩
種培養した。5mlのL-ブロスに25〜200μg/mlのシクロペンテノンを添
加した培地及び何も添加していない培地に5μlの種培養液を植菌し、37℃で振
とう培養し生育を測定した。培養開始時と8時間後に、富士デジタル濁度計(販
売元 富士工業株式会社、製造元電機製作所)を用い、調製目盛を82.3の
条件で培養物濁度を測定し、8時間後の濁度の値から培養開始時の濁度の値を
引いた値(生育濁度)で被検菌の生育を測定した。なお被検菌(18)についてはL
−ブロスの代りブレインハートインヒュージョン培地を使用した。

0264

結果を表14に示す。なお表14中の−は未検討を示す。

0265

上記各被検菌に対し、シクロペンテノンは抗菌活性を示した。

0266

(4)シクロペンテノンの火落菌に対する抗菌活性を以下の方法で行った。被
検菌を10%エタノールを含有するSI培地(日本醸造協会)で5日間静置培養し種
菌を得た。10%エタノールを含有するSI培地に最終濃度が0、25、50、75、100μg
/mlになるようにシクロペンテノンを添加した培地100mlに被検菌の種菌を0.1%植
菌し、5日間静置培養し、濁度を測定した。濁度の測定は、吸光度計を用い、OD
600の値を測定した。この値から、被検菌を植菌していない培地のOD600の
値を引いた値(生育濁度)で被検菌の生育を測定した。

0267

被検菌は真性火落菌としてラクトバチルスフラクチボランス(Lactobacillus
fructivorans)IFO13118(被検菌A)、Lactobacillus fructivorans JCM1198(被検
菌B)、ラクトバチルスホモヒオチイ(Lactobacillus homohiochii)IFO13120(被
検菌C)、火落性乳酸菌としてラクトバチルスラムノサス(Lactobacillus rhamn
osus)IFO3532(被検菌D)を用いた。その結果を表15に記載する。

0268

被検菌A、C及びDは75μg/mlで、被検菌Bは50μg/mlで完全に生育が阻止さ
れ、シクロペンテノンは火落菌にも抗菌作用を示した。

0269

なおシクロペンテノンはサッカロミセスセレビシェ(Saccharomy
ces cerevisiae)ATCC9763、カンジダアルビカンス
(Candida albicans)TIMM 0136、アスペルギルス
フミガタス(Aspergillus fumigatus)TIMM 177
6等の真菌にも高濃度下で抗菌活性を示した。
実施例 20

0270

(1)800、400、200、100、50、25、12.5、6.25、
3.13、又は1.56μg/mlのシクロペンテノンを含むトリプトソーヤブ
イヨン培地(日水社製)にVibrio parahaemolyticus 4387-61 又はVibrio parah
aemolyticus T4144-1(いずれも国立衛生試験所保存株)を106細胞/mlにな
るように接種して37℃で24時間静置培養した。その結果、どちらの菌株に対
しても12.5μg/ml以上のシクロペンテノン添加区分で菌の生育が見られ
なかった。

0271

菌の生育が見られなかった区分の培養液50μlを20mlのシクロペンテノ
ンを含まないトリプトソーヤブイヨン寒天培地に塗布し、37℃で24時間培養
した。その結果、どちらの菌株でも50μg/ml以上のシクロペンテノンを添
加した区分を塗布した寒天培地で菌の生育が見られなかった。

0272

上より、シクロペンテノンは12.5μg/mlでVibrio parahaemolyticu
s 4387-61及びVibrio parahaemolyticus T4144-1に対して抗菌作用を、50μg
/mlで両菌株に対して殺菌作用を示した。

0273

(2)Campylobacter jejuni A3309(国立衛生試験所保存株)を2%仔ウシ
清(大日本製薬社製)を含む脳心臓滲出液ディフコ社製)培地に接種し、37
℃で16時間、振とう前培養した。この培養液50μlを800、400、20
0、100、50、25、12.5、6.25、3.13、又は1.56μg/
mlのシクロペンテノンを含む20mlの0.5% NaCl含有ミューラー
ヒント平板培地(BBL社製)に塗布し、37℃で48時間静置培養した。

0274

その結果、12.5μg/ml以上のシクロペンテノンを添加した平板培地上
には菌の生育が見られなかった。

0275

以上シクロペンテノンはキャンピロバクターに対して抗菌作用を示した。

0276

(3)被検菌Legionella pneumophila(ヒト器官
洗浄液分離菌)、被検菌Legionella pneumophila(温
浴槽水分離菌)(いずれも女子栄養大学・衛生学教室保存菌株)に対するシク
ロペンテノンの抗菌作用の測定を、各被検菌に対する増殖抑制効果を指標に行っ
た。すなわち、一定濃度のシクロペンテノンを含む液体培地に各被検菌を一定量
添加した試験菌液を調製し、16hr、48hr、72hr、96hr培養後の
生菌数の検討を行った。

0277

まず、BCYE αブロス(オキソイド社製)に、一定濃度のシクロペンテ
ノンを加え、2n連続希釈を行った。それにBCYE α ブロスで37℃16
時間前培養を行った菌液を106/mlになるように接種し、37℃で培養を行
った。各菌株の各培養時間ごとの生菌数の測定は、培養液を適宜希釈し、BCY
E α寒天(オキソイド社製)への表面塗沫培養法により行った。

0278

各培養時間での測定した菌数は、CFU(colony forming u
nits)/mlとして常用対数値で表示した。下記表16にその結果を示す。
シクロペンテノンはいずれの被検菌にも抗菌作用を示した。なお表中の−記号は
、被検菌の生育が見られなかったことを意味する。

0279

(4)Helicobacter pylori菌株は標準株NCTC11637(ATCC43
504)、それにヒトよりの臨床分離株206及び3401(いずれも庫医
大・細菌学教室保存株)を用いた。それぞれの菌株は、7%馬血清(Bio W
hittaker社製)入りのBrucella Broth培地(BBL社製
)を用い、アネロパックキャンピロ(三菱ガス化学製)を用いて、微好気条件下
で、37℃で振とう培養した。対数増殖期の菌をBrucella Broth
培地で希釈したものを試験に供した。実験には24ウエルプレート(Falco
n社製)を使用した。シクロペンテノンは0.1ml(1000μg)/ウェル
を分注し、PBSで2段階希釈を行った後、ウェル当り0.9mlの培地〔7%
馬血清入りのBrucella Agar培地(pH6.0)(BBL社製)〕
を加え固めた。Brucella Agar 培地は、あらかじめ塩酸でpH6
.0に調整したものを使用した。それぞれの菌を約104個/50μl/ウエル
で接種した。菌の接種後、微好気条件下で3−4日間37℃で培養し、抗菌活性
を判定した。90%以上の増殖を阻害するサンプルの量(μg/ml)を、MI
Cとした。その結果、試験したどの菌株に対してもMICは32μg/mlであ
り、シクロペンテノンはヘリコバクター菌株に抗菌作用を示した。
実施例 21

0280

シクロペンテノンの固形がんに対する制がん作用

0281

実施例3−(1)記載のシクロペンテノンを生理的食塩水で所定の濃度に希釈
し、以下の試験を行った。

0282

(1)MethA細胞(2×106細胞/マウス)を8週齢雌性BALB/
cマウス(体重約20g)の腹部皮下注射した。その後、引き続いて同じ箇所
に5日間連続してシクロペンテノン(5mg/kg/日)を皮下注射した。一方
コントロール群には生理的食塩水を同様に皮下注射した。2週間後にマウス腹部
に形成されたがん組織を摘出して、その重量を測定した。結果を表17に示す。

0283

すなわち、コントロール群では平均がん重量は1.41gであったのに対し、
シクロペンテノン(5mg/kg/日)投与群では0.0gでがん組織の形成は
全く認められず、抑制率は100%であった。

0284

(2)6週齢の雌性ICR系マウス(体重約26g)16匹を用い、Sarc
oma−180(5.5×106cells/マウス)を腹部に皮下注射し、コ
トロール群8匹及びシクロペンテノン投与群8匹を設定した。

0285

シクロペンテノン投与群には、シクロペンテノンとしての摂取量が約80mg
/kg/日となるよう水道水に希釈し、給水瓶にて自由摂取させた。コントロ
ル群には同様に水道水を与えた。は両群とも実験期間中、自由摂食とした。

0286

Sarcoma−180皮下移植後40日目の生存個体数はコントロール群で
8例中2例、シクロペンテノン投与群で7例で、シクロペンテノン投与による顕
著な延命効果が認められた。

0287

(3)マウス白血病P−388(1.1×106cells/マウス)を7週
齢の雌性DBA/2マウス(体重約20g)に腹腔内注射した。その後、5日間
連続してシクロペンテノン(10mg/kg/日)を腹腔内注射した。一方コン
トロール群には生理的食塩水を同様に腹腔内注射した。それぞれ8匹ずつの2群
において、マウスの生存数、平均生存日数延命率を算定した。結果を図15
示した。すなわち、コントロール群では平均生存日数が10.3日であったのに
対し、シクロペンテノン投与群では31.4日で、その延命率は306.1%を
示し、有意な延命効果が認められた。図15はシクロペンテノンの制がん効果を
示す図であり、縦軸は生存数、横軸は生存日数を示す。図15中実線がシクロペ
ンテノン投与群、破線対照群を示す。

0288

同様に、5週齢の雌性ICR系マウス(体重約25g)16匹を用い、Sar
coma−180(5.5×106cells/マウス)を腹腔内注射し、コン
トロール群8匹及びシクロペンテノン投与群8匹を設定した。

0289

また7週齢の雌性CDF1マウス(体重約20)16匹を用い、IMC(2.
0×106cells/マウス)を腹腔内注射し、コントロール群8匹及びシク
ロペンテノン投与群8匹を設定した。

0290

更に5週齢の雌性DDYマウス(体重約25g)16匹を用い、EAC(1.
2×106cells/マウス)を腹腔内注射し、コントロール群8匹及びシク
ロペンテノン投与群8匹を設定した。

0291

その結果、Sarcoma−180、IMC、EACの各コントロール群の平
均生存日数はそれぞれ22.6日、10.8日及び15.8日であったのに対し
、シクロペンテノン投与群ではそれぞれ33.4日、20.3日及び40.3日
であった。各々の延命率は148%、188%及び255%であり、シクロペン
テノン投与によりいずれも顕著な延命効果が見られた。
実施例 22

0292

注射剤

0293

(1)生理食塩液(日本薬局法収載品)にシクロペンテノンを1%濃度で加え
注射剤を作製した。

0294

(2)生理食塩水(前記と同じ)にシクロペンテノン及びグリシルリチン酸
それぞれ0.5%及び0.1%濃度で加え、注射剤を作製した。
実施例 23

0295

錠剤

0296

(1)シクロペンテノン100mgと微結晶性セルロースの適量とを含有する
錠剤を調製し、糖衣を施し、錠剤を作製した。

0297

(2)シクロペンテノン0.1mg、グリシルリチン酸ジカリウム10mg及
微結晶セルロースの適量を含有する錠剤を調製し、糖衣を施し、錠剤を作製し
た。
実施例 24

0298

軟膏

0299

下記組成軟膏を作成した。

0300

シクロペンテノン1g

0301

吸水軟膏(日本薬局方収載) 99g

0302

シクロペンテノンをまず少量の吸水軟膏と十分に練り合せ、次いで残った吸水
軟膏を徐々に加えて均一になるまで練り合せて軟膏を作製した。

0303

この軟膏は1日4〜5回患部に塗布される。
実施例 25

0304

化粧料

0305

下記組成で抗菌性化粧料としてローションを作製した。
エタノール10 部
グリセリン1 部
クエン酸0.3部
パラオキシ安息香酸メチル0.2部
シクロペンテノン0.1部
香料微量
精製水全量を100部とする量
実施例 26

0306

浴用剤

0307

下記組成で抗菌性浴用剤を作製した。
無水ボウ硝20部
炭酸水素ナトリウム40部
コハク酸10部
シクロペンテノン30部
色素適量
香料適量
剤形錠剤
実施例 27

0308

歯磨剤

0309

下記組成で歯磨剤を調製した。
炭酸カルシウム50.00%
グリセリン20.00%
カラゲナン0.50%
カルボキシメチルセルロース1.00%
ラウリルジエタノールアマイド1.00%
ショ糖モノラウレート2.00%
香料1.00%
サッカリン0.10%
シクロペンテノン0.10%
水 残
計 100.00%
実施例 28

0310

下記組成で錠菓を調製した。
砂糖74.9%
乳糖20.0%
ショ糖モノラウレート0.2%
香料0.5%
精製水4.3%
シクロペンテノン0.001%
実施例 29

0311

下記方法で抗菌性飲料を作製した。

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