図面 (/)

技術 リポソーム組成物

出願人 久光製薬株式会社
発明者 佐藤秀次野沢巌秋山勝彦
出願日 1993年4月9日 (26年3ヶ月経過) 出願番号 1993-518176
公開日 1994年4月7日 (25年3ヶ月経過) 公開番号 WO1993-020801
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤
主要キーワード 板部位 杉花粉 所望粒径 薬物キャリアー 難吸収性 認識機構 板サンプル 進入口
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年4月7日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

概要

背景

概要

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

請求項2

ホスファチジルイノシトールの含有量が前記脂質組成中0.1〜50mol%である、請求項1記載のリポソーム組成物。

請求項3

ホスファチジルコリン、コレステロール、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジルセリンを脂質組成として含有することを特徴とする、バイエル板への高移行性を有するリポソーム組成物。

請求項4

ホスファチジルイノシトールの含有量およびホスファチジルセリンの含有量がそれぞれ前記脂質組成中0.1〜50mol%および0.1〜50mol%である、請求項3記載のリポソーム組成物。

0000

本発明は、リン脂質生体として調製される脂質人工膜一種であるリポソーム
(liposome)を形成するためのリポソーム組成物に関し、より詳細には
バイエル板(Peyer’s Patch )への生理活性物質投与に有効
なリポソーム組成物に関するものである。
バイエル板は、1677年にPeyerにより報告された空腸あるいは回腸に存
在する薄い上皮細胞で覆われたリンパ小節集合体であり、細菌などの外来抗原
に対する防御器官の一つである。消化管のこの防御機構腸粘膜内で生産分泌
れる分泌型IgA免疫グロブリンA)が主体となっており、この分泌型IgA
の生産を司っているのがバイエル板を含む腸リンパ組織である。この腸リンパ
織は上述したバイエル板、腸間膜リンパ節粘膜固有層上皮細胞間リンパ球
および形質細胞で形成され、全身性免疫とは独立した局所免疫を担っている。上
皮細胞吸収上皮細胞に類似した絨毛上皮微絨毛が太くて短いMcell(マ
クロホールドセル)とからなる。Mcellは1974年にOwenらにより
報告されており、現在においては消化管での外来抗原の進入口であると考えられ
ている(Gastroenterology、66.189〜203.1974
)。
消化管内に存在する抗原のうち特定のものはM cellにより選択的に取り込
まれ、抗原提示細胞を経てT細胞にその情報が伝えられる。T細胞はThが主体
であり、種々のサイトカインの作用を受けながらその機能が制御されている。
抗原情報はさらにB細胞に伝えられ、抗体産生形質細胞に分化する。一方、消化
管内に大量の抗原が長期にわたって存在した場合においては、バイエル板で誘導
された抑制性T細胞の働きを介して、全身免疫系における免疫寛容状態が誘導さ
れることが知られており、バイエル板は局所免疫のみならず全身性免疫において
も重要な働きを担っているといえる。
上述したような機能を有し、リンパ系への直結したルートの入口と考えられるバ
エル板は、免疫抑制剤免疫活性剤などの免疫調物質経口ワクチン、さら
には経口減感作経口投与によって感作を減少させること)を目的とした抗原物
質の標的部位と考えることができる。
従来から知られたバイエル板への生理活性物質の投与方法としては、生体内分解
ポリエステル類などの疎水性生体内分解性高分子を用いたものが知られている
(特開昭63−190833号公報)。この方法は、有機溶媒に溶解した高分子
物質と生理活性物質の混合溶液から液中乾燥法によってマイクロカプセルを調製
する技術からなる。しかしながら、上述した目的に使用する生理活性物質にはポ
ペプチドなどの親水性物質が多く、上記公報に記載されたような液中乾燥法で
はかかる親水性物質を包含するものが調製しにくいといった欠点を有していた。
本発明は、疎水性並びに親水性の生理活性物質の封入が可能で、しかも、バイ
ル板への高い移行性を有するリポソーム組成物を提供することを目的とするもの
である。
本発明者らは、バイエル板への高い移行性と、生理活性ペプチドなどの親水性薬
物やステロイドなどの疎水性薬物の封入性とを兼ね備えた薬物キャリアーについ
て鋭意検討を重ねた結果、特定のリポソームにホスファチジルイノシトールを添
加するとバイエル板への移行性が向上することを見い出した。更に、上記リポ
ームにホスファチジルイノシトールと共にホスファチジルセリンを添加すると、
それらの相乗作用によってさらに上記移行性が向上することを見い出した。
本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、従来知られていた疎水性生
体内分解性高分子小球体を用いた生理活性物質のバイエル板への投与方法では困
難であった親水性生理活性物質の封入性の問題を解決すると共に、生理活性物質
をバイエル板に効率良く投与可能とするリポソーム組成物である。
本発明のリポソーム組成物は、ホスファチジルコリンコレステロールおよびホ
スファチジルイノシトール脂質組成として含有することを特徴とする、バイエ
ル板への高移行性を有するリポソーム組成物である。
本発明に使用する脂質組成のうち、ホスファチジルイノシトール以外の基本脂質
組成は基本的には特に限定されないが、良好なリポソーム形成能を得るためには
ホスファチジルコリンおよびコレステロールが好ましい。本発明にかかるホスフ
ァチジルコリンは特に制限されず、大豆ホスファチジルコリン卵黄ホスファ
ジルコリン、水添ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン
ジステアロイルホスファチジルコリン等が挙げられ、好ましくは水添ホスファ
チジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファ
チジルコリンである。また、ホスファチジルコリン/コレステロールのモル比
710.5〜7/7が好ましく、7/1〜7/3がより好ましい。
本発明のリポソーム組成物においては、上記基本脂質に加えてホスファチジル
ノシトール成分を脂質組成として含有することが必須である。ホスファチジルイ
ノシトールを含有することによって、リポソーム組成物のバイエル板への移行性
が向上する。上記ホスファチジルイノシトールの含有量は、脂質組成中0. 1
〜50mo1%にあることが好ましい。上記含有量が0.1mo1%未満では添
加効果が充分に得られない傾向にあり、他方、50mo1%を超えるとリポソー
ムの安定性が充分に得られない傾向にある。また、本発明にかかるホスファチジ
ルイノシトールは特に制限されず、大豆ホスファチジルイノシトール、脳ホス
ファチジルイノシトール等が挙げられ、またそれらのリン酸化体であるホスファ
チジルイノシトール4,5−ジホスフェイト、ホスファチジルイノシトール4−
モノホスフェイト等も使用可能である。
さらに、本発明のリポソーム組成物は、上記ホスファチジルイノシトールに加え
てホスファチジルセリンを脂質組成として含有することが好ましい。ホスファチ
ジルイノシトールと共にホスファチジルセリンを含有すると、それらの相乗作用
によってリポソーム組成物のバイエル板への移行性がさらに向上する。ホスファ
チジルセリンの含有量は、脂質組成中0. 1〜50mo1%にあることが好ま
しい。上記含有量が0.1mo1%未満では添加効果が充分に得られない傾向に
あり、他方、50mo1%を超えるとリポソームの安定性が充分に得られない傾
向にある。
本発明のリポソーム組成物は、上記脂質組成からなるものであってもよいが、上
記脂質組成に加えて他のリン脂質、糖脂質脂溶性ビタミンなどの脂質を添加し
てもよく、またさらに脂質以外の添加成分を含有せしめてもよい。本発明のリポ
ソーム組成物に上記脂質組成以外の成分を含有させる場合、上記脂質組成の含有
量が組成物全量基準で50重量%以上であることが好ましい。上記脂質組成以外
の成分の含有量が50重量%を超えると、得られるリポソームが不安定になる可
能性がある。
上記本発明のリポソーム組成物を用いた場合、ステロイドなどの疎水性生理活性
物質や生理活性ペプチドなどの親水性生理活性物質を分は隔てなく容易に封入す
ることが可能であり、それらの活性物質などの所望成分を含有するリポソームを
容易にかつ効率よく調製することが可能である。
また、本発明のリポソーム組成物を用いてリポソームを調製する方法は特に限定
されず、通常の方法でも容易にリポソームを調製することができる。例えば、先
ず、所定量のホスファチジルコリン、コレステロールおよびホスファチジルイノ
シトール、また必要に応じてホスファチジルセリン、をクロロホルムに溶解して
クロロホルム溶液を得る。また、疎水性生理活性物質をリポソームに封入する場
合は、上記脂質と共に疎水性生理活性物質をクロロホルムに溶解する。次に、上
記のクロロホルム溶液をナス型フラスコ中にて乾固させてフラスコ内壁をコーテ
ィングした状態の脂質フィルムを得た後、フラスコ中にトリス塩酸緩衝液を加え
る。また、親水性生理活性物質をリポソームに封入する場合は、上記緩衝液中に
予め親水性生理活性物質を溶解させておく。続いて、上記フラスコ内容物ポル
テックスあるいは超音波処理することによってリポソームを含有する溶液が得ら
れ、さらに得られたリポソーム溶液フィルタ濾過することによって所望粒径
リポソームを調製することが可能である。
本発明のリポソーム組成物は、バイエル板に投与することにより高い薬理効果
期待できるあらゆる生理活性物質の投与(例えば経口投与)に応用可能である。
例えば、本発明のリポソーム組成物を用いて経口減感作抗原物質、経口ワクチン
あるいは免疫調節物質を封入したリポソームを得ることによって、バイエル板へ
の投与を目的とする経口減感作製剤、経口ワクチン製剤あるいは免疫調節薬製剤
を調製することが可能である。また、本発明のリポソーム組成物は上述のように
親水性生理活性物質を封入することができるため、経口投与の際に難吸収性およ
分解性を示す生理活性ペプチドの投与方法への応用も可能である。本発明のリ
ポソーム組成物を用いて生理活性ペプチドを封入したリポソームを調製すること
によって、生理活性ペプチドの経口投与の際の吸収性および分解性の改善が可能
となる。なお、上記の経口減感作とは、アレルゲンの経口投与により免疫寛容を
誘導し、過剰免疫反応であるアレルギー反応を抑制する方法であり、消化管での
局所免疫を司るバイエル板の機能が深く関与している。
前述したように、本発明のリポソーム組成物に封入可能な成分は特に制限されず
、バイエル板に投与するための所望の生理活性物質が封入可能である。本発明の
リポソーム組成物に封入可能な経口減感作を目的としたアレルゲンとしては、ハ
ウスダストの主成分と言われるダニ抽出エキスダニ抗原花粉症の抗原物質で
ある杉花粉食物アレルゲンである卵白アルブミンなど、現在皮膚科領域におい
減感作療法に用いられるあらゆる原因アレルゲンが挙げられる。また、経口ワ
クチンにおいてはワクチンがバイエル板を介して免疫する必要があると予想され
、本発明のリポソーム組成物は種々のワクチンの投与に応用が可能である。また
、本発明のリポソーム組成物に封入可能な免疫調節物質としては、インターフェ
ロンインターロイキン−2などのサイトカイン類や、ムラミルジペプチドなど
免疫賦活剤ステロイド類などの免疫抑制剤が挙げられる。
(作用)
本発明のリポソーム組成物にあっては、ホスファチジルコリンおよびコレステ
ールからなる基本脂質にホスファチジルイノシトールを添加していることにより
、該組成物を用いて得たリポソームはバイエル板への顕著な移行性を示す。また
上記組成物にさらにホスファチジルセリンを添加することによって相乗作用が奏
され、さらに上記移行性が増大する。
図1は、ホスファチジルイノシトールがリポソームのバイエル板移行性に及ぼす
影響を示すグラフである。
図2は、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジルセリンがリポソーム
のバイエル板移行性に及ぼす影響を示すグラフである。
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
1〜5お び 1〜3
各実施例および各比較例のリポソーム組成物の配合処方を表1に示す。
表1におけるそれぞれの略号は下記の意味を示す。
DPPCはジパルミトイルホスファチジルコリンの略号。
Cholはコレステロールの略号。
PIはホスファチジルイノシトールの略号。
DCPはジセチルホスフエイトの略号。
PSはホスファチジルセリンの略号。
[バイエル板移行性評価のための放射性ラベルリポソームの調製]50m1のナ
ス型フラスコ中に、25μCiの3Hラベルコレステ1ノルオレエートおよび表
1に示した量の各脂質組成を入れ、5mlのクロロホルムを添加して脂質組成を
溶解させた後、エバポレーターを用いてクロロホルムを飛散中せ、フラスコ内壁
に脂質フィルムを作製した。その後、10m1の0.01Mトリス塩酸緩衝液を
添加し、超音波処理を施すことにより再分散させてリポ゛ノームを含有する溶液
を得た。得られたリポソーム溶液を0.45μmのメンブランフィルタ−を用い
て濾過することにより、試料リポソームのサンプルを調製した。
得られたリポソームのゼータ電位測定結果を表2に示す。
[バイエル板移行性評価のための生体試料摘出]in vitroにおけるリ
ポソームのバイエル板移行性評価のためのウサギ小腸バイエル板サンプルを以下
のように調製した。ウレタン麻酔下、8週令の家兎(NZW、雄)より小腸を摘
出し、直径10mmのポンチを用いて1羽平均5個のバイエル板およびその近傍
の非バイエル板部位打ち抜いた。打ち抜いた組織を6mlのRPMI−164
培地に浮遊させ、バイエル板移行性評価のための試料とした。
[リポソームのバイエル板移行性in vitro実験]摘出したバイエル板お
よび非バイエル板組織の切片を浮遊させた液に上述したリポソーム溶液を最終脂
質濃度が100 nmo 1 /m 1となるように添加し、CO2インキュ
ーター中、2時間放置した。looOrpm、4℃にて遠心分離後、上澄み液
取り除き、新しいRPMI−1640培地を加えることにより洗浄を行なった。
同様の洗浄を再度行なった後、組織を組織溶解剤で可溶化した。その後、シンチ
レーション液を添加して、液体シンチレーションカウンターにより1接放射活性
を測定し、リポソーム取り込み量指標とした。得られた結果を図1および図2
に示す。
図1は、バイエル板移行性に及ぼすホスファチジルイノシトールの効果について
示す。比較例1のジパルミトイルホスファチジルコリンおよびコレステロールの
みからなるリポソームのバイエル板移行性は充分ではなかったが、ホスファチジ
ルイノシトールをリポソームの膜構成脂質として添加することにより大きく増加
した(実施例1)。また、脂質膜中のホスファチジルイノシトール含有量を増や
すことにより、バイエル板移行性は増加した。
他方、ホスファチジルイノシトールと同様に酸性リン脂質であるジセチルホスフ
エイトを含むリポソームは、ホスファチジルイノシトールを含むものよりも強い
陰性電荷を有する(表2)が、有意なバイエル板移行性が認められなかった。
このことから、ホスファチジルイノシトールを膜構成脂質とするリポソームの有
する高いバイエル板移行性は、ゼータ電位以外の何らかの認識機構を介して達成
されていることが示唆された。
図2はホスファチジルイノシトールを脂質膜中に含むリポソームにさらにホスフ
ァチジルセリンを添加した場合に得られる相乗効果について示す。ホスファチジ
ルセリンを含有しない実施例5及び比較例3のリポソームと比較して、ホスファ
チジルイノシトールと共にホスファチジルセリンを含有する実施例4のリポソー
ムは、バイエル板移行性が相乗的に増加した。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明のリポソーム組成物は、ホスファチジルコリンおよ
びコレステロールに加えてホスファチジルイノシトール、あるいはホスファチジ
ルイノシトールおよびホスファチジルセリンを含有するため、顕著なバイエル板
移行性を奏する。また、本発明のリポソーム組成物を使用すれば、疎水性並びに
親水性の生理活性物質の封入が可能となる。
そのため、本発明のリポソーム組成物を用いて生理活性物質を封入したリポソー
ムを利用することにより、バイエル破への投与を目的とする親水性の薬物を含有
する経口減感作製剤、経口ワクチン製剤、免疫調節薬製剤を得ることが可能とな
る。そして、これらの各種製剤を使用することによって、顕著な薬理活性が期待
される。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ