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技術 活性化可能なインターロイキン−2ポリペプチド及びその使用方法

出願人 ウェアウルフ セラピューティクス, インコーポレイテッド
発明者 ウィンストン,ウィリアムヒックリン,ダニエルバスカー,ビナイエヴニン,ルークバウアリー,パトリックサルメロンガルシア,ホセアンドレスブロドキン,ヘザーヴェッシェ,ホルガーリン,シュオイェンジャックサイデル-デュガン,シンシア
出願日 2019年5月14日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2021-514301
公開日 2021年9月16日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-524757
状態 未査定
技術分野 微生物、その培養処理 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 延長要素 密集体 連立微分方程式 位置セット 遮断部分 遮断型 管内液 ブルズ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本開示は、IL−2の条件付き活性変異型である融合タンパク質を特徴とする。一態様では、本発明の完全長ポリペプチドは、それらが機能的サイトカインポリペプチドを含有していても、サイトカイン受容体活性化活性が低下しているか、または最小限である。例えば、遮断部分、例えば、立体遮断ポリペプチド等を、活性サイトインに順次連結するリンカーの切断等による活性化時、サイトカインは、その受容体と結合し、シグナル伝達を実行することができる。

概要

背景

コミットメントの低い前駆体からの成熟免疫担当リンパ系細胞発達、その後のそれらの抗原駆動免疫応答、及びこれらの望ましくない自己反応性応答の抑制は、共通γ鎖(γc)ファミリー(Rochman et al.,2009)ならびにIl−12、Il−18、及びIl−23等のファミリーメンバー受容体を利用するサイトカインインターロイキン−2[IL−2]、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15、及びIL−21等)に大きく依存し、調節される。IL−2は、Treg細胞胸腺での発生に不可欠であり、成熟した末梢Treg及び抗原により活性化された従来のT細胞のいくつかの重要な側面を決定的に調節する。IL−2は、そのインビトロでの強力なT細胞増殖因子活性のため、一部には、この活性が、例えば、がん及びAIDS−HIV等の患者で免疫を直接促進する強力な手段、または望ましくない応答、例えば、移植拒絶及び自己免疫疾患等に拮抗する標的を提供したという理由で広く研究されてきた。IL−2を用いるインビトロ研究では、これらの研究についての強い理論的根拠が得られたが、インビボでのIL−2の機能はIL−2欠損マウスで最初に例証されているように明らかに、よりはるかに複雑であり、免疫欠如ではなく、急速で致死的自己免疫症候群が観察された(Sadlack et al.,1993,1995)。後に、IL−2Rα(Il2ra)及びIL−2Rβ(Il2rb)をコードする遺伝子を個々に除去した際に、同様の観察が行われた(Suzuki et al.,1995、Willerford et al.,1995)。

本発明は、免疫のアップレギュレーションもしくはダウンレギュレーションに依存するがん及び他の疾患の治療における使用のための、条件付きで活性である、及び/または標的化されたサイトカインを指す。例えば、いくつかのサイトカインの抗腫瘍活性は十分に知られ、また記載されており、いくつかのサイトカインはすでにヒトで治療的に使用されている。インターロイキン−2(IL−2)等のサイトカインでは、様々な種類の腫瘍、例えば、腎臓転移性癌腫、有毛細胞白血病カポ肉腫黒色腫多発性骨髄腫等の患者において陽性の抗腫瘍活性が示されている。IFNβ、腫瘍壊死因子(TNF)α、TNFβ、IL−1、IL−4、IL−6、IL−12、IL−15及びCSFのような他のサイトカインでは、いくつかの種類の腫瘍に対して特定の抗腫瘍活性が示されており、したがって、それらはさらなる研究課題である。

概要

本開示は、IL−2の条件付きで活性な変異型である融合タンパク質を特徴とする。一態様では、本発明の完全長ポリペプチドは、それらが機能的サイトカインポリペプチドを含有していても、サイトカイン受容体活性化活性が低下しているか、または最小限である。例えば、遮断部分、例えば、立体遮断ポリペプチド等を、活性サイトインに順次連結するリンカーの切断等による活性化時、サイトカインは、その受容体と結合し、シグナル伝達を実行することができる。なし

目的

IFNβ、腫瘍壊死因子(TNF)α、TNFβ、IL−1、IL−4、IL−6、IL−12、IL−15及びCSFのような他のサイトカインでは、いくつかの種類の腫瘍に対して特定の抗腫瘍活性が示されており、したがって、それらはさらなる研究課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

式[A]−[L1]−[B]−[L2]−[D]もしくは[A]−[L1]−[D]−[L2]−[B]もしくは[D]−[L2]−[B]−[L1]−[A]または[B]−[L2]−[D]−[L1]−[A]もしくは[D]−[L1]−[B]−[L1]−[A]もしくは[B]−[L1]−[D]−[L1]−[A][式中、Aは、インターロイキン2(IL−2)ポリペプチドであり、Bは、インビボ半減期延長要素であり、L1及びL2は、各々独立してポリペプチドリンカーであり、L1は、プロテアーゼ−切断可能なポリペプチドリンカー、L2は、任意選択でプロテアーゼ−切断可能なポリペプチドリンカーであり、Dは、IL−2遮断部分である]の融合ポリペプチドであって、前記融合ポリペプチドはIL−2受容体活性活性減弱されており、前記融合ポリペプチドの前記IL−2受容体活性化活性は、前記プロテアーゼ切断可能リンカーL1の切断により産生される前記IL−2ポリペプチドを含有するポリペプチドの前記IL−2受容体活性化活性よりも少なくとも約10倍低い、前記融合ポリペプチド。

請求項2

a)インターロイキン2(IL−2)ポリペプチド[A]、b)IL−2遮断部分[D]、及びc)プロテアーゼ切断可能なポリペプチドリンカー[L]、のそれぞれのうちの少なくとも1つを含む融合ポリペプチドであって、前記IL−2ポリペプチドと前記IL−2遮断部分とは、前記プロテアーゼ切断可能なポリペプチドリンカーによって機能的に連結されており、前記融合ポリペプチドはサイトカイン受容体活性化活性が減弱されており、前記融合ポリペプチドの前記サイトカイン受容体活性化活性は、前記プロテアーゼ切断可能リンカーの切断により産生される前記サイトカインポリペプチドを含有するポリペプチドのサイトカイン受容体活性化活性よりも少なくとも約10倍低い、前記融合ポリペプチド。

請求項3

前記切断型ポリペプチドの断片を含有する前記IL−2ポリペプチドの前記アゴニスト活性が、前記非切断型融合ポリペプチドと比較して少なくとも約50倍増大している、請求項1または請求項2に記載の融合ポリペプチド。

請求項4

前記アゴニスト活性を、CTLL−2増殖アッセイ、phosphoSTATELISA、またはHEKBlueレポーター細胞アッセイを使用して評価する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項5

前記非切断型融合ポリペプチドは、天然に存在するIL−2と実質的に同様の様態でIL−2受容体アルファ(IL−2Rα)と結合する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項6

前記遮断部分は、前記非切断型融合ポリペプチドの前記IL−2ポリペプチドによるIL−2受容体アルファ/ベータガンマ(IL−2Rαβγ)及びIL−2受容体ベータ/ガンマ(IL−2Rβγ)の活性化を阻害する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項7

各プロテアーゼ切断可能リンカーポリペプチドは、独立して、カリクレイントロンビンキマーゼカルボキシペプチダーゼAカテプシンG、カテプシンL、エラスターゼ、PR−3、グランザイムM、カルパインマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、線維芽細胞活性化タンパク質FAP)、ADAMメタロプロテアーゼプラスミノーゲン活性化因子、カテプシン、カスパーゼトリプターゼ、及び腫瘍細胞表面プロテアーゼからなる群から選択されるプロテアーゼによる切断を受けることができる配列を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項8

各プロテアーゼ切断可能ポリペプチドは、独立して、同じプロテアーゼのための2つ以上の切断部位、もしくは異なるプロテアーゼによって切断される2つ以上の切断部位を含むか、または前記プロテアーゼ切断可能ポリペプチドのうちの少なくとも1つが、2つ以上の異なるプロテアーゼの切断部位を含む、1〜7のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項9

前記IL−2遮断部分は、前記IL−2ポリペプチドに非共有結合で結合する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項10

前記非共有結合による結合はpH依存性である、請求項9に記載の融合ポリペプチド。

請求項11

前記IL−2遮断部分は、前記IL−2に対する同族受容体のリガンド結合ドメインもしくは断片、前記IL−2ポリペプチドと結合する単一ドメイン抗体Fab、もしくはscFv、または前記IL−2の受容体と結合する抗体もしくは抗体断片(例えば、Fab、単一ドメイン抗体、scFv)を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項12

前記IL−2遮断部分は半減期延長要素でもある、請求項1〜11のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項13

前記IL−2遮断部分は、前記IL−2ポリペプチドのアゴニスト活性を立体的遮断する、請求項1〜8または12のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項14

前記IL−2遮断部分は、ヒト血清アルブミン、またはヒト血清アルブミンと結合する抗原結合ポリペプチドである、請求項12または13に記載の融合ポリペプチド。

請求項15

前記IL−2は、前記プロテアーゼ切断可能なポリペプチドリンカーがプロテアーゼによって切断された後、前記IL−2遮断部分から自由に解離する、請求項1〜14のいずれかに記載の融合ポリペプチド。

請求項16

前記融合ポリペプチドは、IL−2Rαと結合する、請求項1〜15のいずれかに記載の融合ポリペプチド。

請求項17

少なくとも1つの半減期延長要素をさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項18

前記半減期延長要素は、ヒト血清アルブミン、またはヒト血清アルブミンと結合する抗原結合ポリペプチドである、請求項17に記載の融合ポリペプチド。

請求項19

前記半減期延長要素は免疫グロブリンFcである、請求項17に記載の融合ポリペプチド。

請求項20

前記IL−2遮断部分は、ヒト血清アルブミン、ヒトIgGヒト化IgG、sdAb、Fab、及びscFvまたはそれらの断片である、請求項13に記載の融合ポリペプチド。

請求項21

前記IL−2受容体活性化は、標準的なインビトロ受容体活性化アッセイ、ならびにモルに基づく等量の前記IL−2ポリペプチド及び前記融合ポリペプチドを使用して決定される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項22

IL−2は、前記プロテアーゼ切断可能配列がプロテアーゼによって切断された後、前記IL−2遮断部分及び/または半減期延長要素から自由に解離する、請求項1〜21のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項23

前記少なくとも1つの半減期延長要素は、1つの半減期延長要素または2つの半減期延長要素である、請求項17〜19のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項24

L2はプロテアーゼ−切断可能なポリペプチドリンカーである、請求項1〜23のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項25

L1は第1のプロテアーゼに対する基質であり、L2は第2のプロテアーゼに対する基質である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項26

腫瘍特異抗原結合ペプチドをさらに含む、請求項2〜25のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項27

前記腫瘍特異抗原結合ペプチドは、切断不可能なリンカーによって前記IL−2ポリペプチドに連結される、請求項26に記載の融合ポリペプチド。

請求項28

前記腫瘍特異抗原結合ペプチドは、切断可能なリンカーによって前記IL−2ポリペプチド、前記半減期延長要素、または前記IL−2遮断部分に連結される、請求項26に記載の融合ポリペプチド。

請求項29

前記プロテアーゼ切断可能リンカーの切断により産生される前記IL−2ポリペプチドの血清中半減期は、天然に存在するIL−2の半減期と同等である、請求項1〜28のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項30

前記IL−2ポリペプチドは、配列番号のCys125に対応するシスチン残基の欠失または置換を含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項31

請求項1〜30のいずれかに記載のポリペプチドをコードする核酸

請求項32

請求項31に記載の核酸を含むベクター

請求項33

請求項32に記載のベクターを含む宿主細胞

請求項34

請求項33に記載の宿主細胞を、所望のポリペプチドの発現及び採取に適切な条件下で培養することを含む、医薬組成物を製造する方法。

請求項35

i)有効量の、請求項1〜30のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドと、ii)薬理学的に許容される添加物とを含む医薬組成物。

請求項36

腫瘍治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、請求項1〜30のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドを投与することを含む、前記方法。

請求項37

医薬品として使用するための、請求項1〜30のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項38

腫瘍の治療における、それを必要とする対象での使用のための、請求項1〜30のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。

請求項39

腫瘍を治療することを、それを必要とする対象において行うための医薬組成物であって、有効成分として、請求項1〜30のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドを含む、前記医薬組成物。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、2018年5月14日に出願された米国仮出願第62/671,225号、2018年11月6日に出願された米国仮出願第62/756,504号、及び2018年11月6日に出願された米国仮出願第62/756,507号の利益を主張するものである。上記出願の教示全体は、参照により、本明細書に組み込まれる。

0002

配列表
本出願は、ASCII形式電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2019年5月14日に作成された上記ASCIIコピーは105365−0021_SL.txtという名前であり、サイズは408,319バイトである。

背景技術

0003

コミットメントの低い前駆体からの成熟免疫担当リンパ系細胞発達、その後のそれらの抗原駆動免疫応答、及びこれらの望ましくない自己反応性応答の抑制は、共通γ鎖(γc)ファミリー(Rochman et al.,2009)ならびにIl−12、Il−18、及びIl−23等のファミリーメンバー受容体を利用するサイトカインインターロイキン−2[IL−2]、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15、及びIL−21等)に大きく依存し、調節される。IL−2は、Treg細胞胸腺での発生に不可欠であり、成熟した末梢Treg及び抗原により活性化された従来のT細胞のいくつかの重要な側面を決定的に調節する。IL−2は、そのインビトロでの強力なT細胞増殖因子活性のため、一部には、この活性が、例えば、がん及びAIDS−HIV等の患者で免疫を直接促進する強力な手段、または望ましくない応答、例えば、移植拒絶及び自己免疫疾患等に拮抗する標的を提供したという理由で広く研究されてきた。IL−2を用いるインビトロ研究では、これらの研究についての強い理論的根拠が得られたが、インビボでのIL−2の機能はIL−2欠損マウスで最初に例証されているように明らかに、よりはるかに複雑であり、免疫欠如ではなく、急速で致死的自己免疫症候群が観察された(Sadlack et al.,1993,1995)。後に、IL−2Rα(Il2ra)及びIL−2Rβ(Il2rb)をコードする遺伝子を個々に除去した際に、同様の観察が行われた(Suzuki et al.,1995、Willerford et al.,1995)。

0004

本発明は、免疫のアップレギュレーションもしくはダウンレギュレーションに依存するがん及び他の疾患の治療における使用のための、条件付きで活性である、及び/または標的化されたサイトカインを指す。例えば、いくつかのサイトカインの抗腫瘍活性は十分に知られ、また記載されており、いくつかのサイトカインはすでにヒトで治療的に使用されている。インターロイキン−2(IL−2)等のサイトカインでは、様々な種類の腫瘍、例えば、腎臓転移性癌腫、有毛細胞白血病カポ肉腫黒色腫多発性骨髄腫等の患者において陽性の抗腫瘍活性が示されている。IFNβ、腫瘍壊死因子(TNF)α、TNFβ、IL−1、IL−4、IL−6、IL−12、IL−15及びCSFのような他のサイトカインでは、いくつかの種類の腫瘍に対して特定の抗腫瘍活性が示されており、したがって、それらはさらなる研究課題である。

課題を解決するための手段

0005

本明細書では、疾患または障害、例えば、増殖性疾患腫瘍性疾患炎症性疾患免疫障害、自己免疫疾患、感染症ウイルス性疾患アレルギー反応寄生虫反応、移植片対宿主病等の治療のための、治療用タンパク質、かかるタンパク質をコードする核酸、ならびにかかるタンパク質及び核酸を使用する組成物及び方法が提供される。

0006

本発明は、IL−2の条件付きで活性な変異型である融合タンパク質を特徴とする。一態様では、本発明の完全長ポリペプチドは、それらが機能的サイトカインポリペプチドを含有していても、IL−2受容体活性化活性が低下しているか、または最小限である。例えば、遮断部分、例えば、立体遮断ポリペプチド等を、活性サイトインに順次連結するリンカーの切断等による活性化時、IL−2、またはその機能的断片もしくは変異タンパク質は、その受容体と結合し、シグナル伝達を実行することができる。所望される場合、完全長ポリペプチドは、追加の有利な特性も提供する遮断ポリペプチド部分を含むことができる。例えば、完全長ポリペプチドはまた、血清中半減期延長させ、及び/または完全長ポリペプチドをIL−2活性の所望の部位に指向もさせる、遮断ポリペプチド部分を含有することもできる。別法として、完全長融合ポリペプチドは、遮断ポリペプチド部分とは別個の、血清中半減期延長要素及び/または標的指向性ドメインを含有することができる。好ましくは、融合タンパク質は、インビボでの循環血中半減期を延長することができる少なくとも1つの要素またはドメインを含有する。好ましくは、この要素は、身体の所望の部位で酵素により除去され(例えば、腫瘍微小環境におけるプロテアーゼによる切断)、天然に存在するペイロード分子と実質的に同様の薬物動態学的特性をペイロード分子(例えば、IL2またはIFNa)に回復をさせる。好ましくは、融合タンパク質を所望の細胞または組織に指向させる。本明細書に記載されるように、標的指向は、所望の標的にも結合する遮断ポリペプチド部分の作用を介して、または標的指向性ドメインを介して達成される。好ましい標的上の標的抗原(例えば、腫瘍特異的抗原)を認識するドメインは、切断可能または切断不可能なリンカーを介してサイトカインに結合され得る。切断不可能なリンカーで結合された場合、標的指向性ドメインは、腫瘍内にサイトカインを保持することにさらに役立つ場合があり、保持ドメインとみなされ得る。標的指向性ドメインは、必ずしもペイロード分子に直接連結される必要はなく、融合タンパク質の別の要素に直接連結されてよい。これは、標的指向性ドメインが切断可能なリンカーで結合されている場合に特に当てはまる

0007

一態様では、IL−2ポリペプチド、またはその機能的断片もしくは変異タンパク質、及び遮断部分、例えば、立体遮断ドメイン等を含む融合ポリペプチドが提供される。遮断部分は、直接またはリンカーを介してIL−2ポリペプチドに融合され、融合部位もしくはリンカーまたは遮断部分内あるいはそれらの近傍での融合ポリペプチドの切断(例えば、プロテアーゼが媒介する切断)によってサイトカインポリペプチドから分離させることができる。例えば、サイトカインポリペプチドが、プロテアーゼ切断部位を含有するリンカーを介して遮断部分に融合される場合、サイトカインポリペプチドは、プロテアーゼの媒介によるリンカーの切断時に遮断部分から遊離し、その受容体と結合することができる。リンカーは、所望のサイトカイン活性の部位、例えば、腫瘍微小環境内等にて切断され、オフターゲットのサイトカイン活性を回避し、サイトカイン療法の全体的な毒性を低減するよう設計される。

0008

遮断部分は、血清中半減期延長要素としても機能することができる。いくつかの実施形態では、融合ポリペプチドはさらに、別々の血清中半減期延長要素を含む。いくつかの実施形態では、融合ポリペプチドはさらに、標的指向性ドメインを含む。様々な実施形態では、血清中半減期延長要素は、任意選択分岐もしくはマルチアーム型のポリエチレングリコール(PEG)、完全長ヒト血清アルブミンHSA)またはFcRnに対する結合性を維持する断片、Fc断片、あるいはFcRnに直接結合するかもしくはヒト血清アルブミンに結合するナノボディ等の水溶性ポリペプチドである。

0009

血清中半減期延長要素に加えて、本明細書に記載する医薬組成物は、好ましくは、1つ以上の標的抗原または単一標的抗原上の1つ以上の領域に結合する、少なくとも1つ、もしくはそれ以上の標的指向性ドメインを含む。本明細書では、本発明のポリペプチド構成体は、例えば、対象の疾患特異的微小環境内または血液中でプロテアーゼ切断部位にて切断されること、及び標的指向性ドメイン(複数可)は標的細胞上の標的抗原に結合することが企図される。少なくとも1つの標的抗原が疾患、障害もしくは状態に関与し、及び/または関連している。例示的標的抗原には、増殖性疾患、腫瘍性疾患、炎症性疾患、免疫障害、自己免疫疾患、感染症、ウイルス性疾患、アレルギー反応、寄生虫反応、移植片対宿主病または宿主対移植片病に関連するものが含まれる。

0010

いくつかの実施形態では、標的抗原は、タンパク質、脂質または多糖等の細胞表面分子である。いくつかの実施形態では、標的抗原は、腫瘍細胞ウイルス感染細胞細菌感染細胞、損傷した赤血球動脈プラーク細胞、または線維性組織細胞上にある。

0011

標的抗原は、場合によっては、罹患した細胞または組織、例えば、腫瘍またはがん細胞の表面に発現されている。腫瘍の標的抗原としては、線維芽細胞活性化タンパク質アルファFAPa)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(Trop2)、フィブロネクチンEDB(EDB−FN)、フィブロネクチンEIIIBドメイン、CGS−2、EpCAM、EGFRHER−2、HER−3、c−Met、FOLR1、及びCEAが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に開示される医薬組成物には、罹患した細胞または組織上で発現されることが知られている2つの異なる標的抗原に結合する2つの抗原結合ドメインを含むタンパク質も含まれる。抗原結合ドメインの例示的な対としては、EGFR/CEA、EpCAM/CEA、及びHER−2/HER−3が挙げられるが、これらに限定されない。

0012

いくつかの実施形態では、標的指向性ポリペプチドは、独立して、scFv、VHドメイン、VLドメイン、非Igドメイン、または標的抗原に特異的に結合するリガンドを含む。いくつかの実施形態では、標的指向性ポリペプチドは、細胞表面分子に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、標的指向性ポリペプチドは、腫瘍抗原に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、標的指向性ポリペプチドは、EpCAM、EGFR、HER−2、HER−3、cMet、CEA、及びFOLR1のうちの少なくとも1つから選択される腫瘍抗原に特異的かつ独立して結合する。いくつかの実施形態では、標的指向性ポリペプチドは、2つの異なる抗原に特異的かつ独立して結合し、抗原のうちの少なくとも1つは、EpCAM、EGFR、HER−2、HER−3、cMet、CEA、及びFOLR1から選択される腫瘍抗原である。いくつかの実施形態では、標的指向性ポリペプチドは、保持ドメインとして機能し、切断不可能なリンカーを介してサイトカインに結合されている。

0013

本明細書に記載されるように、サイトカイン遮断部分は、IL−2に結合し、それによりIL−2同族受容体の活性化を遮断することができる。

0014

本開示はまた、本明細書に記載される、条件付きで活性なタンパク質をコードする核酸、例えば、DNA、RNA、mRNA等、ならびにそのような核酸を含有するベクター及び宿主細胞にも関する。

0015

本開示はまた、条件付きで活性なタンパク質を含有する医薬組成物、条件付きで活性なタンパク質をコードする核酸、ならびにそのような核酸を含有するベクター及び宿主細胞にも関する。典型的には、医薬組成物は、1つ以上の生理学的に許容される担体及び/または添加物を含有する。

0016

本開示はまた、前述のうちのいずれかの、条件付きで活性なタンパク質、条件付きで活性なタンパク質をコードする核酸、そのような核酸を含有するベクターまたは宿主細胞、及び医薬組成物を有効量にて、それを必要とする対象に投与することを含む治療方法にも関する。典型的には、対象は、増殖性疾患、腫瘍性疾患、炎症性疾患、免疫障害、自己免疫疾患、感染症、ウイルス性疾患、アレルギー反応、寄生虫反応、移植片対宿主病もしくは宿主対移植片病を有するか、または発症するリスクがある。

0017

本開示はまた、前述のうちのいずれかの、条件付きで活性なタンパク質、条件付きで活性なタンパク質をコードする核酸、そのような核酸を含有するベクターまたは宿主細胞、及び医薬組成物の、それを必要とする対象を治療するための使用にも関する。典型的には、対象は、増殖性疾患、腫瘍性疾患、炎症性疾患、免疫障害、自己免疫疾患、感染症、ウイルス性疾患、アレルギー反応、寄生虫反応、移植片対宿主病もしくは宿主対移植片病を有するか、または発症するリスクがある。

0018

本開示はまた、増殖性疾患、腫瘍性疾患、炎症性疾患、免疫障害、自己免疫疾患、感染症、ウイルス性疾患、アレルギー反応、寄生虫反応、移植片対宿主病または宿主対移植片病等の疾患を治療するための医薬品の製造のための、条件付きで活性なタンパク質、条件付きで活性なタンパク質をコードする核酸、そのような核酸を含有するベクターもしくは宿主細胞の使用にも関する。

図面の簡単な説明

0019

プロテアーゼにより活性化される、遮断部分を含むサイトカインまたはケモカインを示す概略図である。遮断部分は、任意選択で、血清中半減期延長ドメインとして機能し得る。矢印の左側は、サイトカインが、プロテアーゼ切断可能リンカーを介して遮断部分に接続されており、そのため、サイトカインがその受容体に結合する能力が遮断されていることを示す図である。矢印の右側は、炎症性または腫瘍の環境では、プロテアーゼがリンカー上のプロテアーゼ切断部位で切断して遮断部分を遊離させ、サイトカインがその受容体に結合するのを可能にすることを示す図である。
HSA(遮断部分)が目的のサイトカインまたはケモカインに直接結合され、プロテアーゼ切断部位は、HSAと目的のサイトカインまたはケモカインとの間にある、プロテアーゼにより活性化されるサイトカインまたはケモカインを示す概略図である。矢印の左側は、サイトカインが、プロテアーゼ切断可能リンカーを介して遮断部分に接続されており、そのため、サイトカインがその受容体に結合する能力が遮断されていることを示す図である。矢印の右側は、炎症性または腫瘍の環境では、プロテアーゼがリンカー上のプロテアーゼ切断部位で切断して遮断部分を遊離させ、サイトカインがその受容体に結合するのを可能にすることを示す図である。
2つ以上のHSA(遮断部分)が目的分子に直接結合されている、プロテアーゼにより活性化されるサイトカインまたはケモカインを示す概略図である。所望される場合、HSAのうち1つ以上を、プロテアーゼ切断部位を含有するリンカー等のリンカーを介してサイトカインまたはケモカインに結合させることができる。矢印の左側は、サイトカインが、プロテアーゼ切断可能リンカーを介して遮断部分に接続されており、そのため、サイトカインがその受容体に結合する能力が遮断されていることを示す図である。矢印の右側は、炎症性または腫瘍の環境では、プロテアーゼがリンカー上のプロテアーゼ切断部位で切断して遮断部分を遊離させ、サイトカインが受容体と結合するのを可能にすることを示す図である。サイトカインはここで天然サイトカインと比較して同様のpK特性を有する(例えば、半減期が短い)。
同じ種類または異なる種類の2つ以上のサイトカインを含む、プロテアーゼにより活性化されるサイトカインまたはケモカインを示す概略図であり、その各々が、プロテアーゼ切断可能リンカーを介して結合ドメインに結合されている。矢印の左側は、サイトカインが、プロテアーゼ切断可能リンカーを介して遮断部分に接続されており、そのため、サイトカインがその受容体に結合する能力が遮断されていることを示す図である。矢印の右側は、炎症性または腫瘍の環境では、プロテアーゼがリンカー上のプロテアーゼ切断部位で切断して遮断部分を遊離させ、サイトカインがその受容体に結合するのを可能にすることを示す図である。
少なくとも1つのプロテアーゼ切断可能リンカーにより接続されている、サイトカインまたはケモカインポリペプチド、遮断部分、及び血清中半減期延長ドメインを含む、プロテアーゼにより活性化されるサイトカインまたはケモカインを示す概略図である。矢印の左側は、サイトカインが、プロテアーゼ切断可能リンカーを介して遮断部分に接続されており、そのため、サイトカインがその受容体に結合する能力が遮断されていることを示す図である。サイトカインはまた、血清中での半減期を延長する別個の半減期延長要素にも結合されている。矢印の右側は、炎症性または腫瘍の環境では、プロテアーゼがリンカー上のプロテアーゼ切断部位で切断し、そのため、血清中半減期延長要素及び遮断部分を遊離させ、サイトカインがその受容体に結合するのを可能にすることを示す図である。サイトカインはここで天然サイトカインと比較して同様のpK特性を有する(例えば、半減期が短い)。
少なくとも1つのプロテアーゼ切断可能リンカーにより接続されている、サイトカインまたはケモカインポリペプチド、遮断部分、及び標的指向性ドメインを含む、プロテアーゼにより活性化されるサイトカインまたはケモカインを示す概略図である。矢印の左側は、サイトカインが、プロテアーゼ切断可能リンカーを介して遮断部分及び標的指向性ドメインに接続されており、そのため、サイトカインがその受容体に結合する能力が遮断されていることを示す図である。矢印の右側は、炎症性または腫瘍の微小環境では、プロテアーゼが、リンカー内のプロテアーゼ切断部位で切断して標的指向性ドメイン及び遮断部分を遊離させ、サイトカインがその受容体に結合するのを可能にすることを示す図である。
少なくとも1つのプロテアーゼ切断可能リンカーにより接続されている、サイトカインまたはケモカインポリペプチド、遮断部分、標的指向性ドメイン、及び血清中半減期延長ドメインを含み、サイトカインポリペプチドと標的指向性ドメインとがプロテアーゼ切断可能リンカーにより接続されている、プロテアーゼにより活性化されるサイトカインまたはケモカインを示す概略図である。矢印の左側は、プロテアーゼ切断可能リンカー(複数可)を介して標的指向性ドメイン、遮断部分、及び半減期延長要素に接続されており、そのため、それがその受容体に結合する能力が遮断されていることを示す図である。矢印の右側は、炎症性または腫瘍の環境では、プロテアーゼが、リンカー(複数可)上のプロテアーゼ切断部位で切断して半減期延長要素、標的指向性ドメイン、及び遮断部分を遊離させ、サイトカインがその受容体に結合するのを可能にすることを示す図である。サイトカインはここで天然サイトカインと比較して同様のpK特性を有する(例えば、半減期が短い)。
少なくとも1つのプロテアーゼ切断可能リンカーにより接続されている、サイトカインまたはケモカインポリペプチド、遮断部分、標的指向性ドメイン、及び血清中半減期延長ドメインを含む、プロテアーゼにより活性化されるサイトカインまたはケモカインを示す概略図である。矢印の左側は、サイトカインが、プロテアーゼ切断可能リンカー(複数可)を介して標的指向性ドメイン、遮断部分、及び半減期延長要素に接続されており、そのため、サイトカインがその受容体に結合する能力が遮断されていることを示す図である。矢印の右側は、炎症性または腫瘍の環境では、プロテアーゼが、リンカー(複数可)上のプロテアーゼ切断部位で切断して半減期延長要素及び遮断部分を遊離させ、サイトカインが受容体に結合するのを可能にすることを示す図である。標的指向性部分は結合されたまま残り、サイトカインを腫瘍微小環境内に維持する。サイトカインはここで天然サイトカインと比較して同様のpK特性を有する(例えば、半減期が短い)。
免疫グロブリン分子可変ドメインの構造を示す概略図である。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の両方の可変ドメインは、3つの超可変ループ、または相補性決定領域(CDR)を含有する。Vドメインの3つのCDR(CDR1、CDR2、CDR3)がベータバレルの一端でクラスターを形成する。CDRは、免疫グロブリンフォールドベータ鎖B−C、C’−C”、及びF−Gをつなぐループであるが、免疫グロブリンフォールドのベータ鎖AB、CC’、C”−D及びE−Fをつなぐ下部ループ、ならびに免疫グロブリンフォールドのD−E鎖をつなぐ上部ループは非CDRループである。
サイトカインまたはケモカインポリペプチド、血清アルブミン結合ドメイン(例えば、dAb)である遮断部分、及びプロテアーゼ切断可能リンカーを含む、プロテアーゼにより活性化されるサイトカインまたはケモカインを示す概略図である。図示の例では、血清アルブミン結合ドメイン(例えば、sdAb)内の非CDRループはサイトカインIL−2に対する結合部位を形成することができる。この例では、血清アルブミンの結合部位は血清アルブミン結合ドメインのCDRにより形成することができる。
図7a〜図7hは、IL−2依存性細胞傷害性Tリンパ球細胞株TLL−2における例示的IL−2融合タンパク質の活性を示す一連グラフである。各グラフは、発光量に基づく細胞生存性アッセイであるCellTiter−Glo(登録商標)(Promega)によって定量したIL−2増殖アッセイの結果を示す。各増殖アッセイは、HSAを用いて(図7b、図7d、図7e、図7g)、または用いずに(図7a、図7c、図7f、図7h)実施された。各融合タンパク質は抗HSA結合体を含み、融合タンパク質の非切断型及びMMP9プロテアーゼによる切断型の両方を各アッセイで使用した。
同上。
図8a〜図8fは、IL−2依存性細胞傷害性Tリンパ球細胞株CTLL−2における例示的IL−2融合タンパク質の活性を示す一連のグラフである。各グラフは、発光量に基づく細胞生存性アッセイであるCellTiter−Glo(Promega)によって定量したIL−2増殖アッセイの結果を示す。融合タンパク質の非切断型及びMMP9プロテアーゼによる切断型の両方を各アッセイで使用した。
図9a〜図9zは、IL−2依存性細胞傷害性Tリンパ球細胞株CTLL−2における例示的IL−2融合タンパク質の活性を示す一連のグラフである。各グラフは、発光量に基づく細胞生存性アッセイであるCellTiter−Glo(Promega)によって定量したIL−2増殖アッセイの結果を示す。融合タンパク質の非切断型及びMMP9プロテアーゼによる切断型の両方を各アッセイで使用した。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
実施例3に記載のタンパク質切断アッセイの結果を示す。融合タンパク質ACP16を切断形態及び非切断形態の両方でSDS−PAGEゲルにかけた。ゲルに示されるように、切断は完了した。
IL−2融合タンパク質及び組換え型ヒトIL2(Rec hIL−2)で実施したHEK−Blue IL−2レポーターアッセイから得られた結果を示す一連のグラフである。試薬UANTI−Blue(InvivoGen)を使用して、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)活性の定量に基づいて分析を実施した。
同上。
同上。
同上。
図12a及び図12bは、HSA存在下でのHEKBlue IL−2レポーターアッセイにおけるACP16(図12a)及びACP124(図12b)の分析を示す2つのグラフである。円は未切断ポリペプチドの活性を示し、四角は切断ポリペプチドの活性を示す。図12cは、CTLL−2増殖アッセイの結果を示すグラフである。CTLL2細胞(ATCC)を、40mg/mlのヒト血清アルブミン(HSA)を含むかまたは含まない培地中に500,000細胞/ウェルの濃度にて懸濁播種し、活性化可能なhIL2の希釈系列を用いて37℃、5%CO2にて72時間刺激した。非切断型及び切断型の活性化可能なACP16の活性を試験した。活性MMP9とのインキュベーションによって作製した切断型の活性化可能なhIL2を、発光量に基づく細胞生存性アッセイCellTiter−Glo(Promega)を使用して細胞活性を評価した。円は無傷の融合タンパク質を示し、四角はプロテアーゼにより切断された融合タンパク質を示す。図12d
同上。
腫瘍異種移植モデルにおいてACP16を分析した結果を示すグラフである。図13aは、4.4μgのACP16(四角)、17μgのACP16(三角)、70μgのACP16(逆三角)、232μgのACP16(黒丸)、ならびに比較対照としての12μgの野生型IL−2(破線、三角)及び36μgの野生型IL−2(破線、菱形)で処置したマウスにおける経時的な腫瘍体積を示す。ビヒクル単体は大きい白丸で示される。データは、高濃度のACP16で処置したマウスにおいて腫瘍体積が用量依存的に経時的に減少することを示す。
腫瘍異種移植モデルにおいてACP124を分析した結果を示すグラフである。図13bは、17μgのACP124(四角)、70μgのACP124(三角)、230μgのACP124(逆三角)、及び700μgのACP124で処置したマウスにおける経時的な腫瘍体積を示す。ビヒクル単体は大きい白丸で示される。
腫瘍異種移植モデルにおいてACP16、ACP124を分析した結果を示すグラフである。図13cは、17μgのACP16(三角)、70μgのACP16(丸)、232μgのACP16(黒丸)、ならびに比較対照としての17μgのACP124(破線、三角)70μgのACP124(破線、菱形)、230μgのACP124(破線、菱形)で処置したマウスにおける経時的な腫瘍体積を示す。ビヒクル単体は逆黒三角で示される。データは、ACP16で処置したマウスでは腫瘍体積が用量依存的に経時的に減少するが、ACP124ではそのような減少がないことを示す。
図14a〜図14cは、図13に示すデータに対応する、MC38マウス異種移植モデルにおける融合タンパク質の活性を示す一連のスパゲッティプロットである。プロットの各線は1匹のマウスである。
同上。
同上。
対照マウス(白丸)及びAP16処置マウス(四角)における腫瘍増殖を示すマウス異種移植モデルでの経時的な腫瘍体積を示すグラフである。
切断可能な融合タンパク質による処置後のマウスの経時的な生存を示す一連の生存プロットである。図16aは、ビヒクル単体(灰色の線)、17μgのACP16(暗線)、及び1μgのACP124(破線)で処置したマウスのデータを示す。
切断可能な融合タンパク質による処置後のマウスの経時的な生存を示す一連の生存プロットである。図16bは、ビヒクル単体(灰色の線)、70μgのACP16(暗線)、及び70μgのACP124(破線)で処置したマウスのデータを示す。
切断可能な融合タンパク質による処置後のマウスの経時的な生存を示す一連の生存プロットである。図16cは、ビヒクル単体(灰色の線)、232μgのACP16(暗線)、及び230μgのACP124(破線)で処置したマウスのデータを示す。
切断可能な融合タンパク質による処置後のマウスの経時的な生存を示す一連の生存プロットである。図16dは、ビヒクル単体(灰色の線)、232μgのACP16(暗線)、及び700μgのACP124(破線)で処置したマウスのデータを示す。
MC38マウス異種移植モデルにおける融合タンパク質の活性を示す一連のスパゲッティプロットである。1週間/2回投与の後に致死的毒性が検出されたAPC132の3つの最高用量を除いては、マウス全群に合計4回の投与を行った。図には、ビヒクル単体(上段)、17μg、55μg、70μg、及び230μgのACP16(上段全列)、9μg、38μg、36μg、及び119μgのACP132(中段全列)、及び13μg、42μg、54μg、及び177μgのACP21(下段全列)が示されている。プロットの各線は個々の動物を表す。
プロテアーゼで切断可能な融合タンパク質の例示として使用するTriTacポリペプチドの特性を示す。
プロテアーゼで切断可能な融合タンパク質の例示として使用するTriTacポリペプチドの特性を示す。
プロテアーゼで切断可能な融合タンパク質の例示として使用するTriTacポリペプチドの特性を示す。
プロテアーゼで切断可能な融合タンパク質の例示として使用するTriTacポリペプチドの特性を示す。

0020

本明細書では、誘導性サイトカインを含む構成体を操作し使用するための方法及び組成物を開示する。サイトカインは強力な免疫アゴニストであり、そのため、サイトカインが腫瘍学の有望な治療剤とみなされるようになる。しかしながら、サイトカインは治療域が非常に狭いことが証明された。サイトカインは血清中半減期が短く、また極めて強力であると考えられている。結果として、サイトカインの治療的投与により望ましくない全身性の作用及び毒性が生じる。これらは、サイトカイン作用が意図される部位(例えば、腫瘍)で所望のサイトカインレベルを達成するために大量のサイトカインを投与する必要性により悪化した。残念なことに、サイトカインの生物学、及びそれらの活性を効果的に標的とし、制御できないために、サイトカインでは、腫瘍の治療において期待される臨床的利点は達成されなかった。

0021

本明細書では、腫瘍学におけるサイトカインの臨床用途を厳しく制限していた毒性及び短い半減期という問題を克服する融合タンパク質を開示する。融合タンパク質は、受容体アゴニスト活性を有するサイトカインポリペプチドを含有する。しかし、融合タンパク質との関連においては、サイトカイン受容体アゴニスト活性減弱され、循環血中半減期は延長される。融合タンパク質にはプロテアーゼ切断部位が含まれ、これらは、サイトカイン活性の所望の部位(例えば、腫瘍)に関連するプロテアーゼによって切断され、所望の活性の部位において典型的には濃縮されるかまたは選択的に存在する。したがって、融合タンパク質は、優先的(または選択的)かつ効率的に活性の所望の部位で切断して、サイトカイン活性を活性の所望の部位、例えば、腫瘍微小環境等に実質的に制限する。腫瘍微小環境内等、活性の所望の部位でのプロテアーゼによる切断により、融合タンパク質よりもサイトカイン受容体アゴニストとしてはるかに活性な(典型的には融合タンパク質よりも少なくとも約100倍活性である)融合タンパク質から、ある形態のサイトカインを遊離させる。融合タンパク質の切断時に遊離するサイトカインの形態は典型的には半減期が短く、天然に存在するサイトカインの半減期と実質的に同様であることが多く、サイトカイン活性を腫瘍微小環境にさらに制限する。融合タンパク質の半減期は延長されるが、循環融合タンパク質は減弱されており、活性サイトカインが腫瘍微小環境に指向されるため、毒性は劇的に低減または排除される。本明細書に記載される融合タンパク質は、初めて、サイトカインの活性を実質的に腫瘍微小環境に制限し、サイトカインの望ましくない全身性の作用及び毒性を劇的に低減または排除する、腫瘍を治療する有効治療量のサイトカインの投与を可能にする。

0022

特別に定義しない限り、本明細書で使用される技術用語表記法及び他の科学用語はいずれも、本発明が関連する当業者により共通して理解される意味を持つことが意図される。場合によっては、共通して理解される意味を持つ用語は、分かりやすくするため、及び/またはすぐに参照できるようにするために本明細書で定義され、そのような定義を本明細書に含めることは、必ずしも当該技術分野で一般に理解されるものとの相違を表すものではないと解釈されるべきである。本明細書で記載または参照される技術及び手順は、一般によく理解されており、当業者による従来の方法論、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 4th ed.(2012) Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NYに記載されている、広く利用されている分子クローニング方法論等を使用して一般的に使用される。必要に応じて、市販のキット及び試薬の使用を伴う手順は一般に、特に断りのない限り、製造者が定義するプロトコル及び条件に従って行われる。

0023

「サイトカイン」は、特に免疫系の細胞によって分泌され、免疫系の調節因子である一群免疫調節タンパク質(インターロイキンまたはインターフェロン等)のいずれかを指す周知の技術用語である。本明細書に開示される融合タンパク質で使用できるサイトカインポリペプチドとしては、TGF−α及びTGF−β(例えば、TGFベータ1、TGFベータ2、TGFベータ3)等のトランスフォーミング増殖因子;インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターフェロン−カッパ及びインターフェロン−オメガ等のインターフェロン;IL−1、IL−1α、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21及びIL−25等のインターロイキン;腫瘍壊死因子アルファ及びリンホトキシン等の腫瘍壊死因子;ケモカイン(例えば、C−X−Cモチーフケモカイン10(CXCL10)、CCL19、CCL20、CCL21)、及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GM−CS)、ならびにサイトカインの同族受容体を活性化するようなポリペプチドの断片(すなわち、前述のものの機能的断片)が挙げられるが、これらに限定されない。「ケモカイン」は、応答性細胞近傍へ向けられる走化性誘導する能力のある小さなサイトカインのファミリーのいずれかを指す技術用語である。

0024

サイトカインは血清中半減期が短く、わずか数分または数時間である場合が多いことが周知である。血清中半減期を延長することを意図した改変アミノ酸配列を有するが受容体アゴニスト活性は保持するサイトカインの形態でさえも、典型的には血清中半減期が短い。本明細書で使用する場合、「半減期が短いサイトカイン」とは、対象の血清中を循環する半減期が実質的に短時間である、例えば、血清中半減期が10分未満、15分未満、30分未満、60分未満、90分未満、120分未満、240分未満、または480分未満であるサイトカインを指す。本明細書で使用する場合、半減期の短いサイトカインには、対象の体内で通常よりも長い半減期を達成するように、その配列が修飾されていないサイトカイン、及び血清中半減期を延長することを意図した改変アミノ酸配列を有するが、受容体アゴニスト活性は保持するポリペプチドが含まれる。典型的には、IL−2ポリペプチド等の短い半減期サイトカインポリペプチドは、天然に存在するIL−2と同等の血清中半減期を有し、例えば、天然に存在するIL−2の5倍、4倍、3倍または2倍以内である。この後者の場合、異種タンパク質ドメイン、例えば、真正な半減期延長要素、例えば、血清アルブミン等の付加を含めることを意図しない。

0025

ソルターゼ」は、標的とするタンパク質もしくはペプチド包埋されているかまたはその末端に結合しているカルボキシル末端局在化シグナルを認識して切断することによってタンパク質を修飾するペプチド転移酵素である。ソルターゼAは、標的タンパク質上のThr残基とGly残基の間のLPXTGモチーフ(配列番号125)(Xは、任意の標準アミノ酸)の切断を触媒し、Thr残基が酵素上の活性部位であるCys残基一過性に結合し、酵素−チオアシ中間体を形成する。ペプチド転移を完了させ、ペプチド−単量体複合体を作るために、N末端求核基、典型的にはオリゴグリシンモチーフを有する生体分子は中間体を攻撃し、ソルターゼAを置換して2つの分子を連結する。

0026

本明細書で使用する場合、用語「立体遮断物質」とは、サイトカインポリペプチドに、例えば、キメラポリペプチド(融合タンパク質)等の形態で、リンカー等の他の部分を介して共有結合で直接または間接的に結合させることができるが、それ以外の場合にはそのサイトカインポリペプチドには共有結合で結合しないポリペプチドまたはポリペプチド部分を指す。立体遮断物質は、サイトカインポリペプチドに非共有結合的に、例えば、静電結合疎水結合イオン結合または水素結合を介して結合することができる。立体遮断物質は、典型的には、それがサイトカイン部分に近接していること及び同等のサイズであることによりサイトカイン部分の活性を阻害するかまたは遮断する。立体遮断物質はまた、大きなタンパク質結合パートナー動員することによっても遮断する場合がある。この一例は、血清アルブミンに結合する抗体であり、抗体自体は、単独で活性化または結合を遮断するのに十分な大きさである場合とそうでない場合があるが、アルブミンの動員により十分な立体遮断が可能になる。

0027

本明細書で使用及び記載される場合、「半減期延長要素」は、例えば、そのサイズ(例えば、腎臓ろ過カットオフ値を上回るよう)、形状、流体力学的半径電荷改変するか、または吸収、生体内分布、代謝、及び消失というパラメータを改変することによって、血清中半減期を延長させ、かつpKを改善するキメラポリペプチドの一部である。

0028

本明細書で使用する場合、用語「活性化可能な」、「活性化する」、「誘導する」、及び「誘導性」とは、タンパク質、すなわち、融合タンパク質の一部であるサイトカインが、融合タンパク質からの追加要素の切断時に自身の受容体と結合して活性を実現する能力を指す。

0029

本明細書で使用する場合、「プラスミド」または「ウイルスベクター」は、開示の核酸を分解されない状態で細胞に輸送し、かつ、送達先の細胞に核酸分子及び/またはポリペプチドの発現をもたらすプロモーターを含む、物質である。

0030

本明細書で使用する場合、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、または「タンパク質」は、ペプチド結合によって連結される2つ以上のアミノ酸を意味するために広く使用される。タンパク質、ペプチド、及びポリペプチドはまた、本明細書ではアミノ酸配列を指すために同じ意味で使用される。本明細書では、分子を構成するアミノ酸の特定のサイズまたは数を示唆するためにはポリペプチドという用語は使用されないこと、本発明のペプチドは最大で数個からそれ以上のアミノ酸残基を含有することができることを認識されるべきである。

0031

全体を通して使用する場合、「対象」は、脊椎動物、より具体的には、哺乳類(例えば、ヒト、ウマネコイヌウシブタヒツジヤギ、マウス、ウサギラット、及びモルモット)、鳥類爬虫類両生類魚類、及び他の任意の動物であり得る。かかる用語は特定の年齢または性別を意味しない。したがって、雌雄を問わず、成体及び新生の対象が包含されることが意図される。

0032

本明細書で使用する場合、「患者」または「対象」は、同じ意味で使用されてよく、疾患または障害(例えば、がん)を有する対象を指し得る。患者または対象という用語には、ヒト対象及び獣医学の対象が含まれる。

0033

本明細書で使用する場合、用語「治療」、「治療する」、または「治療すること」とは、疾患もしくは状態の影響またはその疾患もしくは状態の症状を低減する方法を指す。したがって、開示の方法では、治療は、確立された疾患もしくは状態またはその疾患もしくは状態の症状の重症度における、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または実質的に完全な低減を指し得る。例えば、疾患を治療するための方法は、対象の疾患の1つ以上の症状において、対照と比較して10%の低減がある場合、治療とみなされる。したがって、低減は、天然または対照でのレベルと比較して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、または10%〜100%の間の任意の低減率であり得る。治療は必ずしも疾患、状態、またはその疾患もしくは状態の症状の治癒または完全な除去を指すものではないと理解される。

0034

本明細書で使用する場合、疾患または障害について「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、行為、例えば、対象がその疾患または障害の1つ以上の症状を示し始める前、またはそれとほぼ同時に行われる、キメラポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする核酸配列の投与等であって、その疾患もしくは障害の1つ以上の症状の発症または増悪を阻害するかまたは遅らせる行為を指す。

0035

本明細書で使用する場合、「減少すること」、「低減すること」、または「阻害すること」への言及には、適切な対照のレベルと比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%またはそれより大きい変化が含まれる。そのような用語には、機能または特性、例えば、アゴニスト活性等の完全な消失が含まれ得るが、必ずしも含まれるわけではない。

0036

「減弱されたサイトカイン受容体アゴニスト」は、そのサイトカイン受容体の天然に存在するアゴニストと比較して受容体アゴニスト活性が低下しているサイトカイン受容体アゴニストである。減弱されたサイトカインアゴニストは、その受容体の天然に存在するアゴニストと比較して、少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍またはそれより低いアゴニスト活性を有してよい。本明細書に記載のサイトカインポリペプチドを含有する融合タンパク質が「減弱された」または「減弱された活性」を有すると記載されている場合、その融合タンパク質は、減弱されたサイトカイン受容体アゴニストであることを意味する。

0037

「無傷の融合タンパク質」は、例えば、プロテアーゼによる切断等によって除去されているドメインがない融合タンパク質である。ドメインはプロテアーゼによる切断または他の酵素活性によって除去可能であり得るが、融合タンパク質が「無傷」の場合は、これは起こっていない。

0038

本明細書で使用する場合、「部分」とは、分子の一部分であって、その分子内部で別個の機能を有し、別の分子の状況においてその機能がその部分によって実行され得るものを指す。部分は、特定の機能を有する化学物質であるか、または特定の機能を有する生物学的分子の一部分であってよい。例えば、融合タンパク質内部の「遮断部分」は、融合ポリペプチドの一部またはすべての活性を遮断することができる、融合タンパク質の一部分である。これは、血清アルブミン等のタンパク質ドメインであってよい。遮断は、立体遮断物質または特定の遮断物質によって達成されてよい。立体遮断物質は、特定の結合に基づくのではなくサイズ及び位置によって遮断し、一例は血清アルブミンである。特異的遮断物質は、遮断される部分との特定の相互作用によって遮断する。特定の遮断物質は、特定のサイトカインまたは活性なドメインに合わせて調整する必要があり、立体遮断物質は、それが十分な大きさである限りペイロードに関係なく使用することができる。

0039

一般に、サイトカインの治療的使用は、その全身毒性により強く制限される。例えば、TNFは当初、それが一部の腫瘍の出血性壊死を誘発する能力、及び様々な腫瘍株に対するインビトロでの細胞毒性作用について発見されたが、その後、強い炎症誘発性活性を有することが証明され、それが過剰産生状態になった場合、危険なほど人体に影響を及ぼす場合がある。全身毒性は、ヒトにおいて薬理学的に活性な量のサイトカインの使用に関連する根本的な問題であるため、このクラスの生物学的エフェクターの治療有効性を維持しつつ、その毒性作用を低減することを目的とした新規誘導体及び治療的戦略が現在評価中である。

0040

IL−2は、免疫系において刺激性調節性の両方の機能を発揮し、共通γ鎖(γc)サイトカインファミリーの他のメンバーとともに、免疫恒常性の中心である。IL−2は、IL−2受容体(IL−2R)に結合することによってその作用を媒介し、かかる受容体は、IL−2Rα(CD25)鎖、IL−2Rβ(CD122)鎖、及びIL−2Rγ(γc、CD132)鎖で構成される三量体の受容体または二量体のβγ IL−2Rからなる(1、3)。いずれのIL−2R変異型も、IL−2結合時にシグナルを伝達することができる。しかしながら、三量体のαβγ IL−2Rは、IL−2に対する親和性が二量体のβγ IL−2Rよりも約10〜100倍高く(3)、CD25は、IL−2とその受容体との高親和性結合を付与するがシグナル伝達に不可欠というわけではないことが示唆される。三量体IL−2Rは、活性化T細胞、及びCD4+フォークヘッドボックスP3(FoxP3)+の制御性T細胞(Treg)に見られ、これらは、インビトロ及びインビボにおいてIL−2に感受性である。逆に、抗原を経験した(メモリー)CD8+、CD44高度メモリー表現型(MP)CD8+、及びナチュラルキラー(NK)細胞には、高レベルの二量体βγ IL−2Rが与えられており、これらの細胞もまた、インビトロ及びインビボでIL−2に対して激しく応答する。

0041

高親和性IL−2Rの発現は、インビボで一過性に利用可能な低濃度のIL−2にT細胞が応答するようにするために重要である。IL−2Rαの発現は、ナイーブT細胞及びメモリーT細胞には見られないが、抗原活性化後に誘導される。IL−2Rβは、NK、NKT、及びメモリーCD8+ T細胞によって構成的に発現されるが、抗原活性化後にナイーブT細胞にも誘導される。γcは、それほど厳密には調節されておらず、すべてのリンパ系細胞によって構成的に発現されている。一旦、抗原によって高親和性IL−2Rが誘導されると、IL−2Rシグナル伝達により、一部、Il2ra転写のStat5依存性調節を介してIL−2Rαの発現が増加される(Kim et al.,2001)。この過程は、IL−2供給源が残っている状態のまま、高親和性IL−2Rの発現を維持してIL−2シグナル伝達を持続させる機構を表す。

0042

IL−2は、IL−2Rαによって、極性周辺に囲まれた大きな疎水結合表面を介して捕捉され、迅速なオンオフ結合動態を有する比較的弱い相互作用(Kd10−8M)をもたらす。ただし、IL−2Rα−IL−2二元複合体はIL−2に非常に小さい立体配座的変化をもたらし、IL−2とIL−2Rβ間の別個の極性相互作用を介したIL−2Rβとの会合を促進する。IL2/α/β三量体複合体高親和性(すなわち、Kd約300pM)は、Ciardelliのデータで示されるように、三量体複合体は、IL2がα鎖単体(Kd=10nM)またはβ鎖単体(Kd=450nM)に結合した場合よりも安定であることを明確に示している。いずれにしても、IL2/α/β三量体はその後、γ鎖を動員してシグナル伝達能のある四元複合体となるが、これは、IL2と結合したβ鎖上のγ鎖のための大きな複合結合部位によって促進される。

0043

言い換えれば、IL−2Rα−IL−2Rβ−IL−2三元複合体はその後、IL−2との弱い相互作用及びIL−2Rβとのより強い相互作用を介してγcを動員し、安定な四元高親和性IL−2R(Kd10−11M、すなわち10pM)を生成する。高親和性IL−2−IL−2R四元複合体の形成により、IL−2Rβ及びγcにそれぞれ関連するチロシンキナーゼJak1及びJak3を介したシグナル伝達がもたらされる(Nelson and Willerford,1998)。IL−2−IL−2R四元複合体は迅速に内在化されて、IL−2、IL−2Rβ、及びγcは急速に分解されるが、IL−2Rαは細胞表面に再利用される(Hemar et al.,1995,Yu and Malek,2001)。したがって、持続的なIL−2Rシグナル伝達を必要とするそれらの機能活性には、IL−2Rαと会合してさらなるIL−2−IL−2Rシグナル伝達複合体を形成するためにIL−2の継続的供給源を必要とする。

0044

制御性T細胞は、免疫系の活性化を能動的に抑制し、病理学的自己反応性疾患及びその結果としての自己免疫疾患を防ぐ。自己免疫疾患の治療のために制御性T細胞を選択的に活性化する薬物及び方法の開発は、精力的な研究の主題であり、活性なインターロイキンを炎症部位に選択的に送達することができる本発明の開発までは、大部分が不成功であった。制御性T細胞(Treg)は、他の免疫細胞の活性を抑制するCD4+CD25+ T細胞のクラスである。Tregは免疫系恒常性の中心であり、自己抗原に対する寛容の維持及び異物抗原に対する免疫応答の調節において主要な役割を果たす。1型糖尿病(T1D)、全身性エリテマトーデスSLE)、及び移植片対宿主病(GVHD)等、複数の自己免疫及び炎症性疾患は、Treg細胞数またはTreg機能の欠損を有することが示されている。

0045

結果として、Treg細胞の数及び/または機能を高める治療の開発に大きな関心が持たれている。検討されている自己免疫疾患の治療方法の1つは、自己エキソビボ増殖Treg細胞の移植である(Tang,Q.,et al,2013,Cold Spring Harb.Perspect.Med.,3:1−15)。この方法は、疾患の動物モデルの治療及びいくつかの初期段階のヒト臨床試験において有望であることが示されているが、患者自身のT細胞を用いた個別化医療が必要であり、侵襲的である上、技術的に複雑である。別の方法は、低用量のインターロイキン−2(IL−2)を用いる治療である。Treg細胞は、サブユニットであるIL2Rα(CD25)、IL2Rβ(CD122)、及びIL2Rγ(CD132)で構成される高親和性IL−2受容体IL2Rαβγを高い構成的レベルで特徴的に発現し、Treg細胞の増殖はIL−2依存性であることが示されている(Malek,T.R.,et al.,2010,Immunity,33:153−65)。

0046

逆に、IL−2を使用して免疫活性化も達成されており、組換え型IL−2(Proleukin(登録商標))が特定のがん治療に承認されている。高用量IL−2は、全生存に長期的影響を与える転移性黒色腫及び転移性腎細胞腫の患者の治療に使用される。

0047

慢性GVHD(Koreth,J.,et al.,2011,N Engl J Med.,365:2055−66)及びHCV関連自己免疫性血管炎患者(Saadoun,D.,et al.,2011,N Engl J Med.,365:2067−77)の低用量IL−2治療の臨床試験では、Tregレベルの増加と臨床的有効性の徴候が実証されている。他の複数の自己免疫及び炎症性疾患におけるIL−2の有効性を調査する新しい臨床試験が開始されている。いわゆる低用量IL−2を使用する理論的根拠は、Tregに構成的に発現する三量体IL−2受容体の高IL−2親和性を利用することであるが、高親和性受容体を発現しない他のT細胞は不活性化状態のままにしておくことであった。これらの試験で使用されたIL−2の組換え型であるアルデスロイキン(Prometheus Laboratories、San Diego,CAよりProleukin(登録商標)として販売されている)は高い毒性と関連している。アルデスロイキンは、転移性黒色腫及び転移性腎癌治療用に承認されているが、その副作用は非常に重度であるため、その使用は、集中治療を受けられる病院に限り推奨される(ウェブアドレス:www.proleukin.com/assets/pdf/proleukin.pdf)。

0048

Treg細胞は、それがIL2Rアルファを発現することにより、他の多くの免疫細胞型より低濃度のIL−2に応答するため、自己免疫疾患におけるIL−2の臨床試験では、Treg細胞を標的とするために、より低用量のIL−2を使用した(Klatzmann D,2015 Nat Rev Immunol.15:283−94)。しかしながら、これらの低用量でさえ安全性及び忍容性の問題が生じ、使用された治療では、連日の皮下注射慢性的または間欠的5日間治療コースのいずれかで採用した。したがって、Treg細胞の数と機能を強化し、IL−2よりも特異的にTreg細胞を標的とし、より安全で認容性が高く、投与頻度が少ない、自己免疫疾患治療法が必要とされている。

0049

自己免疫疾患に対するIL−2による治療法の治療指数を改善するために提案されている1つの方法は、他の免疫細胞と比較してTreg細胞に選択的なIL−2の変異型を使用することである。IL−2受容体は、T細胞、NK細胞好酸球、及び単球等、多種多様な免疫細胞型で発現し、この広い発現パターンが、免疫系に及ぼすその多面的作用及び高い全身毒性に寄与する可能性がある。特に、活性化されたエフェクターT細胞は、肺上皮細胞と同様、IL2Rαβγを発現する。しかし、エフェクターT細胞の活性化は、免疫応答を抑制及び制御するという目標に真っ向から対立するものであり、肺上皮細胞の活性化は、肺水腫等、IL−2の既知用量制限副作用をもたらす。事実、高用量IL−2免疫療法の主な副作用は、血管漏出症候群(VLS)であり、これにより及び肝臓等の臓器に血管内液蓄積され、その後の肺水腫及び肝細胞損傷を引き起こす。IL−2の中止以外にVLSの治療法はない。VLSを回避するため、低用量のIL−2レジメンが患者で試験されているが、その代償として治療結果は最適とは言えない。

0050

文献によれば、VLSは、IL−2で活性化されたNK細胞からの炎症性サイトカインの放出によって引き起こされると考えられている。しかしながら、肺水腫は、低〜中レベルの機能的αβγ IL−2Rを発現する肺内皮細胞とIL−2が直接結合することに起因するという強力な証拠がある。また、IL−2と肺内皮細胞との相互作用に関連する肺水腫は、CD25欠損宿主マウスでは、抗CD25モノクローナル抗体(mAb)を用いてCD25への結合を遮断することによって、またはCD122特異的IL−2/抗IL−2 mAb(IL−2/mAb)複合体の使用によって抑制され、それによりVLSを予防した。

0051

IL−2以外のインターロイキンサイトカインでの治療はさらに制限されている。IL−15は、IL−2と同様の免疫細胞刺激活性を示すが、同じ阻害効果はないため、免疫療法の有望な候補となる。転移性悪性黒色腫または腎細胞癌の治療のための組換え型ヒトIL−15の臨床試験では、免疫細胞分布、増殖、及び活性化における明らかな変化が示され、潜在的な抗腫瘍活性が示唆された(Conlon et.al.,2014)。IL−15は現在、様々な形態のがんを治療する臨床試験が行われている。しかしながら、IL−15治療は、特定の白血病、移植片対宿主病、低血圧血小板減少症、及び肝損傷を悪化させる等の望ましくない毒性作用に関連することが知られている。(Mishra A.,et al.,Cance Cell,2012,22(5):645−55、Alpdogan O.et al.,Blood,2005,105(2):866−73、Conlon KC et al.,J Clin Oncol,2015,33(1):74−82)。

0052

IL−2Rと結合して治療的に免疫応答を調節するアゴニストとしてのIL−2の直接の使用は、十分に立証されているその治療上のリスク、例えば、その血清中半減期の短さ及び高い毒性等による問題があった。これらのリスクにより、治療法の発達及び他のサイトカインの使用もまた制限された。これらのリスクを低減する新しい形態のサイトカインが必要とされている。本明細書では、IL−2及びIL−15及び他のサイトカイン、サイトカインの機能的断片と変異タンパク質、ならびにこれらのリスクに対処し、必要とされる免疫調節治療法を提供するよう設計された条件付きで活性なサイトカインを含む組成物及び方法を開示する。

0053

本発明は、直接的なIL−2療法及び他のサイトカインを使用する療法の欠点に対処するよう設計されており、例えば、サイトカイン遮断部分、例えば、立体遮断ポリペプチド、血清中半減期延長ポリペプチド、標的指向性ポリペプチド、プロテアーゼ切断可能リンカー等の連結ポリペプチド、及びその組み合わせ等を使用する。サイトカインは、インターロイキン(例えば、IL−2、IL−7、IL−12、IL−15、IL−18、IL−21 IL−23)、インターフェロン(IFNアルファ、IFNベータ及びIFNガンマ等のIFN)、腫瘍壊死因子(例えば、TNFアルファ、リンホトキシン)、トランスフォーミング増殖因子(例えば、TGFベータ1、TGFベータ2、TGFベータ3)、ケモカイン(C−X−Cモチーフケモカイン10(CXCL10)、CCL19、CCL20、CCL21)、及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CS)を含め、患者に投与した場合に極めて強力である。本明細書で使用する場合、「ケモカイン」は、応答性細胞近傍へ向けられる走化性を誘導する能力のある小さなサイトカインのファミリーを意味する。サイトカインは、強力な治療法を提供できるが、臨床的に管理が困難な望ましくない作用を伴い、これによりサイトカインの臨床用途が制限されている。本開示は、望ましくない作用が低減または排除された、患者で使用することができる新しい形態のサイトカインに関する。特に、本開示は、キメラポリペプチド(融合タンパク質)が含まれる医薬組成物、融合タンパク質をコードする核酸、及び対応するサイトカインと比較してサイトカイン受容体活性化活性が低下しているサイトカインまたはサイトカインの活性断片もしくは変異タンパク質を含有する前述の医薬製剤に関する。ただし、選択された条件下または選択された生物学的環境では、キメラポリペプチドはそれらの同族受容体を活性化し、しばしば、対応する天然に存在するサイトカインと同じかまたはそれより高い効力を有する。本明細書に記載されるように、これは、典型的には、サイトカイン、その活性断片もしくは変異タンパク質の受容体活性化機能を遮断または阻害するサイトカイン遮断部分を、サイトカイン活性の所望の部位(例えば、炎症部位または腫瘍)に存在する条件等の選択された条件下ではなく一般的な条件下で使用して達成される。

0054

キメラポリペプチド及びキメラポリペプチドをコードする核酸は、任意の適切な方法を使用して作製することができる。例えば、キメラポリペプチドをコードする核酸は、組換えDNA技術合成化学、またはこれらの技術の組み合わせを使用して作製され得、そしてCHO細胞等の適切な発現系において発現され得る。キメラポリペプチドは同様に、例えば、合成または半合成化学技術等を使用した、適切な核酸の発現によって作製することができる。いくつかの実施形態では、遮断部分は、ソルターゼ媒介性の結合を介してサイトカインポリペプチドに結合させることができる。「ソルターゼ」は、標的とするタンパク質もしくはペプチドに包埋されているかまたはその末端に結合しているカルボキシル末端の局在化シグナルを認識して切断することによってタンパク質を修飾するペプチド転移酵素である。ソルターゼAは、標的タンパク質上のThr残基とGly残基の間のLPXTGモチーフ(配列番号125)(Xは、任意の標準アミノ酸)の切断を触媒し、Thr残基が酵素上の活性部位であるCys残基に一過性に結合し、酵素−チオアシル中間体を形成する。ペプチド転移を完了させ、ペプチド−単量体複合体を作るために、N末端求核基、典型的にはオリゴグリシンモチーフを有する生体分子は中間体を攻撃し、ソルターゼAを置換して2つの分子を連結する。

0055

サイトカイン遮断部分融合タンパク質を形成するために、サイトカインポリペプチドは、最初に、N末端にてポリグリシン配列でタグ付けされるか、または別法として、C末端にてLPXTGモチーフ(配列番号125)でタグ付けされる。遮断部分または他の要素にはそれぞれにペプチドが結合され、タグ付きポリペプチド用のアクセプター部位として機能する。自身のN末端を介して結合しているLPXTGアクセプターペプチド(配列番号125)を保持するドメインへの結合の場合、ポリペプチドは、N末端のポリグリシンストレッチでタグ付けされる。自身のC末端を介して結合しているポリグリシンペプチドを保持するドメインへの結合の場合、ポリペプチドは、そのC末端にてLPXTGソルターゼ認識配列(配列番号125)でタグ付けされる。ソルターゼは、ポリグリシン配列及びLPXTG(配列番号125)配列を認識すると、ポリマーのペプチドとタグ付きポリペプチドとの間にペプチド結合を形成する。ソルターゼの反応は、グリシン残基を中間体として切り離し、これは室温で起こる。

0056

様々な機構を利用して、遮断部分により生じる阻害を除去または低減することができる。例えば、医薬組成物には、IL−2ポリペプチド、ならびに遮断部分、例えば、立体遮断部分等とともに、IL−2ポリペプチドとIL−2遮断部分との間またはIL−2遮断部分内部に位置するプロテアーゼ切断部位を含むプロテアーゼ切断可能リンカーが含まれ得る。プロテアーゼ切断部位が切断されると、遮断部分はサイトカインから解離することができ、次いで、サイトカインが、サイトカイン受容体を活性化することができる。サイトカイン部分はまた、関連するサイトカインに見られるエピトープと結合する、抗体等の特定の遮断部分によっても遮断され得る。

0057

任意の適切なリンカーを使用することができる。例えば、リンカーは、グリシン−グリシン、ソルターゼ認識モチーフ、またはソルターゼ認識モチーフとペプチド配列(Gly4Ser)n(配列番号126)もしくは(Gly3Ser)n(配列番号127)(ここで、nは、1、2、3、4または5)を含むことができる。典型的には、ソルターゼ認識モチーフは、ペプチド配列LPXTG(配列番号125)を含み、ここで、Xは任意のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、共有結合は、サイトカインポリペプチドのC末端に結合している反応性リジン残基と、遮断物質または他のドメインのN末端に結合している反応性アスパラギン酸との間にある。他の実施形態では、共有結合は、サイトカインポリペプチドのN末端に結合している反応性アスパラギン酸残基と、前記遮断物質または他のドメインのC末端に結合している反応性リジン残基との間にある。

0058

したがって、本明細書に詳述されるように、使用したサイトカイン遮断部分(例えば、IL−2遮断部分)は立体遮断物質であり得る。本明細書で使用する場合、「立体遮断物質」とは、サイトカインポリペプチドに、例えば、キメラポリペプチド(融合タンパク質)等の形態で、リンカー等の他の部分を介して共有結合で直接または間接的に結合させることができるが、それ以外の場合にはそのサイトカインポリペプチドには共有結合で結合しないポリペプチドまたはポリペプチド部分を指す。立体遮断物質は、サイトカインポリペプチドに非共有結合的に、例えば、静電結合、疎水結合、イオン結合または水素結合を介して結合することができる。立体遮断物質は、典型的には、それがサイトカイン部分に近接していること及び同等のサイズであることによりサイトカイン部分の活性を阻害するかまたは遮断する。サイトカイン部分の立体阻害は、立体遮断物質からサイトカイン部分を空間的に分離することによって、例えば、立体遮断物質とサイトカインポリペプチドとを含有する融合タンパク質を、立体遮断物質とサイトカインポリペプチドの間の部位で酵素により切断することによって取り除くことができる。

0059

本明細書でさらに詳述されるように、遮断機能は、医薬組成物中の追加の機能的成分、例えば、標的指向性ドメイン、血清中半減期延長要素、及びプロテアーゼ切断可能連結ポリペプチド等との組み合わせであっても、またそれらが存在することによるものであってもよい。例えば、血清中半減期延長ポリペプチドは立体遮断物質でもあり得る。

0060

様々な要素により、所望のIL−2活性の部位に優先的にIL−2の送達と活性を保証し、血清中半減期延長戦略に優先的に連結させた遮断及び/または標的指向戦略を介してインターロイキンへの全身曝露を厳しく制限する。この血清中半減期延長戦略では、遮断型のインターロイキンは、長時間(好ましくは1〜2週間またはそれ以上)循環するが、活性化型はインターロイキンの典型的な血清中半減期を有する。

0061

血清中半減期延長型と比較すると、静脈内投与されたIL−2の血清中半減期は、平均サイズの成人では約15Lと大きい全身の細胞外間隙に分布するため、わずか約10分である。その後、IL−2は、腎臓により代謝され、半減期は約2.5時間である。(Smith,K.“Interleukin 2 immunotherapy”.Therapeutic Immunology 240(2001))。他の測定値では、IL−2は、血漿中半減期は、静脈内投与では85分、皮下投与では3.3時間と非常に短い(Kirchner,G.I.,et al.,1998,Br J Clin Pharmacol.46:5−10)。本発明のいくつかの実施形態では、半減期延長要素は、リンカーを介してインターロイキンに連結され、作用部位で切断(例えば、炎症特異的または腫瘍特異的なプロテアーゼによって)されて、所望の部位でインターロイキンの完全な活性を遊離し、また、それを非切断型半減期延長から分離させる。そのような実施形態では、完全に活性な遊離インターロイキンは、非常に異なる薬物動態(pK)特性を有し、半減期は数週間ではなく数時間である。さらに、活性サイトカインへの曝露は、所望のサイトカイン活性の部位(例えば、炎症部位または腫瘍)に限定され、活性サイトカインへの全身曝露、ならびに関連する毒性及び副作用が低減される。

0062

本発明で想定される他のサイトカインは、IL−2と同様の薬理学(例えば、Blood 2011 117:4787−4795;doi:doi.org/10.1182/blood−2010−10−311456で報告されたIL−15)を有し、したがって、本発明の設計は、これらの薬剤を直接使用することの欠点に対処し、より長い半減期を有すること、及び/または所望の活性の部位(例えば、炎症部位または腫瘍)に指向させることができるキメラポリペプチドを提供する。

0063

所望される場合、IL−2R複合体に一般的に結合するか、または3つのIL−2Rサブユニットのうちの1つに、対応する野生型IL−2の親和性とは異なる親和性で特異的に結合して、例えば、TregもしくはTeffを選択的に活性化するよう、IL−2を操作することができる。例えば、野生型IL−2と比較して、二量体のベータ/ガンマ形態のIL−2受容体と比べると三量体形態のIL−2受容体に対する親和性の方が高いと言われるIL−2ポリペプチドは、配列番号1(Uniprot受託番号P60568−1を有するヒトIL−2のアミノ酸21〜153を含む成熟IL−2タンパク質)について、変異のセット、すなわち、(a)K64R、V69A、及びQ74P、(b)V69A、Q74P、及びT101A、(c)V69A、Q74P、及びI128T、(d)N30D、V69A、Q74P、及びF103S、(e)K49E、V69A、A73V、及びK76E、(f)V69A、Q74P、T101A、及びT133N、(g)N30S、V69A、Q74P、及びI128A、(h)V69A、Q74P、N88D、及びS99P、(i)N30S、V69A、Q74P、及びI128T、(j)K9T、Q11R、K35R、V69A、及びQ74P、(k)A1T、M46L、K49R、E61D、V69A、及びH79R、(l)K48E、E68D、N71T、N90H、F103S、及びI114V、(m)S4P、T10A、Q11R、V69A、Q74P、N88D、及びT133A、(n)E15K、N30S Y31H、K35R、K48E、V69A、Q74P、及びI92T、(o)N30S、E68D、V69A、N71A、Q74P、S75P、K76R、及びN90H、(p)N30S、Y31C、T37A、V69A、A73V、Q74P、H79R、及びI128T、(q)N26D、N29S、N30S、K54R、E67G、V69A、Q74P、及びI92T、(r)K8R、Q13R、N26D、N30T、K35R、T37R、V69A、Q74P、及びI92T、ならびに(s)N29S、Y31H、K35R、T37A、K48E、V69A、N71R、Q74P、N88D、及びI89Vのうちの1つが含まれるアミノ酸配列を有することができる。この方法は、インターロイキン(例えば、IL−2、IL−7、IL−12、IL−15、IL−18、IL−23)、インターフェロン(IFNアルファ、IFNベータ及びIFNガンマ等のIFN)、腫瘍壊死因子(例えば、TNFアルファ、リンホトキシン)、トランスフォーミング増殖因子(例えば、TGFベータ1、TGFベータ2、TGFベータ3)及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CS)等、他のサイトカインの変異タンパク質を調製するためにも適用することができる。例えば、同族受容体に対する所望の結合親和性を有する変異タンパク質を調製することができる。

0064

上記のように、本明細書に開示する変異IL−2ポリペプチドのいずれも、記載される配列を含めることができ、それらは記載配列に限定することも、別の場合には配列番号1と同一であることも可能である。さらに、本明細書に開示する変異IL−2ポリペプチドのいずれも、任意選択で、125位のシステイン残基の別の残基(例えば、セリン)での置換を含めることができ、及び/または、任意選択で、配列番号1の1位のアラニン残基欠失を含めることができる。

0065

IL−2による治療法の治療指数を改善する別の方法は、Treg細胞を最大限に活性化するよう分子の薬物動態を最適化することである。IL−2作用の初期の研究では、インビトロでのヒトT細胞増殖のIL−2刺激には、有効濃度のIL−2への最低5〜6時間の曝露が必要であることが実証された(Cantrell,D.A.,et.al.,1984,Science,224:1312−1316)。ヒト患者に投与した場合、IL−2は、血漿中半減期が静脈内投与では85分、皮下投与では3.3時間と非常に短い(Kirchner,G.I.,et al.,1998,Br J Clin Pharmacol.46:5−10)。その短い半減期のため、循環血中IL−2を、T細胞増殖を刺激するのに必要なレベル以上に必要な期間維持するには、Treg細胞のEC50を大幅に上回るIL−2ピークレベルをもたらす高用量を必要とするか、または頻回投与が必要になる。これらの高いIL−2ピークレベルはIL2Rβγ受容体を活性化することができ、他の意図しないまたは有害な作用、例えば、上述のようなVLS等が生じ得る。IL−2アナログ、またはFcRn受容体への結合を可能にするドメインにIL−2が結合している、IL−2よりも循環血中半減期の長い多機能性タンパク質では、目的薬物濃度を指定された期間、IL−2よりも低用量かつ低いピークレベルで達成することができる。したがって、そのようなIL−2アナログでは、Treg細胞を効果的に刺激するためにIL−2よりも低い用量または少ない頻度の投与しか必要とされない。IL−2薬のより頻度の少ない皮下投与もまた患者にとって許容されやすい。これらの特徴を備えた治療法は、臨床的には、治療法に関する薬理学的有効性の改善、毒性の低減、及び患者のコンプライアンスの改善につながる。別法として、IL−2またはIL−2の変異タンパク質(本明細書では、「IL−2*」)は、意図される作用部位(例えば、炎症部位)に選択的に指向させることができる。この標的指向性は、切り離されるIL−2(または変異タンパク質)の遮断物質を含む投与薬剤へのドメインの追加等、いくつかの戦略のうちの1つによって、またはドメインに標的指向させることによって、または2つの組み合わせによって達成することができる。

0066

いくつかの実施形態では、IL−2*部分アゴニストは、所望の標的に応じて、より高いまたはより低い親和性で結合するよう調整することができ、例えば、IL−2*は、受容体サブユニットのうちの1つに増強された親和性で結合し、他のサブユニットには結合しないよう操作することができる。これらのタイプの部分アゴニストは、完全アゴニストまたは完全アンタゴニストとは異なり、シグナル伝達特性を、望ましくない特性の閾値を満たさずに所望の機能特性を誘発する振幅に調整する能力を提供する。部分アゴニストの特異的な活性を考えると、IL−2変異型のレパートリーは、ほぼ完全〜部分的なアゴニスト作用から完全なアンタゴニスト作用に至るまで、さらに細かい程度の特徴的なシグナル伝達活性を示すよう操作することができる。

0067

いくつかの実施形態では、IL−2*は、IL−2Rαに対する親和性が改変している。いくつかの実施形態では、IL−2*は、IL−2Rαに対する親和性が野生型IL−2より高い。他の実施形態では、IL−2*は、IL−2Rβに対する親和性が改変している。一実施形態では、IL−2*は、IL−2Rβ、例えば、IL−2RβのN末端に対する結合親和性が増強されており、これにより、IL−2Rαに対する機能的要件が排除される。別の実施形態では、IL−2*は、IL−2Rβに対する結合親和性は増加しているが、IL−2Rγへの結合減少を示すよう作製されるため、IL−2Rβγヘテロ二量体化及びシグナル伝達に欠陥がある。

0068

以下に詳述される遮断部分はまた、1つ以上の受容体への結合または活性化を促進するためにも使用することができる。一実施形態では、遮断部分は、IL−2Rβγの結合または活性化は遮断されるがIL−2Rαの結合または活性化は変化させないよう付加される。別の実施形態では、遮断部分は、IL−2Rαの結合または活性化が減少されるよう付加される。別の実施形態では、遮断部分は、3つすべての受容体の結合及び または活性化が阻害されるよう付加される。この遮断は、特定の環境における遮断部分の除去によって、例えば、1つ以上の遮断部分をサイトカインに連結するリンカーのタンパク質分解性切断によって軽減され得る。

0069

同様の方法は、他のサイトカインを、例えば、がん治療用等、特に免疫刺激薬としての使用について改善するために適用することができる。例えば、この態様では、サイトカイン(例えば、IL−2、IL−7、IL−12、IL−15、IL−18、IL−21 IL−23、IFNアルファ、IFNベータ及びIFNガンマ、TNFアルファ、リンホトキシン、TGFベータ1、TGFベータ2、TGFベータ3GM−CSF、CXCL10、CCL19、CCL20、及びCCL21等の薬物動態及び/または薬力学は、エフェクター細胞(例えば、エフェクトT細胞、NK細胞)及び/または細胞傷害性免疫応答促進細胞を、腫瘍内等所望の活性の部位にて、好ましくは全身性ではなく、最大限に活性化させる(例えば、樹状細胞の成熟を誘導する)よう調整することができる。

0070

したがって、本明細書では、少なくとも1つのサイトカインポリペプチド、例えば、インターロイキン(例えば、IL−2、IL−7、IL−12、IL−15、IL−18、IL−21、IL−23)、インターフェロン(IFNアルファ、IFNベータ及びIFNガンマ等のIFN)、腫瘍壊死因子(例えば、TNFアルファ、リンホトキシン)、トランスフォーミング増殖因子(例えば、TGFベータ1、TGFベータ2、TGFベータ3)、ケモカイン(例えば、CXCL10、CCL19、CCL20、CCL21)及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CS)等、または前述のうちのいずれかの機能的断片もしくは変異タンパク質を含む、医薬組成物が提供される。ポリペプチドには、典型的には、少なくとも1つのリンカーアミノ酸配列も含まれ、アミノ酸配列は、特定の実施形態では、内在性プロテアーゼによる切断を受けることができる。一実施形態では、リンカーは、HSSLQ(配列番号25)、GPLVRG(配列番号128)、IPVSLRSG(配列番号129)、VPLSLYSG(配列番号130)、またはSGESPAYYTA(配列番号131)を含むアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、キメラポリペプチドはさらに、インターロイキンポリペプチドの活性を遮断することができる遮断部分、例えば、立体遮断ポリペプチド部分等を含有する。遮断部分は、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)結合ドメインまたは任意選択で分岐もしくはマルチアーム型のポリエチレングリコール(PEG)を含むことができる。別法として、医薬組成物は、第1のサイトカインポリペプチドまたはその断片、及び遮断部分、例えば、立体遮断ポリペプチド部分を含み、遮断部分は、サイトカイン受容体上でサイトカインポリペプチドの活性を遮断し、特定の実施形態では、遮断部分はプロテアーゼ切断可能ドメインを含む。いくつかの実施形態では、サイトカイン活性の遮断及び低減は、非常に短いリンカーを用いてインターロイキンドメインのN末端またはC末端に追加ドメインを結合させることにより簡単に達成される。そのような実施形態では、遮断は、遮断部分、または遮断物質をインターロイキンに繋ぎ止める短いリンカーが、プロテアーゼにより消化されることにより軽減されることが予測される。一旦ドメインが切り取られるかまたは遊離されると、サイトカイン活性の遮断を達成することはできなくなる。

0071

医薬組成物、例えば、キメラポリペプチドは、2つ以上のサイトカインを含むことができ、それらは、同一サイトカインポリペプチドでも異なるサイトカインポリペプチドでもあり得る。例えば、2つ以上の異なる種類のサイトカインは補完的機能を有する。いくつかの例では、第1のサイトカインはIL−2であり、第2のサイトカインはIL−12である。いくつかの実施形態では、2つ以上の異なる種類のサイトカインポリペプチドの各々は、他のサイトカインポリペプチドの活性を調節する活性を有する。2つのサイトカインポリペプチドを含有するキメラポリペプチドのいくつかの例では、第1のサイトカインポリペプチドはT細胞活性化であり、第2のサイトカインポリペプチドは非T細胞活性化である。2つのサイトカインポリペプチドを含有するキメラポリペプチドのいくつかの例では、第1のサイトカインは化学誘引物質、例えば、CXCL10であり、第2のサイトカインは免疫細胞活性化因子である。

0072

好ましくは、本明細書に開示の融合タンパク質に含まれるサイトカインポリペチド(機能的断片を含む)は、受容体結合の親和性及び特異性または血清中半減期等、天然に存在するサイトカインの特性を改変するよう変異または操作されない。ただし、天然に存在する(野生型を含む)サイトカインからのアミノ酸配列の変化は、例えば、クローニングを容易にするため、及び所望の発現レベルを達成するために許容される。

0073

CD25の結合
修飾IL−2構成体では、多くの場合、CD25の結合は妨げられる。対照的に、本明細書に記載のIL−2ポリペプチドは、好ましくは、CD25の結合を回避するようには修飾されない。好ましくは、本明細書に記載のIL−2ポリペプチドはCD25と結合する。典型的には、本明細書に記載のIL−2融合タンパク質は、CD25結合が可能であり、遮断は、IL−2Rベータ及びガンマ(CD122及びCD132)との相互作用に向けられている。

0074

遮断部分
遮断部分は、サイトカインがその受容体と結合及び/または活性化する能力を阻害する任意の部分であり得る。遮断部分は、サイトカインがその受容体と結合及び/または活性化する能力を、立体的に遮断することによって、及び/またはサイトカインに共有結合で結合することによって阻害することができる。適切な遮断部分の例には、サイトカインの同族受容体の、完全長またはサイトカイン結合断片または変異タンパク質が含まれる。サイトカインと結合する、ポリクローナル抗体組換え抗体ヒト抗体ヒト化抗体一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)及びラクダ型ナノボディ(VHH)の可変ドメイン等)、dAb等のような、抗体及びその断片を使用することもできる。サイトカインと結合する他の適切な抗原結合ドメインを使用することもでき、これには、抗体の結合及び/または構造を模倣する非免疫グロブリンタンパク質、例えば、アンチカリン、アフィリンアフィボディ分子、アフィマー、アフィチン、アルファボディアビマー、DARPin、フィノマー(fynomer)、クニッツドメインペプチドモノボディ、ならびにSpA、GroEL、フィブロネクチン、リポカリン及びCTLA4といった足場等の他の操作された足場に基づく結合ドメイン等が含まれる。適切な遮断ポリペプチドのさらなる例には、サイトカインのその同族受容体への結合を立体的に阻害または遮断するポリペプチドが含まれる。有利なことに、そのような部分はまた、半減期延長要素としても機能する。例えば、PEG等の水溶性ポリマーへの結合により修飾されているペプチドは、サイトカインのその受容体への結合を立体的に阻害または防止することができる。血清アルブミン(ヒト血清アルブミン)、免疫グロブリンFc、トランスフェリン等、ならびにそのようなポリペプチドの断片及び変異タンパク質等、血清中半減期が長いポリペプチドまたはその断片を使用することもできる。例えば、HSA、免疫グロブリンまたはトランスフェリン等の血清中半減期の長いタンパク質に結合するか、またはFcRnもしくはトランスフェリン受容体のような形質膜に再利用される受容体に結合する抗体及び抗原結合ドメインはまた、特にそれらの抗原に結合した場合に、サイトカインを阻害することができる。そのような抗原結合ポリペプチドの例には、一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体(重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)及びラクダ型ナノボディ(VHH)の可変ドメイン等)、dAb等が含まれる。サイトカインと結合する他の適切な抗原結合ドメインを使用することもでき、これには、抗体の結合及び/または構造を模倣する非免疫グロブリンタンパク質、例えば、アンチカリン、アフィリン、アフィボディ分子、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アビマー、DARPin、フィノマー(fynomer)、クニッツドメインペプチド、モノボディ、ならびにSpA、GroEL、フィブロネクチン、リポカリン及びCTLA4といった足場等の他の操作された足場に基づく結合ドメイン等が含まれる。

0075

例示的な例では、IL−2がキメラポリペプチド内のサイトカインである場合、遮断部分は、IL−2受容体のアルファ鎖(IL−2Rα)またはIL−2受容体のベータ(IL−2Rβ)鎖もしくはガンマ鎖(IL−2Rγ)の、完全長または断片または変異タンパク質、抗IL−2単一ドメイン抗体(dAb)もしくはscFv、Fab抗CD25抗体もしくはその断片、及び抗HAS dAbもしくはscFv等であり得る。

0076

本発明のさらなる態様
1.非CDRループと切断可能なリンカーとを含む結合部分に、機能的に連結されているサイトカイン部分を含む融合タンパク質であって、前記結合部分は、前記サイトカインのその受容体への結合及び/または前記サイトカインによる前記受容体の活性化をマスキングすることができる、前記融合タンパク質。

0077

2.前記結合部分は、天然ペプチド合成ペプチド、操作された足場、または操作されたバル血清タンパク質である、態様1に記載の融合タンパク質。

0078

3.前記操作された足場は、sdAb、scFv、Fab、VHH、フィブロネクチンIII型ドメイン、免疫グロブリン様足場、DARPin、シスチンノットペプチド、リポカリン、3ヘリックスバンドル足場、プロテインG関連アルブミン結合モジュール、またはDNAもしくはRNAアプタマー足場を含む、態様1または2に記載の融合タンパク質。

0079

4.前記結合部分は、バルク血清タンパク質に結合することができる、態様1〜2のいずれか1つに記載の融合タンパク質。

0080

5.前記非CDRループは、可変ドメイン、定常ドメイン、C1セットドメイン、C2セットドメイン、Iドメイン、またはその任意の組み合わせに由来する、態様1〜3のいずれか1つに記載の融合タンパク質。

0081

6.前記結合部分はさらに、相補性決定領域(CDR)を含む、態様1〜4のいずれか1つに記載の融合タンパク質。

0082

7.前記結合部分は、前記バルク血清タンパク質に結合することができる、態様5に記載の融合タンパク質。

0083

8.前記バルク血清タンパク質は半減期延長タンパク質である、態様6に記載の融合タンパク質。

0084

9.前記バルク血清タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、第XIII因子、またはフィブリノゲンである、態様6または7に記載の融合タンパク質。

0085

10.前記CDRループは、前記バルク血清タンパク質または前記免疫グロブリン軽鎖、またはその任意の組み合わせに対して特異的な結合部位を提供する、態様5〜8のいずれか1つに記載の融合タンパク質。

0086

11.前記切断可能なリンカーが切断部位を含む、態様1〜9のいずれか1つに記載の融合タンパク質。

0087

12.前記切断部位はプロテアーゼによって認識される、態様10に記載の融合タンパク質。

0088

13.前記結合部分は前記サイトカインに結合されている、態様11に記載の融合タンパク質。

0089

14.前記結合部分は、共有結合で前記サイトカインに連結されている、態様11または11に記載の融合タンパク質。

0090

15.前記結合部分は、前記結合部分と前記サイトカインの間の特異的な分子間相互作用を介して、前記サイトカインのその標的への結合をマスキングすることができる、態様11、11、または14に記載の融合タンパク質。

0091

16.前記非CDRループは、前記部分の前記サイトカインへの結合に対して特異的な結合部位を提供する、態様11〜14のいずれか1つに記載の融合タンパク質。

0092

17.前記切断可能なリンカーの切断時、前記結合部分は、前記サイトカインから分離され、前記サイトカインがその標的に結合する、態様11〜15のいずれか1つに記載の融合タンパク質。

0093

18.前記サイトカインはサイトカイン受容体に結合する、態様1〜16のいずれか1つに記載の融合タンパク質。

0094

19.前記サイトカイン受容体は、I型サイトカイン受容体、I型IL受容体II型IL受容体、ケモカイン受容体、または腫瘍壊死受容体スーパーファミリー受容体を含む、態様17に記載の融合タンパク質。

0095

20.前記切断可能なリンカーは切断部位を含む、態様1〜18のいずれか1つに記載の融合タンパク質。

0096

21.前記切断部位はプロテアーゼによって認識される、態様20に記載の融合タンパク質。

0097

22.前記プロテアーゼ切断部位は、セリンプロテアーゼシステインプロテアーゼアスパラギン酸プロテアーゼトレオニンプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼゼラチナーゼ、またはアスパラギンペプチドリアーゼによって認識される、態様21に記載の融合タンパク質。

0098

23.前記プロテアーゼ切断部位は、カテプシンBカテプシンCカテプシンDカテプシンEカテプシンK、カテプシンL、カリクレイン、hK1、hK10、hK15、プラスミンコラゲナーゼIV型コラゲナーゼ、ストロメライシン、第Xa因子キモトリプシン様プロテアーゼトリプシン様プロテアーゼエラスターゼ様プロテアーゼ、サブチリシン様プロテアーゼ、アクチニダインブロメラインカルパインカスパーゼ、カスパーゼ−3、Mir1−CP、パパイン、HIV−1プロテアーゼ、HSVプロテアーゼ、CMVプロテアーゼ、キモシンレニンペプシンマトリプターゼレグマイン、プラスメプシン、ネペンテシン、メタロエキソペプチダーゼメタロエンドペプチダーゼマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、MMP1、MMP2、MMP3、MMP8、MMP9、MMP10、MMP11、MMP12、MMP13、MMP14、ADAM10、ADAM17、ADAM12、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(uPA)、エンテロキナーゼ前立腺特異標的(PSA、hK3)、インターロイキン−1β変換酵素トロンビン、FAP(FAP−α)、ジペプチジルペプチダーゼ、またはジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV/CD26)、II型膜貫通型セリンプロテアーゼ(TTSP)、好中球エラスターゼ、カテプシンG、プロテイナーゼ3、好中球セリンプロテアーゼ4、マスト細胞キマーゼ、マスト細胞トリプターゼ、ジペプチジルペプチダーゼ、及びジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV/CD26)によって認識される、態様21に記載の融合タンパク質。

0099

24.非CDRループ、サイトカイン、及び切断可能なリンカー(L)を含む結合部分(M)を含む、条件付きで活性な結合タンパク質であって、前記非CDRループは、前記サイトカインに結合することができ、前記結合部分は、前記サイトカインのその受容体への結合を阻害すること、及び/または前記サイトカインによる前記受容体の活性化を阻害することができる、前記条件付きで活性な結合タンパク質。

0100

25.前記結合部分は、半減期延長タンパク質に結合することができる、態様24に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0101

26.前記結合部分は、天然ペプチド、合成ペプチド、操作された足場、または操作された血清バルクタンパク質である、態様24または25に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0102

27.前記操作された足場は、sdAb、scFv、Fab、VHH、フィブロネクチンIII型ドメイン、免疫グロブリン様足場、DARPin、シスチンノットペプチド、リポカリン、3ヘリックスバンドル足場、プロテインG関連アルブミン結合モジュール、またはDNAもしくはRNAアプタマー足場を含む、態様26に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0103

28.前記非CDRループは、可変ドメイン、定常ドメイン、C1セットドメイン、C2セットドメイン、Iドメイン、またはその任意の組み合わせに由来する、態様24〜27のいずれか1つに記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0104

29.前記結合部分はさらに、相補性決定領域(CDR)を含む、態様24〜28のいずれか1つに記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0105

30.前記結合部分は、バルク血清タンパク質に対して特異的な結合部位を含む、態様24〜29のいずれか1つに記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0106

31.前記バルク血清タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、第XIII因子、またはフィブリノゲンである、態様30に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0107

32.前記CDRは、前記バルク血清タンパク質または前記免疫グロブリン軽鎖、またはその任意の組み合わせに対して特異的な結合部位を提供する、態様29〜31のいずれか1つに記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0108

33.前記結合部分は、前記結合部分と前記サイトカインの間の特異的な分子間相互作用を介して、前記サイトカインのその標的への結合をマスキングすることができる、態様29〜32のいずれか1つに記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0109

34.前記非CDRループは、前記結合部分の前記サイトカインへの結合に対して特異的な結合部位を提供する、態様29〜33のいずれか1つに記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0110

35.前記サイトカインはサイトカイン受容体に結合する、態様24〜34のいずれか1つに記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0111

36.前記サイトカイン受容体は、I型サイトカイン受容体、I型IL受容体、II型IL受容体、ケモカイン受容体、または腫瘍壊死受容体スーパーファミリー受容体を含む、態様35に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0112

37.前記切断可能なリンカーは切断部位を含む、態様24〜36に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0113

38.前記切断部位はプロテアーゼによって認識される、態様37に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0114

39.前記プロテアーゼ切断部位は、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、ゼラチナーゼ、またはアスパラギンペプチドリアーゼによって認識される、態様38に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0115

40.前記プロテアーゼ切断部位は、カテプシンB、カテプシンC、カテプシンD、カテプシンE、カテプシンK、カテプシンL、カリクレイン、hK1、hK10、hK15、プラスミン、コラゲナーゼ、IV型コラゲナーゼ、ストロメライシン、第Xa因子、キモトリプシン様プロテアーゼ、トリプシン様プロテアーゼ、エラスターゼ様プロテアーゼ、サブチリシン様プロテアーゼ、アクチニダイン、ブロメライン、カルパイン、カスパーゼ、カスパーゼ−3、Mir1−CP、パパイン、HIV−1プロテアーゼ、HSVプロテアーゼ、CMVプロテアーゼ、キモシン、レニン、ペプシン、マトリプターゼ、レグマイン、プラスメプシン、ネペンテシン、メタロエキソペプチダーゼ、メタロエンドペプチダーゼ、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、MMP1、MMP2、MMP3、MMP8、MMP9、MMP10、MMP11、MMP12、MMP13、MMP14、ADAM10、ADAM17、ADAM12、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、エンテロキナーゼ、前立腺特異標的(PSA、hK3)、インターロイキン−1β変換酵素、トロンビン、FAP(FAP−α)、ジペプチジルペプチダーゼ、またはジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV/CD26)、II型膜貫通型セリンプロテアーゼ(TTSP)、好中球エラスターゼ、カテプシンG、プロテイナーゼ3、好中球セリンプロテアーゼ4、マスト細胞キマーゼ、マスト細胞トリプターゼ、ジペプチジルペプチダーゼ、及びジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV/CD26)によって認識される、態様38に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0116

41.前記結合部分に結合した半減期延長ドメインをさらに含み、ここで、前記半減期延長ドメインは、前記結合タンパク質に安全スイッチを提供し、前記リンカーの切断時、前記サイトカインからの前記結合部分と前記半減期延長ドメインの分離によって前記結合タンパク質が活性化され、それにより、前記結合タンパク質が前記安全スイッチから分離される、態様24に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0117

42.前記リンカーの前記切断は腫瘍微小環境におけるものである、態様41に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0118

43.結合部分内部の非CDRループを介してサイトカインに結合する前記結合部分を含む条件付きで活性な結合タンパク質であって、前記結合部分がさらに半減期延長ドメインに連結され、かつ切断可能なリンカーを含み、前記結合タンパク質は、前記リンカーの切断によるその活性化より前の半減期が延長されており、活性化時、前記結合部分及び前記半減期延長ドメインは前記サイトカインから分離され、前記結合タンパク質は、その活性化状態では、半減期が延長されていない、前記条件付きで活性な結合タンパク質。

0119

44.前記リンカーの前記切断は腫瘍微小環境におけるものである、態様43に記載の条件付きで活性な結合タンパク質。

0120

インビボ半減期延長要素
好ましくは、キメラポリペプチドは、インビボ半減期延長要素を含む。天然では半減期が短い治療用分子のインビボ半減期を増加させることにより、有効性を犠牲にすることなく、より許容できる管理可能な投与レジメンが可能になる。本明細書で使用する場合、「半減期延長要素」は、例えば、そのサイズ(例えば、腎臓ろ過カットオフ値を上回るよう)、形状、流体力学的半径、電荷を改変するか、または吸収、生体内分布、代謝、及び消失というパラメータを改変することによって、インビボ半減期を増加させ、pKを改善するキメラポリペプチドの一部である。ポリペプチドのpKを改善する例示的方法は、内皮細胞上のFcRn受容体及びトランスフェリン受容体等、リソソームで分解されるのではなく細胞の形質膜に再利用される受容体に結合するポリペプチド鎖の要素の発現によるものである。3種のタンパク質、例えば、ヒトIgG、HSA(または断片)、及びトランスフェリン等は、ヒト血清中では、そのサイズだけから予測されるよりはるかに長く存続し、これは、リソソームで分解されるのではなく再利用される受容体に対するそれらの結合能の作用である。これらのタンパク質、またはFcRn結合を保持するそれらの断片は、それらの血清中半減期を延長させるために他のポリペプチドに日常的に連結される。一実施形態では、半減期延長要素は、ヒト血清アルブミン(HSA)結合ドメインである。HSA(配列番号2)はまた、医薬組成物に直接結合させても短いリンカーを介して結合させてもよい。HSAの断片を使用してもよい。HSA及びその断片は、遮断部分としても半減期延長要素としても機能することができる。ヒトIgG及びFc断片もまた同様の機能を実行することができる。

0121

血清中半減期延長要素はまた、血清アルブミン、トランスフェリン等の血清中半減期の長いタンパク質に結合する抗原結合ポリペプチドでもあり得る。そのようなポリペプチドの例には、ポリクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体(重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)及びラクダ型ナノボディ(VHH)の可変ドメイン等)、dAb等のような、抗体及びその断片が含まれる。他の適切な抗原結合ドメインには、抗体の結合及び/または構造を模倣する非免疫グロブリンタンパク質、例えば、アンチカリン、アフィリン、アフィボディ分子、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アビマー、DARPin、フィノマー(fynomer)、クニッツドメインペプチド、モノボディ、ならびにSpA、GroEL、フィブロネクチン、リポカリン及びCTLA4といった足場等の他の操作された足場に基づく結合ドメイン等が含まれる。抗原結合ポリペプチドのさらなる例には、所望の受容体に対するリガンド、受容体のリガンド結合部分、レクチン、及び1つ以上の標的抗原に結合するかまたは会合するペプチドが含まれる。

0122

いくつかの好ましい血清中半減期延長要素は、相補性決定領域(CDR)、及び任意選択で非CDRループを含むポリペプチドである。有利なことに、そのような血清中半減期延長要素は、サイトカインの血清中半減期を延長させることができ、また、サイトカイン阻害物質として(例えば、立体遮断、非共有結合の相互作用またはそれらの組み合わせを介して)、及び/または標的指向性ドメインとしても機能する。場合によっては、血清中半減期延長要素は、免疫グロブリン分子(Ig分子)に由来するドメインであるか、あるいは抗体の構造及び/または結合活性を模倣する、操作されたタンパク質足場である。Igは、任意のクラスまたはサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAIgEIgM等)のものであってよい。Ig分子のポリペプチド鎖は、折り畳まれてループで連結された一連の平行なベータ鎖になる。可変領域では、ループのうちの3つが「相補性決定領域」(CDR)を構成し、分子の抗原結合特異性を決定する。IgG分子は、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖、またはその抗原結合性断片を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略す)及び重鎖定常領域で構成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2及びCH3で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略す)及び軽鎖定常領域で構成される。軽鎖定常領域は1つのドメインCLで構成される。VH及びVL領域はさらに、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域に細分することができ、それらは、配列が超可変であり、及び/または抗原認識に関与し、及び/または通常構造的に定義されたループを形成し、より保存性の高いフレームワーク領域(FR)と呼ばれる領域が散在する。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRで構成され、アミノ末端からカルボキシ末端へ向かってFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4という順序で並んでいる。本開示のいくつかの実施形態では、FR1、FR2、FR3、及びFR4のアミノ酸配列の少なくとも一部またはすべては、本明細書に記載する結合部分の「非CDRループ」の一部である。図5に示すように、免疫グロブリン分子の可変ドメインは、2枚のシート状に並んだいくつかのベータ鎖を有する。免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の両方の可変ドメインは、3つの超可変ループ、または相補性決定領域(CDR)を含有する。Vドメインの3つのCDR(CDR1、CDR2、CDR3)がベータバレルの一端でクラスターを形成する。CDRは、免疫グロブリンフォールドのベータ鎖B−C、C’−C”、及びF−Gをつなぐループであるが、免疫グロブリンフォールドのベータ鎖AB、CC’、C”−D及びE−Fをつなぐ下部ループ、ならびに免疫グロブリンフォールドのD−E鎖をつなぐ上部ループは非CDRループである。本開示のいくつかの実施形態では、定常ドメイン、CH1、CH2、またはCH3の少なくともいくつかのアミノ酸残基は、本明細書に記載する結合部分の「非CDRループ」の一部である。非CDRループは、いくつかの実施形態では、IgまたはIg様分子のC1セットドメインのAB、CD、EF、及びDEループ;IgまたはIg様分子のC2セットドメインのAB、CC’、EF、FG、BC、及びEC’ループ;IgまたはIg様分子のI(中間体)セットドメインのDE、BD、GF、A(A1A2)B、及びEFループのうち1つ以上を含む。

0123

可変ドメイン内部では、CDRは抗原認識及び結合に関与すると考えられており、FR残基は、CDRの足場とみなされている。しかしながら、特定の場合には、FR残基のいくつかは抗原認識及び結合において重要な役割を果たす。Ag結合に影響を与えるフレームワーク領域の残基は、2つのカテゴリーに分けられる。1つ目は、抗原と接触するFR残基であり、そのため、それらは結合部位の一部であり、これらの残基のいくつかはCDRに並んで近接する。他の残基は、CDRから離れて並んでいるが、分子の3−D構造においては近接しており、例えば、重鎖のループである。血清中半減期延長ドメイン(例えば、CDRを含むドメイン)は、少なくとも1つの非CDRループを含むことができる。いくつかの実施形態では、非CDRループは、サイトカイン、バルク血清タンパク質または他の標的抗原に結合するための結合部位を提供する。

0124

血清中半減期延長要素は、CDRを含有することに加えて、または代替的に、非CDRループを含む。いくつかの実施形態では、非CDRループは、アルブミン等のバルク血清タンパク質等の所望の標的抗原に対して、またはサイトカイン部分もしくは他の標的とする抗原に対して特異的な抗原結合部位を生成するよう修飾される。非CDRループを修飾するために、様々な技術、例えば、部位特異的変異導入、ランダム変異誘発、非CDRループアミノ酸配列にとって外来性である少なくとも1つのアミノ酸の挿入、アミノ酸置換等を使用することができることが企図される。いくつかの例では、非CDRループに抗原ペプチドを挿入する。いくつかの例では、非CDRループを抗原ペプチドに置き換える。抗原結合部位を生成するための修飾は、場合によっては、1つの非CDRループにおいてのみである。他の場合には、2つ以上の非CDRループを修飾する。例えば、修飾は、図5に示される非CDRループ、すなわち、AB、CC’、C”D、EF、及びD−Eのいずれか1つにおいてである。場合によっては、修飾は、DEループ内である。他の場合では、修飾は、AB、CC’、C”−D、E−Fの4つのループすべてにおいてである。

0125

いくつかの例では、血清中半減期延長要素は二重結合特異性を有し、血清アルブミン等のバルク血清タンパク質と特異的に結合するCDR、及びサイトカインドメインと特異的に結合して遮断する非CDRループを含有する。他の例では、血清中半減期延長要素は、サイトカインドメインまたは他の標的抗原等の標的抗原と特異的に結合するCDR、及び血清アルブミン等のバルク血清タンパク質と特異的に結合する非CDRループを含有する。好ましくは、血清中半減期延長要素は、サイトカインドメインの同族のサイトカイン受容体への結合を、例えば、立体閉塞を介して、特異的分子間相互作用を介して、または両方の組み合わせで阻害する。

0126

いくつかの実施形態では、血清中半減期延長要素は、非共有結合でサイトカインと直接結合し、その活性を阻害する。

0127

特定の例では、結合部分は、AB、CC’、C”D、及びE−Fループのうちの1つ以上を介してサイトカインに結合し、BC、C’C”、及びFGループのうちの1つ以上を介してアルブミン等のバルク血清タンパク質に結合する。特定の例では、結合部分は、そのAB、CC’、C”D、またはEFループを介して、アルブミン等のバルク血清タンパク質に結合し、そのBC、C’C”、またはFGループを介してサイトカインに結合する。特定の例では、結合部分は、そのAB、CC’、C”D、及びEFループを介してアルブミン等のバルク血清タンパク質に結合し、そのBC、C’C”、及びFGループを介してサイトカインに結合されている。特定の例では、結合部分は、AB、CC’、C”D、及びE−Fループのうち1つ以上を介してアルブミン等のバルク血清タンパク質に結合し、BC、C’C”、及びFGループのうち1つ以上を介してサイトカインに結合する。

0128

結合部分は、任意の種類のポリペプチドである。例えば、場合によっては、結合部分は、天然ペプチド、合成ペプチド、またはフィブロネクチン足場、または操作されたバルク血清タンパク質である。バルク血清タンパク質は、例えば、アルブミン、フィブリノゲン、またはグロブリンを含む。いくつかの実施形態では、結合部分は操作された足場である。操作された足場は、例えば、sdAb、scFv、Fab、VHH、フィブロネクチンIII型ドメイン、免疫グロブリン様足場(Halaby et al.,1999.Prot Eng 12(7):563−571で示唆されるように)、DARPin、シスチンノットペプチド、リポカリン、3ヘリックスバンドル足場、プロテインG関連アルブミン結合モジュール、またはDNAもしくはRNAアプタマー足場を含む。

0129

場合によっては、血清中半減期延長要素は、その非CDRループを介してサイトカインドメインに結合し、サイトカインドメインはさらに、本明細書に記載する標的指向性ドメインに接続される。場合によっては、血清中半減期延長要素は、バルク血清タンパク質に対する結合部位を含む。いくつかの実施形態では、CDRは、バルク血清タンパク質に対する結合部位を提供する。バルク血清タンパク質は、いくつかの例では、グロブリン、アルブミン、トランスフェリン、IgG1、IgG2、IgG4、IgG3、IgAモノマー、第XIII因子、フィブリノゲン、IgE、または五量体IgMである。いくつかの実施形態では、CDRは、免疫グロブリン軽鎖、例えば、Igκ遊離軽鎖またはIgλ遊離軽鎖等に対する結合部位を形成する。

0130

例示的な条件付きで活性なタンパク質の1つを図6に示す。図示の例では、血清アルブミン結合ドメイン(例えば、dAb)内の非CDRループは、サイトカインIL−2に対する結合部位を形成することができる。この例では、血清アルブミンの結合部位は血清アルブミン結合ドメインのCDRにより形成することができる。

0131

血清中半減期延長要素は、任意の種類の結合ドメインであり得、これには、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体からのドメインが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、結合部分は、一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体、例えば、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)及びラクダ由来ナノボディの可変ドメイン(VHH)等である。他の実施形態では、結合部分は、非Ig結合ドメイン、すなわち、アンチカリン、アフィリン、アフィボディ分子、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アビマー、DARPin、フィノマー(fynomer)、クニッツドメインペプチド、及びモノボディ等の抗体模倣物である。

0132

他の実施形態では、血清中半減期延長要素は、水溶性ポリマー、またはPEG等の水溶性ポリマーに結合されているペプチドであり得る。本明細書で使用する場合、「PEG」、「ポリエチレングリコール」及び「ポリエチレングリコール)」は同じ意味であり、任意の非ペプチド水溶性ポリエチレンオキシド)を包含する。用語「PEG」はまた、大部分、すなわち、50%超に−OCH2CH2−反復サブユニットが含有されるポリマーを意味する。特定の形態に関して、PEGは、任意の数の様々な分子量、ならびに構造または幾何学、例えば、「分岐」、「直鎖」、「フォーク型」、「多官能性」等をとることができ、詳細は以下に記載する。PEGは、特定の構造に限定されず、直鎖(例えば、封止末端、例えば、アルコキシPEGまたは二官能性PEG)、分岐またはマルチアーム型(例えば、フォーク型PEGまたはポリオールコアに結合しているPEG)、樹状(または星状)構造であり得、それぞれ、1つ以上の分解性結合がある場合とない場合がある。さらに、PEGの内部構造は、任意の数の異なる反復パターン組織化することができ、また、ホモポリマー交互コポリマーランダムコポリマーブロックコポリマー、交互トリポリマー、ランダムトリポリマー、及びブロックトリポリマーからなる群から選択され得る。PEGは、ポリペプチド及びペプチドに任意の適切な方法により結合させることができる。典型的には、N−ヒドロキシスクシンアミジル(N−hydroxysuccinamidyl)エステルPEG等の反応性PEG誘導体を、システインリジン、アスパラギン、グルタミン、テオニン(theonine)、チロシン、セリン、アスパラギン酸、及びグルタミン酸等の、アミンスルフヒドリルカルボン酸またはヒドロキシル官能基を含有する側鎖を有するアミノ酸が含まれるペプチドまたはポリペプチドと反応させる。
標的指向性ドメイン及び保持ドメイン

0133

特定の用途では、構成体がその所望される体内の部位に存在する時間を最大化することが望ましい場合がある。これは、キメラポリペプチド(融合タンパク質)にさらに1つのドメインを含めて、体内でのその移動に影響を与えることにより実現することができる。例えば、キメラ核酸は、ポリペプチドを体内の部位、例えば、腫瘍細胞もしくは炎症部位等に向けるドメイン(このドメインは「標的指向性ドメイン」と呼ばれる)をコードする、及び/またはポリペプチドを体内の部位、例えば、腫瘍細胞もしくは炎症部位等に保持するドメイン(このドメインは「保持ドメイン」と呼ばれる)をコードすることができる。いくつかの実施形態では、ドメインは、標的指向性ドメインとしても保持ドメインとしても機能することができる。いくつかの実施形態では、標的指向性ドメイン及び/または保持ドメインは、プロテアーゼに富む環境に特異的である。いくつかの実施形態では、コードされた標的指向性ドメイン及び/または保持ドメインは、制御性T細胞(Treg)に対して特異的であり、例えば、CCR4受容体またはCD39受容体を標的とする。他の適切な標的指向性ドメイン及び/または保持ドメインは、炎症組織過剰発現される同族リガンド、例えば、IL−1受容体、またはIL−6受容体の同族リガンドを有するものを含む。他の実施形態では、適切な標的指向性ドメイン及び/または保持ドメインは、腫瘍組織で過剰発現される同族リガンド、例えば、Epcam、CEAまたはメソテリンの同族リガンドを有するものを含む。いくつかの実施形態では、標的指向性ドメインは、リンカーを介してインターロイキンに連結され、作用部位で切断(例えば、炎症またはがんに特異的なプロテアーゼによって)されて、所望の部位でインターロイキンの完全な活性を遊離する。いくつかの実施形態では、標的指向性ドメイン及び/または保持ドメインは、リンカーを介してインターロイキンに連結され、作用部位で切断(例えば、炎症またはがんに特異的なプロテアーゼによって)されずに、サイトカインを所望の部位に留まらせる。

0134

選択される抗原は、場合によっては、罹患した細胞または組織、例えば、腫瘍またはがん細胞の表面に発現されている。腫瘍への標的指向及び保持に有用な抗原としては、EpCAM、EGFR、HER−2、HER−3、c−Met、FOLR1、及びCEAが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に開示される医薬組成物には、罹患した細胞または組織上で発現されることが知られている2つの異なる標的抗原に結合する2つの標的指向性ドメイン及び/または保持ドメインを含むタンパク質も含まれる。抗原結合ドメインの例示的な対としては、EGFR/CEA、EpCAM/CEA、及びHER−2/HER−3が挙げられるが、これらに限定されない。

0135

適切な標的指向性ドメイン及び/または保持ドメインには、抗原結合ドメイン、例えば、ポリクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体(重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖可変ドメイン(VL)及びラクダ型ナノボディ(VHH)の可変ドメイン等)、dAb等の、抗体及びその断片が含まれる。他の適切な抗原結合ドメインには、抗体の結合及び/または構造を模倣する非免疫グロブリンタンパク質、例えば、アンチカリン、アフィリン、アフィボディ分子、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アビマー、DARPin、フィノマー(fynomer)、クニッツドメインペプチド、モノボディ、ならびにSpA、GroEL、フィブロネクチン、リポカリン及びCTLA4といった足場等の他の操作された足場に基づく結合ドメイン等が含まれる。抗原結合ポリペプチドのさらなる例には、所望の受容体に対するリガンド、受容体のリガンド結合部分、レクチン、及び1つ以上の標的抗原に結合するかまたは会合するペプチドが含まれる。

0136

いくつかの実施形態では、標的指向性ドメイン及び/または保持ドメインは細胞表面分子に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、標的指向性ドメイン及び/または保持ドメインは腫瘍抗原に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、標的指向性ポリペプチドは、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAPa)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(Trop2)、フィブロネクチンEDB(EDB−FN)、フィブロネクチンEIIIBドメイン、CGS−2、EpCAM、EGFR、HER−2、HER−3、cMet、CEA、及びFOLR1のうちの少なくとも1つから選択される腫瘍抗原に特異的かつ独立して結合する。いくつかの実施形態では、標的指向性ポリペプチドは、2つの異なる抗原に特異的かつ独立して結合し、その抗原の少なくとも1つは、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAPa)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(Trop2)、フィブロネクチンEDB(EDB−FN)、フィブロネクチンEIIIBドメイン、CGS−2、EpCAM、EGFR、HER−2、HER−3、cMet、CEA、及びFOLR1から選択される腫瘍抗原である。

0137

標的及び/または保持の抗原は、腫瘍細胞で発現される腫瘍抗原であり得る。腫瘍抗原は、当該技術分野において周知であり、例えば、EpCAM、EGFR、HER−2、HER−3、c−Met、FOLR1、PSMA、CD38、BCMA、及びCEA、5T4、AFP、B7−H3、カドヘリン−6、CAIX、CD117、CD123、CD138、CD166、CD19、CD20、CD205、CD22、CD30、CD33、CD352、CD37、CD44、CD52、CD56、CD70、CD71、CD74、CD79b、DLL3、EphA2、FAP、FGFR2、FGFR3、GPC3、gpA33、FLT−3、gpNMB、HPV−16 E6、HPV−16 E7、ITGA2、ITGA3、SLC39A6、MAGE、メソテリン、Muc1、Muc16、NaPi2b、Nectin−4、P−カドヘリン、NY−ESO−1、PRLR、PSCA、PTK7、ROR1、SLC44A4、SLTRK5、SLTRK6、STEAP1、TIM1、Trop2、WT1が含まれる。

0138

標的及び/または保持の抗原は、免疫チェックポイントタンパク質であり得る。免疫チェックポイントタンパク質の例としては、CD27、CD137、2B4、TIGIT、CD155、ICOS、HVEM、CD40L、LIGHT、TIM−1、OX40、DNAM−1、PD−L1、PD1、PD−L2、CTLA−4、CD8、CD40、CEACAM1、CD48、CD70、A2AR、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、BTLA、IDO1、IDO2、TDO、KIR、LAG−3、TIM−3、またはVISTAが挙げられるが、これらに限定されない。

0139

標的及び/または保持の抗原は、タンパク質、脂質または多糖等の細胞表面分子であり得る。いくつかの実施形態では、標的及び/または保持の抗原は、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、損傷した赤血球、動脈プラーク細胞、炎症組織細胞または線維性組織細胞の上にある。標的及び/または保持の抗原は、免疫応答モジュレーターを含むことができる。免疫応答モジュレーターの例としては、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、インターロイキン2(IL−2)、インターロイキン3(IL−3)、インターロイキン12(IL−12)、インターロイキン15(IL−15)、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、GITRL、CD3、またはGITRが挙げられるが、これらに限定されない。

0140

標的及び/または保持の抗原は、サイトカイン受容体であり得る。サイトカイン受容体の例としては、I型サイトカイン受容体、例えば、GM−CSF受容体、G−CSF受容体、I型IL受容体、Epo受容体、LIF受容体、CNTF受容体、TPO受容体等;II型サイトカイン受容体、例えば、IFN−アルファ受容体(IFNAR1、IFNAR2)、IFB−ベータ受容体、IFN−ガンマ受容体(IFNGR1、IFNGR2)、II型IL受容体等;ケモカイン受容体、例えば、CCケモカイン受容体、CXCケモカイン受容体、CX3Cケモカイン受容体、XCケモカイン受容体等;腫瘍壊死受容体スーパーファミリー受容体、例えば、TNFRSF5/CD40、TNFRSF8/CD30、TNFRSF7/CD27、TNFRSF1A/TNFR1/CD120a、TNFRSF1B/TNFR2/CD120b等;TGF−ベータ受容体、例えば、TGF−ベータ受容体1、TGF−ベータ受容体2等;Igスーパーファミリー受容体、例えば、IL−1受容体、CSF−1R、PDGFR(PDGFRA、PDGFRB)、SCFR等、が挙げられるが、これらに限定されない。

0141

リンカー
上述のように、医薬組成物は、1つ以上のリンカー配列を含む。リンカー配列は、ポリペプチド間に柔軟性を提供して、例えば、遮断部分がサイトカインポリペプチドの活性を阻害することができるようにするのに役立つ。リンカー配列は、サイトカインポリペプチド、血清中半減期延長要素、及び/または遮断部分のうちのいずれかまたは全ての間に位置させることができる。本明細書に記載するように、リンカーのうちの少なくとも1つはプロテアーゼで切断可能であり、(1つ以上の)所望のプロテアーゼのための(1つ以上の)切断部位を含有する。好ましくは、所望のプロテアーゼは、サイトカイン活性の所望の部位(例えば、腫瘍微小環境)において豊富にされるかまたは選択的に発現される。したがって、融合タンパク質は、所望のサイトカイン活性の部位で優先的または選択的に切断される。

0142

適切なリンカーは、1アミノ酸(例えば、Gly)〜20アミノ酸、2アミノ酸〜15アミノ酸、3アミノ酸〜12アミノ酸等の異なる長さであり得、これには、4アミノ酸〜10アミノ酸、アミノ酸〜9アミノ酸、6アミノ酸〜8アミノ酸、または7アミノ酸〜8アミノ酸が含まれ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60のアミノ酸であってよい。

0143

医薬組成物の成分の配向は主に設計の選択の問題であり、複数の配向が可能であること、また、いずれも本開示により包含されることが意図されることが認識される。例えば、遮断部分は、サイトカインポリペプチドのC末端またはN末端に位置させることができる。

0144

罹患した細胞または組織に関連することが知られているプロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、アスパラギンペプチドリアーゼ、血清プロテアーゼ、カテプシン、カテプシンB、カテプシンC、カテプシンD、カテプシンE、カテプシンK、カテプシンL、カリクレイン、hKl、hK10、hK15、プラスミン、コラゲナーゼ、IV型コラゲナーゼ、ストロメライシン、第Xa因子、キモトリプシン様プロテアーゼ、トリプシン様プロテアーゼ、エラスターゼ様プロテアーゼ、サブチリシン様プロテアーゼ、アクチニダイン、ブロメライン、カルパイン、カスパーゼ、カスパーゼ−3、Mirl−CP、パパイン、HIV−1プロテアーゼ、HSVプロテアーゼ、CMVプロテアーゼ、キモシン、レニン、ペプシン、マトリプターゼ、レグマイン、プラスメプシン、ネペンテシン、メタロエキソペプチダーゼ、メタロエンドペプチダーゼ、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、MMP1、MMP2、MMP3、MMP8、MMP9、MMP13、MMP11、MMP14、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、エンテロキナーゼ、前立腺特異抗原(PSA、hK3)、インターロイキン−1β変換酵素、トロンビン、FAP(FAP−a)、ジペプチジルペプチダーゼ、メプリングランザイム及びジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV/CD26)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供されるキメラ核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を切断することができるプロテアーゼは、例えば、前立腺特異抗原(PSA)、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、Aディスインチグリン及びメタロプロテアーゼ(ADAM)、プラスミノーゲン活性化因子、カテプシン、カスパーゼ、腫瘍細胞表面プロテアーゼ、及びエラスターゼからなる群から選択され得る。MMPは、例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP2)またはマトリックスメタロプロテアーゼ9(MMP9)であり得る。

0145

本明細書に開示する方法において有用なプロテアーゼを表1に示し、例示的プロテアーゼとそれらの切断部位を表1aに示す。
表1.炎症及びがんに関連するプロテアーゼ









表1a:例示的プロテアーゼ及びプロテアーゼ認識配列

0146

本明細書では、ポリペプチド配列を含む医薬組成物が提供される。すべてのペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質(それらの断片を含む)の場合と同様、キメラポリペプチド(アミノ酸配列変異型)のアミノ酸配列において、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の性質または機能を改変しない追加の修飾が起こり得ることが理解される。そのような修飾には、保存的アミノ酸置換が含まれ、以下でさらに詳細に考察される。

0147

本明細書で提供する組成物は所望の機能を有する。組成物は、少なくともIL−2ポリペプチド、遮断部分、例えば、立体遮断ポリペプチド等、ならびに任意選択の血清中半減期延長要素、及び任意選択の標的指向性ポリペプチド、さらに組成物中の各ポリペプチドを接続する1つ以上のリンカーで構成される。第1のポリペプチド、例えば、IL−2変異タンパク質は、活性物質として提供される。遮断部分は、インターロイキンの活性を遮断するために提供される。リンカーポリペプチド、例えば、プロテアーゼで切断可能なポリペプチドは、活性物質の意図される標的で特異的に発現されるプロテアーゼで切断されるよう提供される。任意選択で、遮断部分は、インターロイキンポリペプチドと結合することによって第1のポリペプチドの活性を遮断する。いくつかの実施形態では、遮断部分、例えば、立体遮断ペプチドは、プロテアーゼ切断可能リンカーを介してインターロイキンに連結され、作用部位で切断(例えば、炎症特異的または腫瘍特異的なプロテアーゼによって)されて、所望の部位でサイトカインの完全な活性を遊離する。

0148

プロテアーゼ切断部位は、天然に存在するプロテアーゼ切断部位であっても、または人工的に操作されたプロテアーゼ切断部位であってもよい。人工的に操作されたプロテアーゼ切断部位は、切断が起こる所望の環境、例えば、腫瘍等に特異的な2つ以上のプロテアーゼによって切断することができる。プロテアーゼ切断部位は、少なくとも1つのプロテアーゼ、少なくとも2つのプロテアーゼ、少なくとも3つのプロテアーゼ、または少なくとも4つプロテアーゼによって切断可能であり得る。

0149

いくつかの実施形態では、リンカーは、グリシン−グリシン、ソルターゼ認識モチーフ、またはソルターゼ認識モチーフとペプチド配列(Gly4Ser)n(配列番号126)もしくは(Gly3Ser)n(配列番号127)(ここで、nは、1、2、3、4または5)を含む。一実施形態では、ソルターゼ認識モチーフは、ペプチド配列LPXTG(配列番号125)を含み、ここで、Xは任意のアミノ酸である。一実施形態では、共有結合は、サイトカインポリペプチドのC末端に結合している反応性リジン残基と、遮断部分または他の部分のN末端に結合している反応性アスパラギン酸との間にある。一実施形態では、共有結合は、サイトカインポリペプチドのN末端に結合している反応性アスパラギン酸残基と、遮断部分または他の部分のC末端に結合している反応性リジン残基との間にある。

0150

切断及び誘導性
本明細書に記載されるように、融合タンパク質においてはサイトカインポリペプチドの活性は減弱されており、腫瘍微小環境内等、活性の所望の部位でのプロテアーゼによる切断により、融合タンパク質よりもサイトカイン受容体アゴニストとしてはるかに活性な融合タンパク質から、ある形態のサイトカインを遊離させる。例えば、融合ポリペプチドのサイトカイン受容体活性化(アゴニスト)活性は、別個の分子実体としてのサイトカインポリペプチドのサイトカイン受容体活性化活性よりも少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、または少なくとも約1000倍小さくてよい。融合タンパク質の一部であるサイトカインポリペプチドが別個の分子実体として存在するのは、その分子実体が、サイトカインポリペプチドと実質的に同一なアミノ酸を含有し、追加のアミノ酸を実質的に含まず、他の分子と(共有結合または非共有結合によって)会合していない場合である。必要に応じて、別個の分子実体としてのサイトカインポリペプチドには、発現及び/または精製を助けるためのタグまたは短い配列等のいくつかの追加のアミノ酸配列が含まれてよい。

0151

他の例では、融合ポリペプチドのサイトカイン受容体活性化(アゴニスト)活性は、融合タンパク質中のプロテアーゼ切断可能リンカーの切断により産生されるサイトカインポリペプチドを含有するポリペプチドのサイトカイン受容体活性化活性よりも少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、または約1000倍小さい。言い換えれば、融合タンパク質中のプロテアーゼ切断可能リンカーの切断により産生されるサイトカインポリペプチドを含有するポリペプチドのサイトカイン受容体活性化(アゴニスト)活性は、融合タンパク質のサイトカイン受容体活性化活性よりも少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、または少なくとも約1000倍大きい。

0152

ポリペプチド置換
本明細書に記載するポリペプチドには、所望の機能が維持される限り、対応する天然に存在するタンパク質(例えば、IL−2、IL−15、HSA)と同じアミノ酸配列を有する成分(例えば、サイトカイン、遮断部分)を含めること、または天然に存在するタンパク質とは異なるアミノ酸配列を有することができる。開示されるタンパク質及びそれらをコードする核酸の任意の既知の修飾及び誘導体または発生し得るものを定義する1つの方法は、特定の既知の参照配列に対する同一性の点で配列変異型を定義することによるものであることが理解される。具体的には、本明細書で提供されるキメラポリペプチドに対して少なくとも、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99パーセントの同一性を有するポリペプチド及び核酸を開示する。例えば、本明細書に記載の核酸またはポリペプチドのうちのいずれかの配列に対して少なくとも、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99パーセントの同一性を有するポリペプチドまたは核酸を提供する。当業者は、2つのポリペプチドまたは2つの核酸の同一性を決定する方法を容易に理解する。例えば、同一性は、同一性がその最高レベルになるように2つの配列を整列させた後に計算することができる。

0153

同一性を計算する別の方法は、公開されているアルゴリズムによって実施することができる。比較のための配列の最適なアラインメントは、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所的同一性アルゴリズムによって、Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の同一性アラインメントアルゴリズムによって、Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似検索方法によって、コンピュータ化されたこれらのアルゴリズムの実装(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.のGAP,BESTFIT,FASTA、及びTFASTA)によって、または検査確認によって行ってよい。

0154

同じ種類の同一性を核酸について、例えば、Zuker,Science 244:48−52(1989)、Jaeger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:7706−7710(1989)、Jaeger et al.,MethodsEnzymol.183:281−306(1989)に開示されるアルゴリズムによって得ることができ、それらは、少なくとも核酸アラインメントに関連する材料については参照により本明細書に組み込まれる。いずれの方法も、典型的には、使用することができること、また、場合によっては、これらの様々な方法の結果が異なる場合があることが理解されるが、当業者は、これらの方法のうちの少なくとも1つで同一性が見出された場合に、その配列が、記述の同一性を有し、かつ本明細書に開示されると言われることを理解する。

0155

タンパク質の修飾には、アミノ酸配列の修飾が含まれる。アミノ酸配列での修飾は、アレル変異として(例えば、遺伝子多型による)自然に生じ得るか、環境の影響により(例えば、紫外光への曝露による)生じ得るか、または誘発された点変異体欠失変異体挿入変異体及び置換変異体等人の介入によって(例えば、クローン化DNA配列の変異誘発による)作られ得る。これらの修飾により、アミノ酸配列の変化をもたらすこと、サイレント突然変異を提供すること、制限部位を修飾すること、または他の特定の変異を提供することができる。アミノ酸配列の修飾は、典型的には、置換修飾、挿入修飾または欠失修飾という3つの種類のうちの1つ以上に該当する。挿入には、アミノ末端及び/またはカルボキシル末端での融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。挿入は、通常、アミノ末端またはカルボキシル末端での融合の挿入よりも小さい、例えば、約1〜4個の残基の挿入である。欠失は、タンパク質配列からの1つ以上のアミノ酸残基除去を特徴とする。典型的には、タンパク質分子内の任意の一部位で約2〜6個以下の残基を欠失させる。アミノ酸置換は、典型的には、単一の残基の置換であるが、一度にいくつかの異なる位置で発生させることができ、挿入は、通常、約1〜10個のアミノ酸残基上であり、欠失は、約1〜30個の残基の範囲である。欠失または挿入は、好ましくは、隣接する対で、すなわち、2個の残基の欠失または2個の残基の挿入で行われる。置換、欠失、挿入、またはそれらの任意の組み合わせを組み合わせて、最終構成体に到達してよい。変異は、読み枠の外に配列を配置してはならず、好ましくは、二次的mRNA構造を生成し得る相補領域を生じさせることがない。置換修飾は、少なくとも1つの残基が除去され、その場所に異なる残基が挿入されている修飾である。そのような置換は一般に以下の表2に従って行われ、保存的置換と呼ばれる。
表2.例示的アミノ酸置換

0156

特定のアミノ酸置換を含め、修飾は、既知の方法によって行われる。例えば、修飾は、ポリペプチドをコードするDNAのヌクレオチド部位特異的変異誘発によって行われ、それにより、修飾をコードするDNAが生成され、その後、組換え細胞培養においてDNAを発現させる。既知配列を有するDNAの所定の部位における置換変異を行う技術は周知であり、例えば、M13プライマー変異誘発及びPCR変異がある。

0157

修飾を選択して結合を最適化することができる。例えば、親和性成熟技術は、相補性決定領域(CDR)内にランダム変異を導入することによってscFvの結合を改変するために使用することができる。そのようなランダム変異は、放射線化学的変異原エラープローンPCR等、様々な技術を使用して導入することができる。複数ラウンドの変異及び選択を、例えば、ファージディスプレイ等を使用して実行することができる。

0158

本開示はまた、本明細書に記載のキメラポリペプチドをコードする核酸、ならびにそのような核酸の、キメラポリペプチドを製造するため、及び治療目的のための、使用に関する。例えば、本発明には、キメラポリペプチドをコードするDNA分子及びRNA分子(例えば、mRNA、自己複製RNA)、ならびにそのようなDNA分子及びRNA分子の治療的使用が含まれる。

0159

例示的組成物
本発明の例示的な融合タンパク質は、上記の要素を様々な指向で組み合わせる。この項で記載する指向は例としての指向を意味するものであり、限定的なものとみなされるべきではない。

0160

いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、IL−2ポリペプチド、遮断部分及び半減期延長要素を含む。いくつかの実施形態では、IL−2ポリペプチドを、半減期延長要素と遮断部分の間に位置させる。いくつかの実施形態では、IL−2ポリペプチドは、遮断部分及び半減期延長要素に対するN末端である。そのようないくつかの実施形態では、IL−2ポリペプチドは遮断部分の近位にあり、そのようないくつかの実施形態では、IL−2ポリペプチドは半減期延長要素の近位にある。IL−2ポリペプチドが切断時に活性であり得るように、少なくとも1つのプロテアーゼ切断可能リンカーがすべての実施形態に含まれていなければならない。いくつかの実施形態では、IL−2ポリペプチドは遮断部分及び半減期延長要素に対するC末端である。追加要素は、切断可能なリンカー、切断不可能なリンカーによって、または直接融合によって互いに結合させてよい。場合によっては、二量体化を促進するために同じサイトカインを2つ含めることが有益である。

0161

いくつかの実施形態では、使用される遮断ドメインは半減期を延長させることができ、そのような2つの遮断ドメイン間にIL−2ポリペプチドを位置させる。いくつかの実施形態では、IL−2ポリペプチドを、2つの遮断ドメイン間に位置させ、そのうちの一方は、半減期を延長させることができる。

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