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技術 向上した熱伝導性及び耐摩耗性を有する銅合金組成物

出願人 マテリオンコーポレイション
発明者 マック,ステフェングレンシング,フリッツ・シートリバス,キャロル・エルクルス,デービッド・ジェイ
出願日 2019年3月27日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2020-552222
公開日 2021年8月12日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-519860
状態 未査定
技術分野 溶射または鋳込みによる被覆 粉末冶金
主要キーワード 強制誘導 ワイパーリング ワイヤー形態 二次操作 圧縮空気システム Cr含有合金 再プレス 切欠き効果
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年8月12日)のものです。
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図面 (8)

課題・解決手段

本発明は、銅含有合金から製造される粉末及びワイヤーに関する。銅含有合金は、銅−ニッケルスズ合金又は銅−ニッケル−ケイ素クロム合金である。金属粉末から形成される物品は、高い熱伝導性、高い耐摩耗性、及び熱安定性を示す。熱溶射及び銅含有被覆のための供給材料としても使用される粉末及びワイヤーが開示される。銅含有合金材料は、内燃機関における円筒状ライナーとして使用すると、増加したエンジン部品寿命及び燃料効率を促進する。

概要

背景

[0003]燃焼機関用部品に対する要求は高い。特に、これらの部品は高い熱伝導性及び高い耐摩耗性の両方を示すことが重要である。潤滑剤のような幾つかの添加剤を含ませると、熱伝導性が低下する傾向がある。高い熱伝導性及び耐摩耗性を示す新規組成物を開発することが望ましいであろう。

[0004]コールドスプレー又はアーク溶射のような熱溶射技術は、温度処理した材料を表面上に噴射するプロセスである。熱溶射のために利用可能な前駆物質としては、金属、合金セラミックプラスチック、及び複合材料が挙げられる。それらは、粉末又はワイヤーの形態で供給され、これを溶融又は半溶融状態に加熱し、微細マイクロメートルサイズ粒子の形態で基材に向かって加速させる。熱溶射のためのエネルギー源としては、通常は燃焼又は電気アーク放電が使用される。微細な粒子又は液滴を、基材/基材の上方/基材上に噴射して被覆を形成する。現在の溶射材料は、機械的粗面化又は結合剤プライマーの適用のいずれかの形態の堆積表面の前処理を必要とする。前処理工程なしに表面に十分に接着する被覆材料を提供することが望ましいであろう。

概要

本発明は、銅含有合金から製造される粉末及びワイヤーに関する。銅含有合金は、銅−ニッケルスズ合金又は銅−ニッケル−ケイ素クロム合金である。金属粉末から形成される物品は、高い熱伝導性、高い耐摩耗性、及び熱安定性を示す。熱溶射及び銅含有被覆のための供給材料としても使用される粉末及びワイヤーが開示される。銅含有合金材料は、内燃機関における円筒状ライナーとして使用すると、増加したエンジン部品寿命及び燃料効率を促進する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

銅含有合金を含む組成物であって、前記銅含有合金は、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含み、前記合金粒状物又はワイヤーの形態である上記組成物。

請求項2

前記銅含有合金が、約5重量%〜約9重量%のニッケル;約1重量%〜約3重量%のケイ素;約0.2重量%〜約2.0重量%のクロム;及び残余量の銅;を含む銅−ニッケル−ケイ素−クロム合金である、請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記銅含有合金が、約5重量%〜約20重量%のニッケル;約5重量%〜約10重量%のスズ;及び残余量の銅;を含む銅−ニッケル−スズ合金である、請求項1に記載の組成物。

請求項4

前記銅含有合金が、約2マイクロメートル〜約500マイクロメートルの平均粒径を有する粒状物である、請求項1に記載の組成物。

請求項5

潤滑剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。

請求項6

前記潤滑剤が、グラファイトタルク、MoS2、マイカ、又は窒化ホウ素を含む、請求項5に記載の組成物。

請求項7

銅含有合金粒状組成物焼結することによって形成される物品であって、前記銅含有合金は、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む上記物品。

請求項8

前記銅含有合金が、約5重量%〜約9重量%のニッケル;約1重量%〜約3重量%のケイ素;約0.2重量%〜約2.0重量%のクロム;及び残余量の銅;を含む銅−ニッケル−ケイ素−クロム合金である、請求項7に記載の物品。

請求項9

前記銅含有合金が、約5重量%〜約20重量%のニッケル;約5重量%〜約10重量%のスズ;及び残余量の銅;を含む銅−ニッケル−スズ合金である、請求項7に記載の物品。

請求項10

前記物品が、燃焼機関バルブシートバルブガイドピストンリング、又はブッシングのための部品である、請求項7に記載の物品。

請求項11

物品を形成する方法であって、銅含有合金粒状物を含む組成物を前駆体物品成形する工程;及び前記前駆体物品を約500℃〜約1100℃の温度で加熱する工程;を含み;前記銅含有合金粒状物は、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む上記方法。

請求項12

前記組成物をホモジナイズする工程を更に含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記成形工程及び加熱工程が、温間成形、熱間等方加圧粉末鍛造粉末射出成形粉末圧延、及び粉末押出の1以上を含む、請求項11に記載の方法。

請求項14

前記加熱工程の後に、次の工程:二次熱処理接合再加圧リサイジング機械加工;及び表面処理;の少なくとも1つを行うことを更に含む、請求項11に記載の方法。

請求項15

銅含有合金から被覆を形成する方法であって、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含み、粒状物又はワイヤーの形態である銅含有合金を受け取る工程;前記銅含有合金を溶融状態又は半溶融状態に加熱する工程;前記溶融又は半溶融銅含有合金基材上に噴射して被覆を形成する工程;を含む上記方法。

請求項16

前記銅含有合金が、約5重量%〜約9重量%のニッケル;約1重量%〜約3重量%のケイ素;約0.2重量%〜約2.0重量%のクロム;及び残余量の銅;を含む銅−ニッケル−ケイ素−クロム合金である、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記銅含有合金が、約5重量%〜約20重量%のニッケル;約5重量%〜約10重量%のスズ;及び残余量の銅;を含む銅−ニッケル−スズ合金である、請求項15に記載の方法。

請求項18

ピストン;ピストンリング;及びライナーを有する円筒形ボア;を有し、前記ライナーは、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む銅含有合金から形成される、エンジンアセンブリ

請求項19

前記シリンダーライナーは、インサートの形態であるか、又はシリンダーボアの表面に施された被覆の形態である、請求項18に記載のエンジンアセンブリ。

請求項20

前記被覆が熱溶射されている、請求項18に記載のエンジンアセンブリ。

請求項21

物品であって:少なくとも1つの表面を有する基材;並びに銅含有合金被覆であって、前記銅含有合金は、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む、前記銅含有合金被覆;を含み;前記銅含有合金被覆は、前記基材の少なくとも1つの表面に施されている、前記物品。

請求項22

前記銅含有合金が、前記基材の少なくとも1つの表面上に熱溶射されている、請求項21に記載の物品。

請求項23

前記物品が、エンジン部品、ブッシング、又はベアリングである、請求項21に記載の物品。

技術分野

0001

[0001]本出願は、2018年3月27日出願の米国仮特許出願第62/648,567号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に対する優先権を主張する。
[0002]本発明は、粉末又はワイヤー形態銅合金組成物粉末形態のかかる組成物を製造及び使用する方法、及びそれから形成される物品、並びに熱及びプラズマ溶射被覆のための供給材料としてのそれらの使用に関する。この合金は、高い熱伝導性及び高い耐摩耗性を示す銅含有合金である。熱溶射した被覆は、高い熱伝導性、良好な耐摩耗性、及び熱安定性を示す。この被覆は、内燃機関用ライナー及び被覆に関連する特定の用途を有する。

背景技術

0002

[0003]燃焼機関用部品に対する要求は高い。特に、これらの部品は高い熱伝導性及び高い耐摩耗性の両方を示すことが重要である。潤滑剤のような幾つかの添加剤を含ませると、熱伝導性が低下する傾向がある。高い熱伝導性及び耐摩耗性を示す新規な組成物を開発することが望ましいであろう。

0003

[0004]コールドスプレー又はアーク溶射のような熱溶射技術は、温度処理した材料を表面上に噴射するプロセスである。熱溶射のために利用可能な前駆物質としては、金属、合金、セラミックプラスチック、及び複合材料が挙げられる。それらは、粉末又はワイヤーの形態で供給され、これを溶融又は半溶融状態に加熱し、微細マイクロメートルサイズ粒子の形態で基材に向かって加速させる。熱溶射のためのエネルギー源としては、通常は燃焼又は電気アーク放電が使用される。微細な粒子又は液滴を、基材/基材の上方/基材上に噴射して被覆を形成する。現在の溶射材料は、機械的粗面化又は結合剤プライマーの適用のいずれかの形態の堆積表面の前処理を必要とする。前処理工程なしに表面に十分に接着する被覆材料を提供することが望ましいであろう。

0004

[0005]本発明は、粉末又はワイヤーの形態の銅含有合金を含む銅合金組成物に関する。銅含有合金粉末から形成される物品及びそれを被覆した物品は、高い熱伝導性及び高い耐摩耗性を示す。幾つかの実施形態においては、粉末形態を、物品を形成するために使用することができる組成物中で固体潤滑剤と組み合せる。

0005

[0006]ワイヤー及び粉末はまた、銅含有合金被覆を作成するための従来の熱溶射装置における供給材料として使用することもできる。被覆は、高い熱伝導性、良好な耐摩耗性、及び熱安定性を示す。銅含有合金を被覆する方法、並びにCu含有合金を使用するエンジンボア機械部品、及びエンジンアセンブリも開示される。

0006

[0007]本発明の種々の実施形態においては、銅含有合金を含む組成物であって、銅含有合金は、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含み、合金は粒状物又はワイヤーの形態である組成物が開示される。

0007

[0008]幾つかの実施形態においては、銅含有合金は、約5重量%〜約9重量%のニッケル;約1重量%〜約3重量%のケイ素;約0.2重量%〜約2.0重量%のクロム;及び残余量の銅;を含む銅−ニッケル−ケイ素−クロム合金であってよい。

0008

[0009]他の実施形態においては、銅含有合金は、約5重量%〜約20重量%のニッケル;約5重量%〜約10重量%のスズ;及び残余量の銅;含む銅−ニッケル−スズ合金であってよい。

0009

[0010]銅含有合金は、約2マイクロメートル〜約500マイクロメートルの平均粒径を有する粒状物であってよい。
[0011]合金が粒状物形態である場合には、組成物に潤滑剤を更に含ませることができる。潤滑剤は、グラファイトタルク、MoS2、マイカ、又は窒化ホウ素を含んでいてよい。

0010

[0012]また、銅含有合金粒状組成物焼結することによって形成される物品であって、銅含有合金が、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む物品も本明細書に開示される。物品は、例えば、燃焼機関バルブシートバルブガイドピストンリング、又はブッシングのための部品であってよい。

0011

[0013]また、銅含有合金粒状物を含む組成物を前駆体物品成形すること;約500℃〜約1100℃の温度で前駆体物品を加熱すること;を含み;銅含有合金粒状物が、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む、物品を形成する方法も本明細書に開示される。

0012

[0014]本組成物はホモジナイズする(均質にする)(homogenize)ことができる。成形及び加熱には、温間成形、熱間等方加圧粉末鍛造粉末射出成形粉末圧延、及び粉末押出の1以上を含ませることができる。

0013

[0015]幾つかの実施形態においては、加熱工程の後に、次の工程:二次熱処理接合;再加圧リサイジング機械加工;又は表面処理;の少なくとも1つを行う。
[0016]また、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む銅含有合金を受け取ること;銅含有合金を溶融又は半溶融状態に加熱すること;及び溶融又は半溶融の銅含有合金を基材上に噴射して被覆を形成すること;を含む、銅含有合金から被覆を形成する方法も開示及び記載される。

0014

[0017]また、本発明の種々の実施形態においては、ピストン;ピストンリング;及びライナーを有する円筒形ボア(cylindrical bore);を含み、ライナーは、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む銅含有合金から形成されるエンジンアセンブリも開示される。

0015

[0018]シリンダーライナー(cylinder liner)は、インサートの形態、又はシリンダーボアの表面に施された被覆の形態であってよい。被覆は熱溶射することができる。
[0019]また、少なくとも1つの表面を有する基材;並びに、銅含有合金被覆であって、前記銅含有合金は、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む、前記銅含有合金被覆;を含み、前記銅含有合金被覆は基材の少なくとも1つの表面に施されている、物品も開示される。

0016

[0020]銅含有合金は、基材の少なくとも1つの表面上に熱溶射することができる。物品は、エンジン部品、ブッシング、又はベアリングであってよい。
[0021]本発明のこれら及び他の非限定的な特徴を、下記においてより詳細に開示する。

0017

[0022]下記は図面の簡単な説明であり、これは本明細書に開示される代表的な実施形態を示す目的で提示されるものであり、それを限定する目的ではない。

図面の簡単な説明

0018

[0023]図1は、本発明の幾つかの実施形態による物品を形成する方法を示すフローチャートである。
[0024]図2は、熱溶射の概略図である。
[0025]図3は、本発明の銅粉末を使用して基材の表面を被覆するための溶射プロセスの代表的な方法を示すフローチャートである。
[0026]図4は、本発明の幾つかの実施形態を示すための、内燃チャンバー及びエンジンボアの断面概略図である。
[0027]図5は、本発明の幾つかの実施形態を示すためのシリンダーヘッドアセンブリの断面概略図である。
[0028]図6Aは、銅含有合金の熱溶射堆積前のアルミニウム基材の断面を示す写真である。

0019

[0029]図6Bは、銅含有合金の熱溶射堆積後のアルミニウム基材の断面を示す写真である。

0020

[0030]本明細書において開示される部品、プロセス、及び装置のより完全な理解は、添付の図面を参照することによって得ることができる。これらの図面は、本発明を示す便宜及び容易さに基づく単なる概略な表現であり、したがって、装置又はその部品の相対的なサイズ及び寸法を示すこと、及び/又は代表的な実施形態の範囲を規定又は限定することは意図しない。

0021

[0031]明確にするために、以下の説明においては特定の用語を使用するが、これらの用語は、図面における例示のために選択された実施形態の特定の構造のみをに関することを意図しており、本発明の範囲を規定又は限定することは意図していない。図面及び以下の説明においては、同様の数字表示は同様の機能の部品を指すことを理解すべきである。

0022

[0032]単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に他に示していない限りにおいては、複数の指示物包含する。
[0033]本明細書及び特許請求の範囲において用いる「含む」という用語は、「構成される」及び「実質的に構成される」の実施形態を包含し得る。本明細書において用いる「含む」、「挙げられる」、「有し」、「有する」、「し得る」、「含有する」の用語、及びそれらの変形体は、言及された成分/工程の存在を必要とし、他の成分/工程の存在を容認する、非限定型移行、語、又は文言であることを意図している。しかしながら、かかる記載は、組成物又はプロセスを、列挙された成分/工程「から構成され」及びそれら「から実質的に構成され」、言及された成分/工程のみが、それらからもたらされ得る不純物と共に存在することを容認し、他の成分/工程を排除する組成物又はプロセスを記載するものとしても解釈すべきである。

0023

[0034]本出願の明細書及び請求の範囲における数値は、同じ有効数字数に縮小した場合に同じである数値、並びにその値を求めるための本明細書中に記載されているタイプの通常の測定技術の実験誤差未満の値だけ示されている値と異なる数値を包含すると理解すべきである。

0024

[0035]本明細書に開示される全ての範囲は、示されている端点を包含し、独立して組み合わせることができる(例えば、「2グラム〜10グラム」の範囲は、端点の2グラム及び10グラム、並びに全ての中間値を包含する)。

0025

[0036]「約」及び「実質的に」のような1つ又は複数の用語によって修飾されている値は、示されている正確な値に限定されるものではない。「約」という修飾語はまた、2つの端点の絶対値によって規定される範囲を開示するものとも考えるべきである。例えば、「約2〜約4」という表現は、「2〜4」の範囲も開示する。一般に、「約」及び「凡そ」という用語は、示された数のプラス又はマイナス10%を指し得る。

0026

[0037]本発明は、少なくとも50重量%の量の銅を含む銅合金に関する。これらの銅含有合金中には、更なる元素も存在する。合金が「A−B−C合金」の形式で記載されている場合、その合金は、元素A、B、C等から実質的に構成され、任意の他の元素が不可避的不純物として存在する。例えば、「銅−ニッケル−ケイ素合金」という句は、銅、ニッケル、ケイ素を含み、当業者に理解されるように示されていない不可避的不純物以外の他の元素を含まない合金をいう。合金が「A含有合金」の形式で記載されている場合、その合金は元素Aを含み、他の元素も含んでいてよい。例えば、「銅含有合金」という句は、銅を含み、他の元素も含んでいてよい合金をいう。

0027

[0038]本発明は、銅含有合金を含む銅合金組成物に関する。銅含有合金は、粉末又は粒状物の形態、又はワイヤーの形態で存在していてよい。銅含有合金(粒状物又はワイヤー)は、物品を形成するために使用することができ、又は物品の表面を被覆するための熱溶射被覆プロセスにおいて使用することができる。銅含有合金は、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む。この銅含有合金から形成される物品及びそれを被覆した物品は、高い熱伝導性及び高い耐摩耗性を示す。

0028

[0039]本発明によれば、銅含有合金は、約68重量%以上の銅を含む。特定の実施形態においては、合金は、約88.7重量%〜約91.5重量%の銅を含む。幾つかの代表的な実施形態においては、銅含有合金は、銅、ニッケル、並びに(i)スズ又は(ii)ケイ素及びクロムのいずれかを含む。

0029

[0040]銅含有合金は、銅−ニッケル−スズ(Cu−Ni−Sn)合金であってよい。幾つかの実施形態においては、本発明において使用される銅−ニッケル−スズ合金は、一般に、約5重量%〜約20重量%のニッケル、及び約5重量%〜約10重量%のスズを含み、残りは銅である。この合金は、硬化させて、種々の工業的及び商業的用途において使用することができる高い耐力製品により容易に成形することができる。この高性能合金は、銅−ベリリウム合金と同等の特性を与えるように設計されている。

0030

[0041]より特には、本発明の銅−ニッケル−スズ合金は、約5重量%〜約20重量%のニッケル、及び約5重量%〜約10重量%のスズを含み、残りは銅である。更により特には、本発明の銅−ニッケル−スズ合金は、約9重量%〜約15重量%のニッケル、及び約6重量%〜約9重量%のスズを含み、残りは銅である。より特定の実施形態においては、銅−ニッケル−スズ合金は、約14.5重量%〜約15.5重量%のニッケル、及び約7.5重量%〜約8.5重量%のスズを含み、残りは銅である。

0031

[0042]より好ましくは、銅−ニッケル−スズ合金は、約14重量%〜約16重量%のニッケル、例えば約15重量%のニッケル;及び約7重量%〜約9重量%のスズ、例えば約8重量%のスズ;並びに残余量(不純物及び微量の添加物を除く)の銅;を含む。更に他の好ましい実施形態においては、銅−ニッケル−スズ合金は、約8重量%〜約10重量%のニッケル;及び約5重量%〜約7重量%のスズ;並びに残余量(不純物及び微量の添加物を除く)の銅;を含む。

0032

[0043]微量の添加物としては、ホウ素、ジルコニウム、鉄、及びニオブが挙げられ、これらは、等軸結晶の形成を更に増大させ、また、溶体化熱処理中のマトリックス中のNiとSnの拡散速度の相違を減少させる。他の微量の添加物としてはマグネシウム及びマンガンが挙げられ、これらは脱酸剤として働くことができ、及び/又はその最終条件における合金の機械的特性に影響を及ぼすことができる。他の元素を存在させることもできる。不純物としては、ベリリウムコバルト、ケイ素、アルミニウム亜鉛、クロム、鉛、ガリウム、又はチタンが挙げられる。本発明の目的のためには、これらの元素の0.01重量%未満の量は不可避的不純物であるとみなすべきであり、即ちそれらの存在は意図しておらず、又は所望でない。銅−ニッケル−スズ合金中には、約0.3重量%以下の上記元素のそれぞれが存在する。

0033

[0044]より特定の実施形態においては、本銅−ニッケル−スズ合金は、約90ksi(620MPa)〜約150ksi(1034MPa)の0.2%オフセット耐力;約105ksi(724MPa)〜約160ksi(1103MPa)の極限引張強さ;約22HRC〜約36HRCのロックウェル硬度C;0.3未満の摩擦係数;及び約11フィートポンド乃至30フィート・ポンドより高いシャルピーVノッチCVN)靭性を有することができる。0.2%オフセット耐力及び極限引張強さは、ASTM−E8にしたがって測定される。ロックウェル硬度は、ASTM−E18に従って測定される。CVN靭性は、ASTM−E23にしたがって測定される。この合金はまた、CO2腐食塩化物SCC、孔食、及び隙間腐食に耐えることもできる。

0034

[0045]或いは、銅含有合金は、銅−ニッケル−ケイ素−クロム含有合金(Cu−Ni−Si−Cr)であってよい。Cu−Ni−Si−Cr含有合金中のニッケルの量は、合金の約5重量%〜約9重量%であってよい。より特定の実施形態においては、ニッケルの量は、約6重量%〜約8重量%;又は約6.4重量%〜約7.6重量%であってよい。

0035

[0046]銅−ニッケル−ケイ素−クロム含有合金中のケイ素の量は、合金の約1重量%〜約3重量%であってよい。より特定の実施形態においては、ケイ素の量は、約1.5重量%〜約2.5重量%であってよい。

0036

[0047]銅−ニッケル−ケイ素−クロム含有合金中のクロムの量は、合金の約0.2重量%〜約2.0重量%であってよい。より特定の実施形態においては、ジルコニウムの量は、約0.3重量%〜約1.5重量%;又は約0.6重量%〜約1.2重量%であってよい。

0037

[0048]銅、ニッケル、ケイ素、及びクロムのこれらの示された量は、任意の組み合わせで互いと組み合わせることができる。
[0049]特定の実施形態においては、銅含有合金は、約5重量%〜約9重量%のニッケル;約1重量%〜約3重量%のケイ素;約0.2重量%〜約2.0重量%のクロム;及び残余量の銅を含む銅−ニッケル−ケイ素−クロム合金である。

0038

[0050]更なる実施形態においては、銅−ニッケル−ケイ素−クロム合金は、約6重量%〜約8重量%のニッケル;約1.5重量%〜約2.5重量%のケイ素;約0.3重量%〜約1.5重量%のクロム;及び残余量の銅;を含む。

0039

[0051]更により特定の実施形態においては、銅−ニッケル−ケイ素−クロム合金は、約6.4重量%〜約7.6重量%のニッケル;約1.5重量%〜約2.5重量%のケイ素;約0.6重量%〜約1.2重量%のクロム;及び残余量の銅を含む。

0040

[0052]このCu−Ni−Si−Cr合金は、約130GPaの弾性率;約8.69g/ccの密度;並びに、100℃において約160W/(m・K)、及び300℃において約200W/(m・K)の熱伝導率を有することができる。このCu−Ni−Si−Cr合金はまた、約790MPa(115ksi)の標準最小0.2%オフセット耐力;及び約860MPa(125ksi)の最小極限引張強さ;を有することができる。これらの合金は、高い耐摩耗性(10−10以下のリング摩耗速度(1/psi))を示す。

0041

[0053]本発明はまた、銅含有合金粉末/粒状物を形成する方法、銅含有合金粉末から形成される物品、及び物品を形成及び被覆する方法に関する。
[0054]本明細書で議論する銅含有粉末合金を使用すると、ミクロ構造破壊して、より均一な特性、及び高い熱伝導性を維持しながら固体潤滑剤を加えることが可能になる。

0042

[0055]図1は、本発明の幾つかの態様にしたがって物品を形成する代表的な方法100を示すフローチャートである。方法100は、銅含有合金粉末を形成すること(110);銅含有合金粉末を処理すること(120);銅含有合金粉末を1種類以上の添加剤と混合すること(130);組成物をホモジナイズすること(140);ホモジナイズした組成物を成形して前駆体物品を形成すること(150);前駆体物品を加熱して生成物品を形成すること(160);及び1以上の二次操作を行って最終物品を形成すること(170);を含む。

0043

[0056]銅含有合金粒状物は、機械的プロセス、化学的プロセス、及び電気化学的プロセス、又はこれらのタイプのプロセスの少なくとも2つの任意の組合せによって成形することができる(110)。機械的プロセスの非限定的な例としては、摩砕粉砕、及び微粒子化が挙げられる。微粒子化とは、溶融体を機械的に分解すること指す。幾つかの実施形態においては、微粒子化は高圧水又はガスを用いて行う。微粒子化は、遠心微粒子化、真空微粒子化、又は超音波微粒子化であってよい。

0044

[0057]化学プロセスの非限定的な例としては、酸化物還元溶液からの沈殿、及び熱分解が挙げられる。酸化物還元においては、還元ガス金属酸化物組成物に導入して反応を誘発させる。沈殿法には、鉱石又は鉱石濃縮物浸出し、その後、浸出溶液から(例えば、セメンテーション電気分解、又は化学還元によって)金属を沈殿させることを含ませることができる。添加剤を導入してpH及び/又は核形成を制御することができる。合金化粉末複合体粉末は、異なる金属の共沈及び/又は逐次沈殿によって製造することができる。熱分解法には、カルボニルの熱分解を含ませることができる。

0045

[0058]電気化学プロセスの非限定的な例には、金属をカソード上に(例えば、粉末状堆積物として、又は滑らかで緻密で脆い堆積物として)堆積させ、続いて摩砕することを含ませることができる。電解槽の条件を制御して、所望の粒子形状及びサイズを達成することができる。粒状材料は、直径約2マイクロメートル〜直径約500マイクロメートルであってよい。特定の実施形態においては、粒状材料は、直径約2マイクロメートル〜約90マイクロメートルで、粒子の少なくとも50体積%が80マイクロメートル未満の直径を有していてよい。幾つかのより特定の実施形態においては、粒状材料は、直径約2マイクロメートル〜約90マイクロメートルで、粒子の少なくとも85体積%が80マイクロメートル未満の直径を有していてよい。他の望ましい実施形態においては、粒子は約5マイクロメートル〜約100マイクロメートルの直径を有する。

0046

[0059]銅含有合金粒状物は、圧縮前、圧縮中、又は圧縮後に処理することができる(120)。処理の非限定的な例としては、分級スクリーニング、脱偏析、安定化、アニーリング、及び潤滑が挙げられる。分級/スクリーニングには、粒子を濾過して所望の粒径及び/又は粒径分布を達成することを含ませることができる。脱偏析/ホモジナイズは、望ましくない局所差異を引き起こし得る材料の不均等な分布を妨げる。安定化は、粒子の凝集を阻止する。アニーリングは、歪みを除去することによって金属を軟らかくする熱処理である。潤滑剤は、粉末の成形性及び焼結性に影響を与えることができる一方で、ダイからの部品の排出を容易にすることができる。種々の処理120は、添加剤の添加130及び/又はホモジナイズ140の前、その間、又はその後に行うことができる。

0047

[0060]粉末は、添加剤の添加後、又は添加剤の添加前の処理工程120中にホモジナイズすることができる(140)。添加剤の例は潤滑剤である。潤滑剤の非限定的な例としては、グラファイト、タルク、又は二硫化モリブデン(MoS2)、マイカ、六方晶窒化ホウ素などが挙げられる。

0048

[0061]物品は、粉末/粒状物を成形して加熱することによって、銅含有合金粉末から成形することができる。成形150及び加熱160は、同時か又は順次に行うことができる。プレス及び焼結を使用することができる。特定の実施形態においては、加熱は約500℃〜約1100℃の温度で行う。金属粉末が圧縮によって変形すると、その密度が増加し、加工硬化が起こる。幾つかの実施形態においては、粉末/粒状物を、ダイが横方向の支持を与えている間に、2つのパンチ(例えば、上側及び下側)の間でプレスする。プレスは、油圧式機械式空気圧式回転式、又は等方圧プレスであってもよい。焼結は、圧縮中の粒子の接触を増加させ、部品の特性(例えば、物理的及び機械的)をセットするプロセスである。焼結は、材料の融点未満、又は同等からその約2/3までの温度で行うことができる。焼結は、約20分〜約60分の時間行うことができる。焼結は、保護雰囲気中で行うことができる。保護雰囲気の非限定的な例としては、吸熱ガス、発熱ガス、解離アンモニア水素、水素−窒素混合物、及び真空が挙げられる。保護雰囲気は、部品を酸化又は窒化(空気中で加熱する際にしばしば起こる)から保護することができる。液相焼結においては、焼結の少なくとも一部の間に液体固相共存する。この液体は、固体状態系に通常的なものよりも、より迅速な焼結及びより速い緻密化を可能にする。活性化焼結においては、添加剤を使用して拡散速度を増大させる。

0049

[0062]焼結は、連続ベルトプッシャー、又はウォーキングビーム炉内で行うことができる。
[0063]温間成形においては、粉末/粒状物及びダイを保護雰囲気下で加熱し、次に圧縮する。

0050

[0064]完全密度プロセスとしては、粉末鍛造、金属射出成形、熱間等方圧加圧、ロール圧縮、熱間プレス、押出、及びスプレー成形が挙げられる。
[0065]粉末鍛造においては、拘束ダイ内で高温において単純なブローによりプレフォーム鍛造する。プレフォームは、熱間据込みにおいては横方向の材料流、又は熱間再プレスにおいてはプレスの方向の流れにかけられる。

0051

[0066]金属射出成形においては、金属粉末とバインダーの均一な混合物金型中に射出する。次に、バインダーを除去し、部品を完全又はほぼ完全な密度に焼結する。
[0067]熱間等方圧加圧においては、粉末又は粒状物を気密の金属又はセラミック容器中に充填し、次に加熱及び真空脱気して揮発性汚染物質を除去する。次に、容器内において、組成物を更に加熱し、不活性ガス(例えば、Ar又はN2)で加圧する。等方圧のために、成形固化した粉末は、より小さいサイズであることを除いて元の容器の形状である。機械加工又は化学的溶解を使用して、容器を除去することができる。

0052

[0068]ロール圧延とは、粉末を(例えば室温で)多孔質(例えば、理論値の60〜90%)の片に圧延することをいう。粉末を2つのロール間の間隙に(例えば重力によって)供給することができる。可撓性のグリーンストリップを、焼結炉、次に熱間ロールに導入する。

0053

[0069]熱間プレスは、剛性ダイ内において単軸圧を用いて行うことができる。保護雰囲気を使用して酸化を抑止することができる。粉末はまた、或いはその代わりに、容器内に封入することもできる。

0054

[0070]押出においては、粉末を、通常は、容器内に配置し、脱気し、昇温温度(例えば、材料の絶対融点の3分の2より高い温度)において押出す
[0071]スプレー成形においては、不活性ガスで微粒子化した粉末を基材上に向ける。微粒子化した液滴を半固体の形態で基材表面に到達させ、飛散させて、完全又はほぼ完全密度の材料を形成することができる。

0055

[0072]1つ又は複数の二次操作170は、熱処理、接合、再加圧、リサイジング、機械加工、及び表面処理から選択することができる。熱処理としては、加熱、冷却、熱間加工、及び/又は冷間加工を挙げることができる。熱処理によって、物品の表面硬度を増加させることができる。接合は、2つの類似の片を結合することを含む。リサイジングは、物品の寸法を変更させることを含む。再加圧は、プレスして物品の密度を増加させることを含む。表面処理には、バリ取りプレイング(playing)、研磨シール、及びショットピーニングから選択される1以上の処理を含ませることができる。

0056

[0073]本発明の別の態様によれば、図2に示すように、銅含有合金(粉末又は粒状物或いはワイヤー形態)は、熱溶射システムのための供給材料である。熱溶射システムは、供給材料から物品を生成させることができ、物品/基材上に供給材料の被覆を形成することができる。熱溶射技術は、粉末/ワイヤーを固体状態から溶融及び半溶融状態に変化させる。

0057

[0074]図2は、溶融及び半溶融の供給材料を基材に向けて加速して被覆を形成するための被覆システムの代表的な実施形態を示す。本明細書においては加熱ワイヤー溶射及び大気プラズマ溶射の技術を記載するが、これらは単に代表的な実施形態であり、任意の類似の方法及びシステムを使用してCu含有供給材料を被覆することができることが注記される。本明細書において、熱溶射とは、固体供給材料を溶融又は半溶融状態に溶融し、溶融又は半溶融材料を基材に向けて加速して被覆を形成する任意の方法を意味する。一般に、熱溶射は、電気メッキ物理蒸着、及び化学蒸着のような他の被覆プロセスと比較して、高い堆積速度で大きな面積にわたって被覆を与えることができる。得られる被覆は、使用するプロセス及び材料に応じて、約20マイクロメートル〜3ミリメートル又はそれ以上の厚さの範囲にすることができる。公知の熱溶射技術としては、コールドスプレー、プラズマ溶射、温間溶射、爆発溶射高速酸素燃料溶射、及びアーク溶射が挙げられる。特に、アーク溶射プロセスによるか、又はフレームガンを使用して、基材上に被覆を堆積させる。

0058

[0075]幾つかの代表的な実施形態においては、図2に関連して、供給材料210を、被覆層を堆積させるためにプラズマ転写アークPTA)被覆システム200に供給する。本発明によれば、供給材料210は、粉末/粒状物の形態の銅含有合金である。代表的なPTA被覆システム200は、プロセスガスを導くように構成された電極214及びチャネル216を含むノズル212を使用する。プロセスガスは、チャネル216を通って加速され、ノズル212から排出される。幾つかの実施形態においては、電圧222を印加することによって、電極214とノズル212との間に電気アークが生成する。

0059

[0076]プロセスガスを、チャネルを通して生成された電気アークに流し、電気アークによってプロセスガスをイオン化してプラズマ状態に変化させて、プラズマジェット218を生成させる。プロセスガスとしては、一般に、アルゴン、水素、ヘリウム、他の不活性ガス、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。供給材料210は、プラズマジェット218中に連続的に移送される。供給材料210は溶融し、溶融した材料220が基材102に向かってスパッタされる。溶融材料120が基材210上に堆積し、急速に固化する。堆積され固化された溶融材料220が蓄積することにより、基材210の表面上に供給材料の被覆204が形成される。

0060

[0077]上述したように、供給材料210は、プラズマジェット218中に連続的に供給される粒状物又は粉末208であってよい。粉末材料は、好ましくは直径約2マイクロメートル〜直径約100マイクロメートル、又は直径約5μm〜約500μm、或いは直径約2μm〜約500μmであってよい。粉末をキャリアガスと混合して、粉末材料の移動を容易にし、且つ制御することができる。

0061

[0078]或いは、供給材料210は、プラズマジェット中に連続的に供給されるワイヤー206の形態であってよい。ワイヤー206を、材料のスプールによって供給して、ホイール又は他の公知の部品によって前進させることができる。これらの実施形態においては、ワイヤーを荷電して、電極214によって電気アークを生成させることができる。ワイヤーの直径は約1mm〜約5mmである。幾つかの実施形態においては、ワイヤーの直径は約1.62mmである。より特定の実施形態においては、ワイヤーの直径は1.6mm±0.03mmである。

0062

[0079]供給材料210及び形成された被覆204は、本明細書に開示される銅含有合金材料である。
[0080]図3に示される本発明の別の態様によれば、銅含有合金(粉末又はワイヤー形態で用意される)を熱溶射被覆する方法が記載される。最初に、供給材料(粉末又はワイヤー)を用意する(300)。上記記載の銅含有合金が、被覆プロセスのための供給材料とみなされる。この被覆工程は熱溶射装置を使用する。この装置は、コールドスプレー、プラズマ溶射、温間溶射、爆発溶射、高速酸素燃料溶射、及びアーク溶射のような種々の公知の熱溶射技術に関して使用するのに適している。

0063

[0081]幾つかの実施形態においては、供給材料が粉末である場合、供給粉末をキャリアガスと混合し、供給粉末を加熱位置に移送する。キャリアガスは、溶融材料を基材に向かって推進させるために使用される任意の気体である。本発明は、利用する気体のタイプに関して限定されないが、利用する通常の気体は、空気、窒素、ヘリウム、及びアルゴンである。キャリヤガスは、別の圧縮空気システムによって供給することができ、又は供給材料と共にシステムに導入することができる。他の実施形態においては、プラズマジェットを生成するために使用されるプロセスガスがキャリアガスである。他の実施形態においては、プラズマジェットがキャリアガスである。

0064

[0082]次に、銅含有合金を高温に曝露することによって加熱する(参照番号310)。熱源としては、燃焼炎、電気アーク、及びプラズマジェットを挙げることができる。しかしながら、当該技術において公知の任意の熱源を使用することができることを認識すべきである。銅含有合金供給材料を高温に曝露することにより、供給材料の全部又は一部のいずれかが溶融する。幾つかのプロセスにおいては、合金を、約350℃〜約700℃、又は約400℃〜約600℃の温度範囲に曝露する。他のプロセスにおいては、合金を、約780℃〜約1115℃の温度に曝露する。幾つかのプロセスにおいては、合金を、約2,500℃〜約3,000℃の温度を生成する熱源に曝露する。更に他のプロセスにおいては、合金を、約5,500℃〜約6650℃の温度を生成する熱源に曝露する。更に他のプロセスにおいては、合金を、約16,000℃〜約30,000℃の温度を生成する熱源に曝露する。幾つかの実施形態においては、合金を、約25,000℃以下の温度を生成する熱源に曝露する。他のプロセスにおいては、合金を、約780℃〜約1115℃の温度に曝露して、合金を溶融する。一般的に、熱源の温度は、使用する熱溶射プロセスに応じて約350℃〜約30,000℃の範囲であってよいが、望ましくは約350℃〜約3000℃である。合金供給材料は、半溶融状態又は溶融状態と記載することができる。幾つかの実施形態においては、供給粉末粒子の外側のみが溶融していると考えられる。

0065

[0083]溶融又は半溶融合金粉末を、基材表面に噴射/加速する(320)。噴射は、約20bar〜約40bar、又は約30bar〜約40barの圧力で行うことができる。これにより、半溶融供給原料が吹き付けられて粒子又は液滴に分離される。これらの粒子又は液滴は、非常に微細であり得、一般に約1マイクロメートル〜約20マイクロメートルの平均径を有する。粒子の種類及びサイズは、所望の特徴を有する被覆を生成するために必要に応じて変化させることができる。

0066

[0084]次に、溶融及び半溶融材料を、所望の基材上に堆積させる(330)。合金粒子/液滴を約250℃〜約350℃の温度に急速に冷却して、被覆を形成する。基材との衝突中に、合金粒子は塑性変形を起こして基材に付着する。キャリアガスの膨張によって与えられる粒子の運動エネルギーが、接合中に塑性変形エネルギーに変換される。勿論、噴射を同じ領域内で複数回行って、複数の層から形成される被覆を与えることができる。それぞれの層は、約100マイクロメートル〜約200マイクロメートルの厚さを有していてよい。得られる被覆は、特定の実施形態においては約100マイクロメートル〜約3000マイクロメートルの厚さを有していてよい。この厚さは、被覆を形成するために使用される層の数によって定まる。特定の実施形態においては、Cu含有合金被覆は約500マイクロメートル〜約1500マイクロメートルの厚さを有する。

0067

[0085]図4及び5に示される本発明の別の態様によれば、本発明の銅含有合金から製造されたか、又はそれを被覆したエンジン部品が記載されている。ピストンは、燃焼プロセス中にボア(通常は円筒状のボア)内で前後に往復運動するエンジン部品(通常は円筒状の部品)である。ピストンは、鋳造アルミニウム合金で製造して、所望の重量及び熱伝導率を達成することができる。熱伝導率は、特定の材料がどれだけ良好に熱を伝導するかの尺度であり、ワット/(メートル・ケルビン)のSI単位を有する。アルミニウム及び他のピストン本体材料は、加熱すると膨張する。適当な量のクリアランスを含ませて、ボア内における自由な動きを維持しなければならない。クリアランスが小さすぎると、ピストンがシリンダー内で動かなくなる可能性がある。クリアランスが大きすぎると、圧縮損失及び増加したノイズをもたらす可能性がある。通常は、ピストン直径はボアの直径よりも小さい。而して、ピストンリングがシリンダー壁と連続的に摺動接触する際にピストンとシリンダー壁との間のシールを確実にするために、ピストンリングが与えられる。

0068

[0086]図4は、エンジン300の通常のシリンダーの垂直断面図である。ピストンヘッド420は、関連するシリンダー440内を往復運動するように示されている。ピストンリング426は、ピストン420の直径を効果的に拡大する。上部ピストンリングは、ライナー452を含むシリンダー壁450に接触することによって圧縮シールを与える。下部ピストンリングは、クランクシャフトを取り囲むオイルからシリンダーをシールする。ピストンヘッド内のピンボア430は、ピストンヘッドの側部を通って直角に延在する。ピン見えない)がピンボア430を貫通して、ピストンヘッド420をピストンロッド428に接続している。ピストンヘッド420は、運転注にシリンダー440内で往復運動し、その所謂上死点位置が影の輪郭で示されている。ピストンヘッド420に回動自在に取り付けられたピストンロッド428の垂直に近い位置から、示されている他の位置は、下死点に近いが、下死点ではないと判断することができる。

0069

[0087]ピストンロッド428の下端は、クランクシャフトの一部を形成するロッドジャーナル458に回動自在に係合されている。ジャーナル458は、クランクシャフトの回転軸整合する主ジャーナルベアリング456の周りを回転するカウンターウェイト454に取り付けられている。カウンターウェイト454は、エンジンのサイクル排気ストロークの間にピストンロッド428を上方に駆動するための運動量を与える。

0070

[0088]ピストンリング426は燃焼室をシールし、ピストンからシリンダー壁へ熱を伝達し、クランクケースにオイルを戻す。ピストンリングのタイプとしては、圧縮リングワイパーリング、及びオイルリングが挙げられる。ピストンリングは、本発明の銅含有合金から製造されるか、又はそれで被覆されることが意図される。

0071

[0089]シリンダーライナーは、エンジンボアの内壁として機能し、ピストンリングの摺動面を形成する。エンジン部品に関しては長い耐用年数が期待されるので、従来のシリンダーライナーは鋳鉄製であり、これは優れた耐摩耗性を示す。しかしながら、これらの鋳鉄及び鋼ベースのライナー及びインサートは、エンジンブロックに相当な重量を加える。本発明は、銅含有合金を使用してシリンダーライナー452を形成することができることを意図している。これらの合金は、高い熱伝導性、良好な耐摩耗性、及び熱安定性を与える。

0072

[0090]幾つかの実施形態において、シリンダーライナー452は、エンジンブロックシリンダー/ボア440中に圧入してシリンダー壁450を形成するインサートである。これは、ブロック又はシリンダーボアの寸法がライナーインサートの外径よりも小さいことを意味する。ライナーインサートはシリンダー中に「圧入」され、寸法の差によってライナーインサートが所定の位置に保持される。一般に、鋳鉄ボアに対するスリーブの圧入は0.0025インチであり、アルミニウムボアに関しては圧入は0.004インチである。現在、インサートは、3つの壁厚:0.0625インチ、0.093インチ、及び0.125インチの1つで製造されているが、新規な銅含有合金ライナー材料は、エンジン設計によって必要とされる任意の厚さに製造することができると意図される。

0073

[0091]本発明の他の態様によれば、シリンダーライナー452は、銅含有合金で製造されるシリンダー壁450の表面上の被覆である。本発明の銅含有被覆は、本明細書に記載の熱溶射プロセスによってエンジンシリンダー440の内表面に施される。

0074

[0092]被覆は、重量を節減する部品の再設計を可能にするので従来のライナーインサートよりも有利であり、これは自動車に対して良好な燃料経済性を与える。また、銅含有合金被覆は、ネットシェイプ製造に近く、より厳しい設計クリアランスを与える。また、被覆は、より小さいケイ化ニッケル粒子による高い疲労限度を示す(内部切欠き効果がない)。薄い被覆は(ボア中に圧入されるライナーインサートとは対照的に)また、被覆が摩耗したときにエンジンを稼動させる可能性を与え、而してエンジンにおける故障メカニズムを排除する。

0075

[0093]引き続き図4を参照すると、本発明の銅含有合金ピストンリング426は、ピストン420が往復運動している間に、ピストンリング426がシリンダー壁450に対して摺動することを可能にする低摩擦面を与える。

0076

[0094]本明細書に開示される銅含有合金は、100℃において約160W/mKの高い熱伝導率を有する。これらの銅含有合金は、従来の材料と比較して数倍の熱伝導率を有し得る。高い熱伝導率は、最終的にエンジン部品のより低い温度をもたらす。例えば、熱は、ピストンのリング溝から離れてピストンリング426を通ってシリンダー壁450中へより迅速に伝達される。リング溝内のより低い温度により、溝内のピストン材料の耐力が増加し、疲労強度も増加する。

0077

[0095]銅含有合金の使用により生じる高い熱伝導性と低い部品温度は、より低いノッキング傾向を有するエンジンシステムを与える。増加した燃料経済性と共に、より高い圧縮比も可能である。ターボチャージ及びスーパーチャージのような強制誘導を利用したエンジンにおいては、より高いブースト圧が可能である。

0078

[0096]図5は、内燃機関用のためのシリンダーヘッド内のバルブガイドの配置を示す。シリンダーヘッドは、その中に配置された複数の吸気及び排気ポペットバルブ512を有するハウジング510を含む。ポペットバルブ512は、単一の吸気又は排気ポート514を通る流れを制御する。ポペットバルブ512は、バルブステム516及びバルブヘッド520を含む。バルブステムは、バルブガイド518内に受容されるように適合されている。バルブガイド518は、ハウジング510内のバルブガイドボア526との締まり嵌めを有するように設計された外面528を有する。バルブガイド自体は、管状形状を有する(即ち、それを通る中空通路を有する)。

0079

[0097]バルブステム516及びバルブヘッド520は、バルブガイドの長軸に対して往復運動で動く。バルブヘッド520は、燃焼シリンダー440に隣接するバルブシート522と係合するように適合されている。バルブヘッド520は、圧縮ばね524によってバルブシート522に当接するように付勢されている。また、バルブシートも管状形状を有し、内表面は、バルブヘッドと係合するように一端においてテーパーが付けられている。

0080

[0098]往復運動は、バルブステム516とバルブガイド518の間、及びバルブヘッド520とバルブシート522の間の頻繁な接触及びその後の摩耗をもたらす。これらのエンジン部品は、内燃機関の高い温度にも曝される。バルブシート及びバルブガイドは、本明細書に開示される銅含有合金から構成するか、又はそれで被覆することが意図される。

0081

[0099]本発明の他の態様によれば、ピストンリング426、バルブシート522、及びバルブガイド518のようなエンジン部品を、銅含有合金で被覆する。本発明の銅含有被覆は、本明細書に記載の熱溶射プロセスによってエンジン部品の表面に施す。

0082

[0100]被覆は、重量を節減するように部品を再設計するのを可能にするので有利であり、それは自動車により良好な燃料経済を与える。また、銅含有合金被覆は、ネットシェイプ製造により近く、より厳しい設計クリアランスを与える。また、被覆は、より小さいケイ化ニッケル粒子による高い疲労限度も示す(内部切欠き効果を有しない)。また、薄い被覆は、被覆が摩耗したときにエンジンを稼動させる可能性を与え、而してエンジンにおける故障メカニズムを排除する。

0083

[0101]本発明の別の態様によれば、銅含有合金で被覆された少なくとも1つの表面を有する物品が提供される。銅含有合金被覆は、物品のネットシェイプ製造により近く、より厳しい設計クリアランスを与える。図6Bは、銅含有合金を熱溶射したその上面を有するアルミニウム基材物品の写真を示す。銅含有合金被覆は、一般に摩耗を受ける物品及び部品のために特に有用である。幾つかの実施形態において、銅含有合金被覆物品はエンジン部品である。幾つかの代表的な実施形態においては、銅含有合金被覆エンジン物品は、稼働及び往復運動する内部エンジン部品においてか又はそれに関して使用される、ブッシング、ベアリング、ピストン溝被覆である。他の実施形態においては、銅含有合金被覆物品は、鋼製ジャーナルベアリングのようなエンジン以外のシステムにおいて使用されるブッシング又はベアリングである。幾つかの代表的な例においては、本出願の材料で被覆されたブッシング及びベアリングは、海事用途、着陸装置などにおいて使用される。

0084

[0102]以下の実施例は、本発明の装置及びプロセスを例示するために与える。実施例は単に例示であり、本発明を、そこに示される材料、条件、又はプロセスパラメーターに限定することを必ずしも意図するものではない。

0085

実施例1
[0103]図6Aは、機械的に粗面化されたアルミニウム基材の表面の断面の写真である。機械的に粗面化した表面を銅含有合金で熱溶射して、厚さ約150ミクロン銅含有合金層を生成させた。図6Bは、Cu含有合金を熱溶射した後の粗面化アルミニウム基材を示す図である。

実施例

0086

[0104]代表的な実施形態を参照して本発明を記載した。明白なことに、上述の詳細な説明を読み且つ理解すれば、修正及び変更が第三者に想到されるであろう。本発明は、添付の特許許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限りにおいて、かかるすべての修正及び変更を含むものと解釈されると意図される。

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