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課題・解決手段

本発明は、生物サンプルから、(ヒストンタンパク質または巻き付いているDNA上で)共有結合により修飾された、バリアント、または変異体ヌクレオソーム集合的に「修飾ヌクレオソーム」または「ヌクレオソーム修飾」)の定量化のための参照標準物質としての、ヒストンおよび/またはDNA修飾を保有する組み換え型半合成ヌクレオソームの使用に関する。さらに本発明は、疾患のバイオマーカーとして単一または組み合わせたヌクレオソーム修飾を正確に定量化するためのアッセイを使用する方法に関する。

概要

背景

ヌクレオソームは、ヒストン量体コアヒストン(H2A、H2B、H3、およびH4)各2コピーを含む)の周りに一体的に巻き付いている147塩基対のDNAからなる、クロマチン反復単位である(Margueron et al., Nat. Rev. Genet. 11(4):285 (2010))。クロマチンの構造および機能が変化すると、遺伝子発現DNA修復染色体伝達、および細胞分化を含む様々な細胞活性が調節される(Brown et al., Hum. Mol. Genet. 21(R1):R90 (2012); Lahtz et al., J. Mol. Cell. Biol. 3(1):51 (2011); Lunyak et al., Hum. Mol. Genet. 17(R1):R28 (2008); Reik, Nature 447(7143):425 (2007))。これらプロセスは、可逆的なヒストンの翻訳後修飾(PTM;たとえばリジンメチル化またはアセチル化)により部分的に媒介され、直接作用するかまたはエフェクター結合タンパク質により「読み取られる」ことにより、特定の下流のシグナリング経路を変換する。今日までに、100を超える特有のヒストンPTMが同定されており、このうちの多くが、神経変性(Landgrave−Gomez et al., Front. Cell. Neurosci. 9:58 (2015))およびメタボリックシンドローム(DelCurto et al., Curr. Opin. Clin. Nutr. Metab. Care 16(4):385 (2013);Wang et al., Antioxid. Redox Signal 17(2):282 (2012))からがん(Chopra et al., Cancer Genet. 208(5):192 (2015);Greenblatt et al., Leukemia 28(7):1396 (2014);Gajer et al., Oncogenesis 4:e137 (2015); Witt et al., Curr. Pharm. Des. 15(4):436 (2009); Hanmod et al., Pediatr. Blood Cancer 62(1):52 (2015); Kobayashi et al., Oncogene 32(21):2640 (2013))までの範囲にわたるヒトの疾患に関連している。重要なことに、PTM相互作用タンパク質(PTM−interacting protein)(別名「リーダー(reader)」)は、著しくドラッガブルであり、多種多様ヒト疾患障害に関する優れた治療標的となっている(Arrowsmith et al., Nat. Rev. Drug Discov. 11(5):384 (2012))。さらに、ヒストンのPTMは、早期の疾患の検出および予後判定、ならびに個別化処置戦略通知に有用であり得る新たに出現したクラスのがんバイオマーカーである(Khan et al., World J. Biol. Chem. 6(4):333 (2015); Chervona et al., Am. J. Cancer Res. 2(5):589 (2012))。

ヒストンのPTMとクロマチン調節タンパク質との間の協調機能は、複雑なシステムレベルシグナリングネットワークを表し、その有効な照合(interrogation)は、ヌクレオソームベースのツールを必要とする。多価であること(すなわち所定のタンパク質の中の複数のリーダードメイン)は、クロマチン調節因子の一般的な特色であり(Ruthenburg et al., Nat. Rev. Mol. Cell. Biol. 8(12):983 (2007))、ヒストン相互作用が状況特異的に調節される重要な手段としての役割を果たすと考えられている。実際に、リーダーの結合(および細胞調節のその後の変化)は、様々なPTMまたはそれらの組み合わせの存在下で大きく変化し、これはヒストンコードとして知られる仮説である(Strahl et al., Nature 403(6765):45 (2000); Jenuwein et al., Science 293(5532):1074 (2001))。たとえば、ブロモドメインPHDフィンガー転写因子(BPTFリーダータンパク質は、H3K4me3(Kd=約1μM)およびH4K12ac(Kd=約60μM)に対して個別の結合アフィニティーが低いドメインを含む(Li et al., Nature 442(7098):91 (2006))が、これは、H3K4me3/H4K12aの組み合わせ修飾モノヌクレオソームの存在下では有意に増大する(H3K4me3単独と比較して3倍超)。BPTFは、抗がん療法の標的であり(Dar et al., J. Natl. Cancer Inst. 107(5) (2015));筋萎縮性側索硬化症患者においても高いレベルで見出されている(Mu et al., Exp. Neurol. 146(1):17 (1997))。興味深いことに、H3K4me3およびH3/H4のアセチル化は、活性なプロモーター共存しており(Zhang et al.,EMBO Rep. 16(11):1467 (2015))、H3K4me3は、エフェクターの動員を介してヒストンのアセチル化を促進することが示されている(Tang et al., Cell 154(2):297 (2013))。疾患状態を調べるための必要な前駆体としての、ヒストンPTMの細胞の生理学に及ぼす複合的影響を解明する、作用機序を調べる研究は始まったばかりである。一例として、(食事によりもたらされる)腸内マイクロバイオームの変化は、宿主組織中のヒストンPTMの特定の組み合わせに有意に影響し得る(Krautkramer et al., Mol. Cell 64(5):982 (2016))。同様に、近年の知見により、組み合わせたヌクレオソームPTMは、(単一のPTMと比較して)良好な肺がん予後バイオマーカーを提供し得る(Shema et al., Science 352(6286):717 (2016))。

組み合わせたヒストンPTMが有効に提示されるためには、生理的なPTM−タンパク質の相互作用のスキャフォールドとしての役目を果たす、インタクトなヌクレオソームの3次元の構造に依存する。ヒストンの組み合わせのコードの性質を理解することは、エピジェネティックな調節と疾患との間の関連を次世代の治療およびバイオマーカーに変換する場合に重要である。これは、クロマチンの調節および疾患において不可欠な役割を果たす、ヒストンのメチル化およびアセチル化に特に当てはまる(Greer et al., Nat. Rev. Genet. 13(5):343 (2012); Filippakopoulos et al., Nat. Rev. Drug Discov. 13(5):337 (2014); Soshnev et al., Mol. Cell 62(5):681 (2016))。

生物サンプルからヒストンのPTMを定量化するためにいくつかの方法が開発されており(Sidoli et al., J. Vis. Exp. 2016(111); Onder et al., Expert Rev. Proteomics 12(5):499 (2015); Machleidt et al., J. Biomol. Screen. 16(10):1236 (2011))、この大部分は、ヌクレオソームの濃縮(たとえばクロマチン免疫沈降:ChIP)または検出(たとえばELISAまたはAlpha)のための修飾特異的抗体の使用に依存している。ELISAは、生物サンプルからヒストンまたはDNA修飾を定量化するために一般的に使用され、様々な抗体捕捉手法を使用してヒストンまたはヌクレオソーム上の修飾を直接定量化するために開発された特異的アッセイである。ヌクレオソームベースの検出は、以下の2つの理由のため、ヒストンベースの検出よりも優れている:
1)ヌクレオソームベースの方法は、面倒でばらつきをもたらす酸−抽出ステップを必要としない;および
2)ヌクレオソームベースのアッセイは、ヒストンのサブユニットまたはDNA単独の使用ではモニタリングすることが不可能である、in transでの組み合わせた修飾(たとえばヒストン−ヒストン、DNA−DNA、またはヒストン−DNAの組み合わせ)の定量化を可能にする。

これら大きな利点にもかかわらず、現在のヌクレオソームベースのアッセイには、定量化のための適切な対照がない。実際に、現在の技術を使用したアッセイは定性的であり、PTMレベルは相対的測定として報告されるかまたは外因性の異種クロマチン(xenochromatin)(たとえばトリ酵母、または昆虫)を使用して正規化される。精製外因性クロマチン調製物の使用は、これら試薬が、(PTMに特異的なレベルで)はっきりと定義されておらずバッチのばらつきを示すため、広範囲の問題を引き起こし得ることから、(実験間でまたはさらには研究室間での)アッセイを正規化するためにこれらを使用することは限定的である。これに加え、現在、組み合わせたマークが、プール全体で同時に起こるのではなく同じヌクレオソーム上で真に提示されるかどうかを決定することは難題である。

上記を考慮すると、生物サンプルからヒストンおよび/またはDNAの修飾を検出するヌクレオソームベースのアッセイのための改善された対照が当技術分野で必要とされている。

概要

本発明は、生物サンプルから、(ヒストンタンパク質または巻き付いているDNA上で)共有結合により修飾された、バリアント、または変異体ヌクレオソーム(集合的に「修飾ヌクレオソーム」または「ヌクレオソーム修飾」)の定量化のための参照標準物質としての、ヒストンおよび/またはDNA修飾を保有する組み換え型半合成ヌクレオソームの使用に関する。さらに本発明は、疾患のバイオマーカーとして単一または組み合わせたヌクレオソーム修飾を正確に定量化するためのアッセイを使用する方法に関する。

目的

本発明者らは、ヌクレオソームのみが、血漿サンプルにおいて有用な参照標準物質を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

生物サンプルにおけるヌクレオソーム修飾(ヒストンまたはDNA)の存在量を定量化するための方法であって、a.生物サンプルを単離するステップと、b.前記生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、c.前記標的エピトープにおいてコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームサンプルを調製するステップと、d.前記組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、e.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、アフィニティー試薬を添加するステップと、f.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾の量を測定するためにアフィニティー試薬ベースアッセイを行うステップと、g.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を前記参照標準物質と比較することにより、前記標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップとを含む、方法。

請求項2

生物サンプルにおける単一のヌクレオソーム上の2つ以上の修飾(ヒストンまたはDNA)の存在量を定量化するための方法であって、a.生物サンプルを単離するステップと、b.前記生物サンプルから、標的エピトープにおける2つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、c.前記標的エピトープにおいて2つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、d.前記組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、e.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソームの参照物質に、2つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、f.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソームの参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾の量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、g.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を前記参照標準物質と比較することにより、前記標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップとを含む、方法。

請求項3

疾患または障害を有する対象由来の生物サンプルにおける1つ以上のヌクレオソーム修飾(ヒストンまたはDNA)の存在量を定量化するための方法であって、a.前記対象から生物サンプルを単離するステップと、b.前記生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、c.前記標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、d.前記組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、e.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、f.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、g.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を前記参照標準物質と比較することにより、前記標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップとを含む、方法。

請求項4

1つ以上のヌクレオソーム修飾の絶対的定量化に基づき、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害を有する対象の予後を決定するための方法であって、a.前記対象から生物サンプルを単離するステップと、b.前記生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、c.前記標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、d.前記組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、e.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、f.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、g.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を前記参照標準物質と比較することにより、前記標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと、h.前記1つ以上の標的エピトープの存在量に基づき対象の予後を決定するステップとを含む、方法。

請求項5

1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量化に基づきエピジェネティック修飾に関連する疾患または障害のバイオマーカーを同定するための方法であって、a.対象から生物サンプルを単離するステップと、b.前記生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、c.前記標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、d.前記組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、e.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、f.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、g.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を前記参照標準物質と比較することにより、前記標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと、h.前記エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害と、前記1つ以上の標的エピトープの絶対的な存在量を相関させることにより、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害のバイオマーカーを同定するステップとを含む、方法。

請求項6

対象の生物サンプルから1つ以上のヌクレオソーム修飾のエピジェネティック状態を修飾する作用物質スクリーニングする方法であって、前記方法が、前記作用物質の存在下および非存在下で1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量を決定するステップを含み、前記1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量を決定するステップが、a.前記対象から生物サンプルを単離するステップと、b.前記生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、c.前記標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNAの修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、d.前記組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、e.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、f.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、g.前記ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を前記参照標準物質と比較することにより、前記標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップとを含み、前記作用物質の存在下および非存在下でのエピジェネティック状態の変化により、前記エピジェネティック状態を修飾する作用物質が同定される、方法。

請求項7

前記生物サンプルを、クロマチンをモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームに消化する酵素処置する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記酵素が、ミクロコッカスヌクレアーゼである、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記生物サンプルが、細胞を含み、前記クロマチンが前記細胞から単離される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

前記細胞が、1つ以上のヒストン翻訳後修飾および/またはDNA修飾の変化に関連する疾患または障害に由来する細胞である、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記細胞が、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害由来の細胞ではない、請求項9に記載の方法。

請求項12

前記生物サンプルが、生検である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

前記生物サンプルが、生体液である。請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項14

前記生物サンプルが、末梢血単核細胞を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

前記生物サンプルが、循環性ヌクレオソームを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

前記循環性ヌクレオソームが、血液由来である、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記循環性ヌクレオソームが、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害由来の細胞由来である、請求項16に記載の方法。

請求項18

前記生物サンプルが、血漿、尿、唾液糞便リンパ液、または脳脊髄液である、請求項15に記載の方法。

請求項19

前記対象がヒトである、請求項1〜18に記載の方法。

請求項20

前記アフィニティー試薬(affinityagent)が、前記エピトープに対する抗体またはそのフラグメントである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。

請求項21

同じヌクレオソーム上の少なくとも1つ以上のヌクレオソーム修飾が定量化される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。

請求項22

異なるヌクレオソーム上の少なくとも1つ以上のヌクレオソーム修飾が定量化される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。

請求項23

少なくとも1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量化が、抗体ベース検出アッセイにより決定される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。

請求項24

前記抗体ベースの検出方法が、ELISA、AlphaLISA、AlphaSCREEN、Luminex、およびイムノブロッティングからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記抗体ベースの検出アッセイが、基質捕捉および検出のために2つの異なる抗体を使用する、請求項23または24に記載の方法。

請求項26

前記捕捉抗体および検出抗体が、ヒストンPTMおよびDNAまたは非修飾ヒストンなどの別のヌクレオソーム構造に特異的に結合する、請求項25に記載の方法。

請求項27

前記捕捉抗体および検出抗体が、2つの異なるヒストンPTMに特異的に結合する、請求項25に記載の方法。

請求項28

前記抗体ベースの検出アッセイが、基質の捕捉および検出の両方に同じ抗体を使用する、請求項23または24に記載の方法。

請求項29

前記ヌクレオソームが、セリンおよびアラニンのN−アセチル化;セリン、スレオニン、およびチロシンリン酸化リジンのN−クロトニル化、N−アシル化;リジンのN6−メチル化、N6,N6−ジメチル化、N6,N6,N6−トリメチル化アルギニンのω−N−メチル化、対称性−ジメチル化、非対称性−ジメチル化;アルギニンのシトルリン化;リジンのユビキチン化(ubiquitinylation);リジンのSUMO化;セリンおよびスレオニンのO−メチル化、アルギニン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸ADPリボシル化発癌性K−M変異(たとえばH3K4M、H3K9M、H3K27M、H3G34R、H3G34V、H3G34W、またはH3K36M);5−メチルシトシン5−ヒドロキシメチルシトシン、5−ホルミルシトシン、5−カルボキシルシトシン、3−メチルシトシン、5,6−ジヒドロウラシル、7−メチルグアノシンキサントシン、およびイノシンからなる群から選択される少なくとも1つの翻訳アミノ酸修飾またはDNA修飾を含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。

請求項30

前記エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害が、腎細胞癌グリオーマ肉腫未分化星状細胞腫髄芽腫肺がん小細胞肺癌子宮頸癌結腸がん直腸がん、脊索腫咽頭がんカポジ肉腫リンパ管肉腫リンパ管内皮肉腫、結腸直腸がん子宮内膜がん卵巣がん乳がん膵臓がん前立腺がん、腎細胞癌、肝臓癌胆管癌絨毛癌セミノーマ、精巣腫瘍ウィルムス腫瘍ユーイング腫瘍膀胱癌血管肉腫、内皮肉腫、腺癌汗腺癌皮脂腺肉腫、乳頭肉腫、乳頭腺肉腫嚢状腺腫性肉腫、気管支原性肺癌髄様癌(medullarcarcinoma)、マスト細胞腫、中皮腫滑膜腫メラノーマ平滑筋肉腫横紋筋肉腫ニューロブラストーマ網膜芽細胞腫グリオブラストーマ乏突起膠腫聴神経腫瘍、血管芽腫髄膜腫松果体腫上衣腫頭蓋咽頭腫上皮癌胚性がん腫、扁平上皮癌基底細胞癌線維肉腫粘液腫粘液肉腫、グリオーマ、脂肪肉腫ヘリコバクターピロリ(Helicobacterpylori)、リステリアモノサイトゲネス(Listeriamonocytogenes)、シゲラフレックスネリ(Shigellaflexneri)、アナプラズマファゴサイトフィルム(Anaplasmaphagocytophilum)、クラミドフィラ、エプスタイン・バーウイルスヘルペスHIVビルハルツ住血吸虫により引き起こされる感染症肥満糖尿病心疾患自閉症脆弱X症候群ATR−X症候群アンジェルマン症候群、プラダーウィリー症候群、ベックウィズ・ウィーデマン症候群、レット症候群、ルビンシュタインテイビ症候群、コフィンローリー症候群、免疫不全セントロメア不安定性顔貌異常症候群、αサラセミア白血病ハンチントン病統合失調症双極性疾患、老化認知症アルツハイマー病パーキンソン病コルネリア・デランゲ症候群、舞伎症候群、シェーグレン症候群白斑進行性全身性硬化症乾癬原発性胆汁性肝硬変クローン病および潰瘍性大腸炎橋本甲状腺炎グレーブス病炎症性腸疾患アテローム性動脈硬化、ならびに心肥大からなる群から選択される、請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法。

請求項31

前記修飾された組み換え型ヌクレオソームが、組み合わせた修飾が単一または隣接するヌクレオソーム上で検出されることを確認するための対照として使用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項32

前記標的エピトープにおけるコアヒストンおよび/またはDNA修飾に関する検出試薬特異性を決定する方法であって、前記標的エピトープにおけるコアヒストンおよび/またはDNAの修飾を含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを使用するステップを含む、方法。

請求項33

生物サンプルにおけるヌクレオソーム修飾(DNAまたはヒストン)の存在量を定量化するためのキットであって、前記標的エピトープにおけるコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを含む、キット。

技術分野

0001

優先権の主張
本出願は、全内容が本明細書中参照により組み込まれている、2018年3月1日に出願の米国特許仮出願番号第62/637,066号の利益を主張する。

0002

本発明の分野
本発明は、生物サンプルから、(ヒストンタンパク質または巻き付いているDNA上で)共有結合により修飾された、バリアント、または変異体ヌクレオソーム集合的に「修飾ヌクレオソーム」または「ヌクレオソーム修飾」)の定量化のための参照標準物質としての、ヒストンおよび/またはDNA修飾を保有する組み換え型半合成ヌクレオソームの使用に関する。さらに本発明は、疾患のバイオマーカーとして単一または組み合わせたヌクレオソーム修飾を正確に定量化するためのアッセイを使用する方法に関する。

背景技術

0003

ヌクレオソームは、ヒストン8量体コアヒストン(H2A、H2B、H3、およびH4)各2コピーを含む)の周りに一体的に巻き付いている147塩基対のDNAからなる、クロマチン反復単位である(Margueron et al., Nat. Rev. Genet. 11(4):285 (2010))。クロマチンの構造および機能が変化すると、遺伝子発現DNA修復染色体伝達、および細胞分化を含む様々な細胞活性が調節される(Brown et al., Hum. Mol. Genet. 21(R1):R90 (2012); Lahtz et al., J. Mol. Cell. Biol. 3(1):51 (2011); Lunyak et al., Hum. Mol. Genet. 17(R1):R28 (2008); Reik, Nature 447(7143):425 (2007))。これらプロセスは、可逆的なヒストンの翻訳後修飾(PTM;たとえばリジンメチル化またはアセチル化)により部分的に媒介され、直接作用するかまたはエフェクター結合タンパク質により「読み取られる」ことにより、特定の下流のシグナリング経路を変換する。今日までに、100を超える特有のヒストンPTMが同定されており、このうちの多くが、神経変性(Landgrave−Gomez et al., Front. Cell. Neurosci. 9:58 (2015))およびメタボリックシンドローム(DelCurto et al., Curr. Opin. Clin. Nutr. Metab. Care 16(4):385 (2013);Wang et al., Antioxid. Redox Signal 17(2):282 (2012))からがん(Chopra et al., Cancer Genet. 208(5):192 (2015);Greenblatt et al., Leukemia 28(7):1396 (2014);Gajer et al., Oncogenesis 4:e137 (2015); Witt et al., Curr. Pharm. Des. 15(4):436 (2009); Hanmod et al., Pediatr. Blood Cancer 62(1):52 (2015); Kobayashi et al., Oncogene 32(21):2640 (2013))までの範囲にわたるヒトの疾患に関連している。重要なことに、PTM相互作用タンパク質(PTM−interacting protein)(別名「リーダー(reader)」)は、著しくドラッガブルであり、多種多様ヒト疾患障害に関する優れた治療標的となっている(Arrowsmith et al., Nat. Rev. Drug Discov. 11(5):384 (2012))。さらに、ヒストンのPTMは、早期の疾患の検出および予後判定、ならびに個別化処置戦略通知に有用であり得る新たに出現したクラスのがんバイオマーカーである(Khan et al., World J. Biol. Chem. 6(4):333 (2015); Chervona et al., Am. J. Cancer Res. 2(5):589 (2012))。

0004

ヒストンのPTMとクロマチン調節タンパク質との間の協調機能は、複雑なシステムレベルシグナリングネットワークを表し、その有効な照合(interrogation)は、ヌクレオソームベースのツールを必要とする。多価であること(すなわち所定のタンパク質の中の複数のリーダードメイン)は、クロマチン調節因子の一般的な特色であり(Ruthenburg et al., Nat. Rev. Mol. Cell. Biol. 8(12):983 (2007))、ヒストン相互作用が状況特異的に調節される重要な手段としての役割を果たすと考えられている。実際に、リーダーの結合(および細胞調節のその後の変化)は、様々なPTMまたはそれらの組み合わせの存在下で大きく変化し、これはヒストンコードとして知られる仮説である(Strahl et al., Nature 403(6765):45 (2000); Jenuwein et al., Science 293(5532):1074 (2001))。たとえば、ブロモドメインPHDフィンガー転写因子(BPTFリーダータンパク質は、H3K4me3(Kd=約1μM)およびH4K12ac(Kd=約60μM)に対して個別の結合アフィニティーが低いドメインを含む(Li et al., Nature 442(7098):91 (2006))が、これは、H3K4me3/H4K12aの組み合わせ修飾モノヌクレオソームの存在下では有意に増大する(H3K4me3単独と比較して3倍超)。BPTFは、抗がん療法の標的であり(Dar et al., J. Natl. Cancer Inst. 107(5) (2015));筋萎縮性側索硬化症患者においても高いレベルで見出されている(Mu et al., Exp. Neurol. 146(1):17 (1997))。興味深いことに、H3K4me3およびH3/H4のアセチル化は、活性なプロモーター共存しており(Zhang et al.,EMBO Rep. 16(11):1467 (2015))、H3K4me3は、エフェクターの動員を介してヒストンのアセチル化を促進することが示されている(Tang et al., Cell 154(2):297 (2013))。疾患状態を調べるための必要な前駆体としての、ヒストンPTMの細胞の生理学に及ぼす複合的影響を解明する、作用機序を調べる研究は始まったばかりである。一例として、(食事によりもたらされる)腸内マイクロバイオームの変化は、宿主組織中のヒストンPTMの特定の組み合わせに有意に影響し得る(Krautkramer et al., Mol. Cell 64(5):982 (2016))。同様に、近年の知見により、組み合わせたヌクレオソームPTMは、(単一のPTMと比較して)良好な肺がん予後バイオマーカーを提供し得る(Shema et al., Science 352(6286):717 (2016))。

0005

組み合わせたヒストンPTMが有効に提示されるためには、生理的なPTM−タンパク質の相互作用のスキャフォールドとしての役目を果たす、インタクトなヌクレオソームの3次元の構造に依存する。ヒストンの組み合わせのコードの性質を理解することは、エピジェネティックな調節と疾患との間の関連を次世代の治療およびバイオマーカーに変換する場合に重要である。これは、クロマチンの調節および疾患において不可欠な役割を果たす、ヒストンのメチル化およびアセチル化に特に当てはまる(Greer et al., Nat. Rev. Genet. 13(5):343 (2012); Filippakopoulos et al., Nat. Rev. Drug Discov. 13(5):337 (2014); Soshnev et al., Mol. Cell 62(5):681 (2016))。

0006

生物サンプルからヒストンのPTMを定量化するためにいくつかの方法が開発されており(Sidoli et al., J. Vis. Exp. 2016(111); Onder et al., Expert Rev. Proteomics 12(5):499 (2015); Machleidt et al., J. Biomol. Screen. 16(10):1236 (2011))、この大部分は、ヌクレオソームの濃縮(たとえばクロマチン免疫沈降:ChIP)または検出(たとえばELISAまたはAlpha)のための修飾特異的抗体の使用に依存している。ELISAは、生物サンプルからヒストンまたはDNA修飾を定量化するために一般的に使用され、様々な抗体捕捉手法を使用してヒストンまたはヌクレオソーム上の修飾を直接定量化するために開発された特異的アッセイである。ヌクレオソームベースの検出は、以下の2つの理由のため、ヒストンベースの検出よりも優れている:
1)ヌクレオソームベースの方法は、面倒でばらつきをもたらす酸−抽出ステップを必要としない;および
2)ヌクレオソームベースのアッセイは、ヒストンのサブユニットまたはDNA単独の使用ではモニタリングすることが不可能である、in transでの組み合わせた修飾(たとえばヒストン−ヒストン、DNA−DNA、またはヒストン−DNAの組み合わせ)の定量化を可能にする。

0007

これら大きな利点にもかかわらず、現在のヌクレオソームベースのアッセイには、定量化のための適切な対照がない。実際に、現在の技術を使用したアッセイは定性的であり、PTMレベルは相対的測定として報告されるかまたは外因性の異種クロマチン(xenochromatin)(たとえばトリ酵母、または昆虫)を使用して正規化される。精製外因性クロマチン調製物の使用は、これら試薬が、(PTMに特異的なレベルで)はっきりと定義されておらずバッチのばらつきを示すため、広範囲の問題を引き起こし得ることから、(実験間でまたはさらには研究室間での)アッセイを正規化するためにこれらを使用することは限定的である。これに加え、現在、組み合わせたマークが、プール全体で同時に起こるのではなく同じヌクレオソーム上で真に提示されるかどうかを決定することは難題である。

0008

上記を考慮すると、生物サンプルからヒストンおよび/またはDNAの修飾を検出するヌクレオソームベースのアッセイのための改善された対照が当技術分野で必要とされている。

0009

本発明は、較正のための定量化の標準物質としてヒストンおよび/またはDNAの修飾を包有する組み換え型/半合成/デザイナーヌクレオソーム(本明細書中以下では「組み換えヌクレオソーム」と呼ばれる)の使用に関する。現在使用される精製クロマチン抽出物とは異なり、本アッセイは、単一または組み合わせたヌクレオソーム修飾の正確な定量化のための完全に定義された組み換え型/半合成のヌクレオソームを利用する。当技術分野で一般に使用される標準物質と同様に、修飾ヌクレオソームは、アッセイの定量化のための標準曲線を作成するために同じ実験でアッセイされる(サンプルに同一の処置を行う)。単一または組み合わせたヌクレオソームPTMの定量化は、現在使用される相対的測定よりも良好な、疾患に関するバイオマーカーを提供し得る。

0010

重要なことに、本発明者らは、ヌクレオソームのみが、血漿サンプルにおいて有用な参照標準物質を提供すると決定した。ヒストンまたはヌクレオソームを血漿に添加する場合、後者のみが、予測値回収され、よって定量化に関して実行可能である。この方法では、本発明のヌクレオソームは、血漿または他の体液に直接由来する循環中ヌクレオソームを定量化するアッセイに有用な標準物質を提供する。

0011

よって、本発明の一態様は、生物サンプルにおけるヌクレオソーム修飾の存在量(ヒストンまたはDNA)を定量化するための方法であって、
a.生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいてコアヒストンおよび/またはDNA修飾を保有する組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、アフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと
を含む、
方法に関する。

0012

本発明の別の態様は、生物サンプルにおける単一のヌクレオソーム上の2つ以上の修飾(ヒストンまたはDNA)の存在量を定量化するための方法であって、
a.生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける2つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいて2つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、2つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと
を含む、
方法に関する。

0013

本発明のさらなる態様は、疾患または障害を有する対象由来の生物サンプルにおける1つ以上のヌクレオソーム修飾の存在量(ヒストンまたはDNA)を定量化するための方法であって、
a.対象から生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.目的のエピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと
を含む、方法に関する。

0014

本発明のさらなる態様は、1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量化に基づきエピジェネティック修飾に関連する疾患または障害を有する対象の予後を決定するための方法であって、
a.対象から生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソームの参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾の量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと、
h.1つ以上の標的エピトープの存在量に基づき対象の予後を決定するステップと
を含む、方法に関する。

0015

本発明の別の態様は、1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量化に基づきエピジェネティック修飾に関連する疾患または障害のバイオマーカーを同定するための方法であって、
a.対象から生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNAの修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソームの参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと、
h.1つ以上の標的エピトープの存在量を、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害と相関させることにより、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害のバイオマーカーを同定するステップと
を含む、方法に関する。

0016

本発明のさらなる態様は、対象の生物サンプルから1つ以上のヌクレオソーム修飾のエピジェネティックな状態を修飾する作用物質スクリーニングする方法であって、
方法が、作用物質の存在下および非存在下での1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量を決定するステップを含み、1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量を決定するステップが、
a.対象から生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと
を含み、
作用物質の存在下および非存在下でのエピジェネティックな状態の変化により、エピジェネティックな状態を修飾する作用物質が同定される、
方法に関する。

0017

本発明のこれらおよび他の態様は、以下の本発明の説明でより詳細に記載されている。

図面の簡単な説明

0018

図1A〜1Cは、修飾された組み換え型デザイナーヌクレオソーム(dNuc)の合成および定性的バリデーションを示す。(A)dNucのアセンブリ前のH3R2/R8/R17のトリシトルリン化ヒストンの質量分析予想される質量=15227ダルトン;実際の質量:15226ダルトン。(B)還元剤下のSDS−PAGEの後にクーマシーおよびイムノブロット(Abcam:ab5103)を使用した8量体およびPTMのバリデーション。(C)ネイティブPAGE(遊離DNAなし)を使用したH3R2cit/R8cit/R17cit dNucアセンブリのバリデーション。
図2A〜2Bは、ヌクレオソームが予測値で回収され、ヒト血漿において信頼できる較正を提供することを示す。サンドイッチELISAは、基質としてH3R2cit/R8cit/R17citヒストンおよびdNucを使用してヌクレオソームのシトルリン化を測定するように作製した。基質を、抗H3R2cit/R8cit/R17cit抗体を使用して捕捉し;検出は、H3の非修飾C末端に特異的なHRPコンジュゲート抗体を使用して行った。(A)5%ヒト血漿に添加したシトルリン化H3またはdNucを使用した標準曲線。(B)100%血漿に添加したシトルリン化H3またはdNucの回収。サンプルを、ELISA前に20倍に希釈し、(A)の標準物質に対して正規化した。理論値=正規化した予測値。
図3A〜3Cは、修飾dNucの組み合わせを使用したヌクレオソームPTMに対するELISAの最適化を示す。特異的PTM(H3R8cit)に対する1つの捕捉抗体は、(A)抗H3−C末端抗体、(B)抗H3R2cit抗体、および(C)捕捉のために使用される同じ抗H3R8cit抗体を含む、様々な検出抗体と対を形成した。これら捕捉−検出の対を、ELISAにおける修飾dNucの組み合わせ(H3R2cit/R8cit/R17cit)および非修飾dNucに対して試験し、低いバックグラウンドおよび高い特異性を有する試薬を同定した。
図4A〜4Bは、組み換え型修飾dNucがヒトの血漿から確実に回収および定量化されることを示す。最適化されたサンドイッチELISAは、基質を捕捉するために抗H3R8cit抗体を使用し、次に、ビオチン化した抗H3R2cit抗体とインキュベーションを行い、ストレプトアビジン−HRPを用いて検出を行った。(A)H3R2cit/R8cit/R17cit dNucを、標準的なELISAバッファーに添加して標準曲線を作成した。(B)H3R2cit/R8cit/R17cit dNucを、健常なヒトの血漿の様々な希釈物に添加し、回収パーセントを、(A)に示す標準曲線から内挿した。
図5A〜5Dは、dNucが、ヒト血漿における内在性の循環する修飾ヌクレオソームの濃度を推定することを示す。(A、C)H3R2cit/R8cit/R17cit dNucを使用して、線形回帰法(A)および非線形回帰法(C)の両方を使用しヌクレオソームのシトルリン化を定量化するための標準曲線を作成した。(B、D)血中において高レベルのヌクレオソームのシトルリン化に関連する病態である、重篤および中等度関節リウマチ(RA)と診断された患者由来の血漿、および健常な対照由来の血漿を希釈し、ELISAにより解析した。(B)ヒト血漿サンプルの線形希釈(Linear dilution)は、線形の標準曲線(A)と平行であり、内在性ヌクレオソームに適した参照としてのdNucを確立する。(D)非線形標準曲線を使用した正規化は、広範囲の血漿希釈液に対して正確かつ一貫した回収を提供し、対照と中等度から重度のRAとの間において異なるレベルのヌクレオソームのシトルリン化を示している。図5A〜5Dの全ての画像に関して、ELISAは、基質を捕捉するために抗H3R8cit抗体を使用して、次に、ビオチン化抗H3R2cit抗体とインキュベートし、ストレプトアビジン−HRPによる検出により、行った。

0019

本発明を、以下でより詳細に説明する。この説明は、本発明が実施され得る全ての異なる方法または本発明に追加され得る全ての性質の詳細な目録ではないと意図される。たとえば、一実施形態に関して例示される特色を、他の実施形態に組み込んでもよく、特定の実施形態に関して例示される特色を、当該実施形態から削除してもよい。さらに、本明細書中示唆される様々な実施形態に対する多くの変形形態および追加は、本発明から逸脱することのない本開示の観点から当業者に明らかである。よって、以下の明細書は、本発明の一部の特定の実施形態を例示すると意図されており、その全ての順列、組み合わせ、およびバリエーション網羅的に明記するものではないと意図される。

0020

文脈が他を示さない限り、本明細書中記載される発明の様々な特色は、任意の組み合わせで使用することができることが特に意図されている。さらに、本発明はまた、本発明の一部の実施形態において、本明細書中記載のいずれかの特色または特色の組み合わせを排除または除外することができることを企図している。例として、複合体が構成要素A、B、およびCを含むことを本明細書が述べている場合、A、B、またはC、またはそれらの組み合わせのいずれかを、単独でまたは任意の組み合わせで、除外および放棄することができることが具体的に意図されている。

0021

特に定義されていない限り、本明細書中使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解する意味と同じ意味を有する。本発明の説明で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためにあり、本発明を限定することを意図してはいない。

0022

ヌクレオチド配列は、特に示していない限り、本明細書では一本鎖のみとして左から右への5’から3’方向で提示される。ヌクレオチドおよびアミノ酸は、連邦規則法典第37巻§1.822および確立された使用法に従って、IUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨される方法、または(アミノ酸に関しては)1文字表記もしくは3文字表記で、本明細書中表される。

0023

特に示していなければ、組み換え型および合成のポリペプチド、抗体またはその抗原結合フラグメントの生成、核酸配列の操作、形質変換細胞の生成、ヌクレオソームの構築、ならびに一過性かつ安定してトランスフェクトした細胞に関して、当業者に公知の標準的な方法が使用され得る。このような技術は、当業者に公知である。たとえば、SAMBROOK et al., MOLECULAR CLONING: A LABORATORYMANUAL 2nd Ed. (Cold Spring Harbor, NY, 1989);F. M. AUSUBEL et al. CURRNTPROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (Green Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., New York)を参照されたい。

0024

本明細書中言及される全ての刊行物、特許出願、特許、ヌクレオチド配列、アミノ酸配列、および他の参照文献は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれている。

0025

本発明の説明および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他の意味を明らかに示していない限り、同様に複数形をも含むように意図されている。

0026

本明細書中使用される場合、「および/または」は、関連する列挙される項目のうちの1つ以上の可能性のある全ての組み合わせ、ならびに代替例(「または」)で解釈される場合は組み合わせの欠如を表し、これらを包有する。

0027

さらに本発明はまた、本発明の一部の実施形態において、本明細書中記載されるいずれかの特色または特色の組み合わせが排除または除外され得ることを企図している。

0028

さらに、用語「約」は、本明細書中使用される場合、測定可能な値、たとえば本発明の化合物または作用物質の量、用量、時間、温度などを表す場合、指定された量の±10%、±5%、±1%、±0.5%、またはさらには±0.1%の変動を包有することを意味する。

0029

用語「〜から本質的になる」は、核酸またはタンパク質と関連して本明細書中使用される場合、核酸またはタンパク質が、この核酸またはタンパク質の目的の機能を有意に(たとえば約1%超、5%超、または10%超)変更する、記載されるエレメント以外のエレメントを全く含まないことを意味する。

0030

用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、アミノ酸残基ポリマーを表すために本明細書中互換可能に使用される。すなわち、ポリペプチドを対象とする説明は、ペプチドの説明およびタンパク質の説明に対し同等に当てはまり、これは逆も同様である。これら用語は、天然に存在するアミノ酸のポリマー、および1つ以上のアミノ酸残基が非天然のアミノ酸であるアミノ酸ポリマーに当てはまる。本明細書中使用される場合、これら用語は、任意の長さのアミノ酸鎖を包有し、アミノ酸残基が共有結合性ペプチド結合および/またはシュードペプチド結合により結合している完全長のタンパク質を含む。

0031

「核酸」または「ヌクレオチド配列」は、ヌクレオチド塩基の配列であり、RNA、DNA、またはDNA−RNAハイブリッド配列(天然に存在するヌクレオチドおよび天然に存在しないヌクレオチドの両方を含む)であり得るが、好ましくは、一本鎖または二本鎖のいずれかのDNA配列である。

0032

本明細書中使用される場合、「単離された」核酸またはヌクレオチド配列(たとえば「単離されたDNA」または「単離された」RNA)は、天然に存在する生物またはウイルスの他の構成要素、たとえば細胞もしくはウイルスの構造上の構成要素、または核酸またはヌクレオチド配列に関連して一般に見出される他のポリペプチドもしくは核酸の少なくとも一部から分離されているかまたはこれを実質的に含まない核酸またはヌクレオチド配列を意味する。

0033

同様に、「単離された」ポリペプチドは、天然に存在する生物またはウイルスの他の構成要素、たとえば細胞もしくはウイルスの構造上の構成要素、またはポリペプチドに会合した状態で一般に見出される他のポリペプチドもしくは核酸の少なくとも一部から分離されているかまたはこれを実質的に含まないポリペプチドを意味する。

0034

特性を「実質的に保持する」は、この特性(たとえば活性または他の測定可能な特徴)の少なくとも約75%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%が保持されていることを意味する。

0035

用語「エピトープ」は、アフィニティー試薬の結合を誘発できる生体分子上のいずれかの部位を表す。アフィニティー試薬は、生体分子もしくは生体分子フラグメントの直鎖状の配列、生体分子もしくは生体分子フラグメントの形状、生体分子もしくは生体分子フラグメントの化学物理的特性、またはこれらの組み合わせを認識し得る。

0036

「アミノ酸」は、IUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨される一般に知られている3文字表記または1文字表記のいずれかにより本明細書中で表され得る。タンパク質またはペプチドにおけるアミノ酸残基は、以下のように略される:フェニルアラニンはPheまたはFであり;ロイシンはLeuまたはLであり;イソロイシンはIleまたはIであり;メチオニンはMetまたはMであり;バリンはValまたはVであり;セリンはSerまたはSであり;プロリンはProまたはPであり;スレオニンはThrまたはTであり;アラニンはAlaまたはAであり;チロシンはTyrまたはYであり;ヒスチジンはHisまたはHであり;グルタミンはGlnまたはQであり;アスパラギンはAsnまたはNであり;リジンはLysまたはKであり;アスパラギン酸はAspまたはDであり;グルタミン酸はGluまたはEであり;システインはCysまたはCであり;トリプトファンはTrpまたはWであり;アルギニンはArgまたはRであり;およびグリシンはGlyまたはGである。

0037

用語「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸および天然に存在しないアミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様の方法で機能するアミノ酸アナログおよびアミノ酸模倣体を表す。天然にコードされるアミノ酸は、20の一般的なアミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリン)ならびにピロールリジンおよびセレノシステインである。アミノ酸アナログは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造、すなわち水素カルボキシル基アミノ基、およびR基に結合している炭素を有する化合物、たとえばホモセリンノルロイシン、メチオニンスルホキシド、およびメチオニンメチルスルホニウムを表す。このようなアナログは、修飾されたR基(ノルロイシンなど)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造を保持する。

0038

アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされる配列における単一のアミノ酸またはアミノ酸のごく一部を変更、付加、または欠失する、核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列に対する個別の置換、欠失、または付加が、変化によってアミノ酸の化学的に類似のアミノ酸への置換が起こる場合、「保存的に修飾されたバリアント」であることを認識している。機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的置換表は、当業者に公知である。このような保存的に修飾されたバリアントは、本明細書中記載される作用物質の多形バリアント、種間のホモログオルソログ、およびアレルに加えて、これらを排除するものではない。

0039

抗原」は、本明細書中使用される場合、抗体によって認識されるか、またはそれに対する認識抗体(もしくはアプタマーもしくはパンニングしたファージなどの類似するアフィニティー試薬)を作製することができるいずれかの構造であり得る。特定の実施形態では、抗原は、単一のアミノ酸残基、または2つ以上の残基のアミノ酸フラグメントを含み得る。特定の実施形態では、抗原は、アミノ酸の修飾、たとえばアセチル化、メチル化(たとえば、モノ−、ジ—、トリ−、対称性−、非対称性)、リン酸化ユビキチン化(たとえばモノ−、ジ—、トリ−、ポリ−)、SUMO化、ADPリボシル化、シトルリン化、ビオチン化、およびシス−トランス異性化などを含み得る。特定の実施形態では、抗原は、5−メチルシトシンなどのヌクレオチド修飾を含み得る。他の実施形態では、抗原は、点変異などの特定の変異を含み得る。さらなる他の実施形態では、抗原は、野生型のアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を含み得る。

0040

用語「翻訳後修飾」は、天然または非天然のアミノ酸に対して、in vivoまたはin vitroでポリペプチド鎖に組み込まれた後に起こるかまたは起こり得る、当該アミノ酸のいずれかの修飾を表す。このような修飾として、限定するものではないが、アシル化(たとえばアセチル−、ブチリル−、クロトニル−)、メチル化(たとえばモノ−、ジ—、トリ−)、リン酸化、ユビキチン化(たとえばモノ−、ジ—、トリ−、ポリ−)、SUMO化、ADP−リボシル化、シトルリン化、ビオチン化、およびシス−トランス異性化が挙げられる。このような修飾は、合成により、たとえばポリペプチド合成の間に化学的に導入されてもよく、またはポリペプチド合成もしくはポリペプチド精製の後に酵素的に導入されてもよい。

0041

用語「転写後修飾」は、天然または非天然のヌクレオチドに対して、in vivoまたはin vitroでポリヌクレオチド鎖に組み込まれた後に起こるかまたは起こり得る、当該ヌクレオチドのいずれかの修飾を表す。このような修飾として、限定するものではないが、5−メチルシトシン(cyosine)、5−ヒドロキシメチルシトシン、5,6−ジヒドロウラシル、7−メチルグアノシンキサントシン、およびイノシンが挙げられる。

0042

本発明は、アッセイの定量化のための標準物質としてのヒストンおよび/またはDNAの修飾を包有する組み換え型/半合成ヌクレオソームの使用に関する。現在使用されている精製クロマチン抽出物とは異なり、本アッセイは、単一または組み合わせたヌクレオソーム修飾を正確に定量化するために完全に定義された組み換え型/半合成ヌクレオソームを利用する。好適には、本発明の方法は、ヒストンおよび/またはDNAの修飾の絶対的な定量化、すなわち、相対的な存在量ではなくて修飾分子数の検出、または相対的な存在量に加えて修飾分子数の検出を提供することができる。当技術分野で一般に使用される標準物質と同様に、修飾されたヌクレオソームは、アッセイの定量化のための標準曲線を作成するために、同じ実験でアッセイされる(サンプルに同一の処置を行う)。単一または組み合わせたヌクレオソームのPTMの定量化は、現在使用されている相対的測定よりも良好な、疾患に関するバイオマーカーを提供し得る。一部の実施形態では、組み換え型ヌクレオソームは、修飾の組み合わせが単一のまたは隣接するヌクレオソーム上で検出されることを確認するための対照として使用され得る。

0043

本明細書中使用される場合、組み換え型ヌクレオソーム(デザイナーヌクレオソーム(dNuc)とも呼ばれる)は、ヒストン(コアヒストンH2A、H2B、H3、およびH4、および任意選択リンカーヒストンH1を含む)、DNA、ならびに任意選択で他の要因を結合させてヌクレオソームを形成することにより調製されているものである。言い換えると、組み換え型ヌクレオソームは、細胞またはクロマチンから単離されたものではなく、合成されたヌクレオソームである。ヌクレオソーム中の各ヒストンは、独立して、完全に合成によるか、半合成(たとえば組み換え技術により産生され、合成ペプチドライゲートされる)によるか、または組み換え技術により産生され得る。ヌクレオソーム中の各ヒストンは、ヒストンバリアント(たとえばH3.3、H2A.Bbd、H2A.Z.1、H2A.Z.2、H2A.X、mH2A1.1、mH2A1.2、mH2A2、またはTH2B)であり得る。用語組換え型ヌクレオソームは、半合成ヌクレオソームおよび合成ヌクレオソームを包有する。

0044

本発明の組み換え型ヌクレオソームは、いずれかの公知のクロマチンベースのイムノアッセイ(または類似のアフィニティー試薬に基づくイムノアッセイ)におけるスパイクイン標準物質として使用され得る。

0045

よって、本発明の一態様は、生物サンプルにおけるヌクレオソーム修飾(ヒストンまたはDNA)の存在量を定量化するための方法であって、
a.生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいてコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、アフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと
を含む、
方法に関する。

0046

本発明の別の態様は、生物サンプルにおける単一のヌクレオソーム上の2つ以上の修飾(ヒストンまたはDNA)の存在量を定量化するための方法であって、
a.生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいて2つ以上のヒストンおよび/またはDNAの修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、2つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと
を含む、
方法に関する。

0047

本発明のさらなる態様は、疾患または障害を有する対象由来の生物サンプルにおける1つ以上のヌクレオソーム修飾の存在量(ヒストンまたはDNA)を定量化するための方法であって、
a.対象から生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNAの修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと
を含む、方法に関する。

0048

本発明の各方法において、生物サンプルは、ヌクレオソームを単離できるいずれかのサンプルであり得る。生物サンプルは、たとえば、血液、血清、血漿、尿、唾液精液前立腺液乳頭液、涙液糞便口腔粘膜ぬぐい液、脳脊髄液細胞ライセートサンプル、羊水液、消化器系体液、生検組織リンパ液、または脳脊髄液であり得る。一部の実施形態では、生物サンプルは細胞を含み、クロマチンがこの細胞から単離される。一部の実施形態では、細胞は、1つ以上のヒストン翻訳後修飾および/またはDNA修飾の変化に関連する障害の疾患由来の細胞、たとえば疾患状態にある細胞である。一部の実施形態では、細胞は、ヒストンの変異に関連する疾患または障害を罹患している組織または臓器、たとえば疾患状態にある組織または臓器由来の細胞である。細胞は、限定するものではないが、生検吸引、および外科手術を含む当該分野で公知のいずれかの手段により、疾患状態の臓器または組織から入手され得る。

0049

他の実施形態では、細胞は、ヒストンの翻訳後修飾もしくはDNA修飾の変化に関連するかまたはヒストンの変異に関連する疾患または障害を罹患した組織または臓器由来の細胞ではない。細胞は、たとえば、疾患状態の細胞の代わりとしての役目を果たす細胞である。細胞は、疾患状態の細胞より容易に入手可能な細胞、たとえば、生検などの複雑なまたは痛みを伴う手段を必要とすることなく得ることができる細胞であり得る。適切な細胞の例として、限定するものではないが、末梢血単核細胞が挙げられる。

0050

一部の実施形態では、生物サンプルは、生検である。他の実施形態では、生物サンプルは、生体液である。一部の実施形態では、生物サンプルは、末梢血単核細胞を含む。他の実施形態では、生物サンプルは、循環性ヌクレオソーム、たとえば死につつある細胞から放出される循環性ヌクレオソームを含む。循環性ヌクレオソームは、たとえば、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害に由来する血液または細胞由来であり得る。特定の実施形態では、生物サンプルは、血漿、尿、唾液、糞便、リンパ液、または脳脊髄液である。一部の実施形態では、生物サンプルは、クロマチンをモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームに消化するために酵素で処理され得る。この酵素は、限定するものではないが、ヌクレアーゼ、たとえばミクロコッカスヌクレアーゼであり得る。

0051

対象は、本発明の方法が望まれるいずれかの対象であり得る。一部の実施形態では、対象は、哺乳類、たとえばヒトである。一部の実施形態では、対象は、実験動物、たとえばマウスラットイヌ、またはサル、たとえば疾患の動物モデルである。特定の実施形態では、対象は、疾患または障害と診断されているかまたは疾患または障害を有することが疑われる対象であり得る。一部の実施形態では、対象は、たとえば遺伝学、家族の既往毒素への曝露などにより、疾患または障害を発症するリスクがある対象であり得る。

0052

本発明の方法で使用されるアフィニティー試薬(affinity agent)は、標的エピトープに存在する目的のヒストンまたはDNA修飾を特異的に認識および結合するいずれかの作用物質であり得る。一部の実施形態では、アフィニティー試薬は、このエピトープに対する抗体または抗体フラグメントである。抗体またはそのフラグメントは、完全長のイムノグロブリン分子Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab)’2フラグメント、scFvフラグメント、Fvフラグメント、ナノボディ、VHH、または最小認識単位であり得る。アフィニティー試薬は、アプタマーまたは非イムノグロブリンスキャフォールド、たとえばアフィボディ、アフィリン分子、AdNectin、リポカリンムテイン、DARPin、Knottin、Kunitz型ドメイン、Avimer、Tetranectin、またはトランスディであり得る。

0053

一部の実施形態では、少なくとも1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量化は、抗体ベース検出アッセイにより検出される。抗体ベースの検出方法の例として、限定するものではないが、ChIP、ELISA、AlphaLISA、AlphaSCREEN、Luminex、およびイムノブロッティングが挙げられる。一部の実施形態では、抗体ベースの検出アッセイは、基質の捕捉および検出のために2つの異なる抗体を使用する。一実施形態では、捕捉抗体および検出抗体は、それぞれ、(図3Aに示されるように)ヒストンのPTMおよび別のヌクレオソーム構造、たとえばDNAまたは非修飾ヒストンに特異的に結合し得る。別の実施形態では、捕捉抗体および検出抗体は、それぞれ、(図3Bに示されるように)2つの異なるヒストンのPTMに対する抗体である。一部の実施形態では、抗体ベースの検出アッセイは、(図3Cに示されるように)基質の捕捉および検出の両方に同じ抗体を使用する。

0054

本発明の方法により定量化され得るヒストンまたはDNA修飾は、当該分野で公知であるかまたは将来同定される全ての修飾を含む。公知の翻訳後のアミノ酸の修飾として、限定するものではないが、セリンおよびアラニンのN−アセチル化;セリン、スレオニン、およびチロシンのリン酸化;リジンのN−クロトニル化、N−アシル化;リジンのN6−メチル化、N6,N6−ジメチル化、N6,N6,N6−トリメチル化;アルギニンのω−N−メチル化、対称性−ジメチル化、非対称性−ジメチル化;アルギニンのシトルリン化;リジンのユビキチン化(ubiquitinylation);リジンのSUMO化;セリンおよびスレオニンのO−メチル化、アルギニン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸のADP−リボシル化;ならびに発がん性の変異(たとえばH3K4M、H3K9M、H3K27M、H3G34R、H3G34V、H3G34W、またはH3K36M)が挙げられる。公知の転写後のDNA修飾として、限定するものではないが、5−メチルシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、5−ホルミルシトシン、5−カルボキシルシトシン、3−メチルシトシン、5,6−ジヒドロウラシル、7−メチルグアノシン、キサントシン、およびイノシンが挙げられる。

0055

標的エピトープは、定量化および/またはモニタリングが望まれているコアヒストンまたはDNA上のいずれかのエピトープであり得る。一部の実施形態では、エピトープは、翻訳後修飾またはタンパク質のアイソフォームである。一部の実施形態では、コアヒストンのエピトープは、たとえばセリンおよびアラニンのN−アセチル化;セリン、スレオニン、およびチロシンのリン酸化;リジンのN−アシル化(たとえば、クロトニル化またはブチリル化);リジンのN6−メチル化、N6,N6−ジメチル化、N6,N6,N6−トリメチル化;アルギニンのω−N−メチル化、対称性−ジメチル化、非対称性−ジメチル化;アルギニンのシトルリン化;リジンのユビキチン化(ubiquitinylation);リジンのSUMO化;セリンおよびスレオニンのO−メチル化;セリン、スレオニン、またはチロシンのリン酸化;アルギニン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸のADP−リボシル化、ならびにそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択される、少なくとも1つの翻訳後アミノ酸修飾を含む。修飾は、単一または任意の組み合わせの、表1(a)〜1(f)に列挙される修飾のいずれかであり得る。

0056

一部の実施形態では、エピトープは、コアヒストンの変異、たとえば疾患または障害に関連する変異である。一部の実施形態では、この変異は、発がん性変異、たとえば限定するものではないが、H3K4M、H3K9M、H3K27M、H3G34R、H3G34V、H3G34W、H3K36M、およびそれらのいずれかの組み合わせを含む変異である。H3変異体は、H3のいずれかのバリアント骨格、たとえばH3.1、H3.2、またはH3.3に基づく変異体であり得る。

0057

本発明のさらなる態様は、1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量化に基づきエピジェネティック修飾に関連する疾患または障害を有する対象の予後を決定するための方法であって、
a.対象から生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNA修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと、
h.1つ以上の標的エピトープの存在量に基づき対象の予後を決定するステップと
を含む、方法に関する。

0058

ヌクレオソーム修飾の存在を検出および定量化する方法に関する上述されている詳細は、同様にこの方法にも当てはまる。

0059

一部の例では、エピトープのエピジェネティック状態は、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害の予後を示している。よって、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害を有すると診断されているかまたは当該疾患または障害を有することが疑われる対象のエピトープのエピジェネティック状態の決定は、対象の予後の決定に有用であり得る。このような例の多くは、当該分野で公知である。1つの例として、限定するものではないが、前立腺腫瘍再発の有意に高いリスクに関連するH3K18アセチル化およびH3K4ジメチル化の増大、腫瘍ステージと相関するH4K12アセチル化およびH4R3ジメチル化、ならびに腫瘍再発のリスクのある低グレード前立腺がん患者に関連するH3K9ジメチル化を含む、前立腺がんおよびヒストンPTMである。別の例は、乳がん患者全生存期間と、遺伝子CREB5、EXPH5、ZNF775、ADCY3、およびADMA8におけるCpGのメチル化状態との関連である。別の例は、グリオブラストーマ、ならびにEGFR、PTEN、NF1、PIK3R1、RB1、PDGFRA、およびQKIのような遺伝子のイントロン領域の過剰メチル化状態である。さらなる例は、結腸癌の予後不良、ならびにCNRIP1、FBN1、INA、MAL、SNCA、およびSPG20遺伝子のプロモーターのメチル化状態である。

0060

本発明の別の態様は、1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量化に基づきエピジェネティック修飾に関連する疾患または障害のバイオマーカーを同定するための方法であって、
a.対象から生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNAの修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと、
h.1つ以上の標的エピトープの存在量を、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害と相関させることにより、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害のバイオマーカーを同定するステップと
を含む、方法に関する。

0061

ヌクレオソーム修飾の存在を検出および定量化する方法に関して上述されている詳細は、同様にこの方法にも当てはまる。

0062

この方法では、疾患状態の組織の生物サンプルは、疾患または障害を有する多くの患者から採取し、1つ以上のエピトープのエピジェネティック状態が決定され得る。次に、エピジェネティック状態と発症、ステージ、サブタイプ予後診断などとの間の相関が、当該分野で周知の分析技術を使用して同定され得る。

0063

本発明のさらなる態様は、対象の生物サンプルから1つ以上のヌクレオソーム修飾のエピジェネティック状態を修飾する作用物質をスクリーニングする方法であって、
方法が、作用物質の存在下および非存在下での1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量を決定するステップを含み、1つ以上のヌクレオソーム修飾の定量を決定するステップが、
a.対象から生物サンプルを単離するステップと、
b.生物サンプルから、標的エピトープにおける1つ以上のコアヒストンおよび/またはDNA修飾を含むヌクレオソームを含む、ネイティブモノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのライブラリーを調製するステップと、
c.標的エピトープにおいて1つ以上のヒストンおよび/またはDNAの修飾を保有するヌクレオソームを含む組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを調製するステップと、
d.組み換え型ヌクレオソームのサンプルを、参照標準物質を作製するために様々な濃度で提供するステップと、
e.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照物質に、1つ以上のアフィニティー試薬を添加するステップと、
f.ネイティブヌクレオソームライブラリーおよび組み換え型ヌクレオソーム参照標準物質におけるヌクレオソーム修飾量を測定するためにアフィニティー試薬ベースのアッセイを行うステップと、
g.ネイティブヌクレオソームライブラリーにおける相対的存在量を参照標準物質と比較することにより、標的エピトープにおけるヌクレオソーム修飾の存在量を定量化するステップと
を含み、
作用物質の存在下および非存在下でのエピジェネティック状態の変化により、エピジェネティック状態を修飾する作用物質が同定される、
方法に関する。

0064

ヌクレオソーム修飾の存在を検出および定量化する方法に関して上述されている詳細は、同様にこの方法にも当てはまる。

0065

スクリーニング方法は、エピジェネティック修飾を増大または減少させる作用物質を同定するために使用され得る。一部の実施形態では、検出される増大または減少は、統計学的に有意であり、たとえば少なくともp<0.05、たとえばp<0.01、0.005、または0.001である。他の実施形態では、検出される増大または減少は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはそれ以上である。

0066

目的の任意の化合物を、本発明に従ってスクリーニングすることができる。適切な試験化合物として、有機分子および無機分子が挙げられる。適切な有機分子として、限定するものではないが、小分子(約1000ダルトン未満の化合物)、ポリペプチド(酵素、抗体、および抗体フラグメントを含む)、炭水化物、脂質、補酵素、および核酸分子(DNA、RNA、およびそれらのキメラおよびアナログを含む)、ならびにヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログを挙げることができる。

0067

さらに、本発明の方法は、可能性があるかまたは標的の調節因子のライブラリー、たとえば小分子のライブラリー、組み合わせられた化学化合物のライブラリー、ポリペプチドのライブラリー、cDNAのライブラリー、アンチセンス核酸のライブラリー、siRNAのライブラリーなど、またはポリペプチドおよび核酸アレイなどの化合物のアレイコレクションをスクリーニングするために行われ得る。

0068

任意の適切なスクリーニングアッセイフォーマット、たとえばハイスループットスクリーニングが使用され得る。

0069

また本方法は、クロマチンにおける特定のゲノム遺伝子座のエピジェネティック状態を修飾する作用物質として同定されている作用物質を特徴付けるために使用され得る。特徴付け、たとえば前臨床特徴付けは、たとえば、有効濃度の決定、有効な投与スケジュールの決定、ならびに薬物動態および薬力学の測定を含み得る。

0070

本発明のさらなる態様は、本発明の方法を使用して、対象の生物サンプル由来のクロマチンにおける経時的なエピジェネティック状態の変化をモニタリングするための方法に関する。

0071

ヌクレオソーム修飾の存在を検出および定量化する方法に関して上述されている詳細は、同様にこの方法にも当てはまる。

0072

本方法のステップは、エピジェネティック修飾の状態の変化をモニタリングするために必要に応じて何度も、たとえば2、3、4、5、6、7、8、9、10、25、50、または100、またはそれ以上の回数で、繰り返され得る。本方法は、定期的なスケジュール(たとえば毎日毎週、毎月、毎年)でまたは必要に応じて繰り返され得る。本方法は、たとえば、対象の治療的処置の前、間、および/もしくは後;対象の疾患もしくは障害の診断の後;対象の疾患もしくは障害の診断を決定する一部として;疾患もしくは障害の発症のリスクがあると対象を同定した後、またはエピジェネティック修飾もしくは変異の可能性のある変化をモニタリングすることが望ましい他のいずれかの状況で、繰り返され得る。

0073

本発明のさらなる態様は、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害を有する対象のエピジェネティック療法の有効性をモニタリングするための方法であって、本発明の方法を使用して、前記対象の生物サンプル由来のクロマチンにおける経時的なエピジェネティック状態の変化をモニタリングするステップを含む、方法に関する。

0074

ヌクレオソーム修飾の存在を検出および定量化する方法に関して上述されている詳細は、同様にこの方法にも当てはまる。

0075

エピジェネティック療法は、タンパク質(たとえばヒストン)またはDNAのエピジェネティック状態を変化させるように設計された療法である。エピジェネティック療法の一例として、リジンデアセチラーゼ阻害剤ヒストンデアセチラーゼ阻害剤とも称される)(たとえばボリノスタットスベロイルアニリドヒドロキサム酸)、CI−994(タセジナリン)、MS−275(エンチノスタット)、BMP−210、M344、NVP−LAQ824、LBH−529(パノビスタット)、MGCD0103(モセチノスタット)、PXD101(ベリノスタット)、CBHAPCI−24781、ITF2357、バルプロ酸トリコスタチンA、および酪酸ナトリウム)が挙げられ、これらは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を処置するために使用されるか、または、肺がん、乳がん膵臓がん腎臓がん、および膀胱がんメラノーマ、グリオブラストーマ、白血病リンパ腫、および多発性骨髄腫を含む血液腫瘍および固形腫瘍の処置に関する臨床試験に使用される。エピジェネティック療法のさらなる例は、リジンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤(ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤とも称される)(たとえばエピガロカテキン−3−ガラート、ガルシノール、アナカルジン酸、CPTH2、クルクミン、MB−3、MG149、C646、およびロミデプシン)である。エピジェネティック療法の別の例は、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(たとえばアザシチジンデシタビンゼブラリンコーヒー酸クロロゲン酸、エピガロカテキン、ヒドララジンプロカインアミドプロカイン、およびRG108)であり、これは、急性骨髄性白血病骨髄異形成症候群、および慢性骨髄単球性白血病の処置に関して、および固形腫瘍の処置に関する臨床試験において承認されている。他のエピジェネティック療法として、限定するものではないが、リジンメチルトランスフェラーゼ(たとえばピノメトスタット、タゼメトスタット(tazometostat)、CPI−1205);リジンデメチラーゼ(たとえばORY1001);アルギニンメチルトランスフェラーゼ(たとえばEPZ020411);アルギニンデイミナーゼ(たとえばGSK484);およびイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(たとえばエナシデニブ、イボシデニブ)が挙げられる。それぞれ全体が本明細書中参照により組み込まれている、Fischle et al., ACS Chem. Biol. 11:689 (2016); DeWoskin et al., Nature Rev. 12:661 (2013); Campbell et al., J. Clin. Invest. 124:64 (2014);およびBrown et al., Future Med. Chem. 7:1901 (2015)を参照されたい。

0076

本方法のステップは、処置の有効性をモニタリングするために必要に応じて何度も、たとえば2、3、4、5、6、7、8、9、10、25、50、または100、またはそれ以上の回数、繰り返され得る。本方法は、定期的なスケジュール(たとえば毎日、毎週、毎月、毎年)でまたは必要に応じて、たとえば治療的処置が終了するまで、繰り返され得る。本方法は、たとえば、対象の治療的処置の前、間、および/または後、たとえば処置の各投与の後に、繰り返され得る。一部の実施形態では、処置は、本発明の方法が、この処置が有効であったことを示すまで続行される。

0077

本発明の別の態様は、本発明の方法を使用して、対象の生物サンプル由来のクロマチンにおけるエピジェネティック状態に基づくエピジェネティック修飾に関連する疾患または障害を有する対象に適切な処置を選択するための方法に関する。

0078

ヌクレオソーム修飾または変異の存在を検出および定量化する方法に関して上述されている詳細は、同様にこの方法にも当てはまる。

0079

本方法は、たとえばエピジェネティック修飾に関連する疾患または障害を有すると診断されているかまたは当該疾患または障害を有することが疑われる対象に、適用され得る。エピトープのエピジェネティック状態の決定は、エピトープの状態が修飾されていること、および修飾を正すためにエピジェネティック療法を対象に投与するべきであることを示し得る。逆に、エピトープの状態が修飾されていないとの決定は、エピジェネティック療法が有効であるとは予測されず、回避すべきであることを示すであろう。たとえば、特定のアセチル化ヒストン残基(H3K27ac)が脱アセチル化されているとの決定は、リジンデアセチラーゼ阻害剤による処置が適切であるということを示し得る。同様に、特定のメチル化ヒストン残基(H3K27me3)が過剰メチル化されているとの決定は、リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤による処置が適切であることを示し得る。

0080

本明細書中使用される場合、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害は、エピジェネティック修飾がこの疾患もしくは障害もしくはこの疾患もしくは障害の少なくとも1つの症状の原因であることがわかっているいずれかの疾患もしくは障害、またはエピジェネティック修飾がこの疾患もしくは障害のバイオマーカーである疾患もしくは障害である。本発明のいずれかの方法では、エピジェネティック修飾または変異に関連する疾患または障害は、がん、中枢神経系(CNS)障害、自己免疫障害炎症性障害、または感染性疾患であり得る。

0081

がんは、いずれかの良性または悪性の細胞の異常な増殖であり、限定するものではないが、聴神経腫瘍、急性顆粒球白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、腺癌副腎癌、副腎皮質癌、肛門がん、未分化星状細胞腫血管肉腫基底細胞癌胆管癌、膀胱がん、脳がん、乳がん、気管支原性肺癌子宮頸癌子宮頚部過形成脊索腫絨毛癌慢性顆粒球性白血病慢性リンパ性白血病慢性骨髄性白血病結腸がん、結腸直腸がん頭蓋咽頭腫嚢状腺腫性肉腫胚性がん腫、子宮内膜がん内皮肉腫、上衣腫上皮癌食道癌本態性血小板増加症ユーイング腫瘍線維肉腫尿生殖器癌、グリオブラストーマ、グリオーマ肉腫、ヘアリーセル白血病、頭頸部がん血管芽腫肝細胞癌ホジキン病カポジ肉腫平滑筋肉腫、白血病、脂肪肉腫、肺がん、リンパ管内皮肉腫(lymphagioendotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ腫、悪性カルチノイド細胞腫悪性高カルシウム血症悪性メラノーマ、悪性膵性インスリノーママスト細胞腫、髄様癌(medullar carcinoma)、髄芽腫、メラノーマ、髄膜腫中皮腫、多発性骨髄腫、菌状息肉症ミエローマ粘液腫粘液肉腫ニューロブラストーマ非ホジキンリンパ腫非小細胞肺癌乏突起膠腫骨原性肉腫卵巣がん膵がん乳頭状腺癌、乳頭肉腫、松果体腫真性多血症原発性脳細胞腫、原発性マクログロブリン血症、前立腺がん、直腸がん、腎細胞癌網膜芽細胞腫横紋筋肉腫皮脂腺肉腫、セミノーマ、皮膚がん小細胞肺癌軟部組織肉腫、扁平上皮癌胃癌汗腺癌滑膜腫精巣癌、咽頭がん甲状腺癌、およびウィルムス腫瘍が挙げられる。

0082

CNS障害は、遺伝性障害、神経変性障害精神障害、および腫瘍を含む。例示的なCNSの疾患として、限定するものではないが、アルツハイマー病パーキンソン病ハンチントン病カナバン病、リー疾患、レフサム病トゥレット症候群原発性側索硬化症、筋萎縮性側索硬化症、進行性筋萎縮症ピック病筋ジストロフィー多発性硬化症重症筋無力症ビンスワンガー病、脊椎または頭部の損傷による外傷テイサックス病、レッシュ・ナイハン症候群(Lesch−Nyan disease)、てんかん脳梗塞気分障害(たとえばうつ、双極性感情障害、遷延性感情障害続発性気分障害、躁病躁うつ病)、統合失調症統合失調感情障害、統合失調症様障害、薬物依存(たとえばアルコール依存および他の物質の依存症)、ノイローゼ(たとえば不安、強迫性障害、身体表現性障害、解離性障害悲嘆分娩後うつ病)、精神病(たとえば幻覚および妄想、特定不能精神病、認知症老化妄想性障害、注意欠陥障害精神性的障害、睡眠障害疼痛性障害摂食障害または体重障害(たとえば肥満悪液質神経性食欲不振症、および神経性大食症(bulemia))を含む精神障害、網膜後角、および視神経関与する眼障害(たとえば網膜色素変性症糖尿病性網膜症、および他の網膜変性疾患、ぶどう膜炎、加齢黄斑変性緑内障)、ならびにCNSのがんおよび腫瘍(たとえば下垂体腫瘍)が挙げられる。

0083

自己免疫性および炎症性の疾患および障害として、限定するものではないが、心筋炎心筋梗塞後症候群心膜切開後症候群亜急性細菌性心内膜炎、抗糸球体基底膜腎炎間質性膀胱炎ループス腎炎自己免疫性肝炎原発性胆汁性肝硬変原発性硬化性胆管炎アンチシンテターゼ症候群、副鼻腔炎歯周炎アテローム性動脈硬化皮膚炎アレルギーアレルギー性鼻炎アレルギー性気道炎症慢性閉塞性肺疾患好酸球肺炎好酸球性食道炎好酸球増加症候群移植片対宿主病アトピー性皮膚炎結核喘息、慢性消化性潰瘍円形脱毛症、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性プロゲステロン皮膚炎、自己免疫性蕁麻疹水疱性類天疱瘡瘢痕性類天疱瘡疱疹状皮膚炎円板状エリテマトーデス後天性表皮水疱症結節性紅斑妊娠性類天疱瘡化膿性汗腺炎扁平苔癬硬化性苔癬、線状IgA病、モルフェア、尋常性天疱瘡、急性痘瘡苔癬状粃糠疹、ムッハ・ハーベルマン病、乾癬全身性強皮症白斑アジソン病、自己免疫性多内分泌腺症候群1型、自己免疫性多内分泌腺症候群2型、自己免疫性多内分泌腺症候群3型、自己免疫性膵炎真性糖尿病1型、自己免疫性甲状腺炎オルド甲状腺炎(Ord’s thyroiditis)、グレーブス病、自己免疫性卵巣炎子宮内膜症、自己免疫性精巣炎、シェーグレン症候群、自己免疫性腸症セリアック病クローン病過敏性腸症候群憩室炎顕微鏡大腸炎潰瘍性大腸炎抗リン脂質抗体症候群再生不良性貧血自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性リンパ増殖症候群自己免疫性好中球減少症自己免疫性血小板減少性紫斑病寒冷凝集素症、本態性混合型クリオグロブリン血症、エヴァンス症候群、悪性貧血赤芽球癆血小板減少症有痛脂肪症成人発症型スティル病強直性脊椎炎、CREST症候群、薬剤誘発ループス付着部炎関連関節炎、好酸球性筋膜炎フェルティ症候群IgG4関連疾患、若年性関節炎ライム病(慢性)、混合性結合組織病回帰性リウマチ、パリー・ロンバーグ症候群、パーソネージ・ターナー症候群乾癬性関節炎反応性関節炎再発性多発軟骨炎後腹膜線維症リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュニッツラー症候群、全身性エリテマトーデス未分化結合組織病皮膚筋炎線維筋痛症筋炎、重症筋無力症、神経性筋強直症、傍腫瘍性小脳変性症多発性筋炎急性散在性脳脊髄炎、急性運動性軸索ニューロパチー、抗Nメチル-−D−アスパラギン酸重要体脳炎、バロー同心円性硬化症ビッカースタッフ脳炎、慢性炎症脱髄性多発神経炎ギランバレー症候群、橋本脳症突発性炎症性脱髄性疾患ランバート・イートン筋無力症症候群、多発性硬化症、オシュトラン症候群(Oshtoran syndrome)、連鎖球菌感染小児自己免疫神経精神障害(PANDAS)、進行性炎症性ニューロパチー、下肢静止不能症候群、全身硬直症候群、シデナム舞踏病横断性脊髄炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性ぶどう膜炎、コーガン症候群グレーブス眼症、中間部ぶどう膜炎、木質性結膜炎モーレン潰瘍視神経脊髄炎眼球クローヌスミオクローヌス症候群、視神経炎強膜炎、スザック症候群、交感性眼炎トロサ・ハント症候群、自己免疫性内耳疾患メニエール病ベーチェット病、好酸球性多発血管炎肉芽腫症巨細胞性動脈炎、多発血管炎性肉芽腫症、IgA血管炎川崎病白血球破壊性血管炎、ループス血管炎、リウマチ性血管炎、顕微鏡的多発血管炎、結節性多発動脈炎リウマチ性多発筋痛症、蕁麻疹様血管炎、血管炎、および原発性免疫不全が挙げられる。

0084

用語「感染性疾患」は、本明細書中使用される場合、感染性の作用物質による感染症に関連するいずれかの疾患を表す。感染性の作用物質の例として、限定するものではないが、ウイルスおよび微生物(たとえば細菌、寄生生物原生動物クリプトスポリジウム)が挙げられる。ウイルスとして、限定するものではないが、A型肝炎ウイルスB型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスD型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、F型肝炎ウイルス、G型肝炎ウイルスなどを含むヘパドナウイルス科;ヒトC型肝炎ウイルス(HCV)、黄熱病ウイルスおよびデングウイルスを含むフラビウイルス科ヒト免疫不全ウイルスHIV)およびヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV1およびHTLV2)を含むレトロウイルス科単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV−2)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV−6)ヒトヘルペスウイルス8(HHV−8)、およびヘルペスBウイルスを含むヘルペスウイルス科ヒトパピローマウイルスを含むパポバウイルス科狂犬病ウイルスを含むラブドウイルス科RSウイルスを含むパラミクソウイルス科ロタウイルスを含むレオウイルス科ハンタウイルスを含むブニヤウイルス科エボラウイルスを含むフィロウイルス科アデノウイルス科パルボウイルスB−19を含むパルボウイルス科ラッサウイルスを含むアレナウイルス科インフルエンザウイルスを含むオルトミクソウイルス科;オーフウイルス、伝染性軟属腫ウイルス(molluscum contageosum virus)、天然痘ウイルスおよびサル痘ウイルスを含むポックスウイルス科ベネズエラウマ脳炎ウイルスを含むトガウイルス科重症急性呼吸器症候群SARS)ウイルスなどのコロナウイルスを含むコロナウイルス科;ならびに、ポリオウイルスを含むピコルナウイルス科ライノウイルスオルビウイルスピコルナウイルス脳心筋炎ウイルス(EMV);パラインフルエンザウイルスアデノウイルスコクサッキーウイルスエコーウイルス麻疹ウイルス風疹ウイルス、ヒトパピローマウイルス、イヌジステンパーウイルス伝染性イヌ肝炎ウイルス、ネコカリシウイルスネコ鼻腔気管炎ウイルス、TGEウイルス(ブタ)、口蹄疫ウイルスシミアンウイルス5、ヒトパラインフルエンザウイルス2型、ヒトメタニューモウイルスエンテロウイルス、ならびに、現在知られているかまたは後に同定される他のいずれかの病原性ウイルスが挙げられる(たとえば、病原性ウイルスの教示に関してその全内容が本明細書中参照により組み込まれている、Fundamental Virology, Fieldset al., Eds., 3rd ed., Lippincott−Raven, New York, 1996を参照されたい)。

0085

病原性微生物として、限定するものではないが、リケッチアクラミジア、クラミドフィラ、マイコバクテリアクロストリジウムコリネバクテリウムマイコプラズマウレアプラズマレジオネラ赤痢菌サルモネラ病原性大腸菌種、ボルデテラ(Bordatella)、ナイセリアトレポネーマバチルスヘモフィルスモラクセラビブリオスタフィロコッカス種、ストレプトコッカス種カンピロバクター種ボレリア種、レプトスピラ種、エールリヒア種(Erlichia spp.)、クレブシエラ種、シュードモナス種、ヘリコバクター種、および現在知られているかまたは後に同定される他のいずれかの病原性微生物(たとえば、病原性微生物の教示に関してその全内容が本明細書中参照により組み込まれている、Microbiology, Davis et al, Eds., 4th ed., Lippincott, New York, 1990を参照されたい)。微生物の具体的な例として、限定するものではないが、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカスピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、緑色レンサ球菌(Streptococcus viridans)、エンテロコッカスフェカリス(Enterococcus faecalis)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、ナイセリア・ゴノレア(Neisseria gonorrhoeae)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、バシラスアンスラシス(Bacillus anthracis)、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)、ビブリオ・コレレ(Vibrio cholera)、ペスト菌エルシニア・ペスチス(Yersinia pestis))、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)、マイコバクテリウムツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、ヘモフィルス・デュクレイ(Haemophilus ducreyi)、コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheria)、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)、ボルデテラ・パラパータシス(Bordetella parapertussis)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenza)、リステリアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、シゲラフレックスネリ(Shigella flexneri)、アナプラズマファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、腸管毒素原性大腸菌(enterotoxic Escherichia coli)、およびビルハルツ住血吸虫が挙げられる。

0086

本発明の別の態様は、標的エピトープにおけるコアヒストンおよび/またはDNAの修飾に関する検出試薬(抗体またはそのフラグメント、アプタマーなど)の特異性を決定する方法であって、前記標的エピトープにおけるコアヒストンおよび/またはDNAの修飾を含む本発明の組み換え型モノヌクレオソームおよび/またはポリヌクレオソームのサンプルを使用するステップを含む、方法に関する。

0087

一部の実施形態では、疾患または障害として、限定するものではないが、肥満、糖尿病心疾患自閉症脆弱X症候群ATR−X症候群、アンジェルマン症候群、プラダーウィリー症候群、ベックウィズ・ウィーデマン症候群、レット症候群、ルビンシュタイン・テイビ症候群、コフィンローリー症候群、免疫不全−セントロメア不安定性顔貌異常症候群、αサラセミア、白血病、コルネリア・デランゲ症候群、舞伎症候群、進行性全身性硬化症、および心肥大が挙げられる。

0088

一部の実施形態では、エピジェネティック修飾に関連する疾患または障害は、腎細胞癌、グリオーマ、膠肉腫、未分化星状細胞腫、髄芽腫、肺がん、小細胞肺癌、子宮頸癌、結腸がん、直腸がん、脊索腫、咽頭がん、カポジ肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、結腸直腸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、乳がん、膵がん、前立腺がん、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、精巣腫瘍、ウィルムス腫瘍、ユーイング腫瘍、膀胱癌、血管肉腫、内皮肉腫、腺癌、汗腺癌、皮脂腺肉腫、乳頭肉腫、乳頭状腺癌、嚢状腺腫性肉腫、気管支原性肺癌、髄様癌(medullar carcinoma)、マスト細胞腫、中皮腫、滑膜腫、メラノーマ、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、ニューロブラストーマ、網膜芽細胞腫、グリオブラストーマ、乏突起膠腫、聴神経腫瘍、血管芽腫、髄膜腫、松果体腫、上衣腫、頭蓋咽頭腫、上皮癌、胚性がん腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、線維肉腫、粘液腫、粘液肉腫、グリオーマ、脂肪肉腫、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、シゲラ・フレックスネリ(Shigella flexneri)、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、クラミドフィラ、エプスタイン・バーウイルス、ヘルペス、HIV、ビルハルツ住血吸虫により引き起こされる感染症;肥満、糖尿病、心疾患;自閉症、脆弱X症候群、ATR−X症候群、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、ベックウィズ・ウィーデマン症候群、レット症候群、ルビンシュタイン・テイビ症候群、コフィン・ローリー症候群、免疫不全−セントロメア不安定性−顔貌異常症候群、αサラセミア、白血病、ハンチントン病、統合失調症、双極性疾患、老化、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、コルネリア・デランゲ症候群、歌舞伎症候群、シェーグレン症候群、白斑、進行性全身性硬化症、乾癬、原発性胆汁性肝硬変、クローン病および潰瘍性大腸炎、橋本甲状腺炎、グレーブス病、炎症性腸疾患、アテローム性動脈硬化、ならびに心肥大からなる群から選択される。

0089

本発明の別の態様は、本明細書中記載の方法のうちの1つを行うための試薬および試薬を含むキットを提供する。この試薬は、適切なパッケージまたは容器に含まれ得る。本キットは、エピトープの定量化のため、たとえば抗体ベースの検出アッセイにおけるエピトープの定量化のために、本明細書中記載される組み換え型ヌクレオソームを含む1つ以上の試薬を含み得る。また本キットは、本明細書中記載の少なくとも1つのアフィニティー試薬、たとえば抗体またはそのフラグメントもしくはバリアントを含み得る。

0090

一部の実施形態では、組み換え型ヌクレオソームは、ヒストン、ヒストンアイソフォーム、ヒストン翻訳後修飾、またはヒストン変異と共に作製されたDNA−タンパク質複合体を含む。様々な実施形態では、当該分野で知られているコアヒストン配列のいずれかのバリアント、または表1(a)〜1(f)に定義されるものを含む翻訳後修飾を、ヒストン8量体を含むヒストン上に配置することができる。一実施形態では、組み換え型ヌクレオソームのセットが提供される。

0091

他の実施形態では、本キットは、パッケージまたは容器の中に1つ以上の洗浄バッファー(たとえばリン酸緩衝生理食塩水)および/または他のバッファーを含み得る。また本キットは、捕捉した標準物質またはサンプルの量の測定に必要な試薬を含み得る。

0092

キットを供給する場合、異なる構成要素は、別々の容器にパッケージングされ、使用の直前に混合され得る。このような構成要素のパッケージングは、別々に、有効な構成要素の機能を失うことなく長期間の保存を可能にし得る。またキットは、説明材料と共に供給され得る。説明書は、紙もしくは他の物質の上に印刷されていてもよく、かつ/または電子可読媒体として供給されてもよい。

0093

一部の実施形態では、本キットは、たとえば単一のヒストンまたは複数のヒストンの、たとえばリジンのメチル化、リジンのアシル化、またはアルギニンのメチル化といった、特定のクラスのPTMの異なる可能性のうちの一部または全てを表す標準物質のパネルを含み得る。このパネルは、1つ以上の疾患に関連すると考えられる修飾の一部または全てを含み得る。一部の実施形態では、本キットは、たとえば単一のヒストンまたは複数のヒストンの、たとえば発がん性ヒストン変異といったヒストン変異の異なる可能性のうちの大部分または全てを表す標準物質のセットを含み得る。このパネルは、アフィニティー試薬の特異性を評価するため、技術的変動をモニタリングするため、および実験を正規化するために使用され得る。

0094

本発明を説明してきたが、同じ内容を、単なる例としての目的のために本発明に含まれており、本発明を限定する意図のない以下の実施例において説明する。

0095

実施例1:修飾組み換え型デザイナーヌクレオソーム(dNuc)の合成および定性的バリデーション
組み換え型dNucは、十分に定義されており内在性抗体標的を模倣することから、理想的なELISA標準物質である。図1A〜Cは、dNucアセンブリに関する代表的な定性的計量を示している。この実施例では、H3R2/R8/R17トリシトルリン化ヒストン(H3R2cit/R8cit/R17cit)を、公開されている方法(Chen et al., Chembiochem 15(14): 2071 (2014))に基づくネイティブ化学的ライゲーションの手法を使用して作製した。得られた修飾ヒストンは、分析用HPLCにより、95%超の純度であり、高分解能質量分析による予測質量の1ダルトン以内であった(図1A)。シトルリン化dNucを作製するために、非修飾ヒストンH3サブユニットを、8量体の組み立ての間にH3R2cit/R8cit/R17citヒストンに置換した。予想されるように、得られたdNucは、抗シトルリン化ヒストン(H3R2cit/R8cit/R17cit)抗体と免疫反応性であり(図1B;上部)、等しいヒストンの化学両論比を示し(図1B;底部)、検出可能な遊離DNAを示さなかった(図1C)。これらデータは、dNucが、高度に純粋であり、これによりそれらはヒストンPTMの定量化を目的とするELISAの非常に優れた標準物質となることを示している。

0096

実施例2:ヌクレオソームは、ヒト血漿において予測値で回収され、信頼できる較正を提供する。
セルフリーヌクレオソーム(CFN)解析の近年の進歩により、非侵襲性のクロマチン標的化液体生検は可能性がある現実となった(Holdenrieder et al., Int. J. Cancer 95(2):114 (2001); Holdenrieder et al., Ann. NY Acad. Sci. 1137:180 (2008); Rumore et al., J. Clin. Invest. 86(1):69 (1990); Holdenrieder et al., Clin. Chem. 51(8):1544 (2005))。しかしながら、既存のヌクレオソームPTMの定量化のアッセイは、通常、アッセイ標準物質として修飾ヒストンサブユニットを使用する。これらは、ネイティブクロマチンの結合特徴再現することができず、よって、アッセイ内対照として使用する場合相対的測定を提供することができるに過ぎない。さらに、ヒストンは血漿/血清中で不安定であるため、液体生検におけるその有用性が限定されていることから、ヌクレオソームPTMのアッセイおよびバイオマーカーの開発は急速に新たな中心となりつつある。

0097

図2A〜2Bでは、健常なヒト血漿の中に添加されたシトルリン化dNucおよびヒストンH3サブユニットの回収を比較した。このために、標準的なサンドイッチELISAを、ヒストンシトルリン化を測定するために開発した:抗H3R2cit/R8cit/R17cit抗体を、捕捉基質に対し使用し、H3の非修飾C末端に特有のHRPコンジュゲート抗体によって検出を行った。図2Aでは、H3R2cit/R8cit/R17citヒストンまたはdNucを、5%のヒト血漿の中に1,000倍の範囲(1nM〜1μM)で添加した。ELISAシグナルは、シトルリン化ヒストンH3を含む血漿において定量化した際に、dNucと比較して劇的に低減することに留意されたい。これら結果は、1)血漿中に添加したシトルリン化dNucの一次回収、および2)シトルリン化H3と比較して血漿中のシトルリン化dNucの検出の感受性の増大(すなわち幅広い範囲の分析物の検出)を示している。

0098

信頼性のある検量体は、アッセイマトリックス(たとえば血漿または細胞のライセート)において安定している。観察されるヒストンシグナルの喪失が異常な凝集または血漿タンパク質との相互作用によるものであるかどうかを決定するために、H3R2cit/R8cit/R17citヒストンまたはdNuc基質を、100%の血漿に添加し、次にサンプルを5%血漿に希釈し、H3シトルリン化を定量化した(図2B)。サンプルを、5%血漿で調製した標準物質に対して正規化した(図2A)。注目すべきことに、シトルリン化dNucは、予測値で容易に回収された(図2B)。しかしながら、シトルリン化ヒストンH3は、5%と比較して100%血漿に添加した際に有意に低かった(すなわち検出可能でなかった)。これらデータは、シトルリン化dNuc(ヒストンH3ではない)のみが、血漿サンプルにおいて確実な較正を提供することを証明している。さらにこの結果は、患者の血漿に直接由来するヒストンPTMの正確な定量化を可能にする次世代の液体生検アッセイにとって信頼できる標準物質としてのdNucの開発を支持する。

0099

実施例3:組み合わせた修飾dNucを使用したヌクレオソームPTMに対するELISAの最適化
dNucは、内在性ヌクレオソームに対する構造的アナログであり、同様の結合の特徴を呈するため(Shah et al., Mol. Cell 72(1):162(2018)、感受性および特異性の高いヒストンPTM検出アッセイを設計するために使用され得ることが推論された。よって、H3R2cit/R8cit/R17cit dNucを、ヌクレオソームのシトルリン化の検出に関するELISAの開発に適用した。最初に、dNucを使用して、オフターゲットPTM結合活性が低く非常に特異的な抗体を同定した。次に、dNucを、様々な捕捉抗体および検出抗体の対を使用して、ELISAの開発のための高度に精製された基質として適用した。図3A〜3Cに記載される3つ全ての例は、3種類の異なるビオチン化検出抗体:1)ヒストンH3の非修飾部分に対する抗体(図3A);2)別の共存するPTM、H3R2citを認識する抗体(図3B);および3)dNucの捕捉のために使用される同じ抗H3R8cit抗体と対にしてPTM特異的(抗−H3R8cit)捕捉抗体を使用した。ELISAシグナルは、ストレプトアビジンコンジュゲートHRP(SA−HRP)を使用して作製した。示される3つ全ての実験で、非修飾dNucを、バックグラウンドシグナルをモニタリングするための陰性対照として含めた。

0100

驚くべきことに、感受性が最も高く、最小のバックグラウンドを伴うアッセイは、捕捉および検出の両方に同じ抗H3R8cit抗体を使用した(図3C、底部)。異なるPTMを標的化すること(図3B)は、類似の特異性を有していたが、非修飾Nuc対照においてバックグラウンドのわずかな上昇を示した。これら実験は、抗体が同じヌクレオソーム上の複数のPTM(たとえばH3R8Cit/H3R2CitまたはH3R8cit/H3R8cit)に結合する顕著な能力を証明しており、これによって、今後の研究において共存するPTMの定量化が可能となり得る。注目すべきことに、ヌクレオソームにおいて各ヒストンサブユニット(たとえばH2A、H2B、H3、およびH4)は2コピー物存在する。よって、H3R8cit/H3R2citELISAの組み合わせが、シスまたはトランスでこれらヒストンPTMを検出しているかどうかは依然として明らかではない。これらの可能性がある作用機構を決定するためには、非対称的に修飾を保有するヌクレオソーム(すなわちヒストンサブユニットのうち1つのみが修飾されている)の開発が必要とされる。

0101

抗ヒストンH3抗体での検出(図3A、底部)は、PTM抗体による検出と比較して感受性の実質的な低減を示した。特に、この種類の捕捉/検出の設定は、ヒストンPTMのELISA(ヒストンベースの基質または標準物質を使用する)にとって慣習となっている産業上の手法であり、ヌクレオソーム構造を利用することによりアッセイの特異性および感受性において有意な進歩が存在することを示唆している。実際に、ヌクレオソームPTMを測定する既存のアッセイは、標的分析物内因性レベル未知である精製ヒストン抽出物またはヒト血漿を使用して開発されている。図3A〜3Cに示されるように、高度精製dNucの生成によって、ELISAにとって最も感受性が高く特異的な抗体対を経験的に決定でき、前例のない正確さおよび精度でアッセイを実現することが可能である。さらに、dNucシグナルの一次回収は、ヌクレオソームPTM特異的アッセイのキャリブレーターとしてdNucの開発の継続を支持する。

0102

実施例4:dNucは、ヒト血漿から確実に回収され、定量化される。
臨床アッセイにおけるキャリブレーターとしてのdNucの有用性は、血漿などの生体マトリックスから正確に回収される能力に依存している。よって、図3A〜3C由来の最適化されたサンドイッチELISAのうちの1つを、基質捕捉のための抗H3R8cit抗体を使用し、次にビオチン化抗H3R2cit抗体およびストレプトアビジン−HRPによって検出することにより、使用した。最初に標準曲線を、ELISAバッファーにおいて6点濃度範囲で添加したH3R2cit/R8cit/R17cit dNucを使用して作成した(図4A)。この標準曲線は、R2=0.98で、ELISAバッファーにおけるdNucの一定した一次回収を示している。並行した実験では、H3R2cit/R8cit/R17cit dNuc(50ng/mL)を、健常なヒト血漿の様々な希釈物に添加し、パーセント回収を、標準曲線から内挿した(図4B)。これら結果は、血漿で2倍〜32倍希釈した場合にdNucシグナルの95%超の回収を証明し、アッセイマトリックスによる干渉が最小限であることを示しており、dNucが、幅広い血漿希釈物にわたり、高度に安定しており、信頼できる定量的な標準物質を提供することを示唆している。

0103

実施例5:dNucは、ヒト血漿における内在性循環性の修飾ヌクレオソームの濃度を推定する。
アッセイキャリブレータ—としてdNucを完全に適用するためには、これらが内在性ヌクレオソームと類似の挙動(すなわち、結合および検出特徴)を示すことが必要である。この目的のため、血漿を、中程度および重篤な関節リウマチ(RA)の症状(DAS28スコアに基づく(Prevoo et al., Arthritis Rheum. 38(1):44 (1995)))を有する患者から回収した。RA患者は、高レベルのヌクレオソームシトルリン化を有し(Pratesi et al., Ann. Rheum. Dis. 73(7):1414 (2014); Dwivedi et al.,FASEB J. 28(7):2840 (2014); Sohn et al., Arthritis Rheumatol. 67(11):2877 (2015))、このため、この概念実証試験の理想的な候補である。RA患者(年齢および性別が一致した健常な対照と共に)由来の血漿を、2倍〜128倍に希釈し、ELISAで解析した(図5B、5D)。この試験では、ヌクレオソームシトルリン化の検出のためELISAを、ヌクレオソーム捕捉のために抗H3R8cit抗体を使用し、検出のためにビオチン化抗H3R2cit抗体およびストレプトアビジン−HRPを使用して、利用した。標準曲線を、ELISAバッファーにおいて6点濃度範囲で添加したH3R2cit/R8cit/R17cit dNucを使用して作成し、線形回帰法(図5A)および非線形回帰法(図5C)を使用して解析した。ここで(図5B、図5D)、本出願人らの進行中の試験由来の各カテゴリー(健常、中程度のRA、および重篤なRA)の1名の患者の平均値を示す。

0104

図5Bに示されるように、ヒト血漿サンプルの希釈物は、図5Aの標準曲線のものと同様の線形曲線をもたらした。これらデータにより、この標準曲線が、サンプル−希釈物の曲線を正確に表していることが確認され、内在性物質を定量化するために選択したキャリブレーターの使用を検証した。ELISAデータをまた、非線形曲線を使用して正規化すると(図5C、5D)、幅広い範囲の血漿希釈物を通して一貫した回収を提供した。さらに、これら分析物は、対照と中程度から重度RAとの間でのヌクレオソームシトルリン化のレベルの変更を示しており、臨床に関連するアッセイでの定量化のための標準物質としてのdNucの導入を支持する。

0105

上記は、本発明の例であり、その限定と解釈すべきではない。本発明は、以下の特許請求の範囲、およびその中に含まれる均等物により定義される。

実施例

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