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技術 制御性T細胞を枯渇する薬剤、及びチェックポイント阻害剤を使用してがんを治療、又は予防する方法

出願人 ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティ
発明者 ジョンアールマーフィーウィリアムアールビシャイパンカジェクマーアミットクマーサディヤパルヴィーンシンシアコリンバーレンビジャヤンサンバシヴァムローレンチャンドリューパルドルユアンフーシュミットシッダルタディパリシャルマ
出願日 2019年3月6日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2020-546996
公開日 2021年6月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-515774
状態 未査定
技術分野 ペプチド又は蛋白質 突然変異または遺伝子工学 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 参照語 螺旋ループ 単位試料 気体推進剤 電子ノギス 省略表現 高次凝集体 保留命令
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図面 (20)

課題・解決手段

被験者がん治療、又は予防の方法に関するもので、がんに罹患している、又は罹患しやすい被験者に、被験者の制御性T細胞(Tregs)を枯渇させる第1薬剤投与し、次にチェックポイント阻害剤からなる第2薬剤を被験者に投与することからなる。

概要

背景

Ontak(商標) (デニロイキンディフティトックス) は、ジフテリア毒素フラグメントA 、及びフラグメント B の一部 (Met1-His388) の配列とヒトインターロイキン-2 (IL-2; Ala1-Thr133) の配列からなる 521アミノ酸組換えDNA由来細胞傷害性タンパク質である。 現在、大腸菌発現系生産されており、分子量は58 kDである。ネオマイシン発酵工程で使用されるが、最終製品では検出されない。Ontak(商標)は、静脈内(IV)投与を目的とした無菌凍結溶液として単回使用バイアルで供給され、1999年に皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療薬としてFDAによって承認された。 2011年6月には、分子量の異なるタンパク質凝集体、過剰な残留DNA、過剰な残留界面活性剤最終製剤に含まれていることが懸念されたため、FDAはOntak(商標)に臨床保留命令をだした。 Ontak(商標)の製造は、組換えタンパク質大腸菌細胞質で発現させることにより行われており、この発現系では、組換えタンパク質はOntak(商標)ポリペプチドを構成する大きな不溶性の凝集体、いわゆる封入体を形成する。 封入体の変性、及びリリフォールディングを含む現在の製造プロセスでは、最終製剤中に不均一な分子量のタンパク質凝集体が依然として存在していた。 精製された形態でのこれらの凝集体の存在は、ポリペプチドの供給源として大腸菌由来細胞質封入体を使用した結果であり、Tween 20の存在下でも毒素膜貫通ドメインの本質的な疎水性のためである。 以下、この方法で製造されたOntak(商標)をクラシックOntak(商標)、又はc-Ontak(商標)と呼ぶ。

さらに、すべての細菌や植物の毒素と同様に、c-Ontak(商標)は血管漏出症候群(VLS)を誘発するアミノ酸モチーフがある。 c-Ontak(商標)を投与された患者の約30%が、急激な体重増加を伴う末梢性浮腫から低アルブミン血症肺水腫に至るまでのVLS症状を呈する。

VLSの分子機構はよく理解されていない。血管内皮細胞間の細胞接合破壊を引き起こすいくつかのメカニズムが提案されており、異なるトリガーが血管漏出を引き起こす1つ以上の経路誘導する可能性がある。NK細胞は、溶解のために内皮細胞を標的とすることができ、NK細胞の枯渇は、マウスにおいてIL-2によって誘導された血管漏出に対して保護することが示されている(Kotasek D、VercellottiGM、Ochoa AC、Bach FH、WilthJG、Jacobook HS.リンホカイン活性化キラー細胞によって誘導される培養内皮傷害のメカニズム。Cancer Res. 1988; 48:5528-32PMID: 3262010)。また、炎症性サイトカインもVLSの発症関与する。 TNFα、IL-1、IL-2はすべてインビトロ内皮細胞層透過性を増加させることが示されている。Balunaらは、リシン毒素、及びジフテリア毒素の特定のアミノ酸モチーフが内皮細胞に結合し、細胞-細胞間、又は細胞外マトリックス相互作用混乱させることを示唆した。 彼らは、リシン毒素のA鎖のアミノ酸モチーフの変異は、インビトロでは内皮細胞単層の破壊の減少につながり、マウスでは血管漏出の誘導の減少につながることを発見した。しかしながら、酵素活性に対する変異の影響は評価されなかった(Baluna R, Rizo J, Gordon BE, Ghetie V, VitettaES. Evidence for a structural motif in toxins and interleukin-2 that may be responsible for binding to endothelial cells and initiating vascular leak syndrome. Proc Natl Acad Sci U S A. 1999;96:3957-62. PMID: 10097145)。大腸菌由来のクラシックOntak (SEQID NO: 10) と C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来の分泌型Ontak (s-Ontak, SEQ ID NO:13) は、ポリペプチドの配列が 1アミノ酸だけ異なる (大腸菌由来のタンパク質には N末端メチオニン残基があるが、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のタンパク質には存在しない)。 しかし、これら2つのタンパク質は、一次アミノ酸の観点から見ても同一であり、少なくとも5つの血管漏出誘導モチーフ共有している。

抗生物質などの薬剤が、ヒトの細胞への巻き添えを避けながら、必須の細菌タンパク質を特異的に阻害することができる感染症とは異なり、抗がん剤は正常細胞も標的にすることが多く、免疫抑制神経障害などの重大な副作用を引き起こすことになる。がん細胞は自己と非常によく似ているため、免疫系は腫瘍と非腫瘍を区別する上で同様の問題に遭遇し、自己免疫を防ぐ同じメカニズムが、効果的な抗腫瘍免疫応答を阻害することを可能にする。がん免疫療法は、患者の免疫応答を利用してがんと闘うことを目的としており、PD-1遮断薬などの免疫チェックポイント阻害薬を用いた臨床試験の最近の成功は、抗腫瘍応答を増強することで、一部の患者では持続的な臨床応答が得られることを明らかにしており、全体の応答率は20から40%である。現在の免疫療法に反応しない患者に対しては、臨床的に有益な効果をもたらす追加標的や併用レジメンを発見するためのさらなる研究が必要である。

制御性T細胞(Tregs)は、自己免疫の予防に不可欠な抑制性免疫細胞である。Tregsは有害な炎症反応から保護することができるが、その抑制機能は、がんや感染症における防御免疫応答の抑制にも寄与する。実際、腫瘍細胞はTreg活性を直接促進し、抗腫瘍免疫応答の低下を引き起す。腫瘍浸潤性Tregは、細胞傷害性CD8+T細胞、及び樹状細胞機能の阻害を含む様々なメカニズムを通じて免疫抑制を媒介する(Chen M-L, Pittet M, Gorelik L, Flavell RA, Weissleder R, Boehmer H von, et al. Regulatory T cells suppress tumor-specific CD8 T cell cytotoxicity through TGF-B signals in vivo. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005;102:419-424.PMID: 15623559 and Jang J, Hajdu CH, Liot C, Miller G, Dustin ML, Bar-Sagi D. Crosstalk between Regulatory T Cells and Tumor-Associated Dendritic Cells Negates Anti-tumor Immunity in Pancreatic Cancer. Cell Rep. 2017;20:558-71. PMID: 28723561)。

必要とされているのは、VLSの副作用を最小限に抑えた改変されたOntak様タンパク質であり、これらのタンパク質を使用することで、被験者のがんをより効果的に除去することができる、より安全ながん治療法を開発することである。

概要

被験者のがんの治療、又は予防の方法に関するもので、がんに罹患している、又は罹患しやすい被験者に、被験者の制御性T細胞(Tregs)を枯渇させる第1薬剤を投与し、次にチェックポイント阻害剤からなる第2薬剤を被験者に投与することからなる。

目的

必要とされているのは、VLSの副作用を最小限に抑えた改変されたOntak様タンパク質であり、これらのタンパク質を使用することで、被験者のがんをより効果的に除去することができる、より安全ながん治療法を開発することである

効果

実績

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請求項1

被験者がん治療、又は予防する方法であって、以下からなる方法:がんに罹患している、又は罹患しやすい被験者に、被験者の制御性T細胞(Tregs)を枯渇させる第1剤を投与すること;次にチェックポイント阻害剤からなる第2剤を被験者に投与すること;及び被験者のがんを治療、又は予防すること。

請求項2

請求項1に記載の方法、ここで、がんはメラノーマである。

請求項3

請求項1に記載の方法で、ここで、前記第1剤は、ジフテリア毒素融合タンパク質である。

請求項4

請求項3に記載の方法で、ここで、前記ジフテリア毒素融合タンパク質は、ジフテリア毒素フラグメントA、又はその機能部分;ジフテリア毒素フラグメントB、又はその機能部分;又はそれらの組合わせからなる。

請求項5

請求項4に記載の方法で、ここで、前記ジフテリア毒素融合タンパク質は、ヒトインターロイキン配列からなる。

請求項6

請求項5に記載の方法で、ここで、前記ヒトインターロイキン配列はヒトIL-2タンパク質、又はその機能部分からなる。

請求項7

請求項5に記載の方法で、ここで、前記ジフテリア毒素融合タンパク質は、デニロイキンディフティトックを投与した対照被験者と比較した時、血管漏出を低下させる。

請求項8

請求項1に記載の方法で、ここで、前記第1剤は、SEQID NO:13、又はその機能部分;SEQ ID NO:58、又はその機能部分;SEQ ID NO:15、又はその機能部分;SEQ ID NO:42、又はその機能部分;又それらの組み合わせからなる。

請求項9

請求項1に記載の方法で、ここで前記チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体;抗PD-1抗体;抗PD-L1抗体;又はそれらの組み合わせからなる。

請求項10

請求項1に記載の方法で、ここで、前記チェックポイント阻害は、イピリムマブ(抗CTLA-4)、ニボルマブ(抗PD-1)、ペンブロリズマブ(抗PD-1)、アテゾリズマブ(抗PD-L1)、アベルマブ(抗PD-L1)、及びデュバルマブ(抗PD-L1)、又はそれらの組み合わせ含むグループから選択される。

請求項11

請求項1に記載の方法で、ここで、第2剤は、抗PD-1抗体である。

請求項12

請求項1に記載の方法で、ここで、第1剤は、SEQID NO:13、又はその機能部分、SEQ ID NO:58、又はその機能部分;SEQ ID NO:15、又はその機能部分、SEQ ID NO:43、又はその機能部分、;又はそれらの組み合わせからなるタンパク質配列をコードしている発現ベクターを含む。

請求項13

被験者のがんを治療、又は予防する方法であって、以下からなる方法:がん、又はがんになりやすい被験者に、被験者のTregを枯渇させる第1剤からなる医薬組成物の有効量を投与すること;次に被験者にチェックポイント阻害剤からなる第2剤からなる医薬組成物の有効量を投与すること;及び被験者者のがんの治療、又は予防すること。

関連特許の相互参照

0001

本出願は、2018年3月6日に出願された米国仮特許出願62/639,1999号の利益を主張し、これらは、本明細書に完全に記載されているかのように、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
政府利害関係表明
本発明は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)から授与された助成金番号AI37856、HL133190、AI130595、及びCA006973は、国立衛生研究所によって授与された。 政府は、本発明に関して一定の権利を有する。

背景技術

0002

Ontak(商標) (デニロイキンディフティトックス) は、ジフテリア毒素フラグメントA 、及びフラグメント B の一部 (Met1-His388) の配列とヒトインターロイキン-2 (IL-2; Ala1-Thr133) の配列からなる 521アミノ酸組換えDNA由来細胞傷害性タンパク質である。 現在、大腸菌発現系生産されており、分子量は58 kDである。ネオマイシン発酵工程で使用されるが、最終製品では検出されない。Ontak(商標)は、静脈内(IV)投与を目的とした無菌凍結溶液として単回使用バイアルで供給され、1999年に皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療薬としてFDAによって承認された。 2011年6月には、分子量の異なるタンパク質凝集体、過剰な残留DNA、過剰な残留界面活性剤最終製剤に含まれていることが懸念されたため、FDAはOntak(商標)に臨床保留命令をだした。 Ontak(商標)の製造は、組換えタンパク質大腸菌細胞質で発現させることにより行われており、この発現系では、組換えタンパク質はOntak(商標)ポリペプチドを構成する大きな不溶性の凝集体、いわゆる封入体を形成する。 封入体の変性、及びリリフォールディングを含む現在の製造プロセスでは、最終製剤中に不均一な分子量のタンパク質凝集体が依然として存在していた。 精製された形態でのこれらの凝集体の存在は、ポリペプチドの供給源として大腸菌由来細胞質封入体を使用した結果であり、Tween 20の存在下でも毒素膜貫通ドメインの本質的な疎水性のためである。 以下、この方法で製造されたOntak(商標)をクラシックOntak(商標)、又はc-Ontak(商標)と呼ぶ。

0003

さらに、すべての細菌や植物の毒素と同様に、c-Ontak(商標)は血管漏出症候群(VLS)を誘発するアミノ酸モチーフがある。 c-Ontak(商標)を投与された患者の約30%が、急激な体重増加を伴う末梢性浮腫から低アルブミン血症肺水腫に至るまでのVLS症状を呈する。

0004

VLSの分子機構はよく理解されていない。血管内皮細胞間の細胞接合破壊を引き起こすいくつかのメカニズムが提案されており、異なるトリガーが血管漏出を引き起こす1つ以上の経路誘導する可能性がある。NK細胞は、溶解のために内皮細胞を標的とすることができ、NK細胞の枯渇は、マウスにおいてIL-2によって誘導された血管漏出に対して保護することが示されている(Kotasek D、VercellottiGM、Ochoa AC、Bach FH、WilthJG、Jacobook HS.リンホカイン活性化キラー細胞によって誘導される培養内皮傷害のメカニズム。Cancer Res. 1988; 48:5528-32PMID: 3262010)。また、炎症性サイトカインもVLSの発症関与する。 TNFα、IL-1、IL-2はすべてインビトロ内皮細胞層透過性を増加させることが示されている。Balunaらは、リシン毒素、及びジフテリア毒素の特定のアミノ酸モチーフが内皮細胞に結合し、細胞-細胞間、又は細胞外マトリックス相互作用混乱させることを示唆した。 彼らは、リシン毒素のA鎖のアミノ酸モチーフの変異は、インビトロでは内皮細胞単層の破壊の減少につながり、マウスでは血管漏出の誘導の減少につながることを発見した。しかしながら、酵素活性に対する変異の影響は評価されなかった(Baluna R, Rizo J, Gordon BE, Ghetie V, VitettaES. Evidence for a structural motif in toxins and interleukin-2 that may be responsible for binding to endothelial cells and initiating vascular leak syndrome. Proc Natl Acad Sci U S A. 1999;96:3957-62. PMID: 10097145)。大腸菌由来のクラシックOntak (SEQID NO: 10) と C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来の分泌型Ontak (s-Ontak, SEQ ID NO:13) は、ポリペプチドの配列が 1アミノ酸だけ異なる (大腸菌由来のタンパク質には N末端メチオニン残基があるが、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のタンパク質には存在しない)。 しかし、これら2つのタンパク質は、一次アミノ酸の観点から見ても同一であり、少なくとも5つの血管漏出誘導モチーフ共有している。

0005

抗生物質などの薬剤が、ヒトの細胞への巻き添えを避けながら、必須の細菌タンパク質を特異的に阻害することができる感染症とは異なり、抗がん剤は正常細胞も標的にすることが多く、免疫抑制神経障害などの重大な副作用を引き起こすことになる。がん細胞は自己と非常によく似ているため、免疫系は腫瘍と非腫瘍を区別する上で同様の問題に遭遇し、自己免疫を防ぐ同じメカニズムが、効果的な抗腫瘍免疫応答を阻害することを可能にする。がん免疫療法は、患者の免疫応答を利用してがんと闘うことを目的としており、PD-1遮断薬などの免疫チェックポイント阻害薬を用いた臨床試験の最近の成功は、抗腫瘍応答を増強することで、一部の患者では持続的な臨床応答が得られることを明らかにしており、全体の応答率は20から40%である。現在の免疫療法に反応しない患者に対しては、臨床的に有益な効果をもたらす追加標的や併用レジメンを発見するためのさらなる研究が必要である。

0006

制御性T細胞(Tregs)は、自己免疫の予防に不可欠な抑制性免疫細胞である。Tregsは有害な炎症反応から保護することができるが、その抑制機能は、がんや感染症における防御免疫応答の抑制にも寄与する。実際、腫瘍細胞はTreg活性を直接促進し、抗腫瘍免疫応答の低下を引き起す。腫瘍浸潤性Tregは、細胞傷害性CD8+T細胞、及び樹状細胞機能の阻害を含む様々なメカニズムを通じて免疫抑制を媒介する(Chen M-L, Pittet M, Gorelik L, Flavell RA, Weissleder R, Boehmer H von, et al. Regulatory T cells suppress tumor-specific CD8 T cell cytotoxicity through TGF-B signals in vivo. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005;102:419-424.PMID: 15623559 and Jang J, Hajdu CH, Liot C, Miller G, Dustin ML, Bar-Sagi D. Crosstalk between Regulatory T Cells and Tumor-Associated Dendritic Cells Negates Anti-tumor Immunity in Pancreatic Cancer. Cell Rep. 2017;20:558-71. PMID: 28723561)。

0007

必要とされているのは、VLSの副作用を最小限に抑えた改変されたOntak様タンパク質であり、これらのタンパク質を使用することで、被験者のがんをより効果的に除去することができる、より安全ながん治療法を開発することである。

0008

本発明の一実施例は、以下のものからなるDNA発現ベクターである:toxP;遺伝子発現のFe介在性調節をブロックする変異toxO;及びタンパク質をコードするDNA配列であって、ここで、前記toxP、及び前記変異toxOは、タンパク質をコードするDNAセグメントの発現を調節するものである。本発明のDNA発現ベクターは、DNA発現ベクターから発現されたタンパク質が、成熟タンパク質を形成する時に一般的に切断されるシグナルペプチドを付加するように、前記シグナルペプチドをコードするDNA配列を含むことが好ましい。前記好ましい変異toxOはSEQID NO: 1であり、前記好ましいシグナルペプチドはSEQ ID NO:5である。 本発明のDNA発現ベクターは、CRM 197、及びCRM 107のような多くの種類のタンパク質、又はそれらの組み合わせを産生するために使用することが可能である。 CRMタンパク質の配列は、SEQ ID NO: 18—21に例示される。 本発明のDNA発現ベクターは、ジフテリア毒素、又はその機能部分が受容体結合タンパク質、又はその機能部分と結合し形成されるジフテリア毒素受容体融合タンパク質をコードしていることが好ましい。 このような融合タンパク質の受容体結合タンパク質部分は、IL-2、IL−3、IL−4、IL-6、IL−7、IL-15、EGF、FGF、サブスタンスP、CD4、αMSHGRP、TTフラグメントC、GCSFヘレグリンβ1、それらの機能部分、又はそれらの組み合わせからなるグループから選択されることがある。ジフテリア毒素融合タンパク質の例としては、SEQ ID NO: 11—15、30、38—40、42—43、45—46、及び58のいずれか1つに例示されるタンパク質、及びSEQ ID NO:31、41、44、及び59のいずれか1つの核酸によってコードされるタンパク質が挙げられる。

0009

本発明の別の実施例は、以下からなるDNA発現ベクターである。toxP;遺伝子発現のFe介在性調節を阻害する変異toxO;シグナル配列からなるタンパク質をコードするDNA配列;ジフテリア毒素、又はその機能部分、これはジフテリア受容体結合ドメインを含まないか、又は非機能ジフテリア毒素受容体結合ドメインを持つ、及び標的受容体結合ドメインである。標的受容体結合ドメインは、IL-2、IL-3IL−4、IL-6、IL−7、IL-15、EGF、FGF、サブスタンスP、CD4、αMSH、GRP、TTフラグメントC、GCSF、ヘレグリンβ1、それらの機能部分、又はそれらの組み合わせからなるグループから選択される。ここで、toxP、及び変異toxOは、タンパク質をコードするDNA配列の発現を調節する。典型的には、本発明のDNA発現ベクターで形質転換された細菌は、シグナルペプチドに付加したジフテリア毒素受容体結合融合タンパク質を産生し、これはシグナルペプチドによってペリプラズム培地、又はその両方の場所に輸送される。細菌が大腸菌である場合、シグナルペプチドは、典型的には、ジフテリア毒素受容体結合融合タンパク質をペリプラズムに輸送する。菌体がCorynebacterium diphtheria(ジフテリア菌)である場合、シグナルペプチドは、ジフテリア毒素受容体結合融合タンパク質を培地に輸送する。 本発明のDNA発現ベクターは、SEQID NO:3を含んでおり、開裂可能なタンパク質タグをコードするDNAを含んでいることがあり、ここで、開裂可能なタンパク質タグがジフテリア毒素受容体結合融合タンパク質に付加していることが好ましい。本発明のDNA発現ベクターから産生されるジフテリア毒素受容体結合融合タンパク質の例としては、SEQ ID NO:11から15、30、38から40、42から43、45から46、及び」58のいずれか1つ、並びにSEQ ID NO:31、41、44、及び59のいずれか1つの核酸によってコードされるタンパク質が挙げられる。

0010

本発明の別の実施例は、以下のステップからなる凝集物を含まない単量体ジフテリア毒素融合タンパク質を製造する方法を含む:本発明のDNA発現ベクターで細菌を形質転換するステップ;形質転換体を形成するステップ;形質転換体を培養液中でインキュベートして、培養液中に分泌されるタンパク質の発現を可能にするステップ;及び培養液からタンパク質を精製するステップ。 本方法で使用する好ましい細菌はCorynebacterium diphtheria(ジフテリア菌)である。

0011

本発明の別の実施例は、以下の工程からなる凝集物を含まない単量体ジフテリア毒素融合タンパク質を製造する方法を含む。1)以下のDNAベクターでCorynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌)株を形質転換する工程:toxP;遺伝子発現のFe-介在性調節を阻害する変異toxO;以下を含むタンパク質をコードするDNA配列:シグナルペプチド;ジフテリア毒素、又はその機能部分、その機能部分とは、機能ジフテリア受容体結合ドメインを持たないジフテリア毒素、又は非機能ジフテリア毒素受容体結合ドメインを有するジフテリア毒素である;及び標的受容体結合ドメインである。標的結合ドメインとは、IL-2、IL-3、IL-4、IL-6、IL-7、IL-15、EGF、FGF、サブスタンスP、CD4、αMSH、GRP、TTフラグメントC、GCSF、ヘレグリンβ1、TNF、TGF、その機能部分、又はそれらの組み合わせからなるグループから選択される標的受容体結合ドメインのことである。ここで、toxP、及び変異toxOは、タンパク質をコードするDNA配列の発現を調節する。;2)形質転換体を形成する工程;3)タンパク質の発現を可能にするために培養液中で形質転換体をインキュベートし、それが培養液中に分泌される工程;及び4)培養液からジフテリア毒素融合タンパク質を精製する工程。 本発明の方法によって産生されるジフテリア毒素受容体融合タンパク質の例としては、SEQID NO: 11から15、30、38から40、42から43、45から46、及び58のいずれか1つの核酸によってコードされるタンパク質、並びにSEQ ID NO: 31、41、44、及び59のいずれか1つの核酸によってコードされるタンパク質が挙げられる。本発明の方法で使用される好ましいCorynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌)株は、Corynebacterium C7 beta(-)、tox(-)である。

0012

本発明の別の実施例は、以下の工程からなる結核患者治療する方法を含むものである:本出願で提供されるジフテリア毒素融合タンパク質を調製する工程;ジフテリア毒素融合タンパク質を結核患者に投与する工程。

0013

本発明の別の実施例は、変異toxOプロモーターからなるDNA発現ベクターを含むものである。

0014

本発明の別の実施形態は、本発明のDNA発現ベクターを含むCorynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌)株を含むものである。

0015

本発明の別の実施例は、以下の工程を含むタンパク質の製造方法である:toxP、遺伝子発現のFe介在性調節を阻害する変異型toxO、シグナル配列、及びタンパク質をコードするDNA配列からなるDNA発現ベクターを提供する工程;前記DNAベクターで細菌株を形質転換して形質転換体を形成する工程;前記形質転換体を培養液中で一定時間インキュベートして培養液中に分泌されるタンパク質の発現を可能にする工程;及び該培養液からタンパク質を精製する工程。

0016

本発明の別の実施例は、SEQID NO: 11—15、30、38—40、42—43、45—46、及び58のいずれか1つから選択されるか、又はSEQ ID NO: 31、41、44、及び59のいずれか1つの核酸によってコードされる融合タンパク質である。

0017

本発明の別の実施形態は、上記の融合タンパク質からなる医薬組成物である。

0018

本発明の別の実施例は、前記融合タンパク質と、少なくとも1種以上の他の化学療法剤とからなる医薬組成物である。 化学療法剤の例としては、イソニアジドリファンピンリファブチンリフペンチンピラジナミドエタンブトールストレプトマイシンアミカシンカナマイシンエチオナミドプロチオナミド、テリジドンチアセタゾン、シクロセリンカプレオマイシンパラアミノサリチル酸PAS)、ビオマイシンオブロキサシン、シプロフロキサシンレボフロキサシンモキシフロキサシン、ベダキリン、デラマニド、リネゾリド、テデゾリド、アモキシシリン-クララン酸、メロペネムイミペネムクラリスロマイシン、又はクロファジミンが含まれる。

0019

前記融合タンパク質と、少なくとも1種以上の他の抗菌剤とからなる医薬組成物。 抗菌剤の例としては、イソニアジド、リファンピン、リファブチン、リファペンチン、ピラジンアミド、エタンブトール、ストレプトマイシン、アミカシン、カナマイシン、エチオナミド、プロティオンアミド、テリジドン、チアセタゾン、シクロセリン、カプレオマイシンなどが挙げられる。パラアミノサリチル酸(PAS)、ビオマイシン、オブロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ベダキリン、又はデラマニド、リネゾリド、テデゾリド、アモキシシリン-クラヴラン酸、メロペネム、イミペネム、クラリスロマイシン、又はクロファジミンが含まれる。

0020

本発明の別の実施例は、被験者のがんの治療、又は予防の方法である。前記方法は、SEQID NO: 11—15、30、38—40、42—43、45—46、及び58のいずれか1つから選択される融合タンパク質、又はSEQ ID NO:31、41、44、及び59のいずれか1つから選択される核酸によってコードされる融合タンパク質からなる医薬組成物の有効量を被験者に投与することを含むものである。

0021

本発明の別の実施例は、被験者の結核の治療、又は予防の方法である。前記方法は、SEQID NO:11から15、30、38から40、42から43、45から46、及び58のいずれか1つから選択される融合タンパク質、並びにSEQ ID NO:31、41、44、及び59のいずれか1つから選択される核酸によってコードされる融合タンパク質からなる医薬組成物の有効量を被験者に投与することを含むものである。

0022

本発明の別の実施例は、本発明のDNA発現ベクターからなる原核生物細胞株である。

0023

本発明の別の実施例は、本発明のDNA発現ベクターからなるキットである。

0024

本発明の別の実施形態は、SEQID NO: 2からなるtoxPである。

0025

本発明の別の実施例は、SEQID NO: 11—15、30、38—40、42—43、45—46、及び58のいずれか1つのタンパク質、又はSEQ ID NO: 31、41、44、及び59のいずれか1つから選択される核酸によってコードされるタンパク質である。

0026

本発明の別の実施例は、被験者のがんを治療、又は予防する方法である。前記方法は、がんに罹患しているか、又は罹患しやすい被験者に、被験者の制御性T細胞(Tregs)を減少させる第1剤を投与し、次いでチェックポイント阻害剤からなる第2剤を被験体に投与することを含むものである。本発明の方法は、例えば、結腸がん、腎細胞がんメラノーマ多形性膠芽腫肺がん固形がん腎がん乳がん表皮上がん、又はそれらの組み合わせを含むがんを治療、又は予防する方法である。本発明で使用される適切な第1剤として、本明細書、又は図54、55、及び565に記載された本発明のジフテリア毒素融合タンパク質の1つ以上が含まれる。 本発明のいくつかの実施例では、ジフテリア毒素融合タンパク質は、ジフテリア毒素フラグメントA、又はその機能的部分;ジフテリア毒素フラグメントB、又はその機能的部分;又はそれらの組み合わせからなるものである。本発明のいくつかの実施例では、ジフテリア毒素融合タンパク質は、ヒトインターロイキン配列を含んでいる。 本発明のいくつかの実施形態では、ヒトインターロイキン配列は、IL-2タンパク質、又はその機能的部分、IL-4タンパク質、又はその機能的部分、又はそれらの組み合わせからなる。いくつかの実施例では、ジフテリア毒素融合タンパク質は、デニロイキン・ディフティトックスを投与された対照と比較し、血管漏出を減少させる。本発明の方法で使用される血管漏出の減少を有する好適なジフテリアトキシン融合タンパク質の例は、明細書、及び図56に記載されており、例えば、SEQID NO: 10、15、43、13、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、111、113、115、117、119、121、121、123、125、127、129、又はそれらの機能部分、又はそれらの組み合わせが挙げられる。 第1剤の他の例としては、SEQ ID NO: 13、又はその機能部分、SEQ ID NO:58、又はその機能部分、SEQ ID NO: 15、又はその機能部分、SEQ ID NO:43、又はその機能部分、又はそれらの組み合わせが挙げられる。SEQ ID NO:13、58、15、及び43、又はその機能的部分は、上記、又は本明細書中に記載されている他の配列と組み合わせることがある。 本発明の方法において使用される適切なチェックポイント阻害剤の例は、抗CTLA-4抗体、又はその機能的部分、抗PD-1抗体、又はその機能的部分、抗PD-L1抗体、又はその機能的部分、又はそれらの組み合わせが含まれる。本発明の他の実施例において、チェックポイント阻害剤は、イピリムマブ(抗CTLA-4)、ニボルマブ(抗PD-1)、ペンブロリズマブ(抗PD-1)、アテゾリズマブ(抗PD-L1)、アベルマブ(抗PD-L1)、デュバルマブ(抗PD-L1)、又はそれらの組み合わせからなるグループから選択される。請求項1の方法は、第1剤が、SEQ ID NO:10、13、15、43、13、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、又はそれらの機能部分、又はそれらの組み合わせからなるタンパク質配列をコードする発現ベクターが含まれている。発現ベクターは、図54、55、56、本明細書に記載の本発明のDNA配列、その機能部分、又はそれらの組み合わせからなることがある。

0027

本発明の別の実施例は、血管漏出を減少したジフテリア毒素融合タンパク質で、SEQID NO:10、15、43、13、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、又はそれらの機能部分、又はそれらの組み合わせからなるものを含むものである。

0028

本発明の別の実施例は、図56に例示された減少した血管漏出を有するジフテリア毒素融合タンパク質をコードする核酸配列であり、SEQID NO:61、63、65、67、69、71、73、75,77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、機能的部分、又はそれらの組み合わせを含むものである。これらのDNA配列は、一般的には発現ベクターに含まれる。

0029

本発明の別の実施例は、図56に記載のs-DAB1-389-IL2-V6A、s-DAB1-389-IL2-D3E、その他の一重、又は二重変異タンパク質、それらの機能的部分、又はそれらの組み合わせを血管漏出症候群に罹患している、又は罹患しやすい被験者に、投与することにより、血管リーク症候群を治療、又は予防する方法である。また、図56に記載のs-DAB1-389-IL2-V6A、s-DAB1-389-IL2-D3E、他の一重もしくは二重変異体タンパク質、それらの機能的部分、又はそれらの組み合わせを投与されていない対照被験者と比較して、患者の血管漏出症候群の治療、又は予防する方法である。

0030

本発明の別の実施例は、結腸がん、腎がん、及び/又は乳がんに罹患しているか、又は罹患しやすい被験者に、図56に記載のs-DAB1-389-IL2-V6A、s-DAB1-389-IL2-D3E、その他の一重、又は二重変異タンパク質、それらの機能部分、又はそれらの組み合わせを投与することにより、被験者の結腸がん、腎がん、及び/又は乳がんを治療、又は予防する方法である。 また、図56に記載のs-DAB1-389-IL2-V6A、s-DAB1-389-IL2-D3E、他の単一、又は二重変異タンパク質、その機能的部分、又はそれらの組み合わせを投与されていない対照被験者と比較して、被験者のがんを治療、又は予防する方法である。

0031

本発明の別の実施例は、s-DAB1-389-IL2-V6A、s-DAB1-389-IL2-D3E、DAB1-389-hIL4-V6A、s-DAB1-389-hIL4-D3E、又はその組み合わせを投与することにより、被験者の骨髄由来サプレッサー細胞を枯渇させる方法である。またs-DAB1-389-IL2-V6A、s-DAB1-389-IL2-D3E、DAB1-389-hIL4-V6A、s-DAB1-389-hIL4-D3E、又はその組み合わせを投与されていない対照被験者と比較して、被験者の骨髄由来のサプレッサー細胞を枯渇させる方法である。

0032

本発明の別の実施例は、CD124+腫瘍を罹患しているか、又は罹患しやすい被験者にs-DAB1-389-IL4-V6A、s-DAB1-389-IL4-D3E、又はそれらの組み合わせを投与することにより、CD124+腫瘍を枯渇させる方法である。また、s-DAB1-389-IL4-V6A、s-DAB1-389-IL4-D3E、又はそれらの組み合わせを投与しなかった対照被験者と比較して腫瘍を枯渇させる方法である。 CD124+腫瘍の1例は、トリプルネガティブ乳がんである。

0033

本発明の別の実施例は、EGFRを発現する腫瘍を有するか、又は発現する腫瘍になりやすい被験者に、s-DAB1-389-EGF-V6A、s-DAB1-389-EGF-D3E、又はそれらの組み合わせを投与するステップを含む、EGFRを発現する腫瘍を除去させる方法である。 s-DAB1-389-EGF-V6A、s-DAB1-389-EGF-D3E、又はその組み合わせを投与されていない対照被験者と比較して、被験者の腫瘍を除去する方法である。 EGFRを有する腫瘍の1例は、多形膠芽腫である。

0034

(定義)
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的、及び科学的用語は、本発明が属する技術に熟練した者によって一般的に理解される意味を有する。 以下の参考文献は、本発明で使用される多くの用語の一般的な定義を当業者に提供する:Singleton et al., Dictionary of Microbiology and Molecular Biology (2nd ed. 1994); The Cambridge Dictionary of Science and Technology (Walker ed., 1988); The Glossary of Genetics, 5th Ed., R. Rieger et al. (eds.), Springer Verlag (1991); and Hale & Marham, The Harper Collins Dictionary of Biology (1991)。 本明細書で使用される場合、以下の用語は、特に明記されていない限り、それらに付随する意味を有する。

0035

「活性」という用語は、必須アミノ酸トリプトファン(trp)のN-ホルミルキヌレニンへの分解を触媒するインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ酸化還元酵素)などの機能を実行する遺伝子の能力を指す。

0036

「薬剤」とは、任意の低分子化合物、抗体、核酸分子、ポリペプチド、又はそれらの断片を意味する。

0037

「改善する」では、疾患の発生や進行を減少させる、抑制する、減衰させる、減少させる、停止させる、又は安定させることを意味する。

0038

「変化」とは、本明細書に記載されているような標準的な技術的に知られた方法によって検出されるような遺伝子、又はポリペプチドの発現レベル、又は活性の変化(増加、又は減少)を意味する。 本明細書で使用されるように、変化は、発現レベルの10%の変化、好ましくは25%の変化、より好ましくは40%の変化、最も好ましくは50%以上の変化を含む。

0039

アナログ」、「類似」とは、同一ではないが、似た機能的、又は構造的特徴を有する分子を意味する。 例えば、ポリペプチドアナログは、対応する天然に存在するポリペプチドの生物学的活性を保持する一方で、天然に存在するポリペプチドと相対的にアナログの機能を高める特定の生化学的修飾を有する。 そのような生化学的修飾は、例えばリガンド結合を変化させることなく、アナログのプロテアーゼ耐性膜透過性、又は半減期を増加させ得る。 アナログは、非天然アミノ酸を含んでいてもよい。

0040

c-は、c-デニロイキン・ディフティトックスのような用語が付けられている場合には「クラシック」を意味し、Ontak(商標)、又は市販のタンパク質を意味する。

0041

「疾患」とは、細胞、組織、又は器官の正常な機能に損傷を与えたり、干渉したりするあらゆる状態、又は障害を意味する。 疾患の例としては、がんや結核などがある。

0042

用語「DT」は、ジフテリア毒素を指す。
用語「DT」及び「s-DAB」は互換的に使用され、ジフテリア毒素フラグメントA、及びフラグメントBの一部の分泌形態を指す。

0043

「有効量」とは、未治療の患者に対して疾患の症状を改善するために必要な量を意味する。 疾患の治療的治療のために本発明を実施するために使用される活性化合物の有効量は、投与方法対象者年齢、体重、及び一般的な健康状態によって異なる。 最終的には、主治医、又は獣医師が適切な量、及び用量レジメンを決定する。 このような量を「有効量」という。

0044

「EGF」とは、上皮成長因子を意味する。

0045

「EGFR」とは、上皮成長因子受容体を意味する。

0046

用語「発現」は、例えばその対応するmRNA、又はタンパク質配列を含む遺伝子産物を発現する遺伝子の能力を指す。

0047

「フラグメント、断片」とは、ポリペプチド、又は核酸分子の一部を意味する。 この部分は、好ましくは、参照核酸分子、又はポリペプチドの全長の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%を含む。 フラグメント、断片は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000個のヌクレオチド、又はアミノ酸を含んでいてもよい。

0048

is-は、is-デニロイキン・ディフティトックスのような用語に付けられた場合には、シグナルペプチドを含む未成熟分泌のデニロイキン・ディフティトックスを意味する。

0049

ms-は、「成熟分泌された」を意味する。ms-デニロイキン・ディフティトックスのような用語が付けられている場合、ms-デニロイキン・ディフティトックスは、処理されてシグナルペプチドを含まない成熟分泌されたデニロイキン・ディフティトックスを意味する。

0050

n-は、「新しい、新規の」を意味する。n-デニロイキン・ディフティトックスのような用語が付けられている場合、「新しい、新規の」という意味である。

0051

本明細書で使用されるように、「予防」、「防ぐ」、「予防処置」、「予防治療」等の用語は、障害、又は状態を発症していないが、障害、又は状態を発症する危険性があるか、又は発症しやすい対象者において、障害、又は状態を発症する確率を減少させることを意味する。

0052

用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は、本明細書において、アミノ酸残基ポリマーを指すために互換的に使用される。 この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸のアナログ、又は擬態であるアミノ酸ポリマー、及び天然に存在するアミノ酸ポリマーに適用される。 ポリペプチドは、例えば、糖タンパク質を形成するための炭水化物残基の付加によって修飾され得る。 用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、非糖タンパク質と同様に、糖タンパク質を含む。

0053

用語「純度」は、他のポリペプチドを含まない医薬組成物中に存在する本発明のポリペプチドの量を指す。 例えば、約80%の純度を有する医薬組成物中に存在する本発明のポリペプチドは、ポリペプチドの約80%より大きい量が完全長であり、かつ約20%未満の製品関連ポリペプチド、又は非関連ポリペプチドのいずれかによって汚染されていることを意味する。 純度は、例えば、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、及びクーマシーブルーによる染色、本願に記載されている方法、又は当技術分野の当業者に知られている他の方法によって決定することができる。

0054

用語「凝集体フリー、全長、単量体ポリペプチド」とは、単量体形態で医薬組成物中に存在する本発明のポリペプチドの量を意味する。 例えば、約80%より大きい凝集体フリー、完全長、モノマーポリペプチドからなる本発明の医薬組成物は、完全長ポリペプチドの約80%より多い量がモノマー形態で存在することを意味する。 凝集体フリー、全長、単量体ポリペプチドの量は、例えば、既知の単量体ポリペプチドをサイズ標準として使用するゲルパーミエーションクロマトグラフィー、又は非還元、SDSフリーのネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動、本明細書に記載されている方法、又は当技術分野の当業者に知られている他の方法によって決定することができる。

0055

「削減」、「減少」、「低下」によって、少なくとも10%、25%、50%、75%、又は100%の負の変化を意味する。

0056

リファレンス、参照」とは、標準、又は対照条件を意味する。例えば、試料ヒト細胞)、又は被験体などが、EQID NO:11—15のいずれかの核酸、又はタンパク質配列からなる本発明の1つ以上の組成物、又はその融合タンパク質などの薬剤に曝されていない、又は実質的にさらされていないことを意味する。

0057

参照配列」とは、配列比較基礎として使用される定義された配列である。参照配列は、指定された配列のサブセット、又は全体であってもよく、例えば、完全長cDNA、又は遺伝子配列セグメント、又は完全なcDNA、又は遺伝子配列である。ポリペプチドの場合、参照ポリペプチド配列の長さは、一般に、少なくとも約16アミノ酸、好ましくは少なくとも約20アミノ酸、より好ましくは少なくとも約25アミノ酸、さらに好ましくは約35アミノ酸、約50アミノ酸、又は約100アミノ酸からなる。核酸については、参照核酸配列の長さは、一般に、少なくとも約50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約60ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約75ヌクレオチド、さらに好ましくは約100ヌクレオチド、、又は約300ヌクレオチド、又はその間の任意の整数となる。

0058

s-は、s-デニロイキン・ディフティトックスのような用語が付けられた場合に「分泌された」という意味である。分泌されたデニロイキン・ディフティトックスには、is-形態、及びm-形態が含まれる。

0059

本明細書で使用されるように、用語「被験者」は、本明細書に記載された方法が実行される任意の個体、又は患者を指すことが意図される。 当業者には理解されるであろうが、一般に、被験者はヒトであるが、被験者は動物であってもよい。したがって、げっ歯類(マウス、ラットハムスターモルモットを含む)、ネコイヌウサギヤギヒツジブタなどを含む農場動物、及び霊長類サルチンパンジーオランウータンゴリラを含む)などの哺乳動物を含む他の動物が、被験者の定義内に含まれる。

0060

「実質的に同一」とは、参照アミノ酸配列(例えば、本明細書に記載されたアミノ酸配列のいずれか1つ)、又は核酸配列(例えば、本明細書に記載された核酸配列のいずれか1つ)と少なくとも50%の同一性を示すポリペプチド、又は核酸分子を意味する。 好ましくは、そのような配列は、比較に使用される配列とアミノ酸レベル、又は核酸レベルで少なくとも60%、より好ましくは80%、又は85%、より好ましくは90%、95%、又はさらに好ましくは99%の同一性を示す。

0061

配列同一性は、一般的には、配列解析ソフトウェア(例えば、Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, Wis. 53705、BLAST、BESTFIT、GAP、又はPILEUP/PRETTYBOXプログラム)。このようなソフトウェアは、様々な置換欠失、及び/又は他の改変に相同性の程度を割り当てることにより、同一、又は類似の配列をマッチさせる。保存的置換は、典型的には、以下のグループ内の置換を含む:グリシンアラニンバリンイソロイシンロイシンアスパラギン酸グルタミン酸アスパラギングルタミンセリンスレオニンリジンアルギニン;及びフェニルアラニンチロシン。同一性の程度を決定するための例示的なアプローチでは、BLASTプログラムを使用してもよく、e-3とe-100の間の確率スコアは、密接に関連した配列を示す。

0062

本明細書で提供される範囲は、範囲内のすべての値の省略表現であると理解される。 例えば、1—50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50からなる群から選択される任意の数、数の組み合わせ、又は部分範囲を含むものと理解される。

0063

本明細書で使用されるように、「治療する」、「処置する」、「処理する」などの用語は、それに関連する障害、及び/又は症状を軽減、又は改善することを指す。 排除されないが、障害、又は状態を治療することは、それに関連する障害、状態、又は症状を完全に除去することを必要としないことが理解されるであろう。

0064

本明細書で使用されるように、具体的に記載されているか、文脈から明らかでない限り、用語「又は」は包括的であると理解される。 本明細書で使用されるように、特に記載されていないか、文脈からは明白でない限り、用語「前記の」は、単数形、又は複数形であると理解される。

0065

本明細書で使用されるように、特に記載されていない限り、又は文脈から明らかでない限り、「約」という用語は、当技術分野における通常の許容範囲内、例えば平均値の2標準偏差内であると理解される。 「約」は、記載された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、又は0.01%の範囲内であると理解することができる。 文脈から明らかでない限り、本明細書で提供されるすべての数値は、約という用語によって修正される。

0066

本明細書において、変数の任意の定義における化学基リストの列挙は、その変数を任意の単一のグループ、又はリストされたグループの組み合わせとして定義することを含む。本明細書において、変数、又は側面に関する実施形態の列挙は、その実施例を、任意の単一の実施例として、又は任意の他の実施例、又はその一部と組み合わせて含む。

0067

本明細書で提供される任意の組成物、又は方法は、本明細書で提供される他の組成物、及び方法のうちの1つ以上と組み合わせることができる。

0068

VLM-は、デニロイキン・ディフティトックス-VLMのような用語に付着した場合、「血管漏出変異」を意味する。

0069

w-は、w-デニロイキン・ディフティトックスのような用語が付けられている場合、「野生型」を意味し、w-デニロイキン・ディフティトックスは野生型-デニロイキン・ディフティトックスを意味する。

図面の簡単な説明

0070

a)本発明の変異toxO(SEQID NO:1)の配列図である。b)野生型toxO(SEQ ID NO: 25)の配列図である。
a)Ontak(商標)の製造に使用されるクラシック・デニロイキン・ディフティトックス(c-デニロイキン・ディフティトックス)発現ベクターの模式図である。配列はSEQ ID NO:26として開示される。b)本発明のtoxプロモーター(toxP)、及び変異toxOを含む分泌型デニロイキン・ディフティトックス(s-デニロイキン・ディフティトックス)発現ベクターの模式図である。配列はSEQ ID NO:27として開示される。
c-デニロイキン・ディフティトックス-VLMは、IL2受容体を有する細胞を殺すという点で、c-デニロイキン・ディフティトックスと同等の効力を有することを示す図である。
c-デニロイキン・ディフティトックスVLMはインビトロでは血管漏出を起こさないことを示す図である。
マウス生存モデルを用いて、c-デニロイキン・ディフティトックス-VLMがc-Ontak(商標)に比べてインビトロでの急性毒性が有意に低いことを示すマウス毒性アッセイの結果のインビトロの血管漏出の結果と測定法の模式図である。
本発明のジフテリア毒素ベースの融合タンパク質毒素プラットフォーム技術を例示する模式図である。
toxプロモーター(SEQ ID NO: 2のtoxP)と変異toxオペレーター(toxO)(DNA SEQ ID NO: 1)、シグナルペプチド(DNA SEQ ID NO: 4)がc-デニロイキン・ジフィトックスDNA配列(DNA SEQ ID NO: 6)に付着したプラスミドpKN2.6Z-LC127を示す模式図である。
a)Ontak(商標)を大腸菌の細胞質封入体として製造する従来のプロセスの問題点の模式図である。SEQ ID NO: 28としてfMGADD配列を開示する。b)Ontak(商標)タンパク質よりも1個少ないアミノ酸を有する分泌デニロイキン・ディフティトックスを製造する簡単でクリーンな製造プロセスの模式図である。SEQ ID NO: 29としてGADD配列を開示する。
本発明の方法により調製されたs-デニロイキン・ディフティトックスがCorynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌)株C7β(-)、tox(-)内に発現し、培養液中に分泌される本発明の方法により調製されたs-デニロイキン・ディフティトックスの免疫ブロットを示す図である。
本発明のデニロイキン・ディフティトックスが、結核肉芽腫内のIL-2R(CD25+)発現T細胞(Tregs)を枯渇することが期待される機構の模式図である。 Tregsは、Teff細胞を阻害することにより免疫抑制性を起こす。
マウス結核モデルを用いたOntak の結核に対する試験計画を示す図である。
結核菌に感染した被験者(マウス)をジフテリア毒素ベースの融合タンパク質で治療した結果を示す図である。
種々のジフテリア毒素ベースの融合タンパク質レジメンで治療した結核菌感染マウスののCFUを示す図である。
悪性黒色腫の被験者(ヒト)をジフテリア毒素ベース融合タンパク質で治療した結果を示す図である。
His(ヒスチジンタグ)を用いたVLM s-Ontak、及び関連タンパク質の迅速な産生のための3つのコンストラクト(「His6/6x His」、及び「His9/9x His」は、それぞれSEQ ID NO: 23、及び48として開示されている)の模式図である。
C末端His6 VLM s-Ontak-His6コンストラクト(SEQ ID NO: 23として開示されている)を用いて製造された純度97%以上の精製VLM s-Ontak-His6 SEQ ID NO:43("His6"は、DNA SEQ ID NO:23として開示されている)の電気泳動の図である。具体的には、VLM s-Ontak-His6をコードする遺伝子コンストラクト(SEQ ID NO:23として開示されている「His6」)を保有する組換え体C. diphtheriae(ジフテリア菌)を光学密度OD)が約12になるように培養し、培養上清採取し、30 kDaの分子量カットオフ膜を用いたタンジェニタルフロー限外ろ過濃縮し、上記のようにタンジェニタルフロー限外ろ過を用いてバッファー交換のために透析ろ過を行った。得られたタンパク質混合物をNi-アフィニティークロマトグラフィーで部分的に精製した後、S-100樹脂を用いたゲル浸透クロマトグラフィーで97%以上に精製した。 得られたVLM s-Ontak-His6SEQ ID NO:43(SEQ ID NO:23として開示されている「His6」)は、97%以上の純度であった。
C末端His6 s-Ontakコンストラクト(SEQ ID NO:58-59;SEQ ID NO: 23として開示されている"His6")を用いて製造された純度97%以上の精製s-Ontakを例示している。 具体的には、s-Ontak-His6をコードする遺伝子コンストラクト(SEQ ID NO: 23として開示されている「His6」)を保有する組換え体C.diphteriae(ジフテリア菌)をOD約12まで増殖させ、培養上清を採取し、分子量30kDaのカットオフ膜を用いたタンジェニタルフロー限外ろ過により濃縮し、上記のようにタンジェニタルフロー限外ろ過を用いたバッファー交換のために透析ろ過を行った。得られたタンパク質混合物をNi-アフィニティークロマトグラフィーで部分的に精製した後、S-100樹脂を用いたゲル浸透クロマトグラフィーで97%以上に精製した。得られたs-Ontak-His6(「His6」は、SEQ ID NO: 23として開示されている)は、97%以上の純度であり、4℃で安定であった。
C末端His6 VLM s-Ontak-His6(SEQ ID NO: 23として開示されているHis6)を用いて製造された純度97%以上の精製VLM s-Ontak-His6("His6")の電気泳動図である。 具体的には、VLM s-Ontak-His6をコードする遺伝子コンストラクト(SEQ ID NO: 23として開示されている「His6」)を保有する組換え体C. diphtheriae(ジフテリア菌)をOD約12まで増殖させ、培養上清を採取し、30 kDaの分子量カットオフ膜を用いたタンジェニタルフロー限外ろ過で濃縮し、上記のようにタンジェニタルフロー限外ろ過を用いてバッファー交換のために透析ろ過を行った。得られたタンパク質混合物をNi-アフィニティークロマトグラフィーで部分的に精製した後、S-100樹脂を用いたゲル浸透クロマトグラフィーで97%以上に精製した。得られたVLM s-Ontak-His6(「His6」は、SEQ ID NO:23として開示されている)は、97%以上の純度であった。
s-Ontak-His6(SEQ ID NO:23として開示されている "His6")を精製するために使用されたS-100ゲルろ過カラムの図である。VLM s-Ontak-His6(SEQ ID NO:23として開示されている "His6")は、既知の分子量のタンパク質の保持のために較正された:g-グロブリン(158 kDa)、オバルブミン(43.5 kDa)、及びミオグロビン(17 kDa)である。s-Ontak-His6(SEQ ID NO:23として開示されている「His6」)の保持時間は94分であり、s-Ontak-His6ポリペプチドは、見掛けの分子量が58kDaであり、二量体高次凝集体モノクローナル抗IL-2抗体でプローブした免疫ブロットによって検出されなかった。97%以上の凝集体のない完全長の単量体ジフテリア毒素融合タンパク質であることを確認した。
HUVEC細胞単層透過試験を使用して、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のSEQ ID NO:43をC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のSEQ ID NO:58と比較した場合の血管漏出の減少を示す図である。初期継代HUVEC細胞(継代数2-4、Lonza、Walkersville、MD、カタログ番号CC-2517から購入)は、完全な単層が形成されるまで、EndoGRO(商標)-LS培地中でデュアルチャンバー24ウェルプレートインサートウェル上で増殖した。FITC標識デキストランビーズ(10,000ダルトンサイズ)を上側ウェルに30分間添加した。 その後、下部チャンバーの蛍光強度を測定した。蛍光強度は、490nm励起、及び520nm発光で測定した。最大シグナルは、10g/mlのLPSで観察されたものであった。
毎日投与し、1日あたりの体重で評価した結果、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43のマウスの忍容性はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58と比較すると増加していることを示す図である。また、死亡までの時間で評価した結果、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43のマウスの致死率はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58と比較すると減少したことを示す図である。図21左は、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58を毎日17日間、又は死亡するまで投与した5匹のマウスの群の体重を示す図である。図21右は、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58を毎日17日間、図に示す投与量で死亡するまで連日投与した5匹のマウスの群のKaplan-Meier生存曲線を示す図である。
C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43は、インビトロでの細胞死において大腸菌由来SEQ ID NO:0と同等であり、インビボでのメラノーマ腫瘍増殖抑制においてはC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58と同等であることを示す図である。図22右:マウスB16F10メラノーマ同種移植モデルを、5匹のマウスのグループを使用して、記載の通りに行った。PBS、又は示された融合毒素を、7日目、及び10日目の腫瘍後細胞注入において、1治療あたりマウスあたり5μgの用量で投与した。C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43で処理したマウス、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58で治療したマウスの22日目の腫瘍体積は、互いに統計的には差がなかった。しかし、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58を投与されたマウスに比べて、PBS投与マウスの腫瘍体積は統計的に大きかった(p<0.05)。図22左:C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43のHUT-102細胞(CD25強陽性のヒトT細胞リンパ腫細胞)に対するインビトロでのIC50と、大腸菌由来のSEQ ID NO:10の同細胞に対するIC50の比較の図である。
C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58がマウスの生体内Treg細胞を枯渇させることを示す図である。図23左:治療したマウスから調製したマウス脾臓細胞のCD25陽性、FoxP3陽性CD4細胞の割合を示す結果の図である。図23右:処置したマウスの脾臓細胞のCD25陽性、FoxP3陰性CD4細胞の割合を示す結果の図である。示されたデータは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のSEQ ID NO:58であり、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43でも同様の結果が得られた。
C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43 + 抗PD-1抗体との2剤逐次治療は、いずれかの薬剤を単独で使用した場合と比較して、メラノーマ腫瘍の増殖抑制を改善することを示す図である。実験は、C57BL/6マウスのB16F10メラノーマ同種移植モデルを用いて、示された用量で示された薬剤を投与して実施した。抗PD-1抗体は、マウス1匹あたり100μgの用量で投与した。 抗PD-1抗体+C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43で処理したマウスの25日目の腫瘍体積は、抗PD-1アイソタイプ対照で処理したマウスの腫瘍体積よりも有意に小さく、p<0.05であった。
C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58の治療がメラノーマ腫瘍の増殖を抑制し、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58を先に投与する逐次併用療法で、腫瘍細胞移植後7日目に治療を開始した場合に抗PD1抗体の効果が追加されることを示す図である。
抗PD-1抗体、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58を用いた治療は、抗PD-1抗体単独治療、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58単独よりも、B16F10腫瘍におけるCD8+ IFNγ+リンパ球頻度の増加をもたらすことを示す図である。
C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58による治療がメラノーマ腫瘍の増殖を抑制し、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のSEQ ID NO:58を先に投与した逐次併用療法は、腫瘍細胞チャレンジ後10日目に治療を開始すると、抗PD1抗体の効果が増強されることを示す図である。この遅い治療開始は、図25(7日目に治療を開始した場合)に示したものよりも大きな腫瘍体積をもたらす。連続的な併用療法は、単独で投与された単剤療法の効果が最小限であったにもかかわらず、これらの大きな腫瘍に対して強力な活性を示した。
SEQ ID NO: 15、又はSEQ ID NO:43(又はSEQ ID NO:13、又はSEQ ID NO:58)を最初に使用し、続いてチェックポイント阻害剤治療を実施する逐次二剤免疫療法を行うための理論的根拠を示す漫画モデルである。図に示されるように、チェックポイント遮断時に、Teff細胞は、高親和性IL-2受容体を発現し、SEQ ID NO:15、又はSEQ ID NO:43(又はSEQ ID NO: 13、又はSEQ ID NO: 58)に感受性である。したがって、最初にSEQ ID NO:15、又はSEQ ID NO:43(又はSEQ ID NO:13、又はSEQ ID NO:58)でTreg細胞を枯渇させ、その後のチェックポイント遮断を行うことにより、阻害性Treg細胞の非存在下でのTeff細胞の活性化が可能となり、抗腫瘍効果改善を導く。
s-Ontak-His6(SEQ ID NO: 58)を発現するコンストラクトをもつ組換えC. diphtheriae(ジフテリア菌)の培養上清を濃縮し、部分精製したものの抗IL-2抗体によるウエスターンブロットの図である。同じように調製した培養上清を10マイクロリットル、又は50マイクロリットルを図に示すようにゲルにロードした。ブロットを、短い(5秒)、中間(15秒)、又は長い(30秒)露光時間で現像した。図は、C. diphtheriae(ジフテリア菌)C7(-)の2つの異なる株(野生型、及びDdtxR変異体)で発現された2つの異なるプロモーター-オペレーター配列(SEQ ID NO:2、及びSEQ ID NO: 83)からのタンパク質収量比較レベルを示している。図に見られるように、DdtxR変異体で、野生型(WT)プロモーター-オペレーター配列(SEQ ID NO:83)を持つコンストラクトで、目標の全長58 kDaのs-Ontak-His6タンパク質(SEQ ID NO:58)が有意に改善されたレベで発現(赤矢印)される。
SEQ ID NO: 15、及び関連タンパク質を部分的に精製するための疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用した例の図である。
SEQ ID NO: 43によりトリプルネガティブ乳がんのマウス4T1細胞モデルで腫瘍内のTregs(CD3+ CD4+ CD25+ FoxP3+)、及び活性化Tregs(CD3+ CD4+ CD25+ FoxP3+ CD39+)の枯渇することを示す図である。マウスのグループは、0日目に、20,000個の4T1細胞を乳腺組織内に同所移植した。マウスは、10日目、12日目、及び14日目に、PBS(グループ1)、又は10μgのSEQ ID NO: 43(s-Ontak-V6A-His6、グループ2)のいずれかを腹腔内投与し治療した。マウスを腫瘍移植後17日目に安楽死させ、腫瘍を除去した。 除去した腫瘍を単細胞分散調整し、フローサイトメトリー分析した。
マウスB16メラノーマ同系腫瘍モデルで、SEQ ID NO: 43を単剤で使用した場合、又は抗PD1抗体との二剤療法として逐次使用した場合の抗腫瘍効果を示す図である。図に見られるように、SEQ ID NO: 43は強力な単剤療法である。さらに、初期治療として使用した後、抗PD1抗体との併用療法として(投与の重複がないように)連続的に使用した場合、SEQ ID NO:43は、抗PD1抗体の有効性を大幅に高める。
SEQ ID NO: 43の抗腫瘍効果は、腫瘍進行後期(10日目)に使用しても維持されることを示す図である。本データは、腫瘍移植後 10日目(7日目とは対照的に)に治療を開始したマウスB16メラノーマ同系腫瘍モデルで、SEQ ID NO:43は単剤療法として、又は抗 PD1 抗体との逐次二剤療法として有効であることを示している。このように、SEQ ID NO: 43は強力な単剤療法である。さらに、SEQ ID NO: 43は、二剤逐次治療として使用される場合、抗PD1抗体の有効性を大幅に増加する。この図は、SEQ ID NO:43(単剤療法、又は二剤逐次療法として)の活性が、腫瘍の進行中の遅い時期に治療を開始した場合でも実証可能であることを示すものである。
CT26同系結腸がんマウスモデルでSEQ ID NO:58の抗腫瘍効果を示す図である。各グループ5匹のマウスを使用し、5x105個の腫瘍細胞を0日目に移植した。次いで、抗PD1アイソタイプ対照抗体、抗PD1抗体単剤療法、SEQ ID NO:58(s-Ontak-His6)単剤療法、又はSEQ ID NO: 58+抗PD1抗体のいずれかを、図示した日に腹腔内投与した。グラフは、腫瘍体積の経時的変化を示すものである。図に見られるように、SEQ ID NO:58による単剤療法、及びSEQ ID NO:58に続いて抗PD1を併用した二剤逐次療法は、腫瘍の増殖を良好に制御することが可能であった。
RENCA細胞同系腎細胞がんマウスモデルでSEQ ID NO:58の抗腫瘍効果を示す。 各グループ7匹のマウスを使用し、5x105個の腫瘍細胞を0日目に移植した。 次いで、抗PD1アイソタイプ対照抗体、抗PD1抗体単剤療法、SEQ ID NO:58(s-Ontak-His6)単剤療法、又はSEQ ID NO:58+抗PD1抗体のいずれかを、図示した日に腹腔内投与した。グラフは、腫瘍体積の経時的変化を示すものである。図に見られるように、SEQ ID NO: 58を用いた単剤療法、及びSEQ ID NO:58に続いて抗PD1を併用した二剤逐次療法は、腫瘍の増殖を良好に制御した。実際、SEQ ID NO:58の単剤療法では、7匹中5匹のマウスは、20日目の安楽死時に触知可能な腫瘍が存在しなかった(示されている点は、触知可能な腫瘍を持っていた7匹中2匹のマウスの腫瘍体積を表している)。
エネルギー最小化構造解析により、D3E変異によりVDSモチーフのセリン残基8との距離が4.0オングストロームから3.2オングストロームに狭くなることを明らかにしたことを示す模式図である。残基間の距離を縮めることでD3E変異は残基3と残基8の水素結合を強くすることを可能にする。このより強い水素結合は、タンパク質の安定化効果を持ち、s-Ontakの残基6、7、8に存在するVDSモチーフ(既知の血管漏出誘導トリペプチド配列)の哺乳類内皮細胞への曝露を制限する可能性がある。パネルAは、Hornakら(PMID: 16981200)によって記載されているAmber ff99SB法を使用して導出されたSEQ ID NO: 13(s-Ontak)のタンパク質構造シミュレーションの図である。下がタンパク質の構造全体を示し、アルファヘリックス1(残基D3を含む)とアルファヘリックス2(残基V6D7S8を含む)の間のループの拡大図である。 潜在的な水素結合を点線で示す。パネルBは、SEQ ID NO: 13 (s-Ontak)では、D3-S8水素結合距離が4.0オングストロームであることを示し、パネルCは、D3E置換を行うことにより、E3-S8水素結合距離が3.2オングストロームに短縮され、より強い水素結合が形成されることを示す図である。 パネルDは、開示された3つの新規変異である。 D3E(SEQ ID NO:60)、D7E(SEQ ID NO:64)、及びS8T(SEQ ID NO:68)である。V6A置換は以前に開示されている(SEQ ID NO:15)。
SYPRO Orange遊離蛍光測定法を用いたサーモシフト分析により、s-Ontak-His6(SEQ ID NO:58)、並びに他の変異タンパク質V6A-His6(SEQ ID NO:43)、並びにD7E-His6(SEQ ID NO: 66)に対するD3E-His6変異タンパク質(SEQ ID NO:62)の熱安定性強化されたことを示す図である。図に示されたように、ポリペプチドの融解温度(Tm)は、高い順に D3E-His6(SEQ ID NO: 62)、s-Ontak-His6(SEQ ID NO: 58)、D7E-His6(SEQ ID NO: 66)、及びV6A-His6(SEQ ID NO: 43)であり、それぞれ45.5℃、43.0℃、42.5℃、及び40.0℃である。
様々な量の基質NADの存在下でのSYPRO Orange遊離蛍光測定法を用いたサーマルシフト分析結果の図である。図に示されてように、NADの量を増加させると、SEQ ID NO:58(s-Ontak-His6)、及びSEQ ID NO: 62(D3E-His6)の熱安定性を増加させる(Tmを増加させる)。 一方、安定性の低いタンパク質SEQ ID NO: 43(V6A-His6)、SEQ ID NO: 70(S8T-His6)、又はSEQ ID NO:66(D7E-His6)については、基質の添加による影響はほとんどない。また、触媒的に不活性なG52E-His6変異体のs-Ontakは、NADの添加によるサーマルシフトをほとんど示さない。
SEQ ID NO:62(D3E-His6)は、Corynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌)株C7(-)発現系でSEQ ID NO:58(s-Ontak-His6)に比べ、全体のタンパク質収率が4倍高いことが明らかになった。 パネルAは、s-Ontak-His6、D3E-His6、V6A-His6、及びS8T-His6のそれぞれをコードするDNA配列を有するプラスミドを保有する野生型C. diphtheriae(ジフテリア菌) C7(-)株、及びs-Ontakの触媒的に不活性なバージョンのG52Eをコードする類似のプラスミドコンストラクトから濃縮され精製されたタンパク質の等量に対応するクーマシーブルーで染色したSDS-PAGEゲルの図である。各プラスミドは、SEQ ID NO:2として開示されているPtox(WT)-変異オペレーター配列の制御下にある。SEQ ID NO:58、62、43、66、70、及びG52Eに対応する精製タンパク質(それぞれ、s-Ontak-His6、D3E-His6、V6A-His6、及びS8T-His6タンパク質)を、同一の培地、及び成長パラメータを用いた1.2リットル発酵槽稼働して、それぞれ調製した。培養上清からは、Cheung et al (PMID 30718426)の記載通り、タンジェニタルフロー限外ろ過と透析ろ過による濃縮、Ni-アフィニティークロマトグラフィーによる初期精製、Amicon遠心ユニットによる再濃縮、Sephacryl S100HRゲル浸透クロマトグラフィーによる最終精製をした。矢印は、融合タンパク質の予想分子量である58 kDaを示す。パネルBは、発酵槽培養物1.2リットル当たりミリグラム単位の純粋なタンパク質の収量を示す棒グラフである。
SEQ ID NO: 62 (D3E-His6)は、SEQ ID NO: 58 (s-Ontak-His)と比較して、CD25+細胞を殺す活性をほぼ完全に保持する。しかしながら、以前に開示されたように、SEQ ID NO: 43 (V6A-His6)は、活性が3—5倍低い。CD25+MT-2細胞株成人T細胞白血病、NIHAIDS Reagent Program Catalog number 237)に対するs-Ontak-His6、及び関連する変異体タンパク質細胞毒性活性を示す図である。MT-2細胞を調製し、Cheungら(PMID: 30718426)に記載されるように図示されるジフテリア毒素融合タンパク質で処理した。細胞増殖能の測定には、MTS試薬(Promega)を使用した。パネルA-D、及びパネルFは、SEQ ID NO: 62、43、66、70、及び58(D3E-His6、V6A- His6、D7E- His6、S8T- His6タンパク質、及びs-Ontak- His6)について、それぞれIC50値での殺傷曲線を示している。パネルEは、s-Ontak-G52E-His6(触媒的に不活性)についての同じデータである。パネルHは、IC50値、及びs-Ontakに対するタンパク質の相対的な効力である。図に示されるように、SEQ ID NO:62(D3E- His6)の相対的な効力は0.84であり、SEQ ID NO:43(V6A- His6)の相対的な効力は0.20である。MT-2細胞アッセイによって決定されたIC50値は、(おそらく細胞株の継代数、及びCD25受容体の存在量に起因して)多少変動する可能性があることに注意することが重要である。示されている値は、以前に開示されているものとは多少異なるが、相対的な力価は、全体としてこのアッセイと一致している。以前に開示されたデータでは、SEQ ID NO:58(s-Ontak- His6)は0.12 pMのMT-2細胞IC50を有し、SEQ ID NO:43(V6A- His6)は0.33 pMのIC50であったことに注意が必要である。この例ではV6Aのs-Ontakに対する相対的な効力は0.36であり、この値は図40の0.20の値に同等である。
s-Ontak、及び関連タンパク質によって誘導される血管漏出のレベルを定量化するHUVEC単層透過アッセイの結果を示す図である。SEQ ID NO:62(D3E-His6)、及びSEQ ID NO:43(V6A-His6)は、SEQ ID NO:58(s-Ontak-His6)よりも有意に低いレベルの血管漏出であった。
s-Ontakに関連するペプチドによって誘導される血管漏出のレベルを定量化するHUVEC単層透過アッセイの結果の図である。15アミノ酸長のペプチドを合成し、精製した。前記ペプチドは、血管リーク関連トリペプチドモチーフ(x)D(y)を含むs-Ontakの残基1から15、及び残基23から37にまたがっており、ここでxはバリン、イソロイシン、ロイシン、又はグリシンであり、yはセリン、ロイシン、又はバリンである。図は、D3E、V6A、及びD29E置換を有する15アミノ酸長のペプチドは、対応する野生型15アミノ酸長のペプチドよりも低いレベルの血管漏出であったことを示している。
半減期の図である。D3E-His6は、マウスにおいてs-Ontak-His6よりも有意に長い半減期を有する。同様に、s-Ontak-His6の半減期はV6A-His6の半減期よりも有意に長い。推定された半減期は、それぞれs-Ontak-His6が150分、D3E-His6が240分、V6A-His6が60分であった。これらの半減期は、図37、及び図38に示すように、それぞれのタンパク質のサーマルシフトによる安定性に対応している。マウス血清中の前記タンパク質のレベルは、種々の前記タンパク質で処理したマウスの血清中のMT-2細胞(CD25+成体T細胞白血病細胞)阻害の生物学的活性によって決定され、経時的にモニターされた。
2つの薬剤の投与量を変化させた場合のマウスの体重と生存曲線の図である。 D3E-His6とs-Ontak-His6はマウスにおいて同様の毒性を誘導する。s-Ontak-His6、及びD3E-His6の両方とも、1日3.2mg以上の用量で投与した場合、マウスの体重減少をもたらした。s-Ontak-His6、及びD3E-His6の最小致死量は1日3.2‐10mgである。
B16同系メラノーママウスモデルでSEQ ID NO:62(D3E-His6)の抗腫瘍効果の図である。各グループ7匹のマウスを使用し、0日目に5x105個の腫瘍細胞を移植した。次に、抗PD1アイソタイプ対照抗体、抗PD1抗体単剤療法、SEQ ID NO:62(D3E-His6)単剤療法、又はSEQ ID NO: 62+抗PD1抗体のいずれかを、図に示された日に腹腔内投与した。グラフは、腫瘍体積の経時的変化である。SEQ ID NO:62を用いた単剤療法、及びSEQ ID NO:62に続いて抗PD1抗体を用いた2剤逐次療法は、腫瘍増を良好に制御した。
SEQ ID NO:98(s-DAB1-389-mIL4-V6A-His6)は、C. diphtheriae(ジフテリア菌) C7(-)で発現し、培養上清から容易に精製される。SEQ ID NO:98に対応する精製タンパク質を3リットルの発酵槽を稼働して調製した。発現コンストラクトは、SEQ ID NO:2(変異オペレーターを持つPtox)とSEQ ID NO:101(s-DAB1-389-mIL4-V6A-His6をコードするDNA)の融合体であった。このタンパク質は、Cheung et al (PMID 30718426)に記載されているように培養上清からタンジェニタルフロー限外ろ過、及び透析ろ過よる濃縮、Ni-アフィニティークロマトグラフィーによる初期精製、Amicon遠心ユニットによる再濃縮、及びSephacryl S100HRゲル浸透クロマトグラフィーによる最終精製で精製した。矢印は、前記融合タンパク質の予想分子量である57.2 kDaを示している。
SEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6)は、インビトロで4T1トリプルネガティブ乳がん細胞を殺す活性があること、インビトロで4T1細胞の遊走を阻害することを示す図である。パネルAは、細胞生存率スコア化するためにトリパンブルーを使用し、SEQ ID NO:134の4T1細胞に対するIC50を決定した結果の図である。SEQ ID NO:134による増殖阻害のIC50は10 pMであった。パネルBは、細胞が最初に接種されたウェルの中間点からの細胞移動視覚化するためにGiemsa染色を使用するクローン原性アッセイでの4T1細胞移動をスコアリングした結果の図である。SEQ ID NO:134による遊走阻害のIC50は800 pMであった。SEQ ID NO:134の濃度(nM)は、パネルの左端に示されている。
SEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6)は、マウスの4T1トリプルネガティブ乳房腫瘍を殺す活性があり、マウスのミエロイド由来のサプレッサー細胞(MDSC)を減少させ、マウスの肺転移を減少させることを示す図である。マウスの各グループに、0日目に20,000個の4T1細胞を乳腺組織内に同所移植した。マウスを、パネルAのスキームで示されるように、PBS(グループ1)、5μgのSEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6、グループ2)、又は10μgのSEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6、グループ3)のいずれかで、8、11、13、15、18、20、22、及び25日目に腹腔内投与で治療した。パネルAは、3つのグループの腫瘍体積を経時的に示し、SEQ ID NO:134による腫瘍成長用量依存的な阻害を示す図である。パネルBは、SEQ ID NO:134による治療が、CD45+CD11b+Gr1+細胞であると定義されたMDSCがあるマウス脾臓でのCD124+MDSCの割合を有意に減少させたことを示す図である。パネルCは、27日目に安楽死させたこのモデルのマウスの肺転移の存在量を示し、SEQ ID NO:134による腫瘍転移の用量依存的な阻害であることを示す図である。
SEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6)とSEQ ID NO: 43(s-DAB1-389-IL2-V6A-His6)は、マウスの4T1トリプルネガティブ乳房腫瘍を殺すのに相加的な効果がある。各グループのマウスは、0日目に乳腺組織に20,000個の4T1細胞を移植した。グループ1のマウスは、10、12、14、17、20、23、26、及び29日目にPBSを腹腔内投与した。グループ2マウスは、10、12、及び14日目にSEQ ID NO:43(s-DAB1-389-IL2-V6A-His6)を10μg腹腔内投与した。 グループ3マウスは、17、20、及び23日目に10μgのSEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6)を腹腔内投与し、26、及び29日目に5μgのSEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6)を腹腔内投与した。グループ4マウスは、SEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6)とSEQ ID NO: 43(s-DAB1-389-IL2-V6A-His6)の両方を、グループ2マウスに与えたのと同様にSEQ ID NO: 43を3回投与し、グループ3マウスに与えたのと同様にSEQ ID NO: 134を5回投与した。パネルAは、実験の過程で測定した4つのグループの腫瘍体積の図である。パネルBは、30日目の剖検時の腫瘍重量の図である。パネルCは実験スキームの図である:緑の矢印は腫瘍体積の評価を示し、黄丸は安楽死を示し、青の矢印はSEQ ID NO: 43の投与を示し、赤の矢印はSEQ ID NO: 134の投与を示す。 "併用 "とは、SEQ ID NO: 43の3回投与、及びSEQ ID NO: 134の5回投与の組み合わせを受けたグループ4マウスを指す。
SEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6)、SEQ ID NO:43(s-DAB1-389-IL2-V6A-His6)、及び両剤の併用療法は、トリプルネガティブ乳がんマウス4T1モデルでCD124+腫瘍細胞を枯渇させることを示す図である。マウスを、0日目に乳腺組織内の4T1乳がん腫瘍細胞を注射で同所移植し、SEQ ID NO:34(s-DAB1-389-mIL4-His6)、SEQ ID NO:43(s-DAB1-389-IL2-V6A-His6)、及び併用療法を、図49に示されるスケジュールに従って治療した。腫瘍移植後22日目に安楽死したマウスから腫瘍を除去した。腫瘍を分散させ単細胞に調物し、次いでフローサイトメトリーで分析した。腫瘍細胞をCD45-CD3-とし、CD45-CD3-細胞のうちCD124+細胞の割合を決定した(CD124=IL4レセプター)。
SEQ ID NO:134(s-DAB1-389-mIL4-His6)、SEQ ID NO:43(s-DAB1-389-IL2-V6A-His6)、及び両剤の併用療法は、トリプルネガティブ乳がんのマウス4T1モデルにおいて、CD124+ミエロイド由来の抑制細胞(MDSC)を枯渇させることを示す図である。マウスを、0日目に乳腺組織内の4T1乳がん腫瘍細胞を注射で同所移植し、SEQ ID NO: 134(s-DAB1-389-mIL4-His6)、SEQ ID NO: 43(s-DAB1-389-IL2-V6A-His6)、及び併用療法を、図49に示すスケジュールに従って投与した。脾臓細胞は、腫瘍移植後22日目、及び30日目に安楽死したマウスから調製した。MDSCをCD45+ CD11b+ Gr1+細胞と定義し、CD45+ CD11b+ Gr1+細胞のうちCD124+細胞の割合を決定した(CD124=IL4受容体)。
SEQ ID NO:106(s-DAB1-389-EGF-V6A-His6)は、C. diphtheriae(ジフテリア菌) C7(-)株で発現し、培養上清から容易に精製される。SEQ ID NO:106に対応する精製タンパク質を3リットルの発酵槽を稼働して調製した。発現コンストラクトは、SEQ ID NO:2(変異オペレーターPtox)とSEQ ID NO:107(s-DAB1-389-EGF-V6A-His6をコードするDNA)の融合体であった。タンパク質は、Cheungら(PMID 30718426)によって記載されているように、タンジェニタルフロー限外ろ過、及び透析ろ過による濃縮、Ni-アフィニティークロマトグラフィーによる初期精製、Amicon遠心ユニットによる再濃縮、及びSephacryl S100HRゲル浸透クロマトグラフィーでの最終精製で、培養上清から精製された。パネルAは、β-メルカプトエタノール(ME)の非存在下及び、存在下で精製されたタンパク質をSDS-PAGEゲルで分離しクーマシーブルー染色した図である。矢印は、融合タンパク質の予想分子量である48 kDaを示す。パネルBは、β-メルカプトエタノール(βME)の非存在下、及び存在下で精製されたタンパク質を実行したSDS-PAGEゲルから調製した免疫ブロットの図である。ブロットは、EGF(α-EGF)、ジフテリア毒素(α-Diph.Toxin)、及びHis6(α-His6)に対する抗体を用いて実施した。
SEQ ID NO: 106(s-DAB1-389-EGF-V6A-His6)は、EGF受容体(EGFR)陽性細胞を殺す活性があることを示す図である。EGFRの高レベルを発現するA431類表皮がん細胞株に対するSEQ ID NO: 106の細胞毒性活性の図である。A431細胞を調製し、Cheungら(PMID: 30718426)に記載されているように、42時間、及び72時間SEQ ID NO:106で処理した。細胞増殖能を測定するためにMTS試薬(Promega)を使用した。A431細胞に対するSEQ ID NO:106のIC50は300 pM(42時間時点)であった。
SEQ ID NO: 1-59の生物学的配列図である。
SEQ ID NO: 60-135の生物学的配列図である。
血管漏出低減、新規ターゲティングドメイン過剰発現、及び変異体などの特徴に基づいて、SEQ ID NO をグループ化した図である。

実施例

0071

本発明の一実施例は、向上した純度、及び品質を有する凝集体を含まない単量体のジフテリア毒素融合タンパク質を産生するプロセスの発見である。このプロセスは、好ましくはCorynebacterium diphtheria(ジフテリア菌)の株を含む細菌を、本発明のDNA発現ベクターで形質転換することを含むものである。本発明のDNA発現ベクターは、好ましくは、toxプロモーター(toxP)と重複する新規変異toxオペレーター(toxO)、好ましくはシグナル配列、及びタンパク質をコードするDNA配列からなる特定の遺伝要素を含むように設計されている。好ましくは、タンパク質は、ジフテリア毒素、又はその機能部分と、標的受容体結合ドメイン、又はその機能部分とを含む融合タンパク質である。用語「その機能部分」とは、ジフテリア毒素タンパク質のうち、毒素として作用する部分、又はその受容体に結合する標的受容体結合ドメインの部分を意味する。本発明のDNA発現ベクターは、タンパク質がtoxプロモーター(toxP)、及び変異toxオペレーター(toxO)から発現されるように設計されている。

0072

(変異toxO)
toxOは、中央のシトシン(C)塩基によって中断された2つの9bpの不完全回文腕からなる19bpのオペレーター領域である。本発明者らによって発見された野生型toxO(図1b)、及び変異toxO(図1a)のオペレーターを図1に示す。SEQID NO:1は、本発明の変異toxOのDNA配列の一実施例を示すものであり、toxPは、SEQ ID NO:2のDNA配列を有するプロモーターであり、SEQ ID NO:2は、toxPのDNA配列がtoxOのDNA配列を含むことを示すものである。SEQ ID NO:3は、toxP、tox0、シグナルペプチド、及びタンパク質をコードするDNA配列を含むDNA配列を例示する。SEQ ID NO:3のアスタリスクは、変異体toxOを作製するために導入された変化を示す。

0073

toxOのDNAオペレーター配列は、ジフテリア毒素リプレッサーとして知られるタンパク質、DtxRに結合している。DtxRは、遺伝子発現を制御することができるグローバルな鉄活性化制御タンパク質である。鉄欠乏状態では、Fe2+とFe3+イオンアポ-DtxRに結合して構造変化を起こし、DtxRリプレッサーのホモ二量体が形成され、このホモ二量体がtoxオペレーター(toxO)DNA配列に結合してtox遺伝子発現を抑制する。低鉄環境下では、Fe2+とFe3+イオンがDtxRから解離し、DtxRはDNA結合能力を失い、オペレータから解離することで、tox遺伝子産物の発現が可能となる。図1bは、野生型toxOのDNA配列を示す。

0074

Fe2+、及びFe3+イオンのtox発現抑制効果を克服するために、野生型(WT)のtoxOを変異toxOのDNA配列に置換したDNA発現ベクターを作製した。この変化は、tox遺伝子発現のFeイオン媒介制御をブロックする。図1A、SEQID NO:1、及びSEQ ID NO:3は、本発明の変異toxOのDNA配列を示す。本発明では、toxP、及び変異toxOの制御下でジフテリア毒素融合タンパク質をコードする組換えプラスミド宿主とする大腸菌、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)のような細菌は、Fe完全培地中で増殖させてもよく、高密度まで増殖させてもよく、発現を誘導するためにFe非含有培地へのシフトを必要としない。鉄欠乏性培地でのtox遺伝子産物の恒常的発現は、この分野における重要な進歩である。C. diphtheriae(ジフテリア菌)、具体的にはC7β(-)、tox(-)株は、本発明のDNA発現ベクターを用いたジフテリア毒素関連の組換えタンパク質のすべての生産のための好ましい宿主細菌である。本発明のDNA発現ベクターは、大腸菌などの他の細菌でも使用することができる。

0075

DNA発現ベクター
本発明のDNA発現ベクターは、toxP、変異toxO、タンパク質をコードするDNA配列、好ましくはシグナル配列を含む。SEQID NO:3は、本発明のDNA発現ベクターの一部であり得るこれらの遺伝的要素を含むDNA配列の一例である。前述のように、SEQ ID NO:3で観察されるアスタリスクは、変異体と野生型toxOとの間の塩基対の変化の上に配置されている。SEQ ID NO:3は、toxPが1塩基から30塩基まで延び、toxOが24塩基で始まり42塩基で終わるように番号が付けられている(下線付きDNA配列の前)。下線部のDNA配列は、塩基74から塩基148までを表し、25アミノ酸シグナル配列をコードするDNAの領域である(SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、及び図2においても観察される)。本発明のDNA発現ベクターは、好ましくは、1つ以上のタンパク質がtoxP、変異toxOから発現され、N末端シグナル配列で翻訳されるように構築される。N末端シグナル配列は、分泌のために(ベクターから発現された)1つ以上のタンパク質を標的とし、N末端シグナルペプチドは後に切断されて成熟た活性タンパク質となる。SEQ ID NO:3には、分泌型デニロイキン・ディフティトックス、又はs-デニロイキン・ディフティトックスと呼ばれる新規なデニロイキン・ディフティトックスのようなタンパク質をコードするDNA配列が含まれる。s-デニロイキン・ディフティトックスには、未成熟分泌型デニロイキン・ディフティトックス(is-デニロイキン・ディフティトックス)と成熟分泌型デニロイキン・ディフティトックス(ms-デニレウキンdiftitox)と呼ばれる2つの形態がある。 SEQ ID NO:12は本発明のis-デニロイキン・ディフティトックスのものであり、SEQ ID NO:13は本発明のms-デニロイキン・ディフティトックスのものである。is-デニロイキン・ディフティトックスは、処理中に切断されてms-デニロイキン・ディフティトックスを形成するシグナル配列を含む。 さらに、SEQ ID NO:3は、タンパク質、具体的にはジフテリア毒素の機能部分とIL2の機能部分とを含む融合タンパク質をコードする、塩基149で始まり1711 で終わるDNA配列を含む。シグナル配列を切断した結果、520アミノ酸ポリペプチドになる、ジフテリア毒素フラグメントA、及びフラグメントBの一部(Gly1-His387)のアミノ酸配列とヒトインターロイキン-2の配列とからなる、ms-デニロイキン・ディフティトックスと呼ばれる新しいデニロイキン・ディフティトックス融合タンパク質配列が形成される。本発明のms-デニロイキン・ディフティトックスは、クラシック-デニロイキン・ディフティトックス(c-デニロイキン・ディフティトックス)に存在する第1のメチオニンを欠いており、それによってOntak(商標)として知られるクラシック-デニロイキン・ディフティトックスタンパク質のアミノ酸配列よりも1つ短いアミノ酸を有している。SEQ ID NO:13は、新規なデニロイキン・ディフティトックスタンパク質、ms-デニロイキン・ディフティトックスのタンパク質配列で、Ontak(商標)として知られているクラシック-デニロイキン・ディフティトックス(c-デニロイキン・ディフティトックス)のタンパク質配列を含むSEQ ID NO:10と比較され得る。

0076

本発明のDNA発現ベクターは、1種以上のタンパク質をコードするDNA配列を含む。本発明の好ましいタンパク質は、ジフテリア毒素(又はその機能的部分)と標的受容体結合タンパク質(又はその機能的部分)とからなる融合タンパク質である。DNA発現から産生され得るジフテリア毒素の例としては、ジフテリア毒素の任意の機能部分、又はジフテリア毒素血管漏出変異の任意の機能部分が挙げられる。本発明のDNA発現ベクターから産生される標的受容体結合ドメインのタンパク質の例としては、IL-2、IL-3、IL-4、IL-6、IL-7、IL-15、EGF、FGF、サブスタンスP、CD4、αMSH、GRP、TTフラグメントC、GCSF、ヘレグリンβ1、TNF、TGF、又はそれらの組み合わせが挙げられる。治療用途に応じて、他の標的受容体結合ドメインを使用してもよいが、SEQID NO: 9は、IL2受容体結合ドメインの機能部分をコードする好ましいDNA配列である。本発明の目的のために、DNAプラスミド、及びその遺伝的要素のいくつかを図1、図2、図6、及び図7に示す。本発明のDNA発現ベクターによってコードされる融合タンパク質の例は、SEQ ID NO:11、12、13、14、15、19、及び21を含む。

0077

SEQID NO:3(分泌型デニロイキン・ディフティトックス、又はs-デニロイキン・ディフティトックスをコードするDNA配列。 配列は、toxP、変異toxO、シグナル配列、ジフテリア毒素の機能部分、及びIL2の機能部分を含む。太字とアスタリスクは、変異型toxOを作成するために導入された変化を示す。

0078

(血管漏出の少ない、又は全くないジフテリア毒素融合タンパク質の形成(デニロイキン・ディフティトックス-VLMs)
すべての細菌や植物の毒素と同様に、デニロイキン・ディフティトックスは、血管漏出症候群(VLS)を誘発する可能性のあるアミノ酸モチーフを持っている。Ontak(商標)の治療を受けた患者の約30%が、末梢性浮腫を伴う急激な体重増加から低アルブミン血症、肺水腫に至るまでの血管漏出症候群を発症する。Ontak(商標)のDNA配列には、米国特許第8,865,866号に記載されているような変異作成した。SEQID NO:10の7残基目のバリン(GTT)がSEQ ID NO:16に示されるようにアラニンに置換されるようにDNA配列を変異させることにより、融合毒素は血管漏出症候群の副作用をほとんど、又は全く示さないことが明らかになった。これらの変異体は、「血管漏出変異」(VLM)と呼ばれている。血管漏出変異、すなわちデニロイキン・ディフティトックス-VLMSは、図3のc-デニロイキン・ディフティトックスと同等の効力を有し、図4の血管漏出を起こさず、図5のc-デニロイキン・ディフティトックスよりも生体内での急性毒性が有意に少ないことが示されている。s-デニロイキン・ディフティトックス-VLMは、SEQ ID NO:14、及び15に示される第6残基でバリンを置換するアラニンを有しており、s-デニロイキン・ディフティトックス-VLMタンパク質は、c-デニロイキン・ディフティトックス-VLMタンパク質で見出されたのと同様の毒性の低下を有するはずである。

0079

また、SEQID NO:10(c-デニロイキン・ディフティトックスのアミノ酸配列)に示される配列V29D30S31、及びI290D291S292もまた、変異した場合には、VLSを減少させる。本発見のクレームは、V29D30S31及び/又はI290D291S292におけるV29A、又はI290Aのような置換を、ジフテリア毒素融合タンパク質の対応する位置に導入してもよく、これらの置換もまた、血管漏出症候群をさらに減少させる価値を有することである。

0080

クラシックOntak(大腸菌由来)、及びs-Ontak(可溶性、単量体、分泌性、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来)は、高親和性のIL-2受容体を有する細胞を標的としたジフテリア融合毒素であり、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療薬として承認されている。また、大腸菌由来のクラシックOntakは、患者の制御性T細胞(Tregs)を一過性に枯渇させることが確認されており、これまでの研究で、がん免疫療法としての有用性が示唆されている。大腸菌由来クラシックOntakの重篤な副作用として、血管漏出症候群(VLS)の誘発がある。 VLSは、低血圧、低アルブミン血症、及び末梢性浮腫を引き起こし、治療中止の主要な原因である。本発明者らは、大腸菌由来クラシックOntakのC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来の類似体であって、該蛋白質が完全可溶性の形態で分泌され、かつ単量体であるものを作製した。さらに、本発明者らは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO: 15を作成し、これがV6Aアミノ酸置換を有するC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来s-Ontakである。また、V6Aアミノ酸置換を有するC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来s-Ontak-His6であるC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43を作製した。本発明者らは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43がインビトロで血管漏出を減少させ、マウスでの毒性が低く、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来s-Ontak-His6(SEQ ID NO:58)よりも生存マウスでの忍容性が良好であることを示した。これらの結果より、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のSEQ ID NO: 43がC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のSEQ ID NO:58よりも毒性が低く、がん免疫療法として有望であることが明らかになった。したがって、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 15(V6Ahisタグなし)は、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 13 s-Ontak(hisタグなし)よりも毒性が低く、がん免疫療法として有望であることが期待される。

0081

本発明者らは、これらのモチーフのうちの1つ以上を変異させることにより、VLSによる薬剤の毒性が低下すると仮説を立てた。本発明者らは、予測されたモチーフの中のC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のs-OntakにV6Aという単一アミノ酸置換を行い、この変異が血管漏出、毒性、及び活性に及ぼす影響を評価した。

0082

(C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO:43は、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58よりもインビトロでHUVEC透過性の誘導が低い)

0083

ジフテリア毒素の触媒ドメインは4つの予測された血管漏出誘導モチーフを持っているが、一方IL-2は1つの予測されたモチーフを持っている。大腸菌由来クラシックOntak(残基7から9)、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来s-Ontak(残基6から8)のN末端予測モチーフは、ADP-リボシルトランスフェラーゼ活性部位の一部ではないので、本発明者らは、触媒活性に影響を与えないように、このモチーフを変異させることを選択した。本発明者らは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来s-Ontak-His6において、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO: 43として示される6位のValからAlaへの1つのアミノ酸置換を行った。 次に、本発明者らは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来 SEQ ID NO:43とC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来 s-Ontak-His6(SEQ ID NO: 58)を用いて、インビトロで血管露出モデル化したHUVEC透過性アッセイで効果を比較した。HUVEC細胞を組織培養インサート上で増殖させ、単層が無傷の場合、上部チャンバーに添加されたFITC-デキストランビーズは、下部チャンバーへの細胞層を介して拡散することができない。 C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58を5 pM、50 pM、500 pM、5 nM、50 nMの濃度で細胞を処理した場合、用量反応関係を伴う透過性の増加が観察された。 一方、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43を同濃度で処理した場合は、検出可能な血管リークは検出されなかった(図20)。

0084

(C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO:43は、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58よりもマウスにおける致死率の低下を示し、生存マウスにおける忍容性が良好である)

0085

生体内での毒性を評価するために、マウスをC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO:58、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43で毎日治療した。32μgのC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58で治療したマウスは、すべて2回投与後、治療3日目に死亡した。32μgのC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43を毎日マウスに投与した場合、3日目に3匹のマウスが死亡したが、2匹のマウスは1-2回の追加投与の期間生存した。 1日3.2分の1にした低用量では、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58を10μg投与したマウスはすべて体重が減少して死亡したが、C. diphtheriae(ジフテリア菌)ア由来SEQ ID NO:43を10μg投与したマウスでは死亡や体重減少は認められなかった(図21)。 さらに、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58を1日3.2μg投与したマウスは、実験期間17日間で体重が減少したが、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来のSEQ ID NO:43を1日3.2μg投与したマウスは、PBSを毎日投与したコントロールマウスと区別がつかなかった(図21)。 本発明者らがReed-Muensch統計学を適用したところ、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58のLD50は4.9g/日であり、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43のLD50は18.2g/日であった(3.7倍低い)。以上の結果より、V6A変異がマウスにおける毒性を減少させ、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43の方がC.ジフテリア由来のSEQ ID NO:58よりも高用量での忍容性が良好であることがわかる。

0086

(V6A変異は、CD25+細胞へのインビトロ殺細胞活性、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌由来SEQID NO:43のインビボB16F10マウスメラノーマモデルへの抗腫瘍活性に影響を与えない)

0087

本発明者らは、CD25受容体陽性のHUT-102 T細胞リンパ腫細胞に対するC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO: 43のIC50を評価し、そのIC50が3.5 pM(3回の測定値の平均)であることを見出した。 本発明者らはまた、大腸菌由来のクラシックOntakの単位試料試験し、同じ細胞株に対するそのIC50が1.8 pMであることを見出した(2回の測定の平均、図22)。 これらのIC50値は同等の値であり、両方とも、通常nM、又はpMの範囲のIC50値を有する他の強力な生物学的製剤、又は低分子よりも劇的に低い。 次に、本発明者らは、C57BL/6マウスのメラノーマB16F10同種移植モデルを用いて抗腫瘍活性を調べた。V6A変異がC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43の活性をインビボで変化させるかどうかを試験した。 B16F10腫瘍の生着を確認して移植後7日目、及び10日目にC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58のいずれか5μgで治療し、腫瘍の成長を経時的に測定した。 両剤とも、同様の効果で腫瘍の増殖を有意に抑制した(図22)。 さらに、両薬剤はマウスのリンパ節、及び脾臓のTregsを枯渇させ、その効果は同等であった(図23)。 これらのデータは、V6A変異がインビトロではCD25+細胞への殺細胞力に有意な影響を与えず、インビボではTreg枯渇と抗腫瘍活性に影響を与えないことを示している。

0088

SEQID NO:7 [米国特許第8,865,866号に記載されたデニロイキン・ディフティトックス-VLM]とSEQ ID NO:8 [本発明のis-デニロイキン・ディフティトックス-VLM]を比較したDNA配列のアラインメントは、SEQ ID NO: 8が1381-1437行目コドン(3塩基)を欠いていることを示している。

0089

(本発明のDNA発現ベクターを用いて生産されたタンパク質)

0090

本発明の成熟活性ジフテリア毒素関連融合タンパク質の第1のアミノ酸は、SEQID NO:13、及び15に太字で示されるようなグリシン(アミノ酸1)である。SEQ ID NO:4内のシグナル配列は、成熟融合タンパク質の第1のグリシンからカウントバックして負の数で標識されており、以下のアミノ酸配列MSRKLFASILGALLGIGALLGIGAPPSAHA(SEQ ID NO:22)を有する。シグナル配列は、SEQ ID NO:11、及び12に示され、下線が引かれている。成熟分泌ジフテリア毒素融合タンパク質は、Gly1-His387のようなジフテリア毒素部分と、SEQ ID NO:3のAla388-Thr520のIL-2タンパク質のような標的受容体結合ドメインとを含む。ジフテリア毒素タンパク質(又はその機能部分)に融合されていてもよい。本発明で使用される他の標的受容体結合ドメインには、IL-3、IL-4、IL-6、IL-7、IL-15、EGF、FGF、サブスタンスP、CD4、αMSH、GRP、TTフラグメントC、GCSF、ヘレグリンβ1、TNF、TGFなどが含まれるか、又はそれらの組み合わせが含まれる。 SEQ ID NO: 10は、分泌されず、大腸菌の封入体からの精製を必要とするc-デニロイキン・ディフティトックスを記載している。SEQ ID NO: 12は、シグナル配列を有する未熟な分泌されたis-デニロイキン・ディフティトックスを記載している。 SEQ ID NO: 13は、細胞外空間に分泌される過程でシグナル配列が切断されたMS-デニロイキン・ディフティトックスを記載している。

0091

本発明のSEQID NO:14 is-デニロイキン・ディフティトックス-VLMと比較した場合に445の位置に余分なアミノ酸(L)を有する米国特許第8,865,866号に記載されているSEQ ID NO: 16 is-デニロイキン・ディフティトックス-VLMのタンパク質アラインメント。

0092

(タンパク質製造のためのDNA発現ベクターの利用)

0093

上記のジフテリア毒素に関連するタンパク質のFe非依存的分泌発現を利用した方法は、本発明の方法を用いてs-デニロイキン・ディフティトックスを発現させることに加えて、いくつかの商業的用途を有する。前記方法は、以下のタンパク質の発現(収量)を向上(増強)させるために利用することができる:
WTジフテリア毒素:

0094

本発明のDNA発現ベクターを用いて、DTP、TDaP、及び他の組み合わせワクチンに存在するジフテリアのワクチンであるジフテリアトキソイドの製造に用いられる野生型ジフテリアトキシン(SEQID NO:11)を製造してもよい。SEQ ID NO:11をコードするDNAセグメントは、本発明のDNA発現ベクター中に配置され、ToxP/変異ToxO の下流に位置していてもよい。

0095

交差反応物質-197(CRM197)、及び交差反応物質-107(CRM107))

0096

CRM197、及びCR107は、完全長ジフテリア毒素の変異タンパク質であり、免疫原性は高いが、毒素活性は完全に欠落している。これらは、いくつかの多糖類複合体ワクチンのキャリアとして使用されている。 例えば、ワイスファイザーは、1990年代肺炎球菌由来の7つの多糖類をCRM197に結合させ、2000年2月にFDAの承認を受けたオリジナルプレブナーワクチンを作成した際に、この免疫原性を利用した。2010年には13多糖体のPrevnarがFDAに承認された。ノバルティス社の髄膜炎球菌ワクチンMenveoは、4種類のNeisseria meningitidis多糖体にCRM197を加えたものである。このワクチンは2010年にFDAの承認を取得した。がん免疫療法会社のイムジーン社(ASX:IMU)は、HER2を標的としたB細胞ペプチドがん免疫療法において、CRM197をキャリアタンパクとして使用したところ、抗体価が劇的に改善したことを報告している。 また、CRM197はドラッグデリバリータンパク質としての可能性も評価されている。スイスに本拠を置くチューリングファーマシューティカルズ社は、最大1,000アミノ酸の長さの治療用タンパク質とCRM197の融合コンストラクトに取り組んでいる。 本発明のDNA発現ベクターは、CRM197、及びCRM107を産生するために使用されることがある。 SEQID NO:18—21をコードするDNAセグメントの1つ以上は、本発明のDNA発現ベクター中に配置され、ToxP/変異ToxOの下流に位置していてもよい。

0097

(精製を向上させるために、開裂可能なペプチド、又はタンパク質タグを有するジフテリア毒素ベースの融合タンパク質が使用される。)

0098

開裂可能なペプチドタグ(例えば、His6(SEQID NO:23)、又はFLAG[DYKDDDK](SEQ ID NO:24)など)、又はタンパク質タグ(例えば、GST[グルタチオンS-トランスフェラーゼ]、又はSUMO[小ユビキチン様修飾タンパク質]など)を、ジフテリア毒素ベースの融合タンパク質に特定のプロテアーゼ開裂部位と融合させてもよい。タグに結合する抗体、又はリガンドを用いたアフィニティークロマトグラフィー法は、タグ化されたタンパク質の迅速な精製のために用いてもよい。精製に続いて、特異的な開裂部位により、タグを所望のジフテリア毒素関連タンパク質から分離することが可能となる。そのような融合は、本発明のジフテリア毒素に基づく融合タンパク質の精製を強化することができる。

0099

(ポリペプチドのHisタグ付きバージョンを用いたVLM s-Ontakの精製)

0100

Corynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌) C7で生産されたVLM s-Ontakのいくつかの調製物で、成熟した520アミノ酸ポリペプチドのゆっくりとしたタンパク質分解が発生する。これはCorynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌) C7で作られた分泌プロテアーゼによるものと考えられる。このタンパク質分解は、成熟した520アミノ酸VLM s-Ontakのアミノ酸390付近で起こる。

0101

VLM s-Ontakのヒスチジンタグ付き(Hisタグ付き)バージョンは、培養上清に存在する分泌プロテアーゼから逃れて目的のタンパク質の精製を促進する目的で構築されている。タバコエッチウイルス(Tobacco Etch Virus (TEV) nuclear-inclusion-a endopeptidase (EC 3.4.22.44)認識サイトもまた、これらのHisタグ付きバージョンのVLM s-Ontakに設計されている。TEV切断部位の目的は、VLM s-Ontakの最終調製においてポリHis配列を除去できるようにすることである。TEVは、アミノ酸配列ENLYFQ¥Xを認識する非常に特異的なエンドペプチダーゼであり、ここで、'\'は切断されたペプチド結合を表し、Xはグリシン(G)(SEQID NO: 49)のような任意の小さな疎水性、又は極性アミノ酸を表す。

0102

(TEV切断部位を持つN末端Hisタグ付きVLM s-Ontak)

0103

SEQID NO: 38(VLM s-OntakへのN末端Hisタグのタンパク質配列)は、そのN末端付近のVLM s-Ontakの未熟なタンパク質配列にアミノ配列HHHHHHHHENLYFQ(SEQ ID NO: 50)を付加することが可能である。このバージョンでは、配列HHHHHHHHHENLYFQ(SEQ ID NO: 50)は、26アミノ酸シグナル配列の直後、及びVLM s-Ontakの成熟配列直前に現れる(GADDVA(SEQ ID NO: 51))。VLM s-Ontakの最初のグリシンは、Xが任意の小アミノ酸であるENLYFQX(SEQ ID NO: 49)を認識するTEVプロテアーゼのための最終的な認識残基を構成している。 このN末端Hisタグ付きVLM s-Ontakの成熟分泌されたタンパク質配列をSEQ ID: 39に示す。(シグナル配列が切断された後のVLM s-OntakへのN末端Hisタグのタンパク質配列)に示されており、これはそのHis6タグ(SEQ ID NO: 23)を有するニッケルカラムアフィニティー精製のための良い候補である。アフィニティー精製されたVLM s-Ontakは、その後、少量の純粋なTEVプロテアーゼに曝され、13個のN末端残基MHHHHHHHENLYFQ(SEQ ID NO: 52)を除去する酵素的タンパク質分解が起こり、SEQ ID NO: 40(N末端Hisタグのシグナル配列が切断され、TEV部位が切断された後のVLM s-Ontakのタンパク質配列)に示されているように、成熟した、タグされていないVLM s-Ontakが出来上がる。

0104

Corynebacterium diphtheriae (ジフテリア菌)C7の分泌プロテアーゼは、約390アミノ酸で切断されるため、N末端のHis-タグは、以下の2種のポリペプチドに付加しているだろう:完全な長さの所望のVLM s-Ontak(520アミノ酸)と390アミノ酸のN末端のブレークダウンフラグメント。これらの2つのポリペプチドは、サイズ(分子組成と同様に)が比較的近いため、サイズ排除クロマトグラフィーで分離することは困難である。 そこで、我々はVLM s-OntakのC末端にHisタグを付けたバージョンを開発した。

0105

(TEV切断部位を持たないC末端Hisタグ付きVLM s-Ontak)

0106

SEQID NO: 42(VLM s-OntakへのC末端Hisタグのタンパク質配列)に示されるように、VLM s-OntakのC末端の未熟なタンパク質配列にアミノ配列HHHHHHH(SEQ ID NO: 23)を付加することが可能である。このバージョンでは、配列HHHHHHHH(SEQ ID NO:23)は、VLM s-OntakのC末端スレオニンの直後に現れる(....IISTLT(SEQ ID NO: 53))。このC末端Hisタグ付きVLM s-Ontakの成熟分泌されたタンパク質配列はSEQ ID: 43(シグナル配列が切断された後のVLM s-OntakへのC末端Hisタグのタンパク質配列)に示される。これは、His6タグ(SEQ ID NO:23)を持つのでニッケルカラムアフィニティー精製の良い候補である。

0107

(TEV開裂部位を持つC末端Hisタグ付きVLM s-Ontak)
末端Hisタグ(SEQID:43)によって作られた上記バージョンのVLM s-Ontakの最終ポリペプチド配列中にHis6配列(SEQ ID:23)を有することを避けるために、Hisタグ配列の除去を可能にするために、C末端にTEV認識配列を挿入することが可能である。このバージョンでは、配列ENLYFQGHHHHHHHHHHHH(SEQ ID NO:54)は、VLM s-Ontak(....IISTLT(SEQ ID NO:53))のC末端スレオニンの直後に現れる。ニッケル親和性結合は6アミノ酸よりもさらに長いポリHis配列によって増強されるので、9個のHis残基を含むことが可能である。このTEV開裂部位を有するC末端Hisタグ付きVLM s-Ontakのアミノ酸配列をSEQ ID:45(VLM s-OntakへのC末端TEV His9タグ(SEQ ID NO:48)のタンパク質配列)に示す。TEV開裂部位を有するこのC末端TEV Hisタグ付きVLM s-Ontakの成熟分泌されたタンパク質配列をSEQ ID:46(シグナル配列が切断された後のVLM s-OntakへのC末端TEV His9タグ(SEQ ID NO:48)のタンパク質配列)を示す。His9タグ(SEQ ID NO:48)を有するのでニッケルカラムアフィニティー精製に好適な候補である。親和性精製されたVLM s-Ontakは、その後、少量の純粋なTEVプロテアーゼに曝され、10個のC末端残基GHHHHHHHHH(SEQ ID NO: 55)を除去する酵素的タンパク質分解をもたらし、SEQ ID NO:30に示されるように、成熟した、タグ付けされていないVLM s-Ontakが出来上がる。注目すべきことに、精製されたVLM s-Ontak(SEQ ID:30)のこのバージョンは、VLM s-Ontakの通常のC末端スレオニン(....IISTLT(SEQ ID:53))に融合したTEVプロテアーゼ認識配列(ENLYFQ(SEQ ID:56))の6つの追加アミノ酸を含むため、520アミノ酸(SEQ ID:15)よりもむしろ526アミノ酸の長さである。TEV開裂部位(SEQ ID:30)を有するC末端Hisタグ付きVLM s-Ontakのこのバージョンの最終産物は、C末端配列....IISTLTENLYFQ(SEQ ID NO:57)である。

0108

(Hisタグ、及びTEVプロテアーゼ部位を含むVLM s-Ontakの製造方法)

0109

上記の3つのHisタグ版(TEVプロテアーゼ部位を有するN末端His6タグ(SEQID NO:23)、TEVプロテアーゼ部位を有さないC末端His6タグ(SEQ ID NO:23)、及びTEVプロテアーゼ部位を有するC末端His9タグ(SEQ ID NO:48))は、VLM s-Ontakの製造方法において、Hisタグ/ニッケルカラムアフィニティークロマトグラフィーを利用する方法の一例である。培養上清中に存在するCorynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌) C7から分泌されたプロテアーゼのため、所望の生成物の著しい損失を避けるためには、培養上清中の他のタンパク質からVLM s-Ontakを迅速に分離精製することが重要である。 Hisタグ、及びTEVプロテアーゼ部位を含むことは、大幅な改善を表し、VLM s-Ontakのための迅速で合理化された製造プロセスを可能にする可能性がある。

0110

(VLM s-Ontakの製造改善の鍵となる分泌プロテアーゼを欠くCorynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌) C7の作成)

0111

Corynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌) C7のゲノム配列から、2つの分泌プロテアーゼが明らかになった。プロテアーゼ1はNCBI Reference Sequence WP_014318592.1(SEQID:32、33)であり、プロテアーゼ2はNCBI Reference Sequence WP_014318898.1(SEQ ID:35、36)である。これらのプロテアーゼは、Ton-ThatとScheewindの方法で遺伝子除去できることがある。(Ton-That H, Schneewind O. Assembly of pili on the surface of Corynebacterium diphtheriae. Mol Microbiol. 2003 Nov;50(4):1429-38. PubMedPMID: 14622427)や、AllenとSchmitt (Allen CE, Schmitt MP.HtaA is an iron-regulated hemin binding protein involved in the utilization of heme iron in Corynebacterium diphtheriae. J Bacteriol. 2009 Apr;191(8):2638-48. PubMed PMID: 19201805) プロテアーゼ1とプロテアーゼ2をノックアウトするための対立遺伝子交換基質は、それぞれSEQ ID:34とSEQ ID:37に示される。これらの配列を、pk18mobsacBに挿入し、各プロテアーゼをノックアウトするコンストラクトを作成した。前記プラスミドは接合伝達、接合プラスミドで対抗選択のためのsacBを持っている。(Schafer A, Tauch A, Jager W, Kalinowski J, Thierbach G, Puhler A (1994) Small mobilizable multi-purpose cloning vectors derived from the Escherichia coliplasmidspK18 and pK19: selection of defined deletions in the chromosome of Corynebacterium glutumicum. Gene 145:69-73. PMID: 8045426) プロテアーゼ1とプロテアーゼ2の両方を欠失させたCorynebacterium diphtheriaeの組換え株は、今後のVLM s-Ontakの製造方法のための貴重生産株になる。

0112

(ジフテリア毒素をベースとした融合タンパク質の製造工程)

0113

本発明のDNAプラスミド、及び発現ベクターを用いて、従来のOntak(商標)の製造方法に関連する問題点を排除した新規なプロセスを発見した。Ontak(商標)は、現在、大腸菌発現系でDNAベクターを用いて発現されており、c-デニロイキン・ディフティトックス、又はOntak(商標)は、全長521アミノ酸、分子量58kDである。従来のOntak(商標)の製造プロセスでは、分子量の不均一なOntak(商標)凝集体の形成、残留DNA、最終製剤中の過剰な残留界面活性剤が原因となり、2011年6月にFDAはクラシックOntak(商標)を臨床保留命令を出した。図8aに見られるように、Ontak(商標)は大腸菌のプラスミドから発現し、封入体として知られる不溶性の細胞質Ontak(商標)(タンパク質)として蓄積する。本発明のプロセスを使用して、図8bは、s-デニレウキン・ジフトックスの細胞外成熟分泌タンパク質の細胞上清中への発現を例示している。この結果、図9に示されるように、容易に精製することができ、より高いタンパク質収率をもたらした。図9は、全タンパク質のクーマシーブルー染色、及び本発明のプロセスを用いて生成されたs-デニロイキン・ディフティトックスの抗IL-2でプロービングした抗IL-2免疫ブロットの両方を示す。

0114

本発明の新規な工程は、以下からなる。1)細菌を形質転換する、好ましくはCorynebacterium diphtheriae(ジフテリア菌)株を本発明のDNA発現ベクターで形質転換し、2)形質転換体を形成する。3)前記形質転換体を、タンパク質(例えば、ジフテリア毒素ベースの融合タンパク質、及び一般的にはシグナルペプチドを含むCRM)の増殖、及び発現を可能にするために、培養液中で一定期間インキュベートすること、4)前記タンパク質の培養液中への分泌(前記タンパク質に付着したシグナルペプチドによる)、及び5)前記培養液からジフテリア毒素ベースの融合タンパク質を精製すること、からなる。前記DNA発現ベクターはToxP、及び変異Toxoを含み少なくとも1つの以下のタンパク質の発現を調節する。前記タンパク質はジフテリア毒素融合タンパク質、CRMタンパク質、又は本発明のシグナルペプチドに付加してもよい他のタンパク質などである。

0115

(本発明のジフテリア毒素ベースの融合タンパク質の治療応用)

0116

Ontak(商標)の臨床効果は、皮膚T細胞リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫ステロイド抵抗性移植片対宿主病メトトレキサート抵抗性乾癬、メトトレキサート抵抗性関節リウマチなどで確認されている。また、図14に示すように、悪性黒色腫や卵巣がんでも臨床効果が確認されている。 本発明の方法により製造された本発明のジフテリア毒素ベース融合タンパク質(s-デニロイキン・ディフティトックス、ms-デニロイキン・ディフティトックス、is-デニロイキン・ディフティトックス-VLM、ms-デニロイキン・ディフティトックス-VLMを含む)は、疾患の治療、又は予防の臨床効果に関して、市販されているOntak(商標)と同等、又はそれ以上の優れた性能を発揮するであろう。

0117

(結核の治療)

0118

図10に示すように、本発明の発明者らは、本発明のジフテリア毒素融合タンパク質が結核に対して活性であると考えている。デニロイキン・ディフティトックスは、制御性T細胞(Tregs)を含むIL-2受容体(CD25+)を有する細胞を枯渇させることが知られている。 Tregs細胞はCD25やFoxP3を発現しており、Teff細胞を阻害することで免疫抑制作用を発揮する。CD4+Tヘルパー(Th)細胞やCD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)などのTeff細胞は、結核菌の細菌感染を封じ込めるために結核肉芽腫内で必要とされる。結核菌感染時には、肉芽腫と呼ばれる細胞性病変が形成されて感染を封じ込める。しかしながら結核菌を完全に根絶することはできない。制御性T細胞(Tregs)は肉芽腫に誘導され、エフェクターT細胞の機能を抑制し、おそらく結核菌の持続と成長のための寛容な環境を作り出している。 本発明のジフテリア毒素融合タンパク質を、結核感染時にTregsによる免疫抑制を改善するため、IL-2受容体を発現するTregsを枯渇させるために使用する。図11は、結核に感染した被験者(マウス)のインビボ治療に使用されるジフテリア融合タンパク質を示す図である。マウスを結核菌株H37Rvにエアゾール感染させた。0日目に肺に菌数約2.8 log10 CFUの初期植込みを行った。各グループのマウスに、750 ngのc-Ontak(商標)を腹腔内(IP)、又は静脈内(IV)に1サイクル(1x、感染後2週目に投与)、又は2サイクル2x、感染前約3日目と感染後2週目に投与)で治療した。デニロイキン・ディフティトックスの1回の治療サイクルは、35 mg/kg(一般的なマウスでは750 ng)を2日間隔で2回投与することと決定した。経口からのRHZ連日投与を2週目に開始した。Rはリファンピンで、10mg/kgでマウスに投与した。Hはイソニアジドで、10mg/kgでマウスに投与した。Zはピラジンアミドで、150mg/kgでマウスに投与した。 その結果が図12、及び図13である。

0119

(がん治療)

0120

Tregsはまた、抗腫瘍免疫を阻害することも示されており、腫瘍内でのTregsの細胞増殖は一般的に患者の予後不良と相関している。メラノーマ患者を対象としたデニロイキン・ディフティトックス治療は、Tregsの一過性の枯渇をもたらし、全生存期間中央値を1年増加させた。 本発明のs-デニロイキン・ディフティトックス、及びs-デニロイキン・ディフティトックス-VLMは、がん免疫療法として、Tregsが激しく浸潤している腫瘍患者のTregs枯渇に使用される。

0121

(逐次免疫療法で、IL-2受容体を標的とした融合毒素に続いて抗PD-1抗体治療を行うと、マウスのメラノーマ腫瘍の増殖が抑制される)

0122

免疫チェックポイントは、自己免疫を防ぐために必要な阻害経路であるが、有益な抗腫瘍免疫応答を阻害することもある。 これらの経路、特にPD-1/PD-L1相互作用を阻害するチェックポイント阻害薬(CPI)による抗体介在性遮断は、一部のがん患者を対象とした臨床試験で顕著な長期有効性が示されている。しかし、CPI治療を受けた患者の中には、最終的に病勢の進行、及び/又は治療抵抗性を示す患者も多く、臨床成績を改善するためには、追加の標的薬併用薬療法が必要であることが示唆されている。デニロイキン・ディフティトックス、又は大腸菌由来クラシックOntakは、がん細胞を直接標的としたジフテリア融合毒素であり、皮膚T細胞リンパ腫の治療薬として承認されている。さらに、大腸菌由来クラシックOntakは、インビボで制御性T細胞(Tregs)を一過性に枯渇させることができ、転移性メラノーマ患者において腫瘍の退縮を誘導することが見出されている。本発明者らは、Tregsを枯渇させることにより、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO:43、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58がB16メラノーマ腫瘍の増殖を阻害し、抗PD-1抗体治療によって誘導されるエフェクターT細胞応答を増強するであろうという仮説を立てた。 本発明者らは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来ID NO: 43(同様にC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58)の治療が、抗PD-1抗体治療による単剤療法、又は単剤療法単独よりも、確立した腫瘍の腫瘍増殖をより大きな程度に阻害し、IFNγ+CD8+リンパ球による腫瘍浸潤の増加を導くことを見出した。 治療が遅れた場合、抗PD-1抗体、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43(同様にC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58)のいずれの単剤療法の効果がなくなったが、C. diphtheriae(ジフテリア菌)SEQ ID NO:43、及びC.ジフテリア由来のSEQ ID NO:58)、続けて抗PD-1抗体を投与する治療は、まだ腫瘍の増殖を抑制することが可能で、いずれかの単剤療法よりも優れていた。 以上の結果より、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43は抗腫瘍免疫応答を誘導し、単独でも免疫チェックポイント阻害剤との併用でも、がん免疫療法として有望であることが示された。

0123

大腸菌由来クラシックOntak(SEQID NO:10)は、高親和性IL-2受容体(CD25)陽性細胞を直接標的にして殺傷するジフテリア融合毒素であり、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療に使用されている。以前の研究では、大腸菌由来クラシックOntak(SEQ ID NO:10)もまた、高親和性IL-2受容体を発現するTregsを一過性に枯渇させることができることが示されている(Rasku MA,Clem AL,Telang S,Taft B,Gettings K,Gragg H,et al. Transient T cell depletion causes regression of melanoma metastases. J Transl Med.
2008;6(12).PMID: 18334033)。本発明者らは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58によるTregsの枯渇が、メラノーマのマウスモデルで腫瘍増殖を抑制するかどうかを検討した。 さらに、本発明者らは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58が、免疫チェックポイント遮断、特に抗PD-1抗体を増強し得るかどうかを評価した。本発明者らは、抗PD-1抗体が主にエフェクターT細胞(Teff)の枯渇を逆転させるように作用するので、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 15、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43(又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO 13、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58)によるTregsの枯渇が、免疫抑制の別のモードを除去し、抗PD-1抗体抗腫瘍活性を向上させるという仮説を立てた。

0124

(C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID: 43、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58は、腫瘍の増殖を抑制し、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の頻度を増加させる)

0125

大腸菌由来クラシックOntak(SEQID NO:10)はFDA承認薬であるが、ミスフォールディングしたタンパク質の凝集体、及び界面活性剤による最終製剤の汚染が原因で臨床保留命令が出されている。C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:15、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:13は、完全に折り畳まれた活性タンパク質を生成する製造方法で作られた新規融合毒素であり、タンパク質のリフォールディングのための界面活性剤処理が不必要である。本発明者らが製造したC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58は、市販薬と同等の活性を示し、インビボで脾臓Tregsを効果的に枯渇させた(図23)。 B16F10マウスメラノーマモデルは、免疫原性の低い腫瘍を産生し、その腫瘍はTregsが高度に浸潤している(101)。DEREGトランスジェニックマウスを用いた以前の研究では、標的としたTregの枯渇がB16F10腫瘍の増殖を抑制することが示されている。C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58がTregを枯渇させることにより抗腫瘍免疫応答を増強できるかを評価するため、生着したB16F10メラノーマ腫瘍を有するマウスを薬剤で処置し、腫瘍の成長を経時的に測定した。C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43(図24)、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58(図25)の2回投与のみで、対照マウスと比較して、治療したマウスでは腫瘍の増殖が有意に抑制された。次に、本発明者らは、これら2つの治療が、腫瘍、及び二次リンパ系器官における異なるリンパ球集団の頻度にどのように影響するかを調べた。CD8+ T細胞は、腫瘍細胞を殺すことができる細胞傷害性リンパ球であり、CD8+ T細胞による腫瘍の浸潤は、患者におけるより良好な予後と相関している(Topalian SL, HodiFS, Brahmer JR, Gettinger S, Smith DC, McDermottDF, et al. Safety, Activity, and Immune Correlates of Anti-PD-1 Antibody in Cancer. N Engl J Med. 2012;366(26):9-19.PMID: 22658127)。さらに、IFNγの産生は、細胞障害性CD8+T細胞の誘導に必須であることがわかっている(Mandai M, Hamanishi J, Abiko K, Matsumura N, Baba T, Konishi I. Dual faces of IFNγ in cancer progression: A Role of PD-L1 Induction in the Determination of Pro- and Antitumor Immunity. Clin Cancer Res. 2016;22(10):2329-34: PMID:27016309)。 本発明者らは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58で処理したマウスは、腫瘍、及び脾臓においてIFNγ+ CD8+の頻度が増加していることを見出した(図26)。

0126

(C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID 43、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58は、PD-1遮断の抗腫瘍活性を増強する)

0127

PD-1遮断はTeff細胞枯渇の逆転をもたらすが、腫瘍Treg頻度は治療によって変化しないままである(E rdag G, Schaefer JT, Smolkin ME, Deacon DH, SheaSM, DengelLT, et al. Immunotype and Immunohistologic Characteristics of Tumor-Infiltrating Immune Cells Are Associated with Clinical Outcome in Metastatic Melanoma. Cancer Res. 2012;72(5):1070-81.PMID.22266112)。Treg枯渇が抗PD-1抗腫瘍活性を増強するかを調べるために、 B16F10 腫瘍の生着したマウスに C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO:58 を腫瘍注射後 7 日目に投与し、24 時間後に抗PD-1抗体治療を開始しました。 C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58を介して、活性化時にCD25をアップレギュレートするTeffのクリアランスを回避するために、逐次治療を行った。 C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58単剤療法は、抗PD1抗体治療よりも腫瘍の増殖を抑制するのに有効であり、逐次治療を行った場合、本発明者らは、いずれかの単剤療法単独で見られるよりも大きな腫瘍の減少を観察した(図25)。 同様の結果は、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 43で得られた(図24)。 これまでの研究では、腫瘍が大きくなるにつれて、抗PD-1抗体などの多くの免疫療法は、マウス腫瘍モデルでは有効ではないことが示されている。より大きな腫瘍での有効性を評価するために、腫瘍注入後10日目に治療を開始した。治療が10日目に遅れ、腫瘍がより進行した場合、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58、及び抗PD-1単剤療法は、7日目の治療開始モデルほどの効果はなくなったが、逐次治療は腫瘍の増殖抑制において高い活性を維持した(図27)。

0128

これらのデータは、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO:43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58のいずれかによるTregの枯渇とPD-1の遮断が重なり、抗PD-1抗体単独療法、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58の単独療法よりも優れた強力な抗腫瘍活性をもたらすことを示している。 二剤療法は頑健であり、治療が腫瘍細胞注入後10日目まで遅れた場合でも強力な腫瘍抑制を与える。 特定の理論に拘束されるものではないが、図28は、チェックポイント阻害剤治療に先行するC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:15、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:13、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58との逐次二剤療法が、いずれかの単独療法よりも有益であり得るという本発明者らの提案するメカニズムの概要を示すものである。チェックポイント阻害剤の遮断後には、IL2の分泌がTeff細胞の増殖、及びIL2受容体(CD25)の発現を促進するTeff細胞の自己分泌ループが存在する。チェックポイント遮断の前に投与されるC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:15、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:13、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58での治療は、IL2/IL2受容体の自己分泌ループが確立する前にTregsを効果的に除去する。 C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 15、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:13、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:13、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58をチェックポイント阻害剤治療と同時、又はチェックポイント阻害剤治療後に投与すると、Tregsと同様にTeff細胞の殺傷につながる可能性があり、チェックポイント阻害剤治療に先立ってC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58との逐次二剤療法で見られるような腫瘍抑制活性は期待できないだろう。

0129

本発明のPadronら(Age effects of distinct immune checkpoint blockade treatments in a mouse melanoma model. Experimental Gerontology. Published online 28-Dec-2017 doi.org/10.1016/j.exger.2017.12.025)は、本発明のような腫瘍抑制活性を認めなかった。Padronらは、マウスB16F10メラノーマモデルで、大腸菌由来のクラシックOntak(SEQID NO:10)と3つのチェックポイント阻害剤(抗PD1抗体、抗PDL1抗体、及び抗CTLA4抗体)との併用療法の比較分析を報告し、大腸菌由来のクラシックOntak(SEQ ID NO: 10)を二剤療法として追加した場合、チェックポイント阻害剤療法に対する腫瘍体積反応の改善が見られないことを発見した。

0130

Padronらは、チェックポイント阻害剤(CPI)と大腸菌由来クラシックOntak(SEQID NO:10、投与量マウス1匹あたり3mg/回)を同時に腫瘍チャレンジ後7日目から5日ごとに腹腔内(IP)投与してマウスを治療した。大腸菌由来クラシックOntak(SEQ ID NO:10)を用いてマウスIPを治療するPadronらの方法と、本発明の方法との間には、多くの実質的な相違点がある。例えば、Padronらは、大腸菌由来クラシックOntak(SEQ ID NO: 10)と特異的チェックポイント阻害剤を同時にマウスに投与した結果、腫瘍体積応答の改善は見られなかった。 本発明の発明者らは、被験体のTregsを枯渇させる第一剤(例えば、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58として)を被験体に投与した後、チェックポイント阻害剤である第2剤(例えば、抗PD-1)を被験体に投与することにより、腫瘍体積応答を改善するという驚くべき発見をした。 また、Padronらは、約40%の不活性タンパク質凝集体を含む大腸菌由来クラシックOntak(SEQ ID NO: 10)を使用することを教示している。一方、本発明の方法はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:15、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 13、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:58(これらは完全に活性な単量体ポリペプチドである)を使用した。Padronらとは異なり、本発明の方法は、5mg、又はいくつかの例では10mgのC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58を使用した。一方Padronらは3mgの大腸菌由来クラシックOntak(SEQ ID NO: 10)の使用を教示している。本発明の方法は、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO:43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58の単一の初期コースを使用し、7/10日目、又は8/11日目、又は10/13日目に2回の投与を行い、その後、実験の終了まで週2回のCPIを行う。 図28は、本発明者らの発見に基づく大腸菌由来クラシックOntak(SEQ ID NO:10)、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来Ontak関連分子(SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:58)と同時にCPIを使用すると、OntakがIL2受容体を発現するTeff細胞を媒介して殺傷するため、効果が乏しいことが予想される理由を示す。

0131

(プロモーターオペレーター菌株の組み合わせは発現を増加させる)

0132

本来のジフテリア毒素プロモーターに変異毒素オペレーター配列を組み込むことにより、高濃度の鉄を含む培地中での毒素遺伝子産物の恒常的発現が可能となる。 これは、野生型toxオペレーター配列、すなわちtoxプロモーターのすぐ下流にある19bpの倒立した回文配列運ぶコンストラクトとは対照的である。野生型toxオペレーターの場合、鉄活性化ジフテリアtoxリプレッサーであるDtxRがオペレーターに結合し、tox遺伝子産物の発現を抑制する。 鉄によってアポ-DtxRが活性化されると、リプレッサーがtoxオペレーターに結合し、toxの発現が抑制される。 鉄が成長速度制限基質となると、鉄はリプレッサーから解離し、apo-DtxRはtoxオペレーターと結合しなくなり、toxの発現抑制を解除し、tox遺伝子産物の産生を可能にする。従って、融合タンパク質トキシン遺伝子コンストラクト(SEQID NO:2)の各々に変異トックスオペレーター配列を組み込むことにより、それらの恒常的発現、及び培地中へ適度な収率で分泌が可能にする。

0133

また、本発明者らは、C. diphtheriae(ジフテリア菌) C7(-) ΔdtxR変異株におけるs-Ontak関連タンパク質の発現についても検討した。前記-10プロモーターのコンセンサス配列とtoxオペレーターを形成する倒立リピートとの間には、いくつかの重複がある。 このことを考慮して、本発明者らは、野生型プロモーター-オペレーター配列を有するΔdtxR変異株を用いることにより、s-Ontak関連タンパク質の発現が増加するかを検討した。 図29に見られるように、ΔdtxR変異株で発現させたWTプロモーター・オペレーター(SEQID NO:108)の組み合わせは、WT C. diphtheriae(ジフテリア菌)で発現させた変異オペレーター(SEQ ID NO:2)と比較して、タンパク質収量を約50%増加させることができた。

0134

(疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)とミメティックブルーアフィニティクロマトグラフィーマトリックスを用いた精製戦略)

0135

本明細書に記載のジフテリア毒素関連融合タンパク質毒素は、すべて天然ジフテリア毒素のトランスロケーションドメインを持っている。このドメインは、大部分が疎水性であり、高塩(1M NaCl)の条件下では、これらのタンパク質のフェニルセファロースクロマトグラフィー(疎水性相互作用クロマトグラフィー、HIC)媒体への結合を可能にする。これらのタンパク質は、溶出バッファー中の塩濃度を低下させる逆グラジエントを用いることにより、部分的に精製される。s-DAB1-389-IL2-V6A(SEQID NO:15)の場合、融合タンパク質毒素は100mM NaClの塩濃度でマトリックスから溶出し、部分的な濃縮を示した(図30)。このように、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は、His6タグを欠くs-Ontak関連タンパク質を精製するための有望なアプローチであり、ニッケルカラムクロマトグラフィーの使用を避けることができる。

0136

さらに、インターロイキン2の配列を含むタンパク質を選択的に結合させるために、ミメティックブルーアフィニティークロマトグラフィーが使用される。 この例では、s-DAB1-389-IL2-V6A(SEQID NO:15)、及び関連する変異タンパク質は、ミメティックブルーに選択的に結合し、pH7.0のトリス-HCl緩衝液中のNaClを増加させる勾配によってマトリックスから溶出する。 これらの実施例では、IL-2はミメティックブルーマトリックスに選択的に結合し、溶出液中のNaCl濃度が約600mMに達するとカラムマトリックスから溶出する。

0137

HIC、ミメティックブルークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーの組み合わせは、His6タグを持たないs-Ontak関連タンパク質の精製方法として有望であり、ニッケルカラムクロマトグラフィーの使用を避けることができる。

0138

V6Aは一過性のTregの枯渇を導く。

0139

本発明者らは、メラノーマ(B16F10)、及びトリプルネガティブ乳がん(4T1)のマウスモデルをs-DAB1-389-IL2-V6A-His6(SEQID NO: 43)で処置すると、腫瘍微小環境における活性化制御性T細胞の一過性の枯渇が生じることを示した。 例えば、乳腺脂肪パッド内の生着した4T1腫瘍の場合、s-DAB1-389-IL2-V6A-His6(SEQ ID NO: 43)の投与後3日以内に、本発明者らは、腫瘍内の活性化Tregの71%の減少を見いだした(図31を参照のこと)。 この減少は一過性であり、投与後1週間以内に総制御性T細胞数は正常レベルにリバウンドする。重要なことは、循環中のs-DAB1-389-IL2-V6A-His6(SEQ ID NO:43)の生物学的半減期がわずか60分であることであり(図43)、この一過性の減少に関連した長期的な免疫学的欠損自己免疫疾患の誘発、潜伏結核の活性化など)がないことに注意を向けることである。

0140

したがって、s-DAB1-389-IL2-V6A-His6(SEQID NO: 43)、又は関連タンパク質を用いた初期の臨床試験では、循環Treg細胞の枯渇を薬効のためのバイオマーカーとして使用することが魅力的であると思われる。

0141

(s-Ontak関連蛋白質の抗PD1抗体との完全逐次二重療法は、強力な抗腫瘍効果をもたらす)

0142

s-Ontak関連タンパク質と抗PD1抗体との二重逐次療法に関する以前に開示されたデータは、s-Ontak関連タンパク質の投与が抗PD1チェックポイント阻害剤と重複しているマウスの治療レジメンを使用しており(図24、25、27)、したがって、薬剤は完全逐次に投与されていなかった。図32の新しいデータにおいて、本発明者らは、抗PD1に続くs-DAB1-389-IL2-V6A-His6(SEQID NO:43)の完全逐次な(重複しない)二重療法が、強力な抗腫瘍効果をもたらすことを示している。

0143

本発明者らはさらに、図33に見られるように、治療開始が遅れた場合(腫瘍移植後10日目)であっても、B16メラノーマモデルにおいて二重逐次治療が有効であることを観察した。

0144

(s-DAB1-389-IL2-V6A-His6(SEQID NO: 43)は、メラノーマに加えて、マウスの3つの追加の腫瘍タイプで活性がある)

0145

本発明者らは、s-DAB1-389-IL2-V6A-His6(SEQID NO:43)が、3つのマウス腫瘍モデルにおいて、単剤療法として強力な抗腫瘍活性を有することを実証した。(i) 同系CT26結腸がん(図34)、(ii) 同系RENCA腎細胞がん(図35)、及び(iii)同所性4T1トリプルネガティブ乳がん(図49)である。

0146

また、本発明者らは、s-DAB1-389-IL2-V6A-His6(SEQID NO:43)が、2つのマウス腫瘍モデルにおいて、抗PD1抗体との二重逐次療法として、強力な抗腫瘍活性を有することを実証した。(i) 同系CT26結腸がん(図34)、(ii) 同系RENCA腎細胞がん(図35)である。

0147

D3E置換は、より安定なs-Ontak関連タンパク質をもたらし、半減期の延長、血管漏出の減少、力価の保持、及びC. diphtheriae(ジフテリア菌) C7(-)株におけるより高い発現レベルをもたらす。

0148

本発明の主要な部分は、s-OntakのD3E変異体バージョンが、(i)半減期の延長、(ii)血管漏出の減少、(iii)高い効力(s-Ontakと同等の84%の活性)、及び(iv)C. diphtheriae (ジフテリア菌)C7(-)株における4倍の高い発現に関連していることを発見したことである。

0149

本発明者らは、全長ジフテリア毒素の3次元結晶構造に基づくタンパク質構造アルゴリズムを用いた。特に、本発明者らは、xがバリン、イソロイシン、ロイシン、又はグリシンであり、yがセリン、ロイシン、又はバリンである血管漏出関連トリペプチドモチーフ(x)D(y)に着目した。 s-Ontakの配列は、そのアミノ末端付近にこのような2つの(x)D(y)モチーフを含む。V6D7S8とV28D29S30である。

0150

図36に見られるように、本発明者らは、s-Ontak 3次元構造の第2のα螺旋の末端にV6D7S8が出現し、第1のα螺旋ループ水素結合相互作用を形成していることに気付いた。具体的には、第1のヘリックスのD3が第2のヘリックスのS8と水素結合を形成している。本発明者らは、残基3におけるAspに対するGluの置換、すなわちD3Eの置換は、2つの螺旋間のより強固な水素結合相互作用をもたらすであろうと仮説を立てた。さらに、本発明者らは、より強固な水素結合が存在すると、D3E置換変異体は、V6D7S8モチーフを血管内皮に露出させ無くさせ、血管漏出を生じにくくなるという仮説を立てた。

0151

実際、本発明者らは、図37に示すように、s-Ontak-D3E-His6 (Tm = 45.5)は、s-Ontak-His6 (Tm 43.0)、及びs-Ontak-V6A-His6 (Tm 40.0)よりも優れた熱安定性を有することを見出した。基質NADの結合は、s-Ontak-D3E-His6、及びs-Ontak-His6の熱安定性をさらに増加させたが、その他の置換のs-Ontakの熱安定性を変化させなかった(図38)。

0152

C. diphtheriae(ジフテリア菌) C7(-)株におけるs-Ontak-D3E-His6の発現は、s-Ontakの約4倍であった(図40)。また、図43に示すように、s-Ontak-D3E-His6はs-Ontak-His6(150分)やs-Ontak-V6A-His6(60分)よりも長い血清半減期(240分)を示したが、これはタンパク質の安定性が向上したためと考えられる。

0153

本発明者らは、s-Ontak-D3E-His6がs-Ontak-His6の84%の活性を有する高いCD25+細胞殺傷力を示したのに対し、s-Ontak-V6A-His6はs-Ontak-His6の20%の細胞殺傷力を示したことを見出した(図40)。また、s-Ontak-D3E-His6は、HUVEC透過アッセイによって測定される血管漏出がs-Ontak-His6よりも有意に少ないことを示した(図41)。

0154

HUVEC透過アッセイによる血管漏出を研究するためにペプチドを使用して、本発明者らは、V6A、及びD3Eの置換に加えて、第2のVDS配列(V28D29S30)のD29E置換による改変もまた、血管漏出の減少をもたらしたことを観察した(図42)。

0155

まとめると、D3E置換を用いることで、(i)半減期の延長、(ii)血管漏出の低減、(iii)高活性を有するs-Ontak関連タンパク質の製造が可能になると考えられる。 また、D3Eで置換したs-Ontak関連タンパク質は、C. diphtheriae(ジフテリア菌) C7(-)株で高い発現を示し、製造が容易になる可能性がある。

0156

s-DAB1-389-mIL4-His6(SEQID NO: 134)、及び関連タンパク質は、骨髄由来抑制細胞(MDSC)を含むCD124陽性細胞、及びCD124を有する腫瘍(例えば、トリプルネガティブ乳がん、TNBC)を殺す活性である。

0157

本発明者らは、図46に見られるように、C. diphtheriae(ジフテリア菌)発現系を使用して、s-DAB1-389-mIL4-His6(SEQID NO: 134)を生成した。本発明者らは、4T1 CD124+ TNBC腫瘍細胞に対して10 pMのIC50を有することを示した(図47)。

0158

s-DAB1-389-mIL4-His6(SEQID NO: 134)は、4T1トリプルネガティブ乳がんの同所移植マウスモデルにおいて、単剤療法として強力な抗腫瘍活性を示し、用量依存性の明確な腫瘍抑制作用を示した(図48)。 抗腫瘍活性は、抗腫瘍免疫を抑制することが知られているミエロイド由来のサプレッサー細胞(CD124+)の減少と関連していた(図48)。さらに、s-DAB1-389-mIL4-His6(SEQ ID NO:134)は、肺への転移を予防する活性を有していた(図48)。

0159

本発明者らは、4T1トリプルネガティブ乳がんの同所移植マウスモデルにおいて、s-DAB1-389-mIL4-His6(SEQID NO: 134)に続いてs-DAB1-389-IL2-His6(SEQ ID NO: 43)の組み合わせを試験した。2つの薬剤は、腫瘍体積と腫瘍重量で測定されるように相加的な効果を示した(図49)。単剤療法と併用療法の両方で、CD124+腫瘍細胞が減少した(図50)。単剤療法と併用療法の両方とも、マウスの脾臓におけるCD124+ MDSC細胞を減少させた(図51)。

0160

まとめると、s-DAB1-389-mIL4-His6(SEQID NO:134)は、CD124を発現する腫瘍(トリプルネガティブ乳がんなど)と同様に、腫瘍微小環境(MDSCは抗腫瘍免疫を阻害することが知られている)においてMDSCを枯渇させる有望な薬剤である。s-DAB1-389-EGF-His6(SEQ ID NO:106)、及び関連タンパク質は、EGFR陽性細胞を殺す活性がある。

0161

本発明者らは、図52に示すように、C. diphtheriae(ジフテリア菌)発現系を用いて、s-DAB1-389-EGF-His6(SEQID NO:106)を生成した。 本発明者らは、図53に見られるように、EGF受容体(EGFR)に陽性であるA431類表皮癌細胞株4T1に対して300pMのIC50を有することを示した。s-DAB1-389-EGF-His6(SEQ ID NO: 106)、及び関連タンパク質の重要な用途は、一般的にEGF受容体を高レベルで発現する多形質膠芽腫腫瘍の治療のためであろう。

0162

(動物実験と治療)

0163

C57BL/6マウスはCharles Rivers Laboratoryから購入し、動物実験はJohns Hopkins大学のIACUC承認プロトコールに従って行った。マウスには、チェックポイント阻害剤治療に先立ち、C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQID NO:43、又はC. diphtheriae(ジフテリア菌)由来SEQ ID NO: 58、5μgを2回、指定日に100μlの腹腔内注射で投与した。メラノーマ実験のために、マウスを右脇腹に1×105個のB16F10細胞を皮下注射した。抗マウスPD1抗体(Bio X Cellから購入したクローンJ43、Cat# BE0033-2)を、指定された日に100μlの容量で腹腔内投与してマウスあたり100μgを与えた。腫瘍を電子ノギスで測定し、腫瘍体積を次の式を用いて計算した:腫瘍体積=長さ×幅×高さ0.5326。 マウスを指定された時点で安楽死させ、リンパ節、脾臓、及び腫瘍を単離した。単細胞懸濁液を、100μmフィルターを介した解離により調製した。

0164

(材料と方法。フローサイトメトリーと細胞刺激)

0165

単細胞懸濁液を、LIVE/DEAD Fixable Aqua Dead Cell Stain Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いて生存率を評価するために染色した。細胞を、精製ラット抗マウスCD16/32(BD)でインキュベートし、FACS緩衝液(PBS、2%熱不活性化FBS、0.1%HEPES、0.1%アジ化ナトリウム)中で以下の抗体(特に断りのない限りBD)で標識した。Ax700抗CD8、APC抗CD4、及びBV421抗CD25。 細胞内染色は、製造業者のプロトコールに従って転写因子緩衝液セット(BD Biosciences)を用いて行い、FITC抗FoxP3で標識した。インビトロ活性化は、細胞をゴルジストップ(BD)存在下、PMA(50ng/mL)、及びイオノマイシン(1μM)で37℃、4時間インキュベートして実施した。表面染色は上記のように行い、細胞内染色は、製造業者のプロトコールに従って、固定化パーマビライゼーションソリューションキット(BD)を用いて行い、FITC抗IFNγで標識した。サンプルをLSRII(BD)で分析し、FlowJo(Tree Star)を用いてデータを解析した。

0166

s-Ontak-His6(SEQID NO: 23として開示されている "His6")の核酸、及びタンパク質配列

0167

C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来s-Ontak-His6("His6"はSEQID NO: 23として開示されている)(理論MW 58339)(太字ではIL2部分)のタンパク質配列(SEQ ID NO: 58)。

0168

C. diphtheriae(ジフテリア菌)由来-Ontak-His6("His6 "はSEQID NO: 23として開示されている)(SEQ ID NO: 59)のDNA配列。プロモーター/オペレーターへの変化は太字で星を付けている。下線部分はシグナル配列をコードする。成熟したs-Ontak-His6("His6"はSEQ ID NO: 23として開示されている)の最初のコドンは、より大きなフォントで塩基149から始まり、イタリック体になっている。C末端のHis6("His6 "はSEQ ID NO: 23として開示されている)のコドンは、より大きなフォントで、イタリック体で、1709塩基から始まる。

0169

本明細書で引用された出版物、特許出願、特許を含むすべての参考文献は、それぞれの参考文献が個別に参照により組み込まれることが明示されており、その全体が本明細書に記載されているかのように、同じ範囲で参照により組み込まれる。

0170

本発明を説明する文脈での用語「前記」、及び類似の参照語の使用(特に以下の特許請求の範囲の文脈で)は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形、及び複数形の両方をカバーするように解釈される。用語「構成する」、「有する」、「含む」、及び「なる」は、別段の記載がない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「含むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。 本明細書に記載された値の範囲の暗唱は、別段の記載がない限り、範囲内に収まる各個別の値を個別に参照するための略記法として機能することを単に意図しており、各個別の値は、それが個別に本明細書に列挙されたものであるかのように本明細書に組み込まれている。 本明細書に記載されたすべての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。 本明細書で提供される任意の、及びすべての例示的な、又は例示的な言語(例えば、「のような」)の使用は、単に本発明をよりよく照らすことを意図したものであり、別段の主張がない限り、本発明の範囲に制限を与えるものではない。 本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠なものとして、いかなる非請求項の要素を示すものと解釈されるべきではない。

0171

本発明の好ましい実施例が、本発明を実施するための最良の態様を含めて本明細書に記載されている。それらの好ましい実施例のバリエーションは、前記の説明を読むと、当技術分野の通常の熟練者に明らかになるかもしれない。本発明者らは、熟練した当業者がそのようなバリエーションを適宜採用することを期待しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明を実施することを意図している。したがって、本発明は、適用法により許容されるように、添付の特許請求の範囲に記載された主題のすべての改変、及び同等物を含む。さらに、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、あらゆる可能なバリエーションの本発明の記載された要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。

0172

本開示の実施例は、SEQID NO:11から15のいずれかの核酸、又はタンパク質配列、又はそれらの融合タンパク質からなる本発明の組成物を被験者に投与して、癌、及び結核などの疾患を治療、及び/又は予防するための方法、及び/又は組成物に関する。

0173

がん、及び/又は結核のような疾患を有することが知られている個人、そのような疾患を有する疑いのある個人、又はそのような疾患を有する危険性のある個人には、例えばSEQID NO:11—15のいずれかからなる核酸、又はタンパク質配列、又はそれらの融合タンパク質からなる本発明の組成物の有効量を提供することができる。がん、又は結核のリスクを有する者は、1つ以上の遺伝的因子を有する者であってもよく、年齢が進んでいる者であってもよく、及び/又は例えば家族歴を有する者であってもよい。

0174

本開示の特定の実施例では、個人は、SEQID NO:11—15の何れかの核酸、又はタンパク質配列、又はその融合タンパク質からなる本発明の組成物に加えて、癌、及び/又は結核治療のための薬剤を投与される。このような追加治療は、例えば、化学療法、又は抗菌剤を含むことができる。 SEQ ID NO:11から15の何れかの核酸、又はタンパク質配列、又はその融合タンパク質からなる本発明の組成物を用いて併用療法を行う場合、追加療法は、SEQ ID NO:11—から15のいずれの一つの核酸、又は他ンパク質配列、又はその融合タンパク質からなる本発明の組成物に先立って、同時に、及び/又は後に行われてもよい。

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