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技術 マスト細胞媒介性炎症性疾患の治療法及び診断法

出願人 ジェネンテック,インコーポレイテッド
発明者 チョイ,デーヴィッドエフ.ステイトン,トレイシーリンヤスパン,ブライアンルイス
出願日 2019年2月8日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2020-540485
公開日 2021年5月20日 (5ヶ月経過) 公開番号 2021-512856
状態 未査定
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 生物学的材料の調査,分析 ペプチド又は蛋白質 酵素、微生物を含む測定、試験 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード 吸着試料 テザード 支持法 例示的実施 規定条件下 揮発性化学物質 イカリイン 線形回帰線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年5月20日)のものです。
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図面 (4)

課題・解決手段

本発明は、とりわけ、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者処置する方法、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者が治療(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、Fcイプシロン受容体(FcεR)アンタゴニスト、IgEB細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療)に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者のための治療を選択する方法、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の応答を評価する方法、及びマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の応答をモニタリングする方法を特徴とする。

概要

背景

喘息は、気道アレルギー性炎症性疾患として基本的に説明されており、一時的で可逆的な気道閉塞臨床的な特徴としている。喘息におけるアレルギー性炎症のメディエーターを標的とするための治療根拠は、抗IL−5などの抗2型サイトカイン療法によって得られた臨床効果によって裏付けられてきた。これらの研究は、特に2型バイオマーカーに基づいて選択された対象において、2型経路を標的として有意義な臨床効果をもたらす治療戦略サポートしている。これらの進歩にもかかわらず、2型HIGH喘息、及び現在開発されている治療法の臨床効果が少ないと予想される2型バイオマーカーのレベルが低い喘息患者に対して、より大きな有効性を示す新たな喘息治療法の発見及び開発には依然として大きな関心が寄せられている。

気道平滑筋マスト細胞浸潤は、喘息の明確な病態生理学的特徴である。IgE/FcεRI依存性及びIgE/FcεRI非依存性メカニズムは、可溶性マスト細胞喘息メディエーターの放出を引き起こす。マスト細胞生物学を標的とする治療的重要性を示すため、抗IgEモノクローナル抗体療法であるXOLAIR(登録商標)(オマリズマブ)は、喘息増悪の軽減に効果的である。

当該技術分野において、喘息及び他のマスト細胞媒介性炎症性疾患の改善された治療及び診断手法が依然として必要とされている。

概要

本発明は、とりわけ、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者処置する方法、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者が治療(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、Fcイプシロン受容体(FcεR)アンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療)に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者のための治療を選択する方法、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の応答を評価する方法、及びマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の応答をモニタリングする方法を特徴とする。なし

目的

したがって、新たな標的ストランドの合成もプローブの分解をもたらし、分解産物蓄積標的配列の合成の測定を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

(i)基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含む遺伝子型、または(ii)前記患者試料において基準レベルのトリプターゼ以上であるトリプターゼの発現レベル、を有すると同定された、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法であって、前記方法が、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者にトリプターゼアンタゴニストIgEB細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療を施すことを含む、前記方法。

請求項2

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者が、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法であって、前記方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、前記患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定することと、(b)前記患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数に基づいて、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いとして前記患者を同定することと、を含み、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上の活性トリプターゼ対立遺伝子数は、前記患者が前記治療に応答する可能性が高いことを示す、前記方法。

請求項3

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者が、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法であって、前記方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、トリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)前記患者の前記試料におけるトリプターゼの発現レベルに基づいて、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いとして前記患者を同定することと、を含み、前記試料において基準レベルのトリプターゼ以上であるトリプターゼの発現レベルは、前記患者が前記治療に応答する可能性が高いことを示す、前記方法。

請求項4

前記患者に前記治療を施すことをさらに含む、請求項2または3に記載の方法。

請求項5

前記患者が、前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の前記2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記薬剤が、単剤療法として前記患者に投与される、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記患者が、前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である前記2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記方法が、追加のTH2経路阻害剤を前記患者に投与することをさらに含む、請求項7に記載の方法。

請求項9

(i)基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含む遺伝子型、または(ii)前記患者の試料においてトリプターゼの基準レベル未満のトリプターゼの発現レベル、を有すると同定された、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法であって、前記方法が、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者に、IgEアンタゴニストまたはFcイプシロン受容体(FcεR)アンタゴニストを含む治療を施すことを含む、前記方法。

請求項10

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者がIgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法であって、前記方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、前記患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定することと、(b)前記患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数に基づいて、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いとして前記患者を同定することと、を含み、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数は、前記患者が前記治療に応答する可能性が高いことを示す、前記方法。

請求項11

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者がIgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法であって、前記方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、トリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)前記患者の前記試料のトリプターゼの発現レベルに基づいて、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いとして前記患者を同定することと、を含み、前記患者の前記試料においてトリプターゼの基準レベル未満であるトリプターゼの発現レベルは、前記患者が前記治療に応答する可能性が高いことを示す、前記方法。

請求項12

前記患者に前記治療を施すことをさらに含む、請求項10または11に記載の方法。

請求項13

前記患者が、前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である前記2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記方法が、追加のTH2経路阻害剤を前記患者に投与することをさらに含む、請求項13に記載の方法。

請求項15

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の治療を選択する方法であって、前記方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、前記患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定することと、(b)前記患者のために、(i)前記患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数が基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である場合、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療、または、(ii)前記患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数が基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の場合、IgEアンタゴニストもしくはFcεRアンタゴニストを含む治療、を選択することと、を含む、前記方法。

請求項16

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の治療を選択する方法であって、前記方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、トリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)前記患者のために、(i)前記患者の前記試料におけるトリプターゼの発現レベルがトリプターゼの基準レベル以上である場合、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療、または、(ii)前記患者の前記試料におけるトリプターゼの発現レベルがトリプターゼの基準レベル未満である場合、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療、を選択することと、を含む、前記方法。

請求項17

前記患者に(b)に従って選択した前記治療を施すことをさらに含む、請求項15または16に記載の方法。

請求項18

前記患者が、前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の前記2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

前記薬剤が、単剤療法として前記患者に投与される、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記患者が、前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である前記2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されており、前記方法が、TH2経路阻害剤を含む併用療法を選択することをさらに含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

前記方法が、TH2経路阻害剤を前記患者に投与することをさらに含む、請求項20に記載の方法。

請求項22

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療による処置に対する応答を評価する方法であって、前記方法は、(a)前記患者への、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療の適用中または適用後の時点でのマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料におけるトリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)前記試料中のトリプターゼの発現レベルとトリプターゼの基準レベルとの比較に基づいて、前記処置を維持、調整、または停止することとを含み、前記基準レベルと比較した前記患者の前記試料中のトリプターゼの発現レベルの変化は、前記治療による処置への応答を示す、前記方法。

請求項23

前記変化がトリプターゼの発現レベルの増加であり、前記処置が維持される、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記変化がトリプターゼの発現レベルの低下であり、前記処置が調整または停止される、請求項23に記載の方法。

請求項25

トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療により処置されたマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の応答をモニタリングする方法であって、前記方法は、(a)前記患者への、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療の適用中または適用後の時点での前記患者の試料におけるトリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)前記患者の前記試料におけるトリプターゼの発現レベルをトリプターゼの基準レベルと比較することにより、前記治療による処置を受けている前記患者の応答をモニタリングすることとを含む、前記方法。

請求項26

前記変化がトリプターゼのレベルの増加であり、前記処置が維持される、請求項25に記載の方法。

請求項27

前記変化がトリプターゼの発現レベルの低下であり、前記処置が調整または停止される、請求項25に記載の方法。

請求項28

前記活性トリプターゼ対立遺伝子数が、前記患者のゲノムTPSAB1及びTPSB2遺伝子座シークエンシングによって決定される、請求項1、2、4〜10、12〜15、または17〜21のいずれか一項に記載の方法。

請求項29

前記シークエンシングが、サンガーシークエンシングまたは超並列シークエンシングである、請求項28に記載の方法。

請求項30

前記TPSAB1遺伝子座が、(i)5’−CTGGTGTGCAAGGTGAATGG−3’(配列番号31)のヌクレオチド配列を含む第1のフォワードプライマー及び5’−AGGTCCAGCACTCAGGAGGA−3’(配列番号32)のヌクレオチド配列を含む第1のリバースプライマーの存在下で前記対象の核酸増幅してTPSAB1アンプリコンを形成することと、(ii)前記TPSAB1アンプリコンをシークエンシングすることと、を含む方法によってシークエンシングされる、請求項28または29に記載の方法。

請求項31

前記TPSAB1アンプリコンのシークエンシングには、前記第1のフォワードプライマー及び前記第1のリバースプライマーの使用が含まれる、請求項30に記載の方法。

請求項32

前記TPSB2遺伝子座が、(i)5’−GCAGGTGAGCCTGAGAGTCC−3’(配列番号33)のヌクレオチド配列を含む第2のフォワードプライマー及び5’−GGGACCTTCACCTGCTTCAG−3’(配列番号34)のヌクレオチド配列を含む第2のリバースプライマーの存在下で前記対象の核酸を増幅してTPSB2アンプリコンを形成することと、(ii)前記TPSB2アンプリコンをシークエンシングすることとを含む方法によってシークエンシングされる、請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法。

請求項33

前記TPSB2アンプリコンのシークエンシングが、前記第2のフォワードプライマーを使用することと、5’−CAGCCAGTGACCCAGCAC−3’(配列番号35)のヌクレオチド配列を含むリバースプライマーをシークエンシングすることと、を含む、請求項32に記載の方法。

請求項34

前記活性トリプターゼ対立遺伝子数が、以下の式:4−前記患者の遺伝子型におけるトリプターゼα及びトリプターゼβIIIフレームシフト(βIIIFS)対立遺伝子の数の合計で決定される、請求項1、2、4〜10、12〜15、17〜21、または28〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項35

トリプターゼアルファが、前記ヌクレオチド配列CTGCAGGCGGGCGTGGTCAGCTGGG[G/A]CGAGGGCTGTGCCCAGCCCAACCGG(配列番号36)を含むTPSAB1において、c733G>ASNPを検出することにより検出され、前記c733G>ASNPにおけるAの存在が、トリプターゼアルファを示す、請求項34に記載の方法。

請求項36

トリプターゼベータIIIFSが、ヌクレオチド配列CACACGGTCACCCTGCCCCCTGCCTCAGAGACCTTCCCCCCC(配列番号37)を含むTPSB2でのc980_981insC変異を検出することにより検出される、請求項34または35に記載の方法。

請求項37

前記基準活性トリプターゼ対立遺伝子数が、前記マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の群において決定される、請求項1、2、4〜10、12〜15、17〜21、または28〜36のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

前記基準活性トリプターゼ対立遺伝子数が3である、請求項1、2、4〜10、12〜15、17〜21、または28〜37のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

前記患者が、3または4の活性トリプターゼ対立遺伝子数を有する、請求項1、2、4〜8、15、18〜21、または28〜38のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

前記患者が、0、1、または2の活性トリプターゼ対立遺伝子数を有する、請求項9、10、12、15、18〜21、または28〜38のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

前記トリプターゼが、トリプターゼベータI、トリプターゼベータII、トリプターゼベータIII、トリプターゼアルファI、またはこれらの組み合わせである、請求項1、3〜9、11〜14、または16〜27のいずれか一項に記載の方法。

請求項42

前記トリプターゼの発現レベルが、タンパク質の発現レベルである、請求項1、3〜9、11〜14、16〜27、または41のいずれか一項に記載の方法。

請求項43

前記トリプターゼのタンパク質発現レベルが、活性トリプターゼの発現レベルである、請求項42に記載の方法。

請求項44

前記トリプターゼのタンパク質発現レベルが、総トリプターゼの発現レベルである、請求項42に記載の方法。

請求項45

前記タンパク質発現レベルが、免疫アッセイ酵素結合免疫吸着測定法ELISA)、ウェスタンブロット、または質量分析法を使用して測定される、請求項42〜44のいずれか一項に記載の方法。

請求項46

前記トリプターゼの発現レベルが、mRNAの発現レベルである、請求項1、3〜9、11〜14、16〜27、または41のいずれか一項に記載の方法。

請求項47

前記mRNA発現レベルが、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)法またはマイクロアレイチップを使用して測定される、請求項46に記載の方法。

請求項48

前記PCR法がqPCRである、請求項47に記載の方法。

請求項49

前記トリプターゼの基準レベルが、前記マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する個体の群において決定されたレベルである、請求項1、3〜9、11〜14、16〜27、または41〜48のいずれか一項に記載の方法。

請求項50

前記トリプターゼの基準レベルが、中央値である、請求項49に記載の方法。

請求項51

前記患者の前記試料が、血液試料組織試料試料、細気管支洗浄液試料、粘膜被覆液(MLF)試料、気管支吸着試料、及び経鼻吸収試料からなる群から選択される、請求項1〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項52

前記血液試料が、全血試料血清試料血漿試料、またはこれらの組み合わせである、請求項51に記載の方法。

請求項53

前記血液試料が、血清試料または血漿試料である、請求項52に記載の方法。

請求項54

前記薬剤がトリプターゼアンタゴニストである、請求項1〜8または15〜53のいずれか一項に記載の方法。

請求項55

前記トリプターゼアンタゴニストが、トリプターゼアルファアンタゴニストまたはトリプターゼベータアンタゴニストである、請求項54に記載の方法。

請求項56

前記トリプターゼアンタゴニストが、トリプターゼベータアンタゴニストである、請求項55に記載の方法。

請求項57

前記トリプターゼベータアンタゴニストが、抗トリプターゼベータ抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項55または56に記載の方法。

請求項58

前記抗体が、次の6つの超可変領域HVR):(a)DYGMVのアミノ酸配列(配列番号1)を含むHVR−H1、(b)FISSGSSTVYYADTMKGのアミノ酸配列(配列番号2)を含むHVR−H2、(c)RNYDDWYFDVのアミノ酸配列(配列番号3)を含むHVR−H3、(d)SASSSVTYMYのアミノ酸配列(配列番号4)を含むHVR−L1、(e)RTSDLASのアミノ酸配列(配列番号5)を含むHVR−L2、及び(f)QHYHSYPLTのアミノ酸配列(配列番号6)を含むHVR−L3、で構成されている、請求項57に記載の方法。

請求項59

前記抗体が、(a)配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)のようなVHドメイン及び(b)のようなVLドメイン、を含む請求項57または58に記載の方法。

請求項60

前記VHドメインが、配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項59に記載の方法。

請求項61

前記VLドメインが、配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項59に記載の方法。

請求項62

前記VHドメインが配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記VLドメインが配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項59に記載の方法。

請求項63

前記抗体が、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖、及び(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項57〜62のいずれか一項に記載の方法。

請求項64

前記抗体が、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖、及び(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項57〜62のいずれか一項に記載の方法。

請求項65

前記抗体が、次の6つのHVR:(a)GYAITのアミノ酸配列(配列番号12)を含むHVR−H1、(b)GISSAATTFYSSWAKSのアミノ酸配列(配列番号13)を含むHVR−H2、(c)DPRGYGAALDRLDLのアミノ酸配列(配列番号14)を含むHVR−H3、(d)QSIKSVNNRLGのアミノ酸配列(配列番号15)を含むHVR−L1、(e)ETSILTSのアミノ酸配列(配列番号16)を含むHVR−L2、及び、(f)AGGFDRSGDTTのアミノ酸配列(配列番号17)を含むHVR−L3で構成されている、請求項57に記載の方法。

請求項66

前記抗体が、(a)配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)のようなVHドメイン及び(b)のようなVLドメイン、を含む請求項57または65に記載の方法。

請求項67

前記VHドメインが、配列番号18のアミノ酸配列を含む、請求項66に記載の方法。

請求項68

前記VLドメインが、配列番号19のアミノ酸配列を含む、請求項66に記載の方法。

請求項69

前記VHドメインが、配列番号18のアミノ酸配列を含み、前記VLドメインが、配列番号19のアミノ酸配列を含む、請求項66に記載の方法。

請求項70

前記抗体が、(a)配列番号20のアミノ酸配列を含む重鎖及び(b)配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項57または65〜69のいずれか一項に記載の方法。

請求項71

前記抗体が、(a)配列番号22のアミノ酸配列を含む重鎖及び(b)配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項57または65〜69のいずれか一項に記載の方法。

請求項72

前記治療がIgEアンタゴニストをさらに含む、請求項54〜71のいずれか一項に記載の方法。

請求項73

前記薬剤がFcεRアンタゴニストである、請求項9〜21または28〜53のいずれか一項に記載の方法。

請求項74

前記FcεRアンタゴニストが、ブルトンチロシンキナーゼBTK)阻害剤である、請求項73に記載の方法。

請求項75

前記BTK阻害剤が、GDC−0853、アカラブルチニブ、GS−4059、スペブルチニブ、BGB−3111、またはHM71224である、請求項74に記載の方法。

請求項76

前記薬剤がIgE+B細胞枯渇抗体である、請求項1〜8または15〜53のいずれか一項に記載の方法。

請求項77

前記IgE+B細胞枯渇抗体が抗M1’ドメイン抗体である、請求項76に記載の方法。

請求項78

前記薬剤がマスト細胞または好塩基球枯渇抗体である、請求項1〜8または15〜53のいずれか一項に記載の方法。

請求項79

前記薬剤がPAR2アンタゴニストである、請求項1〜8または15〜53のいずれか一項に記載の方法。

請求項80

前記薬剤がIgEアンタゴニストである、請求項9〜21または28〜53のいずれか一項に記載の方法。

請求項81

前記IgEアンタゴニストが抗IgE抗体である、請求項72または80に記載の方法。

請求項82

前記抗IgE抗体が、IgE遮断抗体及び/またはIgE枯渇抗体である、請求項81に記載の方法。

請求項83

前記抗IgE抗体が、次の6つのHVR:(a)GYSWNのアミノ酸配列(配列番号40)を含むHVR−H1、(b)SITYDGSTNYNPSVKGのアミノ酸配列(配列番号41)を含むHVR−H2、(c)GSHYFGHWHFAVのアミノ酸配列(配列番号42)を含むHVR−H3、(d)RASQSVDYDGDSYMNのアミノ酸配列(配列番号43)を含むHVR−L1、(e)AASYLESのアミノ酸配列(配列番号44)を含むHVR−L2、及び、(f)QQSHEDPYTのアミノ酸配列(配列番号45)を含むHVR−L3、で構成されている、請求項82に記載の方法。

請求項84

前記抗IgE抗体が、(a)配列番号38のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号39のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)のようなVHドメイン及び(b)のようなVLドメイン、を含む請求項82または83に記載の方法。

請求項85

前記VHドメインが、配列番号38のアミノ酸配列を含む、請求項84に記載の方法。

請求項86

前記VLドメインが、配列番号39のアミノ酸配列を含む、請求項84に記載の方法。

請求項87

前記VHドメインが、配列番号38のアミノ酸配列を含み、前記VLドメインが、配列番号39のアミノ酸配列を含む、請求項84に記載の方法。

請求項88

前記抗IgE抗体が、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))またはXmAb7195である、請求項81〜87のいずれか一項に記載の方法。

請求項89

前記抗IgE抗体が、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))である、請求項88に記載の方法。

請求項90

前記2型バイオマーカーが、TH2細胞関連サイトカインペリオスチン好酸球数、好酸球のシグネチャー、FeNO、またはIgEである、請求項5〜8、13、14、18〜21、または28〜89のいずれか一項に記載の方法。

請求項91

前記TH2細胞関連サイトカインが、IL−13、IL−4、IL−9、またはIL−5である、請求項90に記載の方法。

請求項92

前記TH2経路阻害剤が、インターロイキン誘導性細胞キナーゼ(ITK)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、ヤーヌスキナーゼ1(JAK1)、GATA結合タンパク質3(GATA3)、IL−9、IL−5、IL−13、IL−4、IL−33、OX40L、TSLP、IL−25、IL−9受容体、IL−5受容体、IL−4受容体アルファ、IL−13受容体アルファ1、IL−13受容体アルファ2、OX40、TSLP−R、IL−7Rアルファ、IL−17RB、ST2、CCR3、CCR4、CRTH2、Flap、Sykキナーゼ、CCR4、TLR9、またはGM−CSF阻害する、請求項5〜8、13、14、18〜21、または28〜91のいずれか一項に記載の方法。

請求項93

追加の治療薬を前記患者に投与することをさらに含む、請求項1、4〜9、12〜14、または17〜92のいずれか一項に記載の方法。

請求項94

前記追加の治療薬が、コルチコステロイド、IL−33軸結合アンタゴニスト、TRPA1アンタゴニスト、気管支拡張剤または喘息症状抑制剤免疫調節剤チロシンキナーゼ阻害剤、及びホスホジエステラーゼ阻害剤からなる群から選択される、請求項93に記載の方法。

請求項95

前記追加の治療薬が、コルチコステロイドである、請求項94に記載の方法。

請求項96

前記コルチコステロイドが、吸入コルチコステロイドである、請求項94または95に記載の方法。

請求項97

前記マスト細胞媒介性炎症性疾患が、喘息アトピー性皮膚炎慢性蕁麻疹(CSU)、全身性アナフィラキシー、マスト細胞症、慢性閉塞性肺疾患COPD)、特発性肺線維症(IPF)、及び好酸球性食道炎からなる群から選択される、請求項1〜96のいずれか一項に記載の方法。

請求項98

前記マスト細胞媒介性炎症性疾患が喘息である、請求項97に記載の方法。

請求項99

前記喘息が、中等度から重度の喘息である、請求項98に記載の方法。

請求項100

前記喘息が、コルチコステロイドで制御されていない、請求項97〜99のいずれか一項に記載の方法。

請求項101

前記喘息が、TH2−high喘息またはTH2−low喘息である、請求項97〜100のいずれか一項に記載の方法。

請求項102

トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を同定するためのキットであって、前記キットが、(a)前記患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定するため、または前記患者の試料中のトリプターゼの発現レベルを決定するための試薬と、任意で、(b)トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を同定するために前記試薬を使用するための指示書と、を含む、前記キット。

請求項103

前記薬剤がトリプターゼアンタゴニストであり、前記治療がIgEアンタゴニストをさらに含む、請求項102に記載のキット。

請求項104

IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を同定するためのキットであって、前記キットが、(a)前記患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定するため、または前記患者の試料中のトリプターゼの発現レベルを決定するための試薬と、任意で、(b)IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を同定するために前記試薬を使用するための指示書と、を含む、前記キット。

請求項105

前記患者の試料において2型バイオマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項102〜104のいずれか一項に記載のキット。

請求項106

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法において使用するための、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤であって、(i)前記患者の前記遺伝子型が、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)前記患者の試料が、基準レベルのトリプターゼ以上のトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている、前記薬剤。

請求項107

前記患者が、前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の前記2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、前記薬剤が単剤療法として使用するためのものである、請求項106に記載の使用される薬剤。

請求項108

前記患者が、前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上の前記2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されており、前記薬剤がTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである、請求項106に記載の使用される薬剤。

請求項109

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法において使用するための、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストから選択される薬剤であって、(i)前記患者の前記遺伝子型が、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)前記患者の試料が、トリプターゼの基準レベル未満のトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている、前記薬剤。

請求項110

前記患者が前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上の前記2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、前記IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストが追加のTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである、請求項109に記載の使用される薬剤。

請求項111

前記活性トリプターゼ対立遺伝子数が、前記患者のゲノムの前記TPSAB1及びTPSB2遺伝子座のシークエンシングによって決定される、請求項106〜110のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項112

前記シークエンシングが、サンガーシークエンシングまたは超並列シークエンシングである、請求項111に記載の使用される薬剤。

請求項113

前記TPSAB1遺伝子座が、(i)5’−CTGGTGTGCAAGGTGAATGG−3’(配列番号31)のヌクレオチド配列を含む第1のフォワードプライマー及び5’−AGGTCCAGCACTCAGGAGGA−3’(配列番号32)のヌクレオチド配列を含む第1のリバースプライマーの存在下で前記対象の核酸を増幅してTPSB1アンプリコンを形成することと、(ii)前記TPSAB1アンプリコンをシークエンシングすることと、を含む方法によってシークエンシングされる、請求項111または112に記載の使用される薬剤。

請求項114

前記TPSAB1アンプリコンのシークエンシングには、前記第1のフォワードプライマー及び前記第1のリバースプライマーの使用が含まれる、請求項113に記載の使用される薬剤。

請求項115

前記TPSAB2遺伝子座が、(i)5’−GCAGGTGAGCCTGAGAGTCC−3’(配列番号33)のヌクレオチド配列を含む第2のフォワードプライマー及び5’−GGGACCTTCACCTGCTTCAG−3’(配列番号34)のヌクレオチド配列を含む第2のリバースプライマーの存在下で前記対象の核酸を増幅してTPSB2アンプリコンを形成することと、(ii)前記TPSAB2アンプリコンをシークエンシングすることと、を含む方法によってシークエンシングされる、請求項111〜114のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項116

前記TPSB2アンプリコンのシークエンシングが、前記第2のフォワードプライマーを使用することと、5’−CAGCCAGTGACCCAGCAC−3’(配列番号35)のヌクレオチド配列を含むリバースプライマーをシークエンシングすることと、を含む、請求項115に記載の使用される薬剤。

請求項117

前記活性トリプターゼ対立遺伝子数が、以下の式:4−前記患者の遺伝子型におけるトリプターゼα及びトリプターゼβIIIフレームシフト(βIIIFS)対立遺伝子の数の合計で決定される、請求項106〜116のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項118

トリプターゼアルファが、前記ヌクレオチド配列CTGCAGGCGGGCGTGGTCAGCTGGG[G/A]CGAGGGCTGTGCCCAGCCCAACCGG(配列番号36)を含むTPSAB1において、c733G>ASNPを検出することにより検出され、前記c733G>ASNPにおけるAの存在が、トリプターゼアルファを示す、請求項117に記載の使用される薬剤。

請求項119

トリプターゼベータIIIFSが、ヌクレオチド配列CACACGGTCACCCTGCCCCCTGCCTCAGAGACCTTCCCCCCC(配列番号37)を含むTPSB2でのc980_981insC変異を検出することにより検出される、請求項117または118に記載の使用される薬剤。

請求項120

前記基準活性トリプターゼ対立遺伝子数が、前記マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の群において決定される、請求項106〜119のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項121

前記基準活性トリプターゼ対立遺伝子数が3である、請求項106〜120のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項122

前記患者が、3または4の活性トリプターゼ対立遺伝子数を有する、請求項106〜121のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項123

前記患者が、0、1、または2の活性トリプターゼ対立遺伝子数を有する、請求項106〜121のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項124

前記トリプターゼが、トリプターゼベータI、トリプターゼベータII、トリプターゼベータIII、トリプターゼアルファI、またはこれらの組み合わせである、請求項106〜123のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項125

前記トリプターゼの発現レベルが、タンパク質の発現レベルである、請求項106〜124のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項126

前記トリプターゼのタンパク質発現レベルが、活性トリプターゼの発現レベルである、請求項125に記載の使用される薬剤。

請求項127

前記トリプターゼのタンパク質発現レベルが、総トリプターゼの発現レベルである、請求項125に記載の使用される薬剤。

請求項128

前記タンパク質発現レベルが、免疫アッセイ、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ウェスタンブロット、または質量分析法を使用して測定される、請求項125〜127のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項129

前記トリプターゼの発現レベルが、mRNAの発現レベルである、請求項106〜124のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項130

前記mRNA発現レベルが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法またはマイクロアレイチップを使用して測定される、請求項129に記載の使用される薬剤。

請求項131

前記PCR法がqPCRである、請求項130に記載の使用される薬剤。

請求項132

前記トリプターゼの基準レベルが、前記マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する個体の群において決定されたレベルである、請求項106〜131のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項133

前記トリプターゼの基準レベルが中央値である、請求項132に記載の使用される薬剤。

請求項134

前記患者の前記試料が、血液試料、組織試料、痰試料、細気管支洗浄液試料、粘膜被覆液(MLF)試料、気管支吸着試料、及び経鼻吸収試料からなる群から選択される、請求項106〜133のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項135

前記血液試料が、全血試料、血清試料、血漿試料、またはこれらの組み合わせである、請求項134に記載の使用される薬剤。

請求項136

前記血液試料が、血清試料または血漿試料である、請求項135に記載の使用される薬剤。

請求項137

前記薬剤がトリプターゼアンタゴニストである、請求項106〜108または111〜136のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項138

前記トリプターゼアンタゴニストが、トリプターゼアルファアンタゴニストまたはトリプターゼベータアンタゴニストである、請求項137に記載の使用される薬剤。

請求項139

前記トリプターゼアンタゴニストが、トリプターゼベータアンタゴニストである、請求項138に記載の使用される薬剤。

請求項140

前記トリプターゼベータアンタゴニストが、抗トリプターゼベータ抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項138または139に記載の使用される薬剤。

請求項141

前記抗体が、次の6つの超可変領域(HVR):(a)DYGMVのアミノ酸配列(配列番号1)を含むHVR−H1、(b)FISSGSSTVYYADTMKGのアミノ酸配列(配列番号2)を含むHVR−H2、(c)RNYDDWYFDVのアミノ酸配列(配列番号3)を含むHVR−H3、(d)SASSSVTYMYのアミノ酸配列(配列番号4)を含むHVR−L1、(e)RTSDLASのアミノ酸配列(配列番号5)を含むHVR−L2、及び(f)QHYHSYPLTのアミノ酸配列(配列番号6)を含むHVR−L3で構成されている、請求項140に記載の使用される薬剤。

請求項142

前記抗体が、(a)配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)のようなVHドメイン及び(b)のようなVLドメイン、を含む請求項140または141に記載の使用される薬剤。

請求項143

前記VHドメインが、配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項142に記載の使用される薬剤。

請求項144

前記VLドメインが、配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項142に記載の使用される薬剤。

請求項145

前記VHドメインが配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記VLドメインが配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項142に記載の使用される薬剤。

請求項146

前記抗体が、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖、及び(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項140〜145のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項147

前記抗体が、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖、及び(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項140〜145のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項148

前記抗体が、次の6つのHVR:(a)GYAITのアミノ酸配列(配列番号12)を含むHVR−H1、(b)GISSAATTFYSSWAKSのアミノ酸配列(配列番号13)を含むHVR−H2、(c)DPRGYGAALDRLDLのアミノ酸配列(配列番号14)を含むHVR−H3、(d)QSIKSVYNNRLGのアミノ酸配列(配列番号15)を含むHVR−L1、(e)ETSILTSのアミノ酸配列(配列番号16)を含むHVR−L2、及び、(f)AGGFDRSGDTTのアミノ酸配列(配列番号17)を含むHVR−L3で構成されている、請求項140に記載の使用される薬剤。

請求項149

前記抗体が、(a)配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)のようなVHドメイン及び(b)のようなVLドメイン、を含む請求項140または148に記載の使用される薬剤。

請求項150

前記VHドメインが、配列番号18のアミノ酸配列を含む、請求項149に記載の使用される薬剤。

請求項151

前記VLドメインが、配列番号19のアミノ酸配列を含む、請求項149に記載の使用される薬剤。

請求項152

前記VHドメインが、配列番号18のアミノ酸配列を含み、前記VLドメインが、配列番号19のアミノ酸配列を含む、請求項149に記載の使用される薬剤。

請求項153

前記抗体が、(a)配列番号20のアミノ酸配列を含む重鎖及び(b)配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項140または148〜152のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項154

前記抗体が、(a)配列番号22のアミノ酸配列を含む重鎖及び(b)配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項140または148〜152のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項155

前記トリプターゼアンタゴニストが、IgEアンタゴニストと組み合わせて投与される、請求項137〜154のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項156

前記薬剤がFcεRアンタゴニストである、請求項109〜136のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項157

前記FcεRアンタゴニストが、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤である、請求項156に記載の使用される薬剤。

請求項158

前記BTK阻害剤が、GDC−0853、アカラブルチニブ、GS−4059、スペブルチニブ、BGB−3111、またはHM71224である、請求項157に記載の使用される薬剤。

請求項159

前記薬剤がIgE+B細胞枯渇抗体である、請求項106〜108または111〜136のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項160

前記IgE+B細胞枯渇抗体が抗M1’ドメイン抗体である、請求項159に記載の使用される薬剤。

請求項161

前記薬剤がマスト細胞または好塩基球枯渇抗体である、請求項106〜108または111〜136のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項162

前記薬剤がPAR2アンタゴニストである、請求項106〜108または111〜136のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項163

前記薬剤がIgEアンタゴニストである、請求項109〜136のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項164

前記IgEアンタゴニストが抗IgE抗体である、請求項155または163に記載の使用される薬剤。

請求項165

前記抗IgE抗体が、IgE遮断抗体及び/またはIgE枯渇抗体である、請求項164に記載の使用される薬剤。

請求項166

前記抗IgE抗体が、次の6つのHVR:(a)GYSWNのアミノ酸配列(配列番号40)を含むHVR−H1、(b)SITYDGSTNYNPSVKGのアミノ酸配列(配列番号41)を含むHVR−H2、(c)GSHYFGHWHFAVのアミノ酸配列(配列番号42)を含むHVR−H3、(d)RASQSVDYDGDSYMNのアミノ酸配列(配列番号43)を含むHVR−L1、(e)AASYLESのアミノ酸配列(配列番号44)を含むHVR−L2、及び、(f)QQSHEDPYTのアミノ酸配列(配列番号45)を含むHVR−L3、で構成されている、請求項165に記載の使用される薬剤。

請求項167

前記抗IgE抗体が、(a)配列番号38のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号39のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)のようなVHドメイン及び(b)のようなVLドメインを含む、請求項165または166に記載の使用される薬剤。

請求項168

前記VHドメインが、配列番号38のアミノ酸配列を含む、請求項167に記載の使用される薬剤。

請求項169

前記VLドメインが、配列番号39のアミノ酸配列を含む、請求項167に記載の使用される薬剤。

請求項170

前記VHドメインが、配列番号38のアミノ酸配列を含み、前記VLドメインが、配列番号39のアミノ酸配列を含む、請求項167に記載の使用される薬剤。

請求項171

前記抗IgE抗体が、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))またはXmAb7195である、請求項164〜170のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項172

前記抗IgE抗体が、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))である、請求項171に記載の使用される薬剤。

請求項173

前記2型バイオマーカーが、TH2細胞関連サイトカイン、ペリオスチン、好酸球数、好酸球のシグネチャー、FeNO、またはIgEである、請求項107、108、または110〜172のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項174

前記TH2細胞関連サイトカインが、IL−13、IL−4、IL−9、またはIL−5である、請求項173に記載の使用される薬剤。

請求項175

前記TH2経路阻害剤が、インターロイキン2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、ヤーヌスキナーゼ1(JAK1)、GATA結合タンパク質3(GATA3)、IL−9、IL−5、IL−13、IL−4、IL−33、OX40L、TSLP、IL−25、IL−9受容体、IL−5受容体、IL−4受容体アルファ、IL−13受容体アルファ1、IL−13受容体アルファ2、OX40、TSLP−R、IL−7Rアルファ、IL−17RB、ST2、CCR3、CCR4、CRTH2、Flap、Sykキナーゼ、CCR4、TLR9、またはGM−CSFを阻害する、請求項107、108、または110〜174のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項176

前記薬剤または組み合わせが、追加の治療剤との投与のために処方される、請求項106〜175のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項177

前記追加の治療薬が、コルチコステロイド、IL−33軸結合アンタゴニスト、TRPA1アンタゴニスト、気管支拡張剤または喘息症状抑制剤、免疫調節剤、チロシンキナーゼ阻害剤、及びホスホジエステラーゼ阻害剤からなる群から選択される、請求項176に記載の使用される薬剤。

請求項178

前記追加の治療薬が、コルチコステロイドである、請求項177に記載の使用される薬剤。

請求項179

前記コルチコステロイドが、吸入コルチコステロイドである、請求項177または178に記載の使用される薬剤。

請求項180

前記マスト細胞媒介性炎症性疾患が、喘息、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹(CSU)、全身性アナフィラキシー、マスト細胞症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性肺線維症(IPF)、及び好酸球性食道炎からなる群から選択される、請求項106〜179のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項181

前記マスト細胞媒介性炎症性疾患が喘息である、請求項180に記載の使用される薬剤。

請求項182

前記喘息が、中等度から重度の喘息である、請求項181に記載の使用される薬剤。

請求項183

前記喘息が、コルチコステロイドで制御されていない、請求項180〜182のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項184

前記喘息が、TH2−high喘息またはTH2−low喘息である、請求項180〜183のいずれか一項に記載の使用される薬剤。

請求項185

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置するための医薬の製造における、トリプターゼアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤の使用であって、(i)前記患者の前記遺伝子型が、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)前記患者の試料が、基準レベルのトリプターゼ以上のトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている、前記薬剤の使用。

請求項186

前記薬剤がトリプターゼアンタゴニストであり、前記医薬がIgEアンタゴニストとの投与のために処方される、請求項185に記載の使用。

請求項187

前記患者が、前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の前記2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、前記薬剤が単剤療法として使用するためのものである、請求項185または186に記載の使用。

請求項188

前記患者が、前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上の前記2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されており、前記薬剤がTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである、請求項185または186に記載の使用。

請求項189

マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置するための医薬の製造における、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストの使用であって、(i)前記患者の前記遺伝子型が、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)前記患者の試料が、トリプターゼの基準レベル未満のトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている、前記IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストの使用。

請求項190

前記患者が前記患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上の前記2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、前記IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストが追加のTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである、請求項189に記載の使用。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月9日に出願された米国仮出願第62/628,564号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0002

配列表
本出願は、ASCII形式電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2019年2月4日に作成された該ASCIIコピーは、50474−161WO2_Sequence_Listing_2.4.19_ST25という名称であり、47,396バイトのサイズである。

0003

本発明は、喘息を含むマスト細胞媒介性炎症性疾患治療法及び診断法に関する。

背景技術

0004

喘息は、気道アレルギー性炎症性疾患として基本的に説明されており、一時的で可逆的な気道閉塞臨床的な特徴としている。喘息におけるアレルギー性炎症のメディエーターを標的とするための治療根拠は、抗IL−5などの抗2型サイトカイン療法によって得られた臨床効果によって裏付けられてきた。これらの研究は、特に2型バイオマーカーに基づいて選択された対象において、2型経路を標的として有意義な臨床効果をもたらす治療戦略サポートしている。これらの進歩にもかかわらず、2型HIGH喘息、及び現在開発されている治療法の臨床効果が少ないと予想される2型バイオマーカーのレベルが低い喘息患者に対して、より大きな有効性を示す新たな喘息治療法の発見及び開発には依然として大きな関心が寄せられている。

0005

気道平滑筋のマスト細胞浸潤は、喘息の明確な病態生理学的特徴である。IgE/FcεRI依存性及びIgE/FcεRI非依存性メカニズムは、可溶性マスト細胞喘息メディエーターの放出を引き起こす。マスト細胞生物学を標的とする治療的重要性を示すため、抗IgEモノクローナル抗体療法であるXOLAIR(登録商標)(オマリズマブ)は、喘息増悪の軽減に効果的である。

0006

当該技術分野において、喘息及び他のマスト細胞媒介性炎症性疾患の改善された治療及び診断手法が依然として必要とされている。

0007

本発明は、とりわけ、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者処置する方法、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者が治療(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、Fcイプシロン受容体(FcεR)アンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療)に応答する可能性が高いかどうかを判定する方法、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者のための治療を選択する方法、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の応答を評価する方法、及びマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の応答をモニタリングする方法を特徴とする。

0008

一態様では、本発明は、(i)基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含む遺伝子型、または(ii)基準レベルのトリプターゼ以上である患者の試料中のトリプターゼの発現レベル、を有すると同定された、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法を特徴とし、該方法が、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者にトリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療を施すことを含む。

0009

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者がトリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法を特徴とし、該方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定することと、(b)患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数に基づいて、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いとして患者を同定することとを含み、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上の活性トリプターゼ対立遺伝子数は、該患者が該治療に応答する可能性が高いことを示す。

0010

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者がトリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法を特徴とし、該方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、トリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)患者の試料におけるトリプターゼの発現レベルに基づいて、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いとして患者を同定することとを含み、該試料のトリプターゼの発現レベルが基準レベルのトリプターゼ以上であることは、該患者が治療に応答する可能性が高いことを示す。

0011

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、患者に治療を施すことをさらに含む。

0012

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている。いくつかの実施形態では、薬剤は単剤療法として患者に投与される。

0013

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている。いくつかの実施形態では、本方法は、TH2経路阻害剤を患者に投与することをさらに含む。

0014

別の態様では、本発明は、(i)基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含む遺伝子型、または(ii)患者の試料においてトリプターゼの基準レベル未満のトリプターゼの発現レベル、を有すると同定された、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法を特徴とし、該方法は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者に、IgEアンタゴニストまたはFcイプシロン受容体(FcεR)アンタゴニストを含む治療を施すことを含む。

0015

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者がIgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法を特徴とし、該方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定することと、(b)患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数に基づいて、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いとして患者を同定することとを含み、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数は、患者が治療に応答する可能性が高いことを示す。

0016

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者がIgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いかどうかを決定する方法を特徴とし、該方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、トリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)患者の試料のトリプターゼの発現レベルに基づいて、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いとして患者を同定することとを含み、患者の試料においてトリプターゼの基準レベル未満であるトリプターゼの発現レベルは、患者が治療に応答する可能性が高いことを示す。

0017

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、患者に治療を施すことをさらに含む。

0018

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている。いくつかの実施形態では、本方法は、追加のTH2経路阻害剤を患者に投与することをさらに含む。

0019

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の治療を選択する方法を特徴とし、該方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定することと、(b)患者のために、(i)患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数が基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である場合、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療、または(ii)患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数が基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の場合、IgEアンタゴニストもしくはFcεRアンタゴニストを含む治療、を選択することと、を含む。

0020

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の治療を選択する方法を特徴とし、該方法は、(a)マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料において、トリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)患者のために、(i)患者の試料におけるトリプターゼの発現レベルがトリプターゼの基準レベル以上である場合、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療、または(ii)患者の試料におけるトリプターゼの発現レベルがトリプターゼの基準レベル未満である場合、IgEアンタゴニストもしくはFcεRアンタゴニストを含む治療、を選択することと、を含む。

0021

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、患者に(b)に従って選択した治療を施すことをさらに含む。

0022

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている。いくつかの実施形態では、薬剤は単剤療法として患者に投与される。

0023

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されており、該方法が、TH2経路阻害剤を含む併用療法を選択することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、TH2経路阻害剤(または追加のTH2経路阻害剤)を患者に投与することをさらに含む。

0024

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療による処置に対する応答を評価する方法を特徴とし、該方法は、(a)患者への、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療の適用中または適用後の時点でのマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の試料におけるトリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)試料中のトリプターゼの発現レベルと基準レベルのトリプターゼとの比較に基づいて、処置を維持、調整、または停止することとを含み、基準レベルと比較した患者の試料中のトリプターゼの発現レベルの変化は、治療による処置への応答を示す。いくつかの実施形態では、変化がトリプターゼの発現レベルの増加であり、処置が維持される。いくつかの実施形態では、変化がトリプターゼの発現レベルの低下であり、処置が調整または停止される。

0025

別の態様では、本発明は、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療により処置されたマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の応答をモニタリングする方法を特徴とし、該方法は、(a)患者への、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療の適用中または適用後の時点での該患者の試料におけるトリプターゼの発現レベルを決定することと、(b)患者の試料におけるトリプターゼの発現レベルをトリプターゼの基準レベルと比較することにより、治療による処置を受けている患者の応答をモニタリングすることとを含む。いくつかの実施形態では、変化がトリプターゼのレベルの増加であり、処置が維持される。いくつかの実施形態では、変化がトリプターゼの発現レベルの低下であり、処置が調整または停止される。

0026

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法において使用するための、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を特徴とし、(i)患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)患者の試料は、基準レベルのトリプターゼ以上であるトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、該薬剤は単剤療法として使用するためのものである。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されており、該薬剤はTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである。いくつかの実施形態では、トリプターゼアンタゴニストは、抗トリプターゼ抗体、例えば、本明細書に開示される抗トリプターゼ抗体のいずれかである。いくつかの実施形態では、IgEアンタゴニストは、抗IgE抗体、例えば、本明細書に開示される任意の抗IgE抗体である。

0027

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法において使用するための、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストから選択される薬剤を特徴とし、(i)患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)患者の試料は、トリプターゼの基準レベル未満のトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上の2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストは、追加のTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである。

0028

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置するための医薬の製造における、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤の使用を提供し、(i)患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)患者の試料は、基準レベルのトリプターゼ以上であるトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、該薬剤は単剤療法として使用するためのものである。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されており、該薬剤はTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである。いくつかの実施形態では、トリプターゼアンタゴニストは、抗トリプターゼ抗体、例えば、本明細書に開示される抗トリプターゼ抗体のいずれかである。いくつかの実施形態では、IgEアンタゴニストは、抗IgE抗体、例えば、本明細書に開示される抗IgE抗体のいずれかである。いくつかの実施形態では、トリプターゼアンタゴニストは、IgEアンタゴニストと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、薬剤はトリプターゼアンタゴニストであり、該医薬はIgEアンタゴニストとの投与のために処方される。

0029

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置するための医薬の製造における、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストの使用を提供し、(i)患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)患者の試料は、トリプターゼの基準レベル未満のトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上の2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストは、追加のTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである。

0030

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、活性トリプターゼ対立遺伝子数は、患者のゲノムTPSAB1及びTPSB2遺伝子座シークエンシングによって決定される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、サンガーシークエンシングまたは超並列シークエンシングである。いくつかの実施形態では、TPSAB1遺伝子座は、(i)5’−CTGGTTGCAAG GTG AAT GG−3’(配列番号31)のヌクレオチド配列を含む第1のフォワードプライマー及び5’−AGG TCC AGCACT CAG GAG GA−3’(配列番号32)のヌクレオチド配列を含む第1のリバースプライマーの存在下で対象の核酸増幅してTPSAB1アンプリコンを形成することと、(ii)TPSAB1アンプリコンをシークエンシングすることとを含む方法によってシークエンシングされる。いくつかの実施形態では、TPSAB1アンプリコンのシークエンシングには、第1のフォワードプライマー及び第1のリバースプライマーの使用が含まれる。いくつかの実施形態では、TPSB2遺伝子座は、(i)5’−GCAGGT GAGCCTGAG AGT CC−3’(配列番号33)のヌクレオチド配列を含む第2のフォワードプライマー及び5’−GGGACCTTCACC TGC TTC AG−3’(配列番号34)のヌクレオチド配列を含む第2のリバースプライマーの存在下で該対象の核酸を増幅してTPSB2アンプリコンを形成することと、(ii)TPSB2アンプリコンをシークエンシングすることとを含む方法によってシークエンシングされる。いくつかの実施形態では、TPSB2アンプリコンのシークエンシングは、第2のフォワードプライマーを使用することと、5’−CAG CCA GTG ACC CAG CAC−3’(配列番号35)のヌクレオチド配列を含むリバースプライマーをシークエンシングすることと、を含む。

0031

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、活性トリプターゼ対立遺伝子数は、以下の式:4−患者の遺伝子型におけるトリプターゼα及びトリプターゼβIIIフレームシフト(βIIIFS)対立遺伝子の数の合計で決定される。いくつかの実施形態では、トリプターゼアルファは、ヌクレオチド配列CTGCAGGCGGGCGTGGTCAGCTGGG[G/A]CGAGGGCTGTGCCCAGCCCAACCGG(配列番号36)を含むTPSAB1において、c733 G>A SNPを検出することにより検出され、c733 G>A SNPにおけるAの存在は、トリプターゼアルファを示す。いくつかの実施形態では、トリプターゼベータIIIFSは、ヌクレオチド配列CACACGGTCACCCTGCCCCCTGCCTCAGAGACCTTCCCCCCC(配列番号37)を含むTPSB2でのc980_981insC変異を検出することにより検出される。

0032

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者の群において決定される。いくつかの実施形態では、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数は3である。

0033

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は、3または4の活性トリプターゼ対立遺伝子数を有する。

0034

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は、0、1、または2の活性トリプターゼ対立遺伝子数を有する。

0035

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、トリプターゼは、トリプターゼベータI、トリプターゼベータII、トリプターゼベータIII、トリプターゼアルファI、またはこれらの組み合わせである。

0036

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、トリプターゼの発現レベルは、タンパク質の発現レベルである。いくつかの実施形態では、トリプターゼのタンパク質発現レベルは、活性トリプターゼの発現レベルである。いくつかの実施形態では、トリプターゼのタンパク質発現レベルは、総トリプターゼの発現レベルである。いくつかの実施形態では、タンパク質発現レベルは、免疫アッセイ酵素結合免疫吸着測定法ELISA)、ウェスタンブロット、または質量分析法を使用して測定される。いくつかの実施形態では、トリプターゼの発現レベルは、mRNAの発現レベルである。いくつかの実施形態では、mRNA発現レベルは、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)法またはマイクロアレイチップを使用して測定される。いくつかの実施形態では、PCR法はqPCRである。

0037

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、トリプターゼの基準レベルは、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する個体の群において決定されたレベルである。いくつかの実施形態では、トリプターゼの基準レベルは、中央値である。

0038

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、患者の試料は、血液試料組織試料試料、細気管支洗浄液試料、粘膜被覆液(MLF)試料、気管支吸着試料、及び経鼻吸収試料からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、血液試料は、全血試料血清試料血漿試料、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、血液試料は、血清試料または血漿試料である。

0039

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、薬剤はトリプターゼアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、トリプターゼアンタゴニストは、トリプターゼアルファアンタゴニストまたはトリプターゼベータアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、トリプターゼアンタゴニストは、トリプターゼベータアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、トリプターゼベータアンタゴニストは、抗トリプターゼベータ抗体またはその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体は次の6つの超可変領域HVR):(a)DYGMVのアミノ酸配列(配列番号1)を含むHVR−H1、(b)FISSGSSTVYYADTMKGのアミノ酸配列(配列番号2)を含むHVR−H2、(c)RNYDDWYFDVのアミノ酸配列(配列番号3)を含むHVR−H3、(d)SASSSVTYMYのアミノ酸配列(配列番号4)を含むHVR−L1、(e)RTSDLASのアミノ酸配列(配列番号5)を含むHVR−L2、及び(f)QHYHSYPLTのアミノ酸配列(配列番号6)を含むHVR−L3、で構成されている。いくつかの実施形態では、抗体は、(a)配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)のようなVHドメイン及び(b)のようなVLドメイン、を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは配列番号7のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLドメインは配列番号8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは配列番号7のアミノ酸配列を含み、VLドメインは配列番号8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖及び(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖及び(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は次の6つのHVR:(a)GYAITのアミノ酸配列(配列番号12)を含むHVR−H1、(b)GISSAATTFYSSWAKSのアミノ酸配列(配列番号13)を含むHVR−H2、(c)DPRGYGAALDRLDLのアミノ酸配列(配列番号14)を含むHVR−H3、(d)QSIKSVNNRLGのアミノ酸配列(配列番号15)を含むHVR−L1、(e)ETSILTSのアミノ酸配列(配列番号16)を含むHVR−L2、及び(f)AGGFDRSGDTTのアミノ酸配列(配列番号17)を含むHVR−L3、で構成されている。いくつかの実施形態では、抗体は、(a)配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)のようなVHドメイン及び(b)のようなVLドメイン、を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは配列番号18のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLドメインは配列番号19のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは配列番号18のアミノ酸配列を含み、VLドメインは配列番号19のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、(a)配列番号20のアミノ酸配列を含む重鎖及び(b)配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、(a)配列番号22のアミノ酸配列を含む重鎖及び(b)配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、治療はIgEアンタゴニストをさらに含む。

0040

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、薬剤はFcεRアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、FcεRアンタゴニストは、ブルトンチロシンキナーゼBTK)阻害剤である。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、GDC−0853、アカラブルチニブ、GS−4059、スペブルチニブ、BGB−3111、またはHM71224である。いくつかの実施形態では、薬剤は、IgE+B細胞枯渇抗体である。いくつかの実施形態では、IgE+B細胞枯渇抗体は抗M1’ドメイン抗体である。

0041

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、薬剤はマスト細胞または好塩基球枯渇抗体である。

0042

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、薬剤はPAR2アンタゴニストである。

0043

本明細書に開示される態様のいずれかのいくつかの実施形態では、治療または組み合わせは、トリプターゼアンタゴニスト(例えば、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれかを含む抗トリプターゼ抗体)及びIgEアンタゴニスト(例えば、本明細書に記載される抗IgE抗体のいずれか、例えば、オマリズマブ(例えば、XOLAIR(登録商標))を含む抗IgE抗体)を含む。

0044

本明細書に開示される態様のいずれかのいくつかの実施形態では、薬剤はIgEアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、IgEアンタゴニストは抗IgE抗体である。いくつかの実施形態では、抗IgE抗体は、IgE遮断抗体及び/またはIgE枯渇抗体である。いくつかの実施形態では、抗IgE抗体は次の6つのHVR:(a)GYSWNのアミノ酸配列(配列番号40)を含むHVR−H1、(b)SITYDGSTNYNPSVKGのアミノ酸配列(配列番号41)を含むHVR−H2、(c)GSHYFGHWHFAVのアミノ酸配列(配列番号42)を含むHVR−H3、(d)RASQSVDYDGDSYMNのアミノ酸配列(配列番号43)を含むHVR−L1、(e)AASYLESのアミノ酸配列(配列番号44)を含むHVR−L2、及び(f)QQSHEDPYTのアミノ酸配列(配列番号45)を含むHVR−L3、で構成されている。いくつかの実施形態では、抗IgE抗体は、(a)配列番号38のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号39のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)のようなVHドメイン及び(b)のようなVLドメイン、を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは配列番号38のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLドメインは配列番号39のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは配列番号38のアミノ酸配列を含み、VLドメインは配列番号39のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗IgE抗体は、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))またはXmAb7195である。いくつかの実施形態では、抗IgE抗体は、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))である。

0045

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、2型バイオマーカーは、TH2細胞関連サイトカイン、ペリオスチン好酸球数、好酸球シグネチャー、FeNO、またはIgEである。いくつかの実施形態では、TH2細胞関連サイトカインは、IL−13、IL−4、IL−9、またはIL−5である。いくつかの実施形態では、TH2経路阻害剤は、インターロイキン誘導性細胞キナーゼ(ITK)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、ヤーヌスキナーゼ1(JAK1)(例えば、ルキソリチニブ、トファシチニブ、オクラシチニブ、バリシチニブ、フィルゴチニブ、ガンドチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、ウパダシチニブ、ペフィシチニブ、及びフェドラチニブ)、GATA結合タンパク質3(GATA3)、IL−9(例えば、MEDI−528)、IL−5(例えば、メポリズマブCAS番号196078−29−2;レシリズマブ)、IL−13(例えば、IMA−026、IMA−638(別名アンキンズマブ、INN番号910649−32−0;QAX−576;IL−4/IL−13トラップ)、トラロキヌマブ(別名CAT−354、CAS番号1044515−88−9);AER−001、ABT−308(別名ヒト化13C5.5抗体)、IL−4(例えば、AER−001、IL−4/IL−13トラップ)、OX40L、TSLP、IL−25、IL−33、及びIgE(例えば、XOLAIR(登録商標)、QGE−031;及びMEDI−4212);ならびに受容体、例えば、IL−9受容体、IL−5受容体(例えば、MEDI−563(ベンラリズマブ、CAS番号1044511−01−4))、IL−4受容体アルファ(例えば、AMG−317、AIR−645)、IL−13受容体アルファ1(例えば、R−1671)及びIL−13受容体アルファ2、OX40、TSLP−R、IL−7Rアルファ(TSLPの補助受容体)、IL−17RB(IL−25の受容体)、ST2(IL−33の受容体)、CCR3、CCR4、CRTH2(例えば、AMG−853、AP768、AP−761、MLN6095、ACT129968)、FcεRI、FcεRII/CD23(IgEの受容体)、Flap(例えば、GSK2190915)、Sykキナーゼ(R−343、PF3526299);CCR4(AMG−761)、TLR9(QAX−935)、ならびにCCR3、IL−5、IL−3、及びGM−CSFマルチサイトイン阻害剤(例えば、TPI ASM8)から選択される標的のいずれかを阻害する。

0046

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、追加の治療薬を患者に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、コルチコステロイド、IL−33軸結合アンタゴニスト、TRPA1アンタゴニスト、気管支拡張剤または喘息症状抑制剤免疫調節剤チロシンキナーゼ阻害剤、及びホスホジエステラーゼ阻害剤からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、コルチコステロイドである。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、吸入コルチコステロイドである。

0047

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、マスト細胞媒介性炎症性疾患は、喘息、アトピー性皮膚炎慢性蕁麻疹(CSU)、全身性アナフィラキシー、マスト細胞症、慢性閉塞性肺疾患COPD)、特発性肺線維症(IPF)、及び好酸球性食道炎からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、マスト細胞媒介性炎症性疾患は喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は中等度から重度の喘息である。いくつかの実施形態では、喘息はコルチコステロイドで制御されていない。いくつかの実施形態では、喘息は、TH2 high喘息またはTH2 low喘息である。

0048

別の態様では、本発明は、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を同定するためのキットを特徴とし、本キットは、(a)患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定するため、または患者の試料中のトリプターゼの発現レベルを決定するための試薬と、任意で、(b)トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療に応答する可能性が高いマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を同定するために当該試薬を使用するための指示書と、を含む。いくつかの実施形態では、薬剤はトリプターゼアンタゴニストであり、治療はIgEアンタゴニストをさらに含む。いくつかの実施形態では、治療はトリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニストを含む。

0049

別の態様では、本発明は、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を同定するためのキットを特徴とし、本キットは、(a)患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定するため、または患者の試料中のトリプターゼの発現レベルを決定するための試薬と、任意で、(b)IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストを含む治療に応答する可能性が高いマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を同定するために当該試薬を使用するための指示書と、を含む。

0050

前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本キットは、患者の試料において2型バイオマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む。

0051

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法において使用するための、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を特徴とし、(i)患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)患者の試料は、基準レベルのトリプターゼ以上であるトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、該薬剤は単剤療法として使用するためのものである。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されており、該薬剤はTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである。

0052

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法において使用するための、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストから選択される薬剤を特徴とし、(i)患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)患者の試料は、トリプターゼの基準レベル未満のトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上の2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストは、追加のTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである。

0053

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置するための医薬の製造における、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤の使用を提供し、(i)患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)患者の試料は、基準レベルのトリプターゼ以上であるトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、該薬剤は単剤療法として使用するためのものである。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されており、該薬剤はTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである。

0054

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置するための医薬の製造における、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストの使用を提供し、(i)患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数未満の活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)患者の試料は、トリプターゼの基準レベル未満のトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。いくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である2型バイオマーカーのレベルを有すると決定されており、IgEアンタゴニストまたはFcεRアンタゴニストは、追加のTH2経路阻害剤と組み合わせて使用するためのものである。

図面の簡単な説明

0055

中程度から重度の喘息患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を示すグラフである。活性トリプターゼ対立遺伝子数は、BOBCAT、EXTRA、及びMILLYの中等度から重度の喘息の対象のバープロットによってプロットされる。
図2A及び2Bは、全末梢トリプターゼタンパク質レベルが中程度から重度の喘息におけるトリプターゼコピー数と関連していることを示す一連のグラフである。タンパク質量的形質連鎖(pQTL)解析は、BOBCATから血漿総トリプターゼ(図2A)及びMILLY研究から血清総トリプターゼ(図2B)に対して行った。線形回帰線(95%CI)は灰色の網掛けで示される。線形回帰からのr2のP値は、プロットに注釈が付与される。r2は線形回帰の決定係数であり、0から1までの値をとる;値の増加は、独立変数によって説明される分散の割合を示す。
活性トリプターゼコピー数に基づく抗IgE療法(オマリズマブ(Xolair(登録商標)))から喘息FEV1の処置効果を示す一連のグラフである。ベースラインからのFEV1パーセントの変化は、活性トリプターゼ対立遺伝子数に基づいたEXTRA試験の対象において評価した(左パネル、1または2;右パネル、3または4)。
4A〜4Cは、2型喘息のバイオマーカーが、中等度から重度の喘息の活性トリプターゼ対立遺伝子数と相関しないことを示す一連のグラフである。2型バイオマーカーの血清ペリオスチン(図4A)、呼気一酸化窒素(FeNO)(図4B)、及び血中好酸球数(図4C)のレベルを、BOBCAT、EXTRA、及びMILLYの中等度から重度の喘息コホートの活性トリプターゼ数に関して評価した。

0056

I.定義
本明細書で使用される「約」という用語は、当業者であれば容易に理解するそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」の値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつそれについて記載する)。

0057

「バイオマーカー」及び「マーカー」は、本明細書で互換的に使用され、DNA、RNA、タンパク質、炭水化物、または糖脂質分子マーカーを指し、その発現または存在は、対象または患者の試料において、標準的な方法(または本明細書に開示の方法)によって検出することができ、例えば、哺乳動物対象の処置に対する応答もしくは感度の可能性を特定するため、または処置に対する対象の応答をモニタリングするために、例えば有用である。そのようなバイオマーカーの発現は、基準レベル(例えば、患者(例えば、喘息患者)の群/母集団の試料におけるバイオマーカーの発現レベルの中央値、対照個体(例えば、健康な個体)の群/母集団の試料におけるバイオマーカーのレベル、または、以前に個体から事前に取得した試料のレベルを含む)よりも治療に応答する可能性が高いまたは低い患者から得られた試料においてより高いまたはより低いと決定され得る。特定の実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、活性トリプターゼ対立遺伝子数またはトリプターゼの発現レベルである。

0058

本明細書で使用される場合、「トリプターゼ」は、別途指定されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む任意の脊椎動物由来の任意の天然トリプターゼを指す。トリプターゼはまた、マスト細胞トリプターゼ、マスト細胞プロテアーゼII、皮膚トリプターゼ、トリプターゼ、下垂体トリプターゼ、マスト細胞中性プロテイナーゼ、及びマスト細胞セリンプロテイナーゼIIとして当技術分野で知られている。「トリプターゼ」という用語は、トリプターゼアルファ(TPSAB1によってヒトにおいてコードされている)、トリプターゼベータ(TPSAB1及びTPSB2によってヒトにおいてコードされている、以下を参照)、トリプターゼデルタ(TPSD1によってヒトにおいてコードされている)、トリプターゼガンマ(TPSG1によってヒトにおいてコードされている)、及びトリプターゼイプシロン(PRSS22によってヒトにおいてコードされている)を包含する。トリプターゼアルファ(α)、ベータ(β)、及びガンマ(γ)タンパク質は可溶性であるが、トリプターゼイプシロン(ε)タンパク質は膜固定型である。トリプターゼのベータ及びガンマは、特異性は異なるが、活性セリンプロテアーゼである。トリプターゼアルファ及びデルタ(δ)タンパク質は、典型的な活性セリンプロテアーゼとは異なる重要な位置に残基があるため、主に不活性プロテアーゼである。例示的なトリプターゼアルファ完全長タンパク質配列は、NCBIGenBank受託番号ACZ98910.1で入手できる。例示的なトリプターゼガンマ完全長タンパク質配列は、Uniprot受託番号Q9NRR2またはGenBank受託番号Q9NRR2.3、AAF03695.1、NP_036599.3、またはAAF76457.1で入手できる。例示的なトリプターゼデルタ完全長タンパク質配列は、Uniprot受託番号Q9BZJ3またはGenBank受託番号NP_036349.1で入手できる。いくつかのトリプターゼ遺伝子は、ヒト染色体16p13.3に集まっている。この用語は、「完全長」のプロセシングされていないトリプターゼ、及び細胞内でのプロセシングから生じる任意の形態のトリプターゼを包含する。トリプターゼベータはマスト細胞で発現する主要なトリプターゼであるが、一方、トリプターゼアルファは好塩基球で発現する主要なトリプターゼである。トリプターゼアルファ及びトリプターゼベータは、典型的には、約30のアミノ酸リーダー配列及び約245のアミノ酸の触媒配列を含む(例えば、Schwartz,Immunol.Allergy Clin.N.Am.26:451−463,2006を参照のこと)。

0059

本明細書で使用される場合、「トリプターゼベータ」は、別途指定されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む任意の脊椎動物源由来の任意の天然トリプターゼベータを指す。トリプターゼベータは、マスト細胞分泌顆粒の主成分であるセリンプロテアーゼである。本明細書で使用される場合、本用語は、トリプターゼベータ1(トリプターゼアルファ1もコードされている、TPSAB1遺伝子によってコードされる)、トリプターゼベータ2(TPSB2遺伝子によってコードされている)、及びトリプターゼベータ3(TPSB2遺伝子によってもコードされている)を包含する。例示的なヒトトリプターゼベータ1配列は、配列番号23に示される(GenBank受託番号NP_003285.2も参照)。例示的なヒトトリプターゼベータ2配列は、配列番号24に示される(GenBank受託番号AAD13876.1も参照)。例示的なヒトトリプターゼベータ3配列は、配列番号25に示される(GenBank受託番号NP_077078.5も参照)。トリプターゼベータという用語は、「完全長」のプロセシングされていないトリプターゼベータ、及びタンパク質分解プロセシングを含む翻訳後修飾から生じるトリプターゼベータを包含する。完全長のプロトリプターゼベータは、2つのタンパク質分解テップでプロセシングされると考えられている。第1に、R−3での自己触媒的分子間切断が、特に酸性pHで、ポリアニオン(例えば、ヘパリンまたは硫酸デキストラン)の存在下で発生する。次に、残りのプロジペプチドが除去される(おそらくジペプチジルペプチダーゼIによる)。完全長ヒトトリプターゼベータ1については、以下の配列番号23を参照すると、下線が引かれたアミノ酸残基は天然のリーダー配列に対応し、太字及び灰色の影付きのアミノ酸残基はプロドメインに対応し、それは切断されて成熟タンパク質を形成する(例えば、Sakai et al.J.Clin.Invest.97:988−995,1996を参照のこと)

0060

成熟した、酵素活性トリプターゼベータは、典型的には、ホモ四量体またはヘテロ四量体であるが、活性単量体報告されている(例えば、Fukuoka et al.J.Immunol.176:3165,2006を参照のこと)。トリプターゼベータ四量体サブユニットは、サブユニット間疎水性及び極性相互作用によって一緒になり、ポリアニオン(特にヘパリン及び硫酸デキストラン)によって安定化される。トリプターゼという用語は、トリプターゼ四量体またはトリプターゼ単量体を指すことができる。成熟ヒトトリプターゼベータ1、ベータ2、及びベータ3の例示的な配列は、それぞれ配列番号26、配列番号27、及び配列番号28に示される。各サブユニットの活性部位は、四量体の中心孔に面し、それは約50×30オングストロームである(例えば、Pereira et al.Nature 392:306−311,1998を参照のこと)。中心孔のサイズは、典型的には、阻害剤によって活性部位のアクセスを制限する。トリプターゼベータの例示的な基質としては、これらに限定されないが、PAR2、C3、フィブリノーゲンフィブロネクチン、及びキニノーゲンが挙げられる。

0061

オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」は、互換的に使用され、2つ以上のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、好ましくは3つ超で構成される分子を指す。その正確なサイズは多くの因子に依存することになり、これらの因子は今度はオリゴヌクレオチドの根本的な機能または使用に依存する。オリゴヌクレオチドは、合成またはクローニングによってもたらされ得る。デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドのキメラも、本発明の範囲内であり得る。

0062

「遺伝子型」という用語は、個体または試料中に含有される遺伝子の対立遺伝子の説明を指す。本発明の文脈において、個体の遺伝子型と個体から得られる試料の遺伝子型とは区別しない。典型的には、遺伝子型は2倍体細胞の試料から決定されるが、遺伝子型は1倍体細胞、例えば精子細胞の試料から決定することもできる。

0063

集団内で複数の配列が可能であるゲノム内のヌクレオチド位置を、本明細書では「多型」または「多型部位」と呼ぶ。多型部位は、例えば、2つ以上のヌクレオチドのヌクレオチド配列、挿入されたヌクレオチドまたはヌクレオチド配列、欠失したヌクレオチドまたはヌクレオチド配列、またはマイクロサテライトであり得る。長さがヌクレオチド2個以上である多型部位は、ヌクレオチド配列の全てまたは一部が領域内で異なる場合、長さがヌクレオチド3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個以上、20個以上、30個以上、50個以上、75個以上、100個以上、500個以上、または約1000個であり得る。

0064

一塩基多型」または「SNP」は、遺伝的変異性につながるDNA配列内の一塩基置換を指す。一塩基多型は、遺伝子のいずれの領域でも生じ得る。場合によっては、この多型は、タンパク質配列の変化をもたらし得る。タンパク質配列の変化は、タンパク質機能に影響する場合もしない場合もある。

0065

多型部位に2個、3個、または4個の代替ヌクレオチド配列がある場合、各ヌクレオチド配列は「多型バリアント」または「核酸バリアント」と呼ばれる。DNA配列で可能な各バリアントは、「対立遺伝子」と呼ばれる。典型的には、最初に同定された対立遺伝子型は任意に参照型として指定され、他の対立遺伝子型は代替またはバリアント対立遺伝子として指定される。

0066

「活性トリプターゼ対立遺伝子数」という用語は、対象の遺伝子型における活性トリプターゼ対立遺伝子の数を指す。いくつかの実施形態では、TPSAB1及びTPSB2の不活化変異を説明することにより、活性トリプターゼ対立遺伝子数を推定することができる。各2倍体対象は、TPSAB1及びTPSB2のそれぞれに2つのコピーを持っているため、活性トリプターゼ対立遺伝子数は、式4−対象の遺伝子型におけるトリプターゼアルファ及びトリプターゼベータIIIフレームシフト(ベータIIIFS)対立遺伝子の数の合計に従って決定することができる。いくつかの実施形態では、対象の活性トリプターゼ対立遺伝子数は、0〜4の範囲の整数(例えば、0、1、2、3、または4)である。

0067

「基準活性トリプターゼ対立遺伝子数」という用語は、例えば、診断予測、予後、及び/または治療決定を行うために、別の活性トリプターゼ対立遺伝子数と比較される活性トリプターゼ対立遺伝子数を指す。基準活性トリプターゼ対立遺伝子数は、基準試料、基準母集団、及び/または事前に割り当てられた値(例えば、個体の第1のサブセットを個体の第2のサブセットから有意に(例えば、統計学的に有意に)分離するために事前に決定されたカットオフ値(例えば、治療(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、FcεRアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む治療)への応答に関して)において決定することができる。いくつかの実施形態では、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数は所定の値である。一実施形態における基準活性トリプターゼ対立遺伝子数は、患者が属する疾患単位(例えば、喘息などのマスト細胞媒介性炎症性疾患)において予め決定されている。ある特定の実施形態では、活性トリプターゼ対立遺伝子数は、調査された疾患単位または所与の母集団における値の全体的な分布から決定される。いくつかの実施形態では、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数は、0〜4の範囲の整数(例えば、0、1、2、3、または4)である。特定の実施形態では、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数は3である。

0068

「レベル」、「発現のレベル」、または「発現レベル」という用語は、互換的に使用され、概して、生体試料中のポリヌクレオチドまたはアミノ酸産物またはタンパク質の量を指す。「発現」は、概して、遺伝子コード情報が、細胞内に存在し作動する構造体内に転換されるプロセスを指す。したがって、本発明によると、遺伝子の「発現」は、ポリヌクレオチドへの転写、タンパク質への翻訳、またはさらにタンパク質の翻訳後修飾を指してもよい。転写されたポリヌクレオチドのフラグメント、翻訳されたタンパク質、または翻訳後修飾されたタンパク質も、それらが、選択的スプライシングにより生成された転写産物、または劣化した転写産物、または例えば、タンパク質分解によるタンパク質の翻訳後プロセシングに由来するかどうかにかかわらず、発現されたと見なされよう。「発現遺伝子」には、mRNAとしてポリヌクレオチドへと転写され、次いでタンパク質へと翻訳されるものと、さらにRNAへと転写されるがタンパク質へと翻訳されないもの(例えば、トランスファーRNA及びリボソームRNA)とが含まれる。

0069

ある特定の実施形態では、本明細書の「基準レベル」という用語は、所定の値を指す。当業者であれば理解するように、基準レベルは、例えば、特異性及び/または感度の観点における要件を満たすように事前に決定され、設定される。これらの要件は、例えば、規制機関ごとに異なり得る。例えば、アッセイの感度または特異性は、それぞれ、特定の限界、例えば、80%、90%、または95%に設定する必要があり得る。これらの要件は、正または負の予測値の観点から定義されてもよい。とはいえ、本発明において与えられる教示に基づき、それらの要件に合う基準レベルに達することは常に可能である。一実施形態では、基準レベルは健康な個体において決定される。一実施形態における基準値は、患者が属する疾患単位(例えば、喘息などのマスト細胞媒介性炎症性疾患)において予め決定されている。ある特定の実施形態では、基準レベルは、調査された疾患単位の値の全体的な分布の25%〜75%など、任意のパーセンテージに設定することができる。他の実施形態では、基準レベルは、例えば、調査された疾患単位または所与の母集団における値の全体的な分布から決定される中央値、三分位数四分位数、または五分位数に設定することができる。一実施形態では、基準レベルは、調査された疾患単位における値の全体的な分布から決定して、中央値に設定される。一実施形態では、基準レベルは患者の性別によって異なってもよく、例えば、男性女性は異なる基準レベルを有してもよい。

0070

ある特定の実施形態では、「基準レベルにある」という用語は、本明細書に記載の方法によって基準試料から検出されたレベルと同じであるマーカー(例えば、トリプターゼ)のレベルを指す。

0071

ある特定の実施形態では、「増加する」または「超える」という用語は、基準レベルにあるレベル、または基準試料からのレベルと比較して、本明細書に記載の方法によって検出されたマーカー(例えば、トリプターゼ)のレベルにおける、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、100%またはそれ以上の全体的な増加を指す。

0072

ある特定の実施形態では、本明細書の「減少する」または「下回る」という用語は、基準レベルを下回るレベル、または基準試料からのレベルと比較して、本明細書に記載の方法によって検出されたマーカー(例えば、トリプターゼ)のレベルにおける、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の全体的な低下を指す。

0073

障害」または「疾患」は、本発明の方法を用いる処置または診断の恩恵を受け得る任意の状態である。これには、哺乳動物を問題の障害に罹患しやすくする病理学的状態を含む慢性及び急性障害または疾患が含まれる。本明細書で処置される障害の例には、喘息などのマスト細胞媒介性炎症性疾患が含まれる。

0075

いくつかの実施形態では、喘息は、生命脅かす可能性のある症状の悪化(増悪または再燃)の急性事象を伴う持続性慢性重症喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は、アトピー性アレルギー性とも呼ばれる)喘息、非アレルギー性喘息(例えば、多くの場合呼吸器ウイルス(例えば、インフルエンザパラインフルエンザライノウイルスヒトメタニューモウイルス、及び呼吸器合胞体ウイルス)による感染または吸入刺激物(例えば、大気汚染物質スモッグディーゼル粒子揮発性化学物質、及び屋内または屋外ガス、または冷たい乾燥空気によるもの)によって引き起こされる)である。

0076

いくつかの実施形態では、喘息は、断続的または運動誘発性であり、急性もしくは慢性的な主流「煙」もしくは副流「煙」(通常はタバコ葉巻、またはパイプ)への曝露、吸入もしくは「ベイピング」(タバコ、マリファナ、または他の同様の物質)による喘息、またはアスピリンもしくは関連する非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の直近の摂取によって引き起こされる喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は、軽度、またはコルチコステロイドナイーブ喘息、新たに診断された未処置の喘息、または症状(喘鳴息切れ(shortness of breath)/息切れ(breathlessness)、または胸痛)を制御するために局所もしくは全身吸入ステロイドの慢性的な使用を前もって必要としないものである。いくつかの実施形態では、喘息は、慢性の、コルチコステロイド耐性喘息、コルチコステロイド難治性喘息、コルチコステロイドまたは他の慢性喘息制御薬では制御できない喘息である。

0077

いくつかの実施形態では、喘息は中等度から重度の喘息である。ある特定の実施形態では、喘息はTH2−high喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は重度の喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は、アトピー性喘息、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息(例えば、感染症及び/または呼吸器多核体ウイルス(RSV)による)、運動誘発性喘息、アスピリン感受性憎悪型喘息、軽度喘息、中等度から重度の喘息、コルチコステロイドナイーブ喘息、慢性喘息、コルチコステロイド耐性喘息、コルチコステロイド抵抗性喘息、新たに診断された未処置の喘息、喫煙による喘息、コルチコステロイドで制御されない喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は好酸球性喘息である。いくつかの実施形態では、喘息はアレルギー性喘息である。いくつかの実施形態では、個体は好酸球性炎症陽性EIP)であると決定されている。WO2015/061441を参照のこと。いくつかの実施形態では、喘息は、ペリオスチン−high喘息である(例えば、血清1mlあたり少なくとも約20ng、25ng、または50ngのいずれかのペリオスチンレベルを有する)。いくつかの実施形態では、喘息は好酸球−high喘息である(例えば、少なくとも血液1mlあたり約150、200、250、300、350、400好酸球数のいずれか)。いくつかの実施形態では、個体は好酸球性炎症陰性(EIN)であると決定されている。WO2015/061441を参照のこと。いくつかの実施形態では、喘息は、ペリオスチン−low喘息である(例えば、血清1mlあたり少なくとも約20ng未満のペリオスチンレベルを有する)。いくつかの実施形態では、喘息は好酸球−low喘息である(例えば、血液1μlあたり約150未満の好酸球数または血液1μlあたり約100未満の好酸球数)。

0078

本明細書で使用される「TH2−high喘息」という用語は、高レベルの1つもしくは複数のTH2細胞関連サイトカイン、例えばIL−13、IL−4、IL−9、もしくはIL−5を示す喘息、またはTH2サイトカイン関連炎症を示す喘息を指す。ある特定の実施形態では、用語TH2−high喘息は、好酸球−high喘息、2型ヘルパーTリンパ球−high、2型−high、またはTH2駆動喘息と互換的に使用され得る。いくつかの実施形態では、喘息患者は好酸球性炎症陽性(EIP)であると決定されている。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願公開番号WO2015/061441を参照のこと。ある特定の実施形態では、個体は、対照または基準レベルと比較して、好酸球シグネチャー遺伝子の少なくとも1つのレベルが上昇していると決定されている。WO2015/061441を参照のこと。ある特定の実施形態では、TH2−high喘息はペリオスチン−high喘息である。いくつかの実施形態では、個体は血清ペリオスチンが高い。ある特定の実施形態では、個体は18以上である。ある特定の実施形態では、個体は、対照または基準レベルと比較して、血清ペリオスチンのレベルが上昇していると決定されている。ある特定の実施形態では、対照または基準レベルは、母集団におけるペリオスチンの中央値レベルである。ある特定の実施形態では、個体は、20ng/ml以上の血清ペリオスチンを有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、25ng/ml以上の血清ペリオスチンを有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、50ng/ml以上の血清ペリオスチンを有すると決定されている。ある特定の実施形態では、血清ペリオスチンの対照または基準レベルは、20ng/ml、25ng/ml、または50ng/mlである。ある特定の実施形態では、喘息は好酸球−high喘息である。ある特定の実施形態では、個体は、対照または基準レベルと比較して、好酸球数が上昇していると決定されている。ある特定の実施形態では、対照または基準レベルは、母集団の中央値レベルである。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり150以上の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり200以上の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり250以上の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり300以上の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり350以上の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり400以上の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり450以上の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり500以上の好酸球数を有すると決定されている。ある好ましい実施形態では、個体は、血液1μlあたり300以上の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、好酸球は末梢血好酸球である。ある特定の実施形態では、好酸球は痰好酸球である。ある特定の実施形態では、個体は、高レベルのFeNO(呼気硝酸)及び/または高レベルのIgEを示す。例えば、場合によっては、個体は、約250パーツ・パー・ビリオン(ppb)を超える、約275ppbを超える、約300ppbを超える、約325ppbを超える、約325ppbを超える、または約350ppbを超えるFeNOレベルを示す。場合によっては、個体は50IU/mlを超えるIgEレベルを有する。TH2−high喘息の概説については、Fajt et al.J.Allergy Clin.Immunol.135(2):299−310,2015を参照のこと。

0079

本明細書で使用される「TH2−low喘息」または「非TH2−high喘息」という用語は、低レベルの1つもしくは複数のTH2細胞関連サイトカイン、例えばIL−13、IL−4、IL−9、もしくはIL−5を示す喘息、または非TH2サイトカイン関連炎症を示す喘息を指す。ある特定の実施形態では、用語TH2−low喘息は、好酸球−low喘息と互換的に使用され得る。いくつかの実施形態では、喘息患者は好酸球性炎症陰性(EIN)であると決定されている。例えば、WO2015/061441を参照のこと。ある特定の実施形態では、TH2−low喘息はペリオスチン−low喘息である。ある特定の実施形態では、個体は18歳以上である。ある特定の実施形態では、個体は、対照または基準レベルと比較して、血清ペリオスチンのレベルが低下していると決定されている。ある特定の実施形態では、対照または基準レベルは、母集団におけるペリオスチンの中央値レベルである。ある特定の実施形態では、個体は、20ng/ml未満の血清ペリオスチンを有すると決定されている。ある特定の実施形態では、喘息は好酸球−low喘息である。ある特定の実施形態では、個体は、対照または基準レベルと比較して、好酸球数が減少していると決定されている。ある特定の実施形態では、対照または基準レベルは、母集団の中央値レベルである。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり150未満の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり100未満の好酸球数を有すると決定されている。ある特定の実施形態では、個体は、血液1μlあたり300未満の好酸球数を有すると決定されている。

0080

本明細書で使用される場合、「2型バイオマーカー」は、TH2炎症と関連しているバイオマーカーを指す。2型バイオマーカーの非限定的な例には、TH2細胞関連サイトカイン(例えば、IL−13、IL−4、IL−9、またはIL−5)、ペリオスチン、好酸球数、好酸球シグネチャー、FeNO、またはIgEが挙げられる。

0081

「投与する」という用語は、患者(例えば、喘息などのマスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者)への組成物の投与を意味する。本明細書に記載の方法において利用される組成物は、例えば、非経口的、腹腔内、筋肉内、静脈内、皮内、経皮的、動脈内、病巣内頭蓋内、関節内、前立腺内胸膜内気管内、くも膜下腔内鼻腔内、内、直腸内、局所的、腫瘍内、腹腔内、皮下的結膜下膀胱内、粘膜、心膜内臍帯内、眼内、眼窩内、経口、局所、経皮、硝子体内眼窩周囲、結膜テノン嚢下、前房内、網膜下、球後、小管内、吸入により、注射により、埋め込みにより、注入により、持続的注入により、標的細胞を直接的に浸す局所灌流により、カテーテルにより、洗浄により、クリームで、または脂質組成物で、投与することができる。非経口投与には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。本明細書に記載の方法において利用される組成物は、全身的または局所的に投与されてもよい。投与方法は、様々な要因(例えば、投与される化合物または組成物、及び処置される状態、疾患、または障害の重症度)に応じて多様であり得る。

0082

「治療薬」または「薬剤」という用語は、疾患、例えばマスト細胞媒介性炎症性疾患、例えば喘息を処置するために使用される任意の薬剤を指す。治療薬は、例えば、ポリペプチド複数可)(例えば、抗体、イムノアドヘシン、またはペプチボディ)、アプタマー、タンパク質に結合することができる小分子、または標的をコードする核酸分子に結合することができる核酸分子(例えば、siRNA)などであり得る。

0083

「阻害剤」及び「アンタゴニスト」という用語は、本明細書で互換的に使用され、結合する分子の生物学的活性を阻害または低減する化合物または薬剤を指す。阻害剤には、抗体、合成または天然配列ペプチド、イムノアドヘシン、及び例えばトリプターゼまたはIgEに結合する小分子阻害剤が含まれる。ある特定の実施形態では、阻害剤(例えば、抗体)は、阻害剤の非存在下での活性と比較して、阻害剤の存在下で抗原の活性を少なくとも10%阻害する。いくつかの実施形態では、阻害剤は、活性を少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%阻害する。

0084

本明細書で使用される場合、「トリプターゼアンタゴニスト」という用語は、トリプターゼ(例えば、トリプターゼアルファ(例えば、トリプターゼアルファI)またはトリプターゼベータ(例えば、トリプターゼベータI、トリプターゼベータII、またはトリプターゼベータIII)の生物学的活性を阻害または低下させる化合物または薬剤を指す。いくつかの実施形態では、トリプターゼアンタゴニストは、抗トリプターゼ抗体または小分子阻害剤である。

0085

「抗トリプターゼ抗体」、「トリプターゼに結合する抗体」、及び「トリプターゼを特異的に結合する抗体」という用語は、トリプターゼを標的とする際の診断薬及び/または治療薬として有用であるように十分な親和性でトリプターゼを結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非トリプターゼタンパク質への抗トリプターゼ抗体の結合の程度は、例えば、ラジオ免疫アッセイ(RIA)によって測定した場合に、この抗体のトリプターゼへの結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、トリプターゼに結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10−8M以下、例えば、10−8M〜10−13M、例えば、10−9M〜10−13M)の解離定数(KD)を有する。ある特定の実施形態では、抗トリプターゼ抗体は、異なる種由来のトリプターゼ間で保存されるトリプターゼのエピトープに結合する。例示的な抗トリプターゼ抗体は、本明細書、ならびに米国仮特許出願第62/457,722号及び国際特許出願公開第WO2018/148585号に記載されており、それら全体を参照により本明細書に組み込む。

0086

「FcεRI」という用語は、別途示されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来の任意の天然FcεRI(当該技術分野ではまた、高親和性IgE受容体またはFCΕR1としても公知である)を指す。FcεRIは、IgEのε重鎖のFcタンパク質に結合する四量体受容体複合体である。FcεRIは、1本のα鎖、1本のβ鎖、及び2本のγ鎖で構成されている。例示的なヒトFcεRIαポリペプチドのアミノ酸配列は、UniProt受託番号P12319に列挙されている。例示的なヒトFcεIβポリペプチドのアミノ酸配列は、UniProt受託番号Q01362に列挙されている。例示的なヒトFcεRIγポリペプチドのアミノ酸配列は、UniProt受託番号P30273に列挙されている。

0087

「FcεRII」という用語は、別途示されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来の任意の天然FcεRII(当該技術分野ではまた、CD23、FCER2または低親和性IgE受容体としても公知である)を指す。この用語は、「完全長」のプロセシングされていないFcεRII、及び細胞内でのプロセシングから生じる任意の形態のFcεRIIを包含する。この用語は、FcεRIIの天然に存在するバリアント、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアントも包含する。例示的なヒトFcεRIIポリペプチドのアミノ酸配列は、UniProt受託番号P06734に列挙されている。

0088

本明細書で使用される場合、「Fcイプシロン受容体(FcεR)アンタゴニスト」という用語は、FcεR(例えば、FcεRIまたはFcεRII)の生物学的活性を阻害または低減する化合物または薬剤を指す。FcεRアンタゴニストは、FcεR、またはFcεRシグナル伝達関与する核酸(例えば、遺伝子、または遺伝子から転写されたmRNA)もしくはポリペプチドの活性を阻害し得る。例えば、いくつかの実施形態では、FcεRアンタゴニストは、チロシンプロテインキナーゼLyn(Lyn)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、チロシンプロテインキナーゼFyn(Fyn)、脾臓関連チロシンキナーゼ(Syk)、T細胞活性化用リンカー(LAT)、増殖因子受容体結合タンパク質2(Grb2)、セブンレスの息子(Sos)、Ras、Raf−1、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ1(MEK)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ1(ERK)、細胞質型ホスホリパーゼA2(cPLA2)、アラキドン酸5−リポキシゲナーゼ(5−LO)、アラキドン酸5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)、グアニンヌクレオチド交換因子VAV(Vav)、Rac、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ7、p38MAPキナーゼ(p38)、c−JunN末端キナーゼ(JNK)、増殖因子受容体結合タンパク質2−関連タンパク質2(Gab2)、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスリン酸3−キナーゼ(PI3K)、ホスホリパーゼCガンマ(PLCγ)、プロテインキナーゼCPKC)、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(PDK1)、RACセリンスレオニンプロテインキナーゼ(AKT)、ヒスタミン、ヘパリン、インターロイキン(IL)−3、IL−4、IL−13、IL−5、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、ロイコトリエン(例えば、LTC4、LTD4、及びLTE4)、及びプロスタグランジン(例えば、PDG2)を阻害する。いくつかの実施形態では、FcεRアンタゴニストは、BTK阻害剤、例えば、GDC−0853、アカラブルチニブ、GS−4059、スペブルチニブ、BGB−3111、またはHM71224である。

0089

「B細胞」は、骨髄内で成熟するリンパ球であり、ナイーブB細胞、メモリーB細胞、またはエフェクターB細胞(プラズマ細胞)が含まれる。本明細書中のB細胞は、正常または非悪性であり得る。

0090

「IgE+B細胞枯渇抗体」という用語は、対象におけるIgE+B細胞の数を減少させ、及び/または1つ以上のIgE+B細胞機能を妨害することができる抗体を指す。「IgE+B細胞」は、IgEの膜B細胞受容体形態を発現するB細胞を指す。いくつかの実施形態では、IgE+B細胞は、IgEスイッチB細胞またはメモリーB細胞である。ヒト膜IgEには、分泌型IgE抗体では発現されないM1プライム(M1’、me.1、またはCemXとしても公知である)と呼ばれる細胞外52アミノ酸セグメントが含まれる。いくつかの実施形態では、IgE+B細胞枯渇抗体は、抗M1’抗体(例えば、キリズマブ)である。いくつかの実施形態では、抗M1’抗体は、国際特許出願公開第WO2008/116149に記載されている任意の抗M1’抗体である。

0091

「マスト細胞」は、顆粒球免疫細胞一種である。マスト細胞は、通常、全身の粘膜組織及び上皮組織に存在する。マスト細胞には、トリプターゼ(特にトリプターゼベータ)、ヒスタミン、ヘパリン、及びサイトカインを含む炎症性メディエーターを保存する細胞質顆粒が含まれる。マスト細胞は、抗原/IgE/FcεRI架橋によって活性化され得、脱顆粒及び炎症性メディエーターの放出を引き起こす可能性がある。マスト細胞は、粘膜マスト細胞または結合組織マスト細胞であり得る。例えば、Krystel−Whittemore et al.Front.Immunol.6:620,2015を参照のこと。

0092

「好塩基球」は、顆粒球免疫細胞の一種である。好塩基球は通常、末梢血に存在する。好塩基球は、抗原/IgE/FcεRI架橋を介して活性化され得、ヒスタミン、トリプターゼ(特にトリプターゼアルファ)、ロイコトリエン、及びサイトカインなどの分子を放出する。例えば、Siracusa et al.J.Allergy Clin.Immunol.132(4):789−801,2013を参照のこと。

0093

「マスト細胞または好塩基球枯渇抗体」という用語は、対象におけるマスト細胞もしくは好塩基球の数もしくは生物学的活性を低下させることができる、及び/またはマスト細胞もしくは好塩基球の1つもしくは複数の機能を妨害することができる抗体を指す。いくつかの実施形態では、抗体はマスト細胞枯渇抗体である。他の実施形態では、抗体は好塩基球枯渇抗体である。さらに他の実施形態では、抗体はマスト細胞及び好塩基球を枯渇させる。いくつかの実施形態では、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体は、抗Siglec8抗体である。

0094

「プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)」という用語は、別途示されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源に由来する任意の天然PAR2(当技術分野ではF2R様トリプシン受容体1(F2RL1)またはGタンパク質共役受容体11(GPR11)としても知られている)を指す。本用語は、「完全長」のプロセシングされていないPAR2、及び細胞内でのプロセシングから生じる任意の形態のPAR2を含む。本用語はまた、PAR2の天然に存在するバリアント、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアントを包含する。例示的なヒトPAR2の核酸配列は、RefSeq受託番号NM_005252に列挙されている。ヒトPAR2によってコードされる例示的なタンパク質のアミノ酸配列は、UniProt受託番号P55085に列挙されている。

0095

「PAR2アンタゴニスト」という用語は、PAR2の生物学的活性またはシグナル伝達を減少、遮断、阻害、抑止、または妨害する分子を指す。PAR2は通常、N末端のタンパク質分解性切断によって活性化され、膜貫通受容体ドメインに結合して活性化するテザードペプチドリガンドをアンマスクする。例示的なPAR2アンタゴニストには、小分子阻害剤(例えば、K−12940、K−14585、GB83、GB88、AZ3451、及びAZ8838)、可溶性受容体、siRNA、及び抗PAR2抗体(例えば、MAB3949及びFab3949)が含まれる。例えば、Cheng et al.Nature 545:112−115,2017;Kanke et al.Br.J.Pharmacol.158(1):361−371,2009、及びLohman et al.FASEB J.26(7):2877−2887,2012を参照のこと。

0096

「IgEアンタゴニスト」という用語は、IgEの生物学的活性を減少、遮断、阻害、抑止、または妨害する分子を指す。そのようなアンタゴニストには、抗IgE抗体、IgE受容体、抗IgE受容体抗体、IgE抗体のバリアント、IgE受容体のリガンド、及びそれらのフラグメントが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、IgEアンタゴニストは、例えばマスト細胞または好塩基球上のIgE(例えば、ヒトIgE)と高親和性受容体FcεRIとの間の相互作用を妨害または遮断することができる。

0097

「抗IgE抗体」は、IgEがマスト細胞及び好塩基球上の高親和性受容体に結合される場合に架橋を誘導しないようにIgEに特異的に結合する任意の抗体を含む。例示的な抗IgE抗体には、rhuMabE25(E25、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標)))、E26、E27、及びCGP−5101(Hu−901)、HA抗体、リゲリズマブ、及びタリズマブが含まれる。ヒト化抗IgE抗体E25、E26及びE27の重鎖及び軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列は、例えば、米国特許第6,172,213号及びWO99/01556に開示されている。CGP−5101(Hu−901)抗体は、Corne et al.J.Clin.Invest.99(5):879−887,1997、WO92/17207、ならびにATCCDep.Nos.BRL−10706、BRL−11130、BRL−11131、BRL−11132及びBRL−11133に記載されている。HA抗体は、米国出願第60/444,229、WO2004/070011、及びWO2004/070010に記載されている。

0098

「インターロイキン−33(IL−33)」という用語は、本明細書で使用される場合、別途指定されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及びげっ歯動物(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む任意の脊椎動物源からの任意の天然IL−33を指す。IL−33はまた、当該技術分野において、高内皮細静脈の核内因子(NF−HEV、例えば、Baekkevold et al.Am.J.Pathol.163(1):69−79,2003を参照のこと)、DVS27、C9orf26、及びインターロイキン1ファミリーメンバー11(IL−1F11)と称される。本用語は、「完全長」のプロセシングされていないIL−33及び、細胞内でのプロセシングから生じる任意の形態のIL−33を包含する。ヒトの完全長のプロセシングされていないIL−33は、270個のアミノ酸(a.a.)を含み、IL−331−270と称されることもある。ヒトIL−33のプロセシングされた形態は、例えば、IL−3395−270、IL−3399−270、IL−33109−270、IL−33112−270、IL−331−178、及びIL−33179−270(Lefrancais et al.Proc.Natl.Acad.Sci.109(5):1673−1678,2012及びMartin,Semin.Immunol.25:449−457,2013)を含む。いくつかの実施形態では、ヒトIL−33、例えば、IL−3395−270、IL−3399−270、IL−33109−270のプロセシングされた形態、またはカルパイン、プロテイナーゼ3、好中球エラスターゼ、及びカテプシンGなどのプロテアーゼによってプロセシングされた他の形態は、完全長IL−33と比較して向上した生物学的活性を有し得る。本用語はまた、IL−33の天然に存在するバリアント、例えば、スプライスバリアント(例えば、エクソン3を欠く構成的に活性なスプライスバリアントspIL−33、Hong et al.J.Biol.Chem.286(22):20078−20086,2011)または対立遺伝子バリアントを包含する。IL−33は、細胞内(例えば、核内)に存在し得るか、または分泌サイトカイン形態として存在し得る。完全長IL−33タンパク質は、核局在化配列(ヒトIL−33のアミノ酸1〜75)を含むヘリックスターンヘリックスDNA結合モチーフを含み、これにはクロマチン結合モチーフ(ヒトIL−33のアミノ酸40〜58)が含まれる。プロセシング及び分泌されたIL−33の形態は、これらのN−末端モチーフを欠く。例示的なヒトIL−33のアミノ酸配列は、例えば、UniProt受託番号O95760で入手できる。

0099

「IL−33軸」とは、IL−33シグナル伝達に関与する核酸(例えば、遺伝子または遺伝子から転写されたmRNA)またはポリペプチドを意味する。例えば、IL−33軸としては、リガンドIL−33、受容体(例えば、ST2及び/またはIL−1RAcP)、アダプター分子(例えば、MyD88)、または受容体分子及び/またはアダプター分子と関連するタンパク質(例えば、インターロイキン−1受容体関連キナーゼ1(IRAK1)及びインターロイキン−1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)などのキナーゼ、またはTNF受容体関連因子6(TRAF6)などのE3ユビキチンリガーゼ)を挙げることができる。

0100

「IL−33軸結合アンタゴニスト」は、IL−33軸結合パートナーと、その結合パートナーのうちの1つ以上との相互作用を阻害する分子を指す。本明細書で使用される場合、IL−33軸結合アンタゴニストは、IL−33結合アンタゴニスト、ST2結合アンタゴニスト、及びIL1RAcP結合アンタゴニストを含む。例示的なIL−33軸結合アンタゴニストには、抗IL−33抗体及びその抗原結合フラグメント(例えば、ANB−020(AnaptysBio Inc.)などの抗IL−33抗体、またはEP1725261、US8187596、WO2011/031600、WO2014/164959、WO2015/099175、WO2015/106080、もしくはWO2016/077381(それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の抗体のいずれか、IL−33及び/またはその受容体(ST2及び/またはIL−1RAcP)に結合し、リガンド−受容体相互作用を遮断するポリペプチド(例えば、ST2−Fcタンパク質、イムノアドヘシン、ペプチボディ、及び可溶性ST2またはその誘導体)、抗IL−33受容体抗体(例えば、抗ST2抗体、例えば、AMG−282(Amgen)もしくはSTLM15(Janssen)、またはWO2013/173761もしくはWO2013/165894(それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の抗ST2抗体のいずれか、またはWO2013/173761、WO2013/165894、もしくはWO2014/152195(それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のもののようなST2−Fcタンパク質、及びIL−33受容体アンタゴニスト、例えば小分子阻害剤、IL−33に結合するアプタマー、及びストリンジェントな条件下でIL−33軸核酸配列にハイブリダイズする核酸(例えば、短い干渉RNA(siRNA)またはクラスター化され、規則的に間隔が空いた短い回文構造の繰り返しRNA(CRISPR−RNAまたはcrRNA))が含まれる。

0101

「ST2結合アンタゴニスト」という用語は、ST2のIL−33、IL1RAcP、及び/または第2のST2分子との相互作用を阻害する分子を指す。ST2結合アンタゴニストは、リンカー(例えば、セリン−グリセリン(SG)リンカー、グリシン−グリシン(GG)リンカー、またはこれらのバリアント(例えば、SGG、GGS、SGS、またはGSGリンカー))を通して直接的にまたは間接的に互いに付着する、IL−33結合ドメイン(例えば、ST2またはIL1RAcPタンパク質の全てまたは一部)及び多量化ドメイン(例えば、免疫グロブリンFc部分、例えば、アイソタイプlgG1、lgG2、lgG3、及びlgG4、ならびに各アイソタイプ群内の任意のアロタイプから選択されるIgGFcドメイン)を含む「ST2−Fcタンパク質」などのタンパク質であってもよく、これには、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2013/173761、WO2013/165894、及びWO2014/152195に記載のST2−Fcタンパク質及びそのバリアントが含まれるが、これらに限定されない。

0102

「TH2経路阻害剤」または「TH2阻害剤」は、TH2経路を阻害する薬剤である。TH2経路阻害剤の例には、インターロイキン2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、ヤーヌスキナーゼ1(JAK1)(例えば、ルキソリチニブ、トファシチニブ、オクラシチニブ、バリシチニブ、フィルゴチニブ、ガンドチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、ウパダシチニブ、ペフィシチニブ、及びフェドラチニブ)、GATA結合タンパク質3(GATA3)、IL−9(例えば、MEDI−528)、IL−5(例えば、メポリズマブ、CAS番号196078−29−2;レシリズマブ)、IL−13(例えば、IMA−026、IMA−638(別名アンルキンズマブ、INN番号910649−32−0;QAX−576;IL−4/IL−13トラップ)、トラロキヌマブ(別名CAT−354、CAS番号1044515−88−9);AER−001、ABT−308(別名ヒト化13C5.5抗体)、IL−4(例えば、AER−001、IL−4/IL−13トラップ)、OX40L、TSLP、IL−25、IL−33、及びIgE(例えば、XOLAIR(登録商標)、QGE−031;及びMEDI−4212);ならびに受容体、例えば、IL−9受容体、IL−5受容体(例えば、MEDI−563(ベンラリズマブ、CAS番号1044511−01−4))、IL−4受容体アルファ(例えば、AMG−317、AIR−645)、IL−13受容体アルファ1(例えば、R−1671)及びIL−13受容体アルファ2、OX40、TSLP−R、IL−7Rアルファ(TSLPの補助受容体)、IL−17RB(IL−25の受容体)、ST2(IL−33の受容体)、CCR3、CCR4、CRTH2(例えば、AMG−853、AP768、AP−761、MLN6095、ACT129968)、FcεRI、FcεRII/CD23(IgEの受容体)、Flap(例えば、GSK2190915)、Sykキナーゼ(R−343、PF3526299);CCR4(AMG−761)、TLR9(QAX−935)、ならびにCCR3、IL−5、IL−3、及びGM−CSFのマルチサイトカイン阻害剤(例えば、TPI ASM8)から選択される標的のいずれか1つの活性の阻害剤が含まれる。上述の標的の阻害剤の例は、例えば、WO2008/086395;WO2006/085938;US7,615,213;US7,501,121;WO2006/085938;WO2007/080174;US7,807,788;WO2005/007699;WO2007/036745;WO2009/009775;WO2007/082068;WO2010/073119;WO2007/045477;WO2008/134724;US2009/0047277;及びWO2008/127271に開示されている。

0103

「患者」または「対象」という用語は、診断または処置が望まれる任意の単一の動物、より具体的には哺乳動物(例えば、非ヒト動物、例えば、ネコイヌウマウサギウシブタヒツジ動物園動物、及び非ヒト霊長類を含む)を指す。さらにより具体的には、本明細書の患者はヒトである。

0104

「小分子」という用語は、50ダルトン〜2500ダルトンの間の分子量を有する有機分子を指す。

0105

「有効量」という用語は、対象または患者、例えば哺乳動物、例えばヒトにおける疾患または障害(例えば、マスト細胞媒介性炎症性疾患、例えば喘息)を処置するのに有効な薬物または治療薬(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、FcεRアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞もしくは好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、またはこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト))の量を指す。

0106

本明細書で使用される場合、「治療」または「処置」は、処置される個体または細胞の自然な経過を変化させる試みにおける臨床的介入を指し、予防のために、または臨床病理過程において実施することができる。処置の望ましい効果としては、疾患の発生または再発の防止、症状の緩和、疾患の何らかの直接的または間接的な病理学的結果の減少、疾患進行速度の低下、病態回復または軽減、及び寛解または予後改善が挙げられる。処置が必要なものとしては、障害を既に有するもの、ならびに障害を有する危険にさらされているもの、または障害を予防する必要があるものを挙げることができる。患者は、例えば、喘息処置を受けた後に、その患者が、1つもしくは複数の、以下、反復性喘鳴、咳、呼吸困難胸部圧迫感、夜間に発生または悪化する症状、冷気、運動、もしくはアレルゲンへの曝露によって誘発される症状のうちの観測できる及び/または測定できるほどの低減または不在を示した場合に、喘息の「処置」が成功したことになり得る。

0107

処置もしくは治療、例えばトリプターゼアンタゴニスト、FcεRアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞もしくは好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、またはこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト)を含む治療に対する患者の「応答」または患者の「応答性」は、処置からまたは処置の結果として喘息のリスクがあるか、または喘息を有する患者に与えられる臨床的または治療的効果を指す。当業者であれば、容易に、患者が応答性であるかどうかを決定することになる立場にある。例えば、トリプターゼアンタゴニスト、FcεRアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞もしくは好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、またはこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト)を含む治療に応答する喘息を有する患者は、1つもしくは複数の喘息の症状(例えば、反復性喘鳴、咳、呼吸困難、胸部圧迫感、夜間に発生もしくは悪化する症状、冷気、運動、もしくはアレルゲンへの曝露によって誘発される症状)の観測できる及び/または測定できるほどの低減または不在を示し得る。いくつかの実施形態では、応答は、肺機能の改善、例えば、FEV1%の改善であってもよい。

0108

「試料」及び「生体試料」という用語は、互換的に使用され、体液体内組織(例えば、肺試料)、試料(鼻スワブまたは鼻ポリープを含む)、痰、経鼻吸収試料、気管支吸収試料、細胞、または他のソースを含む個体から得た任意の生体試料を指す。体液には、例えば、細気管支洗浄液(BAL)、粘膜被覆液(MLF;例えば、鼻MLFまたは気管支MLFを含む)、リンパ液、血清、全新鮮血凍結全血、血漿(新鮮または凍結を含む)、血清(新鮮または凍結を含む)、末梢血単核細胞、尿、唾液精液滑液、及び脊髄液が挙げられる。哺乳動物に由来する組織生検及び体液を得るための方法は当該技術分野で既知である。

0109

「抗体」という用語は、本明細書で最も広義に使用され、それらが所望の抗原結合活性を呈する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体フラグメントを含むが、これらに限定されない、様々な抗体構造を包含する。

0110

「親和性成熟」抗体は、1つもしくは複数のHVR及び/またはフレームワーク領域に1つもしくは複数の変化を有するものであり、これらの変化が、そのような変化(複数可)を有さない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性の向上をもたらす。好ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモル、またはさらにはピコモルの親和性を有するであろう。親和性成熟抗体は、当該技術分野で既知の手順によって産生される。例えば、Marks et al.Bio/Technology 10:779−783,1992で、VH及びVLドメインシャッフリングによる親和性成熟について説明される。HVR及び/またはフレームワーク残基のランダム突然変異誘発は、Barbas et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3809−3813,1994;Schier et al.Gene 169:147−155,1995;Yelton et al.J.Immunol.155:1994−2004,1995;Jackson et al.J.Immunol.154(7):3310−3319,1995;及びHawkins et al.J.Mol.Biol.226:889−896,1992で説明される。

0111

本明細書の目的のための「アクセプターヒトフレームワーク」は、以下に記載される、ヒト免役グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに由来する、軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワークまたは重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワーク「に由来する」アクセプターヒトフレームワークは、その同一のアミノ酸配列を含んでもよく、またはそれは、アミノ酸配列変化を含有してもよい。いくつかの実施形態では、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、または2以下である。いくつかの実施形態では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列またはヒトコンセンサスフレームワーク配列と配列が同一である。

0112

「親和性」とは、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有相互作用の合計の強度を指す。別段の指示のない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」とは、結合ペアメンバー(例えば、抗体及び抗原)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子Xの、そのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離定数(KD)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載される方法を含む、当該技術分野で既知の一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための具体的な例証的及び例示的な実施形態が、以下に記載される。

0113

参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」とは、参照抗体と比較して抗原の重複するアミノ酸残基のセットと接触するか、または競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上遮断する抗体を指す。いくつかの実施形態では、抗体によって接触されたアミノ酸残基のセットは、参照抗体によって接触されたアミノ酸残基のセットと完全に重複するか、または部分的に重複してもよい。いくつかの実施形態では、参照抗体と同じエピトープに結合する抗体は、競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上遮断する。逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいて抗体のその抗原への結合を50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上遮断する。例示的な競合アッセイが本明細書に提供される。

0114

「抗体フラグメント」には、インタクトな抗体の一部分、好ましくは、インタクトな抗体の抗原結合領域または可変領域が含まれる。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFvフラグメント、ダイアボディ、直鎖状抗体(米国特許第5,641,870,実施例2;Zapata et al.Protein Eng.8(10):1057−1062,1995を参照のこと)、一本鎖抗体分子、ならびに抗体フラグメントから形成される多特異性抗体が挙げられる。

0115

抗体のパパイン消化により、「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合フラグメントと、その残りの容易に結晶化する能力を反映した名称である「Fc」フラグメントとが産生される。Fabフラグメントは、L鎖全体に加えてH鎖の可変領域ドメイン(VH)、及び1つの重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)からなる。抗体のペプシン処理により、単一の大きいF(ab’)2フラグメントが産出され、これは、概して、2価の抗原結合活性を有する2つのジスルフィド結合Fabフラグメントに対応し、依然として抗原に架橋することができる。Fab’フラグメントは、抗体のヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端に追加の数個の残基を有することが、Fabフラグメントとは異なっている。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が、遊離チオール基を担持するFab’の本明細書における呼称である。F(ab’)2抗体フラグメントは、元々は、間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントのペアとして産生された。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも既知である。

0116

本明細書における「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部を含有する免疫グロブリン重鎖C末端領域を定義するために使用される。この用語は、天然配列Fc領域及びバリアントFc領域を含む。一実施形態では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端に及ぶ。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在する場合もあれば、しない場合もある。本明細書で特に指示がない限り、Fc領域または定常領域のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載されているように、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従っている。

0117

「Fv」は、密接な非共有結合にある1つの重鎖可変領域ドメイン及び1つの軽鎖可変領域ドメインの二量体からなる。これらの2つのドメインのフォールディングにより、抗原結合のためのアミノ酸残基を提供し、抗原結合特異性を抗体に与える、6つの超可変ループ(H鎖及びL鎖からそれぞれ3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのHのみを含むFvの半分)ですら、全結合部位より親和性が低い場合があるとはいえ、抗原を認識し、それに結合する能力を有する。

0118

「sFv」または「scFv」とも短縮される「一本鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖に結合されるVH及びVL抗体ドメインを含む抗体フラグメントである。好ましくは、sFvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これによりsFvは、抗原結合のための所望の構造を形成することができる。sFvの概説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer−Verlag,New York,pp.269−315,1994を参照のこと。

0119

「ダイアボディ」という用語は、鎖内ではなく鎖間のVドメイン対合が達成され、二価フラグメント、すなわち、2つの抗原結合部位を有するフラグメントが得られるように、VHドメインとVLドメインとの間に短いリンカー(約5〜10個の残基)を用いてsFvフラグメント(前の段落を参照のこと)を構築することによって調製された小さな抗体フラグメントを指す。二重特異性ダイアボディは、2つの抗体のVH及びVLドメインが異なるポリペプチド鎖に存在している、2つの「交差」sFvフラグメントのヘテロ二量体である。ダイアボディについては、例えば、EP 404,097;WO 93/11161;及びHollinger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448,1993に詳しく記載される。

0120

「遮断」抗体または「アンタゴニスト」抗体とは、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害または低減する抗体である。ある特定の遮断抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物学的活性を実質的にまたは完全に阻害する。例えば、抗トリプターゼ抗体に関して、いくつかの実施形態では、活性は、トリプターゼ酵素活性、例えばプロテアーゼ活性であり得る。その他の場合、活性は、気管支平滑筋細胞の増殖及び/またはコラーゲンベース収縮のトリプターゼ媒介性刺激であり得る。その他の場合、活性は、マスト細胞ヒスタミン放出(例えば、IgE誘発性ヒスタミン放出及び/またはトリプターゼ誘発性ヒスタミン放出)であり得る。いくつかの実施形態では、抗体は、それが結合する抗原の生物学的活性を少なくとも約1%、約5%、約10%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約100%阻害することができる。

0121

抗体の「クラス」とは、その重鎖が有する定常ドメインまたは定常領域のタイプを指す。抗体には5つの主要なクラス:IgAIgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2にさらに分類できる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。

0122

抗体の「エフェクター機能」とは、抗体のFc領域(天然配列Fc領域またはアミノ酸配列バリアントFc領域)に起因する生物学的活性を指し、抗体アイソタイプによって異なる。抗体のエフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、ファゴサイトーシス細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御、ならびにB細胞活性化が挙げられる。

0123

「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」または「ADCC」は、ある特定の細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)に存在するFc受容体(FcR)に分泌型Igが結合することにより、これらの細胞傷害性エフェクター細胞抗原保有標的細胞に特異的に結合し、次いで細胞毒素により標的細胞を殺滅させることを可能にする、細胞傷害の形態を指す。抗体は細胞傷害性細胞を「武装」させ、そのような殺傷には必須である。ADCCを媒介する主要な細胞であるNK細胞はFcγRIIIのみを発現するが、単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞でのFcR発現は、Ravetch et al.Annu.Rev.Immunol.9:457−492,1991の464頁の表3にまとめられている。目的の分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号または同第5,821,337号に記載されるものなどのin vitro ADCCアッセイを行ってもよい。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、または加えて、目的の分子のADCC活性は、in vivoで、例えば、Clynes et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:652−656,1998に開示されるような動物モデルにおいて評価することができる。

0124

「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を表す。好ましいFcRは、天然配列ヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合し、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIサブクラスの受容体を含むものであり、これらには、これらの受容体の対立遺伝子バリアント及び選択的スプライスされた形態が含まれる。FcγRII受容体は、FcγRIIA(「活性化受容体」)及びFcγRIIB(「阻害受容体」)を含み、これらは、主にその細胞質ドメインが異なる同様のアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含有する。阻害受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシンベース依存性阻害モチーフ(ITIM)を含有する(M.in Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203−234,1997の概説を参照のこと)。FcRについては、例えば、Ravetch et al.Annu.Rev.Immunol.9:457−492,1991;Capelet al.Immunomethods4:25−34,1994;及びde Haas et al.J.Lab.Clin.Med.126:330−41,1995に概説される。将来的に同定されるものも含む他のFcRは、本明細書における「FcR」という用語に包含される。この用語はまた、母体IgGの胎児への移入を担う胎児性受容体であるFcRnを含む(例えば、Guyer et al.J.Immunol.117:587,1976;及びKim et al.J.Immunol.24:249,1994を参照のこと)。

0125

「ヒトエフェクター細胞」は、1つまたは複数のFcRを発現し、エフェクター機能を果たす白血球である。好ましくは、本細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を果たす。ADCCを媒介するヒト白血球の例としては、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞、及び好中球が挙げられ、PBMC及びNK細胞が好ましい。エフェクター細胞は、天然源、例えば血液から単離することができる。

0126

「補体依存性細胞傷害」または「CDC」とは、補体の存在下での標的細胞の溶解を指す。古典的補体経路の活性化は、補体系の第1成分(C1q)が、同種抗原に結合した(適当なサブクラスの)抗体と結合することにより開始される。補体の活性化を評価するために、CDCアッセイ、例えばGazzano−Santoro et al.J.Immunol.Methods202:163,1996に記載のものが実施可能である。

0127

「エピトープ」は、抗体が選択的に結合する抗原の部分である。ポリペプチド抗原の場合、線状エピトープは、約4〜15個(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12個)のアミノ酸残基のペプチド部分であり得る。非線状の立体構造エピトープは、タンパク質の三次元(3D)構造のすぐ近くにもたらされるポリペプチド配列の残基を含み得る。いくつかの実施形態では、エピトープは、抗体の任意の原子の4オングストローム(Å)以内にあるアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、エピトープは、抗体の任意の原子の3.5Å、3Å、2.5Å、または2Å以内にあるアミノ酸を含む。抗原(すなわち、パラトープ)と接触する抗体のアミノ酸残基は、例えば、抗原と複合体を形成した抗体の結晶構造を決定することによって、または水素重水素交換を行うことによって決定することができる。

0128

「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書において互換的に使用され、天然の抗体構造に実質的に類似な構造を有するか、または本明細書に定義されるFc領域を含む重鎖を有する、抗体を指す。

0129

ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有するもの、及び/またはヒト抗体を作成するための技法のうちの任意のものを用いて作製されているものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を具体的に除外する。

0130

「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列サブグループからである。一般的に、配列のサブグループは、Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,NIH Publication 91−3242,Bethesda MD,vols.1−3,1991にあるようなサブグループである。一実施形態では、VLの場合、サブグループは、Kabat et al.(上記)にあるようなサブグループカッパIIIまたはカッパIVである。一実施形態では、VHの場合、サブグループは、Kabat et al.(上記)にあるようなサブグループIIIである。

0131

非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の「ヒト化」形態とは、非ヒト抗体に由来する配列を最小限含有するキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、レシピエントの超可変領域由来の残基が、所望の抗体特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域由来の残基により置き換えられる。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基により置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体には見られない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体性能をさらに改良するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、超可変ループの全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、FRの全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のFRである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含むことになる。ヒト化抗体は、任意に、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのものも含む。さらなる詳細については、Jones et al.Nature 321:522−525,1986;Riechmann et al.Nature 332:323−329,1988及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596,1992を参照のこと。

0132

免疫複合体」は、細胞傷害性薬剤を含むが、これらに限定されない1個以上の異種分子(複数可)にコンジュゲートされる抗体である。

0133

本明細書に開示される様々な抗体について記載するために用いられる場合、「単離」という用語は、抗体が発現された細胞または細胞培養物から特定され、分離及び/または回収されている、抗体を意味する。その天然環境の混入成分は、典型的にはポリペプチドの診断的または治療的使用を妨害する材料であり、酵素ホルモン、及び他のタンパク質性または非タンパク質溶質を含み得る。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、等電点電気泳動IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換または逆相HPLC)法によって決定される、95%または99%を超える純度に精製される。抗体の純度を評価するための方法の概説については、例えば、Flatman et al.J.Chromatogr.B 848:79−87,2007を参照のこと。好ましい実施形態では、抗体は、(1)スピニングカップシークエネーター(spinning cup sequenator)を使用してN末端もしくは内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基を得るのに十分な程度まで、または(2)クマシーブルーもしくは好ましくは銀染色を使用して非還元条件または還元条件下でSDS−PAGEによって均質になるまで精製される。単離抗体としては、組換え細胞内のin situの抗体が挙げられるが、これは、ポリペプチド天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないためである。しかしながら、通常、単離されたポリペプチドは、少なくとも1つの精製ステップにより調製される。

0134

本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、その集団を構成する個々の抗体は同一であり、及び/または抗原上の同じエピトープに結合するが、例えば、自然発生突然変異を含有する、またはモノクローナル抗体調製物の産生中に発生する、可能性のあるバリアント抗体は例外である(かかるバリアントは一般に少量で存在する)。異なる決定基(エピトープ)に対して異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体の特徴を示しており、いかなる特定の方法による抗体の産生も必要とするものとして解釈されるものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法を含むが、これらに限定されない、様々な技法によって作製されてもよく、モノクローナル抗体を作製するためのこのような方法及び他の例示的な方法が、本明細書に記載されている。ある特定の実施形態では、「モノクローナル抗体」という用語は、二重特異性抗体を包含する。

0135

二価抗体」という用語は、抗原に対する2つの結合部位を有する抗体を指す。二価抗体は、限定されないが、IgG形式またはF(ab’)2形式であり得る。

0136

「多重特異性抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、1つの抗原上の2つ以上の決定基もしくはエピトープ、または複数の抗原上の2つ以上の決定基もしくはエピトープに結合する抗体を網羅する。そのような多重特異性抗体としては、完全長抗体、2つ以上のVL及びVHドメインを有する抗体、抗体フラグメント、例えば、Fab、Fv、dsFv、scFv、ダイアボディ、二重特異性ダイアボディ、及びトリアディ共有結合的または非共有結合的に結合された抗体フラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。「ポリエピトープ特異性」とは、同じまたは異なる標的(複数可)上の2つ以上の異なるエピトープに特異的に結合する能力を指す。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、二重特異性抗体である。「二特異性(dual specificity)」または「二重特異性(bispecificity)」とは、同じまたは異なる標的(複数可)上の2つの異なるエピトープに特異的に結合する能力を指す。しかしながら、二重特異性抗体とは対照的に、二特異性抗体は、アミノ酸配列が同一である2つの抗原結合アームを有し、各Fabアームは、2つの抗原を認識することができる。二特異性により、抗体は単一のFabまたはIgG分子として2つの異なる抗原と高い親和性で相互作用することができる。一実施形態によれば、多重特異性抗体は、5μM〜0.001pM、3μM〜0.001pM、1μM〜0.001pM、0.5μM〜0.001pM、または0.1μM〜0.001pMの親和性で各エピトープと結合する。「単一特異性」とは、1つのエピトープにのみ結合する能力を指す。

0137

「ネイキッド抗体」は、異種性部分(例えば、細胞傷害性部分)または放射標識にコンジュゲートされていない抗体を指す。ネイキッド抗体は薬学的組成物中に存在してもよい。

0138

標的分子に対する抗体の結合に関して、特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド標的上のエピトープに「結合する」または「結合すること」または「特異的結合」または「特異的に結合する」または「に特異的である」と言う用語は、非特異的相互作用とは測定可能に異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、対照分子の結合と比較して分子の結合を決定することによって測定され得る。例えば、特異的結合は、標的と類似した対照分子、例えば過剰な非標識標的との競合によって決定することができる。この場合、プローブへの標識標的の結合が、過剰な非標識標的によって競合阻害されたら、特異的結合である。特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド標的上のエピトープに対して「特異的結合」または「に特異的に結合する」または「に特異的である」と言う用語は、本明細書において使用される場合、例えば、標的に対して10−4M以下、あるいは10−5M以下、あるいは10−6M以下、あるいは10−7M以下、あるいは10−8M以下、あるいは10−9M以下、あるいは10−10M以下、あるいは10−11M以下、あるいは10−12M以下のKD、または10−4M〜10−6Mもしくは10−6M〜10−10Mもしくは10−7M〜10−9Mの範囲のKDを有する分子によって表してもよい。当業者であれば理解されるように、親和性及びKDの値は、逆相関している。抗原に対する高親和性は、低KD値によって測定される。一実施形態では、「特異的結合」という用語は、ある分子がいずれかの他のポリペプチドまたはポリペプチドエピトープにも実質的に結合することなく、特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド上のエピトープに結合する結合を指す。

0139

「可変」という用語は、可変ドメインのある特定のセグメントが、抗体によって配列が大幅に異なるという事実を指す。可変または「V」ドメインは、抗原結合を媒介し、特定の抗体のその特定の抗原に対する特異性を規定する。しかしながら、可変性は可変ドメインの110アミノ酸スパンに均一に分布はしていない。その代わりに、V領域は、それぞれ9〜12アミノ酸長である「超可変領域」と呼ばれる可変性の高い短領域によって分離された15〜30のアミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる相対的に不変ストレッチからなる。「超可変領域」または「HVR」という用語は、本明細書において使用される場合、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、一般的に、例えば、VLのおよそ24〜34(L1)、50〜56(L2)及び89〜97(L3)残基、ならびにVHのおよそ26〜35(H1)、49〜65(H2)及び95〜102(H3)残基(一実施形態では、H1はおよそ31〜35残基である);Kabat et al.(上記))からのアミノ酸残基、及び/または「超可変ループ」(例えば、VLの26〜32(L1)、50〜52(L2)、及び91〜96(L3)残基、及びVHの26〜32(H1)、53〜55(H2)、及び96〜101(H3);Chothia et al.J.Mol.Biol.196:901−917,1987からのそれらの残基を含む。天然重鎖及び軽鎖の可変ドメインはそれぞれ、ベータシート構造に接続し、ある場合には、その一部を形成するループを形成する、3つの超可変領域によって接続された、ベータシート立体配置を主に採用する4つのFRを含む。各鎖における超可変領域は、FRによって、他方の鎖の超可変領域と近接して保持されており、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat et al.(上記)を参照のこと)。したがって、HVR及びFR配列は、一般に、VH(またはVL)内でFR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4の順序出現する。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接関与していないが、抗体の抗体依存性細胞毒性(ADCC)への関与などの様々なエフェクター機能を呈する。

0140

「Kabatにあるような可変ドメイン残基の番号付け」または「Kabatにあるようなアミノ酸位置の番号付け」と言う用語及びそれらの変化形は、Kabat et al.(上記)における抗体の編集物(compilation)の重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに用いられる番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを使用すると、実際の直鎖状アミノ酸配列は、可変ドメインのFRもしくはHVRの短縮、またはそれへの挿入に対応するより少ないアミノ酸または追加のアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一のアミノ酸挿入(Kabatによる残基52a)、及び重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えば、Kabatによる残基82a、82b、及び82cなど)を含み得る。残基のKabat番号付けは、所与の抗体に対して、抗体の配列と「標準の」Kabatによって番号付けされた配列との相同領域でのアラインメントによって決定され得る。

0141

Kabat番号付けシステムは、一般に、可変ドメイン内の残基(軽鎖の残基約1〜107及び重鎖の残基1〜113)を指すときに用いられる(例えば、Kabat et.al(上記))。「EU番号付けシステム」または「EUインデックス」は、一般に、免疫グロブリン重鎖定常領域内の残基を指すときに用いられる(例えば、Kabat et.al(上記)に報告されているEUインデックス)。「KabatにあるようなEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。本明細書に別途述べられない限り、抗体の可変ドメイン内の残基番号への言及は、Kabat番号付けシステムによる残基番号付けを意味する。本明細書に別途述べられない限り、抗体の定常ドメイン内の残基番号の参照は、EU番号付けシステムによる残基番号付けを意味する(例えば、米国仮出願第60/640,323号、EU番号付けに関する図を参照のこと)。

0142

本明細書に識別されるポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、最大の配列同一性パーセントが得られるように、配列をアラインメントし、必要に応じてギャップを導入した後に、いずれの保存的置換も配列同一性の一部とは見なさずに、候補配列内のアミノ酸残基が、比較されるポリペプチド内のアミノ酸残基と同一である割合として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを判定する目的のためのアラインメントは、当該技術分野における技術の範囲内である様々な手段で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して、達成することができる。当業者であれば、比較されている配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含め、アラインメントを測定するための適切なパラメータを判定することができる。しかしながら、本明細書における目的のためには、アミノ酸配列同一性%値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用して生成される。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって記述され、ソースコードは、ユーザ文書と共に米国著作権(U.S.Copyright Office),Washington D.C.,20559に提出されており、米国著作権登録番号TXU510087の下に登録されている。ALIGN−2プログラムは、Genentech,Inc.,South San Francisco,Californiaから公的に利用可能である。ALIGN−2プログラムは、UNIXオペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX V4.0Dで使用するために編集されるべきである。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され、変更はない。

0143

アミノ酸配列比較のためにALIGN−2が用いられる場合、所与のアミノ酸配列Bに対する、それとの、またはそれと対比した、所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(代替的に、所与のアミノ酸配列Bに対する、それとの、またはそれと対比したある特定のアミノ酸配列同一性%を有する、またはそれを含む、所与のアミノ酸配列Aと表現され得る)は、以下のように算出される:
100×分数X/Y
(式中、Xは、そのプログラムのA及びBのアラインメント内における配列アラインメントプログラムALIGN−2により同一マッチとしてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bにおけるアミノ酸残基の総数である)。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列同一性%は、BのAに対するアミノ酸配列同一性%と等しくならないことが理解されるであろう。別途具体的に記述されない限り、本明細書で使用される全てのアミノ酸配列同一性%値は、直前の段落に記載されるように、ALIGN−2コンピュータプログラムを使用して取得される。

0144

当技術分野で「次世代シーケンシング」または「第2世代シーケンシング」としても知られている「超並列シーケンシング(massively parallel sequencing)」または「超並列シーケンシング(massive parallel sequencing)」とは、任意のハイスループット核酸シーケンシング手法を意味する。これらの手法は通常、空間的に分離され、クローン増幅されたDNA鋳型または単一のDNA分子の多数(例えば、数千、数百万、または数十億)の並列シークエンシングを含む。例えば、Metzker,Nature Reviews Genetics 11:31−36,2010を参照のこと。

0145

添付文書」という用語は、適応症使用法、投与量、投与、併用療法、禁忌、及び/または治療薬製品の使用に関する警告に関する情報を含む、かかる治療薬製品の商的パッケージ習慣的に含まれる指示を指すために使用される。

0146

医薬製剤」及び「医薬組成物」という用語は、本明細書では互換的に使用され、そこに含まれる活性成分の生物学的活性が効果的であることを可能にするような形態である調製物を指し、製剤が投与される対象に対して許容できないほど毒性である追加の成分を含まない。かかる製剤は、滅菌である。

0147

「滅菌」製剤は、無菌であるか、または全ての生存微生物及びそれらの胞子を含まないか、またはそれらを本質的に含まない。

0148

薬学的に許容可能な担体」は、対象に対して非毒性である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容可能な担体としては、限定されないが、緩衝剤賦形剤、安定剤、または保存剤が挙げられる。

0149

「キット」は、少なくとも1つの試薬、例えば、本明細書に記載される患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数を決定するための、またはバイオマーカー(例えば、トリプターゼ)の発現レベルを決定するためのプローブ、及び/またはマスト細胞媒介性炎症性疾患、例えば喘息の処置のための薬剤を含む任意の製品(例えば、パッケージまたは容器)である。本製品は、好ましくは、本発明の方法を実行するためのユニットとして、奨励流通、または販売される。

0150

II.本発明の治療方法及び使用
本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患(例えば、喘息)を有する患者を処置する方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本発明のバイオマーカー、例えばトリプターゼ(例えば、患者の活性トリプターゼ対立遺伝子数及び/またはトリプターゼの発現レベル)の存在及び/または発現レベルに基づいて治療を患者に施すことを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、治療、例えば、トリプターゼアンタゴニスト、Fcイプシロン受容体(FcεR)アンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞もしくは好塩基球枯渇抗体、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、またはこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト)を含む治療を施すことを含む。いくつかの実施形態では、治療は、マスト細胞指向性療法(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞もしくは好塩基球枯渇抗体、及び/またはPAR2アンタゴニスト)を含む。いくつかの実施形態では、治療は、トリプターゼアンタゴニスト(例えば、本明細書またはWO2018/148585に記載の任意の抗トリプターゼ抗体などの抗トリプターゼ抗体)及びIgEアンタゴニスト(例えば、抗IgE抗体、例えば、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標)))を含む。

0151

例えば、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者にマスト細胞指向性治療を施すことを含む、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト)からなる群から選択される薬剤を含む治療)を特徴とし、(i)患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されているか、または(ii)患者の試料は、基準レベルのトリプターゼ以上であるトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。例えば、いくつかの実施形態では、患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと決定されている。他の実施形態では、患者の試料は、基準レベルのトリプターゼ以上のトリプターゼの発現レベルを有すると決定されている。

0152

別の態様では、本発明は、(i)基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含む遺伝子型、または(ii)基準レベルのトリプターゼ以上である患者の試料中のトリプターゼの発現レベル、を有すると同定された、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法を特徴とし、該方法は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者にマスト細胞指向性治療(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト)からなる群から選択される薬剤を含む治療)を施すことを含む。例えば、いくつかの実施形態では、患者の遺伝子型は、基準活性トリプターゼ対立遺伝子数以上である活性トリプターゼ対立遺伝子数を含むと同定されている。他の実施形態では、患者は、基準レベルのトリプターゼ以上である、患者の試料中におけるトリプターゼの発現レベルを有すると同定されている。

0153

別の態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法を特徴とし、該方法は、(a)患者から核酸を含む試料を入手することと、(b)試料のジェノタイピングを行い、トリプターゼの基準レベル以上の活性トリプターゼ対立遺伝子数の存在を検出することと、(c)トリプターゼの基準レベル以上の活性トリプターゼ対立遺伝子数を有する患者を、マスト細胞指向性治療(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト)を含む治療)による処置から効果を受ける可能性が高いと同定することと、(d)マスト細胞指向性治療(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト)を含む治療)を患者に施すことと、を含む。

0154

なおさらなる態様では、本発明は、マスト細胞媒介性炎症性疾患を有する患者を処置する方法を特徴とし、該方法は、(a)患者から核酸またはタンパク質を含む試料を入手することと、(b)発現アッセイを実施し、トリプターゼの基準レベル以上のトリプターゼの発現レベルを検出することと、(c)トリプターゼの基準レベル以上のトリプターゼの発現レベルを有する患者を、マスト細胞指向性治療(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト)を含む治療)による処置から効果を受ける可能性が高いと同定することと、(d)マスト細胞指向性治療(例えば、トリプターゼアンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、IgE+B細胞枯渇抗体、マスト細胞または好塩基球枯渇抗体、PAR2アンタゴニスト、及びこれらの組み合わせ(例えば、トリプターゼアンタゴニスト及びIgEアンタゴニスト)を含む治療)を患者に施すことと、を含む。いくつかの実施形態では、試料はタンパク質を含み、発現アッセイはELISAまたは免疫アッセイである。

0155

前述の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル未満の2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている。いくつかの実施形態では、薬剤は単剤療法として患者に投与される。

0156

前述の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は、該患者の試料において2型バイオマーカーの基準レベル以上である2型バイオマーカーのレベルを有すると同定されている。いくつかの実施形態では、本方法は、TH2経路阻害剤を患者に投与することをさらに含む。

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