図面 (/)

技術 プラズモンレクテナ装置及び製造方法

出願人 ユニベルシテデクスマルセイユサントルナシオナルドゥラルシェルシェシアンティフィクエコール・サントラル・ドゥ・マルセイユ
発明者 デュシェ,ダビドエスコバ,リュドビクパランチョク,ウジウォルシモン,ジャン-ジャックバラバン,テオドール・シルビウス
出願日 2018年11月28日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2020-547297
公開日 2021年2月18日 (8ヶ月経過) 公開番号 2021-506139
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード エネルギー伝達率 V曲線 数値シミュレーション結果 目標感度 比率割合 横座標軸 光子モード ナノ開口
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年2月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

入射光電気エネルギーに変換するためのレクテナ装置(400)が開示される。レクテナ装置は、基板(402)、基板の上部に堆積される所定の厚さを有する第1の金属層(404)、第1の金属層の上部に堆積される整流素子(405)、前述の整流素子の上部に堆積され、且つ入射光の電磁波を集め、それをレクテナ装置内部のプラズモン波に結合するようになっている、第2の金属層(408)を含み、第2の金属層は、所定の間隔に従って互いに間隔をあけた複数の金属パッチ(410)のアレイを含み、各金属パッチは所定の寸法を有する。整流素子はプラズモン波を整流して直流を生成するようになっており、プラズモン波は1つ又は複数の動作波長で生成され、レクテナ装置の少なくとも1つの寸法パラメータは少なくとも1つの動作波長から決定され、少なくとも1つの寸法パラメータは、複数の金属パッチの寸法、アレイにおける金属パッチの間隔、及び第1の金属層の所定の厚さ、を含む群において選択される。

概要

背景

世界規模でのエネルギー消費は、次の数十年間の主要な課題である。人口の増加や輸送手段及び電気機器の使用の増加により、世界規模でのエネルギー消費は急速に歯止めのない速度で増加している。エネルギー消費は、輸送、工業、住宅用のニーズ農業、及び電気通信などの幾つかの分野では特に重要である。

エネルギーは、基本的に化石燃料電気、及び熱エネルギーの形態で使用される。主なエネルギー資源としては、石炭石油、及び天然ガスが挙げられ、これらは纏めて全エネルギー供給の約80%を提示する。しかしながら、これらの資源は環境を汚染し、また量にも制限がある。

原子力エネルギー資源は全エネルギー供給の約10%を賄っている。原子力エネルギー資源は温室効果ガスを排出しないが、使用済燃料廃棄物を生成する。そのような使用済燃料廃棄物は放射性であり、安全に保管しなければならない。太陽光及び風力などの再生可能エネルギー資源は、多くの理由で環境的に魅力的である。しかしながら、それらの使用には幾つかの顕著な制約がある。そのような再生可能エネルギー資源の使用に対する特段の制約は、それらの貯蔵及び電気エネルギーへの変換に関係しており、貯蔵及び電気エネルギーへの変換は相当な損失を引き起こすことがある。

現在のところ、光子エネルギーから電気エネルギーへ変換するのに、シリコン(Si)などの半導体材料を使用した光起電力効果焦点が当てられている。光起電力効果を使用した光子から電気への変換効率は、約30%であると推定される。光起電力効果は、光の光子性質に基づいている。しかしながら、光を電気エネルギーに直接的に変換するために、光の電磁的性質も利用することができる。電気エネルギーへの直接変換のために光の電磁的性質を利用するというこの概念は、1972年にRobert Baileyによって提案され、米国特許第3760257A号明細書の公開参照文献の下で特許化されている。

本明細書で使用する場合、「光」とはあらゆる種類の光子放射(「光学的放射」又は「光学振動」又は「太陽放射」とも呼ばれる)を指し、太陽光の放射には限定されない。光は、2つの特性、即ち、粒子の性質(「量子」性質とも呼ばれる)と、波の性質(「放射」性質とも呼ばれる)によって特徴付けられる。

分子整流素子に関する意義深い開発と組み合わせた、ナノ構造、とりわけナノアンテナ及びマイクロアンテナに関係する技術的な進歩を利用して、太陽放射が電気エネルギーに直接的に変換された。特に、そのような変換を実現するためにレクテナ(「整流アンテナ」とも呼ばれる)が開発された。

レクテナは、アンテナに結合された整流素子を備え、入射放射電気信号に直接的に変換する。光起電力効果のバンドギャップによって課される効率制限は、光子エネルギーを電気エネルギーに変換する整流素子を使用することで、取り除くことができる。

米国特許第8847824B2号明細書は、集中定数素子検出器に結合されたアンテナを使用したレクテナを提案しており、このアンテナはダイオード送り込まれる。図1は、米国特許第8847824B2号明細書によって提案されるアンテナの設計を示す。アンテナ110、120は、可視領域内の特定の波長共振し、ストリップライン140、150を用いてダイオード130に結合される。ストリップライン140、150は伝送線路及びインピーダンス整合ネットワークの両方として働いて、MIMダイオード130(MIMは金属(Metal)−絶縁体(Insulator)−金属(Metal)を表す)への電力伝達最大化し、MIMダイオード130は入射電磁信号又は波を直流電流に変換する。集中定数素子ダイオードは、わずかなトンネリング時間を有する。しかしながら、そのような集中定数素子検出器の動作帯域幅は限られており、ダイオードの容量に依存する。更に、電力伝達を最大化するためには、ダイオードのインピーダンスはアンテナのインピーダンスと等しくなければならず、これは100オーム桁数である。更に、金属の大半は光周波数では吸収性であるので、インピーダンス整合用に使用される金属のストリップラインに関連した損失は著しくなる。

別のレクテナ方式が、Groverら著の「Traveling−wave Metal/Insulator/Metal diodes for improved infrared bandwidth and efficiency of antenna−coupled rectifiers」と題された論文IEEE transactions on Nanotechnology,vol. 9,n°6,pages 716−722,Nov.2010,doi 10.3109/TNANO.2010.2051334において提案されている。そのような方式では、進行波MIMダイオードに基づく検出器が提案されている。図2は、そのような検出器の設計を示しており、これは、非常に薄い絶縁体240が間にある2つの金属層220及び230に接続されたアンテナ210から構成される。そのようなダイオード内の絶縁体層240は、空気に曝されたときに金属の表面上に金属酸化物によって形成される。間に薄い絶縁体240を挟んだ金属層220及び230は、プラズモン導波路の特性を有するMIMトンネルダイオードを形成する。進行波MIMダイオードでは、従来の集中定数素子ダイオードと比較すると応答性が向上するが、非常に薄い絶縁層により導波路構造との入射光の結合が低くなり、即ち損失が大きくなり、これは、従来の集中定数素子ベースのレクテナを用いて取得される量子効率よりも量子効率が低くなることを伴う。

別の方式が国際公開第2016/202995A1号パンフレットで提案されており、この国際公開は、赤外線可視光、及び紫外線検出用有機光検出器装置について開示しており、この有機光検出器は、様々な波長の設計に対して感度引き上げるように調節することができるスペクトル応答を含む。図3は、国際公開第2016/202995A1号パンフレットに開示された有機光検出器の設計を示す。有機光検出器は、少なくとも1つの基板31、第1の電極32、第2の電極34、及び第1の電極32と第2の電極34との間に配置される少なくとも1つの有機材料33を含み、ショットキー障壁が、第1の電極32と有機材料33との間及び/又は第2の電極34と有機材料33との間の界面のレベルに形成される。有機光検出器の目標感度は、少なくとも1つの電極が表面プラズモン共鳴励起するためのナノ開口部を含むようにその少なくとも1つの電極を構造化することによって得られる。国際公開第2016/202995A1号パンフレットによって提案される装置の内部では、第1の電極32の金属上の光子が金属の自由電子によって吸収される。光子の吸収によって引き起こされた励起状態にある金属の自由電子は、ショットキー障壁を越える。ショットキー障壁を通る電子光子放出の効率は、電極の構造に依存し、電極の構造により、伝搬している又は更には局在化した表面プラズモンを結合することが可能になる。これらの表面プラズモンは「高温電子」になり、そのエネルギーは、ショットキー障壁を越え、有機材料33内で分子状態の形態で放出され、光電流を生成するのに十分である。そのような光電子の高温電子装置は、光子の粒子性質を利用する。貴金属における局在表面プラズモン共鳴(LSPR)の非放射崩壊、及びショットキーダイオードを使用して金属から取り出すことができる電子のバンド内励起により、電流を生成することができる。

しかしながら、そのようなプロセスの粒子性質により、そのような光電子の高温電子装置の動作スペクトル範囲は、金属の仕事関数、例えば、金の場合で約5.1eV、銀の場合で約4.3eV、によって制限される。更に、国際公開第2016/202995A1号パンフレットでは、プラズモン構造の構成は、所望の設計波長で金属による光吸収を最大化するように最適化されなければならない。

従って、変換効率を最大化しながら電磁波を電気エネルギーに直接的に変換するための改良された装置、及びそれを製造する方法が必要とされている。

概要

入射光を電気エネルギーに変換するためのレクテナ装置(400)が開示される。レクテナ装置は、基板(402)、基板の上部に堆積される所定の厚さを有する第1の金属層(404)、第1の金属層の上部に堆積される整流素子(405)、前述の整流素子の上部に堆積され、且つ入射光の電磁波を集め、それをレクテナ装置内部のプラズモン波に結合するようになっている、第2の金属層(408)を含み、第2の金属層は、所定の間隔に従って互いに間隔をあけた複数の金属パッチ(410)のアレイを含み、各金属パッチは所定の寸法を有する。整流素子はプラズモン波を整流して直流を生成するようになっており、プラズモン波は1つ又は複数の動作波長で生成され、レクテナ装置の少なくとも1つの寸法パラメータは少なくとも1つの動作波長から決定され、少なくとも1つの寸法パラメータは、複数の金属パッチの寸法、アレイにおける金属パッチの間隔、及び第1の金属層の所定の厚さ、を含む群において選択される。

目的

世界規模でのエネルギー消費は、次の数十年間の主要な課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

入射光電気エネルギーに変換するためのレクテナ装置(400)であって、−基板(402)と、−前記基板(402)の上部に堆積された第1の金属層(404)であって、所定の厚さを有する第1の金属層(404)と、−前記第1の金属層(404)の上部に堆積された整流素子(405)と、−前記整流素子(405)の上部に堆積され、且つ前記入射光電磁波を集め、それを前記レクテナ装置(400)内部のプラズモン波に結合するように構成されている第2の金属層(408)であって、所定の間隔に従って互いに間隔をあけた複数の金属パッチ(410)のアレイを含み、各金属パッチ(410)は所定の寸法を有する、第2の金属層(408)と、を含み、前記整流素子(405)は前記プラズモン波を整流して直流を生成するように構成されており、前記プラズモン波は1つ又は複数の動作波長で生成され、前記レクテナ装置(400)の少なくとも1つの寸法パラメータは少なくとも1つの動作波長から決定され、前記少なくとも1つの寸法パラメータは、前記複数の金属パッチ(410)の前記寸法、前記アレイにおける前記金属パッチ(410)の前記間隔、及び前記第1の金属層(404)の前記所定の厚さ、を含む群において選択される、レクテナ装置(400)。

請求項2

前記複数の金属パッチ(410)は前記アレイに沿って周期的に配置され、前記複数の金属パッチ(410)の前記間隔は、前記アレイ全体に渡って一定である、請求項1に記載のレクテナ装置(400)。

請求項3

前記複数の金属パッチ(410)はランダムに配置されている、請求項1に記載のレクテナ装置(400)。

請求項4

前記整流素子(405)は1つ又は複数の自己組織化分子ダイオードを含み、分子ダイオードは、チオール(−SH)又はニトリル(CN)などの固定基を用いて官能性を持たせてあるか、或いは、11−(フェロセニル)−1−ウンデカンチオール(HS−C11Fc)、スチリルプリジニウム、フェロセニル−アルカンジチオール、スチリルピリジニウムポルフィリンフタロシアニン、及びプッシュプル分子を含む群において選択される、請求項1に記載のレクテナ装置(400)。

請求項5

前記基板はシリコンから作製され、前記第1の金属層(404)及び/又は前記第2の金属層(408)は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、タングステン(W)、又は銅(Cu)を含む群において選択される材料から形成される、請求項1に記載のレクテナ装置(400)。

請求項6

前記少なくとも1つの動作波長は合計厚さの1倍〜100倍の範囲であり、前記合計厚さとは、前記第1の金属層(404)の厚さを表す、請求項1に記載のレクテナ装置(400)。

請求項7

少なくとも1つの動作波長は前記アレイの周期性の1倍よりも長い、請求項1に記載のレクテナ装置(400)。

請求項8

前記複数の金属パッチ(410)は複数の寸法を有し、前記レクテナ装置(400)は複数の動作波長で動作する、請求項1に記載のレクテナ装置(400)。

請求項9

前記少なくとも1つの動作波長は、ある比例定数を伴って、前記複数の金属パッチ(410)の中の1つの金属パッチ(410)の長さ及び/又は幅に直接的に比例する、請求項1に記載のレクテナ装置(400)。

請求項10

前記レクテナ装置(400)は前記整流素子(405)の上部に堆積された透明な導電層(406)を更に含み、前記第2の金属層(408)は前記透明な導電層(406)の上部に堆積され、前記透明な導電層(406)は所定の厚さを有し、且つ、前記整流素子(405)の近傍で前記電磁波からプラズモン波を少なくとも1つの動作波長について生成するように構成されており、前記少なくとも1つの寸法パラメータが選択される前記群は前記透明な導電層(406)の前記所定の厚さを更に含む、請求項1に記載のレクテナ装置(400)。

請求項11

少なくとも1つの動作波長は合計厚さの1倍〜100倍の範囲であり、前記合計厚さは前記第1の金属層(404)の厚さと前記透明な導電層(406)の厚さとの合計を表す、請求項10に記載のレクテナ装置(400)。

請求項12

前記透明な導電層(406)は、ZnO若しくはZnSを含む第1の群、又はZnO:Al、ITO、PEDOT:PSS、及び銀ナノ粒子を含む第2の群において選択される、請求項10又は11に記載のレクテナ装置(400)。

請求項13

前記透明な導電層(406)は前記第1の群において選択され、前記合計厚さは最大で50nmである、請求項11又は12に記載のレクテナ装置(400)。

請求項14

前記透明な導電層(406)は前記第2の群において選択され、前記合計厚さは50nmよりも厚い、請求項11又は12に記載のレクテナ装置(400)。

請求項15

入射光を電気エネルギーに変換するためのレクテナ装置(400)を製造する方法であって、−前記レクテナ装置(400)が共振する少なくとも1つの動作波長を決定するステップ(2000)と、−洗浄動作及びコーティング動作を含む、基板を準備するステップ(2001)と、−前記基板の上部に第1の金属層を堆積させるステップ(2002)と、−前記第1の金属層の上部に整流素子を堆積させるステップ(2004)であって、前記整流素子は、所定の厚さを有し、且つ、前記整流素子の近傍で前記入射光の前記電磁波から前記レクテナ装置(400)によって生成されたプラズモン波を整流するように構成されている、ステップ(2004)と、−前記整流素子の上部に第2の金属層を堆積させるステップ(2010)であって、前記第2の金属層は複数の金属パッチのアレイを提供し、前記複数の金属パッチはそれぞれが所定の寸法を有し、所定の間隔に従って互いに離れている、ステップ(2010)と、を含み、前記方法は更に、−前記第2の金属層によって前記入射光の電磁波を集めるステップと、−少なくとも1つの動作波長から前記レクテナ装置(400)の少なくとも1つの寸法パラメータを決定するステップであって、前記少なくとも1つの寸法パラメータは、前記複数の金属パッチの前記寸法、前記金属パッチの前記間隔、及び前記第1の金属層の所定の厚さ、を含む群において選択される、ステップと、を含む、方法。

請求項16

前記基板及び/又は前記整流素子はパターン形成されていない平面状の層である、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記基板並びに前記第1及び/又は第2の金属層は、超真空環境における銀(Ag)層の物理的蒸着PVD)、マグネトロンスパッタリングイオンビームスパッタリング(IBS)、電子ビーム蒸着を含む群において選択される技術を使用し、且つコロイドナノ粒子を使用することにより得られる、請求項15又は16に記載の方法。

請求項18

前記プロセスは更に、−前記整流素子の上部に透明な導電層を堆積させるステップ(2006)であって、前記透明な導電層は所定の厚さを有し、前記第2の金属層はステップ(2010)で前記透明な導電層の上部に堆積される、ステップ(2006)、を含み、前記少なくとも1つの寸法パラメータは、前記透明な導電層の前記所定の厚さを更に含む前記群において選択される、請求項15に記載の方法。

請求項19

前記基板、前記整流素子、及び前記透明な導電層は、パターン形成されていない平面状の層である、請求項15又は18に記載の方法。

請求項20

前記透明な導電層は、スピンコーティングディープコーティングゾルゲル、又は蒸着を含む群において選択される技術を使用することにより得られる、請求項19に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は光子エネルギー電気エネルギーに変換するアンテナに関し、特にレクテナ装置及びそのようなレクテナ装置を製造する方法に関する。

背景技術

0002

世界規模でのエネルギー消費は、次の数十年間の主要な課題である。人口の増加や輸送手段及び電気機器の使用の増加により、世界規模でのエネルギー消費は急速に歯止めのない速度で増加している。エネルギー消費は、輸送、工業、住宅用のニーズ農業、及び電気通信などの幾つかの分野では特に重要である。

0003

エネルギーは、基本的に化石燃料電気、及び熱エネルギーの形態で使用される。主なエネルギー資源としては、石炭石油、及び天然ガスが挙げられ、これらは纏めて全エネルギー供給の約80%を提示する。しかしながら、これらの資源は環境を汚染し、また量にも制限がある。

0004

原子力エネルギー資源は全エネルギー供給の約10%を賄っている。原子力エネルギー資源は温室効果ガスを排出しないが、使用済燃料廃棄物を生成する。そのような使用済燃料廃棄物は放射性であり、安全に保管しなければならない。太陽光及び風力などの再生可能エネルギー資源は、多くの理由で環境的に魅力的である。しかしながら、それらの使用には幾つかの顕著な制約がある。そのような再生可能エネルギー資源の使用に対する特段の制約は、それらの貯蔵及び電気エネルギーへの変換に関係しており、貯蔵及び電気エネルギーへの変換は相当な損失を引き起こすことがある。

0005

現在のところ、光子エネルギーから電気エネルギーへ変換するのに、シリコン(Si)などの半導体材料を使用した光起電力効果焦点が当てられている。光起電力効果を使用した光子から電気への変換効率は、約30%であると推定される。光起電力効果は、光の光子性質に基づいている。しかしながら、光を電気エネルギーに直接的に変換するために、光の電磁的性質も利用することができる。電気エネルギーへの直接変換のために光の電磁的性質を利用するというこの概念は、1972年にRobert Baileyによって提案され、米国特許第3760257A号明細書の公開参照文献の下で特許化されている。

0006

本明細書で使用する場合、「光」とはあらゆる種類の光子放射(「光学的放射」又は「光学振動」又は「太陽放射」とも呼ばれる)を指し、太陽光の放射には限定されない。光は、2つの特性、即ち、粒子の性質(「量子」性質とも呼ばれる)と、波の性質(「放射」性質とも呼ばれる)によって特徴付けられる。

0007

分子整流素子に関する意義深い開発と組み合わせた、ナノ構造、とりわけナノアンテナ及びマイクロアンテナに関係する技術的な進歩を利用して、太陽放射が電気エネルギーに直接的に変換された。特に、そのような変換を実現するためにレクテナ(「整流アンテナ」とも呼ばれる)が開発された。

0008

レクテナは、アンテナに結合された整流素子を備え、入射放射電気信号に直接的に変換する。光起電力効果のバンドギャップによって課される効率制限は、光子エネルギーを電気エネルギーに変換する整流素子を使用することで、取り除くことができる。

0009

米国特許第8847824B2号明細書は、集中定数素子検出器に結合されたアンテナを使用したレクテナを提案しており、このアンテナはダイオード送り込まれる。図1は、米国特許第8847824B2号明細書によって提案されるアンテナの設計を示す。アンテナ110、120は、可視領域内の特定の波長共振し、ストリップライン140、150を用いてダイオード130に結合される。ストリップライン140、150は伝送線路及びインピーダンス整合ネットワークの両方として働いて、MIMダイオード130(MIMは金属(Metal)−絶縁体(Insulator)−金属(Metal)を表す)への電力伝達最大化し、MIMダイオード130は入射電磁信号又は波を直流電流に変換する。集中定数素子ダイオードは、わずかなトンネリング時間を有する。しかしながら、そのような集中定数素子検出器の動作帯域幅は限られており、ダイオードの容量に依存する。更に、電力伝達を最大化するためには、ダイオードのインピーダンスはアンテナのインピーダンスと等しくなければならず、これは100オーム桁数である。更に、金属の大半は光周波数では吸収性であるので、インピーダンス整合用に使用される金属のストリップラインに関連した損失は著しくなる。

0010

別のレクテナ方式が、Groverら著の「Traveling−wave Metal/Insulator/Metal diodes for improved infrared bandwidth and efficiency of antenna−coupled rectifiers」と題された論文IEEE transactions on Nanotechnology,vol. 9,n°6,pages 716−722,Nov.2010,doi 10.3109/TNANO.2010.2051334において提案されている。そのような方式では、進行波MIMダイオードに基づく検出器が提案されている。図2は、そのような検出器の設計を示しており、これは、非常に薄い絶縁体240が間にある2つの金属層220及び230に接続されたアンテナ210から構成される。そのようなダイオード内の絶縁体層240は、空気に曝されたときに金属の表面上に金属酸化物によって形成される。間に薄い絶縁体240を挟んだ金属層220及び230は、プラズモン導波路の特性を有するMIMトンネルダイオードを形成する。進行波MIMダイオードでは、従来の集中定数素子ダイオードと比較すると応答性が向上するが、非常に薄い絶縁層により導波路構造との入射光の結合が低くなり、即ち損失が大きくなり、これは、従来の集中定数素子ベースのレクテナを用いて取得される量子効率よりも量子効率が低くなることを伴う。

0011

別の方式が国際公開第2016/202995A1号パンフレットで提案されており、この国際公開は、赤外線可視光、及び紫外線検出用有機光検出器装置について開示しており、この有機光検出器は、様々な波長の設計に対して感度引き上げるように調節することができるスペクトル応答を含む。図3は、国際公開第2016/202995A1号パンフレットに開示された有機光検出器の設計を示す。有機光検出器は、少なくとも1つの基板31、第1の電極32、第2の電極34、及び第1の電極32と第2の電極34との間に配置される少なくとも1つの有機材料33を含み、ショットキー障壁が、第1の電極32と有機材料33との間及び/又は第2の電極34と有機材料33との間の界面のレベルに形成される。有機光検出器の目標感度は、少なくとも1つの電極が表面プラズモン共鳴励起するためのナノ開口部を含むようにその少なくとも1つの電極を構造化することによって得られる。国際公開第2016/202995A1号パンフレットによって提案される装置の内部では、第1の電極32の金属上の光子が金属の自由電子によって吸収される。光子の吸収によって引き起こされた励起状態にある金属の自由電子は、ショットキー障壁を越える。ショットキー障壁を通る電子光子放出の効率は、電極の構造に依存し、電極の構造により、伝搬している又は更には局在化した表面プラズモンを結合することが可能になる。これらの表面プラズモンは「高温電子」になり、そのエネルギーは、ショットキー障壁を越え、有機材料33内で分子状態の形態で放出され、光電流を生成するのに十分である。そのような光電子の高温電子装置は、光子の粒子性質を利用する。貴金属における局在表面プラズモン共鳴(LSPR)の非放射崩壊、及びショットキーダイオードを使用して金属から取り出すことができる電子のバンド内励起により、電流を生成することができる。

0012

しかしながら、そのようなプロセスの粒子性質により、そのような光電子の高温電子装置の動作スペクトル範囲は、金属の仕事関数、例えば、金の場合で約5.1eV、銀の場合で約4.3eV、によって制限される。更に、国際公開第2016/202995A1号パンフレットでは、プラズモン構造の構成は、所望の設計波長で金属による光吸収を最大化するように最適化されなければならない。

0013

従って、変換効率を最大化しながら電磁波を電気エネルギーに直接的に変換するための改良された装置、及びそれを製造する方法が必要とされている。

0014

米国特許第3760257号明細書
米国特許第8847824号明細書
国際公開第2016/202995号

先行技術

0015

Grover et al., “Traveling−wave Metal/Insulator/Metal diodes for improved infrared bandwidth and efficiency of antenna−coupled rectifiers,” (IEEE transactions on Nanotechnology, vol. 9, n° 6, pages 716−722, Nov. 2010,doi 10.3109/TNANO.2010.2051334)

課題を解決するための手段

0016

これらの及び他の問題点に対処するために、そのような変換効率を最大化しながら、光子放射から電気エネルギーを生成するためのレクテナ装置が提供される。

0017

本発明の第1の態様によれば、添付の独立請求項1に更に記載されるようなレクテナ装置が提供される。

0018

特に、入射光を電気エネルギーに変換するためのレクテナ装置は、
−基板と、
−前述の基板の上部に堆積された第1の金属層であって、所定の厚さを有する第1の金属層と、
−前述の第1の金属層の上部に堆積された整流素子と、
−入射光の電磁波を集め、それをレクテナ装置内部のプラズモン波に結合するように構成されている第2の金属層であって、所定の間隔に従って互いに間隔をあけた複数の金属パッチアレイを含み、各金属パッチは所定の寸法を有する、第2の金属層と、を含み、
整流素子はプラズモン波を整流して直流を生成するように構成されており、プラズモン波は1つ又は複数の動作波長で生成され、レクテナ装置の少なくとも1つの寸法パラメータは少なくとも1つの動作波長から決定され、前述の少なくとも1つの寸法パラメータは、前述の複数の金属パッチの寸法、前述のアレイにおける金属パッチの間隔、及び第1の金属層の所定の厚さ、を含む群において選択される。

0019

更なる実施形態が、添付の従属請求項に記載される。

0020

本発明の第2の態様によれば、入射光を電気エネルギーに変換するためのレクテナ装置を製造する方法が提供され、この方法は、
−前述のレクテナ装置が共振する少なくとも1つの動作波長を決定するステップと、
洗浄動作及びコーティング動作を含む、基板を準備するステップと、
−前述の基板の上部に第1の金属層を堆積させるステップと、
−前述の第1の金属層の上部に整流素子を堆積させるステップであって、整流素子は所定の厚さを有し、整流素子の近傍で入射光の電磁波からレクテナ装置によって生成されたプラズモン波を整流するように構成されている、ステップと、
−整流素子の上部に第2の金属層を堆積させるステップであって、この第2の金属層は複数の金属パッチのアレイを提供し、この複数の金属パッチはそれぞれが所定の寸法を有し、所定の間隔に従って互いに離れている、ステップと、を含み、
この方法は更に、
−前述の第2の金属層によって入射光の電磁波を集めるステップと、
−少なくとも1つの動作波長からレクテナ装置の少なくとも1つの寸法パラメータを決定するステップであって、前述の少なくとも1つの寸法パラメータは、前述の複数の金属パッチの寸法、金属パッチの前述の間隔、及び前述の第1の金属層の所定の厚さ、を含む群において選択される、ステップと、を含む。

0021

更なる実施形態が、添付の従属請求項に記載される。

0022

幾つかの例示的な実施形態についての以下の説明及び添付の図面から、本発明がより良く理解され、その様々な特徴及び利点が明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0023

従来技術による、集中定数素子検出器と結合されたアンテナを備えるレクテナ装置の概略図である。
従来技術による、進行波MIMダイオードに基づく検出器を備えるレクテナ装置の概略図である。
従来技術による、赤外線、可視光、及び紫外線を検出するための有機光検出器の概略図である。
本発明の幾つかの実施形態による、レクテナ装置の概略図である。
本発明の幾つかの実施形態による、レクテナ装置の概略図である。
本発明の一実施形態による、レクテナ装置の多層構造の概略図である。
本発明の一実施形態による、レクテナ装置の吸収スペクトルを表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、ey軸に垂直な面内で行われた1550nmを中心としたプラズモンモードの2Dマッピングを表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、1550nmを中心としたプラズモンモードの2D正規化マッピングの絶対値を表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、1550nmを中心としたプラズモンモードの2D合計マッピングの絶対値を表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、900nmを中心としたプラズモンモードの2D正規化マッピングによって得られる電場の絶対値を表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、900nmを中心としたプラズモンモードの2D正規化マッピングによって得られる電場の絶対値を表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、900nmを中心としたプラズモンモードの合計マッピングの絶対値を表す図である。
本発明の例示的な実施形態による、レクテナ装置の吸収スペクトルの数値シミュレーション結果及び実験測定値を示す図である。
本発明の一実施形態による、レクテナ装置の全吸収の変化を入射波長(λ)と入射角(θ)の関数として表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、レクテナ装置の全吸収の変化を、入射波長(λ)の関数として3つの異なる角度(0°、8°、及び20°)について表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、2つの異なる寸法S1及びS2の正方形の形状をした複数の金属パッチのアレイを示す。
本発明の幾つかの実施形態による、異なる横方向の寸法の複数の金属パッチのアレイを有するレクテナ装置の吸収スペクトルの数値シミュレーションを表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、異なる横方向の寸法の複数の金属パッチのアレイを有するレクテナ装置の吸収スペクトルを表す図である。
本発明の幾つかの実施形態による、レクテナ装置の製造プロセスを示す流れ図である。
本発明の幾つかの実施形態による、図20のプロセスによって得られる金属パッチのアレイを示す。
例示的な実施形態による、レクテナ装置の有機層整流作用に関連した実験的構成と測定シーケンスを表す図である。
例示的な実施形態による、レクテナ装置によって生成される電流値を表す図である。
一実施形態による、生成された電流の変化を、レクテナ装置を支持する電圧の関数として表す図である。

実施例

0024

本発明の実施形態は、改良されたレクテナ装置及びそのようなレクテナ装置を製造する方法を提供する。

0025

本発明の実施形態は、電磁波の電気の変換、可視領域(0.38μm〜0.780μmの範囲の波長)及び赤外領域(0.78μm〜0.5mmの範囲の波長)で動作する装置における光検出及び画像取得、を含むがこれらには限定されない幾つかの用途に適用することができる。本発明の実施形態は、太陽エネルギー取り入れ、又は廃熱の電気への変換に関連した用途に使用することができ、他にも赤外領域での光検出及び画像取得に関係した潜在的な画期的技術進歩を伴い得る。

0026

本発明については、以下では、説明目的のみのために、光子放射の電磁波の性質を使用して、分子ダイオードに基づく光子エネルギーの電気エネルギーへの直接変換に関係した例を参照して説明する。しかしながら、当業者であれば、分子整流素子に関係した技術と結びつけた、ナノアンテナ及びマイクロアンテナの製造に関係した他の技術を代わりに使用して、入射光を電気エネルギーに直接的に変換することができることを、容易に理解するであろう。

0027

以降で説明する幾つかの実施形態の理解を容易にするために、以下の定義が提供される。

0028

本明細書で使用する場合、「光」とは、光子エネルギーを有し、且つ2つの性質(又は特性)、即ち、粒子の性質(「量子」性質とも呼ばれる)及び波の性質(「放射」性質とも呼ばれる)によって特徴付けられる、光子信号を指す。

0029

レクテナ(以降では「レクテナ装置」又は「整流アンテナ」とも呼ばれる)は、アンテナに結合された整流素子を含んで入射光子放射を電気エネルギーに直接的に変換する。

0030

光子の粒子性質を利用する従来の光電子の高温電子装置とは違い、レクテナは光子放射の波の性質を使用して入射光を電気エネルギーに直接的に変換する。

0031

レクテナは、光学タイプのものであり得る。光学レクテナでは、可視領域又は近赤外領域の電磁波は、金属ナノアンテナにおいて伝導電子の振動を引き起こし、それにより交流(AC)電流を発生させることができる。

0032

電磁波がレクテナ装置に入射すると、伝導電子は、レクテナ装置の伝導媒体内で伝導電子の急速な振動を受ける。電磁波と伝導電子との間のそのような結合は、「プラズモン波」と呼ばれる。これは、例えば太陽のスペクトルの場合、1.2.1014Hz THz〜1015Hzの範囲であり得る高周波を有するAC電流(ACは交流を表す)を生成することができる。そのようなAC電流を、超高周波ダイオードを用いて整流して、DC電流(DCは直流を表す)を得ることができる。これらのメカニズムは、従来のアンテナを用いた電波の受信中に発生するメカニズムと似ている。プラズモンナノアンテナにおいて生成されるAC電流は、プラズモン波の振動中にDCに整流することができる。

0033

本明細書で使用する場合、光子から電気への変換効率とは、入力として与えられる光子エネルギーと出力として生成される電気エネルギーとの間の比率割合を指す。100%の理論上の効率は、エネルギーの損失が全くない変換を指す。

0034

レクテナの「全体的効率」は、4つの要因乗算することによって得られる。
−入射放射をアンテナに結合する効率
収集したエネルギーをアンテナからダイオードへ伝搬させる効率
表面波をダイオードに結合する効率
−ダイオードで受け取った電力を整流する効率

0035

入射放射をアンテナ構造に結合する効率は、レクテナ構造の全体的な効率を決定するための重要な要因である。

0036

MIMトンネルダイオードレクテナで使用される絶縁層の厚さを厚くすると結合の効率が高まるが、これは、MIMダイオードの単位面積当たり抵抗も増加させ、次いでこれにより、応答性が低下し、最終的には量子効率が低下する。整流素子として分子ダイオードを使用すると、MIMダイオードのこのような制限を克服することができる。

0037

レクテナ装置の動作周波数(operating frequency)(作用周波数(working frequency)とも呼ばれる)とは、レクテナ装置の共振周波数を指し、且つ動作波長に対応し、この動作波長は共振波長とも呼ばれ、これ以降ではλresoと記される。

0038

サイズ(又は幅)は、矩形パッチの幅、長さ、及び高さを指す。またこれは、円形パッチの高さ及び直径を指す。アンテナが、矩形でも円形でもない金属パターンを含む場合、サイズとは、そのパターン画定できる寸法を指す。

0039

レクテナを形成する周期的な格子は、空間内で周期的に繰り返される金属パターンから構成される。基本セルは、有限体積を有する、空間の最小部分として定義され、ベクトルt=m.a+n.b+p.c((n、m、p)は正の整数)の平行移動によって空間の舗装保証することができる。a、b、及びcは、正規直交参照の単位ベクトルの関数、a=a×ex、b=b×ey、及びc=c×ez、として書くことができる3つのベクトルである。このとき、軸に沿った周期性(又は間隔)はa、b、及びcによって与えられる。

0040

本発明の実施形態は、入射光を電気エネルギーに高効率で変換するためのレクテナ装置を提供する。本発明の様々な実施形態によるレクテナ構造は、ダイオードの性能に影響を与えることなく、レクテナ内のコア材料の厚さhを大幅に厚くし、入射光のレクテナ構造への結合を強める。コア材料は、ダイオード構造、又は追加の導電性酸化物で覆われたダイオード構造から構成されることがある。

0041

図4を参照すると、入射光を電気エネルギーに変換するように構成されているレクテナ装置400が示されており、このレクテナ装置400は、
−基板402と、
−基板402の上部に堆積された第1の金属層404であって、所定の層厚さを有する第1の金属層404と、
−第1の金属層404の上部に堆積された整流素子405(「整流層」と呼ばれる)と、
−入射光の電磁波を集めるように構成されている第2の金属層408であって、所定の間隔(即ち、所定の周期性)に従って互いに間隔をあけた複数の金属パッチ410のアレイを含み、各金属パッチ410は所定の寸法(即ち、所定のサイズ)を有する、第2の金属層408と、を含む。

0042

整流素子405は、プラズモン波を整流して直流電流を生成するように構成されていることがあり、プラズモン波は、第1の金属層404と整流素子405の近傍で1つ又は複数の動作波長の電磁波から生成されて、DC電流を生成する。

0043

レクテナ装置400の少なくとも1つの寸法パラメータは、少なくとも1つの動作波長から決定することができ、この少なくとも1つの寸法パラメータは、複数の金属パッチ410の寸法(例えば、パッチの横方向寸法幅及び/又は長さ)、金属パッチ410の間隔又は周期性、及び第1の金属層404の所定の厚さ、を含む群において選択される。

0044

幾つかの実施形態によれば、基板402はシリコン(Si)から作製されることがある。

0045

本発明の実施形態によっては、第1の金属層404及び/又は第2の金属層408は、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、タングステン(W)、又は銅(Cu)を含む群において、これらに限定はされないが、選択される材料から形成されることがある。

0046

実施形態によっては、金属パッチ410は、入射光をコア材料に結合する散乱中心として機能することがある。

0047

実施形態によっては、金属パッチ410はそれぞれ、所定の幾何形状及び所定の寸法/サイズを有することがある。

0048

金属パッチ410は、例えば、円形、楕円形菱形、矩形、正方形、又はストリップ形状などの、これらに限定するものではないが特定の幾何形状を有することがある。好ましくは、全ての金属パッチ410が同じ幾何形状を有することがある。

0049

実施形態によっては、金属パッチ410は、格子(「アレイ」とも呼ばれる)状に周期的に配置されることがある。金属パッチ410は、金属パッチの各対の間に所定の周期性を伴って、アレイに沿って配置されることがある。周期的な金属パッチ410の配置による格子は、正方形、六角形三角形、又は菱形などの形状を有することがあるが、これらに限定はされない。例えば、図4に表わされる実施形態では、金属パッチ410は正方形の格子に従って配置されることがある。

0050

他の実施形態では、金属パッチ410は、レクテナ装置400の動作スペクトル範囲を広げるために、ランダムに配置されることがある。

0051

一実施形態では、第2の金属層408は、正方形などの所与の形状を有する、銀(Ag)から作製された幾つかの金属パッチ410のアレイを含むことがある。

0052

実施形態によっては、金属パッチ410は、アレイの周期性P及び第2の金属層408の幅Wなどの、一組のパラメータによって定義されることがある。

0053

第2の金属層408の複数の金属パッチ410が周期的に配置される実施形態では、複数の金属パッチ410のアレイの周期性Pは、10nm f〜20マイクロメートルの間で変化することがある。これにより、可視域及び近赤外域の電磁波を取り込むことが可能になる。

0054

実施形態によっては、整流素子405の厚さは、優れた電荷輸送特性を可能にするために、非常に薄いことがある。特に、整流素子405は、0.1〜10nmの範囲の厚さhOLを有することがある(0.1nm≦hOL≦10nm)。

0055

幾つかの実施形態によれば、整流素子405は、自己組織化した整流分子から作製されることがある。

0056

特定の実施形態では、整流素子405は、1つ又は複数の分子ダイオードを含むことがある。生成されたプラズモン波を1つ又は複数の分子ダイオードによって整流して、DC電流を生成することができる。しかしながら、本発明は、分子ダイオードから作製された整流素子405に限定されないことに留意されたい。

0057

実施形態によっては、整流素子405は、1つ又は複数の自己組織化した分子ダイオードを含むことがある。

0058

実施形態によっては、整流素子405は、共振フォトニック構造一体化されていることがある。特に、1つ又は複数の分子ダイオードが、共振フォトニック構造に一体化されていることがある。

0059

分子ダイオードは、固有電気的特性に起因してAC電流を整流することができる。

0060

実施形態によっては、整流素子405は、第1の金属層404の上部に、1つ又は複数の分子ダイオードによって形成された自己組織化した単分子層を含むことがある。これにより、有機層の底部に配置された銀(Ag)層からの電荷の抽出を最適化することができる。

0061

実施形態によっては、1つ又は複数の分子ダイオードは、フェロセニルアルカンチオール及び/又はスチリルピリジニウム及び/又はポルフィリン及び/又はフタロシアニン(phtalocyanine)からなる群において選択される分子の群から形成されることがある。

0062

実施形態によっては、1つ又は複数の分子ダイオードは、例えばチオール(−SH)などのアンカーを用いて官能性を持たせた分子を含むことがあり、チオールにより、金(Au)、銀(Ag)、又は銅(Cu)などの貴金属との共有結合を介した結合が可能になる。

0063

別の実施形態では、1つ又は複数の分子ダイオードは、代わりに、プッシュプル分子を含むことがある。

0064

幾つかの実施形態によれば、少なくとも1つの動作波長は、合計厚さの1倍〜100倍の範囲であることがあり、合計厚さとは、そのような実施形態では、第1の金属層404の厚さを表す。

0065

実施形態によっては、少なくとも1つの動作波長は、複数の金属パッチのアレイの周期性の1倍よりも長いことがある。

0066

幾つかの実施形態によれば、少なくとも1つの動作波長は、ある比例定数を伴って、複数の金属パッチ410の中の1つの金属パッチ410の長さ及び/又は幅に直接的に比例することがある。

0067

複数の金属パッチ410の全てが同じサイズを有し且つ周期的に配置されている幾つかの実施形態では、レクテナ装置400は1つの動作波長を有することがある。

0068

金属パッチ410が異なるサイズを有し且つ周期的に配置されている幾つかの実施形態では、レクテナ装置400は幾つかの動作波長を有することがある。

0069

実施形態によっては、プラズモン波が第1の金属層404と整流素子405の近傍で受け取られた電磁波から生成される場合の少なくとも1つの動作波長は、複数の金属パッチ410の寸法/サイズ、及び/又は複数の金属パッチ410の周期性から、決定されることがある。

0070

図4に示した層状構造を有するレクテナ装置400の動作周波数、従って動作波長λresoは、金属パッチ410の周期性P及び/又は幅Wなどの金属パッチ410の幾何形状パラメータ、及びコア材料の厚さhから決定することができる。

0071

実施形態によっては、動作波長は、次式に従って、複数の金属パッチ410の周期性Pの1倍よりも長いことがある。
P≦λreso (式1)

0072

この範囲は、金属パッチ410が確実に光を散乱させるように選択されることがある。

0073

実施形態によっては、複数の金属パッチ410のアレイの周期性Pは、次式に従って、レクテナ装置の目標動作波長λresoの4分の1から目標動作波長λresoの完全な値までの範囲を取り得る。

0074

これは、特定の目標動作波長で動作することができるレクテナ装置400を提供することができる。

0075

別の実施形態では、動作波長は、次式に従って、金属パッチ410の幅Wの少なくとも2倍であることがある。
2W≦λreso (式3)

0076

この範囲は、金属パッチと第1の平面状の金属層との間で金属パッチの下をプラズモン波が伝搬する、ファブリーペローのような共振を確実に得ることができるように選択されることがある。

0077

一実施形態では、金属パッチの幅は、次式に従って、レクテナ装置の目標動作波長λ’resoの値の半分よりも大きくなっていることがある。
W≦λ’reso/2 (式4)

0078

実施形態によっては、レクテナ装置400の動作波長λresoは、複数の金属パッチ410の幅W、及びコア材料内の光子モード実効屈折率



(ωは共振波長での脈動であり、kは波動ベクトルである)から決定することができる。

0079

特に、一実施形態では、レクテナ装置400の動作波長λresoは、次式に従って、2と、金属パッチ410の幅Wと、コア材料内の光子モードの実効屈折率(ngap)との積(即ち、積に実質的に等しい)によって近似することができる。
λreso≒2*W*ngap (式5)

0080

使用される材料に応じて、コア材料の厚さhは、次式に従って、0.1nm〜共振波長λresoの値の間に含まれることがある。
h≦λreso (式6)

0081

図4に示す幾つかの実施形態によれば、レクテナ装置400は更に、整流素子405の上部に堆積された透明な導電層406を含み、透明な導電層406の上部には第2の金属層408が堆積されることがある。透明な導電層406は所定の厚さを有し、整流素子405の近傍で電磁波からプラズモン波を少なくとも1つの動作波長で生成するように構成されていることがある。そのような実施形態では、少なくとも1つの寸法パラメータは、複数の金属パッチ410の寸法、アレイ内での金属パッチ410の間隔、第1の金属層404の所定の厚さ、及び透明な導電層406の所定の厚さ、を含む群において選択されることがある。

0082

実施形態によっては、整流素子405及び透明な導電層406は、レクテナ装置400のコア材料を形成することがある。

0083

実施形態によっては、少なくとも1つの動作波長は、合計厚さの1倍〜100倍の範囲であることがあり、合計厚さhとは、第1の金属層404の厚さと透明な導電層406の厚さとの合計を表す。

0084

幾つかの実施形態によれば、透明な導電層406は、酸化亜鉛(ZnO)及び硫化亜鉛を含む第1の群、又はアルミヌイム(Aluminuim)ドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ポリスチレンスルホン酸PEDOT:PSS、及び銀ナノ粒子を含む第2の群において選択されることがある。

0085

透明な導電層406が第1の群において選択される幾つかの実施形態によれば、合計厚さは最大で50nmまでであり得る。

0086

透明な導電層406が第2の群において選択される幾つかの実施形態によれば、合計厚さは50nmより厚いことがある。

0087

そのような実施形態では、整流素子405及び透明な導電層406によって形成されるコア材料の厚さは、透明な導電層406の導電特性がまさるように決定されることがある。

0088

実施形態によっては、透明な導電層406の厚さは、1つ又は複数の分子ダイオードの近傍での電磁場閉じ込めの制御を最適化するように、且つレクテナ装置400の1つ又は複数の目標動作波長に達するように、決定されることがある。

0089

本発明者らは、透明な導電層の厚さが、0.1nmナノメートルから300nmまで変化する場合、レクテナ装置の動作波長に大きな影響を与えることがあることを、分析した。

0090

更に、透明な導電層の厚さが、50nmのナノメートルよりも厚い場合、動作波長には影響を与えないことが、分析されている。

0091

実施形態によっては、第2の金属層408及び/又は透明な導電層406は電極であることがある。説明目的のみのために、幾つかの実施形態についての以下の説明は、2つの電極によって形成される第1の金属層404及び透明な導電層406を参照して行われる。

0092

実施形態によっては、レクテナ装置400は、プラズモンアンテナ及び1つ又は複数の分子ダイオードを含むプラズモンレクテナであり得る。

0093

更に、プラズモン波が生成される動作波長を、少なくとも1つの分子ダイオードによって整流して、DC電流を生成することができる。

0094

入射光の電磁波を、第2の金属層408の複数の金属パッチ410によって集めて、それによってプラズモンモードを有するプラズモン波を生成することができる。

0095

図4及び図5に示すex、ey、及びez単位ベクトルは、デカルト座標系を定義し、ex及びey単位ベクトルはそれぞれ、基板402が置かれる平面の横座標軸及び縦座標軸を定義する。第1の金属層404、整流素子405、透明な導電層406、及び第2の金属層408は、高さ軸を定義するez単位ベクトルに従って、基板402の上に堆積される。横座標軸、縦座標軸、及び高さ軸にそれぞれ平行な電場は、これ以降では、それぞれEx、Ey、及びEzと記される。図4のデカルト座標系に加えて、図5ではex及びey法平面が示されている。

0096

入射電磁波は、図4に示すように、第1の金属層404に沿って伝搬し、且つez単位ベクトルに沿って分子ダイオードに沿って電場を示すプラズモンモードを生成するために、プラズモン構造によって取り込まれることがある。

0097

そのようなプラズモンモードは、第2の金属層408によって励起されることがあり、複数の金属パッチ410は、周期的に配置され、且つ散乱として機能し、またプラズモンモードは、両方の電極404と408との間をコアへと伝搬することがあり、それによって分子ダイオードに沿った電場の振動をもたらすことがある。

0098

図4の構成によれば、プラズモンモードによって生成された電場の振動は、分子ダイオードによって整流することができる。

0099

本発明の幾つかの実施形態によるプラズモンレクテナ装置の設計は、分子ダイオードによって整流することができるプラズモン波を生成するように、更に最適化することができる。特に、プラズモンレクテナ装置は、透明な導電層406によって、自己組織化した分子ダイオードの近傍でプラズモン波を生成するのが可能になり、プラズモン波の電場が分子ダイオードに沿って振動するように、構成することができる。これにより、分子ダイオードによる伝導電子の振動によって引き起こされる、光誘起されたAC電流の整流が可能になる。

0100

集光の最適化、及び分子ダイオードへのエネルギー伝達の計算を、有限差分時間領域(FDTD)法などの光学処理技術を使用して、実施することができる。そのような処理技術により、プラズモン構造の光学特性予測することが可能になる。

0101

図6は、本発明の例示的な実施形態における、1550nmの波長で動作するように構成されているレクテナ装置600の多層構造を示す。図6の例示的なレクテナ装置600は層状構造を有し、この層状構造は、
シリコン基板601と、
−シリコン基板601の上部に堆積された銀(Ag)から形成された第1の平坦な金属層602と、
−第1の金属層602の上部に堆積された整流分子ダイオード層603と、
−整流分子ダイオード層603の上部に堆積された酸化亜鉛(ZnO)から形成された透明な導電層604と、
−正方形の格子状に、850nmの周期性Pで周期的に配置された、幅Wが320nmの正方形の銀のパッチから作製された第2の金属層605と、を含むことがある。

0102

そのような実施形態では、コア材料(整流分子ダイオード603、透明な導電層604から構成される)の厚さhは50nmである。

0103

図7は、TE(Transverse Electric)モード及びTM(Traverse Magnetic)モードでの、図6の実施形態による、本発明の例示的な実施形態での、1550nmの波長で動作するように構成されているレクテナ装置600の吸収スペクトルを示す。この吸収スペクトルは、2つの異なるプラズモンモードへの光結合から生じた2つの吸収ピークを示しており、それらの吸収ピークはそれぞれ900nmと1550nmを中心としている。

0104

吸収スペクトルを得るために、1550nmを中心としたモードの2Dマッピングを、ex軸に垂直な平面とey軸に垂直な平面で実施した。図8及び図9は、得られたマッピングを示す図である。そのような2Dマッピングは、銀(Ag)パッチの側端上にEx電場の上昇があり、また、平坦なAg層上にコーティングされた分子ダイオードの近傍にある酸化亜鉛(ZnO)層内部でEz電場の上昇があることを示している。従って、Ez場は、分子ダイオードに沿って振動し、整流することができるAC電流に寄与する。

0105

このような結果は、図10に示すマッピングによって更に裏付けられ、これは、合計ポインティングベクトルP、並びにex及びey軸上に投影されたベクトルPの成分のマッピングに相当する。

0106

エネルギーの主要部分は、酸化亜鉛(ZnO)層内部を両方のAg電極間でex軸に沿って伝搬することがあり、分子ダイオードに沿ったEz場の振動をもたらす。1550nmを中心としたモードにより、プラズモン構造から分子ダイオードへの光エネルギーの伝達が可能になる。このモードは、x軸に沿ったファブリーペロー効果によって、銀(Ag)パッチの下に閉じ込められる。分子ダイオードを介した入射媒体(空気)からのエネルギー伝達は最大化されなければならず、伝達されたエネルギーは、電磁波の形で伝搬しなくてはならない。これらの電磁波は、第1のパターン形成されていない金属層602と分子ダイオード603との間の界面に沿って伝搬しなくてはならない。エネルギー伝達は、第1のパターン形成されていない金属層602と分子ダイオード603との間の界面に沿って伝搬する電磁エネルギーの流れを計算することによって、推定することができる。そのような実施形態によるレクテナ装置600を使用すると、約48%のエネルギー伝達率が得られる。この値は、集中定数素子ベースのレクテナ及び進行波金属−絶縁体−金属ダイオードに基づくレクテナ(Groverら)などの標準的な方式を使用して得られるエネルギー伝達率(一般に10%未満)よりも高くなっている。

0107

更に、900nmを中心としたモードの2Dマッピングが、ex(Ex)上に投影された電場Eの絶対値を示すex軸に垂直な平面と、ex(Ex)及びez(Ez)上に投影された電場Eの絶対値を示すey軸に垂直な平面で、実施された。図11及び図12は、得られた2Dマッピングを示す図である。この2Dマッピングは、電場が、Agパッチの上部に局在化し、分子ダイオードからは離れてx軸に沿って伝搬することを示している。従って、これらのプラズモンモードは、900nmを中心としたモードとは違い、分子ダイオードによって整流されてAC電流を生成することができない。これらの結果は、図13を通じて示される合計ポインティングベクトルP及びその面内成分のマッピングによって裏付けられる。

0108

図14は、例示的な実施形態における、1550nmの波長で動作するように構成されているレクテナ装置600の数値シミュレーション及び実験的測定に対応する吸収スペクトルを示す。図14に示す吸収スペクトルは、赤外領域に対応している。そのような例示的な実施形態では、レクテナ装置600は図6に示す多層構造を有し、パッチ間周期的間隔が850nmに等しく、各金属パッチが320nmに等しい幅を有する。

0109

なお、電磁的スケーリング則は、赤外領域に限定はされない。或いは、これは、可視域、赤外域からテラヘルツ領域までの範囲の複数の波長又は周波数で動作する層状のレクテナ構造の設計に適用することができる。

0110

なお、図14に示すシミュレーションと実験結果との間には矛盾はなく、これは、本発明の実施形態による、異なるスペクトル範囲で動作するレクテナ装置600の構成を用いて達成される性能を反映している。

0111

高効率且つ広い角度範囲で光を集めることにより、生成される電荷の量が増え、それによって、より高い効率のレクテナ構造を提供することができる。

0112

図4の構成に対応した一実施形態では、レクテナ装置400は、±80°の角度範囲を有する入射光を集めることができる。

0113

図15及び図16は、本発明の例示的な実施形態における、1550nmの波長で動作するように構成されているレクテナ装置300の入射角(θ)の関数として、吸収スペクトルの変化を示した図であり、この実施形態では、想定されるレクテナは、正方形の格子状に850nmの周期性Pで周期的に配置された、幅Wが320nmの正方形の銀パッチから作製される。

0114

多くの用途の場合、入射角は厳密に垂直ではない。従って、レクテナ構造の角度依存応答を研究して、入射角が変化したときに共振及び吸収量が変化するのかどうかを評価することが重要である。図15では、一次共振(1.55μm)は、その局所性のせいで、入射角が変化しても変化しないことが示されている。入射角に強く依存する誘導光子モードと比較すると、これは有益な利点である。これらの結果は、レクテナによる入射光の吸収が、動作波長(1550nm)において入射角の広い範囲に渡って単一に近いことを示している。この吸収ピークは、入射角に弱く依存することが知られている分子ダイオードの近傍でのプラズモンキャビティモードの結合によるものである。垂直入射の場合900nmである第2のピークは、格子の上部において結合された誘導光子モードに対応し、そのようなモードは、1550nmを中心としたモードとは違い、入射角に強く依存することが知られている。

0115

図16は、本発明の例示的な実施形態における、1550nmの波長で動作するように構成されているレクテナ装置600の入射角(θ)の異なる値に対して、入射波長(λ)の関数としてスペクトル吸収Aの変化を表している。

0116

複数の金属パッチ410のアレイが、異なるパッチ寸法を有する金属パッチを含む幾つかの実施形態では、パッチアレイの作用波長は、金属パッチ410の横方向の寸法に強く依存することがある。従って、横方向の寸法(幅及び長さ)が異なるパッチを使用することにより、レクテナ装置400は、有利にも、複数の作用波長で動作することができる。寸法が定義されたパッチのアレイは、パターン(S1及びS2)と呼ばれる。作用波長の数nは、異なるパッチアレイの数nに等しくなる。

0117

図17は、周期的な間隔に従って配置された複数の金属パッチ410の例示的なアレイを表しており、各金属パッチ410は、2つの異なる寸法S1及びS2のうちの1つを有する正方形を有し、レクテナ装置400は、2つの異なる動作周波数で動作する。

0118

図18及び図19は、幾つかの実施形態による、異なる幅を有する複数の金属パッチ410のアレイを有するレクテナ装置400の吸収スペクトルを示す。図18では、金属パッチ410は、幅が260nmの金属パッチ410と、幅が320nmの金属パッチ410とを含むことがある。金属パッチ410は、アレイに沿って850nmの周期的間隔Pで配置されることがある。図19では、金属パッチ410は、幅が320nmの金属パッチ410と、幅が420nmの金属パッチ410とを含むことがある。金属パッチ410は、850nmの周期的間隔Pで配置されることがある。

0119

図18及び図19は、単純な幾何形状を使用して、複数の動作波長を検出又は収集することができることを示している。収集することができる動作波長の数は、設計されたアレイ構造に依存することがある。

0120

図18の実施形態では、レクテナ装置400は、1350nm及び1525nmで共振することができる。

0121

図19の実施形態では、レクテナ装置400は、1550nm及び1950nmで共振することができる。

0122

図20は、本発明の幾つかの実施形態における、1つ又は複数の分子ダイオードに基づく多層レクテナ装置400を製造するための方法を示す流れ図である。

0123

ステップ2000では、少なくとも1つの動作波長を決定することがある。

0124

ステップ2001では、レクテナ装置を上に作製することになる基板を、予め洗浄することがある。ステップ2001で適用される洗浄技術は、基板のタイプによって異なることがある。

0125

本発明の好ましい実施形態では、基板はシリコン(Si)から形成されることがある。本発明の幾つかの実施形態についての以下の説明は、例示目的のみのために、シリコン基板を使用した層状レクテナ構造の製造を参照して行われる。しかしながら、当業者であれば、本発明はシリコン基板に限定されないことを、容易に理解するであろう。

0126

そのような実施形態では、シリコン(Si)基板は、まずアセトン溶液中で湿式洗浄され、その後窒素噴射乾燥又はスパン乾燥が行われることがある。更に、基板をアルゴン又は酸素中でプラズマ洗浄して、基板の表面に存在することがある有機不純物を取り除くことがある。

0127

ステップ2002では、銀層物理的蒸着PVD)を、超真空環境で行うことがある。

0128

ステップ2004では、分子ダイオードを堆積させることがある。

0129

ステップ2006では、酸化亜鉛(ZnO)粒子のスピンコーティングを行うことがある。当業者であれば、導電層の堆積はスピンコーティングに限定はされないことを、容易に理解するであろう。代わりに、PVD又は無線周波数/直流電流(RF/DC)スパッタリングなどの他の堆積技術を使用することができる。

0130

ステップ2007では、ナノリソグラフィパターニングを、ポリメチルメタクリレートPMMA)層を使用して行うことがある。そのようなステップは、金属パッチを堆積させるためにマスクを作成する。当業者であれば、マスクのために使用される材料はPMMAに限定されないことを、容易に理解するであろう。電子ビームリソグラフィ又はレーザリソグラフィなどの他のタイプのリソグラフィも、同様に使用することができる。

0131

ステップ2008では、金属のPVD堆積によって金属パッチを形成することがある。

0132

ステップ2010では、PMMA層リフトオフプロセスを使用することにより、最終的な金属パターンを得ることがある。

0133

金属の直接パターニングも同様に使用することができる。

0134

図21は、図20の実施形態による製造方法を用いて得られたレクテナ装置400を示す。

0135

ステップ2102では、厚さが100nmの第1の銀(Ag)層404が、シリコン基板402の上に堆積されることがある。

0136

次いで、ステップ2104では、HSC11−Fc層405が、銀層404の上部に堆積されることがある。

0137

ステップ2106では、所定の厚さ(50nmの厚さなど)を有するZnO層406が、層405の上部に堆積されることがある。

0138

ステップ2108では、銀(Ag)パッチ410のアレイに対して、マスク設計を行うことがある。

0139

ステップ2110では、銀パッチ110のアレイを含む金属層408が、リフトオフプロセスに従って堆積されることがある。

0140

好ましい実施形態では、基板402、第1の金属層404、及び透明な導電層406は、パターン形成されていない、本質的に平面状であり得る。

0141

実施形態によっては、第1の金属層404及び第2の金属層408は、例えば、超真空環境での銀(Ag)層の物理的蒸着(PVD)、マグネトロンスパッタリングイオンビームスパッタリング(IBS)及び電子ビーム蒸着などの適切なコーティング技術を使用してコーティングされることがある。

0142

実施形態によっては、透明な導電層406は、スピンコーティング、ディープコーティング、ゾルゲル、及び蒸着などの幾つかの技術を使用してコーティングされることがある。

0143

本発明の実施形態によるレクテナ装置400は、整流層405の効率的な整流作用を可能にする。

0144

図22を参照すると、幾つかの実施形態による、自己組織化単分子膜(SAM:Self−Assembled Monolayer)上に構成される有機層の整流作用を分析するために適用された実験的構成及び測定シーケンスが示されている。図22の測定シーケンスは以下を含む。
暗電流対電圧の測定(I(V)曲線D00)
−1550nmの波長の光を点灯し、IV曲線を測定する(L00)
−5分間光を点灯し続け、その後消灯する
暗いIVを測定する(D01)
−5分間待機して、次の暗いIV曲線を測定する(D02)
−5分間待機して光を点灯し、IV曲線を測定する(L01)
−複数回のサイクルに渡って、IV測定を繰り返す
−光を消灯し、暗いIVを測定する(D03)
−5分間待機し、暗いIVを測定する(D04)
−5分間待機し、その後光を点灯し、IV曲線L13又はL21を測定する。

0145

そのような測定シーケンスにより、暗闇及び照明下でのレクテナ装置400の特徴付け、及び熱的効果の特徴付けが可能になる。

0146

図23は、図22で示した測定シーケンスの異なるステップについて、レクテナ装置400が+1Vの電圧によって支持される場合に得られる電流値を示す。

0147

IV曲線、D00及びL00は、整流素子405に含まれる1つ又は複数の分子ダイオードによる電磁波の整流を示す。他の曲線は、性能の測定値を示している。

0148

図24は、本発明の幾つかの実施形態における、生成された電流の変化を、レクテナ装置400を支持する電圧の関数として示している。図24測定結果は、光がレクテナアレイによって整流されていることを示す。

0149

様々な実施形態の説明によって本発明を例示し、また、これらの実施形態についてかなり詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限するか又は何らかの態様で限定することを、本出願人は意図していない。更なる利点及び修正例が、当業者には容易に明白になるであろう。更に、流れ図、シーケンス図、及び/又はブロック図のいずれも、本発明の実施形態と一致して示されたブロックよりも多い又は少ないブロックを含むことがある。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ