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技術 複視及び輻輳不全障害の治療方法及び装置

出願人 アンブリオテック・インク
発明者 コジアック,ジョセフ
出願日 2018年11月26日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2020-545829
公開日 2021年2月15日 (4ヶ月経過) 公開番号 2021-504074
状態 未査定
技術分野 電子ゲーム機 リハビリ用具
主要キーワード キャリブレーション段階 動作検知器 クワドラント キャリブレーションステップ 視覚的状態 視覚的構成 音声処理器 中級者向け
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年2月15日)のものです。
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図面 (9)

課題・解決手段

患者複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の出現及び/又は重症度を評価する方法;この方法は、患者の第1の眼に第1の画像を呈示し且つ患者の第2の眼に第2の画像を呈示するように構成された画像対を患者に提供すること;第1の画像の情報内容及び第2の画像の情報内容を知覚する必要がある課題を患者が遂行するときの患者の遂行能力情報を取得すること;遂行能力情報に基づき、第1の画像と第2の画像との間の少なくとも1つの画像パラメータの差を調整すること;及び患者が調整後に課題を遂行するときの患者の遂行能力情報に基づき患者の複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の程度を評価することを含む。

概要

背景

複視は、互いに対して水平方向、垂直方向、斜め方向又は回転方向にずれたものであり得る単一の物体の2つの像が同時に知覚されることである。複視は、外眼筋の機能が損なわれた結果であり得る。複視は時に、他の眼障害、例えば弱視罹患している患者に見られ、この場合に片眼は焦点が定まらないままであり得る。

輻輳不全障害両眼視障害であり、読書又は近見作業時に少なくとも片方の眼が外側に寄る傾向がある。眼が外寄りになると、複視が起こり得る。

Hess et al.(Hess RF,Mansouri B,Thompson B.A new binocular approach to the treatment of amblyopia in adults well beyond the critical period of visual development.Restor Neurol Neurosci 2010、28:793−802)は、実験室ベース知覚学習セッションからなる両眼性の弱視治療パラダイム報告した。こうしたセッションでは、両眼からの視覚情報の組み合わせを最適化し、弱視眼の抑制を解消するため、両眼分離運動コヒーレンス閾値が測定され、僚眼コントラストレベルが調整された。20/40〜20/400の範囲の弱視眼視力を有する9人の成人(24〜49)が治療を受けた。9人中4人(44%)の対象がアイパッチによる前治療を有したにも関わらず、治療の結果、弱視眼視力(P<0.008)及び立体視力(P=0.012)が有意に改善された。Knox et al(Knox PJ,Simmers AJ,Gray LS,Cleary M.An exploratory study:prolonged periodsof binocular stimulation can provide an effective treatment for childhood amblyopia.Invest Ophthalmol Vis Sci 2012、53:817−824)は、5回の1時間治療セッションにわたる院内の頭部装着型ディスプレイを使用した両眼でのテトリスゲームによる同様のパラダイムを研究した。コントラストは、各眼からの入力が等しくなるように調整された。この研究には、弱視眼視力が20/32〜20/160の範囲の、前治療のある弱視(アイパッチ)を有する14人の小児(6〜14歳)が組み入れられた。治療後、アイパッチによる前治療にも関わらず、平均弱視眼視力に有意な改善があった(P=0.0001)。14人中6人の小児で0.1logMAR以上改善し、立体視力もまた有意に改善された(P=0.02)。2013年に発表された別の最近の研究において、Li et al.(Li J,Thompson B,Deng D,Chan LY,Yu M,Hess RF.Dichoptic training enables the adult amblyopic brain to learn.Curr Biol 2013、23:R308−309)は、1日1時間、2週間の院内セッションで頭部装着型ビデオゴーグルによって呈示されるテトリスビデオゲームを使用した。単眼でのゲームプレイを両眼分離でのゲームプレイと比較するクロスオーバーデザインで、両眼の組み合わせを可能にするコントラストの調整を用いて18人の成人が治療された。治療後、両眼分離でのゲームプレイは単眼でのゲームプレイと比較して立体視力、視力、及び僚眼と弱視眼との間のコントラストバランスを有意に改善することが見出された。Hess及びKnoxによるこれらの先行研究では、弱視の前治療(Hess研究では症例の44%及びKnox研究では100%)にも関わらず視力が改善することが見出されたという知見が注目される。弱視機構(斜視、不同視、又は混合型)に関して、あるタイプの弱視が両眼弱視治療でより良好に応答するというエビデンスはなかった。

これらの両眼治療の先行研究は、それぞれの両眼治療パラダイムを行うのに院内セッションに頼るものであったが、Hessのグループは、最近になって、iPod(登録商標)30、31及び現在はiPad(登録商標)上のゲームプラットフォームに両眼手法を取り入れている。iPod又はiPadを用いると、両眼治療の実施により大きな柔軟性がもたらされる。

Li and Birch et al.(Li S,Subramanian V,To L,et al.Binocular iPad treatment for amblyopia.Invest Ophthalmol Vis Sci 2013、54:4981(ARV会議抄録)は、4時間/週で4週間にわたる赤緑眼鏡を使用した両眼分離iPadゲームによる弱視治療を研究し、5〜11歳の50人の小児で平均してベースライン時の0.47+0.19logMARから4週間の両眼治療後に0.39+0.19logMAR(p<0.001)に改善したことを報告した。この研究者らは、治療に割り付けた25人の小児の視力に平均して有意な改善はなかったことを見出した。各群の一部の小児はまた、治療を行う医師の裁量により、1日のうち異なる時間帯に単眼アイパッチによっても治療された。それにも関わらず、両眼ゲーム単独で治療した小児は平均して0.08+0.07logMARの改善であった。各小児に4つのゲームが利用可能であったが、ほとんどの小児がテトリスゲーム又はバルーンゲームをプレイした。

より年少の小児(3〜7歳未満)における後続の研究において、Birch et al(Birch EE,Li S,Jost RM,et al.Binocular iPad treatment for amblyopia in preschool children.J AAPOS 2014(AAPOS会議抄録))は、4週間にわたる4時間/週の偽iPadゲーム(n=5)によっては視力に変化はなかったが、4週間にわたる4時間/週の両眼分離iPadゲームで治療した45人の小児では0.43+0.2logMARから0.34+0.2logMARに改善した(p<0.001)ことを報告した。4週間の治療期間にゲームを8時間以上の総プレイ時間にわたってプレイした小児では、0〜4時間プレイした小児と比べて改善が有意に大きかった(0.14+0.11logMAR対0.01+0.04logMAR(p=0.0001)。試験中、これらの小児には(治療を行う医師の裁量により)アイパッチが認められたが、8時間超プレイしたアイパッチなしの小児は、4週間の時点で0.14+0.16logMARの改善を示した。各小児に4つの異なるゲームが利用可能であったが、ほとんどの小児がテトリスゲーム又はバルーンゲームをプレイした(E.Birch、私信)。

これらの研究は、小児及び成人の弱視における両眼治療の有効性に関して「概念実証」を与えるものであり、これらの研究は、小児集団における両眼治療の実施に赤緑アナグリフ眼鏡装用でiPadフォーマットを使用することの実現可能性を実証している。

しかしながら、Hessのグループによって開発されたとおりの上記に記載される両眼治療は、複視及び/又は輻輳不全障害の症状の増悪を引き起こし得ることが想定された。

この背景技術の節中の開示は、適用可能な先行技術の承認をなすものではない。

概要

患者の複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の出現及び/又は重症度を評価する方法;この方法は、患者の第1の眼に第1の画像を呈示し且つ患者の第2の眼に第2の画像を呈示するように構成された画像対を患者に提供すること;第1の画像の情報内容及び第2の画像の情報内容を知覚する必要がある課題を患者が遂行するときの患者の遂行能力情報を取得すること;遂行能力情報に基づき、第1の画像と第2の画像との間の少なくとも1つの画像パラメータの差を調整すること;及び患者が調整後に課題を遂行するときの患者の遂行能力情報に基づき患者の複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の程度を評価することを含む。

目的

患者の第1の眼によって知覚可能な第1の画像と患者の第2の眼によって知覚可能な第2の画像とを提供する

効果

実績

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請求項1

患者複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の程度を評価する方法であって、複視又は輻輳不全障害の状態を有する患者に、前記患者の第1の眼に第1の画像を呈示し且つ前記患者の第2の眼に第2の画像を呈示するように構成された画像対を提供することであって、前記第1の眼によって知覚可能な前記第1の画像の情報内容が前記第2の眼によって知覚可能な前記第2の画像の情報内容と異なり、及び前記第1の画像と前記第2の画像との間で少なくとも1つの画像パラメータが異なること、前記第1の画像の前記情報内容及び前記第2の画像の前記情報内容を知覚する必要がある課題を前記患者が遂行するときの前記患者の遂行能力情報を取得すること、前記課題の前記遂行能力が前記患者の前記複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の程度並びに前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記少なくとも1つの画像パラメータの前記差に依存する中で、前記遂行能力情報に基づき前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記少なくとも1つの画像パラメータの前記差を調整すること、及び前記患者が前記調整後に前記課題を遂行するときの前記患者の遂行能力情報に少なくとも基づき前記患者の前記複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の前記程度を評価することを含む方法。

請求項2

前記第1の画像の前記情報内容の知覚可能性が前記第2の画像の前記情報内容の知覚可能性と比較して、前記第1の画像及び前記第2の画像の少なくとも1つの画像パラメータに前記差がある結果として増加し、及び前記第1の眼が弱視力眼であり、前記第2の眼が優位眼である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記知覚可能性の差が、前記第1の画像及び前記第2の画像のうちの少なくとも一方の一部分のみに影響を及ぼす、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記少なくとも1つの画像パラメータが、前記第1の画像の前記情報内容のうちの少なくとも1つの知覚される位置及び前記第2の画像の前記情報内容の前記知覚される位置に影響を及ぼす前記第1の画像の前記第2の画像に対する画像オフセットを含み、及び前記調整には、前記患者が前記課題を遂行できるようになるまで前記遂行能力情報に基づき前記画像オフセットを調整することが含まれ、及び前記遂行能力情報が、前記患者が前記第1の画像からの前記情報内容及び前記第2の画像からの前記情報内容を知覚することに依存し、及び前記患者による前記第1の画像の前記情報内容の知覚される位置及び前記第2の画像の前記情報内容の知覚される位置が前記課題の遂行能力に影響を与える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記画像対が、アナグリフ眼鏡で使用されるように構成された単一の画像源から生成され、前記患者が前記アナグリフ用眼鏡を装用すると、前記患者の前記第1の眼に前記第1の画像が呈示され、前記患者の前記第2の眼に前記第2の画像が呈示されることになる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記画像対が、前記第1の眼に呈示される前記第1の画像を生成するための第1の画像源と、前記第2の眼に呈示される前記第2の画像を生成するための第2の画像源とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記画像対が、画像ストリームを生成するように構成された画像源から生成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記少なくとも1つの画像パラメータが、前記第1の画像に出現する物体の数と前記第2の画像に出現する物体の数とを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記少なくともパラメータが、前記第1の画像及び前記第2の画像のコントラストを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記課題がビデオゲーム文脈内で設定される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記患者が拡張現実ヘッドセットを装用している間に前記画像対が提供される、請求項1〜4及び6〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記第1の画像の前記情報内容が、カメラから生成されるライブ画像ストリームに重ね合わされる、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記少なくとも1つの画像パラメータが、前記カメラから生成されるライブ画像ストリームに出現する物体に影響を及ぼす、請求項11に記載の方法。

請求項14

前記患者が仮想現実ヘッドセット又は仮想現実グラスを装用している間に前記画像対が提供される、請求項1〜4及び6〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記第1の画像の前記情報内容が、カメラから生成されるライブ画像ストリームに重ね合わされる、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記少なくとも1つの画像パラメータが、前記カメラから生成されるライブ画像ストリームに出現する物体に影響を及ぼす、請求項14に記載の方法。

請求項17

前記患者が複視を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記患者が輻輳不全障害を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

前記少なくとも1つの画像パラメータが動画の画像ストリームの物体に影響を及ぼす、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

前記課題の遂行時に前記第1の眼及び前記第2の眼に関する視標追跡情報を取得することを更に含み、及び前記遂行能力情報が、前記患者が前記課題を遂行している指標となる前記視標追跡情報を少なくとも含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

プロセッサによる実行時、複視又は輻輳不全障害の状態を有する患者に、前記患者の第1の眼に第1の画像を呈示し且つ前記患者の第2の眼に第2の画像を呈示するように構成された画像対を提供することであって、前記第1の眼によって知覚可能な前記第1の画像の情報内容が前記第2の眼によって知覚可能な前記第2の画像の情報内容と異なり、及び前記第1の画像と前記第2の画像との間で少なくとも1つの画像パラメータが異なること、前記第1の画像の前記情報内容及び前記第2の画像の前記情報内容を知覚する必要がある課題を前記患者が遂行するときの前記患者の遂行能力情報を取得すること、前記課題の前記遂行能力が前記患者の前記複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の程度並びに前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記少なくとも1つの画像パラメータの前記差に依存する中で、前記遂行能力情報に基づき、前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記少なくとも1つの画像パラメータの前記差を調整すること、及び前記患者が前記調整後に前記課題を遂行するときの前記患者の遂行能力情報に少なくとも基づき前記患者の前記複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の程度に関する評価情報を提供することを前記プロセッサに行わせるプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体

請求項22

複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方を有する患者の治療用コンピューティングデバイスであって、ユーザ入力インターフェースディスプレイ、プロセッサ、メモリであって、前記プロセッサによる前記実行時、複視又は輻輳不全障害の状態を有する患者に前記ディスプレイ上で、前記患者の第1の眼に第1の画像を呈示し且つ前記患者の第2の眼に第2の画像を呈示するように構成された画像対を提供することであって、前記第1の眼によって知覚可能な前記第1の画像の情報内容が前記第2の眼によって知覚可能な前記第2の画像の情報内容と異なり、及び前記第1の画像と前記第2の画像との間で少なくとも1つの画像パラメータが異なること、前記第1の画像の前記情報内容及び前記第2の画像の前記情報内容を知覚する必要がある課題を前記患者が遂行するときに前記ユーザ入力インターフェースから前記患者の遂行能力情報を取得すること、及び前記課題の前記遂行能力が前記患者の前記複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の程度並びに前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記少なくとも1つの画像パラメータの前記差に依存する中で、前記遂行能力情報に基づき、前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記少なくとも1つの画像パラメータの前記差を調整することを前記プロセッサに行わせるプログラムコードを格納するように構成されたメモリを含むコンピューティングデバイス。

請求項23

前記第1の眼の位置及び前記第2の眼の位置に関する情報を提供するように構成された視標追跡器を更に含む、請求項22に記載のコンピューティングデバイス。

請求項24

前記少なくとも1つの画像パラメータを調整するための入力を医師から受け取るように適合された医師情報を更に含む、請求項22又は23に記載のコンピューティングデバイス。

技術分野

0001

本特許出願は、2017年11月24日に出願された米国仮特許出願第62/590,472号明細書からの優先権を主張し、この仮特許出願は参照により本明細書に援用される。

0002

本願は、複視患者及び/又は輻輳不全障害患者の治療方法及び装置に関する。

背景技術

0003

複視は、互いに対して水平方向、垂直方向、斜め方向又は回転方向にずれたものであり得る単一の物体の2つの像が同時に知覚されることである。複視は、外眼筋の機能が損なわれた結果であり得る。複視は時に、他の眼障害、例えば弱視罹患している患者に見られ、この場合に片眼は焦点が定まらないままであり得る。

0004

輻輳不全障害は両眼視障害であり、読書又は近見作業時に少なくとも片方の眼が外側に寄る傾向がある。眼が外寄りになると、複視が起こり得る。

0005

Hess et al.(Hess RF,Mansouri B,Thompson B.A new binocular approach to the treatment of amblyopia in adults well beyond the critical period of visual development.Restor Neurol Neurosci 2010、28:793−802)は、実験室ベース知覚学習セッションからなる両眼性の弱視治療パラダイム報告した。こうしたセッションでは、両眼からの視覚情報の組み合わせを最適化し、弱視眼の抑制を解消するため、両眼分離運動コヒーレンス閾値が測定され、僚眼コントラストレベルが調整された。20/40〜20/400の範囲の弱視眼視力を有する9人の成人(24〜49)が治療を受けた。9人中4人(44%)の対象がアイパッチによる前治療を有したにも関わらず、治療の結果、弱視眼視力(P<0.008)及び立体視力(P=0.012)が有意に改善された。Knox et al(Knox PJ,Simmers AJ,Gray LS,Cleary M.An exploratory study:prolonged periodsof binocular stimulation can provide an effective treatment for childhood amblyopia.Invest Ophthalmol Vis Sci 2012、53:817−824)は、5回の1時間治療セッションにわたる院内の頭部装着型ディスプレイを使用した両眼でのテトリスゲームによる同様のパラダイムを研究した。コントラストは、各眼からの入力が等しくなるように調整された。この研究には、弱視眼視力が20/32〜20/160の範囲の、前治療のある弱視(アイパッチ)を有する14人の小児(6〜14歳)が組み入れられた。治療後、アイパッチによる前治療にも関わらず、平均弱視眼視力に有意な改善があった(P=0.0001)。14人中6人の小児で0.1logMAR以上改善し、立体視力もまた有意に改善された(P=0.02)。2013年に発表された別の最近の研究において、Li et al.(Li J,Thompson B,Deng D,Chan LY,Yu M,Hess RF.Dichoptic training enables the adult amblyopic brain to learn.Curr Biol 2013、23:R308−309)は、1日1時間、2週間の院内セッションで頭部装着型ビデオゴーグルによって呈示されるテトリスビデオゲームを使用した。単眼でのゲームプレイを両眼分離でのゲームプレイと比較するクロスオーバーデザインで、両眼の組み合わせを可能にするコントラストの調整を用いて18人の成人が治療された。治療後、両眼分離でのゲームプレイは単眼でのゲームプレイと比較して立体視力、視力、及び僚眼と弱視眼との間のコントラストバランスを有意に改善することが見出された。Hess及びKnoxによるこれらの先行研究では、弱視の前治療(Hess研究では症例の44%及びKnox研究では100%)にも関わらず視力が改善することが見出されたという知見が注目される。弱視機構(斜視、不同視、又は混合型)に関して、あるタイプの弱視が両眼弱視治療でより良好に応答するというエビデンスはなかった。

0006

これらの両眼治療の先行研究は、それぞれの両眼治療パラダイムを行うのに院内セッションに頼るものであったが、Hessのグループは、最近になって、iPod(登録商標)30、31及び現在はiPad(登録商標)上のゲームプラットフォームに両眼手法を取り入れている。iPod又はiPadを用いると、両眼治療の実施により大きな柔軟性がもたらされる。

0007

Li and Birch et al.(Li S,Subramanian V,To L,et al.Binocular iPad treatment for amblyopia.Invest Ophthalmol Vis Sci 2013、54:4981(ARV会議抄録)は、4時間/週で4週間にわたる赤緑眼鏡を使用した両眼分離iPadゲームによる弱視治療を研究し、5〜11歳の50人の小児で平均してベースライン時の0.47+0.19logMARから4週間の両眼治療後に0.39+0.19logMAR(p<0.001)に改善したことを報告した。この研究者らは、治療に割り付けた25人の小児の視力に平均して有意な改善はなかったことを見出した。各群の一部の小児はまた、治療を行う医師の裁量により、1日のうち異なる時間帯に単眼アイパッチによっても治療された。それにも関わらず、両眼ゲーム単独で治療した小児は平均して0.08+0.07logMARの改善であった。各小児に4つのゲームが利用可能であったが、ほとんどの小児がテトリスゲーム又はバルーンゲームをプレイした。

0008

より年少の小児(3〜7歳未満)における後続の研究において、Birch et al(Birch EE,Li S,Jost RM,et al.Binocular iPad treatment for amblyopia in preschool children.J AAPOS 2014(AAPOS会議抄録))は、4週間にわたる4時間/週の偽iPadゲーム(n=5)によっては視力に変化はなかったが、4週間にわたる4時間/週の両眼分離iPadゲームで治療した45人の小児では0.43+0.2logMARから0.34+0.2logMARに改善した(p<0.001)ことを報告した。4週間の治療期間にゲームを8時間以上の総プレイ時間にわたってプレイした小児では、0〜4時間プレイした小児と比べて改善が有意に大きかった(0.14+0.11logMAR対0.01+0.04logMAR(p=0.0001)。試験中、これらの小児には(治療を行う医師の裁量により)アイパッチが認められたが、8時間超プレイしたアイパッチなしの小児は、4週間の時点で0.14+0.16logMARの改善を示した。各小児に4つの異なるゲームが利用可能であったが、ほとんどの小児がテトリスゲーム又はバルーンゲームをプレイした(E.Birch、私信)。

0009

これらの研究は、小児及び成人の弱視における両眼治療の有効性に関して「概念実証」を与えるものであり、これらの研究は、小児集団における両眼治療の実施に赤緑アナグリフ眼鏡装用でiPadフォーマットを使用することの実現可能性を実証している。

0010

しかしながら、Hessのグループによって開発されたとおりの上記に記載される両眼治療は、複視及び/又は輻輳不全障害の症状の増悪を引き起こし得ることが想定された。

0011

この背景技術の節中の開示は、適用可能な先行技術の承認をなすものではない。

発明が解決しようとする課題

0012

本開示は、複視及び/又はCIDの原因が、例えば、弱視、筋ジストロフィー、又は患者の別の病態、障害若しくは病気であろうとなかろうと、患者の複視及び輻輳不全障害(CID)を評価、治療及び軽減することに関する。

課題を解決するための手段

0013

患者の第1の眼によって知覚可能な第1の画像と患者の第2の眼によって知覚可能な第2の画像とを提供する装置であって、第1の知覚可能な画像と第2の知覚可能な画像との間の情報内容が異なり、及び(画像対のうちの1つ又は複数の画像の)画像パラメータに、一部の例では一方の知覚可能な画像の情報内容が他方と比べて知覚可能性が高くなるような違いがあってもよい装置が、複視及び/又はCIDの治療を支援し、患者の複視及び/又はCIDが出現するリスクを(複視及び/又はCIDの原因とは無関係に)低下させることが発見された。患者は、片眼によって知覚される画像からの情報内容、又は両眼の各々によって知覚可能な画像からの情報内容を用いて、両眼によって受け取られる(2つの知覚可能な画像に対応する)情報が患者の脳によって処理されることを必要とする課題を遂行するように求められる。ある課題を所与の期間にわたって遂行すると(又は両方の知覚可能な画像からの情報内容を用いて種々の課題を遂行すると)、患者が経験するとおりの複視及び/又はCIDの出現が減少し、及び/又は複視及び/又はCIDが治療され得る。課題の遂行はまた、患者の複視及び/又はCIDの程度の指標も与え得る。

0014

情報内容とは、画像中に現れる物体又はアイテムなど、画像の視覚的構成要素を意味する。例えば、金貨を集めることを目的とするコンピュータゲームの場合、例えば、登場人物、登場人物が配置され得る舞台及び金貨が、画像の情報内容に関係している。画像対(例えば第1の眼によって知覚可能なとおりの第1の画像及び第2の眼によって知覚可能なとおりの第2の画像)の場合、一方の画像の情報内容は他方の画像内容と異なり得る。画像対は、第1の知覚可能な画像を左眼に呈示し、且つ第2の知覚可能な画像を右眼に呈示するように適合されている少なくとも1つの画像であり、ここで第1の知覚可能な画像は、第2の知覚可能な画像が呈示するように構成される情報内容と異なる情報内容を左眼に呈示するように構成される。一部の例において、画像対は、アナグリフ用眼鏡(例えば赤緑眼鏡)を使用して見るように適合されている1つの画像であってもよく、ここで患者がアナグリフ用眼鏡を掛けたとき、一部の情報内容は左眼によって知覚可能であり、且つ他の情報内容は右眼によって知覚可能である。他の例では、画像対は、2つの画像、右眼用の第1の画像及び左眼用の第2の画像であってもよく、ここで第1の画像上に呈示されるとおりの右眼によって知覚可能な情報内容は、第2の画像上に呈示されるとおりの左眼によって知覚可能な情報内容と少なくとも部分的に異なる。上記に記載されるゲームの例では、金貨が片眼によって知覚可能であってもよく(即ち第1の知覚可能な画像)、ここで登場人物及び舞台が第2の眼によって知覚可能であってもよい(即ち第2の知覚可能な画像)。一部の例において、画像対の背景、又は画像の要素の一部は両方の知覚可能な画像に共通していてもよく、ここでは患者の眼の各々が共通の情報内容を捉える(例えばビデオゲームの場合、背景が両方の画像に存在する共通の風景であってもよい、一部の例では、登場人物が支援を受け得る舞台が両方の画像に存在してもよい等である)。

0015

一部の例において、画像対は、例えば、画像ストリーム(例えば、ビデオ、コンピュータゲームの双方向画像ストリーム等)、静止画像、静止画像シーケンス等であってもよい。一部の例において、画像対は仮想現実環境拡張現実環境又は強化現実環境で呈示されてもよい(例えばここでは、物理的世界が、第1の知覚される画像と第2の知覚される画像とに共通の情報内容からなる風景として働くことができ、その画像対に、右眼に呈示される仮想情報内容と異なる左眼に呈示される仮想情報内容など、追加の情報内容が追加される)。

0016

画像パラメータは、例えば、画像の明るさ、輝度、コントラスト、色相解像度フィルタリング等に関係している。画像パラメータは、患者が所与の課題を遂行するにつれ調整されてもよく、又は課題の開始時に調整されてもよい。一部の例において、画像の特定の一部分のみが画像パラメータによって調整されてもよい(例えば画像のブロブ又はクワドラント)。一部の例において、画像パラメータは、ある画像又は両方の画像における情報内容の量(例えば1つの画像内に現れる物体の数)を調整するものであってもよい。一部の例において、患者が両眼複視又は両眼CIDを有する場合、画像パラメータは一方の画像の他方に対するオフセット(画像の一方の他方に対する少なくとも1本の軸に沿った相対位置を適合させること)であってもよく、そのため複視又はCIDのない対照には、オフセットの結果として2つの画像が知覚されることになるが、複視又はCIDを有する人には、第1の画像の情報内容と第2の画像の情報内容とが組み合わさった単一の画像が見えることになる。

0017

画像パラメータを調整することにより、第1の知覚可能な画像の情報内容は、対応する他方の眼によって知覚可能な第2の知覚可能な画像の情報内容と比べて、当該の画像に対応する眼に対する知覚可能性が高まり得る。一部の例において、患者が複視及び/又はCIDに罹患している場合、知覚可能性がより高くてもよい情報の第1の部分を含む画像が片眼(例えば焦点が定まらない方の眼)に呈示され、知覚可能性がより低くてもよい情報の第2の部分を含む画像が第2の眼に呈示される。このようにして、脳は片眼(例えば視力が弱い方の眼であってよい)が受け取った画像及びその情報内容を処理し始める。画像パラメータは、立体視が獲得され且つ複視及び/又はCIDの出現が減少するにつれ、時間とともに調整されてもよい。

0018

広義の態様は、患者の複視及び輻輳不全障害の程度を評価する方法である。本方法は、複視又は輻輳不全障害の状態を有する患者に、患者の第1の眼に第1の画像を呈示し且つ患者の第2の眼に第2の画像を呈示するように構成された画像対を提供することを含み、ここで第1の眼によって知覚可能な第1の画像の情報内容は第2の眼によって知覚可能な第2の画像の情報内容と異なり、及び第1の画像と第2の画像との間では少なくとも1つの画像パラメータが異なる。本方法は、第1の画像の情報内容及び第2の画像の情報内容を知覚する必要がある課題を患者が遂行するときの患者の遂行能力情報を取得することを含む。本方法は、課題の遂行能力が患者の複視及び輻輳不全障害(convergence sufficiency disorder)のうちの少なくとも一方の程度並びに第1の画像と第2の画像との間の少なくとも1つの画像パラメータの差に依存する中で、遂行能力情報に基づき、第1の画像と第2の画像との間の少なくとも1つの画像パラメータの差を調整することを含む。本方法は、患者が調整後に課題を遂行するときの患者の遂行能力情報に少なくとも基づき、患者の複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の程度を評価することを含む。

0019

一部の実施形態において、第1の画像の情報内容の知覚可能性は第2の画像の情報内容の知覚可能性と比較して、第1の画像及び第2の画像の少なくとも1つの画像パラメータに差がある結果として増加してもよく、ここでは第1の眼が弱視力眼であってもよく、且つ第2の眼が優位眼であってもよい。

0020

一部の実施形態において、知覚可能性の差は、第1の画像及び第2の画像のうちの少なくとも一方の一部分のみに影響を及ぼし得る。

0021

一部の実施形態において、少なくとも1つの画像パラメータは、第1の画像の情報内容のうちの少なくとも1つの知覚される位置及び第2の画像の情報内容の知覚される位置に影響を及ぼす第1の画像の第2の画像に対する画像オフセットを含んでもよく、ここで調整には、患者が課題を遂行できるようになるまで遂行能力情報に基づき画像オフセットを調整することが含まれてもよく、ここで遂行能力情報は、患者が第1の画像からの情報内容及び第2の画像からの情報内容を知覚することに依存してもよく、ここでは患者による第1の画像の情報内容の知覚される位置及び第2の画像の情報内容の知覚される位置が課題の遂行能力に影響を与え得る。

0022

一部の実施形態において、画像対は、アナグリフ用眼鏡で使用されるように構成された単一の画像源から生成されてもよく、ここで患者がアナグリフ用眼鏡を装用すると、患者の第1の眼に第1の画像が呈示され、患者の第2の眼に第2の画像が呈示されることになり得る。

0023

一部の実施形態において、画像対は、第1の眼に呈示される第1の画像を生成するための第1の画像源と、第2の眼に呈示される第2の画像を生成するための第2の画像源とを含んでもよい。

0024

一部の実施形態において、画像対は、画像ストリームを生成するように構成された画像源から生成されてもよい。

0025

一部の実施形態において、少なくとも1つの画像パラメータには、第1の画像に出現する物体の数及び第2の画像に出現する物体の数が含まれてもよい。

0026

一部の実施形態において、少なくともパラメータには、第1の画像及び第2の画像のコントラストが含まれてもよい。

0027

一部の実施形態において、課題はビデオゲームの文脈内で設定されてもよい。

0028

一部の実施形態において、画像対は、患者が拡張現実ヘッドセットを装用している間に提供されてもよい。

0029

一部の実施形態において、第1の画像の情報内容は、カメラから生成されるライブ画像ストリームに重ね合わされてもよい。

0030

一部の実施形態において、第1の画像の情報内容は画像ストリームに被せてもよい。

0031

一部の実施形態において、少なくとも1つの画像パラメータは、カメラから生成されるライブ画像ストリームに出現する物体に影響を及ぼし得る。

0032

一部の実施形態において、少なくとも1つの画像パラメータは、動画の画像ストリームに出現する物体に影響を及ぼし得る。

0033

一部の実施形態において、画像対は、患者が仮想現実ヘッドセット又は仮想現実グラスを装用している間に提供されてもよい。

0034

一部の実施形態において、第1の画像の情報内容は、カメラから生成されるライブ画像ストリームに重ね合わされてもよい。

0035

一部の実施形態において、少なくとも1つの画像パラメータは、カメラから生成されるライブ画像ストリームに出現する物体に影響を及ぼし得る。

0036

一部の実施形態において、患者は複視を有し得る。

0037

一部の実施形態において、患者は輻輳不全障害を有し得る。

0038

一部の実施形態において、本方法は、課題遂行時に第1の眼及び第2の眼に関する視標追跡情報を取得することを含んでもよく、ここで遂行能力情報は、患者が課題を遂行している指標となる視標追跡情報を少なくとも含む。

0039

一部の実施形態において、本方法は、課題遂行時に第1の眼及び第2の眼のうちの少なくとも一方に関する視標追跡情報を取得することを含んでもよく、ここで遂行能力情報は、患者が課題を遂行している指標となる視標追跡情報を少なくとも含む。

0040

別の広義の態様は、プロセッサによる実行時、複視又は輻輳不全障害の状態を有する患者に、前記患者の第1の眼に第1の画像を呈示し且つ前記患者の第2の眼に第2の画像を呈示するように構成された画像対を提供することであって、前記第1の眼によって知覚可能な前記第1の画像の情報内容が前記第2の眼によって知覚可能な前記第2の画像の情報内容と異なり、及び前記第1の画像と前記第2の画像との間で少なくとも1つの画像パラメータが異なること、前記第1の画像の前記情報内容及び前記第2の画像の前記情報内容を知覚する必要がある課題を前記患者が遂行するときの前記患者の遂行能力情報を取得すること、前記課題の前記遂行能力が前記患者の前記複視及び輻輳不全障害(convergence sufficiency disorder)のうちの少なくとも一方の程度並びに前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記少なくとも1つの画像パラメータの前記差に依存する中で、前記遂行能力情報に基づき、前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記少なくとも1つの画像パラメータの前記差を調整すること、並びに前記患者が前記調整後に前記課題を遂行するときの前記患者の遂行能力情報に少なくとも基づき前記患者の前記複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方の程度に関する評価情報を提供することをプロセッサに行わせるプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体である。

0041

別の広義の態様は、患者の複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方を治療する方法である。本方法は、複視又は輻輳不全障害の状態を有する患者に、患者の第1の眼に第1の画像を呈示し且つ患者の第2の眼に第2の画像を呈示するように構成された画像対を提供することを含み、ここで第1の眼によって知覚可能な第1の画像の情報内容は第2の眼によって知覚可能な第2の画像の情報内容と異なり、及び第1の画像と第2の画像との間では少なくとも1つの画像パラメータが異なる。本方法は、第1の画像の情報内容及び第2の画像の情報内容を知覚する必要がある課題を患者が遂行するときの患者の遂行能力情報を取得することを含む。本方法は、課題の遂行能力が患者の複視及び輻輳不全障害(convergence sufficiency disorder)のうちの少なくとも一方の程度並びに第1の画像と第2の画像との間の少なくとも1つの画像パラメータの差に依存する中で、遂行能力情報に基づき、第1の画像と第2の画像との間の少なくとも1つの画像パラメータの差を調整することを含む。

0042

別の広義の態様は、複視及び輻輳不全障害のうちの少なくとも一方を有する患者の治療用コンピューティングデバイスである。本デバイスは、ユーザ入力インターフェースディスプレイ、プロセッサ、メモリであって、プロセッサによる実行時、複視又は輻輳不全障害の状態を有する患者にディスプレイ上で、患者の第1の眼に第1の画像を呈示し且つ患者の第2の眼に第2の画像を呈示するように構成された画像対を提供することであって、第1の眼によって知覚可能な第1の画像の情報内容が第2の眼によって知覚可能な第2の画像の情報内容と異なり、及び第1の画像と第2の画像との間で少なくとも1つの画像パラメータが異なること、ユーザ入力インターフェースから、第1の画像の情報内容及び第2の画像の情報内容を知覚する必要がある課題を患者が遂行するときの患者の遂行能力情報を取得すること、課題の遂行能力が患者の複視及び輻輳不全障害(convergence sufficiency disorder)のうちの少なくとも一方の程度並びに第1の画像と第2の画像との間の少なくとも1つの画像パラメータの差に依存する中で、遂行能力情報に基づき、第1の画像と第2の画像との間の少なくとも1つの画像パラメータの差を調整することをプロセッサに行わせるプログラムコードを格納するように構成されたメモリを含む。

0043

一部の実施形態において、本デバイスは、第1の眼の位置及び第2の眼の位置に関する情報を提供するように構成された視標追跡器を含み得る。

0044

一部の実施形態において、本デバイスは、少なくとも1つの画像パラメータを調整するための入力を医師から受け取るように適合された医師情報を含み得る。

0045

本発明は、添付の図面に関連して以下の本発明の実施形態の詳細な説明により一層良く理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0046

13歳〜17歳未満の対象における対象の申告によるゲームプレイ時間の関数としての複視の有訴数の分布を示すグラフである。
5歳〜13歳未満の対象における対象の申告によるゲームプレイ時間の関数としての複視の有訴数の分布を示すグラフである。
13歳〜17歳未満の対象における対象の親の申告によるゲームプレイ時間の関数としての複視の有訴数の分布を示すグラフである。
5歳〜13歳未満の対象における対象の親の申告によるゲームプレイ時間の関数としての複視の有訴数の分布を示すグラフである。
年齢群の対象における対象の申告によるゲームプレイ時間の関数としての複視の有訴数の分布を示すグラフである。
全年齢群の対象における対象の親の申告によるゲームプレイ時間の関数としての複視の有訴数の分布を示すグラフである。
例示的な複視及び/又はCID治療用装置ブロック図である。
複視及び/又はCIDを治療する(及び/又はその出現及び/又は重症度を評価する)例示的方法フローチャート図である。

実施例

0047

本開示は、複視及び/又はCIDの治療用装置及び方法に関する。本開示は、両眼を一緒に機能するように訓練すること、又は第1の眼(例えば焦点が定まらない眼)を優位眼と共に機能するように訓練することに関する。この訓練には、第1の眼に第1の画像及び第2の眼に補完的な第2の画像(即ち画像対)を呈示することが含まれる。患者は、それらの画像対に基づき課題を遂行するように求められる。課題を遂行するには、少なくとも弱視力眼に呈示される画像に含まれる情報内容が必要である。患者が弱視力眼に呈示された情報内容を捉えない場合、又は少なくとも一方の眼によって知覚されるべき情報内容が患者によって(例えば二重視に起因して)適切な位置に知覚されない場合、患者は課題を完了することができない。患者が課題を遂行する能力は、患者が両眼に呈示された情報を処理し、それが適切な位置で処理されていることの指標である。患者が課題を遂行する能力を有しない場合、従って弱視力眼に呈示された情報を捉えない場合、第1の画像及び/又は第2の画像の画像パラメータが調整されてもよい。例えば、弱視力眼に呈示される画像の情報内容が第2の眼に呈示される情報内容よりも鮮鋭及び/又は鮮明となるようにコントラスト及び/又は輝度が調整されてもよい。両眼複視の場合、一方又は両方の画像のオフセットが調整されてもよい。調整は、患者が第1の眼及び第2の眼の両方に呈示される情報内容(例えば第1の画像及び第2の画像の両方)を捉えるまで更に行われてもよい。次に患者は、それらの画像パラメータで課題を実行するように求められる。

0048

医師は、患者が時間とともに課題を難なく完了するようになるにつれ(第1の眼の強化の指標である)、知覚される第1の画像及び知覚される第2の画像の両方の特性が類似性を増すように画像パラメータを定期的に調整してもよい。この調整は、知覚される第1の画像及び第2の画像の両方が同一の画像パラメータを有するまで継続されてもよい。両方の画像が同一のパラメータを有するときに患者が課題の遂行に成功できる場合、それは患者が第1の眼の機能を取り戻したことの指標である。

0049

本開示において、第1の画像及び第2の画像が意味するところは、患者の第1の眼が、患者の第2の眼によって知覚される画像と異なる画像を知覚しているということである点は理解されるであろう。しかしながら、一部の例において、これは、画像(例えば第1の画面上の)が第1の眼に呈示され、且つ第2の別個の画像(例えば別の画面上の)が第2の眼に呈示されることを意味しない可能性もある。単一の画像を呈示する単一の画面が両眼によって見られてもよい(例えば手持ち式デバイス)。しかしながら、画面上に現れる画像は、アナグリフとして見るように適合されてもよい(例えば、ここでは患者がアナグリフ用眼鏡を装用していてもよい)。この例では、画面上に現れる画像の特性及びアナグリフ用眼鏡に起因して、患者は第2の眼によって知覚される画像と異なる画像を第1の眼で知覚している結果になる。

0050

本開示において、「複視及び/又はCIDの程度」とは、患者における複視及び/又はCIDの出現、重症度、改善及び/又は悪化を意味する。

0051

図7を参照すると、例示的な複視及び/又はCID治療用装置100が示される。

0052

装置100は、プロセッサ101、ユーザ入力インターフェース103、メモリ105及びディスプレイ102を有する。装置100はまた、医師インターフェース104も有し得る。

0053

メモリ105は、プロセッサ101による実行のためのプログラムコードを含み得る。従って、メモリ105は、プロセッサ101によって使用されるプログラム命令及びデータを格納する。コンピュータ可読メモリ105は、本例では簡単にするため単体として示されるが、複数のメモリモジュール及び/又はキャッシングを含んでもよい。詳細には、これは、ハードドライブ外部ドライブ(例えばSDカードストレージ)などの数層のメモリ及びより高速でより小型のRAMモジュールを含み得る。RAMモジュールは、プロセッサ101によって現在処理されている、最近処理されたばかりの、又は間もなく処理されることになるデータ及び/又はプログラムコード、並びにハードドライブからのキャッシュデータ及び/又はプログラムコードを格納し得る。

0054

プロセッサ101は、汎用プログラマブルプロセッサである。この例では、プロセッサ101は単体として示されるが、プロセッサはまた、マルチコア、又は分散型(例えばマルチプロセッサ)であってもよい。プロセッサ101はマイクロプロセッサであってもよい。

0055

ユーザ入力インターフェース103は、ユーザがゲームをプレイできるようにするボタンなど、ユーザが具体的な入力を提供することを可能にするインターフェースである。例えば、ユーザ入力インターフェース103は、キーボードジョイスティックコントローラタッチパッド音声処理器と組み合わされたマイクロホン動作検知器等であってもよい。一部の例において、ユーザ入力インターフェース103はまた、ユーザが画像パラメータを制御する選択肢を提供してもよい。他の例では、画像パラメータは担当医によって制御されてもよい。

0056

ユーザ入力インターフェース103が音声処理器と組み合わされたマイクロホンを含む一部の例において、音声処理器は、患者が声で出す命令を実行し得る。例えば、装置100はAlexaアプリケーションプログラムと共に動作するものであってもよく、ここでAlexaは、受け取った入力の結果として患者に呈示される画像対の特定のパラメータを調整したり、又は、例えば、患者によって行われた音声要求に応答して担当医にデータを送信したりするように構成されてもよい。

0057

一部の例において、装置100は、医業者又は担当医からの入力を受け取るように構成された医師インターフェース104を有する。一部の実施形態において、医師は医師インターフェース104を使用して特定の画像パラメータを制御し得る。一部の実施形態において、医師インターフェース104はまた、例えば、患者の成績などの患者の課題遂行能力、装置100の設定、プレイされているゲーム、患者から寄せられる意見等に関する情報を(例えば有線又は無線接続で)医師に送信するように構成されてもよい。一部の例において、医師インターフェース104は、送受信機送信機及び/又は受信機であってもよい。

0058

一部の例において、メモリ105は、患者が行う演習及び課題(例えばゲーム)のプログラムコードを格納する。プログラムコードはまた、対応する課題についての2つの画像を生成する命令も含み得る。

0059

ディスプレイ102は、画像対(即ち第2の画像の情報内容と異なる情報内容を含む第1の画像)を呈示するために使用されるディスプレイであり、ここで第1の画像は患者の第1の眼に呈示されるように構成され、及び第2の画像は患者の第2の眼に呈示されるように構成される)。一部の例において、両画像間での情報内容の差は、アナグリフ用眼鏡を使用することによるか(同じ画像を用いるが、ここでは物体の一部が片眼にのみ出現するように構成され、且つ特徴の一部が他眼によってのみ知覚されるように構成される)、又は異なる情報内容を各々含む2つの別個の画像を生成することによって実現し得る。ディスプレイ102は、一部の例において、仮想現実ヘッドセット、ヘッドセットディスプレイ、Vuzic Blade ARグラスなどの拡張現実グラス、タブレット又はスマートフォンなどの携帯型コンピューティングデバイスの画面、デスクトップディスプレイ、テレビ受像機等であってもよい。ディスプレイ102はプロセッサ101との有線接続を有してもよい。

0060

一部の例において、ディスプレイ102は、アナグリフ用眼鏡を使用して見るように適合されてもよい。

0061

メモリ105及びプロセッサ101はバス接続を有してもよい。ユーザ入力インターフェース103及び医師インターフェース104はプロセッサに有線接続で接続されてもよい。

0062

装置100は、複視又はCIDを有する患者の治療に使用されてもよい。

0063

患者に装置100が提供される。装置100は、患者が視覚的に知覚することになる画像対を生成し、ここでは知覚可能な画像の各々が眼の各々に互いに異なる情報内容を提供する。一例では、少なくとも1つの画像において、第1の眼によって知覚される画像内容が第2の眼によって知覚される画像内容と比べて知覚可能性が高くなるように(例えば、一方の画像のコントラスト、明るさを調整することによって)画像パラメータが調整される。画像パラメータは、患者が両方の画像からの情報内容を処理するまで調整されてもよい。一例において、パラメータの調整はキャリブレーション段階で実施されてもよい。一例において、画像パラメータはまた、患者が所与の課題を遂行するにつれ調整されてもよい。

0064

患者が課題を遂行可能であることが、両眼によって受け取られた画像が脳によって処理されていることの指標、及び場合によっては、画像が処理された結果として画像の物体が正確な知覚空間に現れる(即ち二重視でない)ことの指標となる。画像パラメータは、治療経過全体を通じて、患者の視力が改善するにつれ調整されてもよい。例えば、CID患者は、第1の眼の焦点が定まらない傾向が減っていることに気付き得る。複視に罹患している患者は、複視関連症状、二重視が治療の経過中に消失し始め又は発現しなくなり始めることに気付き得る。従って、患者が治療中に課題を遂行し続けるにつれ、複視の症状の発現が減ることになる。

0065

一部の実施形態において、装置100は、少なくとも一方の眼の焦点が定まっていないかどうかを評価するため認知的課題の遂行時に患者の視標追跡を行うカメラを含んでもよい。

0066

一部の例において、装置100は、例えば、本明細書に記載されるとおりの画像対を呈示するように構成されたアプリケーションプログラムをメモリに格納させる及び/又はそれを実行するスマートフォン、タブレット、又はコンピュータであってもよい(例えばアプリケーションプログラムは、例えばウェブページからアクセス可能であって、インターネット上で再生されてもよく、又はダウンロードされ、コンピュータデバイス上のメモリに格納されてもよい)ことは理解されるであろう。

0067

遂行される課題の例は、ゲームの文脈であってもよい。例えば、第1のゲームが悪いモンスターをクリックして良いモンスターを避けることであってもよい。第1の画像中の知覚可能な悪いモンスターは、第1の眼によってのみ知覚されるように構成されてもよく、ここで第2の画像中の知覚可能な良いモンスターは、第2の眼によってのみ知覚されるように構成されてもよい。ゲームの課題を完了するには、患者の脳が、悪いモンスターを示す第1の眼によって知覚される画像を処理しなければならない。これは、本明細書に説明されるとおりの画像パラメータを調整することにより実現されてもよい。

0068

ユーザにとっては、課題(例えばゲーム)を完了するのに物体の位置もまた重要であり得る。例えば、VR又はARの例では、患者がその手又は指を物体がある適切な位置に動かすこと(又は他の体の動き)ができないことは、患者がなおも二重視で見ていることを示すものであってよく、ここでは特定の物体が適切な場所で知覚されていない。かかる例では、一方の画像又は両方の画像のオフセットが調整されてもよく、患者は遂行課題を再び遂行するよう求められ得る。

0069

従って、本明細書に記載される装置及び方法はまた、患者の複視又はCIDの程度の評価に用いられてもよいことが理解され、ここでは患者において立体視を実現するのに必要な両画像間の1つ以上の画像パラメータの差が、その患者の複視又はCIDの程度の指標である(立体視は、例えば遂行能力情報に基づき評価される)。

0070

装置100が患者の複視又はCIDの出現及び/又は重症度を評価しているとき、この装置100は、患者の複視又はCIDの程度に関する評価情報(即ち、指数スコア、両眼の機能している割合等、複視又はCIDの出現及び/又は重症度を示す情報、この評価情報は患者によって更に解釈されてもよい)を提供し得る。

0071

別の例において、ゲームは、トラック上に動いている障害物があり、ゲームの進行に伴い目に見える制御可能な登場人物にその障害物が近付くにつれ、それを飛び越えるものであってもよい。登場人物は第2の眼(例えば優位眼)によって知覚可能であってもよく、ここで障害物は第1の眼によって知覚可能であってもよい。患者はゲームの課題を遂行するためには、両方の画像に存在する情報内容を処理しなければならない。

0072

一部の例において、本装置はまた、患者が課題を遂行する間に片眼の他眼に対する相対位置を確かめるための視標追跡器106も含み得る。視標追跡器106は、複視及び/又はCIDの改善程度を確かめるため、及び/又は片眼が他眼に対して機能していることに関する情報を提供するために使用されてもよい。

0073

視標追跡器106は、患者の顔(又は少なくとも眼)の画像又は画像ストリームを捕捉することのできるカメラを含んでもよく、及び装置100のメモリ105に格納された、プロセッサ101による実行時に捕捉された画像又は画像ストリームを使用して眼の各々の眼位及び/又は眼の動きを決定するアプリケーションプログラムを含んでもよい。生成された視標追跡情報は、医師に送信し戻され、医師インターフェース104を通じて提供されてもよく、又は装置100によって画像の画像パラメータの差を更に調整するための入力として使用されてもよい。

0074

患者が例えばテレビ観賞している受動的な例では、両眼が立体視を実現するように機能しているかどうかを評価するため視標追跡情報が装置100によって受け取られてもよく、ここでユーザは課題を遂行していないため、遂行能力情報は利用可能でないことがあり得る。次に、患者が立体視を有しない場合、又は立体視が実現されるが、患者が受動的活動を続けることに伴い患者の治療を継続するには画像パラメータの差がより小さいならば有益といえる場合、画像パラメータが視標追跡情報の関数として調整されてもよい。

0075

実際、一部の例において、遂行能力情報は、ユーザが課題を遂行するときに視標追跡器によって集められる情報(例えばゲーム構成に基づけば物体が知覚されるはずのところに眼が動いているという情報)であってもよく、又はそれを含んでもよい。

0076

複視及び/又はCIDの治療方法
ここで図8を参照すると、患者の複視及び/又はCIDを治療する(及び/又はその程度を評価する)例示的方法800が示される。例示的方法800は、本明細書に記載されるとおりの例示的装置100を利用してもよい。例示する目的上、例示的方法800を説明するときに例示的装置100を参照する。しかしながら、例示的装置100以外の装置が使用されてもよいことは理解されるであろう。

0077

装置100は、初めにステップ810で、患者に呈示される画像対の画像パラメータを設定するためキャリブレーションされる。画像パラメータは、患者の視覚的状態の程度に基づき調整される。例えば、キャリブレーション段階の間、知覚画像の一方に現れる第1の矢印を、患者が第2の知覚画像に現れる第2の矢印と向かい合わせに位置決めすることを要求する演習があってもよい。患者又は担当医は、患者によって両方の矢印が知覚されるまで画像パラメータを調整してもよい。一部の例において、装置のプロセッサによってプログラムコードが実行され、両方の矢印が知覚可能となるまで(例えば知覚可能であることは、ユーザから受け取る入力によって指示される)画像パラメータが徐々に調整されてもよい。例えば、次に患者は、例えば入力インターフェースを使用することにより、両方の矢印を知覚できることを指示してもよい。この段階で、画像パラメータが設定されてもよい。画像パラメータは一方の画像について調整されてもよく、又は両方の画像について調整されてもよい。

0078

画像パラメータが画像オフセットを含むとき(例えば1つ以上の画像の少なくとも1本の軸に沿った位置の調整)、一方の画像の他方に対するオフセットは、患者が両方の画像の物体をその適切な位置に知覚するまで(例えば患者が、単一の画像に統合された第1の画像及び第2の画像の両方の物体を両画像の情報内容と共にその適切な位置に知覚するまで)増加又は減少させることができる。

0079

ステップ820で、キャリブレーションステップ810の間に決められたものに従い設定された画像パラメータで画像対(例えばこれは、第1の画像が第1の眼によって知覚され且つ第2の画像が第2の眼によって知覚されるように構成された画像ストリームであってもよい)が生成される。一部の例において、画像パラメータは、画像、又は画像の各部分にフィルタ(例えば光学フィルタ)を適用することにより設定されてもよいことが理解されるであろう。

0080

例えば、一部の例において、画像対は、患者が拡張現実ヘッドセットを装用しているときに提供されてもよい。このような例では、画像ストリームは現実に起きているイベントから取り上げられるものであり、ここでは、例えば、画像ストリーム中で特定の物体が取り除かれるか、又は何らかの物体が加えられるかのいずれかとなるように改変され、ここで特定の物体は片眼によって知覚可能であり、及び他の物体は他眼によって知覚可能である。一部の実施形態において、第1の画像の情報内容は、カメラから生成されるライブ画像ストリームに重ね合わされてもよい(例えばモンスターのコンピュータレンダリングがライブ画像ストリームに重ね合わされる)。画像パラメータはまた、カメラによって生成されるライブ画像ストリーム(steam)に出現する特定の物体にも影響を及ぼし得る。

0081

一部の例において、画像対は、患者が仮想現実ヘッドセット又は仮想現実グラスを装用している間に提供されてもよい。場合によっては、カメラから生成されるライブ画像ストリームに第1の画像の情報内容が重ね合わされてもよい(例えばゲーム中で避けるべき特定の生き物、又はゲーム中で収集すべきパワーアップアイテム等のオーバーレイ)。

0082

一部の例において、1つ以上の画像パラメータは、カメラから生成されるライブ画像ストリームに現れる物体に影響を及ぼし得る(例えばフィルタ、又は木が青色に見えるというようにゲーム内で知覚される特定の木の色が変わり、ここで患者はそうした青色の木を選択しなければならないか、又は避けなければならないかのいずれかであり得る等)。

0083

次に患者は、ステップ830で、少なくとも第1の眼によって知覚される画像の情報内容を利用しながら課題を遂行するように要求される。例えば、課題は、ビデオゲームを完了するというものであってもよく、ここでゲームを完了するには、第1の眼に呈示される画像からのみ知覚可能な情報(例えば、物体、登場人物)が必要である。一部の例では、ゲームを完了するために両方の画像に呈示される情報が必要であってもよい。

0084

ステップ840で、ゲーム完了時の患者の遂行能力が記録されてもよい。遂行能力は装置100のメモリに格納されてもよい。遂行能力はまた、担当医に(例えば有線又は無線接続で)送信されてもよい。

0085

ステップ850で、患者の観察又は記録された遂行能力に従い、画像対の画像パラメータが調整されてもよい。この調整は適時(毎週など)行われてもよく、ここではプログラムコードが、プロセッサによる実行時、記録された結果(例えばゲーム遂行時に患者が獲得したスコア)に応じた画像パラメータの定期的調整をもたらすことになる。一部の例において、調整はまた、担当医によって実施されてもよい。

0086

患者が課題を完了することに成功した場合、調整は、画像パラメータの差が減少するようなものであり得る。例えば、コントラストのために第1の眼に呈示される画像の情報内容が第2の眼に呈示される画像の情報内容よりも鮮鋭である場合、調整により、これらの2つの知覚される画像間のコントラストの差が減少することになり得る。第1の画像と第2の画像との間のオフセットが減少してもまたよい。しかしながら、患者が指定の課題をやり遂げるのが困難な場合には、これらの2つの知覚される画像間のコントラストの差は増加させてもよい。

0087

画像パラメータの調整が済むと、ステップ820〜850が調整後の画像パラメータで繰り返されてもよい。従って、訓練が進行し、患者が指定の課題をやり遂げる能力に応じて画像対の2つの知覚される画像間の画像パラメータの差が減少するにつれ、患者も治療の経過中に患者の複視及び/又はCID状態が改善することになる。

0088

例示的研究
以下の例示的研究は、本装置(例えば装置100)を使用して患者の複視の事例を治療し及び/又は減少させ得ることを実証する。この研究は、本装置を使用すると、患者の複視の事例が減少することを示す(例えば場合によっては、患者は弱視の矯正技術もまた用い得る)。本研究全体を通じて対象を治療及び観察することにより、その間の複視の有訴によって複視の改善を測定した。本明細書に提供される結果は、本研究の過程で対象が治療されたことに伴う複視の改善、及び場合によっては消失に関する。

0089

本研究は弱視の治療を測定するために設計された。しかしながら、本研究の過程で、本装置の使用が、予想外にも、この病態を有する患者の間で複視もまた改善したことが示された。これらの患者間では、本装置を使用すれば複視及び/又はCIDが悪化し、そうした眼病態を改善することはないだろうと考えられていたため、これはこれまで当該技術分野において公知であったものに基づき予想されたものに反している。

0090

研究デザイン
本研究の対象は、以下の基準を満たした。
年齢5〜17歳未満
・不同視、斜視(PACTによって測定した近見時≦10Δ)、又は両方を伴う弱視
・過去2週間に弱視治療(アトロピン、アイパッチ、バンガーター、視覚療法)なし
・眼鏡(必要であれば)を少なくとも16週間装用した、又は視力の安定を実証した(同じ検査方法により少なくとも4週間空けて2つの試験で測定して<0.1logMARの変化)
・弱視眼の視力20/40〜20/200(端点を含む)(E−ETDRSの場合33〜72文字
・僚眼の視力20/25以上(E−ETDRSの場合≧78文字)
・眼間差≧3logMAR段(E−ETDRSの場合≧15文字)
・いずれの眼も−6.00D等価球面度数を超える近視でない
・両眼ゲームシステム副尺課題の十字線整列させることが可能である。対象が副尺課題の十字線を整列させることができる限り、近見時PACTによる異方視又は斜位(総眼球偏位)≦10Δが許容される。
・院内で両眼条件下において(赤緑眼鏡を掛けて)テトリスゲーム(初級者用の設定)をプレイ可能であることを、少なくとも1段を得点することにより実証する。

0091

対象を以下のいずれかに無作為に割り付けた(1:1)。
・両眼治療群:1日1時間、週7日で処方される両眼コンピュータゲームプレイ、週7日プレイすることができない小児については最低4日とする(治療時間は、より短時間のセッションに分割して合計1時間としてもよい)
・アイパッチ群:週7日にわたり1日2時間のアイパッチ。

0092

標本サイズは以下のとおりであった。
・336人の5〜13歳未満の小児(年少コホート
・166人の13〜17歳未満の小児(年長コホート)

0093

受診スケジュールは以下のとおりである(無作為化からのタイミング)。
・登録時検査
・1週間電話連絡(7〜13日)により、コンピュータゲームに問題がないかねる(両眼治療に割り付けられた者のみ、及び施設人員によって完了されるべき)
・4週間±1週間
・8週間±1週間
・12週間±1週間
・16週間±1週間(主要アウトカム

0094

全ての対象が4、8、12、及び16週間の時点で来診した。僚眼視力と同等か又はそれより良好な(0段以上良好な、E−ETDRSの場合0文字以上良好な)弱視眼視力且つ両眼で少なくとも20/25(又はE−ETDRSの場合>78文字)の視力を達成した対象は、回復したと見なされ、治療が中止されるが、こうした対象もなお、残りの全てのフォローアップ検査のために再来診した。後の受診時に弱視の退行(logMAR2段又は10文字)があった場合、治療を再開する。

0095

フォローアップ受診の度に、登録時7歳未満の小児についてはATS−HOTVを用いて、及び登録時7歳以上の小児についてはE−ETDRSを用いて各眼の遠見視力を評価する。Randot Butterfly立体視力検査及びRandot Preschool立体視力検査を用いた立体視力、複視の既往歴、並びに遮蔽−非遮蔽検査、同時プリズム遮閉検査(SPCT)(偏位がある場合)、及びプリズム交代遮蔽検査(PACT)による眼位もまた評価する。4及び16週間の時点で弱視治療の影響及び複視を評価するための小児用及び親用の問診票記入する。

0096

治療及びフォローアップ
本研究の全ての対象が、赤緑(アナグリフ)眼鏡を(該当する場合、現在の眼鏡の上から)緑色フィルタが弱視眼に被さるようにして装用しながらiPad上に提供されるテトリス型ゲームをプレイした。対象は、自身の通常の読書距離にiPadを保持するように指示される。一部のブロックは、赤色レンズを通して見る僚眼にのみ見え、一方で他のブロックは、緑色レンズを通して見る弱視眼にのみ見える。弱視眼の刺激及び両眼でのゲームプレイが確実となるように、弱視の深さに応じて画像コントラストが変わる。

0097

弱視眼(例えば弱視力眼)におけるテトリス形状のコントラストは、本研究全体を通じて100%である。僚眼によって見える形状のコントラストは本研究の開始時に20%で始まることになり、対象の遂行能力及びゲームプレイの継続期間に基づき24時間毎に最後のコントラストレベルから10%ずつ(例えば、20%から22%に)自動的に増加又は低下することになる。対象が弱視眼又は弱視力眼を使用する能力が改善されるにつれ、ゲーム遂行能力が増加するものと予想され、従って僚眼のコントラスト設定は増加することになる。僚眼コントラストの下限は10%に設定され、これは画面上の物体を見るための可視閾値の下限に対応する。7日の期間中にゲーム設定が10%のままである場合、親にその眼科医提供者連絡を取るよう促す警告がゲームに表示される。

0098

両眼治療群
両眼治療群に割り付けられた対象には、16週間にわたってテトリス型ゲームを1日1時間、週7日プレイするようにとの処方が出される(週7日プレイすることができない小児については最低週4日とする)。対象の親には、毎日の1時間の治療を単回の60分セッションで完了しなければならないが、何らかの理由でそれが可能でない場合、治療をより短時間のセッションに分割して合計で1時間としてもよいことが指示される。難易度の設定(初級者向け、中級者向け、又は上級者向け)は小児の裁量による。

0099

アイパッチ群
アイパッチ群に割り付けられた対象は、16週間にわたって僚眼に粘着性アイパッチを1日2時間、週7日装用する。

0100

コンプライアンス
親には、毎日小児がゲームをプレイした分数又はアイパッチをどのくらい装用したかを手動で記録することによるコンプライアンス日程表への記入が求められる。日程表は、各フォローアップ受診時に治験責任医師レビューする。ゲームのプレイ時間はまた、iPadによってゲームプレイ中に自動的に記録される。これらのデータは、各フォローアップ受診時にiPadが研究診療に持参されたときその場でダウンロードされる。

0101

両眼治療に割り付けられた者への電話連絡
両眼治療に割り付けられた者については、施設人員が1週間(7〜13日)の時点で電話連絡して両眼ゲームのプレイに技術的問題がないか確認し、質問に対応する。

0102

フォローアップ受診スケジュール
フォローアップスケジュールは、無作為化から以下のとおりのタイミングで行う。
・4週間±1週間
・8週間±1週間
・12週間±1週間
・16週間±1週間

0103

僚眼視力と同等か又はそれより良好な(0段以上良好な、E−ETDRSの場合0文字以上良好な)弱視眼視力且つ両眼で少なくとも20/25(又はE−ETDRSの場合>78文字)の視力を達成した対象は、回復したと見なされ、治療が中止されることになるが、こうした対象もなお、残りのフォローアップ検査のために再来診することになる。後の受診時に弱視の退行(logMAR2段又は10文字)があった場合、治療を再開する。

0104

治験責任医師の裁量により、追加的な非研究診療を実施してもよい。

0105

フォローアップ受診検査手順
対象のフォローアップ受診時。これらの受診時における遠見視力及び立体視力検査はマスク化された検査員によって完了されなければならない。手順は全て、対象の現在の屈折矯正下で実施される。対象が現在眼鏡を装用しているが、何らかの理由でフォローアップ検査時にそれを装用していない場合、検査は検眼用眼鏡で実施されなければならない。

0106

マスク化された検査員が部屋に入る前に、対象及び親はその治療についてマスク化された検査員と話をしないよう指示される。

0107

各受診時に以下の手順を以下の順番で実施する。
1.弱視治療の影響に関する問診票
・小児及び親に短い問診票を記入してもらい、弱視治療の影響を評価した(4週間及び16週間の受診時にのみ記入されるべきである)
・親について、問診票は自己管理であっても、又は施設職員により管理されてもよい、小児について、問診票は施設職員により管理されることになる。
・問診票は、治験責任医師が対象を診察する前に記入されなければならない。
・問診票は、アイパッチの管理又は両眼治療の監督担当する小児の親又は保護者向けに作られている。小児が治療に無関係な人に診療に連れてこられた場合、その旨が問診票に付記され、問診票の記入は行われない。

0108

2.遠見視力検査(マスク化)
・ATS検査手技マニュアル(ATS Testing Procedures Manual)に記載されるとおり、登録時に用いられた同じ視力検査方法を用いて各眼の日常屈折矯正下で単眼遠見視力検査が実施されることになる。
・検査は非調麻痺下で完了しなければならない。

0109

3.立体視力検査(マスク化)
・立体視力は、近見時(1/3メートル)のRandot Butterfly検査及びRandot Preschool立体視力検査を用いて現在の日常屈折矯正下で検査する。

0110

4.眼位検査
・眼位は、ATS手技マニュアル(ATS Procedures Manual)に概説されるとおり遠見時(3メートル)及び近見時(1/3メートル)の正面視での遮蔽/非遮蔽検査、同時プリズム遮蔽検査(SPCT)、及びプリズム交代遮蔽検査(PACT)によって日常屈折矯正下で評価する。

0111

5.複視の既往歴
小児及び1人又は複数の親は、標準化された複視評価(ATSその他の検査手技マニュアル(ATS Miscellaneous Testing Procedures Manual)を参照のこと)を用いて直近の研究診療以降に複視の出現があったか及びその頻度に関して具体的に質問を受ける。

0112

複視に関する結果
本研究の過程で観察及び対象及び/又は対象の親による有訴に基づき対象の複視に関するデータを収集した。患者及び/又は患者の親は、本研究の過程での複視の発生事象を申告するように求められた。本研究の過程でより多くゲームプレイを完了した患者ほど、遂行したゲームプレイが少なかった患者と比べて複視の発症確率が低かったことが観察された。

0113

表1は、治療の過程で13〜17歳未満の研究コホートの一部である対象によって知覚された複視の事例に関する。このデータはまた図1のグラフにも提供され、対象がゲームプレイを多く遂行するにつれ、複視の事例も減少したことが実証される。

0114

0115

複視は、ゲームプレイの遂行に本装置を使用した対象と比べてアイパッチを使用した対象でより多く再発した。

0116

表2は、治療の過程で5〜13歳未満の研究コホートの一部である対象によって知覚された複視の事例に関する。このデータはまた図2のグラフにも提供され、対象がゲームプレイを多く遂行するにつれ、複視の事例も減少したことが実証される。

0117

0118

複視は、ゲームプレイの遂行に本装置を使用した対象と比べてアイパッチを使用した5〜13歳未満の対象でより多く再発した。

0119

表3は、治療の過程で13〜17歳未満の研究コホートの一部である対象の親によって知覚された複視の事例に関する。このデータはまた図3のグラフにも提供され、対象がゲームプレイを多く遂行するにつれ、複視の事例も減少したことが実証される。

0120

0121

親の観察によれば、複視は、ゲームプレイの遂行に本装置を使用した対象と比べてアイパッチを使用した対象でより多く再発した。

0122

表4は、治療の過程で5〜13歳未満の研究コホートの一部である対象の親によって知覚された複視の事例に関する。このデータはまた図4のグラフにも提供され、対象がゲームプレイを多く遂行するにつれ、複視の事例も減少したことが実証される。

0123

0124

親の知覚によれば、複視は、ゲームプレイの遂行に本装置を使用した対象と比べてアイパッチを使用した対象でより多く再発した。

0125

図5は、全年齢群にわたる対象によって知覚されるとおりのゲームプレイの関数としての複視の有訴数を示す。

0126

図6は、全年齢群にわたる対象の親によって知覚されるとおりのゲームプレイの関数としての複視の有訴数を示す。

0127

図1図6に示されるとおり、対象が本明細書に記載されるとおりの装置を使用してゲームを多くプレイするほど、患者が複視を発症した確率が低下した。図1〜6に示されるとおり、治療によって処方されたゲームをより多くプレイした患者は、それほど多くゲームをプレイしなかった患者と比べて複視を発症する確率が低かった。同様に、焦点が定まらない眼が二重視につながり、二重視が少なければ、焦点が定まらない傾向が低い眼となり得るため、ゲームプレイをより多く遂行した患者であれば、CID症例を経験することも少なくなり得ることが理解されるであろう。ゲームプレイの遂行が外眼筋を強化し、それにより複視及びCIDの事例が減少し得ると考えることもできる。

0128

業者によれば、装置100のような装置及び/又は本研究に記載されるとおりの装置を使用すれば、実際には複視を引き起こすであろうことが前提とされてきたため、これらの結果は予期せぬものである。しかしながら、例えば、本研究で観察されたとおり、かかる装置が複視及び/又はCIDの症状を軽減し、実際にはこれらの病態のいずれか一方又は両方の治療に使用し得ることが実証された。

0129

本発明の代表的な非限定的例を添付の図面を参照して上記に詳細に説明した。この詳細な説明は、単に本教示の好ましい態様を実施するための更なる詳細を当業者に教示することを意図しているに過ぎず、本発明の範囲を限定するよう意図するものではない。更に、以上及び以下に開示される追加的な特徴及び教示の各々は、有用な装置及びそれを用いた治療方法を提供するため、個別に、又は他の特徴及び教示と併せて利用されてもよい。

0130

更に、上記の詳細な説明、並びに実施例に開示される特徴及びステップの組み合わせは、最も広義の意味において本発明の実施に必須でないこともあり、代わりに単に本発明の代表的な例を詳細に説明するに過ぎないことが教示される。更に、上述の代表的な例の様々な特徴、並びに以下の様々な独立及び従属請求項は、本教示の追加の有用な実施形態を提供するため、具体的及び明示的に列挙されない形で組み合わされてもよい。

0131

本説明及び/又は特許請求の範囲に開示される全ての特徴は、実施形態及び/又は特許請求の範囲にあるそれらの特徴の組成(composition)とは独立に、元の記載されている開示の目的上、並びに特許請求される主題を限定する目的上、個別に、且つ互いに独立に開示されることが意図される。

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