図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2021年2月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、調節性T細胞及びその使用に関する。それらの免疫抑制活性及び抗炎症活性により、調節性T細胞は末梢寛容において中心的な役割を果たし、このように、自己免疫障害及び炎症性障害の発生を決定的に防止する。本発明者らは、Foxp3+CD4+Tregが高レベルLTαを発現し、それによって、それらの免疫抑制的な特徴を負に調節することを示した。本発明者らは、マウスにおけるLTα−/−Tregの養子移入によって、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS誘発性大腸炎から保護され、炎症性腸疾患(IBD)、多臓器自己免疫、及びCACの発生を減弱させることを実証した。本発明者らはまた、混合骨髄キメラにより、造血細胞における特異的なLTα発現によって、Tregの免疫抑制的な特徴が負に制御されることを示した。特に、本発明は、リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞に関する。

概要

背景

CD4+CD25+Foxp3+調節性T細胞(Treg)は、末梢自己寛容の維持において決定的な役割を果たすCD4+T細胞サブセットを構成する(Sakaguchi, S., et al. (2008). Regulatory T cells and immune tolerance. Cell 133, 775-787)。この細胞型は、胸腺の負の選択を免れた危険な自己反応性T細胞免疫抑制する独特能力を持ち、それにより炎症性障害及び自己免疫障害の発生を防止する。Foxp3+Treg細胞は、胸腺及び、末梢中のナイーブCD4+T細胞の変換の両方から由来し、それぞれ天然Treg及び誘導性Tregと呼ばれる(Dhamne, C. et al. (2013). Peripheral and thymic foxp3(+) regulatory T cells in search of origin, distinction, and function. Front Immunol 4, 253)。個体発生の間に、天然Tregの発生は、従来のCD4+T細胞の発生と比較して大幅に遅延する、なぜなら、Tregの最初の波は周産期の間に生成されるのに対し、従来のCD4+T細胞は胎生段階の初期出現するからである(Fontenot, J.D. et al.(2005). Developmental regulation of Foxp3 expression during ontogeny. The Journal of experimental medicine 202, 901-906)。

我々の免疫系の制御及び維持におけるFoxp3+Treg細胞の重要性は、切断された非機能的なFoxp3タンパク質をもたらすFoxp3遺伝子中の変異を示すScurfyマウスを用いて例証された(Brunkow, M.E. et al. (2001). Disruption of a new forkhead/winged-helix protein, scurfin, results in the fatal lymphoproliferative disorder of the scurfy mouse. Nature genetics 27, 68-73)。これらのマウスは若齢死亡する。なぜなら、それらは、胸腺由来Foxp3+Tregを産生することができず、このように、多臓器炎症を伴う致死的リンパ増殖性症候群を発生するからである。Foxp3は、その後、Tregの発生、機能、及び恒常性の主要調節因子として同定された。Foxp3遺伝子中の遺伝子変異もヒトにおいて同定されており、免疫調節異常、多腺性内分泌障害腸疾患X連鎖(IPEX)症候群と呼ばれる重度の自己免疫障害に関与する(Bennett, C.L. et al. (2001). The immune dysregulation, polyendocrinopathy, enteropathy, X-linked syndrome (IPEX) is caused by mutations of FOXP3. Nature genetics 27, 20-21)。

Foxp3+Tregはいくつかの機構を使用して免疫応答を抑制する(Workman et al., 2009)。4つの主な作用機序が記載されている:免疫抑制サイトカインIL−10、TGF−β、及びIL−35)、エフェクターT細胞及び樹状細胞細胞溶解(マウス及びヒトにおいてそれぞれグランザイムB及びA)、代謝破壊(CD39 、CD73、及びCD25)、及び樹状細胞における抗原提示の調節(CTLA−4及びLAG−3)。

マウスでは、炎症性腸疾患(IBD)におけるWT Tregの養子移入によって、確立された腸の炎症(Maloy, K.J. et al. (2003). CD4+CD25+ T(R) cells suppress innate immune pathology through cytokine-dependent mechanisms. The Journal of experimental medicine 197, 111-119)、I型糖尿病(Szanya, V. et al. (2002). The subpopulation of CD4+CD25+ splenocytes that delays adoptive transfer of diabetes expresses L-selectin and high levels ofCCR7. Journal of immunology 169, 2461-2465)、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)(McGeachy, M.J. et al. (2005). Natural recovery and protection from autoimmune encephalomyelitis: contribution of CD4+CD25+ regulatory cells within the central nervous system. Journal of immunology 175, 3025-3032)、及び喘息(Presser, K. et al.(2008). Coexpression of TGF-beta1 andIL-10 enables regulatory T cells to completely suppress airway hyperreactivity. Journal of immunology 181, 7751-7758)が防止及び治癒することが示されている。さらに、Treg細胞はしばしば、腫瘍免疫監視減弱することにより腫瘍促進性になるが、それらは、対照的に、炎症を弱めることによる慢性炎症媒介性癌、例えば大腸炎関連癌(CAC)などにおいて抗腫瘍性の役割を果たす(Waldner, M.J., and Neurath, M.F. (2009). Colitis-associated cancer: the role of T cells in tumor development. Semin Immunopathol 31, 249-256)。ヒトでは、Tregベース細胞治療現実になりつつある(Riley, J.L. at al. (2009). Human T regulatory cell therapy: take a billion or so and call me in the morning. Immunity 30, 656-665)。例えば、ヒトTregを使用した第1相臨床治験が、I型糖尿病(Bluestone, J.A., et al. (2015). Type 1 diabetes immunotherapy using polyclonal regulatory T cells. Sci Transl Med 7)、難治性クローン病(Desreumaux, P. et al. (2012). Safety and efficacy of antigen-specific regulatory T-cell therapy for patients with refractory Crohn's disease. Gastroenterology 143)、又は幹細胞移植時の急性移植片対宿主病(GVHD)(Di Ianni, M. et al. (2011). Tregs prevent GVHD and promote immune reconstitution inHLA-haploidentical transplantation. Blood 117, 3921-3928)を患う患者において報告されている。しかし、依然として、自己免疫疾患及び炎症性疾患の新たな治療を開発することが必要である。

加えて、Treg養子移入技術においては、主要な限定工程が存在する:大量の細胞が、ヒトにおける有効な治療のために要求される。このように、Treg細胞治療の分野では、炎症性障害及び自己免疫障害を効率的に処置するために、依然として、要求される細胞数を低下させる必要がある。

概要

本発明は、調節性T細胞及びその使用に関する。それらの免疫抑制活性及び抗炎症活性により、調節性T細胞は末梢寛容において中心的な役割を果たし、このように、自己免疫障害及び炎症性障害の発生を決定的に防止する。本発明者らは、Foxp3+CD4+Tregが高レベルLTαを発現し、それによって、それらの免疫抑制的な特徴を負に調節することを示した。本発明者らは、マウスにおけるLTα−/−Tregの養子移入によって、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS誘発性大腸炎から保護され、炎症性腸疾患(IBD)、多臓器自己免疫、及びCACの発生を減弱させることを実証した。本発明者らはまた、混合骨髄キメラにより、造血細胞における特異的なLTα発現によって、Tregの免疫抑制的な特徴が負に制御されることを示した。特に、本発明は、リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞に関する。

目的

その結果は、mRNAを産生することができず、そのため、遺伝子が欠損することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

リンホトキシンアルファ発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞

請求項2

リンホトキシンアルファをコードする遺伝子が欠失している、請求項1記載の調節性T細胞。

請求項3

リンホトキシンアルファをコードする遺伝子が変異し、生存不能なRNAをもたらす、請求項1記載の調節性T細胞。

請求項4

請求項1記載の調節性T細胞の集団

請求項5

調節性T細胞の免疫抑制活性刺激するためのエクスビボ方法であって、該方法が以下を含む:i)被験体から生物学的サンプルを得ること;ii)該サンプルから調節性T細胞を単離すること;iii)調節性T細胞のインビトロ増殖;vi)リンホトキシンアルファ遺伝子をサイレンシング又は不活性化するために、前記の単離された制御性T細胞を遺伝的に改変すること。

請求項6

生物学的サンプルが血液サンプルである、請求項5記載の方法。

請求項7

自己抗原を認識/結合するキメラ抗原受容体を発現することにおいて特徴付けられる、請求項1記載の調節性T細胞。

請求項8

請求項7記載の調節性T細胞の集団。

請求項9

キメラ抗原受容体をコードするベクターを用いてインビトロ又はエキソビボで調節性T細胞をトランスフェクト又は形質導入する工程を含む、請求項7記載の調節性T細胞を製造する方法。

請求項10

それを必要とする被験体における養子細胞治療での使用のための、請求項4又は/及び請求項8記載の調節性T細胞の集団。

請求項11

請求項4又は/及び請求項8記載の調節性T細胞の集団を含む医薬組成物

請求項12

それを必要とする被験体において自己免疫疾患処置する方法であって、該方法が、請求項4又は/及び請求項8記載の調節性T細胞の集団の治療的有効量を被験体に投与することを含む方法。

請求項13

自己免疫疾患が炎症性腸疾患である、請求項12記載の方法。

請求項14

自己免疫疾患が多発性硬化症又は1型糖尿病である、請求項12記載の方法。

請求項15

それを必要とする被験体において炎症関連癌を処置する方法であって、該方法が、請求項4記載の調節性T細胞の集団の治療的有効量を被験体に投与することを含む方法。

請求項16

炎症関連癌が大腸炎関連癌である、請求項15記載の方法。

請求項17

それを必要とする被験体においてアレルギーを処置する方法であって、該方法が、請求項4記載の調節性T細胞の集団の治療的有効量を被験体に投与することを含む方法。

請求項18

外因的に投与される分子に対する免疫反応又は移植組織もしくは移植細胞に対する免疫反応を、それを必要とする被験体において処置する方法であって、該方法が、請求項4記載の調節性T細胞の集団の治療的有効量を被験体に投与することを含む方法。

請求項19

それを必要とする被験体において移植組織又は移植細胞に対する免疫反応を処置する方法であって、該方法が、請求項4記載の調節性T細胞の集団の治療有効量を被験体に投与することを含む方法。

請求項20

被験体がヒトである、請求項5、6、12〜19のいずれか一項記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、調節性T細胞及びその使用に関する。特に、本発明は、リンホトキシンアルファ発現しない、又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞、ならびに自己免疫障害及び炎症関連癌の処置及び防止のためのそれらの使用に関する。

背景技術

0002

CD4+CD25+Foxp3+調節性T細胞(Treg)は、末梢自己寛容の維持において決定的な役割を果たすCD4+T細胞サブセットを構成する(Sakaguchi, S., et al. (2008). Regulatory T cells and immune tolerance. Cell 133, 775-787)。この細胞型は、胸腺の負の選択を免れた危険な自己反応性T細胞免疫抑制する独特能力を持ち、それにより炎症性障害及び自己免疫障害の発生を防止する。Foxp3+Treg細胞は、胸腺及び、末梢中のナイーブCD4+T細胞の変換の両方から由来し、それぞれ天然Treg及び誘導性Tregと呼ばれる(Dhamne, C. et al. (2013). Peripheral and thymic foxp3(+) regulatory T cells in search of origin, distinction, and function. Front Immunol 4, 253)。個体発生の間に、天然Tregの発生は、従来のCD4+T細胞の発生と比較して大幅に遅延する、なぜなら、Tregの最初の波は周産期の間に生成されるのに対し、従来のCD4+T細胞は胎生段階の初期出現するからである(Fontenot, J.D. et al.(2005). Developmental regulation of Foxp3 expression during ontogeny. The Journal of experimental medicine 202, 901-906)。

0003

我々の免疫系の制御及び維持におけるFoxp3+Treg細胞の重要性は、切断された非機能的なFoxp3タンパク質をもたらすFoxp3遺伝子中の変異を示すScurfyマウスを用いて例証された(Brunkow, M.E. et al. (2001). Disruption of a new forkhead/winged-helix protein, scurfin, results in the fatal lymphoproliferative disorder of the scurfy mouse. Nature genetics 27, 68-73)。これらのマウスは若齢死亡する。なぜなら、それらは、胸腺由来Foxp3+Tregを産生することができず、このように、多臓器炎症を伴う致死的リンパ増殖性症候群を発生するからである。Foxp3は、その後、Tregの発生、機能、及び恒常性の主要調節因子として同定された。Foxp3遺伝子中の遺伝子変異もヒトにおいて同定されており、免疫調節異常、多腺性内分泌障害腸疾患X連鎖(IPEX)症候群と呼ばれる重度の自己免疫障害に関与する(Bennett, C.L. et al. (2001). The immune dysregulation, polyendocrinopathy, enteropathy, X-linked syndrome (IPEX) is caused by mutations of FOXP3. Nature genetics 27, 20-21)。

0004

Foxp3+Tregはいくつかの機構を使用して免疫応答を抑制する(Workman et al., 2009)。4つの主な作用機序が記載されている:免疫抑制サイトカインIL−10、TGF−β、及びIL−35)、エフェクターT細胞及び樹状細胞細胞溶解(マウス及びヒトにおいてそれぞれグランザイムB及びA)、代謝破壊(CD39 、CD73、及びCD25)、及び樹状細胞における抗原提示の調節(CTLA−4及びLAG−3)。

0005

マウスでは、炎症性腸疾患(IBD)におけるWT Tregの養子移入によって、確立された腸の炎症(Maloy, K.J. et al. (2003). CD4+CD25+ T(R) cells suppress innate immune pathology through cytokine-dependent mechanisms. The Journal of experimental medicine 197, 111-119)、I型糖尿病(Szanya, V. et al. (2002). The subpopulation of CD4+CD25+ splenocytes that delays adoptive transfer of diabetes expresses L-selectin and high levels ofCCR7. Journal of immunology 169, 2461-2465)、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)(McGeachy, M.J. et al. (2005). Natural recovery and protection from autoimmune encephalomyelitis: contribution of CD4+CD25+ regulatory cells within the central nervous system. Journal of immunology 175, 3025-3032)、及び喘息(Presser, K. et al.(2008). Coexpression of TGF-beta1 andIL-10 enables regulatory T cells to completely suppress airway hyperreactivity. Journal of immunology 181, 7751-7758)が防止及び治癒することが示されている。さらに、Treg細胞はしばしば、腫瘍免疫監視減弱することにより腫瘍促進性になるが、それらは、対照的に、炎症を弱めることによる慢性炎症媒介性癌、例えば大腸炎関連癌(CAC)などにおいて抗腫瘍性の役割を果たす(Waldner, M.J., and Neurath, M.F. (2009). Colitis-associated cancer: the role of T cells in tumor development. Semin Immunopathol 31, 249-256)。ヒトでは、Tregベース細胞治療現実になりつつある(Riley, J.L. at al. (2009). Human T regulatory cell therapy: take a billion or so and call me in the morning. Immunity 30, 656-665)。例えば、ヒトTregを使用した第1相臨床治験が、I型糖尿病(Bluestone, J.A., et al. (2015). Type 1 diabetes immunotherapy using polyclonal regulatory T cells. Sci Transl Med 7)、難治性クローン病(Desreumaux, P. et al. (2012). Safety and efficacy of antigen-specific regulatory T-cell therapy for patients with refractory Crohn's disease. Gastroenterology 143)、又は幹細胞移植時の急性移植片対宿主病(GVHD)(Di Ianni, M. et al. (2011). Tregs prevent GVHD and promote immune reconstitution inHLA-haploidentical transplantation. Blood 117, 3921-3928)を患う患者において報告されている。しかし、依然として、自己免疫疾患及び炎症性疾患の新たな治療を開発することが必要である。

0006

加えて、Treg養子移入技術においては、主要な限定工程が存在する:大量の細胞が、ヒトにおける有効な治療のために要求される。このように、Treg細胞治療の分野では、炎症性障害及び自己免疫障害を効率的に処置するために、依然として、要求される細胞数を低下させる必要がある。

0007

本発明は、調節性T細胞及びその使用に関する。特に、本発明は、リンホトキシンアルファを発現しない、又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞、ならびに自己免疫障害及び炎症関連癌の処置及び防止のためのそれらの使用に関する。特に、本発明を特許請求の範囲により定義する。

実施例

0008

発明の詳細な説明:
それらの免疫抑制活性及び抗炎症活性により、Foxp3+CD4+調節性T細胞(Treg)は、末梢寛容において中心的な役割を果たし、このように、自己免疫障害及び炎症性障害の発生を決定的に防止する。本発明者らは、胸膜及び脾臓のFoxp3+CD4+Tregが、膜アンカー型LTα1β2ヘテロ複合体として、従来のCD4+T細胞よりも高いレベルのリンホトキシンα(LTα)を発現することを示した。重要なことに、Foxp3+CD4+Tregにおけるこの発現は、ヒトにおいて保存されている。LTα−/−マウスからの胸腺及び脾臓のFoxp3+CD4+Treg(LTα−/−Treg)は高度に抑制的な細胞の特徴を提示し、LTαがこの細胞型の免疫抑制機能を負に調節することを示す。

0009

興味深いことに、腸の炎症を限定することにより、LTα−/−Tregの養子移入(AT)によって、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS誘発性大腸炎から保護され、炎症性腸疾患(IBD)が治癒し、及び大腸炎関連癌(CAC)の発生が減弱する。LTα−/−TregのATはまた、多臓器自己免疫重症度を減弱させる。さらに、4倍少ないLTα−/−Treg細胞の投与は、DSS誘発性大腸炎に対してWT Tregと同じ保護を示す。ハイスループットRNA−seqによって、LTα−/−Tregが特殊な分化プログラムを採用し、このように、活性化/エフェクター表現型を提示することが明らかになった。重要なことに、混合骨髄キメラによって、特異的に造血細胞におけるLTα発現が、Tregの抑制的な特徴を負に制御することが明らかになった。

0010

最後に、それらはまた、Tregと抗原提示細胞(即ち、樹状細胞及び胸腺上皮細胞)の間のそれぞれのLTα1β2/LTβR相互作用によって、Tregの免疫抑制的な特徴が制御されることを実証した。

0011

まとめると、それらの知見によって、このように、LTαがTregの免疫抑制特性を負に調節し、このように、Treg抑制活性を増加させるための処置において貴重な新たな標的を構成しうることが明らかになった。さらに、Tregの免疫抑制活性を増加させることにより、養子移入において注射される細胞の数を低下させることができ、それは技術的な促進を表す。

0012

本発明の調節性T細胞
したがって、本発明の第1の態様は、リンホトキシンアルファを発現しない、又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞に関する。これによって、調節性T細胞の抑制活性を増加させることが可能になる。

0013

一実施形態では、リンホトキシンアルファをコードする遺伝子が欠失している。

0014

一実施形態では、リンホトキシンアルファをコードする遺伝子が変異し、生存不能なRNAをもたらす。

0015

明細書中で使用するように、用語「調節性T細胞」又は「Treg」は、免疫系を調節し、自己抗原への寛容を維持し、ならびに自己免疫疾患及び炎症性疾患を抑止するT細胞の亜集団を指す。これらの細胞は一般的に、エフェクターT細胞の誘導及び増殖を抑制又は下方調節し、抗原提示細胞の機能を調節する。Tregは、細胞間接触により、又は免疫抑制サイトカインの放出を通じて、抑制活性(即ち、従来のT細胞の増殖を阻害する)が可能な細胞である。

0016

本明細書中で使用するように、用語「リンホトキシンアルファ」又は「LT−α」(また、腫瘍壊死因子ベータ(TNF−β)として公知である)は、腫瘍壊死因子ファミリーメンバーを指す。リンホトキシンアルファは、リンパ球により分泌されるサイトカインである。リンホトキシンアルファ(Uniprot参照:ホモサピエンスについてのP01374、ハツカネズミについてのP09225)は、リンホトキシンアルファ(LTA)遺伝子(NCIBI参照:ホモサピエンスについての遺伝子ID:4049、ハツカネズミについての遺伝子ID:16992)によりコードされる。

0017

本明細書中で使用するように、表現「減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現する」は、調節性T細胞が、その野生型の操作されていない対応物と比較し、より少ないリンホトキシンアルファを発現することを意味する。

0018

用語「遺伝子」は、転写又は翻訳された後に特定のポリペプチド又はタンパク質をコードすることが可能な少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含む天然又は合成ポリヌクレオチドを指す。

0019

本明細書中で使用するように、用語「欠失した」は、遺伝子の全体的又は部分的な欠失を意味する。部分的欠失は、1塩基対(bp)から遺伝子のほぼ完全なポリペプチドコード領域までの、標的遺伝子からの任意の量のDNAの除去を含みうる。全体的な欠失は、隣接配列を伴う又は伴わない、遺伝子の完全なコード領域の除去を含み、これは、遺伝子機能のために要求される調節エレメント(例えば、転写プロモーター)を含んでもよい、又は含まなくてもよい。さらに、欠失によって、調節領域(例えばプロモーターなど)のみの除去がもたらされ、コード領域はインタクトなまま残りうる。その結果は、mRNAを産生することができず、そのため、遺伝子が欠損することである。

0020

一実施形態では、ネオカセットを伴うマウスLTアルファをコードする遺伝子の第2エキソンの小部分、完全な第3エキソン、及び第4エキソンの小部分が、LTアルファ遺伝子をサイレンシングするために欠失されている(De Togni et al. Science. 1994 Apr 29;264(5159):703-7において記載されている通り)。

0021

本明細書中で使用するように、本明細書中で使用する用語「変異遺伝子」は、変異が生じた遺伝子を意味する。本明細書中で使用する用語「変異」は、核酸の配列中での変化を意味し、遺伝学などにおいて使用される塩基置換、挿入、欠失、逆位重複転座などを含む。変異遺伝子中での変異の領域は、転写領域に限定しないが、しかし、遺伝子発現のために要求される調節領域(例えばプロモーターなど)を含む。

0022

本明細書中で使用するように、用語「生存不能なRNA」は、タンパク質中に翻訳されないRNAに関する。

0023

本発明の別の目的は、本発明の調節性T細胞の集団に関する。

0024

本明細書中で使用するように、用語「集団」は細胞の集団を指し、そこで、細胞の総数過半数(例、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、及びさらにより好ましくは少なくとも約80%)が、目的の細胞の特定の特徴を有し、目的のマーカーを発現する。

0025

本発明の別の目的は、調節性T細胞の免疫抑制活性を刺激するためのエクスビボ方法に関し、前記方法は以下を含む:
i)被験体から生物学的サンプルを得ること;
ii)前記サンプルから調節性T細胞を単離すること;
iii)調節性T細胞のインビトロ増殖;
iv)リンホトキシンアルファ遺伝子をサイレンシング又は不活性化するために、前記の単離された調節性T細胞を遺伝的に改変すること。

0026

本明細書中で使用するように、用語「被験体」は、哺乳動物(例えばげっ歯類ネコイヌ、及び霊長類など)を表示する。好ましくは、本発明に従った被験体はヒトである。

0027

本明細書中で使用するように、用語「生物学的サンプル」は、任意の体液又は組織を指す。一実施形態では、生物学的サンプルは血液サンプルである。

0028

本明細書中で使用するように、用語「調節性T細胞免疫抑制活性」は、当技術分野において周知であり、エフェクターT細胞の誘導及び増殖を抑制又は下方調節するTregの能力を指す。本明細書中で使用するように、用語「調節性T細胞免疫抑制活性を刺激する」は、調節性T細胞免疫抑制活性の増加を指す。

0029

本明細書中で使用するように、「単離する」は、その自然環境からの細胞又は細胞集団の除去を指す。本明細書中で使用するように、「単離された」は、その自然環境(例えば血液サンプルなど)から除去され、単離、精製、又は分離され、それが自然でともに存在する他の細胞を少なくとも約75%含まない、80%含まない、85%含まない、及び好ましくは約90%、95%、96%、97%、98%、99%含まない細胞又は細胞集団を指す。

0030

本明細書中で使用するように、用語「遺伝的に改変する」は、細胞の遺伝物質における少なくとも1つの核酸の付加、抑制、又は置換を指す。

0031

本明細書中で使用するように、用語「リンホトキシンアルファ遺伝子をサイレンシングする」は、リンホトキシンアルファ遺伝子機能の全体的又は部分的な抑制を指す。この用語は、リンホトキシンアルファをコードする遺伝子がゲノムから欠失されるか、又は変異して生存不能なRNAがもたらされることを意味する。

0032

本発明の方法に従い、本発明の調節性T細胞をサンプルから単離する。当業者により公知の全ての技術を使用してもよい。

0033

一実施形態では、調節性T細胞は、CD8+細胞及びCD19+細胞の枯渇によるCD4+T細胞の事前濃縮後に細胞選別機により単離する。選別された調節性T細胞の純度は>97%であった。

0034

本発明に従い、本発明の調節性T細胞は、リンホトキシンアルファ遺伝子をサイレンシングするために、遺伝的に改変させる。特に、リンホトキシンアルファをコードする遺伝子を欠失又は変異させ、生存不能なRNAをもたらす。

0035

当業者により公知の全ての技術を、リンホトキシンアルファ遺伝子をサイレンシングするために使用してもよい。

0036

一実施形態では、リボザイムアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、又はshRNAを、リンホトキシンアルファ遺伝子をサイレンシングするために使用する。

0037

リボザイムは、本発明における使用のためのリンホトキシンアルファ遺伝子発現の阻害剤として機能することができる。リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒することが可能な酵素RNA分子である。リボザイム作用の機構は、相補的標的RNAへのリボザイム分子配列特異的ハイブリダイゼーション、それに続くエンドヌクレアーゼ切断を含む。リンホトキシンアルファmRNA配列のエンドヌクレアーゼ切断を特異的かつ効率的に触媒する操作されたヘアピン又はハンマーヘッドモチーフリボザイム分子は、それにより本発明の範囲内において有用である。任意の潜在的なRNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、リボザイム切断部位(それは、典型的には、以下の配列GUA、GUU、及びGUCを含む)について標的分子スキャンすることにより最初に同定される。一度同定されると、切断部位を含む標的遺伝子の領域に対応する約15と20の間のリボヌクレオチドの短いRNA配列を、オリゴヌクレオチド配列不適切にしうる、予測される構造的特色(例えば二次構造など)について評価することができる。候補標的についての適合性はまた、例えば、リボヌクレアーゼ保護アッセイを使用し、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションへのそれらの接近可能性をテストすることにより評価することができる。

0038

アンチセンスオリゴヌクレオチドは、アンチセンスRNA分子及びアンチセンスDNA分子を含み、それらは、mRNAに結合し、このように、タンパク質翻訳を防止し、又はmRNA分解を増加させ、このように、細胞中での標的タンパク質のレベル、及び、このように、活性を減少させることにより標的mRNAの翻訳を直接的に遮断するように作用する。例えば、少なくとも約15塩基の、mRNA転写物配列の固有の領域に相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、従来のホスホジエステル技術により合成することができる。配列が公知である遺伝子の遺伝子発現を特異的に阻害するためのアンチセンス技術を使用するための方法は、当技術分野において周知である(例、米国特許第6,566,135号;第6,566,131号;第6,365,354号;第6,410,323号;第6,107,091号;第6,046,321号;及び第5,981,732号を参照のこと)。

0039

小さな阻害性RNA(siRNA)は、本発明における使用のための遺伝子発現の阻害剤として機能することができる。リンホトキシンアルファ遺伝子発現は、被験体又は細胞を、小さな二本鎖RNAdsRNA)、又は小さな二本鎖RNAの産生を起こすベクターもしくはコンストラクトと接触させることにより低下させることができ、リンホトキシンアルファ遺伝子発現が特異的に阻害される(即ち、RNA干渉又はRNAi)。適したdsRNA又はdsRNAをコードするベクターを選択するための方法は、その配列が公知である遺伝子について当技術分野において周知である(例えば、Tuschl, T. et al. (1999);Elbashir, S. M. et al. (2001);Hannon, GJ. (2002);McManus,MT. et al. (2002);Brummelkamp, TR. et al. (2002);米国特許第 6,573,099号及び第6,506,559号;ならびに国際特許公開WO 01/36646、WO 99/32619、及びWO 01/68836を参照のこと)。

0040

ショートヘアピンRNA(shRNA)は、RNA干渉を介して遺伝子発現をサイレンシングするために使用することができるタイトなヘアピンターンを作るRNAの配列である。shRNAは一般的に、細胞中に導入されたベクターを使用して発現され、そこで、ベクターはU6プロモーターを利用し、shRNAが常に発現されることを確実にする。shRNAヘアピン構造は、細胞機構によりsiRNA中に切断され、それは次に、RNA誘導性サイレンシング複合体RISC)に結合する。この複合体は、それが結合しているsiRNAと一致するmRNAに結合し、切断する。小さな干渉RNA(siRNA)は、時折ショート干渉RNA又はサイレンシングRNAとして公知であり、生物学において多様な役割を果たす20〜25ヌクレオチド長二本鎖RNA分子クラスである。最も注目すべきことに、siRNAがRNA干渉(RNAi)経路中に含まれ、それにより、siRNAは特定の遺伝子の発現に干渉する。

0041

リンホトキシンアルファ遺伝子発現の阻害剤として有用なアンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムの両方を、公知の方法により調製することができる。これらは、化学合成(例えば、例、固相ホスホラマイト化学合成による、など)のための技術を含む。あるいは、アンチセンスRNA分子は、RNA分子をコードするDNA配列のインビトロ又はインビボ転写により生成することができる。そのようなDNA配列は、適切なRNAポリメラーゼプロモーター(例えばT7又はSP6ポリメラーゼプロモーターなど)を組み入れた広く多様なベクター中に組み入れることができる。本発明のオリゴヌクレオチドへの種々の修飾を、細胞内安定性及び半減期を増加させる手段として導入することができる。可能な修飾は、分子の5’及び/又は3’末端へのリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドの隣接配列の付加、あるいはオリゴヌクレオチド骨格内でのホスホジエステラーゼ連結よりはむしろホスホロチオエート又は2’−O−メチルの使用を含むが、これらに限定しない。

0042

本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNAは、インビボで単独で、又はベクターとの会合において送達されうる。その最も広い意味において、「ベクター」は、細胞及び典型的にはマスト細胞へのアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、又はリボザイム核酸の移行を促すことが可能な任意の媒体である。古典的には、ベクターは核酸を細胞に輸送し、ベクターの非存在をもたらしうる分解の程度に比べて、低下した分解を伴う。一般的に、本発明において有用なベクターは、プラスミドファージミドウイルス、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、又はリボザイムの核酸配列の挿入又は組み入れにより操作されたウイルス又は細菌供給源から由来する他の媒体を含むが、これらに限定しない。ウイルスベクターは好ましい型のベクターであり、以下のウイルスからの核酸配列を含むが、これらに限定しない:レトロウイルス、例えばモロニーマウス白血病ウイルスハーベイマウス肉腫ウイルス、マウス乳腺腫瘍ウイルス、及びラウス肉腫ウイルスなど;アデノウイルスアデノ随伴ウイルスSV40型ウイルス;ポリオーマウイルスエプスタインバーウイルスパピローマウイルスヘルペスウイルスワクシニアウイルスポリオウイルス;ならびにRNAウイルス、例えばレトロウイルスなど。命名されていないが、しかし、当技術分野において公知の他のベクターを容易に用いることができる。

0043

好ましいウイルスベクターは、非必須遺伝子が目的の遺伝子を用いて置換されている非細胞傷害性真核生物ウイルスに基づく。非細胞傷害性ウイルスは、レトロウイルス(例、レンチウイルス)を含み、そのライフサイクルは、DNA中へのゲノムウイルスRNAの逆転写を含み、その後の宿主細胞DNA中へのプロウイルス組込みを伴う。レトロウイルスは、ヒト遺伝子治療治験のために承認されている。最も有用なのは、複製欠損(即ち、所望のタンパク質の合成を指示することが可能であるが、しかし、感染性粒子を製造することが不可能である)であるレトロウイルスである。そのような遺伝的に改変されたレトロウイルス発現ベクターは、インビボでの遺伝子の高効率形質導入のための一般的な有用性を有する。複製欠損レトロウイルスを産生するための標準プロトコール(プラスミド中への外因性遺伝物質の組み入れ、プラスミドを用いたパッケージング細胞株トランスフェクション、パッケージング細胞株による組換えレトロウイルスの産生、組織培養培地からのウイルス粒子収集、及びウイルス粒子を用いた標的細胞の感染を含む)がKriegler, 1990において、及びMurry, 1991において提供されている。特定の適用のための好ましいウイルスは、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルスであり、それらは二本鎖DNAウイルスである。アデノ随伴ウイルスは、複製欠損になるように操作することができ、広い範囲の細胞型及び種に感染することが可能である。それは、利点、例えば熱及び脂質溶媒安定性;多様な系統の細胞(造血細胞を含む)における高い形質導入頻度;及び重複感染阻害の欠如(このように、複数の一連の形質導入を可能にする)などをさらに有する。報告によると、アデノ随伴ウイルスは、部位特異的な様式においてヒト細胞DNA中に組込み、それにより、挿入変異誘発の可能性及びレトロウイルス感染に特徴的な挿入遺伝子発現の変動を最小限にすることができる。また、野生型アデノ随伴ウイルス感染は、選択圧の非存在において、100継代を超えて組織培養中で追跡されており、アデノ随伴ウイルスのゲノム組込みが比較的安定な事象であることを意味する。アデノ随伴ウイルスはまた、染色体外の様式において機能することができる。他のベクターはプラスミドベクターを含む。プラスミドベクターは、当技術分野において広範に記載されており、当業者に周知である。例えば、Sambrook et al., 1989を参照のこと。過去数年間において、プラスミドベクターは、抗原をコードする遺伝子をインビボで細胞に送達するためのDNAワクチンとして使用されてきた。それらは、このために特に有利である。なぜなら、それらは、ウイルスベクターの多くと同じ安全性の懸念を有さないためである。これらのプラスミドは、しかし、宿主細胞と適合性のあるプロモーターを有し、プラスミド内で操作的にコードされた遺伝子からペプチドを発現することができる。一部の一般に使用されるプラスミドは、pBR322、pUC18、pUC19、pRC/CMV、SV40、及びpBlueScriptを含む。他のプラスミドが当業者に周知である。加えて、プラスミドは、制限酵素及びライゲーション反応を使用して注文設計され、DNAの特定の断片を除去及び付加してもよい。プラスミドは、多様な非経口経路、粘膜経路、及び局所経路により送達してもよい。例えば、DNAプラスミドは、筋肉内、目、皮内、皮下、又は他の経路により注射することができる。それはまた、鼻腔スプレー又は液滴、直腸坐剤及び経口的に投与してもよい。それはまた、遺伝子銃を使用して表皮又は粘膜表面中に投与してもよい。プラスミドは水溶液中で与え、金粒子上で、又は別のDNA送達系(リポソームデンドリマー渦巻状物、及びマイクロカプセル化を含むが、これらに限定しない)との会合において乾燥させてもよい。

0044

好ましい実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、又はリボザイム核酸配列は、異種調節領域(例、異種プロモーター)の制御下にある。

0045

一実施形態では、エンドヌクレアーゼを、リンホトキシンアルファ遺伝子をサイレンシングするために使用する。一実施形態では、「CRISPR/Cas9」技術を、リンホトキシンアルファ遺伝子をサイレンシングするために使用する。

0046

本明細書中で使用するように、用語「CRISPR」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、塩基配列の短い反復を含む原核生物DNAのセグメントである、関連付けられるクラスター化した規則的に間隔を空けた短いパリンドローム反復を指す。細菌では、CRISPR/Cas遺伝子座は、可動遺伝エレメント(ウイルス、転移エレメント、及び接合型プラスミド)に対するRNA誘導性適応免疫系をコードする。3つの型(I−III)のCRISPR系が同定されている。CRISPRクラスターはスペーサー先行する可動エレメントに相補的な配列)を含む。CRISPRクラスターは転写され、成熟CRISPR(クラスター化した規則的に間隔を空けた短いパリンドローム反復)RNA(crRNA)中に処理される。CRISPR関連エンドヌクレアーゼCas9はII型CRISPR/Cas系に属し、標的DNAを切断する強力なエンドヌクレアーゼ活性を有する。Cas9は、約20塩基対(bp)の固有の標的配列(スペーサーと呼ぶ)を含む成熟crRNA及びプレcrRNAのリボヌクレアーゼIII援用処理のためのガイドとしての役割を果たすトランス活性化低分子RNA(tracrRNA)により誘導される。crRNA:tracrRNA二本鎖によって、crRNA上のスペーサーと標的DNA上の相補配列プロトスペーサーと呼ぶ)の間の相補的な塩基対を介して、Cas9を標的DNAに向ける。Cas9は、トリヌクレオチド(NGG)プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を認識し、切断部位(PAMからの3番目ヌクレオチド)を特定する。crRNA及びtracrRNAは、別々に発現させる、又は合成ステムループを介して人工融合小ガイドRNA(sgRNA)中に操作し、天然のcrRNA/tracrRNA二重鎖模倣することができる。そのようなsgRNAは、shRNAと同様に、直接的なRNAトランスフェクションのために合成又はインビトロで転写する、あるいはU6又はHI促進性RNA発現ベクターから発現させることができるが、人工sgRNAの切断効率は、別々に発現されたcrRNA及びtracrRNAを用いた系についての切断効率よりも低くなる。一部の実施形態では、CRISPR関連エンドヌクレアーゼはCas9ヌクレアーゼでありうる。Cas9ヌクレアーゼは、野生型の化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyrogenes)配列と同一のヌクレオチド配列を有することができる。一部の実施形態では、CRISPR関連エンドヌクレアーゼは、他の種、例えば、他の連鎖球菌種(例えばサーモフィルスなど);緑膿菌大腸菌、あるいは他の配列決定された細菌ゲノム及び古細菌、又は他の原核微生物からの配列でありうる。あるいは、野生型の化膿性連鎖球菌Cas9配列を改変することができる。核酸配列は、哺乳動物細胞における効率的な発現のために最適化された、即ち、「ヒト化」されたコドンでありうる。ヒト化Cas9ヌクレアーゼ配列は、例えば、Genbankアクセッション番号KM099231.1 GL669193757;KM099232.1 GL669193761;又はKM099233.1 GL669193765において列挙されている発現ベクターのいずれかによりコードされるCas9ヌクレアーゼ配列でありうる。あるいは、Cas9ヌクレアーゼ配列は、例えば、Addgene(マサチューセッツケンブリッジ)からの市販のベクター(例えばPX330又はPX260など)内に含まれる配列でありうる。一部の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼは、Genbankアクセッション番号KM099231.1 GL669193757;KM099232.1;GL669193761;又はKM099233.1 GL669193765のCas9エンドヌクレアーゼ配列あるいはPX330又はPX260(Addgene、マサチューセッツ州ケンブリッジ)のCas9アミノ酸配列のいずれかの変異体又は断片であるアミノ酸配列を有することができる。Cas9ヌクレオチド配列は、Cas9の生物学的に活性な変異体をコードするように改変することができ、これらの変異体は、例えば、1つ以上の変異(例、付加、欠失、もしくは置換変異又はそのような変異の組み合わせ)を含むため、野生型Cas9とは異なるアミノ酸配列を有することができる、又は含むことができる。置換変異の1つ以上は、置換(例、保存的アミノ酸置換)でありうる。例えば、Cas9ポリペプチドの生物学的に活性な変異体は、野生型Cas9ポリペプチドに対して、少なくとも又は約50%の配列同一性(例、少なくとも又は約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性)を伴うアミノ酸配列を有することができる。保存的アミノ酸置換は、典型的には、以下の群内の置換を含む:グリシン及びアラニンバリンイソロイシン、及びロイシンアスパラギン酸及びグルタミン酸アスパラギングルタミンセリン、及びスレオニンリジンヒスチジン、及びアルギニン;ならびにフェニルアラニン及びチロシン。Cas9ヌクレアーゼ配列は変異配列でありうる。例えば、Cas9ヌクレアーゼは、保存されたFiNH及びRuvCドメイン中で変異させることができ、それらは、鎖特異的切断において含まれる。例えば、RuvC触媒ドメイン中のアスパラギン酸からアラニン(D10A)への変異によって、Cas9ニッカーゼ変異体(Cas9n)がDNAを切断するよりもむしろニックを入れて、一本鎖の切断をもたらすことが可能になり、HDRを通じたその後の優先的な修復によって、標的外の二本鎖切断からの不要なインデル変異の頻度を潜在的に減少させることができる。CRISPR関連エンドヌクレアーゼの生物学的に活性な変異体であるポリペプチドは、それらの配列が、対応する野生型ポリペプチドと類似している又は同一である程度に関して特徴付けることができる。例えば、生物学的に活性な変異体の配列は、野生型ポリペプチド中の対応する残基と少なくとも又は約80%同一でありうる。例えば、CRISPR関連エンドヌクレアーゼの生物学的に活性な変異体は、CRISPR関連エンドヌクレアーゼに対して、又はそのホモログもしくはオルソログに対して、少なくとも又は約80%の配列同一性(例、少なくとも又は約85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性)を伴うアミノ酸配列を有しうる。CRISPR関連エンドヌクレアーゼポリペプチドの生物学的に活性な変異体は、本方法において有用であるための十分な生物学的活性を保持しうる。生物学的に活性な変異体は、標的化DNA切断において機能するための十分な活性を保持しうる。生物学的活性は、当業者に公知の方法において評価することができ、インビトロ切断アッセイ又は機能アッセイを含むが、これらに限定しない。

0047

それは、ヒト(Mali et al., 2013, Science, Vol. 339 : 823-826)、細菌(Fabre et al., 2014,PLoS Negl. Trop. Dis., Vol. 8:e2671.)、ゼブラフィッシュ(Hwang et al., 2013, PLoS One, Vol. 8:e68708.)、線虫(Hai et al., 2014 Cell Res. doi: 10.1038/cr.2014.11.)、細菌(Fabre et al., 2014, PLoS Negl. Trop. Dis., Vol. 8:e2671.)、植物(Mali et al., 2013, Science, Vol. 339 : 823-826)、アフリカツメガエル(Guo et al., 2014, Development, Vol. 141 : 707-714.)、酵母(DiCarlo et al., 2013, Nucleic AcidsRes., Vol. 41 : 4336-4343.)、ショウジョウバエ(Gratz et al., 2014 Genetics, doi:10.1534/genetics.113.160713)、サル(Niu et al., 2014, Cell, Vol. 156 : 836-843.)、ウサギ(Yang et al., 2014, J. Mol. Cell Biol., Vol. 6 : 97-99.)、ブタ(Hai et al., 2014, Cell Res. doi: 10.1038/cr.2014.11.)、ラット(Ma et al., 2014, Cell Res., Vol. 24 : 122-125.)、及びマウス(Mashiko et al., 2014, Dev. Growth Differ. Vol. 56 : 122-129.)を含む多くの細胞株及び生物において重要な遺伝子を標的化するために既に成功裏に使用されてきた。

0048

一部の実施形態では、エンドヌクレアーゼは、Zetscheら(“Cpf1 is a Single RNA-guided Endonuclease of a Class 2 CRISPR-Cas System (2015); Cell; 163, 1-13)におけるプロボテラ及びフランシセラ1(Cpf1)からのより最近に特徴付けられたCRISPRであるCRISPR−Cpf1である。

0049

キメラ抗原受容体を発現する、本発明の調節性T細胞
本発明のさらなる目的は、自己抗原を認識/結合するキメラ抗原受容体を発現することにおいて特徴付けられる本発明の調節性T細胞に関する。

0050

用語「キメラ抗原受容体」又は「CAR」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、T細胞シグナル伝達ドメインに連結された抗体(例、scFv)の抗原結合ドメインを含む人工的に構築されたハイブリッドタンパク質又はポリペプチドを指す。本発明の文脈において、抗体の抗原結合ドメインは、自己抗原を認識/結合する。

0051

本明細書中で使用するように、用語「認識する」又は「結合する」は、本発明の文脈において、キメラ抗原受容体が抗原について親和性を有することを意味する。

0052

本明細書中で使用するように、用語「自己抗原」は、内因性抗原、又はその活性断片を指し、それは免疫系により認識される。

0053

自己抗原は、細胞タンパク質、リン酸化タンパク質細胞表面タンパク質、細胞脂質、核酸、糖タンパク質細胞表面受容体を含む)を含むが、これらに限定しない。自己抗原の例は、プレプロインスリンPPI)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)、インスリノーマ関連タンパク質2(IA−2)、膵島特異的グルコース−6−ホスファターゼ触媒サブユニット関連タンパク質(IGRP)、亜鉛トランスポーター8(ZnT8)及びクロモグラニンA(T1Dについて);ミエロペルオキシダーゼ及びプロテイナーゼ3(多発性血管炎を伴う肉芽腫症について);ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)及びミエリン塩基性タンパク質(MBP)(多発性硬化症における);ならびにグリアジンセリアック病における)を含むが、これらに限定しない。

0054

別の目的は、自己抗原を認識/結合するキメラ抗原受容体を発現することにおいて特徴付けられる、本発明の調節性T細胞の集団に関する。

0055

本発明の別の目的は、自己抗原を認識/結合するキメラ抗原受容体を発現する、本発明の調節性T細胞を製造する方法に関し、それは、キメラ抗原受容体をコードするベクターを用いたインビトロ又はエクスビボでの、本発明の調節性T細胞をトランスフェクト又は形質導入する工程を含む。

0056

用語「形質導入」又は「形質導入する」は、遺伝物質のウイルス移入及びレシピエント細胞におけるその発現を指す。

0057

本明細書中で使用する用語「トランスフェクション」又は「トランスフェクトする」は、DNA(例、製剤化されたDNA発現ベクター)を細胞中に導入し、それにより細胞の形質転換を可能にする過程を指す。

0058

本明細書中で使用するように、用語「ベクター」は、宿主細胞中で複製する及び/又は組込むためのベクターの能力を破壊することを伴わず、外来核酸の挿入を可能にする核酸分子を指す。

0059

処置の方法
本発明の調節性T細胞集団(リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団ならびにリンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて、及び自己抗原を認識/結合するキメラ抗原受容体を発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団)が、治療的な使用のために特に適切である。

0060

したがって、本発明のさらなる目的は、リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団、ならびに/あるいはリンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて、及び、それを必要とする被験体における養子細胞治療での使用のための、自己抗原を認識/結合するキメラ抗原受容体を発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団に関する。

0061

本明細書中で使用する用語「養子細胞治療」は、遺伝的に改変されている又はされていない自己又は同種リンパ球の輸血に関連する細胞ベース免疫治療を指す。本発明の目的のために、調節性T細胞を遺伝的に改変する。

0062

本発明のTregの集団は、公知の技術、又は本開示に基づいて当業者に明らかであろうそれらのバリエーションに従った養子細胞治療のための方法及び組成物において利用することができる。例えば、Gruenbergらに対する米国特許出願公開第2003/0170238号を参照のこと;また、Rosenbergに対する米国特許第4,690,915号を参照のこと。一部の実施形態では、細胞は、最初にそれらを、それらの培養培地から回収し、次に細胞を、投与のための適切な培地及び容器系(「医薬的に許容可能な」担体)中で、処置有効量で洗浄及び濃縮することにより製剤化する。適切な注入培地は、任意の等張培地製剤、典型的には生理食塩水、Normosol R(Abbott)、又はPlasma-Lyte A(Baxter)でありうるが、しかし、また、5%デキストロース(水中)又は乳酸リンゲル液を利用することができる。注入培地は、ヒト血清アルブミンを用いて補充することができる。組成物中の細胞の処置有効量は、レシピエント年齢及び体重に、標的とする状態の重症度に依存している。古典的には、注射されるTregの数は約1〜3×106/kgである(Adair et al. HumanTreg Made Antigen Specific by Gene Modification: The Power to Treat Autoimmunity and Antidrug Antibodies with Precision. Front Immunol 2017)。しかし、投与量は、本発明のTregを使用する場合には低下させてもよい。なぜなら、それらの免疫抑制活性が増加するためである。一実施形態では、投与量は少なくとも50%だけ低下させてもよい。一実施形態では、投与量は75%だけ低下させてもよい。一実施形態では、標準的な細胞治療の投与量を使用してもよい:これらの細胞の量は、約103/kg、好ましくは5×103/kgと低くてもよく;及び、107/kg、好ましくは108/kgと高くてもよい。細胞の数は、その中に含まれる細胞の型と同様に、組成物が意図される究極的な使用に依存するであろう。臨床的に関連する数の免疫細胞を、細胞の所望の総量に累積的に等しい、又はそれを超える複数回の注入中に配分することができる。

0063

本発明の目的のために、養子細胞治療において使用される調節性T細胞は、被験体(「自己細胞」)から又は別の個体(「同種細胞」)から単離されうる。

0064

本明細書中で使用するように、「同種細胞」は、1つの被験体(ドナー)から単離され、別の被験体(レシピエント又は宿主)において注入された細胞を指す。

0065

本明細書中で使用するように、「自己細胞」は、単離され、同じ被験体(レシピエント又は宿主)中に戻して注入された細胞を指す。

0066

一実施形態では、養子細胞治療において使用される調節性T細胞は、幹細胞から由来しうる。

0067

本明細書中で使用する用語「幹細胞」は、自己複製の特性を有し、複数の細胞型中に分化する発生能を有する未分化状態又は部分的な分化状態にある細胞を指し、発生能に関する特定の暗黙の意味( 即ち、全能性多能性多分化能など)を伴わない。

0068

特定の実施形態では、養子細胞治療において使用される調節性T細胞は、誘導多能性幹細胞から由来しうる。

0069

本明細書中で使用するように、用語「iPSC」及び「誘導多能性幹細胞」は互換的に使用され、例えば、1つ以上の遺伝子の強制発現を誘導することにより、非多能性細胞、典型的には成体体細胞から人工的に誘導された(例、誘導された又は完全な逆転による)多能性幹細胞を指す。

0070

特定の実施形態では、養子細胞治療において使用される調節性T細胞は、胚性幹細胞から由来しうる。

0071

本明細書中で使用する用語「胚性幹細胞」は、胚盤胞内部細胞塊の天然多能性幹細胞を指す(例、米国特許第5,843,780号;第6,200,806号;第7,029,913号;第7,584,479号を参照のこと。それらを、参照により本明細書中に組み入れる)。そのような細胞は、体細胞核移入から由来する胚盤胞の内部細胞塊から同様に得ることができる(例えば、米国特許第5,945,577号、第5,994,619号、第6,235,970号を参照のこと。それらを、参照により本明細書中に組み入れる)。胚性幹細胞は多能性であり、発生の間に、3つの一次胚葉外胚葉内胚葉、及び中胚葉の全ての派生体を生じる。言い換えれば、それらは、特定の細胞型について十分かつ必要な刺激が与えられた場合、成体の身体の200を上回る細胞型の各々に発生することができる。それらは、胚体外膜又は胎盤に寄与せず、即ち、全能性ではない。

0072

一実施形態では、養子細胞治療において使用される調節性T細胞は、従来のCD4+T細胞の変換から由来しうる。

0073

本発明のさらなる目的は、それを必要とする被験体において自己免疫疾患を処置する方法に関し、前記方法は、リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団、ならびに/あるいはリンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて、及び、自己抗原を認識/結合するキメラ抗原受容体を発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団の治療有効量を被験体に投与することを含む。

0074

本明細書中で使用するように、用語「自己免疫疾患」は、被験体における自己免疫応答(自己(auto)抗原又は自己(self)抗原に対して向けられる免疫応答)の存在を指す。自己免疫疾患は、自己寛容の崩壊により起こる疾患を含み、適応免疫系が、自然免疫系の細胞との協調において、自己抗原に応答し、細胞及び組織の損傷を媒介する。一部の実施形態では、自己免疫疾患を、少なくとも部分的に、体液性及び/又は細胞性免疫応答の結果として特徴付ける。自己免疫疾患の例は、限定しないが、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎アジソン病無ガンマグロブリン血症円形脱毛症アミロイドーシス強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症自己免疫性血小板減少性紫斑病ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹軸索及び神経性ニューロパシーベーチェット病水疱性類天疱瘡、自己免疫性心筋症キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎CIDP)、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群寒冷凝集素症先天性心ブロックコクサッキー心筋炎、CREST疾患、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性ニューロパチー疱疹状皮膚炎皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板ループスドレスラー症候群子宮内膜症好酸球性筋膜炎結節性紅斑実験的アレルギー性脳脊髄炎エバンス症候群、線維筋痛症線維化性肺胞炎巨細胞性動脈炎側頭動脈炎)、糸球体腎炎グッドパスチャー症候群多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、グレーブス病ギランバレー症候群、橋本脳炎橋本甲状腺炎溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病妊娠性疱疹低ガンマグロブリン血症高ガンマグロブリン血症特発性血小板減少性紫斑病ITP)、IgA腎症IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク質封入体筋炎、炎症性腸疾患、インスリン依存性糖尿病(1型)、間質性膀胱炎若年性関節炎、川崎症候群、ランバートイートン症候群、白血球破砕性血管炎扁平苔癬、硬化性苔癬木質結膜炎線形IgA疾患(LAD)、ループス(SLE)、ライム病メニエール病顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーバーマン病、多発性硬化症、重症筋無力症筋炎ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック)、自己免疫性好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎回帰性リウマチ、PANDAS(レンサ球菌感染性小児自己免疫神経精神障害)、傍腫瘍性小脳変性症発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、Parry−Romberg症候群、パーソネージ・ターナー症候群毛様体扁平部炎周辺部ぶどう膜炎)、天疱瘡末梢性ニューロパチー、静脈周囲脳脊髄炎悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I型、II型、III型の自己免疫性多腺性症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎心筋梗塞後症候群心膜切開後症候群プロゲステロン皮膚炎原発性胆汁性肝硬変原発性硬化性胆管炎乾癬乾癬性関節炎特発性肺線維症壊疽性膿皮症赤芽球癆レイノー現象反射性交感神経性ジストロフィーライター症候群再発性多発性軟骨炎下肢静止不能症候群、後腹膜線維症リウマチ熱関節リウマチサルコイドーシスシュミット症候群強膜炎強皮症シェーグレン症候群精子精巣の自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎SBE)、スザック症候群、交感性眼炎高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群横断性脊髄炎潰瘍性大腸炎未分化型結合組織病(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、小水疱性皮膚炎白斑ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及びウェゲナー肉芽腫症[多発血管炎性肉芽腫症(GPA)]。一部の実施形態では、自己免疫疾患は、関節リウマチ、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス(ループス又はSLE)、重症筋無力症、多発性硬化症、強皮症、アジソン病、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、ギランバレー症候群、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、血栓性血小板減少性紫斑病、高ガンマグロブリン血症、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、橋本脳症HE)、橋本甲状腺炎、グレーブス病、及びウェゲナー肉芽腫症[多発血管炎性肉芽腫症(GPA)]からなる群より選択する。

0075

一実施形態では、自己免疫疾患は炎症性腸疾患である。

0076

一実施形態では、自己免疫疾患は多発性硬化症又は1型糖尿病である。

0077

本発明のさらなる目的は、それを必要とする被験体において炎症関連癌を処置する方法に関し、前記方法は、リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団の治療有効量を被験体に投与することを含む。

0078

本明細書中で使用するように、用語「炎症関連癌」は、炎症が、癌の開始及び発生において含まれる発症機構の少なくとも1つであると考えられる任意の癌を指す。炎症関連癌の例は、大腸炎関連癌、胃腺癌、膀胱癌肝臓癌直腸癌胆管癌結腸癌結腸直腸癌胆嚢癌肝細胞癌卵巣癌子宮頸癌皮膚癌食道癌、膀胱癌、中皮腫肺癌口腔扁平上皮癌膵臓癌外陰部扁平上皮癌、唾液腺癌、肺癌、MALTリンパ腫を含むが、しかし、これらに限定しない。

0079

一実施形態では、炎症関連癌は大腸炎関連癌である。大腸炎関連癌は、結腸直腸癌のサブタイプである。

0080

本発明のさらなる目的は、それを必要とする被験体においてアレルギーを処置する方法に関し、前記方法は、リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団の治療有効量を被験体に投与することを含む。

0081

本明細書中で使用するように、用語「アレルギー」は、一般的に、炎症により特徴付けられる不適当な免疫応答を指し、限定しないが、食物アレルギー呼吸器アレルギー、及び全身応答(例として、例えばクインケ浮腫及びアナフィラキシーなど)を起こす、又は起こす可能性を伴う他のアレルギーを含む。この用語は、アレルギー、アレルギー性疾患過敏性関連疾患、又は気道炎症に関連付けられる呼吸器疾患(例えば喘息又はアレルギー性鼻炎など)を包含する。一部の実施形態では、本発明の方法は、アナフィラキシー、薬物過敏症皮膚アレルギー湿疹、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎ドライアイ疾患アレルギー性接触アレルギー食物過敏症、アレルギー性結膜炎昆虫毒アレルギー、気管支喘息アレルギー性喘息内因性喘息職業性喘息、アトピー性喘息急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、及び慢性閉塞性肺疾患COPD)に関連する1つ以上の症状を防止、処置、又は軽減する際に有効である。本発明の方法により処置されうる過敏症関連疾患又は障害は、アナフィラキシー、薬物反応、皮膚アレルギー、湿疹、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、ドライアイ疾患[又は他に乾性角結膜炎(KCS)として言及し、また、乾性角膜炎眼球乾燥症と呼ぶ]、アレルギー性接触アレルギー、食物アレルギー、アレルギー性結膜炎、昆虫毒アレルギー、及び気道炎症に関連付けられる呼吸器疾患(例えば、IgE介在性喘息及び非IgE介在性喘息)を含むが、しかし、これらに限定しない。気道炎症に関連付けられる呼吸器疾患は、鼻炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アレルギー性(外因性)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、職業性喘息、アトピー性喘息、運動誘発性喘息、誘発性喘息、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含みうるが、しかし、これらに限定しない。

0082

本発明のさらなる目的は、それを必要とする被験体において外因的に投与される分子に対する免疫反応を処置する方法に関し、前記方法は、リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団の治療有効量を被験体に投与することを含む。

0083

この種類の非限定的な例は、遺伝的欠損症の状況における補充治療に対する免疫反応を含み、それらは、血友病A血友病B、他の凝固因子(例えば第II因子プロトロンビン、及びフィブリノーゲンなど)の先天性欠損症、原発性免疫不全症(例、重度の複合免疫不全症、X連鎖無ガンマグロブリン血症、IgA欠損症)、原発性ホルモン欠損症(例えば成長ホルモン欠損症及びレプチン欠損症など)、先天性酵素異常症及び代謝障害、例えば炭水化物代謝の障害(例、ショ糖イソマルターゼ欠損症、糖原病など)、アミノ酸代謝の障害(例、フェニルケトン尿症メープルシロップ尿症グルタル酸血症1型)、尿素回路障害(例、カルバモイルリン酸シンテターゼI欠損症)、有機酸代謝の障害(例、アルカプトン尿症、2−ヒドロキシグルタル酸尿症)、脂肪酸酸化及びミトコンドリア代謝の障害(例、中鎖アシル−補酵素Aデヒドロゲナーゼ欠損症)、ポルフィリン代謝の障害(例、ポルフィリン症)、プリン又はピリミジン代謝の障害(例、レッシュ・ナイハン症候群)、ステロイド代謝の障害(例、リポイド先天性副腎過形成症、先天性副腎過形成症)、ミトコンドリア機能の障害(例、カーンズ・セイヤー症候群)、ペルオキシソーム機能の障害(例、ツェルウェーガー症候群)、リソソーム蓄積症(例、ゴーシェ病ニーマンピック病)を含むが、しかし、これらに限定しない。

0084

本発明のさらなる目的は、それを必要とする被験体における移植組織又は移植細胞に対する免疫反応を処置する方法に関し、前記方法は、リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団の治療有効量を被験体に投与することを含む。

0085

本明細書中で使用するように、用語「移植」は、第1の生物(又はドナー)から得られ、第2の生物(又はレシピエント)中に移植することができる臓器及び/又は組織及び/又は細胞を指す。

0086

典型的には、被験体は、心臓腎臓肝臓膵臓、膵島、脳組織大腸小腸角膜、皮膚、気管、骨、骨髄、筋肉、又は膀胱からなる群より選択される移植片を用いて移植されたであろう。本発明の方法はまた、レシピエント被験体によるドナー組織、細胞、移植片、又は臓器移植拒絶に関連付けられる免疫応答を防止又は抑制するために特に適切である。移植片関連の疾患又は障害は、移植片対宿主病(GVHD)(例えば骨髄移植に関連付けられる)、及び臓器、組織、又は細胞移植片の移植(例、組織又は細胞の同種移植片又は異種移植片)(例、皮膚、筋肉、神経、膵島、臓器、肝臓の実質細胞などの移植片などを含む)の拒絶からもたらされる又はそれに関連付けられる免疫障害を含む。このように、本発明の方法は、宿主対移植片病HVGD)及び移植片対宿主病(GVHD)を防止するために有用である。キメラ構築物を、移植の前、間、及び/又は後(例、移植の少なくとも1日前、移植の少なくとも1日後、及び/又は移植手順自体の間)に被験体に投与してもよい。一部の実施形態では、キメラ構築物を、移植の前及び/又は後に定期的に被験体に投与してもよい。

0087

本明細書中で使用するように、用語「被験体」は、哺乳動物(例えばげっ歯類、ネコ、イヌ、及び霊長類など)を表示する。好ましくは、本発明に従った被験体はヒトである。

0088

本明細書中で使用するように、「処置」又は「処置する」は、有益な又は所望の結果(臨床結果を含む)を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益な又は所望の臨床結果は、以下の1つ以上を含むが、これらに限定しない:疾患に起因する1つ以上の症状を軽減させること、疾患の程度を減少させること、疾患を安定化させること(例、疾患の悪化を防止又は遅延させること)、疾患の拡大を防止又は遅延させること、疾患の再発を防止又は遅延させること、疾患の進行の遅延させる又は遅らせること、疾患状態を改善させること、疾患の寛解(部分的又は全体的)を提供すること、疾患を処置するために要求される1つ以上の他の医薬の用量を減少させること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を増加させること、及び/又は生存期間延長させること。用語「処置」は、予防的処置を包含する。本明細書中で使用するように、用語「防止する」は、所与の状態を獲得又は発生するリスクにおける低下を指す。

0089

本明細書中で使用するように、用語「投与する」又は「投与」は、例えば、粘膜、皮内、静脈内、皮下、筋肉内送達及び/又は本明細書中に記載する、又は当技術分野において公知である物理的送達の任意の他の方法などにより、身体外に存在する物質を被験体中に注射する又は他に物理的に送達する行為を指す。疾患、又はその症状が処置されている場合、物質の投与は典型的には、疾患又はその症状の発症後に起こる。疾患又はその症状が防止されている場合、物質の投与は典型的には、疾患又はその症状の発症前に起こる。

0090

「治療有効量」は、「改善された治療転帰」が結果としてもたらされるように、当業者により日常的に用いられている手順を使用して決定する。しかし、本発明の組成物の1日総使用量は、健全医学的判断の範囲内で、主治医により決められうることが理解されるであろう。任意の特定の被験体についての具体的な治療有効用量レベルは、多様な因子(処置される障害及び障害の重症度;用いられる具体的な化合物の活性;用いられる具体的な組成物、被験体の年齢、体重、全体的な健康、性別、及び食事;用いられる具体的な化合物の投与の時間、投与の経路、及び排泄の速度;処置の期間;組み合わせにおいて使用される薬物;ならびに医療分野において周知である同様の因子を含む)に依存する。

0091

本発明に従い、調節性T細胞の集団は、医薬組成物の形態において被験体に投与する。

0092

したがって、本発明のさらなる目的は、リンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団、ならびに/あるいはリンホトキシンアルファを発現しない又は減少したレベルのリンホトキシンアルファを発現することにおいて、及び、自己抗原を認識/結合するキメラ抗原受容体を発現することにおいて特徴付けられる調節性T細胞の集団を含む医薬組成物に関する。

0093

典型的には、Tregの集団を、医薬的に許容可能な賦形剤、及び、場合により、徐放性マトリックス(例えば生分解性ポリマーなど)と組み合わせて、治療用組成物を形成してもよい。「医薬的に」又は「医薬的に許容可能な」は、哺乳動物、特にヒトに適宜投与された場合、有害反応アレルギー反応、又は他の悪い反応を産生しない分子実体及び組成物を指す。医薬的に許容可能な担体又は賦形剤は、非毒性固体半固体又は液体充填剤希釈剤封入材料、又は任意の型の製剤補助剤を指す。経口、下、皮下、筋肉内、静脈内、経皮局所、又は直腸投与用の本発明の医薬組成物において、有効成分は、単独又は別の有効成分との組み合わせで、単位投与形態において、動物及びヒトへの従来の医薬担体との混合物として投与することができる。適切な単位投与形態は、経口経路形態、例えば錠剤ゲルカプセル粉末顆粒及び経口懸濁液又は溶液、舌下及び頬側投与形態など、エアロゾルインプラント、皮下、経皮、局所、腹腔内、筋肉内、静脈内、皮下、経皮、くも膜下腔内及び鼻腔内投与形態ならびに直腸投与形態などを含む。一実施形態では、本発明のTreg集団は、非経口経路により投与する。好ましい実施形態では、本発明のTreg集団は、静脈内経路により投与する。典型的には、医薬組成物は、注射することが可能な製剤用に医薬的に許容可能である溶剤を含む。これらは、特に等張、滅菌生理食塩水リン酸一ナトリウム又はリン酸二ナトリウム塩化ナトリウム塩化カリウム塩化カルシウム、又は塩化マグネシウムなど、又はそのような塩の混合物)、又は、乾燥、特に凍結乾燥組成物(それによって、滅菌水又は生理食塩水の添加時に、場合に依存して、注射可能な溶液の構成が可能になる)でありうる。注射可能な使用のための適切な医薬形態は、滅菌水溶液又は分散液;ゴマ油落花生油、又は水性プロピレングリコールを含む製剤;及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用滅菌粉末を含む。全ての場合において、形態は滅菌でなければならず、簡単な注射可能性(syringability)が存在する程度に流動性でなければならない。それは、製造及び保存の条件下で安定でなければならず、微生物(例えば細菌及び真菌など)の混入作用に対して保護されなければならない。遊離塩基又は薬理学的に許容可能な塩としての本発明の溶液は、界面活性剤(例えばヒドロキシプロピルセルロースなど)と適切に混合された水中で調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中、ならびに油中で調製することができる。通常の保存及び使用の条件下では、これらの調製物は、微生物の成長を防止するための保存剤を含む。Tregの集団は、中性又は塩の形態で組成物中に製剤化することができる。医薬的に許容可能な塩は、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基と形成される)を含み、それらは、無機酸、例えば塩酸又はリン酸など、あるいは酢酸シュウ酸酒石酸マンデル酸などの有機酸と形成される。遊離カルボキシル基と形成される塩はまた、無機塩基、例えば、ナトリウムカリウムアンモニウムカルシウム、又は水酸化第二鉄など、及びイソプロピルアミントリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から由来しうる。担体はまた、例えば、水、エタノールポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、及び植物油を含む溶媒又は分散媒でありうる。適した流動性は、例えば、コーティング(例えばレシチンなど)の使用により、分散液の場合においては要求される粒子サイズの維持により、及び界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベンクロロブタノールフェノールソルビン酸チメロサールなどによりもたらすことができる。多くの場合では、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムを含めることが好ましいであろう。注射用組成物の長時間吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなど)の組成物中での使用によりもたらすことができる。滅菌注射溶液は、要求される量の活性化合物を、適当な溶媒中に、必要に応じて、上に列挙する他の成分のいくつかとともに組み入れること、それに続く濾過滅菌により調製する。一般的に、分散液は、種々の滅菌された活性成分を、基礎分散媒、及び上に列挙したものからの、要求される他の成分を含む滅菌溶剤中に組み入れることにより調製する。滅菌注射溶液の調製用の滅菌粉末の場合では、典型的な調製方法は、活性成分と任意の追加の所望の成分の粉末を、以前に滅菌濾過されたその溶液からもたらす真空乾燥技術及び凍結乾燥技術である。直接注射用のより又は高度に濃縮された溶液の調製も熟慮されており、そこでは、溶媒としてのDMSOの使用によって、極度に迅速な浸透がもたらされ、高濃度活性薬剤が小さな腫瘍領域に送達されると想定される。製剤化時、溶液を、投与製剤適合する様式において、及び治療的に有効であるような量で投与する。製剤は、多様な剤形(例えば上に記載する注射可能な溶液の型など)で簡単に投与されるが、しかし、薬物放出カプセルなども用いることができる。水溶液中での非経口投与のために、例えば、溶液を、必要な場合、適切に緩衝化し、液体希釈剤を最初に、十分な生理食塩水又はグルコースを用いて等張にする。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内投与のために特に適切である。これに関連して、用いることができる滅菌水性媒体は、本開示に照らして当業者に公知であろう。投与量における一部の変動が、処置されている被験体の状態に依存して必然的に生じるであろう。投与について責任のある人が、任意の事象において、個々の被験体について適当な用量を決定するであろう。

0094

本発明を、以下の図面及び実施例によりさらに例証する。しかし、これらの実施例及び図面は、本発明の範囲を限定するとして、任意の方法で解釈すべきではない。

図面の簡単な説明

0095

LTα−/−マウスからの胸腺Foxp3+Tregは高度に抑制的な特徴を示す。(A)Ltα及びLtβの発現を、成体Foxp3−GFPレポーターマウスからの精製されたFoxp3−GFP−従来型CD4+SP胸腺細胞及びFoxp3−GFP+CD4+CD8−TregにおけるqPCRにより測定した(n=3実験)。(B)WT胸腺からの従来型Foxp3−CD4+SP細胞及びFoxp3+CD4+Treg細胞における細胞表面LTα1β2ヘテロ三量体(可溶性LTβR−Fcタンパク質を用いた染色により検出)の発現を示す代表的なヒストグラム(n=6)。データは、2つの独立した実験からプールする(n=3〜4匹のマウス/群)。(C)WTマウスの脾臓から由来するFoxp3+ nTreg(n=20)、Foxp3+ nTreg(抗CD3/CD28抗体を用いたO/N刺激)(n=5)、Foxp3+ iTreg(n=6)、及びCD8+CD28loTreg(n=6)における細胞表面LTα1β2ヘテロ三量体(可溶性LTβR−Fcタンパク質を用いた染色により検出)の発現を示す代表的なヒストグラム。(D)IL10、Ebi3、Tgfb1、Ifng、Gzmb、及びFaslmRNAの発現レベルを、WT(n=3〜6)及びLTα−/−(n=3〜6)の成体及び生後10日目マウスから精製したCD4+CD25+胸腺TregにおけるqPCRにより測定した。データは、2つの独立した実験から由来する(n=3〜4匹のマウス/群)。
末梢LTα−/−Tregはエフェクター表現型を提示する。Tregの極性化及びエフェクター機能に関連付けられることが公知であるいくつかの遺伝子の発現レベルを、精製WT及びLTα−/−脾臓TregにおけるqPCRにより測定した(n=3匹のマウス/群)。
LTα−/−Tregの養子移入は、DSS誘発性大腸炎の重症度から保護する。(A)WTマウス及びLTα−/−マウスからの精製された脾臓CD4+ CD25+細胞におけるFoxp3発現の代表的なフローサイトメトリープロファイル。(B)実験設定:大腸炎を、7日間にわたる飲料水中の2%DSS、それに続く11日目までの水だけの投与により、2日前に2×105個のWT又はLTα−/−Tregを用いて注射したWTマウスにおいて誘発した。結腸炎症及び腸間膜リンパ節におけるCD4+T細胞プライミングを、プロトコールの11日目及び4日目にそれぞれ分析した。(C)2×105個のWT又はLTα−/−Tregを用いて注射したWTマウスの0日目での初期体重と比べた体重減少。データは、4匹のマウス/群を用いた3つの独立した実験から由来する。(D)疾患活動性指数(DAI)を、DSS誘発性大腸炎の経過の間にモニターした。(E)ヒストグラムは、両方の群のマウスにおける結腸組織学スコアを示す。(F)炎症誘発性サイトカイン(Il6、Ifng、Tnfa、Il17a、Il1a、及びIl33)及びケモカイン(Ccl2及びCxcl12)の発現レベルを、プロトコールの終了時にWT(n=4)又はLTα−/−(n=4)Tregを用いて注射したマウスの結腸組織においてqPCRにより測定した。(G)両群の結腸において観察されたLy6G+好中球、F4/80+CD11b+マクロファージ、CD11b+ CD11c+及びCD8α+CD11c+樹状細胞(DC)、CD19+B細胞、及びCD4+T細胞の数。データは、4匹のマウス/群を用いた2つの独立した実験から由来する。(H)フローサイトメトリープロファイルならびにTh1(CD4+IFN−γ+)及びTh17(CD4+IL−17A+)結腸浸潤T細胞の数。データは、4匹のマウス/群を用いた3つの独立した実験から由来する。(I)Treg/Th1及びTreg/Th17の比率。(J)2.105個のWT又は1.105もしくは0.5.105個のLTα−/−Tregを用いて注射したWTマウスの0日目の初期体重と比べた体重減少。データは、4匹のマウス/群を用いた2〜3回の独立した実験から由来する。
IBDからのLTα−/−Tregの養子移入。(A)実験設定:Rag2−/−レシピエントマウスを、CD4+CD25+Tregを枯渇させたCD45.1 WT脾細胞を用いて養子移入した。3週間後、マウスがIBDの徴候を発生した場合、マウスに、2×105個のWT又はLTα−/−CD45.2のいずれかのTregを用いて注射した。体重を3週間の間にモニターした。(B)WT又はLTα−/−Tregを用いて注射した、又は未処置のマウスの0日目での初期体重と比べた体重減少。(C)ヒストグラムは、プロトコールの終了時に観察された結腸の長さ及び結腸の重量/長さの比率を示す。(D)全結腸浸潤Foxp3+CD4+Tregのフローサイトメトリープロファイル及び数。(E)CD45.2起源の結腸浸潤Foxp3+CD4+Tregのフローサイトメトリープロファイル及び数。(F)CD45.1起源のTh1(CD4+IFN−γ+)及びTh17(CD4+IL−17A+)結腸浸潤細胞の代表的なフローサイトメトリープロファイル及び数。(G)結腸におけるTreg/Th1及びTreg/Th17の比率。
結腸慢性炎症の間のLTα−/−Tregの養子移入は、AOM−DSSモデルにおけるCACの発生を抑制する。(A)実験設定:CD45.1 WTマウスにAOM(腫瘍形成を開始する)を用いて注射し、それに続く飲料水中での3サイクルのDSSによって、慢性大腸炎結腸直腸腫瘍の発生を促進する)を誘発した。CD45.2 WT又はLTα−/−のいずれかのマウスから精製された2×105個の脾臓CD4+ CD25+Tregを、最初の2サイクルのDSSの前に、これらのマウスにおいて養子移入した。結腸を、AOM注射後3、6、及び12週目に収集した。(B−C)ヒストグラムは、プロトコールの6及び12週間目での結腸当たりの腫瘍の総数(B)及びそれらの容積(C)を示す。(D)ヒストグラムは、3、6、及び12週目での結腸の重量/長さの比率を示す。(E)炎症誘発性サイトカインの発現レベルを、3及び6週間目にWT(n=4)又はLTα−/−(n=4)Tregを用いて注射したマウスからの非腫瘍性結腸組織におけるqPCRにより測定した。(F)ヒストグラムは、3週間目での全結腸浸潤細胞の数を示す。(G、H)両方の群のマウスの結腸におけるLy6G+好中球、F4/80+CD11b+及びF4/80+CD11b−マクロファージ、CD11b+CD11c+及びCD11b−CD11c+DC、CD4+、CD8+T細胞、Th1、Th17、及びCD4+Foxp3+Tregの頻度及び数。データは、3〜4匹のマウス/群を用いた2つの独立した実験から由来する。
Lta−/−Tregの養子移入によって、多臓器自己免疫の重症度が減弱する。(A)実験設定:Rag2−/−レシピエントマウスには、CD4+CD25+Treg枯渇CD45.1 WT脾細胞を用いて養子移入した。4週間後、マウスの体重が減り始めた際、マウスには、2×105個のWT又はLta−/−CD45.2のいずれかのTregを用いて注射した。Treg養子移入の3週間後、マウスを屠殺し、末梢組織を免疫浸潤について調べた。プロトコールの開始時にCD4+CD25+Treg枯渇CD45.1 WT脾細胞及びCD45.2 WT Tregを用いて同時注射したRag2−/−レシピエントを対照として使用した。(B)対照、又はWTもしくはLta−/−Tregを用いて移入したマウスの0日目での初期体重と比べた体重減少。(C)対照において観察された浸潤に対して標準化された、CD45.1ドナー細胞による臓器浸潤レベルを表す図表。各々の図表は、1匹の個々のマウスを表す。
Treg細胞の抑制的な特徴は、LTα1β2/LTβR軸により制御される。(A)実験設定:致死的に照射されたWT CD45.1xCD45.2レシピエントマウスは、WT CD45.1+WT CD45.2又はWT CD45.1 +LTα−/−CD45.2からの混合BM細胞(比率50:50)を用いて再構成された。6週間後、それぞれWT群及びLTα−/−ドナー群からのCD45.2 WT及びCD45.2LTα−/−を細胞選別し、Treg抑制機能に関連付けられるいくつかの遺伝子について分析した。(B)CD45.2起源の脾臓CD4+T細胞を、フローサイトメトリーにより、両方の群におけるFoxp3の発現について分析した。ヒストグラムは、CD45.2 WT及びLTα−/−CD4+Foxp3+Tregの頻度及び数を示す。(C)Il10、Ebi3、Tgf−β1、Ifn−γ、Gzmb、Fasl、及びIl17a mRNAの発現レベルを、ドナー群からの精製CD45.2 WT及びLTα−/−TregにおいてqPCRにより測定した。(D)可溶性LTβR−Fc融合タンパク質と共に、又は可溶性LTβR−Fc融合タンパク質無しでプレインキュベートした、及び24時間の間に精製CD11c+DCと共培養した精製WT Foxp3+CD4+Tregを、Klrg1、Il10、Ebi3、Tgfb1、Gzmb、Fasl、及びIl17aの発現レベルについてqPCRにより分析した。
LTα発現は、末梢血液から由来するヒトTregにおいて保存されている。可溶性LTβR−Fc受容体を用いた染色により検出された(A)細胞内LTαタンパク質及び(B)細胞表面LTα1β2ヘテロ三量体の発現を、男性及び女性患者の末梢血液から由来するCD4+CD25−CD127loTregにおけるフローサイトメトリーにより分析した。

0096

材料及び方法
マウス
全てのマウス−CD45.1 WT、CD45.1xCD45.2 WT、CD45.2 WT、CD45.2LTα−/−、Rag2−/−、及びFoxp3−GFPレポーターマウス−を、純粋なC57BL/6バックグラウンドで、CIML(フランス)での特定の無病原体条件下で維持した。標準的な食物及び水を自由に与えた。雄及び雌を生後10日目又は6〜12週齢で使用した。キメラを6〜8週齢で生成した。動物を含む全ての手順を、施設の及び倫理的ガイドラインに従って実施してきた。

0097

健常ボランティア採血及びPBMC分離
血液を、Etablissement Francaisdu Sang(フランス、ナンテス)で健常な個人から収集した。書面によるインフォームドコンセントを、施設のガイドラインに従って提供した。PBMCを、Ficoll−Paque密度勾配遠心分離(Eurobio、フランス、コートアボフ)により単離した。残りの赤血球及び血小板を、低張溶液及び遠心分離を用いて除いた。

0098

BMキメラ
BM移植の前に、マウスに、Cs−137γ放射線源(500ラドの2線量)を用いて致死的に照射し、24時間後にCD45.1 WTドナーからの107個のBM細胞をCD45.2ドナー(WT又はLTα−/−のいずれかのマウス)と比率50:50で移植した。T細胞再構成を、フローサイトメトリーにより血球を分析することにより評価した。マウスを、再構成の6週間後に分析した。

0099

Treg細胞単離
胸腺及び脾臓のTreg細胞を、70μmのメッシュを通して胸腺及び脾臓を引っ掻くことにより分離した。脾臓赤血球を、溶解緩衝液(eBioscience)を用いて溶解させた。細胞選別の前に、CD4+T細胞を、抗ビオチンマイクロビーズを伴う抗CD8α(クローン53.6.7)及び抗CD19(クローン1D3)ビオチン化抗体を使用し、AutoMACS(Miltenyi Biotech)により、枯渇プログラムを介して、CD8+及びCD19+細胞の枯渇により事前に濃縮した。CD4+CD25+Tregを、FACSAriaIII細胞選別機(BD)を使用して選別した。

0100

インビボでのLTα−/−Tregの安定性
CD45.1 WT及びCD45.2LTα−/−マウスから精製された2.105個のCD4+CD25+脾臓Tregを、致死量以下に照射されたCD45.1xCD45.2 WTレシピエントマウス中に静脈内に養子移入した(比率50:50)。移入の7日後、CD45.1 WT及びCD45.2LTα−/−CD4+CD25+脾臓Tregを、FACSAriaIII細胞選別機(BD)を用いて精製した。

0101

RNA−seq実験
CD4+CD25+脾臓Tregを、WT及びLTα−/−マウスから細胞選別した。2つの生物学的複製物を各々の条件について調製した。全RNA を、RNeasy Micro Kit(Qiagen)を使用して抽出し、DNase Iを用いて処理した。RNA−seqライブラリーを、TruSeq StrandedmRNAキット(Illumina)を使用して調製し、Illumina HiSeq 2000装置を用いて配列決定し、シングルエンド50bp読み取りデータのデータセットを生成した 。読み取りデータを、TopHat2(バージョン2.0.12)を使用してマウス参照ゲノム(mm10)にマッピングし、次にCufflinks又はCuffdiff(バージョン2.2.1)及びmm10ゲノムGTF遺伝子注釈ファイル(https://support.illumina.com/sequencing/sequencing_software/igenome.html)を使用してカウントした。読み取りデータのカウントに加えて、Cuffdiffによってサンプル間の標準化を実施し、LTα−/−対WT Tregにおける差次的遺伝子発現及びその統計的有意性を算出するために使用した。Cufflinksにより生成された発現レベルは、100万のマッピングされた読み取りデータ(FPKM)当たりの転写物キロベース当たりの断片として、Matrix2pngプログラムにより処理し、サンプルにわたり平均値0及び分散1に標準化された遺伝子発現レベルヒートマップを生成した。LTα−/−及びWT Tregの間のトランスクリプトームの差を説明する生物学的過程の同定は、GSEAを用いて、Gene Ontology(GO)生物学的過程(c5.bp.v5.1)を定義するすべての遺伝子組の発現における濃縮を算出する際、及び最も濃縮された過程を選択する際に実施した。多数の並べ替え(10,000)及び「古典的」スコアリングスキームを使用し、遺伝子組の濃縮のレベル又は標準化濃縮スコア(NES)を計算した。ゼロ発現値を分析から除去した。有意性(P値<0.05及びFDR<0.25)に達するNESを伴うGO生物学的過程を選択した。異なるGO過程を、ある程度の遺伝子重複共有する遺伝子組により定義することができうるため、それらの遺伝子組の類似性に依存したGSEAの選択過程及びそれらの関連性を表すネットワークを、Cytoscapeを用いて行った。関連するGO過程の群を、0.7を超える「重複係数」を選ぶEnrichmentMapを使用して決定した。クラスター分析を、ClusterMaker及び実行された「MCLクラスター」方法を使用して実施した。濃縮及び関連GO生物学的過程の各々のクラスターについて、最も有意な濃縮を伴う過程を選択し、そのNESを考慮した。

0102

DSS誘発性大腸炎実験
大腸炎の誘発の2日前に、WTレシピエントマウスに、WT又はLTα−/−マウスから選別した2.105個のCD4+CD25+脾臓Treg、あるいは代わりに1.105個の脾臓LTα−/−Treg(言及している場合)を用いて静脈内注射した。大腸炎の誘発を、7日間にわたる飲料水中の2%DSS(AlfaAesar)、それに続き、11日目に屠殺するまでは水だけを与えることにより評価した。体重、直腸出血、及び便の粘稠度をDSS投与後に毎日モニターし、DAIを決定するために使用した。

0103

IBD実験
Rag2−/−レシピエントマウスに、CD55.1 WTマウスから精製された5.105個のCD4+CD25+Treg枯渇ナイーブCD4+T細胞を用いて静脈内注射した。3〜4週間後、CD45.2 WT又はLTα−/−マウスから選別した2.105個のCD4+CD25+脾臓Tregを静脈内注射した。体重を、IBDの経過の間に週1回モニターした。

0104

大腸炎関連癌(CAC)実験
WT CD45.1レシピエントマウスに、アゾキシメタン(AOM、12.5mg/kg、Sigma)を腹腔内注射した。5日後、2.5%DSS(AlfaAesar)を5日間にわたって飲料水中で、それに続いて16日間の水道水を与えた。このサイクルを2回繰り返した(5日間の2.5%DSS及び4日間の2%DSS)。2.105個のCD4+CD25+脾臓WT Treg又はLTα−/−を、最初の2サイクルのDSSの前にこれらのマウスにおいて静脈内注射した。結腸を、AOM投与後の3、6、12週目に収集した。

0105

多臓器自己免疫実験
Rag2−/−レシピエントマウスに、CD45.1 WTマウスから精製された3.106個のCD4+CD25+Treg枯渇脾細胞を用いて静脈内注射した。4週間後、CD45.2 WT又はLta−/−マウスからの2.105個のCD4+CD25+脾臓Tregを静脈内に養子移入した。対照は、プロトコールの開始時に、CD45.2 WTマウスからの2.105個のCD4+CD25+脾臓Treg及びCD45.1 WTマウスからの3.106個のCD4+CD25+Treg枯渇脾細胞を同時に受けた。体重を、プロトコールの経過の間に週1回モニターした。

0106

結腸組織からの固有層単核細胞の単離
結腸を0.5cmの小片に切断し、2%FCSを伴うHBSS中で洗浄し、次にHBSS 2mMEDTA中で、37℃で回転下において2回インキュベートした(15分間、次に30分間)。小片を70μm細胞濾過器濾過し、1mg/mlコラゲナーゼVIII(Sigma)を伴う培養培地(RPMI培地中の10%FCS、1%ペニシリンストレプトマイシン、及び1.5%HEPES)中で、37℃で回転下において45分間の間インキュベートした。細胞を濾過し、40/100%Percoll(Sigma)勾配を用いた20分間にわたる2100rpmで室温での遠心分離により単離した。

0107

インビトロ共培養アッセイ、Treg活性化、及びiTreg生成
共培養アッセイについては、2.103個の細胞選別された全CD11chi DC、CD11chiPDCA−1lo、Sirpα+ CD11chi PDCA−1lo、又はCD11cint PDCA−1hiを、37℃で24時間の間、可溶性LTβR−Fc組換えタンパク質(2μg/ml;R&Dシステム)を用いて1時間の間プレインキュベートした又はしていない104個の精製CD4+CD25+Tregと共培養した。Treg活性化については、5.104個の細胞選別されたCD4+CD25+Tregを、IL−2(200U/ml、Immunotools)及びTGF−β(0.2ng/ml、eBioscience)の存在における可溶性抗CD28(1μg/ml;クローン37.51)を含む培養培地中で、抗CD3ε抗体(5μg/ml;クローン2C11)を用いて以前にコーティングされたプラスチックバウンド(plastic bound)上で培養した。iTregは、精製CD4+CD25−細胞を、IL−2(200U/ml、Immunotools)及びTGF−β(20ng/ml、eBioscience)の存在における可溶性抗CD28(1μg/ml;クローン37.51)を含む培地中で4日間にわたり、抗CD3ε抗体(5μg/ml;クローン2C11)を用いて以前にコーティングされたプラスチックバウンド上で培養することによりインビトロで生成した。

0108

フローサイトメトリー
抗CD4(RM4.5)抗体、抗CD8α(53.6.7)抗体、抗CD45.1(A20)抗体、抗CD45.2(104)抗体、抗CD44(IM7)抗体、抗CD25(PC61)抗体、抗CD11b(M1/70)抗体、抗CD19(1D3)抗体、抗CD62L(MEL−14)抗体、及びIFN−γ(XMG1.2)抗体はBDからであった。抗CD69(H1.2F3)抗体、抗CCR7(4B12)抗体、抗Qa−2(695H1−9−9)抗体、抗IL−10(JES5−16E3)抗体、抗F4/80(6F12)抗体、抗CD11c(N418)抗体、抗IL−17A(TC11−18H10.1)抗体、及び抗CCR6(29−2L17)抗体はBioLegendからであった、抗Ly6G(RB6−8C5)、抗KLRG1(2F1)、抗Ki−67(SolA15)、及び抗Foxp3(FJK−16s)はeBioscienceからであった。抗S1p1(713412)はRnD Systemsからであった。Foxp3、IL−10、IFN−γ、IL−17A、及びKi−67の細胞内染色については、細胞を固定し、透過処理し、製造者の指示(eBioscience)に従ってFoxp3染色キットを用いて染色した。サイトカインの検出については、細胞を、ブレフェルジンA(5μg/ml;BD)の存在において、ホルボール12−ミリスチン酸13−アセテート(PMA;10ng/mL;Sigma)及びイオノマイシン(1μg/ml; Sigma)を用いて、37℃で3時間にわたり刺激した。LTβR−Fcを用いた染色については、細胞を、1μg/106個細胞でLTβR−Fc(R&Dシステム)を用いて、上で45分間にわたりインキュベートした。LTβR−Fc染色を、Alexa Fluor 488結合ロバ抗ヒトIgGF(ab’)2フラグメント(Jackson ImmunoResearch)を使用して視覚化した。ヒトの抗CD4(OKT4)抗体、抗CD25(BC96)抗体、抗CD127(A019D5)抗体をBioLegendから購入した。染色細胞を、FACSCanto II(BD)を用いて分析し、データを、FlowJoソフトウェアを使用して分析した。

0109

定量的RT−PCR
全RNAを、TRIzol(Invitrogen)を用いて単離し、cDNAを、ランダムオリゴdTプライマー及びSuperscript II逆転写酵素(Invitrogen)を用いて合成した。qPCRを、SYBR Premix Ex Taqマスターミックス(Takara)を用いて、ABI7500高速リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystem)で実施した。結果をアクチンmRNAに対して標準化した。

0110

免疫蛍光染色
胸腺切片上での免疫蛍光染色は、Alexa Fluor 488結合抗Foxp3(FJK−16s;eBioscience)及び抗K14(AF64、Covance Research)を使用することにより以前に記載されたように実施し、Cy3結合抗ウサギ(Invitrogen)を用いて明らかにした。切片を、1μg/ml DAPIを用いて対比染色し、Mowiol(Calbiochem)を用いて乗せた。画像を、LSM780 Leica SP5X共焦点顕微鏡を用いて取得し、ImageJソフトウェアを用いて定量化した。

0111

統計分析
統計的有意性を、対応のないスチューデントt検定又はマンホイットニー検定を使用し、GraphPad Prism 6ソフトウェアを用いて評価した。ボンフェローニ補正による二元配置Anova検定を、腫瘍成長、体重の減少、及びDAIの分析のために使用された(*、P<0.05;**、P<0.01;***、P<0.001、****、P<0.0001)。データの正規分布を、ダゴスティーノ・パーソンオムニバス正規性検定を使用して評価した。エラーバーは平均±SEMを表す。

0112

結果
発生中のLTα−/−Tregは、胸腺におけるそれらの出現から高度に抑制的な細胞の特徴を提示する。

0113

本発明者らは、LTαが、胸腺において、単一陽性の胸腺細胞、特にCD4+胸腺細胞における正の選択時に、髄質胸腺上皮細胞との高親和性相互作用により上方調節されることを以前に報告している。Foxp3+Treg細胞は、胸腺間質細胞との高親和性TCR相互作用により選択されるため、本発明者らは、Foxp3−GFPレポーターマウスの胸腺からの精製TregにおけるLTαmRNAの発現レベルを分析した。際だったことに、本発明者らは、CD4+Foxp3+Tregが従来のCD4+Foxp3−T細胞よりも〜5倍より多くのLTαmRNAを発現することを見出した(図1A)。LTαと同様に、LTβmRNAも、従来のCD4+Foxp3−T細胞と比較し、CD4+Foxp3+Tregにおいて過剰発現していた。可溶性LTβR−Fc融合タンパク質を用いた染色によって、LTαタンパク質が、LTαR受容体だけに結合する膜アンカー型LTα1β2ヘテロ複合体(図1B)として、従来のCD4+Foxp3−T細胞中よりもCD4+Foxp3+Treg中で大幅に発現されることが明らかになった。天然Treg細胞の発生は、Foxp3−CD25+及びFoxp3+CD25−細胞前駆体からのFoxp3+CD25+Tregの発生に導く多段階過程である。興味深いことに、LTβR−Fc染色は、Foxp3−CD25+前駆体中よりもFoxp3+CD25−前駆体及びFoxp3+CD25+成熟Treg細胞中で大幅に高く、LTα1β2発現がFoxp3の発現と相関していることを示す(データは示さず)。LTα1β2発現は、脾臓から由来する天然Tregにおいて保存されていた(図1C)。この発現は、抗CD3ε/CD28抗体を用いた活性化Foxp3+Tregにおいて増加した。本発明者らは、LTα1β2が、調節特性が付与された他のT細胞サブセット、例えば誘導性Foxp3+Treg(iTreg)及びCD8+CD28loTregなどにおいて発現されたか否かをさらに調べた。CD8+CD28loTregとは対照的に、本発明者らは、LTα1β2ヘテロ複合体がFoxp3+iTregにおいて高度に発現されていることを見出した(図1B)。これらのデータは、高レベルのLTα1β2が転写因子Foxp3を発現するTreg細胞系統に制限されていること、及びこの発現がTCR活性化時に大幅に増加することを示す。従来のCD4+T細胞と比較したFoxp3+Tregにおけるこの優先的な発現は、LTαがTreg抑制活性に含まれていたであろうことを示唆する。本発明者らは、このように、LTα−/−マウスから由来するFoxp3+Tregの発生及び機能特性を分析した。

0114

本発明者らは、LTα−/−マウスが、それらの胸腺において通常の頻度及び数のFoxp3−CD25+及びFoxp3+CD25−前駆体ならびにFoxp3+CD25+成熟Tregを示すことを観察した(データは示さず)。さらに、それらのWT対応物と同様に、LTα−/−マウスからのFoxp3+CD25+胸腺Tregは、単一陽性の胸腺細胞の皮質−髄質遊走に含まれる同等レベルのケモカイン受容体CCR7を提示し、このように、正常密度で髄質中に優先的に位置した(データは示さず)。Qa−2−Foxp3+の新たに生成されたTregと比較し、LTα−/−マウスからのQa−2+Foxp3+成熟Tregもスフィンゴ脂質受容体S1P1の発現を上方調節し(データは示さず)、胸腺からのT細胞放出に関与し、LTα−/−Tregが通常、末梢に輸送されることを示唆する。この観察に従って、正常な頻度及び数の胸腺から移行したばかりのTreg細胞が、LTα−/−マウスの血液及び脾臓中で観察された(データは示さず)。

0115

本発明者らは次に、qPCRによりTreg細胞機能に関連付けられるいくつかの遺伝子の発現レベルを検討した。成体マウスでは、CTLA−4、CD39、CD73、及びLAG−3mRNAが正常な発現レベルを示したが(データは示さず)、対照的に、胸腺のLTα−/−Tregは、それらのWT対応物と比較し、より高いレベルのIL−10、Ebi3、TGF−β1、IFN−γ、グランザイムb(Gzmb)、及びFasL mRNAを発現した(図1D)。本発明者らは、LTα−/−Tregの高度に抑制的な特徴が、Treg細胞の出現から獲得されうると仮定した。このことを検証し、成体胸腺中へのTreg再循環に起因する潜在的な末梢効果を除外するために、本発明者らは、胸腺におけるTregの初期出現に対応する周産期の間にLTα−/−Tregを分析した。成体Tregと同様に、本発明者らは、Treg抑制機能に関連付けられるいくつかの遺伝子(例えばIL−10、Ebi3、IFN−γ、及びFasLなど)のレベルがLTα−/−周産期Tregにおいて増加することを見出した(図1D)。この高度に免疫抑制的な特徴が再循環Tregに関連付けられうることを決定的に除外するために、発生中Tregを再循環中Tregから区別するケモカイン受容体CCR6の発現を分析した。正常な頻度及び数のCCR6−発生中及びCCR6+再循環中TregがLTα−/−マウスにおいて観察され(データは示さず)、これらのマウスがTreg再循環における欠損を示さないことを示す。さらに、Treg細胞機能に関連付けられるいくつかの遺伝子の発現が、精製CCR6−発生中及びCCR6+再循環中LTα−/−Tregの両方において、それらのそれぞれのWT対応物と比較して大幅に増加し(データは示さず)、LTα−/−Tregが、胸腺において、それらの発生からの高度に免疫抑制的な特徴を示すことを示す。

0116

従来のCD4+T細胞と同様に、正の選択時のCD4+Foxp3+Tregの成熟は、CD69の喪失及びQa2の獲得により特徴付けられる。本発明者らは、WT胸腺と比較し、LTα−/−胸腺における発生中CCR6−Tregにおいてより高い頻度及び数のCD69−Qa2+成熟細胞を見出した(データは示さず)。際だったことに、CCR6発生中Treg集団では、本発明者らは、Treg細胞機能に関連付けられるいくつかの遺伝子の発現が、WTマウスと比較し、LTα−/−マウスからのCD69−Qa2+成熟Tregにおいて特異的に増加していることを見出した(データは示さず)。まとめると、これらのデータは、LTαの発現によって、Qa−2+段階からの発生中Tregの抑制的な特徴が負に制御されることを示す。

0117

LTα−/−Tregは特殊な分化プログラムを採用する。

0118

LTα−/−Tregの抑制活性に関する洞察を得るために、本発明者らは、LTα−/−脾臓Tregの分子特徴をハイスループットRNA−seqにより分析した(データは示さず)。WTとLTα−/−Tregの間の遺伝子発現において有意な変動を示す遺伝子(P値≦0.05)及び倍変化の差≧2及び≦0.5は、それぞれ上方調節及び下方調節されたと考えた。本発明者らは、WT Tregと比較し、LTα−/−Tregにおいて合計306の上方調節された遺伝子及び113の下方調節された遺伝子を同定した(データは示さず)。LTα−/−Tregにおいて調節された遺伝子の組をより良く特徴付けるために、本発明者らは、遺伝子オントロジー(GO)分析を実施した。LTα−/−Tregにおいて過剰発現した遺伝子を、8つの主な生物学的過程に関連付けた(データは示さず)。入力遺伝子の組についてヒットした上位のGO用語を、細胞周期過程及び細胞増殖に関連付けた。これらのカテゴリーにおいて関係付けられる遺伝子のヒートマップによって、細胞増殖の多くの主要な調節因子が、LTα−/−Tregにおいて上方調節されることが明らかになった(例えばUhrf1など、結腸Tregの増殖及び成熟において関係付けられる)。これらのRNA−seqデータと一致して、本発明者らは、WTマウス中よりも、LTα−/−マウスの脾臓からのFoxp3+Tregにおける増殖中Ki−67+細胞のより高い頻度を観察した(データは示さず)。転写に関連付けられる遺伝子のヒートマップによって、この過程の主要な調節因子も同定された(例えばAhrなど、その活性化はT細胞誘発性大腸炎を防止する抑制性Tregを誘発することが見出されている)。

0119

Tregは、ヘルパーT細胞の分化に関連付けられてきたいくつかの転写因子により制御される特殊な分化プログラムを採用することができる。本発明者らは、Th1、Th2、Th17、CD4濾胞ヘルパーエフェクターT細胞及び脂肪常在性T細胞の制御にそれぞれ特化したエフェクターTregにより発現されるTbx21、Irf4、Rorc、Bcl6、及びPparγ転写因子が、LTα−/−Tregにおいて強く上方調節されることを見出した(データは示さず)。この上方調節はまた、CCR6発生中及びCCR6+再循環中胸LTα−/−Tregにおいて観察された(データは示さず)。これらの観察と一致して、ヘルパーT細胞の極性化に関連付けられると報告されている多くの遺伝子も、LTα−/−Tregにおいて上方調節されていた。さらに、全てのエフェクターTregについての共通の特徴を表す転写因子Blimp−1(Prdm1遺伝子)ならびに終末的に活性化及び/又は分化したエフェクターTregを特徴付けるKlrg1及びTigitが、LTα−/−Tregにおいて上方調節されていた。これらのデータに従い、KLRG1+細胞及びCD69+CD44+エフェクター細胞の頻度の増加が、LTα−/−マウスの脾臓からのCD4+Foxp3+Tregにおいて観察された(データは示さず)。さらに、本発明者らは、フローサイトメトリーにより、LTα−/−Tregがより高いレベルのCD44、Helios、及びNur77活性化マーカーを発現することを見出した(データは示さず)。

0120

RNA−seqデータによって、LTα−/−Tregが、Tregの免疫抑制機能に関連付けられるいくつかの遺伝子(例えばEbi3、Il10、Tgf−β、及びGzmbなど)をコードする多量のmRNAを発現していることも明らかになった。これらの観察と一致して、CD69−CD44+Treg細胞とは対照的に、Tregエフェクター機能に関連付けられるいくつかの遺伝子(例えばIl10、Ebi3、Tgfb、Ifng、Gzmb、及びFaslなど)が、LTα−/マウスにおいてCD69+CD44+エフェクターTreg細胞中で、高レベルで特異的に上方調節されていた(データは示さず)。胸腺Tregと同様に(データは示さず)、Tregエフェクター機能に関連付けられる他の遺伝子(例えばCtla4、CD39、CD73、及びLag3など)の発現は、脾臓LTα−/−Tregにおいて不変であった(データは示さず)。重要なことに、RNA−seq分析により同定された異なるカテゴリー中のいくつかの候補遺伝子の発現が、精製WT及びLTα−/−Treg上でのqPCRにより確認された(図2)。まとめると、これらのデータは、このように、LTα−/−Tregが極性化され、このように、活性化/エフェクター表現型を提示することを示す。

0121

LTα−/−Tregの養子移入によって潰瘍性大腸炎から保護される。

0122

LTα−/−Tregが、Treg抑制機能において関係付けられるいくつかの遺伝子を高度に発現すると仮定し(図1D及び2)、本発明者は次に、LTα−/−Tregの養子移入がデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性大腸炎から保護する治療的利益を示すか否かを評価した。WT又はLTα−/−マウスから精製されたFoxp3+Treg(図3A)を主に含む2.105個のCD4+CD25+細胞を、2%DSSを用いた大腸炎の誘発の2日前に、WTレシピエントマウス中に注射した(図3B)。本発明者らは、LTα−/−Tregを用いて注射したマウスが、WT Tregを用いて注射したマウスよりも有意に少ない体重を喪失したことを観察した(図3C)。さらに、疾患活動性指数(DAI)(便の粘稠度、直腸出血、及び体重減少を組み合わせる)は、これらのマウスにおいてほとんど重要ではなかった(図3D)。体重減少及びDAIに従って、これらのマウスは、結腸上皮のより少ない損傷(データは示さず)及び実験の終了時での低下した大腸炎の組織学的スコアを呈した(図3E)。本発明者らはまた、LTα−/−Tregを用いて移入したマウスの結腸における炎症誘発性サイトカイン(例えばIl6、Ifnγ、Tnf−α、Il17A、Il1α、及びIl33など)ならびに免疫細胞の動員において関係付けられるケモカイン(例えばCcl2及びCxcl12など)の発現低下を観察した(図3F)。本発明者らはさらに、結腸浸潤免疫細胞の性質をフローサイトメトリーにより分析した。好中球、マクロファージ、樹状細胞、B細胞、及びCD4+T細胞の数は、WT Tregを用いて移入したマウスと比較し、LTα−/−Tregを用いて移入したマウスにおいて劇的に低下した(図3G)。CD3+及びB220+細胞の浸潤低下を組織学的な結腸切片上で確認した(データは示さず)。Th1及びTh17エフェクターCD4+T細胞の数も低下した(図3H)。結果的に、Treg/Th1及びTreg/Th17の比率が、LTα−/−Tregを用いて移入したマウスの結腸において増加した(図3I)。本発明者らは次に、養子移入細胞の数を2.105個から1.105個に、及び次に0.5.105個細胞に低下させることにより、大腸炎に対して保護するためのLta−/−Tregの潜在力を評価した。本発明者らは、1.105個のLta−/−Tregが、体重減少の低下により特徴付けられる2.105個のWT Tregよりも良好な保護を示すことを観察した(図3J)。興味深いことに、0.5.105個のLta−/−Tregは、2.105個のWT Tregと同じ保護効果を示し、Lta−/−TregがインビボでそれらのWT対応物よりも約4倍より抑制性であることを示す。

0123

本発明者らは次に、LTα−/−Tregの養子移入によって、DSSの投与の5日後に腸間膜リンパ節においてCD4+T細胞プライミングが阻害されるか否かをさらに決定した。注目すべきことに、本発明者らは、LTα−/−Tregを用いて注射したマウスが、この時間点でより長い結腸の長さ及び低下した結腸の重量/長さの比率を既に示すことを見出したが、減弱した結腸炎症を示す(データは示さず)。際だったことに、Th1及びTh17エフェクターCD4+T細胞の数が、これらのマウスの腸間膜リンパ節において大幅に低下し(データは示さず)、LTα−/−Tregによって、ナイーブCD4+T細胞のエフェクター中への変換が阻害されることを示す。まとめると、これらのデータは、LTα−/−Tregの養子移入によって、結腸炎症を弱めること及び腸間膜リンパ節における病原性CD4+T細胞のプライミングにより潰瘍性大腸炎の発症から保護されることを示す。

0124

LTα−/−Tregの養子移入は炎症性腸疾患からの回復を促進する。

0125

本発明者らは次に、LTα−/−Tregの養子移入が炎症性腸疾患(IBD)を治癒するための利益を示すか否かを検討した。この問題に対処するために、IBDを、CD45.1 WTコンジェニックマウスからRag2−/−レシピエントマウス中へのCD4+CD25+Treg枯渇ナイーブCD4+T細胞の移入により誘導し、IBDの発生を、体重減少を評価することによりモニターした。T細胞養子移入の約3〜4週間後、マウスが下痢及び体重減少により特徴付けられるIBDの臨床症状を発生した場合、それらは、精製WT又はLTα−/−Tregを受け、体重を週1回モニターされた(図4A)。Tregを受けなかったマウスを対照として使用した。WT Tregを用いて移入したマウスは、Tregを受けなかったマウスよりも多くの体重を得たが、WT Tregの移入によってIBDが寛解されることを示す(図4B)。興味深いことに、LTα−/−Tregを用いて移入したマウスは、WT Tregを受けたマウスよりも多くの体重を得た。際だったことに、これらのマウスは、低下した結腸の重量/長さの比率を伴うより高い結腸の長さを示したが、減弱した結腸炎症を示す(図4C)。これらの観察に従って、これらのマウスは、低下した組織学的スコアを提示した(データ示さず)。重要なことに、CD45.2起源の全Foxp3+Treg及びFoxp3+Tregの数は、WT Tregを用いて注射したマウスよりも、LTα−/−Tregを用いて注射したマウスの結腸においてより上昇していた(図4D−E)。さらに、Th1及びTh17エフェクターCD4+T細胞の数は、これらのマウスの結腸において低下していた(図4F)。結果的に、Treg/Th1及びTreg/Th17の比率が、これらのマウスにおいて増加した(図4G)。注目すべきことに、この実験設定では、CD4+T細胞の頻度及び数が、いくつかの末梢組織(例えば唾液腺、膵臓、及び肺など)において低下したが、LTα−/−Tregがまた、自己反応性CD4+T細胞の組織浸潤を制御することを示す(データは示さず)。さらに、CD44hiCD62Lhi中央及びCD44hiCD62LloエフェクターメモリーCD4+T細胞の数は、これらの末梢組織において特異的に低下した(データは示さず)。まとめると、これらのデータは、LTα−/−Tregの養子移入によってIBDを処置することができ、自己反応性CD4+T細胞の組織浸潤が制御されることを実証する。

0126

LTα−/−Tregの養子移入はCACの発生を減弱する。

0127

LTα−/−TregによってDSS誘発性大腸炎から保護されること(図3)、及び結腸の慢性炎症がCACの開始をもたらしうることを仮定し、本発明者らは、LTα−/−Tregの養子移入によってCACの出現から保護されるか否かを評価した 。このために、本発明者らは、アゾキシメタン(AOM)の投与で構成される古典的なCACプロトコールを使用し、腫瘍形成、それに続く3サイクルのDSSを開始し、慢性大腸炎(複数の結腸直腸腫瘍の発生を促進する)を誘発させた(図5A)。これらの反復サイクルのDSSは、患者において観察された結腸炎症の活動期及び寛解期を模倣している。LTα−/−Tregを、最初の2つのサイクルのDSS(結腸直腸腫瘍の発生に先行するCAC炎症期に対応する期間)の前に養子移入した。興味深いことに、LTα−/−Tregを受けたマウスは、より少ない結腸直腸腫瘍(主に遠位結腸中に位置する)を示し、CACプロトコールの6週間及び12週間の両方でWT Tregを用いて移入したマウスよりも全体的に低下した容積を伴った(図5B−C、及びデータは示さず)。本発明者らは、このように、結腸直腸腫瘍の発生が、LTα−/−Tregを用いて移入したマウスにおける低下した結腸炎症により防止されると仮定した。一致して、これらのマウスは、3週間からプロトコール終了までの結腸の重量/長さの比率の低下を示し、減弱した結腸炎症を示す(図5D)。CACプロトコールの3週目に、本発明者らは、LTα−/−Tregを用いて注射したマウスの結腸において、炎症誘発性サイトカイン(例えばIl1α、Il1β、Tnf−α、及びIl17Aなど)の発現低下を観察した(図5E)。炎症誘発性サイトカインの発現低下も、CACプロトコールの6週目に持続した。さらに、免疫細胞の動員において関係付けられるケモカイン(例えばCcl2、Ccl4、Cxcl10、及びCxcl12など)の発現も、これらのマウスの結腸において低下した(図5E)。本発明者らは次に、CACプロトコールの3週目に、フローサイトメトリーにより結腸浸潤性炎症性免疫細胞の性質を調べた(図5F−H)。全結腸浸潤性免疫細胞の数は、WT Tregを用いて移入したマウスと比較し、LTα−/−Tregを用いて移入したマウスにおいて大幅に低下した(図5F)。好中球、マクロファージ、樹状細胞の数は、これらのマウスの結腸において特異的に低下した(図5G)。さらに、CD4+及びCD8+T細胞の数は、両方の群の結腸において類似していたが、Th17エフェクターCD4+T細胞の数は、LTα−/−Tregを受けたマウスにおいて特異的に低下した(図5H)。対照的に、結腸浸潤Foxp3+Tregの頻度はこれらのマウスにおいて増加したが、それらの数は、WT Tregを用いて移入したマウスにおいて観察された数と類似していた。まとめると、これらのデータは、結腸の慢性炎症の間でのLTα−/−Tregの養子移入によって、結腸炎症を弱めることにより結腸直腸腫瘍の発生が減弱されることを示す。

0128

Lta−/−Tregの養子移入は多臓器自己免疫を抑制する。

0129

本発明者らは次に、Lta−/−Tregが消耗性疾患のモデルにおいて多臓器自己免疫を抑制する能力を評価した。CD45.1 WTコンジェニックマウスから単離されたCD4+CD25+Treg枯渇全脾細胞を、Rag2−/−レシピエント中に移入した。4週間後、マウスの体重を喪失した場合、マウスは精製WT又はLta−/−Tregを受け、体重を週1回モニターした(図6A)。実験プロトコールの開始時にCD4+CD25+Treg枯渇全脾細胞及びWT Tregを同時に受けたマウスを対照として使用した。興味深いことに、Lta−/−Tregを用いて移入したマウスは、WT Tregを受けたマウスよりも多くの体重を得た(図6B)。重要なことに、これらのマウスはそれらの最初の体重の約15%を回復し、プロトコールの最後で対照の体重にほぼ達した。Treg養子移入から3週間後、WT Tregを受けたマウス(CD45.1起源の脾臓CD4+及びCD8+T細胞の上昇した数を示す)とは対照的に、Lta−/−Tregを用いて移入されたマウスは、対照において観察されたのと同様の数のこれらの細胞を有していた(データは示さず)。さらに、脾臓CD4+及びCD8+ドナーT細胞は、WT Tregを用いて注射したマウスと比較し、Lta−/−Tregを用いて移入したマウスにおいてより少ないCD44+CD62L−活性化細胞を含んでいたが、Lta−/−TregによってT細胞活性化が減弱されることを示す(データは示さず)。対照と同様に、炎症性細胞の浸潤低下が、WT Tregを受けたマウスと比較し、Lta−/−Tregを用いて移入したマウスにおける末梢組織(唾液腺及び膵臓を含む)の組織学的検査により観察された(データは示さず)。したがって、個々のマウスにおけるフローサイトメトリーによるCD45.1ドナー細胞浸潤の検査によって、Lta−/−Tregを用いて移入したマウスの唾液腺、膵臓、及び腎臓におけるより低い浸潤が明らかになった(図6C)。本発明者らは、Treg枯渇全脾細胞の養子移入に基づくこの設定を利用し、いくつかの末梢臓器に対する自己抗体の生成を評価した(図6A)。3つの群のマウスからの血清を用いたRag2−/−組織切片の免疫染色によって、Lta−/−Tregを用いて移入したマウスからの血清が、WT Tregを用いて注射したマウスの血清よりも唾液腺、膵臓、腎臓、肝臓、及び肺に対するより少ない自己抗体を含むことが明らかになった(データは示さず)。このように、Lta−/−Tregの養子移入によって、免疫細胞の浸潤及びいくつかの末梢組織に対する自己抗体の生成が限定される。

0130

養子移入されたLTα−/−Tregは、それらの高度に免疫抑制的な特徴をインビボで維持する。

0131

Treg細胞は特定の可塑性を示しうるため、本発明者らは、養子移入時のインビボでのLTα−/−Tregの安定性を分析した。このために、亜致死的に照射されたCD45.1 x CD45.2 WTレシピエントマウスを、それぞれ同じ比率の細胞選別されたCD4+CD25+WTならびにCD45.1及びCD45.2起源のLTα−/−Tregを用いて移入した(データは示さず)。養子移入から1週間後、本発明者らは、レシピエントマウスの脾臓からの両方の起源のCD4+CD25+Tregを精製し(データは示さず)、Treg機能に関連付けられるいくつかの遺伝子の発現を分析した。CD45.1又はCD45.2起源のCD4+CD25+細胞の同様の頻度及び数が回復した(データは示さず)。しかし、CD45.2起源のLTα−/−Tregは、高レベルのKlrg1、Il10、Tgfb、Ifng、gzmb、及びIL17aを発現し(データは示さず)、LTα−/−Tregが、それらの高度に免疫抑制的な特徴を養子移入時に保持したことを示す。

0132

造血細胞中でのLTα発現及びLTα1β2/LTβR軸(axis)は、Treg細胞の抑制的な特徴を負に制御する。

0133

LTα−/−マウスは、無秩序な胸腺及び脾臓の微小環境を示すため、本発明者らは、LTα−/−Tregの高度に免疫抑制的な表現型における非造血間質細胞の寄与を最初に分析した。このために、本発明者らは、致死的に放射線を照射したCD45.2 WT又はLTα−/−レシピエントマウスを、CD45.1コンジェニックマウスからのWT BM細胞を用いて再構成した骨髄(BM)キメラを生成した(それぞれWT CD45.1:WT及びWT CD45.1:LTα−/−マウス)。BM移植の6週間後、CD45.1ドナー起源のCD4+CD25+Treg細胞を脾臓から細胞選別し、Tregエフェクター機能に関連付けられるいくつかの遺伝子の発現について分析した(データは示さず)。Foxp3+Tregの同様の頻度及び数を、両方の群のマウスにおいて観察した(データは示さず)。さらに、Klrg1、Tgfb、Gzmb、Fasl、及びIL17aの発現は、両方の群のマウスにおいて同様であったが、非造血細胞が、LTα−/−マウスにおいて観察されたTregの高度に抑制的な特徴において関係付けられないことを示す(データは示さず)。

0134

本発明者らは次に、致死的に照射されたCD45.1 x CD45.2 WTレシピエントマウスを、WT CD45.1及びWT CD45.2(WTドナー群)、又はWT CD45.1及びLTα−/−CD45.2(LTα−/−ドナー群)からのBM細胞を用いて再構成された混合骨髄キメラ(50:50)を生成することにより、造血区画のそれぞれの寄与を決定した(図7A)。6週間後、本発明者らは、脾臓におけるWT CD45.2 BM細胞から由来するものと比較した、LTα−/−CD45.2 BM細胞から由来するCD4+Foxp3+Tregの頻度及び数の増加を見出した(図7B)。際だったことに、精製LTα−/−CD45.2Tregは、WT CD45.2Tregと比較し、Il10、Ebi3、Tgfb1、Ifng、Gzmb、Fasl、及びIL17a遺伝子の発現増加を示した(図7C)。これらのデータは、造血細胞におけるLTαの発現によって、Treg細胞の免疫抑制的な特徴が負に制御されることを示す。

0135

本発明者らは、Tregが、膜アンカー型LTα1β2ヘテロ複合体としてLTαを発現することを観察したため(図1)、本発明者らは、Tregの抑制的な特徴を制御する際でのLTα1β2/LTβR軸の寄与を評価した。特に、本発明者らは、Treg及び樹状細胞の間でのLTα1β2/LTβR相互作用を遮断することによって、Treg細胞の抑制的な特徴に影響が及ぼされるか否かを分析した。このために、可溶性LTβR−Fc融合タンパク質とプレインキュベートした、又はしていない精製WT CD4+CD25+Tregを、精製CD11c+樹状細胞を用いて共培養した。興味深いことに、LTβR−Fcを用いてプレインキュベートしたTregによって、前処理されていないTregと比較し、Treg抑制機能に関連付けられるいくつかの遺伝子(例えばKlrg1、Il10、Ebi3、Tgfb1、Gzmb、Fasl、及びIl17aなど)の発現が上方制御された(図7D)。これらのデータは、このように、Treg及び樹状細胞の間でのLTα1β2/LTβR相互作用によって、Tregの抑制的な特徴が負に制御されていることを示す。

0136

LTα発現は、末梢血から由来するヒトTregにおいて保存されている。

0137

本発明者らは次に、LTα発現が、女性及び男性の健常ドナーの末梢血から由来するヒトTregにおいて保存されているか否かを評価した。Foxp3+CD4+TregをCD4+CD25+CD127lo細胞として古典的に同定した。細胞内LTαタンパク質(図8A)及び細胞表面LTα1β2ヘテロ複合体(図8B)は、分析した全てのドナーのTregにおいて、フローサイトメトリーにより実質的に検出され、この発現がマウスからヒトにおいて保存されていることを示す。

0138

考察
いくつかの試験によって、Treg細胞の発生及び機能の正の調節において関係付けられる多数の分子が同定されている。対照的に、少数の報告によって、Treg機能を負に調節するシグナルが記載されている。本明細書では、調節特性を付与された異なるT細胞集団を分析することにより、本発明者らは、Foxp3+Tregが、膜アンカー型LTα1β2ヘテロ複合体としてLtaを実質的に発現することを見出した。LTαは、CD25−Foxp3+前駆段階での胸腺におけるそれらの発生から、Foxp3+Treg細胞において発現される。この発現は、末梢CD25+Foxp3+Tregにおいて保存されている。LTβR−/−マウスと同様に、LTα−/−マウスは、胸腺中でのCD4+Foxp3+Treg細胞発生において明らかな欠損を示さない。しかし、抑制機能に関連付けられる遺伝子の特徴は、胸腺及び末梢のLTα−/−Tregの両方において大きく増強され、LTαによって、それらの免疫抑制的な特徴が負に調節されていることを示す。本発明者らのデータは、この表現型が胸腺におけるTregの発生から検出可能であることを示す。なぜなら、この高度に抑制的な特徴が、周産期のこの細胞型でのそれらの出現から、及び成体における発生中のCCR6−Treg細胞において観察されたからである。この表現型は、このように、再循環中の末梢Tregに起因しない可能性が高いが、しかし、むしろ発生的である。さらに、胸腺におけるLTαの発現は、Foxp3の発現(Treg細胞の同一性を決定づける)と相関するため、これは、Tregが、細胞が過剰反応し、このように、免疫反応を過剰に抑制することを防止するためにそれらの活性を厳密に制御する主要な分子を発現することを示唆する。

0139

胸腺及び脾臓の両方のLTα−/−Tregが、代謝破壊において関係付けられるCD39、CD73、及びCD25の発現、ならびに抗原提示の調節において関係付けられるCTLA−4及びLAG−3の発現において明らかな欠損を示さない。対照的に、それらは、IL−10、TGF−β、及びIL−35免疫抑制サイトカインならびにグランザイムB、IFN−γ、及びFasL(細胞毒性媒介性の抑制機構において含まれる)の発現増加を示す。さらなる研究が、それらの抑制的な作用様式を正確に定義するために要求されるが、本発明者らは、それにもかかわらず、LTα−/−Tregが、阻害的サイトカインの分泌及び標的細胞の細胞溶解において含まれる分子の発現を通じて、それらの強力な抑制活性を媒介する可能性が高いことを示す。RNA−seqデータによって、LTα−/−Tregが活性化/エフェクター表現型(Blimp−1、Klrg1、及びTigitマーカーの発現増大により特徴付けられ、終末的に活性化及び/又は分化エフェクターTregを区別すると記載される)を示すことが確認された。これらの観察と一致して、CD44hiCD69+及びKLRG1+エフェクターTreg細胞のより高い頻度がまた、フローサイトメトリーによりLTα−/−マウスの脾臓において観察された。LTα−/−Tregはまた、高レベルのIkarosファミリー転写因子であるHeliosを発現する。興味深いことに、CD4+Foxp3+Helios+Tregは、CD4+CD25+Treg集団の大部分内に高度に抑制的な機能を持つことが示されている。さらに、Heliosの強制発現によって、Tregの抑制機能が増強されるのに対し、Heliosのノックダウンは、インビトロ及びインビボの両方で抑制機能の減少をもたらす。Heliosのこの高い発現によって、このように、LTα−/−Tregが高度に免疫抑制的であるという概念が支持される。脾臓のLTα−/−Tregはまた、より高いレベルのNur77(TCR刺激により上方調節される即時初期遺伝子である)を発現し、それらが最近抗原により活性化されたことを示唆する。さらに、RNA−seqデータによって、LTα−/−Tregが高度に増殖性の細胞の特徴を示すことが明らかになったが、これは、フローサイトメトリーによる高頻度のKi−67+増殖性Treg細胞により確認された。まとめると、これらのデータは、LTα−/−Tregが活性化/エフェクター表現型を持つことを示す。

0140

Treg表現型の安定性は議論されている問題であるが、本発明者らは、養子移入されたLTα−/−Tregが、移入後少なくとも7日間、それらの高度に免疫抑制的な特徴をインビボで保持することを観察した。LTα−/−Treg表現型の安定性は、これらの抑制細胞の移入が病理学的状態において利益を示しうることを示唆する。LTα−/−Tregが高度に免疫抑制的な特徴を示すと仮定し、本発明者らは、LTα−/−Tregの養子移入が、炎症性腸障害を保護及び処置する際に、WT Tregよりも優れた治療的利益を呈するか否かを評価した。興味深いことに、LTα−/−Tregの移入によって、DSS誘発性大腸炎から保護され、WT Tregよりも効率的にIBDから処置される。これは、WT Tregを用いて注射したマウスと比較した、LTα−/−Tregを用いて移入したマウスにおける低下した体重減少、より高い結腸の長さ、及び低下した組織学的スコアにより反映された。さらに、本発明者らは、LTα−/−Tregによって、結腸炎症及び炎症性免疫細胞の浸潤が大幅に低下することを観察した。DSS誘発性大腸炎モデルでは、本発明者らは、大腸炎の誘発前のLTα−/−Tregの移入によって、腸間膜リンパ節におけるTh1及びTh17病原性細胞のプライミング及び/又は増殖が低下することを見出した。重要なことに、Treg/Th1及びTreg/Th17の比率が、DSS誘発性大腸炎モデル及びIBDモデルの両方において結腸中で増加し、Tregによって、また、この組織において局所的にそれらの抑制効果を発揮することができることを示唆する。

0141

結腸炎症を抑制するためのそれらの能力により、LTα−/−Tregの養子移入によって、また、CAC(慢性炎症により促進されることが公知である)の発生が減弱する。これは、WT Tregを用いて注射したマウスの腫瘍よりも小さな容積を示す結腸直腸腫瘍の数における約3倍低下により、約6週目での結腸発癌から例証した。重要なことに、この保護効果は、CACプロトコールの終了まで、即ち、それがそれほど顕著ではなかった場合でさえ約12週目まで持続した。WT Tregを用いて移入したマウスと比較し、LTα−/−Tregを受けたマウスでのCAC発生におけるこの減弱は、CACプロトコールの3週間から観察可能な結腸炎症の低下により説明される。これを、低下した(i)結腸の重量/長さの比率、(ii)炎症誘発性サイトカインの発現、及び(iii)結腸中への炎症性免疫細胞の動員において関係付けられるケモカインにより特徴付けた。まとめると、これらのデータは、それらのWT対応物と比較し、LTα−/−Tregが、大腸炎を処置し、大腸炎及びCACの両方の発生から保護するより高い能力を示すことを示す。LTα−/−Tregは、このように、WT Tregよりも増大した抗炎症/免疫抑制機能を示す。養子移入細胞の数を減少させることにより、本発明者らは、Lta−/−Tregが、それらのWT対応物よりもインビボで約4倍より抑制的であることを決定することができた。

0142

重要なことに、混合骨髄キメラは、LTα−/−Tregの活性化/エフェクター表現型が、造血細胞におけるLTα発現の特異的な喪失に起因しており、非造血間質細胞においてではない可能性が高いことを示した。さらに、本発明者らのデータによって、Treg及び樹状細胞、特にSirpα+ cDC及びpDCの間でのLTα1β2/LTβR相互作用によってTreg細胞の抑制的な特徴が負に制御されることが明らかになり、抗原提示細胞との直接的な細胞接触によってTreg抑制活性が調節されることを示唆する。

0143

膜アンカー型LTα1β2ヘテロ複合体として発現されるLTαは、ヒトTregにおいて保存されているため、LTα−/−Tregの養子移入によって、他の炎症性障害及び自己免疫障害を防止及び/又は処置するための治療的な適用を見出すことが期待される。さらに、これらの細胞の移入はまた、それぞれ慢性膵炎気管支炎、及び膀胱炎により誘発される他の炎症誘発性癌、例えば膵臓癌、肺癌、又は膀胱癌などの発生から保護するために有益でありうる。

0144

結論として、本発明者らの試験では、TregにおけるLTα発現によって、この細胞型の抑制能力微調整されることを確認した。LTαは、このように、Treg活性を増加させる興味深い新たな治療標的を表しうるが、それによって、要求される細胞数を低下させることにより、ならびに炎症性障害及び自己免疫障害を効率的に処置し、及び炎症誘発性癌の発生を防止することにより、Treg細胞治療の分野において臨床応用を見出すことが期待される。

0145

参考文献:
本願全体を通して、種々の参考文献によって、本発明が関係する最新技術が記載されている。これらの参考文献の開示を、本明細書により、参照により本開示中に組み入れる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 公益財団法人がん研究会の「 抗ポドプラニン抗体」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題・解決手段】本発明は、ヒト化抗体若しくはマウス−ヒトキメラ抗体である抗ポドプラニン抗体又はその抗原結合領域を含む抗体断片の提供を課題とし、該課題を、所定のアミノ酸配列を含む、単離された、ヒト化抗... 詳細

  • アルプス薬品工業株式会社の「 ルチン組成物」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題】水溶性が改善した、ルチンの高い経口吸収を示す組成物の提供。【解決手段】ルチンとL−アルギニンとアスコルビン酸のアルカリ塩との間のモル比が1:1.6〜3.0:0.1〜2.0である、ルチン、L−ア... 詳細

  • 森永乳業株式会社の「 抗老化用組成物」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題・解決手段】本発明の課題は、新規な抗老化用組成物を提供することである。当該課題を解決する手段は、ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を、抗老化用... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ