図面 (/)

技術 統合的ストレス経路の調節剤

出願人 カリコライフサイエンシーズエルエルシーアッヴィ・インコーポレイテッド
発明者 マーティンキャサリンアンシドロスキーカルメーラフロストジェニファーエム.トンユンソンシューシャンドンションザオミンダートマイケルジェイ.
出願日 2018年11月2日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2020-524825
公開日 2021年1月21日 (6ヶ月経過) 公開番号 2021-501787
状態 未査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 複数複素環系化合物 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 ピロ-ル系化合物 N,O含有複素環式化合物 1,3-ジアゾール系化合物
主要キーワード 遮断経路 抵抗機構 クロッサ 補助カップ 調整ポンプ サブ範囲 分子機械 ディスペンサーパッケージ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年1月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題・解決手段

本明細書において、eIF2Bの調節、統合ストレス応答(ISR)シグナル伝達経路の調節、及び関連する疾患、障害、及び疾病治療に有用な化合物組成物、ならびに方法が提供される。

概要

背景

背景
後生動物においては、多様なストレスシグナルが、単一の、共通のエフェクターである翻訳開始因子eIF2αのセリン51におけるリン酸化事象収束する。このステップは、哺乳動物細胞中の4種のeIF2αキナーゼ、すなわち、小胞体ER)中の折り畳み不全タンパク質(unfolded proteins)の蓄積応答するPERK、アミノ酸飢餓及びUV光に応答するGCN2、ウイルス感染及び代謝ストレスに応答するPKR、ならびにヘム欠乏に応答するHRIによって実行される。この一群シグナル伝達経路は、同一の分子事象に収束することから、「統合ストレス応答」(ISR)と呼ばれている。eIF2αのリン酸化により翻訳減衰し、その結果、細胞が様々なストレスに対処することができるようになる(Wek,R.C.et al,Biochem Soc Trans (2006) 34(Pt 1):7−11(非特許文献1))。

eIF2(3種のサブユニット、α、β、γから構成される)はGTPイニシエーターMet−tRNAとを結合させて3者複合体(eIF2−GTP−Met−tRNAi)を形成し、次いで該複合体は40Sリボソームサブユニットと結合し、mRNAの5’UTRを走査して、開始AUGコドンを選択する。eIF2は、そのαサブユニットがリン酸化されると、そのGTP交換因子(GEF)であるeIF2Bの競合阻害因子となる(Hinnebusch,A.G.and Lorsch,J.R.Cold Spring Harbor Perspect Biol (2012) 4(10)(非特許文献2))。リン酸化eIF2がeIF2Bに強力且つ非生産的に結合することにより、eIF2のGTPとの複合体の供給が妨げられ、延いては3者複合体の形成が遮断され、翻訳開始が低下する(Krishnamoorthy,T.et al,Mol Cell Biol (2001) 21(15):5018−5030(非特許文献3))。eIF2BはeIF2よりも量が少ないため、eIF2全体のごく一部のみをリン酸化しても、細胞中のeIF2Bの活性に劇的な影響が生じる。

eIF2Bは、eIF2B1〜eIF2B5の5種の異なるサブユニットから構成される複雑な分子機械である。eIF2B5は、GDP/GTP交換反応触媒し、部分的に相同なサブユニットeIF2B3と共に「触媒コア」を構成する(Williams,D.D.et al,J Biol Chem (2001) 276:24697−24703(非特許文献4))。残りの3種のサブユニット(eIF2B1、eIF2B2、及びeIF2B4)も互いに相同性が高く、eIF2Bの基質eIF2に対する結合部位を提供する「調節性部分複合体」を形成する(Dev,K.et al,Mol Cell Biol (2010) 30:5218−5233(非特許文献5))。eIF2におけるGTPによるGDPの交換は、それ専用のグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)eIF2Bによって触媒される。eIF2Bは、細胞中に10量体(B12B22B32B42B52)または2種の5量体の2量体として存在する(Gordiyenko,Y.et al,Nat Commun (2014) 5:3902(非特許文献6);Wortham,N.C.et al,FASEB J (2014) 28:2225−2237(非特許文献7))。ISRIBなどの分子は、eIF2B二量体高次構造相互作用して該構造を安定化し、それによって固有のGEF活性亢進し、eIF2αのリン酸化の細胞効果に対する細胞の感受性が低下する(Sidrauski,C.et al,eLife (2015) e07314(非特許文献8);Sekine,Y.et al,Science (2015) 348:1027−1030(非特許文献9))。したがって、eIF2B活性を調節することができる小分子治療薬は、UPRのPERK分岐及びISR全体を減衰させる潜在能力をもつ可能性があり、それ故に、神経変性疾患白質ジストロフィーがん炎症性疾患筋骨格系疾患、または代謝疾患などの様々な疾患の予防及び/または治療に使用できる可能性がある。

概要

本明細書において、eIF2Bの調節、統合的ストレス応答(ISR)シグナル伝達経路の調節、及び関連する疾患、障害、及び疾病の治療に有用な化合物組成物、ならびに方法が提供される。なし

目的

残りの3種のサブユニット(eIF2B1、eIF2B2、及びeIF2B4)も互いに相同性が高く、eIF2Bの基質eIF2に対する結合部位を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

式(I):の化合物であって、式中、Dは、架橋二環式シクロアルキル、架橋二環式ヘテロシクリル、もしくはキュバニルであり、ここで、それぞれの架橋二環式シクロアルキル、架橋二環式ヘテロシクリル、もしくはキュバニルは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜4個のRXで置換されていてもよく、前記架橋二環式ヘテロシクリルが、置換可能な窒素部分を含有する場合、前記置換可能な窒素はRN1によって置換されていてもよく、L1は、結合、C1〜C6アルキレン、2〜7員ヘテロアルキレン、もしくは−O−であり、ここで、C1〜C6アルキレンもしくは2〜7員ヘテロアルキレンは、1〜5個のRL1で置換されていてもよく、R1は、水素もしくはC1〜C6アルキルであり、Wは、5〜6員単環式ヘテロアリールであり、ここで、前記5〜6員単環式ヘテロアリールは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜3個のRWで置換されていてもよく、前記5〜6員単環式ヘテロアリールが、置換可能な窒素部分を含有する場合、前記置換可能な窒素は、RN2で置換されていてもよく、A及びZはそれぞれ独立に、フェニルもしくは5〜6員ヘテロアリールであり、ここで、それぞれのフェニルもしくは5〜6員ヘテロアリールは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜5個のRYで置換されていてもよく、前記5〜6員ヘテロアリールが、置換可能な窒素部分を含有する場合、前記置換可能な窒素は、RN3で置換されていてもよく、それぞれのRL1は独立に、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、オキソ、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−SRE、−S(O)RD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、RN1は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C2〜C6アルキル、ハロ−C2〜C6アルキル、アミノ−C2〜C6アルキル、シアノ−C2〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、RN2は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C2〜C6アルキル、ハロ−C2〜C6アルキル、アミノ−C2〜C6アルキル、シアノ−C2〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、RN3は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C2〜C6アルキル、ハロ−C2〜C6アルキル、アミノ−C2〜C6アルキル、シアノ−C2〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、RWは独立に、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルコキシ、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、オキソ、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−S(RF)m、−S(O)RD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、それぞれのRXは独立に、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、オキソ、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−SRE、−S(O)RD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、それぞれのRYは独立に、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルコキシ、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−S(RF)m、−S(O)RD、−S(O)2RD、及びG1からなる群から選択されるか、または隣接する原子上の2個のRY基が、それらが結合する原子と共に、3〜7員縮合シクロアルキル、3〜7員縮合ヘテロシクリル、縮合アリール、もしくは5〜6員縮合ヘテロアリールを形成し、これらのそれぞれは1〜5個のRXで置換されていてもよく、それぞれのG1は独立に、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリルアリール、もしくは5〜6員ヘテロアリールであり、ここで、それぞれの3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、アリール、もしくは5〜6員ヘテロアリールは、1〜3個のRZで置換されていてもよく、それぞれのRZは独立に、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、RAは、各存在について、独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、もしくは−C(O)ORDであり、RB及びRCのそれぞれは独立に、水素もしくはC1〜C6アルキルであるか、またはRB及びRCは、それらが結合する原子と共に、1〜3個のRZで置換されていてもよい3〜7員ヘテロシクリル環を形成し、それぞれのRDは独立に、C1〜C6アルキルもしくはハロ−C1〜C6アルキルであり、それぞれのREは独立に、水素、C1〜C6アルキル、もしくはハロ−C1〜C6アルキルであり、それぞれのRFは独立に、水素、C1〜C6アルキル、もしくはハロであり、mは、RFが水素もしくはC1〜C6アルキルの場合に1であり、RFがC1〜C6アルキルの場合に3であり、またはRFがハロの場合に5である、前記化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体

請求項2

Dが、それぞれが1〜4個のRXで置換されていてもよい、架橋二環式シクロアルキルまたは架橋二環式ヘテロシクリルである、請求項1に記載の化合物。

請求項3

Dが、それぞれが1〜4個のRXで置換されていてもよい、架橋二環式5〜8員シクロアルキルまたは架橋二環式5〜8員ヘテロシクリルである、請求項1〜2のいずれか1項に記載の化合物。

請求項4

Dが、それぞれが1〜4個のRX基で置換されていてもよい、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、または2−アザビシクロ[2.2.2]オクタンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。

請求項5

Dが、である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。

請求項6

Dが、である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。

請求項7

Dが、RXで置換されていない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。

請求項8

Dが、である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。

請求項9

Dが、1または2個のRXで置換されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。

請求項10

Dが、である、請求項1〜6及び9のいずれか1項に記載の化合物。

請求項11

それぞれのRXが独立に、オキソ、−OH、−C(O)OH、−C(O)ORD、ハロ、及びヒドロキシ−C1〜C6アルキルからなる群から選択される、請求項9〜10のいずれか1項に記載の化合物。

請求項12

L1が、結合、2〜7員ヘテロアルキレン、または−O−であり、ここで、2〜7員ヘテロアルキレンは、1〜5個のRL1によって置換されていてもよい、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。

請求項13

L1が、結合、2〜7員ヘテロアルキレン、または−O−であり、ここで、2〜7員ヘテロアルキレンは、RL1によって置換されていない、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。

請求項14

L1が、結合、−CH2O−*、−CH2OCH2−*、または−O−から選択され、ここで、「−*」はAへの結合点を示す、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。

請求項15

R1が、水素またはCH3である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。

請求項16

A及びZのそれぞれが独立に、フェニルまたは5〜6員ヘテロアリールであり、ここで、それぞれのフェニルまたは5〜6員ヘテロアリールは、1〜5個のRYで置換されていてもよく、それぞれのRYは独立に、C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、−ORA、またはG1である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。

請求項17

A及びZのそれぞれが独立に、フェニル、ピリジルイソオキサゾリルピリミジニル、またはピラゾリルであり、これらのそれぞれが、1〜5個のRY基で置換されていてもよい、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。

請求項18

A及びZのそれぞれが、からなる群から選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。

請求項19

Aが、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、またはイソオキサゾリルであり、これらのそれぞれが1〜2個のRY基で置換されていてもよい、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。

請求項20

Aが、からなる群から選択される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。

請求項21

Zが、フェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、またはピラゾリルであり、これらのそれぞれが1〜3個のRY基で置換されていてもよい、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物。

請求項22

Zが、からなる群から選択され、式中、RN3は、水素またはCH3である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物。

請求項23

それぞれのRYが独立に、水素、クロロ、フルオロ、CF3、CHF2、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、OCH3、OCH(CH3)2、またはCNである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物。

請求項24

Wが、オキサジアゾールピロールイミダゾールピラゾールトリアゾール、またはオキサゾール部分であり、これらのそれぞれが、1〜3個のRW基で置換されていてもよく、それぞれのRWが独立に、C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、または−ORAである、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。

請求項25

Wが、1,3,4−オキサジアゾールまたは1,2,4−オキサジアゾールである、請求項24に記載の化合物。

請求項26

Wが、1,2,4−トリアゾールである、請求項24に記載の化合物。

請求項27

Wが、からなる群から選択され、式中、それぞれのRWは独立に、水素、クロロ、フルオロ、CF3、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、及びCNからなる群から選択され、RN2は、水素またはCH3である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。

請求項28

Wが、からなる群から選択される、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物。

請求項29

前記式(I)の化合物が、式(I−a):の化合物であって、式中、Dは、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルもしくはビシクロ[2.2.2]オクタニルであり、これらのそれぞれが、1〜4個のRX基で置換されていてもよく、L1は、CH2O−*、CH2OCH2−*、もしくは−O−であり、ここで、「−*」は、Aへの結合点を示し、Wは、オキサジアゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、もしくはオキサゾール部分であり、これらのそれぞれは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜3個のRW基で置換されていてもよく、イミダゾール及びトリアゾールは、利用可能な窒素上で水素もしくはCH3で置換されていてもよく、Aは、フェニル、イソオキサゾリル、もしくはピリジルであり、これらのそれぞれは、1〜5個のRY基で置換されていてもよく、Zは、フェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、もしくはピラゾリルであり、これらのそれぞれは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜5個のRY基で置換されていてもよく、ピラゾリルは、利用可能な窒素上で水素もしくはCH3で置換されていてもよく、それぞれのRWは独立に、クロロ、フルオロ、CF3、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、もしくはCNであり、それぞれのRXは独立に、フルオロ、オキソ、OH、OCH3、C(O)OH、もしくはC(O)OCH3であり、それぞれのRYは独立に、クロロ、フルオロ、CF3、CHF2、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、OCH3、OCH(CH3)2、もしくはCNであるか、または隣接する原子上の2個のRY基が、それらが結合する原子と共に、フラニル環、ピロリル環、もしくはジオキソラニル環を形成し、これらのそれぞれは、1〜2個のRXで置換されていてもよく、R1は、水素である、前記化合物である、請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体。

請求項30

前記式(I)の化合物が、式(I−b):の化合物である、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体。

請求項31

前記式(I)の化合物が、式(I−c):の化合物である、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体。

請求項32

前記式(I)の化合物が、式(I−d):の化合物である、請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体。

請求項33

前記式(I)の化合物が、式(I−e−1)、式(I−e−2)、式(I−e−3)、式(I−e−4)、式(I−e−5)、式(I−e−6)、式(I−e−7)、式(I−e−8)、または式(I−e−9):の化合物である、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体。

請求項34

前記式(I)の化合物が、式(I−f):の化合物である、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体。

請求項35

前記式(I)の化合物が、式(I−g):の化合物である、請求項1〜29及び34のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体。

請求項36

前記式(I)の化合物が、式(I−h):の化合物であって、式中、W、Z、及びRYのそれぞれは、式(I)について定義されたとおりである、前記化合物である、請求項1〜29及び34〜35のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体。

請求項37

前記式(I)の化合物が、式(I−i−1)、式(I−i−2)、式(I−i−3)、式(I−i−4)、式(I−i−5)、式(I−i−6)、式(I−i−7)、式(I−i−8)、または式(I−i−9):の化合物である、請求項1〜29及び34〜36のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体。

請求項38

表1に記載の任意の化合物から選択される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、N−オキシド、互変異性体、または立体異性体。

請求項39

請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む、薬学的に許容される組成物

請求項40

請求項1〜38のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、もしくはN−オキシド、立体異性体を含む、対象における神経変性疾患白質ジストロフィーがん炎症性疾患自己免疫疾患ウイルス感染症皮膚疾患線維性疾患ヘモグロビン病腎疾患難聴眼疾患筋骨格系疾患、代謝疾患、あるいはミトコンドリア性疾患治療に使用するための組成物。

請求項41

前記神経変性疾患が、白質ジストロフィー、白質脳症ミエリン形成不全もしくは脱髄疾患知的障害症候群認知障害グリア細胞機能障害、または脳損傷を含む、請求項40に記載の組成物。

請求項42

前記神経変性疾患が、白質消失病、中枢神経系ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症アルツハイマー病筋萎縮性側索硬化症クロイツフェルトヤコブ病前頭側頭認知症ゲルストマンストロイスラー・シャインカー病、ハンチントン病、認知症、クールー病、多発性硬化症パーキンソン病、またはプリオン病を含む、請求項40または41に記載の組成物。

請求項43

前記神経変性疾患が白質消失病を含む、請求項40〜42のいずれか1項に記載の組成物。

請求項44

前記がんが、膵臓癌乳癌多発性骨髄腫、または分泌細胞のがんを含む、請求項40に記載の組成物。

請求項45

請求項46

前記筋骨格系疾患が、筋ジストロフィー、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症進行性筋萎縮症進行性球麻痺仮性球麻痺脊髄性筋萎縮症進行性球脊髄性筋萎縮症脊髄痙縮、脊髄性筋萎縮症、重症筋無力症、神経痛線維筋痛症マシャド・ジョセフ病、筋痙攣線維束性収縮症候群、フリードリヒ運動失調症、筋消耗性障害封入体筋炎運動ニューロン疾患、または麻痺を含む、請求項40に記載の組成物。

請求項47

前記代謝疾患が、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、肝線維症肥満心疾患、アテローム性動脈硬化症、関節炎、シスチン症、糖尿病、フェニルケトン尿症増殖性網膜症、またはカーンズ・セイヤー病を含む、請求項40に記載の組成物。

請求項48

前記ミトコンドリア性疾患が、ミトコンドリア機能障害、1種以上のミトコンドリアタンパク質変異、もしくは1種以上のミトコンドリアDNA変異に関連するか、またはその結果である、請求項40に記載の組成物。

請求項49

前記ミトコンドリア性疾患がミトコンドリア筋症である、請求項40または48に記載の組成物。

請求項50

前記ミトコンドリア性疾患が、バース症候群、慢性進行性外眼筋麻痺(cPEO)、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)、リー症候群(例えば、MILS、すなわち母系遺伝リー症候群)、ミトコンドリアDNA枯渇症候群(MDDS、例えば、アルパース症候群)、ミトコンドリア脳筋症(例えば、ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群(MELAS))、ミトコンドリア神経性胃腸管系脳筋症(MNGIE)、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)、ニューロパチー運動失調網膜色素変性症(NARP)、レーベル遺伝性視神経症LHON)、及びピアソン症候群からなる群より選択される、請求項40及び48〜49のいずれか1項に記載の組成物。

請求項51

前記自己免疫疾患が、アカラシア、アジソン病、成人スティル病無ガンマグロブリン血症円形脱毛症アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎抗リン脂質症候群、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性脳脊髄炎自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性じんましん軸索型及びニューロン型ニューロパチー(AMAN)、バロー病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病(CD)、セリアック病、シャーガス病慢性炎症脱髄性多発ニューロパチーCIDP)、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、チャーグ・ストラウス症候群(CSS)すなわち好酸球多発血管炎肉芽腫症(EGPA)、瘢痕性類天疱瘡コーガン症候群寒冷凝集素症先天性心ブロックコクサッキー心筋炎、CREST症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状エリテマトーデスドレスラー症候群子宮内膜症好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性筋膜炎結節性紅斑本態性混合型クリオグロブリン血症エバンス症候群、線維筋痛症、線維性肺胞炎巨細胞性動脈炎側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群多発性血管炎性肉芽腫症、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)、妊娠性ヘルペスまたは妊娠性類天疱瘡PG)、化膿性汗腺炎(HS)(反対型ざ瘡)、低ガンマグロブリン血症IgA腎症IgG4関連硬化性疾患、免疫性血小板減少性紫斑病ITP)、封入体筋炎(IBM)、間質性膀胱炎(IC)、若年性関節炎、若年性糖尿病1型糖尿病)、若年性筋炎(JM)、川崎病ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬木質性結膜炎、線状IgA病(LAD)、ループス、慢性ライム病メニエール病顕微鏡的多発性血管炎(MPA)、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーバーマン病、多巣性運動ニューロパチー(MMN)またはMMNCB、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー新生児ループス、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎パリンドロームリウマチ(PR)、PANDAS、腫瘍随伴小脳変性症(PCD)、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、パリー・ロンバーグ症候群、毛様体扁平部炎周辺ブドウ膜炎)、パーソネージ・ターナー症候群天疱瘡末梢性ニューロパチー、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血(PA)、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、多腺性自己免疫症候群I型、多腺性自己免疫症候群II型、多腺性自己免疫症候群III型リウマチ性多発筋痛多発性筋炎心筋梗塞後症候群心膜切開後症候群原発性胆汁性肝硬変原発性硬化性胆管炎プロゲステロン皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球ろう(PRCA)、壊疽性膿皮症レイノー現象反応性関節炎反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発軟骨炎、むずむず脚症候群(RLS)、後腹膜線維症リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群強膜炎強皮症、シェーグレン症候群、精子及び精巣に対する自己免疫、全身硬直症候群(SPS)、亜急性細菌性心内膜炎SBE)、スザック症候群、交感性眼炎(SO)、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群(THS)、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎(UC)、未分化結合組織病(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、白斑、フォークト・小原田病、ならびにウェゲナー肉芽腫症(すなわち多発性血管炎を伴う肉芽腫症(GPA))からなる群より選択される、請求項40に記載の組成物。

請求項52

前記ウイルス感染症が、インフルエンザヒト免疫不全ウイルスHIV)、及びヘルペスからなる群より選択される、請求項40に記載の組成物。

請求項53

前記皮膚疾患が、ざ瘡、円形脱毛症、基底細胞癌ボーエン病、先天性赤血球生成ポルフィリン症接触性皮膚炎ダリエ病播種表在性光線性汗孔角化症栄養障害型表皮水疱症湿疹アトピー性湿疹)、乳房外パジェット病単純性表皮水疱症、赤血球生成性プロトポルフィリン症、爪の真菌感染症、ヘイリー・ヘイリー病、単純ヘルペス、化膿性汗腺炎、多毛症多汗症、魚鱗癬、膿痂疹ケロイド毛孔性角化症、扁平苔癬、硬化性苔癬、黒色腫黒皮症粘膜類天疱瘡、類天疱瘡、尋常性天疱瘡苔癬状粃糠疹、毛孔性紅色粃糠疹、足底疣贅いぼ)、多形日光疹、乾癬、性乾癬、壊疽性膿皮症、酒さ疥癬、強皮症、帯状疱疹扁平上皮細胞癌、スウィート症候群、じんましん及び血管浮腫、ならびに白斑からなる群より選択される、請求項40に記載の組成物。

請求項54

前記線維性疾患が、癒着性関節包炎動脈硬化関節線維症、心房線維症心臓線維症肝硬変、先天性肝線維症、クローン病、嚢胞性線維症デュピュイトラン拘縮心内膜心筋線維症、グリア瘢痕C型肝炎肥大心筋症過敏性肺実質炎特発性肺線維症特発性間質性肺炎間質性肺疾患、ケロイド、縦隔線維症骨髄線維症腎性全身性線維症、非アルコール性脂肪性肝疾患、陳旧性心筋梗塞ペロニー病、じん肺症、肺実質炎、進行性塊状線維症、肺線維症放射線誘発性損傷、後腹膜線維症、強皮症/全身性硬化症珪肺症、及び心室リモデリングからなる群より選択される、請求項40に記載の組成物。

請求項55

前記ヘモグロビン病が、「優性遺伝」β−サラセミア後天性中毒性メトヘモグロビン血症カルボキシヘモグロビン血症、先天性ハインツ小体型溶血性貧血、HbH病HbS/β−サラセミア、HbE/β−サラセミア、HbSC病、ホモ接合型α+−サラセミア(α0−サラセミアの表現型)、Hbバルツ病を伴う胎児性水腫鎌状赤血球貧血鎌状赤血球症鎌状赤血球形質鎌状β−サラセミア疾患、α+−サラセミア、α0−サラセミア、骨髄異形成症候群を伴うα−サラセミア、α−サラセミア/精神遅滞ATR)症候群、β0−サラセミア、β+−サラセミア、δ−サラセミア、γ−サラセミア、重症型β−サラセミア、中間型β−サラセミア、δβ−サラセミア、及びεγδβ−サラセミアからなる群より選択される、請求項40に記載の組成物。

請求項56

前記腎疾患が、アブデルハルデン・カウフマン・リグナック症候群(腎症性シスチン症)、腹部コンパートメント症候群アセトアミノフェン誘発性腎毒性急性腎不全急性腎傷害急性葉性ネフロニア、急性リン酸腎症、急性尿細管壊死アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症アデノウイルス腎炎、アラジール症候群、アルポート症候群、アミロイドーシス、心内膜炎及び他の感染症に関連するANCA血管炎、血管筋脂肪腫鎮痛薬腎症神経性無食欲症と腎疾患、アンジオテンシン抗体と巣状分節性糸球体硬化症、抗リン脂質症候群、抗TNF−α療法関連糸球体腎炎、APOL1変異、見かけ鉱質コルチコイド過剰症候群、アリストキア酸腎症、漢方薬腎症、バルカン風土病性腎症、泌尿器官動静脈奇形及び瘻孔常染色体優性低カルシウム血症、バルデー・ビードル症候群、バーター症候群入浴剤と急性腎傷害、ビール多飲症ビート尿、β−サラセミア腎障害胆汁円柱腎症、生得の腎臓におけるBK型ポリオーマウイルス腎症、膀胱破裂膀胱括約筋失調症、膀胱タンポナーデボーダークロッサー(Border−Crosser’s)腎症、バーボンウイルスと急性腎傷害、燃やしたサトウキビ収穫と急性腎機能障害バイエッタと腎不全、C1q腎症、C3糸球体症単クローン性免疫グロブリン血症を伴うC3糸球体症、C4糸球体症、カルシニューリン阻害剤腎毒性、カリピス・ラウレオラ(CallilepsisLaureola)中毒カンナビノイド悪阻急性腎不全、心腎症候群カルフィルミブ誘発性腎傷害、CFHR5腎症、糸球体症を伴うシャルコー・マリー・トゥース病、漢方薬と腎毒性、チェリー濃縮物と急性腎傷害、コレステロール塞栓症、チャーグ・ストラウス症候群、乳び尿症繊毛病、コカインと腎臓、寒冷利尿コリスチン腎毒性、膠原線維糸球体症、虚脱性糸球体症、CMVに関連する虚脱性糸球体症、併用抗レトロウイルス療法(cART)関連腎症、先天性尿路異常(CAKUT)、先天性ネフローゼ症候群、うっ血性腎不全、腎錐体症候群(マインツァー・サルディーノ症候群またはサルディーノ・マインツァー病)、造影剤腎症硫酸銅中毒症腎皮質壊死クリゾチニブ関連急性腎傷害、結晶クリオグロブリン血症、クリオグロブリン血症、結晶グロブリン誘発性腎症、結晶誘発性急性腎傷害、結晶蓄積組織球症、後天性嚢胞性腎疾患、シスチン尿症ダサチニブ誘発性のネフローゼ領域のタンパク尿症、デンスデポジット病(MPGN2型)、デント病(X連鎖劣性腎結石症)、DHA結晶性腎症、透析不均衡症候群、糖尿病と糖尿病性腎疾患尿崩症栄養補助食品と腎不全、びまん性メサンギウム硬化症、利尿、ジリン豆(DjenkolBean)中毒(ジリン豆中毒(Djenkolism))、ダウン症候群と腎疾患、依存性薬物と腎疾患、重複尿管、EAST症候群、エボラと腎臓、異所性腎、異所性尿管、浮腫、腫脹エルドハイム・チェスター病、ファブリー病家族性カルシウム尿高カルシウム血症ファンコーニ症候群フレーザー症候群フィブロネクチン糸球体症、原線維性糸球体腎炎とイムノタクトイド糸球体症、フレーリー症候群、水分過負荷循環血液量過多症、巣状分節性糸球体硬化症、巣状硬化症巣状糸球体硬化症ギャロウェイ・モワト症候群、腎臓関与を伴う巨細胞性(側頭)動脈炎妊娠性高血圧症、ギテルマン症候群、糸球体疾患糸球体尿細管逆流、腎性糖尿、グッドパスチャー症候群、グリーンスムージー浄化腎症、HANAC症候群、ハーボニー(レジパスビル/ソホスブビル合剤)誘発性腎傷害、染毛剤の摂取と急性腎傷害、ハンタウイルス感染によるポドサイトパチー、熱ストレス腎症、血尿(尿中血液)、溶血性尿毒症症候群(HUS)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、血球貪食症候群、出血性膀胱炎腎症候性出血熱(HFRS、ハンタウイルス腎疾患、韓国型出血熱流行性出血熱流行性腎症)、ヘモジデリン尿症、発作性夜間血色素尿症及び溶血性貧血に関連するヘモジデリン沈着症肝性糸球体症、肝性静脈閉塞症類洞閉塞症候群、C型肝炎関連腎疾患、肝細胞核因子1β関連腎疾患、肝腎症候群ハーブサプリメントと腎疾患、高地腎症候群、高血圧と腎疾患、HIV関連免疫複合体性腎疾患(HIVICK)、HIV関連腎症(HIVAN)、HNF1B関連常染色体優性尿細管間質性腎疾患、馬蹄腎(融合腎)、ハンナー潰瘍ヒドロキシクロロキン誘発性腎リン脂質症高アルドステロン症、高カルシウム血症、高カリウム血症、高マグネシウム血症、高ナトリウム血症高シュウ酸尿症高リン酸血症、低カルシウム血症、低補体血症性じんましん様血管炎症候群低カリウム血症、低カリウム血症誘発性腎機能障害、低カリウム血症性周期四肢麻痺低マグネシウム血症低ナトリウム血症低リン酸血症大麻使用者における低リン酸血症、高血圧症一遺伝子性高血圧症、アイスティー腎症、イホスファミド腎毒性、IgA腎症、IgG4腎症、浸水利尿、免疫チェックポイント療法関連間質性腎炎インフリキシマブ関連腎疾患、間質性膀胱炎、膀胱痛症候群質問票)、間質性腎炎、核巨大化(Karyomegalic)間質性腎炎、アイマーク症候群、JCウイルス腎症、ジュベール症候群、ケタミン関連膀胱機能障害、腎臓結石、腎結石症、コンブチャティー毒性、鉛腎症及び鉛関連腎毒性、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ欠損症(LCAT欠損症)、レプトスピラ症性腎疾患、軽鎖沈着症、単クローン性免疫グロブリン沈着症、軽鎖近位尿細管症、リドル症候群、ライトウッドオルブライト症候群、リポタンパク糸球体症、リチウム腎毒性、LMX1B変異が引き起こす遺伝性FSGS、腰痛・血尿症、ループス、全身性エリテマトーデス、ループス性腎疾患、ループス性腎炎、抗好中球細胞質抗体血清陽性を伴うループス腎炎、ループスポドサイトパチー、ライム病関連糸球体腎炎、リシン尿性タンパク不耐性リゾチーム腎症、マラリア腎症、悪性腫瘍関連腎疾患、悪性高血圧症、マラコプラキア、マックキトリック・ウィーロック症候群、MDMA(モリー;エクスタシー;3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン)と腎不全、外尿道口狭窄髄質嚢胞性腎疾患、ウロモジュリン関連腎症、若年性高尿酸血症性腎症1型、海綿腎、巨大尿管、メラミン毒性及びその腎臓、MELAS症候群、膜性増殖性糸球体腎炎膜性腎症、マスクされたIgGκ沈着を伴う膜様糸球体症、メソアメリカ腎症、代謝性アシドーシス代謝性アルカローシスメトトレキサート関連腎不全、顕微鏡的多発性血管炎、ミルクアルカリ症候群、微小変化型疾患、腎障害を伴う単クローン性免疫グロブリン血症、タンパク異常血症マウスウォッシュ毒性、MUC1腎症、多嚢胞性異形成腎、多発性骨髄腫、骨髄増殖性新生物と糸球体症、爪膝蓋骨症候群、NARP症候群、腎石灰化症、腎性全身性線維症、腎下垂症(遊走腎、腎下垂(RenalPtosis))、ネフローゼ症候群神経因性膀胱、9/11及び腎疾患、結節性糸球体硬化症非淋菌性尿道炎くるみ割り症候群、寡巨大糸球体症、口顔面指症候群、オロチン酸尿症起立性低血圧症起立性タンパク尿症、浸透圧性利尿、浸透圧性ネフローゼ、卵巣過剰刺激症候群、シュウ酸腎症、ページ腎、乳頭壊死、乳頭腎症候群(腎コロボーマ症候群孤立性腎低形成)、PARN変異と腎疾患、パルボウイルスB19と腎臓、腹膜・腎症候群、POEMS症候群、後部尿道弁足細胞陥入糸球体症、感染後糸球体腎炎、溶連菌感染後糸球体腎炎、非典型感染後糸球体腎炎、擬IgA腎症感染後糸球体腎炎(IgA優性)(Post−InfectiousGlomerulonephritis(IgA−Dominant)MimickingIgANephropathy)、結節性多発動脈炎、多発性嚢胞腎疾患、後部尿道弁、閉塞後利尿、子癇前症プロポフォール注入症候群、単クローン性IgG沈着を伴う増殖性糸球体腎炎(Nasr病)、プロポリスミツバチ樹脂)関連腎不全、タンパク尿症(尿中タンパク質)、偽性高アルドステロン症、偽性低重炭酸塩血症、偽性副甲状腺機能低下症、肺腎症候群、腎盂腎炎(腎感染症)、腎症、ピリジウムと腎不全、放射線腎症、ラノラジンと腎臓、再栄養症候群、逆流性腎症、急速進行性糸球体腎炎腎膿瘍腎周囲膿瘍、腎無形成、腎弓状静脈微小血栓関連急性腎傷害、腎動脈突発性腎動脈解離腎動脈狭窄症、腎細胞癌、腎嚢胞、運動誘発性急性腎不全を伴う腎性低尿酸血症腎梗塞腎性骨ジストロフィー腎尿細管アシドーシスレニン変異、常染色体優性尿細管間質性腎疾患、レニン分泌腫瘍傍糸球体細胞腫)、リセットオスモスタット、下大静脈後尿管、後腹膜線維症、横紋筋融解症、肥満外科手術に関連する横紋筋融解症、関節リウマチ関連腎疾患、サルコイドーシス腎症、腎臓及び大脳塩類喪失住血吸虫症と糸球体疾患、シムケ免疫性骨形成不全、強皮症腎クリーゼ蛇行腓骨多嚢胞腎(SerpentineFibula−PolycysticKidney)症候群、エクスナー(Exner)症候群、鎌状赤血球腎症、シリカ曝露及び慢性腎疾患スリランカ農民の腎疾患、シェーグレン症候群及び腎疾患、合成大麻の使用と急性腎傷害、造血細胞移植後の腎疾患、幹細胞移植に関連する腎疾患、TAFRO症候群、おトースト低ナトリウム血症、テノホビル誘発性腎毒性、菲薄基底膜病、良性家族性血尿、単クローン性免疫グロブリン血症関連血栓性微小血管症戦争腎炎、膀胱三角部炎、泌尿生殖器結核結節性硬化症尿細管形成不全症、近位尿細管刷子縁に対する自己抗体起因の免疫複合体性尿細管間質性腎炎、腫瘍溶解症候群、尿毒症、尿毒症性視神経症、嚢胞性尿管炎、尿管瘤、尿道カルンクル、尿道狭窄症尿失禁尿路感染症、尿路閉塞、泌尿生殖器、ウロモジュリン関連腎疾患、バンコマイシン関連円柱腎症、血管運動性腎症、膀胱腸瘻、膀胱尿管逆流症、VGEF阻害と腎血栓性微小血管症、揮発性麻酔薬と急性腎傷害、フォンヒッペル・リンドウ病、ワルデンストレームマクログロブリン血症性糸球体腎炎、ワルファリン関連腎症、蜂刺傷と急性腎傷害、ウェゲナー肉芽腫症、多発性血管炎性肉芽腫症、ウエストナイルウイルスと慢性腎疾患、ワンダーリッヒ症候群、ゼルウィガー症候群、または脳肝腎症候群からなる群より選択される、請求項40に記載の組成物。

請求項57

前記難聴が、ミトコンドリア遺伝非症候群性難聴及び聴覚消失有毛細胞死、加齢性難聴騒音性難聴、遺伝子的または遺伝性難聴、聴毒性曝露の結果として経験される難聴、疾患に起因する難聴、ならびに外傷に起因する難聴からなる群より選択される、請求項40に記載の組成物。

請求項58

前記眼疾患が、白内障緑内障小胞体(ER)ストレスオートファジー欠損加齢性黄斑変性(AMD)、または糖尿病性網膜症である、請求項40に記載の組成物。

請求項59

神経変性疾患、白質ジストロフィー、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患、ウイルス感染症、皮膚疾患、線維性疾患、ヘモグロビン病、腎疾患、難聴、眼疾患、筋骨格系疾患、代謝疾患、もしくはミトコンドリア性疾患、またはeIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の機能障害に関連する疾患あるいは障害を治療するための第2の薬剤をさらに含む、請求項40〜58のいずれか1項に記載の組成物。

請求項60

請求項1〜38のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、もしくは立体異性体を含む、eIF2Bの活性またはレベル、eIF2αの活性またはレベル、あるいはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の活性またはレベルの調節に関連する疾患の治療に使用するための組成物。

請求項61

前記調節が、eIF2Bの活性またはレベルの増加、eIF2αの活性またはレベルの増加、あるいはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の活性またはレベルの増加を含む、請求項60に記載の組成物。

請求項62

前記疾患が、eIF2経路の構成因子に関連する遺伝子またはタンパク質の配列に対する変異によって生じ得る、請求項60に記載の組成物。

請求項63

対象におけるがんの治療方法であって、式(I)の化合物を免疫療法剤との併用で前記対象に投与することを含む、前記方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月02日出願の米国仮出願第62/580,802号及び2018年3月14日出願の米国仮出願第62/643,073号の優先権を主張し、上記出願はそれらの全体が参照により本明細書に援用される。

背景技術

0002

背景
後生動物においては、多様なストレスシグナルが、単一の、共通のエフェクターである翻訳開始因子eIF2αのセリン51におけるリン酸化事象収束する。このステップは、哺乳動物細胞中の4種のeIF2αキナーゼ、すなわち、小胞体ER)中の折り畳み不全タンパク質(unfolded proteins)の蓄積応答するPERK、アミノ酸飢餓及びUV光に応答するGCN2、ウイルス感染及び代謝ストレスに応答するPKR、ならびにヘム欠乏に応答するHRIによって実行される。この一群シグナル伝達経路は、同一の分子事象に収束することから、「統合ストレス応答」(ISR)と呼ばれている。eIF2αのリン酸化により翻訳減衰し、その結果、細胞が様々なストレスに対処することができるようになる(Wek,R.C.et al,Biochem Soc Trans (2006) 34(Pt 1):7−11(非特許文献1))。

0003

eIF2(3種のサブユニット、α、β、γから構成される)はGTPイニシエーターMet−tRNAとを結合させて3者複合体(eIF2−GTP−Met−tRNAi)を形成し、次いで該複合体は40Sリボソームサブユニットと結合し、mRNAの5’UTRを走査して、開始AUGコドンを選択する。eIF2は、そのαサブユニットがリン酸化されると、そのGTP交換因子(GEF)であるeIF2Bの競合阻害因子となる(Hinnebusch,A.G.and Lorsch,J.R.Cold Spring Harbor Perspect Biol (2012) 4(10)(非特許文献2))。リン酸化eIF2がeIF2Bに強力且つ非生産的に結合することにより、eIF2のGTPとの複合体の供給が妨げられ、延いては3者複合体の形成が遮断され、翻訳開始が低下する(Krishnamoorthy,T.et al,Mol Cell Biol (2001) 21(15):5018−5030(非特許文献3))。eIF2BはeIF2よりも量が少ないため、eIF2全体のごく一部のみをリン酸化しても、細胞中のeIF2Bの活性に劇的な影響が生じる。

0004

eIF2Bは、eIF2B1〜eIF2B5の5種の異なるサブユニットから構成される複雑な分子機械である。eIF2B5は、GDP/GTP交換反応触媒し、部分的に相同なサブユニットeIF2B3と共に「触媒コア」を構成する(Williams,D.D.et al,J Biol Chem (2001) 276:24697−24703(非特許文献4))。残りの3種のサブユニット(eIF2B1、eIF2B2、及びeIF2B4)も互いに相同性が高く、eIF2Bの基質eIF2に対する結合部位を提供する「調節性部分複合体」を形成する(Dev,K.et al,Mol Cell Biol (2010) 30:5218−5233(非特許文献5))。eIF2におけるGTPによるGDPの交換は、それ専用のグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)eIF2Bによって触媒される。eIF2Bは、細胞中に10量体(B12B22B32B42B52)または2種の5量体の2量体として存在する(Gordiyenko,Y.et al,Nat Commun (2014) 5:3902(非特許文献6);Wortham,N.C.et al,FASEB J (2014) 28:2225−2237(非特許文献7))。ISRIBなどの分子は、eIF2B二量体高次構造相互作用して該構造を安定化し、それによって固有のGEF活性亢進し、eIF2αのリン酸化の細胞効果に対する細胞の感受性が低下する(Sidrauski,C.et al,eLife (2015) e07314(非特許文献8);Sekine,Y.et al,Science (2015) 348:1027−1030(非特許文献9))。したがって、eIF2B活性を調節することができる小分子治療薬は、UPRのPERK分岐及びISR全体を減衰させる潜在能力をもつ可能性があり、それ故に、神経変性疾患白質ジストロフィーがん炎症性疾患筋骨格系疾患、または代謝疾患などの様々な疾患の予防及び/または治療に使用できる可能性がある。

先行技術

0005

Wek,R.C.et al,Biochem Soc Trans (2006) 34(Pt 1):7−11
Hinnebusch,A.G.and Lorsch,J.R.Cold Spring Harbor Perspect Biol (2012) 4(10)
Krishnamoorthy,T.et al,Mol Cell Biol (2001) 21(15):5018−5030
Williams,D.D.et al,J Biol Chem (2001) 276:24697−24703
Dev,K.et al,Mol Cell Biol (2010) 30:5218−5233
Gordiyenko,Y.et al,Nat Commun (2014) 5:3902
Wortham,N.C.et al,FASEB J (2014) 28:2225−2237
Sidrauski,C.et al,eLife (2015) e07314
Sekine,Y.et al,Science (2015) 348:1027−1030

0006

本開示は、少なくとも部分的に、eIF2Bの調節(例えば、eIF2Bの活性化)及びISRシグナル伝達経路の減衰のための化合物組成物、及び方法に関する。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物水和物、互変異性体、N−オキシド、もしくは立体異性体を含むeIF2B調節剤(例えば、eIF2B活性化剤)が本明細書で開示される。他の実施形態において、疾患または障害、例えば、神経変性疾患、白質ジストロフィー、がん、炎症性疾患、筋骨格系疾患、代謝疾患、またはeIF2BもしくはISR経路(例えば、eIF2経路)の構成因子機能障害に関連する疾患または障害の治療のための、式(I)の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体の使用方法が本明細書で開示される。

0007

例えば、式(I):

の化合物であって、
式中、
Dは、架橋二環式シクロアルキル、架橋二環式ヘテロシクリル、もしくはキュバニルであり、ここで、それぞれの架橋二環式シクロアルキル、架橋二環式ヘテロシクリル、もしくはキュバニルは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜4個のRXで置換されていてもよく、架橋二環式ヘテロシクリルが、置換可能な窒素部分を含有する場合、置換可能な窒素はRN1によって置換されていてもよく、
L1は、結合、C1〜C6アルキレン、2〜7員ヘテロアルキレン、もしくは−O−であり、ここで、C1〜C6アルキレンもしくは2〜7員ヘテロアルキレンは、1〜5個のRL1で置換されていてもよく、
R1は、水素もしくはC1〜C6アルキルであり、
Wは、5〜6員単環式ヘテロアリールであり、ここで、5〜6員単環式ヘテロアリールは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜3個のRWで置換されていてもよく、5〜6員単環式ヘテロアリールが、置換可能な窒素部分を含有する場合、置換可能な窒素は、RN2で置換されていてもよく、
A及びZはそれぞれ独立に、フェニルもしくは5〜6員ヘテロアリールであり、ここで、それぞれのフェニルもしくは5〜6員ヘテロアリールは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜5個のRYで置換されていてもよく、5〜6員ヘテロアリールが、置換可能な窒素部分を含有する場合、置換可能な窒素は、RN3で置換されていてもよく、
それぞれのRL1は独立に、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、オキソ、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−SRE、−S(O)RD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RN1は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C2〜C6アルキル、ハロ−C2〜C6アルキル、アミノ−C2〜C6アルキル、シアノ−C2〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RN2は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C2〜C6アルキル、ハロ−C2〜C6アルキル、アミノ−C2〜C6アルキル、シアノ−C2〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RN3は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C2〜C6アルキル、ハロ−C2〜C6アルキル、アミノ−C2〜C6アルキル、シアノ−C2〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RWは独立に、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルコキシ、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、オキソ、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−S(RF)m、−S(O)RD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
それぞれのRXは独立に、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、オキソ、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−SRE、−S(O)RD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
それぞれのRYは独立に、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルコキシ、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−S(RF)m、−S(O)RD、−S(O)2RD、及びG1からなる群から選択されるか、または
隣接する原子上の2個のRY基が、それらが結合する原子と共に、3〜7員縮合シクロアルキル、3〜7員縮合ヘテロシクリル、縮合アリール、もしくは5〜6員縮合ヘテロアリールを形成し、これらのそれぞれは1〜5個のRXで置換されていてもよく、
それぞれのG1は独立に、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリルアリール、もしくは5〜6員ヘテロアリールであり、ここで、それぞれの3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、アリール、もしくは5〜6員ヘテロアリールは、1〜3個のRZで置換されていてもよく、
それぞれのRZは独立に、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RAは、各存在について、独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、もしくは−C(O)ORDであり、
RB及びRCのそれぞれは独立に、水素もしくはC1〜C6アルキルであるか、または
RB及びRCが、それらが結合する原子と共に、1〜3個のRZで置換されていてもよい3〜7員ヘテロシクリル環を形成し、
それぞれのRDは独立に、C1〜C6アルキルもしくはハロ−C1〜C6アルキルであり、
それぞれのREは独立に、水素、C1〜C6アルキル、もしくはハロ−C1〜C6アルキルであり、
それぞれのRFは独立に、水素、C1〜C6アルキル、もしくはハロであり、
mは、RFが水素もしくはC1〜C6アルキルの場合に1であり、RFがC1〜C6アルキルの場合に3であり、またはRFがハロの場合に5である、
化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体が本明細書で開示される。

0008

いくつかの実施形態において、Dは、それぞれが1〜4個のRXで置換されていてもよい、架橋二環式シクロアルキルまたは架橋二環式ヘテロシクリルである。

0009

いくつかの実施形態において、Dは、それぞれが1〜4個のRXで置換されていてもよい、架橋二環式5〜8員シクロアルキルまたは架橋二環式5〜8員ヘテロシクリルである。

0010

いくつかの実施形態において、Dは、それぞれが1〜4個のRX基で置換されていてもよい、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、または2−アザビシクロ[2.2.2]オクタンである。

0011

いくつかの実施形態において、Dは、

である。

0012

いくつかの実施形態において、Dは、

である。

0013

いくつかの実施形態において、Dは、RXで置換されていない。

0014

いくつかの実施形態において、Dは、

である。

0015

いくつかの実施形態において、Dは、1または2個のRXで置換されている。

0016

いくつかの実施形態において、Dは、

である。

0017

いくつかの実施形態において、それぞれのRXは独立に、オキソ、−OH、−C(O)OH、−C(O)ORD、ハロ、及びヒドロキシ−C1〜C6アルキルからなる群から選択される。

0018

いくつかの実施形態において、L1は、結合、2〜7員ヘテロアルキレン、または−O−であり、ここで、2〜7員ヘテロアルキレンは、1〜5個のRL1によって置換されていてもよい。

0019

いくつかの実施形態において、L1は、結合、2〜7員ヘテロアルキレン、または−O−であり、ここで、2〜7員ヘテロアルキレンは、RL1によって置換されていない。

0020

いくつかの実施形態において、L1は、結合、CH2O−*、CH2OCH2−*、または−O−から選択され、ここで、「−*」は、Aへの結合点を示す。

0021

いくつかの実施形態において、R1は、水素またはCH3である。

0022

いくつかの実施形態において、A及びZのそれぞれは独立に、フェニルまたは5〜6員ヘテロアリールであり、ここで、それぞれのフェニルまたは5〜6員ヘテロアリールは、1〜5個のRYで置換されていてもよく、それぞれのRYは独立に、C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、−ORA、またはG1である。

0023

いくつかの実施形態において、A及びZのそれぞれは独立に、フェニル、ピリジルイソオキサゾリルピリミジニル、またはピラゾリルであり、これらのそれぞれが、1〜5個のRY基で置換されていてもよい。

0024

いくつかの実施形態において、A及びZのそれぞれは、

からなる群から選択される。

0025

いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、またはイソオキサゾリルであり、これらのそれぞれは、1〜2個のRY基で置換されていてもよい。

0026

いくつかの実施形態において、Aは、


からなる群から選択される。

0027

いくつかの実施形態において、Zは、フェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、またはピラゾリルであり、これらのそれぞれが、1〜3個のRY基で置換されていてもよい。

0028

いくつかの実施形態において、Zは、

(式中、RN3は、水素またはCH3である)
からなる群から選択される。

0029

いくつかの実施形態において、それぞれのRYは独立に、水素、クロロ、フルオロ、CF3、CHF2、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、OCH3、OCH(CH3)2、またはCNである。

0030

いくつかの実施形態において、Wは、オキサジアゾールピロールイミダゾールピラゾールトリアゾール、またはオキサゾール部分であり、これらのそれぞれが、1〜3個のRW基で置換されていてもよく、それぞれのRWが独立に、C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、または−ORAである。

0031

いくつかの実施形態において、Wは、1,3,4−オキサジアゾールまたは1,2,4−オキサジアゾールである。

0032

いくつかの実施形態において、Wは、1,2,4−トリアゾールである。

0033

いくつかの実施形態において、Wは、

(式中、それぞれのRWは独立に、水素、クロロ、フルオロ、CF3、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、及びCNからなる群から選択され、RN2は、水素またはCH3である)
からなる群から選択される。

0034

いくつかの実施形態において、Wは、

からなる群から選択される。

0035

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−a):

の化合物であって、
式中、
Dは、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルもしくはビシクロ[2.2.2]オクタニルであり、これらのそれぞれが、1〜4個のRX基で置換されていてもよく、
L1は、CH2O−*、CH2OCH2−*、もしくは−O−であり、ここで、「−*」は、Aへの結合点を示し、
Wは、オキサジアゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、もしくはオキサゾール部分であり、これらのそれぞれは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜3個のRW基で置換されていてもよく、イミダゾール及びトリアゾールは、利用可能な窒素上で水素もしくはCH3で置換されていてもよく、
Aは、フェニル、イソオキサゾリル、もしくはピリジルであり、これらのそれぞれは、1〜5個のRY基で置換されていてもよく、
Zは、フェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、もしくはピラゾリルであり、これらのそれぞれは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜5個のRY基で置換されていてもよく、ピラゾリルは、利用可能な窒素上で水素もしくはCH3で置換されていてもよく、
それぞれのRWは独立に、クロロ、フルオロ、CF3、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、もしくはCNであり、
それぞれのRXは独立に、フルオロ、オキソ、OH、OCH3、C(O)OH、もしくはC(O)OCH3であり、
それぞれのRYは独立に、クロロ、フルオロ、CF3、CHF2、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、OCH3、OCH(CH3)2、もしくはCNであるか、または
隣接する原子上の2個のRY基が、それらが結合する原子と共に、フラニル環、ピロリル環、もしくはジオキソラニル環を形成し、これらのそれぞれは、1〜2個のRXで置換されていてもよく、
R1は、水素である、
化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0036

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−b):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0037

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−c):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0038

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−d):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0039

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−e−1)、式(I−e−2)、式(I−e−3)、式(I−e−4)、式(I−e−5)、式(I−e−6)、式(I−e−7)、式(I−e−8)、または式(I−e−9):


の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0040

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−f):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0041

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−g):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0042

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−h):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体(式中、W、Z、及びRYのそれぞれは、式(I)について定義されたとおりである)である。

0043

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−i−1)、式(I−i−2)、式(I−i−3)、式(I−i−4)、式(I−i−5)、式(I−i−6)、式(I−i−7)、式(I−i−8)、または式(I−i−9):


の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0044

いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、開示される化合物及び薬学的に許容される担体を含む薬学的に許容される組成物として製剤化される。

0045

いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、表1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシドまたは立体異性体から選択される。

0046

別の態様において、本発明は、対象における神経変性疾患、白質ジストロフィー、がん、炎症性疾患、筋骨格系疾患、代謝疾患、ミトコンドリア性疾患、あるいはeIF2BもしくはISR経路(例えば、eIF2経路)の構成因子の機能障害に関連する疾患または障害の治療方法であって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシドもしくは立体異性体、あるいはその組成物を対象に投与することを含む上記方法を特徴とする。

0047

いくつかの実施形態において、上記方法は神経変性疾患の治療を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、白質消失病、中枢神経ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症、白質ジストロフィー、白質脳症、ミエリン形成不全もしくは脱髄疾患知的障害症候群進行性核上麻痺大脳皮質基底核変性症副腎白質ジストロフィーX連鎖副腎白質ジストロフィー、脳副腎白質ジストロフィー、ペリツェウスメルツバッヒャー病、クラッベ病、DARS2遺伝子の変異による白質ジストロフィー(場合により、脳幹及び脊髄関与ならびに乳酸上昇を伴う白質脳症(LBSL)として知られる)、DARS2関連スペクトル障害、アルツハイマー病筋萎縮性側索硬化症クロイツフェルトヤコブ病前頭側頭認知症ゲルストマンストロイスラー・シャインカー病、ハンチントン病、認知症(例えば、HIV関連認知症もしくはレビー小体型認知症)、クールー病、パーキンソン病進行性麻痺タウオパチー、またはプリオン病を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、白質消失病を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、精神疾患、例えば、広場恐怖症、アルツハイマー病、神経性食欲不振症健忘症、不安障害、双極性障害、身体醜形障害、神経性過食症閉所恐怖症うつ病妄想ディオゲネス症候群、統合運動障害不眠症ミュンヒハウゼン症候群ナルコレプシー自己愛パーソナリティ障害、強迫性障害精神障害恐怖症性障害統合失調症季節性情動障害スキイドパーソナリティ障害、夢遊症社会恐怖症物質乱用遅発性ジスキネジアトゥレット症候群、または抜毛症を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、認識機能障害または認識機能低下の症状を有する疾患または障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、統合失調症、自閉症、前頭側頭型認知症、認知症(例えば、HIV関連認知症もしくはレビー小体型認知症)、加齢関連認知症、慢性外傷性脳症、HIV誘導神経認知機能障害、HIV関連神経認知障害低酸素障害(例えば、早産児脳損傷、慢性周生期低酸素症)、外傷性脳損傷、脳卒中、または術後認知機能障害を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、知的障害症候群を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、軽度認識機能障害を含む。

0048

いくつかの実施形態において、上記方法はがんの治療を含む。いくつかの実施形態において、上記がんは、膵臓癌乳癌多発性骨髄腫、または分泌細胞の癌を含む。いくつかの実施形態において、上記方法は記憶(例えば、長期記憶)の改善のための化学療法剤と組み合わせたがんの治療を含む。

0049

いくつかの実施形態において、上記方法は炎症性疾患の治療を含む。いくつかの実施形態において、上記炎症性疾患は、術後認知機能障害、外傷性脳損傷、関節炎(例えば、関節リウマチ乾癬性関節炎、もしくは若年性特発性関節炎)、全身性エリテマトーデスSLE)、重症筋無力症糖尿病(例えば、若年発症型糖尿病もしくは1型糖尿病)、ギランバレー症候群、橋本脳炎橋本甲状腺炎強直性脊椎炎乾癬シェーグレン症候群血管炎糸球体腎炎自己免疫性甲状腺炎ベーチェット病クローン病潰瘍性大腸炎水疱性類天疱瘡サルコイドーシス魚鱗癬グレーブス眼症炎症性腸疾患アジソン病白斑喘息(例えば、アレルギー性喘息)、尋常性ざ瘡セリアック病慢性前立腺炎骨盤内炎症性疾患、再灌流傷害、サルコイドーシス、移植拒絶反応間質性膀胱炎、またはアトピー性皮膚炎を含む。

0050

いくつかの実施形態において、上記方法は筋骨格系疾患の治療を含む。いくつかの実施形態において、上記筋骨格系疾患は、筋ジストロフィー多発性硬化症フリードリヒ運動失調症、筋消耗性障害(例えば、筋萎縮症サルコペニア悪液質)、封入体ミオパチー進行性筋萎縮症運動ニューロン疾患手根管症候群上顆炎腱炎背痛筋肉痛筋肉の痛み、反復運動損傷障害、または麻痺を含む。

0051

いくつかの実施形態において、上記方法は代謝疾患の治療を含む。いくつかの実施形態において、上記代謝疾患は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、肝線維症肥満心疾患アテローム性動脈硬化症、関節炎、シスチン症フェニルケトン尿症増殖性網膜症、またはカーンズ・セイヤー病を含む。

0052

いくつかの実施形態において、上記方法はミトコンドリア性疾患の治療を含む。いくつかの実施形態において、上記ミトコンドリア性疾患は、ミトコンドリア機能障害、1種以上のミトコンドリアタンパク質変異、もしくは1種以上のミトコンドリアDNA変異に関連する、またはその結果である、またはそれによって生じる。いくつかの実施形態において、上記ミトコンドリア性疾患はミトコンドリア筋症である。いくつかの実施形態において、上記ミトコンドリア性疾患、例えば、ミトコンドリア筋症は、バース症候群、慢性進行性外眼筋麻痺(cPEO)、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)、リー症候群(例えば、MILS、すなわち母系遺伝リー症候群)、ミトコンドリアDNA枯渇症候群(MDDS、例えば、アルパース症候群)、ミトコンドリア脳筋症(例えば、ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群(MELAS))、ミトコンドリア神経性胃腸管系脳筋症(MNGIE)、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)、ニューロパチー運動失調網膜色素変性症(NARP)、レーベル遺伝性視神経症LHON)、及びピアソン症候群からなる群より選択される。

0053

別の態様において、本発明は、対象におけるeIF2Bの活性もしくはレベルの調節(例えば、抑制)、eIF2αの活性もしくはレベルの調節(例えば、抑制)、eIF2αのリン酸化の調節(例えば、亢進)、リン酸化eIF2α経路の活性の調節(例えば、亢進)、またはISR活性の調節(例えば、亢進)に関連する疾患あるいは障害の治療方法であって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシドもしくは立体異性体、あるいはその組成物を対象に投与することを含む上記方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、上記疾患は、eIF2経路(例えば、eIF2αシグナル伝達経路もしくはISR経路)の構成因子に関連する遺伝子またはタンパク質の配列に対する変異によって生じてもよい。

0054

別の態様において、本発明は、白質消失病(VWMD)または中枢神経系ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症のような白質ジストロフィーを治療する方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、白質ジストロフィーは、tRNA合成酵素におけるアミノ酸変異(例えば、アミノ酸欠失、アミノ酸付加、またはアミノ酸置換)によって特徴づけられる。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物の投与は、白質消失病(VWMD)または中枢神経系ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症のような白質ジストロフィーを有する対象においてeIF2B活性を増強する。

0055

別の態様において、本発明は、タンパク質合成を調節する(例えば、減少させる)遺伝子または遺伝子産物(例えば、RNAまたはタンパク質)におけるアミノ酸変異(例えば、アミノ酸欠失、アミノ酸付加、またはアミノ酸置換)に関連する疾患または障害を治療する方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物の投与は、対象における変異型GEF複合体の残留GEF活性を増強する。

0056

別の態様において、本発明は、対象における神経変性疾患、白質ジストロフィー、がん、炎症性疾患、筋骨格系疾患、代謝疾患、またはミトコンドリア性疾患の治療に使用するための組成物であって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシドまたは立体異性体を含む上記組成物を特徴とする。

0057

いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、白質消失病、中枢神経系ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症、白質ジストロフィー、白質脳症、ミエリン形成不全もしくは脱髄疾患、知的障害症候群、進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性症、副腎白質ジストロフィー、X連鎖副腎白質ジストロフィー、脳副腎白質ジストロフィー、ペリツェウス・メルツバッヒャー病、クラッベ病、DARS2遺伝子の変異による白質ジストロフィー(場合により、脳幹及び脊髄の関与ならびに乳酸上昇を伴う白質脳症(LBSL)として知られる)、DARS2関連スペクトル障害、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病、前頭側頭型認知症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、ハンチントン病、認知症(例えば、HIV関連認知症もしくはレビー小体型認知症)、クールー病、パーキンソン病、進行性核麻痺、タウオパチー、またはプリオン病を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、白質消失病を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、精神疾患、例えば、広場恐怖症、アルツハイマー病、神経性食欲不振症、健忘症、不安障害、双極性障害、身体醜形障害、神経性過食症、閉所恐怖症、うつ病、妄想、ディオゲネス症候群、統合運動障害、不眠症、ミュンヒハウゼン症候群、ナルコレプシー、自己愛性パーソナリティ障害、強迫性障害、精神障害、恐怖症性障害、統合失調症、季節性情動障害、スキゾイドパーソナリティ障害、夢遊症、社会恐怖症、物質乱用、遅発性ジスキネジア、トゥレット症候群、または抜毛症を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、認識機能障害または認識機能低下の症状を有する疾患または障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、統合失調症、自閉症、前頭側頭型認知症、認知症(例えば、HIV関連認知症もしくはレビー小体型認知症)、加齢関連認知症、慢性外傷性脳症、HIV誘導神経認知機能障害、HIV関連神経認知障害、低酸素障害(例えば、早産児脳損傷、慢性周生期低酸素症)、外傷性脳損傷、脳卒中、または術後認知機能障害を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、知的障害症候群を含む。いくつかの実施形態において、上記神経変性疾患は、軽度認識機能障害を含む。

0058

いくつかの実施形態において、上記がんは、膵臓癌、乳癌、多発性骨髄腫、または分泌細胞の癌を含む。いくつかの実施形態において、上記方法は記憶(例えば、長期記憶)の改善のための化学療法剤と組み合わせたがんの治療を含む。

0059

いくつかの実施形態において、上記炎症性疾患は、術後認知機能障害、外傷性脳損傷、関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、もしくは若年性特発性関節炎)、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、糖尿病(例えば、若年発症型糖尿病もしくは1型糖尿病)、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、強直性脊椎炎、乾癬、シェーグレン症候群、血管炎、糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、ベーチェット病、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、魚鱗癬、グレーブス眼症、炎症性腸疾患、アジソン病、白斑、喘息(例えば、アレルギー性喘息)、尋常性ざ瘡、セリアック病、慢性前立腺炎、骨盤内炎症性疾患、再灌流傷害、サルコイドーシス、移植拒絶反応、間質性膀胱炎、またはアトピー性皮膚炎を含む。

0060

いくつかの実施形態において、上記筋骨格系疾患は、筋ジストロフィー、多発性硬化症、フリードリヒ運動失調症、筋消耗性障害(例えば、筋萎縮症、サルコペニア、悪液質)、封入体ミオパチー、進行性筋萎縮症、運動ニューロン疾患、手根管症候群、上顆炎、腱炎、背痛、筋肉痛、筋肉の痛み、反復運動損傷障害、または麻痺を含む。

0061

いくつかの実施形態において、上記代謝疾患は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、肝線維症、肥満、心疾患、アテローム性動脈硬化症、関節炎、シスチン症、フェニルケトン尿症、増殖性網膜症、またはカーンズ・セイヤー病を含む。

0062

いくつかの実施形態において、上記ミトコンドリア性疾患は、ミトコンドリア機能障害、1種以上のミトコンドリアタンパク質変異、もしくは1種以上のミトコンドリアDNA変異に関連する、またはその結果である、またはそれによって生じる。いくつかの実施形態において、上記ミトコンドリア性疾患はミトコンドリア筋症である。いくつかの実施形態において、上記ミトコンドリア性疾患、例えば、ミトコンドリア筋症は、バース症候群、慢性進行性外眼筋麻痺(cPEO)、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)、リー症候群(例えば、MILS、すなわち母系遺伝リー症候群)、ミトコンドリアDNA枯渇症候群(MDDS、例えば、アルパース症候群)、ミトコンドリア脳筋症(例えば、ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群(MELAS))、ミトコンドリア神経性胃腸管系脳筋症(MNGIE)、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)、ニューロパチー、運動失調、網膜色素変性症(NARP)、レーベル遺伝性視神経症(LHON)、及びピアソン症候群からなる群より選択される。

0063

別の態様において、本発明は、対象におけるeIF2Bの活性もしくはレベルの調節(例えば、抑制)、eIF2αの活性もしくはレベルの調節(例えば、抑制)、eIF2αのリン酸化の調節(例えば、亢進)、リン酸化eIF2α経路の活性の調節(例えば、亢進)、またはISR活性の調節(例えば、亢進)に関連する疾患あるいは障害の治療に使用するための組成物であって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシドもしくは立体異性体を含む上記組成物を特徴とする。いくつかの実施形態において、上記疾患は、eIF2経路(例えば、eIF2αシグナル伝達経路もしくはISR経路)の構成因子に関連する遺伝子またはタンパク質の配列に対する変異によって生じてもよい。

0064

別の態様において、本発明は、白質消失病(VWMD)または中枢神経系ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症のような白質ジストロフィーの治療に使用するための組成物を特徴とする。いくつかの実施形態において、白質ジストロフィーは、tRNA合成酵素におけるアミノ酸変異(例えば、アミノ酸欠失、アミノ酸付加、またはアミノ酸置換)によって特徴づけられる。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物を含む組成物は、白質消失病(VWMD)または中枢神経系ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症のような白質ジストロフィーを有する対象においてeIF2B活性を増強する。

0065

別の態様において、本発明は、タンパク質合成を調節する(例えば、減少させる)遺伝子または遺伝子産物(例えば、RNAまたはタンパク質)におけるアミノ酸変異(例えば、アミノ酸欠失、アミノ酸付加、またはアミノ酸置換)に関連する疾患または障害の治療に使用するための組成物を特徴とする。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物を含む組成物は、対象における変異型GEF複合体の残留GEF活性を増強する。

0066

発明の詳細な説明
本発明は、例えば、eIF2Bの調節(例えば、活性化)及びISRシグナル伝達経路の減衰に使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、もしくは立体異性体を含む、化合物、組成物、及び方法を特徴とする。

0067

定義
化学的定義
以下に特定の官能基及び化学用語の定義をより詳細に説明する。元素は、元素の周期表、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.,見返し準拠して特定され、特定の官能基は、概括的には、上記Handbook中に記載のように定義される。更に、有機化学の一般的な原理、ならびに特定の官能性部分及び反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、及びCarruthers,Some Modern Methodsof Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載される。

0068

本明細書で使用される略語は、化学及び生物学分野の範囲におけるそれらの従来の意味を有する。本明細書に記載される化学構造及び式は、化学分野において知られている化学的原子価標準的な規則に従って構築される。

0069

本明細書に記載の化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでいてもよく、したがって、種々の異性体、例えば、鏡像異性体及び/またはジアステレオマーで存在していてもよい。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であってもよく、またはラセミ混合物及び1種以上の立体異性体に富む合物を含む立体異性体の混合物の形態であってもよい。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィーHPLC)及びキラル塩の形成及び結晶化を含む、当業者に公知の方法により混合物から単離することができ、または好ましい異性体を不斉合成によって製造することができる。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions (Wiley Interscience,New York,1981)、Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725 (1977)、Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962)、及びWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268 (E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照されたい。本発明は更に、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体としての、あるいは種々の異性体の混合物としての本明細書に記載の化合物を包含する。

0070

本明細書では、純粋な鏡像異性化合物は、当該化合物の他の鏡像異性体または立体異性体を実質的に含まない(すなわち、鏡像異性体過剰である)。換言すれば、当該化合物の「S」体は、該化合物の「R」体を実質的に含まず、したがって、「R」体の鏡像異性体過剰である。「鏡像異性的に純粋な」または「純粋な鏡像異性体」という用語は、当該化合物が、75重量%を超える、80重量%を超える、85重量%を超える、90重量%を超える、91重量%を超える、92重量%を超える、93重量%を超える、94重量%を超える、95重量%を超える、96重量%を超える、97重量%を超える、98重量%を超える、99重量%を超える、99.5重量%を超える、または99.9重量%を超える、当該鏡像異性体を含むことを意味する。ある特定の実施形態において、重量は、当該化合物の全ての鏡像異性体または立体異性体を基準とする。

0071

本明細書において提供される組成物において、鏡像異性的に純粋な化合物は、他の活性または不活性成分と共に存在していてもよい。例えば、鏡像異性的に純粋なR−化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の賦形剤及び約10%の鏡像異性的に純粋なR−化合物を含んでいてもよい。ある特定の実施形態において、かかる組成物中の上記鏡像異性的に純粋なR−化合物は、例えば、当該化合物の総重量を基準として、少なくとも約95重量%のR−化合物と多くとも約5重量%のS−化合物とを含んでいてもよい。例えば、鏡像異性的に純粋なS化合物を含む医薬組成物は、例えば、当該化合物の全重量を基準として、約90%の賦形剤と約10%の鏡像異性的に純粋なS化合物とを含んでいてもよい。ある特定の実施形態において、かかる組成物中の上記鏡像異性的に純粋なS−化合物は、例えば、当該化合物の全重量を基準として、少なくとも約95重量%のS−化合物と多くとも約5重量%のR−化合物とを含んでいてもよい。ある特定の実施形態において、上記活性成分を、賦形剤もしくは担体をほとんどまたは全く含まずに製剤化してもよい。

0072

本明細書に記載の化合物はまた、1つ以上の同位体置換を含んでいてもよい。例えば、Hは、1H、2H(Dまたは重水素)、及び3H(Tまたはトリチウム)を含む任意の同位体であってよく、Cは、12C、13C、及び14Cを含む任意の同位体であってよく、Oは16O及び18Oを含む任意の同位体であってよい等々である。

0073

本明細書においては、詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)の該冠詞の文法上の目的語を指すために用いることができる。例として、「1種の類似体」は1種の類似体または2種以上の類似体を意味する。

0074

値の範囲が列挙される場合、該範囲は当該範囲内の各値及び下位範囲を包含することを意図する。例えば、「C1〜C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1〜C6、C1〜C5、C1〜C4、C1〜C3、C1〜C2、C2〜C6、C2〜C5、C2〜C4、C2〜C3、C3〜C6、C3〜C5、C3〜C4、C4〜C6、C4〜C5、及びC5〜C6アルキルを包含することを意図する。

0075

以下の用語は、それらの用語で示される以下に記載の意味をもつことを意図しており、本発明の説明及び意図する範囲を理解するのに役立つ。

0076

「アルキル」とは、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状飽和炭化水素基のラジカル(「C1〜C20アルキル」)を意味する。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜12個の炭素原子を有する(「C1〜C12アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜8個の炭素原子を有する(「C1〜C8アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する(「C1〜C6アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜5個の炭素原子を有する(「C1〜C5アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する(「C1〜C4アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜3個の炭素原子を有する(「C1〜C3アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜2個の炭素原子を有する(「C1〜C2アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜C6アルキル」)。C1〜C6アルキル基の例としては、メチル(C1)、エチル(C2)、n−プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n−ブチル(C4)、tert−ブチル(C4)、sec−ブチル(C4)、イソブチル(C4)、n−ペンチル(C5)、3−ペンタニル(C5)、アミル(C5)、ネオペンチル(C5)、3−メチル−2−ブタニル(C5)、第三級アミル(C5)、及びn−ヘキシル(C6)が挙げられる。アルキル基の更なる例としては、n−ヘプチル(C7)、n−オクチル(C8)などが挙げられる。それぞれのアルキル基の例は独立に、置換されていてもよい、すなわち、非置換であってもよく(非置換アルキル)、または1個以上の置換基、例えば、1〜5個の置換基、1〜3個の置換基、もしくは1個の置換基で置換されていてもよい(「置換アルキル」)。ある特定の実施形態において、上記アルキル基は非置換C1〜C10アルキル(例えば、−CH3)である。ある特定の実施形態において、上記アルキル基は置換C1〜C6アルキルである。一般的なアルキルの略称としては、Me(−CH3)、Et(−CH2CH3)、iPr(−CH(CH3)2)、nPr(−CH2CH2CH3)、n−Bu(−CH2CH2CH2CH3)、またはi−Bu(−CH2CH(CH3)2)が挙げられる。

0077

単独でまたは別の置換基の一部としての「アルキレン」という用語は、別段の明示がない限り、−CH2CH2CH2CH2−を例とし、但しこれに限定されない、アルキルに由来する2価ラジカルを意味する。一般的には、アルキル(またはアルキレン)基は、1〜24個の炭素原子を有することとなり、本発明においては、10個以下の炭素原子を有するそれらの基が好ましい。単独でまたは別の置換基の一部としての「アルケニレン」という用語は、別段の明示がない限り、アルケンに由来する2価のラジカルを意味する。アルキレン基は、例えば、C1〜C6員アルキレンと記述されてもよく、ここで「員」という用語とは当該部分内の非水素原子を指す。

0078

アルケニル」とは、2〜20個の炭素原子及び1つ以上の炭素−炭素二重結合を有し、三重結合をもたない直鎖状または分枝鎖状の炭化水素基のラジカル(「C2〜C20アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜C10アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜C8アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜C6アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜C5アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜C4アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜C3アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。上記1つ以上の炭素−炭素二重結合は、(2−ブテニルのように)内部二重結合または(1−ブテニルのように)末端二重結合であってもよい。C2〜C4アルケニル基の例としては、エテニル(C2)、1−プロペニル(C3)、2−プロペニル(C3)、1−ブテニル(C4)、2−ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)などが挙げられる。C2〜C6アルケニル基の例としては、上述のC2〜C4アルケニル基、ならびにペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)などが挙げられる。アルケニルの更なる例としては、ヘプテニル(C7)、オクテニル(C8)、オクタトリエニル(C8)などが挙げられる。それぞれのアルケニル基の例は独立に、置換されていてもよい、すなわち、非置換であってもよく(非置換アルケニル)、または1個以上の置換基、例えば、1〜5個の置換基、1〜3個の置換基、もしくは1個の置換基で置換されていてもよい(「置換アルケニル」)。ある特定の実施形態において、上記アルケニル基は非置換のC2〜10アルケニルである。ある特定の実施形態において、上記アルケニル基は置換C2〜6アルケニルである。

0079

「アリール」とは、単環式または多環式(例えば、二環式もしくは三環式)の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列において共有される6、10、または14個のπ電子を有する)であって、当該芳香環系中に存在する6〜14個の環炭素原子を有し、ヘテロ原子をもたない上記芳香環系のラジカル(「C6〜14アリール」)を指す。いくつかの実施形態において、アリール基は6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」、例えば、フェニル)。いくつかの実施形態において、アリール基は10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」、例えば、1−ナフチル及び2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態において、アリール基は14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」、例えば、アントラシル)。アリール基は、例えば、C6〜C10員アリールと記述されてもよく、ここで「員」という用語とは当該部分内の非水環原子を指す。アリール基としては、フェニル、ナフチル、インデニル、及びテトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定はされない。それぞれのアリール基の例は独立に、置換されていてもよい、すなわち、非置換であってもよく(非置換アリール)、または1個以上の置換基で置換されていてもよい(「置換アリール」)。ある特定の実施形態において、上記アリール基は非置換C6〜C14アリールである。ある特定の実施形態において、上記アリール基は置換C6〜C14アリールである。

0080

ある特定の実施形態において、アリール基は、ハロ、C1〜C8アルキル、ハロ−C1〜C8アルキル、ハロオキシ−C1〜C8アルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ−C1〜C8アルキル、及びアミノから選択される1種以上の基で置換されている。

0081

代表的な置換アリールの例としては以下、すなわち

が挙げられ、式中、R56及びR57の一方は水素であってよく、R56及びR57の少なくとも一方はそれぞれ独立に、C1〜C8アルキル、ハロ−C1〜C8アルキル、4〜10員ヘテロシクリル、アルカノイル、アルコキシ−C1〜C8アルキル、ヘテロアリールオキシアルキルアミノアリールアミノヘテロアリールアミノ、NR58COR59、NR58SOR59、NR58SO2R59、C(O)Oアルキル、C(O)Oアリール、CONR58R59、CONR58OR59、NR58R59、SO2NR58R59、S−アルキル、S(O)−アルキル、S(O)2−アルキル、S−アリール、S(O)−アリール、S(O2)−アリールから選択されるか、またはR56とR57とが一緒になって、N、O、もしくはSの群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有していてもよい、5〜8個の原子の環式環飽和もしくは不飽和)を形成してもよい。

0082

他の代表的な、縮合ヘテロシクリル基を有するアリール基としては、以下、すなわち

が挙げられ、式中、それぞれのW’は、C(R66)2、NR66、O、及びSから選択され、それぞれのY’は、カルボニル、NR66、O、及びSから選択され、R66は独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C10シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクリル、C6〜C10アリール、及び5〜10員ヘテロアリールである。

0083

アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」は、単独でまたは別の置換基の一部として、それぞれ、アリール及びヘテロアリール由来の2価のラジカルを意味する。ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、チエニル、フラニル、インドリルベンゾオキサジアゾリルベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニルチアナフタニル、ピロロピリジニル、インダゾリルキノリニルキノキサリニルピリドピラジニルキナゾリノニル、ベンゾイソオキサゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルフリルチエニル、ピリジル、ピリミジルベンゾチアゾリルプリニル、ベンズイミダゾリルイソキノリルチアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、ジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イソチアゾリルピラゾロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、またはキノリルが挙げられる。上述の例は置換または非置換であってよく、上記のそれぞれのヘテロアリールの例の2価のラジカルは、ヘテロアリーレンの非限定的な例である。

0084

「ハロ」または「ハロゲン」は、独立にまたは別の置換基の一部として、別段の明示がない限り、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)原子を意味する。「ハライド」という用語は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、フルオリドクロリドブロミド、またはヨードを指す。ある特定の実施形態において、上記ハロ基はフッ素または塩素のいずれかである。

0085

また、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを包含することを意図する。例えば、「ハロ−C1〜C6アルキル」という用語としては、フルオロメチルジフルオロメチルトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。

0086

ヘテロアルキル」という用語は、単独または別の用語との組み合わせで、別段の明示がない限り、少なくとも1個の炭素原子ならびにO、N、P、Si、及びSからなる群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、上記窒素及び硫黄原子酸化されていてもよく、上記窒素原子四級化されていてもよい、非環式の安定な直鎖もしくは分岐鎖、またはそれらの組み合わせを意味する。上記ヘテロ原子O、N、P、S、及びSiは、当該ヘテロアルキル基の任意の内部位置、または該アルキル基が当該分子の残余の部分に結合する位置に配置されていてもよい。例示的なヘテロアルキル基としては、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2−S(O)2、−S(O)−CH3、−S(O)2−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH3)3、−CH2−CH=N−OCH3、−CH=CH−N(CH3)−CH3、−O−CH3、及び−O−CH2−CH3が挙げられるが、これらに限定はされない。例えば、−CH2−NH−OCH3及びCH2−O−Si(CH3)3のように、最大2個または3個のヘテロ原子が連続していてもよい。「ヘテロアルキル」と記載され、その後に−CH2O、−NRBRCなどの特定のヘテロアルキル基が記載される場合、ヘテロアルキル及びCH2Oまたは−NRBRCという用語は、重複するものでも相互に排他的でもない。そうではなく、明確化するために特定のヘテロアルキル基が記載される。したがって、本明細書では、「ヘテロアルキル」という用語は、−CH2O、−NRBRCなどの特定のヘテロアルキル基を除外すると解釈されるべきものではない。

0087

同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、単独でまたは別の置換基の一部として、別段の明示がない限り、−CH2O−及び−CH2CH2O−によって例示される(但し、これらに限定されない)、ヘテロアルキルに由来する2価のラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基は、例えば、2〜7員ヘテロアルキレンと記述されてもよく、ここで「員」という用語は当該部分内の非水素原子を指す。ヘテロアルキレン基については、ヘテロ原子は、連鎖末端のいずれかまたは両方を占めてもよい(例えば、アルキレンオキシアルキレンジオキシアルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。更に、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基については、当該連結基の式が書かれている方向によって該連結基の向きが含意されることはない。例えば、式−C(O)2R’−は、−C(O)2R’−及び−R’C(O)2−の両方を表し得る。

0088

「ヘテロアリール」とは、5〜10員の単環式または二環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列において共有される6もしくは10個のπ電子を有する)であって、当該芳香環系中に存在する環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有し、それぞれのヘテロ原子は独立に、窒素、酸素、及び硫黄から選択される上記芳香環系のラジカル(「5〜10員ヘテロアリール」)を指す。1個以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基においては、結合点は、原子価が許容される限り炭素または窒素原子であってよい。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環中に1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。「ヘテロアリール」はまた、上記で定義されたヘテロアリール環が1個以上のアリール基と縮合し、結合点が上記アリール環上またはヘテロアリール環上のいずれかに存在する環系も包含し、かかる場合には、環員数は上記縮合(アリール/ヘテロアリール)環系の環員数を示す。一方の環がヘテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)においては、結合点がいずれの環上に存在してもよい、すなわちヘテロ原子をもつ環上に存在してもよく(例えば、2−インドリル)、またはヘテロ原子を含有しない環上に存在してもよい(例えば、5−インドリル)。ヘテロアリール基は、例えば、6〜10員ヘテロアリールと記述されてもよく、ここで「員」という用語は当該部分内の非水素環原子を指す。

0089

いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5〜10員芳香環系であって、当該芳香環系中に環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子が存在し、それぞれのヘテロ原子は独立に、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5〜8員芳香族環系であって、当該芳香環系中に環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子が存在し、それぞれのヘテロ原子は独立に、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5〜8員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5〜6員芳香族環系であって、当該芳香環系中に環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子が存在し、それぞれのヘテロ原子は独立に、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5〜6員ヘテロアリール」)である。いくつかの実施形態において、上記5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、上記5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、上記5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基のそれぞれの例は独立に、置換されていてもよい、すなわち、非置換であってもよく(非置換ヘテロアリール)、または1個以上の置換基で置換されていてもよい(「置換ヘテロアリール」)。ある特定の実施形態において、上記ヘテロアリール基は非置換5〜14員ヘテロアリールである。ある特定の実施形態において、上記ヘテロアリール基は置換5〜14員ヘテロアリールである。

0090

例示的な1個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリール基としては、ピロリル、フラニル、及びチオフェニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な2個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリール基としては、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、及びイソチアゾリルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリール基としては、トリアゾリル、オキサジアゾリル、及びチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な4個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリール基としてはテトラゾリルが挙げられるが、これに限定はされない。例示的な1個のヘテロ原子を含有する6員ヘテロアリール基としてはピリジニルが挙げられるが、これに限定はされない。例示的な2個のヘテロ原子を含有する6員ヘテロアリール基としてはピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な3個または4個のヘテロ原子を含有する6員ヘテロアリール基としては、それぞれトリアジニル及びテトラジニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な1個のヘテロ原子を含有する7員ヘテロアリール基としては、アゼピニル、オキセピニル、及びチピニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基としては、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、及びプリニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基としては、ナフチリジニルプテリジニル、キノリニル、イソキノリニルシンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルが挙げられるが、これらに限定はされない。

0091

代表的なヘテロアリールの例としては、以下の式、すなわち

が挙げられ、式中、それぞれのYは、カルボニル、N、NR65、O、及びSから選択され、R65は独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C10シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクリル、C6〜C10アリール、及び5〜10員ヘテロアリールである。

0092

「シクロアルキル」とは、3〜10個の環炭素原子を有する非芳香族環式基のラジカル(「C3〜C10シクロアルキル」)であって、上記非芳香族環系中にヘテロ原子をもたない上記ラジカルを指す。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3〜8個の環炭素原子を有する(「C3〜C8シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は3〜6個の環炭素原子を有する(「C3〜C6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は3〜6個の環炭素原子を有する(「C3〜C6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は5〜10個の環炭素原子を有する(「C5〜C10シクロアルキル」)。シクロアルキル基は、例えば、C4〜C7員シクロアルキルと記述されてもよく、ここで「員」という用語は当該部分内の非水素環原子を指す。例示的なC3〜C6シクロアルキル基としては、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)などが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的なC3〜C8シクロアルキル基としては、上述のC3〜C6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、キュバニル(C8)、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル(C5)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル(C6)、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル(C7)などが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的なC3〜C10シクロアルキル基としては、上述のC3〜C6シクロアルキル基、ならびにシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが挙げられるが、これらに限定はされない。上述の例で説明されるように、ある特定の実施形態において、上記シクロアルキル基は、単環式(「単環式シクロアルキル」)であるか、または二環式系(「二環式シクロアルキル」)などの縮合環系、架橋環系、もしくはスピロ環系を含有し、且つ飽和であってもよく、または部分的に不飽和であってもよい。「シクロアルキル」はまた、上記で定義されたシクロアルキル環が1個以上のアリール基と縮合し、結合点が上記シクロアルキル環上に存在する環系も包含し、かかる場合には、炭素数は引き続き上記シクロアルキル環系の炭素数を示す。シクロアルキル基のそれぞれの例は独立に、置換されていてもよい、すなわち、非置換であっても(「非置換シクロアルキル」)、または1個以上の置換基で置換されていても(「置換シクロアルキル」)よい。ある特定の実施形態において、上記シクロアルキル基は非置換C3〜C10シクロアルキルである。ある特定の実施形態において、上記シクロアルキル基は置換C3〜C10シクロアルキルである。

0093

いくつかの実施形態において、「シクロアルキル」は、3〜10個の環炭素原子を有する、単環式、飽和のシクロアルキル基である(「C3〜C10シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は3〜8個の環炭素原子を有する(「C3〜C8シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は3〜6個の環炭素原子を有する(「C3〜C6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は5〜6個の環炭素原子を有する(「C5〜C6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、5〜10個の環炭素原子を有する(「C5〜C10シクロアルキル」)。C5〜C6シクロアルキル基の例としてはシクロペンチル(C5)及びシクロヘキシル(C6)が挙げられる。C3〜C6シクロアルキル基のとしては、上述のC5〜C6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C3)及びシクロブチル(C4)が挙げられる。C3〜C8シクロアルキル基の例としては、上述のC3〜C6シクロアルキル基、並びにシクロヘプチル(C7)及びシクロオクチル(C8)が挙げられる。別段の指定がない限り、シクロアルキル基のそれぞれの例は独立に、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)または1個以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある特定の実施形態において、上記シクロアルキル基は非置換C3〜C10シクロアルキルである。ある特定の実施形態において、上記シクロアルキル基は置換C3〜C10シクロアルキルである。

0094

「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」とは、環炭素原子ならびに、それぞれが独立に窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から選択される1〜4個の環ヘテロ原子を有する3〜10員非芳香族環系のラジカル(「3〜10員ヘテロシクリル」)を指す。1個以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基においては、結合点は、原子価が許容される限り炭素または窒素原子であってよい。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)、または二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)などの縮合環系、架橋環系、もしくはスピロ環系であってもよく、且つ飽和であってもよく、または部分的に不飽和であってもよい。ヘテロシクリル二環式環系は、一方または両方の環中に1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。「ヘテロシクリル」はまた、上記で定義されたヘテロシクリル環が1個以上のシクロアルキル基と縮合し、結合点が上記シクロアルキル環上もしくはヘテロシクリル環上のいずれかに存在する環系、または上記で定義されたヘテロシクリル環が1個以上のアリール基もしくはヘテロアリール基と縮合し、結合点が上記ヘテロシクリル環上に存在する環系も包含し、かかる場合には、環員数は引き続き上記ヘテロシクリル環系の環員数を示す。ヘテロシクリル基は、例えば、3〜7員ヘテロシクリルと記述されてもよく、ここで「員」という用語は当該部分内の非水素環原子、すなわち、炭素、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素を指す。ヘテロシクリルのそれぞれの例は独立に、置換されていてもよい、すなわち、非置換であっても(「非置換ヘテロシクリル」)、または1個以上の置換基で置換されていても(「置換ヘテロシクリル」)よい。ある特定の実施形態において、上記ヘテロシクリル基は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。ある特定の実施形態において、上記ヘテロシクリル基は置換3〜10員ヘテロシクリルである。

0095

いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子ならびに、それぞれが独立に窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から選択される1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員非芳香族環系(「5〜10員ヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子ならびに、それぞれが独立に窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員非芳香族環系(「5〜8員ヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子ならびに、それぞれが独立に窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員非芳香族環系(「5〜6員ヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態において、上記5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、上記5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、上記5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。

0096

例示的な、1個のヘテロ原子を含有する3員ヘテロシクリル基としては、アジリジニル(azirdinyl)、オキシラニル、チオレニル(thiorenyl)が挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、1個のヘテロ原子を含有する4員ヘテロシクリル基としては、アゼチジニルオキセタニル、及びチエタニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、1個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロシクリル基としては、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、及びピロリル−2,5−ジオンが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、2個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロシクリル基としては、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、及びオキサゾリジン−2−オンが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロシクリル基としては、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、及びチアジアゾリニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、1個のヘテロ原子を含有する6員ヘテロシクリル基としては、ピペリジニルテトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、及びチアニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、2個のヘテロ原子を含有する6員ヘテロシクリル基としては、ピペラジニルモルホリニルジチアニル、ジオキサニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、3個のヘテロ原子を含有する6員ヘテロシクリル基としてはトリアジナニルが挙げられるが、これに限定はされない。例示的な、1個のヘテロ原子を含有する7員ヘテロシクリル基としては、アゼパニル、オキセパニル、及びチエパニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、1個のヘテロ原子を含有する8員ヘテロシクリル基としては、アゾカニル、オキセカニル、及びチオカニルが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、C6アリール環に縮合した5員ヘテロシクリル基(本明細書では5,6−二環ヘテロ環式環とも呼ばれる)としては、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的な、アリール環に縮合した6員ヘテロシクリル基(本明細書では6,6−二環ヘテロ環式環とも呼ばれる)としては、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。

0097

ヘテロシクリル基の特定の例は、以下の説明のための例、すなわち、

に示され、式中、それぞれのW’’は、CR67、C(R67)2、NR67、O、及びSから選択され、それぞれのY’’は、NR67、O、及びSから選択され、R67は独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C10シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクリル、C6〜C10アリール、及び5〜10員ヘテロアリールから選択される。これらのヘテロシクリル環は、アシル、アシルアミノアシルオキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノアミノカルボニル(例えば、アミド)、アミノカルボニルアミノアミノスルホニルスルホニルアミノ、アリール、アリールオキシアジドカルボキシル、シアノ、シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ケトニトロ、チオール、−S−アルキル、−S−アリール、−S(O)−アルキル、−S(O)−アリール、−S(O)2−アルキル、及びS(O)2−アリールからなる群より選択される1個以上の基で置換されていてもよい。置換基としては、例えばラクタム及び尿素誘導体を与えるカルボニルまたはチオカルボニルが挙げられる。

0098

窒素含有ヘテロシクリル」基とは、少なくとも1個の窒素原子を含有する4〜7員非芳香族環式基、例えば、モルホリンピペリジン(例えば、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、及び4−ピペリジニル)、ピロリジン(例えば、2−ピロリジニル及び3−ピロリジニル)、アゼチジンピロリドンイミダゾリンイミダゾリジノン、2−ピラゾリンピラゾリジンピペラジン、及びN−メチルピペラジンなどのN−アルキルピペラジンを意味するが、これらに限定はされない。特定の例としては、アゼチジン、ピペリドン、及びピペラゾンが挙げられる。

0099

「アミノ」とは、ラジカル−NR70R71を指し、式中、R70及びR71はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C10シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクリル、C6〜C10アリール、及び5〜10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、アミノはNH2を指す。

0100

「シアノ」はラジカル−CNを指す。

0101

「ヒドロキシ」はラジカル−OHを指す。

0102

本明細書において定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、置換されていてもよい(例えば、「置換」もしくは「非置換」アルキル基、「置換」もしくは「非置換」アルケニル基、「置換」もしくは「非置換」アルキニル基、「置換」もしくは「非置換」シクロアルキル基、「置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル基、「置換」もしくは「非置換」アリール基、または「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、「置換された」という用語は、「されていてもよい」という用語が存在してもしなくても、基(例えば、炭素または窒素原子)上に存在する少なくとも1個の水素が、許容可能な置換基、例えば、置換に際して、安定な化合物、例えば、転位環化、脱離、またはその他の反応によるなどして、自発的に変換されることのない化合物を生じる置換基で置き換えられることを意味する。別段の指示がない限り、「置換された」基は、当該の基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、任意の所与の構造中の複数の位置が置換されている場合、それぞれの位置の当該の置換基は同一であってもまたは異なっていてもよい。「置換」という用語は、安定な化合物の形成をもたらす、本明細書に記載のいずれかの置換基などの、有機化合物の全ての許容可能な置換基での置換を包含することを企図する。本発明は、安定な化合物に到達するための、任意且つ全てのかかる組み合わせを企図する。本発明の目的に対しては、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基及び/または当該ヘテロ原子の原子価を満たし、その結果安定な部分の形成をもたらす、本明細書に記載の任意且つ適宜の置換基を有していてもよい。

0103

2個以上の置換基が一緒になって、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、またはヘテロシクロアルキル基を形成してもよい。かかる、いわゆる環形成置換基は、一般的にであって必ずしもではないが、環式基礎構造に結合しているものが存在する。一実施形態において、上記環形成置換基は、当該基礎構造の隣接する環原子に結合する。例えば、環式基礎構造の隣接する環原子に結合した2個の環形成置換基は縮合環構造を形成する。別の実施形態において、上記環形成置換基は、当該基礎構造の単一の環原子に結合する。例えば、環式基礎構造の単一の環原子に結合した2個の環形成置換基はスピロ環式構造を形成する。更に別の実施形態において、上記環形成置換基は当該基礎構造の隣接していない環原子に結合する。

0104

対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子中性を維持するために、カチオン性第四級アミノ基に伴う、負に荷電した基である。例示的な対イオンとしては、ハライドイオン(例えば、F−、Cl−、Br−、I−)、NO3−、ClO4−、OH−、H2PO4−、HSO4−、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸イオントリフルオロメタンスルホン酸イオンp−トルエンスルホン酸イオンベンゼンスルホンイオン酸、10−カンファースルホン酸イオン、ナフタレン−2−スルホン酸イオン、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホン酸イオン、エタン−1−スルホン酸−2−スルホン酸イオンなど)、及びカルボン酸イオン(例えば、酢酸イオンエタン酸イオン、プロパン酸イオン、安息香酸イオングリセリン酸イオン、乳酸イオン酒石酸イオン、グリコール酸イオンなど)が挙げられる。

0105

「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載の化合物上に存在する特定の置換基に応じて、比較的に非毒性の酸または塩基を用いて製造される当該活性化合物の塩を含むことが意図される。本発明の化合物が比較的に酸性の官能基を含有する場合、溶媒なしで、または適宜の不活性溶媒中で、かかる化合物の中性形態を十分な量の所望の塩基と接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩カリウム塩カルシウム塩アンモニウム塩有機アミノ塩、もしくはマグネシウム塩、または類似の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的に塩基性の官能基を含有する場合、溶媒なしで、または適宜の不活性溶媒中で、かかる化合物の中性形態を十分な量の所望の酸と接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸臭化水素酸硝酸炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などの無機酸から誘導される塩、ならびに酢酸プロピオン酸イソ酪酸マレイン酸マロン酸安息香酸コハク酸スベリン酸フマル酸、乳酸、マンデル酸フタル酸ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的に無毒有機酸から誘導される塩が挙げられる。アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸またはガラクツロン酸などの有機酸の塩も挙げられる(例えば、Berge et al,Journal of Pharmaceutical Science 66: 1−19 (1977)を参照のこと)。本発明のある種の特定の化合物は、該化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれにも変換することができる塩基性及び酸性官能基の両方を含有する。当業者に公知の他の薬学的に許容される担体は本発明に好適である。塩は、対応する遊離塩基形態である水性溶媒または他のプロトン性溶媒により溶解しやすい傾向がある。他の場合において、上記製剤は、第1の緩衝液、例えば、1mM〜50mMのヒスチジン、0.1%〜2%のスクロース、4.5〜5.5のpH範囲での2〜7%のマンニトール中で凍結乾燥された粉末であってよく、使用前に第2の緩衝液と混合される。

0106

したがって、本発明の化合物は、薬学的に許容される酸との塩などの塩として存在してもよい。本発明はかかる塩を包含する。かかる塩の例としては、塩酸塩臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩硝酸塩マレイン酸塩酢酸塩クエン酸塩フマル酸塩酒石酸塩(例えば、(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩、またはラセミ混合物を含むそれらの混合物)、コハク酸塩安息香酸塩、及びグルタミン酸などのアミノ酸との塩が挙げられる。これらの塩は当業者に公知の方法によって製造することができる。

0107

中性形態の本化合物は、好ましくは、当該の塩を塩基または酸と接触させ、従来の方法で親化合物を単離することによって再生される。本化合物の親形態は、極性溶媒への溶解度などの、ある特定の物理的特性が種々の塩の形態と異なる。

0108

塩形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で化学変化を容易に受けて本発明の化合物を与える化合物である。更に、プロドラッグは、エクスビボ環境における化学的または生化学的方法により、本発明の化合物に転換させることができる。例えば、プロドラッグは、適宜の酵素または化学反応剤と共に経皮パッチリザーバー中に配置すると、ゆっくりと本発明の化合物に転換させることができる。

0109

本発明のある特定の化合物は、非溶媒和形態のみならず、水和形態を含む溶媒和形態で存在してもよい。一般に、上記溶媒和形態は非溶媒和形態と均等であり、本発明の範囲内に包含される。本発明のある特定の化合物は、複数の結晶形態または非晶形態で存在してもよい。一般に、全ての物理的形態は、本発明によって企図される使用に関して均等であり、本発明の範囲内であることを意図する。

0110

本明細書では、「塩」という用語は、本発明の方法で使用される本化合物の酸塩または塩基塩を指す。許容される塩の説明のための例としては、鉱酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸など)の塩、有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸など)の塩、第四級アンモニウムヨウ化メチルヨウ化エチルなど)の塩がある。

0111

本発明のある特定の化合物は、不斉炭素原子光学的中心もしくはキラル中心)または二重結合を有し、絶対立体化学の観点から、鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体、立体異性体は、(R)−もしくは(S)−と、またはアミノ酸については(D)−もしくは(L)−と定義されてよく、個々の異性体は、本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物は、過度に不安定なために合成及び/または単離することが困難であることが当技術分野で公知の化合物を含まない。本発明は、ラセミ及び光学的に純粋な形態の化合物を含むことを意図する。光学活性な(R)−及び(S)−、または(D)−及び(L)−異性体は、キラルな出発原料またはキラルな反応剤を使用して製造するか、または従来の技法を使用して分割することができる。本明細書に記載の化合物がオレフィン性結合または幾何学的非対称の他の中心を含有する場合、別段の指定がない限り、本化合物はE及びZ幾何異性体の両方を包含することを意図する。

0112

本明細書では、「異性体」という用語は、同一の数及び原子の種類、したがって同一の分子量を有するが、原子の構造配置または構成に関して異なる化合物を指す。

0113

本明細書では、「互変異性体」という用語は、平衡状態で存在し、ある異性体から別の異性体へと容易に転換される2種以上の構造異性体の1種を指す。

0114

当業者には、本発明のある特定の化合物が互変異性体で存在していてもよく、該化合物のかかる互変異性体の全てが本発明の範囲内であることが明らかであろう。

0115

「治療する」または「治療」という用語は、傷害、疾患、病理、または疾病の治療あるいは改善の成功の証を指し、軽減;寛解;症状の低減または障害、病理、もしくは疾病を当該の患者にとってより許容可能なものにすること;変性もしくは衰退減速させること;変性の最終点衰弱がより低いものとすること;患者の肉体的もしくは精神的健康を改善することなどの客観的または主観パラメータを含む。症状の治療または改善は、身体検査神経精神医学的検査、及び/または精神医学的評価の結果を含む客観的または主観的パラメータに基づいていてもよい。例えば、本明細書のある特定の方法は、がん(例えば、膵臓癌、乳癌、多発性骨髄腫、分泌細胞の癌)、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭型認知症)、白質ジストロフィー(例えば、白質消失病、中枢神経系ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症)、術後認知機能障害、外傷性脳損傷、脳卒中、脊髄損傷、知的障害症候群、炎症性疾患、筋骨格系疾患、代謝疾患、あるいはeIF2BもしくはISRを含むシグナル変換経路すなわちシグナル伝達経路の構成因子の機能障害及びeIF2経路の活性の低下に関連する疾患または障害を治療する。例えば、本明細書のある特定の方法は、がんの発生、成長転移、もしくは進行を減少させるまたは低減するまたは防止することによって、あるいはがんの症状を減少させることによってがんを治療し;精神的健康を改善する、精神機能を高める、精神機能の低下を減速させる、認知症を減少させる、認知症の発症を遅延させる、認知能力を改善する、認知能力の消失を減少させる、記憶を改善する、記憶の低下を減少させる、神経変性の症状を減少させる、または生存延長させることによって神経変性を治療し;白質消失病の症状を低減するまたは白質の消失を低減するまたはミエリンの消失を低減するまたはミエリンの量を増加させるまたは白質の量を増加させることによって白質消失病を治療し;中枢神経系ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症の症状を減少させるまたはミエリンのレベルを増加させるまたはミエリンの消失を減少させることによって中枢神経系ミエリン形成不全を伴う小児運動失調症を治療し;知的障害症候群の症状を減少させることによって知的障害症候群を治療し;炎症性疾患の症状を治療することによって炎症性疾患を治療し;筋骨格系疾患の症状を治療することによって筋骨格系疾患を治療し;あるいは代謝疾患の症状を治療することによって代謝疾患を治療する。本明細書に記載の疾患、障害、または疾病(例えば、がん、神経変性疾患、白質ジストロフィー、炎症性疾患、筋骨格系疾患、代謝疾患、またはeIF2BまたはeIF2経路、eIF2αのリン酸化、もしくはISR経路を含むシグナル変換経路の構成因子の機能障害に関連する疾病または疾患)の症状は公知であるか、あるいは当業者が判定することができる。「治療する」という用語及びその活用形は、傷害、病理、疾病、または疾患の予防(例えば、本明細書に記載の疾患、障害、または疾病の1種以上の症状の発症の予防)を包含する。

0116

「有効量」とは、表明された目的(例えば、薬を投与する目的である効果を達成する、疾患を治療する、酵素活性を低下させる、酵素活性を増大させる、または疾患もしくは疾病の1種以上の症状を低減する)を達成するのに十分な量である。「有効量」の例は、疾患の症状もしくは複数の症状の治療、予防、または低減に寄与するのに十分な量であり、「治療有効量」とも呼ばれる場合もある。薬物の「予防的有効量」とは、対象に投与されたときに、例えば、傷害、疾患、病理、もしくは疾病の発症(もしくは再発)を防止するまたは遅延させる、あるいは傷害、疾患、病理、もしくは疾病、またはそれらの症状の発症(もしくは再発)の可能性を低減する、意図した予防効果を生じることとなる薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1回の投与で生じるとは限らず、一連の投与の後に初めて生じる場合もある。したがって、予防的有効量は、1回または複数回の投与で投与されてもよい。正確な量は当該の治療の目的に依存することとなり、当業者であれば公知の技法を用いて確認することができる(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms (vols.1−3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999);Pickar,Dosage Calculations (1999);及びRemington: The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams & Wilkinsを参照のこと)。

0117

1種以上の症状の「低減」(及びこの表現の文法的な同等表現)とは、当該の症状(複数可)の重篤度もしくは頻度を減少させること、または、当該の症状(複数可)の排除を意味する。

0118

疾患(例えば、本明細書に記載の疾患もしくは障害、例えば、がん、神経変性疾患、白質ジストロフィー、炎症性疾患、筋骨格系疾患、代謝疾患、またはeIF2BまたはeIF2経路、eIF2αのリン酸化、もしくはISR経路を含むシグナル変換経路の構成因子の機能障害に関連する疾患または障害)に関連する物質もしくは物質の活性または機能の文脈における「関連する」または「〜に関連する」という用語は、当該の疾患が、(全体的にもしくは部分的に)当該の物質もしくは物質の活性または機能によって起こる、あるいは当該の疾患の症状が(全体的にもしくは部分的に)当該の物質もしくは物質の活性または機能によって起こることを意味する。例えば、eIF2Bの機能障害に関連する疾患または疾病の症状は、eIF2B活性の低下(例えば、eIF2Bの活性もしくはレベルの低下、eIF2αのリン酸化またはリン酸化eIF2αの活性の増加、またはeIF2活性の低下またはリン酸化eIF2αシグナル伝達経路もしくはISRシグナル伝達経路の活性の増加に(全体的にもしくは部分的)に起因する症状である場合がある。本明細書では、疾患に関連すると記載されるもの(原因物質である場合)は、当該の疾患の治療の標的となり得る。例えば、eIF2活性またはeIF2経路の活性の低下に関連する疾患は、eIF2またはeIF2経路のレベルまたは活性の増加、あるいはリン酸化eIF2αの活性またはISR経路の低下に有効な薬剤(例えば、本明細書に記載の化合物)によって治療され得る。例えば、リン酸化eIF2αに関連する疾患は、リン酸化eIF2αまたはリン酸化eIF2αの下流の構成因子もしくはエフェクターの活性のレベルを低下させるのに有効な薬剤(例えば、本明細書に記載の化合物)によって治療され得る。例えば、eIF2αに関連する疾患は、eIF2またはeIF2薬剤の下流の構成因子もしくはエフェクターの活性のレベルを上昇させるのに有効な薬剤(例えば、本明細書に記載の化合物)によって治療され得る。

0119

対照」または「対照実験」は、その平易な通常の意味に従って用いられ、実験の対象または試薬が、実験の手順、試薬、または可変要素割愛することを除いて、並列実験と同様に処理される実験を指す。場合により、対照は実験の効果を評価する際の比較の基準として用いられる。

0120

「接触させる」は、その平易な通常の意味に従って用いられ、少なくとも2種の異なる種(例えば、生体分子を含む化学化合物、または細胞)を、反応する、相互作用する、または物理的に接触するのに十分に近接させる過程を指す。しかしながら、得られる反応生成物は、添加された反応剤間の反応から直接生成してもよく、または反応混合物中で生成してもよい、1種以上の添加された反応剤由来の中間体から生成してもよいことが理解されるべきである。「接触させる」という用語は、2種の種を反応させる、相互作用させる、または物理的に接触させることであって、上記2種の種が、本明細書に記載の化合物、及びタンパク質または酵素(例えば、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子)である上記反応、相互作用、または接触させることを包含してもよい。いくつかの実施形態において、接触させることは、本明細書に記載の化合物を、シグナル伝達経路に関与するタンパク質または酵素(例えば、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子)と相互作用させることを包含する。

0121

本明細書で定義される、タンパク質−阻害剤(例えば、アンタゴニスト)相互作用に関する「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などの用語は、上記阻害剤の非存在下における上記タンパク質の活性または機能に比較して、上記タンパク質の活性または機能に悪影響を与える(例えば、低下させる)ことを意味する。いくつかの実施形態において、阻害とは、疾患または疾患の症状の低減を指す。いくつかの実施形態において、阻害とは、シグナル変換経路、すなわちシグナル伝達経路の活性の低下を指す。したがって、阻害は、少なくとも一部は、刺激を部分的にまたは完全に遮断すること、活性化を減少させる、防止する、または遅延させること、あるいはシグナル変換またはタンパク質の酵素活性もしくは量を、不活性化除感作、または下方制御することを包含する。いくつかの実施形態において、阻害は、シグナル変換経路、すなわちシグナル伝達経路(例えば、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路、eIF2αのリン酸化によって活性化される経路、もしくはISR経路の構成因子)の活性の低下を指す。したがって、阻害は、少なくとも一部は、刺激を部分的にまたは完全に減少させること、活性化を減少または低下させること、あるいはシグナル変換または、疾患において増加したタンパク質(例えば、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子であって、それぞれが、がん、神経変性疾患、白質ジストロフィー、炎症性疾患、筋骨格系疾患、もしくは代謝疾患に関連する上記構成因子)の酵素活性もしくは量を、不活性化、除感作、または下方制御することを包含してもよい。阻害は、少なくとも一部は、刺激を部分的にまたは完全に減少させること、活性化を減少または低下させること、あるいはシグナル変換または、別のタンパク質のレベルを調節し得る、または細胞の生存期間を増加させ得るタンパク質(例えば、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子)の酵素活性もしくは量を、不活性化、除感作、または下方制御することを包含してもよい(例えば、リン酸化eIF2α経路の活性の低下により、非疾患の対照と比較してリン酸化eIF2α経路の活性が増加する場合と増加しない場合とがある細胞における細胞生存期間が増加する場合があり、またはeIF2α経路の活性の低下により、非疾患の対照と比較してeIF2α経路の活性が増加する場合と増加しない場合とがある細胞における細胞生存期間が増加する場合がある)。

0122

本明細書で定義される、タンパク質−活性化剤(例えばアゴニスト)相互作用に関する「活性化(activation)」、「活性化する(activate)」、「活性化する(activating)」などは、上記タンパク質(例えば、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子)の活性または機能に、上記活性化剤(例えば、本明細書に記載の化合物)の非存在下における上記タンパク質の活性または機能に比較して、肯定的な影響を与える(例えば、増加させる)ことを意味する。いくつかの実施形態において、活性化とは、シグナル伝達経路(signal transduction pathway)すなわちシグナル伝達経路(signaling pathway)(例えば、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子)の活性の増加を指す。したがって、活性化は、刺激を、少なくとも部分的に、部分的に、または完全に増加させること、活性化を増加させるまたは可能にすること、あるいはシグナル伝達または疾患において減少したタンパク質(例えば、がん、神経変性疾患、白質ジストロフィー、炎症性疾患、筋骨格系疾患、もしくは代謝疾患に関連するeIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子のレベル)の酵素活性もしくは量を、活性化、感作、または上方制御することを包含してもよい。活性化は、刺激を、少なくとも部分的に、部分的に、または完全に増加させること、活性化を増加させるまたは可能にすること、あるいはシグナル伝達または、別のタンパク質のレベルを調節する、または細胞の生存期間を増加させる場合があるタンパク質(例えば、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子)の酵素活性もしくは量を、活性化、感作、または上方制御することを包含してもよい(例えば、eIF2αの活性の増加により、非疾患の対照と比較してeIF2αの活性が低下する場合と低下しない場合とがある細胞における細胞生存期間が増加する場合がある)。

0123

「調節」という用語は、標的分子のレベルもしくは標的分子の機能の増加または減少を指す。いくつかの実施形態において、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の調節によって、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子に関連する疾患(がん、神経変性疾患、白質ジストロフィー、炎症性疾患、筋骨格系疾患、または代謝疾患)、あるいはeIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子によって起こるのではないが、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の調節(例えば、eIF2B、eIF2α、もしくはeIF2経路の構成因子のレベルまたは活性のレベルを低下させること)の恩恵を受ける疾患の1種以上の症状の重篤度が低減する場合がある。

0124

本明細書では、「調節剤」という用語は、標的分子のレベルまたは標的分子の機能の調節(例えば、増加または減少)を指す。実施形態において、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の調節剤は抗がん剤である。実施形態において、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の調節剤は神経保護剤である。実施形態において、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の調節剤は記憶増強剤である。実施形態において、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の調節剤は、記憶増強剤(例えば、長期記憶増強剤)である。実施形態において、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の調節剤は抗炎症剤である。いくつかの実施形態において、eIF2B、eIF2α、またはeIF2経路もしくはISR経路の構成因子の調節剤は鎮痛剤である。

0125

それを必要とする「患者」または「対象」という用語は、本明細書において提供される化合物もしくは医薬組成物を投与することによって治療することができる疾患または疾病に罹患したあるいは罹患しやすい生存生物を指す。非限定的な例は、ヒト、他の哺乳動物ウシラットマウスイヌサルヤギヒツジ乳牛シカ、及び他の非哺乳動物である。いくつかの実施形態において、患者はヒトである。いくつかの実施形態において、患者は飼育動物である。いくつかの実施形態において、患者はイヌである。いくつかの実施形態において、患者はオウムである。いくつかの実施形態において、患者は家畜である。いくつかの実施形態において、患者は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、患者はネコである。いくつかの実施形態において、患者はウマである。いくつかの実施形態において、患者はウシである。いくつかの実施形態において、患者はイヌ科動物である。いくつかの実施形態において、患者はネコ科動物である。いくつかの実施形態において、患者は類人猿である。いくつかの実施形態において、患者はサルである。いくつかの実施形態において、患者はマウスである。いくつかの実施形態において、患者は実験動物である。いくつかの実施形態において、患者はラットである。いくつかの実施形態において、患者はハムスターである。いくつかの実施形態において、患者は試験動物である。いくつかの実施形態において、患者は新生動物である。いくつかの実施形態において、患者はヒト新生児である。いくつかの実施形態において、患者は新生哺乳動物である。いくつかの実施形態において、患者は高齢動物である。いくつかの実施形態において、患者は高齢のヒトである。いくつかの実施形態において、患者は高齢の哺乳動物である。いくつかの実施形態において、患者は老人病患者である。

0126

「疾患」、「障害」、または「疾病」とは、本明細書で提供される化合物、医薬組成物、もしくは方法で治療することができる患者または対象の体の状態あるいは健康状態を指す。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物及び方法は、例えば、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の投与による、上記疾患、障害、または疾病の1種以上の症状の低減あるいは排除を含む。

0127

本明細書では、「シグナル伝達経路」という用語は、1種の構成因子の変化を1種以上の他の構成因子に伝える、細胞構成因子及び任意で細胞外構成因子(例えば、タンパク質、核酸、小分子、イオン、脂質)間の一連の相互作用を指し、次に上記他の構成因子は変化を更なる構成因子へと伝えてもよく、上記変化が任意で他のシグナル伝達経路の構成因子へと伝搬される。

0128

「薬学的に許容される賦形剤」及び「薬学的に許容される担体」とは、対象への活性薬剤の投与及び対象による該薬剤の吸収を助け、上記患者への重大な有害な毒物学的作用を生じることなく、本発明の組成物が含むことができる物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、通常の生理食塩水、乳酸加リンゲル溶液、通常のスクロース、通常のグルコース結合剤充填剤崩壊剤滑沢剤被覆剤甘味料香味料塩溶液リンガー溶液など)、アルコール、油分、ゼラチンラクトースアミロース、またはデンプンなどの炭水化物脂肪酸エステルヒドロキシメチルセルロースポリビニルピロリジン、及び着色料などが挙げられる。かかる製剤は滅菌されていてもよく、所望であれば、本発明の化合物と有害な形態で反応しない、滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤乳化剤浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝剤、着色料、及び/または芳香性物質などの補助剤と混合されていてもよい。当業者であれば、他の医薬賦形剤が本発明において有用であることを認識するであろう。

0129

「製剤」という用語は、カプセルを形成する担体としての封入材料を有する、活性化合物の製剤を含むことを意図し、該カプセル中で活性化合物が他の担体と共にまたは他の担体なしで上記担体によって取り囲まれ、したがって上記担体は活性化合物と共存する。同様に、カシェ剤及びロゼンジ剤も含まれる。錠剤散剤カプセル剤丸剤、カシェ剤、及びロゼンジ剤は、経口投与に適した固体剤形として使用することができる。

0130

本明細書では、「投与する」という用語は、経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内投与非経口投与腹腔内投与筋肉内投与病巣内投与、くも膜下腔内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、もしくは皮下投与、または対象への徐放デバイス、例えば、小型浸透圧ポンプ移植を意味する。投与は、非経口投与及び経粘膜投与(例えば、頬側下、口蓋歯肉鼻腔直腸、または経皮投与)を含む任意の経路による。非経口投与としては、例えば、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、皮内投与、皮下投与、腹腔内投与、脳室内投与、及び頭蓋内投与が挙げられる。他の送達形態としては、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、経皮パッチなどが挙げられるが、これらに限定はされない。「同時投与」とは、本明細書に記載の組成物が、1種以上の更なる治療薬(例えば、抗がん剤、化学療法剤、または神経変性疾患の治療薬)の投与と同時、該投与の直前、または該投与の直後に投与されることを意味する。本発明の化合物は、当該の患者に単独で投与されてもよく、または同時投与されてもよい。同時投与は、化合物を個別に、または組み合わせて(複数の化合物または薬剤を)同時または逐次的に投与することを含むことを意図する。したがって、上記製剤はまた、所望の場合には、(例えば、代謝による分解を低減するために)他の活性物質と組み合わせてもよい。

0131

本明細書では、「eIF2B」という用語は、ヘテロ五量体真核生物翻訳開始因子2Bを指す。eIF2Bは、eIF2B1、eIF2B2、eIF2B3、eIF2B4、及びeIF2B5の5種のサブユニットから構成される。eIF2B1とは、Entrez Gene 1967,OMIM 606686,Uniprot Q14232、及び/またはRefSeq(タンパク質)NP_001405に関連するタンパク質を指す。eIF2B2とは、Entrez Gene 8892,OMIM 606454,Uniprot P49770、及び/またはRefSeq(タンパク質)NP_055054に関連するタンパク質を指す。eIF2B3とは、Entrez Gene 8891,OMIM 606273,Uniprot Q9NR50、及び/またはRefSeq(タンパク質)NP_065098に関連するタンパク質を指す。eIF2B4とは、Entrez Gene 8890,OMIM 606687,Uniprot Q9UI10、及び/またはRefSeq(タンパク質)NP_751945に関連するタンパク質を指す。eIF2B5とは、Entrez Gene 8893,OMIM 603945,Uniprot Q13144、及び/またはRefSeq(タンパク質)NP_003898に関連するタンパク質を指す。

0132

「eIF2アルファ」、「eIF2a」、または「eIF2α」という用語は同義であり、タンパク質「真核生物翻訳開始因子2アルファサブユニットeIF2S1」を指す。実施形態において、「eIF2アルファ」、「eIF2a」、または「eIF2α」は上記のヒトタンパク質を指す。「eIF2アルファ」、「eIF2a」、または「eIF2α」には、当該タンパク質の野生型及び変異型が含まれる。実施形態において、「eIF2アルファ」、「eIF2a」、または「eIF2α」は、Entrez Gene 1965,OMIM 603907,UniProt P05198、及び/またはRefSeq(タンパク質)NP_004085に関連するタンパク質を指す。実施形態において、直上の参照番号は、本出願の出願日現在で公知の当該のタンパク質及び関連する核酸を指す。

0133

化合物
本明細書では、例えば、式(I):

の化合物であって、
式中、
Dは、架橋二環式シクロアルキル、架橋二環式ヘテロシクリル、もしくはキュバニルであり、ここで、それぞれの架橋二環式シクロアルキル、架橋二環式ヘテロシクリル、もしくはキュバニルは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜4個のRXで置換されていてもよく、架橋二環式ヘテロシクリルが、置換可能な窒素部分を含有する場合、置換可能な窒素はRN1によって置換されていてもよく、
L1は、結合、C1〜C6アルキレン、2〜7員ヘテロアルキレン、もしくは−O−であり、ここで、C1〜C6アルキレンもしくは2〜7員ヘテロアルキレンは、1〜5個のRL1で置換されていてもよく、
R1は、水素もしくはC1〜C6アルキルであり、
Wは、5〜6員単環式ヘテロアリールであり、ここで、5〜6員単環式ヘテロアリールは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜3個のRWで置換されていてもよく、5〜6員単環式ヘテロアリールが、置換可能な窒素部分を含有する場合、置換可能な窒素は、RN2で置換されていてもよく、
A及びZはそれぞれ独立に、フェニルもしくは5〜6員ヘテロアリールであり、ここで、それぞれのフェニルもしくは5〜6員ヘテロアリールは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜5個のRYで置換されていてもよく、5〜6員ヘテロアリールが、置換可能な窒素部分を含有する場合、置換可能な窒素は、RN3で置換されていてもよく、
それぞれのRL1は独立に、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、オキソ、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−SRE、−S(O)RD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RN1は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C2〜C6アルキル、ハロ−C2〜C6アルキル、アミノ−C2〜C6アルキル、シアノ−C2〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RN2は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C2〜C6アルキル、ハロ−C2〜C6アルキル、アミノ−C2〜C6アルキル、シアノ−C2〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RN3は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C2〜C6アルキル、ハロ−C2〜C6アルキル、アミノ−C2〜C6アルキル、シアノ−C2〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RWは独立に、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルコキシ、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、オキソ、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−S(RF)m、−S(O)RD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
それぞれのRXは独立に、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、オキソ、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−SRE、−S(O)RD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
それぞれのRYは独立に、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルコキシ、アミノ−C1〜C6アルキル、シアノ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、−S(RF)m、−S(O)RD、−S(O)2RD、及びG1からなる群から選択されるか、または
隣接する原子上の2個のRY基が、それらが結合する原子と共に、3〜7員縮合シクロアルキル、3〜7員縮合ヘテロシクリル、縮合アリール、もしくは5〜6員縮合ヘテロアリールを形成し、これらのそれぞれは1〜5個のRXで置換されていてもよく、
それぞれのG1は独立に、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、アリール、もしくは5〜6員ヘテロアリールであり、ここで、それぞれの3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、アリール、もしくは5〜6員ヘテロアリールは、1〜3個のRZで置換されていてもよく、
それぞれのRZは独立に、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ−C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、−ORA、−NRBRC、−NRBC(O)RD、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、−C(O)OH、−C(O)ORD、及び−S(O)2RDからなる群から選択され、
RAは、各存在について、独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、−C(O)NRBRC、−C(O)RD、もしくは−C(O)ORDであり、
RB及びRCのそれぞれは独立に、水素もしくはC1〜C6アルキルであるか、または
RB及びRCが、それらが結合する原子と共に、1〜3個のRZで置換されていてもよい3〜7員ヘテロシクリル環を形成し、
それぞれのRDは独立に、C1〜C6アルキルもしくはハロ−C1〜C6アルキルであり、
それぞれのREは独立に、水素、C1〜C6アルキル、もしくはハロ−C1〜C6アルキルであり、
それぞれのRFは独立に、水素、C1〜C6アルキル、もしくはハロであり、
mは、RFが水素もしくはC1〜C6アルキルの場合に1であり、RFがC1〜C6アルキルの場合に3であり、またはRFがハロの場合に5である、
化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体が開示される。

0134

いくつかの実施形態において、Dは、それぞれが1〜4個のRXで置換されていてもよい、架橋二環式シクロアルキルまたは架橋二環式ヘテロシクリルである。

0135

いくつかの実施形態において、Dは、それぞれが1〜4個のRXで置換されていてもよい、架橋二環式5〜8員シクロアルキルまたは架橋二環式5〜8員ヘテロシクリルである。

0136

いくつかの実施形態において、Dは、それぞれが1〜4個のRX基で置換されていてもよい、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、または2−アザビシクロ[2.2.2]オクタンである。

0137

いくつかの実施形態において、Dは、

である。

0138

いくつかの実施形態において、Dは、

である。

0139

いくつかの実施形態において、Dは、RXで置換されていない。

0140

いくつかの実施形態において、Dは、

である。

0141

いくつかの実施形態において、Dは、1または2個のRXで置換されている。

0142

いくつかの実施形態において、Dは、

である。

0143

いくつかの実施形態において、それぞれのRXは独立に、オキソ、−OH、−C(O)OH、−C(O)ORD、ハロ、及びヒドロキシ−C1〜C6アルキルからなる群から選択される。

0144

いくつかの実施形態において、L1は、結合、2〜7員ヘテロアルキレン、または−O−であり、ここで、2〜7員ヘテロアルキレンは、1〜5個のRL1によって置換されていてもよい。

0145

いくつかの実施形態において、L1は、結合、2〜7員ヘテロアルキレン、または−O−であり、ここで、2〜7員ヘテロアルキレンは、RL1によって置換されていない。

0146

いくつかの実施形態において、L1は、結合、CH2O−*、CH2OCH2−*、または−O−から選択され、ここで、「−*」は、Aへの結合点を示す。

0147

いくつかの実施形態において、R1は、水素またはCH3である。

0148

いくつかの実施形態において、A及びZのそれぞれは独立に、フェニルまたは5〜6員ヘテロアリールであり、ここで、それぞれのフェニルまたは5〜6員ヘテロアリールは、1〜5個のRYで置換されていてもよく、それぞれのRYは独立に、C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、−ORA、またはG1である。

0149

いくつかの実施形態において、A及びZのそれぞれは独立に、フェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、またはピラゾリルであり、これらのそれぞれが、1〜5個のRY基で置換されていてもよい。

0150

いくつかの実施形態において、A及びZのそれぞれは、

からなる群から選択される。

0151

いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、またはイソオキサゾリルであり、これらのそれぞれは、1〜2個のRY基で置換されていてもよい。

0152

いくつかの実施形態において、Aは、

からなる群から選択される。

0153

いくつかの実施形態において、Zは、フェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、またはピラゾリルであり、これらのそれぞれが、1〜3個のRY基で置換されていてもよい。

0154

いくつかの実施形態において、Zは、

(式中、RN3は、水素またはCH3である)
からなる群から選択される。

0155

いくつかの実施形態において、それぞれのRYは独立に、水素、クロロ、フルオロ、CF3、CHF2、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、OCH3、OCH(CH3)2、またはCNである。

0156

いくつかの実施形態において、Wは、オキサジアゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、またはオキサゾール部分であり、これらのそれぞれが、1〜3個のRW基で置換されていてもよく、それぞれのRWが独立に、C1〜C6アルキル、ハロ−C1〜C6アルキル、ハロ、シアノ、または−ORAである。

0157

いくつかの実施形態において、Wは、1,3,4−オキサジアゾールまたは1,2,4−オキサジアゾールである。

0158

いくつかの実施形態において、Wは、1,2,4−トリアゾールである。

0159

いくつかの実施形態において、Wは、

(それぞれのRWは独立に、水素、クロロ、フルオロ、CF3、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、及びCNからなる群から選択され、RN2は、水素またはCH3である)
からなる群から選択される。

0160

いくつかの実施形態において、Wは、

からなる群から選択される。

0161

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−a):

の化合物であって、
式中、
Dは、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルもしくはビシクロ[2.2.2]オクタニルであり、これらのそれぞれが、1〜4個のRX基で置換されていてもよく、
L1は、CH2O−*、CH2OCH2−*、もしくは−O−であり、ここで、「−*」は、Aへの結合点を示し、
Wは、オキサジアゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、もしくはオキサゾール部分であり、これらのそれぞれは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜3個のRW基で置換されていてもよく、イミダゾール及びトリアゾールは、利用可能な窒素上で水素もしくはCH3で置換されていてもよく、
Aは、フェニル、イソオキサゾリル、もしくはピリジルであり、これらのそれぞれは、1〜5個のRY基で置換されていてもよく、
Zは、フェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、もしくはピラゾリルであり、これらのそれぞれは、1つ以上の利用可能な炭素上で1〜5個のRY基で置換されていてもよく、ピラゾリルは、利用可能な窒素上で水素もしくはCH3で置換されていてもよく、
それぞれのRWは独立に、クロロ、フルオロ、CF3、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、もしくはCNであり、
それぞれのRXは独立に、フルオロ、オキソ、OH、OCH3、C(O)OH、もしくはC(O)OCH3であり、
それぞれのRYは独立に、クロロ、フルオロ、CF3、CHF2、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、OCH3、OCH(CH3)2、もしくはCNであるか、または
隣接する原子上の2個のRY基は、それらが結合する原子と共に、フラニル環、ピロリル環、もしくはジオキソラニル環を形成し、これらのそれぞれは、1〜2個のRXで置換されていてもよく、
R1は、水素である、
化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0162

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−b):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0163

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−c):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0164

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−d):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0165

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−e−1)、式(I−e−2)、式(I−e−3)、式(I−e−4)、式(I−e−5)、式(I−e−6)、式(I−e−7)、式(I−e−8)、または式(I−e−9):



の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0166

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−f):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0167

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−g):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0168

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−h):

の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体(式中、W、Z、及びRYのそれぞれは、式(I)について定義されたとおりである)である。

0169

いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−i−1)、式(I−i−2)、式(I−i−3)、式(I−i−4)、式(I−i−5)、式(I−i−6)、式(I−i−7)、式(I−i−8)、または式(I−i−9):


の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシド、または立体異性体である。

0170

いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、開示される化合物及び薬学的に許容される担体を含む薬学的に許容される組成物として製剤化される。

0171

いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、表1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、N−オキシドまたは立体異性体から選択される。

0172

(表1)本発明の例示的化合物

0173

例示的化合物を作製する方法
本発明の化合物は、当該化合物を調製することができる手段を例示する以下の合成スキーム及び方法と関連させて、より良好に理解することができる。本発明の化合物は、多様な合成手順によって調製することができる。代表的な合成手順は、限定されるものではないが、スキーム1〜8に示される。可変要素A、D、W、Z、L1、及びR1は、本明細書で、例えば発明の概要で詳述されているように定義される。

0174

スキーム1:本発明の例示的化合物を合成するための代表的なスキーム。

スキーム1に示されるように、式(1−6)の化合物は、式(1−1)の化合物から調製することができる。式(1−1)のアミンは、アミド結合形成条件下で式(1−2)のカルボン酸カップリングさせて式(1−3)のアミドを得ることができる。カルボン酸とアミンとの混合物からアミドを生成することが知られている条件の例には、限定されるものではないが、カップリング試薬の添加、例えば、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミドまたは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC、EDAC、もしくはEDCI)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニルホスフィン酸クロリドBOPCl)、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスファートN−オキシドまたは2−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートまたは1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファートもしくは2−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスファート(V)もしくは2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、2−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスファート(V)(HBTU)、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシド(T3P(登録商標))、(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)−ジメチルアミノ−モルホリノカルベニウムヘキサフルオロホスファート(COMU(登録商標))、及びフルオロ−N,N,N’,N’−テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスファートの添加が含まれる。カップリング試薬は、固体溶液として、または固体支持樹脂に結合した試薬として添加することができる。

0175

カップリング試薬に加えて、補助カップリング試薬もカップリング反応を促進することができる。カップリング反応でしばしば使用される補助カップリング試薬としては、限定されるものではないが、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)が挙げられる。上記反応は、任意で、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下で行うことができる。カップリング反応は、限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルスルホキシドジクロロメタン、及び酢酸エチルのような溶媒中で行うことができる。

0176

あるいは、式(1−2)のカルボン酸は、塩化チオニル、PCl3、PCl5、塩化シアヌル、または塩化オキサリルとの反応によって対応する酸塩化物に変換することができる。塩化チオニル及び塩化オキサリルとの反応は、ジクロロメタンのような溶媒中で周囲温度でN,N−ジメチルホルムアミドを用いて触媒することができる。次いで得られた酸塩化物は、任意で塩基の存在下、例えば、トリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンのような三級アミン塩基、またはピリジンのような芳香族塩基の存在下で、ジクロロメタンのような溶媒中で、室温にて、式(1−1)のアミンと反応させて式(1−3)のアミドを得ることができる。

0177

式(1−3)の化合物は、3段階のプロセスで式(1−6)の化合物に変換することができる。第1段階では、式(1−3)のエステルは、当業者に知られている条件を使用して対応するカルボン酸に加水分解することができる。カルボン酸をN,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中でN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンのような三級アミンと共にカップリング試薬2−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスファート(V)を使用することを含むヒドラジド結合形成条件下で式(1−4)の化合物とカップリングさせることができる。あるいは、本明細書に記載されるアミド結合カップリング条件はまた、当業者に知られているヒドラジド結合の形成に適用してもよい。得られた式(1−5)のヒドラジド化合物アセトニトリルのような溶媒中でN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンのような三級アミンの存在下で0℃でメチルベンゼン−1−スルホニルクロリドで処理して式(1−6)の化合物を得ることができる。あるいは、式(1−5)の化合物を加熱アセトニトリル中で三塩化ホスホリルで処理して式(1−6)の化合物を得ることができる。式(1−6)の化合物は、式(I)の化合物の代表である。

0178

スキーム2:本発明の例示的化合物を合成するための代表的なスキーム。

スキーム2に示されるように、式(2−5)の化合物は、式(2−1)の化合物から調製することができる。式(2−1)の化合物を酢酸ナトリウム及び酢酸の存在下で2,5−ジメトキシテトラヒドロフランで処理して式(2−2)のピロール化合物を形成することができる。式(2−2)の化合物は、式(2−3)の化合物(式中、Xは、クロロ、ブロモ、またはヨードである)に変換することができる。例えば、式(2−2)の化合物をジクロロメタンのような溶媒中で−78℃でN−ブロモスクシンイミドなどで処理することができる。

0179

式(2−5)の化合物は、当業者に知られ、文献で広く利用可能であるスズキカップリング条件下で、式(2−3)の化合物(式中、Xは、I、Br、またはClである)を式(2−4)のボロン酸化合物(式中、R2は、Hである)(またはボロン酸エステル等価物(式中、R2は、アルキルである))と反応させることによって調製することができる。反応は典型的には、塩基及び触媒の使用を必要とする。塩基の例としては、炭酸カリウムカリウムt−ブトキシド炭酸ナトリウム炭酸セシウム、及びフッ化セシウムが挙げられるが、これらに限定されない。触媒の例としては、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)テトラキストリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1.1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられるが、これらに限定されない。反応は、水、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエンエタノール、テトラヒドロフランなどであるがこれらに限定されない溶媒またはそれらの混合物中で行ってもよい。反応は、周囲温度または昇温下で、任意でマイクロ波オーブン内で行ってもよい。式(2−5)の化合物は、式(I)の化合物の代表である。

0180

スキーム3:本発明の例示的化合物を合成するための代表的なスキーム

スキーム3に示されるように、式(3−7)の化合物は、式(3−1)の化合物から調製することができる。式(3−1)の化合物(式中、PG1は、当業者に知られているアミン保護基、例えば、tert−ブトキシカルボニルである)を酢酸ナトリウム及び酢酸の存在下で2,5−ジメトキシテトラヒドロフランで処理して式(3−2)のピロール化合物を形成することができる。式(3−2)の化合物は、式(3−3)の化合物(式中、Xは、クロロ、ブロモ、またはヨードである)に変換することができる。例えば、式(3−2)の化合物をジクロロメタンのような溶媒中で−78℃でN−ブロモスクシンイミドなどで処理することができる。式(3−5)の化合物は、スキーム2について本明細書で開示され、当業者に知られ、文献で広く利用可能であるスズキカップリング条件下で、式(3−3)の化合物(式中、Xは、I、Br、またはClである)を式(3−4)のボロン酸化合物(式中、R2は、Hである)(またはボロン酸エステル等価物(式中、R2は、アルキルである))と反応させることによって調製することができる。式(3−5)の化合物は、2段階のプロセスで式(3−7)の化合物に変換することができる。第1段階では、保護基を、当業者に知られている条件下で除去して、対応するアミンを露出させることができる。例えば、PG1がtert−ブトキシカルボニルである場合、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸のような酸性条件下での処理により保護基を除去する。そのとき露出した対応するアミンは、スキーム1に記載のアミド結合形成反応条件下で式(3−6)の化合物とカップリングさせて、式(3−7)の化合物を得ることができる。式(3−7)の化合物は、式(I)の化合物の代表である。

0181

スキーム4:本発明の例示的化合物を合成するための代表的なスキーム。

スキーム4に示されるように、式(4−3)の化合物は、式(4−1)の化合物から調製することができる。式(4−1)の化合物を2−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスファート(V)のようなカップリング剤及びN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンのような三級アミンの存在下で式(4−2)のN−ヒドロキシイミダミドで処理することができる。式(4−3)の化合物は、式(I)の化合物の代表である。

0182

スキーム5:本発明の例示的化合物を合成するための代表的なスキーム

スキーム5に示されるように、式(5−3)の化合物は、式(4−1)の化合物から調製することができる。式(4−1)の化合物は、スキーム1に記載のアミド結合形成反応条件下で式(5−1)の化合物とカップリングさせて、式(5−2)の化合物を得ることができる。式(5−2)の化合物を昇温下で酢酸アンモニウムで処理して式(5−3)のイミダゾール化合物(式中、R2aは水素である)を得ることができる。あるいは、一級アミンを酢酸アンモニウムの代わりに用いて式(5−3)の化合物(式中、R2aは、アルキルであり、特にメタンアミンが使用される場合はメチルである)を得ることができる。式(5−3)の化合物は、式(I)の化合物の代表である。

0183

スキーム6:本発明の例示的化合物を合成するための代表的なスキーム

スキーム6に示されるように、式(6−3)の化合物は、式(2−1)の化合物から調製することができる。式(2−1)の化合物をクロロホルムを含む好適な溶媒中で0℃〜室温でtert−ブチル3−(4−シアノフェニル)−1,2−オキサジリジン−2−カルボキシラートで処理して式(6−1)の化合物を得ることができる。式(6−1)の化合物をN,N−ジメチルホルムアミドを含む好適な溶媒中でHClの存在下で昇温下で式(6−2)の化合物で処理して式(6−3)の化合物を得ることができる。式(6−3)の化合物は、式(I)の化合物の代表である。

0184

スキーム7:本発明の例示的化合物を合成するための代表的なスキーム。

スキーム7に示されるように、式(7−2)の化合物は、式(5−2)の化合物から調製することができる。式(5−2)の化合物は、トリエチルアミンのような三級アミンの存在下で4−ブロモベンゾイルクロリドを含むがこれに限定されないアシル化基で処理して式(7−1)の化合物(式中、LG1は(4−ブロモベンゾイル)オキシである)を得ることができる。式(7−1)の化合物をトルエンを含む好適な溶媒中で昇温下でオキシ塩化リンで処理して式(7−2)の化合物を得ることができる。式(7−2)の化合物は、式(I)の化合物の代表である。

0185

スキーム8:本発明の例示的化合物を合成するための代表的なスキーム。

スキーム8に示されるように、式(4−3)の化合物は、式(8−1)の化合物から調製することができる。式(8−1)の化合物を2−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスファート(V)のようなカップリング剤及びN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンのような三級アミンの存在下で式(4−2)のN−ヒドロキシイミダミド(PG1は、当業者に知られているアミン保護基、例えば、ベンジルである)で処理して式(8−2)の化合物を得ることができる。式(8−2)の化合物を当業者に知られている条件下、例えば、触媒水素化下で脱保護して式(8−3)の化合物を得ることができる。式(8−3)の化合物は、スキーム1に記載のアミド結合形成条件下で式(1−2)のカルボン酸とカップリングさせて、式(4−3)の化合物を得ることができる。式(4−3)の化合物は、式(I)の化合物の代表である。

0186

薬学的組成物
本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、もしくは立体異性体を含む薬学的組成物を特徴とする。いくつかの実施形態において、薬学的組成物はさらに、薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、立体異性体は、薬学的組成物において有効量で提供される。いくつかの実施形態において、有効量は、治療有効量である。ある特定の実施形態において、有効量は、予防的有効量である。

0187

本明細書に記載の薬学的組成物は、薬理学の分野で公知の任意の方法によって調製することができる。概して、かかる調製方法は、式(I)の化合物(「活性成分」)を、担体及び/または1種以上の補助的成分と組み合わせるステップと、次に必要及び/または所望に応じて、生成物を所望の単回または多回用量単位成形及び/またはパッケージングするステップとを含む。薬学的組成物は、バルクで、単回単位用量として、及び/または複数の単回単位用量として調製し、パッケージングし、及び/または販売することができる。本明細書で使用する場合、「単位用量」は、所定量の活性成分を含む薬学的組成物の個別的な量である。活性成分の量は、対象に投与されると考えられる活性成分の投薬量及び/またはこのような薬用量好都合な一部分(例えば、このような投薬量の半分または3分の1)に概ね等しい。

0188

本発明の薬学的組成物中の式(I)の化合物、薬学的に許容される賦形剤、及び/または任意の追加の成分の相対量は、治療を行う対象の識別、サイズ、及び/または疾病に応じて、さらにまた当該組成物を投与するのに用いる経路に応じて変動する。例として、上記組成物は、式(I)の化合物を0.1%から100%(w/w)を含むことができる。

0189

「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、共に製剤化される化合物の薬理学的活性破壊しない無毒性の担体、アジュバント希釈剤、またはビヒクルを指す。本発明の薬学的組成物の製造に有用な薬学的に許容される賦形剤は、薬学的製剤の分野で周知されている任意の賦形剤であり、不活性の希釈剤、分散剤及び/または造粒剤界面活性剤及び/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、滑沢剤、及び/または油分がこれに含まれる。本発明の薬学的組成物の製造において有用な薬学的に許容される賦形剤としては、限定されるものではないが、イオン交換体アルミナステアリン酸アルミニウムレシチン血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン緩衝物質、例えば、リン酸塩グリシンソルビン酸ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸部分グリセリド混合物、水、塩、または電解質、例えば、プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウムリン酸水素ナトリウム塩化ナトリウム亜鉛塩コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウムポリビニルピロリドンセルロースベースとする物質、ポリエチレングリコールカルボキシメチルセルロースナトリウムポリアクリレートワックスポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂が挙げられる。

0190

本発明の組成物は、経口的に、非経口的に(皮下、筋肉内、静脈内、及び皮内を含む)、吸入スプレーにより、局所的に、直腸内に、経鼻的に、頬側的に、膣内に、または植え込み型リザーバーを介して投与することができる。いくつかの実施形態において、提供される化合物または組成物は、静脈内及び/または経口的に投与可能である。

0191

本明細書で使用する場合、「非経口的」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、眼球内硝子体内、関節内、滑液内胸骨内、髄腔内、肝臓内腹腔内、病巣内、及び頭蓋内の注射または点滴技法を含む。好ましくは、上記組成物は、経口的に、皮下に、腹腔内に、または静脈内に投与される。本発明の組成物の無菌注射用形態は、水性または油性の懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、当技術分野において公知の技法に従って、好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤を用いて製剤化することができる。また、無菌注射用調製物は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の、例えば、1,3−ブタンジオール中溶液としての、無菌注射用の溶液または懸濁液であってもよい。用いられ得る許容されるビヒクル及び溶媒に含まれるものとして、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の固定油が、従来から溶媒または懸濁媒体として用いられている。

0192

本発明の薬学的に許容される組成物は、限定されるものではないが、カプセル、錠剤、水性の懸濁液または溶液を含めた任意の経口的に許容される剤形で、経口的に投与することができる。経口的使用向けの錠剤の場合、一般的に使用されている担体としては、ラクトース及びトウモロコシデンプンが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も典型的に添加される。カプセル形態における経口的投与については、有用な希釈剤としては、ラクトース及び乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁液が経口的使用に求められる場合、活性成分は、乳化剤及び懸濁化剤と合わせられる。所望に応じて、ある特定の甘味剤香味剤、または着色剤が添加されてもよい。いくつかの実施形態において、提供される経口用製剤は、即時放出または徐放/遅延放出向けに製剤化される。いくつかの実施形態において、組成物は、錠剤、ロゼンジ、及びトローチを含む頬側または舌下投与に好適である。式(I)の化合物は、マイクロカプセル化形態であってもよい。

0193

本発明の組成物は、アプリケータースティック、溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル、クリーム軟膏ペーストゼリー塗布剤、粉末、及びエアロゾルとして、経皮的に、局所経路により送達することができる。経口用調製物としては、患者の摂取に適した錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠、カプセル剤、液体、ロゼンジ剤、カシェ剤、ゲル、シロップスラリー、懸濁液などが挙げられる。固体形態の調製物としては、粉末、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、座薬、及び分散性顆粒が挙げられる。液体形態の調製物としては、溶液、懸濁液、及びエマルジョン、例えば、水または水/プロピレングリコール溶液が挙げられる。本発明の組成物は、徐放及び/または快適さをもたらすための構成成分を追加的に含むことができる。このような構成成分としては、高分子量アニオン性粘液模倣ポリマー、ゲル化多糖体、及び微粉化された薬物担体基質が挙げられる。これらの構成成分については、米国特許第4,911,920号、同第5,403,841号、同第5,212,162号、及び同第4,861,760号でより詳細に論じられている。これらの特許の全体的内容は、あらゆる目的においてそれらの全体が参照により本明細書に援用される。本発明の組成物は、体内で徐放させるためにミクロスフェアとして送達することもできる。例えば、ミクロスフェアは、皮下に徐放する薬物含有ミクロスフェアの皮内注射を介して(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623−645,1995を参照)、生分解性の注射可能なゲル製剤として(例えば、Gao Pharm.Res.12:857−863,1995を参照)、または経口投与用のミクロスフェアとして(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol.49:669−674,1997を参照)、投与することができる。別の実施形態において、本発明の組成物の製剤は、細胞膜と融合するまたは貪食されるリポソームの使用によって送達することができ、貪食は、すなわち、リポソームに結合した受容体リガンドを用いることにより、当該リガンドが細胞の表面膜タンパク質受容体に結合した結果もたらされる。リポソームを使用することにより、とりわけ、リポソーム表面標的細胞に対し特異的な受容体リガンドを保有する場合、または優先的に特定の臓器に向けられる場合、本発明の組成物をin vivoで標的細胞に送達することに集中することができる。(例えば、Al−Muhammed,J.Microencapsul.13:293−306,1996、Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698−708,1995、Ostro,J.Hosp.Pharm.46: 1576−1587,1989を参照)本発明の組成物は、ナノ粒子として送達することもできる。

0194

代わりに、本発明の薬学的に許容される組成物は、直腸投与向けの座薬の形態で投与することができる。本発明の薬学的に許容される組成物は、特に処置の標的が局所適用により容易にアクセス可能な部位または臓器(目、皮膚、または下部腸管の疾患を含む)を含む場合は、局所的に投与することもできる。好適な局所製剤は、このような部位または臓器の各々向けに容易に調製される。

0195

いくつかの実施形態において、薬物の効果を延長するためには、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、水溶性が低い結晶またはアモルファス材料の液体懸濁液を使用することによって達成することができる。その場合、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、溶解速度は結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。代わりに、非経口投与された薬物形態の吸収遅延は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって遂行される。

0196

本明細書で提供される薬学的組成物の説明は、主として、ヒトに対する投与に好適な薬学的組成物を対象としているが、当業者であれば、このような組成物があらゆる種類の動物への投与にも広く適していることが理解されよう。ヒトへの投与に好適な薬学的組成物を、様々な動物への投与に好適にするために改変を行うことは十分理解されており、通常の技量を有する獣医薬理学者は、このような改変を、通常の実験を用いて、設計及び/または実施することができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ