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技術 リン酸化タウペプチドの組成物およびその使用

出願人 ヤンセンファーマシューティカルズ,インコーポレーテッドエーシーイミューンエス.エー.
発明者 ラムスバーグ,エリザベスアンデマルコ,ドナタチャッカムカル,アニッシュサダカ,シャーロットゴーズミット,ジャープムース,アンドレアピルグレンボッシュ,マリアヴキチェヴィッチヴェリル,マリヤヒックマン,デヴィッドピオット,ニコラスギミレ,サロージラージ
出願日 2018年10月24日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2020-523284
公開日 2021年1月14日 (11ヶ月経過) 公開番号 2021-501147
状態 未査定
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 医薬品製剤 ペプチド又は蛋白質 突然変異または遺伝子工学 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 試験調整 薄層技術 単一構成要素 NBB 高圧システム 固定ステップ ミョウバン水 利己的
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年1月14日)のものです。
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図面 (19)

課題・解決手段

タウペプチド、好ましくはリン酸化タウペプチドを含有するリポソーム、および免疫原性担体コンジュゲートさせた、タウペプチド、好ましくはリン酸化タウペプチドを含有するコンジュゲートが記載されている。また、アルツハイマー病などの神経変性疾患または障害処置または防止するためのリポソームおよび/またはコンジュゲートの医薬組成物および使用も記載されている。

概要

背景

アルツハイマー病(AD)は、世界中で推定4400万人が冒されている進行性衰弱神経変性疾患である(Alzheimers.net)。診療所において現在利用可能なAD治療は臨床症状の進行を遅らせることを目的とするが、疾患の根底にある病原性プロセスを標的としない。残念ながら、これらの治療は最小限にしか有効でなく、したがって、追加の防止的および治療的手段を開発および試験する緊急の必要性が存在する。

アルツハイマー病の特徴的な病態は、凝集したアミロイドベータタンパク質を含む細胞外溶菌斑、および高リン酸化タウタンパク質細胞内「もつれ」または凝集の蓄積である。これらのタンパク質の蓄積をもたらす分子的事象特徴づけは不十分である。アミロイドでは、アミロイド前駆体タンパク質の異常切断が、アミノ酸1〜42を含む、凝集する傾向のある断片の蓄積をもたらすと仮定されている。タウでは、キナーゼホスファターゼのどちらか、または両方の調節不全が、タウの異常リン酸化をもたらすと仮定されている。タウは、高リン酸化された後、微小管と有効に結合してそれを安定化する能力を失い、その代わりに患部ニューロン細胞質に蓄積される。未結合かつ高リン酸化のタウが最初のオリゴマー、その後により高次凝集体を形成すると考えられ、その存在は、おそらくは正常な軸索輸送中断を介して、それが形成されるニューロンの機能に負の影響を与えると推定される。

先進国では、アルツハイマー病又は他の認知症タウオパチー診断された個体は、一般的にコリンエステラーゼ阻害剤(たとえばAricept(登録商標))またはメマンチン(たとえばNamenda(商標))を用いて処置する。これらの薬物は、合理的に良好な耐用性を示すが、有効性が非常に控えめである。たとえば、Aricept(登録商標)は、処置した個体の約50%において症状の悪化を6〜12カ月遅延させる。残りの処置は非薬理学的であり、患者認知能力が低下するについて、その日々の日常課題の管理を可能にすることに焦点を当てている。

いくつかの公開された研究(Asuni AA et al,. J Neurosci. 2007 Aug 22;27(34):9115-29、Theunis C et al.,PLoS One. 2013; 8(8): e72301、Kontsekova E et al., Alzheimers Res Ther. 2014 Aug 1;6(4):44)は、タウペプチドを含有する活性ワクチンが、マウスまたはラットにおいて抗タウ免疫応答誘導することができる、げっ歯類の脳における病理学タウ凝集体の蓄積を低下させることができる、およびアルツハイマー病の動物モデルにおいて認知低下の進行速度を低下させることができることを実証している。病理学的タウタンパク質に対する活性ワクチンは、アルツハイマー病を有するヒト患者において免疫原性であることが示されている(Novak P et al., Lancet Neurology 2017, 16:123-134)。国際公開2010/115843号パンフレットは、タンパク質タウの主要な病理学的ホスホエピトープ模倣する抗原性ホスホペプチド、ならびにアルツハイマー病を含めたタウオパチーの処置における治療的および診断的使用のための関連組成物を記載している。しかし、現在、タウ媒介性疾患の発症を防止するために認可された有効なワクチンは、依然として市場に存在しない。疾患が始まった後にその経過を妨害または遅らせるための有効な薬物も、市場に存在しない。したがって、これらの疾患を防止することができる新しい防止手段(たとえばワクチン)の同定が差し迫って必要とされている。

概要

タウペプチド、好ましくはリン酸化タウペプチドを含有するリポソーム、および免疫原性担体コンジュゲートさせた、タウペプチド、好ましくはリン酸化タウペプチドを含有するコンジュゲートが記載されている。また、アルツハイマー病などの神経変性疾患または障害を処置または防止するためのリポソームおよび/またはコンジュゲートの医薬組成物および使用も記載されている。

目的

診療所において現在利用可能なAD治療は臨床症状の進行を遅らせることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

a.タウペプチドと、b.ヘルパーT細胞エピトープとを含み、前記タウペプチドがリポソームの表面上に提示されている、リポソーム。

請求項2

トール様受容体リガンドおよびトール様受容体9リガンドのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載のリポソーム。

請求項3

a.タウホスホペプチドと、b.ヘルパーT細胞エピトープと、c.脂質付加CpGオリゴヌクレオチドと、d.トール様受容体4リガンドを含有するアジュバントとを含み、前記タウホスホペプチドがリポソームの表面上に提示されている、リポソーム。

請求項4

1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンDMPC)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホリル−3’−rac−グリセロール(DMPG)、およびコレステロールからなる群から選択される1つまたは複数の脂質をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のリポソーム。

請求項5

前記タウペプチドが配列番号1〜配列番号12からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し、前記アミノ酸配列が、前記タウホスホペプチドが前記リポソームの表面上に提示されることを可能にする1つまたは複数の修飾をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のリポソーム。

請求項6

前記ヘルパーT細胞エピトープが、配列番号23〜配列番号26からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のリポソーム。

請求項7

配列番号18〜配列番号22からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する前記脂質付加CpGオリゴヌクレオチドを含み、前記CpGオリゴヌクレオチドは1つまたは複数のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有し、前記CpGオリゴヌクレオチドは少なくとも1つの親油性基共有結合している、請求項1から6のいずれか一項に記載のリポソーム。

請求項8

前記トール様受容体4リガンドがモノホスホリル脂質A(MPLA)である、請求項1から7のいずれかに記載のリポソーム。

請求項9

a.配列番号27〜配列番号38からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するタウペプチドと、b.配列番号39〜配列番号44からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するヘルパーT細胞エピトープ、好ましくは、配列番号13〜配列番号17からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる前記ヘルパーT細胞エピトープと、c.配列番号18〜配列番号22からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有し、1つまたは複数のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、リンカーを介して少なくとも1つのコレステロールと共有結合している、脂質付加CpGオリゴヌクレオチドとd.モノホスホリル脂質A(MPLA)とを含む、リポソーム。

請求項10

請求項1から9のいずれか一項に記載のリポソームと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物

請求項11

タウホスホペプチドと、リンカーを介してそれとコンジュゲートさせた免疫原性担体とを含むコンジュゲートであって、以下の構造:(i)式(I):または(ii)式(II):[式中、xは、0〜10、好ましくは2〜6、最も好ましくは3の整数であり、nは、3〜15、好ましくは3〜12の整数である]、を有する、コンジュゲート。

請求項12

前記免疫原性担体が、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、破傷風トキソイド、CRM197、および髄膜炎菌(N. meningitidis)由来外膜タンパク質合物(OMP)、またはその誘導体からなる群から選択される、請求項11に記載のコンジュゲート。

請求項13

前記タウペプチドが配列番号1〜配列番号12からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項11または12に記載のコンジュゲート。

請求項14

式(I)の構造を有し、前記免疫原性担体がCRM197である、請求項13に記載のコンジュゲート。

請求項15

以下の構造:[式中、nは、3〜7の整数である]、を有する、請求項14に記載のコンジュゲート。

請求項16

請求項11から15のいずれか一項に記載のコンジュゲートと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。

請求項17

神経変性障害を患っている対象において免疫応答誘導する方法であって、前記対象に、請求項10に記載の医薬組成物または請求項16に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。

請求項18

それを必要としている対象において神経変性疾患または障害処置または防止する方法であって、前記対象に、請求項10に記載の医薬組成物または請求項16に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。

請求項19

前記神経変性疾患または障害が、神経原線維病変の形成によって引き起こされる、またはそれに関連している、請求項17および18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

前記神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病パーキンソン病クロイツフェルトヤコブ病、拳闘家認知症ダウン症候群ゲルストマンストロイスラー−シャインカー病、封入体筋炎プリオンタンパク質アミロイド血管症、外傷性脳傷害筋萎縮性側索硬化症グアムパーキンソン認知症複合、神経原線維のもつれを伴う非グアム型運動ニューロン疾患、嗜銀顆粒性認知症、大脳皮質基底核変性症レビー認知症、筋萎縮性側索硬化症、石灰化を伴うびまん性の神経原線維のもつれ、17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP−17)、ハレルフォルデン−スパッツ病、多系統萎縮症ニーマン−ピック病C型ピック病進行性皮質下グリオーシス進行性核上性麻痺亜急性硬化性汎脳炎、もつれのみの認知症、脳炎後パーキンソニズム、筋緊張性ジストロフィー慢性外傷性脳障害(CTE)、原発性加齢関連タウオパチー(PART)、またはレビー小体認知症(LBD)である、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症と17番染色体に連鎖するパーキンソニズム(FTDP−17)、大脳皮質基底核変性症、レビー認知症、筋萎縮性側索硬化症、筋緊張性ジストロフィー(disphasy)、慢性外傷性脳障害(CTE)、脳血管症、原発性加齢関連タウオパチー(PART)、またはレビー小体認知症(LBD)である、請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。

請求項22

それを必要としている対象において神経変性疾患または障害の処置または防止において使用するための、請求項10に記載の医薬組成物および請求項16に記載の医薬組成物のうちの少なくとも1つを含む、キット

技術分野

0001

本発明は医学分野のものである。本発明は、特に、タウペプチドリポソームまたはコンジュゲート、およびアルツハイマー病などのタウオパチーを防止または処置するためのその使用に関する。

背景技術

0002

アルツハイマー病(AD)は、世界中で推定4400万人が冒されている進行性衰弱神経変性疾患である(Alzheimers.net)。診療所において現在利用可能なAD治療は臨床症状の進行を遅らせることを目的とするが、疾患の根底にある病原性プロセスを標的としない。残念ながら、これらの治療は最小限にしか有効でなく、したがって、追加の防止的および治療的手段を開発および試験する緊急の必要性が存在する。

0003

アルツハイマー病の特徴的な病態は、凝集したアミロイドベータタンパク質を含む細胞外溶菌斑、および高リン酸化タウタンパク質細胞内「もつれ」または凝集の蓄積である。これらのタンパク質の蓄積をもたらす分子的事象特徴づけは不十分である。アミロイドでは、アミロイド前駆体タンパク質の異常切断が、アミノ酸1〜42を含む、凝集する傾向のある断片の蓄積をもたらすと仮定されている。タウでは、キナーゼホスファターゼのどちらか、または両方の調節不全が、タウの異常リン酸化をもたらすと仮定されている。タウは、高リン酸化された後、微小管と有効に結合してそれを安定化する能力を失い、その代わりに患部ニューロン細胞質に蓄積される。未結合かつ高リン酸化のタウが最初のオリゴマー、その後により高次凝集体を形成すると考えられ、その存在は、おそらくは正常な軸索輸送中断を介して、それが形成されるニューロンの機能に負の影響を与えると推定される。

0004

先進国では、アルツハイマー病又は他の認知症性タウオパチーを診断された個体は、一般的にコリンエステラーゼ阻害剤(たとえばAricept(登録商標))またはメマンチン(たとえばNamenda(商標))を用いて処置する。これらの薬物は、合理的に良好な耐用性を示すが、有効性が非常に控えめである。たとえば、Aricept(登録商標)は、処置した個体の約50%において症状の悪化を6〜12カ月遅延させる。残りの処置は非薬理学的であり、患者認知能力が低下するについて、その日々の日常課題の管理を可能にすることに焦点を当てている。

0005

いくつかの公開された研究(Asuni AA et al,. J Neurosci. 2007 Aug 22;27(34):9115-29、Theunis C et al.,PLoS One. 2013; 8(8): e72301、Kontsekova E et al., Alzheimers Res Ther. 2014 Aug 1;6(4):44)は、タウペプチドを含有する活性ワクチンが、マウスまたはラットにおいて抗タウ免疫応答誘導することができる、げっ歯類の脳における病理学タウ凝集体の蓄積を低下させることができる、およびアルツハイマー病の動物モデルにおいて認知低下の進行速度を低下させることができることを実証している。病理学的タウタンパク質に対する活性ワクチンは、アルツハイマー病を有するヒト患者において免疫原性であることが示されている(Novak P et al., Lancet Neurology 2017, 16:123-134)。国際公開2010/115843号パンフレットは、タンパク質タウの主要な病理学的ホスホエピトープ模倣する抗原性ホスホペプチド、ならびにアルツハイマー病を含めたタウオパチーの処置における治療的および診断的使用のための関連組成物を記載している。しかし、現在、タウ媒介性疾患の発症を防止するために認可された有効なワクチンは、依然として市場に存在しない。疾患が始まった後にその経過を妨害または遅らせるための有効な薬物も、市場に存在しない。したがって、これらの疾患を防止することができる新しい防止手段(たとえばワクチン)の同定が差し迫って必要とされている。

0006

一般的な一態様では、本発明は、
a.好ましくはタウホスホペプチドであるタウペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープ
を含み、タウペプチドがリポソームの表面上に提示されている、リポソームに関する。

0007

一実施形態では、リポソームは、トール様受容体リガンドを含む少なくとも1つのアジュバントをさらに含む。好ましくは、リポソームは、トール様受容体4リガンドおよびトール様受容体9リガンドのうちの少なくとも1つをさらに含む。

0008

好ましい実施形態では、本発明は、
a.好ましくはタウホスホペプチドであるタウペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープと、
c.i.トール様受容体9リガンド、好ましくは脂質付加CpGオリゴヌクレオチド、および
ii.トール様受容体4リガンド、好ましくはトール様受容体4作用剤
のうちの少なくとも1つと
を含み、タウペプチドがリポソームの表面上に提示されている、リポソームに関する。

0009

さらなる好ましい実施形態では、本発明は、
a.タウホスホペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープと、
c.脂質付加CpGオリゴヌクレオチドと、
d.トール様受容体4リガンドを含有するアジュバントと
を含み、
タウホスホペプチドがリポソームの表面上に提示されている、リポソームに関する。

0010

別の一般的な態様では、本発明は、タウペプチド、好ましくはタウホスホペプチドと、それとコンジュゲートさせた免疫原性担体とを含み、タウペプチドがリンカーを介して担体とコンジュゲートしている、コンジュゲートに関する。リンカーは、ポリエチレングリコール(PEG)、スクシンイミジル3−(ブロモアセトアミドプロピオネート(SBAP)、およびm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)のうちの1つまたは複数を含むことができる。本発明において有用な免疫原性担体の例には、それだけには限定されないが、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、破傷風トキソイド(TT)、CRM197、および髄膜炎菌(N. meningitidis)由来外膜タンパク質合物(OMP)、またはその誘導体が含まれる。

0011

好ましい一実施形態では、本発明は、式(I)の構造:

0012

または式(II)の構造:

0013

[式中、
xは、0〜10、好ましくは2〜6、最も好ましくは3の整数であり、
nは、2〜11、好ましくは3〜11の整数である]
を有するコンジュゲートに関する。

0014

本発明のさらなる態様は、本発明のリポソームまたはコンジュゲートと薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物、医薬組成物を調製する方法、および、それを必要としている対象における、タウに対する免疫応答の誘導、または神経変性疾患もしくは障害の処置もしくは防止における、医薬組成物の使用に関する。

0015

一実施形態では、本発明は、神経変性障害を患っている対象において免疫応答を誘導する方法、または、それを必要としている対象において神経変性疾患もしくは障害を処置もしくは防止することに関する。方法は、対象に、本発明のリポソームと薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物、または本発明のコンジュゲートと薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を投与することを含む。好ましくは、方法は、対象に、免疫化プライミングするための本発明の医薬組成物、および免疫化をブーストするための本発明の医薬組成物を投与することを含む。

0016

本発明のさらなる態様、特長、および利点は、以下の発明を実施するための形態および特許請求の範囲を読むことによってより良好に理解されるであろう。

0017

前述の概要および以下の本出願の好ましい実施形態の詳述は、添付の図面と併せて読んだ際により良好に理解されるであろう。しかし、本出願は図面中に示すこれらの詳細な実施形態に限定されないことを理解されたい。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本発明の実施形態による新規ワクチンを例示する図である。本発明の一実施形態によるタウリポソーム(上)および本発明の一実施形態によるタウコンジュゲート(下)である。
図2は、カプセル封入されたヘルパーT細胞エピトープ(たとえば破傷風ポリペプチド(tet))を含有する本発明の一実施形態によるリポソーム(第二世代リポソーム)を含むワクチンが、ヘルパーT細胞活性化させることを例示する図である。
図3は、非自己または免疫原性担体タンパク質を含有する本発明の一実施形態によるコンジュゲートを含むワクチンが、ヘルパーT細胞を活性化させることを例示する図である。
図4は、本発明の実施形態によるタウワクチンが、アカゲザルマカクにおいて持続的な高力価の抗リン酸化タウ抗体を誘導することを示す図である。酵素結合免疫吸着アッセイELISA)によって経時的に測定した1群あたりのエンドポイント力価の幾何平均は、ヘルパーT細胞エピトープなしの対照リポソームワクチンよりも、本発明の一実施形態によるリポソーム(リポソームZ)を含むワクチンまたは本発明の一実施形態によるコンジュゲート(コンジュゲートA)を含むワクチンの方が高い。
図5は、本発明の一実施形態によるリポソーム(リポソームZ)を用いて免疫化したアカゲザルマカクからの血清は、健康なヒト脳切片右パネル)と比較して、ヒトAD脳切片左パネル)において病理学的タウ構造と結合することを示す図である。
図6は、可溶性CpGおよびミョウバン水酸化物(alum hydroxide)を含有する組成物中で配合した、本発明の一実施形態によるコンジュゲート(コンジュゲートA)を用いて免疫化したアカゲザルマカクからの血清は、健康なヒト脳切片(下段)と比較して、ヒトAD脳切片(上段)において病理学的タウ構造と結合することを示す図である。
図7は、そのそれぞれがカプセル封入されたT細胞エピトープT50と1つまたは複数のアジュバントとを含有する、本発明の実施形態によるリポソームワクチン、リポソームX、Y、およびZによって誘導された、アカゲザルマカクにおける抗リン酸化タウ抗体の力価を示す図である。力価はELISAによって測定し、個々のサルにおける経時的なエンドポイント力価で提示されている。具体的には以下の通りである。図7Aは、TLR4リガンドMPLA(3D−(6−アシル)PHAD(登録商標))を単独でアジュバントとして有するリポソームXによって誘導された抗リン酸化タウ抗体の力価を示す図である。図7Bは、TLR9リガンド(脂質付加CpGオリゴヌクレオチド)を単独でアジュバントとして有するリポソームYによって誘導された抗リン酸化タウ抗体の力価を示す図である。図7Cは、TLR4リガンドMPLA(3D−(6−アシル)PHAD(登録商標))とTLR9リガンド(脂質付加CpGオリゴヌクレオチド)との組合せをアジュバントとして有するリポソームZによって誘導された抗リン酸化タウ抗体の力価を示す図であり、2つのアジュバントの組合せは、個々のサル間で誘導される抗体価のばらつきがより少ないことも示している。図7Dは、上述の免疫化群、およびTLR4リガンドMPLAを有するがT細胞エピトープを有さない対照リポソームワクチンとの抗体価の幾何平均を表し、本発明の実施形態によるワクチンが、対照リポソームワクチンよりも高い抗リン酸化タウ抗体の抗体価をもたらすことを示す図である。力価はELISAによって測定し、経時的な1群あたりのエンドポイント力価の幾何平均+/−95%の信頼区間で表されている。
図8は、本発明の一実施形態によるリポソームワクチン(たとえば、リポソームX、Y、もしくはZ)またはコンジュゲートワクチン(コンジュゲートA)を使用した免疫化が、アルツハイマー病患者死後脳から単離した濃縮対らせん状細線維(ePHF)に特異的な抗体IgG力価を誘導することを示す図である。抗体価はMeso Scale Discovery(MSD)の技術によって測定し、50日目での個々のサルの値および最初の免疫化後の幾何平均+/−95%のCIとして表されている。
図9は、カプセル封入されたT50およびTLR4リガンド(3D−(6−アシル)PHAD(登録商標))とTLR9リガンド(脂質付加CpGオリゴヌクレオチド)との組合せをアジュバントとして含有する、本発明の一実施形態によるリポソームワクチン(リポソームZ)を用いた免疫化は、ほとんど配列番号2のリン酸化タウペプチドN末端と結合する抗体を誘導する(図9A)一方で、本発明の一実施形態によるコンジュゲートワクチン(コンジュゲートA)を用いて免疫化したサルは、リン酸化ペプチド(左)および非リン酸化ペプチド(右)のどちらについても、ほとんどペプチドのC末端部分と結合するIgG抗体を生じる(図9B)ことを示す図である。
図10AおよびBは、カプセル封入されたT細胞エピトープT50およびTLR4リガンド(3D−(6−アシル)PHAD(登録商標))をアジュバントとして含有する、本発明の一実施形態によるリポソームワクチン(リポソームS)を用いたワクチン接種が、マウスにおいて、対照リポソームワクチン(TLR4リガンド、3D−(6−アシル)PHAD(登録商標)を有するがT細胞エピトープT50を有さない、リポソームR)ならびに表面T細胞エピトープT57(ジパルミトイル化T50)およびTLR4リガンド(3D−(6−アシル)PHAD(登録商標))を含有する本発明の一実施形態によるリポソームワクチン(リポソームT)よりも顕著に高い抗体価を誘導することを示す図である。最初の免疫化後の21日目(図10A)および35日目(図10B)での抗体価をELISAによって測定し、個々の値および1群あたりの幾何平均±95%のCIとして表されている。(**:p<0.01、***:p<0.001)。
図11は、T細胞ペプチドT48またはT52のリポソーム内へのカプセル封入(それぞれリポソームMまたはN)が、マウスにおいてカプセル封入されたペプチドに特異的なT細胞応答を誘導することを示す図である。T細胞応答はIFN−γ(図11A)およびIL−4(図11B)ELISPOTによって評価した。
図12は、カプセル封入されたT細胞エピトープを含有するリポソームワクチン(リポソームL)および繋留されたT細胞エピトープを含有するリポソームワクチン(リポソームO)はそれぞれ、T細胞エピトープを有さない対照リポソームワクチンよりも高いタウホスホペプチド特異的抗体価を誘導したことを示す図である。リポソームL、リポソームO、および対照リポソームのそれぞれは、MPLAをアジュバントとしてさらに含有する。
図13は、タウコンジュゲート(KLH−TAUVAC−p7.1またはKLH−TAUVAC−p22.1)が野生型マウスにおいてTfH細胞およびタウペプチドに対する頑強なAb力価を誘導することを示す図である。具体的には以下の通りである。図13Aは、成体雌Balb/Cマウス(n=14匹/群)の群を、合計4回、100ugのアジュバント化KLH−タウコンジュゲートワクチン(KLH−TAUVAC−p7.1もしくはKLH−TAUVAC−p22.1)、活性プラセボワクチン(KLH+ミョウバンもしくはRibi)、または不活性のプラセボ(PBS)を用いて、示したスケジュールに従って免疫化したことを例示する図である。それぞれの免疫化群から4匹の動物一次免疫化の7日後に屠殺し、注射部位を排出するリンパ節採取した。図13Bは、免疫化群(n=4匹のマウス/群、個々に分析)毎の排出リンパ節中のTfHの幾何平均パーセントを示す図である。活性ワクチンまたはプラセボを受けているすべての群が測定可能なTfHを有していた。さらに、ワクチンKLH−TAUVAC−p7.1、KLH−TAUVAC−p22.1、または活性プラセボKLH+ミョウバンを受けている動物は、不活性のプラセボを与えた動物よりもTfHを顕著に多く有していた(KLH−TAUVAC−p7.1ではp=0.0044、KLH−TAUVAC−p22.1ではp=0.0482、KLHではp=0.0063、ANOVA検定を使用、次いで多重比較用にダネットの調整)。図13C〜Hは、免疫化後の4つの時点(14、28、56、および84日目)での、ベースライン(0日目)からの血清力価の変化を、群の平均(n=5〜10匹)について95%の信頼区間と共に示す図である。アスタリスクは、KLH−TAUVAC誘導性抗体応答が、活性プラセボによって誘導されたものよりも顕著に高い時点を示す(p≦0.05、ANOVA検定を使用して測定、次いで多重比較用にチューキーの調整)、より詳細には以下の通りである。図13Cは、リン酸化タウペプチドp7.1に対する結合力価を示す図である。図13Dは、リン酸化タウペプチドp22.1に対する結合力価を示す図である。図13Eは、非リン酸化タウペプチド7.1に対する結合力価を示す図である。図13Fは、非リン酸化タウペプチド22.1に対する結合力価を示す図である。図13GおよびHはそれぞれ、担体タンパク質KLHに対する結合力価を示す図である。
図14は、タウコンジュゲートを用いて免疫化したマウスからの血清が、他のタウオパチーからの病理学的タウ構造とも結合したことを示す図である。一次免疫化の84日後のそれぞれのワクチン接種群からプールした血清(n=6匹)を使用して、MAP突然変異(MAPT P301S、前頭皮質)を有する前頭側頭認知症症例、ピック病(前頭皮質)、進行性核上性麻痺PSP尾状核)、および原発性加齢関連タウオパチー(PART海馬)を有する症例からの脳組織を染色した。活性ワクチンを受けている動物からの血清では、それぞれのタウオパチーに典型的なタウ関連構造を強調された一方で、活性プラセボ(KLH−ミョウバンもしくはKLH−Ribi)または不活性のもの(PBS)を用いて免疫化した動物からの血清では、これらの構造のどれも染色されなかった。参考として、対応する領域のAT8を用いた免疫染色を示し、スケールバー=50umである。
図15は、ワクチン誘導性の抗体が加速タウオパチーモデルにおいて凝集タウを低下させることを示す図である。具体的には以下の通りである。図15Aは、3カ月齢のP301Lトランスジェニックマウス(n=15匹/群)がKLH−TAUVAC−p7.1+RIBIまたは活性プラセボKLH+RIBIのどちらかを用いて免疫化したマウスからの精製IgGと共にプレインキュベートしたヒトePHFの定位注射を受けたことを示す図である。注射の2カ月後、すべてのマウスを屠殺し、マウスにおける全画分およびサルコシル不溶性画分中の凝集タウの量を決定した。図15Bおよび15Cは、それぞれの動物の注射した半球から採取した全画分(B)およびサルコシル不溶性画分(C)を示す図である。グラフはMSDによって測定されたタウの量を示す。全画分および不溶性画分のどちらにおいても、KLH−TAUVAC−p7.1で免疫化したマウスからのIgGと共にプレインキュベートしたePHFを受けているマウスの脳は、対照抗体と共にプレインキュベートしたePHFを受けているマウスよりも顕著に少ない凝集タウを有していた。(p<0.0001、ANOVA検定を使用、次いで多重比較用にホルム−ボンフェローニ調整)
図16は、本発明の一実施形態によるタウコンジュゲート(コンジュゲートB)が、非ヒト霊長類においてリン酸化タウおよびePHFに対する高力価の抗体を誘導することを示す図である。アカゲザルマカクを、ミョウバンとCpGアジュバント化KLH−TAUVAC−p7.1(n=6匹)またはKLH(n=2匹)を用いて、1、29、85、および169日目に免疫化した。血液を14日毎に採取した。具体的には以下の通りである。図16Aは、KLH−TAUVAC−p7.1を用いて免疫化した動物からの血清を、免疫化ペプチドp7.1に対する反応性について、ELISAを使用して試験したことを示す図である。図16Bは、一次免疫化の50日後にすべての動物から採取した血清は、MSDを使用してヒトePHFに対して測定可能な抗体レベルを有しており、6匹の動物のうちの3匹がこの抗原に対して高い反応性を示していたことを示す図である。図16Cは、一次免疫化の50日後に動物から採取した血清を健康な個体またはAD患者からのヒト脳切片に適用し、KLH−TAUVAC−p7.1群からの免疫後血清はAD脳組織中の病理学的タウ構造、すなわち、神経原線維のもつれ、神経絨毛糸、および神経突起老人斑を染色した一方で、KLHで免疫化したマウスからの血清はいかなる反応性も示さず、対照組織では染色は観察されなかったことを示す図である。図16Dは、タウ免疫枯渇アッセイにて試験した場合に、KLH−TAUVAC−p7.1を受けている動物は、タウ種と結合して枯渇させることができる抗体を有していた一方で(50日目ではp=0.03、ANOVA検定を使用、次いで多重比較用にダネットの調整)、KLHを用いた免疫化はそのような抗体を始動せなかったことを示す図である。図16Eは、免疫化前および後の血清も連続希釈した個々の試料として中和アッセイにおいて試験したことを示す図である。ベースラインからの変化(CFB)を、ワクチン接種前の−14日目(ベースライン)とワクチン接種後50、106、および190日目のそれぞれとの間の、読取り値のFRET計数差異として計算した。その後、特定のワクチン接種後の日での応答(日i)を以下のように計算した。 "応答 = %FRET_日i − %FRET_ベースライン" 動物を変量効果として用いた、前述の応答に対する一般的な線形混合モデルを、カテゴリー変数として扱ったワクチン群、日、および血清レベル変数ならびにすべてのその相互作用を用いて適用した。
図17は、本発明の一実施形態によるコンジュゲートワクチン(コンジュゲートA)ならびにミョウバン水酸化物(ミョウバン)とオリゴCpG(CpG)アジュバントとの組合せを用いて免疫化したマウスが、ワクチンペプチドに対してより高い力価抗体応答をもたらすことを示す図である。成体雌C57BL/6マウス(n=5〜6匹/群)を、2ugまたは0.2ugのどちらかのコンジュゲートAワクチンを用いて、筋肉内で免疫化し、コンジュゲートワクチンを、単独で、ミョウバンと共に、CpGと共に、またはミョウバンとCpGの組合せと共にのいずれかで投与した。すべてのマウスに、研究の0日目に一次免疫化を与え、次いで28日目に単一のブースター免疫化を与えた。ミョウバンアジュバントの用量は500ug/マウス/注射であり、CpGアジュバントの用量は20ug/マウス/注射であった。グラフは、ワクチンペプチドT3.5をコーティング抗原として用いた免疫化マウスから採取した血清を使用した結合ELISAの結果を示し、免疫化前(0日目)ならびに免疫化後の2つの時点(28および42日目)に1群あたりのT3.5特異的平均エンドポイント力価をプロットし、エラーバー標準誤差を表す。表は、ノンパラメトリッククラスカル−ワリス検定を使用して抗体価を比較し、クラスカルワリス検定の事後としてウィルコクソン符号順位検定を使用して対での群の比較を評価した結果の統計分析を示す。具体的には以下の通りである。図17Aは、マウスを、2ugのコンジュゲートAワクチンを用いて免疫化したことを示す図である。図17Bは、マウスを、0.2ugのコンジュゲートAワクチンを用いて免疫化したことを示す図である。
図18は、様々なタウペプチド対T細胞エピトープの比を有する本発明の実施形態によるタウワクチンが、アカゲザルマカクにおいて持続的な高力価の抗リン酸化タウ抗体を誘導することを示す図である。

0019

様々な刊行物論文、および特許が背景技術および明細書全体にわたって引用または記載されており、これらの参考文献のそれぞれが、その全体で本明細書中に参考として組み込まれている。本明細書中に含められた文書、行為、材料、装置、論文などの議論は、本発明のコンテクストを提供する目的のものである。そのような議論は、これらの事項の任意のものまたは全体が、開示または特許請求されている任意の発明に関して従来技術の一部を形成することを承認するものではない。

0020

別段に定義しない限りは、本明細書中で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の技術者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。そうでない場合は、本明細書中で使用する特定の用語は本明細書中に記載する意味を有する。

0021

本明細書および添付の特許請求の範囲中で使用する単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(th)」には、コンテクストにより明らかにそうでないと指示されない限り、複数形の指示対象が含まれることに注意する必要がある。

0022

別段に記述しない限りは、本明細書中に記載の濃度または濃度範囲などの任意の数値は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるとして理解されるものである。したがって、数値には、典型的には言及した値の±10%が含まれる。たとえば、1mg/mLの濃度には0.9mg/mL〜1.1mg/mLが含まれる。同様に、1%〜10%(w/v)の濃度範囲には0.9%(w/v)〜11%(w/v)が含まれる。本明細書中で使用する数値範囲の使用は、コンテクストにより明らかにそうでないと指示されない限り、すべての可能な部分範囲、その範囲内にあるすべての個々の数値(そのような範囲内にある整数が含まれる)、および値の分数が明白に含まれる。

0023

別段に指定しない限りは、一連の要素に先行する用語「少なくとも」とは、その一連にあるすべての要素をいうと理解されるものである。当業者は、本明細書中に記載の本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を理解する、または日常的な実験以上のものを使用せずにそれを確認できるであろう。そのような均等物は本発明によって包含されることを意図する。

0024

本明細書中で使用する用語「含むこと」、「含む」、「含まれること」、「含まれる」、「有すること」、「有する」、「含有すること」、もしくは「含有する」、またはその任意の他の変形は、記述した整数または整数群の包含を暗示するが、任意の他の整数または整数群の排除を暗示せず、また、非排他的または開放型であることを意図すると理解されるものとする。たとえば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、論文、または器具は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明白に列挙されていない、またはそのような組成物、混合物、プロセス、方法、論文、もしくは器具に固有でない他の要素も含まれることができる。さらに、反対のことが明白に記述されていない限りは、「または」とは、排他的なまたはではなく、包括的なまたはをいう。たとえば、条件AまたはBは、以下のうちの任意の1つによって満たされる:Aが真である(または存在する)かつBがである(または存在しない)、Aが偽である(または存在しない)かつBが真である(または存在する)、およびAおよびBがどちらも真である(または存在する)。

0025

当業者には理解されるであろうことに、好ましい発明の構成要素の寸法または特徴に言及する場合に本明細書中で使用する用語「約」、「約」、「一般に」、「実質的に」、および同様の用語は、記載した寸法/特徴が厳密な境界またはパラメーターではなく、機能的に同じまたは同様である、それからの軽微な変形を排除しないことを示すことを理解されたい。最小限でも、数値パラメーターが含まれるそのような言及には、当分野において認められている数学的および工業的原理(たとえば、丸め、測定誤差または他の系統誤差製作公差など)を使用して、最小有効数字を変化させない変形が含まれるであろう。

0026

微小管関連タンパク質タウ、MAPT、神経原線維のもつれタンパク質、対らせん状細線維−タウ、PHF−タウ、MAPTL、MTBT1としても知られる、本明細書中で使用する用語「タウ」または「タウタンパク質」、複数のアイソフォームを有する、豊富中枢および末梢神経系のタンパク質をいう。ヒト中枢神経系(CNS)では、選択的スプライシングが原因で、352〜441個のアミノ酸の長さの大きさの範囲の、6個の主要なタウアイソフォームが存在する(Hanger et al., TrendsMol Med. 15:112-9, 2009)。タウの例には、それだけには限定されないが、4つの反復および2つの挿入を有する、441個のアミノ酸の最も長いタウアイソフォーム(4R2N)、ならびに3つの反復を有し、挿入なしの、352個のアミノ酸の長さの最も短い(胎児)アイソフォーム(3R0N)などの、CNS中のタウアイソフォームが含まれる。また、タウの例には、300個の追加の残基(エクソン4a)を含有する、末梢神経中で発現される「ビッグタウ(big tau)」アイソフォームも含まれる。Friedhoff et al., Biochimica et Biophysica Acta 1502 (2000) 122-132。タウの例には、6762個のヌクレオチドの長さのmRNA転写物(NM_016835.4)によってコードされている、758個のアミノ酸の長さのタンパク質であるヒトビッグタウ、またはそのアイソフォームが含まれる。例示したヒトビッグタウのアミノ酸配列GenBank受託番号NP_058519.3に表されている。本明細書中で使用する用語「タウ」には、(カニクイ(cynomolgous)ザル(Macaca Fascicularis))または(チンパンジー(Pan troglodytes))などのヒト以外の種からのタウの相同体が含まれる。本明細書中で使用する用語「タウ」には、完全長野生型タウの突然変異、たとえば、点突然変異、断片、挿入、欠失、およびスプライス変異体を含むタンパク質が含まれる。また、用語「タウ」には、タウアミノ酸配列の翻訳後修飾も包含される。翻訳後修飾には、それだけには限定されないがリン酸化が含まれる。

0027

本明細書中で使用する用語「ペプチド」または「ポリペプチド」とは、ペプチド結合によって連結された、アミノ酸残基から構成されるポリマー、関連する天然に存在する構造的変異体、およびその合成の天然に存在しない類似体をいう。この用語は、任意の大きさ、構造、または機能のペプチドをいう。典型的には、ペプチドは少なくとも3個のアミノ酸の長さである。ペプチドは、天然に存在する、組換え、もしくは合成のもの、またはその任意の組合せであることができる。合成ペプチドは、たとえば自動ポリペプチド合成機を使用して合成することができる。タウペプチドの例には、約5〜約30個のアミノ酸の長さ、好ましくは約10〜約25個のアミノ酸の長さ、より好ましくは約16〜約21個のアミノ酸の長さのタウタンパク質の任意のペプチドが含まれる。本開示では、ペプチドをNからC末端に標準の3文字または1文字のアミノ酸略記を使用して列挙し、リン酸残基を「p」で示す。本発明において有用なタウペプチドの例には、それだけには限定されないが、配列番号1〜12のいずれかのアミノ酸配列を含むタウペプチド、または配列番号1〜12のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、もしくは95%同一であるアミノ酸配列を有するタウペプチドが含まれる。

0028

本明細書中で使用する用語「ホスホペプチド」または「ホスホエピトープ」とは、1つまたは複数のアミノ酸残基でリン酸化されたペプチドをいう。タウホスホペプチドの例には、1つまたは複数のリン酸化されたアミノ酸残基を含む任意のタウペプチドが含まれる。本発明において有用なタウホスホペプチドの例には、それだけには限定されないが、配列番号1〜3もしくは5〜12のいずれかのアミノ酸配列を含むタウホスホペプチド、または配列番号1〜3もしくは5〜12のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、もしくは95%同一であるアミノ酸配列を有するタウホスホペプチドが含まれる。

0029

本発明のタウペプチドは、固相ペプチド合成または組換え発現系によって合成することができる。自動ペプチド合成機は、Applied Biosystems(カリフォルニア州FosterCity)などの数々の供給業者から販売されている。組換え発現系には、大腸菌(E. coli)などの細菌、酵母昆虫細胞、または哺乳動物細胞などを含むことができる。組換え発現のための手順は、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (C.S.H.P. Press, NY 2d ed., 1989)によって記載されている。

0030

タウはヒト「自己」タンパク質である。このことは、原則的に、タウに特異的な受容体を保有するすべてのリンパ球は、発生の間に消失している(中枢性寛容)、または末梢性寛容機構によって不応性とされているはずであることを意味する。この問題は、自己または「変更された自己」タンパク質(たとえば腫瘍抗原)に対するワクチンの開発における顕著な障害であることが判明している。

0031

抗原(自己または感染性)に対する高品質の抗体の生成は、抗体を産生するBリンパ球だけでなく、CD4+T「ヘルパー」リンパ球の作用も必要とする。CD4+T細胞は重大な生存および成熟シグナルをBリンパ球に提供し、CD4+T細胞欠乏動物は免疫抑制が深刻である。また、CD4+T細胞は寛容機構の影響を受けやすく、強力な抗自己(たとえば抗タウ)抗体応答を生じることのさらなる障害は、タウ反応性CD4+T細胞がヒト/動物レパートリーにおいて希少または存在しない可能性も高いことである。

0032

理論に束縛されることを望まず、いかなる様式でも本発明の範囲を限定しないが、この問題は本発明のワクチン組成物によって回避されると考えられている。

0033

一実施形態では、HLADR(ヒト白血球抗原−抗原D関連)分子のほとんどまたは全部と結合することができるT細胞エピトープも含む、タウペプチドを含むリポソーム(一例を図1の上部に示す)を生成する。その後、T細胞エピトープはCD4+T細胞を活性化させることができ、必須の成熟および生存シグナルをタウ特異的B細胞に提供する(図2)。別の実施形態では、タウペプチドと担体タンパク質とのコンジュゲートを生成し(一例を図1の下部に示す)、これは強力なヘルパーT細胞応答(図3)を生じる。本実施形態では、担体に特異的なT細胞が生存および成熟シグナルを自己反応性B細胞に提供する、「非連結認識」を使用する。したがって、タウ特異的B細胞は、親和性成熟免疫グロブリンクラススイッチを始動させ、長期的な記憶プール確立するために重大なシグナルを受け取る。タウリポソームおよびタウコンジュゲートを使用して、同種または異種の免疫化スキームにおいて、プライムおよび/またはブーストにおいてリポソームまたはコンジュゲートのいずれかを用いて、タウ抗原に対する高品質な抗体を生成することができる。

0034

リポソーム
一般的な一態様では、本発明は、
a.好ましくはタウホスホペプチドであるタウペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープと、
を含み、タウペプチドがリポソームの表面上に提示されている、リポソームに関する。

0035

本発明の実施形態によるリポソームは、本明細書中、「改善リポソーム」、「改善リポソームワクチン」または「本発明の実施形態によるリポソームワクチン」または「タウリポソーム」または「最適化リポソームワクチン」または「第二世代リポソーム」とも呼ばれる。

0036

本明細書中で使用する用語「リポソーム」とは、一般に、高い脂質含有量を有する材料、たとえば、リン脂質コレステロールから作られる脂質小胞をいう。これらの小胞の脂質は、一般に、脂質二重層の形態で組織化されている。脂質二重層は、一般に、脂質二重層の複数のタマネギ様の殻の間に散在しており多重膜脂質小胞(MLV)を形成しているか、または非晶質中心腔内に含有されている、体積をカプセル封入している。非晶質中心腔を有する脂質小胞は単層脂質小胞である、すなわち、腔を取り囲む単一の末梢二重層を有するものである。大型単層膜ベシクル(LUV)は、一般に、100nm〜数マイクロメートル、たとえば100〜200nm以上の直径を有する一方で、小型単層脂質小胞(SUV)は、一般に、100nm未満、たとえば20〜100nm、典型的には15〜30mmの直径を有する。

0037

特定の実施形態によれば、リポソームは1つまたは複数のタウペプチドを含む。特定の実施形態によれば、リポソーム中のタウペプチドは同じまたは異なり得る。

0038

当業者に知られている任意の適切なタウペプチドを、本開示に鑑みて本発明において使用することができる。特定の実施形態によれば、タウペプチドのうちの1つまたは複数は、配列番号1〜12のうちの1つのアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、タウペプチドのうちの1つまたは複数は、配列番号1〜12のうちの1つのアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、もしくは95%同一であるアミノ酸配列を含み、ここで、アミノ酸残基はどれもリン酸化されていない、または1つもしくは複数のアミノ酸残基がリン酸化されている。

0039

特定の実施形態によれば、タウペプチドのうちの1つまたは複数はタウホスホペプチドである。特定の実施形態によれば、1つまたは複数のタウホスホペプチドは、配列番号1〜3もしくは5〜12のうちの1つのアミノ酸配列、または配列番号1〜3もしくは5〜12のうちの1つのアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、もしくは95%同一であるアミノ酸配列を含み、ここで、示したアミノ酸残基のうちの1つまたは複数はリン酸化されている。好ましくは、タウホスホペプチドは配列番号1〜3のうちの1つのアミノ酸配列を含む。タウペプチドはC末端がアミド化され得る。

0040

本出願の実施形態によれば、タウペプチドはリポソームの表面上に提示されている。タウペプチド、好ましくはタウホスホペプチドは、本開示に鑑みて当分野で知られている方法を使用して、リポソームの表面上に提示させることができる。たとえば、その内容が本明細書中に参考として組み込まれている米国特許第8,647,631号明細書および第9,687,447号明細書中の関連開示を参照されたい。特定の実施形態によれば、ホスホペプチドを含めた1つまたは複数のタウペプチドは、タウペプチドがリポソームの表面上に提示されることを可能にする、パルミトイル化またはドデシル修飾などの1つまたは複数の修飾をさらに含む。修飾を容易にするために、Lys、Cys、または場合によってはSerもしくはThrなどの追加のアミノ酸残基をタウペプチドに付加することができる。脂質アンカーの位置が、ペプチド配列の様々なコンホメーションを誘導することが報告されている(Hickman et al., J. Biol. Chem. vol. 286, NO. 16, pp. 13966-13976, April 22, 2011)。理論に束縛されることを望まないが、両末端疎水性部分を付加することが、タウペプチドの病理学的ベータシートコンホメーションを増加させ得ると考えられている。したがって、1つまたは複数のタウペプチドは、両末端に疎水性部分をさらに含む。修飾されたタウペプチドはC末端がアミド化され得る。好ましくは、リポソームの表面上に提示されたタウペプチドは、配列番号27〜配列番号38のうちの1つアミノ酸配列からなる。

0041

本明細書中で使用する用語「ヘルパーT細胞エピトープ」とは、ヘルパーT細胞による認識が可能なエピトープを含むポリペプチドをいう。ヘルパーT細胞エピトープの例には、それだけには限定されないが、破傷風トキソイド(たとえば、P2およびP30エピトープ、それぞれT2およびT30とも呼ばれる)、B型肝炎表面抗原コレラ毒素B、トキソイドジフテリアトキソイド麻疹ウイルスFタンパク質トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)主要外膜タンパク質、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)スポロゾイト周辺(circumsporozite)T、熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)CS抗原、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)トリオースリン酸イソメラーゼ百日咳菌(Bordetella pertussis)、破傷風菌(Clostridium tetani)、パーツリアトラサリナ(Pertusaria trachythallina)、大腸菌(Escherichia coli)TraT、およびインフルエンザウイルス赤血球凝集素HA)が含まれる。

0042

当業者に知られている任意の適切なヘルパーT細胞エピトープを、本開示に鑑みて本発明において使用することができる。特定の実施形態によれば、ヘルパーT細胞エピトープは、配列番号23〜配列番号26からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む。好ましくは、ヘルパーT細胞エピトープは、1つまたは複数のアミノ酸、たとえば、Val(V)、Ala(A)、Arg(R)、Gly(G)、Ser(S)、Lys(K)を含むペプチドリンカーなどのリンカーを介して一緒に融合された、配列番号23〜配列番号26のアミノ酸配列のうちの2つ以上を含む。リンカーの長さは変動することができ、好ましくは1〜5個のアミノ酸である。好ましくは、ヘルパーT細胞エピトープは、VVR、GS、RR、RKからなる群から選択される1つまたは複数のリンカーを介して一緒に融合された、配列番号23〜配列番号26のアミノ酸配列のうちの3つ以上を含む。ヘルパーT細胞エピトープはそのC末端がアミド化され得る。

0043

本出願の実施形態によれば、ヘルパーT細胞エピトープは、たとえば共有結合した疎水性部分によって繋留させて、リポソーム表面上に取り込ませることができ、ここで、前記疎水性部分は、アルキル基脂肪酸トリグリセリドジグリセリドステロイドスフィンゴ脂質糖脂質、またはリン脂質、特にアルキル基または脂肪酸、特に少なくとも3個の炭素原子、特に少なくとも4個の炭素原子、特に少なくとも6個の炭素原子、特に少なくとも8個の炭素原子、特に少なくとも12個の炭素原子、特に少なくとも16個の炭素原子の炭素主鎖を有するものである。本発明の一実施形態では、疎水性部分はパルミチン酸である。あるいは、ヘルパーT細胞エピトープはリポソーム内にカプセル封入させることができる。特定の実施形態によれば、ヘルパーT細胞エピトープはリポソーム内にカプセル封入されている。

0044

ヘルパーT細胞エピトープは、本開示に鑑みて当分野で知られている方法を使用して、リポソーム中のその所望の位置を修飾することができる。特定の実施形態によれば、本発明において有用なヘルパーT細胞エピトープは、配列番号39〜配列番号44のうちの1つのアミノ酸配列を含む。好ましくは、ヘルパーT細胞エピトープは、配列番号13〜配列番号17からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。

0045

特定の実施形態によれば、リポソームは、タウペプチドとヘルパーT細胞エピトープとを1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、または6:1の重量比で含む。

0046

一実施形態では、リポソームは、トール様受容体リガンドを含む少なくとも1つのアジュバントをさらに含む。したがって、別の一般的な態様では、本発明は、
a.タウペプチド、好ましくはタウホスホペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープと、
c.i.トール様受容体9リガンド、および
ii.トール様受容体4リガンド
のうちの少なくとも1つと
を含む、リポソームに関する。

0047

本明細書中で使用する用語「トール様受容体」または「TLR」とは、自然免疫応答において主要な役割を果たすパターン認識受容体(PRR)タンパク質のクラスをいう。TLRは、細菌、真菌寄生生物、およびウイルスなどの微生物病原体からの病原体関連分子パターン(PAMP)を認識し、これは宿主分子とは区別することができる。TLRは、典型的には二量体として機能する膜貫通タンパク質であり、抗原提示樹状細胞および食作用マクロファージを含めた自然免疫応答に関与する細胞によって発現される。少なくとも10個のヒトTLRファミリーメンバー、すなわちTLR1〜TLR10、ならびに少なくとも12個のネズミTLRファミリーメンバー、すなわちTLR1〜TLR9およびTLR11〜TLR13が存在し、これらは、それが認識する抗原の種類が異なる。たとえば、TLR4は、多くのグラム陰性細菌中に存在する構成要素であるリポ多糖LPS)、ならびに低密度リポタンパク質ベータデフェンシン、および熱ショックタンパク質などのウイルスのタンパク質、多糖、および内在性タンパク質を認識し、TLR9は、原核ゲノムでは豊富であるが脊椎動物ゲノムでは希少である、非メチル化シトシンリン酸グアニン(CpG)一本鎖または二本鎖ジヌクレオチドによって活性化される、ヌクレオチド感知TLRである。TLRの活性化は、I型インターフェロン(IFN)、炎症性サイトカイン、およびケモカインの産生、ならびに免疫応答の誘導をもたらす、一連のシグナル伝達事象をもたらす。最終的に、この炎症は適応免疫系も活性化し、その後、浸潤病原体および感染細胞の排除をもたらす。

0048

本明細書中で使用する用語「リガンド」とは、生体分子(たとえば受容体)と複合体を形成して生物学的目的を果たす分子をいう。特定の実施形態によれば、トール様受容体リガンドはトール様受容体作用剤である。

0049

本明細書中で使用する用語「作用剤」とは、1つまたは複数のTLRと結合し、受容体媒介性の応答を誘導する分子をいう。たとえば、作用剤は、受容体の活性を誘導、刺激、増加、活性化、促進、増強、またはアップレギュレートすることができる。そのような活性は「作用活性」という。たとえば、TLR4またはTLR9作用剤は、結合した受容体を介して細胞シグナル伝達を活性化または増加することができる。作用剤には、それだけには限定されないが、核酸、小分子、タンパク質、炭水化物、脂質、または受容体と結合もしくは相互作用する任意の他の分子が含まれる。作用剤は、天然受容体リガンドの活性を模倣することができる。作用剤は、受容体によって認識されることができるように、配列、コンホメーション、電荷、または他の特徴に関してこれら天然受容体リガンドと相同的であることができる。この認識は、細胞が、天然受容体リガンドが存在していた場合と同じ様式で作用剤の存在に反応するような、細胞内での生理的および/または生化学的な変化をもたらすことができる。特定の実施形態によれば、トール様受容体作用剤はトール様受容体4作用剤およびトール様受容体9作用剤のうちの少なくとも1つである。

0050

本明細書中で使用する用語「トール様受容体4作用剤」とは、TLR4の作用剤として役割を果たす任意の化合物をいう。当業者に知られている任意の適切なトール様受容体4作用剤を、本開示に鑑みて本発明において使用することができる。本発明において有用なトール様受容体4リガンドの例には、それだけには限定されないがモノホスホリル脂質A(MPLA)を含めたTLR4作用剤が含まれる。本明細書中で使用する用語「モノホスホリル脂質A」またはMPLA」とは、グラム陰性細菌リポ多糖(LPS)内毒素生物活性部分である、脂質Aの修飾された形態をいう。MPLAは、免疫賦活活性を維持しつつも、LPSより毒性が低い。ワクチンアジュバントとしては、MPLAはワクチン抗原に対する細胞応答および液性応答をどちらも刺激する。MPLAの例には、それだけには限定されないが、3−O−脱アシル−4’−モノホスホリル脂質A、モノホスホリルヘキサ−アシル脂質A、3−脱アシル、モノホスホリル3−脱アシル脂質A、および構造的に関連するその変異体が含まれる。本発明において有用なMPLAは、当分野で知られている方法を使用して、または、Avanti Polar Lipids(米国アラバマ州Alabaster)の3D−(6−アシル)PHAD(登録商標)、PHAD(登録商標)、PHAD(登録商標)−504、3D−PHAD(登録商標)、もしくは様々な商業的供給源のMPL(商標)などの商業的供給源から得ることができる。特定の実施形態によれば、トール様受容体4作用剤はMPLAである。本明細書中で使用する用語「トール様受容体9作用剤」とは、TLR9の作用剤として作用する任意の化合物をいう。当業者に知られている任意の適切なトール様受容体9作用剤を、本開示に鑑みて本発明において使用することができる。本発明において有用なトール様受容体9リガンドの例には、それだけには限定されないがCpGオリゴヌクレオチドを含めたTLR9作用剤が含まれる。

0051

本明細書中で使用する用語「CpGオリゴヌクレオチド」、「CpGオリゴデオキシヌクレオチド」、または「CpGODN」とは、少なくとも1つのCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドをいう。本明細書中で使用する「オリゴヌクレオチド」、「オリゴデオキシヌクレオチド」、または「ODN」とは、複数の連結したヌクレオチド単位から形成されたポリヌクレオチドをいう。そのようなオリゴヌクレオチドは、既存の核酸源から得ることができるか、または合成方法によって生成することができる。本明細書中で使用する用語「CpGモチーフ」とは、リン酸結合またはリン酸ジエステル主鎖もしくは他のヌクレオチド間結合によって連結された非メチル化シトシン−リン酸−グアニン(CpG)ジヌクレオチド(すなわち、シトシン(C)次いでグアニン(G))を含有するヌクレオチド配列をいう。

0052

特定の実施形態によれば、CpGオリゴヌクレオチドは脂質付加されている、すなわち脂質部分とコンジュゲートされている(共有結合している)。

0053

本明細書中で使用する「脂質部分」とは、親油性構造を含有する部分をいう。アルキル基、脂肪酸、トリグリセリド、ジグリセリド、ステロイド、スフィンゴ脂質、糖脂質、またはリン脂質、特にコレステロールなどのステロールまたは脂肪酸などの脂質部分は、核酸などの高親水性分子に付着した場合に、血漿タンパク質の結合、結果的には親水性分子循環半減期を実質的に増強させることができる。さらに、リポタンパク質などの特定の血漿タンパク質との結合は、対応するリポタンパク質受容体(たとえば、LDL受容体HDL受容体、またはスカベンジャー受容体SR−B1)を発現する特定の組織中への取り込みを増加させることが示されている。特に、ホスホペプチドおよび/またはCpGオリゴヌクレオチドとコンジュゲートさせた脂質部分は、前記ペプチドおよび/またはオリゴヌクレオチドが疎水性部分を介してリポソームの膜内に繋留されることを可能にする。

0054

特定の実施形態によれば、本開示に鑑みて、CpGオリゴヌクレオチドは任意の適切なヌクレオチド間結合を含むことができる。

0055

本明細書中で使用する用語「ヌクレオチド間結合」とは、隣接するヌクレオシド間のリン原子荷電基または中性基からなる、2つのヌクレオチドをその糖を介して結合させる化学結合をいう。ヌクレオチド間結合の例には、リン酸ジエステル(po)、ホスホロチオエート(ps)、ホスホジチオエート(ps2)、メチルホスホネート(mp)、およびメチルホスホロチオエート(rp)が含まれる。ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、およびメチルホスホロチオエートは安定化ヌクレオチド間結合である一方で、リン酸ジエステルは天然に存在するヌクレオチド間結合である。オリゴヌクレオチドホスホロチオエートは、典型的にはRpおよびSpホスホロチオエート結合ランダムラセミ混合物として合成される。

0056

当業者に知られている任意の適切なCpGオリゴヌクレオチドを、本開示に鑑みて本発明において使用することができる。そのようなCpGオリゴヌクレオチドの例には、それだけには限定されないが、CpG2006(CpG7909としても知られる)、CpG1018、CpG2395、CpG2216、またはCpG2336が含まれる。

0057

本開示に鑑みて当分野で知られている方法を使用して、CpGオリゴヌクレオチドに脂質付加することができる。一部の実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドの3’末端は、任意選択PEGリンカーを介して、リン酸結合を介してコレステロール分子と共有結合している。また、他の親油性部分もCpGオリゴヌクレオチドの3’末端と共有結合することができる。たとえば、CpGオリゴヌクレオチドは、任意選択でPEGリンカーを介して、リポソームからのリン脂質と同じ長さの脂質アンカー、すなわち、1本のパルミチン酸鎖(Pal−OHもしくは類似のものを使用、カップリング用に活性化)または2本のパルミチン酸(たとえば1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−(スクシニル)もしくは類似のものを使用、カップリング用に活性化)と共有結合することができる。たとえば、その内容が本明細書中に参考として組み込まれている米国特許第7,741,297号明細書中の関連開示を参照されたい。PEGの長さは、たとえば1〜5個のPEG単位で変動することができる。

0058

他のリンカーも、CpGオリゴヌクレオチドを親油性部分(コレステロール分子など)と共有結合させるために使用することができ、その例には、それだけには限定されないが3〜12個の炭素を有するアルキルスペーサーが含まれる。オリゴヌクレオチド化学適合性のある短いリンカーがアミノジオールとして必要である。一部の実施形態では、共有結合にリンカーを使用しない。たとえば、その関連開示が本明細書中に参考として組み込まれているRies et al., “Convenient synthesis and application of versatile nucleic acid lipid membrane anchors in the assembly and fusion of liposomes, Org. Biomol. Chem., 2015, 13, 9673を参照されたい。

0059

特定の実施形態によれば、本発明において有用な脂質付加CpGオリゴヌクレオチドは、配列番号18〜配列番号22からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含み、ヌクレオチド配列は、1つまたは複数のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含んでおり、リンカーを介して少なくとも1つのコレステロールと共有結合している。任意の適切なリンカーを使用してCpGオリゴヌクレオチドをコレステロール分子と共有結合させることができる。好ましくは、リンカーはポリエチレングリコール(PEG)を含む。

0060

特定の実施形態によれば、リポソームは、
a.タウホスホペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープと、
c.脂質付加CpGオリゴヌクレオチドと、
d.トール様受容体4リガンドと
を含み、タウホスホペプチドはリポソームの表面上に提示されており、ヘルパーT細胞エピトープはリポソーム内にカプセル封入されている。

0061

特定の実施形態によれば、リポソームは、
a.配列番号27〜配列番号38からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するタウペプチドと、
b.配列番号39〜配列番号44からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するヘルパーT細胞エピトープ、好ましくは、配列番号13〜配列番号17からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるヘルパーT細胞エピトープと、
c.配列番号18〜配列番号22からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有し、1つまたは複数のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、リンカーを介して少なくとも1つのコレステロールと共有結合している、脂質付加CpGオリゴヌクレオチドと
d.モノホスホリル脂質A(MPLA)と
を含む。

0062

特定の実施形態によれば、リポソームは、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンDMPC)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホリル−3’−rac−グリセロール(DMPG)、およびコレステロールからなる群から選択される1つまたは複数の脂質をさらに含む。

0063

特定の実施形態によれば、リポソームは緩衝液をさらに含む。当業者に知られている任意の適切な緩衝液を、本開示に鑑みて本発明において使用することができる。一実施形態では、リポソームはリン酸緩衝生理食塩水を含む。特定の実施形態によれば、緩衝液はヒスチジンおよびスクロースを含む。

0064

特定の実施形態によれば、リポソームは、DMPC、DMPG、コレステロール、タウホスホペプチド、およびヘルパーT細胞エピトープを9:1:7:0.07:0.04のモル比で含む。

0065

本発明のリポソームは、本開示に鑑みて当分野で知られている方法を使用して作製することができる。

0066

本出願の例示的なリポソームを図1に例示する。より詳細には、タウテトラパルミトイル化ホスホペプチド(pタウペプチドT3、配列番号28)は、タウペプチドのそれぞれの末端で2つのパルミチン酸を介してリポソームの表面上に提示されている。脂質付加CpG(アジュバントCpG7909−Chol)を含むTLR−9リガンドは、共有結合しているコレステロールを介してリポソーム膜内に取り込まれている。TLR−4リガンド(アジュバント3D−(6−アシル)PHAD(登録商標))も膜内に取り込まれている。ヘルパーT細胞エピトープ(PAN−DR結合剤T50)はカプセル封入されている。

0067

コンジュゲート
一般的な一態様では、本発明は、タウペプチドと、それとコンジュゲートさせた免疫原性担体とを含むコンジュゲートに関する。

0068

特定の態様によれば、コンジュゲートは、以下の構造:

0069

または式(II)の構造:

0070

[式中、
xは、0〜10の整数であり、
nは、2〜15、好ましくは3〜11の整数である]
を有する。

0071

特定の実施形態によれば、xは、1〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4、または2〜3の整数である。特定の実施形態によれば、xは3である。

0072

特定の実施形態によれば、nは、2〜15、3〜11、3〜9、3〜8、または3〜7である。

0073

特定の実施形態によれば、コンジュゲートは1つまたは複数のタウペプチドを含む。特定の実施形態によれば、コンジュゲートのタウペプチドは同じまたは異なり得る。

0074

特定の実施形態によれば、任意の適切なタウペプチドを、本開示に鑑みて本発明において使用することができる。特定の実施形態によれば、タウペプチドのうちの1つまたは複数は、配列番号1〜12のうちの1つのアミノ酸配列、または配列番号1〜12のうちの1つのアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、もしくは95%同一であるアミノ酸配列を含み、ここで、アミノ酸残基のうちの0個、1個、または複数がリン酸化されている。

0075

特定の実施形態によれば、タウペプチドのうちの1つまたは複数はタウホスホペプチドである。特定の実施形態によれば、1つまたは複数のタウホスホペプチドは、配列番号1〜3もしくは5〜12のうちの1つのアミノ酸配列、または配列番号1〜3もしくは5〜12のうちの1つのアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、もしくは95%同一であるアミノ酸配列を含み、ここで、示したアミノ酸残基のうちの1つまたは複数はリン酸化されている。

0076

特定の実施形態によれば、タウホスホペプチドは配列番号1〜3のうちの1つのアミノ酸配列からなる。

0077

本明細書中で使用する用語「免疫原性担体」とは、タウペプチドとカップリングさせることができる免疫原性物質をいう。タウペプチドとカップリングされた免疫原性部分は、免疫応答を誘導し、タウペプチドと特異的に結合することができる抗体の産生を誘発することができる。免疫原性部分は、外来物として認識され、したがって宿主から免疫応答を誘発させる、タンパク質、ポリペプチド、糖タンパク質複合多糖粒子、核酸、ポリヌクレオチドなどを含めた作動可能な部分である。当業者に知られている任意の適切な免疫原性担体を、本開示に鑑みて本発明において使用することができる。特定の実施形態によれば、免疫原性担体は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、破傷風トキソイド、CRM197(ジフテリア毒素無毒性形態)、髄膜炎菌(N. meningitidis)由来の外膜タンパク質混合物(OMP)、またはその誘導体である。特定の実施形態によれば、免疫原性担体はKLHまたはCRM197である。

0078

特定の実施形態によれば、タウペプチドはリンカーを介して担体とコンジュゲートしている。本明細書中で使用する用語「リンカー」とは、免疫原性担体をタウペプチドと結合させる化学部分をいう。当業者に知られている任意の適切なリンカーを、本開示に鑑みて本発明において使用することができる。リンカーは、たとえば、単一共有結合、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル部分、ポリエチレングリコール(PEG)リンカー、ペプチドリンカー、糖に基づくリンカー、ジスルフィド結合もしくはプロテアーゼ切断部位などの切断可能なリンカー、アミノ酸、またはその組合せであることができる。リンカーの例は、ポリエチレングリコール(PEG)、スクシンイミジル3−(ブロモアセトアミド)プロピオネート(SBAP)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)のうちの1つまたは複数、Cys、Lys、または場合によってはSerもしくはThrなどの1つまたは複数のアミノ酸、あるいはその組合せを含むことができる。

0079

特定の実施形態によれば、リンカーは、(C2H4O)x−システインアセトアミドプロピオンアミドまたはm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル−システイン−(C2H4O)xを含む[式中、xは、0〜10の整数、たとえば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である]。

0080

特定の実施形態によれば、担体はリンカーを介してタウペプチドのN末端と共有結合している。

0081

他の特定の実施形態によれば、担体はリンカーを介してタウペプチドのC末端と共有結合している。

0082

特定の実施形態によれば、コンジュゲートは、以下の構造:

0083

[式中、nは、2〜15、好ましくは3〜11、より好ましくは3〜7の整数である]
を有する。

0084

本発明のコンジュゲートは、本開示に鑑みて当分野で知られている方法によって作製することができる。たとえば、上記コンジュゲートは、スクシンイミジル−3−(ブロモアセトアミド)プロピオネート(SBAP):

0085

をCRM197のアミノ基と反応させてアミド結合を形成させることによって、形成することができる。続いて、このCRM197前駆体を、そのN末端またはそのC末端で遊離求核性チオール基を有するPEG−システインリンカーとコンジュゲートしているタウペプチド(たとえば配列番号2のリン酸化タウペプチド)と反応させて、タウホスホペプチドコンジュゲートを形成することができる。

0086

本出願の一実施形態による例示的なコンジュゲートを図1に例示する。より詳細には、複数のタウホスホペプチド(pタウペプチドT3.76)が担体タンパク質CRM197と共有結合している。

0087

医薬組成物
一般的な一態様では、本発明は、治療有効量の本発明のリポソームまたはコンジュゲートを、薬学的に許容される賦形剤および/または担体と一緒に含む、医薬組成物に関する。薬学的に許容される賦形剤および/または担体は当分野で周知である(Remington’s Pharmaceutical Science (15th ed.), Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1980を参照)。医薬組成物の好ましい配合は、意図する投与様式および治療的適用に依存する。組成物には、動物またはヒト投与のための医薬組成物を配合するために一般的に使用されるビヒクルとして定義される、薬学的に許容される無毒性の担体または希釈剤が含まれることができる。希釈剤は、組合せの生物活性に影響を与えないように選択する。そのような希釈剤の例は、蒸留水、生理的リン酸緩衝食塩水リンゲル液デキストロース溶液、およびハンクス液である。さらに、医薬組成物または配合物には、他の担体、アジュバント、または無毒性の非治療的な非免疫原性の安定化剤なども含まれ得る。担体、賦形剤、または希釈剤の特徴は特定の適用の投与経路に依存することが理解されよう。

0088

医薬組成物は、同じ免疫原性タウペプチドの混合物を含有することができる。あるいは、医薬組成物は、本発明の異なる免疫原性タウペプチドの混合物を含有することができる。

0089

神経疾患に対するワクチンに関連する別の問題は、有効性を保証するために並外れて高い抗体価が必要な可能性があることである。これは、ワクチンの標的抗原が脳内に位置しているからである。脳は、血液脳関門(BBB)と呼ばれる特殊な細胞構造によって循環から分離されている。BBBは、循環から脳内への物質の通過を制限する。これにより、毒素微生物などが中枢神経系内に入ることが防止される。また、BBBは、免疫媒介物質(抗体など)の、脳を取り囲む間質液および脳脊髄液内への効率的な侵入を防止するという、潜在的により望ましくない効果も有する。

0090

全身循環中に存在する抗体の約0.1%がBBBを横断して脳に入る。このことは、CNS抗原を標的とするワクチンによって誘導される全身性力価が、脳内で有効となるためには、最小有効力価よりも少なくとも1000倍高くなければならないことを意味する。

0091

特定の実施形態によれば、本発明の医薬組成物はしたがって1つまたは複数の適切なアジュバントをさらに含む。したがって、リポソームまたはコンジュゲート中に存在する本発明のタウペプチドは、対象において所望の免疫応答を達成するために適切なアジュバントと組み合わせて投与することができる。適切なアジュバントは、本発明のリポソームまたはコンジュゲートの投与の前、後、またはそれと同時に投与することができる。好ましいアジュバントは、応答の定性的形態に影響を与える免疫原コンホメーション変化を引き起こさずに、本来備わっている免疫原に対する応答を増大させる。アジュバントの例は、水酸化アルミニウムリン酸アルミニウム、および硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩(ミョウバン)である。そのようなアジュバントは、MPLAクラス(3脱−O−アシル化モノホスホリル脂質A(MPL(商標))、モノホスホリルヘキサ−アシル脂質A3−脱アシル合成(3D−(6−アシル)PHAD(登録商標))、PHAD(商標)、PHAD(登録商標)−504、3D−PHAD(登録商標))脂質A)、ポリグルタミン酸またはポリリシンなどのポリマーまたは単量体のアミノ酸等の、他の特定の免疫賦活剤を用いてまたは用いずに使用することができる。そのようなアジュバントは、ムラミルペプチド(たとえば、N−アセチルムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)、N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Al−D−イソグル−L−Ala−ジパルミトキシプロピルアミド(DTP−DPP)Theramide(商標))、または他の細菌細胞壁構成要素などの、他の特定の免疫賦活剤を用いてまたは用いずに使用することができる。水中油乳濁液には、5%のスクアレン、0.5%のTween80、および0.5%のSpan85を含有する(任意選択で様々な量のMTP−PEを含有する)MF59(微小流動化装置を使用してサブミクロン粒子へと配合)(国際公開第90/14837号パンフレット参照)、10%のスクアレン、0.4%のTween80、5%のプルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含有するSAFサブミクロン乳濁液へと微小流動化またはボルテックスしてより大きな粒径の乳濁液を生成するかのいずれか)、Ribi(商標)アジュバント系RAS)(Ribi ImmunoChem、モンタナ州Hamilton)0.2%のTween80、ならびに、モノホスホリル脂質A(MPL(商標))、トレハロースジミコレートTDM)、および細胞壁骨格(CWS)、好ましくはMPL(商標)+CWS(Detox(商標))からなる群から選択される1つまたは複数の細菌細胞壁構成要素が含まれる。他のアジュバントには、完全フロイントアジュバント(CFA)、ならびにインターロイキン(IL−1、IL−2、およびIL−12)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、および腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカインが含まれる。

0092

2つ以上の治療を対象に投与するコンテクストにおいて本明細書中で使用する用語「組み合わせて」とは、複数の治療薬の使用をいう。用語「組み合わせて」の使用は、治療薬を対象に投与する順序を制限しない。たとえば、第1の治療薬(たとえば本明細書中に記載の組成物)を、第2の治療薬を対象に投与する前(たとえば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間前)、それと同時に、またはそれに続いて(たとえば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間後)に投与することができる。

0093

本発明の医薬組成物は、当分野で周知の方法によって配合することができる。組成物中のそれぞれの構成要素の最適な比は、本開示に鑑みて当業者に周知の技法によって決定することができる。

0094

使用方法
本発明の別の一般的な態様は、対象に本発明の一実施形態による医薬組成物を投与することを含む、神経変性疾患、障害、または状態を患っている対象においてタウタンパク質に対する免疫応答を誘導する方法に関する。特定の態様によれば、免疫応答はリン酸化タウタンパク質、好ましくはePHFに対して誘導される。

0095

本発明の別の一般的な態様は、神経変性疾患、障害、または状態、対象に本発明の一実施形態による医薬組成物を投与することを含む、処置または防止する方法に関する。

0096

本明細書中で使用する用語「誘導する」および「刺激する」ならびにその変形は、細胞活性のいかなる量の測定可能な増加をいう。免疫応答の誘導には、たとえば、免疫細胞集団の活性化、増殖、もしくは成熟、サイトカイン産生の増加、および/または増加した免疫機能の別の指標が含まれることができる。特定の実施形態では、免疫応答の誘導には、B細胞の増殖の増加、抗原特異的抗体の産生、抗原特異的T細胞の増殖の増加、樹状細胞抗原提示の改善、ならびに/または特定のサイトカイン、ケモカイン、および共刺激マーカーの発現の増加が含まれることができる。

0097

動物またはヒト生物への投与の際に抗タウ免疫応答を誘導または刺激する能力は、当分野において標準的である様々なアッセイを使用してin vitroまたはin vivoのどちらかで評価することができる。免疫応答の開始および活性化を評価するために利用可能な技法の一般的な説明には、たとえばColigan et al. (1992 and 1994, Current Protocols in Immunology; ed. J Wiley & Sons Inc, National Institute of Health)を参照されたい。細胞性免疫の測定は、当分野で容易に知られている方法によって、たとえば、CD4+およびCD8+T細胞に由来するものを含めた活性化されたエフェクター細胞によって分泌されたサイトカインプロファイルの測定によって(たとえば、ELISPOTによるIL−4またはIFNガンマ産生細胞の定量)、免疫エフェクター細胞活性化状態の決定によって(たとえば、古典的な[3H]チミジン取り込みによるT細胞増殖アッセイ)、感作された対象において抗原特異的Tリンパ球をアッセイすることによって(たとえば、細胞毒性アッセイにおけるペプチド特異的溶解など)、行うことができる。

0098

細胞応答および/または液性応答を刺激する能力は、対象からの生体試料(たとえば、血液、血漿、血清、PBMC、尿、唾液糞便、CSF、またはリンパ液)を、医薬組成物中で投与した免疫原性タウペプチドに向けられた抗体の存在について試験することによって、決定することができる(たとえばHarlow, 1989, Antibodies, Cold Spring Harbor Pressを参照)。たとえば、免疫原を提供する組成物の投与に応答して産生された抗体の力価は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ドットブロット、SDS−PAGEゲル、ELISPOT、または抗体依存性細胞貪食ADCP)アッセイによって測定することができる。

0099

本明細書中で使用する用語「対象」とは、動物をいう。特定の実施形態によれば、対象は、非霊長類(たとえば、ラクダロバシマウマウシブタウマヤギヒツジネコイヌ、ラット、ウサギモルモット、もしくはマウス)または霊長類(たとえば、サル、チンパンジー、もしくはヒト)を含めた哺乳動物である。特定の実施形態によれば、対象はヒトである。

0100

本明細書中で使用する用語「治療有効量」とは、対象において所望の生物学的または医薬的応答を誘発する、活性成分または構成要素の量をいう。治療有効量は、記述した目的に関連して、経験的にかつルーチン的な様式で決定することができる。たとえば、最適な用量範囲の同定を助けるために、in vitroアッセイを任意選択で用いることができる。特定の有効用量の選択は、処置または防止する疾患、関与する症状、患者の体重、患者の免疫状態、および当業者に知られている他の要因を含めたいくつかの要因の考慮に基づいて、当業者によって(たとえば臨床治験を介して)決定することができる。また、配合物中で用いる正確な用量も投与経路および疾患の重症度に依存し、従事者の判断およびそれぞれの患者の状況に従って決定されるべきである。有効用量は、in vitroまたは動物モデル試験系から導き出された用量応答曲線から外挿することができる。

0101

本明細書中で使用する用語「処置する」、「処置すること」、および「処置」はすべて、神経変性疾患、障害、または状態に関連する少なくとも1つの測定可能な物理的パラメーター寛解または逆転をいうことを意図し、これらは必ずしも対象において識別可能である必要はないが、対象において識別可能であることができる。また、用語「処置する」、「処置すること」、および「処置」は、疾患、障害、または状態の回帰を引き起こすこと、進行を防止すること、または進行を少なくとも遅らせることもいうことができる。特定の実施形態では、「処置する」、「処置すること」、および「処置」とは、神経変性疾患、障害、または状態に関連する1つまたは複数の症状の軽減、発生もしくは発症の防止、または持続期間の短縮をいう。特定の実施形態では、「処置する」、「処置すること」、および「処置」とは、疾患、障害、または状態の再発の防止をいう。特定の実施形態では、「処置する」、「処置すること」、および「処置」とは、疾患、障害、または状態を有する対象の生存の増加をいう。特定の実施形態では、「処置する」、「処置すること」、および「処置」とは、対象における疾患、障害、または状態の排除をいう。

0102

特定の実施形態によれば、治療有効量とは、以下の効果のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれより多くを達成するために十分な治療薬の量をいう:(i)処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状の重症度の軽減または寛解、(ii)処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状の持続期間の短縮、(iii)処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状の進行の防止、(iv)処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状の回帰を引き起こすこと、(v)処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状の発生または発症の防止、(vi)処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状の再発の防止、(vii)処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状を有する対象の入院の短縮、(viii)処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状を有する対象の入院の長さの短縮、(ix)処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状を有する対象の生存の増加、(x)対象における処置する疾患、障害、もしくは状態、またはそれに関連する症状の阻害または軽減、および/あるいは(xi)別の治療薬の予防的または治療的効果の増強または改善。

0103

本明細書中で使用する「神経変性疾患、障害、または状態」には、本開示に鑑みて当業者に知られている任意の神経変性疾患、障害、または状態が含まれる。神経変性疾患、障害、または状態の例には、タウオパチーと呼ばれるタウ関連の疾患、障害、または状態などの、神経原線維病変の形成によって引き起こされるまたはそれに関連する神経変性疾患または障害が含まれる。特定の実施形態によれば、神経変性疾患、障害、または状態には、それだけには限定されないが、アルツハイマー病、パーキンソン病クロイツフェルトヤコブ病、拳闘家認知症、ダウン症候群、ゲルストマンストロイスラー−シャインカー病、封入体筋炎プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、外傷性脳傷害筋萎縮性側索硬化症グアムパーキンソン認知症複合、神経原線維のもつれを伴う非グアム型運動ニューロン疾患、嗜銀顆粒性認知症、大脳皮質基底核変性症レビー認知症、筋萎縮性側索硬化症、石灰化を伴うびまん性の神経原線維のもつれ、前頭側頭型認知症、好ましくは17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP−17)、前頭側頭葉認知症、ハレルフォルデン−スパッツ病、多系統萎縮症ニーマン−ピック病C型、ピック病、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、亜急性硬化性汎脳炎、もつれのみの認知症、脳炎後パーキンソニズム、筋緊張性ジストロフィー慢性外傷性脳障害(CTE)、原発性加齢関連タウオパチー(PART)、またはレビー小体認知症(LBD)を含めた、タウおよびアミロイド病理の共存を示す疾患または障害のうちの任意のものが含まれる。特定の実施形態によれば、神経変性疾患、障害、または状態はアルツハイマー病または別のタウオパチーである。

0104

また、本発明は、対象の脳からのタウ凝集体の排除を促進するために有効な条件下で、対象に本発明の一実施形態による医薬組成物を投与することを含む、対象の脳からのタウ凝集体の排除を促進する方法も提供する。特定の実施形態によれば、タウ凝集体は神経原線維のもつれまたはその病理学的タウ前駆体である。

0105

また、本発明は、対象におけるタウ病理に関連する行動性表現型の進行を遅延させるために有効な条件下で、対象に本発明の一実施形態による医薬組成物を投与することを含む、対象におけるタウ病理に関連する行動性表現型の進行を遅延させる方法も提供する。

0106

本発明の好ましい実施形態では、本発明の一実施形態による医薬組成物の投与を介したタウペプチドの投与は、対象においてタウペプチドおよびタウの病理学的形態に対する活性免疫応答を誘導し、したがって、関連するタウ凝集体の排除を容易にする、タウ病理に関連する行動の進行を遅延させる、および/または根底にあるタウオパチーを処置する。本発明のこの態様によれば、免疫応答は、タウペプチドに対して向けられた液性(抗体媒介性)応答およびT細胞エピトープまたは免疫原性担体に対して向けられた細胞(抗原特異的T細胞またはその分泌産物によって媒介)応答の有益な発生を含む。

0107

本明細書中で使用する、タウ病理に関連する行動性表現型には、それだけには限定されないが、認知機能障害、早期人格変化および脱抑制アパシー無為無言症失行症固執常同動作/行動、口愛過度混乱、連続課題の計画または構築不能、利己的無感覚反社会的特質共感欠如、口ごもり、頻繁な錯誤的な誤りを伴うが理解は比較的保たれている失文法的な発話、理解障害および字句発見欠損症緩徐進行性歩行不安定症、後方突進すくみ、頻繁な転倒レボドパ不応性軸性硬直核上性中止麻痺矩形波眼球運動、ゆっくりとした垂直サッケード仮性球麻痺、肢失行症、ジストニア皮質性感覚消失、および振戦が含まれる。

0108

本発明の方法を実施するにあたって、本発明の免疫原性ペプチドまたは抗体を投与する前に、アルツハイマー病もしくは他のタウオパチーに罹患しているもしくは罹患する危険性にある対象、脳内にタウ凝集体を有する対象、またはもつれ関連の行動性表現型を示している対象を選択することが好ましい。処置に従順な対象には、疾患の危険性にあるが症状を示していない個体、および現在症状を示している患者が含まれる。アルツハイマー病の場合、事実上誰もがアルツハイマー病を罹患する危険性にある。したがって、本方法は、対象患者の危険性のいかなる評価も必要とせずに、一般集団に予防的に投与することができる。本方法は、既知のアルツハイマー病の遺伝的リスクを有する個体に特に有用である。そのような個体には、疾患を経験した親族を有する者、および遺伝子または生化学的マーカーの分析によってその危険性が決定されている者が含まれる。

0109

無症候性の患者では、処置を任意の年齢(たとえば、10、20、30)で開始することができる。しかし、通常は、患者が40、50、60、または70歳に達するまで処置を開始する必要はない。処置は、典型的には、一定期間にわたる複数回の投薬を伴う。処置は、抗体、または治療剤に対する活性化されたT細胞もしくはB細胞の応答を、経時的にアッセイすることによってモニタリングすることができる。応答が減少した場合はブースター用量を指示している。

0110

予防的適用では、タウペプチドを含有する医薬組成物を、アルツハイマー病または他のタウオパチーに罹患しやすい、または他の様式でその危険性がある患者に、疾患の生化学的、組織学的および/または行動学的症状、疾患の発生中に提示されるその合併症および中間病理学的表現型を含めた危険性を排除もしくは低下させる、重症度を軽くする、または疾患の発症を遅延させるために十分な量で投与する。治療的適用では、タウペプチドを含有する医薬組成物を、そのような疾患が疑われる、または既にそれに罹患している患者に、疾患の発生におけるその合併症および中間病理学的表現型を含めた疾患の症状(生化学的、組織学的、および/または、行動学的)を治癒する、または少なくとも部分的に停止するために十分な量で、投与する。

0111

神経変性疾患、障害、または状態を防止および/または処置するために有効な用量の本発明の医薬組成物は、投与様式、標的部位、患者の生理的状態、投与した他の医薬品、および処置が予防的であるか治療的であるかを含めた、多くの様々な要因に応じて変動する。ペプチドの量はアジュバントも投与するかどうかに依存し、アジュバントの非存在下ではより高用量が必要となる。注射のタイミングは、1日1回から1年に1回から10年に1回まで、顕著に変動する可能性がある。典型的なレジメンは、免疫化、次いで、6週間間隔などの時間間隔でのブースター注射からなる。別のレジメンは、免疫化、次いで、1、2、6、9、および12カ月後のブースター注射からなる。別のレジメンは、一生涯2カ月ごとの注射を伴う。あるいは、ブースター注射は、免疫応答のモニタリングによって指示されるように不規則であることができる。

0112

当業者には、プライムおよびブースト用の投与のレジメンは、投与後の測定した免疫応答に基づいて調整できることが容易に理解されよう。たとえば、ブースト用組成物は、一般に、プライム用組成物の投与の数週間または数カ月後、たとえば、プライム用組成物の投与の約2〜3週間後、または4週間後、または8週間後、または16週間後、または20週間後、または24週間後、または26週間後、または28週間後、または30週間後、または32週間後、または36週間後、または1〜2年後に投与する。

0113

ペプチドは、予防的および/または治療的処置のために、非経口局所静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、腹腔内、皮内、鼻腔内、または筋肉内の手段によって投与することができる。免疫原性剤の最も典型的な投与経路は皮下または筋肉内注射である。この後者の種類の注射は、最も典型的には腕または脚の筋肉内に行われる。

0114

特定の態様によれば、1つまたは複数のブースト免疫化を投与することができる。それぞれのプライム用およびブースト用組成物中の抗原は、いかに多数のブースト用組成物を用いようとも、同一である必要はないが、抗原決定基共有するまたは互いに実質的に類似であるべきである。

0115

組成物は、所望する場合は、活性成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有することができる、キットパック、またはディスペンサーで提示することができる。キットは、たとえば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックの箔を含むことができる。キット、パック、またはディスペンサーには投与の指示書を添付することができる。

0116

特定の実施形態によれば、キットは、本発明の一実施形態によるリポソームを含む医薬組成物および本発明の一実施形態によるコンジュゲートを含む医薬組成物のうちの少なくとも1つを含む。

0117

実施形態
また、本発明は、以下の非限定的な実施形態も提供する。

0118

実施形態1は、
a.タウペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープと
を含み、タウペプチドがリポソームの表面上に提示されている、リポソームである。

0119

実施形態2は、タウペプチドがタウホスホペプチドである、実施形態1に記載のリポソームである。

0120

実施形態3は、トール様受容体リガンドをさらに含む、実施形態1または2に記載のリポソームである。

0121

実施形態4は、トール様受容体リガンドがトール様受容体4リガンドおよびトール様受容体9リガンドのうちの少なくとも1つを含む、実施形態3に記載のリポソームである。

0122

実施形態5は、トール様受容体リガンドがトール様受容体4リガンドである、実施形態3または4に記載のリポソームである。

0123

実施形態6は、トール様受容体4リガンドがモノホスホリル脂質A(MPLA)を含む、実施形態5に記載のリポソームである。

0124

実施形態7は、トール様受容体リガンドがトール様受容体9リガンドである、実施形態3または4に記載のリポソームである。

0125

実施形態8は、トール様受容体9リガンドが脂質付加CpGオリゴヌクレオチドを含む、実施形態7に記載のリポソームである。

0126

実施形態9は、
a.タウペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープと、
c.i.トール様受容体9リガンド、および
ii.トール様受容体4リガンド
のうちの少なくとも1つと
を含む、実施形態1に記載のリポソームである。

0127

実施形態10は、タウペプチドがタウホスホペプチドである、実施形態9に記載のリポソームである。

0128

実施形態11は、トール様受容体9リガンドが脂質付加CpGオリゴヌクレオチドである、実施形態9または10に記載のリポソームである。

0129

実施形態12は、トール様受容体4リガンドおよびトール様受容体9リガンドを含む、実施形態9から11のいずれかに記載のリポソームである。

0130

実施形態13は、トール様受容体4リガンドがモノホスホリル脂質A(MPLA)を含む、実施形態12に記載のリポソームである。

0131

実施形態14は、
a.タウホスホペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープと、
c.脂質付加CpGオリゴヌクレオチドと、
d.トール様受容体4リガンドを含有するアジュバントと
を含み、
タウホスホペプチドがリポソームの表面上に提示されている、リポソームである。

0132

実施形態15は、トール様受容体4リガンドがモノホスホリル脂質A(MPLA)を含む、実施形態14に記載のリポソームである。

0133

実施形態16は、ヘルパーT細胞エピトープがリポソーム内にカプセル封入されている、実施形態1から15のいずれかに記載のリポソームである。

0134

実施形態16aは、ヘルパーT細胞エピトープがリポソームの膜内に取り込まれている、実施形態1から15のいずれかに記載のリポソームである。

0135

実施形態16bは、ヘルパーT細胞エピトープがリポソームの表面上に提示されている、実施形態1から15のいずれかに記載のリポソームである。

0136

実施形態17は、
a.タウホスホペプチドと、
b.ヘルパーT細胞エピトープと、
c.脂質付加CpGオリゴヌクレオチドと、
d.モノホスホリル脂質A(MPLA)と
を含み、
タウホスホペプチドがリポソームの表面上に提示されており、
T細胞エピトープがリポソーム内にカプセル封入されている、
リポソーム組成物である。

0137

実施形態17aは、MPLAが3−O−脱アシル−4’−モノホスホリル脂質A、好ましくはMPL(商標)である、実施形態17に記載のリポソームである。

0138

実施形態17bは、MPLAがモノホスホリルヘキサ−アシル脂質A、3−脱アシル、好ましくは3D−(6−アシル)PHAD(登録商標)である、実施形態17に記載のリポソームである。

0139

実施形態17cは、MPLAがモノホスホリル3−脱アシル脂質A、好ましくは3D−PHAD(登録商標)である、実施形態17に記載のリポソームである。

0140

実施形態18は、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホリル−3’−rac−グリセロール(DMPG)、およびコレステロールからなる群から選択される1つまたは複数の脂質をさらに含む、実施形態1から17cのいずれかに記載のリポソームである。

0141

実施形態19は、タウペプチドが、配列番号1〜配列番号12からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号1〜配列番号12からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、90%、もしくは95%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1から18のいずれかに記載のリポソームである。

0142

実施形態19−1は、タウペプチドが、配列番号1〜3および5〜12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むホスホペプチドである、実施形態19に記載のリポソームである。

0143

実施形態19−2は、タウホスホペプチドが配列番号1のアミノ酸配列を含む、実施形態19−1に記載のリポソームである。

0144

実施形態19−3は、タウホスホペプチドが配列番号2のアミノ酸配列を含む、実施形態19−1に記載のリポソームである。

0145

実施形態19−4は、タウホスホペプチドが配列番号3のアミノ酸配列を含む、実施形態19−1に記載のリポソームである。

0146

実施形態19aは、アミノ酸配列が、タウペプチドがリポソームの表面上に提示されることを可能にする1つまたは複数の修飾をさらに含む、実施形態19、19−1、19−2、19−3、および19−4のいずれか一項に記載のリポソームである。

0147

実施形態19bは、1つまたは複数の修飾が、パルミトイル化およびドデシル修飾のうちの少なくとも1つを含む、実施形態19aに記載のリポソームである。

0148

実施形態19cは、タウペプチドがそのN末端で1つまたは複数の修飾によって修飾されている、実施形態19aまたは19bに記載のリポソームである。

0149

実施形態19dは、タウペプチドがそのC末端で1つまたは複数の修飾によって修飾されている、実施形態19aから19cのいずれかに記載のリポソームである。

0150

タウペプチドがそのN末端およびC末端の両方でパルミトイル化されている、実施形態19eは、実施形態19dに記載のリポソームである。

0151

実施形態19fは、タウペプチドが、1つまたは複数の修飾を容易にするための1つまたは複数の追加のアミノ酸をさらに含む、実施形態19aから19eのいずれかに記載のリポソームである。

0152

実施形態19gは、1つまたは複数の追加のアミノ酸が、Lys、Cys、Ser、およびThrからなる群から選択される、実施形態19fに記載のリポソームである。

0153

実施形態19hは、タウペプチドがそのC末端でアミド化されている、実施形態19から19gのいずれかに記載のリポソームである。

0154

実施形態19iは、タウペプチドが配列番号27〜配列番号38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、実施形態19から19hのいずれかに記載のリポソームである。

0155

実施形態19jは、タウペプチドが配列番号27のアミノ酸配列からなる、実施形態19から19iのいずれかに記載のリポソームである。

0156

実施形態19kは、タウペプチドが配列番号28のアミノ酸配列からなる、実施形態19から19iのいずれかに記載のリポソームである。

0157

実施形態19lは、タウペプチドが配列番号29のアミノ酸配列からなる、実施形態19から19iのいずれかに記載のリポソームである。

0158

実施形態20は、ヘルパーT細胞エピトープが、配列番号23〜配列番号26からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む、実施形態1から19lのいずれかに記載のリポソームである。

0159

実施形態20aは、ヘルパーT細胞エピトープが、配列番号23〜配列番号26からなる群から選択される少なくとも2つのアミノ酸配列を含む、実施形態20に記載のリポソームである。

0160

実施形態20bは、ヘルパーT細胞エピトープが、配列番号23〜配列番号26からなる群から選択される少なくとも3つのアミノ酸配列を含む、実施形態20に記載のリポソームである。

0161

実施形態20cは、ヘルパーT細胞エピトープが、配列番号23〜配列番号26の4つのアミノ酸配列を含む、実施形態20に記載のリポソームである。

0162

実施形態20dは、配列番号23〜配列番号26からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸配列がリンカーによって共有結合されている、実施形態20aから20cのいずれかに記載のリポソームである。

0163

実施形態20eは、リンカーが、Val(V)、Ala(A)、Arg(R)、Gly(G)、Ser(S)、Lys(K)からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む、実施形態20dに記載のリポソームである。

0164

実施形態20fは、リンカーが、VVR、GS、RR、およびRKからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態20eに記載のリポソームである。

0165

実施形態20gは、ヘルパーT細胞エピトープがそのC末端でアミド化されている、実施形態20から20fのいずれかに記載のリポソームである。

0166

実施形態20hは、ヘルパーT細胞エピトープが、ヘルパーT細胞エピトープの意図する位置に応じて、リポソームの膜内への挿入、リポソームの表面上での提示、またはリポソーム内へのカプセル封入のために修飾されている、実施形態20から20gのいずれかに記載のリポソームである。

0167

実施形態20iは、ヘルパーT細胞エピトープが配列番号13〜配列番号17からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、実施形態20から20hのいずれかに記載のリポソームである。

0168

実施形態20jは、タウペプチドとヘルパーT細胞エピトープとを6:1の重量比で含む、実施形態1から20iのいずれかに記載のリポソームである。

0169

実施形態20kは、タウペプチドとヘルパーT細胞エピトープとを5:1の重量比で含む、実施形態1から20iのいずれかに記載のリポソームである。

0170

実施形態20lは、タウペプチドとヘルパーT細胞エピトープとを4:1の重量比で含む、実施形態1から20iのいずれかに記載のリポソームである。

0171

実施形態20mは、タウペプチドとヘルパーT細胞エピトープとを3:1の重量比で含む、実施形態1から20iのいずれかに記載のリポソームである。

0172

実施形態20nは、タウペプチドとヘルパーT細胞エピトープとを2:1の重量比で含む、実施形態1から20iのいずれかに記載のリポソームである。

0173

実施形態20oは、タウペプチドとヘルパーT細胞エピトープとを1:1の重量比で含む、実施形態1から20iのいずれかに記載のリポソームである。

0174

実施形態21は、脂質付加CpGオリゴヌクレオチドが配列番号18〜配列番号22からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、実施形態1から20oのいずれかに記載のリポソームである。

0175

実施形態21aは、CpGオリゴヌクレオチドが1つまたは複数のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有する、実施形態21に記載のリポソームである。

0176

実施形態21bは、CpGオリゴヌクレオチドがすべてホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有する、実施形態21aに記載のリポソームである。

0177

実施形態21cは、脂質付加CpGオリゴヌクレオチドが、リンカーを介して少なくとも1つの親油性基と共有結合しているCpGオリゴヌクレオチドを含む、実施形態21から21bのいずれかに記載のリポソームである。

0178

実施形態21dは、リンカーが(C2H4O)nを含む[式中、nは0〜10の整数である]、実施形態21cに記載のリポソームである。

0179

実施形態21eは、リンカーが3〜12個の炭素を有するアルキルスペーサーを含む、実施形態21cに記載のリポソームである。

0180

実施形態21fは、少なくとも1つの親油性基がコレステロールである、実施形態21から21eのいずれかに記載のリポソームである。

0181

実施形態21gは、脂質付加CpGオリゴヌクレオチドが、(C2H4O)n[式中、nは3〜5の整数である]を含むリンカーを介してコレステロール分子と共有結合している配列番号18または配列番号19のヌクレオチド配列を含む、実施形態21から21fのいずれかに記載のリポソームである。

0182

実施形態22は、
a.配列番号27〜配列番号38からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するタウペプチドと、
b.配列番号39〜配列番号44からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するヘルパーT細胞エピトープ、好ましくは、配列番号13〜配列番号17からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるヘルパーT細胞エピトープと、
c.配列番号18〜配列番号22からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有し、1つまたは複数のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、リンカーを介して少なくとも1つのコレステロールと共有結合している、脂質付加CpGオリゴヌクレオチドと
d.モノホスホリル脂質A(MPLA)と
を含む、リポソームである。

0183

実施形態22aは、
a.配列番号27、配列番号28、または配列番号29のアミノ酸配列からなるタウホスホペプチドと、
b.配列番号13のアミノ酸配列からなるヘルパーT細胞エピトープと、
c.(C2H4O)n[式中、nは3〜7の整数である]を含むリンカーを介してコレステロールと共有結合している配列番号18または配列番号19のヌクレオチド配列からなる脂質付加CpGオリゴヌクレオチドと、
d.モノホスホリル脂質A(MPLA)と
を含む、実施形態22に記載のリポソームである。

0184

実施形態22bは、MPLAが3−O−脱アシル−4’−モノホスホリル脂質A、好ましくはMPL(商標)である、実施形態22または22aに記載のリポソームである。

0185

実施形態22cは、MPLAが好ましくは3D−(6−アシル)PHAD(登録商標)である、実施形態22または22aに記載のリポソームである。

0186

実施形態22dは、MPLAが好ましくは3D−PHAD(登録商標)である、実施形態22または22aに記載のリポソームである。

0187

実施形態23は、ヘルパーT細胞エピトープがリポソーム内にカプセル封入されている、実施形態22から22dのいずれかに記載のリポソームである。

0188

実施形態24は、実施形態1から23のいずれかに記載のリポソームと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物である。

0189

実施形態25は、以下の構造:

0190

[式中、
xは、0〜10の整数であり、
nは、2〜15の整数である]
を有する、タウホスホペプチドと、リンカーを介してそれとコンジュゲートさせた免疫原性担体とを含むコンジュゲートである。

0191

実施形態25aは、式(II)の構造:

0192

[式中、
xは、0〜10の整数であり、
nは、2〜15の整数である]
を有する、タウホスホペプチドと、リンカーを介してそれとコンジュゲートさせた免疫原性担体とを含むコンジュゲートである。

0193

実施形態26は、xが2〜6の整数である、実施形態25または25aのいずれかに記載のコンジュゲートである。

0194

実施形態27は、xが3である、実施形態25または25aのいずれかに記載のコンジュゲートである。

0195

実施形態28は、nが3〜7である、実施形態25から25aのいずれかに記載のコンジュゲートである。

0196

実施形態29は、担体が、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、破傷風トキソイド、CRM197、および髄膜炎菌(N. meningitidis)由来の外膜タンパク質混合物(OMP)、またはその誘導体からなる群から選択される免疫原性担体である、実施形態25から28のいずれかに記載のコンジュゲートである。

0197

実施形態30は、タウホスホペプチドが、配列番号1〜配列番号12からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、実施形態25から29のいずれかに記載のコンジュゲートである。

0198

実施形態30aは、タウホスホペプチドが、配列番号1、配列番号2、または配列番号3のアミノ酸配列からなる、実施形態30に記載のコンジュゲートである。

0199

実施形態31は、担体がCRM197である、実施形態25から30のいずれかに記載のコンジュゲートである。

0200

実施形態32は、以下の構造:

0201

[式中、nは3〜7である]
を有する、実施形態25に記載のコンジュゲートである。

0202

実施形態32aは、
KLH−[m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル−システイン−(C2H4O)x−タウペプチド]n

0203

[式中、
タウペプチドは、配列番号1または配列番号3からなり、
xは、0〜10の整数であり、
nは、2〜15の整数である]
である、実施形態25に記載のコンジュゲートである。

0204

実施形態33は、実施形態25から32aのいずれかに記載のコンジュゲートと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物である。

0205

実施形態33aは、アジュバントをさらに含む、請求項33に記載の医薬組成物である。

0206

実施形態33bは、アジュバントがTLR−4リガンドおよびTLR−9リガンドのうちの少なくとも1つを含む、請求項33aに記載の医薬組成物である。

0207

実施形態34は、対象に、実施形態24および33から33bの医薬組成物のうちの少なくとも1つを投与することを含む、神経変性障害を患っている対象において免疫応答を誘導する方法。

0208

実施形態35は、対象に、免疫化をプライムするための実施形態24および33から33bの医薬組成物のうちの少なくとも1つを投与することと、対象に、免疫化をブーストするための実施形態24および33から33bの医薬組成物のうちの少なくとも1つを投与することとを含む、実施形態34に記載の方法である。

0209

実施形態36は、対象に、実施形態24または33の医薬組成物のうちの少なくとも1つを投与することを含む、それを必要としている対象において神経変性疾患または障害を処置または防止する方法である。

0210

実施形態37は、対象に、免疫化をプライムするための実施形態24および33から33bの医薬組成物のうちの少なくとも1つを投与することと、対象に、免疫化をブーストするための実施形態24および33から33bの医薬組成物のうちの少なくとも1つを投与することとを含む、実施形態36に記載の方法である。

0211

実施形態38は、神経変性疾患または障害が、神経原線維病変の形成によって引き起こされる、またはそれに関連している、実施形態34から37のいずれかに記載の方法である。

0212

実施形態39は、神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、クロイツフェルト−ヤコブ病、拳闘家認知症、ダウン症候群、ゲルストマン−ストロイスラー−シャインカー病、封入体筋炎、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、外傷性脳傷害、筋萎縮性側索硬化症、グアムのパーキンソン認知症複合、神経原線維のもつれを伴う非グアム型運動ニューロン疾患、嗜銀顆粒性認知症、大脳皮質基底核変性症、レビー認知症、筋萎縮性側索硬化症、石灰化を伴うびまん性の神経原線維のもつれ、前頭側頭型認知症、好ましくは17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP−17)、前頭側頭葉認知症、ハレルフォルデン(Hallevorden)−スパッツ病、多系統萎縮症、ニーマン−ピック病C型、ピック病、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、亜急性硬化性汎脳炎、もつれのみの認知症、脳炎後パーキンソニズム、筋緊張性ジストロフィー、慢性外傷性脳障害(CTE)、原発性加齢関連タウオパチー(PART)、またはレビー小体認知症(LBD)である、実施形態34から38のいずれかに記載の方法である。

0213

実施形態40は、神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群、進行性核上性麻痺(PSP)、前頭側頭型認知症と17番染色体に連鎖するパーキンソニズム(FTDP−17)、ピック病、大脳皮質基底核変性症、レビー認知症、筋萎縮性側索硬化症、筋緊張性ジストロフィー(disphasy)、慢性外傷性脳障害(CTE)、脳血管症、原発性加齢関連タウオパチー(PART)、またはレビー小体認知症(LBD)である、実施形態34から39のいずれかに記載の方法である。

0214

実施形態40bは、神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺(PSP)、前頭側頭型認知症と17番染色体に連鎖するパーキンソニズム(FTDP−17)、またはピック病、およびPART(原発性加齢関連タウオパチー)である、実施形態34から39のいずれかに記載の方法である。

0215

実施形態40cは、神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症と17番染色体に連鎖するパーキンソニズム(FTDP−17)、大脳皮質基底核変性症、レビー認知症、筋萎縮性側索硬化症、筋緊張性ジストロフィー(disphasy)、慢性外傷性脳障害(CTE)、脳血管症、原発性加齢関連タウオパチー(PART)、またはレビー小体認知症(LBD)である、実施形態34から39のいずれかに記載の方法である。

0216

実施形態41は、実施形態24の医薬組成物および実施形態33、33a、または33bの医薬組成物のうちの少なくとも1つを含む、キットである。

0217

実施形態42は、配列番号13〜配列番号17からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるヘルパーT細胞エピトープである。

0218

実施形態43は、実施形態42に記載のヘルパーT細胞エピトープを含む医薬組成物である。

0219

実施形態44は、対象に、抗原を、実施形態43の医薬組成物と一緒に投与することを含む、それを必要としている対象において抗原に対する免疫応答を増強させる方法である。

0220

以下の本発明の実施例は、本発明の性質をさらに例示するためのものである。以下の実施例は本発明を限定せず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定されることを理解されたい。

0221

以下の実施例中で使用する実験方法は、別段に指定しない限りは、すべて常法である。以下の実施形態で使用する試薬は、別段に指定しない限りは、すべて通常の試薬供給業者から購入したものである。

0222

[実施例1]
リポソームワクチンの調製
対照リポソームワクチンの調製(エタノール注入技法)
対照リポソームワクチンを、エタノール(EtOH)注入技法、次いで押出し成形によって生成した。最初に、DMPC(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、DMPG(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、コレステロール(Dishman、オランダ)、およびMPLA(Avanti Polar Lipids、米国アラバマ州)を、9:1:7:0.05のモル比で、EtOHおよびtert−ブタノール(t−BuOH)の20:1(V/V)混合物中に60℃で可溶化した。10%のEtOH濃度を維持するために脂質/エタノール溶液リン酸緩衝液生理食塩水(PBS)、pH7.4に60℃で希釈し、多重膜リポソーム小胞(MLV)の形成がもたらされた。その後、EmulsiFlex−C5(Avestin、カナダ)を使用して、MLVを0.08umの孔径を有する直列の3枚のポリカーボネートフィルター(Whatman)を通した、5回の連続した押出し成形に供した。生じたリポソームをPBS、pH7.4で希釈し、60℃まで加熱して、タウペプチドを添加する前のリポソーム溶液が得られた。

0223

本明細書中以降、医薬品有効成分(API)と呼ぶ配列番号2の酢酸テトラパルミトイル化(acetate tetrapalmitoylated)リン酸化タウペプチド(Bachem AG、スイス)を、1mg/mLの濃度の2.0%のオクチルβ−D−グルコピラノシド(Sigma−Aldrich、米国)を含むPBS、pH11.4に溶かし、ペプチド溶液を60℃でリポソーム溶液内に注入し、次いで、30分間、60℃で撹拌した。濃縮は、標的最終体積までの限外濾過によって行い、緩衝液交換は、ダイアフィルトレーション中にPBS、pH7.4を用いて10回実施した。その後、APIがリポソームの表面上に提示された生じたリポソームを、2枚の直列の0.2umのポリカーボネートシリンジフィルターを通すことによって滅菌濾過し、最終産物を5℃で保存した。

0224

リポソームX、Y、Z、およびZ+ワクチンの調製
リポソームXおよびYワクチンは、脂質薄層技術、次いでホモジナイゼーションおよび押出し成形によって生成した。

0225

1200ug/mlの最終API濃度および1200ug/mlの最終T50濃度を有するリポソームZ+ワクチンは、エタノール注入技法、次いで押出し成形によって生成し、400ug/mlの最終API濃度および100ug/mlの最終T50濃度を有するリポソームZワクチンは、脂質薄層技術、次いでホモジナイゼーションおよび押出し成形によって生成した。

0226

400ug/mlの最終API濃度および400ug/mlの最終T50濃度を有するリポソームZ++ワクチンは、脂質薄層技術、次いでホモジナイゼーションおよび押出し成形によって生成した。

0227

1200ug/mlの最終API濃度および300ug/mlの最終T50濃度を有するリポソームZ+++ワクチンは、エタノール注入技法、次いで押出し成形によって生成した。

0228

脂質薄層技法によるリポソームX、Y、Z、およびZ++ワクチンの調製
リポソームX、Y、Z、およびZ++ワクチンは、脂質薄層技術、次いでホモジナイゼーションおよび押出し成形によって生成した。最初に、DMPC(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、DMPG(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、コレステロール(Dishman、オランダ)、およびモノホスホリルヘキサ−アシル脂質A3−脱アシル合成(3D−(6−アシル)PHAD(登録商標))(Avanti Polar Lipids、米国アラバマ州)を、9:1:7:0.05のモル比でEtOHに60℃で可溶化したが、リポソームYは例外で、3D−(6−アシル)PHAD(登録商標)を含有していなかった。エタノールを真空下のrotavaporで蒸発させて、脂質薄層が得られた。

0229

脂質フィルムを、0.15mg/mLのT50ペプチド(Peptides&Elephants、ドイツ)を含有するPBS、pH7.4、5%のDMSO(すべてSigma−Aldrich)を用いて再水和させた。試料を15分間穏やかに撹拌し、脂質薄層を溶かすためにさらに激しくボルテックスした。生じた多重膜小胞を10回の凍結解凍サイクル液体N2および37℃での水浴)に供し、ホモジナイゼーション、次いで0.08umの孔径を有するポリカーボネート膜(Whatman、英国)を通した連続押出し成形に供した。ホモジナイゼーションおよび押出し成形ステップはどちらもEmulsiFlex−C5(Avestin、カナダ)にて行った。カプセル封入されたT50ペプチドを有する押出し成形したリポソームを限外濾過によって濃縮し、ダイアフィルトレーションによって緩衝液をPBS、pH7.4に交換した。生じたリポソームをPBS、pH7.4で希釈し、60℃まで加熱して、タウペプチドおよびアジュバントを添加する前のリポソーム溶液が得られた。

0230

CpG2006−コレステロール(CpG2006−Chol)(Microsynth、スイス)は、すべてのヌクレオチド間結合をチオホスフェートとして有しており、5’末端が、PEGスペーサーによってリン酸結合を介してコレステロール分子で修飾されている、DNAオリゴヌクレオチドである。CpG2006−コレステロール(CpG2006−Chol)(Microsynth、スイス)をPBS、pH7.4に1mg/mLで溶かし、リポソーム溶液内に注入し(リポソームXは例外で、CpG2006−Cholを含有していなかった)、次いで15分間インキュベーションした後に、APIを挿入した。

0231

API(Bachem AG、スイス)を、1mg/mLの濃度の2%のオクチルβ−D−グルコピラノシド(Sigma−Aldrich、米国)を含むPBS、pH11.4に溶かし、ペプチド溶液を60℃でリポソーム溶液内に注入し、次いで、30分間、60℃で撹拌した。濃縮は限外濾過によって行って標的値(リポソームX、Y、Zでは400ug/mlのAPIおよび100ug/mlのT50、リポソームZ++では400ug/mlのAPIおよび400ug/mlのT50)を得て、緩衝液交換は、ダイアフィルトレーション中にPBS、pH7.4を用いて10回実施した。その後、APIがリポソームの表面上に提示された生じたリポソームを、0.2umのポリカーボネートシリンジフィルターを通すことによって滅菌濾過し、最終産物を5℃で保存した。

0232

エタノール注入技法によるリポソームOの調製
リポソームOワクチンを、エタノール(EtOH)注入技法、次いで押出し成形によって生成した。最初に、DMPC(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、DMPG(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、コレステロール(Dishman、オランダ)、およびMPLA(Avanti Polar Lipids、米国アラバマ州)を、9:1:7:0.05のモル比で、EtOHおよびtert−ブタノール(t−BuOH)の20:1(V/V)混合物中に60℃で可溶化した。10%のEtOH濃度を維持するために脂質/エタノール溶液をリン酸緩衝液生理食塩水(PBS)、pH7.4に60℃で希釈し、多重膜リポソーム小胞(MLV)の形成がもたらされた。その後、EmulsiFlex−C5(Avestin、カナダ)を使用して、MLVを0.08umの孔径を有する直列の3枚のポリカーボネートフィルター(Whatman)を通した、5回の連続した押出し成形に供した。生じたリポソームをPBS、pH7.4で希釈し、60℃まで加熱して、タウペプチドを添加する前のリポソーム溶液が得られた。

0233

T46ペプチド(Pepscan、オランダ)をPBS、pH7.4に1mg/mLで溶かし、リポソーム溶液内に注入し、次いで15分間インキュベーションした後に、APIを挿入した。

0234

API(Bachem、スイス)を、1mg/mLの濃度の2%のオクチルβ−D−グルコピラノシド(Sigma−Aldrich、米国)を含むPBS、pH11.4に溶かし、ペプチド溶液を60℃でリポソーム溶液内に注入し、次いで、30分間、60℃で撹拌した。濃縮は限外濾過によって行って標的値(400ug/mlのAPIおよび100ug/mlのT46)を得て、緩衝液交換は、ダイアフィルトレーション中にPBS、pH7.4を用いて10回実施した。その後、APIがリポソームの表面上に提示された生じたリポソームを、0.2umのポリカーボネートシリンジフィルターを通すことによって滅菌濾過し、最終産物を5℃で保存した。

0235

エタノール注入によるリポソームZ+およびリポソームZ+++ワクチンの調製
リポソームZ+およびリポソームZ+++ワクチンは、エタノール注入に基づくプロセスを使用して生成した。最初に、DMPC(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、DMPG(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、コレステロール(Dishman、オランダ)、および3D−(6−アシル)PHAD(登録商標)(Avanti Polar Lipids、米国アラバマ州)を、約9:1:7:0.04のモル比でEtOHに60℃で可溶化した。T50ペプチド(Bachem AG、スイス)を10mMのHis/270mMのスクロース(pH5.8〜6.0)に溶かした。その後、脂質エタノール溶液を、T50ペプチドを含有する溶液内に注入し、15分間穏やかに撹拌して、多重膜小胞(MLV)が生じた。MLVを、ホモジナイゼーション(リポソームZ+では6回、リポソームZ+++ではホモジナイゼーションなし)、次いで0.08umの孔径を有するポリカーボネート膜(Whatman、英国)を通した連続押出し成形(リポソームZ+では5回、リポソームZ+++では3〜5回)に供した。リポソームZ+では、ホモジナイゼーションおよび押出し成形ステップはどちらもEmulsiFlex−C5(Avestin、カナダ)にて行った。リポソームZ+++の押出し成形はLIPEXフィルター押出し成形機を使用して行った。押出し成形したリポソームを限外濾過によって濃縮し、ダイアフィルトレーションによって緩衝液を20mMのHis/145mMのNaCL、pH7.4に交換した。カプセル封入されたT50ペプチドを有する生じたリポソームを20mMのHis/145mMのNaCL、pH7.4で希釈し、60℃まで加熱して、APIおよびアジュバントを添加する前のリポソーム溶液が得られた。

0236

CpG2006−Chol(リポソームZ+ではMicrosynth、スイス、リポソームZ+++ではAvecia、米国)を1mg/mLの20mMのHis/145mMのNaCl、pH7.4に溶かし、リポソーム溶液内に注入し、次いで15分間インキュベーションした後に、APIを挿入した。

0237

API(Bachem AG、スイス)を、1mg/mLの濃度の1%のオクチルβ−D−グルコピラノシド(Sigma−Aldrich、米国)と共に炭酸緩衝液、pH10.2に溶かし、ペプチド溶液を60℃でリポソームZ+溶液内に注入し、次いで、30分間、60℃で撹拌した。T−Line Mixingを使用してペプチド溶液を60℃でリポソームZ+溶液内に混合し、次いで、30分間、60℃で撹拌した。濃縮は限外濾過によって行って標的値(リポソームZ+では1200ug/mlのAPIおよび1200ug/mlのT50、リポソームZ+++では1200ug/mlのAPIおよび300ug/mlのT50)を得て、緩衝液交換は、ダイアフィルトレーション中に10mMのHis/270mMのスクロース、pH6.5を用いて10回実施した。その後、APIがリポソームの表面上に提示された生じたZ+リポソームおよびAPIがリポソームの表面上に提示された生じたZ+++リポソームを、0.2umのポリカーボネートシリンジカプセルフィルターを通すことによって滅菌濾過し、最終産物を5℃で保存した。

0238

リポソームL、M、およびNワクチンの調製
リポソームL、M、およびNワクチンは、脂質薄層技術、次いでホモジナイゼーションおよび押出し成形によって生成した。最初に、DMPC(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、DMPG(Lipoid GmbH、ドイツLudwigshafen)、コレステロール(Dishman、オランダ)、およびMPLA(Avanti Polar Lipids、米国アラバマ州)を、9:1:7:0.05のモル比でEtOHに60℃で可溶化した。エタノールを真空下のrotavaporで蒸発させることで、脂質薄層が得られた。

0239

脂質フィルムを、以下のうちのいずれかを含有するPBS、pH7.4、5%のDMSO(すべてSigma−Aldrich)を用いて再水和させた:
リポソームMでは0.15mg/mLのT48ペプチド(Peptides&Elephants、ドイツ)、または
リポソームL0.13mg/mLのT50ペプチド(Peptides&Elephants、ドイツ)、または
リポソームNでは0.15mg/mLのT52ペプチド(Peptides&Elephants、ドイツ)。

0240

試料を15分間穏やかに撹拌し、脂質薄層を溶かすためにさらに激しくボルテックスした。生じた多重膜小胞を10回の凍結解凍サイクル(液体N2および37℃での水浴)に供し、ホモジナイゼーション、次いで0.08umの孔径を有するポリカーボネート膜(Whatman、英国)を通した連続押出し成形に供した。ホモジナイゼーションおよび押出し成形ステップはどちらもEmulsiFlex−C5(Avestin、カナダ)にて行った。押出し成形したリポソームを限外濾過によって濃縮し、ダイアフィルトレーションによって緩衝液をPBS、pH7.4に交換した。カプセル封入されたT48、T50、またはT52ペプチドを有する生じたリポソームを、PBS、pH7.4で希釈し、60℃まで加熱して、タウペプチドを添加する前のリポソーム溶液が得られた。

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