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技術 チューブリンカルボキシペプチダーゼ関連疾患を処置するための方法及び医薬組成物

出願人 レラボラトワールセルヴィエアンスティチュナショナルドゥラサンテエドゥラルシェルシュメディカルユニヴェルシテ・グルノーブル・アルプコミッサリアアレネルジーアトミークエオゼネルジザルタナテイヴ
発明者 アンドリュー,アニィムーティン,マリ-ジョゼボスク,クリストフアイヨー,クリステルペリス,レティシアドゥラグランジュ,フィリップ
出願日 2018年10月26日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2020-522957
公開日 2021年1月7日 (4ヶ月経過) 公開番号 2021-500371
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 特有な方法による材料の調査、分析 突然変異または遺伝子工学 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 酵素・酵素の調製 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード スケルトン処理 領域効果 取扱手順 初期セグメント 理事会 囲み枠 マッシュルーム型 外側組
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図面 (20)

課題・解決手段

強力なユニークな不可逆的な阻害剤と共に化学プロテオミクスを使用して、本発明者らは、主要な脳チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)がバソヒビン−1(VASH1)と低分子バソヒビン結合タンパク質SVBP)との複合体であることを見出した。VASH1及びそのホモログバソヒビン−2(VASH2)は、SVBPと複合体形成すると、微小管に対するロバストかつ特異的なTyr/Pheカルボキシペプチダーゼ活性を示す。したがって、本発明者らは、バソヒビン及びバソヒビン/SVBP複合体の酵素活性を最初に同定した。培養ニューロンにおけるバソヒビン又はSVBPのノックダウンは、チロシン化α−チューブリンレベルの顕著な減少及び重度分化欠陥発症をもたらす。更に、バソヒビンのノックダウンは、発達中マウス新皮質のニューロン移動を破壊する。これらの結果は、バソヒビン/SVBP複合体がTCP酵素であることを立証している。したがって、本発明は、バソヒビン又はバソヒビン/SVBP複合体の活性又は発現の阻害剤を用いて、チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患、例えば神経学的障害及び心血管疾患処置するための方法及び医薬組成物に関する。

概要

背景

発明の背景
微小管は、細胞分裂運動性及び形態形成に中心的に関与するα/βチューブリンダイマー細胞骨格ポリマーである。チューブリンの脱チロシン化/チロシン化サイクルでは、α−チューブリンのC末端チロシンは、理解困難なペプチダーゼ(TCP)によって除去され、チューブリンチロシンリガーゼTTL総説については、((Barra et al. (1988), Mol Neurobiol, 2:133)1)を参照のこと)によって再付加される。チューブリンにユニークであり、脊索動物から哺乳動物への進化の間でほとんど保存されているこのサイクルは、in vivoで重要な役割を有する((Erck et al. (2005), Proc Natl Acad Sci U S A, 102:7853)2)。α−チューブリンのチューブリン脱/チロシン化は、有糸分裂(Badin-Larcon et al. (2004), Proc Natl Acad Sci U S A, 101:5577; Barisic and Maiato (2016), TrendsCell Biol; Barisic et al. (2015), Science, 348:799) (Barisic and Maiato, 2016; Barisic et al., 2015)(3〜5)(Gobrecht et al. (2016), Journal of Neuroscience 36.14: 3890-3902.; Konishi and Setou (2009), Nat Neurosci, 12:559; Marcos et al. (2009), PloS one, 4:e5405; Peris et al. (2006), J Cell Biol, 174:839-849)、神経生理学(6〜8)及び筋肉メカトランスダクション(Kerr et al. (2015), Nature communications, 6:8526; Robison et al. (2016), Science, 352:aaf0659)(9、10)の重要な調節シグナルであるその結果として、異常なチロシン化レベルは、細胞トランスフォーメーション及び腫瘍浸潤性(Lafanechere et al. (1998), J Cell Sci, 111 ( Pt 2):171; Whipple et al. (2007), Exp Cell Res, 313:1326)(11、12)、神経崩壊(Erck et al. (2005), Proc Natl Acad Sci U S A, 102:7853; Peris et al. (2006), J Cell Biol, 174:839; Peris et al. (2009), J Cell Biol, 185:1159)(2)並びに心不全及び心筋症(Robison et al. (2016), Science, 352:aaf0659)(10、13)に関連する脱チロシン化反応は40年前に最初に記載されたが(14)、TCPの正体は依然として不明であるので、前記サイクルの完全な理解は依然として不足している。

したがって、病的症状におけるその活性モデュレーションするために、TCP酵素性質を同定する必要がある。

概要

強力なユニークな不可逆的な阻害剤と共に化学プロテオミクスを使用して、本発明者らは、主要な脳チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)がバソヒビン−1(VASH1)と低分子バソヒビン結合タンパク質SVBP)との複合体であることを見出した。VASH1及びそのホモログバソヒビン−2(VASH2)は、SVBPと複合体形成すると、微小管に対するロバストかつ特異的なTyr/Pheカルボキシペプチダーゼ活性を示す。したがって、本発明者らは、バソヒビン及びバソヒビン/SVBP複合体の酵素活性を最初に同定した。培養ニューロンにおけるバソヒビン又はSVBPのノックダウンは、チロシン化α−チューブリンレベルの顕著な減少及び重度分化欠陥発症をもたらす。更に、バソヒビンのノックダウンは、発達中マウス新皮質のニューロン移動を破壊する。これらの結果は、バソヒビン/SVBP複合体がTCP酵素であることを立証している。したがって、本発明は、バソヒビン又はバソヒビン/SVBP複合体の活性又は発現の阻害剤を用いて、チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患、例えば神経学的障害及び心血管疾患処置するための方法及び医薬組成物に関する。

目的

軸索成長支援における役割の他に、それらは、核に戻る逆行性シグナル輸送路を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

それを必要とする被験体におけるチューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患を処置するための方法において使用するための、バソヒビン又はバソヒビン/SVBP(低分子バソヒビン結合タンパク質複合活性又は発現阻害剤

請求項2

前記チューブリンカルボキシペプチダーゼ関連疾患が神経学的障害である、請求項1に記載の使用のための阻害剤。

請求項3

前記神経学的障害が、多発性硬化症、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症パーキンソン病ハンチントン病及びアルツハイマー病からなる群より選択される神経変性障害である、請求項2に記載の使用のための阻害剤。

請求項4

前記神経変性障害がアルツハイマー病である、請求項3に記載の使用のための阻害剤。

請求項5

前記チューブリンカルボキシペプチダーゼ関連疾患が、心筋梗塞、心筋梗塞誘発性心血管機能障害心不全心筋症及びジストロフィン異常症からなるリストより選択される心血管疾患である、請求項1に記載の使用のための阻害剤。

請求項6

前記心血管疾患が心筋症である、請求項5に記載の使用のための阻害剤。

請求項7

バソヒビン活性の前記阻害剤が有機小分子又は生体分子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用のための阻害剤。

請求項8

バソヒビン活性の前記阻害剤が、バソヒビン−1又はバソヒビン−2の活性の阻害剤からなるリストより選択される、請求項7に記載の使用のための阻害剤。

請求項9

バソヒビン発現又はバソヒビン/SVBP複合体発現の前記阻害剤が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA及びリボザイムからなるリストより選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用のための阻害剤。

請求項10

バソヒビン/SVBP複合体発現の前記阻害剤が、バソヒビン−1バソヒビン−2又はSVBPの発現の阻害剤からなるリストより選択される、請求項9に記載の使用のための阻害剤。

請求項11

それを必要とする被験体におけるチューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患を処置するための方法において使用するための医薬組成物であって、請求項1〜10のいずれかに記載のバソヒビン又はバソヒビン/SVBP複合体活性又は発現の阻害剤を含む、医薬組成物。

請求項12

前記チューブリンカルボキシペプチダーゼ関連疾患が、神経学的障害及び心血管疾患からなるリストより選択される、請求項11に記載の使用のための医薬組成物。

請求項13

チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患を処置するために有用な複数の候補化合物スクリーニングするための方法であって、(a)バソヒビン又はバソヒビン/SVBP複合体活性又は発現を阻害するその能力について、該候補化合物の各々を試験すること、及び(b)及び該バソヒビン又はバソヒビン/SVBP複合体活性又は発現を阻害することができる候補化合物をポジティブ選択することからなる工程を含む、方法。

請求項14

候補チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)阻害剤をスクリーニングするための方法であって、(i)試験すべき候補化合物を、TCP及びビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−E−Y(配列番号13)の配列のビオチン化ペプチドと共にインキュベーションする工程;質量分析によって、工程(i)の終了時に得られた混合物中に存在するビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−E−Y(配列番号13)のビオチン化ペプチド及び/又はビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−Eのビオチン化ペプチドを定量する工程;並びに(iii)工程(ii)で得られた結果を考慮して、前記候補化合物がTCP阻害剤であるかを決定する工程を含む、方法。

請求項15

工程(iii)で定量するために、工程(i)及び(ii)の間に、ビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−E(配列番号12)及び/又はビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−E−Y(配列番号13)のビオチン化ペプチド(単数又は複数)を単離する精製工程を更に含む、請求項14に記載の方法。

技術分野

0001

発明の分野:
本発明は、バソヒビン又はバソヒビン/SVBP(低分子バソヒビン結合タンパク質複合体の活性又は発現阻害剤を用いて、チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患、例えば神経学的障害及び心血管疾患処置するための方法及び医薬組成物に関する。

背景技術

0002

発明の背景
微小管は、細胞分裂運動性及び形態形成に中心的に関与するα/βチューブリンダイマー細胞骨格ポリマーである。チューブリンの脱チロシン化/チロシン化サイクルでは、α−チューブリンのC末端チロシンは、理解困難なペプチダーゼ(TCP)によって除去され、チューブリンチロシンリガーゼTTL総説については、((Barra et al. (1988), Mol Neurobiol, 2:133)1)を参照のこと)によって再付加される。チューブリンにユニークであり、脊索動物から哺乳動物への進化の間でほとんど保存されているこのサイクルは、in vivoで重要な役割を有する((Erck et al. (2005), Proc Natl Acad Sci U S A, 102:7853)2)。α−チューブリンのチューブリン脱/チロシン化は、有糸分裂(Badin-Larcon et al. (2004), Proc Natl Acad Sci U S A, 101:5577; Barisic and Maiato (2016), TrendsCell Biol; Barisic et al. (2015), Science, 348:799) (Barisic and Maiato, 2016; Barisic et al., 2015)(3〜5)(Gobrecht et al. (2016), Journal of Neuroscience 36.14: 3890-3902.; Konishi and Setou (2009), Nat Neurosci, 12:559; Marcos et al. (2009), PloS one, 4:e5405; Peris et al. (2006), J Cell Biol, 174:839-849)、神経生理学(6〜8)及び筋肉メカトランスダクション(Kerr et al. (2015), Nature communications, 6:8526; Robison et al. (2016), Science, 352:aaf0659)(9、10)の重要な調節シグナルであるその結果として、異常なチロシン化レベルは、細胞トランスフォーメーション及び腫瘍浸潤性(Lafanechere et al. (1998), J Cell Sci, 111 ( Pt 2):171; Whipple et al. (2007), Exp Cell Res, 313:1326)(11、12)、神経崩壊(Erck et al. (2005), Proc Natl Acad Sci U S A, 102:7853; Peris et al. (2006), J Cell Biol, 174:839; Peris et al. (2009), J Cell Biol, 185:1159)(2)並びに心不全及び心筋症(Robison et al. (2016), Science, 352:aaf0659)(10、13)に関連する脱チロシン化反応は40年前に最初に記載されたが(14)、TCPの正体は依然として不明であるので、前記サイクルの完全な理解は依然として不足している。

0003

したがって、病的症状におけるその活性をモデュレーションするために、TCP酵素性質を同定する必要がある。

発明が解決しようとする課題

0004

本明細書では、本発明者らは、バソヒビン/SVBP複合体がTCP酵素であることを同定し、神経生理学に対するそれらのダウンレギュレーションの影響を研究した。

課題を解決するための手段

0005

したがって、本発明は、それを必要とする被験体におけるチューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患、例えば心血管障害及び神経学的障害を処置するための方法において使用するための、バソヒビン又はバソヒビン/SVBP複合体活性又は発現の阻害剤に関する。

0006

本発明はまた、チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患を処置するために有用な複数の候補化合物スクリーニングするための方法であって、(a)バソヒビン又はバソヒビン/SVBP複合体活性又は発現を阻害するその能力について、前記候補化合物の各々を試験すること、及び(b)及び前記バソヒビン/SVBP複合体活性又は発現を阻害することができる候補化合物をポジティブ選択することからなる工程を含む方法に関する。

図面の簡単な説明

0007

マウス脳TCPの精製及び同定。(A)マウス脳(タンパク質1μg)からの示されているTCP濃縮画分(画分I〜IV)のSDS−PAGE(銀染色)。硫酸アンモニウム沈殿工程とそれに続く2回の連続イオン交換カラム段階を実施した。
(B)阻害剤に対する画分IVの感度TPCKトシルフェニルアラニルクロロメチルケトン)、TLCK(トシル−L−リシルクロロメチルケトン):Phe又はLys残基のいずれかを含有する市販のセリンシステイン阻害剤。画分IV活性は、芳香族残基に対する高い親和性と一致して、TLCKよりもTPCKに対して100倍高い感度を示した。パルテノライドは、エポキシド求電子試薬を含有する細胞脱チロシン化阻害剤である。E−64は、エポキシド求電子試薬を含有するクランCAシステインプロテアーゼ天然物阻害剤である。EpoY、epoEY及びepoEEYは、それぞれY、EY又はEEYアミノ酸カップリングしたE−64由来のエポキシドを含有する設計阻害剤である。アルキン−epoYは、epoYのクリック可能バージョンである。結果は、DMSOを用いたコントロールにおける酵素活性放射能アッセイ)の割合として表されている(平均+/−SD、n=3〜6)。
(C)アルキン−epoYの構造。
(D)Cu触媒アジド−アルキン環化付加反応クリック反応)を使用したTCP同定の最終工程の概略図。
(E)アルキン−epoYを使用したTAMRプローブによる画分IVからの推定TCPの標識(クリック不能epoYをコントロールとして使用)。
(F)マウスバソヒビン1及びバソヒビン2の概略図(69%の全体的な配列相同性コアドメインについては77%(透明青色囲み枠))。これらの推定トランスグルタミナーゼ様システインペプチダーゼは、非在来型三残基の触媒残基(Cys、His、Ser)を含有する。
SVBPと会合したバソヒビンは、強力なチューブリンチロシンカルボキシペプチダーゼである。(A)外因性SVBP共発現非存在下又は存在下で各VASH(V1、V2)又はそれらの失活バージョンを発現するHEK293T細胞由来内因性チューブリンのイムノブロット。チロシン化及び脱チロシン化チューブリンに特異的な抗体を使用して、脱チロシン化を評価した。α−チューブリン、His及びFlagに対する抗体はそれぞれ、チューブリン、バソヒビン及びSVBPの量を明らかにする。非トランスフェクション細胞(−)は、チューブリン改変内因性レベルを示す。
(B)mCherry−α1B−チューブリン、各VASH及びSVBPを発現するHEK293T細胞由来のタンパク質抽出物のイムノブロット。それぞれEEY又はEEAの末端を有するネイティブ又は突然変異バージョンのα1B−チューブリンを使用した。(A)のように、脱/チロシン化チューブリンのレベルを測定した。mCherryに対する抗体は、同じ量の外因性α−チューブリンを実証する。
(C)放射性標識微小管を使用して評価した精製VASH/SVBP複合体の脱チロシン化活性(6〜8μM)、n=3。HEK293T細胞において、バソヒビンの活性及び触媒失活バージョンをSVBPと共発現させ、コバルト樹脂で精製した(図6A)。コントロールとして精製GFP−His構築物を使用した。理論最大チロシン放出は、100%の実線によって示されている。
(D)イムノブロットによって評価した、脳微小管又はチューブリンダイマー(5μM)に対する精製VASH1/SVBP複合体(20又は40nM)の脱チロシン化活性。VASH2/SVBP複合体を用いた同様の実験図6B)。本発明者らは、チューブリンがダイマー又は集合体であり(図6C)、同じ量の酵素複合体が存在するようにコントロールした(図6D)。
(E)脳微小管又はリコンビナントGFP−EB1(5μM)に対する精製VASH/SVBP複合体(600nM)の脱チロシン化活性。ポジティブコントロールとしてカルボキシペプチダーゼACPA)を使用した。チロシン化及び脱チロシン化EB1に対する抗体を(15)で特性評価した。
VASH1及びVASH2のダウンレギュレーションは、神経分化に影響を与える。(A)脳組織及び海馬ニューロンでは、Vash1、Vash2及びSvbp転写産物が見られる。25サイクルのみを実施したGAPDHを除いて、全ての示されている組織及び細胞について、精製mRNA50ngを使用して、45サイクルのRTPCR反応を実施した。
(B)ニューロンにおける脱チロシン化チューブリンのレベルに対するVASH1及びVASH2(shV1+shV2)又はSVBP(shSVBP)ダウンレギュレーションの効果のウエスタンブロット分析プレーティング直前に、エレクトロポレーションによって、turboGFP(tGFP)cDNAに関連するshRNAをニューロンにトランスフェクションし、2DIVにおいて分析した(3回の独立したニューロン培養の3回反復イムノブロットからの結果)。
(C〜E)神経突起伸長及び軸索分化に対するバソヒビンダウンレギュレーションの効果。Bのようにニューロンをトランスフェクションし、2DIV及び3DIVにおいて免疫染色によって分析した。(C)2DIV及び3DIVの3〜4つの異なる培養物からの免疫蛍光画像において、(軸索を有する)ステージIIIニューロンを手動カウントした。
(D)Cのように作成した免疫蛍光画像における、AutoNeuriteJマクロ(詳細については、方法を参照のこと)を使用した少なくとも85個の(2DIVの)ニューロンの形態学的分析。*、P<0.05;***、P<0.0005、****、P<0.0001(t又はマンホイットニー検定)。
バソヒビンのダウンレギュレーションは、新生皮質ニューロン放射状移動に影響を与える。(A)6つの等しいビンに分割した皮質にわたるGFP陽性ニューロンの分布を示す定量分析。1条件当たり5つの脳からのデータ、平均±SEM。ns、非有意、***p<0.001、****<0.0001(マンホイットニー検定)。
(B)
SVBPのダウンレギュレーションは、神経分化を変化させる。(A)VASH1、VASH2及びSVBP shRNAの検証。タンパク質及び対応するshRNA又はコントロールshRNAの発現を可能にするプラスミドをHEK293T細胞にコトランスフェクションした。抗GFP及び抗Flagを用いてウエスタンブロットによって粗タンパク質抽出物を分析して、それぞれVASH1/2又はSVBPの存在を試験し、抗turboGFPを用いてshRNAの存在をアッセイした;
(B〜C)神経突起伸長及び軸索分化に対するSVBPダウンレギュレーションの効果。図3Bのようにニューロンをトランスフェクションし、2DIV及び3DIVにおいて免疫染色によって分析した。(.(B)2DIV及び3DIVの3〜4つの異なる培養物からの免疫蛍光画像において、(軸索を有する)ステージIIIニューロンを手動でカウントした。
(C)Bのように作成した免疫蛍光画像における、AutoNeuriteJマクロ(詳細については、方法を参照のこと)を使用した少なくとも27個の(2DIVの)ニューロンの形態学的分析。*、P<0.05;**、P<0.005;***、P<0.0005(t又はマンホイットニー検定)。
VASH/SVBP複合体の精製及び特性。(A)バソヒビン/SVBP複合体の精製のウエスタンブロット分析(上パネル)及びSDS−PAGE(下パネル)。図2Aのように、HEK293T細胞において、バソヒビン及びそれらの触媒失活バージョンをSVBPと共発現させ、次いで、コバルト樹脂で精製した。コントロールとして(Hisタグを有する)GFPのみ構築物を使用した。GFP及びバソヒビンを抗His抗体でプローブし、SVBPを抗Flag抗体でプローブした。未精製(溶解物)及び精製(溶出液)タンパク質抽出物のウエスタンブロット分析並びに精製タンパク質抽出物のSDS−PAGEが示されている。SVBPを全てのバソヒビンと共精製したが、GFPと共精製しなかったことに留意する。
(B)図(2D)のように評価した、精製脳微小管又はチューブリンダイマーに対する精製VASH2/SVBP複合体の脱チロシン化活性。
(C)図(2D)で使用した非集合微小管(チューブリンダイマー、Tub)又は集合微小管(MT)のSDS−PAGEによるコントロール。MT及びTub抽出物(500ng)を25℃及び200,000gで15分間遠心分離した。SN、上清
(D)図2Dで使用したVASH1、VASH2及びSVBP量のウエスタンブロットによるコントロール。
脱チロシン化/チロシン化サイクル及び関連酵素:チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)の中心的位置。通常、α−チューブリンは、ほとんどの遺伝子ではC末端芳香族残基チロシンを伴って、又はα8遺伝子ではフェニルアラニンを伴って新合成される(31)。αβ−チューブリンダイマーが微小管を組み込んでTCP基質になると、α−チューブリンは脱/チロシン化サイクルに入り得る。TCPは最後の芳香族残基を除去して、脱チロシン化αチューブリン(又はαΔ1−チューブリン)を有する微小管を生成する。脱チロシン化αチューブリンプールはまた、最後の芳香族残基を有しないα−チューブリンをコードするα4遺伝子からの直接的な新合成によって供給され得る。サイクルを完了するために、微小管は解重合し、チューブリンチロシンリガーゼ(TTL)によって再チロシン化され得る脱チロシン化ダイマーを遊離させる。TTL酵素は単一のタンパク質からなるのに対して、本研究において発見されたTCP酵素は、触媒ユニット(バソヒビン)及びアクセサリータンパク質(SVBP、低分子バソヒビン結合タンパク質)を含む。祖先バソヒビン遺伝子の重複事象によって、脊椎動物は、2つのTCP触媒サブユニット、バソヒビン1(VASH1)及びバソヒビン2(VASH2)を有する。脱チロシン化α−チューブリンは他の改変の供給源である。最後から2番目及び最後から3番目のグルタミン酸残基は、CCPファミリー酵素によって連続的にプロセシングされて、それぞれαΔ2及びαΔ3チューブリンが生成される(28、32、33)。
AD及びコントロール患者の脳におけるチューブリン脱チロシン化状態の比較。健常年齢適合(コントロール)、並びにI〜II(初期AD)、III〜IV(中期AD)及びV〜VI(後期AD)で分類されるI〜VIのBraakを有するAD患者由来の内嗅、海馬、側頭及び外側組織由来のタンパク質抽出物を用いて、イムノブロット分析を実施した。3回の独立した実験から定量を実施し、一連実験全体で「コントロール」脳サンプルを使用して、内部標準化を可能にした。分析サンプルは、コントロールn=11、Braak段階I〜II n=5、Braak段階III〜IV n=6及びBraak段階IV〜V n=7であった。総チューブリンに対して、脱チロシン化及びΔ2チューブリンを標準化した。全てのデータは平均+SEMとして示されている。混合モデルを使用した二元配置ANOVA。変動源はBraak及び脳領域である。領域効果は有意ではなく、Tub detyr/Tub tot(*p=0.031)及びTub Δ2/tub tot(**p=0.0051)では、Braak効果は有意である。
VASH1の発現低下は、脳におけるチューブリンチロシン化に影響を与える。チロシン化チューブリン、脱チロシン化チューブリン、デルタ2チューブリン、α−チューブリン及びTTLのキャピラリーウエスタンブロット(A)。VASH1 KOヘテロ接合性(+/−)、ホモ接合性(−/−)及び野生型マウス(+/+)マウス由来の海馬におけるチロシン化(B)、脱チロシン化(C)、デルタ2(D)及び総α−チューブリン(E)並びにチューブリンチロシンリガーゼ(F)レベルの相対定量(平均±SEM)。ノンパラメトリッククラスカル・ワリス検定とそれに続くダン多重比較検定を使用して、統計比較を実施した。WTマウスと比較して、**p<0.01、****p<0.0001。
SVBPの発現低下は、脳におけるチューブリンチロシン化に影響を与える。チロシン化チューブリン、脱チロシン化チューブリン、デルタ2チューブリン、α−チューブリン及びTTLのキャピラリーウエスタンブロット(A)。SVBP KOヘテロ接合性(+/−)、ホモ接合性(−/−)及び野生型マウス(+/+)マウス由来の海馬におけるチロシン化(B)、脱チロシン化(C)、デルタ2(D)及び総α−チューブリン(E)並びにチューブリンチロシンリガーゼ(F)レベルの相対定量(平均±SEM)。ノンパラメトリッククラスカル・ワリス検定とそれに続くダン多重比較検定を使用して、統計比較を実施した。WTマウスと比較して、**p<0.01、****p<0.0001。
VASH2の発現低下は、脳におけるチューブリンチロシン化に影響を与えない。チロシン化チューブリン、脱チロシン化チューブリン、デルタ2チューブリン、α−チューブリン及びTTLのキャピラリーウエスタンブロット(A)。VASH2 KOヘテロ接合性(+/−)、ホモ接合性(−/−)及び野生型マウス(+/+)マウス由来の海馬におけるチロシン化(B)、脱チロシン化(C)、デルタ2(D)及び総α−チューブリン(E)並びにチューブリンチロシンリガーゼ(F)レベルの相対定量(平均±SEM)。ノンパラメトリッククラスカル・ワリス検定とそれに続くダン多重比較検定を使用して、統計比較を実施した。
VASH1の発現低下は、心室におけるチューブリンチロシン化に影響を与える。α−チューブリン、チロシン化チューブリン、脱チロシン化チューブリン、デルタ2−チューブリン及びTTLのウエスタンブロット分析(A)。VASH1 KOホモ接合性(−/−)、ヘテロ接合性(+/−)及び野生型マウス(+/+)マウス由来の心室におけるチロシン化(B)、脱チロシン化(D)、デルタ2(F)及び総(C)α−チューブリン並びにチューブリンチロシンリガーゼ(E)レベルの相対定量(平均±SEM)。ノンパラメトリック一元配置ANOVAを使用して、統計比較を実施した。WTマウスと比較して、*p<0.05、**p<0.01、****p<0.0001。
SVBPの発現低下は、心室におけるチューブリンチロシン化に影響を与える。α−チューブリン、チロシン化チューブリン、脱チロシン化チューブリン、デルタ2−チューブリン及びTTLのウエスタンブロット分析(A)。SVBP KOホモ接合性(−/−)、ヘテロ接合性(+/−)及び野生型マウス(+/+)マウス由来の心室におけるチロシン化(B)、脱チロシン化(D)、デルタ2(F)及び総(C)α−チューブリン並びにチューブリンチロシンリガーゼ(E)レベルの相対定量(平均±SEM)。ノンパラメトリック一元配置ANOVAを使用して、統計比較を実施した。WTマウスと比較して、*p<0.05、**p<0.01、****p<0.0001。
VASH2の発現低下は、心室におけるチューブリンチロシン化に影響を与えない。α−チューブリン、チロシン化チューブリン、脱チロシン化チューブリン、デルタ2−チューブリン及びTTLのウエスタンブロット分析(A)。VASH2 KOホモ接合性(−/−)、ヘテロ接合性(+/−)及び野生型マウス(+/+)マウス由来の心室におけるチロシン化(B)、脱チロシン化(D)、デルタ2(F)及び総(C)α−チューブリン並びにチューブリンチロシンリガーゼ(E)レベルの相対定量(平均±SEM)。ノンパラメトリック一元配置ANOVAを使用して、統計比較を実施した。
VASH1又はSVBPのダウンレギュレーションは、成熟ニューロンにおけるチューブリンチロシン化状態に影響を与える。17DIV皮質ニューロン由来のタンパク質抽出物に対して、分析を実施した。3つの異なる由来の抽出物を用いて、3回の独立したイムノブロットから、定量を実施した。(平均±SEM、t検定)。*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。
バソヒビン又はSVBP欠失は、Aβ毒性によって誘発される樹状突起スパイン喪失からマウス培養ニューロンを保護する。(A)GFPを発現し、100nM Aβオリゴマーで48時間処理した又は処理しなかったWT並びにSVBP−、VASH1−及びVASH2−KO培養ニューロン(17DIV)の樹状突起セグメントの代表例の共焦点画像スケールバー=5μm。(B)100nM Aβで処理した又は処理しなかったWT 17DIVニューロンの総樹状突起スパイン密度(左)又は成熟マッシュルーム型樹状突起スパイン(右)のグラフ。全てのデータは平均+SEMとして示されている。スチューデントt検定。****p<0.0001。(C)WT及びSVBP−、VASH1−及びVASH2−KO 17DIV培養ニューロン由来のAβ処理ニューロンの総樹状突起スパイン密度(左)又は成熟マッシュルーム型樹状突起スパイン(右)のグラフ。結果は、それぞれWT及びSVBP−、VASH1−及びVASH2−KO由来の未処理(コントロール)ニューロンと比べて、平均+SEMとして示されている。シダック多重比較検定による一元配置ANOVA。****p<0.0001。
野生型及びSVBP KO後根神経節(DRG)ニューロンの条件軸索再成長のin vitro分析。(A)いかなる事前コンディショニングもないか(非挫滅)又は坐骨神経挫滅の3日後(挫滅)のいずれかの解離及び培養した代表的な成人DRGニューロン。(B)各ニューロンの神経突起の最長の長さの定量。n=2回の独立した実験。バーの値は、定量したニューロンの数に対応する。エラーバーはs.e.m.を表す;統計分析:クラスカル・ワリス検定とダン多重比較検定。ns、統計的非有意差;**P<0,01。WTと比較して、SVBP KO DRGニューロンは、プレコンディショニングプロトコール後に有意に速く成長する。
阻害剤に対するVASH1/SVBP感度。ビオチニル−V−15−Yのペプチドを用いたElisaベースの方法を使用して、アッセイを実施した。いくつかの阻害剤を試験した。Phe残基を含有する市販のセリン/システイン阻害剤であるTPCK(トシルフェニルアラニルクロロメチルケトン);Ablチロシンキナーゼの市販の強力な阻害剤であるポナチニブ;それぞれY又はEEYアミノ酸とカップリングしたエポキシド基を含有する設計阻害剤であるEpoY及びepoEEY(Aillaud et al., 2017);epoYのクリック可能バージョンであるアルキン−epoY。結果は、DMSOを用いたコントロールにおける酵素活性の割合として表されている(少なくとも2回反復の平均)。
検量線:2.7μM及び20μMの範囲の2つのペプチド(ビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−E及びビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−E−Y)で、検量線を得た。1/x線形曲線フィットを使用した8点検量線に基づいて、濃度を計算した。

0008

発明の詳細な説明:
α−チューブリンの可逆的脱チロシン化は微小管ダイナミクス及び機能に重要であり、その欠陥は、ガン、脳崩壊及び心筋症に関与している。しかしながら、脱チロシン化を担当するチューブリンチロシンカルボキシペプチダーゼ(TCP)の同定は依然として未成功である。本明細書では、強力でユニークな不可逆的な阻害剤と共に化学プロテオミクスを使用して、本発明者らは、主要な脳TCPがバソヒビン−1(VASH1)と低分子バソヒビン結合タンパク質(SVBP)との複合体であることを見出した。VASH1及びそのホモログバソヒビン−2(VASH2)は、SVBPと複合体形成すると、微小管に対するロバストかつ特異的なTyr/Pheカルボキシペプチダーゼ活性を示す。したがって、本発明者らは、バソヒビン及びバソヒビン/SVBP複合体の酵素活性を最初に実証した。培養ニューロンにおけるバソヒビン又はSVBPのノックダウンは、チロシン化α−チューブリンレベルの顕著な減少及び重度の分化欠陥の発症をもたらす。更に、バソヒビンのノックダウンは、発達中のマウス新皮質のニューロン移動を破壊する。これらの結果は、バソヒビン/SVBP複合体がTCP酵素であることを立証している。

0009

したがって、本発明は、それを必要とする被験体におけるチューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患を処置するための方法において使用するための、バソヒビン/SVBP複合体活性又は発現の阻害剤に関する。

0010

本明細書で使用される場合、用語「チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患」は、チューブリンの脱チロシン化/チロシン化サイクルの崩壊に関連する一群の疾患を指す。チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)が関与する病状の例としては、神経学的障害及び心血管疾患が挙げられる。

0011

TTL酵素及びコントロールされた量のチロシン化チューブリンは、神経組織化に不可欠である(Erck et al. (2005), Proc Natl Acad Sci U S A, 102:7853)。ヒトの加齢脳(Loerch et al. (2008), PloS one, 3:e3329)及びアルツハイマー病患者の脳(未発表のデータ)では、TTL発現が減少している。アルツハイマー動物モデルにおけるこれらの欠陥は、シナプス可塑性及び認知能力障害と同時であることが示されている(Andrieux研究室からの未発表の結果)。したがって、TCP阻害剤の使用は、脳におけるチロシン化/脱チロシン化チューブリンの生理学的量を再確立し、疾患に関連する認知能力の更なる低下を回復又は予防するはずである(認知能力は、最も単純なものから最も複雑なものまで任意のタスクを行うために必要な技能:学習、記憶、問題解決意思決定など...を指す)。

0012

また、最近の研究は、微小管の脱チロシン化の減少が神経再生を促進し(Gobrecht et al. (2016), The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience, 36:3890)、傷害軸索におけるチロシン化アルファ−チューブリンの増加が逆行性傷害シグナリング及び軸索再生に必要である(Song et al, 2015)ことを示している。微小管ダイナミクスのターゲティングは、瘢痕組織によって形成される阻害性環境組成を改変し、それを軸索の再生により許容的にする。微小管は、軸索再生において二重機能を有する。軸索成長支援における役割の他に、それらは、核に戻る逆行性シグナル輸送路を提供する(Blanquie and Bradke, 2018)。

0013

したがって、特定の実施態様では、TCP関連疾患は、神経変性疾患などの神経学的障害を含む。

0014

本明細書で使用される場合、用語「神経学的障害」は、被験体の神経系の正常な機能又は解剖学的構造に直接的又は間接的に影響を与える疾患、障害又は症状として定義される。

0015

本発明の文脈では、用語「神経変性障害」は、中枢神経系又は末梢神経系の細胞が影響を受けるか又は失われる疾患として定義される。

0016

特に好ましい神経変性障害はアルツハイマー病(AD)である。微小管は、アルツハイマー病の病理におけるキープレーヤーであることが十分に立証されている(Matsuyama and Jarvik, 1989; Dent, 2016; Brandt and Bakota, 2017)。最近の結果は、アルツハイマー病患者の脳ではTTL発現が減少しているのに対して(未発表データ)、(以下の実施例で実証されているように)脱チロシン化チューブリンが増加していることを示している。また、バソヒビン1又はSVBPタンパク質を欠失させたトランスジェニックマウス由来の初代神経細胞培養物では、ベータアミロイド誘発性神経毒性が予防される(結果も以下に示されている)。微小管は3つの細胞骨格構成要素の1つであり、軸索の完全性を維持して軸索輸送経路を形成するために重要である(Eira et al, 2016)。軸索輸送欠陥は、神経変性疾患の直接的な原因である。α−チューブリンの可逆的脱チロシン化は、微小管ダイナミクス及び機能、例えば軸索輸送及び樹状突起スパイン;CNSにおける興奮性ニューロンシナプス後コンパートメントに重要である(Dent, 2016)。いくつかの神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病筋萎縮性側索硬化症及び進行性核上性麻痺のようなタウオパチーでは、微小管ダイナミクスの改変が観察されている(Baird and Benneth, 2013; Dubey et al, 2015; Cartelli and Cappelletti, 2017)。最近の研究はまた、成人脳におけるMTダイナミクスが学習及び記憶の重要なプロセスにおいて機能し、変性疾患では損なわれ得ることを示唆している(Dent et al., 2016)。

0017

ハンチントン病患者では、シナプス及び軸索の機能不全並びに神経突起ジストロフィーニューロン喪失先行するという証拠もある(Li and Conforti, 2013)。

0018

in vitro又はin vivoのいずれかの虚血(脳卒中)モデルでは、微小管及び/又はチューブリンが崩壊していることも報告されている(Ma et al, 2010; Psilodimitrakopoulos et al, 2013)。多発性硬化症(MS)及び関連モデル、例えば実験的自己免疫性脳脊髄炎では、神経変性が起こる前に、軸索輸送の変化が存在することが示されている(Van den Berg et al, 2017)。神経炎症に関連する化学的環境はそれ自体が既に、微小管関連軸索輸送を破壊することができる(Van den Berg et al, 2017)。

0019

好ましくは、神経学的障害又は神経変性障害は、多発性硬化症、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病からなる群より選択される。

0020

神経学的障害の他の例はまた、外傷性脳傷害脊髄傷害、頭蓋病変又は椎骨内病変であり、限定されないが、挫傷浸透、剪断、脊髄の圧迫若しくは裂傷病変又はむち打ち揺さぶられっ子症候群が挙げられる。

0021

好ましい実施態様では、神経変性障害はアルツハイマー病である。

0022

別の好ましい実施態様では、神経学的障害は脳卒中である。

0023

本発明はまた、神経保護剤又は向神経剤として使用するための、バソヒビン/SVBP複合体活性又は発現の阻害剤に関する。

0024

微小管におけるチロシン化/脱チロシン化チューブリンのコントロールもまた、心筋細胞における筋節短縮及び伸張に対する粘弾性抵抗に関与するので、心筋収縮に関与する(Kerr et al. (2015) Nature Comm., 6:8526 ; Robison et al. (2016) Science,352:aaf0659 ; Chen et al. (2018) Nature Med., 24 :1225)。臨床データにより、コントロール被験体及び肥大型心筋症患者では、心筋脱チロシン化チューブリンのレベルは左心室駆出率と負に相関することが示された(Robison et al. (2016) Science, 352:aaf0659)。したがって、TCP阻害剤はまた、肥大型心筋症、虚血後心筋症、拡張型心筋症(Robison et al. (2016) Science, 352:aaf0659 ; Chen et al. (2018) Nature Med., 24 :1225)、ジストロフィン異常症(Belanto et al. (2016))の処置において使用され得る。

0025

特定の実施態様では、TCP阻害剤は、心不全、特に駆出率の減少を伴う心不全(虚血性、非虚血性)及び駆出率の維持を伴う心不全(肥大性心筋症糖尿病性心筋症)の処置において使用される。

0026

特定の実施態様では、TCP関連疾患は、心筋梗塞、心筋梗塞誘発性心血管機能障害、心不全、心筋症及びジストロフィン異常症からなるリストより選択される心血管疾患である。

0027

好ましい実施態様では、心血管疾患は、駆出率の減少を伴う心不全(虚血性、非虚血性)である。

0028

本明細書で使用される場合、用語「処置」、「処置する」は、所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を得ることを指す。効果は、疾患若しくはその症候の完全若しくは部分的な予防の点で予防的であり得、並びに/又は疾患の部分的若しくは完全な治癒及び/若しくは疾患に起因する有害効果の点で治療的であり得る。本明細書で使用される場合、「処置」は、被験体における疾患の任意の処置をカバーし、(a)生存期間の増加;(b)疾患による死亡リスクの減少;(c)疾患の素因を有し得るがそれを有するとまだ診断されていない被験体における疾患の発生の予防;(d)疾患の阻害、すなわち、その発症の阻止(例えば、疾患進行の速度の減少);及び(e)疾患の緩和、すなわち、疾患の退縮を含む。

0029

本明細書で互換的に使用される用語「被験体」及び「患者」は、チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患、例えば心血管障害及び神経学的障害と以前に診断されたか、又はチューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患、例えば心血管障害及び神経学的障害を有し若しくは発症するリスクがある哺乳動物、特にヒトを指す。典型的には、神経変性疾患などの神経学的障害の診断は、脳生検後に、又は神経画像処理(IRM、PetScan...)を使用することによって、又は疾患に関連する生物学的マーカーを用いて行われ得る。

0030

本明細書で使用される場合、用語「又は「バソヒビン」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、バソヒビン−1又はバソヒビン−2タンパク質から構成される。

0031

本明細書で使用される場合、用語「又はバソヒビン/SVBP複合体」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有する。バソヒビン/SVBP複合体は、バソヒビン−1又はバソヒビン−2、及びSVBP(低分子バソヒビン結合タンパク質)から構成される。

0032

バソヒビン1は、VEGFなどの血管新生促進刺激成長因子によって、内皮細胞において選択的に誘導される;それは、血管新生のプロセスに関与する活性化内皮細胞固有かつ高度に特異的なフィードバック阻害剤として機能するようである。バソヒビン1mRNA及びタンパク質は、VEGFによって時間及び濃度依存的に誘導されるのに対して、分泌タンパク質はVEGFの血管新生効果をアンタゴナイズする。9つのアイソフォームを最終的にコードする13個のスプライス変異体を生成する別個の遺伝子によってコードされるバソヒビン−2(Shibuya, T. et al. (2006) Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 26:1051, andNCBI RefSeq)は、バソヒビン−1のホモログである。バソヒビン及びバソヒビン−2は両方とも、ヒトとマウスとの間で>95%保存されている。(バソヒビンタンパク質及び血管新生レギュレーションの総説については、Sato Y J Biochem. 2013 Jan; 153(1):5-11を参照のこと)。

0033

前述のように、本発明の発明者らは、バソヒビンの酵素活性を最初に同定した。より具体的には、本発明者らは、バソヒビン−1及びそのホモログバソヒビン−2(VASH2)が非標準的なCys−His−Ser触媒三残基を有し、トランスグルタミナーゼ様システインプロテアーゼファミリーの未発見メンバーであることを実証する。

0034

SVBPは低分子バソヒビン結合タンパク質を意味し、66個のアミノ酸から構成されるタンパク質である。SVBPは、2010年に東北大チームによって最初に単離され、バソヒビン1の分泌シャペロンとして作用し、VASH1の抗血管新生活性に寄与すると記載されている(Suzuki Y, et al J Cell Sci 2010 123: 3094-3101)。別の研究には、SVBPがVASH2タンパク質の分泌シャペロンであることが記載されている(Xue X. et al Oncogene. 2013 Mar 28; 32(13):1724-34)。

0035

したがって、バソヒビン/SVBP複合体は、バソヒビン−1又はバソヒビン−2及びSVBP(低分子バソヒビン結合タンパク質)から構成される。

0036

●バソヒビン活性の阻害剤
「バソヒビン活性の阻害剤」又は「バソヒビン/SVBP複合体活性の阻害剤」は、当技術分野におけるその同じ一般的な意味を有し、バソヒビン(又はその複合体)又はそのメンバーの1つの生物学的活性を減少させ又は抑制する能力を有する化合物天然又は非天然)を指す。典型的には、前記化合物は、バソヒビン(又はその複合体)によるチューブリンの脱チロシン化を阻害し又は減少させる。例えば、化合物は、基質に代わって触媒部位に入り得るか、又はバソヒビン(又はその複合体)とチューブリン/微小管/微小管関連タンパク質、例えば+Tip(プラスエンドトラッキングタンパク質)との相互作用遮断し得るか、又はバソヒビンがチューブリン/微小管/微小管関連タンパク質、例えば+Tipに結合することができない様式でバソヒビン(又はその複合体)に結合し得るか、又はバソヒビン/SVBP複合体の形成を阻害し得る。典型的には、前記阻害剤は、有機小分子又は生体分子(例えば、ペプチド、脂質、抗体、アプタマー)である。

0037

本明細書で使用される場合、用語「又は+Tip」は、「プラス−エンドトラッキングタンパク質」を意味する。プラスエンドトラッキングタンパク質は、成長中の微小管の先端に結合し、微小管ダイナミクスのレギュレーションにおいて重要な役割を果たすMAP(微小管関連タンパク質)タンパク質である。例えば、+TIPは、有糸分裂中の微小管と染色体との相互作用に関与することが観察されている。+TIPとして同定された最初のMAPはCLIP170(細胞質リンカータンパク質)であり、微小管脱重合レスキュー事象において役割を果たすことが示されている。+TIPの更なる例としては、EB1、EB2、EB3、p150Glued、ダイナミチン、Lis1、CLIP115、CLASP1及びCLASP2...)が挙げられる。

0038

バソヒビン又はバソヒビン/SVBP複合体の「生物学的活性」(これは同じものである)は、チューブリンの脱チロシン化/チロシン化サイクルに関連するアルファチューブリンモノマー、ダイマー又は微小管内重合)の脱チロシン化を意味する。

0039

バソヒビン(又はその複合体)活性の阻害剤である化合物の能力を決定するための試験は当業者に周知である。本出願は更に、バソヒビン及び/又はバソヒビン/SVBP複合体、すなわちTCPの候補阻害剤をスクリーニング及び選択することを有利に可能にする試験を提供する(以下を参照のこと)。好ましい実施態様では、阻害剤は、バソヒビンの生物学的活性を阻害するために十分な様式で、バソヒビン(又はその複合体)に特異的に結合する。バソヒビン(又はその複合体)に対する結合及びバソヒビンの生物学的活性の阻害は、当技術分野で周知の任意の競合アッセイによって決定され得る。例えば、アッセイは、バソヒビン活性阻害剤として試験すべき薬剤のバソヒビン(又はその複合体)結合能力を決定することからなり得る。結合能力は、Kd測定値によって反映される。本明細書で使用される場合、用語「KD」は、解離定数(これは、Kd対Kaの比(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表される)を指すことを意図する。結合生体分子のKD値は、当技術分野で十分に確立された方法を使用して決定され得る。特定の実施態様では、「バソヒビン(又はその複合体)に特異的に結合する」阻害剤は、1μM以下、100nM以下、10nM以下又は3nM以下のKDで、ヒトバソヒビン(又はその複合体)ポリペプチドに結合する阻害剤を指すことを意図する。次いで、競合アッセイは、バソヒビンの生物学的活性を阻害する薬剤の能力を決定するように設定され得る。細胞内又はin vivoにおけるアルファチューブリンの脱チロシン化を誘導又は阻害する能力を評価するような機能的アッセイが想定され得る(実施例及び図1を参照のこと)。

0040

当業者は、バソヒビン(又はその複合体)活性阻害剤がバソヒビンの生物学的活性を中和し、遮断し、阻害し、抑止し、減少させ又は妨害するかを容易に決定し得る。最初に特性評価されたアルキン−epoY化合物と同じ方法で、バソヒビン活性阻害剤がバソヒビン(又はその複合体)に結合し、及び/又は細胞におけるアルファチューブリンの脱チロシン化を阻害するかのチェックは、各阻害剤を用いて実施され得る。例えば、アルファチューブリンアッセイの脱チロシン化は、実施例セクション(及びArce et al (1978) J Neurochemistry (31) 205-210、Argarana et al (1980) Journal of Neurochemistry, 34(1) 114-118)に記載されているように、[14C]−チロシン化タキソール安定化微小管又は[14C]−チロシン化チューブリンを使用した放射能試験によって測定され得る。

0041

特定の実施態様では、本発明の活性阻害剤は、抗体又はその一部である。

0042

この実施態様では、バソヒビン(又はその複合体)の活性阻害剤は、細胞におけるバソヒビン(又はその複合体)に結合してその生物学的活性を遮断し得る抗体(この用語は、抗体フラグメント又は一部を含む)である。

0043

好ましい実施態様では、バソヒビンの活性阻害剤は、抗体がバソヒビン/活性を損なう方法で、バソヒビン/SVBP複合体又はバソヒビンに対する抗体からなり得る(「中和抗体」)。

0044

次いで、本発明では、バソヒビン/SVBP複合体又はバソヒビンの中和抗体は、(i)バソヒビン(又はその複合体)に結合し、及び/又は(ii)バソヒビン(又はその複合体)によるアルファチューブリンの脱チロシン化を阻害するそれらの能力について、上記のように選択される。

0045

本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体はモノクローナル抗体である。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体はポリクローナル抗体である。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体はヒト化抗体である。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体はキメラ抗体である。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体の部分は、抗体の軽鎖を含む。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体の部分は、抗体の重鎖を含む。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体の部分は、抗体のFab部分を含む。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体の部分は、抗体のF(ab’)2部分を含む。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体の部分は、抗体のFc部分を含む。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体の部分は、抗体のFv部分を含む。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体の部分は、抗体の可変ドメインを含む。本明細書に記載される抗体又はその部分の一実施態様では、抗体の部分は、抗体の1つ以上のCDRドメインを含む。

0046

本明細書で使用される場合、「抗体」は、天然に存在する抗体及び天然に存在しない抗体の両方を含む。具体的には、「抗体」は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体、並びにその一価フラグメント及び二価フラグメントを含む。更に、「抗体」は、キメラ抗体、完全合成抗体一本鎖抗体及びそれらのフラグメントを含む。抗体は、ヒト抗体又は非ヒト抗体であり得る。非ヒト抗体は、ヒトにおけるその免疫原性を減少させるためのリコンビナント方法によってヒト化され得る。

0047

抗体は、従来の方法にしたがって調製される。モノクローナル抗体は、Kohler and Milstein (Nature, 256:495, 1975)の方法を使用して作製され得る。本発明において有用なモノクローナル抗体を調製するために、抗原型バソヒビン(1又は2)又はSVBPでマウス又は他の適切な宿主動物を適切な間隔で(例えば、週2回、週1回、月2回又は月1回)免疫する。屠殺の1週間以内に、最終「追加免疫」の抗原動物投与し得る。免疫中に免疫学的アジュバントを使用することが望ましいことが多い。適切な免疫学的アジュバントとしては、フロイント完全アジュバントフロイント不完全アジュバントミョウバン、Ribiアジュバント、Hunter’s Titermax、サポニンアジュバント、例えばQS21若しくはQuilA、又はCpG含有免疫刺激オリゴヌクレオチドが挙げられる。他の適切なアジュバントは当技術分野で周知である。皮下、腹腔内、筋肉内、静脈内、鼻腔内又は他の経路によって、動物を免疫し得る。複数の経路によって、複数の形態の抗原で所定の動物を免疫し得る。

0048

簡潔に言えば、リコンビナントバソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの1つ)は、リコンビナント細胞株による(又は細菌、酵母若しくは昆虫細胞を含む様々な他の発現系によって)発現によって提供され得る。リコンビナント型バソヒビン及び/又はSVBPは、任意の前記方法を使用して提供され得る。免疫レジメンの後、動物の脾臓リンパ節又は他の臓器からリンパ球を単離し、次いでポリエチレングリコールなどの薬剤を使用して適切な骨髄腫細胞株と融合させてハイブリドーマを形成する。融合後、記載されているように(Coding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice: Production and Application of Monoclonal Antibodies in Cell Biology, Biochemistry and Immunology, 3rd edition, Academic Press, New York, 1996)、標準的な方法を使用して、融合パートナーではなくハイブリドーマが成長可能な培地中に細胞を置く。ハイブリドーマの培養後、所望の特異性の(すなわち、抗原に選択的に結合する)抗体の存在について、細胞上清を分析する。適切な分析技術としては、ELISAフローサイトメトリー免疫沈降及びウエスタンブロッティングが挙げられる。他のスクリーニング技術は当技術分野で周知である。好ましい技術は、コンフォメーションインタクトな抗原であって、ネイティブにフォールディングされた抗原に対する抗体の結合を確認するもの、例えば非変性ELISA、フローサイトメトリー及び免疫沈降である。

0049

重要なことに、当技術分野で周知であるように、抗体分子のごく一部(パラトープ)のみが、そのエピトープに対する抗体の結合に関与する(一般的に、Clark, W. R. (1986) The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley & Sons, Inc., New York; Roitt, I. (1991) Essential Immunology, 7th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxfordを参照のこと)。Fc’領域及びFc領域は、例えば、補体カスケードエフェクターであるが、抗原結合に関与しない。pFc’領域が酵素的に切断された抗体、又はpFc’領域なしで生産された抗体(F(ab’)2フラグメントと称される)は、インタクトな抗体の抗原結合部位の両方を保持する。同様に、Fc領域が酵素的に切断された抗体、又はFc領域なしで生産された抗体(Fabフラグメントと称される)は、インタクトな抗体分子の抗原結合部位の一方を保持する。更に進めて、Fabフラグメントは、共有結合した抗体軽鎖と、抗体重鎖の一部(Fdと称される)とからなる。Fdフラグメントは、抗体特異性の主な決定基であり(単一のFdフラグメントは、抗体特異性を変化させずに、最大10個の異なる軽鎖に結合され得る)、Fdフラグメントは、単独でエピトープ結合能を保持する。

0050

当技術分野で周知であるように、抗体の抗原結合部分内には、抗原のエピトープと直接的に相互作用する相補性決定領域(CDR)と、パラトープの三次構造を維持するフレームワーク領域(FR)とが存在する(一般的に、Clark, 1986; Roitt, 1991を参照のこと)。IgG免疫グロブリンの重鎖Fdフラグメント及び軽鎖の両方において、3つの相補性決定領域(CDR1からCDRS)によってそれぞれ分離された4つのフレームワーク領域(FR1からFR4)が存在する。CDR、特にCDRS領域、より具体的には重鎖CDRSは、抗体特異性に大きく関与する。

0051

元の抗体のエピトープ特異性を保持しながら、哺乳動物抗体の非CDR領域同種抗体又は異種特異的抗体の類似領域置換し得ることは、現在では当技術分野で十分に確立されている。これは、非ヒトCDRをヒトFR及び/又はFc/pFc’領域に共有結合して機能的抗体を生産する「ヒト化」抗体の開発及び使用において最も明確に具現されている。

0052

バソヒビン(又はその複合体)は細胞内ターゲットであるので、活性阻害剤として作用する本発明の抗体は、Fcフラグメントを含まない抗体フラグメントであり得る。

0053

したがって、当業者には明らかであるように、本発明はまた、F(ab’)2Fab、Fv及びFdフラグメント;Fc及び/又はFR及び/又はCDR1及び/又はCDR2及び/又は軽鎖CDR3領域が、相同的なヒト配列又は非ヒト配列によって置換されているキメラ抗体;FR及び/又はCDR1及び/又はCDR2及び/又は軽鎖CDR3領域が、相同的なヒト配列又は非ヒト配列によって置換されているキメラF(ab’)2フラグメント抗体;FR及び/又はCDR1及び/又はCDR2及び/又は軽鎖CDR3領域が、相同的なヒト配列又は非ヒト配列によって置換されているキメラFabフラグメント抗体;並びに、FR及び/又はCDR1及び/又はCDR2領域が、相同的なヒト配列又は非ヒト配列によって置換されているキメラFdフラグメント抗体を提供する。本発明はまた、いわゆる一本鎖抗体を含む。

0054

様々な抗体分子及びフラグメントは、限定されないが、IgA、分泌IgA、IgE、IgG及びIgMを含む一般的に公知の免疫グロブリンクラスのいずれかに由来し得る。IgGサブクラスも当業者に周知であり、限定されないが、ヒトIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4が挙げられる。

0055

実施態様では、本発明の抗体は、単一ドメイン抗体である。用語「単一ドメイン抗体」(sdAb)又は「VHH」は、軽鎖を本来的に欠くラクダ科哺乳動物に見られ得る種類の抗体の単一重鎖可変ドメインを指す。このようなVHHは、「nanobody(登録商標)」とも称される。本発明によれば、sdAbは、特にラマsdAbであり得る。

0056

中和ヒトバソヒビン(又はその複合体若しくはそのメンバーの1つ)抗体の例は、以下で開示されているか又は入手可能である。
●VASH1については:Saito M et al. The Journal of Biochemistry, 160(4), Oct. 2016, p.227-232); (Watanabe, K., et al. (2004). J. Clin. Invest. 114, 898907)及び抗バソヒビン1/VASH1抗体(C末端) IHC-plus(商標)LS-B9515 (Lifespan Bioscience)
●VASH2については:Koyanagi T. et al Cancer Sci. 2017 Mar;108(3):512-519);米国特許第9701744号及び抗VASH2治療用抗体(1760)TAB-248CQ (creative biolab)、抗VASH2(H00079805-H01) Novus bio.
●SVBPについては、抗SVBP抗体(HPA008507 SIGMA)

0057

●バソヒビン(又はその複合体)発現の阻害剤
「バソヒビン発現の阻害剤」又は「バソヒビン/SVBP複合体発現の阻害剤」は、バソヒビンの少なくとも1つの異なるメンバー(又はその複合体)をコードする少なくとも1つの遺伝子の発現を阻害し又は有意に減少させる生物学的効果を有する天然又は合成化合物を指す。

0058

特定の実施態様では、バソヒビン発現の阻害剤は、バソヒビン1又はバソヒビン2の発現の阻害剤からなる群より選択される。

0059

特定の実施態様では、バソヒビン/SVBP複合体発現の阻害剤は、バソヒビン1、バソヒビン2又はSVBPの発現の阻害剤からなる群より選択される。

0060

0061

実施例セクション(図3及び5)に示されているように、in vitro/in vivo研究におけるバソヒビン1又はバソヒビン2又はSVBPの発現の阻害の使用は、神経突起及びニューロンの分枝の数を明らかに増加させ(図3)、軸索分化の遅延を改変する(図5)。

0062

好ましい実施態様では、バソヒビン/SVBP複合体発現の阻害剤は、バソヒビン1及び/又はバソヒビン2発現の阻害剤である。

0063

本発明において使用するための発現の阻害剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチド構築物をベースとするものであり得る。アンチセンスRNA分子及びアンチセンスDNA分子を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは、バソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの少なくとも1つ)mRNAに結合してタンパク質翻訳を防止するか、又はmRNA分解を増加させることによって、バソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの少なくとも1つ)mRNAの翻訳を直接遮断し、それにより、細胞内のバソヒビンのレベル及び活性を低下させるように作用する。例えば、少なくとも約15塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、バソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの少なくとも1つ)をコードするmRNA転写配列のユニーク領域に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを、例えば通常のホスホジエステル技術によって合成し、例えば静脈内注射又は静脈内注入によって投与し得る。その配列が公知の遺伝子の遺伝子発現を特異的に阻害するためにアンチセンス技術を使用する方法は、当技術分野で周知である(例えば、米国特許第6,566,135号;米国特許第6,566,131号;米国特許第6,365,354号;米国特許第6,410,323号;米国特許第6,107,091号;米国特許第6,046,321号;及び米国特許第5,981,732号を参照のこと)。

0064

低分子干渉RNA(siRNA)もまた、本発明において使用するための発現阻害剤として機能し得る。バソヒビン/SVBP複合体遺伝子発現が特異的に阻害されるように、低分子二本鎖RNA(dsRNA)又は低分子二本鎖RNAの生成を引き起こすベクター若しくは構築物と被験体又は細胞を接触させることによって、バソヒビン(又はその複合体)遺伝子発現を減少させ得る(すなわち、RNA干渉又はRNAi)。その配列が公知の遺伝子について、適切なdsRNA又はdsRNAをコードするベクターを選択するための方法は、当技術分野で周知である(例えば、Tuschl, T. et al. (1999); Elbashir, S. M. et al. (2001); Hannon, GJ. (2002); McManus,MT. et al. (2002); Brummelkamp, TR. et al. (2002);米国特許第6,573,099号及び米国特許第6,506,559号;並びに国際公開第01/36646号、国際公開第99/32619号及び国際公開第01/68836号を参照のこと)。有利には、本発明のsiRNAのホスホジエステル結合の全部又は一部は保護される。この保護は、当技術分野で公知の方法を使用して化学的経路によって一般的に実行される。ホスホジエステル結合は、例えば、チオール若しくはアミン官能基によって、又はフェニル基によって保護され得る。有利には、本発明のsiRNAの5’末端及び/又は3’末端もまた、例えば、ホスホジエステル結合を保護するための上記技術を使用して保護される。有利には、siRNA配列は、少なくとも12個の連続ジヌクレオチド又はそれらの誘導体を含む。

0065

本明細書で使用される場合、本核酸配列に関して用語「siRNA誘導体」は、バソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの少なくとも1つ)又はそのフラグメントと少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、一例として少なくとも98%、より好ましくは少なくとも98%の同一性の割合を有する核酸を指す。

0066

本明細書で使用される場合、2つの核酸配列間の「同一性の割合」は、比較すべき2つの配列間の最良アライメントで得られた、前記配列間における同一の核酸の割合を意味し、この割合は全く統計的であり、これら2つの配列間の差異は、核酸配列にわたってランダムに広がっている。本明細書で使用される場合、「最良のアライメント」又は「最適なアライメント」は、決定された同一性の割合(以下を参照のこと)が最高であるアライメントを意味する。2つの核酸配列間の配列比較は、通常、最良のアライメントに基づいて予めアライメントされているこれらの配列を比較することによって実現される;類似性局所領域を同定及び比較するために、この比較は、比較セグメントで実現される。比較を実施するための最良の配列アライメントは、手動による以外に、SMITH及びWATERMANによって開発されたグローバル相同性アルゴリズムを使用することによって(Ad. App. Math., vol.2, p:482, 1981)、NEDDLEMAN及びWUNSCHによって開発されたローカル相同性アルゴリズムを使用することによって(J. Mol. Biol., vol.48, p:443, 1970)、PEARSON及びLIPMANによって開発された類似性の方法を使用することによって(Proc. Natl. Acd. Sci. USA, vol.85, p:2444, 1988)、このようなアルゴリズムを使用したコンピュータソフトウェアを使用することによって(Wisconsin Genetics software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI USAのGAP、BESTFIT、BLASTP、BLAST N、FASTA、TFASTA)、MUSCLE多重アライメントアルゴリズムを使用することによって(Edgar, Robert C., Nucleic AcidsResearch, vol. 32, p:1792, 2004)実現され得る。最良のローカルアライメントを得るために、好ましくはBLASTソフトウェアを使用し得る。2つの核酸配列間の同一性の割合は、最適にアライメントされたこれら2つの配列を比較することによって決定され、これら2つの配列間の最適なアライメントを得るために、核酸配列は、参照配列に関して付加又は欠失を含むことができる。同一性の割合は、これら2つの配列間における同一の位置の数を決定し、比較された位置の総数でこの数を割り、得られた結果に100を乗じて、これら2つの配列間の同一性の割合を求めることによって計算される。

0067

shRNA(ショートヘアピンRNA)もまた、本発明において使用するための発現阻害剤として機能し得る。

0068

リボザイムもまた、本発明において使用するための発現阻害剤として機能し得る。リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒することができる酵素的RNA分子である。リボザイムの作用機構は、相補的ターゲットRNAへのリボザイム分子配列特異的ハイブリダイゼーションと、それに続くエンドヌクレアーゼ切断を含む。それにより、バソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの少なくとも1つ)mRNA配列のエンドヌクレアーゼ切断を特異的及び効率的に触媒する人工ヘアピン又はハンマーヘッドモチーフリボザイム分子は、本発明の範囲内で有用である。リボザイム切断部位(これらとしては、典型的には、以下の配列GUA、GUU及びGUCが挙げられる)についてターゲット分子スキャンすることによって、任意のRNAターゲット候補内の特異的リボザイム切断部位を最初に同定する。同定したら、切断部位を含有するターゲット遺伝子の領域に対応する約15〜20リボヌクレオチドの間の短いRNA配列を、オリゴヌクレオチド配列不適切にし得る予測構造的特徴(例えば、二次構造)について評価し得る。

0069

発現阻害剤として有用なアンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムは両方とも、公知の方法によって調製され得る。これらとしては、例えば、固相ホスホラミダイト(phosphoramadite)化学合成などによる化学合成技術が挙げられる。あるいは、アンチセンスRNA分子は、RNA分子をコードするDNA配列のin vitro又はin vivo転写によって作製され得る。このようなDNA配列は、T7又はSP6ポリメラーゼプロモーターなどの適切なRNAポリメラーゼプロモーターが組み込まれた様々なベクターに組み込まれ得る。細胞内安定性及び半減期を増加させる手段として、本発明のオリゴヌクレオチドに対する様々な改変を導入し得る。可能な改変としては、限定されないが、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチドフランキング配列を分子の5’及び/若しくは3’末端に付加すること、又はホスホジエステラーゼ結合ではなくホスホロチオエート若しくは2’−O−メチルをオリゴヌクレオチド骨格内で使用することが挙げられる。

0070

本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA及びリボザイムは、単独で又はベクターに結合してin vivo送達され得る。その最も広い意味において、「ベクター」は、細胞(好ましくは、バソヒビン/SVBP複合体を発現する細胞)へのアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA又はリボザイム核酸の運搬を促進することができる任意のビヒクルである。好ましくは、ベクターは、ベクターの非存在で起こり得る分解程度と比べて低減した分解で、核酸を細胞に輸送する。一般的に、本発明に有用なベクターとしては、限定されないが、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA又はリボザイム核酸配列の挿入又は組み込みによって操作されたプラスミド、ファージミドウイルスウイルス源又は細菌源に由来する他のビヒクルが挙げられる。ウイルスベクターは好ましい種類のベクターであり、限定されないが、以下のウイルス:レトロウイルス、例えばモロニーマウス白血病ウイルスハーベイマウス肉腫ウイルス、マウス乳ガンウイルス、及びラウス肉腫ウイルスアデノウイルスアデノ随伴ウイルスSV40型ウイルス;ポリオーマウイルスエプスタイン・バーウイルス;パピローマウイルスヘルペスウイルスワクシニアウイルスポリオウイルス;及びRNAウイルス、例えばレトロウイルスに由来する核酸配列が挙げられる。命名されていないが当技術分野で公知の他のベクターも容易に用い得る。

0071

好ましいウイルスベクターは、非必須遺伝子が目的の遺伝子で置換されている非細胞変性真核生物ウイルスをベースとするものである。非細胞変性ウイルスとしてはレトロウイルス(例えば、レンチウイルス)が挙げられ、その生活環は、ゲノムウイルスRNAのDNAへの逆転写と、それに続くプロウイルス宿主細胞DNAへの組み込みを含む。レトロウイルスは、ヒト遺伝子療法試験に承認されている。最も有用なのは、複製欠損性(すなわち、所望のタンパク質の合成を指令することはできるが、感染性粒子を製造することができない)レトロウイルスである。このような遺伝子的に改変されたレトロウイルス発現ベクターは、in vivoにおける高効率な遺伝子トランスダクションについて全般的有用性を有する。複製欠損性レトロウイルスを生産するための標準的なプロトコール(外因性遺伝物質をプラスミドに組み込む工程、プラスミドでパッケージング細胞株をトランスフェクションする工程、パッケージング細胞株によってリコンビナントレトロウイルスを生産する工程、組織培養培地からウイルス粒子回収する工程、及びウイルス粒子をターゲット細胞に感染させる工程を含む)は、Kriegler, 1990及びMurry, 1991)に示されている。

0072

特定の用途に好ましいウイルスは、遺伝子治療におけるヒトへの使用が既に承認されている二本鎖DNAウイルスであるアデノウイルス及びアデノ随伴(AAV)ウイルスである。実際、12個の異なるAAV血清型(AAV1〜12)が公知であり、それぞれが異なる組織親和性を有する(Wu, Z Mol Ther 2006; 14:316-27)。リコンビナントAAVは、依存型パルボウイルスAAV2に由来する(Choi, VW J Virol 2005; 79:6801-07)。アデノ随伴ウイルスタイプ1〜12は、複製欠損性となるように操作することができ、広範囲細胞型及び種に感染することができる(Wu, Z Mol Ther 2006; 14:316-27)。それは更に、熱安定性及び脂質溶媒安定性;造血細胞を含む多様な系統の細胞における高いトランスダクション頻度;並びに、重複感染阻害がないので複数回のトランスダクションが可能であるなどの利点を有する。報告によれば、アデノ随伴ウイルスを部位特異的にヒト細胞DNAに組み込むことにより、挿入突然変異誘発の可能性及びレトロウイルス感染に特徴的な挿入遺伝子の発現の変動性を最小限にし得る。加えて、野生型アデノ随伴ウイルス感染は、選択圧の非存在下で100継代回以上にわたって組織培養液中で観察されており、これは、アデノ随伴ウイルスのゲノム組み込みは、比較的安定した事象であることを意味する。アデノ随伴ウイルスはまた、染色体外でも機能し得る。

0073

他のベクターとしては、プラスミドベクターが挙げられる。プラスミドベクターは当技術分野で広く記載されており、当業者に周知である。例えば、Sambrook et al., 1989を参照のこと。ここ数年間では、プラスミドベクターは、in vivoにおいて抗原をコードする遺伝子を細胞に送達するためのDNAワクチンとして使用されている。それらは、ウイルスベクターの多くと同じ安全上の懸念がないので、特に有利である。しかしながら、宿主細胞と適合性のプロモーターを有するこれらのプラスミドは、プラスミド内で作動可能にコードされた遺伝子からペプチドを発現し得る。いくつかの一般的に使用されるプラスミドとしては、pBR322、pUC18、pUC19、pRC/CMV、SV40及びpBlueScriptが挙げられる。他のプラスミドは当業者に周知である。加えて、DNAの特定のフラグメントを除去及び付加する制限酵素及びライゲーション反応を使用して、プラスミドをカスタム設計し得る。プラスミドは、様々な非経口経路、粘膜経路及び局所経路によって送達され得る。例えば、DNAプラスミドは、筋肉内、皮内、皮下、又は他の経路によって注射され得る。それはまた、鼻腔内スプレー又は点鼻液直腸坐剤によって及び経口的に投与され得る。それはまた、遺伝子銃を使用して表皮又は粘膜表面に投与され得る。プラスミドを水溶液に加えてもよいし、金粒子上に乾燥してもよいし、又は別のDNA送達システム(限定されないが、リポソームデンドリマーコクリエート及びマイクロカプセル化を含む)と併用してもよい。

0074

好ましい実施態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA又はリボザイム核酸配列は、異種調節領域、例えば異種プロモーターのコントロール下にある。プロモーターは、単球又はマクロファージに特異的であり得る。

0075

ヒト及びマウスバソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの1つ)の発現の阻害剤(siRNA)の例は、以下で開示されているか又は入手可能である:
●バソヒビン1については、Kitajima T., et al Anticancer Research October 2014 vol. 34(10) p.5321-5329; Miyashita H, et al (2012).PLoS ONE 7(10): e46459; Watatani H et al, Physiol Rep. 2014 June; 2(6): e12054.Vasohibin-1 Gene Silencers siRNA (h), sc-61776, (SantaCruz Biotechnology);SMARTpool: Accell VASH1 siRNA (Darmacon) ; Invitrogen Stealth mouse siRNAMSS280250、MSS280251及びMSS280252.
●バソヒビン2については:Tu, M., et al (2016). (Cancer Letters; 383(2), 28 Dec. ; p. 272-281) ; Koyanagi T. et al (Cancer Science 104(12) Dec. 2013 p.1705-1710) ; Suenaga K. et al (PLoS One. 2014; 9(9): e104728) ; Invitrogen Stealth mouse siRNA MSS213191、MSS280251及びMSS280252.
●SVBPについては、Suzuki Y, et al (J Cell Sci 2010 123: 3094-3101).

0076

実施例セクションにおいて使用されているマウスバソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの1つ)の発現の阻害剤(shRNA)の例は、以下のものである。
●バソヒビン−1:CCGAGACATGCGGCTCAAGATTGGCAAGG(配列番号1)
●バソヒビン−2:AGACAAATCGCCTGCTCTGACCGAGAAGA(配列番号2)
●SVBP:AGAGTGGAGAAGGCTAAGCAGAAATCTGC(配列番号3)

0077

●医薬組成物
バソヒビン/SVBP複合体活性又は発現の阻害剤を、薬学的に許容し得る賦形剤及び場合により持続放出マトリックス、例えば生分解性ポリマーと組み合わせて、治療用組成物を形成し得る。

0078

経口、下、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、局所又は直腸投与のための本発明の医薬組成物では、活性成分は単独で、又は別の活性成分と組み合わせて、単位投与形態で、従来の薬学的支持体との混合物として、動物及びヒトに投与され得る。適切な単位投与形態は、錠剤ゲルカプセル剤散剤顆粒剤及び経口用懸濁剤又は溶液などの経口経路剤形、舌下及び口内投与形態、エアロゾルインプラント、皮下、経皮、局所、腹腔内、筋肉内、静脈内、真皮下、経皮、髄腔内及び鼻腔内投与形態並びに直腸投与形態を含む。

0079

好ましくは、医薬組成物は、注射可能な製剤にとって薬学的に許容し得るビヒクルを含有する。これらは、特に等張滅菌食塩水リン酸一ナトリウム又はリン酸二ナトリウム塩化ナトリウム塩化カリウム塩化カルシウム若しくは塩化マグネシウムなど又はこのような塩の混合物)、又は場合に応じて滅菌水若しくは生理食塩水の添加により注射液の構成を可能にする乾燥組成物、特に凍結乾燥組成物であり得る。

0080

注射用途に適切な医薬剤形としては、滅菌水溶液又は分散液;ゴマ油ピーナッツ油又は水性プロピレングリコールを含む製剤;及び滅菌注射液又は分散液の即時調製のための滅菌散剤が挙げられる。全ての場合において、剤形は滅菌でなければならず、注射容易性が存在する程度に流動性でなければならない。それは、製造及び保存の条件で安定でなければならず、細菌及び真菌などの微生物汚染作用から保護されなければならない。

0081

遊離塩基又は薬理学的に許容し得る塩として本発明の化合物を含む溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水で調製され得る。分散液もまた、グリセロール液体ポリエチレングリコール及びそれらの混合物で、並びに油で調製され得る。通常の保存及び使用条件下では、これらの調製物は、微生物の成長を防止するための保存剤を含有する。

0082

本発明のバソヒビン/SVBP複合体活性又は発現の阻害剤は、中性又は塩形態組成物に製剤化され得る。薬学的に許容し得る塩としては、(タンパク質の遊離アミノ基で形成される)酸付加塩であって、例えば塩酸若しくはリン酸などの無機酸、又は酢酸シュウ酸酒石酸マンデル酸などの有機酸で形成される酸付加塩が挙げられる。遊離カルボキシル基で形成される塩もまた、例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化アンモニウム水酸化カルシウム又は水酸化第二鉄などの無機塩基、及びイソプロピルアミントリメチルアミンヒスチジンプロカインなどの有機塩基に由来し得る。

0083

担体はまた、例えば、水、エタノールポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物及び植物油を含有する溶媒又は分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒子径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベンクロロブタノールフェノールソルビン酸チメロサールなどによってもたらされ得る。多くの場合では、等張化剤、例えば糖又は塩化ナトリウムを含めることが好ましいであろう。注射用組成物持続吸収は、吸収遅延剤、例えば組成物におけるモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの使用によってもたらされ得る。

0084

滅菌注射液は、上記に列挙されている他の成分のいくつかを含む適切な溶媒に必要な量の活性ポリペプチドを組み込み、必要に応じて続いて濾過滅菌することによって調製される。一般的に、分散液は、基本分散媒と、上記に列挙されているものからの必要な他の成分とを含有する滅菌ビヒクルに様々な滅菌活性成分を組み込むことによって調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌散剤の場合、好ましい調製方法は、活性成分と任意の更なる所望の成分との散剤をその予め濾過滅菌された溶液から得る真空乾燥技術及び凍結乾燥技術である。

0085

製剤化されると、溶液は、投与製剤に適合する方法で、治療有効量で投与されるであろう。製剤は、上記種類の注射液などの様々な投与剤形で容易に投与されるが、薬物放出カプセルなども用いられ得る。

0086

水溶液による非経口投与では、例えば、必要な場合には溶液は適切に緩衝化されるべきであり、最初に、液体希釈剤は十分な食塩水又はグルコースで等張にされるべきである。これらの特定の水溶液は、特に静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内投与に適切である。これに関して、用いられ得る滅菌水性媒体は、本開示を考慮して当業者に公知であろう。例えば、1投与量を等張NaCl溶液1mlに溶解させ、皮下点滴液 1000mlに添加し得るか、又は提案された注入部位に注射し得る。処置されている被験体の症状に応じて、投与量のいくらかの変動が必然的に生じるであろう。いずれにせよ、投与責任者は、個々の被験体のための適切な用量を決定するであろう。

0087

本発明のバソヒビン/SVBP複合体活性又は発現の阻害剤は、1用量当たり約0.0001〜1.0ミリグラム、又は約0.001〜0.1ミリグラム、又は約0.1〜1.0又は更には約10ミリグラムなどを含むように治療用混合物内で製剤化され得る。複数回用量も投与され得る。

0088

静脈内又は筋肉内注射などの非経口投与のために製剤化された本発明の化合物に加えて、他の薬学的に許容し得る形態としては、例えば、錠剤又は経口投与のための他の固形物リポソーム製剤持続放出カプセル;及び現在使用されている任意の他の形態が挙げられる。

0089

スクリーニング方法
本発明は更に、候補バソヒビン/SVBP複合阻害剤(「TCP阻害剤」とも称される)をスクリーニングするための方法に関する。本発明の方法は、
(i)候補化合物を、バソヒビン/SVBP(TCP)及びビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−E−Y(配列番号13)の配列のビオチン化ペプチドと共にインキュベーションする工程;
(ii)質量分析により、工程(i)の終了時に得られた混合物中に存在するビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−E−Y(配列番号13)のビオチン化ペプチド及び/又はビオチニル−V−D−S−V−E−G−E−G−E−E−E−D−E−Eのビオチン化ペプチドを定量する工程;並びに
(iii)工程(ii)で得られた結果を考慮して、前記候補化合物がTCP阻害剤であるかを決定する工程
を含む。

0090

配列番号13のペプチドはTCPの基質であり、TTLとの反応生成物である。したがって、候補化合物がTCP阻害剤である場合、工程(ii)で定量されるこのペプチドの量は、工程(i)で最初にインキュベーションされたペプチドの量と実質的に同じである。

0091

配列番号12のペプチドはTTLの基質であり、TCPとの反応の生成物である。したがって、候補化合物がTCP阻害剤ではない場合、工程(i)の間にこのペプチドの量は増加する。

0092

本方法は、TCP阻害剤の迅速かつ正確な検出を可能にする(以下の実施例7に示されている結果を参照のこと)。特許請求の範囲に記載されている方法は、試験化合物阻害性特徴を決定することを可能にする;典型的には、本方法は、阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)を決定することを可能にする。

0093

上記スクリーニング方法は、配列番号13のペプチドと接触させる前に、TCP及び試験化合物をプレインキュベーションするプレインキュベーション工程を更に含み得る。

0094

インキュベーション工程は、TCP活性を可能にする条件下で行われる。典型的には、インキュベーション工程は、15℃〜25℃の温度で実施される。典型的には、インキュベーション工程は、室温で実施される。

0095

インキュベーション工程は、TCP活性を可能にするために十分な期間にわたって実施される。典型的には、前記期間は、5〜60分間、より具体的には10〜30分間である。

0096

定量工程は、質量分析(MS)を使用することによって実施される。典型的には、質量分析計はRapidFire(登録商標)質量分析計である。更なる実施態様では、質量分析計は、エレクトロスプレー負イオンモードで操作される。

0097

更なる実施態様では、スクリーニング方法は、工程(iii)で定量するために、工程(i)と(ii)との間に、配列番号12又は13のビオチン化ペプチドを単離する精製工程を含む。

0098

この精製は、ビオチン化ペプチドを単離するための当業者に公知の任意の方法によって実施され得る。特に、精製工程は、ビオチン特異的結合を可能にする任意の手段を使用することによって実施され得る。例えば、ストレプトアビジン又はアビジンを含む任意のデバイスが使用され得る。典型的には、前記精製工程は、エレクトロスプレー負イオンモードで操作される質量分析計と共にタイプCカートリッジを使用することによって実施され得る。

0099

本発明はまた、チューブリンカルボキシペプチダーゼ(TCP)関連疾患を処置するために有用な複数の候補化合物をスクリーニングするための方法であって、(a)バソヒビン/SVBP複合体又はバソヒビン活性又は発現を阻害するその能力について、前記候補化合物の各々を試験すること、及び(b)及び前記バソヒビン/SVBP複合体又はバソヒビン活性又は発現を阻害することができる候補化合物をポジティブ選択することからなる工程を含む方法に関する。

0100

典型的には、候補化合物は、有機小分子、ペプチド、ポリペプチド又はオリゴヌクレオチドからなる群より選択される。他の潜在的な候補化合物としては、アンチセンス分子、siRNA、shRNA、sgRNA又はリボザイムが挙げられる。

0101

候補化合物がバソヒビン/SVBP複合体活性又は発現を阻害し得るかの試験は、当技術分野で公知のレポーターアッセイを使用するか又はそれを慣用的に改変して決定され得る。

0102

例えば、前記方法は、バソヒビン(又はその複合体)を発現する細胞を候補化合物と接触させること、及びバソヒビン(又はその複合体)媒介性転写(例えば、バソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの少なくとも1つ)結合部位を含有するプロモーターの活性化)を測定すること、及び細胞応答を標準細胞応答と比較することを伴い得る。典型的には、標準細胞応答は、候補化合物の非存在下で測定される。標準に対する細胞応答の減少は、候補化合物がバソヒビン/SVBP複合体発現の阻害剤(又はそのメンバーの少なくとも1つ)であることを示す。

0103

別の実施態様では、本発明は、バソヒビン/SVBP複合体(又はそのメンバーの1つ)に特異的に結合するリガンドを同定するための方法を提供する。例えば、膜又はその調製物などの細胞区画は、バソヒビン(又はその複合体)に結合する分子を発現する細胞から調製され得る。調製物を標識バソヒビン/SVBP複合体又は標識バソヒビンと共にインキュベーションし、バソヒビン(又はその複合体)に結合したリガンドの複合体を単離し、当技術分野で公知の慣用の方法にしたがって特性評価する。あるいは、細胞から可溶化された結合分子カラムに結合され、次いで、慣用の方法にしたがって溶出及び特性評価されるように、バソヒビン(又はその複合体)相互作用ポリペプチド固体支持体に結合させ得る。別の実施態様では、膜又はその調製物などの細胞区画は、バソヒビン(又はその複合体)に結合する分子、例えばバソヒビン(又はその複合体)によってモデュレーションされるシグナリング又は調節経路、例えばチューブリンの脱チロシン化の分子を発現する細胞から調製され得る。調製物は、候補化合物の非存在下又は存在下で、標識バソヒビン(又はその複合体)と共にインキュベーションされる。結合分子に結合する候補化合物の能力は、標識リガンドの結合の減少を反映する。不必要に、すなわち、バソヒビン/SVBP複合体又はバソヒビン結合分子の結合に対するバソヒビン/SVBP複合体又はバソヒビンの効果を誘導せずに結合する分子は、バソヒビン/SVBP複合体又はバソヒビン活性の優れた阻害剤である可能性が最も高い。

0104

別の方法は、例えば、バソヒビン(又はその複合体)を発現する細胞におけるバソヒビン/(又はその複合体)結合部位を含有するプロモーターからの転写の量を決定することによって、バソヒビン活性を阻害する化合物をスクリーニングすることを伴う。このような方法は、細胞がバソヒビン(又はその複合体)を発現するように、バソヒビン(又はその複合体)をコードするDNAを真核細胞にトランスフェクションすること、前記細胞を候補化合物と接触させること、及びバソヒビン(又はその複合体)結合部位を含有するプロモーターからの転写の量を決定することを伴い得る。このような方法では、バソヒビン(又はその複合体)結合部位を含有するプロモーターに連結されたレポーター遺伝子(例えば、GFP)が使用され得、この場合、レポーター遺伝子からの転写の量は、レポーター遺伝子産物のレベル、又はレポーター遺伝子が酵素である場合にはレポーター遺伝子産物の活性のレベルをアッセイすることによって測定され得る。バソヒビン(又はその複合体)を発現しない細胞と比較した、バソヒビン(又はその複合体を発現する細胞におけるバソヒビン(又はその複合体)結合部位を含有するプロモーターからの転写の量の減少は、候補化合物がバソヒビン活性の阻害剤であることを示す。

0105

別の方法は、例えば、上記及び実施例セクション(TCP活性アッセイ)に記載されているように、[14C]−チロシン化タキソール安定化微小管酵素活性を使用した放射能試験を用いて、アルファチューブリンの脱チロシン化のレベルを決定することによって、バソヒビン生物学的活性を阻害する化合物をスクリーニングすることを伴う。

0106

したがって、TCP活性アッセイによるアルファチューブリンの脱チロシン化の阻害に対するその特性を更にアッセイすることを考慮して、結合試験でポジティブ選択された候補化合物は更なる選択工程に供され得る。

0107

また、アルツハイマー病などの神経変性疾患を患っている被験体から単離されたニューロン、又は神経毒ベータ−アミロイドペプチド曝露されたニューロン細胞株に対するその特性を更にアッセイすることを考慮して、ポジティブ選択された候補化合物は更なる選択工程に供され得る。例えば、上記スクリーニング方法を用いてポジティブ選択された候補化合物は、アルツハイマー病を有する患者のニューロン又は神経毒ベータ−アミロイドペプチドに曝露されたニューロン細胞株由来の樹状突起スパインの減少を阻害する能力について更に選択され得る。典型的には、スクリーニング方法は、i)アルツハイマー病を有する患者由来のニューロン又は神経毒ベータ−アミロイドペプチドに曝露されたニューロン細胞株を、ポジティブ選択された候補化合物と接触させる工程、ii)前記ニューロンの樹状突起スパインの密度を決定する工程、及びiii)工程ii)で決定された密度を、ポジティブ選択された候補化合物の非存在下で工程i)を実施した場合に決定された密度と比較する工程を更に含み得る。上記工程i)は、一定量の試験すべき候補化合物をニューロンの培養培地に追加することによって実施され得る。通常、複数の培養サンプルを調製して、漸増量の試験すべき候補化合物を異なる培養サンプルに追加する。一般的に、更なる比較のためにネガティブコントロールとして、候補化合物を含まない少なくとも1つの培養サンプルも調製される。

0108

最後にアルツハイマー病の動物モデルに対するその特性を更にアッセイすることを考慮して、ポジティブに選択された候補化合物は更なる選択工程に供され得る(アルツハイマーの動物モデルの総説については、Sasaguri H. et al (2017)EMBO J.;36(17):2473-2487; or Gotz J et al (2008) Nature Reviews Neuroscience 9, 532-544; ort Laurijssens B. et al (2013) Drug Discovery Today: Technologies Volume 10, Issue 3,, Pages e319-e327を参照のこと)。典型的には、ポジティブ選択された候補化合物を動物モデルに投与し得、アルツハイマー病の進行を決定し、候補化合物を投与しなかった動物モデルにおけるアルツハイマー病の進行と比較する。

0109

本発明は、以下の図及び実施例によって更に例証される。しかしながら、これらの実施例及び図は、本発明の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。

0110

実施例1:強力なチューブリンチロシンカルボキシペプチダーゼとしてのバソヒビン/SVBP複合体の同定
材料及び方法:
動物。雄又は雌マウスを2〜4カ月齢で使用した。Institut des Neurosciences of Grenoble (GIN)のポリシー及びフランスの法律にしたがって、1986年11月24日の欧州共同体理事会指令(86/609/EEC)に準拠して実験を行った。動物に関わる調査は、Direction Departementale de la protection des populations-Prefecture de l’Isere-Franceによって、及びフランス調査省が認定したGIN番号004の倫理委員会によって承認された。

0111

チロシン化チューブリン及び微小管並びにEB1の調製。pH6.7の40mM Pipes、60mM KCl、2.5mMATP、1mM DTT、12.5mM MgCl2中で精製ニワトリTTL(1mg/mL、Steinmetzグループから寄贈)及び0.1mM L−チロシン又は[14C]−L−チロシン(0.125μCiナノモル)と共に30℃で45分間インキュベーションすることによって、ウシ脳チューブリン(12mg/mL、(34)のように調製))をチロシン化した。pH6.7の100mMPIPES、1mM EGTA、1mM MgCl2、30%グリセロール、1mMGTPで1/3希釈し、32℃で45分間インキュベーションし、続いて、50μMパクリタキセル(Calbiochem)と共に更に45分間インキュベーションすることによって、微小管重合を可能にした。60%グリセロールクッション上、100,000g及び30℃で25分間遠心分離することによって、微小管を沈降させた。TTL含有上清を廃棄し、チロシン化微小管をpH6.7の100mM PIPES、1mM EGTA、1mM MgCl2、10%グリセロール、80μM パクリタキセルに再懸濁し、−20℃で保存した。非重合チロシン化チューブリンを得るために、手順全体を通じてパクリタキセルを省略した。(34)のように、EB1を調製した。

0112

TCP活性アッセイ。[14C]−チロシン化タキソール安定化微小管を使用した放射能試験では、(凡例に示されているように)図2D及びS2Dを除いて、pH6.7の100mM MES、1mM EGTA及び1mM MgCl2中、2μM放射性標識チューブリンを使用して、酵素活性を測定した。反応を37℃で45分間実施し(阻害剤との事前のインキュベーションの有無にかかわらず。凡例を参照のこと)、20μg/mlウシ血清アルブミン及び10%過塩素酸の添加並びに遠心分離によって、上で停止させた。上清中の放射能を測定することによって、微小管から切断されたチロシンを推定した(ゼロ時間のコントロールを差し引いた)。図S1Aの表を構成するために、等量の様々な画分からの脱チロシン化活性を測定した。阻害剤を用いた試験では、阻害剤と共に20分間プレインキュベーションした後に脱チロシン化活性を試験し(凡例に示されているように、様々な時間のインキュベーションを使用した図S2C及びS2Dを除く)、阻害剤を用いた結果は、対応する溶媒を用いたコントロールの活性の割合として表した。ウエスタンブロットを使用した試験では、図に示されている時間で、pH6.7の100mM MES、1mM EGTA及び1mM MgCl2中、5μM基質(タキソール安定化微小管、チューブリン又はEB1)を用いて、酵素活性をアッセイした。カルボキシペプチダーゼA(2ng/mL)を用いて、ポジティブコントロールを行った。Laemmliバッファーの添加によって、反応を停止させた。芳香族及び脂肪族C末端残基を効率的に切断するカルボキシペプチダーゼA(CPA)との反応をポジティブコントロールとして使用した。HEK293T細胞からコバルト樹脂で精製したVASH/SVBP複合体を使用した試験では、ウシ血清アルブミンの標準と一緒に精製VASH1及びVASH2のゲルクーマシーブルー染色から、酵素濃度概算した。

0113

酵素濃縮。本発明者らは、以前の取り組み(23、35)から着想した脳溶解物からの3段階精製手順を設計した。全ての工程を4℃で行った。プロテアーゼ阻害剤カクテル(cOmpleteEDTA-free, Roche)を含むpH6.7の50mMリン酸バッファー、1mM EGTA、1mM MgCl2、1μg/ml DNAse中で、成体マウス脳をホモジナイズし、100,000gで1時間遠心分離した。上清を収集した(画分I)。工程1(硫酸アンモニウム分画)では、画分Iを徐々に45%硫酸アンモニウムにし、15分間インキュベーションし、15,000gで20分間遠心分離した。得られた上清は、65%硫酸アンモニウムで同じ手順を受けた。ペレットを、50mM MESpH6.7、1mM EGTA、1mM MgCl2を含む初期容量の1/8に再懸濁し、同じバッファー(画分II)で平衡化したBio-Gel P30 (Bio-Rad)を使用して脱塩した。工程2(強力な陰イオンカラム)では、画分IIを、BioLogic DuoFlowクロマトグラフィーシステム(Biorad)に接続した5 mL Hitrap Q XLカラム(GE Healthcare)にロードし、未結合タンパク質を収集した(画分III)。工程3(強力な陽イオンカラム)では、pH6.2及び0.12M NaClに調整した画分IIIを5mL Hitrap SP XLカラム(GE Heathcare)にロードした。0.12M〜1M NaCl勾配でタンパク質を溶出させた。(BioGelP-30で脱塩することによって)pH6.7の50mM MES、1mM EGTA、1mM MgCl2でタンパク質画分を平衡化した。これらの画分に対してTCP活性アッセイを実施し、活性含有画分をプールした(画分IV)。典型的な実験の精製データは、図1Aに示されている。迅速な酵素濃縮のために、脳ホモジネートを工程3に直接進め、次いで脱塩した。

0114

クリックケミストリー(Cu触媒アジド−アルキン環状付加、CuCAAC反応)。pH7.4のリン酸緩衝溶液で画分IVを平衡化し、2mg/mlに濃縮した。10μMのアルキン−epoY又は10μMのepoY(それぞれクリック可能阻害剤及びコントロール不可逆的阻害剤図1C、S2Bの構造を参照のこと)と共に37℃で1時間のインキュベーションした後、次いで、2当量のアジド−アガロースビーズ(Jena Biosciences)を添加し、1mM CuSO4、100μM TBTA及び1mM TCEPの添加によってクリック反応を開始させた。反応は、室温で3時間で完了した。蛍光標識については、アジドアガロースビーズに代えて、100μM 5/6−TAMRA−PEG3−アジド(Jena Bioscience)を使用した。

0115

質量分析サンプルの調製。クリックケミストリーキャプチャーキットプロトコール(Jena Bioscience)にしたがって、非特異的結合タンパク質の除去及び分析すべきペプチドの調製を達成した。迅速に、アガロース結合タンパク質を還元し、アルキル化した。ビーズを1%SDS及び8M尿素洗浄した。オンビーズトリプシンタンパク質分解シーケンシンググレード改変トリプシン、Promegaを使用)を実施し、放出されたペプチドをC18カートリッジ(ウルトラマイクロスピンカラム、Harvard Apparatus)で精製した。

0116

質量分析ベースのプロテオミクス分析。(36)に記載されている120分勾配を使用して、タンデム質量分析に接続したナノ液体クロマトグラフィー(LTQ-Orbitrap Velos Proに接続したUltimate 3000, Thermo Scientific)によって、ペプチドを分析した。Mascot(バージョン2.5.1)を使用したUniprot(2017年3月バージョン、Mus musculus分類法)、古典的汚染物質(自作)及び対応する逆データベースに対する同時検索によって、ペプチド及びタンパク質を同定した。Prolineソフトウェア(http://proline.profiproteomics.fr)を使用して、結果をフィルタリングしてから(ランク1ペプチドの保存、逆データベース戦略を用いることによるペプチドスコアの計算で<1%のペプチド同定FDR、及び同定されたタンパク質群当たり最低1個の特定のペプチド)コントロール及び陽性サンプルからのタンパク質群のコンパイルグループ化及び比較を実施した。汚染物質データベースからのタンパク質及び更なるケラチンを、同定されたタンパク質の最終リストから破棄した。陽性サンプルの3つの複製において最低3つの特定のスペクトルカウントで同定されたタンパク質であって、コントロールサンプルに存在しないタンパク質のみを更に検討した。

0117

発現構築物。マウスバソヒビン−1(VASH1)及びバソヒビン−2(VASH2)cDNA(それぞれアクセッションナンバーNM_177354及びNM_144879)をPCR増幅し、自作のCAGプロモーター含有ベクターに挿入した(これは、N末端にFlagタグを有し、C末端にスーパーフォルダーGFP(sfGFP(37))及び6Hisタグを有するタンパク質(Flag−バソヒビン−sfGFP−His)を生成する)。対応するコントロールプラスミドは、Flag−sfGFP−Hisタンパク質をコードする。C末端Mycタグを有するマウスSVBP(アクセッションナンバーNM_024462)をコードするcDNAの前に脳心筋炎ウイルスIRES配列を含有するカセットをFlag−バソヒビン−sfGFP−His cDNAの下流に導入することによって、バソヒビン及びSVBPの両方の共役発現を可能にする二シストロン性プラスミドを得た(Flag−バソヒビン−sfGFP−His/SVBP−Myc)。PCRによって点突然変異を導入して、酵素失活バージョンのバソヒビンを生成した:それぞれアクセッションナンバーNP_796328及びNP_659128のナンバリングしたがって、VASH1についてはC179A及びVASH2についてはC158A。C末端Myc及びFlagタグを有するマウスSVBPをコードするプラスミド(SVBP−Myc−Flag)は、OriGeneから入手した。EB1−EGFPを生成するために、マウスEb1 cDNA(アクセッションナンバーNM_007896)をEGFPタグ付きベクターに挿入した。E. coliにおけるタンパク質産生のためのHis−EB1をコードするプラスミドは、(15)に記載されていた。ヒトチュブリンα1B及びマウスチューブリンα8(それぞれアクセッションナンバーNM_006082及びNM_017379)をコードするcDNAをPCR増幅し、N末端mCherryタグを有するベクターに挿入した。PCRによって点突然変異をαチューブリンcDNAに導入して、最後の芳香族残基をアラニンで置換した:それぞれアクセッションナンバーNP_006073及びNP_059075のナンバリングにしたがって、α1B−チューブリンについてはY451A及びα8−チューブリンについてはF449A。マウス特異的shRNAを発現するプラスミドは、OriGene製であった:Vash1についてはTL511800B、Vash2についてはTL506751C、SvbpについてはTL517601B及びコントロールについてはTR30021。DNAシーケンシングによって、全ての構築物を検証した。

0118

HEK293T細胞からのHisタグ付きバソヒビンの精製。GFP又は活性/不活性型バソヒビン及びSVBPの発現を可能にするプラスミド(Flag−sfGFP−His又はFlag−(失活)VASH1/2−sfGFP−His及びSVBP−Myc−Flag)をコトランスフェクションしたHEK293T細胞を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(cOmpleteEDTA-free, Roche)の存在下、pH8.0のトリスバッファー、0.5%TritonX100、1mM MgCl2、200mM NaCl、5mMイミダゾールで溶解させた。遠心分離(16.000g及び4℃で10分間)後、上清を収集し、コバルト樹脂(Sigma)20μLに添加し、4℃で3時間インキュベーションした。溶解バッファーで3回洗浄した後、200mMイミダゾール、pH8.0のトリスバッファー、1mM MgCl2、200mM NaClを使用して、タンパク質を溶出させた。100mM Pipes、1mM EGTA及び1mM MgCl2中、4℃の透析によって精製タンパク質を平衡化し、放射能アッセイにおいて直接使用した。

0119

細胞培養及びトランスフェクション。以前に記載されているように(2)、海馬ニューロン及びMEFを調製した。標準的な条件下でHEK293T細胞を維持した。JetPRIMEトランスフェクション試薬(Polyplus-Transfection)を用いて、HEK293T細胞をトランスフェクションした。Amaxa Nucleofectorキット(Lonza)を使用して、MEF及びニューロンをトランスフェクションした。(VASH1/2についてはSVBPとの、又はmCherry−チューブリンについては、VASH1/2及びSVBPの共役発現を可能にする二シストロン性プラスミドとの)cDNAコトランスフェクションでは、1:1の比を一般的に使用した。

0120

ウエスタンブロッティング及び免疫蛍光。チロシン化チューブリン(YL1/2、Tyr−tub)又はネイティブEB1(Tyr EB1)及びC末端脱チロシン化チューブリン(deTyr−tub)又はEB1(deTyr−EB1)に特異的な抗体を使用して、脱チロシン化活性を検出した。両種を認識する抗体を用いて、総チューブリン又はEB1のコントロールを推定した(BD Transduction lab製の総α−tub又はα3A1、総EB1)。これらの抗体は全て、(15)において記載及び特性評価されている。他の一次抗体、抗His、抗Flag、抗GFP、抗turboGFP、抗mCherry、抗タウ及び抗アンキリンは、それぞれQiagen、Molecular Probes、Chromotek、Invitrogen、Sigma、Millipore及びSanta-Cruz製であった。ウエスタンブロッティングでは、トランスフェクションの24時間後に、細胞を収集した。37℃のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)培地で洗浄した後、細胞をLaemmliバッファーで直接溶解させた。タンパク質抽出物を10%アクリルアミドゲル(Mini-PROTEAN(登録商標)TGX Stain-Free(商標), Invitrogen)にロードし、Trans-Blot(登録商標)Turbo (Bio Rad)で転写した。膜を、HRPとコンジュゲートされた一次及び二次抗体と共にインキュベーションし、最後に、Chemidocカメラ(Biorad)を用いて明らかにした。イムノブロットの分析及びグラフ表示図4A)のために、ImageJソフトウェア(National Institutes of Health, Bethesda, MD)を使用して、3回の異なる実験の3回反復のブロットからタンパク質バンドを定量した。無染色画像から推定したサンプルの総タンパク質含有量に対して、脱チロシン化α−チューブリンシグナルを正規化した。免疫蛍光では、一般的に、4%パラホルムアルデヒド、4.2%スクロース、リン酸緩衝生理食塩水培地(PBS)で細胞を37℃で固定し(20℃におけるメタノール固定を使用したアンキリン染色を除く)、0.1%Triton X−100、PBSを使用して透過処理した。次いで、細胞を一次抗体と共にインキュベーションし、続いて、alexa−488、シアニン−3又はシアニン−5フルオロフォアとコンジュゲートされた二次抗体(1:1000)(以下を参照のこと)と共にインキュベーションした。Hoescht33258(1μg/ml)を使用して、核を染色した。

0121

RT−PCR増幅。Dynabeads精製キット(Invitrogen)を用いて、細胞及び組織由来メッセンジャーRNAを調製した。RNA 50ngを含む12.5μLでSuperscript One step RT-PCRシステム(Invitrogen)を用いて、RT−PCRを実施した。以下のプライマー:Vash1については5’−TACAAACCGCCCGCCTTCC(フォワード)及び5’−ACAGACCCTGACAGCTACCAACA(リバース)(配列番号4及び5)、Vash2については5’−GCAGCCTTCCATTGAGCGGT(フォワード)及び5’−CAGTCAACCCAGGGCTTTGCC(リバース)(配列番号6及び7)、Svbpについては5’−CCAGCAGGAGCTGAAGCAAAGA(フォワード)及び5’−GCACCAGTTCCTCTGCCGGG(リバース)(配列番号8及び9).を使用して、マウスのVash1、Vash2及びSvbpからのそれぞれ697、748及び154bpの産物を58℃で45サイクル増幅した。5’−TCAACGGGAAGCCCATCACCA(フォワード)及び5’−GTTTCTCCAGGCGGCACGTC(リバース)プライマー(配列番号10及び11)を用いて、GAPDHを64℃で25サイクル増幅した。

0122

形態学的ニューロン分析。固定して抗チューブリン抗体で染色した2DIVニューロンのモザイク画像を、電動式スタンドを備えるDMI6000Leica顕微鏡で20倍N.A0.5対物レンズを用いて取得した。DoGフィルタによる処理後、画像をセグメント化した。単一ニューロンの細胞体を手動で選択し、自作のAutoNeuriteJマクロによるニューロンの個別処理に使用した。簡潔に言えば、ニューロン画像をスケルトン処理し、“Analyze Skeleton 2D/3D ImageJプラグイン”(38)を使用して解像した。“BinaryConnectivity” imageJプラグイン(G. Landiniによる開発、http://www.mecourse.com/landinig/software/software.html)を使用して、神経突起の末端をマーキングした。各神経突起の末端から細胞体までの画像を作成した。経路重複の神経突起の中で、最長のものを一次神経突起として定義した。重複神経突起の画像から一次神経突起の画像を差し引いて、二次神経突起及び分枝数を定義した。神経突起の長さを測定した。スケルトン処理のアーチファクトを回避するために、12μm未満の長さを有する神経突起は検討しなかった。単一ニューロンの一次神経突起のうち、その長さが少なくとも48μmであり、任意の他の一次神経突起よりも1.3倍長い場合には、軸索を定義した。このマクロを使用して、本発明者らは、各条件について最低27個のニューロンを選択し、平均軸索長、平均一次神経突起数及び分枝頻度を比較した。

0123

子宮内エレクトロポレーション、組織処理免疫組織化学及び分析。完全な説明は(39)で入手可能である。簡潔に言えば、E14.5において、麻酔した時限妊娠マウス由来の胚に、shRNAの発現を可能にするプラスミドをエレクトロポレーションした(上記を参照のこと)。4日後(E18.5)、胚脳を解剖し、固定し、凍結切片化し、分析のためのスライド上に置いた。抗tGFP一次抗体(1:300)を4℃で一晩インキュベーションした。DAPI(Roche)で核を対比染色した。電動式スタンドを備えるDMI6000Leica顕微鏡で20倍N.A0.5対物レンズを用いて画像を取得し、Image Jを用いて分析した。トランスフェクション細胞が検出された皮質領域を等面積の6つのビンに分割し、GFP陽性(GFP+)ニューロンをカウントした(1条件当たり胚 5つ、胚 1つ当たりスライド 3つ)。胚 1つ当たりGFP+ニューロン 少なくとも260個をカウントした。

0124

結果:
TCPを濃縮するために、基質としてタキソール安定化放射性標識チロシン化微小管を使用して活性を追跡する3段階精製手順を設計した。典型的な手順では、ほぼ400倍の最終精製係数が得られた(図1A)。最後の画分(IV)は、微小管に組み込まれたチューブリンからC末端チロシンを切断することができたが、EB1からは切断することができなかった。EB1は、α−チューブリンと類似のC末端配列(−GEEYに代えてQEEY)を共有するタンパク質であり、一般的に、生理学的状況ではTCPの基質ではない(15)。

0125

TCP活性に関与するタンパク質を画分IVから単離するために、他の化学プロテオミクス研究(16)のように不可逆的阻害剤を使用し得ると推論した。最初に、様々な市販のプロテアーゼ阻害剤に対する脳TCPの感度を試験した。活性は、いくつかのセリン/システインプロテアーゼ阻害剤AEBSF、TLCK、TPCK、E−64、パルテノライド)によって、及びチオール反応性化合物N−エチルマレイミドによって阻害された(図1B)。これらの結果は、過去の研究(17)と一致して、推定TCPの触媒活性が触媒システインに依存することを強く示唆していた。

0126

E−64は中程度の阻害活性のみを示したが(約300μMのIC50、図1B)、その反応性エポキシド求電子試薬は、ネイティブプロテインC末端を模倣するペプチド又はアミノ酸をディスプレイし得るので、この天然産物は阻害剤設計の理想的な出発点である。更に、細胞における脱チロシン化レベルをダウンレギュレーションするために広く使用されている化合物であるパルテノライド(4、6、9、10)は、その細胞効果に必須であることが示されたエポキシド機能を含有する(17)。α−チューブリンC末端からの1つ、2つ又は3つのアミノ酸にカップリングされたエポキシドを含有する3つの阻害剤epoY、epoEY及びepoEEYをこのようにして合成した。EpoYは、TCP活性の最も強力な阻害剤であることが見出された(約500nMのIC50、図1B)。したがって、アフィニティタグに対するクリックケミストリーを使用した標識ターゲットの精製に使用され得るepoYの類似体(アルキン−epoY)を合成した。アルキン−epoYは強力な阻害効力を保持し(図1B)、強化された酵素活性を不可逆的に阻害した。アルキン−epoY(又はコントロールepoY)による画分IVのプローブ標識と、それに続くクリック反応によるアジドTAMRA赤色蛍光色素の付着を実施した(図1D)。標識により、約50kDaの少数のタンパク質の特異的改変が示された(図1E)。これらの阻害剤ターゲットを同定するために、アルキン−epoY又はepoY(コントロールとして)のいずれかで画分IVを前処理し、標識タンパク質を単離し、タンパク質をビーズに共有結合させ、質量分析によって分析した(図1D)。3回の独立した実験からの結果により、最も可能性の高いTCP候補としてタンパク質バソヒビン−1(VASH1)が同定された(表2)。アルキン−epoY処理サンプルにおいてのみ、ほとんど完全なVASH1配列をカバーするペプチドが検出された。最近のバイオインフォマテクスデータは、バソヒビン−1及びそのホモログバソヒビン−2(VASH2)が非標準Cys−His−Ser触媒三残基を有し、トランスグルタミナーゼ様システインプロテアーゼファミリーのこれまでに未発見のメンバーであることを示している(18)(図1F)。

0127

バソヒビンタンパク質(41〜42kDa)は、血管新生レギュレーターとして広く特性評価されているが、分子レベルではまだ十分に理解されていない(19)。最近の研究では、シャペロン様機能を有するバソヒビンの高親和性結合パートナーとしてSVBP(Ccdc23)が同定された(20)。その結果として、SVBPの非存在下又は存在下で細胞におけるα−チューブリンを脱チロシン化するVASHタンパク質の能力を調べた。HEK293T細胞におけるバソヒビンのみの発現は、脱チロシン化チューブリンのわずかな増加をもたらしたのに対して、SVBPとのいずれかのタンパク質の発現は、内因性チロシン化チューブリンのほぼ完全な喪失に対応する脱チロシン化チューブリンの大幅な増加をもたらした。重要なことに、バソヒビン上の推定触媒システインの突然変異(VASH1についてはC179A及びVASH2についてはC158A(18))は、脱チロシン化チューブリンを生成するそれらの能力を無効化した。同様に、マウス胚線維芽細胞(MEF)では、SVBPとのバソヒビンの発現は、内因性α−チューブリンの完全な脱チロシン化をもたらした(図2A)。

0128

一般的に、アルファ−チューブリンは、2つのグルタミン酸が前にあるC末端チロシンを伴ってコードされる。しかしながら、アルファ4−チューブリンはC末端チロシンを欠き、α8−チューブリンはC末端フェニルアラニン残基を含有する。また、チューブリンでは、チロシンに代えてフェニルアラニンが組み込まれ得、神経機能障害の原因である可能性があり得る(21)。したがって、HEK293T細胞においてVASH1又はVASH2及びSVBPと一緒にα1B−及びα8−チューブリンを過剰発現させることによるバソヒビンの基質特異性を試験した。SVBPと共に発現させた場合、両チューブリンアイソタイプは、活性バソヒビンによって切断された(図2B、2B)。しかしながら、チロシンをアラニンに突然変異させた場合、バソヒビンはC末端残基を切断することができず(図2B、2B)、これは、C末端チロシン及びフェニルアラニン残基に対するVASHタンパク質の特異性を裏付けている。

0129

バソヒビンの触媒機能及びSVBPとのそれらの相互作用の性質を更に確認するために、SVBPの非存在下又は存在下でHEK293T細胞においてそれらを過剰発現させ、コバルト樹脂を使用して、得られた複合体を精製した。以前のアフィニティ測定から予想されるように、SVBPは両バソヒビンと共精製され(30〜90nMのKD(20))、複合体形成は触媒活性に非依存的であった(図6A)。重要なことに、2つのタンパク質複合体はチューブリン脱チロシン化を効率的に触媒したが、触媒失活バージョンのバソヒビンを含有する複合体はチューブリンを脱チロシン化することができなかった(図2C)。脳TCPの報告されている特異性(1、22、23)と一致して、両複合体は、チューブリンダイマーと比較して迅速に微小管を切断した(図2D、6B)。精製VASH1/SVBP複合体はEB1からC末端チロシンを切断することができなかったが、これは、その明確なチューブリン選好性を示しているのに対して、興味深いことに、VASH2/SVBP複合体は、同じ条件でEB1を部分的に脱チロシン化することができた(図2E)。ニューロン由来を含むほとんどの細胞型では、C末端チロシン切断はチューブリンに限定されることが示された(1、15)。しかしながら、特定の内皮細胞及び腫瘍細胞では、EB1は脱チロシン化され得(24)、これは、それらのVASH2含有量又は調節機構の欠陥に関連し得る。

0130

バソヒビンの機能的意義及びαチューブリン脱チロシン化におけるそれらの役割を確認するために、本発明者らは、脱/チロシン化サイクルが成長円錐経路探索及び軸索分化(すなわち、ニューロン分極)に非常に重要である(2、7、8)分化ニューロンにおいてこれらのタンパク質の発現をノックダウンすることの表現型効果を評価した。市販の抗体を使用してウエスタンブロットによって、マウスニューロンにおいてバソヒビン及びSVBPを検出することは不可能であったが、培養海馬ニューロン並びに成体及び胚性マウス脳組織のRNA調製物からそれらの転写産物を増幅した(図3A)。バソヒビン又はSVBPのいずれかをターゲティングするショートヘアピンRNA(shRNA)並びにコントロールshRNAを発現するプラスミドを海馬ニューロンにトランスフェクションした(図5A)。ウエスタンブロット分析により、2つのバソヒビン又はSVPBのいずれかをダウンレギュレーションすると、脱チロシン化α−チューブリンのレベルがほぼ50%減少したことが示されたが、これは、神経微小管の脱チロシン化におけるそれらの重大な役割を実証している(図3B)。ノックダウンにおける脱チロシン化α−チューブリンの残存プールは、α4−チューブリン(これは、C末端チロシンを遺伝的に欠き、脳において依然として脱チロシン化形態である)の存在に起因する可能性がある(25)。in vitroで2日間培養(2DIV)したニューロンの共焦点画像により、バソヒビンの発現が減少すると、ネイティブ脱チロシン化α−チューブリンのレベルが減少することが確認された。残存脱チロシン化プールは軸索に特異的に集中するが、神経突起におけるα−チューブリンは高度にチロシン化されているように思われる。形態学的分析では、2DIV及び3DIVの両方における(軸索を有する)ステージIII細胞の割合の減少によって示されているように、バソヒビンダウンレギュレーションは、軸索分化の明らかな遅延につながることが示された(図3C)。軸索を有するニューロンのタウ及びアンキリン染色により、正規分布が確認され、3DIVの軸索シャフトではタウが高発現され、10DIVの軸索初期セグメントではアンキリンが高発現されていた。興味深いことに、バソヒビンをノックダウンした2DIVニューロンは、軸索の長さが全体的に減少した多数の神経突起及び分枝を発達させる(図3D)。SVBPをダウンレギュレーションすると、軸索分化の遅延及び同様の形態異常が観察された(図5B〜C)。したがって、逆酵素TTLの非存在下で観察された未成熟軸索分化(2)とは逆に、バソヒビン又はSVBPをダウンレギュレーションすると、軸索分化の明確な遅延が観察された。

0131

次に、脱/チロシン化サイクルが新皮質層組織に重要である大脳皮質焦点を当てることによって、in vivoにおけるマウス脳のバソヒビンの機能的重要性を試験した(2)。皮質形成の間、ニューロン移動は、本発明者らがバソヒビン及びSVBPに強く依存することを示したニューロン分極に部分的に依拠する(図3C)。バソヒビンをターゲティングするshRNA及びコントロールshRNAを発現するプラスミドをE14.5胚にエレクトロポレーションし、4日後、放射状ニューロン移動を分析した。培養ニューロンにおける脱チロシン化α−チューブリンプールの約50%を抑制した検証済みshRNAを使用した。E18.5では、コントロール脳由来のほとんどのニューロンは上層(ビン1)に到達したのに対して、バソヒビンの非存在下では、かなりの割合のニューロンが到達することができなかった(図4A〜B)。したがって、これらの酵素は、大脳皮質発達中のニューロン移動において重要な役割を有する。

0132

全体的に、これらの結果は、ニューロン及び脳におけるバソヒビン及びそれらの関連パートナーSVBPの重要な役割を示しており、それらがチューブリンカルボキシペプチダーゼであることを更に裏付けている。

0133

TCPは、40年間にわたってα−チューブリン脱/チロシン化サイクルの重要な不明要素であり続けた。バソヒビンは、TCP機能を実行する酵素タンパク質として同定され(図7)、それらの相互作用パートナーSBVPはそれらの活性に必須である。本発明者らは、神経分化及び大脳皮質発達におけるバソヒビン及びSVBPの重要な関与を明らかにし、バソヒビンの更なる機能研究に使用し得るこの酵素ファミリーをターゲティングする新たな阻害剤を説明する。TCPを同定するための過去の試みの失敗はほとんどがおそらく、標準的な精製アッセイ中に失われる可能性があり得る安定性及び活性に関するバソヒビンとSVBPとの本質的な関連に起因していた。TCP機能と一致して、バソヒビンは真核生物において広く分布し、幅広い組織発現を有し、バソヒビン−1(一般的に、これはバソヒビン−2よりも多く発現される)は、脳、心臓及び腎臓において豊富である(18、26、27)(https://www.gtexportal.org/home/のGTEx Portalも参照のこと)。理解困難なTCP活性の同定は、分子レベルで、α−チューブリン脱チロシン化と細胞微小管安定性との間の関係の理解を提供するはずである(28、29)。

0134

興味深いことに、脱チロシンを通じて微小管安定性をレギュレーションする酵素について予想されるように、バソヒビンは細胞及び組織完全性に重要であることが示され、これらのタンパク質の欠損はガンに関連していた(30)。全体的に、TCPの発見は、脱/チロシン化のサイクルの機能、並びに健康及び疾患に対するその影響を解明するための有益な情報を提供する。

0135

実施例2:健常患者及びAD患者由来のヒト脳における脱チロシン化状態
論理根拠
アルツハイマー病患者及びコントロール患者の脳のイムノブロッティングによって、チロシン化、脱チロシン化及びΔ2−チューブリン(別の形態の脱チロシン化チューブリン)の量を分析した。病理学の異なるBraak段階でそれらを分析し、健常脳の対応するコントロールサンプルと比較した。各サンプルについて、脳領域4つ(内嗅皮質、海馬、側頭及び前頭皮質)を分析した。

0136

2 材料及び方法
組織。ヒト組織サンプルは、52〜93男性及び女性患者29人のパネルからの脳領域4つ(内嗅皮質、海馬、側頭皮質、外側前頭前皮質)からなる。コントロール11個、Braak段階I〜II 5個、Braak段階III〜IV 6個及びBraak段階IV〜V 7個(詳細については、添付1を参照のこと)。

0137

抽出物の調製。Minilys装置で即時使用Precellys溶解キット(Bertin Technologies)を使用して、完全阻害剤カクテル(Roche)を含有する(10vol/w)10mMトリス、0.32Mスクロース、pH=7.4中、ヒト脳サンプルを室温で2×30秒間ホモジナイズした。溶解後、ホモジネートを収集し、液体窒素凍結し、次いで、使用まで−80℃で保存した(ホモジネート脳ストックと称される)。必要な場合には、凍結アリコートをRIPAバッファー(50mMトリス、150mM NaCl、1%NP40、0.5%デオキシコール酸、0.1%SDS、pH=8)でv/v希釈し、4℃で30分間撹拌し、次いで、12000rpm、4℃で10分間遠心分離した。上清を液体窒素で凍結し、使用まで−80℃で保存した。

0138

抗体。ポリクローナル抗脱チロシン化(抗deTyr)及び抗Δ2チューブリン抗体は自作のものであった(Bosson et al., 2012; Paturle-Lafanechere et al., 1994)。

0139

イムノブロット。
患者29人の領域 4つのサンプルは、分析すべきサンプル 116個になる。各サンプルを3回反復で分析した。RIPA上清(凍結サンプルの1/4希釈物10μl)を無染色4%−15%ゲル(Bio Rad)の電気泳動に供し、次いで、Trans-Blot Turbo Transfer System (Bio Rad)を使用してニトロセルロース膜に迅速に転写した。脱チロシン化及びΔ2チューブリンに対する特異的抗体を1/20000で使用して、ブロットを明らかにした。ポリクローナルα3A1抗体を1/10000希釈で使用して、総α−チューブリンを検出した。適切なペルオキシダーゼ標識二次抗体を1/20000で使用した。PierceECLウエスタンブロッティング基質(Thermo scientific)を使用してブロットを明らかにし、定量のためにImage Labソフトウェアを使用してChemiDoc(商標)MPイメージングシステム(Bio Rad)を用いて分析した。

0140

3 結果
結果は図8に示されている。

0141

これらの結果は、コントロール脳と比較して、アルツハイマー脳の全ての領域における脱チロシン化及びΔ2チューブリン形態の進行性蓄積を明らかに示している(脳領域の効果なし)。

0142

実施例3:微小管の脱チロシン化に対するVASH1、VASH2及びSVBPのin vivo機能
材料及び方法:
生化学分析のための脳組織の調製:
Precellys装置ホモジナイザー(2×20秒間、5000rpm)を使用して、150mg/mLのプロテアーゼ(P8340, Sigma)及びホスファターゼ阻害剤カクテル(P5726 and P0044, Sigma)を補充した溶解バッファー(CaCl2及びMgCl2を含まないリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、14190-094 Life Technologies)中で、海馬をホモジナイズした。次いで、溶解物を21,000g、4℃で20分間遠心分離した。得られた上清を収集し、ビシンコニン酸アッセイ(Pierce/Thermo Fisher Scientific)を使用してタンパク質濃度を決定した。サンプルを分析まで−80℃で保存した。

0143

Wes(商標)及びPeggy Sue(商標)Simple Westernによる脳サンプルのキャピラリーウエスタンブロッティング
SVBP、VASH1及びVASH2 KO野生型、ヘテロ接合性及びホモ接合性マウス由来の海馬の溶解物において、自動Simple Western system (Protein Simple)を使用して、チロシン化、脱チロシン化、デルタ2チューブリン、総α−チューブリン及びチューブリンチロシンリガーゼレベルを評価した。ユーザーマニュアルにしたがって、表1に記載されている一次抗体以外は製造業者試薬を用いて、全ての手順を実施した。サンプルをタンパク質濃度0.125μg/μLでロードし、一次抗体と共に60分間インキュベーションし、二次抗マウス又は抗ウサギIgGと共に30分間インキュベーションした。Compassソフトウェア(Protein Simple)を用いて、データを分析した。GAPDHレベルに対して、タンパク質レベルを正規化した。

0144

心室からのタンパク質抽出及びウエスタンブロット:
プロテアーゼ(Roche; 04906837001)及びホスファターゼ阻害剤(Roche; 11836153001)の存在下で、タンパク質抽出バッファー(Cellsignaling; 9803S)中、ウエスタンブロット用FastPrepホモジナイザーを用いて、Precellysチューブ(KT03961-1-007.2)中で、心室由来のタンパク質(約50mg)をホモジナイズした。12%ビストリスSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Bio-Rad; 3450119)で等量のタンパク質(30μg)を分離し、TransBlotシステム(Bio-Rad;170-4159)を用いてニトロセルロース膜に転写した。GAPDH(1/10000、Millipore; MAB374)、α−チューブリン(1/5000、Sigma; T6199-200μgL)、チロシン化チューブリン(1/1000、Abcam; ab6160)、脱チロシン化チューブリン(1/1000、Abcam; ab48389)、デルタ2−チューブリン(1/1000、Abcam; ab106658)に対する一次抗体、続いて、赤外線色素コンジュゲート二次抗体(1/1000〜1/10000、Li-Cor)を用いて、タンパク質を検出した。Odysseyスキャナーを使用してデンシトメトリー分析によってタンパク質の定量を達成し、Gapdhレベルに対して正規化した。

0145

マウス。CRISPR/Cas9遺伝子編集によって、マウスにおいてSVBP、VASH1及びVASH2ノックアウトを生成した(VASH1 KOの生成については、Teixera et al 2018を参照のこと)。SVBPについてはエクソン2中の配列をターゲティングし、VASH1についてはエクソン1中の配列をターゲティングし、VASH2についてはエクソン2中の配列をターゲティングした。マイクロインジェクション胚の再移植後に誕生したF0モザイク動物を、PCR/サンガーシーケンシングによって遺伝子型決定し、次いで、C57BL/6マウスと交配して、少なくともF4/F5マウスを得た。

0146

結果:
微小管の脱チロシン化に対するバソヒビン1、バソヒビン2及びSVBPの機能をin vivoで確認するために、本発明者らは、バソヒビン1、バソヒビン2又はSVBPタンパク質のいずれかに関するノックダウントランスジェニックマウス(野生型、ヘテロ接合性及びホモ接合性)におけるチロシン化チューブリン、脱チロシン化チューブリン、デルタ2チューブリン、総α−チューブリン及びチューブリンチロシンリガーゼレベルを測定したGrenoble Institute for Neuroscienceにおいてで作成されたマウス由来の脳(海馬)及び心臓(心室)に対して、この研究を実施した。

0147

VASH1 KOホモ接合性マウス由来の脳サンプルでは、脱チロシン化チューブリン及びデルタ2チューブリンのレベルは減少したのに対して(図9C、D)チロシン化チューブリンのものは増加した(図9B)。SVBP KOホモ接合性マウスでは、より強力である以外は同じ効果が観察された(図10B、C、D)。反対に、VASH2 KOホモ接合性マウスでは、効果は観察されなかった(図11B、C、D)。

0148

心室サンプルでは、VASH1 KOホモ接合性マウス(図12C、D)及びSVBP KOホモ接合性マウス(図13C、D)については、脱チロシン化チューブリン及びデルタ2チューブリンのレベルが減少したのに対して、VASH1 KOホモ接合性マウスについては、チロシン化チューブリンのものが増加した(図12B)。脳サンプルに関しては、VASH2 KOホモ接合性マウス由来の心室サンプルでは、効果が見られなかった(図14B、C、D)。

0149

予想通り、VASH1及びSVBP KOホモ接合性マウスでは、脱チロシン化チューブリンレベルは減少したのに対して、脳サンプル又は心室のいずれかでは、チロシン化チューブリンレベルは増加した。VASH1 KOホモ接合性マウスでは、脱チロシン化チューブリンの減少はVASH1の欠如によるものであるのに対して、SVBP KOホモ接合性マウスでは、VASH1及びVASH2のシャペロンの役割を果たしてこれら2つのタンパク質を安定化するSVBPの欠如により、VASH1はもはや活性ではない。VASH2 KOホモ接合性マウスでは、脳におけるVASH2の発現レベルがVASH1のものよりも低いという事実におそらく起因して、統計的差異はなかった。出生以来落ち着いていた代償効果及び/又は脱チロシン化を行うために十分な残存タンパク質の活性レベルにおそらく起因して、KOヘテロ接合性マウスでは、タンパク質にかかわらず、統計的差異は観察されなかった。

0150

脱チロシン化チューブリンレベルの減少は、VASH1及びSVBPの生理学的機能を裏付けているが、より重要なことに、微小管ダイナミクス及び機能に重要なチロシン化チューブリンの同時増加は、微小管機能が変化する神経変性疾患を処置するためのTCP阻害剤に有利である。

0151

実施例4:ADの細胞モデルにおけるチロシン化チューブリンのレベルと樹状突起スパイン密度(認知マーカー)との間の関係
1論理的根拠。
本発明者らの仮説は、脱チロシン化微小管の蓄積がシナプス可塑性に有害であり、ADの初期段階に特徴的な樹状突起スパイン及びシナプス喪失に寄与し得る微小管ダイナミクスの喪失につながり得るというものである。

0152

脊椎の形状(スタビィ型、シン型、マッシュルーム型)及び数は、シナプス有効性及び認知能力と強く相関する。Aβオリゴマーへの海馬ニューロンの曝露(慢性曝露)は、樹状突起スパイン密度の強力な減少を誘導することが公知である(Hsieh et al., 2006)。

0153

本発明者らの仮説を試験するために、本発明者らは、Aβオリゴマーの存在下又は非存在下で、WT、VASH1、VASH2及びSVBPノックアウト成熟海馬ニューロンにおける樹状突起スパインの密度及び形態を分析した。

0154

野生型(WT)、VASH1及びSVBP欠損マウスヘテロ接合体及びKO動物)由来の成熟ニューロンにおいて、様々な形態のチューブリン(チロシン化、脱チロシン化、Δ2−チューブリン)の量を分析した。

0155

2実験戦略。
マウス。CRISPR/Cas9遺伝子編集によって、マウスにおいてSVBP、VASH1及びVASH2ノックアウトを生成した(VASH1 KOの生成については、Teixera et al 2018を参照のこと)。SVBPについてはエクソン2中の配列をターゲティングし、Vash1についてはエクソン1中の配列をターゲティングし、Vash2についてはエクソン2中の配列をターゲティングした。マイクロインジェクション胚の再移植後に誕生したF0モザイク動物を、PCR/サンガーシーケンシングによって遺伝子型決定し、次いで、C57BL/6マウスと交配して、少なくともF4/F5マウスを得た。

0156

ニューロン。WT、SVBP−、VASH1−及びVASH2−KO E17胚から海馬又は皮質ニューロンを解剖し、以前に記載されているように培養した(Erck et al 2005)。

0157

樹状突起スパインの分析。GFPレンチウイルス(MOI100)を少数の海馬ニューロン(1%)に感染させ、非感染細胞と混合し、ポリリジンコーティングディッシュ上に高密度(細胞50.000個/cm2)でプレーティングした。次いで、B27を含有するMACs培地中で、ニューロンを37℃及び5%CO2で維持した。in vitroで15日後(15DIV)、ニューロンを((Frandemiche et al.)に記載されているように調製した)100nM Aβオリゴマーと共に、又はDMSO(コントロール)と共にインキュベーションした。17DIVにおいて、ニューロンを固定し、抗GFP抗体で染色した。樹状突起スパインはGFP標識樹状突起であると同定された。200nmのZ間隔で共焦点顕微鏡によって連続画像を取得し、NeuronStudioを使用して樹状突起スパインの密度及び形態の分析を実施した。

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