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技術 リチウム固体電池

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 山口裕之
出願日 2020年3月24日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2020-052314
公開日 2021年9月30日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-152989
状態 未査定
技術分野 二次電池(その他の蓄電池) 電池の電極及び活物質
主要キーワード ICP発光分析法 ボールミリング法 La元素 発熱挙動 静電噴霧法 ステンレス鋼製容器 粒子径分布測定 ガーネット型
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

解決手段

酸化物系正極活物質及びオキサレート錯体を含有する正極層を有する正極と、負極活物質を含有する負極層を有する負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置され、固体電解質を含有する固体電解質層とを備え、前記正極層、前記負極層及び前記固体電解質層の少なくともいずれか一つの層は、硫化物系固体電解質を含有するリチウム固体電池。

概要

背景

固体電池の分野において、従来から、固体電池の熱安定性の向上を図る試みがある。
例えば、特許文献1には、特定のリン酸エステル正極活物質層に含んだリチウム固体電池が開示されている。

また、特許文献2には、オキサレート錯体であるジフルオロ[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウム(LiDFOB)を電解液に添加すると非水電池高温保存特性が向上することが記載されている。

概要

熱安定性が高いリチウム固体電池の提供。酸化物系正極活物質及びオキサレート錯体を含有する正極層を有する正極と、負極活物質を含有する負極層を有する負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置され、固体電解質を含有する固体電解質層とを備え、前記正極層、前記負極層及び前記固体電解質層の少なくともいずれか一つの層は、硫化物系固体電解質を含有するリチウム固体電池。

目的

本開示は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本開示の目的は、熱安定性が高いリチウム固体電池を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

酸化物系正極活物質及びオキサレート錯体を含有する正極層を有する正極と、負極活物質を含有する負極層を有する負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置され、固体電解質を含有する固体電解質層とを備え、前記正極層、前記負極層及び前記固体電解質層の少なくともいずれか一つの層は、硫化物系固体電解質を含有することを特徴とするリチウム固体電池

技術分野

0001

本開示は、リチウム固体電池に関する。

背景技術

0002

固体電池の分野において、従来から、固体電池の熱安定性の向上を図る試みがある。
例えば、特許文献1には、特定のリン酸エステル正極活物質層に含んだリチウム固体電池が開示されている。

0003

また、特許文献2には、オキサレート錯体であるジフルオロ[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウム(LiDFOB)を電解液に添加すると非水電池高温保存特性が向上することが記載されている。

先行技術

0004

特開2017−112041号公報
特開2005−285492号公報

発明が解決しようとする課題

0005

リチウム固体電池を充電すると、酸化物系正極活物質硫化物系固体電解質が反応して発熱する場合がある。そのため、リチウム固体電池のさらなる熱安定性の向上が望まれている。

0006

本開示は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本開示の目的は、熱安定性が高いリチウム固体電池を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本開示は、酸化物系正極活物質及びオキサレート錯体を含有する正極層を有する正極と、負極活物質を含有する負極層を有する負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置され、固体電解質を含有する固体電解質層とを備え、
前記正極層、前記負極層及び前記固体電解質層の少なくともいずれか一つの層は、硫化物系固体電解質を含有することを特徴とするリチウム固体電池を提供する。

発明の効果

0008

本開示によれば、熱安定性が高いリチウム固体電池を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

本開示のリチウム固体電池の一例を示す断面模式図である。
実施例4の正極層の温度に対する発熱量と比較例1の正極層の温度に対する発熱量を併せて示す図である。
実施例1〜3のリチウム固体電池の初回充電曲線を示す図である。

0010

本開示は、酸化物系正極活物質及びオキサレート錯体を含有する正極層を有する正極と、負極活物質を含有する負極層を有する負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置され、固体電解質を含有する固体電解質層とを備え、
前記正極層、前記負極層及び前記固体電解質層の少なくともいずれか一つの層は、硫化物系固体電解質を含有することを特徴とするリチウム固体電池を提供する。

0011

図1は、本開示のリチウム固体電池の一例を示す断面模式図である。
固体電池100は、正極層12及び正極集電体14を含む正極16と、負極層13及び負極集電体15を含む負極17と、正極16と負極17の間に配置される固体電解質層11を備える。

0012

[正極]
正極は、少なくとも正極層を有し、必要に応じ、正極層の集電を行う正極集電体を備える。
正極層は少なくともオキサレート錯体と正極活物質として酸化物系正極活物質を含有し、必要に応じ、導電材結着剤、及び、固体電解質等を含有する。

0013

オキサレート錯体としては、ジフルオロ[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウム(LiDFOB)、ジフルオロビス[オキサレート−O,O’]リン酸リチウム(LiPFO)、テトラフルオロ[オキサレート−O,O’]リン酸リチウム、及び、ビス[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウム(LiBOB)等を挙げることができる。
正極層におけるオキサレート錯体の含有量は、特に限定されないが、正極層の総質量を100質量%としたとき、例えば、熱安定性向上の観点から、0.01質量%以上であってもよく、電池の所望の容量を維持する観点、及び、電池の抵抗を低減する観点から、5質量%以下、さらに2質量%以下、特に1質量%以下であってもよい。

0014

酸化物系正極活物質としては、O元素を含むものであってもよい。
酸化物系正極活物質としては、例えば、Li2TiO3、Li2Ti3O7、Li4Ti5O12、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiVO2、LiNixCo1−xO2(0<x<1)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiMn2O4、Li2MnO3、LiMn1.5Ni0.5O4、LiMn1.5Al0.5O4、LiMn1.5Mg0.5O4、LiMn1.5Co0.5O4、LiMn1.5Fe0.5O4、LiMn1.5Zn0.5O4、LiFePO4、LiMnPO4、LiCoPO4、LiNiPO4、Li2SiO3、Li4SiO4、V2O5、MoO3、及び、SiO2等を挙げることができる。

0015

正極層には正極活物質として酸化物系正極活物質が主成分として含まれていれば、正極活物質として、従来公知の非酸化物系正極活物質が含まれていてもよい。
非酸化物系正極活物質としては、例えば、Li単体Li合金、Si単体、Si合金、LiCoN、TiS2、及び、Mg2Sn、Mg2Ge、Mg2Sb、及びCu3Sb等を挙げることができる。
Li合金としては、Li−Au、Li−Mg、Li−Sn、Li−Si、Li−Al、Li−B、Li−C、Li−Ca、Li−Ga、Li−Ge、Li−As、Li−Se、Li−Ru、Li−Rh、Li−Pd、Li−Ag、Li−Cd、Li−In、Li−Sb、Li−Ir、Li−Pt、Li−Hg、Li−Pb、Li−Bi、Li−Zn、Li−Tl、Li−Te、及びLi−At等が挙げられる。Si合金としては、Li等の金属との合金等が挙げられ、その他、Sn、Ge、及びAlからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属との合金であってもよい。

0016

正極活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有するコート層が形成されていても良い。すなわち、正極活物質は、当該正極活物質の表面にコート層が形成された正極活物質複合体であってもよい。正極活物質と、固体電解質との反応を抑制できるからである。
Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbO3、Li4Ti5O12、及び、Li3PO4等が挙げられる。コート層の厚さは、例えば、0.1nm以上であり、1nm以上であっても良い。一方、コート層の厚さは、例えば、100nm以下であり、20nm以下であっても良い。正極活物質の表面におけるコート層の被覆率は、例えば、70%以上であり、90%以上であっても良い。
正極活物質の表面をLiイオン伝導性酸化物で被覆する方法は特に限定されず、例えば、転動流動コーティング装置(株式会社パウレック製)を用いて、大気環境において正極活物質にLiイオン伝導性酸化物をコーティングし、大気環境において焼成を行う方法等が挙げられる。また、例えば、スパッタリング法ゾルゲル法静電噴霧法、及び、ボールミリング法等が挙げられる。

0017

正極活物質の形状は特に限定されず、粒子状、及び板状等が挙げられる。
正極層における正極活物質の含有量は、特に限定されないが、正極層の総質量を100質量%としたとき、例えば、50.0質量%〜99.9質量%であってもよい。

0018

固体電解質としては、後述する固体電解質層において例示する材料等を例示することができる。
正極層における固体電解質の含有量は、特に限定されないが、正極層の総質量を100質量%としたとき、例えば1質量%〜80質量%であってもよい。

0019

結着剤としては、特に限定されず、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリフッ化ビニリデンPVdF)、及び、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。正極層における結着剤の含有量は特に限定されるものではない。

0020

導電材としては、公知のものを用いることができ、例えば、炭素材料、及び金属材料等が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック及びファーネスブラック等のカーボンブラック気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、並びに、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができ、中でも、電子伝導性の観点から、VGCF、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。金属材料としては、Ni、Cu、Fe、及びSUS等が挙げられる。
正極層における導電材の含有量は特に限定されるものではない。

0021

正極層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜250μmであってもよい。

0022

正極層の形成方法は、例えば、オキサレート錯体、及び、酸化物系正極活物質、並びに、必要に応じ他の成分を溶媒中に投入し、撹拌することにより、正極層用スラリーを作製し、当該正極層用スラリーを正極集電体等の支持体の一面上に塗布して乾燥させることにより、正極層が得られる。
溶媒は、例えば酢酸ブチル酪酸ブチルヘプタン、及びN−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
正極集電体等の支持体の一面上に正極層用スラリーを塗布する方法は、特に限定されず、ドクターブレード法メタルマスク印刷法静電塗布法ディップコート法スプレーコート法ロールコート法グラビアコート法、及びスクリーン印刷法等が挙げられる。
支持体としては、自己支持性を有するものを適宜選択して用いることができ、例えばCu及びAlなどの金属箔等を用いることができる。

0023

また、正極層の形成方法の別の方法として、オキサレート錯体、及び、酸化物系正極活物質、並びに、必要に応じ他の成分を含む正極合剤粉末加圧成形することにより正極層を形成してもよい。正極合剤の粉末を加圧成形する場合には、通常、1MPa以上600MPa以下程度のプレス圧負荷する。
加圧方法としては、特に制限されないが、例えば、平板プレス、及びロールプレス等を用いて圧力を付加する方法等が挙げられる。

0024

正極集電体は、正極層の集電を行う機能を有するものである。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、及びZn等の金属材料等が挙げられる。
正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、及びメッシュ状等を挙げることができる。
正極は、さらに、正極集電体に接続された正極リードを備えていてもよい。

0025

[負極]
負極は、少なくとも負極層を有し、必要に応じ、負極層の集電を行う負極集電体を備える。
負極層は、少なくとも負極活物質を含有し、必要に応じ、導電材、結着剤、及び、固体電解質等を含有する。

0026

負極活物質としては、グラファイトハードカーボン、Li単体、Li合金、Si単体、Si合金、及びLi4Ti5O12等が挙げられる。Li合金及びSi合金としては、正極活物質において例示した材料等を例示することができる。
負極活物質の形状は特に限定されず、粒子状、及び板状等が挙げられる。
負極層における負極活物質の含有量は、特に限定されないが、例えば、20質量%〜99質量%であってもよい。

0027

負極層に用いられる導電材、及び、結着剤は、上述した正極層において例示した材料等を例示することができる。負極層に用いられる固体電解質は、後述する固体電解質層において例示する材料等を例示することができる。
負極層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜100μmであってもよい。

0028

負極集電体の材料としては、例えば、SUS、Cu、Ni、Fe、Ti、Co、及びZn等の金属材料等が挙げられる。負極集電体の形状としては、上述した正極集電体において例示した形状等を例示することができる。

0029

[固体電解質層]
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含有し、必要に応じて結着剤等を含有していても良い。
固体電解質としては、硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質等が挙げられる。
正極層、負極層及び固体電解質層の少なくともいずれか一つの層は、硫化物系固体電解質を含有し、すべての層が硫化物系固体電解質を含有していてもよい。
硫化物系固体電解質は、Li元素と、A元素(Aは、P、Ge、Si、Sn、B及びAlの少なくとも1種である)と、S元素とを有していてもよい。硫化物系固体電解質は、ハロゲン元素をさらに有していてもよい。ハロゲン元素としては、例えば、F元素、Cl元素、Br元素、及びI元素等が挙げられる。また、硫化物系固体電解質は、O元素をさらに有していてもよい。
硫化物系固体電解質としては、例えば、Li2S−P2S5、Li2S−P2S5−LiI、Li2S−P2S5−GeS2、Li2S−P2S5−Li2O、Li2S−P2S5−Li2O−LiI、Li2S−P2S5−LiI−LiBr、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−LiBr、Li2S−SiS2−LiCl、Li2S−SiS2−B2S3−LiI、Li2S−SiS2−P2S5−LiI、Li2S−B2S3、Li2S−P2S5−ZmSn(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn又はGaのいずれか。)、Li2S−GeS2、Li2S−SiS2−Li3PO4、及びLi2S−SiS2−LixMOy(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga又はInのいずれか。)が挙げられる。なお、上記「Li2S−P2S5」の記載は、Li2SおよびP2S5を含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。
硫化物系固体電解質における各元素のモル比は、原料における各元素の含有量を調整することにより制御できる。また、硫化物系固体電解質における各元素のモル比や組成は、例えば、ICP発光分析法で測定することができる。

0030

硫化物系固体電解質は、硫化物ガラスであってもよく、結晶化硫化物ガラス(ガラスセラミックス)であってもよく、原料組成物に対する固相反応処理により得られる結晶質材料であってもよい。
硫化物系固体電解質の結晶状態は、例えば、硫化物系固体電解質に対してCuKα線を使用した粉末X線回折測定を行うことにより確認することができる。

0031

硫化物ガラスは、原料組成物(例えばLi2S及びP2S5の混合物)を非晶質処理することにより得ることができる。非晶質処理としては、例えば、メカニカルミリングが挙げられる。

0032

ガラスセラミックスは、例えば、硫化物ガラスを熱処理することにより得ることができる。
熱処理温度は、硫化物ガラスの熱分析測定により観測される結晶化温度(Tc)よりも高い温度であればよく、通常、195℃以上である。一方、熱処理温度の上限は特に限定されない。
硫化物ガラスの結晶化温度(Tc)は、示差熱分析(DTA)により測定することができる。
熱処理時間は、ガラスセラミックスの所望の結晶化度が得られる時間であれば特に限定されるものではないが、例えば1分間〜24時間の範囲内であり、中でも、1分間〜10時間の範囲内が挙げられる。
熱処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、焼成炉を用いる方法を挙げることができる。

0033

酸化物系固体電解質としては、例えばLi元素と、La元素と、A元素(Aは、Zr、Nb、Ta、及びAlの少なくとも1種である)と、O元素とを有するガーネット型結晶構造を有する物質、及びLi3+xPO4−xNx(1≦x≦3)等が挙げられる。

0034

固体電解質の形状は、特に限定されず、粒子状、及び板状等が挙げられ、取扱い性が良いという観点から粒子状であってもよい。
また、固体電解質の粒子平均粒径(D50)は、特に限定されないが、下限が0.5μm以上であってもよく、上限が2μm以下であってもよい。

0035

本開示において、粒子の平均粒径は、特記しない限り、レーザー回折散乱粒子径分布測定により測定される体積基準メディアン径(D50)の値である。また、本開示においてメディアン径(D50)とは、粒径の小さい順に粒子を並べた場合に、粒子の累積体積が全体の体積の半分(50%)となる径(体積平均径)である。

0036

固体電解質は、1種単独で、又は2種以上のものを用いることができる。また、2種以上の固体電解質を用いる場合、2種以上の固体電解質を混合してもよく、又は2層以上の固体電解質それぞれの層を形成して多層構造としてもよい。
固体電解質層中の固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、60質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、70質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、100質量%であってもよい。

0037

固体電解質層に用いられる結着剤は、上述した正極層において例示した材料等を例示することができる。高出力化を図り易くするために、固体電解質の過度凝集を防止し且つ均一に分散された固体電解質を有する固体電解質層を形成可能にする等の観点から、固体電解質層に含有させる結着剤は5質量%以下としてもよい。

0038

[その他の部材]
リチウム固体電池は、必要に応じ、正極、負極、及び固体電解質層を収容する外装体を備える。
外装体の材質は、電解質に安定なものであれば特に限定されないが、ポリプロピレンポリエチレン、及び、アクリル樹脂等の樹脂が挙げられる。

0039

[リチウム固体電池]
本開示のリチウム固体電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば、車載用電池として有用だからである。リチウム固体電池の形状としては、例えば、コイン型ラミネート型円筒型及び角型等を挙げることができる。

0040

リチウム固体電池の製造方法は、例えば、まず、固体電解質材料の粉末を加圧成形することにより固体電解質層を形成する。そして、固体電解質層の一面上でオキサレート錯体、及び、酸化物系正極活物質を含む正極合剤の粉末を加圧成形することにより正極層を得る。その後、固体電解質層の正極層を形成した面とは反対側の面上で負極活物質を含む負極合剤の粉末を加圧成形することにより負極層を得る。そして、必要に応じて正極集電体及び負極集電体を取り付けてリチウム固体電池としてもよい。
この場合、固体電解質材料の粉末、正極合剤の粉末及び負極合剤の粉末を加圧成形する際のプレス圧は、通常1MPa以上600MPa以下程度である。
加圧方法としては、特に制限されないが、正極層の形成において例示した加圧方法が挙げられる。

0041

(実施例1)
[正極の作製]
溶媒として酪酸ブチルと、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを準備した。そして、酪酸ブチルにポリフッ化ビニリデンを溶解させて、ポリフッ化ビニリデンを5質量%含む酪酸ブチル溶液を準備した。
正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2の粒子を準備した。
転動流動式コーティング装置(株式会社パウレック製)を用いて、大気環境においてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2の粒子の表面にLiNbO3をコーティングし、大気環境において焼成を行い、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2の粒子の表面をLiNbO3で被覆した正極活物質複合体を得た。
固体電解質としてLi2S−P2S5系ガラスセラミックを準備した。
導電剤としてVGCF(気相法炭素繊維)を準備した。
オキサレート錯体として、LiDFOBを正極層の総質量を100質量%としたとき正極層中に0.1質量%含まれる量を準備した。
酪酸ブチル溶液、正極活物質複合体、固体電解質、導電剤、オキサレート錯体をポリプロピレン製容器に加えて、これらの原料を超音波分散装置エスエムテー製、製品名UH−50)で30秒間撹拌した。その後、ポリプロピレン製容器を振とう器(柴田科学株式会社製、製品名TTM−1)で3分間振とうした。さらに、これらの原料を超音波分散装置で30秒間撹拌して、正極層用ペーストを作製した。正極層用ペーストを、アプリケーターを使用して、ドクターブレード法にて正極集電体としてのアルミニウム箔に塗工し、その後、100℃に加熱したホットプレート上で30分間乾燥することにより、正極集電体上に正極層を作製し、正極集電体と正極層を有する正極を得た。

0042

[負極の作製]
溶媒として酪酸ブチルと、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを準備した。そして、酪酸ブチルにポリフッ化ビニリデンを溶解させて、ポリフッ化ビニリデンを5質量%含む酪酸ブチル溶液を準備した。
負極活物質としてSi単体の粉末を準備した。
固体電解質としてLi2S−P2S5系ガラスセラミックを準備した。
導電剤としてVGCF(気相法炭素繊維)を準備した。
酪酸ブチル溶液、負極活物質、固体電解質、導電剤をポリプロピレン製容器に加えて、これらの原料を超音波分散装置(エスエムテー製、製品名UH−50)で30秒間撹拌した。その後、ポリプロピレン製容器を振とう器(柴田科学株式会社製、製品名TTM−1)で3分間振とうして、負極層用ペーストを作製した。負極層用ペーストを、アプリケーターを使用して、ドクターブレード法にて負極集電体としての銅箔に塗工し、その後、100℃に加熱したホットプレート上で30分間乾燥することにより、負極集電体上に負極層を作製し、負極集電体と負極層を有する負極を得た。

0043

[固体電解質層の作製]
溶媒としてヘプタンと、バインダーとしてブタジエンゴムを準備した。そして、ヘプタンにブタジエンゴムを溶解させて、ブタジエンゴムを5質量%含むヘプタン溶液を準備した。
固体電解質としてヨウ化リチウムを含有するLi2S−P2S5系ガラスセラミックを準備した。
ヘプタン溶液、固体電解質をポリプロピレン製容器に加えて、これらの原料を超音波分散装置(エスエムテー製、製品名UH−50)で30秒間撹拌した。その後、ポリプロピレン製容器を振とう器(柴田科学株式会社製、製品名TTM−1)で30分間振とうして、固体電解質層用ペーストを作製した。固体電解質層用ペーストを、アプリケーターを使用して、ドクターブレード法にて基盤としてのアルミニウム箔に塗工し、その後、100℃に加熱したホットプレート上で30分間乾燥することにより、アルミニウム箔上に固体電解質層を作製した。

0044

[リチウム固体電池の製造]
固体電解質層が正極層と接するように、固体電解質層を正極の正極層上に積層して、ロールプレスして、正極集電体、正極層、固体電解質層、アルミニウム箔をこの順に有する第1の積層体を得た。
その後、固体電解質層の基盤としてのアルミニウム箔を剥がして、固体電解質層が負極層と接するように、負極を固体電解質層上に積層し、正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層、負極集電体をこの順に有する第2の積層体を作製した。作製した第2の積層体に端子をつけて、当該第2の積層体をラミネートフィルムパックし、リチウム固体電池を製造した。

0045

(実施例2)
上記[正極の作製]において、オキサレート錯体として、LiDFOBを正極層の総質量を100質量%としたとき正極層中に1質量%含まれる量を用いて正極層を作製したこと以外は、実施例1と同様にリチウム固体電池を製造した。

0046

(実施例3)
上記[正極の作製]において、オキサレート錯体として、LiDFOBを正極層の総質量を100質量%としたとき正極層中に2質量%含まれる量を用いて正極層を作製したこと以外は、実施例1と同様にリチウム固体電池を製造した。

0047

(実施例4)
上記[正極の作製]において、オキサレート錯体として、LiDFOBを正極層の総質量を100質量%としたとき正極層中に5質量%含まれる量を用いて正極層を作製したこと以外は、実施例1と同様にリチウム固体電池を製造した。

0048

(比較例1)
上記[正極の作製]において、オキサレート錯体を用いないで正極層を作製したこと以外は、実施例1と同様にリチウム固体電池を製造した。

0049

[正極層の示唆走査熱量測定DSC)]
実施例4で得られたリチウム固体電池を所定の圧力で拘束し、不活性雰囲気下で0.1Cで4.55Vまで定電流で充電を行った。
その後、短絡が生じないように不活性雰囲気下でリチウム固体電池を解体し、充電状態の正極層を取り出した。そして、打ち抜き機で正極層をDSC用のステンレス鋼製容器に入るサイズに打ち抜いて正極層サンプルを得た。充電後の正極層サンプルをDSC用の容器に収め、密閉した。その密閉容器を、DSC装置(島津製作所製)にセットし、正極層サンプルの発熱挙動を測定した。リファレンスには空の容器を用い、昇温速度を10℃/minとし、終了温度を500℃とした。DSCの結果を図2に示す。
比較例1で得られたリチウム固体電池についても実施例4のリチウム固体電池と同様の方法で正極層サンプルの発熱挙動を測定した。DSCの結果を図2に併せて示す。
図2は、実施例4の正極層の温度に対する発熱量と比較例1の正極層の温度に対する発熱量を併せて示す図である。
図2に示すように実施例4の正極層と比較例1の正極層の発熱挙動を比較すると、実施例4の正極層では、低温側(230℃付近)の発熱ピークがなくなっていることが確認できる。これは、比較例1よりも正極層の発熱温度が高くなっていることを示し、熱安定性が向上しているといえる。
以上の結果から、正極層にオキサレート錯体を含有させることにより、熱安定性が向上することが確認された。
上記結果が得られる理由は、オキサレート錯体が酸化物系正極活物質に含まれる遷移金属配位して酸化物系正極活物質と硫化物系固体電解質との反応性を低下させ、正極層の発熱を抑制しているためと推定される。

実施例

0050

[リチウム固体電池の初回充電]
実施例1で得られたリチウム固体電池を所定の圧力で拘束し、不活性雰囲気下で0.1Cで4.55Vまで定電流で充電を行った。その結果得られた初回充電曲線を図3に示す。
実施例2〜3で得られたリチウム固体電池についても実施例1のリチウム固体電池と同様の方法で初回充電した。その結果得られた初回充電曲線を図3に併せて示す。
図3は、実施例1〜3のリチウム固体電池の初回充電曲線を示す図である。
図3に示すように正極層に含まれるオキサレート錯体の含有量は少ない方が、充電容量が高くなることが確認された。したがって、充電容量を向上させる観点からは、正極層に含まれるオキサレート錯体の含有量は少ない方が良いことがわかる。
よって、正極層に含まれるオキサレート錯体の含有量は、所望の充電容量を維持し且つ熱安定性を向上させるべく、適宜設定すればよい。

0051

11固体電解質層
12 正極層
13 負極層
14正極集電体
15負極集電体
16 正極
17 負極
100 リチウム固体電池

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