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技術 空調制御装置、空調制御方法、及び空調制御システム

出願人 三菱電機株式会社
発明者 澤田昌江元谷美緒
出願日 2018年6月6日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2018-108847
公開日 2021年9月30日 (4ヶ月経過) 公開番号 2021-152416
状態 未査定
技術分野 空調制御装置 換気1
主要キーワード センサ計測データ 基準密度 エネルギー方程式 対流熱損失 放射熱損失 内部発熱量 質量保存 サーバー室
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年9月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

建物に設置された空調機送風機とを制御する空調制御装置において、目的の位置における快適性を保ちつつ、空調機と送風機との相互作用を考慮した合計の消費電力を削減するような空調機及び送風機の運転状態を適切に設定する空調制御装置を得る。

解決手段

空調機運転計測データと送風機運転・計測データとセンサ計測データとから運転・計測データを受信する受信部と、室内を複数の点に置き換え室内環境分布モデルに運転・計測データを入力して室内環境の分布状態を出力する室内環境分布計算部と、分布状態から評価値を計算する評価値計算部と、運転・計測データから空調機及び送風機の消費電力を計算する消費電力計算部と、評価値及び消費電力を用いて空調機及び送風機の運転状態を制御する制御部と、制御部の指令を空調機及び送風機に送信する送信部とを備えた空調制御装置である。

概要

背景

従来から、空気調和(以下「空調」という。)時に天井近傍滞留する相対的に温度の高い空気、あるいは床近傍に滞留する相対的に温度の低い空気をサーキュレータ等の送風機により拡散させることで、室内の上下温度差を改善する送風機器及び送風機器の制御技術が提案されている。室内の上下温度差の改善により快適性が向上するとともに、空調機設定温度を室温に近づけることができ、省エネルギー効果があることが知られている。特許文献1では、室内を複数のゾーン区分けし、センサ検出値から推定された室内空間全体温度分布に基づいて空調機とサーキュレータとをゾーニング制御する技術が開示されている。また、特許文献2では、消費エネルギーユーザーが快適に感じる確率とが共に所定の条件の範囲となるように環境制御機器を制御する技術が開示されている。

概要

建物に設置された空調機と送風機とを制御する空調制御装置において、目的の位置における快適性を保ちつつ、空調機と送風機との相互作用を考慮した合計の消費電力を削減するような空調機及び送風機の運転状態を適切に設定する空調制御装置を得る。 空調機運転計測データと送風機運転・計測データとセンサ計測データとから運転・計測データを受信する受信部と、室内を複数の点に置き換え室内環境分布モデルに運転・計測データを入力して室内環境の分布状態を出力する室内環境分布計算部と、分布状態から評価値を計算する評価値計算部と、運転・計測データから空調機及び送風機の消費電力を計算する消費電力計算部と、評価値及び消費電力を用いて空調機及び送風機の運転状態を制御する制御部と、制御部の指令を空調機及び送風機に送信する送信部とを備えた空調制御装置である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

空調機の空調機運転データ及び前記空調機による空調機計測データと送風機の送風機運転データ及び前記送風機による送風機計測データとセンサが計測するセンサ計測データとから運転及び計測データを受信する受信部と、室内を複数の点に置き換え室内環境分布モデルに前記運転及び前記計測データを入力して室内環境の分布状態を出力する室内環境分布計算部と、前記分布状態から評価値を計算する評価値計算部と、前記運転及び前記計測データから前記空調機及び前記送風機の消費電力を計算する消費電力計算部と、前記評価値及び前記消費電力を用いて前記空調機及び前記送風機の運転状態を制御する制御部と、制御部の指令を前記空調機及び前記送風機に送信する送信部とを備えたことを特徴とする空調制御装置

請求項2

請求項1項に記載の空調制御装置であって、前記空調機運転データは、前記空調機の設定温度、風量及び風向のデータを含み、前記送風機運転データは、前記送風機の風量のデータを含むことを特徴とする空調制御装置。

請求項3

請求項2項に記載の空調制御装置であって、前記送風機運転データは、前記送風機の風向のデータを含むことを特徴とする空調制御装置。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空調制御装置であって、前記室内環境分布モデルは、前記室内を高さ方向に3分割以上したことを特徴とする空調制御装置。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の空調制御装置であって、前記室内環境は、少なくとも温度、放射温度相対湿度及び風速のいずれか一つであることを特徴とする空調制御装置。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空調制御装置であって、前記制御部は、前記評価値が予め設定した基準を満たす中で前記消費電力が最小となるように制御することを特徴とする空調制御装置。

請求項7

請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の空調制御装置と、前記空調機と、前記送風機と、前記センサとを備えたことを特徴とする空調制御システム

請求項8

空調機の空調機運転データ及び前記空調機による空調機計測データと送風機の送風機運転データ及び前記送風機による送風機計測データとセンサが計測するセンサ計測データとから運転及び計測データを受信する受信ステップと、室内を複数の点に置き換えた室内環境分布モデルに前記運転及び前記計測データを入力して室内環境の分布状態を出力する室内環境分布計算ステップと、前記分布状態から評価値を計算する評価値計算ステップと、前記運転及び前記計測データから前記空調機及び前記送風機の消費電力を計算する消費電力計算ステップと、前記評価値及び前記消費電力を用いて前記空調機及び前記送風機の運転状態を制御する制御ステップと、制御部の指令を前記空調機及び前記送風機に送信する送信ステップとを備えたことを特徴とする空調制御方法

技術分野

0001

本発明は、空調機器空気調和機器)の制御をおこなう空調制御装置空気調和制御装置)に関するものである。

背景技術

0002

従来から、空気調和(以下「空調」という。)時に天井近傍滞留する相対的に温度の高い空気、あるいは床近傍に滞留する相対的に温度の低い空気をサーキュレータ等の送風機により拡散させることで、室内の上下温度差を改善する送風機器及び送風機器の制御技術が提案されている。室内の上下温度差の改善により快適性が向上するとともに、空調機設定温度を室温に近づけることができ、省エネルギー効果があることが知られている。特許文献1では、室内を複数のゾーン区分けし、センサ検出値から推定された室内空間全体温度分布に基づいて空調機とサーキュレータとをゾーニング制御する技術が開示されている。また、特許文献2では、消費エネルギーユーザーが快適に感じる確率とが共に所定の条件の範囲となるように環境制御機器を制御する技術が開示されている。

先行技術

0003

特開2009−257617
PCT/JP2013/007129

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1に開示されている制御方法では風速は考慮されておらず、また、快適性も考慮されていない。このため、サーキュレータからの気流在室者の位置まで到達する場合には、在室者が不快と感じることがあり問題がある。

0005

また、特許文献2に開示されている空調環境管理システムでは、エアコンと送風機とを含んだ構成で快適性を考慮しつつ、全体のエネルギーが最小となる条件を満たす制御を行うことができる。しかしながら、室内における環境の分布を考慮することはできず、送風機によって上下温度差が改善することに起因し空調機にかかるエネルギーが削減されるといった、送風機と空調機との相互作用による省エネルギー効果を考慮した制御ができていない。

0006

本発明は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、在室者の快適性を満たしつつ、送風機と空調機との相互作用を考慮したシステム全体で省エネルギーとなる空調制御装置を得るものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明にかかる空調制御装置は、空調機の空調機運転データ及び空調機による空調機計測データと送風機の送風機運転データ及び送風機による送風機計測データとセンサが計測するセンサ計測データとから運転及び計測データを受信する受信部と、室内を複数の点に置き換え室内環境分布モデルに運転及び計測データを入力して室内環境の分布状態を出力する室内環境分布計算部と、分布状態から評価値を計算する評価値計算部と、運転及び計測データから空調機及び送風機の消費電力を計算する消費電力計算部と、評価値及び消費電力を用いて空調機及び送風機の運転状態を制御する制御部と、制御部の指令を空調機及び送風機に送信する送信部とを備えた空調制御装置である。

0008

本発明にかかる空調制御方法は、空調機の空調機運転データ及び空調機による空調機計測データと送風機の送風機運転データ及び送風機による送風機計測データとセンサが計測するセンサ計測データとから運転及び計測データを受信する受信ステップと、室内を複数の点に置き換えた室内環境分布モデルに運転及び計測データを入力して室内環境の分布状態を出力する室内環境分布計算ステップと、分布状態から評価値を計算する評価値計算ステップと、運転及び計測データから空調機及び送風機の消費電力を計算する消費電力計算ステップと、評価値及び消費電力を用いて空調機及び送風機の運転状態を制御する制御ステップと、制御部の指令を空調機及び送風機に送信する送信ステップとを備えた空調制御方法である。

発明の効果

0009

在室者の快適性を満たしつつ、送風機と空調機との相互作用を考慮したシステム全体で省エネルギーとなる空調制御装置、空調制御方法及び空調システムをえることができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明の実施の形態1に関わる空調制御装置を含む空調システムの構成図である。
本発明の実施の形態1に係る上下温度分布改善効果を説明する模式図である。
本発明の実施の形態1に係る空調制御装置の構成図の例である。
本発明の実施の形態1に係る室内環境分布モデルを説明するための室の図である。
本発明の実施の形態1に係る運転状態決定部の処理フローの図である。
本発明の実施の形態1に係る各モデル入出力の関係を示す概念図である。

実施例

0011

実施の形態1.
対象システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態1に関わる空調制御装置を含む空調システムの構成図である。空調制御装置1は、制御ネットワーク5を介して、空調機2、送風機3及びセンサ4と接続している。また、空調制御装置1は、空調機2及び送風機3を制御する装置である。

0012

空調機2は、室外機21、室内機22、リモコン23を構成要素として持つ。室外機21は、冷媒、水等の熱媒体を冷却又は加熱する。室内機22は、熱媒体と室内外の空気との間で熱交換を行い、室内の温度を調整する。リモコン23は、ユーザー(在室者)が室内機21のON/OFF切り換え、設定温度、風量、風向等を手動設定変更するための装置である。

0013

住宅向けの空調システムでは、1室に1台の室内機22が設置されることが多い。例えば、ルームエアコンは、空調機2の代表例である。もっとも、空調機2は、室外機1台に対して室内機22が複数台接続されるルームエアコンであってもよい。また、オフィスビル等で用いられるビルマルチエアコンであってもよい。さらに、大規模ビルの全館空調に用いられるセントラル空調システムであってもよい。また、サーバー室倉庫といった対物空調を行う空調システムであってもよい。これらは一例であって、空調機2の種類は、これらに限定されるものではない。また、空調対象空間もこれらに限定されるものではない。

0014

送風機3は、ファン31、リモコン32を構成要素として持つ。ファン31は風量及び風向を1段階または多段階に変更することが可能である。リモコン32は、ユーザーがON/OFF(オンオフとの切換)、風量、風向等を手動で設定変更するための装置である。送風機3は、一般に室内空気循環したり、室内に気流を発生させたりすることにより、冷涼感を得ることを目的にして設置される装置である。

0015

送風機3は、住宅向けの機器としてはサーキュレータ及び扇風機が代表例であるが、ルームエアコン等の空調機器の送風機能であってもよい。すなわち、送風機3は、空調機2の送風機能でもよい。また、オフィスビル又は工場で用いられるエア搬送ファンを始め、風を送るものであれば形式はどのようなものであってもよい。さらに、送風機3として独立して設置される必要は無く、空調機2の内部に備えられた送風機3を対象としてもよい。

0016

センサ4は、物理量を計測するセンサであり、1つ又は複数のセンサa、センサbなどから構成され、室内外の環境条件を取得する。例えば、温度、湿度放射温度熱画像気流速度等を計測するセンサがこれにあたる。これらのセンサ4が空調機2に内蔵されている場合は空調機2内のセンサ4を用いてもよい。また、室外の温度は空調機2の室外機21に内蔵されているセンサ4を用いてもよいし、インターネット経由で取得した天気予報等の情報を用いてもよい。さらに、センサ4には、室内の形状情報を取得するためのカメラ、在室者を検出するための人感センサを含んでもよい。

0017

制御ネットワーク5は、空調制御装置1と空調機2と送風機3とセンサ4とを接続する通信用ネットワークである。制御ネットワーク5は、ケーブルの種類、通信プロトコル等は特に限定されない。例えば、制御ネットワーク5は、LAN等の有線通信であっても、無線通信であってもよい。また、一般に公開されている汎用プロトコルであってもよい。さらに、空調機2又は送風機3の製造会社による専用線専用プロトコル等であってもよい。

0018

(想定する状況)
図2は実施の形態1に係る上下温度分布改善効果を説明する模式図であり、より具体的には暖房時の模式図である。本実施の形態が想定する状況を(b)に図示して説明するとともに、空調機のみが設置される場合を合わせて(a)に図示し、上下温度差の改善によって空調エネルギーが削減される理由を説明する。図2に本実施の形態では説明を簡単にするため、空調制御装置1に空調機2が1台、送風機3が1台、センサ4が2台を接続されているものとしている。空調機2はルームエアコン、送風機3はサーキュレータ、センサ4は空調機2に内蔵されている空気温度センサ及び熱画像センサであるとし、空調機2は暖房運転をしているものと想定する。

0019

図2(a)は、空調機2のみが設置されている場合であり、空調機2の暖房設定温度は26℃である。図2(a)では、空調機2のある室内上部は26℃、在室者が上半身の高さ(室内の高さ方向の中間部)における温度は22℃、在室者の足元高さ(室内下部)における温度は18℃になっている状態を示している。

0020

一方、図2(b)は、実施の形態1で想定する状況の場合であり、空調機2の暖房設定温度は24℃である。図2(a)の空調機2の暖房設定温度26℃より2度低くなっている。図2(b)では、空調機2のある室内上部は24℃、在室者が上半身の高さ(室内の高さ方向の中間部)における温度は22℃、在室者の足元高さ(室内下部)における温度は20℃になっている状態を示している。このため、在室者が上半身の高さ(室内の高さ方向の中間部)における温度は、図2の(a)と(b)とで同等の温度であり、在室者の足元高さにおける温度は、図2の(b)の方が(a)よりも2度高くなっている。

0021

室内に空調機2のみが設置される場合には、暖房時には空調機2からの吹出し気流はその温度が室温よりも高いために浮力が働き、室内下部までは到達せずに、天井近傍に滞留して上下温度差を拡大させる傾向があることが知られている。この場合、在室者の存在する領域で快適な温度を得るためには、空調機2の設定温度を上げざるをえず、エネルギーの浪費となる場合がある。

0022

さらに、空調機2の設定温度を上げても足元高さの温度は上昇せず、不快と感じる可能性がある。一方、送風機3による室内空気攪拌によって上下温度分布が改善されると、在室者の存在する領域を同等の温度とするために必要な空調機2の設定温度は下がることになり、結果として空調機2にかかるエネルギーは削減される。同時に足元高さの温度も上昇し、快適性も向上する。

0023

(空調制御装置1の機能)
図3は、実施の形態にかかる空調制御装置1の構成図の例である。空調制御装置1は、メモリ等からなる記憶装置11、プロセッサからなる演算装置12、受信装置13、送信装置14を備える。また、対象とする空調システムは、空調制御装置1に加えて、送風機3、空調機2、センサ4を備える。以下、図3を用いて空調制御装置の詳細構成について説明する。

0024

送風機3は、受信装置13を介して記憶装置11に送風機3の運転・計測データを送信する。また、空調機2は、受信装置13を介して記憶装置11に空調機2の運転・計測データを送信する。さらに、センサ4は、受信装置13を介して記憶装置11にセンサ計測データを送信する。また、送信装置14は、記憶装置11の制御指令を送風機3及び空調機2に送信する。

0025

(記憶装置11)
記憶装置11は、運転条件、運転・計測データ、モデル、空調機運転状態、送風機風量、制御指令等を記憶する。

0026

記憶装置11に記憶される運転条件は、演算装置12における各部の処理で必要となる各種条件である。例えば、空調機2の台数、送風機3の台数、接続関係等の空調システムの構成に関する情報、運転状態決定部12eで空調機2及び送風機3の運転状態を決定する周期等である。さらに、制御目標値及び制御位置に関する情報も含み、室内の形状情報を含んでもよい。また、受信装置13と送信装置14とで送受信するデータの種類、周期等も含む。これらの情報には、空調機2と送風機3とが複数台設置される場合には、各担当エリアに基づくゾーン分割に関する情報も含む。

0027

記憶装置11に記憶される運転・計測データは、空調機2の運転・計測データ及び送風機3の運転・計測データと、センサ4によるセンサ計測データである。センサ4が空調機2に内包されている場合は、空調機2の運転・計測データの中にセンサ4によるセンサ計測データを包含してもよい。

0028

空調機2の運転・計測データは、例えば、設定温度等の設定値冷房・暖房・送風除湿等の動作モード、室温、外気温冷媒温度のような各部で計測している温度、流量、湿度、CO2濃度電力等である。空調機2の運転データの中は、少なくとも空調機2の設定温度、風量及び風向のデータを含んでいる。

0029

また、送風機3の運転・計測データは、例えば、強・弱・停止等の運転状態、風量、風向等の動作モード、各部で計測している回転数、電力等である。送風機3の運転データは、少なくとも送風機3の風量のデータを含んでいる。また、送風機3の運転データは、送風機3の風量のデータに加えて、風向のデータを含むこともある。ここまで説明した運転データ及び計測データは、あくまでも例であって、これらに限定されるものではなく、これら全てを含む必要もない。

0030

記憶装置11に記憶されるモデルは、室内環境分布モデル、評価値計算モデル、空調機モデル、送風機モデルである。室内環境分布モデルは、空調機2の運転状態、送風機3の風量、室内各点の温度、放射温度、相対湿度及び風速の室内環境の関係をモデル化したものである。また、評価値計算モデルは、温度、放射温度、相対湿度及び風速等の室内環境と評価値との関係をモデル化したものである。室内環境は、少なくとも温度、放射温度、相対湿度及び風速のいずれか一つであればよい。

0031

さらに、空調機モデルは、空調機2の特性として、空調機運転状態と消費電力との関係をモデル化したものである。また、送風機モデルは、送風機3の特性として、風量と消費電力との関係をモデル化したものである。これらモデルの詳細については、運転状態決定部12eにて包含される室内環境分布計算部12a、評価値計算部12b、空調機消費電力計算部12c、送風機消費電力計算部12dの説明で後述する。

0032

記憶装置11に記憶される空調機運転状態及び送風機風量並びに制御指令は、それぞれ運転状態決定部12eで決定した空調機運転状態及び送風機3の風量と、制御指令変換部12fで変換し決定した制御指令である。

0033

(演算装置12)
演算装置12は、運転状態決定部12e、制御指令変換部12fを備える。また、運転状態決定部12eは、室内環境分布計算部12a、評価値計算部12b、空調機消費電力計算部12c、送風機消費電力計算部12dを備える。

0034

(室内環境分布計算部12a)
室内環境分布計算部12aは、記憶装置11に記憶される室内環境分布モデルを用いて、空調機2の運転状態、送風機3の風量、センサ4の計測データ等の条件を入力として室内各点の環境(室内環境の分布状態)を出力する。室内環境分布モデルは、例えば、室内に複数センサ4を設置し、過去の空調機2及び送風機3の運転・計測データと、センサ計測データの関係を学習してもよい。また、室内環境分布モデルは、空調機2及び送風機3の運転・計測データと、センサ計測データとを入力値とし、物理モデルにより室内各点の環境(室内環境の分布状態)を計算するモデルとしてもよい。物理モデルは、空調機2及び送風機3の吹出し気流の到達距離、風速等の気流性状を計算する噴流理論式に基づいてもよい。

0035

例えば、室内環境分布モデルは、予め室の形状情報を入力して室内空間を複数の領域に分割し、各領域における温度や流速をCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学解析により求める。

0036

図4は、室内環境分布モデルを説明するための室の図である。室の高さ方向をX軸、空調機2の幅方向をY軸、空調機2の奥行き方向であり、空調機2から観て部屋の奥行き方向をZ軸としている。図4(a)は、部屋を高さ方向に3分割したモデルを示している。図4(b)は、部屋を高さ補講に3分割した上に、更に奥行き方向に5分割したモデルを示している。図示していないが、例えば、図4(a)(b)のモデルを更に幅方向に3分割してもよい。このように、室内環境分布モデルは、室内を高さ方向に3分割以上したものになっている。なお、分割は必ずしも等分割にする必要はない。

0037

CFD解析に用いる流体支配方程式は、例えば、以下のようになる。

0038

0039

0040

0041

ここで、uは3次元速度ベクトル、tは時間、pは圧力、ρは密度、μは粘性係数、ρ0は基準密度、gは重力加速度、Cpは定圧比熱、Tは温度、kは熱伝導率、Qは内部発熱量である。

0042

式1は、流体の質量保存を表す連続の式である。式2は、運動量保存を表す非圧縮性ナビエ・ストークス方程式である。式3は、エネルギー方程式である。これらを適当な初期値境界条件の下で解くことにより分割した各領域の温度、風速等を算出する。この場合、空調機2及び送風機3の運転・計測データとセンサ4の計測データを、解析における初期値及び境界条件値として用いる。

0043

室内環境分布モデルは、例えば、機種ごとに風量、風向、吹出し温度等を説明変数として、空調機2及び送風機3の吹出し気流の到達距離及び風速等の気流性状を予めモデル化しておいてもよい。また、室内環境分布モデルは、室内に複数センサ4を設置して過去の空調機2及び送風機3の運転・計測データと、センサ4の計測データの関係を学習してもよい。

0044

(評価値計算部12b)
評価値計算部12bは、記憶装置11に記憶される評価値計算モデルを用いて、室内環境分布計算部12aが出力する制御位置における室内環境を入力として評価値を計算して出力する。人が存在する領域を空調する一般的な対人空調を行う場合においては、評価値は、例えば、快適度とすることができる。快適度の計算式には、例えば、PMV(Predicted Mean Vote)を用いる。PMVは,人体熱的中立温度を予測する快適方程式に基づき,熱的中立に近い状態の人体の温冷感を予測する指標である。快適方程式は、快適時における平均皮膚温と皮膚からの蒸発熱損失量を維持しているものとして立てられており、平均皮膚温は式5が成り立ち、皮膚からの蒸発熱損失量は式6が成り立つものとしている。発汗熱ストレスが著しくない場合には、熱平衡式(式4)中の各要素(項)は、式7から式11で与えられる。

0045

0046

0047

0048

0049

0050

0051

0052

0053

快適方程式においては、人体に対する対流熱伝達率は、式12が使用され、着衣面積比は、式13が使用される。これら一連の式は、熱的中立である場合に成り立つ。

0054

0055

0056

ここで、Mは代謝量(W/m2)、Wは機械的仕事量(W/m2)Rは放射熱損失量(W/m2)、Esは発汗による蒸発熱損失量(W/m2)、Edは不感蒸せつ量(W/m2)、Ereは呼吸による潜熱損失量(W/m2)、Creは呼吸による顕熱損失量(W/m2)、Cは対流熱損失量(W/m2)、tsは平均皮膚温(℃)、taは空気温度(℃)、tclは着衣外表面温度(℃)、trは平均放射温度(℃)、Iclは基礎着衣熱抵抗(clo)、fclは着衣面積比、hcは人体の対流熱伝達率(W/(m2・℃))、Paは水蒸気圧(kPa)、vは平均風速(m/s)である。

0057

PMVは、熱的中立から外れた場合の温冷感を予測する方法であり、人体の熱負荷に基づき算出される。人体の熱負荷は、式4の左辺から右辺を引いた差として、式14のように与えられる。式10及び式11中の着衣外表面温度tciは、式15で定義されるが、式中にtsとCとRが含まれるため、式6、式10、式11及び式15からなる方程式を解いて求める。

0058

0059

0060

ここで、Lは人体の熱負荷(W/m2)である。PMVは、式16で定義される。

0061

0062

PMVと温冷感との関係は、「+3:暑い(hot)、+2:暖かい(warm)、+1:やや暖かい(slightly warm)、0:どちらでもない(neutral)、−1:やや涼しい(slightly cool)、−2:涼しい(cool)、−3:寒い(cold)」になっている。

0063

その他の評価値としては、ユーザーに温冷感を申告させ、申告時の室内環境との関係を学習してもよい。評価値計算モデルの入力項目が、室内環境分布モデルの出力項目では不足する場合には、予め定めた規定値を用いるようにしてもよい。また、制御位置をある程度の大きさを持った領域とし、領域内の環境の平均又は分散(ばらつき)を評価値としてもよい。さらに、データセンター冷蔵倉庫冷凍倉庫等といった対物空調を行う場合における評価値は、例えば、温度、湿度等の環境がどの程度、室内の物品にとって望ましい管理環境を実現しているかを評価する数値とすることができる。また、評価値は、予め設定した基準値を満たすか否かで評価してもよい。

0064

(空調機消費電力計算部12c)
空調機消費電力計算部12cは、記憶装置11に記憶される空調機モデルを用い、空調機2の運転・計測データと、センサ4の計測データを入力として空調機消費電力を出力する。

0065

(送風機消費電力計算部12d)
送風機消費電力計算部12dは、記憶装置11に記憶される送風機モデルを用い、送風機3の風量を入力として送風機消費電力を出力する。

0066

(運転状態決定部12e)
運転状態決定部12eは、室内環境分布を計算する室内環境分布計算部12aと、評価値を計算する評価値計算部12bと、空調機消費電力を計算する空調機消費電力計算部12cと、送風機消費電力を計算する送風機消費電力計算部12dを含む。運転状態決定部12eは、記憶装置11に記憶される室内環境分布モデル、評価値計算モデル、空調機モデル、送風機モデルを用いて、空調機2の運転状態と送風機3の運転状態とを決定し、記憶装置11に記憶する。

0067

空調機運転状態及び送風機運転状態は、快適度が目標範囲を満たす中で、空調機2及び送風機3の消費電力の合計が、他の運転状態にした場合と比較して相対的に小さくなるように決定する。望ましくは、消費電力が最小となるように決定する。評価対象となる快適度は、例えば、居住者の位置を検出し、その位置において計算される室内環境に基づき計算する方法、予め居住者が存在しうる範囲を定め、その範囲において計算される室内環境に基づいて計算する方法等が考えられる。

0068

図5は、実施の形態1に係る運転状態決定部12eの処理フローの図である。また、図6は、実施の形態1に係る各モデルの入出力の関係を示す概念図である。

0069

図6は、センサ計測データとして外気温T0、空調機運転状態として設定温度Tac、室内環境として温度T及び風速Qfanの2項目のデータを用いる例である。これらのデータを用いて室内環境分布モデルは、制御位置温度Tiと制御位置風速Viと算出し、さらに評価値計算モデルを用いて評価値を計算する。評価値は快適度とする場合の例である。快適度の目標範囲は、ここでは現状の快適度を下回らないとする方法について説明するが、予めユーザーに選択させるなどでき、方法は限定しない。一方、先のデータを用いて送風機モデルは、送風機電力Wfanを算出し、これらのデータを用いて空調機モデルは空調機電力Wacを算出する。送風機電力Wfanと空調機電力Wacとの合計電力が消費電力となる。

0070

ステップST1で、空調機2及び送風機3の運転条件を記憶装置11から読み込む。

0071

ステップST2で、空調機2及び送風機3の直近の運転・計測データ並びにセンサ4の計測データを記憶装置11から読み込む。

0072

ステップST3で、ステップST1で取得した運転条件及びステップST2で取得した運転・計測データを基に、評価値計算モデルを用いて現在の快適度を計算する。

0073

ステップST4で、ステップST1で取得した運転条件及びステップST2で取得した運転・計測データを基に、空調機モデル及び送風機モデルを用いて現在の空調機2及び送風機3の合計消費電力を計算する。

0074

ステップST5で、次ステップ(予定される次の運転段階)の送風機運転状態、空調機運転状態を決定する。

0075

ステップST6で、ステップST5で決定した送風機運転状態及び空調機運転状態を基に、次ステップの快適度を計算する。

0076

ステップST7で、ステップST3で計算した現在の快適度と、ステップST6で計算した次ステップの快適度とを比較し、次ステップの快適度が現在の快適度を上回る場合には、ステップST8へ進む。一方、次ステップの快適度が現在の快適度を下回る場合には、ステップST11へ進む。

0077

ステップST8で、ステップST5で決定した送風機運転状態及び空調機運転状態を基に、空調機モデル及び送風機モデルを用いて、次ステップの空調機2及び送風機3の合計消費電力を計算する。

0078

ステップST9で、ステップST4で計算した現在の合計消費電力と、ステップST8で計算した次ステップの合計消費電力とを比較し、次ステップの合計消費電力が現在の合計消費電力を下回る場合には、ステップST10へ進む。一方、次ステップの合計消費電力が現在の合計消費電力を上回る場合には、ステップST11へ進む。

0079

ステップST10で、現在の空調機運転状態及び現在の送風機運転状態を次ステップの空調機運転状態及び送風機運転状態に更新(変更)し、記憶装置11に記憶する。

0080

ステップST11で、試行回数を1カウントアップし、予め定めた所定の試行回数に到達していない場合には、ステップST5へ戻り、試行回数に到達した場合は終了する。

0081

ステップST5で次ステップの空調機運転状態及び送風機運転状態を決定する手法は、現在の設定に近い組み合わせから優先的に選択してもよいし、ランダムに組み合わせを選択してもよいし、過去のデータから変更後の効果が大きいものを記憶し優先順位を付けて選択してもよく、手法は限定されない。

0082

また、評価値の目標範囲は、予め複数のパターンを優先順位とともに入力しておき、状況に応じて評価値の目標範囲を変更してもよい。例えば、評価値の目標範囲が相対的に狭いパターンAと、相対的に広いパターンBの2つを設定する。空調機2の起動直後等、現状の評価値と目標とする評価値との差異が大きい状況では、室内環境が迅速に適正値となるよう、パターンAを使用する。次に、時間が経過し、室内環境が目標範囲内となり安定してきたと判断すると、省エネ性を優先して室内環境の目標範囲を広げるパターンBを採用する。その他の方法として、ユーザーに予め室内環境と省エネ性の優先度を選択させてもよく、在室者の有無を検知して目標範囲を変更してもよい。また、評価値は予め設定した基準を満たすか否かでもよい。

0083

(制御指令変換部12f)
制御指令変換部12fは、運転状態決定部12eで決定し記憶装置11に記憶した空調機運転状態を空調機2に、送風機運転状態を送風機3に対して実際に指令を与える制御指令に変換する。

0084

例えば、送風機3への制御指令の形式が、送風機3に対する風量であり、強・中・弱・停止である場合には、記憶した送風機3の運転状態を対応する指令である強・中・弱・停止のいずれかに変換し、制御指令として記憶装置11に記憶する。なお、強・中・弱・停止は一例であって、制御指令の形式はこれに限定されない。送風機3が受け取れる制御指令は機種毎に異なるため、機種に応じて制御指令を生成する。このために必要な情報は、運転条件として記憶装置11に記憶されている。また、運転状態決定部12eで決定した運転状態をそのまま送風機3に指令できる場合には、変換する必要はなく、記憶装置11に記憶されている運転状態と制御指令とは同一となる。空調機運転状態、送風機運転状態、制御指令変換部12f及び制御指令を包括して、空調機2及び送風機3の制御部となっている。

0085

(受信装置13と送信装置14)
受信装置13は、空調機2と送風機3との通信を行い、空調機2と送風機3とからデータを受信し、受信したデータを記憶装置11に記憶する。送信装置14は、空調機2と送風機3との通信を行い、記憶装置11に記憶された制御指令を読み出し、空調機2及び送風機3に送信する。

0086

受信装置13及び送信装置14が、空調機2及び送風機3と通信する手段は、例えば、対象とする空調システムの専用ネットワーク、LAN等の汎用ネットワーク空調設備(空調機2、送風機3)の各々で異なる個別専用線等であり、それぞれ異なる通信手段であってもよい。また、無線で通信してもよい。このように通信する手段は、ケーブルの種類、プロトコル等は特に限定せず、上記に列挙されていない通信手段を用いてもよい。また、受信装置13で用いる通信手段と送信装置14で用いる通信手段とは異なってもよい。すなわち、複数の種類の通信手段を組み合わせたものであってもよい。

0087

このように、実施の形態1の空調制御装置では、室内環境分布モデル、評価値計算モデル、空調機モデル、送風機モデルを備えており、空調機2と送風機3との運転・計測データ及びセンサ計測データを用いて、快適度と空調機2及び送風機3の消費電力の合計を計算する。

0088

評価値が予め設定した基準を満たす中で空調機2及び送風機3の消費電力の合計が最小となる条件で空調機2及び送風機3を運転する。これにより、実際の室内環境の分布を考慮し、所定の位置における環境条件を適正に保ちつつ、空調機2及び送風機3の消費電力の合計を削減するような空調機運転状態及び送風機運転状態を適切に決定することができ、省エネルギーを実現することができる。

0089

以上のように、空調機の空調機運転データ及び空調機による空調機計測データと送風機の送風機運転データ及び送風機による送風機計測データとセンサが計測するセンサ計測データとから運転及び計測データを受信する受信部と、室内を複数の点に置き換えた室内環境分布モデルに運転及び計測データを入力して室内環境の分布状態を出力する室内環境分布計算部と、分布状態から評価値を計算する評価値計算部と、運転及び計測データから空調機及び送風機の消費電力を計算する消費電力計算部と、評価値及び消費電力を用いて空調機及び送風機の運転状態を制御する制御部と、制御部の指令を空調機及び送風機に送信する送信部とを備えた空調制御装置である。

0090

また、空調機の空調機運転データ及び空調機による空調機計測データと送風機の送風機運転データ及び送風機による送風機計測データとセンサが計測するセンサ計測データとから運転及び計測データを受信する受信ステップと、室内を複数の点に置き換えた室内環境分布モデルに運転及び計測データを入力して室内環境の分布状態を出力する室内環境分布計算ステップと、分布状態から評価値を計算する評価値計算ステップと、運転及び計測データから空調機及び送風機の消費電力を計算する消費電力計算ステップと、評価値及び消費電力を用いて空調機及び送風機の運転状態を制御する制御ステップと、制御部の指令を空調機及び送風機に送信する送信ステップとを備えた空調制御方法である。

0091

1空調制御装置、2空調機2送風機、11記憶装置、12演算装置、13受信装置、14送信装置、12a室内環境分布計算部、12b評価値計算部、12c 空調機消費電力計算部、12d送風機消費電力計算部、12e運転状態決定部、12f制御指令変換部。

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