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図面 (2)

課題

引張せん断接着強度等の接着性能に優れた新たな接着剤組成物を提供する。

解決手段

下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む接着剤組成物であって、該重合体(A)は、重量平均分子量が10000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であることを特徴とする接着剤組成物。[化1](式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R4は、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)

概要

背景

メタアクリル酸エステル類重合して得られる重合体は、工業的に汎用性が高く有用であり、各種用途において広く使用されている。そのような用途の一つとして、接着剤用途が知られている。一般的には、アルファシアノアクリル酸エステルや、多官能の(メタ)アクリル酸エステル等のモノマーを、水分や熱、紫外線等によって架橋させる方法が多く用いられる。

一方、側鎖に反応性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー原料とし、他の反応剤との間に架橋構造を形成して接着剤として使用する例は比較的少ない。例えば、イソシアネートエポキシ等を主剤とし、側鎖にヒドロキシ基等を有するポリマーとの間で架橋構造を形成することで、接着剤として利用する例が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルポリマーを使用する方法は、基材への密着性や相溶性を調整しやすい等の利点があり、有用である。

このうち、側鎖にビニルエーテル基を有し、これを反応点として利用する例はほとんどない。ビニルエーテル基は、他の反応点の官能基と比較して、金属腐食性がない、保存安定性が高い、刺激性・毒性が少ない等の利点がある。ビニルエーテル基を有するポリマーを利用した数少ない検討例としては、下記のようなものがある。

例えば、特許文献1には、ポリビニルアルコール系偏光フィルム保護フィルムとを接着するための光硬化型接着剤組成物として、ビニルエーテル基含有重合体と、光カチオン重合開始剤と、反応性希釈剤を含むものが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、太陽電池モジュール用バックシート接着剤層を形成するための接着剤として、分子量分布重量平均分子量/数平均分子量)が1.5〜6.0である不飽和二重結合含有重合体を含むものが開示されている。

概要

引張せん断接着強度等の接着性能に優れた新たな接着剤組成物を提供する。下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む接着剤組成物であって、該重合体(A)は、重量平均分子量が10000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であることを特徴とする接着剤組成物。[化1](式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R4は、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。) なし

目的

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、引張せん断接着強度等の接着性能に優れた新たな接着剤組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む接着剤組成物であって、該重合体(A)は、重量平均分子量が10000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であることを特徴とする接着剤組成物。(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R4は、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)

請求項2

重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む接着剤組成物であって、該重合体(A)は、下記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有メタアクリル酸エステル類を含む単量体成分グループトランスファー重合物であることを特徴とする接着剤組成物。(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R4は、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)

請求項3

前記架橋剤(B)は、ビニルエーテル化合物環状エーテル化合物、(メタ)アクリル酸エステルカルボン酸化合物マレイミド化合物チオールメチレンマロン酸ジエステル化合物、及び、α−シアノアクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着剤組成物。

請求項4

前記硬化触媒(C)は、カチオン硬化触媒、及び、ラジカル硬化触媒からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。

技術分野

0001

本発明は、接着剤組成物に関する。より詳しくは、接着性に優れた接着剤組成物に関する。

背景技術

0002

メタアクリル酸エステル類重合して得られる重合体は、工業的に汎用性が高く有用であり、各種用途において広く使用されている。そのような用途の一つとして、接着剤用途が知られている。一般的には、アルファシアノアクリル酸エステルや、多官能の(メタ)アクリル酸エステル等のモノマーを、水分や熱、紫外線等によって架橋させる方法が多く用いられる。

0003

一方、側鎖に反応性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー原料とし、他の反応剤との間に架橋構造を形成して接着剤として使用する例は比較的少ない。例えば、イソシアネートエポキシ等を主剤とし、側鎖にヒドロキシ基等を有するポリマーとの間で架橋構造を形成することで、接着剤として利用する例が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルポリマーを使用する方法は、基材への密着性や相溶性を調整しやすい等の利点があり、有用である。

0004

このうち、側鎖にビニルエーテル基を有し、これを反応点として利用する例はほとんどない。ビニルエーテル基は、他の反応点の官能基と比較して、金属腐食性がない、保存安定性が高い、刺激性・毒性が少ない等の利点がある。ビニルエーテル基を有するポリマーを利用した数少ない検討例としては、下記のようなものがある。

0005

例えば、特許文献1には、ポリビニルアルコール系偏光フィルム保護フィルムとを接着するための光硬化型接着剤組成物として、ビニルエーテル基含有重合体と、光カチオン重合開始剤と、反応性希釈剤を含むものが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、太陽電池モジュール用バックシート接着剤層を形成するための接着剤として、分子量分布重量平均分子量/数平均分子量)が1.5〜6.0である不飽和二重結合含有重合体を含むものが開示されている。

先行技術

0006

特開2014−206625号公報
特開2015−185772号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、これらの従来技術において使用される重合体は、接着剤用途に使用した場合、特に引張せん断接着強度等の接着性能については未だ不十分であり、改善の余地があった。また、目的・用途に応じたビニルエーテル基を含む接着剤の選択や設計が容易にできるように、より多くの種類の、ビニルエーテル基を含む接着剤組成物が開発されることが望ましい。

0008

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、引張せん断接着強度等の接着性能に優れた新たな接着剤組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、接着剤組成物について種々検討したところ、特定の構造単位を有する重合体と、架橋剤及び/又は硬化触媒とを含み、上記重合体が特定範囲の重量平均分子量と分子量分布を有することにより、優れた接着性能を有する接着剤組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。

0010

すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む接着剤組成物であって、上記重合体(A)は、重量平均分子量が10000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であることを特徴とする接着剤組成物である。

0011

0012

(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R4は、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)

0013

本発明はまた、重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む接着剤組成物であって、上記重合体(A)は、下記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分グループトランスファー重合物であることを特徴とする接着剤組成物でもある。

0014

0015

(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R4は、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)

0016

上述の接着剤組成物において、上記架橋剤(B)は、ビニルエーテル化合物環状エーテル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、カルボン酸化合物マレイミド化合物チオールメチレンマロン酸ジエステル化合物、及び、α−シアノアクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。

0017

上述の接着剤組成物において、上記硬化触媒(C)は、カチオン硬化触媒、及び、ラジカル硬化触媒からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。

発明の効果

0018

本発明の接着剤組成物は、上述の構成からなるため、優れた接着性能を有する。本発明の接着剤組成物は、紙、金属、ガラス、各種プラスチック等に対する接着用途に好適に用いることができる。

図面の簡単な説明

0019

PC法により得られる微分分子量分布曲線の概略図である。
実施例における治具を用いた試験片作成方法を示す概略断面図(a)及び概略上面図(b)である。

0020

以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。

0021

接着剤組成物(1)
本発明の第一の接着剤組成物(以下、「接着剤組成物(1)」とも称する。)は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含み、上記重合体(A)は、重量平均分子量が10000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であることを特徴とする。

0022

0023

(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R4は、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)

0024

本発明の接着剤組成物(1)が、優れた接着性を発揮するのは、組成物硬化させた場合に、重合体(A)のビニルエーテル基が速やかにかつ高い反応率で架橋構造を形成し、充分な接着力発現するためと推測される。

0025

以下に、本発明の接着剤組成物(1)に含まれる各成分について説明する。
<重合体(A)>
本発明において使用する重合体(A)は、上記一般式(1)で表される構造単位(以下、「構造単位(a1)」とも称する。)を有し、重量平均分子量が10000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下である。

0026

上記一般式(1)において、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R1は、接着性がより一層優れる点で、メチル基であることが好ましい。
上記一般式(1)において、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。
R2又はR3で表される有機基としては、例えば、炭素数1〜20の鎖状又は環状の1価の炭化水素基、及び、上記炭化水素基を構成する原子の少なくとも一部を、ハロゲン原子酸素原子窒素原子又は硫黄原子置換したもの等が挙げられる。

0027

上記鎖状の炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基等の飽和炭化水素基アルケニル基等の不飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは飽和炭化水素基が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、オクチル基、メチルヘプチル基、ジメチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、トリメチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2,2,3,3−テトラメチルブチル基、ノニル基、メチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基ジメチルヘプチル基、3−エチルヘプチル基、4−エチルヘプチル基、トリメチルヘキシル基、3,3−ジエチルペンチル基、デシル基ウンデシル基、ドデシル基トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等のアルキル基;ビニル基、n−プロペニル基イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、1−オクテニル基又2−オクテニル基等のアルケニル基;等が挙げられる。

0028

上記環状の炭化水素基としては、脂環式炭化水素基芳香族炭化水素基が挙げられる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、アダマンチル基ノルボルニル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基ナフチル基、ビフェニレル基、メトキシフェニル基、トリクロロフェニル基、エチルフェニル基、トリル基キシリル基ベンジル基等が挙げられる。
上記ハロゲン原子としては、塩素臭素、又はフッ素が好ましく、フッ素がより好ましい。

0029

なかでも、上記有機基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、又は炭素数6〜11の芳香族炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜2のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基がより好ましい。

0030

上記一般式(1)において、R4は、水素原子又は有機基を表す。
R4で表される有機基としては、例えば、上述したR2及びR3で表される有機基と同じものを挙げることができる。なかでも、R4は、炭素数1〜11の鎖状又は環状の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜11の芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることが更に好ましい。

0031

上記構造単位(a1)を有する重合体は、例えば、下記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分を重合することにより得られる。

0032

0033

上記一般式(2)中、R1、R2、R3及びR4は、上記一般式(1)中のR1、R2、R3及びR4とそれぞれ同じである。

0034

上記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル等を好ましく挙げることができる。

0035

上記重合体(A)は、上記構造単位(a1)を1種のみ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。

0036

上記重合体(A)における上記構造単位(a1)の含有割合は、全構造単位100モル%に対して5〜100モル%であることが好ましい。上記構造単位(a1)の含有割合は、接着性能をより一層向上させることができる点で、全構造単位100モル%に対して10モル%以上であることがより好ましく、25モル%以上であることが更に好ましい。
なお、上記構造単位(a1)として2種以上含む場合は、上記含有割合は、その2種以上の合計含有割合である。

0037

上記重合体(A)は、更に、他の構造単位(a2)を有していてもよい。上記他の構造単位(a2)としては、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類以外の他の重合性単量体由来の構造単位が挙げられる。
上記他の重合性単量体としては、例えば、電子不足二重結合を有する重合性単量体が挙げられ、これらは製造する重合体の目的、用途に応じて適宜選択することができる。

0038

上記電子不足二重結合を有する重合性単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−(アセトアセトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸アリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸ヘプタドデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル等のハロゲン含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル等の環状エーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N,N’−ジメチルアミノエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の窒素原子含有重合性単量体類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能性重合性単量体類
2−(メタ)アクイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクロイルイソシアネート等のイソシアネート基含有重合性単量体類
4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の紫外線安定性重合性単量体類;
メチレンブチロラクトン、メチルメチレンブチロラクトン等の重合性環状ラクトン単量体類;(メタ)アクリロニトリル無水マレイン酸
1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イルメタアクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリンテトラヒドロフルフリルアクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレート;等が挙げられる。

0039

上記他の重合性単量体は、炭素数が4〜50であることが好ましく、5〜25であることがより好ましく、5〜15であることが更に好ましい。

0040

上記重合体(A)は、上記他の構造単位(a2)を1種のみ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。

0041

上記重合体(A)における上記構造単位(a2)の含有割合は、全構造単位100モル%に対して0〜95モル%であることが好ましい。上記構造単位(a2)の含有割合は、接着性能を保ちつつ、種々の機能も発現することができる点で、90モル%以下であることがより好ましく、75モル%以下であることが更に好ましい。
なお、上記構造単位(a2)として2種以上含む場合は、上記含有割合は、その2種以上の合計含有割合である。

0042

上記重合体(A)は、主鎖末端に、炭素炭素二重結合を有するシラン化合物由来の末端基を有することが好ましい。後述のように、上記重合体(A)が、炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物を重合開始剤として使用したグループトランスファー重合により製造される場合、上記重合体の主鎖の重合開始側末端には、上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物に由来する基が形成される。

0043

グループトランスファー重合は、後述のように、上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物を重合開始剤としてモノマーを重合させるアニオン重合の一種であり、上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物が、上述したビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の(メタ)アクリル基又は上記構造単位(a2)を与える電子不足二重結合を有する重合性単量体に付加することにより、後述するような炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物由来の構造が末端に形成されると同時に、新たなシリルケテンアセタールが重合体の成長末端側に形成される。そして、形成されたシリルケテンアセタールに、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類又は上記構造単位(a2)を与える電子不足二重結合を有する重合性単量体が更に重合する。このように、単量体成分の重合において、成長末端のシリルケテンアセタールが次々重合体分子の末端へと移ってゆくことにより重合体が得られると考えられている。

0044

上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物由来の末端基としては、例えば、下記一般式(3)、(4)又は(5)で示される構造が好ましく挙げられる。

0045

(式中、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R7は、有機基を表す。)

0046

(式中、R5、R6及びR8は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。)

0047

(式中、R5、R6、R9、R10及びR11は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。)

0048

上記一般式(3)、(4)及び(5)において、R5及びR6で表される有機基としては、上述した有機基と同じ基等が挙げられるが、なかでも、炭素数1〜12の炭化水素基であることが好ましい。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記炭化水素基は、上記炭化水素基を構成する原子の少なくとも一部が、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に置換されていてもよいし、上記炭化水素基を構成する水素原子の一つ以上が、フッ素原子塩素原子臭素原子等のハロゲン原子;水酸基アルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
なかでも、R5及びR6で表される炭化水素基は、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることが更により好ましく、メチル基、エチル基であることが特に好ましい。

0049

R7、R8、R9、R10、R11で表される有機基としては、例えば、上述した有機基と同じ基等が挙げられるが、なかでも、炭素数1〜22の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、アダマンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基であることが更に好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
R7、R8、R9、R10、R11で表される上記炭化水素基は、上記炭化水素基を構成する原子の少なくとも一部が、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に置換されていてもよいし、上記炭化水素基を構成する水素原子の一つ以上が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;水酸基;アルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。

0050

また、R5とR6又はR6とR7〜R11は、結合して環構造を形成していてもよい。上記環構造としては、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル等のシクロアルキル等の脂環式炭化水素構造ジヒドロフラン環、テトラヒドロフラン環ジヒドロピラン環、テトラヒドロピラン環等の含酸素ヘテロ環構造;等が挙げられる。

0051

なお、上記グループトランスファー重合を用いて上記重合体(A)を製造する際に、重合開始剤として、後述する一般式(8)で表されるシリルケテンアセタール、一般式(9)で表されるビニルシラン化合物、一般式(10)で表されるアリルシラン化合物をそれぞれ用いると、得られる重合体は、それぞれ上記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)で表される構造の主鎖末端を有する。
なかでも、上記重合体(A)は、グループトランスファー重合で得られた場合に分子量分布が制御されている点で、主鎖に、上記一般式(3)で表されるシリルケテンアセタール由来の末端基を有することが好ましい。

0052

上記重合体(A)はまた、更に、下記一般式(6)で表される末端構造を有していてもよい。主鎖の片末端に、下記一般式(6)で表される末端構造を有すると、重合体に所望の機能を付与することができる。上記重合体(A)は、主鎖の一方の末端に上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物由来の末端基を有し、もう一方の末端に下記一般式(6)で表される末端構造を有することが好ましい。

0053

0054

(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R4は、水素原子又は有機基を表す。Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシメチル基アリル基又はプロパルギル基を表す。nは、1以上の整数を表す。)

0055

上記一般式(6)中、R1、R2、R3及びR4は、上記一般式(1)中のR1、R2、R3及びR4とそれぞれ同じである。

0056

上記一般式(6)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシメチル基、アリル基又はプロパルギル基を表す。上記アルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
なかでも、上記Xは、重合体の末端基を統一できる点では水素原子であることが好ましく、重合体に機能を付与しやすい点ではプロパルギル基であることが好ましく、重合体の安定性を高める点ではアルキル基であることが好ましい。

0057

上記重合体(A)はまた、主鎖末端に、下記一般式(7)で表される末端構造を有するものであってもよい。後述する一般式(11)で表される化合物を重合開始剤として使用することに由来する構造である。

0058

0059

(式(7)中、R12は、同一又は異なって、水素原子、又は、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基を表す。M1は、同一又は異なって、電子吸引性基を表す。mは1〜3の整数を表し、l+m=3である。)

0060

R12で表されるアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、オクチル基、メチルヘプチル基、ジメチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、トリメチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2,2,3,3−テトラメチルブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基等が挙げられる。

0061

R12で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
R12で表されるヘテロアリール基としては、例えば、フリル基チエニル基等の複素環基が挙げられる。

0062

上記アルキル基、アリール基、及び、ヘテロアリール基は、これらの基を構成する少なくとも1の水素原子が他の原子や基に置換されていてもよい。すなわち、上記アルキル基、アリール基、及び、ヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。上記置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基等が挙げられる。

0063

上記アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。
上記アリール基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。
上記ヘテロアリール基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。

0064

なかでも、R12は、アルキル基、又は、アリール基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基、又は、フェニル基であることがより好ましい。

0065

M1で表される電子吸引性基としては、例えば、ハロゲノ基フルオロ基クロロ基ブロモ基等)、ハロゲノアルキル基シアノ基、カルボキシ基(カルボン酸基)、カルボン酸エステル基(−COOR)、カルボン酸アミド基(−CONR2)、スルホ基スルホン酸基)、ニトロ基等が挙げられる。なかでも、所望の重合体をより一層効率良く製造することができる点で、カルボン酸エステル基、及びその等価体であるシアノ基、カルボン酸アミド基が好ましく、カルボン酸エステル基、シアノ基がより好ましく、カルボン酸エステル基が更に好ましい。

0066

mは1〜3の整数を表し、l+m=3である。lは0〜2の整数を表す。lが2である場合、R1は同一又は異なっていてもよい。mが2又は3である場合、M1は同一又は異なっていてもよい。好ましくは、mは2であり、l+m=3である。

0067

なかでも、上記一般式(7)で表される主鎖末端構造としては、下記一般式(7−1)で表される構造が好ましい。上記主鎖末端構造は、後述するように、式(12)で表される化合物をアニオンとする重合開始剤を使用することに由来する構造である。

0068

0069

(式(7−1)中、R12は、水素原子、又は、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アリール基もしくはヘテロアルキル基を表す。R13及びR14は、同一又は異なって、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
R12は、上述したR12と同様である。
R13及びR14で表される、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば上述したR12で表されるアルキル基のうち炭素数1〜8のものと同様の基が挙げられる。なかでも、R13及びR14は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。

0070

上記重合体(A)は、主鎖の一方の末端に上記一般式(7)で表される末端構造を有し、もう一方の末端に上述した一般式(6)で表される末端構造を有するものであってもよい。

0071

上記重合体(A)は、重量平均分子量が10000以上である。上記重合体(A)が上記範囲の重量平均分子量を有し、かつ、分子量分布が5.0以下であると、接着剤組成物の接着性が優れたものとなる。
上記重合体(A)の重量平均分子量は、より優れた接着性能を発現することができる点で、25000以上であることが好ましく、50000以上であることがより好ましい。上記重合体(A)の重量平均分子量の上限値としては、特に限定されないが、1000000以下が好ましく挙げられる。

0072

上記重合体(A)は、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下である。上記重合体(A)の分子量分布は、重合体の諸物性のばらつきを抑制し、接着性をより一層向上させることができる点で、4.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、2.0以下であることが更に好ましい。下限値は、1.0以上である。上記分子量分布は、「分散度」ともいう。

0073

上記重合体(A)の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用いて測定することができ、具体的には、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。分子量分布は、重量平均分子量を数平均分子量で除することにより算出して求めることができる。

0074

上記重合体(A)は、不溶分の量が、上記重合体100質量%に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましい。
上記不溶分とは、重合体に含まれるゲル成分であり、好ましくは酢酸エチルトルエン又はテトラヒドロフランに対して不溶な成分であり、25℃での溶解度が、酢酸エチル、トルエン又はテトラヒドロフラン100gに対して0.5g以下、好ましくは0.1g以下である。
上記不溶分の量は、上記重合体の濃度が約33質量%となるように、酢酸エチル、トルエン又はテトラヒドロフランを加え、室温で充分に攪拌した後、孔径4μmのフィルターに通し、そのフィルター上に残った不溶分の乾燥後の質量を(b)とし、初期の重合体の質量を(a)とした場合に、(b)/(a)×100より求めることができる。

0075

上記重合体(A)は、上記重合体(A)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定して得られる微分分子量分布曲線において、上記微分分子量分布曲線の最大値の点をTとし、上記微分分子量分布曲線上Tの5%高さの点を低分子量側からL0及びL1とする場合に、T−L0−L1で囲まれた三角形面積(X)と、該微分分子量分布曲線とL0−L1を結ぶ線で囲まれた部分の面積(Y)との比(X/Y)が、0.8〜2.0であることが好ましい。上記重合体が上述の範囲の比を満たすことにより、重合体のゲル化が抑制されていると言える。上記比(X/Y)は、0.8〜1.5であることがより好ましい。
なお、図1に、GPC法により測定して得られる微分分子量分布曲線の概略図と、上記T、L0、L1を示す。
上記GPCの測定条件は、後述する実施例に記載の方法と同様である。

0076

(重合体(A)の製造方法)
上記重合体(A)を製造する方法としては、上述した構成を有する重合体(A)を製造することができる方法であれば、特に限定されないが、上記重合体(A)を効率良く製造することができる点で、上述したビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分をグループトランスファー重合することにより製造する方法が好ましい。グループトランスファー重合を行うことにより、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の(メタ)アクリロイル基のみを重合反応させた重合体を効率良く製造することができる。また、この方法によれば、得られる重合体に含まれるゲル成分(不溶分)の量を低く抑えることができる。

0077

グループトランスファー重合は、シリルケテンアセタール等の炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物を重合開始剤としてモノマーを重合させるアニオン重合の一種である。炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物が、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の(メタ)アクリロイル基等に付加し、新たに形成された重合体の成長末端のシリルケテンアセタールが次々と重合体分子の末端へと移ってゆくことにより重合体が得られる。
このようなグループトランスファー重合を用いることにより、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の重合反応を、室温等の、制御が比較的容易な温度範囲で行うことができる。また、反応系内の水分量を厳密に制御する必要もなく、上記重合反応を行うことができる。更に、上記重合を用いれば、不純物の生成が少なく、高転化率でビニルエーテル基を残存させたままビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体を製造することができる。

0078

上記重合体(A)の好ましい製造方法として、上記グループトランスファー重合を用いた方法を以下に説明する。
上記重合体(A)の製造方法は、上述したビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分を、炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物、及び、触媒の存在下でグループトランスファー重合する工程を含むことが好ましい。

0079

上記の重合反応では、具体的には、反応前に、上記単量体成分、触媒、炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物のうちいずれか2つを反応容器内に仕込み、残り1つを添加することにより重合が開始する。これらを添加する順序については特に限定されず、任意の方法で添加して重合を開始することができる。
また、上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物、触媒、及び、単量体成分は、それぞれ、使用する全量を一度に添加してもよいし、少量ずつ連続的に添加してもよいし、数回に分けて添加してもよい。

0080

上記単量体成分を重合して得られる重合体の分子量は、上記単量体成分の種類及び量や、上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物の種類及び量、上記触媒の種類及び量、使用する溶媒の種類や量により適宜制御することができる。

0081

上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物の使用量は、所望の重合体が得られるのであれば特に限定されないが、より効率的に上記重合体を製造することができる点で、使用する単量体成分に対して、1×10−4〜10モル%であることが好ましく、1×10−3〜5モル%がより好ましく、1×10−2〜1モル%であることが更に好ましい。

0082

上記触媒の使用量は、所望の重合体が得られるのであれば特に限定されないが、より効率的に上記重合体を製造することができる点で、使用する単量体成分に対して、1×10−4〜10モル%であることが好ましく、1×10−3〜5モル%がより好ましく、1×10−2〜1モル%であることが更に好ましい。

0083

上記重合反応は、溶媒を使用せずに行うこともできるが、溶媒を使用することが好ましい。使用する溶媒としては、原料、触媒、重合開始剤、重合体を溶解させることのできる溶媒であれば制限されないが、重合反応が効率良く進行し得る点で、非プロトン性溶媒が好ましい。

0084

本発明において使用する溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレンベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒ヘキサンペンタンヘプタンシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒クロロベンゼンジクロロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒アセトニトリルプロピオニトリルバレロニトリル等のニトリル系溶媒酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル酢酸ブチル等のエステル系溶媒ジメチルホルムアミドDMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒ジエチルエーテルジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタンDME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピランTHP)、アニソールジエチレングリコールジメチルエーテルジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテルカルビトール)、シクロペンチルメチルエーテルCPME)等のエーテル系溶媒ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペンタフルオロベンゼンオクタフルオロトルエン等のフッ素系溶媒;DMSO、ニトロメタン等が挙げられる。
なかでも、重合反応がより一層効率良く進行し得る点で、上記溶媒としては、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、及びニトリル系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒であることがより好ましい。
上記溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0085

上記溶媒の使用量としては、使用する単量体成分総量100質量%に対して、好ましくは10〜10000質量%、より好ましくは50〜5000質量%、更に好ましくは100〜1000質量%が挙げられる。

0086

また、上記重合においては、重合開始時の溶媒中の酸素濃度が1000ppm以下であることが好ましい。重合開始時の溶媒中の酸素濃度が上述の範囲であると、上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物や触媒等の活性がより低下しにくくなるため、重合反応がより良好に進行し、所望の重合体をより効率良く製造することができる。上記酸素濃度は、800ppm以下であることがより好ましく、0〜500ppmであることが更に好ましい。
上記酸素濃度は、ポーラロ方式溶存酸素計により測定することができる。

0087

また、上記重合においては、重合開始時の溶媒中の水分量が1000ppm以下であることが好ましい。重合開始時の溶媒中の水分量が上述の範囲であると、上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物が分解を起こしにくく触媒等の活性がより低下しにくくなるため、重合反応がより良好に進行し、所望の重合体をより効率良く製造することができる。上記水分量は、500ppm以下であることがより好ましく、300ppm以下であることが更に好ましい。
上記水分量は、カールフィッシャー水分測定法により測定することができる。

0088

上記重合における反応温度は、特に制限されないが、分子量及び分子量分布の制御や触媒活性の維持ができる点で、−20〜100℃が好ましく、−10〜50℃がより好ましく、0〜30℃が更に好ましい。また、製造コスト低減の観点から、室温±20℃で重合する工程を含むことも、本発明の製造方法の好ましい形態の一つである。
反応時間は、特に制限されないが、10分〜48時間が好ましく、30分〜36時間がより好ましく、1〜24時間が更に好ましい。

0089

上記重合における反応雰囲気下は、大気下でもよいが、窒素アルゴン等の不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。
また上記重合における雰囲気中の酸素濃度は、10000ppm以下であることが好ましく、1000ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることが更に好ましい。

0090

上記重合反応で得られる重合体は、主鎖末端に開始剤シリル基を含むシリルケテンアセタール構造又はエノレートアニオン構造となっており、反応系内に水、アルコール、又は酸を添加して、重合体の片末端のシリルケテンアセタール又はエノレートアニオンをカルボン酸又はエステルに変換させることにより、重合反応を停止させることができる。
上記アルコールとしては、例えば、メタノールエタノール1−プロパノール2−プロパノール、1−ブタノール2−ブタノール等が挙げられる。
上記酸としては、例えば、塩酸硫酸リン酸等の無機酸や、酢酸安息香酸等の有機酸が挙げられる。
水、アルコール又は酸の使用量としては特に制限されないが、使用する炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物1molに対し、好ましくは1〜1000mol、より好ましくは1〜100mol、更に好ましくは1〜10molである。

0091

また、上記水、アルコール、又は酸の代わりに、求電子剤を添加してもよい。求電子剤を添加することにより、目的の官能基を導入して、重合反応を停止させることができる。上記求電子剤としては、例えば、ヨウ素や臭素等のハロゲンハロゲン化コハク酸イミド化合物ハロゲン化アルキルハロゲン化アリル、ハロゲン化プロパルギルアルデヒド、酸クロライド等が挙げられる。
上記求電子剤の使用量としては、特に限定されないが、使用するシリルケテンアセタール1molに対し、好ましくは0.5〜1.5mol、より好ましくは0.6〜1.3mol、更に好ましくは0.8〜1.2molである。

0092

上記製造方法において使用する単量体成分、炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物、及び、触媒について説明する。

0093

上記単量体成分としては、上記構造単位(a1)を導入し得る単量体と、上記構造単位(a2)を導入し得る単量体が挙げられる。上記構造単位(a1)を導入し得る単量体としては、上述したビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。上記構造単位(a2)を導入し得る単量体としては、上述した他の重合体単量体が挙げられる。
上記各単量体の含有量は、所望の含有割合範囲の構造単位を有する重合体が得られるよう、適宜設定するとよい。

0094

上記炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物としては、例えば、下記一般式(8):

0095

0096

(式中、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R7、R15、R16及びR17は、同一又は異なって、有機基を表す。R5とR6又はR6とR7は、結合して環構造を形成していてもよい。R15、R16及びR17は、これらのうち2つ以上が結合して環構造を形成していてもよい。)
で表されるシリルケテンアセタール、下記一般式(9):

0097

0098

(式中、R5、R6及びR8は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R15、R16及びR17は、同一又は異なって、有機基を表す。R5とR6又はR6とR8は、結合して環構造を形成していてもよい。R15、R16及びR17は、これらのうち2つ以上が結合して環構造を形成していてもよい。)
で表されるビニルシラン化合物、及び、下記一般式(10):

0099

0100

(式中、R5、R6、R9、R10及びR11は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R15、R16及びR17は、同一又は異なって、有機基を表す。R5とR6又はR6とR9、R10、R11は、結合して環構造を形成していてもよい。R15、R16及びR17は、これらのうち2つ以上が結合して環構造を形成していてもよい。)
で表されるアリルシラン化合物の1種又は2種以上が好ましく挙げられる。

0101

なかでも、重合が効率良く進みやすい点で、シリルケテンアセタールがより好ましい。

0102

上記一般式(8)、(9)及び(10)において、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。
上記R5及びR6としては、上述した一般式(3)、(4)、(5)中のR5及びR6とそれぞれ同じものが挙げられる。
上記R7〜R11としては、上述した一般式(3)、(4)、(5)中のR7〜R11とそれぞれ同じものが挙げられる。

0103

上記一般式(8)、(9)及び(10)において、R15、R16及びR17は、同一又は異なって、有機基を表す。
R15、R16及びR17で表される有機基としては、上述した有機基と同じものが挙げられるが、なかでも、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜6の炭化水素基、アルコキシ基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、フェニル基、メトキシ基エトキシ基であることが更に好ましい。

0104

また、上記R15、R16及びR17で表される炭化水素基は、上記炭化水素基を構成する原子の少なくとも一部が、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に置換されていてもよいし、上記炭化水素基を構成する水素原子の一つ以上が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;水酸基;アルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。

0105

上記一般式(8)、(9)及び(10)中の−SiR15R16R17で表される基としては、具体的には、例えば、トリメチルシリル基トリエチルシリル基トリイソプロピルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリメトキシシリル基トリエトキシシリル基等が挙げられる。なかでも、入手容易であることや合成容易である点で、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェニルシリル基が好ましい。

0106

上記一般式(8)で表されるシリルケテンアセタールとしては、具体的には、例えば、メチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリメチルシリル)ジイソプロピルケテンアセタール、メチル(トリエチルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリイソプロピルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(tert−ブチルジメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリメチルシリル)ジエチルケテンアセタール、メチル(トリフェニルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(メチルジフェニルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(ジメチルフェニルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリエトキシシリル)ジメチルケテンアセタール、エチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、2−エチルヘキシル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、tert−ブチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、1−[(1−メトキシ−2−メチル−1−プロペニルオキシ]−1−メチルシラシクロブタン等が挙げられる。
これらの中でも、入手容易である点や合成容易な点、また安定性の点から、メチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリイソプロピルシリル)ジメチルケテンアセタール、エチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタールが好ましい。
上記シリルケテンアセタールは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0107

上記一般式(9)で表されるビニルシラン化合物としては、具体的には、例えば、ビニルトリメチルシラン、1−トリメチルシリルヘキセン、1−トリメチルシリルオクテン、1−トリメチルシリル−1−フェニルエチレン、1−トリメチルシリル−2−フェニルエチレン、ビニル−tert−ブチルジメチルシラン、1−tert−ブチルジメチルシリルヘキセン、1−tert−ブチルジメチルシリルオクテン、1−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェニルエチレン、ビニルトリス(トリメチルシリル)シラン、1−トリス(トリメチルシリル)シリルヘキセン、1−トリス(トリメチルシリル)シリルオクテン、1−トリス(トリメチルシリル)シリル−2−フェニルエチレン等が挙げられる。

0108

上記一般式(10)で表されるアリルシラン化合物としては、具体的には、例えば、3−(トリメチルシリル)−1−プロペン、3−(トリエチルシリル)−1−プロペン、3−(ジメチルエチルシリル)−1−プロペン、3−(トリイソプロピルシリル)−1−プロペン、3−(ジメチルイソプロピルシリル)−1−プロペン、3−(トリノルマルプロピルシリル)−1−プロペン、3−(ジメチルノルマルプロピルシリル)−1−プロペン、3−(トリノルマルブチルシリル)−1−プロペン、3−(ジメチルノルマルブチルシリル)−1−プロペン、3−(トリフェニルシリル)−1−プロペン、3−(ジメチルフェニルシリル)−1−プロペン、2−メチル−3−(トリメチルシリル)−1−プロペン、3−(トリメチルシリル)−2−メチル−1−プロペン、3−(トリフェニルシリル)−2−メチル−1−プロペン等が挙げられる。

0109

上記触媒としては、ブレンステッド塩基ルイス塩基等の塩基性触媒として作用するものが好ましく挙げられ、アルカリ金属水酸化物アルカリ土類金属水酸化物等の無機塩基トリアルキルアミンピリジン等の有機塩基;等が挙げられる。
なかでも、上記触媒としては、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の重合をより一層効率良く行うことができる点で、有機リン化合物、N−ヘテロ環カルベンフッ素イオン含有化合物環状アミン化合物、及び、アンモニウム塩化合物からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。これらの特定の触媒を使用する場合、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類において、ビニルエーテル基のカチオン重合ビニルエーテルの分解が起こりにくく、(メタ)アクリロイル基のみをより一層効率良く重合させることができる。

0110

上記有機リン化合物としては、例えば、1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]−2λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)(ホスファゼン塩基P4−t−BuP4)、1−tert−オクチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]−2λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)(ホスファゼン塩基P4−tOct)、1−tert−ブチル−2,2,4,4,4−ペンタキス(ジメチルアミノ)−2λ5,−4λ5−カテナジ(ホスファゼン)(ホスファゼン塩基P2−t−Bu)、1−エチル−2,2,4,4,4−ペンタキス(ジメチルアミノ)−2λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)(ホスファゼン塩基P2−t−Et)、tert−ブチルイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン(ホスファゼン塩基P1−t−Bu)、tert−ブチルイミノ−トリ(ピロリジノ)ホスホラン(BTPP)、2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン等のホスファゼン塩基;トリス(2,4,6−トリメトキシフェニルホスフィントリブチルホスフィン、トリス(ジメチルアミノホスフィン)、2,8,9−トリイソブチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカン、2,8,9−トリメチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカン、2,8,9−トリイソプロピル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカン;等が挙げられる。なかでも、塩基性が強く、シリルケテンアセタールを効果的に活性化できる点で、ホスファゼン塩基P4−t−BuP4、2,8,9−トリイソブチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカンが好ましい。

0111

上記N−ヘテロ環カルベンとしては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジエチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−シクロヘキシルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−イソプロピルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−メシチルイミダゾール−2−イリデン等が挙げられる。なかでも、シリルケテンアセタールを効果的に活性化できる点で、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−イソプロピルイミダゾール−2−イリデンが好ましい。

0112

上記フッ素イオン含有化合物としては、例えば、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムフルオリド(TASHF2)、フッ化水素−ピリジン、テトラブチルアンモニウムビフルオリド、フッ化水素カリウム等が挙げられる。なかでも、入手容易である点やシリルケテンアセタールを効果的に活性化できる点で、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)、テトラブチルアンモニウムビフルオリド、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムビフルオリド(TASHF2)が好ましい。

0113

上記環状アミン化合物としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン等が挙げられる。

0114

上記アンモニウム塩化合物としては、例えば、テトラブチルアンモニウムビスアセテートテトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムベンゾエート、テトラブチルアンモニウムビスベンゾエート、テトラブチルアンモニウムメタクロロベンゾエート、テトラブチルアンモニウムシアネート、テトラブチルアンモニウムメトキシド、テトラブチルアンモニウムチオレート、テトラブチルアンモニウムビブロマイド、及び、これらのアンモニウム塩化合物のアンモニウムカチオンテトラメチルアンモニウムトリエチルアンモニウムベンジルトリブチルアンモニウム、N−メチル−N−ブチルピペリジニウム、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムカチオンに変えたものやピリジニウムカチオンに変えたもの等が挙げられる。

0115

また、上記の他に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンのような塩基性の強い含窒素複素環化合物も用いることができる。

0116

上記触媒は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0117

上記重合においては、本発明の効果に影響を与えない範囲において、上述した成分以外に、更に他の成分を使用してもよい。上記他の成分としては、例えば、重合反応において通常使用される重合開始剤、連鎖移動剤重合促進剤重合禁止剤等の公知の添加剤等が挙げられる。これらは、必要に応じて適宜選択することができる。

0118

上記重合体(A)を製造する方法としてはまた、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分を、下記一般式(11)で表される重合開始剤の存在下で重合する方法が挙げられる。この製造方法によれば、上述した一般式(7)で表される主鎖末端構造を有する重合体(A)を得ることができる。

0119

0120

(式(11)中、R12は、同一又は異なって、水素原子、又は、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基を表す。M1は、同一又は異なって、電子吸引性基を表す。mは1〜3の整数を表し、l+m=3である。R18、R19、R20及びR21は、同一又は異なって、水素原子、又は、置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基を表す。M2は、窒素原子、又は、リン原子を表す。)

0121

上記一般式(11)で表される重合開始剤は、当該一般式で示されるようにアニオンとカチオンとからなる。
上記一般式(11)中のR12、M1は上述したR12、M1と同じである。
上記アニオンとしては、下記一般式(12)で表されるものが好ましい。

0122

0123

(式(12)中、R12は、水素原子、又は、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アリール基もしくはヘテロアルキル基を表す。R13及びR14は、同一又は異なって、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
R12、R13及びR14は、上述したものとそれぞれ同じである。

0124

上記一般式(11)において、R18、R19、R20及びR21は、同一又は異なって、水素原子、又は、置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基を表す。
上記置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基としては、例えば、上述したR12で表されるものと同様の基等が挙げられる。
R18、R19、R20及びR21で表されるアルキル基は、同一又は異なって、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜8であることがより好ましく、炭素数2〜8であることが更に好ましい。
R18、R19、R20及びR21で表されるアリール基は、同一又は異なって、炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。
R18、R19、R20及びR21で表されるヘテロアリール基は、同一又は異なって、炭素数5〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがより好ましい。
なかでも、R18、R19、R20及びR21は、重合工程で使用する溶媒に対する溶解度が高い点で、アルキル基であることがより好ましい。

0125

上記一般式(11)において、M2は、窒素原子、又は、リン原子を表す。すなわち、上記一般式(11)中のカチオンは、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンであることが好ましく、第四級アンモニウムカチオン、第四級ホスホニウムカチオンであることがより好ましい。

0126

上記アンモニウムカチオンとしては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラオクチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、メチルトリ−n−プロピルアンモニウムカチオン、トリ−n−ブチルメチルアンモニウムカチオン等のアルキルアンモニウムカチオンや、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムカチオン、トリメチルベンジルアンモニウムカチオン、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムカチオン等が挙げられる。

0127

上記ホスホニウムカチオンとしては、ジ−tert−ブチル(メチル)ホスホニウムカチオン、メチルトリフェニルホスホニウムカチオン、エチルトリフェニルホスホニウムカチオン、イソプロピルトリフェニルホスホニウムカチオン、(2−ヒドロキシベンジル)トリフェニルホスホニウムカチオン等のホスホニウムカチオンが挙げられる。

0128

なかでも、上記カチオンとしては、アンモニウムカチオンが好ましく、アルキルアンモニウムカチオンがより好ましく、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラオクチルアンモニウムカチオンが更に好ましい。

0129

上記一般式(11)で表される化合物としては、具体的には、例えば、ジエチルフェニルマロネート−テトラブチルアンモニウム塩、ジエチル2−エチルマロネート−テトラブチルアンモニウム塩、2−ニトプロパネート−テトラブチルアンモニウム塩等が好ましく挙げられる。なかでも、ジエチルフェニルマロネート−テトラブチルアンモニウム塩、ジエチル2−エチルマロネート−テトラブチルアンモニウム塩がより好ましい。

0130

上記一般式(11)で表される重合開始剤は、公知の方法で調製したものであってもよいし、市販品であってもよい。
上記一般式(11)で表される重合開始剤の使用量は、使用する単量体成分総量に対して、0.0001〜20モル%であることが好ましく、0.005〜10モル%であることがより好ましく、0.01〜5モル%であることが更に好ましい。

0131

重合条件は、公知の方法から適宜設定することができ、例えば上述した条件で行うことができるが、重合温度は、−30〜30℃であることが好ましく、−20〜30℃であることがより好ましく、0〜30℃であることが更に好ましい。重合時間は、10分〜24時間が好ましく、20分〜8時間がより好ましく、30分〜5時間が更に好ましい。

0132

重合は、溶媒を使用することが好ましく、上記溶媒は、単量体成分、重合開始剤を溶解させることのできる溶媒であれば特に限定されないが、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒等の有機溶媒が好ましく使用される。

0133

上記製造方法は、上記重合反応工程以外の他の工程を含んでいてもよい。上記他の工程としては、例えば、熟成工程、中和工程、重合開始剤や連鎖移動剤の失活工程、希釈工程、乾燥工程、濃縮工程、精製工程等が挙げられる。これらの工程は、公知の方法により行うことができる。

0134

本発明の接着剤組成物(1)における上記重合体(A)の含有量は、上記接着剤組成物の固形分総量100質量%に対して50〜100質量%であることが好ましく、75〜99質量%であることがより好ましく、90〜98質量%であることが更に好ましい。
なお、本明細書において、「固形分総量」とは、硬化物を形成する成分(硬化物の形成時に揮発する溶媒等や硬化触媒を除く成分)の総量を意味する。

0135

<架橋剤(B)>
本発明において使用する架橋剤としては、上記重合体(A)を架橋しうる化合物であれば、特に限定されないが、なかでも、重合体中のビニルエーテル基と速やかに架橋反応を起こすことができる点で、ビニルエーテル化合物、環状エーテル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、カルボン酸化合物、マレイミド化合物、チオール、メチレンマロン酸ジエステル化合物、及び、α−シアノアクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルエーテル化合物、環状エーテル化合物、チオールがより好ましく、ビニルエーテル化合物、環状エーテル化合物が更に好ましい。架橋剤は、1種のみ使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0136

上記ビニルエーテル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテルエチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテルクロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等のビニルアリールエーテルシクロヘキシルビニルエーテルシクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等の脂環式化合物含有ビニルエーテル;アリルビニルエーテル等のアリル基含有ビニルエーテル;ジエチレングリコールジビニルエーテルトリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等の多官能性ジビニルエーテル;等が挙げられる。

0137

上記環状エーテル化合物としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、1,2−エポキシシクロヘキサン等の単官能エポキシ樹脂;ヘキサンジオールジグリシジルエーテルテトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA ジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、モノアリジグリシジルイソシアヌル酸グリシジルメタクリレート等の2官能エポキシ樹脂トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルソルビトールポリグリシジルエーテル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノエチル)ベンゼン、ノボラック型エポキシ樹脂テトラキスフェノールエタンエポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート等の脂環式オキシラン環を有するエポキシ樹脂;3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン、3−シクロヘキシルオキシメチル−3−エチル−オキセタン等の単官能オキセタン樹脂;ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン等の2官能オキセタン樹脂;トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタン樹脂;テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。

0138

上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌル酸、ジトリメチロルプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の、(メタ)アクリロイル基を有するマクロマー等が挙げられる。

0139

上記カルボン酸化合物としては、例えば、コハク酸マレイン酸アジピン酸リンゴ酸酒石酸アゾベンゼン−4,4’−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、クエン酸トリメリット酸、1,3,5−トリカルボン酸ベンゼン等の分子内に2個以上の官能基を有する化合物;ポリ(メタ)アクリル酸等の側鎖にカルボキシル基を含むような重合体等が挙げられる。

0140

上記マレイミド化合物としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N,N’−テトラメチレンビスマレイミド、ビスフェノールAビス(4−マレイミドフェニルエーテル)、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン等のマレイミド化合物が挙げられる。

0141

上記チオールとしては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,4,6−トリメルカプトトリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−トリアジン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等、分子内に2個以上のチオール基を有する化合物等が挙げられる。また、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸など、分子内にカルボキシル基とチオール基を少なくとも1つずつ含有する化合物であってよい。

0142

上記メチレンマロン酸ジエステル化合物としては、例えば、下記一般式(13)で表されるジエステル化合物や、メチレンマロン酸ジエステルが複数結合した多官能メチレンマロン酸ジエステルが挙げられる。

0143

0144

(式(13)中、R22及びR23は、同一又は異なって、水素原子、もしくは炭素数1〜15の炭化水素基を表すか、又は、R22及びR23が一緒になって炭素数3〜15の2価の炭化水素基を形成している。R24及びR25は、同一又は異なって、炭素数1〜30の1価の有機基を表す。)

0145

上記多官能メチレンマロン酸ジエステルとしては、上記一般式(13)で表されるジエステル化合物と多価アルコールとを両者の間でエステル交換反応が起こる条件下で反応させた反応生成物が挙げられ、例えば、下記一般式(14)又は(15)で表される化合物が挙げられる。

0146

0147

(式(14)中、R22及びR23は、同一又は異なって、水素原子、もしくは炭素数1〜15の炭化水素基を表すか、又は、R22及びR23が一緒になって炭素数3〜15の2価の炭化水素基を形成している。R24は、炭素数1〜30の1価の有機基を表す。R26は、n価の有機基を表す。nは、式(14)中に含まれる括弧内の構造単位の個数を表し、2以上の整数を表す。式(14)中、複数あるR22、R23、及びR24は、それぞれ互いに同一であっても、異なっていてもよい。)

0148

0149

(式(15)中、R22及びR23は、同一又は異なって、水素原子、もしくは炭素数1〜15の炭化水素基を表すか、又は、R22及びR23が一緒になって炭素数3〜15の2価の炭化水素基を形成している。R24は、炭素数1〜30の1価の有機基を表す。R27は、2価の有機基を表す。R28は、水酸基、又は、1価の有機基を表す。mは、式(15)中に含まれる括弧内の構造単位の個数を表し、2以上の整数を表す。複数あるR22、R23及びR27は、それぞれ互いに同一であっても、異なっていてもよい。)

0150

上記一般式(13)、(14)及び(15)において、R22及びR23で表される炭化水素基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
R22及びR23で表される炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基(アミル基)、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、イソプロピル基、2−メチルブチル基、イソアミル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、ネオノニル基、2−エチルヘプチル基、2−プロピルヘキシル基、2−ブチルペンチル基、イソデシル基、ネオデシル基、2−エチルオクチル基、2−プロピルヘプチル基、2−ブチルヘキシル基、イソウンデシル基、ネオウンデシル基、2−エチルノニル基、2−プロピルオクチル基、2−ブチルヘプチル基、2−ペンチルヘキシル基、イソドデシル基、ネオドデシル基、2−エチルデシル基、2−プロピルノニル基、2−ブチルオクチル基、2−ペンチルヘプチル基、イソトリデシル基、ネオトリデシル基、2−エチルウンデシル基、2−プロピルデシル基、2−ブチルオクチル基、2−ペンチルオクチル基、2−ヘキシルヘプチル基、イソテトラデシル基、ネオテトラデシル基、2−エチルドデシル基、2−プロピルウンデシル基、2−ブチルデシル基、2−ペンチルノニル基、2−ヘキシルオクチル基、イソペンタデシル基、ネオペンタデシル基、シクロヘキシルメチル基、ベンジル基等が挙げられる。

0151

上記一般式(13)、(14)及び(15)において、R22及びR23は、少なくとも一方が水素原子であってもよく、両方が水素原子であってもよいが、R22及びR23の両方が水素原子であることが好ましい。

0152

上記R22及びR23はまた、R22及びR23が一緒になって炭素数3〜15の2価の炭化水素基を形成していてもよい。この場合の上記2価の炭化水素基の炭素数としては、4〜12が好ましく、5〜9がより好ましい。
上記2価の炭化水素基の具体例としては、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,5−ヘキシレン基等が挙げられる。

0153

上記一般式(13)、(14)及び(15)において、R24及びR25は、同一又は異なって、1価の有機基である。上記有機基としては、1価の炭化水素基、1価のヘテロ原子含有基等が挙げられ、これらは1又は2以上の置換基を有していてもよい。上記置換基としては、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、アジド基、シアノ基、アシル基アシルオキシ基、カルボキシル基、複素環基、エステル基等が挙げられ、これらはさらに置換基で置換されていてもよい。
R24及びR25の有する置換基の数に制限はないが、それぞれ5個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましい。

0154

R24及びR25の炭素数はそれぞれ1〜30であり、1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜6であることが特に好ましい。
R24及びR25が1又は2以上の置換基を有する場合には、置換基を含めた炭素数がそれぞれ上記炭素数の範囲であることが好ましい。

0155

上記1価の炭化水素基は、1価の脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状脂肪族炭化水素基分岐鎖状脂肪族炭化水素基、及び脂環式炭化水素基のいずれであってもよい。また、上記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。
上記脂環式炭化水素基は、環状の脂肪族炭化水素部分を有する基であって、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素部分を有していてもよい。
上記芳香族炭化水素基は、芳香環を有する基であって、脂肪族部分を有していてもよい。

0156

上記脂肪族炭化水素基としては、上述した脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、上述した芳香族炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
なかでも、上記1価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、飽和脂肪族炭化水素基がより好ましい。

0157

上記1価のヘテロ原子含有基としては、ポリアルキレンオキシド基ポリエステル基等が挙げられる。

0158

上記R24及びR25は、R24及びR25が一緒になって炭素数3〜30の2価の有機基を形成していてもよい。この場合の2価の有機基の炭素数としては、3〜10が好ましく、3〜6がより好ましい。
上記2価の有機基としては、2価の炭化水素基が挙げられ、上記2価の炭化水素基の具体例としては、2,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1、5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,5−ヘキシレン基等が挙げられる。

0159

上記2価の有機基は、炭素数3〜15の2価の炭化水素基の一つ以上の水素原子が置換基に置換された基であってもよい。上記置換基としては、例えば、上述したR24及びR25における置換基と同じ基等が挙げられる。上記2価の有機基は、置換基を1〜5個有することが好ましく、1〜3個有することがより好ましい。
上記2価の有機基は、2価のヘテロ原子含有基であってもよく、上記2価のヘテロ原子含有基としては、ポリアルキレンオキシド、ポリエステル基等が挙げられる。

0160

上記一般式(14)におけるR26は、n価の有機基であり、2価以上の有機基であり、例えば、ポリオールから2以上の水酸基を除いた残基であることが好ましい。
上記ポリオールとしては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン、グリセリンにアルキレングリコールを付加した化合物、エリトリトールキシリトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
nの上限は特に限定されないが、100以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、6以下であることが更に好ましい。

0161

R26で表されるn価の有機基の炭素数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜15であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。

0162

上記一般式(15)におけるR27は、2価の有機基である。
R27で表される2価の有機基としては、例えば、上述した2価の有機基と同じ基等が挙げられるが、好ましくは、ジオールから2個の水酸基を除いた残基、ポリアルキレングリコールから2個の水酸基を除いた残基等が挙げられる。
上記ジオール又はポリアルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。

0163

R27で表される2価の有機基は、炭素数が1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜15であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。

0164

上記一般式(15)におけるR28は、水酸基、又は、1価の有機基を表す。
R28で表される1価の有機基としては、特に限定されず、例えば、上述したR24及びR25で表される1価の有機基と同じ基等を挙げることができる。
R28は、水酸基、又は、下記一般式(16)で表される基であることが好ましい。

0165

0166

(式(16)中、R22及びR23は、同一又は異なって、水素原子、もしくは炭素数1〜15の炭化水素基を表すか、又は、R22及びR23が一緒になって炭素数3〜15の2価の炭化水素基を形成している。R25は、炭素数1〜30の1価の有機基を表す。)

0167

上記一般式(16)における、R22、R23、及びR25としては、それぞれ上述したR22、R23、R25と同じものが挙げられる。

0168

上記一般式(13)で表されるジエステル化合物の具体例としては、例えば、メチレンマロン酸メチルプロピル、メチレンマロン酸ジヘキシル、メチレンマロン酸ジシクロヘキシル、メチレンマロン酸ジイソプロピル、メチレンマロン酸ブチルメチル、メチレンマロン酸エトキシエチルエチル、メチレンマロン酸メトキシエチルメチル、メチレンマロン酸ヘキシルエチル、メチレンマロン酸ジペンチル、メチレンマロン酸エチルペンチル、メチレンマロン酸メチルペンチル、メチレンマロン酸エチルエチルメトキシル、メチレンマロン酸エトキシエチルメチル、メチレンマロン酸ブチルエチル、メチレンマロン酸ジブチル、メチレンマロン酸ジエチル(DEMM)、メチレンマロン酸ジエトキシエチル、メチレンマロン酸ジメチル、メチレンマロン酸ジ−n−プロピル、メチレンマロン酸エチルヘキシル、メチレンマロン酸フェンキルメチル、メチレンマロン酸メンチルメチル、メチレンマロン酸2−フェニルプロピルエチル、メチレンマロン酸3−フェニルプロピル、メチレンマロン酸ジメトキシエチル等が挙げられる。

0169

上記α−シアノアクリル酸エステルとしては、従来公知のα−シアノアクリル酸エステルが使用可能であり、具体的には、メチル−α−シアノアクリル酸エステル、エチル−α−シアノアクリル酸エステル、プロピル−α−シアノアクリル酸エステル、ブチル−α−シアノアクリル酸エステル、シクロヘキシル−α−シアノアクリル酸エステル等のアルキル及びシクロアルキル−α−シアノアクリル酸エステル;アリル−α−シアノアクリル酸エステル、メタリル−α−シアノアクリル酸エステル、シクロヘキセニル−α−シアノアクリル酸エステル等のアルケニル及びシクロアルケニル−α−シアノアクリル酸エステル;プロパンギル−α−シアノアクリル酸エステル等のアルキニル−α−シアノアクリル酸エステル;フェニル−α−シアノアクリル酸エステル、トルイル−α−シアノアクリル酸エステル等のアリール−α−シアノアクリル酸エステル;ヘテロ原子を含有するメトキシエチル−α−シアノアクリル酸エステル、エトキシエチル−α−シアノアクリル酸エステル、フルフリル−α−シアノアクリル酸エステル;ケイ素を含有するトリメチルシリルメチル−α−シアノアクリル酸エステル、トリメチルシリルエチル−α−シアノアクリル酸エステル、トリメチルシリルプロピル−α−シアノアクリル酸エステル、ジメチルビニルシリルメチル−α−シアノアクリル酸エステル;等が挙げられる。

0170

この他に、上記架橋剤(B)として、ビニルエーテル基と反応し架橋構造を形成しうる化合物を用いることもできる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコールジプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、ポリカーボネートジオールグリセロール等の脂肪族アルコール;4,4’−ビフェノール、ビスフェノールA等の芳香族アルコール;無水マレイン酸等の酸無水物;等が挙げられる。

0171

上記架橋剤(B)は、1種のみ使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
上記架橋剤(B)の含有量は、上記接着剤組成物の固形分総量100質量%に対して、0〜50質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、2〜10質量%であることが更に好ましい。

0172

<硬化触媒(C)>
本発明において使用する硬化触媒としては、特に限定されないが、好ましくは、カチオン硬化触媒、及び、ラジカル硬化触媒からなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。なかでも、ビニルエーテル基の架橋反応が速やかに進行しやすい点で、カチオン硬化触媒が好ましい。
カチオン硬化触媒、ラジカル硬化触媒のどちらの場合も、接着剤の実施形態に応じて、熱潜在性又は光潜在性のものを用いることもできる。これらの触媒は、1種のみ使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0173

熱潜在性カチオン硬化触媒
熱潜在性カチオン硬化触媒としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。これらは、光照射によっては実用的な量のカチオン活性種を発生し得ない化合物であり、カチオン活性種を発生する温度は、40℃〜200℃が好ましく、60℃〜180℃がより好ましく、80℃〜150℃が更に好ましい。上記熱潜在性カチオン硬化触媒として、非イオン性の硬化触媒と、イオン性の硬化触媒が挙げられる。

0174

上記熱潜在性カチオン硬化触媒のうち、非イオン性硬化触媒としては、有機ホウ素化合物等のルイス酸部と、アミン、ピリジン等の窒素含有化合物、ホスフィン等のリン含有化合物スルフィド等の硫黄含有化合物等のルイス塩基部との組み合わせからなる化合物が挙げられる。

0175

上記熱潜在性カチオン硬化触媒のうち、イオン性硬化触媒としては、例えば、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウム、(4−ヒドロキシフェニル)メチル−o−トリルスルホニウム、(4−アセトキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム等のカチオンと、テトラフルオロボレートヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラキス(ペンタフルオロフェニルボレート、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミドトリシアノメタニド等のアニオンとの組み合わせからなる化合物が挙げられる。

0176

(光潜在性カチオン硬化触媒)
光潜在性カチオン硬化触媒としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、非イオン性の硬化触媒とイオン性の硬化触媒が挙げられる。上記非イオン性の硬化触媒としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体リン酸エステルフェノールスルホン酸エステルジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドホスホナート等が挙げられる。上記イオン性の硬化触媒としては、例えば、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス〔4−(ジフェニルスルフォニオ)−フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニル〕スルフィド、4−クロロフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウム、η5−2,4−(シクロペンタジェニル)〔1,2,3,4,5,6−η−(メチルエチル)ベンゼン〕−Fe(1+)等のカチオンと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のアニオンとの組み合わせからなる化合物が挙げられる。また、必要に応じてチオキサントン等の光増感剤を添加しても良い。

0177

(熱潜在性ラジカル硬化触媒)
熱潜在性ラジカル硬化触媒としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイドジクミルパーオキサイドジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;等が挙げられる。

0178

(光潜在性ラジカル硬化触媒)
光潜在性ラジカル硬化触媒としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−1フェニルプロパノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4’−モルホリノブチロフェノン等のアルキルフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]−1,2−オクタンジオン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)エタノン等のオキシムエステル類;ベンゾイルぎ酸メチル等が挙げられる。

0179

上記硬化触媒(C)の含有量は、上記重合体(A)と架橋剤(B)の総和を100質量部とした場合に、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることが更に好ましい。

0180

本発明の接着剤組成物(1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した成分以外に、他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、溶剤紫外線吸収剤、光増感剤、酸化防止剤色材可塑剤粘着付与剤レベリング剤無機微粒子有機微粒子消泡剤シランカップリング剤帯電防止剤発泡抑制剤フィラー等が挙げられる。これらの成分は、目的に応じて、公知のものから適宜選択して使用することができる。また、これらの使用量も適宜設定することができる。

0181

接着剤組成物(2)
本発明の第二の接着剤組成物(以下、「接着剤組成物(2)」とも称する。)は、重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む接着剤組成物であって、上記重合体(A)は、上記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分のグループトランスファー重合物であることを特徴とする。
このようなグループトランスファー重合物を含む接着剤組成物もまた接着性に優れる。

0182

上記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分のグループトランスファー重合物は、上記単量体成分をグループトランスファー重合して得られる重合体である。上記接着剤組成物(2)において使用される重合体(A)としては、具体的には、上記接着剤組成物(1)において使用される重合体(A)と同様のものが挙げられる。
上記接着剤組成物(2)において使用される架橋剤(B)としては、上記接着剤組成物(1)において使用される架橋剤(B)と同様のものが挙げられる。
上記接着剤組成物(2)において使用される硬化触媒(C)としては、上記接着剤組成物(1)において使用される硬化触媒(C)と同様のものが挙げられる。

0183

また、上記接着剤組成物(2)は、更に他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、上記接着剤組成物(1)で使用される他の成分と同じものが挙げられる。
各成分の含有量は、上述した接着剤組成物(1)において使用されるものとそれぞれ同じ量が挙げられる。
本明細書ではまた、上記接着剤組成物(1)及び(2)を合わせて「本発明の接着剤組成物」とも称する。

0184

<接着剤組成物の製造方法>
本発明の接着剤組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述した各成分を、各種の混合機分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。混合分散は、特に限定されず、公知の手法により行えばよい。また、通常行われる他の工程を更に含むものであってもよい。例えば、色材を含む場合、溶媒や分散剤等を用いて色材組成物を予め調製し、次いで、上述した各成分と混合してもよい。

0185

使用方法
本発明の接着剤組成物の使用方法としては、例えば、上記接着剤組成物を基材上に塗布し、塗布物を乾燥、加熱、又は活性エネルギー線照射、あるいはこれらの組み合わせにより、塗布物を硬化させて接着剤層を形成する方法等が挙げられる。

0186

上記基材としては、特に限定されず、例えば、木材、ガラス、SUS板ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニルPVC)等の各種プラスチック、あるいはこれらの組合せからなる公知の基材が挙げられる。

0187

塗布方法は、特に限定されず、グラビアコートロールコート、バーコート、アプリケーター等の公知の方法で行うことができる。

0188

乾燥又は加熱方法は、接着剤組成物の組成、目的、用途に応じて、公知の方法から適宜選択すればよいが、例えば、40〜150℃で行うことが好ましく、60〜120℃で行うことがより好ましい。乾燥加熱時間は、1〜30分間であることが好ましく、2〜10分間であることがより好ましい。

0189

活性エネルギー線照射は、赤外線、紫外線、X線電子線等の活性エネルギー線を用いて公知の方法で行うことができる。照射量は、接着剤組成物の組成、用途に応じて適宜設定することができる。

0190

<用途>
本発明の接着剤組成物は、優れた接着性を有する。本発明の接着剤組成物は、優れた接着性が必要とされる用途に好適に使用することができ、具体的には、例えば、接着シート接着フィルム接着テープ両面テープ表面保護フィルム表面保護テープマスキングテープ、太陽電池モジュール用バックシート等、広範囲において好適に使用することができる。

0191

以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を、それぞれ意味するものとする。
下記の製造例で得られた重合体の各種物性は以下のようにして測定した。

0192

<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び、分子量分布(Mw/Mn)>
得られた重合体をテトラヒドロフランで溶解・希釈し、孔径0.45μmのフィルターで濾過したものを、下記条件A又はBの、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置及び条件で測定した。なお、条件Aでも条件Bでも分析結果に相違はないことを確認している。
(条件A)
装置:HLC−8020GPC(東ソー社製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質標準ポリスチレン(東ソー社製)
分離カラム:TSKgel SuperHM−M、TSKgel SuperH−RC(いずれも東ソー社製)
(条件B)
装置:HLC−8320GPC(東ソー社製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:標準ポリスチレン(東ソー社製)
分離カラム:TSKgel SuperHZ−M、TSKgel SuperH−RC(いずれも東ソー社製)

0193

<1H−NMR測定
得られた重合体について、下記の条件で1H−NMR測定を行った。
装置:アジレント・テクノロジー社製核磁気共鳴装置(600MHz)
測定溶媒:重クロロホルム
サンプル調製:得られた重合体の数mg〜数十mgを測定溶媒に溶解した。

0194

重合体の合成
(製造例1)重合体A
シュレンクフラスコに、脱水テトラヒドロフラン(113部)、ジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール(メチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタールとも称する。)(0.44部)、テトラブチルアンモニウムベンゾエート(Sigma−Aldrich社製、0.01部)を入れ、窒素気流下、室温で攪拌しながら、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(以下、「VEEM」と称する。)(50部)をゆっくり滴下した。混合物を室温で5時間攪拌した後、酢酸エチルで希釈しシリカゲルショートカラムに通すことで触媒を除去した。得られた溶液を濃縮し、重合体Aを得た。得られた重合体Aを1H−NMRで確認したところ、ビニルエーテル由来のピークを確認し、積分値からビニルエーテル基がすべて残存していることが分かった。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は25900、数平均分子量(Mn)は22100、分子量分布(Mw/Mn)は1.17であった。

0195

(製造例2)重合体B
シュレンクフラスコに、脱水テトラヒドロフラン(120部)、ジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール(0.87部)、テトラブチルアンモニウムベンゾエート(0.02部)を入れ、窒素気流下、室温で攪拌しながら、モノマー混合液(VEEM(40部)、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と称する。)(20部))をゆっくり滴下した。混合物を室温で5時間攪拌した後、酢酸エチルで希釈しシリカゲルショートカラムに通すことで触媒を除去した。得られた溶液を濃縮し、共重合体(重合体B)を得た。得られた重合体Bを1H−NMRで確認したところ、ビニルエーテル由来のピークを確認し、積分値からビニルエーテル基がすべて残存していることが分かった。得られた重合体Bの重量平均分子量(Mw)は18200、数平均分子量(Mn)は14200、分子量分布(Mw/Mn)は1.28であった。また、重合体Bのモノマー組成比は、VEEM/MMA=50/50(モル比)であった。

0196

(製造例3)重合体C
シュレンクフラスコに、脱水テトラヒドロフラン(85部)、ジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール(0.85部)、テトラブチルアンモニウムベンゾエート(0.01部)を入れ、窒素気流下、室温で攪拌しながら、モノマー混合液(VEEM(10部)、MMA(45部))をゆっくり滴下した。混合物を室温で5時間攪拌した後、酢酸エチルで希釈しシリカゲルショートカラムに通すことで触媒を除去した。得られた溶液を濃縮し、共重合体(重合体C)を得た。得られた重合体Cを1H−NMRで確認したところ、ビニルエーテル由来のピークを確認し、積分値からビニルエーテル基がすべて残存していることが分かった。得られた重合体Cの重量平均分子量(Mw)は15000、数平均分子量(Mn)は12800、分子量分布(Mw/Mn)は1.17であった。また、重合体Cのモノマー組成比は、VEEM/MMA=10/90(モル比)であった。

0197

(製造例4)重合体D
温度計不活性ガス導入管還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」と称する。)(30部)、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と称する。)(70部)を加え反応溶液とした。バブリングによって反応溶液中に窒素ガスを通じ、3時間脱気を行った後、不活性ガス導入管から窒素ガスを流通させながら反応溶液を70℃まで昇温し、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリルAIBN)(0.34部)のMEK溶液(5部)を反応溶液に加えた。その後同温で20時間撹拌し、室温まで放冷後MEK(100部)を加えて重合体溶液を得た。この重合体溶液を、ヘキサンを用いて再沈殿することによりGMA重合体(重合体D)を得た。
得られた重合体Dの重量平均分子量(Mw)は125800、数平均分子量(Mn)は23200、分子量分布(Mw/Mn)は5.42であった。

0198

(実施例1〜3、比較例1)
接着剤組成物の調製
表1に示す配合となるように、上記で得られた重合体A〜Dのいずれかと、硬化触媒(サンエイドSI−110、三新化学工業社製)、溶剤(酢酸エチル)とを混合し、接着剤組成物を調製した。なお、表中の重合体の配合量は、固形分換算量である。

0199

0200

得られた接着剤組成物について、JIS K6850:1999を参考し、下記の方法にて、引張せん断接着強さの測定を行った。結果を表2に示す。
<試験片の作成>
基板としてSUS304製の板(寸法は25×100mm、厚さ2mm)を用いた。基板はサンドペーパー#240(アズワン社製)によって長軸方向に充分研磨し、汚れ凹凸のない面を調製し、キシレンを含む不織布で繰り返し拭き、不織布に金属粉が付着しなくなるまで洗浄した。その後アセトン洗浄し、70℃のオーブンで完全に乾燥させた。
得られた接着剤組成物を、厚さ100μmとなるように上記基板の研磨面の一端に塗布したものを2枚用意し、完全に乾燥する前に、図2に示すように治具を用いて重ね合わせた。重ね合わせる長さは12.5mm±0.25mmとした。ずれないようにクリップ2つを用いて重なり面を固定し、はみ出した接着剤組成物はスパチュラ、不織布等を用いて速やかに除去した。これを表1に記載の温度及び時間で加熱して接着剤組成物を硬化させ、引張せん断接着強さの測定用の試験片を得た。

0201

<引張せん断接着強さの測定方法
温度23℃の恒温槽内で、JIS K6850:1999に規定される手順により測定を行った。試験片のつかみ部分は、滑るのを防ぐためにマスキングテープを巻いた。重ね合わせ部分の端から50mm離れた場所を試験装置グリップで挟み、10MPa/分の荷重速度試験機を動かした。破断時の力の最高値を記録し、貼り合わせ面積で除すことで引張せん断接着強さを求めた。

0202

実施例

0203

表2より、ビニルエーテル基含有重合体を用いた接着剤組成物(実施例1〜3)の硬化物は、環状エーテル基を有するGMA重合体を用いたコーティング組成物(比較例1)の硬化物と比べて、格段に強いせん断接着強さを示すことが確認された。
また、ビニルエーテル基含有重合体を用いた接着剤組成物(実施例1〜3)においては、重合体に占めるビニルエーテル基含有モノマーの組成比が大きい程、より強いせん断接着強さを示すことが確認された。

0204

1 微分分子量分布曲線
2基板
3接着剤組成物
4 治具

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