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技術 光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法

出願人 株式会社カネカ
発明者 笠井知世平井義則岸本成己
出願日 2018年5月22日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2018-098317
公開日 2021年9月30日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-151955
状態 未査定
技術分野 水添ピリジン系化合物
主要キーワード 工程生成物 光学活性成分 開発室 CM番号 凍結乾燥微生物 カプリアビダス 超臨界媒体 乾燥微生物
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この項目の情報は公開日時点(2021年9月30日)のものです。
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課題

アミノピペリジンの2つのアミノ基の両方の保護を必須としなくても高純度光学活性−cis−アミノピペリジンを製造可能な方法を提供する。

解決手段

ラセミ−cis−ニペコタミド(2)を光学活性体にする光学活性体製造工程、得られた光学活性−cis−ニペコタミド(3)を脱CO転位反応させて光学活性−cis−アミノピペリジン(4)にする転位工程、を有する光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。

概要

背景

医薬品中間体として有用な光学活性−cis−アミノピペリジンとして、2−置換−5−アミノピペリジンが知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1は、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害する化合物として、ピロロ[2,3−d]ピリミジニル、ピロロ[2,3−b]ピラジニル、ピロロ[2,3−d]ピリジニルアクリルアミドなどを開示しており、前記化合物を製造する中間工程として、下記の工程を開示している。下記の工程では2−置換−5−アミノピペリジンとしてのラセミ(2S,5R)−ベンジル−5−アミノ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシラート(化合物(e))が製造されている。

概要

アミノピペリジンの2つのアミノ基の両方の保護を必須としなくても高純度な光学活性−cis−アミノピペリジンを製造可能な方法を提供する。ラセミ−cis−ニペコタミド(2)を光学活性体にする光学活性体製造工程、得られた光学活性−cis−ニペコタミド(3)を脱CO転位反応させて光学活性−cis−アミノピペリジン(4)にする転位工程、を有する光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。なし

目的

本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、アミノピペリジンの2つのアミノ基の両方の保護を必須としなくても高純度な光学活性−cis−アミノピペリジンを製造可能な方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記式(2)で表されるラセミ−cis−ニペコタミド光学活性体にする光学活性体製造工程、前記光学活性体製造工程で得られた式(3)で表される光学活性−cis−ニペコタミドを脱CO転位反応させて下記式(4)で表される光学活性−cis−アミノピペリジンにする転位工程、を有する光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基又はアミノ基とがシスの関係にあることを示す。*はそれが付された炭素原子不斉炭素であることと該不斉炭素を有する化合物が光学活性体であることを示す。)

請求項2

前記式(2)で表されるラセミ−cis−ニペコタミドの下記式で求まるシス体過剰率が35%de以上である請求項1に記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100

請求項3

式(3)で表される光学活性−cis−ニペコタミド及び式(4)で表される光学活性−cis−アミノピペリジンの一方又は両方を晶析し、シス体過剰率と光学純度の両方を高める請求項1又は2に記載の製造方法。

請求項4

下記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミドを光学活性体にする光学活性体製造工程、前記光学活性体製造工程で得られた下記式(3a)で表される光学活性−cis−N無保護ニペコタミドとアミノ基保護試薬とを反応させるN保護工程、前記N保護工程で得られた下記式(3b)で表される光学活性−cis−N保護ニペコタミドを脱CO転位反応させて下記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミピペリジンにする転位工程、を有する請求項1に記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。(式中、R1、cis、及び*は前記と同じ。Proはアミノ基の保護基を示す。)

請求項5

下記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミドとアミノ基保護試薬とを反応させるN保護工程、前記N保護工程で得られた下記式(2b)で表されるラセミ−cis−N保護ニペコタミドを光学活性体にする光学活性体製造工程、前記光学活性体製造工程で得られた下記式(3b)で表される光学活性−cis−N保護ニペコタミドを脱CO転位反応させて下記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミノピペリジンにする転位工程、を有する請求項4に記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。(式中、R1、cis、及び*は前記と同じ。Proはアミノ基の保護基を示す。)

請求項6

前記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミドの下記式で求まるシス体過剰率が35%de以上である請求項4又は5に記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100

請求項7

前記式(3b)で表される光学活性−cis−N保護ニペコタミド及び前記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミノピペリジンの一方又は両方を晶析し、シス体過剰率と光学純度の両方を高める請求項4〜6のいずれかに記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。

請求項8

下記式(1)で表されるニコチンアミド金属触媒の存在下で水素化して前記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミドを製造する還元工程をさらに有する請求項4〜7のいずれかに記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。(式中、R1及びcisは前記と同じ。)

請求項9

下記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミノピペリジンを脱保護して下記式(4b)で表される光学活性−cis−N無保護アミノピペリジンを製造する脱保護工程をさらに有する請求項4〜8のいずれかに記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。(式中、R1、Pro、cis及び*は前記と同じ。)

請求項10

下記式で求まるシス体過剰率が35%de〜99%deである下記式(2)で表されるラセミ−cis−ニペコタミド。シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。)

請求項11

下記式(2a)又は下記式(2bx)で表されるラセミ−cis−ニペコタミド。(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Pro(x)はアミノ基の保護基(ただし、t−ブトキシカルボニル基を除く)を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。)

請求項12

下記式で求まるシス体過剰率が35%de〜99%deである下記式(3)で表される光学活性−cis−ニペコタミド。シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。*はそれが付された炭素原子が不斉炭素であることと該不斉炭素を有する化合物が光学活性体であることを示す。)

請求項13

下記式(3a)又は下記式(3bx)で表される光学活性−cis−ニペコタミド。(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Pro(x)はアミノ基の保護基(ただし、t−ブトキシカルボニル基を除く)を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。)

請求項14

下記式で求まるシス体過剰率が35%de以上である下記式(3)で表される光学活性−cis−ニペコタミドを晶析してシス体過剰率と光学純度の両方を高める光学活性−cis−ニペコタミドの精製方法。シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。*はそれが付された炭素原子が不斉炭素であることと該不斉炭素を有する化合物が光学活性体であることを示す。)

請求項15

下記式で求まるシス体過剰率が35%de以上である下記式(4)で表される光学活性−cis−アミノピペリジンを晶析してシス体過剰率と光学純度の両方を高める光学活性−cis−アミノピペリジンの精製方法。シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミノ基とがシスの関係にあることを示す。*はそれが付された炭素原子が不斉炭素であることと該不斉炭素を有する化合物が光学活性体であることを示す。)

技術分野

0001

本発明は医薬品中間体として有用な光学活性−cis−アミノピペリジンに関する。

背景技術

0002

医薬品中間体として有用な光学活性−cis−アミノピペリジンとして、2−置換−5−アミノピペリジンが知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1は、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害する化合物として、ピロロ[2,3−d]ピリミジニル、ピロロ[2,3−b]ピラジニル、ピロロ[2,3−d]ピリジニルアクリルアミドなどを開示しており、前記化合物を製造する中間工程として、下記の工程を開示している。下記の工程では2−置換−5−アミノピペリジンとしてのラセミ(2S,5R)−ベンジル−5−アミノ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシラート(化合物(e))が製造されている。

0003

先行技術

0004

特表2016−539137号公報(実施例5)

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、前記ラセミ(2S,5R)−ベンジル−5−アミノ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシラートは光学活性体ではないため、後の工程で光学活性体にする必要がある。またアミノピペリジンの2つの窒素原子の両方を保護した化合物(d)の精製を経て初めて環外アミノ基が保護されていないアミノピペリジン化合物(e)の精製が可能となり、簡便に純度の高い光学活性−cis−アミノピペリジンを製造することができない。さらに前記化合物(d)は、超臨界媒体を用いた光学活性カラムによって精製されており、極めて煩雑かつ非効率である。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、アミノピペリジンの2つのアミノ基の両方の保護を必須としなくても高純度な光学活性−cis−アミノピペリジンを製造可能な方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、2−置換−5−アミノピペリジン又はその前駆体であるニペコタミドのシス/トランス比を適切な範囲にすると、アミノピペリジンの2つのアミノ基の両方の保護を必須としなくても高純度な光学活性−cis−アミノピペリジンを製造できることを見出し、本発明を完成した。

0007

すなわち本発明は、以下の通りである。
[1] 下記式(2)で表されるラセミ−cis−ニペコタミドを光学活性体にする光学活性体製造工程、
前記光学活性体製造工程で得られた式(3)で表される光学活性−cis−ニペコタミドを脱CO転位反応させて下記式(4)で表される光学活性−cis−アミノピペリジンにする転位工程、
を有する光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。




(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基又はアミノ基とがシスの関係にあることを示す。*はそれが付された炭素原子不斉炭素であることと該不斉炭素を有する化合物が光学活性体であることを示す。)
[2] 前記式(2)で表されるラセミ−cis−ニペコタミドの下記式で求まるシス体過剰率が35%de以上である[1]に記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。
シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100
[3] 式(3)で表される光学活性−cis−ニペコタミド及び式(4)で表される光学活性−cis−アミノピペリジンの一方又は両方を晶析し、シス体過剰率と光学純度の両方を高める[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 下記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミドを光学活性体にする光学活性体製造工程、
前記光学活性体製造工程で得られた下記式(3a)で表される光学活性−cis−N無保護ニペコタミドとアミノ基保護試薬とを反応させるN保護工程、
前記N保護工程で得られた下記式(3b)で表される光学活性−cis−N保護ニペコタミドを脱CO転位反応させて下記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミピペリジンにする転位工程、
を有する[1]に記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。




(式中、R1、cis、及び*は前記と同じ。Proはアミノ基の保護基を示す。)
[5] 下記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミドとアミノ基保護試薬とを反応させるN保護工程、
前記N保護工程で得られた下記式(2b)で表されるラセミ−cis−N保護ニペコタミドを光学活性体にする光学活性体製造工程、
前記光学活性体製造工程で得られた下記式(3b)で表される光学活性−cis−N保護ニペコタミドを脱CO転位反応させて下記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミノピペリジンにする転位工程、
を有する[4]に記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。




(式中、R1、cis、及び*は前記と同じ。Proはアミノ基の保護基を示す。)
[6] 前記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミドの下記式で求まるシス体過剰率が35%de以上である[4]又は[5]に記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。
シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100
[7] 前記式(3b)で表される光学活性−cis−N保護ニペコタミド及び前記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミノピペリジンの一方又は両方を晶析し、シス体過剰率と光学純度の両方を高める[4]〜[6]のいずれかに記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。
[8] 下記式(1)で表されるニコチンアミド金属触媒の存在下で水素化して前記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミドを製造する還元工程をさらに有する[4]〜[7]のいずれかに記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。




(式中、R1及びcisは前記と同じ。)
[9] 下記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミノピペリジンを脱保護して下記式(4b)で表される光学活性−cis−N無保護アミノピペリジンを製造する脱保護工程をさらに有する[4]〜[8]のいずれかに記載の光学活性−cis−アミノピペリジンの製造方法。




(式中、R1、Pro、cis及び*は前記と同じ。)
[10] 下記式で求まるシス体過剰率が35%de〜99%deである下記式(2)で表されるラセミ−cis−ニペコタミド。
シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100




(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。)
[11] 下記式(2a)又は下記式(2bx)で表されるラセミ−cis−ニペコタミド。




(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Pro(x)はアミノ基の保護基(ただし、t−ブトキシカルボニル基を除く)を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。)
[12] 下記式で求まるシス体過剰率が35%de〜99%deである下記式(3)で表される光学活性−cis−ニペコタミド。
シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100




(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。*はそれが付された炭素原子が不斉炭素であることと該不斉炭素を有する化合物が光学活性体であることを示す。)
[13] 下記式(3a)又は下記式(3bx)で表される光学活性−cis−ニペコタミド。




(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Pro(x)はアミノ基の保護基(ただし、t−ブトキシカルボニル基を除く)を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。)
[14] 下記式で求まるシス体過剰率が35%de以上である下記式(3)で表される光学活性−cis−ニペコタミドを晶析してシス体過剰率と光学純度の両方を高める光学活性−cis−ニペコタミドの精製方法
シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100




(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基とがシスの関係にあることを示す。*はそれが付された炭素原子が不斉炭素であることと該不斉炭素を有する化合物が光学活性体であることを示す。)
[15] 下記式で求まるシス体過剰率が35%de以上である下記式(4)で表される光学活性−cis−アミノピペリジンを晶析してシス体過剰率と光学純度の両方を高める光学活性−cis−アミノピペリジンの精製方法。
シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100




(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミノ基とがシスの関係にあることを示す。*はそれが付された炭素原子が不斉炭素であることと該不斉炭素を有する化合物が光学活性体であることを示す。)

0008

なお本明細書において、アミン基を有する化合物、例えば、式(2)、式(2a)、式(2b)、又は式(2bx)で表されるラセミ−cis−ニペコタミド;式(3)、式(3a)、式(3b)、又は式(3bx)で表される光学活性−cis−ニペコタミド;式(4)、式(4a)、又は式(4b)で表される光学活性−cis−アミノピペリジンは、いずれも塩を含むものとして定義される。

発明の効果

0009

本発明によればアミノピペリジンの2つのアミノ基の両方の保護を必須としなくても高純度な光学活性−cis−アミノピペリジンを製造できる。

0010

(A)化合物(2)、化合物(3)から化合物(4)を製造する工程
光学活性−cis−アミノピペリジンは下記式(4)で表され(以下、化合物(4)という場合がある)、該化合物(4)は、概略、
下記式(2)で表されるラセミ−cis−ニペコタミド(以下、化合物(2)という場合がある)を光学活性体にする光学活性体製造工程(工程A1)、及び
前記光学活性体製造工程で得られた式(3)で表される光学活性−cis−ニペコタミド(以下、化合物(3)という場合がある)を脱CO転位反応させて前記化合物(4)にする転位工程(工程A2)、
によって製造される。

0011

0012

(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、P1はアミノ基の保護基又は水素原子を示す。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基又はアミノ基とがシスの関係にあることを示す。*はそれが付された炭素原子が不斉炭素であることと該不斉炭素を有する化合物が光学活性体であることを示す。)
前記方法によれば、式(3)化合物及び式(4)化合物のいずれでも晶析が可能であり、高純度の式(4)化合物を簡便に製造できる。特に式(4)化合物の環外アミノ基を保護しなくても式(4)化合物を晶析できる点で優れている。

0013

R1で示されるアルキル基としては、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基を含む)、ブチル基、ペンチル基ヘキシル基などが挙げられる。好ましくは炭素数が1〜3のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などがより好ましく、メチル基が特に好ましい。

0014

P1で示されるアミノ基の保護基としては、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis 4th edition(出版社:John Wiley & Sons Inc.)696〜926ページ記載の保護基が挙げられる。好ましくは、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などのカルバメート系保護基や、アセチル基ベンゾイル基などのアシル系保護基、ベンジル基が挙げられる。より好ましくはカルバメート系保護基である。

0015

なお化合物(2)のうち、下記式(2a)で表される化合物(以下、化合物(2a)という場合がある)や下記式(2bx)で表される化合物(以下、化合物(2bx)という場合がある)は、新規な化合物であり、好ましい。

0016

0017

(式中、R1及びcisは前記と同じである。Pro(x)は、水素原子及びt−ブトキシカルボニル基を含まない以外は、前記P1と同じである。)

0018

また化合物(3)のうち、シス体過剰率が35%de〜99%deであるものも、新規な化合物であり好ましい。
なお本明細書においてシス体過剰率とは下記式によって算出される値を意味する。
シス体過剰率(%de)=(シス体の物質量−トランス体の物質量)/(シス体の物質量+トランス体の物質量)×100

0019

さらに化合物(3)のうち、下記式(3a)で表される化合物(以下、化合物(3a)という場合がある)や下記式(3bx)で表される化合物(以下、化合物(3bx)という場合がある)も、新規な化合物であり、好ましい。

0020

0021

(式中、R1、Pro(x)、cis、及び*は前記と同じ。)

0022

化合物(3)としてはR1基が結合する炭素がS配置であり、CONH2基が結合する炭素がR配置となるものが好ましい。化合物(4)としてはR1基が結合する炭素がS配置であり、NH2基が結合する炭素がR配置となるものが好ましい。

0023

前記化合物(2)、化合物(2a)、化合物(2bx)、化合物(3)、化合物(3a)、化合物(3bx)、化合物(4)などは前述した通り、塩であってもよい。塩は各化合物の製造工程で生じたものであってもよく、塩ではない各化合物を酸で処理することで得られたものであってもよい。各化合物の塩としては、塩化水素臭化水素硫酸硝酸等の鉱酸トリフルオロメタンスルホン酸パラトルエンスルホン酸メタンスルホン酸等のスルホン酸類酢酸トリフルオロ酢酸などのカルボン酸類を酸成分として含む塩が挙げられ、好ましくは塩化水素、臭化水素、硫酸などを酸成分として含む塩が挙げられ、更に好ましくは塩化水素を酸成分として含む塩が挙げられる。

0024

(A1)光学活性体製造工程
本(A1)光学活性体製造工程の工程原料となる化合物(2)としては、シス体過剰率が10%de以上であってもよいが、35%de以上又は40%de以上であるものが好ましく、50%de以上であるものがより好ましい。シス体過剰率が高いほど、化合物(3)や化合物(4)の晶析が容易になる。シス体過剰率は100%deであってもよいが、99%de以下、97%de以下、90%de以下、80%de以下、又は70%de以下であってもよい。

0025

光学活性体製造工程で化合物(2)から化合物(3)を製造する方法は特に限定されず、例えば、化合物(2)の一方の光学活性成分を選択的に異性化させて他方の光学活性成分に揃える方法(方法1)、化合物(2)の一方の光学活性成分に選択的に作用する分割剤を使用して光学活性体を取得する方法(方法2)、化学触媒又は酵素源などを用いて化合物(2)の一方の光学活性成分を選択的に用いて分解し、他方の光学活性成分を光学活性体として残す(好ましくは回収する)方法(方法3)などが挙げられ、方法3が好ましく、酵素源を用いる方法3が特に好ましい。

0026

酵素源を用いる方法3では、ラセミ−cis−ニペコタミド(2)の一方の光学活性成分を加水分解して下記式(5)で表される光学活性−cis−ニペコチン酸(以下、化合物(5)という場合がある)にし、他方の光学活性成分を光学活性−cis−ニペコタミド(3)として残す方法(方法4)が好ましい。

0027

0028

(式中、R1、P1、及び*は前記と同じ。cisはピペリジン環に結合するR1基とアミド基又はカルボン酸基とがシスの関係にあることを示す。)

0029

前記方法4で使用する酵素源は、化合物(2)を光学選択的に化合物(5)に加水分解する能力を有すればよく、したがって酵素そのものの他、上記加水分解活性を有する微生物培養物およびその処理物も含まれる。「微生物の培養物」とは、菌体を含む培養液あるいは培養菌体を意味し、「その処理物」とは、例えば、粗抽出液凍結乾燥微生物体、アセトン乾燥微生物体、又はそれら菌体の磨砕物等を意味し、上記加水分解活性を有する限りはこれに含まれる。さらに酵素源は、前記酵素又は菌体を固定化したもの(固定化酵素固定化菌体)などであってよい。

0030

酵素又は菌体の固定化は、当業者に周知の方法(例えば架橋法物理的吸着法、包括法等)で行うことができる。例えば、樹脂に酵素を固定化する場合、樹脂に酵素を吸着し、架橋剤を作用させればよい。前記樹脂としては、陰イオン交換樹脂などのイオン交換樹脂が好ましい。酵素に吸着させる前に樹脂を前処理してもよく、前処理としては、NaCl水溶液、純水などによる樹脂洗浄アルカリ水水酸化ナトリウム水溶液など)によるpH調整(好ましいpHは約7.5〜8.5)、脱液などが含まれる。架橋剤としては、例えば、グルタルアルデヒドが挙げられる。架橋後、架橋剤を必要に応じて不活性化してもよく、グルタルアルデヒドの不活性化には、トリス緩衝液(濃度は、0.01〜2M程度、pHは7.5〜8.5程度)を使用するのが好ましい。架橋剤を不活性化した後の樹脂は、必要に応じて、NaCl水溶液で洗浄してもよい。

0031

ラセミの化合物(2)を光学活性を有する化合物(5)に光学選択的に加水分解する能力を有する酵素源としては、例えば、アクロモバクター(Achromobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、カプリアビダス(Cupriavidus)属、ペクトバクテリウム(Pectobacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、およびスタフィロコッカス(Staphylococcus)属からなる群から選ばれた微生物由来の酵素源が挙げられる。なおこれら酵素源が所定の加水分解能を有することは、本明細書の実施例の欄と国際公開第2008/102720号パンフレットとの両方の記載を合わせて考えれば理解できる。

0032

前記酵素源のうち、CONH2基が結合する炭素がS配置となるcis−ニペコタミドを立体選択的に加水分解する能力を有する酵素源としては、例えば、アクロモバクター(Achromobacter)属、カプリアビダス(Cupriavidus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属からなる群から選ばれた微生物由来の酵素源が挙げられる。好ましくは、アクロモバクター キシロソキシダンスサブスピーシーズキシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxidans subsp. xylosoxidans)、カプリアビダスエスピー(Cupriavidus sp.)、シュードモナスクロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)、ロドコッカスエリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)等の微生物由来の酵素源が挙げられる。より好ましくは、アクロモバクター キシロソキシダンス サブスピーシーズ キシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxidans subsp. xylosoxidans)NBRC13495、カプリアビダス エスピー(Cupriavidus sp.)KNK−J915株(FERM BP−10739)、シュードモナス クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)NBRC3904、ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)IAM1440である。

0033

前記酵素源のうち、CONH2基が結合する炭素がR配置となるcis−ニペコタミドを立体選択的に加水分解する能力を有する酵素源としては、例えば、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ペクトバクテリウム(Pectobacterium)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属からなる群から選ばれた微生物由来の酵素源が挙げられる。好ましくは、ブレビバクテリウム ヨーデナム(Brevibacterium iodinum)、シュードモナスフラジ(Pseudomonas fragi)、ペクトバクテリウム カロトボラムサブスピーシーズカロトボラム(Pectobacterium carotovorum subsp. carotovorum)、スタフィロコッカスエピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)等の微生物由来の酵素源が挙げられる。より好ましくはブレビバクテリウム ヨーデナム(Brevibacterium iodinum)NBRC3558、シュードモナス フラジ(Pseudomonas fragi)NBRC3458、ペクトバクテリウム カロトボラム サブスピーシーズ カロトボラム(Pectobacterium carotovorum subsp. carotovorum)NBRC12380、スタフィロコッカス エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)JCM2414である。

0034

前記各微生物は、特許微生物寄託機関やその他研究機関から入手可能である。例えば、NBRC番号で特定される微生物は、独立行政法人製品評価技術基盤機構生物遺伝資源部門、FERM番号で特定される微生物は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、IAM番号で特定される微生物は、東京大分子細胞生物学研究所細胞機能情報研究センター、JCM番号で特定される微生物は、独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室より入手可能である。

0035

また、前記微生物由来の加水分解酵素の産生能を有する微生物としては、野生株および変異株のうち、いずれでもよい。あるいは細胞融合又は遺伝子操作等の遺伝学的手法により誘導される微生物も用いることができる。遺伝子操作された本酵素を生産する微生物は、例えば、国際公開第98/35025号パンフレットに記載されたように、酵素を単離及び/又は精製して酵素のアミノ酸配列の一部又は全部を決定する工程、このアミノ酸配列に基づいて酵素をコードするDNA配列を得る工程、このDNAを他の微生物に導入して組換え微生物を得る工程、及びこの組換え微生物を培養して、本酵素を得る工程を含有する方法等により得ることができる。上記のような組換え微生物としては、前記加水分解酵素をコードするDNAを有するプラスミド形質転換された形質転換微生物が挙げられる。また、宿主微生物としてはエシェリヒアコリ(Escherichia coli)が好ましい。

0036

方法4における化合物(2)の立体選択的な加水分解反応は、例えば、酵素源と化合物(2)とを適当な溶媒(例えば、水)中で攪拌することで行うことができる。攪拌反応に使用し得る酵素源としては、例えば、前記微生物の培養物、その処理物、前記固定化酵素などが好ましい。反応条件は用いる酵素源、基質濃度等によって異なるが、通常、基質濃度は約0.1〜100重量%、好ましくは1〜60重量%であり、反応温度は10〜60℃、好ましくは20〜50℃であり、反応時間は1〜120時間で行うことができる。基質一括、又は連続的に添加して行うことができる。反応はバッチ方式又は連続方式で行うことができる。前記攪拌による加水分解反応は、pH調整下で行ってもよい。pH調整するときの反応時のpHは4〜11、好ましくは6〜9である。

0037

方法4で生じた光学活性な化合物(3)は、必要に応じて精製できる。例えば、加水分解反応で生じた化合物(3)を含む反応液を、水酸化ナトリウム等を用いて解塩し、酢酸エチルトルエン等の有機溶媒で抽出し、有機溶媒を減圧下で留去した後、蒸留、又はクロマトグラフィー等の処理を行うことにより、精製できる。このようにして得られた化合物(3)は、化合物(5)を含んでいなくてもよく、含んでいてもよい。化合物(5)を含んでいても、化合物(3)及び化合物(4)の少なくとも一方(好ましくは両方)を晶析することによって、化合物(5)を除去できる。

0038

本発明では前記化合物(3)を適当な段階で、晶析してもよい。例えば、前記の様にして有機溶媒で抽出した溶液に、適宜、濃縮溶媒置換貧溶媒添加、冷却等の適当な手段を適用することで晶析してもよい。また、反応液から微生物菌体を除去したろ液を、水酸化ナトリウム等を用いて中和晶析し、析出した目的物をろ別してもよい。
前記晶析によって化合物(3)のシス体過剰率及び光学純度(鏡像体過剰率)の少なくとも一方を高めることができ、好ましくはシス体過剰率及び光学純度(鏡像体過剰率)の両方を高めることができる。

0039

化合物(3)の晶析溶媒は、化合物(3)の溶解性に応じて適宜選択でき、後述する(A2)転位工程で例示する反応溶媒と同じものが晶析溶媒として例示できる。好ましい晶析溶媒は、化合物(3)のP1が水素原子の場合は水であり、P1がアミノ基の保護基の場合は酢酸エチルなどのエステル系溶媒である。

0040

以上の様にして得られる化合物(3)としては、シス体過剰率が10%de以上であってもよいが、35%de以上又は40%de以上であるものが好ましく、50%de以上であるものがより好ましい。シス体過剰率は100%deであってもよいが、99%de以下、又は97%de以下であってもよい。なお化合物(3)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(3)のシス体過剰率は、化合物(2)のシス体過剰率と同様であってもよい。晶析前の化合物(3)のシス体過剰率が高いほど、化合物(3)の晶析が容易になる。晶析によってシス体過剰率は、例えば、0%de以上、好ましくは10%de以上、より好ましくは20%de以上、よりさらに好ましくは30%de以上、向上する。

0041

以上の様にして得られる化合物(3)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、30%ee以上であり、好ましくは50%ee以上であり、より好ましくは70%ee以上である。光学純度(鏡像体過剰率)は100%eeであってもよく、99.9%ee以下であってもよい。なお化合物(3)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(3)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、99%ee以下であってもよく、95%ee以下であってもよく、90%ee以下であってもよい。晶析によって光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、0%ee以上、好ましくは5%ee以上、より好ましくは8%ee以上、向上する。

0042

(A2)転位工程
前記転位工程(A2)で化合物(3)から化合物(4)を製造する転位工程では、ホフマン転位などの様に、化合物RX−C(=O)−NH2のC(=O)が脱離してRXとNH2とが直接結合して化合物RX−NH2を生成する転位反応(脱CO転位反応)が行われる。

0043

脱CO転位反応は、前記化合物(3)に酸化剤と塩基を作用させることにより行うことができる。酸化剤としては、例えば、塩素臭素次亜塩素酸ナトリウムが挙げられ、好ましくは次亜塩素酸ナトリウムである。酸化剤の使用量としては特に限定されないが、前記化合物(3)1モルに対して、例えば、1〜10モルであり、好ましくは1〜3モルである。

0044

塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水酸化バリウム水酸化マグネシウム等の金属水酸化物リチウムメトキシドリチウムエトキシドナトリウムメトキシドナトリウムエトキシドカリウムメトキシドカリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシドを用いることができる。好ましくは水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムが挙げられる。塩基の使用量としては特に限定されないが、前記化合物(3)1モルに対して、例えば、0.5〜30モルであり、好ましくは3〜15モルである。

0045

脱CO転位反応の温度は、例えば、−20〜100℃であり、好ましくは−5〜70℃である。反応時間は、例えば、30分〜24時間であり、好ましくは1〜12時間である。

0046

脱CO転位反応では溶媒を使用するのが好ましく、該溶媒としては、水、有機溶媒などが使用できる。有機溶媒としては、メタノールエタノールイソプロパノール等のアルコール系溶媒テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンエチレングリコールジメチルエーテルメチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒アセトニトリルプロピオニトリル等のニトリル系溶媒塩化メチレンクロロホルム等のハロゲン系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒シメチルプロピレンウレア等のウレア系溶媒;ヘキサメチルホスホン酸トリアミド等のホスホン酸トリアミド系溶媒が挙げられる。これらの反応溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは、水、テトラヒドロフラン、トルエンである。
溶媒の使用量は前記化合物(3)1重量部に対し、例えば、2〜50重量部、好ましくは5〜20重量部である。

0047

脱CO転位反応の際の前記化合物(3)、酸化剤、塩基、及び反応溶媒の添加方法添加順序は特に制限されないが、収量向上の観点から最後に酸化剤を滴下するのが好ましい。反応後の処理法は特に制限されないが、一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を加えて目的物である化合物(4)を抽出することが好ましい。またこの抽出に先だって、反応液のpHを約2〜6程度、好ましくは3〜5程度に調整し、有機層を除去しておくことが好ましい。得られた抽出液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物である化合物(4)が得られる。

0048

特に本発明によれば、晶析などによって前記化合物(4)を結晶として取得でき、好ましい。国際公開第2008/102720号パンフレットに記載のホフマン転位生成物が結晶化しないことに比べると、本発明は脱CO転位反応生成物である化合物(4)が結晶化する点に特徴があり、精製が容易である。前記晶析によって化合物(4)のシス体過剰率及び光学純度(鏡像体過剰率)の少なくとも一方を高めることができ、好ましくはシス体過剰率及び光学純度(鏡像体過剰率)の両方を高めることができる。特に化合物(4)が塩酸塩、パラトルエンスルホン酸塩などの塩であると、晶析による精製がより容易になる。化合物(4)を塩として晶析するには、化合物(4)と、酸の存在下、晶析溶媒で処理するのが好ましい。

0049

化合物(4)の晶析溶媒としては、前記脱CO転位反応工程で例示する反応溶媒と同じものが晶析溶媒として例示できる。好ましい晶析溶媒は、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒である。

0050

以上の様にして得られる化合物(4)としては、シス体過剰率が10%de以上であってもよいが、35%de以上又は40%de以上であるものが好ましく、80%de以上であるものがより好ましく、90%de以上であるものがよりさらに好ましく、95%de以上又は99%de以上であるものが最も好ましい。シス体過剰率は100%deであってもよいが、99.9%de以下であってもよい。なお化合物(4)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(4)のシス体過剰率は、例えば、10%de以上であり、好ましくは35%de以上又は40%de以上であり、より好ましくは50%de以上又は60%de以上である。化合物(4)のシス体過剰率が高いほど、化合物(4)の晶析が容易になる。晶析によってシス体過剰率は、例えば、0%de以上、好ましくは2%de以上、より好ましくは5%de以上、よりさらに好ましくは10%de以上向上する。

0051

以上の様にして得られる化合物(4)の光学純度(鏡像体過剰率)、例えば、50%ee以上であり、好ましくは90%ee以上であり、より好ましくは98%ee以上である。光学純度(鏡像体過剰率)は100%eeであってもよく、99.9%ee以下であってもよい。化合物(4)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(4)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、50%ee以上であり、好ましくは90%ee以上である。晶析によって光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、0%ee以上、好ましくは1%ee以上、より好ましくは3%ee以上向上する。

0052

(B)化合物(2a)、化合物(3a)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程
前記「(A)化合物(2)、化合物(3)から化合物(4)を製造する工程」は、「(B)化合物(2a)、化合物(3a)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程」、「(C)化合物(2a)、化合物(2b)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程」などであることが好ましい。

0053

「(B)化合物(2a)、化合物(3a)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程」とは、
下記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミド(以下、化合物(2a)という場合がある)を光学活性体にする光学活性体製造工程(工程B1)、
前記光学活性体製造工程で得られた下記式(3a)で表される光学活性−cis−N無保護ニペコタミド(以下、化合物(3a)という場合がある)とアミノ基保護試薬とを反応させるN保護工程(工程B2)、及び
前記N保護工程で得られた下記式(3b)で表される光学活性−cis−N保護ニペコタミド(以下、化合物(3b)という場合がある)を脱CO転位反応させて下記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミノピペリジンにする転位工程(工程B3)
を含む工程のことをいう。

0054

(式中、R1、cis、及び*は前記と同じ。Proはアミノ基の保護基を示す。)

0055

R1の具体例及び好ましい範囲は前記「(A)化合物(2)、化合物(3)から化合物(4)を製造する工程」の場合と同じである。またProの具体例及び好ましい範囲は、水素原子が含まれないこと以外は前記P1と同じである。前記化合物(2a)、(3a)、(3b)、(4a)などが塩である時の塩の具体例は、前記「(A)化合物(2)、化合物(3)から化合物(4)を製造する工程」の場合と同じである。

0056

化合物(3a)、化合物(3b)としてはR1基が結合する炭素がS配置であり、CONH2基が結合する炭素がR配置となるものが好ましい。化合物(4a)としてはR1基が結合する炭素がS配置であり、NH2基が結合する炭素がR配置となるものが好ましい。

0057

(B1)光学活性体製造工程
本(B1)光学活性体製造工程の工程原料となる化合物(2a)のシス体過剰率は、前記化合物(2)のシス体過剰率と同様である。シス体過剰率が高いほど、化合物(3a)、化合物(3b)、化合物(4a)などの晶析が容易になる。
本(B1)光学活性体製造工程の詳細及び好ましい態様は、工程原料が化合物(2a)であり工程生成物が化合物(3a)である点以外は、前記(A1)光学活性体製造工程と同様である。
また(B1)光学活性体製造工程の反応液から、式(5)で表される光学活性−cis−ニペコチン酸を分離しないまま、化合物(3a)を次工程である(B2)N保護工程に用いてもよい。次工程以降の適当な段階で晶析することによって、化合物(5)を分離できる。

0058

本(B1)光学活性体製造工程で得られる化合物(3a)としては、シス体過剰率が10%de以上であってもよいが、35%de以上又は40%de以上であるものが好ましく、50%de以上であるものがより好ましい。シス体過剰率は100%deであってもよいが、95%de以下、90%de以下、又は85%de以下であってもよい。
化合物(3a)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、30%ee以上であり、好ましくは50%ee以上であり、より好ましくは70%ee以上である。光学純度(鏡像体過剰率)は100%eeであってもよく、99%ee以下であってもよく、97%ee以下であってもよい。

0059

(B2)N保護工程
本(B2)N保護工程では、工程原料である化合物(3a)に、塩基存在下で保護剤を作用させるのが好ましい。保護剤は、基Proの種類に応じて適宜選択でき、二炭酸ジアルキル等の酸無水物、クロロギ酸アルキルクロロギ酸ベンジルアルキルハライド、ベンジルハライドアセチルハライドベンゾイルハライド等の酸ハロゲン化物などが好ましく、クロロギ酸ベンジルがより好ましい。保護剤の使用量は、前記化合物(3a)1モルに対して、例えば、0.5〜10モルであり、好ましくは1.0〜5モルである。

0060

塩基としては、例えば、トリエチルアミントリn−ブチルアミンN−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ジイソプロピルエチルアミンピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の第3級アミン類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;炭酸リチウム炭酸ナトリウム炭酸カリウム等の金属炭酸塩炭酸水素リチウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩;リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシドを用いることができる。好ましくは、トリエチルアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムであり、更に好ましくは水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムである。塩基の使用量は、前記化合物(3a)1モルに対して、例えば、0.1〜10モルであり、好ましくは1.0〜5モルである。

0061

本(B2)N保護工程の反応溶媒としては、前記(A2)転位工程の反応溶媒と同じものが例示できる。好ましくはTHF、水である。溶媒の使用量は特に限定されないが、前記化合物(3a)1重量部に対して、例えば、2〜50重量部、好ましくは5〜20重量部である。

0062

なお、含水溶媒系で本(B2)N保護工程を実施する際には、前記保護剤の加水分解が進行する。反応液のpHを制御しつつ、前記保護剤と前記塩基を徐々に添加しながら反応を行うと、保護剤の加水分解を抑制できる。反応液のpHは、6〜14が好ましく、7〜13がさらに好ましい。

0063

本(B2)N保護工程の反応温度は、例えば、−20〜80℃であり、好ましくは0〜50℃である。反応時間は特に制限されないが、例えば、30分〜24時間であり、好ましくは1〜6時間である。

0064

(B2)N保護工程での化合物(3a)、塩基、保護剤、及び反応溶媒の添加方法や添加順序は特に制限されないが、前記化合物(3a)と反応溶媒の混合物に、塩基と保護剤を、pHを制御しながら徐々に添加することが好ましい。

0065

本(B2)N保護工程で得られた反応液はそのまま次工程に用いてもよいが、必要に応じて後処理を行ってもよい。後処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応終了後の反応液に一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出操作を行えばよい。

0066

特に本(B2)N保護工程では、得られた化合物(3b)を晶析することが好ましい。化合物(3b)を晶析することによって、シス体過剰率及び光学純度(鏡像体過剰率)の少なくとも一方、好ましくは両方を高める事ができる。また工程原料である化合物(3a)が化合物(5)を含む場合であっても、この晶析で化合物(5)を簡便に除去できる。

0067

化合物(3b)の晶析溶媒は、化合物(3b)の溶解性に応じて適宜選択でき、前記(A2)転位工程で例示する反応溶媒と同じものが晶析溶媒として例示できる。好ましい晶析溶媒は、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒である。

0068

本(B2)N保護工程で得られる化合物(3b)としては、シス体過剰率が10%de以上であってもよいが、35%de以上又は40%de以上であるものが好ましく、60%de以上であるものがより好ましく、70%de以上であるものが最も好ましい。シス体過剰率は100%deであってもよいが、99%de以下、又は97%de以下であってもよい。なお化合物(3b)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(3b)のシス体過剰率は、化合物(2a)のシス体過剰率と同様であってもよい。晶析前の化合物(3b)のシス体過剰率が高いほど、化合物(3b)の晶析が容易になる。晶析によってシス体過剰率は、例えば、0%de以上、好ましくは10%de以上、より好ましくは30%de以上、向上する。
化合物(3b)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、30%ee以上であり、好ましくは70%ee以上であり、より好ましくは90%ee以上である。光学純度(鏡像体過剰率)は100%eeであってもよく、99.9%ee以下であってもよい。なお化合物(3b)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(3b)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、99%ee以下であってもよく、95%ee以下であってもよく、90%ee以下であってもよい。晶析によって光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、0%ee以上、好ましくは5%ee以上、より好ましくは8%ee以上、向上する。

0069

(B3)転位工程
本(B3)転位工程の詳細及び好ましい態様は、工程原料が化合物(3b)であり工程生成物が化合物(4a)である点以外は、前記(A2)転位工程と同様である。
(B3)転位工程によって得られる化合物(4a)としては、シス体過剰率が10%de以上であってもよいが、40%de以上であるものが好ましく、80%de以上であるものがより好ましく、90%de以上であるものがよりさらに好ましく、95%de以上又は99%de以上であるものが最も好ましい。シス体過剰率は100%deであってもよいが、99.9%de以下であってもよい。なお化合物(4a)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(4a)のシス体過剰率は、例えば、10%de以上であり、好ましくは35%de以上又は40%de以上であり、より好ましくは50%de以上又は60%de以上である。化合物(4a)のシス体過剰率が高いほど、化合物(4a)の晶析が容易になる。晶析によってシス体過剰率は、例えば、0%de以上、好ましくは2%de以上、より好ましくは5%de以上、よりさらに好ましくは10%de以上向上する。
化合物(4a)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、50%ee以上であり、好ましくは90%ee以上であり、より好ましくは98%ee以上である。光学純度(鏡像体過剰率)は100%eeであってもよく、99.9%ee以下であってもよい。化合物(4a)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(4a)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、50%ee以上であり、好ましくは90%ee以上である。晶析によって光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、0%ee以上、好ましくは1%ee以上、より好ましくは3%ee以上、向上する。

0070

(C)化合物(2a)、化合物(2b)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程
「(C)化合物(2a)、化合物(2b)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程」とは、
下記式(2a)で表されるラセミ−cis−N無保護ニペコタミド(化合物(2a))とアミノ基保護試薬とを反応させるN保護工程(工程C1)、
前記N保護工程で得られた下記式(2b)で表されるラセミ−cis−N保護ニペコタミド(以下、化合物(2b)という場合がある)を光学活性体にする光学活性体製造工程(工程C2)、及び
前記光学活性体製造工程で得られた下記式(3b)で表される光学活性−cis−N保護ニペコタミド(化合物(3b))を脱CO転位反応させて下記式(4a)で表される光学活性−cis−N保護アミノピペリジン(化合物(4a))にする転位工程(工程C3)、
を含む工程のことをいう。

0071

(式中、R1、cis、及び*は前記と同じ。Proはアミノ基の保護基を示す。)

0072

R1の具体例及び好ましい範囲は前記「(A)化合物(2)、化合物(3)から化合物(4)を製造する工程」の場合と同じである。またProの具体例及び好ましい範囲は、水素原子が含まれないこと以外は前記P1と同じである。前記化合物(2a)、(2b)、(3b)、(4a)などが塩である時の塩の具体例は、前記「(A)化合物(2)、化合物(3)から化合物(4)を製造する工程」の場合と同じである。

0073

化合物(3b)としてはR1基が結合する炭素がS配置であり、CONH2基が結合する炭素がR配置となるものが好ましい。化合物(4a)としてはR1基が結合する炭素がS配置であり、NH2基が結合する炭素がR配置となるものが好ましい。

0074

(C1)N保護工程
本(C1)N保護工程の工程原料となる化合物(2a)のシス体過剰率は、前記化合物(2)のシス体過剰率と同様である。シス体過剰率が高いほど、化合物(3b)、化合物(4a)などの晶析が容易になる。
本(C1)N保護工程の詳細及び好ましい態様は、工程原料が化合物(2a)であり工程生成物が化合物(2b)である点以外は、前記(B2)N保護工程と同様である。
化合物(2b)のシス体過剰率は、工程原料である化合物(2a)のシス体過剰率と同様である。

0075

(C2)光学活性体製造工程
本(C2)光学活性体製造工程の詳細及び好ましい態様は、工程原料が化合物(2b)であり工程生成物が化合物(3b)である点以外は、前記(A1)光学活性体製造工程と同様である。

0076

特に本(C2)光学活性体製造工程では、得られた化合物(3b)を晶析することが好ましい。化合物(3b)を晶析することによって、シス体過剰率及び光学純度の少なくとも一方、好ましくは両方を高める事ができる。またこの晶析で化合物(5)を簡便に除去できる。

0077

化合物(3b)の晶析溶媒は、化合物(3b)の溶解性に応じて適宜選択でき、前記(A2)転位工程で例示する反応溶媒と同じものが晶析溶媒として例示できる。好ましい晶析溶媒は、酢酸エチルなどのエステル系溶媒である。

0078

本(C2)光学活性体製造工程で得られる化合物(3b)としては、シス体過剰率が10%de以上であってもよいが、35%de以上又は40%de以上であるものが好ましく、50%de以上であるものがより好ましく、70%de以上であるものが最も好ましい。シス体過剰率は100%deであってもよいが、99%de以下、又は97%de以下であってもよい。なお化合物(3b)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(3b)のシス体過剰率は、化合物(2a)のシス体過剰率と同様であってもよい。晶析前の化合物(3b)のシス体過剰率が高いほど、化合物(3b)の晶析が容易になる。晶析によってシス体過剰率は、例えば、0%de以上、好ましくは10%de以上、より好ましくは30%de以上、向上する。
化合物(3b)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、30%ee以上であり、好ましくは70%ee以上であり、より好ましくは90%ee以上である。光学純度(鏡像体過剰率)は100%eeであってもよく、99.9%ee以下であってもよい。なお化合物(3b)を前記晶析によって精製する場合、晶析前の化合物(3b)の光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、99%ee以下であってもよく、95%ee以下であってもよく、90%ee以下であってもよい。晶析によって光学純度(鏡像体過剰率)は、例えば、0%ee以上、好ましくは5%ee以上、より好ましくは8%ee以上、向上する。

0079

(C3)転位工程
本(C3)転位工程の詳細及び好ましい態様は、前記(B3)転位工程と同じである。

0080

「(B)化合物(2a)、化合物(3a)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程」、及び「(C)化合物(2a)、化合物(2b)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程」では、化合物(3b)及び化合物(4a)の少なくとも一方を晶析で精製することが望ましく、少なくとも化合物(4a)を晶析で精製することがより望ましく、化合物(3b)及び化合物(4a)の両方を晶析で精製することが最も望ましい。各晶析工程で、シス体過剰率や光学純度(鏡像体過剰率)を高めることができる。

0081

(D)還元工程
化合物(4)及び化合物(4a)の様なアミノピペリジンを、その環外アミノ基を保護することなく晶析できるのは、(A2)、(B3)、(C3)の転位工程での反応液中の化合物(4)及び化合物(4a)のシス体過剰率が高いためであり、反応液中のシス体過剰率を高くできるのは化合物(2)、化合物(2a)、化合物(2b)のシス体過剰率が高いためである。化合物(2)、化合物(2b)の高シス体過剰率は、化合物(2a)のシス体過剰率を高くすることで達成可能であり、換言すれば化合物(2a)のシス体過剰率を高くできれば、化合物(4)及び化合物(4a)の様なアミノピペリジンを、その環外アミノ基を保護することなく晶析可能となる。シス体過剰率の高い化合物(2a)は、下記式(1)で表されるニコチンアミド(以下、化合物(1)という場合がある)を金属触媒の存在下で水素化する還元工程(工程D)によって製造できる。

0082

(式中、R1及びcisは前記と同じ。)

0083

前記金属触媒としては、パラジウム触媒白金触媒ロジウム触媒ルテニウム触媒ニッケル触媒コバルト触媒イリジウム触媒等の金属触媒が挙げられ、好ましくはPd/C、Pt2Oである。

0084

触媒量は、前記化合物(1)1重量部に対して、例えば、0.005〜0.5重量部である。
本(D)還元工程では、水素ガスを用いて化合物(1)を還元し、該水素ガスの圧力(絶対圧)は、例えば、0.1〜1MPaである。

0085

本(D)還元工程の反応溶媒としては、前記(A2)転位工程の反応溶媒と同様のものが使用でき、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくはエタノールなどのアルコール系溶媒である。溶媒の使用量は、前記化合物(1)1重量部に対して、例えば、1〜50重量部、好ましくは2〜20重量部である。

0086

本(D)還元工程の反応温度は、溶媒の沸点以下であるのが好ましく、例えば、40〜80℃である。本(D)還元工程の反応時間は特に制限されないが、好ましくは1〜100時間である。

0087

反応で生じた化合物(2a)は、常法により単離、精製できる。例えば、反応液から金属触媒を除去したろ液を減圧加熱等の操作により反応溶媒を留去すると、目的物が得られる。

0088

このようにして得られた化合物(2a)は、後続工程に使用できる十分な純度を有しているが、後続工程の収率、若しくは後続工程で得られる化合物の純度をさらに高める目的で、晶析、分別蒸留カラムクロマトグラフィー等の一般的な精製手法により、さらに純度を高めてもよい。

0089

(E)脱保護工程
前記「(B)化合物(2a)、化合物(3a)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程」、及び「(C)化合物(2a)、化合物(2b)、化合物(3b)から化合物(4a)を製造する工程」で化合物(4a)を得た後、必要に応じて該化合物(4a)を脱保護して下記式(4b)で表される光学活性−cis−N無保護アミノピペリジン(以下、化合物(4b)という場合がある)を製造する脱保護工程をさらに行ってもよい。化合物(4b)は、化合物(4a)と同様に医薬中間体として有用である。

0090

0091

(式中、R1、Pro、cis及び*は前記と同じ。)

0092

アミノ基の保護基を脱保護する方法は、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis 4th edition (出版社:John Wiley & Sons Inc.)696〜926ページ記載の一般的な手法で行えばよい。例えば、tert−ブトキシカルボニル基、アセチル基、ベンゾイル基は酸または塩基を作用させて加水分解を行う。ベンジルオキシカルボニル基、ベンジル基の場合、金属触媒存在下、前記化合物(4a)に水素源を作用させて加水素分解することにより、脱保護を行う。

0093

前記加水分解に用いる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げられる。塩基の使用量としては前記化合物(4a)1モルに対し、例えば、1〜20モルであり、好ましくは1〜10モルである。

0094

前記加水分解に用いる酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸等の鉱酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸類が挙げられる。好ましくは塩化水素、臭化水素、および硫酸であり、更に好ましくは塩化水素である。酸の使用量としては前記化合物(4a)1モルに対し、例えば、1〜50モルであり、好ましくは1〜20モルである。

0095

前記加水分解の反応温度は、例えば、20℃〜200℃であり、好ましくは50℃〜140℃である。加水分解の反応時間は、例えば、1〜40時間であり、好ましくは1〜20時間である。

0096

加水分解の反応溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合はその混合比は特に制限されない。好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒である。

0097

加水反応の際の前記化合物(4a)、酸または塩基、及び反応溶媒の添加方法や添加順序は特に制限されない。
反応後の処理としては、反応液から目的物である化合物(4b)を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応終了後の反応液に水を加えて必要に応じて中和し、一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出操作を行なう。得られた抽出液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると化合物(4b)が得られる。または、反応液中に析出した目的物をろ別することによっても化合物(4b)を単離できる。

0098

脱保護としての加水素分解に使用する前記金属触媒としては、パラジウム触媒、白金触媒、ロジウム触媒、ルテニウム触媒等の金属触媒が挙げられ、好ましくはPd/Cである。触媒量は、前記化合物(4a)1重量部に対して、例えば、0.005〜0.5重量部である。加水素分解で用いる水素ガスの圧力(絶対圧)は、例えば、0.1〜1MPaである。

0099

加水素分解の反応溶媒としては、前記(A2)転位工程の反応溶媒と同様のものが使用でき、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくはエタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒である。溶媒の使用量は、前記化合物(4a)1重量部に対して、例えば、2〜50重量部、好ましくは5〜20重量部である。

0100

加水素分解の反応温度は、例えば、溶媒の沸点以下であり、好ましくは40〜80℃である。加水素分解の反応時間は、例えば、1〜100時間である。

0101

加水素分解反応後の処理としては、反応液から目的物である化合物(4b)を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応液から金属触媒を除去したろ液を減圧加熱等の操作により反応溶媒を留去すると、化合物(4b)が得られる。

0102

以上のようにして得られた化合物(4b)は、医薬中間体として十分な純度を有しているが、該医薬中間体を用いた後続工程での反応収率、若しくは後続工程での反応物の純度をさらに高める目的で、晶析、分別蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な精製手法により、さらに純度を高めてもよい。更に、得られた化合物(4b)が塩ではない場合、化合物(4b)を酸で処理することにより、化合物(4b)を塩に変換してもよい。

0103

化合物(4b)を塩にする為に使用する酸としては特に限定はされないが、塩化水素(塩酸)、臭化水素、硫酸、硝酸等の鉱酸;トリフルオロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸類が挙げられる。好ましくは塩化水素(塩酸)、臭化水素、および硫酸であり、更に好ましくは塩化水素(塩酸)である。

0104

塩形成に使用する酸の量は、前記塩ではない化合物(4b)1モルに対し、例えば、1〜50モルであり、好ましくは1〜20モルである。塩形成の反応温度は、例えば、20℃〜200℃であり、好ましくは50℃〜140℃である。塩形成の反応時間は、例えば、1〜40時間であり、好ましくは1〜30時間である。

0105

塩形成反応の溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合はその混合比は特に制限されない。好ましくは酢酸エチル、イソプロパノールである。

0106

塩形成反応の際の前記化合物(4b)、酸、及び反応溶媒の添加方法や添加順序は特に制限されない。
塩形成反応後の処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応液から反応溶媒を減圧加熱等の操作により留去して、前記化合物(4b)を酸との塩として単離してもよく、純度を高める目的で更に晶析を行ってもよい。
晶析を行う場合の溶媒として好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。更に好ましくはメタノール、エタノール、酢酸エチル、トルエン等である。

0107

(F)転位工程
前記化合物(4b)は、上述した化合物(3a)を脱CO転位反応(工程F)することによっても製造できる。従って化合物(2a)から化合物(3a)を製造する工程(工程B1)、化合物(3a)から化合物(4b)を製造する工程(工程F)からなる製造工程も本発明の一態様である。

0108

0109

本(F)転位工程の詳細及び好ましい態様は、工程原料が化合物(3a)であり工程生成物が化合物(4b)である点以外は、前記(A2)転位工程と同様である。

0110

以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。

0111

なお実施例の欄で使用する以下の化合物の化学純度(収量)、シス体過剰率、光学純度(鏡像体過剰率)は、以下のクロマトグラフィ分析に基づいて算出した。
6−メチルニコンチンアミド(10)
ラセミ−cis−6−メチルニペコタミド(20a)
光学活性(3R,6S)−cis−6−メチルニペコタミド(30a)
N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(30b)
N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(31b)
N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)
N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(41a)

0112

0113

(1)ガスクロマトグラフィー
(1.1)ラセミ−cis−6−メチルニペコタミド(20a)の化学純度(収量)
カラム:J&W Scientific DB−1
内径0.32mm、膜厚0.25μm、長さ30m)
スプリット比:1:50
気化室温度:325℃
検出器温度:325℃
カラム温度:150℃→250℃(10℃/min、5min保持)
250℃→320℃(30℃/min、5min保持)

0114

(2)光学活性高速液体クロマトグラフィー
(2.1)ラセミ−cis−6−メチルニペコタミド(20a)のシス体過剰率;N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(31b)のシス体過剰率、光学純度(鏡像体過剰率)
カラム:CHIRALPAK AD−RH(4.6mmφ×150mm、ダイセル化学社製)、CHIRALPAKOD−RH(4.6mmφ×150mm、ダイセル化学社製)
溶離液蒸留水(pH2.5)/アセトニトリル=7/3(体積比
流速:0.5mL/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm

0115

(2.2)光学活性(3R,6S)−cis−6−メチルニペコタミド(30a)の光学純度(鏡像体過剰率);N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(30b)のシス体過剰率、光学純度(鏡像体過剰率)
カラム:CHIRALPAK AD−RH(4.6mmφ×150mm、ダイセル化学社製)
溶離液:蒸留水(pH2.5)/アセトニトリル=7/3(体積比)
流速:0.5mL/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm

0116

(2.3)N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)のシス体過剰率、光学純度(鏡像体過剰率)
カラム:CHIRALPAK AD−H(4.6mmφ×250mm、ダイセル化学社製)
溶離液:ヘキサン/IPA=85/15(体積比)
流速:1.5mL/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm

0117

(2.4)N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(41a)のシス体過剰率、光学純度(鏡像体過剰率)
カラム:CHIRALPAK AD−H(4.6mmφ×250mm、ダイセル化学社製)
溶離液:ヘキサン/IPA=95/5(体積比)
流速:1.0mL/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm

0118

また下記実施例で使用した固定化酵素は、以下の製造例1に従って調製したものである。
製造例1
カプリアビダスエスピー(Cupriavidus sp.)KNK−J915株(FERM BP−10739)由来の遺伝子を発現させた組み換え大腸菌を濃縮破砕し、破砕液中の酵素を陰イオン交換樹脂(The Dow Chemical Company製、商品名“Duolite A568K”)に吸着させた。水で洗浄し未吸着成分を除去した後、吸着樹脂を2%水酸化ナトリウム水溶液でpH8に平衡化した。pH平衡化後、樹脂に吸着した酵素をグルタルアルデヒド(GA)にて架橋して樹脂に固定化した。その後、0.05Mトリス緩衝液(pH8)で残存するグルタルアルデヒドを不活性化し、2MNaCl/0.05Mトリス緩衝液で洗浄し、固定化酵素を得た。

0119

(実施例1)ラセミ−cis−6−メチルニペコタミド(20a)の製造

0120

0121

6−メチルニコンチンアミド(10)30.0gにエタノール300mLを加え、Pd/Cを6.0g(0.2倍重量)添加した。水素置換し、常圧60℃で88時間攪拌した。反応終了後、Pd/Cをろ別した。さらに、ろ過したPd/Cをエタノール10mLで洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせて濃縮した。濃縮液に水300mLを加えさらに濃縮し、エタノールを除去した。水溶液に硫酸10.1gを添加し、pHを6.3に調整し、ラセミ−cis−6−メチルニペコタミド(20a)を含む水溶液100.8g(化合物濃度28.2%、収率90.7%)を取得した(シス体過剰率:60.6%de)。

0122

(実施例2)光学活性(3R,6S)−cis−6−メチルニペコタミド(30a)の製造

0123

0124

実施例1で得られたラセミ−cis−6−メチルニペコタミド(20a)の水溶液(35.1g、6−メチルニペコタミド(20a)純分量11.0g)に、水(339ml)、固定化酵素(14.3g、1.3倍重量)を加え、45℃で119時間攪拌した。反応終了後、固定化酵素をろ別した。さらにろ過した固定化酵素を水(110ml)で洗浄した。ろ液と洗浄液に、30%水酸化ナトリウム水溶液(10.3g)を添加したのち、減圧下で濃縮し、光学活性(3R,6S)−cis−6−メチルニペコタミド(30a)(光学純度(鏡像体過剰率):91.4%ee。変換率94%)と(3S,6R)−cis−6−メチルニペコチン酸(50a)とを含む水溶液を得た。

0125

(実施例3)N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(30b)の製造

0126

0127

実施例2で取得した、光学活性(3R,6S)−cis−6−メチルニペコタミド(30a)と(3S,6R)−cis−6−メチルニペコチン酸(50a)を含む水溶液100gにTHF100gを加え、炭酸カリウム19.4g(2.0当量)、クロロギ酸ベンジル12.0g(1.0当量)を添加した。室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル、水を添加して水層を分離した。有機層を減圧下で濃縮し、THFを除去した。濃縮液に酢酸エチルを添加し、生成物の含量が25%となるよう濃度調整後、5℃まで冷却し2時間熟成した。析出した結晶を濾別して乾燥後、表題化合物(2.8g)を白色結晶として取得した(収率48.2%、晶析収率61.0%)。光学純度(鏡像体過剰率)は99.8%ee、シス体過剰率は96.2%deであった。

0128

(実施例4)N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)の製造

0129

0130

実施例3で取得した白色結晶(30b)(2.5g)にTHF(12.5g)、トルエン(12.5g)、水(6.3mL)、30%水酸化ナトリウム水溶液(3.9g、3.2当量)、12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(7.3g、1.3当量)を添加し、0〜5℃にて3時間攪拌したのちに、30℃にて5時間攪拌した。反応終了後、15%亜硫酸ナトリウム水溶液(2.3g、0.3当量)を加え、15分攪拌した。塩酸(4.2g)を加えpHを4.5に調整し、有機層を分離した。水層に酢酸エチル(37.5g)を加え、30%水酸化ナトリウム水溶液(5.8g)を添加し、pHを13に調整したのち、水層を分離した。有機層を減圧下で濃縮し、表題化合物(1.7g)を取得した(収率75.6%)。光学純度(鏡像体過剰率)99.8%ee、シス体過剰率96.2%deであった。

0131

(実施例5)N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)の晶析
実施例4で取得したN−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)1.7g(光学純度(鏡像体過剰率)99.8%ee、シス体過剰率96.2%de)に濃度31.7%塩酸を含むイソプロパノール溶液(1.0g)、酢酸エチル(15g)を添加した。析出した結晶をろ別して、乾燥後、表題化合物(40a)(1.8g、収率92.8%)を白色結晶(塩酸塩)として取得した。光学純度(鏡像体過剰率)99.7%ee、シス体過剰率99.0%deであった。

0132

(実施例6)N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)の晶析
実施例4と同様にして取得した後、トランス体を混合してシス体過剰率を調整したN−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)1.7g(光学純度(鏡像体過剰率)98.7%ee、シス体過剰率58.9%de)に濃度31.7%塩酸を含むイソプロパノール溶液(1.0g)、エタノール(2.07g)、アセトン(19.6g)を添加した。析出した結晶をろ別して、乾燥後、表題化合物(40a)(1.1g、収率56.7%)を白色結晶(塩酸塩)として取得した。光学純度(鏡像体過剰率)99.3%ee、シス体過剰率96.6%deであった。

0133

(実施例7)N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)の晶析
実施例4と同様にして取得した後、トランス体を混合してシス体過剰率を調整したN−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)0.5g(光学純度(鏡像体過剰率)98.6%ee、シス体過剰率38.9%de)に濃度31.7%塩酸を含むイソプロパノール溶液(0.3g)、エタノール(0.2g)、アセトン(19.0g)を添加した。析出した結晶をろ別して、乾燥後、表題化合物(40a)(0.2g、収率41.7%)を白色結晶(塩酸塩)として取得した。光学純度(鏡像体過剰率)99.2%ee、シス体過剰率60.3%deであった。

0134

(比較例1)N−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)の晶析
実施例4と同様にして取得した後、トランス体を混合してシス体過剰率を調整したN−ベンジルオキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(40a)0.2g(光学純度(鏡像体過剰率)98.5%ee、シス体過剰率28.8%de)に濃度31.7%塩酸を含むイソプロパノール溶液(0.1g)、エタノール(0.5g)、アセトン(4.4g)を添加した。析出した結晶をろ別して、乾燥後、表題化合物(40a)(0.1g、収率44.3%)を白色結晶(塩酸塩)として取得した。光学純度(鏡像体過剰率)99.0%ee、シス体過剰率31.3%deであった。

0135

(実施例8)N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(31b)の製造

0136

0137

実施例2で取得した、光学活性(3R,6S)−cis−6−メチルニペコタミド(30a)と(3S,6R)−cis−6−メチルニペコチン酸(50a)を含む水溶液47.1gにTHF42.5gを加え、30%水酸化ナトリウム水溶液0.85g、二炭酸ジtert−ブチル14.3g(1.0当量)を添加した。室温にて2時間攪拌後、酢酸エチル、水を添加して水層を分離した。有機層を減圧下で濃縮し、表題化合物(8.0g)を白色結晶として取得した(収率100%)。光学純度(鏡像体過剰率)97.5%ee、シス体過剰率57.2%deであった。

0138

(実施例9)N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(31b)の晶析
実施例8で取得したN−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(31b)8.1g(光学純度(鏡像体過剰率)97.5%ee、シス体過剰率57.2%de)に酢酸エチルを添加し、生成物の含量が25%となるよう濃度調整後、5℃まで冷却し2時間熟成した。析出した結晶を濾別して乾燥後、表題化合物(31b)3.7gを白色結晶として取得した(収率45.9%)。光学純度(鏡像体過剰率)は99.9%ee、シス体過剰率は98.8%deであった。

0139

(実施例10)N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(31b)の晶析
実施例8と同様にして取得したN−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(31b)(光学純度(鏡像体過剰率)91.2%ee、シス体過剰率53.5%de)0.5gにメチルtert−ブチルエーテル2.6g、ヘキサンを2.6g添加し、5℃まで冷却し2時間熟成した。析出した結晶を濾別して、表題化合物(31b)0.3gを白色結晶として取得した(収率65.6%)。光学純度(鏡像体過剰率)は95.8%ee、シス体過剰率は94.7%deであった。

0140

(実施例11)N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(41a)の製造

0141

0142

実施例8で取得したN−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−カルバモイルピペリジン(31b)7.1gにTHF(18.5g)、トルエン(35.5g)、水(17.4mL)、30%水酸化ナトリウム水溶液(12.5g、3.2当量)、12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(23.5g、1.3当量)を添加し、0〜5℃にて10時間攪拌したのちに、30℃にて6時間攪拌した。反応終了後、15%亜硫酸ナトリウム水溶液(12.3g、0.5当量)を加え、15分攪拌した。塩酸(12.4g)を加えpHを4.7に調整し、有機層を分離した。水層に酢酸エチル(85.2g)を加え、30%水酸化ナトリウム水溶液(5.2g)を添加し、pHを12.5に調整したのち、水層を分離した。有機層を減圧下で濃縮し、表題化合物(5.14g)を取得した(収率81.8%)。光学純度(鏡像体過剰率)97.6%ee、シス体過剰率61.4%deであった。

0143

(実施例12)N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(41a)の晶析
実施例11で取得したN−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(41a)1.02g(光学純度(鏡像体過剰率)97.6%ee、シス体過剰率61.4%de)にパラトルエンスルホン酸一水和物(0.5g)を添加し、テトラヒドロフランを基質濃度が10%になるまで添加した。析出した結晶をろ別して、乾燥後、表題化合物(41a)(0.7g、収率39.3%)を白色結晶(パラトルエンスルホン酸塩)として取得した。光学純度(鏡像体過剰率)100.0%ee、シス体過剰率97.6%deであった。

実施例

0144

(実施例13)N−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(41a)の晶析
実施例11と同様にして取得したN−tert−ブトキシカルボニル−(2S,5R)−2−メチル−5−アミノピペリジン(41a)1.02g(光学純度(鏡像体過剰率)97.8%ee、シス体過剰率62.5%de)にパラトルエンスルホン酸一水和物(0.5g)を添加し、メチルエチルケトンを基質濃度が7%になるまで添加した。析出した結晶をろ別して、乾燥後、表題化合物(41a)(1.1g、収率61.0%)を白色結晶(パラトルエンスルホン酸塩)として取得した。光学純度(鏡像体過剰率)100%ee、シス体過剰率97.8%deであった。

0145

化合物(2)、化合物(2a)、化合物(2b)、化合物(2bx)、化合物(3)、化合物(3a)、化合物(3b)、化合物(3bx)、化合物(4)、化合物(4a)、化合物(4b)はいずれも医薬中間体として有用であり、これら化合物の製造方法もまた医薬中間体の製造方法として有用である。

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