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技術 地下構造物の施工方法

出願人 鹿島建設株式会社
発明者 安永正道
出願日 2020年3月13日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2020-044086
公開日 2021年9月24日 (5ヶ月経過) 公開番号 2021-143554
状態 未査定
技術分野 杭、矢板の設置・撤去及びそれらの付属品
主要キーワード 摩擦低減材 躯体側壁 工事用車両 フランジ内側 一体化状態 コルゲートパイプ 洪水調節 フランジ側面
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図面 (15)

課題

地下構造物施工に用いる仮設杭中間杭桟橋など)について、埋戻し後の仮設杭上側部分の撤去が容易な、地下構造物の施工方法を提供する。

解決手段

仮設杭2は、下側鋼材21と上側鋼材22とに分割されていて、下側鋼材21の上端部に設けた嵌合受け部(エンドプレート25、ずれ止め鋼材26)に上側鋼材22の下端部を嵌合させた上で、下側鋼材21と上側鋼材22とを添接板23を介して固定してある。躯体頂版103の構築後、添接板23を取外してから、埋戻し土106による埋戻しを行い、埋戻し後に、上側鋼材22を引き抜いて撤去する。

概要

背景

地下構造物施工に際しては、一般的に、施工領域掘削予定領域)を囲むように地中山留壁構築する。そして、山留壁内の地盤に、鋼材からなる複数の中間杭桟橋を鉛直方向に建込み、これらの中間杭、桟橋杭はX,Y方向にそれぞれ所定の間隔で配置する。中間杭は主に切梁座屈防止を目的とし、桟橋杭はこれに支持させて地上部覆工板を設置する。覆工板は、その上で重機等を走行させるなどして、作業床として用いる。

その後、覆工板を作業床として山留壁内の地盤を床付面まで掘削する。詳しくは、所定深さ掘削するごとに、腹起し、切梁設置を行い、切梁は中間杭に接続する。そして、掘削、腹起し、切梁設置を繰り返して、床付面まで掘削する。

その後、床付面上に地下構造物のRC(鉄筋コンクリート)製の躯体を構築する。詳しくは、コンクリート打設して、躯体底版を構築し、最下段の切梁を撤去する。そして、上段側に向かって、コンクリートの打設と切梁の撤去とを繰り返して、躯体側壁、柱、水平梁、更には躯体頂版を構築する。躯体の構築後は、躯体頂版の上側(覆工板下)を土又は流動化処理土で埋戻す。

以上で本工事が終了し、覆工板を撤去する。そして、中間杭や桟橋杭などの仮設杭の上側部分を撤去する。
中間杭や桟橋杭などの仮設杭については、躯体頂版のコンクリートに巻き込まれており、躯体頂版から埋戻し土内に突出している上側部分を切断して撤去を求められることが多い。

図14は従来の仮設杭上側部分の撤去方法を示している。
図14(a)は躯体頂版103を構築した直後の状態を示し、仮設杭2は、躯体頂版103に巻き込まれていて、その地上側端部で、桁受け3、覆工受け桁4を介して、覆工板5を支持している。

ここでは、仮設杭2の上側部分の撤去を可能にするため、躯体頂版103のコンクリート打設に先立って、仮設杭2周りに20cm程度の余裕を持たせて、矩形又は円形で、躯体頂版103上面から20cm程度の深さの範囲に、発泡スチロール巻き立てておくことにより、箱抜き部(凹部)32を作ってある。

図14(b)は躯体頂版103の構築後に躯体頂版103の上側を埋戻し土106で埋戻した直後の状態を示している。
ここでは、仮設杭2の上側部分の撤去を可能にするため、埋戻しに先立って、躯体頂版103上の仮設杭2周りに、直径1.5m程度のコルゲートパイプ(以下「CP」と称す)を偏心させて設置しておくことにより、埋戻し時にCP内への埋戻し土の流入を阻止するとともに、仮設杭2の上側部分の切り離し、撤去を容易にしている。

埋戻し後は、図14(c)に示されているように、覆工板5、覆工受け桁4、桁受け3を撤去してから、CP内の空間に人が入り、仮設杭2を箱抜き部32内の位置でガス切断し、上側部分を撤去する。

仮設杭2の上側部分の撤去後は、図14(d)に示されているように、箱抜き部32内に残された仮設杭2の切断端部に巻き立てコンクリート打設、及び/又は、防食塗装を行う。そして、CPを撤去してから、CPがあった部分を埋戻す。

一方、特許文献1には、山留壁に建込まれる芯材H形鋼)から下側芯材を残して上側芯材を撤去する方法として、芯材を予め下側芯材と上側芯材とに分離しておき、下側芯材と上側芯材とを添接板を介して一体化したものを建て込むことにより、下側芯材を残して上側芯材を引き抜き撤去する方法が開示されている。

概要

地下構造物の施工に用いる仮設杭(中間杭や桟橋杭など)について、埋戻し後の仮設杭上側部分の撤去が容易な、地下構造物の施工方法を提供する。仮設杭2は、下側鋼材21と上側鋼材22とに分割されていて、下側鋼材21の上端部に設けた嵌合受け部(エンドプレート25、ずれ止め鋼材26)に上側鋼材22の下端部を嵌合させた上で、下側鋼材21と上側鋼材22とを添接板23を介して固定してある。躯体頂版103の構築後、添接板23を取外してから、埋戻し土106による埋戻しを行い、埋戻し後に、上側鋼材22を引き抜いて撤去する。

目的

本発明は、このような実状に鑑み、埋戻し後の仮設杭上側部分の撤去が容易な、地下構造物の施工方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

地下構造物施工方法であって、施工領域を囲むように地中に設けられた山留壁内の地盤に、鋼材からなる複数の仮設杭を鉛直方向に建込む仮設杭建込み工程と、前記複数の仮設杭の少なくとも一部に支持させて地上部覆工板を設置する覆工板設置工程と、前記覆工板を作業床として前記山留壁内の地盤を床付面まで掘削する掘削工程と、前記床付面上に地下構造物の鉄筋コンクリート製躯体構築する躯体構築工程と、前記躯体の頂版の上側を埋戻す埋戻し工程と、前記埋戻し後に、前記覆工板を撤去する覆工板撤去工程と、前記覆工板の撤去後に、前記仮設杭のうち、前記躯体の頂版から埋戻し土内に突出している上側部分を撤去する仮設杭上側部分撤去工程と、を含み、前記仮設杭は、下側鋼材と上側鋼材とに予め分離されていて、添接板を介して一体化することができ、前記仮設杭建込み工程では、前記仮設杭を、前記一体化した状態で、建込み、前記躯体構築工程後、前記埋戻し工程前に、前記上側鋼材を前記下側鋼材から分離して、前記上側鋼材を嵌合状態で支持し、前記仮設杭上側部分撤去工程では、埋戻し土の上面側から、前記上側鋼材を引抜いて撤去することを特徴とする、地下構造物の施工方法。

請求項2

前記覆工板設置工程では、前記覆工板支持用の仮設杭の地上側端部に、少なくとも、これらを互いに連結するように配置される桁受けを介して、前記覆工板を支持させ、前記仮設杭と前記桁受けとは剛結合することを特徴とする、請求項1記載の地下構造物の施工方法。

請求項3

前記仮設杭は、前記下側鋼材の上端部に設けた嵌合受け部に前記上側鋼材の下端部を嵌合させた上で、前記下側鋼材と前記上側鋼材とを添接板を介して固定することで、一体化し、少なくとも前記上側鋼材と前記添接板との固定を解除することで、前記上側鋼材を嵌合状態で支持することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の地下構造物の施工方法。

請求項4

前記仮設杭は、前記下側鋼材と前記上側鋼材とを添接板を介して固定することで一体化し、前記下側鋼材と前記添接板とを固定したまま、前記上側鋼材と前記添接板との固定を解除することで、前記下側鋼材に固定されている前記添接板により、前記上側鋼材を嵌合状態で支持することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の地下構造物の施工方法。

請求項5

前記躯体の頂版上面には前記仮設杭周りに凹部が形成され、前記仮設杭は、下側鋼材と、上側鋼材と、これらの間に配置される中間鋼材とに分離されていて、前記頂版の上面位置に前記中間鋼材が位置し、前記躯体構築工程後、前記埋戻し工程前に、前記中間鋼材を撤去し、前記凹部をコンクリート充填し、前記頂版の上面に防水シートを設置してから、前記上側鋼材を前記頂版上に嵌合状態で支持することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の地下構造物の施工方法。

技術分野

0001

本発明は、中間杭中間柱ともいう)や桟橋などの仮設杭及びこれらの上方に配置される覆工板を用いる地下構造物施工方法に関し、特に仮設杭の上側部分の撤去方法に関する。

背景技術

0002

地下構造物の施工に際しては、一般的に、施工領域掘削予定領域)を囲むように地中山留壁構築する。そして、山留壁内の地盤に、鋼材からなる複数の中間杭、桟橋杭を鉛直方向に建込み、これらの中間杭、桟橋杭はX,Y方向にそれぞれ所定の間隔で配置する。中間杭は主に切梁座屈防止を目的とし、桟橋杭はこれに支持させて地上部に覆工板を設置する。覆工板は、その上で重機等を走行させるなどして、作業床として用いる。

0003

その後、覆工板を作業床として山留壁内の地盤を床付面まで掘削する。詳しくは、所定深さ掘削するごとに、腹起し、切梁設置を行い、切梁は中間杭に接続する。そして、掘削、腹起し、切梁設置を繰り返して、床付面まで掘削する。

0004

その後、床付面上に地下構造物のRC(鉄筋コンクリート)製の躯体を構築する。詳しくは、コンクリート打設して、躯体底版を構築し、最下段の切梁を撤去する。そして、上段側に向かって、コンクリートの打設と切梁の撤去とを繰り返して、躯体側壁、柱、水平梁、更には躯体頂版を構築する。躯体の構築後は、躯体頂版の上側(覆工板下)を土又は流動化処理土で埋戻す。

0005

以上で本工事が終了し、覆工板を撤去する。そして、中間杭や桟橋杭などの仮設杭の上側部分を撤去する。
中間杭や桟橋杭などの仮設杭については、躯体頂版のコンクリートに巻き込まれており、躯体頂版から埋戻し土内に突出している上側部分を切断して撤去を求められることが多い。

0006

図14は従来の仮設杭上側部分の撤去方法を示している。
図14(a)は躯体頂版103を構築した直後の状態を示し、仮設杭2は、躯体頂版103に巻き込まれていて、その地上側端部で、桁受け3、覆工受け桁4を介して、覆工板5を支持している。

0007

ここでは、仮設杭2の上側部分の撤去を可能にするため、躯体頂版103のコンクリート打設に先立って、仮設杭2周りに20cm程度の余裕を持たせて、矩形又は円形で、躯体頂版103上面から20cm程度の深さの範囲に、発泡スチロール巻き立てておくことにより、箱抜き部(凹部)32を作ってある。

0008

図14(b)は躯体頂版103の構築後に躯体頂版103の上側を埋戻し土106で埋戻した直後の状態を示している。
ここでは、仮設杭2の上側部分の撤去を可能にするため、埋戻しに先立って、躯体頂版103上の仮設杭2周りに、直径1.5m程度のコルゲートパイプ(以下「CP」と称す)を偏心させて設置しておくことにより、埋戻し時にCP内への埋戻し土の流入を阻止するとともに、仮設杭2の上側部分の切り離し、撤去を容易にしている。

0009

埋戻し後は、図14(c)に示されているように、覆工板5、覆工受け桁4、桁受け3を撤去してから、CP内の空間に人が入り、仮設杭2を箱抜き部32内の位置でガス切断し、上側部分を撤去する。

0010

仮設杭2の上側部分の撤去後は、図14(d)に示されているように、箱抜き部32内に残された仮設杭2の切断端部に巻き立てコンクリート打設、及び/又は、防食塗装を行う。そして、CPを撤去してから、CPがあった部分を埋戻す。

0011

一方、特許文献1には、山留壁に建込まれる芯材H形鋼)から下側芯材を残して上側芯材を撤去する方法として、芯材を予め下側芯材と上側芯材とに分離しておき、下側芯材と上側芯材とを添接板を介して一体化したものを建て込むことにより、下側芯材を残して上側芯材を引き抜き撤去する方法が開示されている。

先行技術

0012

特開2017−066836号公報

発明が解決しようとする課題

0013

しかしながら、図14により説明した従来の一般的な仮設杭上側部分の撤去方法では、次のような問題点があった。

0014

仮設杭の切断撤去は、CPによる直径1.5m程度(深さは3m程度)の穴内で、しかも仮設杭(例えばH-300×300)が立ち上がっている中での作業であり、作業環境が悪く、作業効率も良くない。

0015

仮設杭は例えば5m×5m間隔で配置され、その全てにCPによる直径1.5m程度(深さは3m程度)の穴が空いた状態になっていることから、仮設杭の撤去後の埋戻し時に、たくさんの穴を大量の土で埋戻すことが必要になる。

0016

CPによる穴の上を、工事用車両、重機が走行することは困難であるので、端から順に仮設杭の撤去と穴の埋戻しを実施していくこととなり、一気に埋戻し作業を行うことはできない。

0017

埋戻しに流動化処理土を用いる場合には、CP内に流入しやすいので、CPを設置する際に、CP下端と頂版上面との接続部、CP同士の接続部をしっかりと防水しておく必要がある。

0018

仮設杭上側部分の撤去を求められる場合は、埋戻し土天端から所定深さまでの範囲に地中障害物を残さないことが条件となり、CPの撤去が必要となる。CPは周方向に3〜4分割されたものを内側でボルト接合しており、ボルトを外すことでCPの撤去が可能である。埋戻しを流動化処理土のような自立性の高いもので行う場合は問題ないが、埋戻し土に土を使用した場合には自立できないことから、CP外周部を地盤改良するなどの補助工法が必要となる。

0019

以上のように、CPを用いた従来の一般的な仮設杭上側部分の撤去方法は、大量のCPを使用すること、その撤去に時間を要すること、穴埋め土量が多いことなどから、コストと工期のかかる工法となっている。

0020

また、特許文献1に記載の方法については、埋戻しの途中で下側芯材と上側芯材との連結を解除できることを前提としており、埋戻し後には解除不能であるので、汎用性に乏しく、中間杭や桟橋杭などの仮設杭の上側部分の撤去に適用することは困難である。

0021

本発明は、このような実状に鑑み、埋戻し後の仮設杭上側部分の撤去が容易な、地下構造物の施工方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0022

本発明に係る地下構造物の施工方法は、
施工領域を囲むように地中に設けられた山留壁内の地盤に、鋼材からなる複数の仮設杭を鉛直方向に建込む仮設杭建込み工程と、
前記複数の仮設杭の少なくとも一部に支持させて地上部に覆工板を設置する覆工板設置工程と、
前記覆工板を作業床として前記山留壁内の地盤を床付面まで掘削する掘削工程と、
前記床付面上に地下構造物のRC製の躯体を構築する躯体構築工程と、
前記躯体の頂版の上側を埋戻す埋戻し工程と、
前記埋戻し後に、前記覆工板を撤去する覆工板撤去工程と、
前記覆工板の撤去後に、前記仮設杭のうち、前記躯体の頂版から埋戻し土内に突出している上側部分を撤去する仮設杭上側部分撤去工程と、
を含む。
ここにおいて、前記仮設杭は、下側鋼材と上側鋼材とに予め分離されていて、添接板を介して一体化することができ、
前記仮設杭建込み工程では、前記仮設杭を、前記一体化した状態で、建込み、
前記躯体構築工程後、前記埋戻し工程前に、前記上側鋼材を前記下側鋼材から分離して、前記上側鋼材を嵌合状態で支持し、
前記仮設杭上側部分撤去工程では、埋戻し土の上面側から、前記上側鋼材を引抜いて撤去することを特徴とする。

発明の効果

0023

本発明によれば、従来のようなCPを使用することがなく、埋戻しは1回で済み、埋戻し後に上側鋼材を引き抜くことで撤去でき、コスト及び工期の低減を図ることができる。

図面の簡単な説明

0024

施工対象の地下構造物(地下調節池)の構造例を示す図
同上の地下構造物の施工方法を示す図
本発明の一実施形態として示す仮設杭の全体図
第1実施例として示す仮設杭分離構造の詳細図
第1実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図
第2実施例として示す仮設杭分離構造の詳細図
第2実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図
第3実施例として示す仮設杭分離構造の詳細図
第3実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図
第4実施例として示す仮設杭分離構造の詳細図
第4実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図
第5実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図
第5実施例での仮受け構造の説明図
従来技術の説明図

実施例

0025

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本実施形態では、地下構造物として、地下調節池を施工する。

0026

地下調節池は、洪水調節河川氾濫防止のための構造物であり、集中豪雨時に一旦雨水を貯留受入れ)し、豪雨が去った後に河川等に放流するものである。一般的には対象となる河川の近傍、地下に建設され、河川から直接受水し、同じ河川に放流する。

0027

図1は地下調節池の構造例を示し、図1(A)は平面断面図(図1(B)のA−A断面図)、図1(B)は正面断面図(図1(A)のB−B断面図)である。

0028

地下調節池100の躯体は、RC製の底版101、四方側壁102、及び、頂版103で構成される。その内部には、格子配置のRC製の水平梁104が上下2段に配置され、水平梁104の格子点位置には、底版101と頂版103間を結ぶRC製の柱105が配置される。頂版103上には、1〜3m厚の覆土(埋戻し土;流動化処理土を含む)106がある。

0029

また、側壁102の外側には、施工時の山留壁(遮水壁)1が残されていて、その下端は底版101を超えて不透水層(図示せず)まで達している。

0030

本発明の一実施形態として、図1に示した地下調節池100の施工方法について、図2により、説明する。
図2は地下調節池の施工方法を示し、図2(A)は平面断面図(図2(B)のA−A断面図)、図2(B)は正面断面図(図2(A)のB−B断面図)である。

0031

地下調節池100の施工に先立って、その施工領域(掘削予定領域)を囲むように地中に山留壁1を構築する(山留壁構築工程)。
山留壁1は、芯材(H形鋼)入りのソイルモルタル壁で、例えばSMW(Soil Mixing Wall)工法やTRD(Trench cutting Re-mixing Deep wall)工法により、内部掘削深度(床付面までの深度;例えば20m)の1.5〜2.0倍の深度まで、構築する。

0032

山留壁1の構築後は、山留壁1内の地盤に、鋼材(H形鋼)からなる複数の仮設杭2を鉛直方向に建込む(仮設杭建込み工程)。ここで、複数の仮設杭2は、XY方向に5m×5m程度の間隔で建込む。

0033

そして、複数の仮設杭2の地上側端部に支持させて、桁受け3を設け、この桁受け3に、覆工受け桁4を支持させ、この覆工受け桁4に支持させて、覆工板5を設置する(覆工板設置工程)。

0034

そして、覆工板5を作業床として用い、山留壁1内の地盤を床付面まで掘削する(掘削工程)。
掘削中は、所定深さ掘削するごとに、露出した山留壁1の露出部に、腹起し6を取付け、前後及び左右に相対する山留壁1、1の腹起し6、6間に切梁7を設置する。切梁7は座屈防止のため仮設杭2に接続する。こうして、掘削と、腹起し6及び切梁7の設置とを繰り返しながら、床付面(掘削予定深さ)まで掘削する(図2(B)の状態)。

0035

掘削完了後は、床付面上に地下調節池100のRC製の躯体を構築する。
詳しくは、床付面に砕石敷均し、均しコンクリート打設を行ってから、配筋して、コンクリートを打設し、躯体底版101を構築する。
その後も、下から上に、切梁7の撤去、配筋、コンクリート打設を繰り返して、躯体側壁102と柱105、躯体側壁102と下側の水平梁104、躯体側壁102と柱105、躯体側壁102と上側の水平梁104、躯体側壁102と柱105の順に、構築し、最後に躯体頂版103を構築する(図1(B)参照)。

0036

地下調節池(その躯体)100の構築後は、躯体頂版103の上側(覆工板5の下)を埋戻し土(流動化処理土を含む)106で埋戻す(埋戻し工程)。
以上で、本工事が終了する。

0037

本工事終了後は、作業床としての役目を終えた覆工板5、覆工受け桁4、桁受け3を、これらの順で、撤去する(覆工板撤去工程)。そして、最後に、仮設杭2の上側部分(躯体頂版103のコンクリートに巻き込まれていて、躯体頂版103から埋戻し土106内に突出している上側部分)を撤去する(仮設杭上側部分撤去工程)。

0038

次に、仮設杭上側部分撤去工程(当該工程での撤去方法)について、前工程での事前準備を含めて、詳細に説明する。
図3は本発明の一実施形態として示す仮設杭2の全体図であり、先ず図3を参照して説明する。

0039

仮設杭2は、下側鋼材21と上側鋼材22とに予め分離されていて、一体化された状態で、建込み工程にて建込まれる。下側鋼材21と上側鋼材22は、同じ断面形状のH形鋼(H-300×300)であり、これらの分離位置は、躯体頂版の上面位付近である。

0040

また、下側鋼材21と上側鋼材22との一体化は、下側鋼材21の上端部と上側鋼材22の下端部とを突き合わせ、これらを跨ぐように配置した添接板23を介して、ボルト固定することにより、行われる。

0041

そして、躯体構築工程後、埋戻し工程前に、上側鋼材22を下側鋼材21から分離して、上側鋼材22を嵌合状態で支持するようにする。埋戻し後に、上側鋼材22を引き抜いて撤去することを可能にするためである。これについては、後に詳述する。

0042

ここにおいて、添接板23無しで、あるいは添接板23のボルトを撤去して、上側鋼材22を嵌合状態で支持している状態において、桁受け3等を介して覆工板5を支持できるように、上側鋼材22の上端部と桁受け3との結合は、両角部に配置した三角形状のブラケット24などを用いて、複数点で行うことで、剛結合としている。

0043

次に、仮設杭分離構造の詳細、及び、仮設杭上側鋼材の撤去方法について、実施例で説明する。

0044

先ず第1実施例を図4及び図5により説明する。
図4は、第1実施例として示す仮設杭分離構造の詳細図(図3のX部拡大図)であり、(1)は一体化状態、(2)は分離状態で示している。
また、分離状態において、(A)は正面図(H形鋼のウェブ側面)、(B)は右側面図(H形鋼のフランジ側面)、(C)は(A)のC−C断面に相当する平面図、(D)は(A)のD−D断面に相当する平面図である。

0045

下側鋼材21の上端部には、そのH形鋼と同寸法(300×300)のエンドプレート25が固着され、エンドプレート25上には、複数のずれ止め鋼材26が固着されている。ずれ止め鋼材26は、ウェブ両面の2箇所、フランジ内側の4箇所としている。ずれ止め鋼材26は、上側鋼材22のフランジ及びウェブに係合して、下側鋼材21に対し上側鋼材22の前後及び左右方向のずれ止めを行う。従って、本実施例では、エンドプレート25及びずれ止め鋼材26が嵌合受け部として機能する。

0046

従って、下側鋼材21と上側鋼材22とを一体化する場合は、下側鋼材21の上端部に設けた嵌合受け部としてのエンドプレート25上のずれ止め鋼材26に、上側鋼材22の下端部(ウェブ両面及びフランジ内側)を嵌合させた状態で、下側鋼材21及び上側鋼材22のフランジ間に添接板23をあてがい、下側鋼材21と添接板23の下側部分とをボルト固定し、また上側鋼材22と添接板23の上側部分とをボルト固定する。

0047

図5は、第1実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図である。
図5(a)は下側鋼材21と上側鋼材22とが添接板23を介して一体化された状態で建込まれた後、下側鋼材21を巻き込んで、躯体頂版103が構築された状態を示している。

0048

ここで、躯体頂版103のコンクリート打設時に、下側鋼材21の上端部の添接板23周りに、平面視で20cmの隙間を持たせた70cm×70cm(H形鋼;H-300×300の場合)、躯体頂版103の上面から深さ20cmの箱抜き部(凹部)32を形成する。

0049

次いで、図5(b)に示すように、添接板23を固定しているボルトを外すことで、添接板23を取外す
この状態では、下側鋼材21と上側鋼材22とは嵌合しているだけであるが、図3で説明したように、仮設杭2(上側鋼材22)と桁受け3とはブラケット24を介して剛結合しているので、覆工板5の部分が転倒、あるいは崩壊することは無い。

0050

添接板23を取外した後は、箱抜き部32にコンクリート27を打設し、更に下側鋼材21の5cm程度の突出部にコンクリート27を巻き立てる(又は塗膜防食する)。このとき、コンクリート27と上側鋼材22との間には、縁切り用のシートなどを入れておくとよい。

0051

次いで、図5(c)に示すように、躯体頂版103の上側を埋戻し土106により埋戻す。すなわち、図5(c)は埋戻し工程の終了時の様子を示している。

0052

次いで、図3の覆工板5、覆工受け桁4、桁受け3を、これらの順で、撤去する。
次いで、図5(d)に示すように、地上部から上側鋼材22を鉛直方向に引き抜いて撤去する。この引き抜きの際、上側鋼材22は上から下まで全て同じ断面であり、引き抜きは容易である。引き抜きにより、埋戻し土106には、断面H形の空洞ができるので、ここにソイルモルタルを充填する。

0053

本実施例は、仮設杭2を、下側鋼材21の上端部に設けた嵌合受け部(エンドプレート25及びずれ止め鋼材26)に上側鋼材22の下端部を嵌合させた上で、下側鋼材21と上側鋼材22とを添接板23を介して固定することで、一体化し、添接板23の固定(少なくとも上側鋼材22と添接板23との固定)を解除することで、上側鋼材22を嵌合状態で支持することを特徴とする。これにより、埋戻し中の上側鋼材22による覆工板5の支持と、埋戻し後の上側鋼材22の引き抜き撤去とが可能となる。

0054

次に第2実施例を図6及び図7により説明する。
図6は、第2実施例として示す仮設杭分離構造の詳細図(図3のX部拡大図)であり、(1)は一体化状態、(2)は分離状態で示している。
また、分離状態において、(A)は正面図(H形鋼のウェブ側面)、(B)は右側面図(H形鋼のフランジ側面)、(C)は(A)のC−C断面に相当する平面図、(D)は(A)のD−D断面に相当する平面図である。

0055

下側鋼材21の上端部のウェブ両面、フランジ外側面及びフランジ内側面に添接板28の下側部分をボルト固定してある。添接板28のいくつかは剛性向上のため平面視でT字形断面としてある。
そして、上側鋼材22の下端部は下側鋼材21の上端部に固定した添接板28の上側部分に嵌合させた状態で、上側鋼材22の下端部のウェブ両面、フランジ外側面及びフランジ内側面に添接板28の上側部分をボルト固定してある。

0056

従って、下側鋼材21と添接板28とをボルト固定し、また上側鋼材22と添接板28とをボルト固定することで、下側鋼材21と上側鋼材22とを一体化することができる。また、下側鋼材21と添接板28とをボルト固定したまま、上側鋼材22と添接板28とを固定しているボルトを外すことで、下側鋼材21と上側鋼材22とを分離可能な嵌合状態とすることができる。従って、本実施例では、添接板28が嵌合受け部を兼ねる。

0057

図7は、第2実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図である。
図7(a)は下側鋼材21と上側鋼材22とが添接板28を介して一体化された状態で建込まれた後、下側鋼材21と、添接板28の下側部分とを巻き込んで、躯体頂版103が構築された状態を示している。

0058

次いで、図7(b)に示すように、上側鋼材22と添接板28の上側部分とを固定しているボルトを取外し、上側鋼材22の下端部が下側鋼材21の上端部の添接板28の上側部分に嵌合している状態とする。
この状態では上側鋼材22は嵌合しているだけであるが、図3で説明したよう、仮設杭2(上側鋼材22)と桁受け3とはブラケット24を用いて剛結合しているので、覆工板5の支持に支障は無い。

0059

上側鋼材22と添接板28の上側部分とを固定しているボルトを取外した後は、躯体頂版103上に突出している添接板28の周りにコンクリート29を巻き立てる。このとき、コンクリート29と上側鋼材22との間には、縁切り用のシートなどを入れておくとよい。

0060

次いで、図7(c)に示すように、躯体頂版103の上側を埋戻し土106により埋戻す。すなわち、図7(c)は埋戻し工程の終了時の様子を示している。

0061

次いで、図3の覆工板5、覆工受け桁4、桁受け3を、これらの順で、撤去する。
次いで、図7(d)に示すように、地上部から上側鋼材22を鉛直方向に引き抜いて撤去する。この引き抜きの際、上側鋼材22は上から下まで全て同じ断面であり、引き抜きは容易である。引き抜きにより、埋戻し土106には、断面H形の空洞ができるので、ここにソイルモルタルを充填する。

0062

本実施例は、仮設杭2を、下側鋼材21と上側鋼材22とを添接板28を介して固定することで一体化し、下側鋼材21と添接板28とを固定したまま、上側鋼材22と添接板28との固定を解除することで、下側鋼材21に固定されている添接板28により、上側鋼材22を嵌合状態で支持することを特徴とする。これにより、埋戻し中の上側鋼材22による覆工板5の支持と、埋戻し後の上側鋼材22の引き抜き撤去とが可能となる。

0063

次に第3実施例を図8及び図9により説明する。
図8は、第3実施例として示す仮設杭分離構造の詳細図(図3のX部拡大図)であり、(1)は一体化状態、(2)は分離状態で示している。
一体化状態には、正面図(H形鋼のウェブ側面)と右側面図(H形鋼のフランジ側面)とを示している。
また、分離状態において、(A)は正面図(H形鋼のウェブ側面)、(B)は右側面図(H形鋼のフランジ側面)、(C)は(A)のC−C断面に相当する平面図、(D)は(A)のD−D断面に相当する平面図、(E)は(A)のE−E断面に相当する平面図である。

0064

本実施例では、仮設杭2は、下側鋼材21と、上側鋼材22と、これらの間に配置される中間鋼材30とに分割される。中間鋼材30は、下側鋼材21及び上側鋼材22と同じH形鋼で、長さは10cm程度である。
また、上側鋼材22の下端部にはウェブ側面を切り欠いてなる矩形状の開口部22aが形成されている。

0065

下側鋼材21、中間鋼材30及び上側鋼材22のウェブ両面、フランジ外側面及び内側面には、添接板31があてがわれ、それぞれボルト固定されている。

0066

図9は、第3実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図である。なお、図9(a)〜(f)の各図には、正面図の他、右側面図(及び平面図)を併せて記載している。
図9(a)は下側鋼材21と上側鋼材22とが中間鋼材30及び添接板31を介して一体化された状態で建込まれた後、下側鋼材21を巻き込んで、躯体頂版103が構築された状態を示している。

0067

ここで、躯体頂版103のコンクリート打設時に、下側鋼材21の上端部の添接板31周りに、平面視で20cmの隙間を持たせた70cm×70cm(H形鋼;H-300×300の場合)、躯体頂版103の上面から深さ20cmの箱抜き部(凹部)32を形成する。
中間鋼材30は、上端が躯体頂版103の上面から高さ5cm程度の位置にあり、下端が躯体頂版103の上面から深さ5cm程度の位置にある。
また、躯体頂版103の上面には、防水シート36を箱抜き部32の端まで設置しておく。

0068

次いで、図9(b)に示すように、添接板31のうち、ウェブ側面にあてがわれている添接板を取外してから、上側鋼材22の開口部22aに鋼材からなるかんざし33を水平方向に差し込み、かんざし33の両端部と躯体頂版103の上面との間に、支持金具34を配置する。これにより、上側鋼材22は、かんざし33に嵌合するとともに、かんざし33及び支持金具34により躯体頂版103上に支持される。

0069

次いで、図9(c)に示すように、残りの添接板31を取外すとともに、中間鋼材30を撤去する。

0070

次いで、図9(d)に示すように、下側鋼材21の上端部を覆うように箱抜き部32内にコンクリート35を打設してから、躯体頂版103の上面に防水シート36を設置し、防水シート36上にかんざし33及び支持金具34を覆うようにコンクリート37を巻き立てる。このとき、コンクリート37と上側鋼材22との間には、縁切り用のシートなどを入れておく。
なお、防水シート36は、既述の通り躯体頂版103の上面に箱抜き部32の端まで予め設置しておき、箱抜き部32内にコンクリート35を打設してから、予め設置した防水シート36とつなげる形で、箱抜き部32のコンクリート35上に設置することで、設置が完了する。

0071

次いで、図9(e)に示すように、躯体頂版103の上側を埋戻し土106により埋戻す。すなわち、図9(e)は埋戻し工程の終了時の様子を示している。

0072

次いで、図3の覆工板5、覆工受け桁4、桁受け3を、これらの順で、撤去する。
次いで、図9(f)に示すように、地上部から上側鋼材22を鉛直方向に引き抜いて撤去する。この引き抜きの際、上側鋼材22は上から下まで全て同じ断面であり、引き抜きは容易である。引き抜きにより、埋戻し土106には、断面H形の空洞ができるので、ここにソイルモルタルを充填する。

0073

本実施例は、躯体頂版103の上面には仮設杭2周りに箱抜き部(凹部)32が形成され、仮設杭2は、下側鋼材21と、上側鋼材22と、これらの間に配置される中間鋼材30とに分離されていて、躯体頂版103の上面位置に中間鋼材30が位置し、躯体構築工程後、埋戻し工程前に、中間鋼材30を撤去し、箱抜き部32をコンクリート35で充填し、躯体頂版103の上面に防水シート36を設置してから、上側鋼材22を頂版103上に嵌合状態で支持することを特徴としている。これにより、埋戻し工程前に、躯体頂版103上面に防水シート36を設置することができ、防水処理が確実となる。

0074

次に第4実施例を図10及び図11により説明する。
図10は、第4実施例として示す仮設杭分離構造の詳細図(図3のX部拡大図)であり、(1)は一体化状態、(2)は分離状態で示している。
一体化状態には、正面図(H形鋼のウェブ側面)と右側面図(H形鋼のフランジ側面)とを示している。
また、分離状態において、(A)は正面図(H形鋼のウェブ側面)、(B)は右側面図(H形鋼のフランジ側面)、(C)は(A)のC−C断面に相当する平面図、(D)は(A)のD−D断面に相当する平面図、(E)は(A)のE−E断面に相当する平面図である。

0075

第4実施例は、第3実施例と同様、仮設杭2が、下側鋼材21と、上側鋼材22と、これらの間に配置される中間鋼材30とに分割され、添接板31で連結される。
第3実施例と構造的に異なる点は、上側鋼材22の下端部に開口部22a(図8)を有していない点である。

0076

図11は、第4実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図である。なお、図11(a)〜(f)の各図には、正面図の他、右側面図及び平面図を併せて記載している。
図11(a)は下側鋼材21と上側鋼材22とが中間鋼材30及び添接板31を介して一体化された状態で建込まれた後、下側鋼材21を巻き込んで、躯体頂版103が構築された状態を示している。

0077

ここで、躯体頂版103のコンクリート打設時に、下側鋼材21の上端部の添接板31周りに、平面視で20cmの隙間を持たせた70cm×70cm(H形鋼;H-300×300の場合)、躯体頂版103の上面から深さ20cmの箱抜き部(凹部)32を形成する。
中間鋼材30は、上端が躯体頂版103の上面から高さ5cm程度の位置にあり、下端が躯体頂版103の上面から深さ5cm程度の位置にある。
また、躯体頂版103の上面には、防水シート40を箱抜き部32の端まで設置しておく。

0078

次いで、図11(b)に示すように、添接板31のうち、フランジの外側面及び内側面にあてがわれている添接板を取外してから、上側鋼材22の下端部の両フランジの外側面に支持板38、38をボルト固定する。各支持板38は両端に脚部38a、38aを有し、これらの脚部38a、38aは箱抜き部32を跨いで躯体頂版103の上面に載置される。

0079

次いで、図11(c)に示すように、残りの添接板31を取外すとともに、中間鋼材30を撤去する。

0080

次いで、図11(d)に示すように、エンドプレート25上にずれ止め鋼材26を取付けてなる嵌合受け部材41を用い、これを上側鋼材22の下端部に嵌合させた後、下側鋼材21の上端部を覆うように箱抜き部32内にコンクリート39を打設してから、躯体頂版103の上面に防水シート40を設置する。そして、防水シート40上面と嵌合受け部材41のエンドプレート25下面との間に、コンクリート42を巻き立てる。このとき、コンクリート42と上側鋼材22との間には、縁切り用のシートなどを入れておく。
なお、防水シート40は、既述の通り躯体頂版103の上面に箱抜き部32の端まで予め設置しておき、箱抜き部32内にコンクリート39を打設してから、予め設置した防水シート40とつなげる形で、箱抜き部32のコンクリート39上に設置することで、設置が完了する。

0081

次いで、図11(e)に示すように、支持板38を取外した後、躯体頂版103の上側を埋戻し土106により埋め戻す。すなわち、図11(e)は埋戻し工程の終了時の様子を示している。

0082

次いで、図3の覆工板5、覆工受け桁4、桁受け3を、これらの順で、撤去する。
次いで、図11(f)に示すように、地上部から上側鋼材22を鉛直方向に引き抜いて撤去する。この引き抜きの際、上側鋼材22は上から下まで全て同じ断面であり、引き抜きは容易である。嵌合受け部材41(エンドプレート25及びずれ止め鋼材26)は残される。引き抜きにより、埋戻し土106には、断面H形の空洞ができるので、ここにソイルモルタルを充填する。

0083

本実施例においても、埋戻し工程前に、躯体頂版103上面に防水シート40を設置することができ、防水処理が確実となる。

0084

次に第5実施例を図12及び図13により説明する。
第5実施例での仮設杭分離構造は、第4実施例(図10)と同じである。
従って、仮設杭2は、下側鋼材21と、上側鋼材22と、これらの間に配置される中間鋼材30とに分割され、添接板31で連結される。

0085

図12は、第5実施例での仮設杭上側鋼材撤去方法の工程図である。なお、図12(a)〜(e)の各図には、正面図の他、右側面図及び平面図を併せて記載している。
図12(a)は下側鋼材21と上側鋼材22とが中間鋼材30及び添接板31を介して一体化された状態で建込まれた後、下側鋼材21を巻き込んで、躯体頂版103が構築された状態を示している。

0086

ここで、躯体頂版103のコンクリート打設時に、下側鋼材21の上端部の添接板31周りに、平面視で20cmの隙間を持たせた70cm×70cm(H形鋼;H-300×300の場合)、躯体頂版103の上面から深さ20cmの箱抜き部(凹部)32を形成する。
中間鋼材30は、上端が躯体頂版103の上面から高さ5cm程度の位置にあり、下端が躯体頂版103の上面から深さ5cm程度の位置にある。
また、躯体頂版103の上面には、防水シート40を箱抜き部32の端まで設置しておく。

0087

次いで、図13に示すように、躯体頂版103上に仮受け用のジャッキ43を配置して、このジャッキ43により、桁受け3を支持する(仮受け状態)。これにより、下側鋼材21と上側鋼材22との分離が可能になる。

0088

次いで、図12(b)に示すように、添接板31を取外すとともに、下側鋼材21と上側鋼材22との間の中間鋼材30を撤去する。

0089

次いで、図12(c)に示すように、エンドプレート25上にずれ止め鋼材26を取付けてなる嵌合受け部材41を用い、これを上側鋼材22の下端部に嵌合させた後、下側鋼材21の上端部を覆うように箱抜き部32内にコンクリート39を打設してから、躯体頂版103の上面に防水シート40を設置する。そして、防水シート40上面と嵌合受け部材41のエンドプレート25下面との間に、コンクリート42を巻き立てる。このとき、コンクリート42と上側鋼材22との間には、縁切り用のシートなどを入れておく。
なお、防水シート40は、既述の通り躯体頂版103の上面に箱抜き部32の端まで予め設置しておき、箱抜き部32内にコンクリート39を打設してから、予め設置した防水シート40とつなげる形で、箱抜き部32のコンクリート39上に設置することで、設置が完了する。

0090

コンクリート39、42の強度が確保された時点で、図13のジャッキ43をジャッキダウンして撤去する。これにより、上側鋼材22は躯体頂版103上に嵌合状態で支持される。

0091

次いで、図12(d)に示すように、躯体頂版103の上側を埋戻し土106により埋戻す。すなわち、図12(d)は埋戻し工程の終了時の様子を示している。

0092

次いで、図13の覆工板5、覆工受け桁4、桁受け3を、これらの順で、撤去する。
次いで、図12(e)に示すように、地上部から上側鋼材22を鉛直方向に引き抜いて撤去する。この引き抜きの際、上側鋼材22は上から下まで全て同じ断面であり、引き抜きは容易である。嵌合受け部材41(エンドプレート25及びずれ止め鋼材26)は残される。引き抜きにより、埋戻し土106には、断面H形の空洞ができるので、ここにソイルモルタルを充填する。

0093

本実施例においても、埋戻し工程前に、躯体頂版103上面に防水シート40を設置することができ、防水処理が確実となる。

0094

上記第1〜第5実施例のいずれについても、撤去する上側鋼材22はH形鋼の断面形状のまま(接続部などの膨らみが無い状態)であり、断面変化が無いことから容易に引き抜くことができる。上側鋼材22の長さが5m程度までは、バイブロや多滑車引抜機を用いる必要はなく、油圧ショベルでの引き抜きが可能である。

0095

引き抜き時抵抗力としては、埋戻し土106と上側鋼材22との摩擦力と、上側鋼材22の自重だけとなるが、埋戻し前に上側鋼材22に摩擦低減材を塗布しておけば、更に抵抗なく引き抜くことができる。
また、流動化処理土でも、現地発生土でも同じように、引き抜いて、ソイルモルタルの充填作業をすることができる。

0096

埋戻して、上側鋼材22を引き抜いた後は、埋戻し土106上を、重機や工事車両が走行可能となる。但し、上側鋼材22の引き抜き直後に工事車両等が走ると、上側鋼材22の引き抜きにより生じた空洞(隙間)が閉塞しソイルモルタルの充填が難しくなることが考えられるので、ソイルモルタルの充填後に走行を許可することが好ましい。

0097

ソイルモルタルの充填作業については、埋戻し直前に上側鋼材22に沿わせてソイルモルタル充填用配管を設置しておき、上側鋼材22を引き抜きながらソイルモルタルを注入することも可能である。

0098

尚、図示の実施形態はあくまで本発明を概略的に例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。

0099

1山留壁
2仮設杭
3桁受け
4覆工受け桁
5覆工板
6腹起し
7切梁
21 下側鋼材
22 上側鋼材
22a 開口部
23添接板
24 剛結用ブラケット
25エンドプレート
26ずれ止め鋼材
27コンクリート
28 添接板
29 コンクリート
30中間鋼材
31 添接板
32箱抜き部(凹部)
33かんざし
34支持金具
35 コンクリート
36防水シート
37 コンクリート
38 支持板
38a 脚部
39 コンクリート
40 防水シート
41 嵌合受け部材
42 コンクリート
43仮受け用のジャッキ
100 調節池(躯体)
101 躯体底版
102躯体側壁
103 躯体頂版
104水平梁
105 柱
106 埋戻し土

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