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技術 樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、及び、感光性転写部材

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 石坂壮二
出願日 2020年2月10日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2020-020622
公開日 2021年9月2日 (4ヶ月経過) 公開番号 2021-128178
状態 未査定
技術分野 位置入力装置 プリント配線の製造(1)
主要キーワード 光学プロファイラ シャワー流量 環状エーテル溶剤 開環状態 アライメント合わせ 閉環状態 導電ポリマー層 無機アルカリ成分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

得られるエッチングパターン直線性に優れる樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、及び、感光転写部材の提供。

解決手段

仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である樹脂パターンの製造方法、又は、仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層全体の溶解時間が、6秒以上である樹脂パターンの製造方法。

概要

背景

静電容量型入力装置などのタッチパネルを備えた表示装置有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置及び液晶表示装置など)では、視認部のセンサーに相当する電極パターン周辺配線部分及び取り出し配線部分の配線などの導電層パターンがタッチパネル内部に設けられている。
一般的にパターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといったことから、感光転写部材を用いて任意の基板上に設けた感光性樹脂組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光した後に現像する方法が広く使用されている。

また、従来の感光性樹脂組成物としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1には、(A)アルカリ可溶性高分子;(B)エチレン性不飽和結合含有化合物;及び(C)光重合開始剤;を含む感光性樹脂組成物であって、上記(A)アルカリ可溶性高分子は、酸モノマー単位含有割合が25質量%未満かつ芳香族モノマー単位の含有割合が30質量%以上の第一の共重合体を含み、かつ上記(B)エチレン性不飽和結合含有化合物の重量平均分子量が、900以下である、上記感光性樹脂組成物が記載されている。

概要

得られるエッチングパターン直線性に優れる樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、及び、感光性転写部材の提供。仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である樹脂パターンの製造方法、又は、仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層全体の溶解時間が、6秒以上である樹脂パターンの製造方法。

目的

本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、得られるエッチングパターンの直線性に優れる樹脂パターンの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する前記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である樹脂パターンの製造方法。

請求項2

仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する前記感光性樹脂層全体の溶解時間が、6秒以上である樹脂パターンの製造方法。

請求項3

仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材と基板とを、前記感光性樹脂層の前記仮支持体に対向していない側の面に前記基板を接触させて貼り合わせる工程と、前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された前記感光性樹脂層を現像液により現像して樹脂パターンを形成する工程と、を含み、前記現像時における前記現像液に対する前記感光性樹脂層の未硬化部の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である樹脂パターンの製造方法。

請求項4

仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材と基板とを、前記感光性樹脂層の前記仮支持体に対向していない側の面に前記基板を接触させて貼り合わせる工程と、前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された前記感光性樹脂層を現像液により現像して樹脂パターンを形成する工程と、を含み、前記現像時における前記現像液への前記感光性樹脂層の未硬化部全体の溶解時間が、6秒以上である樹脂パターンの製造方法。

請求項5

前記単位層厚あたりの溶解時間が、3.0秒/μm以下である請求項1又は請求項3に記載の樹脂パターンの製造方法。

請求項6

前記感光性樹脂層の厚さが、10μm以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。

請求項7

前記仮支持体の厚さが、25μm以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。

請求項8

製造される樹脂パターンが、パターン幅が6μm以下の樹脂パターンを含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。

請求項9

前記感光性樹脂層が、重合性化合物、及び、バインダーポリマーを含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。

請求項10

前記感光性樹脂層における重合性化合物の含有量Mmとバインダーポリマーの含有量Mbとの比Mm/Mbの値が、0.9以下である請求項9に記載の樹脂パターンの製造方法。

請求項11

前記バインダーポリマーにおけるメタクリル酸より形成される構成単位の含有量が、前記バインダーポリマーの全質量に対し、40質量%以下である請求項9又は請求項10に記載の樹脂パターンの製造方法。

請求項12

前記バインダーポリマーの酸価が、100mgKOH/g〜200mgKOH/gである請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。

請求項13

前記基板が、前記樹脂パターンが形成されている側の表面に導電層を有し、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法により製造された前記基板上に前記樹脂パターンを有する積層体において、前記樹脂パターンが配置されていない領域にある前記導電層をエッチング処理して回路配線を形成する工程を含む、回路配線の製造方法。

請求項14

前記基板が、前記樹脂パターンが形成されている側の表面に導電層を有し、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法により製造された前記基板上に前記樹脂パターンを有する積層体において、前記樹脂パターンが配置されていない領域にある前記導電層をエッチング処理してタッチパネル用配線を形成する工程を含む、タッチパネルの製造方法。

請求項15

仮支持体及び感光性樹脂層を有し、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する前記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である感光性転写部材。

技術分野

0001

本開示は、樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、及び、感光転写部材に関する。

背景技術

0002

静電容量型入力装置などのタッチパネルを備えた表示装置有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置及び液晶表示装置など)では、視認部のセンサーに相当する電極パターン周辺配線部分及び取り出し配線部分の配線などの導電層パターンがタッチパネル内部に設けられている。
一般的にパターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといったことから、感光性転写部材を用いて任意の基板上に設けた感光性樹脂組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光した後に現像する方法が広く使用されている。

0003

また、従来の感光性樹脂組成物としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1には、(A)アルカリ可溶性高分子;(B)エチレン性不飽和結合含有化合物;及び(C)光重合開始剤;を含む感光性樹脂組成物であって、上記(A)アルカリ可溶性高分子は、酸モノマー単位含有割合が25質量%未満かつ芳香族モノマー単位の含有割合が30質量%以上の第一の共重合体を含み、かつ上記(B)エチレン性不飽和結合含有化合物の重量平均分子量が、900以下である、上記感光性樹脂組成物が記載されている。

先行技術

0004

特開2019−105841号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、得られるエッチングパターン直線性に優れる樹脂パターンの製造方法を提供することである。
また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、得られる回路配線の直線性に優れる回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法を提供することである。
更に、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、得られるエッチングパターンの直線性に優れる感光性転写部材を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1>仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である樹脂パターンの製造方法。
<2> 仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層全体の溶解時間が、6秒以上である樹脂パターンの製造方法。
<3> 仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材と基板とを、上記感光性樹脂層の上記仮支持体に対向していない側の面に上記基板を接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像液により現像して樹脂パターンを形成する工程と、を含み、上記現像時における上記現像液に対する上記感光性樹脂層の未硬化部の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である樹脂パターンの製造方法。
<4> 仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材と基板とを、上記感光性樹脂層の上記仮支持体に対向していない側の面に上記基板を接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像液により現像して樹脂パターンを形成する工程と、を含み、上記現像時における上記現像液への上記感光性樹脂層の未硬化部全体の溶解時間が、6秒以上である樹脂パターンの製造方法。
<5> 上記単位層厚あたりの溶解時間が、3.0秒/μm以下である<1>又は<3>に記載の樹脂パターンの製造方法。
<6> 上記感光性樹脂層の厚さが、10μm以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<7> 上記仮支持体の厚さが、25μm以下である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<8> 製造される樹脂パターンが、パターン幅が6μm以下の樹脂パターンを含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<9> 上記感光性樹脂層が、重合性化合物、及び、バインダーポリマーを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<10> 上記感光性樹脂層における重合性化合物の含有量Mmとバインダーポリマーの含有量Mbとの比Mm/Mbの値が、0.8以下である<9>に記載の樹脂パターンの製造方法。
<11> 上記バインダーポリマーにおけるメタクリル酸より形成される構成単位の含有量が、上記バインダーポリマーの全質量に対し、40質量%以下である<9>又は<10>に記載の樹脂パターンの製造方法。
<12> 上記バインダーポリマーの酸価が、100mgKOH/g〜200mgKOH/gである<9>〜<11>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<13> 上記基板が、上記樹脂パターンが形成されている側の表面に導電層を有し、<1>〜<12>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法により製造された上記基板上に上記樹脂パターンを有する積層体において、上記樹脂パターンが配置されていない領域にある上記導電層をエッチング処理して回路配線を形成する工程を含む、回路配線の製造方法。
<14> 上記基板が、上記樹脂パターンが形成されている側の表面に導電層を有し、<1>〜<12>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法により製造された上記基板上に上記樹脂パターンを有する積層体において、上記樹脂パターンが配置されていない領域にある上記導電層をエッチング処理してタッチパネル用配線を形成する工程を含む、タッチパネルの製造方法。
<15> 仮支持体及び感光性樹脂層を有し、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である感光性転写部材。

発明の効果

0007

本発明の一実施形態によれば、得られるエッチングパターンの直線性に優れる樹脂パターンの製造方法を提供することができる。
また、本発明の他の実施形態によれば、得られるエッチングパターンの直線性に優れる回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法を提供することができる。
更に、本発明の他の実施形態によれば、得られるエッチングパターンの直線性に優れる感光性転写部材を提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

本開示に用いられる感光性転写部材の層構成の一例を示す概略図である。
パターンAを示す概略図である。
パターンBを示す概略図である。

0009

以下、本開示の内容について説明する。なお、添付の図面を参照しながら説明するが、符号は省略する場合がある。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタアクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も含む。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯輝線スペクトルエキシマレーザに代表される遠紫外線極紫外線EUV光)、X線、電子線等の活性光線活性エネルギー線)が挙げられる。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgelGMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶剤THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。

0010

[樹脂パターンの製造方法]
本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第一の実施態様は、仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第二の実施態様は、仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法であって、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層全体の溶解時間が、6秒以上である。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第三の実施態様は、仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材と基板とを、上記感光性樹脂層の上記仮支持体に対向していない側の面に上記基板を接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像液により現像して樹脂パターンを形成する工程と、を含み、上記現像時における上記現像液に対する上記感光性樹脂層の未硬化部の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第四の実施態様は、仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材と基板とを、上記感光性樹脂層の上記仮支持体に対向していない側の面に上記基板を接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像液により現像して樹脂パターンを形成する工程と、を含み、上記現像時における上記現像液への上記感光性樹脂層の未硬化部全体の溶解時間が、6秒以上である。

0011

なお、本明細書において、特に断りなく、単に「本開示に係る樹脂パターンの製造方法」又は単に「樹脂パターンの製造方法」という場合は、上記第一の実施態様、上記第二の実施態様。上記第三の実施態様及び上記第四の実施態様の全てについて述べるものとする。また、特に断りなく、単に「感光性転写部材」等という場合は、上記第一の実施態様、上記第二の実施態様、上記第三の実施態様及び上記第四の実施態様の全ての感光性転写部材等について述べるものとする。

0012

感光性樹脂組成物の高精細化、直線性の良化には、レジスト形状矩形であり、残渣などが存在しないことが求められる。
例えば、特許文献1に記載された発明においては、レジストは現像工程により非パターン部を除去しパターンニングを行うが、通常上記のような形状を形成するためにレジストの溶解時間に対して2倍〜3倍の時間で現像を行っている。
一方、レジストの高精細化に対し光学的にレジスト層の厚さが薄い方が有利であることからレジストの薄膜化の検討を行っているが、レジストを薄膜化した場合に、従来と同様の現像条件で処理すると現像が過剰になりパターン形状が悪化してしまうことを、本発明者は見出した。

0013

本発明者は鋭意検討を重ねた結果、上記構成の樹脂パターンの製造方法とすることにより、得られるエッチングパターンの直線性に優れることを見出した。
詳細な上記効果の発現機構は不明であるが、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が0.6秒/μm以上であるか、若しくは、上記感光性樹脂層全体の溶解時間が6秒以上であるか、又は、上記現像時における上記現像液に対する上記感光性樹脂層の未硬化部の単位層厚あたりの溶解時間が0.6秒/μm以上であるか、若しくは、上記感光性樹脂層の未硬化部全体の溶解時間が、6秒以上であることにより、上記感光性樹脂層の現像時における溶解性が安定し、また、過現像を抑制できるため、得られる樹脂パターンの直線性に優れ、得られるエッチングパターンの直線性に優れると推定している。

0014

本開示に係る樹脂パターンの製造方法は、仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法である。
本開示に用いられる感光性転写部材の好ましい態様は、後述する。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法に用いられる感光性転写部材は、ネガ型感光性転写部材であることが好ましい。
また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法により製造される樹脂パターンは、エッチングレジストとして好適に用いることができる。

0015

本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第一の実施態様は、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である。上記態様であると、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性に優れる。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第二、第三又は第四の実施態様は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上であることが好ましい。

0016

また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、5.0秒/μm以下であることが好ましく、3.0秒/μm以下であることがより好ましく、1.0秒/μm以上3.0秒/μm以下であることが特に好ましい。

0017

本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第二の実施態様は、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層全体の溶解時間が、6秒以上である。上記態様であると、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性に優れる。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第一、第三又は第四の実施態様は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層全体の溶解時間が、6秒以上であることが好ましい。

0018

また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層全体の溶解時間が、60秒以下であることが好ましく、10秒以上40秒以下であることがより好ましく、12秒以上25秒以下であることが特に好ましい。

0019

本開示における、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間、及び、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する感光性樹脂層全体の溶解時間は、以下のように測定するものとする。
仮支持体を剥離露出した、感光性転写部材における又は基板上の画像記録層に対し、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて26℃でシャワー現像を行う。
(株)いけうち製1/4MINJJX030PPのシャワーノズルを使用し、シャワーのスプレー圧は0.08MPaとする。上記条件の時、単位時間当たりのシャワー流量は1,800mL/minとする。
現像の様子を観察し、感光性樹脂層が完全に溶解した時間を最短現像時間とする。
(最短現像時間)÷(感光性樹脂層の厚さ)により、単位膜厚当たりの現像時間(単位:秒/μm)を算出する。
また、上記最短現像時間が、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する感光性樹脂層全体の溶解時間に該当する。
なお、上記測定は、感光性樹脂層がネガ型感光性樹脂層の場合の例であり、ポジ型感光性樹脂層の場合は、超高圧水銀灯により感光性樹脂層を全面露光した後、上記シャワー現像を行うものとする。

0020

本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第三の実施態様は、上記現像時における上記現像液に対する上記感光性樹脂層の未硬化部の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である。上記態様であると、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性に優れる。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第一、第二又は第四の実施態様は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、上記現像時における上記現像液に対する上記感光性樹脂層の未硬化部の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上であることが好ましい。

0021

また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、上記現像時における上記現像液に対する上記感光性樹脂層の未硬化部の単位層厚あたりの溶解時間が、5.0秒/μm以下であることが好ましく、3.0秒/μm以下であることがより好ましく、1.0秒/μm以上3.0秒/μm以下であることが特に好ましい。

0022

本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第四の実施態様は、上記現像時における上記現像液への上記感光性樹脂層の未硬化部全体の溶解時間が、6秒以上である。上記態様であると、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性に優れる。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法の第一、第二又は第三の実施態様は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、上記現像時における上記現像液への上記感光性樹脂層の未硬化部全体の溶解時間が、6秒以上であることが好ましい。

0023

また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、上記現像時における上記現像液への上記感光性樹脂層の未硬化部全体の溶解時間が、60秒以下であることが好ましく、10秒以上40秒以下であることがより好ましく、12秒以上25秒以下であることが特に好ましい。

0024

本開示における、上記現像時における上記現像液に対する上記感光性樹脂層の未硬化部の単位層厚あたりの溶解時間、及び、上記現像時における上記現像液への上記感光性樹脂層の未硬化部全体の溶解時間は、上記現像時において測定してもよいし、別途、仮支持体を剥離し露出した、感光性転写部材における又は基板上の画像記録層を使用し、上記画像記録層に対し、上記現像時の現像条件と同様にして、測定してもよい。なお、上記感光性転写部材における又は基板上の画像記録層を使用し、かつ、感光性樹脂層がポジ型感光性樹脂層である場合は、上記現像の前に、上記パターン露光と同様の条件で露光するものとする。

0025

本開示に係る樹脂パターンの製造方法により製造される樹脂パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、パターン幅が10μm以下の樹脂パターンを含むことが好ましく、パターン幅が8μm以下の樹脂パターンを含むことがより好ましく、パターン幅が6μm以下の樹脂パターンを含むことが更に好ましく、パターン幅が1μm以上6μm以下の樹脂パターンを含むことが特に好ましい。
また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法により製造される樹脂パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、ラインアンドスペースパターンを有することが好ましい。
更に、本開示に係る樹脂パターンの製造方法により製造される樹脂パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、配線形成用エッチングレジストパターンであることが好ましく、回路配線用エッチングレジストパターンであることがより好ましく、幅が6μm以下の配線を含む回路配線用エッチングレジストパターンであることが特に好ましい。

0026

本開示に係る樹脂パターンの製造方法により製造される樹脂パターンの高さは、後述する感光性樹脂層の厚さとも関連するが、本開示における効果をより発揮する観点から、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることが更に好ましく、2μm以上8μm以下であることが特に好ましい。

0027

また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法により製造される樹脂パターンは、樹脂パターンの基板側とは逆側の最上部の幅(Top幅)/樹脂パターンの高さの値が下記の数値範囲となる樹脂パターンを含むことが好ましい。
樹脂パターンの基板側とは逆側の最上部の幅(Top幅)/樹脂パターンの高さの値は、本開示における効果をより発揮する観点から、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1以下であることが更に好ましく、0.5以上0.8以下であることが特に好ましい。

0028

本開示に係る樹脂パターンの製造方法は、仮支持体及び感光性樹脂層を有する感光性転写部材を用いて基板上に樹脂パターンを形成する樹脂パターンの製造方法である。
樹脂パターンの製造方法としては、感光性転写部材と基板(好ましくは導電性を有する基板)とを、感光性樹脂層の第2面、即ち、仮支持体と対向していない側の面に基板を接触させて貼り合わせる工程(以下「貼り合わせ工程」ともいう。)と、感光性樹脂層をパターン露光する工程(以下「露光工程」ともいう。)と、露光された感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程(以下「現像工程」ともいう。)と、をこの順に含む方法が好ましい。

0029

<貼り合わせ工程>
樹脂パターンの製造方法は、貼り合わせ工程を含むことが好ましい。
貼り合わせ工程においては、感光性樹脂層の第2面に基板(基板の表面に導電層が設けられている場合は導電層)を接触させ、感光性転写部材と基板とを圧着させることが好ましい。上記態様であると、感光性樹脂層の第2面と基板との密着性が向上するため、露光及び現像後のパターン形成された感光性樹脂層導電層をエッチングする際のエッチングレジストとして好適に用いることができる。

0030

なお、感光性転写部材がカバーフィルムを備える場合は、感光性樹脂層の表面からカバーフィルムを除去した後、貼り合わせればよい。
また、貼り合わせ工程は、感光性転写部材が感光性樹脂層の仮支持体と対向していない側の表面にカバーフィルム以外の層(例えば高屈折率層及び/又は低屈折率層)を更に備える場合、感光性樹脂層の仮支持体を有していない側の表面と基板とがその層を介して貼り合わされる態様となる。

0031

基板と感光性転写部材とを圧着する方法としては、特に制限されず、公知の転写方法、及び、ラミネート方法を用いることができる。
感光性転写部材の基板への貼り合わせは、感光性樹脂層の第2面側に基板を重ね、ロール等の手段を用いて加圧及び加熱を施すことにより、行われることが好ましい。貼り合わせには、ラミネーター真空ラミネーター、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネーターが使用できる。

0032

貼り合わせ工程を含む樹脂パターンの製造方法及び回路配線の製造方法は、ロールツーロール方式により行われることが好ましい。
以下、ロールツーロール方式について説明する。
ロールツーロール方式とは、基板として、巻き取り及び巻き出しが可能な基板を用い、樹脂パターンの製造方法又は回路配線の製造方法に含まれるいずれかの工程の前に、基板又は基板を含む構造体を巻き出す工程(「巻き出し工程」ともいう。)と、いずれかの工程の後に、基板又は基板を含む構造体を巻き取る工程(「巻き取り工程」ともいう。)と、を含み、少なくともいずれかの工程(好ましくは、全ての工程、又は加熱工程以外の全ての工程)を、基板又は基板を含む構造体を搬送しながら行う方式をいう。
巻き出し工程における巻き出し方法、及び巻き取り工程における巻取り方法としては、特に制限されず、ロールツーロール方式を適用する製造方法において、公知の方法を用いればよい。

0033

<基板>
本開示に係る樹脂パターンの製造方法に用いられる基板としては、公知の基板を用いればよいが、導電層を有する基板が好ましく、基板の表面に導電層を有することがより好ましい。
基板は、必要に応じて導電層以外の任意の層を有してもよい。

0034

基板を構成する基材としては、例えば、ガラスシリコン及びフィルムが挙げられる。
基板を構成する基材は、透明であることが好ましい。本明細書において「透明である」とは、波長400nm〜700nmの光の透過率が80%以上であることを意味する。
また、基板を構成する基板の屈折率は、1.50〜1.52であることが好ましい。

0035

透明なガラス基板としては、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスが挙げられる。また、透明なガラス基板としては、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報及び特開2010−257492号公報に用いられている材料を用いることができる。

0036

基板としてフィルム基板を用いる場合は、光学的に歪みが小さく、かつ/又は、透明度が高いフィルム基板を用いることが好ましい。そのようなフィルム基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートポリカーボネートトリアセチルセルロース及びシクロオレフィンポリマーが挙げられる。

0037

基板としては、ロールツーロール方式で製造する場合、フィルム基板が好ましい。また、ロールツーロール方式によりタッチパネル用の回路配線を製造する場合、基板がシート状樹脂組成物であることが好ましい。

0038

基板が有する導電層としては、一般的な回路配線又はタッチパネル配線に用いられる導電層が挙げられる。
導電層としては、導電性及び細線形成性の観点から、金属層導電性金属酸化物層グラフェン層カーボンナノチューブ層及び導電ポリマー層よりなる群から選ばれた少なくとも1種の層が好ましく、金属層がより好ましく、銅層又は銀層が更に好ましい。
基板は、導電層を1層単独で有してよく、2層以上有してもよい。2層以上の導電層を有する場合は、異なる材質の導電層を有することが好ましい。

0039

導電層の材料としては、金属及び導電性金属酸化物が挙げられる。
金属としては、Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo、Ag及びAuが挙げられる。
導電性金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)及びSiO2が挙げられる。
なお、本明細書において「導電性」とは、体積抵抗率が1×106Ωcm未満であることをいう。導電性金属酸化物の体積抵抗率は、1×104Ωcm未満が好ましい。

0040

複数の導電層を有する基板を用いて樹脂パターンを製造する場合、複数の導電層のうち少なくとも一つの導電層は導電性金属酸化物を含有することが好ましい。
導電層としては、静電容量型タッチパネルに用いられる視認部のセンサーに相当する電極パターン又は周辺取り出し部の配線が好ましい。

0041

<露光工程>
樹脂パターンの製造方法は、上記貼り合わせ工程の後、感光性樹脂層をパターン露光する工程(露光工程)を含むことが好ましい。

0042

パターン露光におけるパターンの詳細な配置及び具体的サイズは特に制限されない。回路配線の製造方法により製造される回路配線を有する入力装置を備えた表示装置(例えばタッチパネル)の表示品質を高め、また、取り出し配線の占める面積が小さくなるように、パターンの少なくとも一部(好ましくはタッチパネルの電極パターン及び/又は取り出し配線の部分)は幅が20μm以下である細線を含むことが好ましく、幅が10μm以下の細線を含むことがより好ましい。

0043

露光に使用する光源は、感光性樹脂層を露光可能な波長の光(例えば、365nm又は405nm)を照射する光源であれば、適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯メタルハライドランプ及びLED(Light Emitting Diode)が挙げられる。

0044

露光量としては、5mJ/cm2〜200mJ/cm2が好ましく、10mJ/cm2〜100mJ/cm2がより好ましい。

0045

露光工程においては、感光性樹脂層から仮支持体を剥離した後にパターン露光してもよく、仮支持体を介してパターン露光した後に仮支持体を剥離してもよい。感光性樹脂層とマスクとの接触による感光性樹脂層の汚染の防止、及び、マスクに付着した異物による露光への影響を避けるため、仮支持体を介してパターン露光することが好ましい。なお、パターン露光は、マスクを介した露光でもよいし、レーザー等の露光手段を用いたダイレクト露光でもよい。

0046

<現像工程>
樹脂パターンの製造方法は、上記露光工程の後、露光された感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程(現像工程)を含むことが好ましい。
感光性転写部材が熱可塑性樹脂及び中間層を有する場合、現像工程において、非画像部熱可塑性樹脂層及び中間層も、非画像部の感光性樹脂層とともに除去される。また、現像工程において、画像部の熱可塑性樹脂層及び中間層も現像液に溶解あるいは分散する形で除去されてもよい。

0047

現像工程における露光された感光性樹脂層の現像は、現像液を用いて行うことができる。
現像液としては、感光性樹脂層の非画像部(ネガ型の場合は、非露光部)を除去することができれば特に制限されず、例えば、特開平5−72724号公報に記載の現像液等の公知の現像液が使用できる。
現像液としては、pKa=7〜13の化合物を0.05mol/L〜5mol/L(リットル)の濃度で含むアルカリ水溶液系の現像液が好ましい。現像液は、水溶性有機溶剤及び/又は界面活性剤を含有してもよい。現像液としては、国際公開第2015/093271号の段落0194に記載の現像液も好ましい。
また、現像液としては、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液が好適に挙げられる。

0048

現像方式としては、特に制限されず、パドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、並びに、ディップ現像のいずれであってもよい。シャワー現像とは、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、非露光部を除去する現像処理である。
現像工程の後に、洗浄剤をシャワーにより吹き付け、ブラシで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温は特に制限されないが、20℃〜40℃が好ましい。

0049

<カバーフィルム剥離工程>
感光性転写部材がカバーフィルムを備える場合、樹脂パターンの製造方法は、感光性転写部材からカバーフィルムを剥離する工程を含むことが好ましい。カバーフィルムを剥離する方法は、制限されず、公知の方法を適用することができる。

0050

<その他の工程>
樹脂パターンの製造方法は、上述した工程以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。例えば、以下の工程が挙げられるが、これらの工程に制限されない。

0051

以下、本開示に用いられる感光性転写部材について、詳細に説明する。

0052

<感光性転写部材>
本開示に用いられる感光性転写部材は、仮支持体及び感光性樹脂層を少なくとも備える。
感光性転写部材は、仮支持体と感光性樹脂層とが他の層を介さずに直接積層されていてもよいし、他の層を介して積層されていてもよい。また、感光性樹脂層の仮支持体に対向する面とは反対側の面に他の層が積層していてもよい。
仮支持体及び感光性樹脂層以外の他の層としては、例えば、熱可塑性樹脂層、中間層及びカバーフィルムが挙げられる。

0053

〔仮支持体〕
本開示に用いられる感光性転写部材は、仮支持体を備える。
仮支持体は、感光性樹脂層又は感光性樹脂層を含む積層体を支持し、且つ、剥離可能な支持体である。

0054

仮支持体は、感光性樹脂層をパターン露光する際に、仮支持体を介した感光性樹脂層の露光が可能になる観点から、光透過性を有することが好ましい。なお、本明細書において「光透過性を有する」とは、パターン露光に使用する波長の光の透過率が50%以上であることを意味する。
仮支持体は、感光性樹脂層の露光感度向上の観点から、パターン露光に使用する波長(より好ましくは波長365nm)の光の透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
なお、感光性転写部材が備える層の透過率とは、層の主面に垂直な方向(厚さ方向)に光を入射させたときの、入射光の強度に対する層を通過して出射した出射光の強度の比率であり、大塚電子(株)製MCPD Seriesを用いて測定される。

0055

仮支持体を構成する材料としては、例えば、ガラス基板、樹脂フィルム及び紙が挙げられ、強度、可撓性及び光透過性の観点から、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)フィルム、トリ酢酸セルロースフィルムポリスチレンフィルム及びポリカーボネートフィルムが挙げられる。中でも、PETフィルムが好ましく、2軸延伸PETフィルムがより好ましい。

0056

仮支持体の厚さ(層厚)は、特に制限されず、支持体としての強度、回路配線形成用基板との貼り合わせに求められる可撓性、及び、最初の露光工程で要求される光透過性の観点から、材質に応じて選択すればよい。
仮支持体の厚さは、5μm〜100μmの範囲が好ましく、取扱い易さ及び汎用性の点から、10μm〜50μmの範囲がより好ましく、10μm〜20μmの範囲が更に好ましく、10μm〜16μmの範囲が特に好ましい。
また、仮支持体の厚さは、仮支持体を介して露光する場合における解像度及び直線性の観点から、50μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。

0057

また、仮支持体として使用するフィルムには、シワ等の変形、傷、欠陥などがないことが好ましい。
仮支持体を介するパターン露光時のパターン形成性、及び、仮支持体の透明性の観点から、仮支持体に含まれる微粒子、異物、欠陥、析出物などの数は少ない方が好ましい。直径1μm以上の微粒子や異物や欠陥の数は、50個/10mm2以下であることが好ましく、10個/10mm2以下であることがより好ましく、3個/10mm2以下であることが更に好ましく、0個/10mm2であることが特に好ましい。

0058

仮支持体の好ましい態様としては、例えば、特開2014−85643号公報の段落0017〜段落0018、特開2016−27363号公報の段落0019〜0026、国際公開第2012/081680号の段落0041〜0057、国際公開第2018/179370号の段落0029〜0040、特開2019−101405号公報の段落0012〜段落0032に記載があり、これらの公報の内容は本明細書に組み込まれる。

0059

〔感光性樹脂層〕
本開示に用いられる感光性転写部材は、感光性樹脂層を備える。

0060

感光性樹脂層は、露光により露光部の現像液に対する溶解性が低下し、非露光部が現像により除去されるネガ型感光性樹脂層であることが好ましい。しかしながら、感光性樹脂層はネガ型感光性樹脂層に制限されず、露光により露光部の現像液に対する溶解性が向上し、露光部が現像により除去されるポジ型感光性樹脂層であってもよい。

0061

感光性樹脂層は、重合性化合物、及び、バインダーポリマーを含むことが好ましく、重合性化合物、バインダーポリマー、及び、光重合開始剤を含むことがより好ましく、重合体A、重合性化合物、及び、光重合開始剤を含むことが特に好ましい。感光性樹脂層は、上記感光性樹脂層の全質量基準で、バインダーポリマー:10質量%〜90質量%;重合性化合物:5質量%〜70質量%;及び光重合開始剤:0.01質量%〜20質量%を含むことが好ましい。
以下、各成分を順に説明する。

0062

(バインダーポリマー)
感光性樹脂層は、バインダーポリマーを含むことが好ましい。
バインダーポリマーとしては、特に制限はなく、例えば、エッチングレジストに用いられる公知のバインダーポリマーが好適に挙げられる。
また、バインダーポリマーとしては、アルカリ可溶性高分子が挙げられる。
アルカリ可溶性高分子としては、酸基を有するアルカリ可溶性高分子であることが好ましい。
中でも、バインダーポリマーとしては、後述する重合体Aが好ましい。

0063

−重合体A−
バインダーポリマーとしては、重合体Aを含むことが好ましい。
重合体Aは、アルカリ可溶性高分子であることが好ましい。アルカリ可溶性高分子は、アルカリ物質溶け易い高分子を包含する。

0064

重合体Aの酸価は、現像液による感光性樹脂層の膨潤を抑制することにより、解像性がより優れる点から、220mgKOH/g以下が好ましく、200mgKOH/g未満がより好ましく、190mgKOH/g未満が更に好ましい。
重合体Aの酸価の下限は特に制限されないが、現像性がより優れる点から、60mgKOH/g以上が好ましく、120mgKOH/g以上がより好ましく、150mgKOH/g以上が更に好ましく、170mgKOH/g以上が特に好ましい。

0065

なお、酸価は、試料1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの質量[mg]であり、本明細書においては、単位をmgKOH/gと記載する。酸価は、例えば、化合物中における酸基の平均含有量から算出できる。
重合体Aの酸価は、重合体Aを構成する構成単位の種類及び酸基を含有する構成単位の含有量により調整すればよい。

0066

重合体Aの重量平均分子量は、5,000〜500,000であることが好ましい。重量平均分子量を500,000以下にすることは、解像性及び現像性を向上させる観点から好ましい。重量平均分子量を100,000以下にすることがより好ましく、60,000以下にすることが更に好ましく、50,000以下にすることが特に好ましい。一方で、重量平均分子量を5,000以上にすることは、現像凝集物性状、並びに、エッジフューズ性及びカットチップ性等の未露光膜の性状を制御する観点から好ましい。重量平均分子量を10,000以上にすることがより好ましく、20,000以上にすることが更に好ましく、30,000以上にすることが特に好ましい。エッジフューズ性とは、感光性転写部材をロール状に巻き取った場合に、ロールの端面からの、感光性樹脂層のはみ出し易さの程度をいう。カットチップ性とは、未露光膜をカッターで切断した場合に、チップの飛び易さの程度をいう。このチップが感光性転写部材の上面等に付着すると、後の露光工程等でマスクに転写して、不良品の原因となる。重合体Aの分散度は、1.0〜6.0であることが好ましく、1.0〜5.0であることがより好ましく、1.0〜4.0であることが更に好ましく、1.0〜3.0であることが更に好ましい。本開示で、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いて測定される値である。また分散度は、数平均分子量に対する重量平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)である。

0067

感光性樹脂層は、露光時の焦点位置がずれたときの線幅太りや解像度の悪化を抑制する観点から、重合体Aとして、芳香族炭化水素基を有する単量体成分を含むものであることが好ましい。なお、このような芳香族炭化水素基としては、例えば、置換又は非置換のフェニル基や、置換又は非置換のアラルキル基が挙げられる。重合体Aにおける芳香族炭化水素基を有する単量体成分の含有割合は、全単量体成分の合計質量を基準として、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、45質量%以上であることが特に好ましく、50質量%以上であることが最も好ましい。上限としては特に限定されないが、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。なお、重合体Aを複数種類含有する場合における、芳香族炭化水素基を有する単量体成分の含有割合は、重量平均値として求めた。

0068

上記芳香族炭化水素基を有する単量体としては、例えば、アラルキル基を有するモノマースチレン、及び重合可能スチレン誘導体(例えば、メチルスチレンビニルトルエン、tert−ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、4−ビニル安息香酸スチレンダイマースチレントリマー等)が挙げられる。中でも、アラルキル基を有するモノマー、又はスチレンが好ましい。一態様において、重合体Aにおける芳香族炭化水素基を有する単量体成分がスチレンである場合、スチレン単量体成分の含有割合は、全単量体成分の合計質量を基準として、20質量%〜50質量%であることが好ましく、25質量%〜45質量%であることがより好ましく、30質量%〜40質量%であることが更に好ましく、30質量%〜35質量%であることが特に好ましい。

0069

アラルキル基としては、置換又は非置換のフェニルアルキル基ベンジル基を除く)や、置換又は非置換のベンジル基等が挙げられ、置換又は非置換のベンジル基が好ましい。

0070

フェニルアルキル基を有する単量体としては、フェニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0071

ベンジル基を有する単量体としては、ベンジル基を有する(メタ)アクリレート、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート等;ベンジル基を有するビニルモノマー、例えば、ビニルベンジルクロライドビニルベンジルアルコール等が挙げられる。中でもベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。一態様において、重合体Aにおける芳香族炭化水素基を有する単量体成分がベンジル(メタ)アクリレートである場合、ベンジル(メタ)アクリレート単量体成分の含有割合は、全単量体成分の合計質量を基準として、50質量%〜95質量%であることが好ましく、60質量%〜90質量%であることがより好ましく、70質量%〜90質量%であることが更に好ましく、75質量%〜90質量%であることが特に好ましい。

0072

芳香族炭化水素基を有する単量体成分を含有する重合体Aは、芳香族炭化水素基を有する単量体と、後述する第一の単量体の少なくとも1種及び/又は後述する第二の単量体の少なくとも1種とを重合することにより得られることが好ましい。

0073

芳香族炭化水素基を有する単量体成分を含有しない重合体Aは、後述する第一の単量体の少なくとも1種を重合することにより得られることが好ましく、第一の単量体の少なくとも1種と後述する第二の単量体の少なくとも1種とを共重合することにより得られることがより好ましい。

0074

第一の単量体は、分子中にカルボキシル基を有する単量体である。第一の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸フマル酸ケイ皮酸クロトン酸イタコン酸、4−ビニル安息香酸、マレイン酸無水物マレイン酸半エステル等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
重合体Aにおける第一の単量体の含有割合は、全単量体成分の合計質量を基準として、5質量%〜50質量%であることが好ましく、10質量%〜40質量%であることがより好ましく、15質量%〜30質量%であることが更に好ましい。

0075

なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味し、かつ「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又は「メタクリレート」を意味する。

0076

第一の単量体の共重合割合は、全単量体成分の合計質量を基準として、10〜50質量%であることが好ましい。該共重合割合を10質量%以上にすることは、良好な現像性を発現させる観点、エッジフューズ性を制御するなどの観点から好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。上記共重合割合を50質量%以下にすることは、レジストパターンの高解像性及びスソ形状の観点から、更にはレジストパターンの耐薬品性の観点から好ましく、これらの観点においては、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましく、27質量%以下が特に好ましい。

0077

第二の単量体は、非酸性であり、かつ分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有する単量体である。第二の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類酢酸ビニル等のビニルアルコールエステル類;並びに(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。中でも、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びn−ブチル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
重合体Aにおける第二の単量体の含有割合は、全単量体成分の合計質量を基準として、5質量%〜60質量%であることが好ましく、15質量%〜50質量%であることがより好ましく、20質量%〜45質量%であることが更に好ましい。

0078

アラルキル基を有する単量体、及び/又はスチレンを単量体として含有することが、露光時の焦点位置がずれたときの線幅太りや解像度の悪化を抑制する観点から好ましい。例えば、メタクリル酸とベンジルメタクリレートとスチレンを含む共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレートとベンジルメタクリレートとスチレンを含む共重合体等が好ましい。
一態様において、重合体Aは、芳香族炭化水素基を有する単量体成分を25質量%〜40質量%、第一の単量体成分を20質量%〜35質量%、第二の単量体成分を30質量%〜45質量%含む重合体であることが好ましい。また、別の態様において、芳香族炭化水素基を有する単量体成分を70質量%〜90質量%、第一の単量体成分を10質量%〜25質量%含む重合体であることが好ましい。

0079

重合体Aは、1種単独で使用することができ、或いは2種以上を混合して使用してもよい。2種以上を混合して使用する場合には、芳香族炭化水素基を有する単量体成分を含む重合体Aを2種類混合使用すること、又は芳香族炭化水素基を有する単量体成分を含む重合体Aと、芳香族炭化水素基を有する単量体成分を含まない重合体Aと、を混合使用することが好ましい。後者の場合、芳香族炭化水素基を有する単量体成分を含む重合体Aの使用割合は、重合体Aの全部に対して、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。

0080

重合体Aの合成は、上記で説明された単数又は複数の単量体を、アセトンメチルエチルケトンイソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、加熱撹拌することにより行われることが好ましい。混合物の一部を反応液滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合懸濁重合、又は乳化重合を用いてもよい。

0081

重合体Aのガラス転移温度Tgは、30℃以上135℃以下であることが好ましい。感光性樹脂層において、135℃以下のTgを有する重合体Aを使用することによって、露光時の焦点位置がずれたときの線幅太りや解像度の悪化を抑制することができる。この観点から、重合体AのTgは、130℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが更に好ましく、110℃以下であることが特に好ましい。また、30℃以上のTgを有する重合体Aを使用することは、耐エッジフューズ性を向上させる観点から好ましい。この観点から、重合体AのTgは、40℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが更に好ましく、60℃以上であることが特に好ましく、70℃以上であることが最も好ましい。

0083

また、上記バインダーポリマーにおけるメタクリル酸より形成される構成単位の含有量は、得られるエッチングパターンの解像度、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、上記バインダーポリマーの全質量に対し、40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上35質量%以下であることが更に好ましく、15質量%以上30質量%以下であることが特に好ましい。
また更に、上記バインダーポリマーの酸価は、得られるエッチングパターンの解像度、及び、現像時の残渣抑制性の観点からは、100mgKOH/g〜200mgKOH/gであることが好ましい。

0084

バインダーポリマーは、1種単独で使用することができ、或いは2種以上を混合して使用してもよい。
バインダーポリマーの、感光性樹脂層の全質量に対する割合は、好ましくは10質量%〜90質量%の範囲であり、より好ましくは30質量%〜70質量%であり、更に好ましくは40質量%〜60質量%である。感光性樹脂層に対するバインダーポリマーの割合を90質量%以下にすることは、現像時間を制御する観点から好ましい。一方で、感光性樹脂層に対するバインダーポリマーの割合を10質量%以上にすることは、耐エッジフューズ性を向上させる観点から好ましい。

0085

(重合性化合物)
感光性樹脂層は、重合性化合物を含有することが好ましい。
本明細書において「重合性化合物」とは、後述する重合開始剤の作用を受けて重合する化合物であって、上述したバインダーポリマーとは異なる化合物を意味する。

0086

重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましい。
エチレン性不飽和化合物は、ネガ型感光性樹脂層の感光性(すなわち、光硬化性)及び硬化膜の強度に寄与する成分である。
また、エチレン性不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
感光性樹脂層は、エチレン性不飽和化合物として、2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。
ここで、2官能以上のエチレン性不飽和化合物とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。

0087

感光性樹脂層は、重合性基を有する重合性化合物を含有することが好ましい。
重合性化合物が有する重合性基としては、重合反応関与する基であれば特に制限されず、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基及びマレイミド基等のエチレン性不飽和基を有する基;並びに、エポキシ基及びオキセタン基等のカチオン性重合性基を有する基が挙げられる。
重合性基としては、エチレン性不飽和基を有する基が好ましく、アクリロイル基又はメタアクリロイル基がより好ましい。

0088

重合性化合物としては、感光性樹脂層の感光性がより優れる点で、1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(エチレン性不飽和化合物)が好ましく、一分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(多官能エチレン性不飽和化合物)がより好ましい。
また、解像性及び剥離性により優れる点で、エチレン性不飽和化合物が一分子中に有するエチレン性不飽和基の数は、6つ以下が好ましく、3つ以下がより好ましく、2つ以下が更に好ましい。

0089

感光性樹脂層は、感光性樹脂層の感光性と解像性及び剥離性とのバランスがより優れる点で、一分子中に2つ又は3つのエチレン性不飽和基を有する2官能又は3官能エチレン性不飽和化合物を含有することが好ましく、一分子中に2つのエチレン性不飽和基を有する2官能エチレン性不飽和化合物を含有することがより好ましい。
感光性樹脂層における、重合性化合物の含有量に対する2官能エチレン性不飽和化合物の含有量は、剥離性に優れる点から、60質量%以上が好ましく、70質量%超がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されず、100質量%であってもよい。即ち、感光性樹脂層に含まれる重合性化合物が全て2官能エチレン性不飽和化合物であってもよい。
また、エチレン性不飽和化合物としては、重合性基として(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。

0090

−重合性化合物B1−
感光性樹脂層は、芳香環及び2つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物B1を含有することが好ましい。重合性化合物B1は、上述した重合性化合物のうち、一分子中に1つ以上の芳香環を有する2官能エチレン性不飽和化合物である。

0091

感光性樹脂層中、重合性化合物の含有量に対する重合性化合物B1の含有量の質量比は、解像性がより優れる点から、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、55質量%以上であることが更に好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。上限は特に制限されないが、剥離性の点から、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましく、85質量%以下が特に好ましい。

0092

重合性化合物B1が有する芳香環としては、例えば、ベンゼン環ナフタレン環及びアントラセン環等の芳香族炭化水素環チオフェン環フラン環ピロール環イミダゾール環トリアゾール環及びピリジン環等の芳香族複素環、並びに、それらの縮合環が挙げられ、芳香族炭化水素環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。なお、上記芳香環は、置換基を有してもよい。
重合性化合物B1は、芳香環を1つのみ有してもよく、2つ以上の芳香環を有してもよい。

0093

重合性化合物B1は、現像液による感光性樹脂層の膨潤を抑制することにより、解像性が向上する点から、ビスフェノール構造を有することが好ましい。
ビスフェノール構造としては、例えば、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン)に由来するビスフェノールA構造、ビスフェノールF(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)に由来するビスフェノールF構造、及び、ビスフェノールB(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン)に由来するビスフェノールB構造が挙げられ、ビスフェノールA構造が好ましい。

0094

ビスフェノール構造を有する重合性化合物B1としては、例えば、ビスフェノール構造と、そのビスフェノール構造の両端に結合した2つの重合性基(好ましくは(メタ)アクリロイル基)とを有する化合物が挙げられる。
ビスフェノール構造の両端と2つの重合性基とは、直接結合してもよく、1つ以上のアルキレンオキシ基を介して結合してもよい。ビスフェノール構造の両端に付加するアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基がより好ましい。ビスフェノール構造に付加するアルキレンオキシ基の付加数は特に制限されないが、1分子あたり4〜16個が好ましく、6〜14個がより好ましい。
ビスフェノール構造を有する重合性化合物B1については、特開2016−224162号公報の段落0072〜0080に記載されており、この公報に記載の内容は本明細書に組み込まれる。

0095

重合性化合物B1としては、ビスフェノールA構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物が好ましく、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシフェニル)プロパンがより好ましい。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(FA−324M、日立化成(株)製)、2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(BPE−500、新中化学工業(株)製)、2,2−ビス(4−(メタクリロキシドデカエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン(FA−3200MY、日立化成(株)製)、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン(BPE−1300、新中村化学工業(株)製)、2,2−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(BPE−200、新中村化学工業(株)製)、及び、エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート(NKエステルA−BPE−10、新中村化学工業(株)製)が挙げられる。

0096

重合性化合物B1としては、下記一般式(I):

0097

0098

{式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、AはC2H4であり、BはC3H6であり、n1及びn3はそれぞれ独立に、1〜39の整数であり、かつn1+n3は2〜40の整数であり、n2及びn4はそれぞれ独立に、0〜29の整数であり、かつn2+n4は0〜30の整数であり、−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。そして、ブロックの場合、−(A−O)−と−(B−O)−とのいずれがビスフェニル基側でもよい。}
で表される化合物を使用することができる。
一態様において、n1+n2+n3+n4は、2〜20が好ましく、2〜16がより好ましく、4〜12が更に好ましい。また、n2+n4は、0〜10が好ましく、0〜4がより好ましく、0〜2が更に好ましく、0が特に好ましい。

0099

重合性化合物B1は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂層における、重合性化合物B1の含有量は、解像性がより優れる点から、感光性樹脂層の総質量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、転写性及びエッジフュージョン(転写部材の端部から感光性樹脂滲み出す現象)の点から、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。

0100

感光性樹脂層は、上述した重合性化合物B1以外の重合性化合物を含有してもよい。
重合性化合物B1以外の重合性化合物は、特に制限されず、公知の化合物の中から適宜選択できる。例えば、一分子中に1つのエチレン性不飽和基を有する化合物(単官能エチレン性不飽和化合物)、芳香環を有さない2官能エチレン性不飽和化合物、及び、3官能以上のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。

0101

単官能エチレン性不飽和化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネートポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及び、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。

0102

芳香環を有さない2官能エチレン性不飽和化合物としては、例えば、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ウレタンジ(メタ)アクリレート、及び、トリメチロールプロパンジアクリレートが挙げられる。
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A−DCP、新中村化学工業(株)製)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP、新中村化学工業(株)製)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(A−NOD−N、新中村化学工業(株)製)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(A−HD−N、新中村化学工業(株)製)、エチレングリコールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、及び、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートトリプロピレングリコールジアクリレート、及び、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、プロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、並びに、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。の市販品としては、例えば、8UX−0
15A(大成ファインケミカル(株)製)、UA−32P(新中村化学工業(株)製)、
及び、UA−1100H(新中村化学工業(株)製)が挙げられる。

0103

3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、並びに、これらのアルキレンオキサイド変性物が挙げられる。
ここで、「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、及びヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念であり、「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを包含する概念である。一態様において、感光性樹脂層は、上述した重合性化合物B1及び3官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、上述した重合性化合物B1及び2種以上の3官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましい。この場合、重合性化合物B1と3官能以上のエチレン性不飽和化合物の質量比は、(重合性化合物B1の合計質量):(3官能以上のエチレン性不飽和化合物の合計質量)=1:1〜5:1が好ましく、1.2:1〜4:1がより好ましく、1.5:1〜3:1が更に好ましい。
また、一態様において、感光性樹脂層は、上述した重合性化合物B1及び2種以上の3官能のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。

0104

3官能以上のエチレン性不飽和化合物のアルキレンオキサイド変性物としては、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物(日本化薬(株)製KAYARAD登録商標DPCA−20、新中村化学工業(株)製A−9300−1CL等)、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物(日本化薬(株)製KAYARAD RP−1040、新中村化学工業(株)製ATM−35E及びA−9300、ダイセルオルクス社製EBECRYL(登録商標) 135等)、エトキシル化グリセリントリアクリレート(新中村化学工業(株)製A−GLY−9E等)、アロニックス(登録商標)TO−2349(東亞合成(株)製)、アロニックスM−520(東亞合成(株)製)、並びに、アロニックスM−510(東亞合成(株)製)が挙げられる。

0105

また、重合性化合物B1以外の重合性化合物としては、特開2004−239942号公報の段落0025〜0030に記載の酸基を有する重合性化合物を用いてもよい。

0106

感光性樹脂層における重合性化合物の含有量Mmとバインダーポリマーの含有量Mbとの比Mm/Mbの値は、得られるエッチングパターンの解像度、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、1.0以下であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.5以上0.9以下であることが特に好ましい。
また、感光性樹脂層における重合性化合物は、硬化性、及び、得られるエッチングパターンの解像度の観点から、(メタ)アクリル化合物を含むことが好ましい。
更に、感光性樹脂層における重合性化合物は、硬化性、並びに、得られるエッチングパターンの解像度、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、(メタ)アクリル化合物を含み、かつ感光性樹脂層に含まれる上記(メタ)アクリル化合物の全質量に対するアクリル化合物の含有量が、60質量%以下であることがより好ましい。

0107

重合性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂層における重合性化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対し、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましく、20質量%〜50質量%が更に好ましい。

0108

重合性化合物B1を含む重合性化合物の重量平均分子量(Mw)としては、200〜3,000が好ましく、280〜2,200がより好ましく、300〜2,200が更に好ましい。

0109

(その他の成分)
感光性樹脂層は、バインダーポリマー及び重合性化合物以外の成分を含有してもよい。

0110

−光重合開始剤−
感光性樹脂層は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤は、紫外線可視光線及びX線等の活性光線を受けて、重合性化合物の重合を開始する化合物である。光重合開始剤としては、特に制限されず、公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤が挙げられ、光ラジカル重合開始剤が好ましい。

0111

光ラジカル重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤、α−アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、α−ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤、及び、N−フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤が挙げられる。

0112

また、感光性樹脂層は、感光性、露光部及び非露光部の視認性、及び、解像性の観点から、光ラジカル重合開始剤として、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。なお、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体及びその誘導体における2つの2,4,5−トリアリールイミダゾール構造は、同一であっても異なっていてもよい。
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体の誘導体としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、及び、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が挙げられる。

0113

光ラジカル重合開始剤としては、例えば、特開2011−95716号公報の段落0031〜0042、特開2015−14783号公報の段落0064〜0081に記載された重合開始剤を用いてもよい。

0114

光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジメチルアミノ安息香酸エチル(DBE、CAS No.10287−53−3)、ベンゾインメチルエーテルアニシル(p,p’−ジメトキシベンジル)、TAZ−110(商品名:みどり化学(株)製)、ベンゾフェノン、TAZ−111(商品名:みどり化学(株)製)、IrgacureOXE01、OXE02、OXE03、OXE04(BASF社製)、Omnirad651及び369(商品名:IGMResins B.V.社製)、及び、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(東京化成工業(株)製)が挙げられる。

0115

光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE−01、BASF社製)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イルエタノン−1−(O−アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE−02、BASF社製)、IRGACURE OXE−03(BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:Omnirad 379EG、IGMResins B.V.製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:Omnirad 907、IGM Resins B.V.製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(商品名:Omnirad 127、IGM Resins B.V.製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(商品名:Omnirad 369、IGM Resins B.V.製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Omnirad 1173、IGM Resins B.V.製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:Omnirad 184、IGM Resins B.V.製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:Omnirad 651、IGM Resins B.V.製)、2,4,6−トリメチルベンゾリル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名:OmniradTPO H、IGM Resins B.V.製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾリル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:Omnirad 819、IGM Resins B.V.製)、オキシムエステル系の光重合開始剤(商品名:Lunar 6、DKSHジャパン(株)製)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール(2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体)(商品名:B−CIM、Hampford社製)、及び、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体(商品名:BCTB、東京化成工業(株)製)が挙げられる。

0116

光カチオン重合開始剤(光酸発生剤)は、活性光線を受けて酸を発生する化合物である。光カチオン重合開始剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造は制限されない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光カチオン重合開始剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
光カチオン重合開始剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光カチオン重合開始剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光カチオン重合開始剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光カチオン重合開始剤が特に好ましい。pKaの下限値は特に定めないが、例えば、−10.0以上が好ましい。

0117

光カチオン重合開始剤としては、イオン性光カチオン重合開始剤及び非イオン性光カチオン重合開始剤が挙げられる。
イオン性光カチオン重合開始剤として、例えば、ジアリールヨードニウム塩類及びトリアリールスルホニウム塩類等のオニウム塩化合物、並びに、第4級アンモニウム塩類が挙げられる。
イオン性光カチオン重合開始剤としては、特開2014−85643号公報の段落0114〜0133に記載のイオン性光カチオン重合開始剤を用いてもよい。

0118

非イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、トリクロロメチル−s−トリアジン類ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物が挙げられる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアゾメタン化合物及びイミドスルホネート化合物としては、特開2011−221494号公報の段落0083〜0088に記載の化合物を用いてもよい。また、オキシムスルホネート化合物としては、国際公開第2018/179640号の段落0084〜0088に記載された化合物を用いてもよい。

0119

感光性樹脂層は、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましく、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含有することがより好ましい。

0120

感光性樹脂層は、光重合開始剤を、1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
感光性樹脂層における光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、感光性樹脂層の全質量に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、感光性樹脂層の全質量に対し、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。

0121

色素
感光性樹脂層は、露光部及び非露光部の視認性、現像後のパターン視認性、及び、解像性の観点から、発色時の波長範囲400nm〜780nmにおける最大吸収波長が450nm以上であり、かつ、酸、塩基、又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素(単に「色素N」ともいう。)を含有することが好ましい。色素Nを含有すると、詳細なメカニズムは不明であるが、隣接する層(例えば仮支持体及び中間層)との密着性が向上し、解像性により優れる。

0122

本明細書において、色素が「酸、塩基又はラジカルにより極大吸収波長が変化する」とは、発色状態にある色素が酸、塩基又はラジカルにより消色する態様、消色状態にある色素が酸、塩基又はラジカルにより発色する態様、及び、発色状態にある色素が他の色相の発色状態に変化する態様のいずれの態様を意味してもよい。
具体的には、色素Nは、露光により消色状態から変化して発色する化合物であってもよいし、露光により発色状態から変化して消色する化合物であってもよい。この場合、露光により酸、塩基又はラジカルが感光性樹脂層内において発生し作用することにより、発色又は消色の状態が変化する色素でもよく、酸、塩基又はラジカルにより感光性樹脂層内の状態(例えばpH)が変化することで発色又は消色の状態が変化する色素でもよい。また、露光を介さずに、酸、塩基又はラジカルを刺激として直接受けて発色又は消色の状態が変化する色素でもよい。

0123

中でも、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、色素Nは、酸又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素が好ましく、ラジカルにより最大吸収波長が変化する色素がより好ましい。
感光性樹脂層は、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、色素Nとしてラジカルにより最大吸収波長が変化する色素、及び、光ラジカル重合開始剤の両者を含有することが好ましい。
また、露光部及び非露光部の視認性の観点から、色素Nは、酸、塩基、又はラジカルにより発色する色素であることが好ましい。

0124

本開示における色素Nの発色機構の例としては、感光性樹脂層に光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤(光酸発生剤)又は光塩基発生剤を添加して、露光後に光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤又は光塩基発生剤から発生するラジカル、酸又は塩基によって、ラジカル反応性色素、酸反応性色素又は塩基反応性色素(例えばロイコ色素)が発色する態様が挙げられる。

0125

色素Nは、露光部及び非露光部の視認性の観点から、発色時の波長範囲400nm〜780nmにおける極大吸収波長が、550nm以上であることが好ましく、550nm〜700nmであることがより好ましく、550nm〜650nmであることが更に好ましい。
また、色素Nは、発色時の波長範囲400nm〜780nmにおける極大吸収波長を1つのみ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。色素Nが発色時の波長範囲400nm〜780nmにおける極大吸収波長を2つ以上有する場合は、2つ以上の極大吸収波長のうち吸光度が最も高い極大吸収波長が450nm以上であればよい。

0126

色素Nの極大吸収波長は、大気雰囲気下で、分光光度計:UV3100((株)島津製作所製)を用いて、400nm〜780nmの範囲で色素Nを含有する溶液(液温25℃)の透過スペクトルを測定し、光の強度が極小となる波長(極大吸収波長)を検出することにより、得られる。

0127

露光により発色又は消色する色素としては、例えば、ロイコ化合物が挙げられる。
露光により消色する色素としては、例えば、ロイコ化合物、ジアリールメタン系色素、オキザジン系色素、キサンテン系色素イミノナフトキノン系色素、アゾメチン系色素及びアントラキノン系色素が挙げられる。
色素Nとしては、露光部及び非露光部の視認性の観点から、ロイコ化合物が好ましい。

0128

ロイコ化合物としては、例えば、トリアリールメタン骨格を有するロイコ化合物(トリアリールメタン系色素)、スピロピラン骨格を有するロイコ化合物(スピロピラン系色素)、フルオラン骨格を有するロイコ化合物(フルオラン系色素)、ジアリールメタン骨格を有するロイコ化合物(ジアリールメタン系色素)、ローダミンラクタム骨格を有するロイコ化合物(ローダミンラクタム系色素)、インドリルフタリド骨格を有するロイコ化合物(インドリルフタリド系色素)、及び、ロイコオーラミン骨格を有するロイコ化合物(ロイコオーラミン系色素)が挙げられる。
中でも、トリアリールメタン系色素又はフルオラン系色素が好ましく、トリフェニルメタン骨格を有するロイコ化合物(トリフェニルメタン系色素)又はフルオラン系色素がより好ましい。

0129

ロイコ化合物としては、露光部及び非露光部の視認性の観点から、ラクトン環スルチン環又はスルトン環を有することが好ましい。これにより、ロイコ化合物が有するラクトン環、スルチン環又はスルトン環を、光ラジカル重合開始剤から発生するラジカル又は光カチオン重合開始剤から発生する酸と反応させて、ロイコ化合物を閉環状態に変化させて消色させるか、又は、ロイコ化合物を開環状態に変化させて発色させることができる。ロイコ化合物としては、ラクトン環、スルチン環又はスルトン環を有し、ラジカル又は酸によりラクトン環、スルチン環又はスルトン環が開環して発色する化合物が好ましく、ラクトン環を有し、ラジカル又は酸によりラクトン環が開環して発色する化合物がより好ましい。

0130

色素Nとしては、例えば、以下の染料及びロイコ化合物が挙げられる。
色素Nのうち染料の具体例としては、ブリリアントグリーンエチルバイオレットメチルグリーンクリスタルバイオレットベイシックフクシンメチルバイオレット2B、キナルジンレッドローズベンガルメタニルイエローチモールスルホフタレインキシレノールブルーメチルオレンジパラメチルレッドコンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッドナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイトグリーンパラフクシンビクトリアピュアブルー−ナフタレンスルホン酸塩、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学工業(株)製)、オイルブルー#603(オリヱント化学工業(株)製)、オイルピンク#312(オリヱント化学工業(株)製)、オイルレッド5B(オリヱント化学工業(株)製)、オイルスカレット#308(オリヱント化学工業(株)製)、オイルレッドOG(オリヱント化学工業(株)製)、オイルレッドRR(オリヱント化学工業(株)製)、オイルグリーン#502(オリヱント化学工業(株)製)、スピロンレッドBEHスペシャル(保土谷化学工業(株)製)、m−クレゾールパープルクレゾールレッドローダミンBローダミン6GスルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、及び、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロンが挙げられる。

0131

色素Nのうちロイコ化合物の具体例としては、p,p’,p”−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタンロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、及び、3’,6’−ビス(ジフェニルアミノ)スピロイソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン−3−オンが挙げられる。

0132

色素Nは、露光部及び非露光部の視認性、現像後のパターン視認性、及び、解像性の観点から、ラジカルにより最大吸収波長が変化する色素であることが好ましく、ラジカルにより発色する色素であることがより好ましい。
色素Nとしては、ロイコクリスタルバイオレット、クリスタルバイオレットラクトン、ブリリアントグリーン、又は、ビクトリアピュアブルー−ナフタレンスルホン酸塩が好ましい。

0133

色素Nは、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
色素Nの含有量は、露光部及び非露光部の視認性、現像後のパターン視認性、及び、解像性の観点から、感光性樹脂層の全質量に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が更に好ましく、0.1質量%〜1質量%が特に好ましい。

0134

色素Nの含有量は、感光性樹脂層に含まれる色素Nの全てを発色状態にした場合の色素の含有量を意味する。以下に、ラジカルにより発色する色素を例に、色素Nの含有量の定量方法を説明する。
メチルエチルケトン100mLに、色素0.001g及び0.01gを溶かした溶液を調製する。得られた各溶液に、光ラジカル重合開始剤Irgacure OXE01(商品名、BASFジャパン株式会社)を加え、365nmの光を照射することによりラジカルを発生させ、
全ての色素を発色状態にする。その後、大気雰囲気下で、分光光度計(UV3100、(株)島津製作所製)を用いて、液温が25℃である各溶液の吸光度を測定し、検量線を作成する。
次に、色素に代えて感光性樹脂層3gをメチルエチルケトンに溶かすこと以外は上記と同様の方法で、色素を全て発色させた溶液の吸光度を測定する。得られた感光性樹脂層を含有する溶液の吸光度から、検量線に基づいて感光性樹脂層に含まれる色素の含有量を算出する。

0135

−界面活性剤−
感光性樹脂層は、厚さ均一性の観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤カチオン性界面活性剤ノニオン性(非イオン性)界面活性剤、及び、両性界面活性剤が挙げられ、ノニオン性界面活性剤が好ましい。

0136

ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類ポリオキシエチレングリコール高級脂肪酸ジエステル類シリコーン系ノニオン性界面活性剤、及び、フッ素系ノニオン性界面活性剤が挙げられる。
感光性樹脂層は、解像性がより優れる点から、フッ素系ノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。感光性樹脂層がフッ素系ノニオン性界面活性剤を含有することにより、エッチング液の感光性樹脂層への浸透を抑制してサイドエッチングを低減するためと考えられる。
フッ素系ノニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF−551、F−552及びF−554(いずれもDIC(株)製)が挙げられる。

0137

界面活性剤としては、国際公開第2018/179640号の段落0120〜0125に記載の界面活性剤、特許第4502784号公報の段落0017に記載の界面活性剤、及び、特開2009−237362号公報の段落0060〜0071に記載の界面活性剤を用いることもできる。

0138

感光性樹脂層は、界面活性剤を、1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
界面活性剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対し、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜3質量%がより好ましい。

0139

添加剤
感光性樹脂層は、上記成分以外に、必要に応じて公知の添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、ラジカル重合禁止剤、増感剤、可塑剤ヘテロ環状化合物ベンゾトリアゾール類カルボキシベンゾトリアゾール類、重合体A以外の樹脂、及び、溶剤が挙げられる。感光性樹脂層は、各添加剤を1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。

0140

感光性樹脂層は、ラジカル重合禁止剤を含有してもよい。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0018に記載された熱重合防止剤が挙げられる。中でも、フェノチアジンフェノキサジン又は4−メトキシフェノールが好ましい。その他のラジカル重合禁止剤としては、ナフチルアミン塩化第一銅ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。感光性樹脂層の感度を損なわないために、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩をラジカル重合禁止剤として使用することが好ましい。

0141

ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。

0142

カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、CBT−1(化学工業株式会社、商品名)などの市販品を用いることができる。

0143

ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾル類、及びカルボキシベンゾトリアゾ−ル類の合計含有量は、感光性樹脂層の全質量を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%〜3質量%であり、より好ましくは0.05質量%〜1質量%である。上記含有量を0.01質量%以上にすることは、感光性樹脂層に保存安定性を付与するという観点から好ましい。一方で、上記含有量を3質量%以下にすることは、感度を維持し、染料の脱色を抑える観点から好ましい。

0144

感光性樹脂層は、増感剤を含有してもよい。
増感剤は、特に制限されず、公知の増感剤、染料及び顔料を用いることができる。増感剤としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物アントラセン化合物クマリン化合物キサントン化合物チオキサントン化合物アクリドン化合物、オキサゾール化合物ベンゾオキサゾール化合物チアゾール化合物ベンゾチアゾール化合物トリアゾール化合物(例えば、1,2,4−トリアゾール)、スチルベン化合物トリアジン化合物チオフェン化合物ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物、及び、アミノアクリジン化合物が挙げられる。

0145

感光性樹脂層は、増感剤を1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
感光性樹脂層が増感剤を含有する場合、増感剤の含有量は、目的により適宜選択できるが、光源に対する感度の向上、及び、重合速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.05質量%〜1質量%がより好ましい。

0146

感光性樹脂層は、可塑剤及びヘテロ環状化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有してもよい。
可塑剤及びヘテロ環状化合物としては、国際公開第2018/179640号の段落0097〜0103及び0111〜0118に記載された化合物が挙げられる。

0147

感光性樹脂層は、溶剤を含有してもよい。溶剤を含む感光性樹脂組成物により感光性樹脂層を形成した場合、感光性樹脂層に溶剤が残留することがある。

0148

また、感光性樹脂層は、金属酸化物粒子酸化防止剤分散剤酸増殖剤現像促進剤導電性繊維熱ラジカル重合開始剤熱酸発生剤紫外線吸収剤増粘剤架橋剤、及び、有機又は無機沈殿防止剤等の公知の添加剤を更に含有してもよい。
感光性樹脂層に含有される添加剤については特開2014−85643号公報の段落0165〜0184に記載されており、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。

0149

<物性等>
感光性樹脂層の層厚は、0.1μm〜300μmが好ましく、0.2μm〜100μmがより好ましく、0.5μm〜50μmが更に好ましく、0.5μm〜15μmがより更に好ましく、0.5μm〜10μmが特に好ましく、0.5μm〜8μmが最も好ましい。これにより、感光性樹脂層の現像性が向上し、解像性を向上させることができる。
また、一態様において、0.5μm〜5μmが好ましく、0.5μm〜4μmがより好ましく、0.5μm〜3μmが更に好ましい。
更に、感光性樹脂層の層厚は、直線性の観点から、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく、6μm以下が更に好ましく、1μm以上4μm以下が特に好ましい。
感光性転写部材が備える各層の層厚は、感光性転写部材の主面に対し垂直な方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察し、得られた観察画像に基づいて各層の厚さを10点以上計測し、その平均値を算出することにより、測定される。

0150

また、密着性により優れる点から、感光性樹脂層の波長365nmの光の透過率は、10%以上が好ましく、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、99.9%以下が好ましい。

0151

形成方法
感光性樹脂層の形成方法は、上記の成分を含有する層を形成可能な方法であれば特に制限されない。
感光性樹脂層の形成方法としては、例えば、バインダーポリマー、重合性化合物及び溶剤を含有する感光性樹脂組成物を調製し、仮支持体等の表面に感光性樹脂組成物を塗布し、感光性樹脂組成物の塗膜を乾燥することにより形成する方法が挙げられる。

0152

感光性樹脂層の形成に使用される感光性樹脂組成物としては、例えば、バインダーポリマー、重合性化合物、上記の任意成分及び溶剤を含有する組成物が挙げられる。
感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の粘度を調節し、感光性樹脂層の形成を容易にするため、溶剤を含有することが好ましい。

0153

(溶剤)
感光性樹脂組成物に含有される溶剤としては、バインダーポリマー、重合性化合物及び上記の任意成分を溶解又は分散可能であれば特に制限されず、公知の溶剤を使用できる。
溶剤としては、例えば、アルキレングリコールエーテル溶剤、アルキレングリコールエーテルアセテート溶剤、アルコール溶剤メタノール及びエタノール等)、ケトン溶剤(アセトン及びメチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素溶剤トルエン等)、非プロトン性極性溶剤(N,N−ジメチルホルムアミド等)、環状エーテル溶剤(テトラヒドロフラン等)、エステル溶剤アミド溶剤、ラクトン溶剤、並びにこれらの2種以上を含む混合溶剤が挙げられる。
仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性樹脂層を備える感光性転写部材を作製する場合、感光性樹脂組成物は、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。中でも、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤からなる群より選択される少なくとも1種と、ケトン溶剤及び環状エーテル溶剤からなる群より選択される少なくとも1種とを含む混合溶剤がより好ましく、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤からなる群より選択される少なくとも1種、ケトン溶剤、並びに環状エーテル溶剤の3種を少なくとも含む混合溶剤が更に好ましい。

0154

アルキレングリコールエーテル溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテルエチレングリコールジアルキルエーテルプロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピレングリコールジアルキルエーテルジエチレングリコールジアルキルエーテルジプロピレングリコールモノアルキルエーテル及びジプロピレングリコールジアルキルエーテルが挙げられる。
アルキレングリコールエーテルアセテート溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられる。
溶剤としては、国際公開第2018/179640号の段落0092〜0094に記載された溶剤、及び、特開2018−177889公報の段落0014に記載された溶剤を用いてもよく、これらの内容は本明細書に組み込まれる。

0155

感光性樹脂組成物は、溶剤を1種単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
感光性樹脂組成物を塗布する際における溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対し、50質量部〜1,900質量部が好ましく、100質量部〜900質量部がより好ましい。

0156

感光性樹脂組成物の調製方法は特に制限されず、例えば、各成分を上記溶剤に溶解させた溶液を予め調製し、得られた溶液を所定の割合で混合することにより、感光性樹脂組成物を調製する方法が挙げられる。
感光性樹脂組成物は、感光性樹脂層を形成する前に、孔径0.2μm〜30μmのフィルターを用いてろ過することが好ましい。

0157

感光性樹脂組成物の塗布方法は特に制限されず、公知の方法で塗布すればよい。塗布方法としては、例えば、スリット塗布スピン塗布カーテン塗布及びインクジェット塗布が挙げられる。
また、感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物を後述するカバーフィルム上に塗布し、乾燥することにより形成してもよい。

0158

〔熱可塑性樹脂層〕
感光性転写部材は、熱可塑性樹脂層を備えていてもよい。
感光性転写部材は、仮支持体と感光性樹脂層との間に熱可塑性樹脂層を備えることが好ましい。感光性転写部材が仮支持体と感光性樹脂層との間に熱可塑性樹脂層を備えることにより、基板との貼り合わせ工程における基板への追従性が向上して、基板と感光性転写部材との間の気泡混入が抑制され、隣接する層(例えば仮支持体)との密着性が向上するためである。

0159

<成分>
アルカリ可溶性樹脂
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性樹脂を含有する。
なお、本明細書において、「アルカリ可溶性」とは、22℃において炭酸ナトリウムの1質量%水溶液100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びポリアルキレングリコールが挙げられる。

0160

アルカリ可溶性樹脂としては、現像性及び隣接する層との密着性の観点から、アクリル樹脂が好ましい。
ここで、アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位、及び、(メタ)アクリル酸アミドに由来する構成単位よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構成単位を有する樹脂を意味する。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位、及び、(メタ)アクリル酸アミドに由来する構成単位の合計含有量が、アクリル樹脂の全質量に対して50質量%以上であることが好ましい。
中でも、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の合計含有量が、アクリル樹脂の全質量に対して30質量%〜100質量%であることが好ましく、50質量%〜100質量%であることがより好ましい。

0161

また、アルカリ可溶性樹脂は、酸基を有する重合体であることが好ましい。
酸基としては、カルボキシ基スルホ基リン酸基及びホスホン酸基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、現像性の観点から、酸価60mgKOH/g以上のアルカリ可溶性樹脂がより好ましく、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂が更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の酸価の上限は、特に制限されないが、200mgKOH/g以下が好ましく、150mgKOH/g以下がより好ましい。

0162

酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂としては、特に制限されず、公知の樹脂から適宜選択して用いることができる。
例えば、特開2011−95716号公報の段落0025に記載のポリマーのうち酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂であるアルカリ可溶性樹脂、特開2010−237589号公報の段落0033〜0052に記載のポリマーのうちの酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂、及び、特開2016−224162号公報の段落0053〜0068に記載のバインダーポリマーのうちの酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂が挙げられる。
上記カルボキシ基含有アクリル樹脂におけるカルボキシ基を有する構成単位の共重合比は、アクリル樹脂の全質量に対して、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましく、12質量%〜30質量%が更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、現像性及び隣接する層との密着性の観点から、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有するアクリル樹脂が特に好ましい。

0163

アルカリ可溶性樹脂は、反応性基を有していてもよい。反応性基としては、付加重合可能な基であればよく、エチレン性不飽和基;ヒドロキシ基及びカルボキシ基等の重縮合性基;エポキシ基、(ブロック)イソシアネート基等の重付加反応性基が挙げられる。

0164

アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上が好ましく、1万〜10万がより好ましく、2万〜5万が更に好ましい。

0165

熱可塑性樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂を1種単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、現像性及び隣接する層との密着性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、10質量%〜99質量%が好ましく、20質量%〜90質量%がより好ましく、40質量%〜80質量%が更に好ましく、50質量%〜70質量%が特に好ましい。

0166

(色素)
熱可塑性樹脂層は、発色時の波長範囲400nm〜780nmにおける最大吸収波長が450nm以上であり、酸、塩基、又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素(単に「色素B」ともいう。)を含有することが好ましい。
色素Bの好ましい態様は、後述する点以外は、色素Nの好ましい態様と同様である。

0167

色素Bは、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、酸又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素が好ましく、酸により最大吸収波長が変化する色素であることがより好ましい。
熱可塑性層は、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、色素Bとしての酸により最大吸収波長が変化する色素、及び、後述する光により酸を発生する化合物の両者を含有することが好ましい。

0168

色素Bは、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
色素Bの含有量は、露光部及び非露光部の視認性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、0.2質量%以上が好ましく、0.2質量%〜6質量%がより好ましく、0.2質量%〜5質量%が更に好ましく、0.25質量%〜3.0質量%が特に好ましい。

0169

ここで、色素Bの含有量は、熱可塑性樹脂層に含まれる色素Bの全てを発色状態にした場合の色素の含有量を意味する。以下に、ラジカルにより発色する色素を例に、色素Bの含有量の定量方法を説明する。
メチルエチルケトン100mLに、色素0.001g及び0.01gを溶かした溶液を調製する。得られた各溶液に、光ラジカル重合開始剤Irgacure OXE01(商品名、BASFジャパン株式会社)を加え、365nmの光を照射することによりラジカルを発生させ、全ての色素を発色状態にする。その後、大気雰囲気下で、分光光度計(UV3100、(株)島津製作所製)を用いて、液温が25℃である各溶液の吸光度を測定し、検量線を作成する。
次に、色素に代えて熱可塑性樹脂層0.1gをメチルエチルケトンに溶かすこと以外は上記と同様の方法で、色素を全て発色させた溶液の吸光度を測定する。得られた熱可塑性樹脂層を含有する溶液の吸光度から、検量線に基づいて熱可塑性樹脂層に含まれる色素の量を算出する。

0170

(光により酸、塩基又はラジカルを発生する化合物)
熱可塑性樹脂層は、光により酸、塩基又はラジカルを発生する化合物(単に「化合物C」ともいう。)を含有してもよい。
化合物Cとしては、紫外線及び可視光線等の活性光線を受けて、酸、塩基、又はラジカルを発生する化合物が好ましい。
化合物Cとしては、公知の、光酸発生剤、光塩基発生剤、及び、光ラジカル重合開始剤(光ラジカル発生剤)を用いることができる。中でも、光酸発生剤が好ましい。

0171

−光酸発生剤−
熱可塑性樹脂層は、解像性の観点から、光酸発生剤を含有することが好ましい。
光酸発生剤としては、上述した感光性樹脂層が含有してもよい光カチオン重合開始剤が挙げられ、後述する点以外は好ましい態様も同じである。

0172

光酸発生剤としては、感度及び解像性の観点から、オニウム塩化合物、及び、オキシムスルホネート化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することが好ましく、感度、解像性及び密着性の観点から、オキシムスルホネート化合物を含有することがより好ましい。
また、光酸発生剤としては、以下の構造を有する光酸発生剤も好ましい。

0173

0174

−光ラジカル重合開始剤−
熱可塑性樹脂層は、光ラジカル重合開始剤(光ラジカル重合開始剤)を含有してもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、上述した感光性樹脂層が含有してもよい光ラジカル重合開始剤が挙げられ、好ましい態様も同じである。

0175

−光塩基発生剤−
熱可塑性樹脂層は、光塩基発生剤を含有してもよい。
光塩基発生剤としては、公知の光塩基発生剤であれば特に制限されず、例えば、2−ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメートトリフェニルメタノール、O−カルバモイルヒドロキシルアミド、O−カルバモイルオキシム、[[(2,6−ジニトロベンジル)オキシカルボニルシクロヘキシルアミン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン1,6−ジアミン、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2,6−ジメチル−3,5−ジアセチル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、及び、2,6−ジメチル−3,5−ジアセチル−4−(2,4−ジニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジンが挙げられる。

0176

熱可塑性樹脂層は、化合物Cを、1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
化合物Cの含有量は、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜5質量%がより好ましい。

0177

(可塑剤)
熱可塑性樹脂層は、解像性、隣接する層との密着性及び現像性の観点から、可塑剤を含有することが好ましい。
可塑剤は、アルカリ可溶性樹脂よりも分子量(オリゴマー又はポリマーである場合は重量平均分子量(Mw))が小さいことが好ましい。可塑剤の分子量(重量平均分子量(Mw))は、200〜2,000が好ましい。
可塑剤は、アルカリ可溶性樹脂と相溶して可塑性を発現する化合物であれば特に制限されないが、可塑性付与の観点から、可塑剤は、分子中にアルキレンオキシ基を有することが好ましく、ポリアルキレングリコール化合物がより好ましい。可塑剤に含まれるアルキレンオキシ基は、ポリエチレンオキシ構造又はポリプロピレンオキシ構造を有することがより好ましい。

0178

また、可塑剤は、解像性及び保存安定性の観点から、(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。相溶性、解像性及び隣接する層との密着性の観点から、アルカリ可溶性樹脂がアクリル樹脂であり、かつ、可塑剤が(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましい。
可塑剤として用いられる(メタ)アクリレート化合物としては、上述した感光性樹脂層に含有される重合性化合物として記載した(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
感光性転写部材において、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とが直接接触して積層される場合、熱可塑性樹脂層及び感光性樹脂層がいずれも同じ(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。同じ(メタ)アクリレート化合物を熱可塑性樹脂層及び感光性樹脂層がそれぞれ含有することで、層間の成分拡散が抑制され、保存安定性が向上するためである。

0179

熱可塑性樹脂層が可塑剤として(メタ)アクリレート化合物を含有する場合、隣接する層との密着性の観点から、露光後の露光部においても(メタ)アクリレート化合物が重合しないことが好ましい。
また、可塑剤として用いられる(メタ)アクリレート化合物としては、解像性、隣接する層との密着性及び現像性の観点から、一分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
更に、可塑剤として用いられる(メタ)アクリレート化合物としては、酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、又は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物も好ましい。

0180

熱可塑性樹脂層は、可塑剤を1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
可塑剤の含有量は、解像性、隣接する層との密着性及び現像性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対し、1質量%〜70質量%が好ましく、10質量%〜60質量%がより好ましく、20質量%〜50質量%が特に好ましい。

0181

(界面活性剤)
熱可塑性樹脂層は、厚さ均一性の観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、上述した感光性樹脂層が含有してもよい界面活性剤が挙げられ、好ましい態様も同じである。

0182

熱可塑性樹脂層は、界面活性剤を1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
界面活性剤の含有量は、熱可塑性樹脂層の全質量に対し、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜3質量%がより好ましい。

0183

(増感剤)
熱可塑性樹脂層は、増感剤を含有してもよい。
増感剤としては、特に制限されず、上述した感光性樹脂層が含有してもよい増感剤が挙げられる。

0184

熱可塑性樹脂層は、増感剤を、1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
増感剤の含有量は、目的により適宜選択できるが、光源に対する感度の向上、及び、露光部及び非露光部の視認性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対し、0.01質量%〜5質量%の範囲が好ましく、0.05質量%〜1質量%の範囲がより好ましい。

0185

(添加剤等)
熱可塑性樹脂層は、上記成分以外に、必要に応じて公知の添加剤を含有してもよい。
また、熱可塑性樹脂層については、特開2014−85643号公報の段落0189〜0193に記載されており、この公報に記載の内容は本明細書に組み込まれる。

0186

<物性等>
熱可塑性樹脂層の層厚は、特に制限されないが、隣接する層との密着性の観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、現像性及び解像性の観点から、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましい。

0187

<形成方法>
熱可塑性樹脂層の形成方法は、上記の成分を含有する層を形成可能な方法であれば特に制限されない。
熱可塑性樹脂層の形成方法としては、例えば、上記の成分と溶剤とを含有する熱可塑性樹脂組成物を調製し、仮支持体等の表面に熱可塑性樹脂組成物を塗布し、熱可塑性樹脂組成物の塗膜を乾燥することにより形成する方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物の粘度を調節し、熱可塑性樹脂層の形成を容易にするため、溶剤を含有することが好ましい。

0188

(溶剤)
熱可塑性樹脂組成物に含有される溶剤としては、熱可塑性樹脂層に含有される上記成分を溶解又は分散可能であれば特に制限されない。
熱可塑性樹脂組成物に含有される溶剤としては、上述した感光性樹脂組成物が含有してもよい溶剤が挙げられ、好ましい態様も同じである。

0189

熱可塑性樹脂組成物に含有される溶剤は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
熱可塑性樹脂組成物を塗布する際における溶剤の含有量は、熱可塑性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対し、50質量部〜1,900質量部が好ましく、100質量部〜900質量部がより好ましい。

0190

熱可塑性樹脂組成物の調製及び熱可塑性樹脂層の形成は、上述した感光性樹脂組成物の調製方法及び感光性樹脂層の形成方法に準じて行えばよい。
例えば、熱可塑性樹脂層に含有される各成分を上記溶剤に溶解させた溶液を予め調製し、得られた溶液を所定の割合で混合することにより、熱可塑性樹脂組成物が調製した後、得られた熱可塑性樹脂組成物を仮支持体の表面に塗布し、熱可塑性樹脂組成物の塗膜を乾燥させることにより、熱可塑性樹脂層が形成される。
また、後述するカバーフィルム上に、感光性樹脂層及び中間層を形成した後、中間層の表面に熱可塑性樹脂層を形成してもよい。

0191

〔中間層〕
感光性転写部材は、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との間に、中間層を備えることが好ましい。中間層を備えることにより、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制できる。
中間層は、現像性、並びに、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制する観点から、水溶性の層であることが好ましい。
なお、本明細書において「水溶性」とは、液温が22℃であるpH7.0の水100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。

0192

中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断層が挙げられる。中間層が酸素遮断層であると、露光時の感度が向上し、露光機の時間負荷が低減し、生産性が向上するため、好ましい。
中間層として用いられる酸素遮断層は、上記公報等に記載された公知の層から適宜選択すればよい。中でも、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液(22℃の炭酸ナトリウムの1質量%水溶液)に分散又は溶解する酸素遮断層が好ましい。

0193

中間層は、樹脂を含有することが好ましい。
中間層に含有される樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂ポリビニルピロリドン系樹脂セルロース系樹脂アクリルアミド系樹脂ポリエチレンオキサイド系樹脂ゼラチンビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、及び、これらの共重合体等の樹脂が挙げられる。
中間層に含有される樹脂としては、水溶性樹脂が好ましい。
また、中間層に含有される樹脂は、複数層間の成分の混合を抑制する観点から、感光性樹脂層に含有される重合体A、及び、熱可塑性樹脂層に含有され熱可塑性樹脂(アルカリ可溶性樹脂)のいずれとも異なる樹脂であることが好ましい。

0194

中間層は、酸素遮断性、並びに、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制する観点から、ポリビニルアルコールを含有することが好ましく、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンの両者を含有することがより好ましい。

0195

中間層は、上記樹脂を1種単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
中間層における樹脂の含有量は、特に制限されないが、酸素遮断性、並びに、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制する観点から、中間層の全質量に対し、50質量%〜100質量%が好ましく、70質量%〜100質量%がより好ましく、80質量%〜100質量%が更に好ましく、90質量%〜100質量%が特に好ましい。
また、中間層は、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を含有してもよい。

0196

中間層の層厚は、特に制限されないが、0.1μm〜5μmが好ましく、0.5μm〜3μmがより好ましい。
中間層の厚みが上記の範囲内であると、酸素遮断性を低下させることがなく、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制でき、また、現像時の中間層除去時間の増大を抑制できるためである。

0197

中間層の形成方法は、特に制限されず、例えば、上記樹脂及び任意の添加剤を含有する中間層組成物を調製し、熱可塑性樹脂層又は感光性樹脂層の表面に塗布し、中間層組成物の塗膜を乾燥することにより、中間層を形成する方法が挙げられる。
中間層組成物は、中間層組成物の粘度を調節し、中間層の形成を容易にするため、溶剤を含有することが好ましい。

0198

中間層組成物に含有される溶剤としては、上記樹脂を溶解又は分散可能であれば特に制限されず、水及び水混和性の有機溶剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、水又は水と水混和性の有機溶剤との混合溶剤がより好ましい。
水混和性の有機溶剤としては、例えば、炭素数1〜3のアルコール、アセトン、エチレングリコール及びグリセリンが挙げられ、炭素数1〜3のアルコールが好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましい。

0199

〔カバーフィルム〕
感光性転写部材は、感光性樹脂層の仮支持体に対向していない面に接するカバーフィルムを備えることが好ましい。
以下、本明細書において、感光性樹脂層の仮支持体に対向する面を「第1面」ともいい、第1面とは反対側の面を「第2面」ともいう。

0200

カバーフィルムを構成する材料としては、樹脂フィルム及び紙が挙げられ、強度及び可撓性の観点から、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルムポリプロピレンフィルムポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、及び、ポリカーボネートフィルムが挙げられる。中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、又は、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。

0201

カバーフィルムの厚さ(層厚)は、特に制限されないが、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
また、カバーフィルムの感光性樹脂層に接する面(以下単に「カバーフィルムの表面」ともいう)の算術平均粗さRa値は、解像性により優れる点から、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましく、0.05μm以下が更に好ましい。カバーフィルムの表面のRa値が上記範囲であることにより、感光性樹脂層及び形成される樹脂パターンの層厚の均一性が向上するためと考えられる。
カバーフィルムの表面のRa値の下限は特に制限されないが、0.001μm以上が好ましい。

0202

カバーフィルムの表面のRa値は、以下の方法で測定される。
次元光学プロファイラー(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にてカバーフィルムの表面を測定し、光学フィルム表面プロファイルを得る。
測定・解析ソフトとしては、MetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いる。次に、上記解析ソフトにてSurface Map画面を表示し、Surface Map画面中でヒストグラムデータを得る。得られたヒストグラムデータから、算術平均粗さを算出し、カバーフィルムの表面のRa値を得る。
カバーフィルムが感光性転写部材に貼り合わされている場合は、感光性転写部材からカバーフィルムを剥離して、剥離した側の表面のRa値を測定すればよい。

0203

感光性転写部材は、上述した層以外の層(以下「その他の層」ともいう。)を備えてもよい。その他の層としては、例えば、コントラストエンハンスメント層が挙げられる。
コントラストエンハンスメント層については、国際公開第2018/179640号の段落0134に記載されている。また、その他の層については特開2014−85643号公報の段落0194〜0196に記載されている。これらの公報の内容は本明細書に組み込まれる。

0204

感光性転写部材における仮支持体及びカバーフィルムを除く各層の総厚さは、本開示における効果をより発揮する観点から、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることが更に好ましく、2μm以上8μm以下であることが特に好ましい。
また、感光性転写部材における感光性樹脂層、中間層及び熱可塑性樹脂層の総厚さは、本開示における効果をより発揮する観点から、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることが更に好ましく、2μm以上8μm以下であることが特に好ましい。

0205

〔感光性転写部材の製造方法〕
本開示に用いられる感光性転写部材の製造方法は、特に制限されず、公知の製造方法、例えば、公知の各層の形成方法を用いることができる。
以下、図1を参照しながら、本開示に用いられる感光性転写部材の製造方法について説明する。但し、本開示に用いられる感光性転写部材は、図1に示す構成を有するものに制限されない。
図1は、本開示に用いられる感光性転写部材の構成の一例を示す概略図である。図1に示す感光性転写部材100は、仮支持体10と、熱可塑性樹脂層12と、中間層14と、感光性樹脂層16と、カバーフィルム18とがこの順に積層された構成を有する。

0206

上記の感光性転写部材100の製造方法としては、例えば、仮支持体10の表面に熱可塑性樹脂組成物を塗布した後、熱可塑性樹脂組成物の塗膜を乾燥させることにより、熱可塑性樹脂層12を形成する工程と、熱可塑性樹脂層12の表面に中間層組成物を塗布した後、中間層組成物の塗膜を乾燥させて中間層14を形成する工程と、中間層14の表面にバインダーポリマー及び重合性化合物を含有する感光性樹脂組成物を塗布した後、感光性樹脂組成物の塗膜を乾燥させて感光性樹脂層16を形成する工程とを含む方法が挙げられる。
上記の製造方法において、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する熱可塑性樹脂組成物と、水及び水混和性の有機溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する中間層組成物と、バインダーポリマー、重合性化合物、並びに、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する感光性樹脂組成物とを使用することが好ましい。これにより、
熱可塑性樹脂層12の表面への中間層組成物の塗布、及び/又は、中間層組成物の塗膜を有する積層体の保存期間における、熱可塑性樹脂層12に含有される成分と中間層14に含有される成分との混合を抑制でき、なお且つ、中間層14の表面への感光性樹脂組成物の塗布、及び/又は、感光性樹脂組成物の塗膜を有する積層体の保存期間における、中間層14に含有される成分と感光性樹脂層16に含有される成分との混合を抑制できる。

0207

上記の製造方法により製造された積層体の感光性樹脂層16に、カバーフィルム18を圧着させることにより、感光性転写部材100が製造される。
本開示に用いられる感光性転写部材の製造方法としては、感光性樹脂層16の第2面に接するようにカバーフィルム18を設ける工程を含むことにより、仮支持体10、熱可塑性樹脂層12、中間層14、感光性樹脂層16及びカバーフィルム18を備える感光性転写部材100を製造することが好ましい。
上記の製造方法により感光性転写部材100を製造した後、感光性転写部材100を巻き取ることにより、ロール形態の感光性転写部材を作製及び保管してもよい。ロール形態の感光性転写部材は、後述するロールツーロール方式での基板との貼り合わせ工程にそのままの形態で提供できる。

0208

[回路配線の製造方法]
本開示に係る回路配線の製造方法は、本開示に係る樹脂パターンの製造方法を含む回路配線の製造方法であれば、特に制限されない。
回路配線の製造方法としては、上記基板が、上記樹脂パターンが形成されている側の表面に導電層を有し、及び、本開示に係る樹脂パターンの製造方法により製造された樹脂パターンがこの順で積層された積層体において、樹脂パターンが配置されていない領域にある導電層をエッチング処理する工程(以下「エッチング工程」ともいう。)を含む方法が好ましく、上記貼り合わせ工程と、上記露光工程と、上記現像工程とを含む製造方法により製造される樹脂パターンを使用する場合、より好ましい。
以下、回路配線の製造方法が含む各工程について説明するが、特に言及した場合を除き、樹脂パターンの製造方法に含まれる各工程について説明した内容は、回路配線の製造方法に含まれる各工程についても適用されるものとする。

0209

〔エッチング工程〕
回路配線の製造方法は、基板、導電層及び樹脂パターン(より好ましくは、上記貼り合わせ工程と、上記露光工程と、上記現像工程とを含む製造方法により製造された樹脂パターン)がこの順で積層された積層体において、樹脂パターンが配置されていない領域にある導電層をエッチング処理する工程(エッチング工程)を含むことが好ましい。

0210

エッチング工程では、感光性樹脂層から形成された樹脂パターンを、エッチングレジストとして使用し、導電層のエッチング処理を行う。
エッチング処理の方法としては、公知の方法を適用でき、例えば、特開2017−120435号公報の段落0209〜段落0210に記載の方法、特開2010−152155号公報の段落0048〜段落0054に記載の方法、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法、及び、プラズマエッチング等のドライエッチングによる方法が挙げられる。

0211

ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性又はアルカリ性のエッチング液を適宜選択すればよい。
酸性のエッチング液としては、例えば、塩酸硫酸硝酸酢酸、フッ酸、シュウ酸及びリン酸から選択される酸性成分単独の水溶液、並びに、酸性成分と、塩化第2鉄、フッ化アンモニウム及び過マンガン酸カリウムから選択される塩との混合水溶液が挙げられる。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせた成分であってもよい。
アルカリ性のエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア有機アミン、及び、有機アミンの塩(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等)から選択されるアルカリ成分単独の水溶液、並びに、アルカリ成分と塩(過マンガン酸カリウム等)との混合水溶液が挙げられる。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせた成分であってもよい。

0212

〔除去工程〕
回路配線の製造方法においては、残存する樹脂パターンを除去する工程(除去工程)を行うことが好ましい。
除去工程は、特に制限されず、必要に応じて行うことができるが、エッチング工程の後に行うことが好ましい。
残存する樹脂パターンを除去する方法としては特に制限されないが、薬品処理により除去する方法が挙げられ、除去液を用いて除去する方法が好ましい。
感光性樹脂層の除去方法としては、液温が好ましくは30℃〜80℃、より好ましくは50℃〜80℃である撹拌中の除去液に、残存する樹脂パターンを有する基板を、1分間〜30分間浸漬する方法が挙げられる。

0213

除去液としては、例えば、無機アルカリ成分又は有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン又はこれらの混合溶液に溶解させた除去液が挙げられる。無機アルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが挙げられる。有機アルカリ成分としては、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物及び第4級アンモニウム塩化合物が挙げられる。
また、除去液を使用し、スプレー法シャワー法及びパドル法等の公知の方法により除去してもよい。

0214

〔その他の工程〕
回路配線の製造方法は、上述した工程以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。例えば、以下の工程が挙げられるが、これらの工程に制限されない。
また、回路配線の製造方法に適用可能な露光工程、現像工程、及びその他の工程としては、特開2006−23696号公報の段落0035〜0051に記載の工程が挙げられる。

0215

可視光線反射率を低下させる工程>
回路配線の製造方法は、基板が有する複数の導電層の一部又は全ての可視光線反射率を低下させる処理を行う工程を含んでいてもよい。
可視光線反射率を低下させる処理としては、酸化処理が挙げられる。基板が銅を含有する導電層を有する場合、銅を酸化処理して酸化銅とし、導電層を黒化することにより、導電層の可視光線反射率を低下させることができる。
可視光線反射率を低下させる処理については、特開2014−150118号公報の段落0017〜0025、並びに、特開2013−206315号公報の段落0041、段落0042、段落0048及び段落0058に記載されており、これらの公報に記載の内容は本明細書に組み込まれる。

0216

絶縁膜を形成する工程、絶縁膜の表面に新たな導電層を形成する工程>
回路配線の製造方法は、回路配線の表面に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜の表面に新たな導電層を形成する工程と、を含むことも好ましい。
上記の工程により、第一の電極パターンと絶縁した第二の電極パターンを形成することができる。
絶縁膜を形成する工程としては、特に制限されず、公知の永久膜を形成する方法が挙げられる。また、絶縁性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの絶縁膜を形成してもよい。
絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程は、特に制限されず、例えば、導電性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの新たな導電層を形成してもよい。

0217

回路配線の製造方法は、基板の両方の表面にそれぞれ複数の導電層を有する基板を用い、基板の両方の表面に形成された導電層に対して逐次又は同時に回路形成することも好ましい。このような構成により、基板の一方の表面に第一の導電パターン、もう一方の表面に第二の導電パターンを形成したタッチパネル用回路配線を形成できる。また、このような構成のタッチパネル用回路配線を、ロールツーロールで基板の両面から形成することも好ましい。

0218

〔回路配線の用途〕
回路配線の製造方法により製造される回路配線は、種々の装置に適用することができる。上記の製造方法により製造される回路配線を備えた装置としては、例えば、入力装置が挙げられ、タッチパネルが好ましく、静電容量型タッチパネルがより好ましい。また、上記入力装置は、有機EL表示装置及び液晶表示装置等の表示装置に適用できる。

0219

[タッチパネルの製造方法]
本開示に係るタッチパネルの製造方法は、本開示に係る樹脂パターンの製造方法を含む回路配線の製造方法であれば、特に制限されない。
タッチパネルの製造方法としては、上記基板が、上記樹脂パターンが形成されている側の表面に導電層を有し、及び、上記の感光性転写部材を用いて製造された樹脂パターンがこの順で積層された積層体において、樹脂パターンが配置されていない領域にある導電層をエッチング処理することにより、タッチパネル用配線を形成する工程を含む方法が好ましく、上記貼り合わせ工程と、上記露光工程と、上記現像工程とを含む製造方法により製造される樹脂パターンを使用する場合、より好ましい。

0220

タッチパネルの製造方法における、各工程の具体的な態様、及び、各工程を行う順序等の実施態様については、上述の「樹脂パターンの製造方法」及び「回路配線の製造方法」の項において説明した通りであり、好ましい態様も同様である。
タッチパネルの製造方法は、上記の方法によりタッチパネル用配線を形成すること以外は、公知のタッチパネルの製造方法を参照すればよい。
また、タッチパネルの製造方法は、上述した以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。

0221

タッチパネルの製造に用いられるマスクのパターンの一例を、図2及び図3に示す。
図2に示されるパターンA、及び、図3に示されるパターンBにおいて、SL及びGは非画像部(遮光部)であり、DLはアライメント合わせの枠を仮想的に示したものである。タッチパネルの製造方法において、例えば、図2に示されるパターンAを有するマスクを介して感光性樹脂層を露光することで、SL及びGに対応するパターンAを有する回路配線が形成されたタッチパネルを製造できる。具体的には、国際公開第2016/190405号の図1に記載の方法で作製できる。製造されたタッチパネルの一例においては、Gは透明電極タッチパネル用電極)が形成される部分であり、SLは周辺取出し部の配線が形成される部分である。

0222

上記のタッチパネルの製造方法により、タッチパネル用配線を少なくとも有するタッチパネルが製造される。タッチパネルは、透明基板と、電極と、絶縁層又は保護層とを有することが好ましい。
タッチパネルにおける検出方法としては、抵抗膜方式静電容量方式超音波方式電磁誘導方式、及び、光学方式等の公知の方式が挙げられる。中でも、静電容量方式が好ましい。

0223

タッチパネル型としては、いわゆるインセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7及び図8に記載のもの)、いわゆるオンセル型(例えば、特開2013−168125号公報の図19に記載のもの、並びに、特開2012−89102号公報の図1及び図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch−on−Lens)型(例えば、特開2013−54727号公報の図2に記載のもの)、各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1及びG1F等)並びにその他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6に記載のもの)が挙げられる。
タッチパネルとしては、例えば、特開2017−120345号公報の段落0229に記載のものが挙げられる。

0224

[感光性転写部材]
本開示に係る感光性転写部材は、仮支持体及び感光性樹脂層を有し、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、0.6秒/μm以上である。
本開示に係る感光性転写部材の好ましい態様は、後述した以外は、上述した本開示に係る樹脂パターンの製造方法に用いられる感光性転写部材の好ましい態様と同様である。

0225

また、本開示に係る感光性転写部材は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間が、5.0秒/μm以下であることが好ましく、3.0秒/μm以下であることがより好ましい。

0226

更に、本開示に係る感光性転写部材は、得られるエッチングパターンの直線性、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する上記感光性樹脂層全体の溶解時間が、6秒以上であることが好ましく、6秒以上60秒以下であることがより好ましく、10秒以上40秒以下であることが更に好ましく、12秒以上25秒以下であることが特に好ましい。

0227

本開示に係る感光性転写部材における、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する感光性樹脂層の単位層厚あたりの溶解時間、及び、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する感光性樹脂層全体の溶解時間は、以下のように測定するものとする。
仮支持体を剥離し露出した、感光性転写部材における画像記録層に対し、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて26℃でシャワー現像を行う。
(株)いけうち製1/4MINJJX030PPのシャワーノズルを使用し、シャワーのスプレー圧は0.08MPaとする。上記条件の時、単位時間当たりのシャワー流量は1,800mL/minとする。
現像の様子を観察し、感光性樹脂層が完全に溶解した時間を最短現像時間とする。
(最短現像時間)÷(感光性樹脂層の厚さ)により、単位膜厚当たりの現像時間(単位:秒/μm)を算出する。
また、上記最短現像時間が、26℃において、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液に対する感光性樹脂層全体の溶解時間に該当する。
なお、上記測定は、感光性樹脂層がネガ型感光性樹脂層の場合の例であり、ポジ型感光性樹脂層の場合は、超高圧水銀灯により感光性樹脂層を全面露光した後、上記シャワー現像を行うものとする。

0228

以下に実施例を挙げて本発明の実施形態を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の実施形態の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。したがって、本発明の実施形態の範囲は以下に示す具体例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。

0229

(実施例1〜11、並びに、比較例1及び2)
<感光性転写部材F−1〜F−10、FH−1及びFH−2の作製>
−感光性樹脂層の形成−
仮支持体として表1に記載の厚さのPETフィルムを用意した。
仮支持体の表面に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0m、且つ、乾燥後の層厚が表1に記載の厚さとなるように表1に記載の感光性樹脂組成物A−1〜A−7、AH−1又はAH−2を塗布した。感光性樹脂組成物A−1〜A−7、AH−1又はAH−2の塗膜を80℃で40秒間かけて乾燥し、感光性樹脂層を形成した。

0230

0231

また、使用した感光性樹脂組成物A−1〜A−7、AH−1又はAH−2の組成を以下の表2に示す。

0232

0233

表2における「Mm/Mb」は、感光性樹脂層における重合性化合物の含有量Mmとバインダーポリマーの含有量Mbとの比Mm/Mbの値を表し、「アクリル化合物の含有量」は、感光性樹脂層に含まれる(メタ)アクリル化合物の全質量に対するアクリル化合物の含有量を表し、単位は質量%である。

0234

なお、表2の略称の詳細を以下に示す。
BPE−500:エトキシ化(10モル当量)ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学工業(株)製)
BPE−200:エトキシ化(4モル当量)ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学工業(株)製)
M−270:ポリプロピレングリコールジアクリレート(n=約12)(東亞合成(株)製)
A−TMPT:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製)
SR−454:エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートアルケマ社製)
SR−502:エトキシ化(9モル当量)トリメチロールプロパントリアクリレート(アルケマ社製)
A−9300−CL1:ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業(株)製)
B−CIM:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール(重合開始剤、黒金化成(株)製)
SB−PI 701:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(増感剤、三洋貿易(株)製)
CBT−1:カルボキシベンゾトリアゾール(防錆剤、城北化学工業(株)製)
TDP−G:フェノチアジン(重合禁止剤、川口化学工業(株)製)
Irganox245:ethylene bis(oxyethylene)bis(3-(5-tert-butyl-4-hydroxy-m-tolyl)propionate)(重合禁止剤、BASF社製)
F−552:フッ素系界面活性剤(DIC(株)製)

0235

−カバーフィルムの貼り付け−
形成された感光性樹脂層の表面に、カバーフィルムとしてPETフィルム(東レ(株)製、ルミラー16QS62、算術平均粗さ(Ra値)0.02μm)を圧着し、各実施例の感光性転写部材をそれぞれ作製した。
得られた感光性転写部材を巻き取って、ロール形態の感光性転写部材を作製した。

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