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図面 (10)

課題

実際のヨーレート目標ヨーレートへの追従性が悪化することを抑制する四輪駆動車両を提供する。

解決手段

ヨーレート制御が実行されているときに回生制御が実行される場合には、前記回生制御による第2回転機MG2の回生トルクTmを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することから、前記回生制御により制御される回生トルクTmによるヨーレート制御への影響を好適に抑えることができるので、前記ヨーレート制御において実際のヨーレートRyawの目標ヨーレートRyaw*への追従性が悪化するのを抑制することができる。

概要

背景

(a)駆動力源として回転機を備えるとともに、(b)前記駆動力源からの駆動力主駆動輪および副駆動輪に伝達可能で且つ前記駆動力源から前記主駆動輪および前記副駆動輪にそれぞれ伝達する前記駆動力の駆動力配分比を調節可能な駆動力配分装置と、(c)前記駆動力源を制御する制御装置と、を備えた四輪駆動車両がよく知られている。例えば、特許文献1に記載された四輪駆動車両がそれである。

概要

実際のヨーレート目標ヨーレートへの追従性が悪化することを抑制する四輪駆動車両を提供する。ヨーレート制御が実行されているときに回生制御が実行される場合には、前記回生制御による第2回転機MG2の回生トルクTmを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することから、前記回生制御により制御される回生トルクTmによるヨーレート制御への影響を好適に抑えることができるので、前記ヨーレート制御において実際のヨーレートRyawの目標ヨーレートRyaw*への追従性が悪化するのを抑制することができる。

目的

本発明は、以上の事情背景として為されたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

駆動力源として回転機を備えるとともに、前記駆動力源からの駆動力主駆動輪および副駆動輪に伝達可能で且つ前記駆動力源から前記主駆動輪および前記副駆動輪にそれぞれ伝達する前記駆動力の駆動力配分比を調節可能な駆動力配分装置と、前記駆動力源を制御する制御装置と、を備えた四輪駆動車両であって、前記制御装置は、車両減速時に前記回転機を回生させる回生制御を実行するとともに、前記四輪駆動車両の実際のヨーレート目標ヨーレート追従するように前記駆動力配分比を制御するヨーレート制御が実行されている場合には、前記回生制御を禁止する、又は前記回生制御による前記回転機の回生トルクを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することを特徴とする四輪駆動車両。

請求項2

前記主駆動輪および前記副駆動輪の各輪のそれぞれには、個別に制動力が調節可能なホイールブレーキが設けられており、前記制御装置は、前記回生制御を禁止する、又は前記回生制御による前記回生トルクを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することに伴う前記四輪駆動車両の制動力の不足を補うように、前記各輪に設けられた前記ホイールブレーキの制動力を制御することを特徴とする請求項1の四輪駆動車両。

請求項3

前記回生制御は、運転者ブレーキ操作量から求められる要求回生トルクとなるように前記回生トルクを制御するものであり、前記制御装置は、前記ヨーレート制御が実行され、且つ、前記要求回生トルクが増加する場合には、前記回生トルクの変更を制限することを特徴とする請求項1又は2の四輪駆動車両。

請求項4

前記制御装置は、前記ヨーレート制御が実行され、且つ、前記要求回生トルクが減少する場合には、前記回生トルクの変更を許可することを特徴とする請求項3の四輪駆動車両。

請求項5

前記制御装置は、前記ヨーレート制御が終了すると、前記回生トルクが前記要求回生トルクに一致するまで前記回生トルクを予め設定された一定の変化量で変化させる終了時制御を実行することを特徴とする請求項3又は4の四輪駆動車両。

請求項6

前記主駆動輪および前記副駆動輪の各輪のそれぞれには、個別に制動力が調節可能なホイールブレーキが設けられており、前記制御装置は、前記実際のヨーレートが前記目標ヨーレートに追従するように前記ホイールブレーキの制動力および前記駆動力配分比を制御することを特徴とする請求項1から5の何れか1の四輪駆動車両。

技術分野

0001

本発明は、駆動力源から主駆動輪および副駆動輪にそれぞれ伝達する駆動力駆動力配分比を調節可能な四輪駆動車両に関するものである。

背景技術

0002

(a)駆動力源として回転機を備えるとともに、(b)前記駆動力源からの駆動力を主駆動輪および副駆動輪に伝達可能で且つ前記駆動力源から前記主駆動輪および前記副駆動輪にそれぞれ伝達する前記駆動力の駆動力配分比を調節可能な駆動力配分装置と、(c)前記駆動力源を制御する制御装置と、を備えた四輪駆動車両がよく知られている。例えば、特許文献1に記載された四輪駆動車両がそれである。

先行技術

0003

国際公開第2011/042951号

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、上述した特許文献1の四輪駆動車両では、車両減速時に前記回転機を回生させる回生制御が実行されことや、前記四輪駆動車両の実際のヨーレート目標ヨーレート追従するように例えば前記駆動力配分比等を制御するヨーレート制御が実行されることが考えられる。しかしながら、前記ヨーレート制御が実行されているときに前記回生制御が実行されると、前記回生制御により制御される回生トルクによって前記実際のヨーレートの前記目標ヨーレートへの追従性が悪化するという恐れがあった。

0005

本発明は、以上の事情背景として為されたものであり、その目的とするところは、実際のヨーレートの目標ヨーレートへの追従性が悪化することを抑制する四輪駆動車両を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

第1発明の要旨とするところは、(a)駆動力源として回転機を備えるとともに、前記駆動力源からの駆動力を主駆動輪および副駆動輪に伝達可能で且つ前記駆動力源から前記主駆動輪および前記副駆動輪にそれぞれ伝達する前記駆動力の駆動力配分比を調節可能な駆動力配分装置と、前記駆動力源を制御する制御装置と、を備えた四輪駆動車両であって、(b)前記制御装置は、車両減速時に前記回転機を回生させる回生制御を実行するとともに、前記四輪駆動車両の実際のヨーレートが目標ヨーレートに追従するように前記駆動力配分比を制御するヨーレート制御が実行されている場合には、前記回生制御を禁止する、又は前記回生制御による前記回転機の回生トルクを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することにある。

0007

また、第2発明の要旨とするところは、前記第1発明において、(a)前記主駆動輪および前記副駆動輪の各輪のそれぞれには、個別に制動力が調節可能なホイールブレーキが設けられており、(b)前記制御装置は、前記回生制御を禁止する、又は前記回生制御による前記回生トルクを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することに伴う前記四輪駆動車両の制動力の不足を補うように、前記各輪に設けられた前記ホイールブレーキの制動力を制御することにある。

0008

また、第3発明の要旨とするところは、前記第1発明又は前記第2発明において、(a)前記回生制御は、運転者ブレーキ操作量から求められる要求回生トルクとなるように前記回生トルクを制御するものであり、(b)前記制御装置は、前記ヨーレート制御が実行され、且つ、前記要求回生トルクが増加する場合には、前記回生トルクの変更を制限することにある。

0009

また、第4発明の要旨とするところは、前記第3発明において、前記制御装置は、前記ヨーレート制御が実行され、且つ、前記要求回生トルクが減少する場合には、前記回生トルクの変更を許可することにある。

0010

また、第5発明の要旨とするところは、前記第3発明又は前記第4発明において、前記制御装置は、前記ヨーレート制御が終了すると、前記回生トルクが前記要求回生トルクに一致するまで前記回生トルクを予め設定された一定の変化量で変化させる終了時制御を実行することにある。

0011

また、第6発明の要旨とするところは、前記第1発明から前記第5発明の何れか1の発明において、(a)前記主駆動輪および前記副駆動輪の各輪のそれぞれには、個別に制動力が調節可能なホイールブレーキが設けられており、(b)前記制御装置は、前記実際のヨーレートが前記目標ヨーレートに追従するように前記ホイールブレーキの制動力および前記駆動力配分比を制御することにある。

発明の効果

0012

第1発明の四輪駆動車両によれば、前記ヨーレート制御が実行されているときに前記回生制御が実行される場合には、前記回生制御を禁止する、又は前記回生制御による前記回転機の回生トルクを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することから、前記回生制御により制御される回生トルクによるヨーレート制御への影響を好適に抑えることができるので、前記ヨーレート制御において前記実際のヨーレートの前記目標ヨーレートへの追従性が悪化するのを抑制することができる。

0013

第2発明の四輪駆動車両によれば、前記回生制御を禁止する、又は前記回生制御による前記回生トルクを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することに伴う前記四輪駆動車両の制動力の不足を補うように、前記各輪に設けられた前記ホイールブレーキの制動力を制御するので、前記ホイールブレーキの制動力によって前記四輪駆動車両の制動力の不足を抑制しつつ、前記実際のヨーレートの前記目標ヨーレートへの追従性が悪化するのを抑制することができる。

0014

第3発明の四輪駆動車両によれば、前記ヨーレート制御が実行されているときに前記回生制御が実行される場合において、前記要求回生トルクが増加する場合には、前記回生トルクの変更が制限されるので、前記回生制御による前記ヨーレート制御への影響が抑制される。

0015

第4発明の四輪駆動車両によれば、前記ヨーレート制御が実行されているときに前記回生制御が実行される場合において、前記要求回生トルクが減少する場合には、前記回生制御が許可されるので、前記ヨーレート制御と前記回生制御とを好適に両立することができる。

0016

第5発明の四輪駆動車両によれば、前記ヨーレート制御が終了すると、前記回生トルクが前記要求回生トルクに一致するまで前記回生トルクを予め設定された一定の変化量で変化させる終了時制御が実行されるので、前記ヨーレートが終了した後の単位時間当たりに変化する前記回生トルクの変化を好適に抑制することができる。

0017

第6発明の四輪駆動車両によれば、前記ヨーレート制御では、前記実際のヨーレートが前記目標ヨーレートに追従するように前記ホイールブレーキの制動力および前記駆動力配分比を制御するので、前記実際のヨーレートを前記目標ヨーレートに好適に追従させることができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明が適用された四輪駆動車両の概略構成を示すとともに、四輪駆動車両を制御する電子制御装置を含む制御系概要を示す図である。
図1トランスミッションの概略構成を示す骨子図である。
図2のトランスミッションの係合作動表である。
図2無段変速機有段変速機とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。
図1トランスファの構造を説明する為の骨子図である。
有段変速機の変速制御に用いるATギヤ段変速マップと、ハイブリッド走行モータ走行との切替制御に用いる動力源切替マップとの一例を示す図であって、それぞれの関係を示す図でもある。
図1の電子制御装置の制御作動の要部を説明するためのフローチャートであり、ヨーレート制御と回生制御とが実行されている場合における回生制御の制御作動を説明するためのフローチャートである。
図7に示す電子制御装置の制御作動が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。
本発明の他の実施例の四輪駆動車両に備えられたトランスファの構造を説明する為の骨子図である。

0019

以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。

0020

図1は、本発明が適用された四輪駆動車両10の概略構成を示すとともに、四輪駆動車両10を制御する電子制御装置(制御装置)200を含む制御系の概要を示している。図1に示すように、四輪駆動車両10は、主駆動力源としてのエンジン(駆動力源)12と、左右一対前輪14L、14Rと、左右一対の後輪16L、16Rと、エンジン12からの駆動力を前輪14L、14Rおよび後輪16L、16Rへそれぞれ伝達する動力伝達装置18等と、を備えている。後輪16L、16R(特に区別しない場合には後輪16と称す)は、二輪駆動走行中および四輪駆動走行中において共に駆動輪となる主駆動輪である。また、前輪14L、14R(特に区別しない場合には前輪14と称す)は、二輪駆動走行中において従動輪となり、四輪駆動走行中において駆動輪となる副駆動輪である。四輪駆動車両10は、前置エンジン後輪駆動(FR)をベースとする四輪駆動車である。なお、後輪16が本発明の主駆動輪に対応し、前輪14が本発明の副駆動輪に対応している。

0021

動力伝達装置18は、後述する第1回転機(駆動力源)MG1および第2回転機(駆動力源)MG2を含んで構成されるハイブリッド用のトランスミッション20と、トランスファ(駆動力配分装置)22と、フロントプロペラシャフト24およびリヤプロペラシャフト26と、前輪側差動歯車装置28と、後輪側差動歯車装置30と、左右一対の前輪車軸32L、32Rと、左右一対の後輪車軸34L、34R等と、を備えている。動力伝達装置18において、トランスミッション20を介して伝達されたエンジン12からの駆動力が、トランスファ22から、リヤプロペラシャフト26、後輪側差動歯車装置30、後輪車軸34L、34R等を順次介して後輪16へ伝達される。また、動力伝達装置18において、トランスファ22に伝達されたエンジン12からの駆動力の一部が前輪14側へ配分されると、その配分された駆動力が、フロントプロペラシャフト24、前輪側差動歯車装置28、前輪車軸32L、32R等を順次介して前輪14へ伝達される。

0022

図2は、トランスミッション20の概略構成を示す骨子図である。エンジン12は、後述する電子制御装置200によって、電子スロットル弁燃料噴射装置点火装置等を含むエンジン制御装置36(図1参照)が制御されることによりエンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。

0023

トランスミッション20は、第1回転機MG1および第2回転機MG2を備えている。第1回転機MG1および第2回転機MG2は、電動機(モータ)としての機能および発電機(ジェネレータ)としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。第1回転機MG1および第2回転機MG2は、四輪駆動車両10の走行用の駆動力源となり得る。第1回転機MG1および第2回転機MG2は、各々、四輪駆動車両10に備えられたインバータ38(図1参照)を介して、四輪駆動車両10に備えられたバッテリ40(図1参照)に接続されている。第1回転機MG1および第2回転機MG2は、各々、電子制御装置200によってインバータ38が制御されることにより、第1回転機MG1の出力トルクであるMG1トルクTgおよび第2回転機MG2の出力トルクであるMG2トルクTmが制御される。回転機の出力トルクは、例えば正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクである。バッテリ40は、第1回転機MG1および第2回転機MG2の各々に対して電力を授受する蓄電装置である。第1回転機MG1および第2回転機MG2は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース42内に設けられている。なお、第1回転機MG1および第2回転機MG2が、本発明の駆動力源に対応している。

0024

トランスミッション20は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース42内において共通の第1回転軸線CL1上に直列に配設された、電気式無段変速機44および機械式有段変速機46等を備えている。電気式無段変速機44は、エンジン12と機械式有段変速機46との間の動力伝達経路に設けられている。電気式無段変速機44は、直接的に或いは図示しないダンパーなどを介して間接的にエンジン12に連結されている。機械式有段変速機46は、電気式無段変速機44とトランスファ22との間の動力伝達経路に設けられている。機械式有段変速機46は、電気式無段変速機44の出力側に連結されている。トランスミッション20において、エンジン12や第2回転機MG2から出力される動力は、機械式有段変速機46へ伝達され、その機械式有段変速機46からトランスファ22に伝達される。以下、電気式無段変速機44を無段変速機44、機械式有段変速機46を有段変速機46という。なお、動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。無段変速機44および有段変速機46は第1回転軸線CL1に対して略対称的に構成されており、図2ではその第1回転軸線CL1に対して下半分が省略されている。

0025

無段変速機44は、第1回転機MG1と、エンジン12の動力を第1回転機MG1および無段変速機44の出力回転部材である中間伝達部材50に機械的に分割する動力分割機構としての差動機構52とを備えている。中間伝達部材50には、第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。第1回転機MG1は、エンジン12の動力が伝達される回転機である。無段変速機44は、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構52の差動状態が制御される電気式無段変速機である。無段変速機44は、入力回転部材となる連結軸48の回転速度と同値であるエンジン回転速度Neと、出力回転部材となる中間伝達部材50の回転速度であるMG2回転速度Nmとの比の値である変速比γ0(=Ne/Nm)が変化させられる電気的な無段変速機として作動させられる。第1回転機MG1は、エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Neを制御可能な回転機である。なお、第1回転機MG1の運転状態を制御することは、第1回転機MG1の運転制御を行うことである。

0026

差動機構52は、シングルピニオン型遊星歯車装置にて構成されており、サンギヤS0、キャリアCA0、及びリングギヤR0を備えている。キャリアCA0には連結軸48を介してエンジン12が動力伝達可能に連結され、サンギヤS0には第1回転機MG1が動力伝達可能に連結され、リングギヤR0には第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。差動機構52において、キャリアCA0が入力要素として機能し、サンギヤS0が反力要素として機能し、リングギヤR0が出力要素として機能する。

0027

有段変速機46は、中間伝達部材50とトランスファ22との間の動力伝達経路を構成する自動変速機であり、走行用の駆動力源であるエンジン12、第1回転機MG1、および第2回転機MG2と駆動輪(14、16)との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機である。中間伝達部材50は、有段変速機46の入力回転部材としても機能する。また、中間伝達部材50には、第2回転機MG2が一体回転するように連結されている。有段変速機46は、例えば第1遊星歯車装置54および第2遊星歯車装置56の複数組の遊星歯車装置と、ワンウェイクラッチF1を含む、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、ブレーキB2の複数の係合装置とを備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。以下、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、及びブレーキB2については、特に区別しない場合は単に係合装置CBと称す。

0028

係合装置CBは、油圧アクチュエータにより押圧される多板式或いは単板式のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される、油圧式摩擦係合装置である。係合装置CBは、四輪駆動車両10に備えられた油圧制御回路58(図1参照)から出力される調圧された係合装置CBの各油圧により、各々、係合解放などの状態である作動状態切り替えられる。

0029

有段変速機46は、第1遊星歯車装置54および第2遊星歯車装置56の各回転要素が、直接的に或いは係合装置CBやワンウェイクラッチF1を介して間接的に連結されたり、中間伝達部材50、ケース42、或いは出力軸60に連結されている。第1遊星歯車装置54の各回転要素は、サンギヤS1、キャリアCA1、リングギヤR1であり、第2遊星歯車装置56の各回転要素は、サンギヤS2、キャリアCA2、リングギヤR2である。

0030

有段変速機46は、複数の係合装置のうちの何れか2つの係合装置の係合によって、変速比ギヤ比ともいう)γat(=入力回転速度Ni/出力回転速度No)が異なる複数のギヤ段(変速段ともいう)のうちの何れかの変速段が形成される有段変速機である。つまり、有段変速機46は、複数の係合装置が選択的に係合されることによって、ギヤ段が切り替えられるすなわち変速が実行される。有段変速機46は、複数のギヤ段が択一的に形成される、有段式の自動変速機である。本実施例では、有段変速機46にて形成されるギヤ段をATギヤ段と称す。入力回転速度Niは、有段変速機46の入力回転部材の回転速度である有段変速機46の入力回転速度であって、中間伝達部材50の回転速度と同値であり、また、第2回転機MG2の回転速度であるMG2回転速度Nmと同値である。入力回転速度Niは、MG2回転速度Nmで表すことができる。出力回転速度Noは、有段変速機46の出力回転速度である出力軸60の回転速度であって、無段変速機44と有段変速機46とを合わせた全体のトランスミッション20の出力回転速度でもある。

0031

有段変速機46は、例えば図3の係合作動表に示すように、複数のATギヤ段として、AT1速ギヤ段(図中の「1st」)−AT4速ギヤ段(図中の「4th」)の4段の前進用のATギヤ段が形成される。AT1速ギヤ段の変速比γatが最も大きく、ハイ側のATギヤ段ほど変速比γatが小さくなる。また、後進用のATギヤ段(図中の「Rev」)は、例えばクラッチC1の係合且つブレーキB2の係合によって形成される。つまり、後進走行を行う際には、例えばAT1速ギヤ段が形成される。図3の係合作動表は、各ATギヤ段と複数の係合装置の各作動状態との関係をまとめたものである。すなわち、図3の係合作動表は、各ATギヤ段と、各ATギヤ段において各々係合される係合装置である所定の係合装置との関係をまとめたものである。図3において、「○」は係合、「△」はエンジンブレーキ時や有段変速機46のコーストダウンシフト時に係合、空欄は解放をそれぞれ表している。

0032

有段変速機46は、後述する電子制御装置200によって、ドライバー(すなわち運転者)のアクセル操作車速V等に応じて形成されるATギヤ段が切り替えられる、すなわち複数のATギヤ段が選択的に形成される。例えば、有段変速機46の変速制御においては、解放側係合装置CBの解放と係合側係合装置CBの係合とにより変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速が実行される。

0033

また、四輪駆動車両10は、ワンウェイクラッチF0、機械式のオイルポンプであるMOP62、図示しない電動式のオイルポンプ等を備えている。

0034

ワンウェイクラッチF0は、キャリアCA0を回転不能に固定することができるロック機構である。すなわち、ワンウェイクラッチF0は、エンジン12のクランク軸に連結されるとともにキャリアCA0と一体的に回転する連結軸48を、ケース42に対して固定することができるロック機構である。ワンウェイクラッチF0は、エンジン12の運転時の回転方向である正回転方向に対して空転する一方で、エンジン12の運転時とは逆の回転方向に対して機械的に自動係合する。従って、ワンウェイクラッチF0の空転時には、エンジン12はケース42に対して相対回転可能な状態とされる。一方で、ワンウェイクラッチF0の係合時には、エンジン12はケース42に対して相対回転不能な状態とされる。すなわち、ワンウェイクラッチF0の係合により、エンジン12はケース42に固定される。このように、ワンウェイクラッチF0は、エンジン12の運転時の回転方向となるキャリアCA0の正回転方向の回転を許容し且つキャリアCA0の負回転方向の回転を阻止する。すなわち、ワンウェイクラッチF0は、エンジン12の正回転方向の回転を許容し且つ負回転方向の回転を阻止することができるロック機構である。

0035

MOP62は、連結軸48に連結されており、エンジン12の回転と共に回転させられて動力伝達装置18にて用いられる作動油oilを吐出する。また、図示しない電気式のオイルポンプは、エンジン12の停止時すなわちMOP62の非駆動時に駆動させられる。MOP62や図示しない電動式のオイルポンプが吐出した作動油oilは、油圧制御回路58へ元圧として供給される。係合装置CBは、油圧制御回路58により元圧から調圧された各油圧によって作動状態が切り替えられる。

0036

図4は、無段変速機44と有段変速機46とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。図4において、無段変速機44を構成する差動機構52の3つの回転要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素RE2に対応するサンギヤS0の回転速度を表すg軸であり、第1回転要素RE1に対応するキャリアCA0の回転速度を表すe軸であり、第3回転要素RE3に対応するリングギヤR0の回転速度(すなわち有段変速機46の入力回転速度)を表すm軸である。また、有段変速機46の4本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7は、左から順に、第4回転要素RE4に対応するサンギヤS2の回転速度、第5回転要素RE5に対応する相互に連結されたリングギヤR1およびキャリアCA2の回転速度(すなわち出力軸60の回転速度)、第6回転要素RE6に対応する相互に連結されたキャリアCA1およびリングギヤR2の回転速度、第7回転要素RE7に対応するサンギヤS1の回転速度をそれぞれ表す軸である。縦線Y1、Y2、Y3の相互の間隔は、差動機構52の歯車比ρ0に応じて定められている。また、縦線Y4、Y5、Y6、Y7の相互の間隔は、第1、第2遊星歯車装置54、56の各歯車比ρ1、ρ2に応じて定められている。共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリアとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリアとリングギヤとの間が遊星歯車装置の歯車比ρ(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)に対応する間隔とされる。

0037

図4の共線図を用いて表現すれば、無段変速機44の差動機構52において、第1回転要素RE1にエンジン12(図中の「ENG」参照)が連結され、第2回転要素RE2に第1回転機MG1(図中の「MG1」参照)が連結され、中間伝達部材50と一体回転する第3回転要素RE3に第2回転機MG2(図中の「MG2」参照)が連結されて、エンジン12の回転を中間伝達部材50を介して有段変速機46へ伝達するように構成されている。無段変速機44では、縦線Y2を横切る各直線L0e、L0m、L0Rにより、サンギヤS0の回転速度とリングギヤR0の回転速度との関係が示される。

0038

また、有段変速機46において、第4回転要素RE4はクラッチC1を介して中間伝達部材50に選択的に連結され、第5回転要素RE5は出力軸60に連結され、第6回転要素RE6はクラッチC2を介して中間伝達部材50に選択的に連結されると共にブレーキB2を介してケース42に選択的に連結され、第7回転要素RE7はブレーキB1を介してケース42に選択的に連結される。有段変速機46では、係合装置CBの係合解放制御によって縦線Y5を横切る各直線L1、L2、L3、L4、LRにより、出力軸60における「1st」、「2nd」、「3rd」、「4th」、「Rev」の各回転速度が示される。

0039

図4中の実線で示す、直線L0e、および直線L1、L2、L3、L4は、少なくともエンジン12を駆動力源として走行するハイブリッド走行が可能なハイブリッド走行(=HV走行)モードでの前進走行における各回転要素の相対速度を示している。このハイブリッド走行モードでは、差動機構52において、キャリアCA0に入力される正トルクのエンジントルクTeに対して、第1回転機MG1による負トルクの反力トルクとなるMG1トルクTgがサンギヤS0に入力されると、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるエンジン直達トルクTd(=Te/(1+ρ0)=−(1/ρ0)×Tg)が現れる。そして、要求駆動力に応じて、エンジン直達トルクTdとMG2トルクTmとの合算トルクが四輪駆動車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段−AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速機46を介してトランスファ22へ伝達される。第1回転機MG1は、正回転にて負トルクを発生する場合には発電機として機能する。第1回転機MG1の発電電力Wgは、バッテリ40に充電されたり、第2回転機MG2にて消費される。第2回転機MG2は、発電電力Wgの全部又は一部を用いて、或いは発電電力Wgに加えてバッテリ40からの電力を用いて、MG2トルクTmを出力する。

0040

図4中の一点鎖線で示す直線L0mおよび図4中の実線で示す直線L1、L2、L3、L4は、エンジン12の運転を停止した状態で第1回転機MG1および第2回転機MG2のうちの少なくとも一方の回転機を駆動力源として走行するモータ走行が可能なモータ走行(=EV走行)モードでの前進走行における各回転要素の相対速度を示している。モータ走行モードでの前進走行におけるモータ走行としては、例えば第2回転機MG2のみを駆動力源として走行する単駆動モータ走行と、第1回転機MG1および第2回転機MG2を共に駆動力源として走行する両駆動モータ走行とがある。単駆動モータ走行では、キャリアCA0はゼロ回転とされ、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるMG2トルクTmが入力される。このとき、サンギヤS0に連結された第1回転機MG1は、無負荷状態とされて負回転にて空転させられる。単駆動モータ走行では、ワンウェイクラッチF0が解放されており、連結軸48はケース42に対して固定されていない。

0041

両駆動モータ走行では、キャリアCA0がゼロ回転とされた状態で、サンギヤS0に負回転にて負トルクとなるMG1トルクTgが入力されると、キャリアCA0の負回転方向への回転が阻止されるようにワンウェイクラッチF0が自動係合される。ワンウェイクラッチF0の係合によってキャリアCA0が回転不能に固定された状態においては、MG1トルクTgによる反力トルクがリングギヤR0へ入力される。加えて、両駆動モータ走行では、単駆動モータ走行と同様に、リングギヤR0にはMG2トルクTmが入力される。キャリアCA0がゼロ回転とされた状態で、サンギヤS0に負回転にて負トルクとなるMG1トルクTgが入力されたとき、MG2トルクTmが入力されなければ、MG1トルクTgによる単駆動モータ走行も可能である。モータ走行モードでの前進走行では、エンジン12は駆動されず、エンジン回転速度Neはゼロとされ、MG1トルクTgおよびMG2トルクTmのうちの少なくとも一方のトルクが四輪駆動車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段−AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速機46を介して駆動輪(前輪14、後輪16)へ伝達される。モータ走行モードでの前進走行では、MG1トルクTgは負回転且つ負トルクの力行トルクであり、MG2トルクTmは正回転且つ正トルクの力行トルクである。

0042

図4中の破線で示す、直線L0Rおよび直線LRは、モータ走行モードでの後進走行における各回転要素の相対速度を示している。このモータ走行モードでの後進走行では、リングギヤR0には負回転にて負トルクとなるMG2トルクTmが入力され、そのMG2トルクTmが四輪駆動車両10の後進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段が形成された有段変速機46を介して駆動輪(前輪14、後輪16)へ伝達される。四輪駆動車両10では、電子制御装置200によって、複数のATギヤ段のうちの前進用のロー側のATギヤ段である例えばAT1速ギヤ段が形成された状態で、前進走行時における前進用のMG2トルクTmとは正負が反対となる後進用のMG2トルクTmが第2回転機MG2から出力させられることで、後進走行を行うことができる。モータ走行モードでの後進走行では、MG2トルクTmは負回転且つ負トルクの力行トルクである。なお、ハイブリッド走行モードにおいても、直線L0Rのように第2回転機MG2を負回転とすることが可能であるので、モータ走行モードと同様に後進走行を行うことが可能である。

0043

次に、トランスファ22について説明する。図5は、トランスファ22の構造を説明するための骨子図である。トランスファ22は、非回転部材としてのトランスファケース64を備えている。トランスファ22は、図5に示すように、トランスファケース64内において、入力軸66と、後輪側出力軸68と、前輪駆動用ドライブスプロケット70と、ハイロー切替機構72と、前輪駆動用クラッチ74と、を共通の第1回転軸線CL1まわりに備えている。なお、入力軸66は、トランスミッション20を介してエンジン12に動力伝達可能に連結されている。また、後輪側出力軸68は、リヤプロペラシャフト26に動力伝達可能に連結されており、後輪側出力軸68は、エンジン12からトランスミッション20を介して入力軸66に伝達された駆動力を後輪16へ出力する。また、前輪駆動用ドライブスプロケット70は、後輪側出力軸68に対して相対回転可能に後輪側出力軸68に支持されている。また、ハイロー切替機構72は、入力軸66の回転を変速して後輪側出力軸68へ伝達する副変速機として機能する。また、前輪駆動用クラッチ74は、多板の湿式クラッチであり、前輪駆動用クラッチ74は、後輪側出力軸68に伝達された駆動力の一部を前輪駆動用ドライブスプロケット70に伝達、すなわち後輪側出力軸68から前輪駆動用ドライブスプロケット70へ伝達する伝達トルクを調整する。

0044

また、トランスファ22は、図5に示すように、トランスファケース64内において、前輪側出力軸76と、前輪駆動用ドリブンスプロケット78と、を共通の第2回転軸線CL2回りに備えている。さらに、トランスファ22は、前輪駆動用チェーン80と、デフロック機構82と、を備えている。なお、前輪側出力軸76は、フロントプロペラシャフト24に動力伝達可能に連結されている。また、前輪駆動用ドリブンスプロケット78は、前輪側出力軸76に一体的に設けられている。また、前輪駆動用チェーン80は、前輪駆動用ドライブスプロケット70と前輪駆動用ドリブンスプロケット78とにそれぞれ掛けられ、前輪駆動用ドライブスプロケット70と前輪駆動用ドリブンスプロケット78とを動力伝達可能に連結する。また、デフロック機構82は、後輪側出力軸68と前輪駆動用ドライブスプロケット70とを選択的に連結するドグクラッチであり、デフロック機構82は、リヤプロペラシャフト26とフロントプロペラシャフト24との間の回転差動が制限されない差動状態と、それらの間の回転差動が制限された非差動状態と、を選択的に切り替える。

0045

ハイロー切替機構72は、図5に示すように、シングルピニオン型の遊星歯車装置84と、ハイロースリーブ86と、を備えている。遊星歯車装置84は、入力軸66に動力伝達可能に連結されたサンギヤSと、トランスファケース64に第1回転軸線CL1まわりの回転が不能に連結されたリングギヤRと、これらサンギヤSおよびリングギヤRに噛み合う複数のピニオンギヤPを自転可能且つ第1回転軸線CL1まわりの公転可能に支持するキャリアCAと、を有している。このため、ハイロー切替機構72において、サンギヤSの回転速度は、入力軸66に対して等速であり、キャリアCAの回転速度は、入力軸66に対して減速する。なお、図5に示すように、サンギヤSの内周面には、ハイ側ギヤ歯88が形成されており、キャリアCAには、ハイ側ギヤ歯88と同径のロー側ギヤ歯90が形成されている。

0046

ハイロースリーブ86は、後輪側出力軸68に対して第1回転軸線CL1方向に相対移動可能且つ後輪側出力軸68に対して相対回転不能に、後輪側出力軸68にスプライン嵌合されている。また、ハイロースリーブ86には、図5に示すように、フォーク連結部86aと、ハイ側ギヤ歯88およびロー側ギヤ歯90にそれぞれ噛み合い可能な外周歯86bと、が一体的に備えられている。なお、ハイロー切替機構72では、ハイロースリーブ86が後輪側出力軸68に対して第1回転軸線CL1方向に移動させられて、ハイロースリーブ86の外周歯86bがハイ側ギヤ歯88に噛み合うと、入力軸66の回転と等速の回転を後輪側出力軸68へ伝達する高速側ギヤ段Hが形成される。また、ハイロー切替機構72では、ハイロースリーブ86が後輪側出力軸68に対して第1回転軸線CL1方向に移動させられて、ハイロースリーブ86の外周歯86bがロー側ギヤ歯90に噛み合うと、入力軸66の回転に対して減速された回転を後輪側出力軸68へ伝達する低速側ギヤ段Lが形成される。

0047

デフロック機構82は、図5に示すように、ロック歯92と、ロックスリーブ94と、を備えている。なお、ロック歯92は、前輪駆動用ドライブスプロケット70の内周面に一体的に形成されている。また、ロックスリーブ94は、後輪側出力軸68に対して第1回転軸線CL1方向に相対移動可能且つ後輪側出力軸68に対して相対回転不能に、後輪側出力軸68にスプライン嵌合されている。なお、ロックスリーブ94には、ロック歯92に噛み合い可能な外周歯94aが形成されている。このため、デフロック機構82では、ロックスリーブ94が後輪側出力軸68に対して第1回転軸線CL1方向に移動させられて、ロックスリーブ94の外周歯94aがロック歯92に噛み合うと、後輪側出力軸68と前輪駆動用ドライブスプロケット70とが一体的に回転する。

0048

トランスファ22は、図5に示すように、コイル状の第1スプリング96と、コイル状の第2スプリング98と、を備えている。第1スプリング96は、ハイロースリーブ86とロックスリーブ94との間に圧縮された状態で配設されており、第1スプリング96は、ハイロースリーブ86とロックスリーブ94とを相互に離間させる方向へ付勢する。第2スプリング98は、後輪側出力軸68に形成された凸部68aとロックスリーブ94との間に圧縮された状態で配設されており、第2スプリング98は、ロックスリーブ94をロック歯92から離間する方向へ付勢する。なお、トランスファ22では、ハイロースリーブ86の外周歯86bがロー側ギヤ歯90に噛み合うと、ロックスリーブ94が第1スプリング96の付勢力によってロック歯92に接近する方向に第2スプリング98の付勢力に抗して移動して、ロックスリーブ94の外周歯94aがロック歯92に噛み合うようになっている。また、トランスファ22では、ハイロースリーブ86の外周歯86bがハイ側ギヤ歯88に噛み合うと、ロックスリーブ94が第2スプリング98の付勢力によってロック歯92から離間する方向に第1スプリング96の付勢力に抗して移動して、ロックスリーブ94の外周歯94aがロック歯92から離れるようになっている。

0049

前輪駆動用クラッチ74は、図5に示すように、クラッチハブ100と、クラッチドラム102と、摩擦係合要素104と、ピストン106と、を備えている。クラッチハブ100は、後輪側出力軸68に動力伝達可能に連結されている。クラッチドラム102は、前輪駆動用ドライブスプロケット70に動力伝達可能に連結されている。摩擦係合要素104は、第1摩擦板104aと第2摩擦板104bとを備えている。なお、第1摩擦板104aは、クラッチハブ100に対して第1回転軸線CL1方向に移動可能且つクラッチハブ100に対して第1回転軸線CL1まわりに相対回転不能に、クラッチハブ100の外周側に設けられている。また、第2摩擦板104bは、クラッチドラム102に対して第1回転軸線CL1方向に移動可能且つクラッチドラム102に対して第1回転軸線CL1まわりに相対回転不能に、クラッチドラム102の内周側に設けられている。ピストン106は、摩擦係合要素104に当接して第1摩擦板104aと第2摩擦板104bとを挟圧する。

0050

トランスファ22は、ハイロー切替機構72、前輪駆動用クラッチ74、およびデフロック機構82を作動させる装置として、図5に示すように、電動モータ108と、電動モータ108のモータシャフト(図示しない)の回転運動直線運動に変換するねじ機構110と、ねじ機構110において直線運動する力をハイロー切替機構72、前輪駆動用クラッチ74、およびデフロック機構82へそれぞれ伝達する伝達機構112と、を備えている。

0051

ねじ機構110は、図5に示すように、後輪側出力軸68と同じ軸心である第1回転軸線CL1上に配置されており、ねじ機構110は、ねじ軸部材114とナット部材116とを備えている。ねじ軸部材114は、ウォームギヤ118を介して電動モータ108に連結されている。また、ねじ軸部材114は、後輪側出力軸68に対して第1回転軸線CL1まわりに相対回転可能に、後輪側出力軸68に支持されている。ナット部材116は、ねじ軸部材114が第1回転軸線CL1まわりに回転することによってねじ軸部材114に対して第1回転軸線CL1方向に移動可能に、ねじ軸部材114に螺合されている。なお、ウォームギヤ118は、電動モータ108のモータシャフトに一体的に形成されたウォーム120と、ねじ軸部材114に一体的に形成されたウォームホイール122と、を備えた歯車対である。このように構成されることによって、ねじ機構110は、ウォームギヤ118を介してねじ軸部材114に伝達された電動モータ108からの回転を、ナット部材116が第1回転軸線CL1方向に移動する直線運動に変換する。

0052

伝達機構112には、図5に示すように、第1伝達機構112aと、第2伝達機構112bと、第3伝達機構112cと、が備えられている。第1伝達機構112aは、ねじ機構110においてナット部材116が第1回転軸線CL1方向に直線運動する力を前輪駆動用クラッチ74のピストン106に伝達する。なお、第1伝達機構112aは、前輪駆動用クラッチ74のピストン106とナット部材116との間に配設された軸受である。第2伝達機構112bは、ねじ機構110においてナット部材116が第1回転軸線CL1方向に直線運動する力をハイロー切替機構72のハイロースリーブ86に伝達する。第2伝達機構112bは、連結機構124と、フォークシャフト126と、フォーク128と、を備えている。なお、連結機構124は、ねじ機構110のナット部材116とフォークシャフト126を動力伝達可能に連結する。また、フォークシャフト126は、トランスファケース64に対して第1回転軸線CL1に平行な第3回転軸線CL3方向に相対移動可能に、トランスファケース64内に設けられている。また、フォーク128は、フォークシャフト126とハイロースリーブ86のフォーク連結部86aとにそれぞれ連結されている。第3伝達機構112cは、ねじ機構110においてナット部材116が第1回転軸線CL1方向に直線運動する力をデフロック機構82のロックスリーブ94に伝達する。第3伝達機構112cは、前述した連結機構124、フォークシャフト126、およびフォーク128と、ハイロースリーブ86と、第1スプリング96と、第2スプリング98と、を備えている。

0053

以上のように構成されたトランスファ22では、電子制御装置200から電動モータ108に供給される電動モータ制御指令信号Swによって電動モータ108のモータシャフトの回転量が制御されて、例えばねじ機構110におけるナット部材116の第1回転軸線CL1方向の位置が切り替えられると、トランスファ22の作動状態が順次切り替えられるようになっている。

0054

例えば、電動モータ108によってナット部材116の位置が予め定められたL4L位置に切り替えられると、伝達機構112によってハイロースリーブ86の外周歯86bがロー側ギヤ歯90に噛み合う位置に移動させられる。なお、前述したように、ハイロースリーブ86の外周歯86bがロー側ギヤ歯90に噛み合うと、第1スプリング96および第2スプリング98の付勢力によって、ロックスリーブ94の外周歯94aがロック歯92に噛み合うようになっている。このため、トランスファ22では、ナット部材116の位置が前記L4L位置であると、ハイロー切替機構72で低速側ギヤ段Lが形成され、且つ、デフロック機構82でフロントプロペラシャフト24とリヤプロペラシャフト26との間の回転差動が制限されるようになっている。

0055

また、電動モータ108によってナット部材116の位置が予め定められたH2位置に切り替えられると、ハイロースリーブ86の外周歯86bがハイ側ギヤ歯88に噛み合い且つピストン106が前輪駆動用クラッチ74の摩擦係合要素104から離間させられる位置に移動させられる。このため、トランスファ22では、ナット部材116の位置が前記H2位置であると、ハイロー切替機構72で高速側ギヤ段Hが形成され、且つ、前輪駆動用クラッチ74が解放させられるようになっている。

0056

また、電動モータ108によってナット部材116の位置が予め定められたH4A位置に切り替えられると、ハイロースリーブ86の外周歯86bがハイ側ギヤ歯88に噛み合い且つピストン106が前輪駆動用クラッチ74の摩擦係合要素104を押圧する位置に移動させられる。このため、トランスファ22では、ナット部材116の位置が前記H4A位置であると、ハイロー切替機構72で高速側ギヤ段Hが形成され、且つ、前輪駆動用クラッチ74がスリップ係合させられるようになっている。

0057

また、電動モータ108によってナット部材116の位置が予め定められたH4L位置に切り替えられると、ハイロースリーブ86の外周歯86bがハイ側ギヤ歯88に噛み合い且つピストン106が前輪駆動用クラッチ74の摩擦係合要素104を押圧する位置に移動させられる。このため、トランスファ22では、ナット部材116の位置が前記H4L位置であると、ハイロー切替機構72で高速側ギヤ段Hが形成され、且つ、前輪駆動用クラッチ74が完全係合させられるようになっている。

0058

上記のように構成されたトランスファ22では、走行中の駆動力源からの駆動力を入力軸66から前輪14および後輪16に伝達可能であって、且つ、デフロック機構82で前記差動状態と前記非差動状態とを切り替えたり又は前輪駆動用クラッチ74のトルク容量を調節することで、走行中の駆動力源から前輪14および後輪16にそれぞれ伝達する駆動力の駆動力配分比を調節する、すなわち走行中の駆動力源から後輪16に伝達する駆動力Prの走行中の駆動力源から後輪16および前輪14に伝達される総駆動力Ptotal(Ptotal=Pr+Pf)に対する割合である後輪側配分率Xr(Xr=Pr/Ptotal)を調節することができる。なお、上記「Pf」は、走行中の駆動力源から前輪14に伝達する駆動力である。例えば、ナット部材116の位置が前記H2位置でありピストン106が摩擦係合要素104を押圧しない場合には、前輪駆動用クラッチ74のトルク容量がゼロになる。このとき、前輪駆動用クラッチ74が解放され、後輪側配分率Xrが1.0になる。言い換えれば、前輪14と後輪16とにそれぞれ伝達する駆動力の駆動力配分比が0(前輪):100(後輪)になる。一方、ナット部材116の位置が前記H4A位置でありピストン106が摩擦係合要素104を押圧する場合には、前輪駆動用クラッチ74のトルク容量がゼロよりも大きくなり、前輪駆動用クラッチ74のトルク容量が増加するほど後輪側配分率Xrが低下する。そして、ナット部材116の位置が前記H4L位置であり前輪駆動用クラッチ74が完全係合されるトルク容量になると、後輪側配分率Xrが0.5になる。言い換えれば、前輪14と後輪16とにそれぞれ伝達する駆動力の駆動力配分比が50(前輪):50(後輪)になる。また、ナット部材116の位置が前記L4L位置でありデフロック機構82でフロントプロペラシャフト24とリヤプロペラシャフト26との間の回転差動が制限されると、後輪側配分率Xrが0.5になる。このように、トランスファ22は、デフロック機構82で前記差動状態と前記非差動状態とが切り替えられたり又は前輪駆動用クラッチ74のトルク容量が調整されることによって、後輪側配分率Xrを1.0〜0.5の間、すなわち前輪14と後輪16とにそれぞれ伝達する駆動力の駆動力配分比を0(前輪):100(後輪)〜50(前輪):50(後輪)の間で調整できる。なお、トランスファ22が、本発明の駆動力配分装置に対応している。

0059

図1に戻って、四輪駆動車両10には、常用ブレーキとして良く知られた所謂ディスクブレーキである、前輪14L、前輪14Rおよび後輪16L、後輪16Rに制動力(制動トルク)を発生させる制動装置130が備えられている。なお、制動装置130には、図1に示すように、前輪14Lに設けられた第1ホイールブレーキ(ホイールブレーキ)132と、前輪14Rに設けられた第2ホイールブレーキ(ホイールブレーキ)134と、後輪16Lに設けられた第3ホイールブレーキ(ホイールブレーキ)136と、後輪16Rに設けられた第4ホイールブレーキ(ホイールブレーキ)138と、ブレーキアクチュエータ140等と、が設けられている。

0060

図1に示すように、第1ホイールブレーキ132は、前輪車軸32Lに固設され、前輪14Lの車輪と共に回転する第1ディスク132aと、車体に連結されたサスペンションを構成する部材等に配設され、ブレーキペダル142の操作量に応じてマスターシリンダー144からブレーキ油圧Br[MPa]が供給されることによりブレーキパッド(図示しない)を介して第1ディスク132aを挟圧する第1キャリパ132bと、を備えている。また、第2ホイールブレーキ134は、前輪車軸32Rに固設され、前輪14Rの車輪と共に回転する第2ディスク134aと、車体に連結されたサスペンションを構成する部材等に配設され、ブレーキペダル142の操作量に応じてマスターシリンダー144からブレーキ油圧Brが供給されることによりブレーキパッド(図示しない)を介して第2ディスク134aを挟圧する第2キャリパ134bと、を備えている。また、第3ホイールブレーキ136には、後輪車軸34Lに固設され、後輪16Lの車輪と共に回転する第3ディスク136aと、車体に連結されたサスペンションを構成する部材等に配設され、ブレーキペダル142の操作量に応じてマスターシリンダー144からブレーキ油圧Brが供給されることによりブレーキパッド(図示しない)を介して第3ディスク136aを挟圧する第3キャリパ136bと、を備えている。また、第4ホイールブレーキ138には、後輪車軸34Rに固設され、後輪16Rの車輪と共に回転する第4ディスク138aと、車体に連結されたサスペンションを構成する部材等に配設され、ブレーキペダル142の操作量に応じてマスターシリンダー144からブレーキ油圧Brが供給されることによりブレーキパッド(図示しない)を介して第4ディスク138aを挟圧する第4キャリパ138bと、を備えている。また、ブレーキアクチュエータ140は、例えば、ブレーキ油圧Brの元圧を発生させる油圧ポンプアキュムレータ、および各車輪に設けられたキャリパ132b、134b、136b、138bのブレーキ油圧Brを調圧する複数のソレノイドバルブ146等を備え、電子制御装置200からのブレーキ指令信号Sbに従って各輪のキャリパ132b、134b、136b、138bへそれぞれブレーキ油圧Brを供給するとともにその供給されるブレーキ油圧Brを調整制御する装置である。つまり、制動装置130に設けられた第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138は、電子制御装置200からのブレーキ指令信号Sbによって個別に制動力が調整可能である。

0061

また、図1戻り、四輪駆動車両10は、エンジン12、無段変速機44、有段変速機46、トランスファ22、および制動装置130などの制御に関連する四輪駆動車両10の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置200を備えている。図1は、電子制御装置200の入出力系統を示す図であり、また、電子制御装置200による制御機能の要部を説明する機能ブロック図である。電子制御装置200は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより四輪駆動車両10の各種制御を実行する。電子制御装置200は、必要に応じてエンジン制御用、変速制御用等に分けて構成される。なお、電子制御装置200が、本発明の駆動力源および駆動力配分装置を制御する制御装置に対応している。

0062

電子制御装置200には、四輪駆動車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ150、出力回転速度センサ152、MG1回転速度センサ154、MG2回転速度センサ156、回転角度センサ158、アクセル開度センサ160、スロットル弁開度センサ162、デフロック選択スイッチ164、Gセンサ166、バッテリセンサ168、油温センサ170、ブレーキ操作量センサ172、ヨーレートセンサ174、ステアリングセンサ176など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン回転速度Ne、車速Vに対応する出力回転速度No、第1回転機MG1の回転速度であるMG1回転速度Ng、入力回転速度NiであるMG2回転速度Nm、電動モータ108のモータシャフトの回転角度θ、運転者の加速操作の大きさを表す運転者の加速操作量としてのアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、デフロック機構82においてリヤプロペラシャフト26とフロントプロペラシャフト24との間の回転差動が制限された非差動状態(デフロック状態)を選択する要求が運転者からあるか否かを表すON、OFF信号、四輪駆動車両10の前後および左右加速度Gx、Gy、バッテリ40のバッテリ温度Hbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、作動油oilの温度である作動油温THoil、ホイールブレーキ132、134、136、138を作動させる為に運転者により操作されるブレーキペダル142の操作量であるブレーキ操作量Bra[%]、四輪駆動車両10の鉛直軸まわりの回転角速度であるヨーレートRyaw、四輪駆動車両10に備えられたステアリングホイール操舵角θswなど)が、それぞれ供給される。

0063

電子制御装置200からは、四輪駆動車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置36、インバータ38、油圧制御回路58、電動モータ108、制動装置130など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、第1回転機MG1および第2回転機MG2を各々制御する為の回転機制御指令信号Smg、係合装置CBの作動状態を制御する為の油圧制御指令信号Sat、電動モータ108を制御する為の電動モータ制御指令信号Sw、制動装置130を制御する為のブレーキ指令信号Sbなど)が、それぞれ出力される。油圧制御指令信号Satは、有段変速機46の変速を制御する為の油圧制御指令信号でもあり、例えば係合装置CBの各々の油圧アクチュエータ(クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、ブレーキB2)へ供給される各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2を調圧する各ソレノイドバルブ等を駆動する為の指令信号である。電子制御装置200は、各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2の値に対応する油圧指令値を設定し、その油圧指令値に応じた駆動電流又は駆動電圧を油圧制御回路58へ出力する。ブレーキ指令信号Sbは、第1キャリパ132b、第2キャリパ134b、第3キャリパ136b、および第4キャリパ138bのブレーキ油圧Brを制御するためにブレーキアクチュエータ140に設けられたソレノイドバルブ146を駆動する為の指令信号である。

0064

電子制御装置200は、四輪駆動車両10における各種制御を実現する為に、有段変速制御手段として機能する有段変速制御部180と、ハイブリッド制御手段として機能するハイブリッド制御部182と、四輪駆動制御手段として機能する四輪駆動制御部184と、ヨーレート制御手段として機能するヨーレート制御部186と、ブレーキ制御手段として機能するブレーキ制御部188と、を備えている。

0065

有段変速制御部180は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である例えば図6に示すようなATギヤ段変速マップを用いて有段変速機46の変速判断を行い、必要に応じて有段変速機46の変速制御を実行する為の油圧制御指令信号Satを油圧制御回路58へ出力する。上記ATギヤ段変速マップは、例えば車速V及び要求駆動力Frdemを変数とする二次元座標上に、有段変速機46の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。ここでは、車速Vに替えて出力回転速度Noなどを用いても良い。また、要求駆動力Frdemに替えて要求駆動トルクTrdemやアクセル開度θaccやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。ATギヤ段変速マップにおける各変速線は、実線に示すようなアップシフトが判断される為のアップシフト線、および破線に示すようなダウンシフトが判断される為のダウンシフト線である。

0066

ハイブリッド制御部182は、エンジン12の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部としての機能と、インバータ38を介して第1回転機MG1および第2回転機MG2の作動を制御する回転機制御手段すなわち回転機制御部としての機能を含んでおり、それら制御機能によりエンジン12、第1回転機MG1、および第2回転機MG2によるハイブリッド駆動制御等を実行する。ハイブリッド制御部182は、予め定められた関係である例えば駆動要求量マップにアクセル開度θaccおよび車速Vを適用することで駆動要求量としての要求駆動力Frdemを算出する。前記駆動要求量としては、要求駆動力Frdem[N]の他に、各駆動輪(前輪14、後輪16)における要求駆動トルクTrdem[Nm]、各駆動輪における要求駆動パワーPrdem[W]、出力軸60における要求AT出力トルク等を用いることもできる。

0067

ハイブリッド制御部182は、バッテリ40の充電可能電力Winや放電可能電力Wout等を考慮して、要求駆動トルクTrdemと車速Vとに基づく要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン12を制御する指令信号であるエンジン制御指令信号Seと、第1回転機MG1および第2回転機MG2を制御する指令信号である回転機制御指令信号Smgとを出力する。エンジン制御指令信号Seは、例えばそのときのエンジン回転速度NeにおけるエンジントルクTeを出力するエンジン12のパワーであるエンジンパワーPeの指令値である。回転機制御指令信号Smgは、例えばエンジントルクTeの反力トルクとしての指令出力時のMG1回転速度NgにおけるMG1トルクTgを出力する第1回転機MG1の発電電力Wgの指令値であり、また、指令出力時のMG2回転速度NmにおけるMG2トルクTmを出力する第2回転機MG2の消費電力Wmの指令値である。

0068

バッテリ40の充電可能電力Winは、バッテリ40の入力電力の制限を規定する入力可能電力であり、バッテリ40の放電可能電力Woutは、バッテリ40の出力電力の制限を規定する出力可能電力である。バッテリ40の充電可能電力Winや放電可能電力Woutは、例えばバッテリ温度THbatおよびバッテリ40の充電量に相当する充電状態値SOC[%]に基づいて電子制御装置200により算出される。バッテリ40の充電状態値SOCは、バッテリ40の充電状態を示す値であり、例えばバッテリ充放電電流Ibatおよびバッテリ電圧Vbatなどに基づいて電子制御装置200により算出される。

0069

ハイブリッド制御部182は、例えば無段変速機44を無段変速機として作動させて無段変速機44と有段変速機46とが直列に配置された複合変速機63全体として無段変速機として作動させる場合、エンジン最適燃費点等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するエンジンパワーPeが得られるエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとなるように、エンジン12を制御すると共に第1回転機MG1の発電電力Wgを制御することで、無段変速機44の無段変速制御を実行して無段変速機44の変速比γ0を変化させる。この制御の結果として、無段変速機として作動させる場合の複合変速機63の変速比γt(γt=γ0×γat)が制御される。

0070

ハイブリッド制御部182は、例えば無段変速機44を有段変速機のように変速させて複合変速機63全体として有段変速機のように変速させる場合、予め定められた関係である例えば変速マップを用いて複合変速機63の変速判断を行い、有段変速制御部180による有段変速機46のATギヤ段の変速制御と協調して、複数のギヤ段を選択的に成立させるように無段変速機44の変速制御を実行する。

0071

ハイブリッド制御部182は、走行モードとして、モータ走行モード又はハイブリッド走行モードを走行状態に応じて選択的に成立させる。例えば、ハイブリッド制御部182は、要求駆動パワーPrdemが予め定められた閾値よりも小さなモータ走行領域にある場合には、モータ走行モードを成立させる一方で、要求駆動パワーPrdemが予め定められた閾値以上となるハイブリッド走行領域にある場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。図6の一点鎖線Aは、四輪駆動車両10の走行用の駆動力源を、少なくともエンジン12とするか、第2回転機MG2のみとするかを切り替える為の境界線である。すなわち、図6の一点鎖線Aは、ハイブリッド走行とモータ走行とを切り替える為のハイブリッド走行領域とモータ走行領域との境界線である。この図6の一点鎖線Aに示すような境界線を有する予め定められた関係は、車速V及び要求駆動力Frdemを変数とする二次元座標で構成された駆動力源切替マップの一例である。なお、図6では、便宜上、この駆動力源切替マップをATギヤ段変速マップと共に示している。

0072

ハイブリッド制御部182は、要求駆動パワーPrdemがモータ走行領域にあるときであっても、バッテリ40の充電状態値SOCが予め定められたエンジン始動閾値未満となる場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。モータ走行モードは、エンジン12を停止した状態で第2回転機MG2により駆動トルクを発生させて走行する走行状態である。ハイブリッド走行モードは、エンジン12を運転した状態で走行する走行状態である。前記エンジン始動閾値は、エンジン12を強制的に始動してバッテリ40を充電する必要がある充電状態値SOCであることを判断する為の予め定められた閾値である。

0073

ハイブリッド制御部182は、エンジン12の運転停止時にハイブリッド走行モードを成立させた場合には、エンジン12を始動する始動制御を行う。ハイブリッド制御部182は、エンジン12を始動するときには、第1回転機MG1によりエンジン回転速度Neを上昇させつつ、エンジン回転速度Neが点火可能な所定回転速度以上となったときに点火することでエンジン12を始動する。すなわち、ハイブリッド制御部182は、第1回転機MG1によりエンジン12をクランキングすることでエンジン12を始動する。

0074

四輪駆動制御部184は、走行中の駆動力源から後輪16に伝達する駆動力Prの走行中の駆動力源から前輪14および後輪16に伝達する総駆動力Ptotalに対する割合(Pr/Ptotal)である後輪側配分率Xrを調節する。例えば、四輪駆動制御部184は、出力回転速度センサ152やGセンサ166などから判断される四輪駆動車両10の走行状態に応じて、電動モータ108を制御して例えば前輪駆動用クラッチ74のトルク容量を調節することによって、後輪側配分率Xrを適切な値に調節する。なお、四輪駆動制御部184は、例えば運転者がデフロック選択スイッチ164を操作した場合には、デフロック機構82でリヤプロペラシャフト26とフロントプロペラシャフト24との間の回転差動が制限されることで、後輪側配分率Xrを0.5(すなわち、前輪14と後輪16とにそれぞれ伝達する駆動力の駆動力配分比を50(前輪):50(後輪))に制御する。

0075

ハイブリッド制御部182には、回生制御手段として機能する回生制御部190が備えられている。回生制御部190は、運転者がブレーキペダル142を操作する車両減速時において、運転者がブレーキペダル142を操作するブレーキ操作量Braに対応する目標減速度Gtgtが得られるように、第2回転機MG2を回生させる回生制御を実行する。なお、前記回生制御は、目標減速度Gtgtが得られる要求回生トルクTmdemとなるように第2回転機MG2の回生トルクTmを制御する。また、要求回生トルクTmdemは、例えば、ブレーキ操作量センサ172から検出される運転者のブレーキ操作量Braから予め定められた関係に従って求められるようになっている。

0076

ヨーレート制御部186には、開始条件成立判定手段として機能する開始条件成立判定部186aと、終了条件成立判定手段として機能する終了条件成立判定部186bと、が備えられている。開始条件成立判定部186aは、ヨーレート制御部186で実行するヨーレート制御を開始する開始条件CDSが成立したか否かを判定する。開始条件成立判定部186aは、例えば、ヨーレート偏差ΔRyawが予め定められたオーバステア判定値以上であるか、又は、ヨーレート偏差ΔRyawが予め定められたアンダステア判定値以下であると、開始条件CDSが成立したと判定する。なお、ヨーレート偏差ΔRyawは、ヨーレートセンサ174から検出される実際のヨーレートRyawから目標ヨーレートRyaw*を減算した値(ΔRyaw=Ryaw−Ryaw*)である。また、目標ヨーレートRyaw*は、旋回走行中の操舵角θswと車速V等とに基づいて算出されるようになっている。また、前記オーバステア判定値は、オーバステアを判定するための判定値であり、正の値である。また、前記アンダステア判定値は、アンダステアを判定するための判定値であり、負の値である。

0077

終了条件成立判定部186bは、ヨーレート制御部186で実行したヨーレート制御を終了する終了条件CDEが成立したか否かを判定する。例えば、終了条件成立判定部186bは、ヨーレート偏差ΔRyawが前記オーバステア判定値未満であり前記アンダステア判定値より大きい場合であり、且つ、例えば、ヨーレート制御で要求される第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138のブレーキ制御量がゼロの状態が予め定められた所定時間経過すると、終了条件CDEが成立したと判定する。

0078

ヨーレート制御部186は、開始条件成立判定部186aで開始条件CDSが成立すると、終了条件成立判定部186bで終了条件CDEが成立するまで、ヨーレートセンサ174によって検出される実際のヨーレートRyawが目標ヨーレートRyaw*に追従するように、例えばブレーキ制御部188と四輪駆動制御部184等と協調して制御するヨーレート制御を実行する。例えば、ヨーレート制御部186は、実際のヨーレートRyawが目標ヨーレートRyaw*に追従するように、第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力と、後輪側配分率Xrと、を制御するヨーレート制御を実行する。

0079

回生制御部190には、制限手段として機能する制限部190aと、終了時制御手段として機能する終了時制御部190bと、が備えられている。制限部190aは、予め定められた第1条件CD1と予め定められた第2条件CD2とがそれぞれ成立すると、回生制御部190で実行されている回生制御による第2回転機MG2の回生トルクTmをヨーレート制御部186でヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限する。なお、第1条件CD1は、回生制御部190で回生制御が実行されていると、成立するようになっている。また、第2条件CD2は、ヨーレート制御部186でヨーレート制御が実行されていると、すなわち開始条件成立判定部186aで開始条件CDSが成立したと判定され且つ終了条件成立判定部186bで終了条件CDEが成立していないと判定されると、成立するようになっている。例えば、制限部190aは、第1条件CD1と第2条件CD2とがそれぞれ成立すると、回生制御部190で求められた要求回生トルクTmdemが増加する場合には、すなわち回生制御部190で求められた今回の要求回生トルクTmdem_nが前回の要求回生トルクTmdem_n-1に対して0(ゼロ)[Nm]より離れる方向に変更される場合には、回生トルクTmが変化しないように回生トルクTmの変更を制限する。また、制限部190aは、回生制御部190で求められた要求回生トルクTmdemが減少する場合には、すなわち回生制御部190で求められた今回の要求回生トルクTmdem_nが前回の要求回生トルクTmdem_n-1に対して0(ゼロ)[Nm]に近づく方向に変更される場合には、回生トルクTmが要求回生トルクTmdemとなるように回生トルクTmの変更を許可する。

0080

終了時制御部190bは、ヨーレート制御部186で実行されていたヨーレート制御が終了すると、すなわち終了条件成立判定部186bで終了条件CDEが成立すると、回生トルクTmが要求回生トルクTmdemに一致するまで回生トルクTmを例えば回生トルクTmの変化によって運転者に違和感を与えないように予め設定された一定の変化量HRで要求回生トルクTmdemに向かって変化させる終了時制御を実行する。なお、変化量HRは、回生トルクTmが単位時間当たりに変化する変化量である。また、終了時制御部190bでは、回生トルクTmが要求回生トルクTmdemに一致すると、前記終了時制御が終了させられる。

0081

ブレーキ制御部188は、制限部190aで回生制御による第2回転機MG2の回生トルクTmを制限すると、回生トルクTmを制限することに伴う四輪駆動車両10の制動力の不足を補うように、第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力を制御する。例えば、ブレーキ制御部188は、制限部190aで回生制御による第2回転機MG2の回生トルクTmを制限すると、要求回生トルクTmdemと回生トルクTmとの差分(Tmdem−Tm)から求められる四輪駆動車両10の制動力の不足を補うように、第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力を制御する。

0082

図7は、電子制御装置200の制御作動の要部を説明するためのフローチャートであり、ヨーレート制御と回生制御とが実行されている場合における回生制御の制御作動を説明するためのフローチャートである。また、図8は、図7に示す電子制御装置200の制御作動が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。なお、図7のフローチャートでは、回生制御が実行されているときをスタートとしている。

0083

先ず、開始条件成立判定部186aおよび終了条件成立判定部186bの機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、ヨーレート制御が実行されているか否かが判定される。S10の判定が否定される場合、すなわちヨーレート制御が実行されていない場合には、本ルーチンが終了させられる。S10の判定が肯定される場合(図8のt1時点からt2時点)、すなわちヨーレート制御が実行されている場合には、制限部190aの機能に対応するS20が実行される。S20では、例えば要求回生トルクTmdemが増加する場合には、回生トルクTmの変更が制限される。

0084

図8のタイムチャートでは、ヨーレート制御と回生制御とが実行されるt1時点からt2時点の間のときにおいて、要求回生トルクTmdemが増加する場合には、回生トルクTmが変化しないように回生トルクTmの変更が制限されるが、要求回生トルクTmdemが減少する場合には、回生トルクTmが要求回生トルクTmdemとなるように回生トルクTmの変更が許可されている。なお、図8のタイムチャートのMG2トルクTmすなわち回生トルクTmおいて、実線LJは実際の回生トルクTmを示しており、破線LHは要求回生トルクTmdemを示している。また、図8に示すように、回生トルクTmの変更が制限されているときには、回生トルクTmの変更が制限されることに伴う四輪駆動車両10の制動力の不足を補うように、ホイールブレーキトルク、すなわち第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力が上昇している。なお、前述したように、第2回転機MG2のMG2トルクTmは、例えば正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクであるので、前述した「要求回生トルクTmdemが増加する」とは、MG2トルクTmの値が負側で大きくなることを示し、前述した「要求回生トルクTmdemが減少する」とは、MG2トルクTmの値が負側で小さくなることを示す。

0085

また、図8のタイムチャートでは、ヨーレート制御が終了(t2時点)すると、回生トルクTmが要求回生トルクTmdemに一致するまで回生トルクTmを予め設定された一定の変化量HRで要求回生トルクTmdemに向かって変化させる終了時制御が実行されている。なお、図8のタイムチャートにおいて、t1時点は、ヨーレート制御が開始したときすなわち開始条件成立判定部186aで開始条件CDSが成立したときである。また、t2時点は、ヨーレート制御が終了したときすなわち終了条件成立判定部186bで終了条件CDEが成立したときである。また、t3時点は、終了時制御が終了したときすなわち回生トルクTmと要求回生トルクTmdemとが一致したときである。

0086

上述のように、本実施例の四輪駆動車両10によれば、ヨーレート制御が実行されているときに回生制御が実行される場合には、前記回生制御による第2回転機MG2の回生トルクTmを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することから、前記回生制御により制御される回生トルクTmによるヨーレート制御への影響を好適に抑えることができるので、前記ヨーレート制御において実際のヨーレートRyawの目標ヨーレートRyaw*への追従性が悪化するのを抑制することができる。

0087

また、本実施例の四輪駆動車両10によれば、前記回生制御による回生トルクTmを前記ヨーレート制御が実行されていない場合に対して制限することに伴う四輪駆動車両10の制動力の不足を補うように、各輪に設けられた第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力を制御するので、第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力によって四輪駆動車両10の制動力の不足を抑制しつつ、実際のヨーレートRyawの目標ヨーレートRyaw*への追従性が悪化するのを抑制することができる。

0088

また、本実施例の四輪駆動車両10によれば、前記ヨーレート制御が実行されているときに前記回生制御が実行される場合において、要求回生トルクTmdemが増加する場合には、回生トルクTmの変更が制限されるので、前記回生制御による前記ヨーレート制御への影響が抑制される。

0089

また、本実施例の四輪駆動車両10によれば、前記ヨーレート制御が実行されているときに前記回生制御が実行される場合において、要求回生トルクTmdemが減少する場合には、前記回生制御が許可されるので、前記ヨーレート制御と前記回生制御とを好適に両立することができる。

0090

また、本実施例の四輪駆動車両10によれば、前記ヨーレート制御が終了すると、回生トルクTmが要求回生トルクTmdemに一致するまで回生トルクTmを予め設定された一定の変化量HRで変化させる終了時制御が実行されるので、前記ヨーレートが終了した後の単位時間当たりに変化する回生トルクTmの変化を好適に抑制することができる。

0091

また、本実施例の四輪駆動車両10によれば、前記ヨーレート制御では、実際のヨーレートRyawが目標ヨーレートRyaw*に追従するように第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力およびトランスファ22の後輪側配分率Xrを制御するので、実際のヨーレートRyawを目標ヨーレートRyaw*に好適に追従させることができる。

0092

次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。

0093

図9は、本発明の他の実施例(実施例2)の四輪駆動車両を説明する図、すなわちその四輪駆動車両に備えられたトランスファ(駆動力配分装置)202を説明する図である。本実施例の四輪駆動車両は、トランスファ202の構造が実施例1の四輪駆動車両10に備えられたトランスファ22に比べて異なる点で相違しており、その他は実施例1の四輪駆動車両10と略同じである。すなわち、トランスファ202は、実施例1のトランスファ22に比べて、ハイロー切替機構72、デフロック機構82、第2伝達機構112b、および第3伝達機構112cを備えておらず、入力軸66と後輪側出力軸68とが一体的に連結されている。

0094

図9に示すように構成されたトランスファ202では、走行中の駆動力源からの駆動力を主駆動輪である後輪16および副駆動輪である前輪14に伝達可能であって、且つ、前輪駆動用クラッチ74のトルク容量を調節することで後輪16および前輪14にそれぞれ伝達する駆動力の駆動力配分比すなわち後輪側配分率Xrを調節することができる。例えば、ピストン106が摩擦係合要素104を押圧しない場合には、前輪駆動用クラッチ74のトルク容量がゼロになる。このとき、前輪駆動用クラッチ74が解放され、前記駆動力配分比が0(前輪):100(後輪)にすなわち後輪側配分率Xrが1.0になる。一方、ピストン106が摩擦係合要素104を押圧する場合には、前輪駆動用クラッチ74のトルク容量がゼロよりも大きくなり、前輪駆動用クラッチ74のトルク容量が増加するほど後輪側配分率Xrが低下する。そして、前輪駆動用クラッチ74が完全係合されるトルク容量になると、前記駆動力配分比が50(前輪):50(後輪)にすなわち後輪側配分率Xrが0.5になる。このように、トランスファ202は、前輪駆動用クラッチ74のトルク容量が調整されることによって、前記駆動力配分比を0(前輪):100(後輪)〜50(前輪):50(後輪)の間で調整すなわち後輪側配分率Xrを1.0〜0.5の間で調整できる。

0095

以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。

0096

例えば、前述の実施例1では、制限部190aにおいて、第1条件CD1と第2条件CD2とがそれぞれ成立すると、回生制御部190で求められた要求回生トルクTmdemが増加する場合には、回生トルクTmが変化しないように回生トルクTmの変更を制限していたが、例えば、第1条件CD1と第2条件CD2とがそれぞれ成立すると、回生制御部190で実行されている回生制御を禁止しても良い。すなわち、図8のタイムチャートにおいて、ヨーレート制御が開始(t1時点)されるとヨーレート制御が終了(t2時点)するまで、実線LJで示す回生トルクTmをゼロにしても良い。また、ヨーレート制御が開始(t1時点)されると回生トルクTmが予め設定された一定の変化量で回生トルクTmがゼロになるまで減少させて回生トルクTmをヨーレート制御が終了(t2時点)するまでゼロにしても良い。このように制限部190aを変更することによって、四輪駆動車両10では、ヨーレート制御が実行されているときに回生制御が実行される場合には、前記回生制御を禁止することから、前記回生制御により制御される回生トルクTmによるヨーレート制御への影響を好適に抑えることができるので、前記ヨーレート制御において実際のヨーレートRyawの目標ヨーレートRyaw*への追従性が悪化するのを抑制することができる。さらに、ブレーキ制御部188では、制限部190aで前記回生制御を禁止すると、前記回生制御を禁止することに伴う四輪駆動車両10の制動力の不足を補うように、第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力を制御するので、第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力によって四輪駆動車両10の制動力の不足を抑制しつつ、実際のヨーレートRyawの目標ヨーレートRyaw*への追従性が悪化するのを抑制することができる。なお、前記ヨーレート制御中に前記回生制御が禁止されると、ヨーレート制御部186では、第1ホイールブレーキ132、第2ホイールブレーキ134、第3ホイールブレーキ136、および第4ホイールブレーキ138の制動力を制御することによって実際のヨーレートRyawを目標ヨーレートRyaw*に追従させられる。

0097

また、前述の実施例1では、四輪駆動車両10は、エンジン12、第2回転機MG2および第1回転機MG1を駆動力源とするハイブリッド形式の車両であったが、本発明は、必ずしもハイブリッド形式の車両に限定されない。例えば、回転機のみを駆動力源とする電気自動車であっても、本発明を適用することができる。

0098

また、前述の実施例1では、四輪駆動車両10は、前置エンジン後輪駆動(FR)をベースとするものであったが、本発明は、必ずしもこれに限定されない。例えば、前置エンジン前輪駆動FF)をベースとする四輪駆動車両であっても構わない。なお、前置エンジン前輪駆動をベースとする四輪駆動車両の場合には、前輪が主駆動輪となり、後輪が副駆動輪となる。また、四輪駆動車両10は、走行状態に応じて二輪駆動および四輪駆動が切り替えられるパートタイム式の四輪駆動車両であったが、本発明は、必ずしもパートタイム式の四輪駆動車両に限定されず、フルタイム式の四輪駆動車両であっても構わない。例えば、差動制限クラッチを有する中央差動歯車装置センターデフ)を備えたフルタイム式の四輪駆動車両であっても構わない。

0099

また、前述の実施例1では、トランスファ22に備えられた前輪駆動用クラッチ74のピストン106は、電動モータ108が回転すると、回転運動を直線運動に変換するねじ機構110を介してピストン106が摩擦係合要素104を押圧するように構成されていたが、本発明は、必ずしもこの構成に限定されない。例えば、電動モータ108が回転すると、ボールカムを介してピストン106が摩擦係合要素104を押圧するように構成されるものであっても良い。また、ピストン106が油圧アクチュエータによって駆動させられるものであっても構わない。

実施例

0100

なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。

0101

10:四輪駆動車両
12:エンジン(駆動力源)
14:前輪(副駆動輪)
16:後輪(主駆動輪)
22、202:トランスファ(駆動力配分装置)
132:第1ホイールブレーキ(ホイールブレーキ)
134:第2ホイールブレーキ(ホイールブレーキ)
136:第3ホイールブレーキ(ホイールブレーキ)
138:第4ホイールブレーキ(ホイールブレーキ)
186:ヨーレート制御部
186a:開始条件成立判定部
186b:終了条件成立判定部
188:ブレーキ制御部
190:回生制御部
190a:制限部
190b:終了時制御部
200:電子制御装置(制御装置)
Bra:ブレーキ操作量
HR:変化量
MG1:第1回転機(駆動力源)
MG2:第2回転機(駆動力源、回転機)
Ryaw:ヨーレート
Ryaw*:目標ヨーレート
Tm:回生トルク
Tmdem:要求回生トルク

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