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課題

コロナウイルス、特にSARSコロナウイルスSARS-CoV)およびSARS-CoV-2の感染により引き起こされる関連疾患の治療に用いることができる、コロナウイルスに対して抗ウイルス活性を有する薬を提供する。

解決手段

コロナウイルス感染を治療するための、式Iにより表されるファビピラビル化合物、その幾何異性体薬学的に許容される塩、溶媒和物および/または水和物、並びに該化合物を含む医薬組成物

概要

背景

本出願は2020年1月21日出願の中国特許出願第202010070142.0号に基づき、それからの優先権の利益を主張する。その出願の開示は全内容が参照により本明細書中に援用される。

化学名6−フルオロ−3−ヒドロキシピラジン−2−カルボキサミドを有するヌクレオシド類似体薬であるファビピラビル(式Iにより表される化合物、T-705)は、ウイルスRNAポリメラーゼ阻害剤である。この薬物は日本において抗インフルエンザ薬として承認されている広域スペクトル抗ウイルス薬である。

ファビピラビルは、フィロウイルス科(Filoviridae)、ブニヤウイルス科(Bunyaviridae)、アレナウイルス科(Arenaviridae)、トガウイルス科(Togaviridae)のような伝染性RNAウイルスファミリーメンバー、並びにオルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)のような別のウイルスファミリーのメンバーに対して、in vitroおよびin vivoで優れた阻害効果を有するが、コロナウイルスに対する活性報告されていない。細胞に取り込まれた後、ファビピラビルは三リン酸化された活性型に変換され、RNAの転写と複製の間にRNA鎖中に取り込まれ、ウイルスRNA鎖の伸長を特異的に阻止し、それにより抗ウイルス効果を果たす。

ファビピラビルは、ウイルス感染した後のVero E6細胞系の上清においてウイルス力価を効果的に阻害することができ、EBOV-Zaire型(エボラウイルスのザイール株)に対して67μモル/Lの50%阻害濃度(IC50)を有すると報告された。I型インターフェロン受容体欠損IFNAR-/-C57BL/6マウスモデルを使ったin vivo薬物動態試験の結果は、6日目〜13日目まで300 mg/kg/日の用量を投与した、プラセボ群の100%致死チャレンジ量では、ファビピラビルは100%の保護率を示し、そして同時に、体重、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、グルタミン酸−シュウ酸トランスアミナーゼ、およびウイルス血などのパラメータも有意に改善されることを示した。英国防衛科学研究所(BDSL)の関連のある研究結果は、ファビピラビルが1.95 g/Lの高濃度でもVero C1008細胞に対して細胞毒性でないこと、そしてEBOV-Zaire型の細胞変性効果CPE)を62.5 mg/L以上の薬物濃度で完全には阻害できないことを示した。I型とII型インターフェロン欠損症を有するA129マウスモデルをプラセボ群の100%致死の処方量でチャレンジし、チャレンジの1時間後、300 mg/kg/日(1日2回、150 mg/kg/回)の用量のファビピラビルを連続14日間に渡り胃内に投与した場合、マウスの100%を死から保護することができ、投与群でのマウスの体重が有意に改善された。

2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)は、今までヒトに見いだされたことのない新型のコロナウイルス株である。2020年2月11日に、国際ウイルス分類委員会ICTV)は、2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)の正式名称重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)であると発表した。同日、世界保健機構(WHO)は、このウイルスにより引き起こされる疾患の正式名称をCOVIDとすると発表した。SARS-CoV-2ウイルス感染の症状は、主に肺炎であるが、病気重篤度に従って単純感染、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸窮迫症候群敗血症敗血症性ショックなどに分類される。単純感染患者は、熱、咽頭痛づまり、疲労、頭痛筋肉痛または不快感のような非敗血症症状を呈し、高齢者免疫抑制患者非定型の症状を有することがある。軽度の肺炎患者は主に咳、呼吸困難多呼吸を呈する。重度の肺炎は青少年、成人または子供に見受けられ、その主症状には、呼吸頻度の増加、重篤な呼吸不全または呼吸困難、中心性チアノーゼ眠気、意識不明またはけいれん、息切れ等がある。急性呼吸窮迫症候群の画像は、浸出肺葉滲出または無気肺により完全には説明できない両側性すりガラス陰影であるか、または肺腫瘤像であり、その主症状は肺水腫である。敗血症患者はしばしば致死性の多臓器機能不全を有し、大部分の重症患者は敗血症性ショック症状を呈し、死亡確率が高い。

現在のところ、新型コロナウイルス感染は主に病院では支持療法治療されており、特異的な抗ウイルス薬は入手できない。

概要

コロナウイルス、特にSARSコロナウイルス(SARS-CoV)およびSARS-CoV-2の感染により引き起こされる関連疾患の治療に用いることができる、コロナウイルスに対して抗ウイルス活性を有する薬を提供する。コロナウイルス感染を治療するための、式Iにより表されるファビピラビル化合物、その幾何異性体薬学的に許容される塩、溶媒和物および/または水和物、並びに該化合物を含む医薬組成物

目的

本願発明概念
本願発明の目的は、コロナウイルス、特にSARSコロナウイルス(SARS-CoV)およびSARS-CoV-2の感染により引き起こされる関連疾患の治療に用いることができる、コロナウイルスに対して抗ウイルス活性を有する薬を発見することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

コロナウイルスにより引き起こされる疾患または感染を治療するために用いられる、式I:により表される化合物、その幾何異性体薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物。

請求項2

コロナウイルス阻害剤として用いられる、式I:により表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物。

請求項3

細胞(例えば哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製または繁殖阻害するために用いられる、式I: により表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物。

請求項4

コロナウイルスにより引き起こされる疾患または感染を治療するために用いられる医薬組成物であって、該医薬組成物は、式I: により表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含み;好ましくは、該医薬組成物が薬学的に許容される塩担体または賦形剤を更に含み;具体的には、該医薬組成物が固形製剤注射剤外用剤スプレー剤液体製剤、または複合製剤である、医薬組成物。

請求項5

コロナウイルス阻害剤として用いられる医薬組成物であって、該医薬組成物は、式I:により表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含み;好ましくは、該医薬組成物が薬学的に許容される塩担体または賦形剤を更に含み;具体的には、該医薬組成物が固形製剤、注射剤、外用剤、スプレー剤、液体製剤、または複合製剤である、医薬組成物。

請求項6

細胞(例えば哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製または繁殖を阻害するために用いられる医薬組成物であり、該医薬組成物は、式I: により表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含み;好ましくは、該医薬組成物が薬学的に許容される塩担体または賦形剤を更に含み;具体的には、該医薬組成物が固形製剤、注射剤、外用剤、スプレー剤、液体製剤、または複合製剤である、医薬組成物。

請求項7

前記コロナウイルスがSARSコロナウイルスSARS−CoV)またはSARS-CoV-2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物、請求項4〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項8

前記コロナウイルスがSARS-CoV-2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物、請求項4〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項9

前記コロナウイルスにより引き起こされる疾患が、SARS-CoV-2により引き起こされる疾患、すなわちCOVID-19である、請求項1に記載の化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物、請求項4に記載の医薬組成物。

請求項10

前記コロナウイルスにより引き起こされる疾患が、SARSコロナウイルス(SARS-CoV)により引き起こされる非定型肺炎である、請求項1に記載の化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物、請求項4に記載の医薬組成物。

請求項11

前記コロナウイルスにより引き起こされる疾患が、呼吸器疾患である、請求項1に記載の化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物、請求項4に記載の医薬組成物。

請求項12

前記コロナウイルスにより引き起こされる疾患が、単純感染、肺炎急性呼吸器感染症重症急性呼吸器症候群(SARI)、低酸素性呼吸不全急性呼吸窮迫症候群敗血症敗血症性ショック、または重症急性呼吸器症候群(SARS)などである、請求項11に記載の化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物、または医薬組成物。

請求項13

前記単純感染が熱、および/または咽頭痛である、請求項12に記載の化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物、または医薬組成物。

請求項14

前記哺乳動物が、ウシ亜科ウマ科ヤギ科、イノシシ科、イヌ科ネコ科げっ歯類霊長類、例えばヒト、ネコイヌまたはブタである、請求項3に記載の化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物、または請求項6に記載の医薬組成物。

技術分野

0001

本出願は、コロナウイルス、特にSARSコロナウイルスSARS-CoV)およびSARS-CoV-2により引き起こされる感染を治療する目的での、下記式Iにより表されるファビピラビル、その幾何異性体薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物、並びに前記化合物を含む医薬組成物の使用に関する。

0002

背景技術

0003

本出願は2020年1月21日出願の中国特許出願第202010070142.0号に基づき、それからの優先権の利益を主張する。その出願の開示は全内容が参照により本明細書中に援用される。

0004

化学名6−フルオロ−3−ヒドロキシピラジン−2−カルボキサミドを有するヌクレオシド類似体薬であるファビピラビル(式Iにより表される化合物、T-705)は、ウイルスRNAポリメラーゼ阻害剤である。この薬物は日本において抗インフルエンザ薬として承認されている広域スペクトル抗ウイルス薬である。

0005

ファビピラビルは、フィロウイルス科(Filoviridae)、ブニヤウイルス科(Bunyaviridae)、アレナウイルス科(Arenaviridae)、トガウイルス科(Togaviridae)のような伝染性RNAウイルスファミリーメンバー、並びにオルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)のような別のウイルスファミリーのメンバーに対して、in vitroおよびin vivoで優れた阻害効果を有するが、コロナウイルスに対する活性報告されていない。細胞に取り込まれた後、ファビピラビルは三リン酸化された活性型に変換され、RNAの転写と複製の間にRNA鎖中に取り込まれ、ウイルスRNA鎖の伸長を特異的に阻止し、それにより抗ウイルス効果を果たす。

0006

ファビピラビルは、ウイルス感染した後のVero E6細胞系の上清においてウイルス力価を効果的に阻害することができ、EBOV-Zaire型(エボラウイルスのザイール株)に対して67μモル/Lの50%阻害濃度(IC50)を有すると報告された。I型インターフェロン受容体欠損IFNAR-/-C57BL/6マウスモデルを使ったin vivo薬物動態試験の結果は、6日目〜13日目まで300 mg/kg/日の用量を投与した、プラセボ群の100%致死チャレンジ量では、ファビピラビルは100%の保護率を示し、そして同時に、体重、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、グルタミン酸−シュウ酸トランスアミナーゼ、およびウイルス血などのパラメータも有意に改善されることを示した。英国防衛科学研究所(BDSL)の関連のある研究結果は、ファビピラビルが1.95 g/Lの高濃度でもVero C1008細胞に対して細胞毒性でないこと、そしてEBOV-Zaire型の細胞変性効果CPE)を62.5 mg/L以上の薬物濃度で完全には阻害できないことを示した。I型とII型インターフェロン欠損症を有するA129マウスモデルをプラセボ群の100%致死の処方量でチャレンジし、チャレンジの1時間後、300 mg/kg/日(1日2回、150 mg/kg/回)の用量のファビピラビルを連続14日間に渡り胃内に投与した場合、マウスの100%を死から保護することができ、投与群でのマウスの体重が有意に改善された。

0007

2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)は、今までヒトに見いだされたことのない新型のコロナウイルス株である。2020年2月11日に、国際ウイルス分類委員会ICTV)は、2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)の正式名称重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)であると発表した。同日、世界保健機構(WHO)は、このウイルスにより引き起こされる疾患の正式名称をCOVIDとすると発表した。SARS-CoV-2ウイルス感染の症状は、主に肺炎であるが、病気重篤度に従って単純感染、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸窮迫症候群敗血症敗血症性ショックなどに分類される。単純感染患者は、熱、咽頭痛づまり、疲労、頭痛筋肉痛または不快感のような非敗血症症状を呈し、高齢者免疫抑制患者非定型の症状を有することがある。軽度の肺炎患者は主に咳、呼吸困難多呼吸を呈する。重度の肺炎は青少年、成人または子供に見受けられ、その主症状には、呼吸頻度の増加、重篤な呼吸不全または呼吸困難、中心性チアノーゼ眠気、意識不明またはけいれん、息切れ等がある。急性呼吸窮迫症候群の画像は、浸出肺葉滲出または無気肺により完全には説明できない両側性すりガラス陰影であるか、または肺腫瘤像であり、その主症状は肺水腫である。敗血症患者はしばしば致死性の多臓器機能不全を有し、大部分の重症患者は敗血症性ショック症状を呈し、死亡確率が高い。

0008

現在のところ、新型コロナウイルス感染は主に病院では支持療法で治療されており、特異的な抗ウイルス薬は入手できない。

0009

本願発明概念
本願発明の目的は、コロナウイルス、特にSARSコロナウイルス(SARS-CoV)およびSARS-CoV-2の感染により引き起こされる関連疾患の治療に用いることができる、コロナウイルスに対して抗ウイルス活性を有する薬を発見することである。そのような関連疾患は、単純感染(例えば熱、咳および咽頭痛)、肺炎、急性または重症急性呼吸器感染症低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症および敗血症性ショックである。創造的研究を通して、式Iにより表されるファビピラビル(Favipiravir)がSARSコロナウイルス(SARS-CoV)およびSARS-CoV-2の複製を阻害する機能を有し、かつSARSコロナウイルス(SARS-CoV)またはSARS-CoV-2により引き起こされる疾患の治療において潜在的に優れた治療効果を奏することが、本発明によって見いだされた。

0010

本願発明は、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物に関する:

0011

0012

幾つかの実施形態では、本明細書に記載の式Iにより表される化合物の薬学的に許容される塩塩には、無機または有機酸塩と、無機または有機塩基塩が含まれる。本願発明は、上記塩類の全ての形態に関し、その例としては限定されないが、ナトリウム塩カリウム塩カルシウム塩リチウム塩メグルミン塩塩酸塩臭化水素塩、ヨウ化水素塩、硝酸塩硫酸塩、硫化水素塩リン酸塩リン酸水素塩酢酸塩プロピオン酸塩酪酸塩シュウ酸塩ピバル酸塩アジピン酸塩アルギン酸塩乳酸塩クエン酸塩酒石酸塩コハク酸塩マレイン酸塩フマル酸塩ピクリン酸塩アスパラギン酸塩グルコン酸塩安息香酸塩メタンスルホン酸塩エタンスルホン酸塩ベンゼンスルホン酸塩p-トルエンスルホン酸塩、エンボン酸塩などが挙げられる。

0013

式Iにより表される化合物は、細胞中でのコロナウイルスの複製を阻害することができ、かつ細胞培養物中のコロナウイルスの核酸負荷量(load)を減少させることができる。

0014

創造的発明研究の後、本願の発明者らは、式Iにより表される化合物の細胞中での新規特徴を発見した:
第一に、式Iにより表される化合物が、SARS-CoV-2により感染した細胞におけるウイルス核酸負荷量をマイクロモル濃度レベルで減少させることができること;
第二に、式Iにより表される化合物が、SARSコロナウイルス(SARS-CoV)により感染したマウスに対して有意な保護効果を有すること。

0015

本願発明は、コロナウイルス、特にSARSコロナウイルス(SARS-CoV)および/またはSARS−CoV-2により引き起こされる疾患または感染〔例えば限定されないが、呼吸器疾患、例えば単純感染(例えば熱、咳および咽頭痛)、肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器症候群(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症および敗血症ショック、重症急性呼吸器症候群(SARS)など〕を治療するための医薬の製造における、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物の使用にも関する。

0016

0017

本願発明は、コロナウイルス阻害剤としての医薬の製造における、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物の使用にも関する。

0018

本願発明は、細胞(例えば哺乳類細胞)中でのコロナウイルスの複製または繁殖を阻害するための医薬の製造における、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物の使用にも関する。

0019

本願発明は、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含む医薬組成物にも関する。

0020

好ましくは、医薬組成物は、薬学的に許容される塩担体キャリア)または賦形剤を更に含む。具体的には、医薬組成物は固形製剤注射剤外用剤スプレー剤液体製剤、または複合製剤である。

0021

幾つかの実施形態では、医薬組成物は、有効量の式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含む。

0022

本願発明は、呼吸器疾患、例えば限定されないが、単純感染(例えば熱、咳および咽頭痛)、肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症および敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群(SARS)等を含む呼吸器疾患を治療するための医薬の製造における、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含む医薬組成物の使用にも関する。

0023

本願発明は、処置を必要とする哺乳類における疾患の治療および/または予防方法、または処置を必要とする哺乳類におけるコロナウイルスの複製または繁殖を阻害する方法にも関し、その方法は、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含む医薬組成物の、または式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物の、治療および/または予防有効量を前記処置を必要とする哺乳類に投与することを含み、ここで前記疾患には、コロナウイルスにより引き起こされる疾患が含まれる。

0024

幾つかの実施形態では、コロナウイルス、特にSARSコロナウイルス(SARS-CoV)およびSARS-CoV-2により引き起こされる疾患としては、限定されないが、呼吸器疾患〔例えば単純感染(例えば熱、咳および咽頭痛等)、肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群(SARS)等〕が挙げられる。

0025

本願発明は、コロナウイルス、特にSARSコロナウイルス(SARS-CoV)およびSARS-CoV-2により引き起こされる疾患または感染〔例えば呼吸器疾患(例えば熱、咳および咽頭痛等のような単純感染)、肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群(SARS)等を含む〕を治療するための医薬の製造における、医薬組成物の使用にも関し、ここで該医薬組成物は式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含み、

0026

好ましくは、該医薬組成物は薬学的に許容される塩担体または賦形剤を更に含む。具体的には、医薬組成物は固形製剤、注射剤、外用剤、スプレー剤、液体製剤または複合製剤である。

0027

本願発明は、コロナウイルス阻害剤としての医薬の製造における医薬組成物の使用にも関し、ここで医薬組成物は、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含み、

0028

好ましくは、該医薬組成物は薬学的に許容される塩担体または賦形剤を更に含む。具体的には、医薬組成物は固形製剤、注射剤、外用剤、スプレー剤、液体製剤または複合製剤である。

0029

本願発明は、細胞(例えば哺乳類細胞)におけるコロナウイルスの複製または繁殖を阻害するための医薬の製造における医薬組成物の使用にも関し、ここで医薬組成物は、式Iにより表される化合物、その薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含み、

0030

好ましくは、該医薬組成物は、薬学的に許容される塩担体または賦形剤を更に含む。具体的には、医薬組成物は固形製剤、注射剤、外用剤、スプレー剤、液体製剤または複合製剤である。

0031

本願発明は、コロナウイルス、特にSARSコロナウイルス(SARS-CoV)およびSARS-CoV-2により引き起こされる疾患または感染、例えば限定されないが、呼吸器疾患〔例えば単純感染(例えば熱、咳および咽頭痛等)、肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群(SARS)等を含む〕を治療するのに用いられる、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含む医薬組成物にも関する。

0032

本願発明は、コロナウイルス阻害剤として用いられる、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含む医薬組成物にも関する。

0033

本願発明は、細胞(例えば哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製または繁殖を阻害するために用いられる、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含む医薬組成物にも関する。

0034

本願発明は、コロナウイルス、特にSARSコロナウイルス(SARS-CoV)およびSARS-CoV-2により引き起こされる疾患または感染、例えば呼吸器系疾患〔例えば単純感染(例えば熱、咳および咽頭痛等)、肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫候群、敗血症、敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群(SARS)等を含む〕を治療するのに用いられる医薬組成物にも関し、ここで該医薬組成物は、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含み、

0035

好ましくは、該医薬組成物は薬学的に許容される塩担体または賦形剤を更に含む。具体的には、医薬組成物は固形製剤、注射剤、外用剤、スプレー剤、液体製剤、または複合製剤である。

0036

本願発明は、コロナウイルス阻害剤として用いられる医薬組成物にも関し、ここで該医薬組成物は、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含み、

0037

好ましくは、該医薬組成物は薬学的に許容される塩担体または賦形剤を更に含む。具体的には、該医薬組成物は固形製剤、注射剤、外用剤、スプレー剤、液体製剤、または複合製剤である。

0038

本願発明は、細胞(例えば哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製または繁殖を阻害するために用いられる医薬組成物にも関し、ここで該医薬組成物は、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物を含み、

0039

好ましくは、該医薬組成物は薬学的に許容される塩担体または賦形剤を更に含む。具体的には、該医薬組成物は固形製剤、注射剤、外用剤、スプレー剤、液体製剤、または複合製剤である。

0040

幾つかの実施形態では、本願におけるコロナウイルスはSARSコロナウイルス(SARS-CoV)またはSARS−CoV-2である。

0041

幾つかの実施形態では、本願におけるコロナウイルスはSARS-CoV-2である。

0042

幾つかの実施形態では、本願におけるコロナウイルスにより引き起こされる疾患は、SARS-CoV-2により引き起こされる疾患、すなわちCOVID-19である。

0043

幾つかの実施形態では、本願におけるコロナウイルスにより引き起こされる疾患は、SARSコロナウイルス(SARS-CoV)により引き起こされる非定型肺炎である。

0044

幾つかの実施形態では、本願における哺乳動物には、ウシ亜科ウマ科ヤギ科、イノシシ科、イヌ科ネコ科げっ歯類霊長類、例えばヒト、ネコイヌまたはブタである。

0045

本願において、「2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)」という用語の正式名称は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)である。

0046

幾つかの実施形態において、「2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)により引き起こされる疾患」という用語の正式名称はCOVID-19である。

0047

本願において、「治療有効量」または「予防有効量」という用語は、患者の疾患を治療または予防するのに十分であるが、適正な医学判断の中で重篤な副作用を避けるのに十分に低い量(適正なベネフィットリスク比)を指す。化合物の治療有効量は、選択される特定化合物(例えば化合物の効能、有効性および半減期を考慮して選択される)、選択される投与経路、処置される疾患、処置される疾患の重篤度、患者の年齢、サイズ、体重および健康状態薬歴、治療期間、現行療法の性質、所望の治療効果等のような様々な要因に従って変化するだろうが、それは当業者により日常的に決定することが可能である。

0048

その上、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物の特定の用量および使用方法は、異なる患者ごとに、多数の要因、例えば患者の年齢、体重、性別、自然の健康状態、栄養状態、薬物の活性強度、投与時間、代謝速度、疾患の重篤度、および医師主観的判断に依存する。ここでは、0.001〜1000 mg/kg体重/日の用量を使用することが好ましい。

0049

本願明細書に記載の医薬組成物は、種々の投与経路に従って様々な剤形に調製することができる。

0050

本願によれば、医薬組成物は、次の経路のいずれか1つ:経口投与噴霧吸入直腸投与経鼻投与口腔投与、内投与、局所投与非経口投与、例えば皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、クモ膜下、脳室内胸骨内および頭蓋内注射または注入、あるいは外植片リザーバーを用いる投与により投与することができ、ここで好ましい投与経路は経口、腹腔内または静脈内投与である。

0051

経口投与する場合、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物は、経口投与可能な任意の剤形、例えば限定されないが、錠剤カプセル剤水性液剤または水性懸濁液剤の形に調製することができる。錠剤に用いられる担体(キャリア)は、一般に、ラクトースおよびコーンスターチを含み、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤を添加することもできる。カプセル剤に用いられる希釈剤には通常ラクトースと乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液剤は通常、有効成分を適当な乳化剤および適当な懸濁化剤と混合することにより使用される。必要であれば、前記経口製剤甘味剤風味剤または着色剤を添加することもできる。

0052

直腸投与する場合、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物は、薬物を適当な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製される坐剤の形に製剤化することができる。賦形剤は室温では固体状態であるが、直腸温度融解して薬物を放出する。そのような賦形剤としてはカカオバター蜜蝋およびポリエチレングリコールが挙げられる。

0053

局所投与する場合、特に容易に接近できる罹患表面または臓器、例えば眼、皮膚または下部腸管神経学的疾患の治療のために局所投与される場合、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物は、異なる罹患表面または臓器に従って様々な局所製剤形に調製することができる。具体的な教示は次の通りである:

0054

眼に局所投与する場合、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物は、微粉化懸濁液または溶液のような剤形に製剤化することができ、その場合に用いられる担体は、一定のpHを有する等張無菌食塩水であり、そして塩化ベンジルアルコキシドのような保存剤を添加してもしなくてもよい。加えて、眼に投与する場合、化合物はワセリン軟膏のような軟膏の形に調剤することもできる。

0055

皮膚に局所投与する場合、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物は、軟膏、ローションまたはクリームのような適当な剤形に調剤することができ、その場合、有効成分は1つ以上の担体中に懸濁または溶解される。軟膏用の担体としては、限定されないが、次のものが挙げられる:鉱油軽油流動ワセリン、白色ワセリンプロピレングリコールポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシド乳化ろう、および水。ローションやクリーム用の担体としては、限定されないが、次のものが挙げられる:鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、Tween(登録商標)60、セチルエステルワックスヘキサデセニルアリールアルコール、2−オクチルドデカノールベンジルアルコールおよび水。

0056

下部腸管に局所投与する場合、式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物は、上述した直腸坐剤または適当な浣腸剤のような剤形に製剤することができ、加えて、局所経皮パッチを使用することもできる。

0057

式Iにより表される化合物、その幾何異性体、薬学的に許容される塩塩、溶媒和物および/または水和物は、無菌注射剤、例えば無菌注射用水溶液もしくは油性懸濁液、または無菌注射剤の剤形において投与することができ、ここで使用可能な担体と溶剤としては、水、リンゲル液、および等張食塩水が挙げられる。さらに、モノグリセリドまたはジグリセリドのような無菌不揮発性油も溶剤または懸濁媒として使用することができる。

0058

上記様々な剤形の薬物は、製剤分野における常法に従って製造することができる。

図面の簡単な説明

0059

図1は、ファビピラビルが、SARS-CoV-2に感染したVero E6細胞におけるウイルス核酸負荷量を効果的に減少させることができることを示す。図1中、(a)は、ファビピラビルが、細胞をSARS-CoV-2により感染させてから48時間後の細胞においてウイルスRNA負荷量を減少させることができ、その阻害活性用量依存性であることを示す。(a)中、縦座標サンプル中のウイルスRNAのコピー数であり、そして横座標は薬物濃度である。(b)は、細胞を試験濃度のファビピラビルにより処置してから48時間後にファビピラビルが全く検出可能な細胞毒性を持たないことを示す。(b)中、縦座標はビヒクル対照群(細胞のみ、薬物なし)に対する細胞生存率(%)であり、横座標は薬物濃度である。
図2は、ファビピラビルが、SARSコロナウイルスに感染したマウスを死から効果的に保護できることを示す。マウスにファビピラビルをチャレンジ後4時間目に1日1回腹腔内注射し、そしてビヒクル対照群には同容量の溶媒を注射した。ビヒクル対照群の全てのマウスが死亡したのに対し、ファビピラビル処置群のマウスは生き残り、その生存率が用量依存性であることがわかる。

実施例

0060

次の実施例は、本願の例示的な好ましい実施形態であり、本願のいかなる限定も構成するものではない。

0061

実施例1:SARS-CoV-2ウイルスにより感染した細胞のウイルス核酸負荷量の低減におけるファビピラビルの試験
(1)ウイルス感染細胞の薬物処置

0062

Vero E6細胞(ATCCから購入カタログ番号1586)を24ウェルプレート上に播種し、24時間インキュベートし、次いでウイルス感染を行った。具体的には、SARS-CoV-2(2019-nCoV)ウイルス(Wuhan Institute of Virology, Chinese Academy of Sciencesより提供されたnCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019株)を2%細胞維持溶液〔処方:FBS(Gibco社より購入、カタログ番号16000044)をMEM(Gibco社より購入、製品番号10370021)に2%の容量比で添加し、それにより2%細胞維持溶液を得た〕で対応する濃度に希釈し、次いで各ウェルが100TCID50のウイルス負荷量を含むように24ウェルプレートに添加した。次に、ファビピラビル(Selleck Chemicals社より購入、カタログ番号S7975)を2%細胞維持溶液で対応する濃度に希釈し、それを対応するウェルに最終薬物濃度がそれぞれ100 μM、33 μM、11 μM、3.7 μM、1.23 μM、0.41 μM、0.14 μMになるように添加し、次いでプレートを37℃、5%CO2インベーター中に置き、48時間連続培養し、そしてビヒクル対照群の細胞には、試験薬を何も添加せずに2%細胞維持溶液のみを添加した。
(2) RNA抽出

0063

RNA抽出キットをQiagen社(カタログ番号74106)から購入した。下記のRNA抽出工程に必要とされる消耗品スピンカラムRNアーゼフリーの2 mLコレクションチューブなど)と試薬類(RLT、RW1、RPE、RNase-free water、など)は、全てキット部品であった。次の抽出工程は全てキットの使用説明書により推奨される通りであった。

0064

1)試験プレートから100μLの上清を取り、ヌクレアーゼフリーEPチューブに添加し、次いでバッファーRLT350μLを添加し、ピペッティングピペット液体を上下に移動させて混合)によりそれを完全に溶解し、遠心分離して上清を取った。
2) ステップ1)で得られた上清に同容の70%エタノールを添加し、十分混合した。
3) ステップ2)で得られた混合溶液をRNアーゼフリーのスピンカラムに移し、12000 rpmで15秒間遠心分離し、廃液を捨てた。
4) 700μLのバッファーRW1をスピンカラムに加え、次いで12000 rpmで15秒間の遠心分離を行いスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
5) 500μLのバッファーRPEをスピンカラムに加え、次いで12000 rpmで15秒間の遠心分離を行いスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
6) 500μLのバッファーRPEをスピンカラムに加え、次いで12000 rpmで2分間の遠心分離を行いスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
7) スピンカラムを新しいRNアーゼフリーの2 mLのコレクションチューブに入れ、そして12000 rpmで1分間の遠心分離を行ってスピンカラムを乾燥させ、次いでスピンカラム全体をステップ8)の1.5 mLコレクションチューブに移した。
8) ステップ7)で乾燥したスピンカラムを新しい1.5 mLコレクションチューブに入れ、30μLのRNase-free water(RNアーゼ不含有の水)を添加し、12000 rpmで2分間遠心分離し、対応するRNAを含む得られた溶出液に、RNアーゼ阻害剤(NEBから購入、カタログ番号M0314L)を添加し、そしてナノドロップ(Nano Drop(商標);Thermo Scientific社より購入、Nano Drop One)で測定して各RNA濃度を決定した。

0065

(3) RNA逆転写
実験では、逆転写キット(TaKaRa Company社製のgDNA Eraserを含むPrimeScriptTM(商標)RT試薬キット、カタログ番号RR047Q)をRNA逆転写に使用した。次のステップに従って実施した。

0066

(i) gRNAの除去:各実験群よりRNAサンプル回収し、その1μgを取り、逆転写にかけた。まず、2μLの5×gDNA Eraserバッファーを各実験群のRNAサンプルに添加し、反応系にRNase-free water(RNアーゼ不含有の水)を補足して10μLにし、十分混合し、42℃の湯浴中で2分間インキュベートし、サンプル中に存在しうるgRNAを除去した。
(ii) 逆転写:(i)で得られたサンプルに適当な量の酵素プライマーミックスおよび反応バッファーを加え、RNase-free waterを補足して20μLの容量にし、37℃の湯浴中で15分間反応させ、次いで85℃の湯浴中に5秒間入れ、転写によってcDNAを得た。

0067

(4)リアルタイムPCR
蛍光定量PCRを用いて、元のウイルス溶液の1mLあたりのコピー数を求めた。

0068

反応系はTB Green(登録商標)Premix(TaKaRa製、カタログ番号RR820A)を使って混合し、増幅反応読取りは、StepOnePlus(商標)リアルタイムPCR装置ABIブランド)を用いて実施した。元のウイルス溶液1mL当たりに含まれるコピー数を算出した。ステップは次の通りであった:

0069

(i)標準品プラスミドpMT-RBD(このプラスミドはWuhan Institute of Virology, Chinese Academy of Sciencesにより提供された)を5×108コピー数/μL、5×107コピー数/μL、5×106コピー数/μL、5×105コピー数/μL、5×104コピー数/μL、5×103コピー数/μL、5×102コピー数/μLに希釈した。2μLの標準物質またはcDNA鋳型をqPCR反応用に採取した。

0070

(ii) 本実験に使用したプライマーの配列は次の通りであった(全て5′→3′方向):

0071

0072

(iii)反応手順は次の通りであった:
予備変性:95℃で5分;
サイクルパラメータ:95℃で15秒、54℃で15秒、72℃で30秒を合計40サイクル

0073

(5)試験薬の細胞毒性試験
薬物の細胞毒性の検出は、CCK-8キット(Beoytime社)を使って実施した。特定のステップは次の通りであった:
(i) 1×104個のVero E6(ATCC)細胞を96ウェルプレート中に播種し、37℃で8時間インキュベートした。

0074

(ii) 薬物を適当な濃度の母液になるようにDMSOで希釈し、次いで2%FBS(Gibco社より購入、カタログ番号16000044)を含むMEM培地(Gibco社より購入、カタログ番号10370021)により、薬物処置の場合と同じ濃度に希釈した。96ウェルプレート中の元の培地を捨て、100μLの薬物含有MEM培地を細胞に加え、そして各濃度について3通りの複製ウェルを作製した。ビヒクル対照(薬物を添加せずにDMSOと培地を細胞ウェルに添加したもの)およびブランク対照(細胞を添加せずにDMSOと培地をウェルに添加したもの)を準備した。薬物を添加した後、ウェルを37℃で48時間培養した。

0075

(iii) 20μLのCCK-8溶液(Beoytime社製)を試験すべきウェルに添加し、気泡が生じないように穏やかに混合し、37℃で2時間連続インキュベートした。OD450をマイクロプレートリーダー(Molecular Device社製、モデル:SupectraMax(商標)M5)上で読み取り、そして細胞の生存率を計算した:

0076

0077

ここで、Aはマイクロプレートリーダーの読みである。

0078

(6)実験結果
ウイルス繁殖阻害実験の結果は、100μM、33μM、11.1μMおよび3.7μMの濃度の試験化合物が、感染細胞上清においてSARS-CoV-2ウイルスゲノムの複製を効果的に阻害しうることを示した(表1および図1)。

0079

0080

細胞毒性試験結果は、試験化合物(ファビピラビル)の処置が全ての試験濃度で細胞生存率を変化させないこと、すなわち、試験化合物が全ての濃度で細胞に対する毒性効果を持たないことを示した(表2および図1)。

0081

0082

実施例2:SARSコロナウイルスに感染した細胞を死から保護することに関するファビピラビルの試験
(1)マウスのグループ分けとマーキング

0083

3〜4週齢で体重9〜13 gの129匹のマウス(Institute Pasteur of Shanghai, Chinese Academy of Sciencesより提供)を4つの群にランダム割り付けた。すなわち、ウイルス対照群高用量投与群、中用量投与群および低用量投与群、1群あたり10匹のマウス、個体識別用の耳標スタッド)によりマーキングした。
(2) 薬物の調製

0084

ファビピラビルを溶解するための溶媒として0.5%CMC-Naを使用した。まず最初に、薬物ファビピラビルを正確に計量し、適当量の0.5% CMC-Na溶液を加え、サンプルが均一な粒子懸濁液となるまで15分間、渦動攪拌下および超音波条件下で処理し、次いで0.5%CMC-Naで倍々(2×)希釈し、それぞれ200 mg/kg、100 mg/kgおよび50 mg/kgの投与量に従って希釈を行った。得られた薬物溶液を後の使用まで4℃で保存した。
(3)マウスへのチャレンジ、投薬およびデータ収集

0085

チャレンジは、腹腔内注射により実施した。すなわち、各マウスにSARSコロナウイルス(Academy of Military Medicineにより提供)を1×106PFUのチャレンジ量で腹腔内注射した。ここでウイルスは生理食塩水必要量に希釈した。腹腔内投与は、チャレンジの4時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、120時間後および144時間後に1回実施し、ここで投与量は高用量が200 mg/kg、中用量が100 mg/kg、そして低用量が50 mg/kgであり、ウイルス対照群には同容の0.5%CMC-Na溶媒を投与した。体重測定と記録は毎日固定した時点(定刻)に実施し、同時間にマウスの死亡を記録し、そして図2に示すように生存曲線を描いた。
(4)試験結果

0086

in vivo試験結果は、マウスの最終生存率が、投与量と用量効果依存性関係にあることを示し(表3と図2)、このことは、試験化合物による処置が、SARSコロナウイルス感染が原因の死からマウスを効果的に保護できることを示唆している。

0087

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