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技術 香味が改善された糖類低減果実飲料およびその製造方法

出願人 キリンホールディングス株式会社
発明者 須藤僚也西山千晶
出願日 2019年12月27日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2019-239789
公開日 2021年7月29日 (5ヶ月経過) 公開番号 2021-106548
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード マテリア 屈折計示度 パストライザー 百分比 クエン酸換算 糖質摂取 ペクチナーゼ活性 フラクトシルトランスフェラーゼ
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

香味が改善された新規な糖類低減果実飲料とその製造方法の提供。

解決手段

本発明によれば、飲料の酸度に対する糖類濃度比率(糖類濃度/酸度比率)がストレート果汁の糖類濃度/酸度比率に対して0.92以下である果実飲料であって、デンプンデンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を含んでなる果実飲料と、糖類低減果汁に前記糖質成分を添加することを含んでなる本発明の果実飲料の製造方法が提供される。

概要

背景

近年の健康志向の高まりに伴って飲食品摂取の際の糖質摂取量の低減が望まれており、糖質摂取量の削減は今後の社会課題ともいわれている。果実飲料は手軽に果実を摂取できるため、健康維持を目的として消費者に広く親しまれているが、これらの飲料には果実由来糖質が含まれていることから、糖質摂取量の低減の観点からはできる限り糖質含量を低減することが望ましいといえる。

果実飲料に関してはこれまでに、果汁膜処理することにより果汁から単糖二糖を除去し、低カロリー化する技術(特許文献1および2)や、果汁をフラクトシルトランスフェラーゼ酵素剤で処理し低カロリー化する技術(特許文献3)が提案されている。

概要

香味が改善された新規な糖類低減果実飲料とその製造方法の提供。本発明によれば、飲料の酸度に対する糖類濃度比率(糖類濃度/酸度比率)がストレート果汁の糖類濃度/酸度比率に対して0.92以下である果実飲料であって、デンプンデンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を含んでなる果実飲料と、糖類低減果汁に前記糖質成分を添加することを含んでなる本発明の果実飲料の製造方法が提供される。なし

目的

本発明は、香味が改善された新規な糖類低減果実飲料と、その製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

飲料の酸度に対する糖類濃度比率(糖類濃度/酸度比率)がストレート果汁の糖類濃度/酸度比率に対して0.92以下である果実飲料であって、デンプンデンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を含んでなる、果実飲料。

請求項2

糖類低減果汁を含有する果実飲料であって、デンプン、デンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を含んでなる、果実飲料。

請求項3

飲料の糖質成分の含有量が0.005〜0.10質量%である、請求項1または2に記載の果実飲料。

請求項4

果実が、オレンジグレーフルーツ、うんしゅうかんおよびパイアップルからなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料。

請求項5

飲料のオリゴ糖濃度が、Brix11°換算で0.10g/100mL以上である、請求項4に記載の果実飲料。

請求項6

果汁率が30%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料。

請求項7

容器詰め飲料である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲料。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項に記載の果実飲料の製造方法であって、糖類低減果汁に、デンプン、デンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を添加することを含んでなる製造方法。

請求項9

飲料の糖質成分の含有量を0.005〜0.10質量%に調整することを含んでなる、請求項8に記載の製造方法。

請求項10

原料果汁の糖類を低減する工程をさらに含んでなる、請求項8または9に記載の製造方法。

請求項11

糖類低減工程が、酵素処理膜濾過処理触媒処理および発酵処理からなる群から選択される1種または2種以上の処理により行われる、請求項10に記載の製造方法。

請求項12

果実が、オレンジ、グレープフルーツ、うんしゅうみかんおよびパインアップルからなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載の製造方法。

請求項13

糖類低減果汁を含有する果実飲料の香味改善方法であって、該飲料にデンプン、デンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を添加することを含んでなる方法。

請求項14

果実飲料が容器詰め飲料である、請求項13に記載の香味改善方法。

技術分野

0001

本発明は、香味が改善された糖類低減果実飲料およびその製造方法に関する。本発明はまた、糖類低減果実飲料の香味改善方法に関する。

背景技術

0002

近年の健康志向の高まりに伴って飲食品摂取の際の糖質摂取量の低減が望まれており、糖質摂取量の削減は今後の社会課題ともいわれている。果実飲料は手軽に果実を摂取できるため、健康維持を目的として消費者に広く親しまれているが、これらの飲料には果実由来糖質が含まれていることから、糖質摂取量の低減の観点からはできる限り糖質含量を低減することが望ましいといえる。

0003

果実飲料に関してはこれまでに、果汁膜処理することにより果汁から単糖二糖を除去し、低カロリー化する技術(特許文献1および2)や、果汁をフラクトシルトランスフェラーゼ酵素剤で処理し低カロリー化する技術(特許文献3)が提案されている。

先行技術

0004

特表2010−520743号公報
国際公開第2006/004106号
国際公開第2016/092768号

0005

本発明者らは今般、糖類が低減された果汁(以下、「糖類低減果汁」ということがある)のように酸度に対する糖類濃度比率崩れた果汁は、一般的な組成ストレート果汁と比較して香味バランスが悪化する傾向にあること、糖類低減果汁に特定の糖質成分を存在させることにより、糖類低減に起因する香味バランスの悪化を改善できることを見出した。本発明者らはまた、糖類低減果汁は容器詰めのための加熱殺菌により香味バランスがさらに悪化すること、糖類低減果汁において特定の糖質成分を存在させることにより、加熱殺菌に起因する香味バランスの悪化も改善できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。

0006

本発明は、香味が改善された新規な糖類低減果実飲料と、その製造方法を提供することを目的とする。本発明はまた、糖類低減果実飲料の香味を改善する方法を提供することを目的とする。

0007

本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]飲料の酸度に対する糖類濃度の比率(糖類濃度/酸度比率)がストレート果汁の糖類濃度/酸度比率に対して0.92以下である果実飲料であって、デンプンデンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を含んでなる、果実飲料。
[2]糖類低減果汁を含有する果実飲料であって、デンプン、デンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を含んでなる、果実飲料。
[3]飲料の糖質成分の含有量が0.005〜0.10質量%である、上記[1]または[2]に記載の果実飲料。
[4]果実が、オレンジグレーフルーツ、うんしゅうかんおよびパイアップルからなる群から選択される1種または2種以上を含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の飲料。
[5]飲料のオリゴ糖濃度が、Brix11°換算で0.10g/100mL以上である、上記[4]に記載の果実飲料。
[6]果汁率が30%以上である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の飲料。
[7]容器詰め飲料である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の飲料。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の果実飲料の製造方法であって、糖類低減果汁に、デンプン、デンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を添加することを含んでなる製造方法。
[9]飲料の糖質成分の含有量を0.005〜0.10質量%に調整することを含んでなる、上記[8]に記載の製造方法。
[10]原料果汁の糖類を低減する工程をさらに含んでなる、上記[8]または[9]に記載の製造方法。
[11]糖類低減工程が、酵素処理膜濾過処理触媒処理および発酵処理からなる群から選択される1種または2種以上の処理により行われる、上記[10]に記載の製造方法。
[12]果実が、オレンジ、グレープフルーツ、うんしゅうみかんおよびパインアップルからなる群から選択される1種または2種以上を含む、上記[8]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]糖類低減果汁を含有する果実飲料の香味改善方法であって、該飲料にデンプン、デンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を添加することを含んでなる方法。
[14]果実飲料が容器詰め飲料である、上記[13]に記載の香味改善方法。
上記[1]の飲料と上記[2]の飲料を本明細書において「本発明の飲料」ということがある。

0008

本発明によれば、糖類低減果実飲料において悪化する傾向がある香味バランスを改善することができる。すなわち本発明によれば、低カロリーでありながら通常の果汁と遜色ない香味が実現された糖類低減果実飲料(特に容器詰め糖類低減果実飲料)を提供できる点で有利である。

発明の具体的説明

0009

<<本発明の飲料>>
本発明において「果実飲料」とは、果汁を原料とする飲料を意味し、果実ジュース、果実ミックスジュース果粒入り果実ジュース、濃縮果汁および果汁入り飲料が挙げられる。本発明の飲料はアルコールを含有しない非アルコール飲料とすることができる。本発明の飲料はまた、天然果汁により近い味わいを追求するため高甘味度甘味料などの甘味料(トレハロースを除く)を配合しない甘味料不使用の果実飲料とすることができる。

0010

本発明において「果実」としては、オレンジ、グレープフルーツ、うんしゅうみかん等の柑橘果実や、パインアップル、リンゴブドウ、ピーチ、イチゴバナナマンゴーメロンアプリコットが挙げられ、好ましくはオレンジ、グレープフルーツ、うんしゅうみかんおよびパインアップルを使用することができる。

0011

本発明において「Brix値」(本明細書中、単に「Brix」ということがある)とは、溶液中に含まれる可溶性固形分(例えば、糖、タンパク質ペプチド等)の総濃度を表す指標であり、20℃で測定された当該溶液の屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表を使用して、純ショ糖溶液の質量/質量%に換算した値である。20℃における屈折率の測定は、アタゴ社製糖度計などの市販の糖用屈折計を使用して行うことができる。

0012

本発明において「BrixA°換算」とは、飲料のBrix値がA°となるように調整した飲料における定量値を意味する。例えば、「スクロース濃度がBrix11°換算で1.4g/100mL以下の果実飲料」とは、希釈または濃縮によりBrix値を11°に調整した場合に、スクロース濃度が1.4g/100mL以下となる果実飲料を意味する。

0013

本発明において「糖類低減」とは、原料となる果実または果汁と比べて糖類含有量が低減されていることを意味する。糖類の低減は、後述するように、原料果汁の加工処理、すなわち、酵素処理、膜濾過処理、触媒処理および発酵処理等により達成することができる。糖類低減の程度は下記式で算出される糖類低減率で表すことができる。

0014

本発明の飲料の糖類低減率または本発明の飲料の原料である糖類低減果汁の糖類低減率は、その下限値を8%、16%または20%とすることができ、その上限値を50%、75%または80%とすることができる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができ、上記含有量の範囲は、8〜50%または16〜80%とすることができる。

0015

本発明において「糖類」とは、単糖および二糖の糖質を意味し、例えば、グルコースフラクトーススクロースマルトースが挙げられる。糖類濃度は、高速液体クロマトグラフィー法HPLC法)により測定することができる。

0016

本発明において「酸度」とは、日本農林規格(平成18年8月8日農水告第1127号)に定められた酸度の測定方法に基づいて算出されるものを意味する。具体的には、クエン酸換算値とし、以下の式で算出した百分比を酸度とすることができる。
酸度(%)=A×f×100/W×0.0064
A:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液による滴定量(ml)
f:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価
W:試料重量(g)
0.0064:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mlに相当する無水クエン酸の重量(g)

0017

本発明の飲料は、糖類低減果汁を含有する果実飲料であるところ、糖類低減の程度は飲料の酸度に対する糖類濃度の比率(糖類濃度/酸度比率)で特定することができる。本発明の飲料は糖類非低減果汁よりも糖類が低減されていることから、本発明の飲料の糖類濃度/酸度比率はストレート果汁の糖類濃度/酸度比率に対する比率が0.92以下となるように設定することができ、好ましくは0.84以下、0.82以下または0.80以下である。

0018

本発明の飲料においてはまた、果汁の種別ごとに糖類濃度/酸度比率を定めることができる。例えば、本発明の飲料のうちオレンジ果汁飲料オレンジジュース)は、飲料の糖類濃度/酸度比率を12.8未満とすることができ、好ましくは11.0未満または10.0未満とすることができる。本発明の飲料のうちうんしゅうみかん果汁飲料(うんしゅうみかんジュース)は、飲料の糖類濃度/酸度比率を14.6未満とすることができ、好ましくは12.0未満または11.0未満とすることができる。本発明の飲料のうちグレープフルーツ果汁飲料(グレープフルーツジュース)は、飲料の糖類濃度/酸度比率を9.1未満とすることができ、好ましくは7.3未満または6.8未満とすることができる。本発明の飲料のうちパインアップル果汁飲料(パインアップルジュース)は、飲料の糖類濃度/酸度比率を16.3未満とすることができ、好ましくは13.9未満または13.4未満とすることができる。

0019

本発明の飲料は、デンプン、デンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を含むことを特徴とする。本発明においてはデンプンとして穀物類(例えば、コーンハイアミロースコーン、ワキシーコーン小麦、米、エンドウ等)やイモ類(例えば、ジャガイモサツマイモキャッサバ等)から調製されたデンプンを使用することができる。また、デンプン分解物(本発明において「デキストリン」ということがある)とはデンプンを酵素、酸、熱等により加水分解することにより得られるグルコースポリマーを意味する。本発明においてはデンプン分解物として非環状構造のものを使用することができる。本発明においてはまた、DEが0を超え40以下であるデンプン分解物や、DEが0を超え20以下であるデンプン分解物を使用することができる。ここで、「DE(Dextrose Equivalent)」とは、デキストロース等量ともいい、デンプン分解物の分解度合い(低分子化度)の指標である。DEはブドウ糖として定量した還元糖固形分に対する含有率百分率)で示した値であり、例えばレインエイノン法で測定することができる。

0020

本発明の飲料の糖質成分含有量は、その下限値を0.005質量%または0.010質量%とすることができ、その上限値を0.10質量%または0.020質量%とすることができる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができ、上記含有量の範囲は、0.005〜0.10質量%または0.010〜0.020質量%とすることができる。

0021

飲料中の糖質成分含有量は、高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により測定することができる。また、本発明の飲料の糖質成分含有量は、デンプン、デンプン分解物およびトレハロースの各濃度の合計値とすることができる。

0022

本発明の飲料に含まれる糖質成分は精製したものを使用することができるが、本発明の飲料の香味に悪影響を与えない限りにおいて、粗精製形態のものを使用してもよい。

0023

本発明の飲料は、オリゴ糖(デンプン分解物を除く)を含有するものとすることができる。本発明において「オリゴ糖」とは、重合度が3〜10のオリゴ糖であり、1−ケストースニストースネオケストースおよびフラクトフラノシルニストース等のフラクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖乳果オリゴ糖が含まれ、好ましくはフラクトオリゴ糖である。本発明の飲料は、オリゴ糖を所定の濃度で含有するものとして特定することができる。飲料中のオリゴ糖濃度は、高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により測定することができる。

0024

本発明の飲料のオリゴ糖濃度は、Brix11°換算で0.10g/100mL以上とすることができる。また本発明の飲料のオリゴ糖含有量は1〜30質量%とすることができる。

0025

本発明の飲料においてオリゴ糖濃度は、果汁の種別ごとに定めることもできる。例えば、本発明の飲料のうちオレンジ果汁飲料は、オリゴ糖をBrix11°換算で0.7g/100mL以上(例えば、0.7〜2.0g/100mL)含有するものとすることができ、好ましくは0.9g/100mL以上(例えば、0.9〜1.5g/100mL)含有するものとすることができる。

0026

本発明の飲料のうちグレープフルーツ果汁飲料は、オリゴ糖をBrix9°換算で0.1g/100mL以上(例えば、0.1〜1.0g/100mL)含有するものとすることができ、好ましくは0.2g/100mL以上(例えば、0.2〜0.5g/100mL)含有するものとすることができる。

0027

本発明の飲料のうちうんしゅうみかん果汁飲料は、オリゴ糖をBrix9°換算で0.6g/100mL以上(例えば、0.6〜2.5g/100mL)含有するものとすることができ、好ましくは0.9g/100mL以上(例えば、0.9〜2.0g/100mL)含有するものとすることができる。

0028

本発明の飲料のうちパインアップル果汁飲料は、オリゴ糖をBrix11°換算で0.5g/100mL以上(例えば、0.5〜3.0g/100mL)含有するものとすることができ、好ましくは0.8g/100mL以上(例えば、0.8〜2.0g/100mL)含有するものとすることができる。

0029

本発明の飲料に含まれるオリゴ糖であるフラクトオリゴ糖は、本発明の特定の態様において、酵素処理により果汁に含まれるスクロースをフラクトオリゴ糖へインサイチュ(in situ)変換した生成物である。すなわち、飲料中におけるフラクトオリゴ糖の生成は、後述するように、原料果汁の加工処理工程において、あるいは原料果汁と他の原料との調合工程中またはその後において、酵素処理により達成することができる。従って、本発明の飲料は、フラクトオリゴ糖が原料として添加されていないものとすることができる。

0030

本発明の飲料には通常の飲料の処方設計に用いられている飲料用添加剤を配合してもよい。このような添加剤としては、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、酸味料調味料香辛料香料着色料増粘剤、安定剤、乳化剤栄養強化剤pH調整剤酸化防止剤保存料などが挙げられる。上記飲料用添加剤は、後述する調合工程において他の原料と混合することができる。

0031

本発明の飲料は、前述の通り、所定の糖質成分を含有することを特徴とする果汁飲料であるが、所定の糖質成分を含む限り、濃縮形態の飲料や希釈形態の飲料を問わず、本発明の範囲内である。すなわち、本発明の飲料は、果汁100%よりも濃いいわゆる濃縮形態の飲料や、果汁100%よりも薄いいわゆる希釈形態の飲料も含むものである。

0032

本発明の飲料においてBrix値は、果汁約100%を基準に定めることができ、例えば6〜15°Bx(好ましくは7〜13°Bx)とすることができる。本発明の飲料のBrix値はまた、果汁の種別ごとに定めることもできる。本発明の飲料のうちオレンジ果汁飲料のBrix値は、例えば、8〜15°Bxとすることができ、好ましくは9〜13°Bxである。本発明の飲料のうちグレープフルーツ果汁飲料のBrix値は、例えば、6〜13°Bxとすることができ、好ましくは7〜11°Bxである。本発明の飲料のうちうんしゅうみかん果汁飲料のBrix値は、例えば、6〜13°Bxとすることができ、好ましくは7〜11°Bxである。本発明の飲料のうちパインアップル果汁飲料のBrix値は、例えば、8〜15°Bxとすることができ、好ましくは9〜13°Bxである。

0033

本発明の飲料の果汁率は、特に限定されるものではないが、その下限値(以上または超える)を30%、40%、50%、60%または70%とすることができ、その上限値(以下または下回る)を150%、120%または100%とすることができる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができ、上記比率の範囲は、例えば、30〜150%(好ましくは40〜120%または50〜100%)とすることができる。ここで、果汁率とは、飲料全体に対する果実の搾(一般に、100%ジュース、ストレート果汁、果汁100%ともいう)の割合をいう。JAS規格(果実飲料の日本農林規格)によれば、表1に示すように、果実の搾汁についての糖用屈折計示度の基準(°Bx)が果実毎に定められ、該基準に基づいて飲料の果汁率を算出することもできる。例えば、JAS規格によるオレンジ果汁の果汁100%のBrix値は11°Bxであり、44°Bxの濃縮オレンジ果汁を飲料中に10質量%配合した場合には、該飲料の果汁率は40%となる。なお、果汁率の算出に当たっては、果実の搾汁に加糖した場合は、加えられた砂糖類および蜂蜜等の糖用屈折示度を除くものとする。

0034

0035

後記実施例に示される通り糖類低減果汁飲料においては糖類低減に起因して香味バランスが悪化し、容器詰めのための加熱殺菌によっても糖類低減に起因した香味バランスの悪化が観察された。本発明の飲料は糖類低減に起因するこれらの香味バランスの悪化をいずれも改善することができる。すなわち本発明によれば、糖類低減果実飲料(特に容器詰め糖類低減果実飲料)において、糖類低減に起因する香味バランスの悪化を改善することができる。ここで「香味バランス」とは、「先酸味」、「後酸味」、「まろやかさ」、「膨らみ」、「甘み」から構成される香味が糖類低減処理を行わない果汁のように調和していることを意味し、「香味バランスの悪化」とは香味バランスが糖類低減処理を行わない果汁と比べ偏ることを意味し、香味バランスの低下を含む。

0036

<<本発明の飲料の製造方法>>
本発明の飲料は、糖類低減果汁にデンプン、デンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を添加することにより製造することができる。

0037

本発明の製造方法(特に糖類低減果汁を含有する果実飲料の製造方法)は、果実飲料の糖類を低減する工程(糖類低減工程)をさらに含んでいてもよい。糖類濃度の低減(糖類低減)は、酵素処理、膜濾過処理、触媒処理および発酵処理からなる群から選択される1種または2種以上の処理により行うことができる。糖類低減工程は原料果汁の加工処理工程において実施することができ、あるいは原料果汁と他の原料との調合工程中またはその後において実施することもできる。

0038

本発明において酵素処理に用いられる酵素としては、スクロースを基質とする糖転移酵素が挙げられる。本発明の製造方法に用いられるスクロースを基質とする糖転移酵素としては、フラクトシルトランスフェラーゼ、レバンスクラーゼデキストランスクラーゼイヌスクラーゼが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができ、好ましくはフラクトシルトランスフェラーゼである。

0039

本発明の製造方法に用いられるフラクトシルトランスフェラーゼは、スクロースからフラクトオリゴ糖を生成させる活性を有する酵素である。本発明においては市販のフラクトシルトランスフェラーゼを用いることができる。本発明においてはまた、フラクトシルトランスフェラーゼを生産する微生物を培養し、培養物から当該酵素を精製あるいは粗精製して得てもよい。

0040

本発明においては、ペクチナーゼ活性を実質的に有さないフラクトシルトランスフェラーゼを用いることができる。ここで、「ペクチナーゼ活性を実質的に有さない」とは、果汁を処理した場合に顕著な清澄化作用および/または粘度低下作用を引き起こす活性を有さないことを指し、例えば、オレンジ果汁を用いた酵素処理試験を行った場合に、フラクトオリゴ糖を糖組成比10%以上生成し、かつ、処理後濁度が処理前に対して35%以上維持される場合にペクチナーゼ活性を実質的に有さないとする。

0041

本発明の製造方法において、ペクチナーゼ活性を実質的に有さないフラクトシルトランスフェラーゼを酵素処理に用いた場合、製造された飲料はその濁度および/または粘度が高く維持されるという特徴を有する。酵素処理前の果汁の濁度に対する酵素処理後の濁度の比率、すなわち濁度維持率は、35%以上とすることができ、好ましくは50%以上、特に好ましくは70%以上である。ペクチナーゼ活性を実質的に有さないフラクトシルトランスフェラーゼによって酵素処理された、上記濁度維持率の果汁を本発明に用いることができる。

0042

本発明においては、フラクトシルトランスフェラーゼは、粗酵素剤の形態のものを用いることができる。ここで「粗酵素剤」とは、食品の工業生産用販売される酵素剤で一般的に採用される、比較的安価且つ安全な試薬濾過膜分離等の分離抽出手段により得られる酵素剤を意味し、液体クロマトグラフィー等による分画精製といった高度且つ高コストな分離精製手段を用いて調製された酵素剤は含まない。

0043

本発明において、フラクトシルトランスフェラーゼによる酵素処理は、果汁中のスクロース1gあたり1U以上を目安に添加することができ、好ましくは5U/1gスクロース、特に好ましくは10U/1gスクロースである。酵素添加後、25℃で4時間を目安に反応させるが、温度と時間は果汁の種類や酵素添加量にあわせ適宜調整が可能であり、高温での長時間反応は糖の分解を招くことに留意する。ミックスジュースなどのように2種以上の果汁を用いる場合にはそれぞれを酵素処理したのちに混合する場合、それぞれを混合したのちにまとめて酵素処理する場合のいずれの方法も用いることができる。濃縮果汁を処理する場合には、濃縮前、濃縮中、濃縮後のいずれのタイミングで処理しても良い。

0044

本発明において、膜濾過処理は、原料果汁に対して実施することができる。使用できる濾過膜としては、例えば、ナノ濾過膜透析膜限外濾過膜逆浸透膜が挙げられ、好ましくはナノ濾過膜である。本発明に使用する濾過膜は、三糖以上の糖質の透過率が単糖および二糖の透過率よりも低い膜を選択することができ、好ましくは、三糖以上の糖質の透過率が単糖および二糖の透過率よりも低く、透過率の差が10%以上ある膜を、より好ましくは、分画分子量が100〜1000Da程度の膜を選択することができる。

0045

本発明において、糖類の低減は、酵素処理および膜濾過処理のいずれか一方の処理を単独で実施してもよく、あるいは、これらの処理を組み合わせて実施してもよい。酵素処理および膜濾過処理を組み合わせて実施する場合、膜濾過処理は、酵素による酵素処理前の果汁または酵素処理後の果汁に対して実施することができ、あるいは酵素による酵素処理と同時に実施してもよい。

0046

本発明の飲料は、飲料の糖質成分の含有量を0.005〜0.10質量%に調整する工程をさらに含んでいてもよい。本発明の製造方法においては糖質成分を複数種類使用してもよく、複数種類の糖質成分を飲料に含有させる場合には、各糖質成分の含有量の調整は、単独で実施しても、同時に実施してもよく、単独で実施する場合、いずれの調整が先であってもよい。本発明の製造方法において、糖質成分の含有量の調整は、糖類低減処理前の果汁または糖類低減処理後の果汁に対して実施することができ、あるいは糖類低減処理と同時に実施してもよい。

0047

本発明の製造方法に用いられる原料は、ストレート果汁または濃縮果汁のいずれを用いてもよい。目的とする飲料が低濃度の場合には、水または他の飲用可能な液体と混合した希釈果汁を原料として用いることもできる。また、本発明の製造方法に用いられる原料は、果汁のうち2種以上のミックスジュースとしてもよい。

0048

本発明の製造方法において、上記糖類低減処理および香気成分濃度調整以外は、果実飲料について公知の製造手順に従って実施することができる。すなわち、糖類低減処理の前に搾汁工程を実施し、果汁を準備することができる。原料として市販の濃縮液ペースト等を利用する場合には搾汁工程は省略することができる。また、糖類低減処理に付された果汁は調合工程において、添加剤などの他の原料を配合することができる。香気成分濃度の調整は、調合工程において実施してもよく、あるいは調合工程前または調合工程後に実施してもよい。調合工程で得られた調合液は殺菌工程および充填工程を経て容器詰めすることができる。容器詰めされた本発明の飲料は必要に応じて密封工程と冷却工程に付することができる。

0049

<<本発明の香味改善方法>>
本発明の別の面によれば、飲料にデンプン、デンプン分解物およびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上の糖質成分を添加することを含んでなる、糖類低減果実飲料の香味改善方法が提供される。本発明の香味改善方法は、本発明の飲料およびその製造方法に関する記載に従って実施することができる。本発明の香味改善方法では、糖類低減果汁における糖類低減に起因するこれらの香味バランスの悪化を改善することができる。

0050

以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。

0051

糖濃度、糖組成、全糖濃度およびBrixの測定
以下の例においてサンプル飲料中の糖濃度(単糖、二糖、オリゴ糖)の分析は高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)を用いた絶対検量線法に従って行った。具体的には以下のように測定した。

0052

サンプル液を水で希釈し、糖が1%程度含まれる溶液とした。次いで、該溶液をシリンジフィルターに通して濾過した後、これを国際公開2019/004054号に記載の条件に従ってHPLC(日本分光社)で分析することにより糖濃度(各糖濃度、糖類濃度、全糖濃度)を算出した。糖類濃度は単糖濃度と二糖濃度の合計値とした。

0053

HPLC分析条件>
カラム:YMC-Pack Polyamine II(YMC社)
移動相:67%(v/v)アセトニトリル溶液
カラム温度:30℃
流速:1.0mL/分
検出:示差屈折率検出器

0054

酸度の測定
以下の例においてサンプル飲料中の酸度の分析は、前記の通り、日本農林規格(平成18年8月8日農水告第1127号)に定められた酸度の測定方法に基づいて算出した。具体的には、10.0gのサンプルをビーカー分注し、水で150mLまでメスアップした。次いで、0.10mol/LのNaOH溶液を用いて滴定し、NaOH溶液の滴定量から酸度を算出した。終点電位差自動的低装置(AT−610、京都電子工業社)に従った。

0055

Brix値は、糖度計(Rx−5000α、アタゴ社)を用いて測定した。

0056

例1:各種糖質成分が糖類低減オレンジ果汁の香味に与える影響
(1)サンプル飲料の調製
オレンジ果汁(65°Bx、Cutrale社)を45°Bxに希釈した。希釈したオレンジ果汁100gを200mL容のビーカーに分注した。次いで、フラクトシルトランスフェラーゼ(アスペルギルス(Aspergillus)属由来、新日本化学工業社、以下単に「FTase」ということがある)を10U/1gスクロースとなるように添加し、均一になるよう十分に撹拌した後、25℃で4時間、静置させて酵素反応を行った。酵素反応終了後、11°Bxに希釈した後、スチール缶充填し、80℃で10分間の加熱処理を行い酵素を失活させて、糖類濃度が低減されたサンプル飲料(サンプル番号1)を調製した。次いで、糖類低減飲料(サンプル番号1)に糖質成分として、デキストリン(L−SPD、DE値:16.5、昭和産業社、以下同様)、デンプン(片栗粉ジャガイモデンプン、非加工デンプン)、丸星社、以下同様)、トレハロース(TOMIZ、cuoca社)、シクロデキストリンセルデックスB−100、日本食品化工社)または難消化性デキストリン(E−ファイバー、三菱商事社)を表3に示す濃度(質量%)となるように添加して、糖質成分を配合した糖類低減飲料(サンプル番号2〜10)を調製した。

0057

(2)香味評価
上記(1)で調製したサンプル飲料(サンプル番号1)と糖類濃度8.33g/100mL(二糖濃度3.99g/100mL)の一般的な組成のオレンジ果汁(11°Bx、糖類未低減飲料)の香味(具体的には、一般的な組成のオレンジ果汁を飲んだ場合と比較した違和感の有無)を評価し、違和感がない場合は○、違和感がある場合は×とした。

0058

(3)官能評価
上記(1)で調製したサンプル飲料(サンプル番号1〜10)を官能評価に供した。官能評価は5名の訓練されたパネラーにより実施し、評価項目は「先酸味」、「後酸味」、「まろやかさ」、「膨らみ」、「甘み」および「総合的なおいしさ」とした。サンプル番号1を対照飲料として、サンプル飲料(サンプル番号2〜10)が対照飲料からどれだけ離れているか(増減しているか)を下記の評価基準により評価した。なお、下記の数値には、各評価項目が増加した場合は正の符号を、減少した場合は負の符号を付し、対照飲料のスコアを10として、10に対して符号を付した数値を加えて、各パネラーによるスコアとした。
<評価基準>
0〜0.4 :対照飲料と比較して増減の差がほとんどわからない
0.5〜1.0:対照飲料とじっくり比較して増減の差がわかる
1.1〜2.0:対照飲料と比較して増減の差が明らかにわかる
2.1〜 :対照飲料と比較することなく増減の差がわかる

0059

パネラーはサンプル飲料について少数第一位まで評点を行い、パネラー全員平均スコアを算出し、平均スコアを10で割った値を評価点(対照飲料の評価点は1)とした。0.05を超える評価点を「効果あり」と判断した。また、飲料についてコメントがある場合は、表中に記載した。ここで、「先酸味」とは、トップ〜ミドルにかけての酸味の強さをいう。「後酸味」とは、ラスト感じる酸味の強さをいう。「まろやかさ」とは、口に含んだ時の味わいの広がりをいう。「膨らみ」とは、口に含んだ時の味の複雑さをいう。「甘み」とは、甘さの強度をいう。「総合的なおいしさ」とは、糖類濃度が低減されていない一般的な組成の果汁との近さ(違和感の弱さ)をいう。

0060

(4)結果
結果は、表2および表3に示す通りであった。

0061

0062

表2の結果より、糖類濃度/酸度が12.8未満の糖類濃度低減オレンジ果汁(11°Bx)では、糖類濃度が低減されていない一般的な組成のオレンジ果汁(糖類未低減飲料)と比較して、香味バランスが悪化することが確認された。表3の結果より、糖類濃度/酸度が12.8未満の糖類濃度低減オレンジ果汁(11°Bx)において、所定量のデキストリン、デンプンまたはトレハロースを添加することにより、悪化した香味を改善できることが確認された。一方、糖類濃度低減オレンジ果汁に、難消化性デキストリンまたはシクロデキストリンを添加すると、香味のバランスは改善したが、異味が指摘された。これらの結果から、本発明の飲料に含まれる糖質成分として難消化性デキストリンおよびシクロデキストリン以外の糖質が適することが示唆された。

0063

例2:各種糖質成分が糖類低減オレンジ果汁の加熱殺菌後の香味に与える影響
(1)サンプル飲料の調製
サンプル飲料の調製は、例1(1)に記載の方法に従って行い、糖類未低減飲料を準備するとともに、糖類濃度が低減されたサンプル飲料(サンプル番号11)を調製した。

0064

(2)飲料の容器詰めと殺
上記(1)で調製したサンプル飲料(サンプル番号11)をレトルト瓶に充填し、65℃で10分間、パストライザー殺菌して、容器詰めサンプル飲料(サンプル番号12)を調製した。次いで、容器詰めサンプル飲料(サンプル番号12)に、デキストリンを表5に示す濃度(質量%)となるように添加して、デキストリンを添加した容器詰めサンプル飲料(サンプル番号13)を調製した。

0065

(3)香味評価
上記(1)および(2)で調製したサンプル飲料(サンプル番号11、12)と糖類濃度8.33g/100mL(二糖濃度3.99g/100mL)の一般的な組成のオレンジ果汁(11°Bx、糖類未低減飲料)の香味の評価は、例1(2)に記載の方法に従って行った。また、飲料についてコメントがある場合は、表中に記載した。

0066

(4)官能評価
上記(1)および(2)で調製したサンプル飲料(サンプル番号11、13)を官能評価に供した。官能評価は5名の訓練されたパネラーにより、例1(3)に記載の基準および方法に従って実施した。

0067

(5)結果
結果は、表4および表5に示す通りであった。

0068

0069

表4の結果より、糖類濃度/酸度が12.8未満の糖類濃度が低減された、殺菌処理オレンジ果汁(11°Bx)(サンプル番号12)では、一般的な組成のオレンジ果汁(糖類未低減飲料)と比較して、香味バランスが悪化すること、また、殺菌を行っていない糖類濃度低減オレンジ果汁(サンプル番号11)と比較して、酸味がよりって感じられることが確認された。表5の結果より、糖類濃度/酸度が12.8未満の糖類濃度が低減された、殺菌処理オレンジ果汁(11°Bx)において、所定量のデキストリンを添加した飲料(サンプル番号13)では、悪化した香味を改善できること、デキストリンによる香味の改善は殺菌処理を行っていない果汁(サンプル番号3)の場合と比較して、より効果があることが確認された。

0070

例3:各種糖質成分が糖類低減グレープフルーツ果汁、うんしゅうみかん果汁およびパインアップル果汁の香味に与える影響
(1)サンプル飲料の調製
グレープフルーツ果汁(61°Bx、Citrus World社、糖類未低減飲料)、うんしゅうみかん果汁(64°Bx、一海社、糖類未低減飲料)およびパインアップル果汁(60°Bx、ドール社、糖類未低減飲料)を用いた以外は、例1(1)に記載の方法に従って、酵素処理を行い、糖類濃度が低減された、グレープフルーツ飲料(サンプル番号14)、うんしゅうみかん飲料(サンプル番号15)およびパインアップル飲料(サンプル番号16)を調製した。該飲料のBrixは、グレープフルーツ果汁は9°Bx、うんしゅうみかん果汁は9°Bx、パインアップル果汁は11°Bxに調製した。次いで、サンプル飲料(サンプル番号14〜16)に、デキストリンまたはデンプンを表7〜9に示す濃度(質量%)となるように添加して、糖質成分を配合した糖類低減飲料(サンプル番号17〜23)を調製した。

0071

(2)香味評価
上記(1)で調製したサンプル飲料(サンプル番号14〜16)、糖類濃度6.8g/100mL(二糖濃度2.14g/100mL)の一般的な組成のグレープフルーツ果汁(9°Bx、対照飲料)、糖類濃度14.6g/100mL(二糖濃度4.05g/100mL)の一般的な組成のうんしゅうみかん果汁(9°Bx、対照飲料)および糖類濃度9.93g/100mL(二糖濃度5.61g/100mL)の一般的な組成のパインアップル果汁(11°Bx、対照飲料)の香味の評価は、例1(2)に記載の方法に従って行った。

0072

(3)官能評価
上記(1)で調製したサンプル飲料(サンプル番号14〜23)を官能評価に供した。官能評価は4名の訓練されたパネラーにより、例1(3)に記載の基準および方法に従って実施した。

0073

(4)結果
結果は、表6〜9に示す通りであった。

0074

0075

0076

0077

表6の結果より、糖類濃度/酸度が6.8未満の糖類濃度低減グレープフルーツ果汁(9°Bx)、糖類濃度/酸度が14.6未満の糖類濃度低減うんしゅうみかん果汁(9°Bx)および糖類濃度/酸度が16.3未満の糖類濃度低減パインアップル果汁(11°Bx)では、一般的な組成の各果汁(糖類未低減飲料)と比較して、香味バランスが悪化することが確認された。また、表7の結果より、糖類濃度/酸度が6.8未満の糖類濃度低減グレープフルーツ果汁(9°Bx)において、所定量のデキストリンまたはデンプンを添加することにより、悪化した香味を改善できることが確認された。表8の結果より、糖類濃度/酸度が14.6未満の糖類濃度低減うんしゅうみかん果汁(9°Bx)において、所定量のデキストリンまたはデンプンを添加することにより、悪化した香味を改善できることが確認された。表9の結果より、糖類濃度/酸度が16.3未満の糖類濃度が低減されたパインアップル果汁(11°Bx)において、所定量のデキストリンを添加することにより、悪化した香味を改善できることが確認された。

0078

例4:デキストリンがオレンジ果汁の香味に与える影響
(1)サンプル飲料の調製
濃縮オレンジ果汁(65°Bx、クトラーレ社)を11°Bxに調整して、糖類濃度8.4g/100mLの一般的な組成のオレンジ果汁(糖類未低減飲料)を調製した。次いで、該オレンジ果汁にL−アスコルビン酸を表10に示す濃度(質量%)となるように添加して、酸味付与飲料(サンプル番号24〜27)を調製した。次いで、0.50質量%アスコルビン酸が添加された酸味付与飲料(サンプル番号26)に、デキストリンを表11に示す濃度(質量%)となるように添加して、糖質成分(デキストリン)を配合した飲料(サンプル番号28〜31)を調製した。

0079

(2)香味評価
上記(1)で調製したサンプル飲料(サンプル番号24〜27)と一般的な組成のオレンジ果汁(11°Bx、糖類未低減飲料)の香味の評価は、例1(2)に記載の方法に従って行った。

0080

(3)官能評価
上記(1)で調製したサンプル飲料(サンプル番号26と28〜31)を官能評価に供した。官能評価は3名の訓練されたパネラーにより、例1(3)に記載の基準および方法に従って実施した。

0081

(4)結果
結果は、表10および表11に示す通りであった。

0082

0083

表10の結果より、糖類濃度/酸度が12.5未満のオレンジ果汁(11°Bx)では、一般的な組成のオレンジ果汁(糖類未低減飲料)と比較して、香味バランスが悪化することが確認された。表11の結果より、糖類濃度/酸度が12.5未満のオレンジ果汁(11°Bx)において、所定量のデキストリンを添加することにより、悪化した香味を改善できることが確認された。

0084

例5:フラクトオリゴ糖およびデキストリンがオレンジ果汁の香味に与える影響
(1)サンプル飲料の調製
糖類濃度8.33g/100mLの一般的な組成のオレンジ果汁(11°Bx)にアスコルビン酸を0.50質量%となるように添加して、糖類濃度/酸度比率が変化した飲料(酸味付与飲料)を調製した。次いで、該飲料にフラクトオリゴ糖(メイオリゴP、明治フードマテリア社)を表12に示す濃度(質量%)となるように添加した後、11°Bxに調整して、サンプル飲料(サンプル番号32)を調製した。次いで、該サンプル飲料(サンプル番号32)に、デキストリンを表13に示す濃度(質量%)となるように添加して、糖質成分(デキストリン)を配合したサンプル飲料(サンプル番号33)を調製した。

0085

(2)官能評価
上記(1)で調製した酸味付与飲料とサンプル飲料(サンプル番号32、33)を官能評価に供した。官能評価は4名の訓練されたパネラーにより、例1(3)に記載の基準および方法に従って実施した。

0086

(3)結果
結果は、表12および表13に示す通りであった。

0087

0088

表12および表13の結果より、酸度の高いオレンジ果汁(11°Bx)にフラクトオリゴ糖を添加することでは、悪化した香味は大きく改善されないことが確認された。一方、酸度の高いオレンジ果汁(11°Bx)において、フラクトオリゴ糖とデキストリンを添加することにより、フラクトオリゴ糖を添加した場合と比較して、悪化した香味を改善できることが確認された。

0089

例6:デキストリンがオレンジ低果汁の香味に与える影響
(1)サンプル飲料の調製
一般的な組成のオレンジ果汁(65°Bx、クトラーレ社)と例1(1)に記載の方法に従って酵素反応を行い、次いで、95℃で30秒の熱処理により酵素を失活させた酵素処理オレンジ果汁(45°Bx)を混合して、糖類濃度5.5g/100mLであり、かつ、糖類濃度/酸度8.5であるオレンジ果汁を調製した。次いで、該オレンジ果汁を5.5°Bx(果汁率50%)に調整して、低果汁飲料を調製し、これを対照飲料(糖類濃度2.75g/100mL、糖類濃度/酸度8.3)とした。次いで、該対照飲料に、デキストリンを表14に示す濃度(質量%)となるように添加して、糖質成分(デキストリン)を配合したサンプル飲料(サンプル番号34、糖類濃度2.75g/100mL、糖類濃度/酸度8.3)を調製した。

0090

(2)官能評価
上記(1)で調製したサンプル飲料(サンプル番号34)と対照飲料を官能評価に供した。官能評価は3名の訓練されたパネラーにより、例1(3)に記載の基準および方法に従って実施した。

0091

(3)結果
結果は、表14に示す通りであった。

0092

表14の結果より、糖類濃度/酸度が12.5未満のオレンジ低果汁(5.5°Bx)において、デキストリンを添加することにより、香味を改善できることが確認された。

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