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図面 (17)

課題

自己免疫疾患治療及び/又は診断において使用する核酸配列分子アプタマーを提供する。

解決手段

アプタマーは、自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用するための、特定の核酸配列を含む。前記自己免疫疾患は、心筋症拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害良性前立腺肥大硬皮症乾癬レイノー症候群子癇前症腎臓同種移植片拒絶心筋炎緑内障高血圧症肺高血圧症悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である。

概要

背景

概要

自己免疫疾患治療及び/又は診断において使用する核酸配列分子アプタマーを提供する。アプタマーは、自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用するための、特定の核酸配列を含む。前記自己免疫疾患は、心筋症拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害良性前立腺肥大硬皮症乾癬レイノー症候群子癇前症腎臓同種移植片拒絶心筋炎緑内障高血圧症肺高血圧症悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である。なし

目的

本発明の目的は、患者において自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用するための新規モダリティーを提供する

効果

実績

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請求項1

自己免疫疾患治療及び/又は診断において使用するための、配列番号1、配列番号2、配列番号3の核酸配列、並びに/又は配列番号1、2及び3のうち1つと少なくとも80%同一である核酸配列を含むアプタマーであって、前記自己免疫疾患が心筋症拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害良性前立腺肥大硬皮症乾癬レイノー症候群子癇前症腎臓同種移植片拒絶心筋炎緑内障高血圧症肺高血圧症悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である、アプタマー。

請求項2

自己免疫疾患に罹患している患者の血液又はその構成要素のアフェレシス、好ましくは治療的アフェレシスの際の選択性成分として使用するための、配列番号1、配列番号2、配列番号3の核酸配列並びに/又は配列番号1、2及び3のうち1つと少なくとも80%同一である核酸配列を含む、又はからなるアプタマーであって、前記自己免疫疾患が心筋症、拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害、良性前立腺肥大、硬皮症、乾癬、レイノー症候群、子癇前症、腎臓同種移植片拒絶、心筋炎、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である、アプタマー。

請求項3

前記アプタマーがヒトにおける治療及び/又は診断において使用される、請求項1又は2のいずれか一項に記載のアプタマー。

請求項4

前記アプタマーがDNAアプタマーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアプタマー。

請求項5

前記アプタマーが前記の配列番号1、配列番号2、配列番号3の核酸配列、又は配列番号1、2及び3のうち1つと少なくとも80%同一である核酸配列からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアプタマー。

請求項6

自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアプタマーと少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含む医薬組成物

請求項7

自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1種のアプタマーと容器とを含むキット

請求項8

Gタンパク質共役受容体、好ましくは、ヒトGタンパク質共役受容体であるアドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1ETA受容体、ムスカリン性M2受容体、アンギオテンシンIIAT1受容体、及び/又はPAR受容体に特異的である抗体の生体外検出のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアプタマーの使用。

請求項9

前記被検抗体が自己抗体である、請求項8に記載の使用。

請求項10

前記抗体が体液、好ましくは、ヒト身体の液体、より好ましくは、ヒト血液血漿血清糞尿滑液間質液リンパ液唾液髄液及び/又は涙液中に存在するか、又はそれらに由来する、請求項8又は9に記載の使用。

請求項11

前記体液が、自己免疫疾患、好ましくは、前記患者の血清におけるGタンパク質共役受容体に特異的な自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患、より好ましくは、前記患者の血清におけるアドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1ETA受容体、ムスカリン性M2受容体、アンギオテンシンIIAT1受容体、及び/又はPAR受容体に特異的な自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患に罹患している、又は罹患している疑いのある個体から採取される、請求項10に記載の使用。

請求項12

請求項1〜5のいずれか一項に記載のアプタマーを含む、アフェレシスカラム

請求項13

自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用するための、請求項12に記載のアフェレシスカラムであって、前記自己免疫疾患が心筋症、拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害、良性前立腺肥大、硬皮症、乾癬、レイノー症候群、子癇前症、腎臓同種移植片拒絶、心筋炎、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である、アフェレシスカラム。

技術分野

0001

免疫系はあらゆる動物の不可欠な部分を成している。哺乳動物は、微生物に対する防御、例えば腫瘍細胞のような異常な細胞の検出及び除去、並びに組織再生においてその免疫系を用いている。それによって、これらの生物は、体液性免疫細胞性免疫という2つの相互に関連した防御機構に頼っている。

0002

抗体は、その抗原と結合すると、体液性免疫応答を誘発する。抗体は複数の方法で働くことができる。抗原の中和の他、抗体は補体系活性化させる。自身の身体の抗原に向けられた抗体も存在する。このようないわゆる自己抗体が生成する理由として、分子模倣及び/又はバイスタンダーアクチべーション(bystander activation)が知られている。自己抗体が自身の抗原と特異的に結合すると、これらの抗原の分解を促進することができるナチュラルキラー細胞NK細胞)が活性化される。

0003

自己免疫疾患は、自身の細胞又は組織に対して免疫応答を誘発する、自身の身体の構成部分に向けられた抗体の、こうした特異的認識及び結合に基づくものである。この免疫刺激作用の他、自己抗体は他の機構によっても病原性表現型の発生に寄与し得る。Gタンパク質共役受容体、例えば、アドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1 ETA受容体、ムスカリン性M2受容体、アンギオテンシンII AT1受容体及び/又はプロテイナーゼ活性化受
容体(PAR)の細胞外部分に特異的であり得る自己抗体も存在し、特異的に結合すると、これらの受容体を活性化させたり遮断したりすることができることはよく知られている。このような自己抗体が生物体に存在すると、個々の受容体の永続的活性化又は遮断という意味で促進作用又は拮抗作用がもたらされ、疾病の発生の一端を担う場合がある。

0004

拡張型心筋症(DCM)は、高いパーセンテージ患者が、アドレナリン作動性β−1受容体の細胞外部分、特に、アドレナリン作動性β−1受容体の第1ループ又は第2ループに結合するこのような活性化型の自己抗体を呈する疾患の1つである。結果として、これらの患者においてはDCMの自己免疫病因示唆された。このような自己抗体が結合すると、受容体は絶えず活性化される(Jahns et al. (2004) Direct evidence for a beta-1-adrenergic receptor-directed autoimmune attack as a cause of idiopathic cardiomyopathy. J.Clin.Invest. 113, 1419-1429)。

0005

最近の研究では、免疫グロブリン吸着によって血液からこれらの自己抗体を除去することが心筋の再生に寄与することを示すことができた(Wallukat G, Reinke P, Dorffel WV,
Luther HP, Bestvater K, Felix SB, Baumann G. (1996) Removal of autoantibodies in dilated cardiomyopathy by immunoadsorption. Int J Cardiol. 54:191-195; Muller J, Wallukat G, Dandel M, Bieda H, Brandes K, Spiegelsberger S, Nissen E, Kunze R, Hetzer R (2000) Immunoglobulin adsorption in patients with idiopathic dilated cardiomyopathy.Circulation. 101:385-391; W.V. Dorffel, S.B. Felix, G. Wallukat,
S. Brehme, K. Bestvater, T. Hofmann, F.K. Kleber, G. Baumann, P. Reinke (1997) Short-term hemodynamic effects of immunoadsorption in dilated cardiomyopathy. Circulation 95, 1994-1997及びW.V. Dorffel, G. Wallukat, Y. Dorffel, S.B. Felix, G.
Baumann (2004) Immunoadsorption in idiopathic dilated cardiomyopathy, a 3-year follow-up. Int J. Cardiol. 97, 529-534)。

0006

シャーガス心筋症周産期心筋症、心筋炎肺高血圧症及び悪性高血圧症など、Gタンパク質共役受容体に対する自己抗体の存在に関連があることが示唆されている心血管系
他の疾患もある。Gタンパク質共役受容体に対する自己抗体はまた、例えば緑内障糖尿病アルツハイマー病良性前立腺肥大硬皮症レイノー症候群乾癬、及び子癇前症を有する患者、及び慢性シャーガス病の患者、並びに腎臓同種移植片拒絶を伴う患者でも見出された。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、患者において自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用するための新規モダリティーを提供することである。

0008

本発明は、自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用するための、配列番号1、配列番号2、配列番号3の核酸配列、及び/又は配列番号1、2及び3のうち1つと少なくとも80%同一である核酸配列を含む、又はからなるアプタマーを提供する。

課題を解決するための手段

0009

本発明のアプタマーは、それらが配列番号1、配列番号2、配列番号3を有するヌクレオチド15個の核酸配列、及び/又は配列番号1、2及び3のうち1つと少なくとも80%同一である核酸配列を含む、又はからなることを特徴とする。15マー:GGTTGGTGTGGT TGG(配列番号1)、26マー:CGC CTA GGT TGG GTA GGG TGG TGG CG(配列番号2)及び12マー:GGT TGG TGT GGT(配列番号3)は全て互いに独立であり、本発明のアプタマーの標的特異性を可能とし、該標的特異性を担う。配列番号1、2及び/又は3を有する核酸配列の5’末端及び/又は3’末端に、さらなる核酸分子又は配列を付加することもできる。前記15マー(配列番号1)は、トロンビンとのその結合に関して最初に単離され(米国特許第5,543,293号明細書参照)、これは国際公開第2010/033167号に最初に記載された26マー(配列番号2)についてもそうである。最初に記載されたものはARC183の名称で、第I相臨床試験において、トロンビンの阻害のために、すなわち、急性心血管状況での使用の可能性に向けた抗凝固薬として、既に用いられている。26マーは、NU172(ARC2172)の名称で第II相臨床試験(clinical trial gov. identifier:NCT00808964)において用いられている。しかしながら、前記15マー(配列番号1)に関しては、所望の抗凝固を達成するために必要とされるアプタマーの量では最適な投与プロフィールが得られないことが分かった。

0010

驚くことに、本発明のアプタマーは、自己免疫疾患に関連するGタンパク質共役受容体に特異的な抗体、特に、自己抗体の相互作用を妨げるために使用可能であることが判明した。特に、本発明のアプタマーは、アドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1 ETA受容体、ムスカリン性M2受容体、アンギオテンシンII AT1受容体、及び/又はPAR受容体
に特異的な自己抗体と結合して、これらの自己抗体とその標的タンパク質との特異的相互作用を阻害することができることを示すことができた。これらの相互作用を阻害することにより、本発明のアプタマーは、これらの抗体を除去する必要なく、個々のGタンパク質共役受容体の永続的活性化を減じる、又は無くしさえする。よって、本発明は、自己免疫疾患、特に、Gタンパク質共役受容体を認識する自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患、すなわち、アドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1 ETA受容体、ムスカリン性M2受容体
、アンギオテンシンII AT1受容体、及び/又はPAR受容体に特異的な自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患の治療及び/又は診断における使用のためのそれらの適合性に関して初めて記載される化合物を提供する。更に、本発明のアプタマーは、固定化した後に、上記で示した自己抗体を捕捉することができる。このように、第1に患者の血清
ら自己抗体を除去するためのアフェレシス技術を確立するため、第2に自己抗体の測定のための分析ツールを開発するためのプラットフォームが提供される。最後に、特に、自己免疫疾患の診断のために使用することもできる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、図に示されている種々のAABの機能活性の中和の用量反応曲線を示す。
図2は、トロンビンアプタマーによるβ1−受容体AABの機能活性を中和する用量反応曲線に対する、ヒトIgG−3[73nM]の存在の影響を示す。
図3は、ETA−ABにより媒介される新生児心筋細胞拍動数低下に対する、トロンビンアプタマーの影響を示す。
図4は、固定化ETA−AB、対照としての固定化ウサギIgG及び固定化ヒトIgGサブクラスに対するトロンビンアプタマー(配列番号1)の結合を示す。A及びC:各25nMの固定化タンパク質、B及びD:250nMの固定化タンパク質。A及びB:トロンビンアプタマー配列番号1の結合、並びにC及びD:そのスクランブル対照配列の結合。ビオチン化トロンビンアプタマーを使用したが、このビオチン部分が検出に役立つ。結合したビオチンの量は、ニュートラアビジン−POD及びTMB/H2O2反応によって定量した。
図5は、固定化トロンビンアプタマー(配列番号1)に対するETA−AB(SP4122P)の結合を示す。固定化のためのトロンビンアプタマーは、A:1μM、B:0.1μM。検出には、二次抗ウサギIgG−POD抗体(1:10.000)及びTMB/H2O2反応を用いた。非コーティングプレート及びニュートラアビジンコーティングプレートを対照として用いた(ニュートラアビジン=NA)。
図6は、固定化トロンビンアプタマー(配列番号1)及び対照としての固定化スクランブルトロンビンアプタマーに対するETA−AB(SP4122P)の結合を示す。
図7は、トロンビンアプタマーカラム及び対応する対照実験(対照カラム)からの溶出後の、結合したETA−ABの回収を示す。ETA−AB活性をバイオアッセイで測定した。
図8は、ELISA試験における、添加を行った血清からのETA−ABの回収を示す。A:溶出液サンプル透析)と同等に処理したETA−AB標準曲線を示す。B:トロンビンアプタマーカラム(ARC183カラム)及び対応する対照カラム(スクランブルトロンビンアプタマー)からの溶出後の通過画分、洗浄溶液及び溶出液中で回収されたETA−ABの量を示す。検出には、抗ウサギ−IgG−POD抗体(1:10,000)及びTMB/H2O2検出を用いた。
図9は、自発的に拍動する新生ラット心筋細胞のバイオアッセイを用いた、5’−FITC標識トロンビンアプタマーのAAB中和能試験を示す。β1−受容体AABにより生じた拍動数の増加は、100nM FITC−トロンビンアプタマーが存在した場合には約50%低下した。バーは独立した2回の試験(n=2)の平均である。
図10は、トロンビンアプタマー//FITC−トロンビンアプタマーサンドイッチアッセイを用いた、患者サンプルのETA−AABの検出を示す。対照として、対照IgGサンプル及びスクランブルトロンビンアプタマーを用いた。データは1回の試験から得たものである(FITC−throm−a=FITC−トロンビン−アプタマー、throm−apta=トロンビン−アプタマー)。
図11は、自発的に拍動する新生児心筋細胞のバイオアッセイで測定した、100nM dT−トロンビンアプタマーによる、AAB活性(β1−受容体 AAB、α1+β2−受容体AAB、アフィニティー精製β2−受容体AAB、各AAB n=1)の中和を示す。
図12は、自発的に拍動するラット心筋細胞のバイオアッセイにおける、β1−受容体AABの正の変時活性を中和する原型15マー配列(ARC183、配列番号1)及び26マー配列(NU172、配列番号2)と比較した、末端切断型トロンビンアプタマー配列(12マー配列、配列番号3、Throm K1)の機能性の試験を示す。

0012

本発明において、用語「アプタマー」は、配列番号1、配列番号2、配列番号3の核酸配列、及び/又は配列番号1、2及び3のうち1つと少なくとも80%同一である核酸配列を含む、又はからなり、かつ、特定の標的分子と、例えば、アドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1 ETA受容体、ムスカリン性M2受容体、アンギオテンシンII AT1受容体
、及び/又はPAR受容体などのようなGタンパク質共役受容体に向けられた自己抗体と特異的にかつ高親和性で結合することができるオリゴヌクレオチドを意味する。

0013

本発明のアプタマーは、核酸分子、すなわちヌクレオチド、の配列を含む、又はからなる。本発明のアプタマーは好ましくは、非修飾及び/又は修飾D−ヌクレオチド及び/又はL−ヌクレオチドを含む。核酸塩基の一般的な一文字コードによれば、「C」はシトシンを表し、「A」はアデニンを表し、「G」はグアニンを表し、そして「T」はチミンを表し、また、「U」はウラシルを表す。以下、そうではないことが示されない限り、用語「ヌクレオチド」は、リボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドを意味するものとする。用語「2’−フルオロ修飾ヌクレオチド」、「2’−メトキシ修飾ヌクレオチド」、及び/又は「2−アミノ修飾ヌクレオチド」はそれぞれ、修飾リボヌクレオチド及び修飾デオキシリボヌクレオチドを意味する。

0014

アプタマーは、そのアプタマーが、それぞれ配列番号1、2又は3のヌクレオチド配列に対して、配列番号1、2又は3の全長にわたって少なくとも80%の配列同一性を示すヌクレオチドの連続配列を含む場合に、配列番号1、2及び3のうち1つと少なくとも80%同一である核酸配列からなる、又は含むとみなされる。配列同一性を決定するための手段は当技術分野で周知であり、例えば、アルゴリズムblastnの使用を含み得る。

0015

本発明のアプタマーは、≧15ヌクレオチド〜≦160ヌクレオチド、好ましくは、≧15ヌクレオチド〜≦120ヌクレオチドの核酸配列を含み得る。

0016

本発明のアプタマーは、DNAヌクレオチド配列又はRNAヌクレオチド配列を含み得るか、又はからなり得、従って、それぞれDNAアプタマー又はRNAアプタマーと呼ぶことができる。本発明を通じて明示される配列モチーフ内で、本発明のアプタマーがRNAヌクレオチド配列を含む場合、チミンはウラシルに置き換わると理解される。本発明のRNAヌクレオチド配列は、TがUに置き換わっていること以外は、本発明のDNAヌクレオチド配列と同じである。本発明を通じて簡潔にするために、明確なDNAヌクレオチド配列だけを記載している。しかしながら、それぞれのRNAヌクレオチド配列も本発明に含まれると理解される。

0017

DNAアプタマーの使用が特に好ましい。DNAアプタマーは通常、血漿中でRNAアプタマーよりも安定である。

0018

本発明のアプタマーは、2’修飾ヌクレオチド、例えば、2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−メトキシ修飾ヌクレオチド及び/又は2’−アミノ修飾ヌクレオチドを含有するヌクレオチド配列を含み得る。本発明のアプタマーはまた、デオキシリボヌクレオチド、修飾デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び/又は修飾リボヌクレオチドの混合物も含み得る。

0019

本発明のアプタマーは、修飾を含み得る。このような修飾は、例えば、少なくとも1つのヌクレオチドのアルキル化、すなわち、メチル化アリール化又はアセチル化鏡像異性体包含及び/又はアプタマーと1以上の他のヌクレオチド又は核酸配列との融合を包含する。このような修飾は、例えば、5’−CAP修飾及び/若しくは3’−CAP修飾、又は5’−PEG構造及び/若しくは3’−PEG構造を含み得る。代わりに、又は加えて、本発明のアプタマーは、修飾ヌクレオチド、好ましくは、ロックド(locked)核酸、2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−メトキシ修飾ヌクレオチド及び/又は2’−アミノ修飾ヌクレオチドから選択されるものを含み得る。

0020

ロックド核酸(locked-nucleic acids)(LNA)は、コンフォメーションが固定された各RNAヌクレオチドの類似体を表す。ロックド核酸のオリゴヌクレオチドは、2’−OH基メチレン基を介してC4−炭素原子に連結されている1以上の二環式リボヌクレオシドを含む。ロックド核酸は、ヌクレアーゼに対し、各非修飾RNAアプタマー対応物に比べて安定性の向上を示す。また、ハイブリダイゼーション特性も改良され、これにより、アプタマーの親和性及び特異性の増強が可能となる。

0021

もう1つの好ましい修飾は、前記アプタマーの3’末端及び/又は5’末端への、いわゆる3’−CAP構造、5’−CAP構造、及び/又は修飾グアノシンヌクレオチド(例えば、7−メチルグアノシン)の付加である。このような3’末端及び/又は5’末端の修飾は、ヌクレアーゼによる急速な分解からアプタマーを保護する効果を持つ。

0022

代わりに、又は加えて、本発明のアプタマーは、ペグ化された5’末端及び/又は3’末端を呈することができる。5’−PEG修飾及び/又は3’−PEG修飾は、少なくとも1つのポリエチレングリコール(PEG)単位の付加を含み、好ましくは、このPEG基は、1〜900個のエチレン基、より好ましくは、1〜450個のエチレン基を含む。好ましい実施形態では、アプタマーは、HO−(CH2CH2O)n−H(式中、nは1〜
900の整数であり、好ましくは、nは1〜450の整数である)を有する直鎖PEG単位を含む。

0023

本発明のアプタマーは、ホスホチオエート主鎖を有する核酸配列を含み得るか、若しくはからなることができ、又は全部が又は一部がペプチド核酸(PNA)として構成されてもよい。

0024

本発明のアプタマーを上述の方法のうち1以上によって修飾する1つの利点は、アプタマーが使用される環境に存在する、例えばヌクレアーゼのような有害な影響に対して、アプタマーを安定化させることができるということである。前記修飾はまた、アプタマーの薬理特性を適合させるためにも適している。前記修飾はアプタマーの親和性又は特異性を変化させないことが好ましい。

0025

本発明のアプタマーはまた、担体分子及び/又はリポーター分子コンジュゲートさせてもよい。担体分子は、アプタマーとコンジュゲートされた際に、例えば、安定性を増強することにより、かつ/又は排泄速度に影響を与えることにより、コンジュゲートされたアプタマーのヒト血漿中での血漿半減期延長するこのような分子を含む。好適な担体分子の一例としてPEGがある。リポーター分子は、コンジュゲートされたアプタマーの検出を可能とする分子を含む。このようなリポーター分子の例として、GFP、ビオチン、コレステロール、例えば蛍光色素のような色素電気化学的に活性なリポーター分子及び/又は放射性残基、特に、例えば18F、11C、13N、15O、82Rb又は68GaのようなPET(陽電子放射型断層撮影法)検出に好適な放射性核種を含む化合物がある。当業者は、好適な担体及びリポーター分子並びにそれらを本発明のアプタマーにコンジュゲートさせる方法を十分認識している。

0026

本発明のアプタマーは、抗体の促進効果又は遮断効果を阻害する。本発明において、用語「抗体」は、例えば、自己抗体、特に、例えば、アドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1 ETA受容体、ムスカリン性M2受容体、アンギオテンシンII AT1受容体、及び/又
はPAR受容体のようなGタンパク質共役受容体に特異的な自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患に罹患している患者の自己抗体を含む天然抗体、及び修飾された又は遺伝子操作された抗体を意味する。自己抗体は、個体の免疫系によって製造された、その個体自身の1以上のタンパク質に向けられた抗体である。しかしながら、抗体という用語は、従来の重鎖及び軽鎖構造を有する抗体に限定されない。本明細書において用語「抗体」は、技術分野で認知された用語であり、所与の抗原と結合する分子又は分子の活性フラグメントを意味すると理解され、特に、この用語は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原と特異的に結合する結合部位を含む分子を意味する。免疫グロブリンは、免疫グロブリンκ及びλ、α、γ、δ、ε及びμ定常領域遺伝子、並びに無数免疫グロブリン可変領域遺伝子によって実質的にコードされている1以上のポリペプチドを含むタンパク質である。軽鎖はκ又はλのいずれかに分類される。重鎖はγ、μ、α、δ、又はεに分類され、そしてこれが、それぞれ免疫グロブリンクラスIgG、IgMIgAIgD及びIgEを定義する。また、重鎖のサブクラスも知られている。例えば、ヒトのIgG重鎖は、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4サブクラスのいずれかであり得る。抗体は好ましくは、IgM及び/又はIgGクラス又はこれらのいずれかのサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)であり得る。

0027

「抗体」は、本発明の範囲内で、自己抗体、モノクローナル抗体ポリクローナル抗体キメラ抗体一本鎖抗体二重特異性抗体サル化、ヒト及びヒト化抗体、並びにこれらの活性フラグメントを含むものとする。既知の抗原と結合する分子の活性フラグメントの例としては、分離された軽鎖及び重鎖、Fab、Fab/c、Fv、Fab’、及びF(ab’)2フラグメントが挙げられ、Fab免疫グロブリン発現ライブラリーの産物、並びに上述の抗体及びフラグメントのいずれかのエピトープ結合フラグメントが含まれる。

0028

本発明のアプタマーは、自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用される。本発明において用いる場合、用語「自己免疫疾患」は、自己免疫疾患、特に、ヒトにおける自己免疫疾患を意味し、前記自己免疫疾患は、Gタンパク質共役受容体に特異的な自己抗体の存在に関連する。前記自己抗体は好ましくは自己免疫疾患の病因に関与する可能性があり、従って、前記自己免疫疾患に罹患している患者の血清中に存在する可能性がある。より好ましくは、自己免疫疾患は、患者の血清における、アドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1
ETA受容体、ムスカリン性M2受容体、アンギオテンシンII AT1受容体、及び
/又はPAR受容体に特異的な自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患である。いっそうより好ましくは、自己免疫疾患は、心筋症、拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害、良性前立腺肥大、硬皮症、乾癬、レイノー症候群、子癇前症、腎臓同種移植片拒絶、心筋炎、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である。最も好ましくは、用語「自己免疫疾患」は、自己免疫疾患である拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、腎臓同種移植片拒絶、レイノー症候群及び/又はアルツハイマー病を意味する。

0029

本発明のアプタマーの製造又は大量生産は当技術分野で周知であり、単に慣例の作業に
過ぎない。

0030

本発明はまた、本発明の少なくとも1種のアプタマーと所望により少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含む医薬組成物も対象とする。本発明はまた、本発明のアプタマー又は本発明の異なるアプタマーの混合物と例えば好適な担体又は希釈剤のような薬学上許容される賦形剤とを含む医薬組成物も対象とする。

0031

好ましくは、本発明のアプタマーは、医薬組成物の有効成分を構成し、且つ/又は有効量で存在する。

0032

用語「有効量」は、疾患又は病態に予防上、診断上又は治療上適切な効果を有する本発明のアプタマーの量を表す。予防効果は疾患の発症を予防する。治療上適切な効果は、疾患の1以上の症状をある程度軽減するか、又は疾患若しくは病態と関連のある、若しくは原因となる1以上の生理学的又は生化学的パラメーターを部分的に若しくは完全に正常に戻す。本発明のアプタマーを投与するための個々の量は、所望の予防、診断又は治療効果を達成するために十分に高いものである。当業者ならば、任意の特定の哺乳動物に対する具体的な用量レベル、投与の頻度及び期間は、使用する具体的成分の活性、齢、体重、健康状態、性、食餌、投与時間、投与経路、薬物の組合せ、及び具体的療法の重篤度(the severity of the specific therapy)を含む様々な要因によって決まることが理解されるであろう。当業者ならば、周知の手段及び方法を用い、慣例の実験の一事項として正確な量を決定することができる。

0033

本発明の医薬組成物では、総アプタマー含量の少なくとも20%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも95%が本発明のアプタマーから構成される。

0034

療法に使用する場合、医薬組成物は一般に1種以上の薬学上許容される賦形剤を伴う製剤として投与される。用語「賦形剤」は、本明細書では、本発明のアプタマー以外の任意の成分を表して用いられる。賦形剤の選択は、特定の投与様式に依存するところが大きい。賦形剤は好適な担体及び/又は希釈剤であり得る。

0035

本発明の医薬組成物は、経口投与することができる。経口投与は嚥下を含んでよく、その場合には前記組成物消化管入り、或いは頬側又は舌下投与を用いてもよく、これによれば前記組成物は口腔から直接血流に入る。

0036

経口投与に好適な製剤としては、錠剤コーティング錠粒子液体又は粉末を含有するカプセル剤トローチ剤液体充填型を含む);及び咀嚼剤などの固体製剤;多粒子及びナノ粒子ゲル固溶体リポソームフィルム膣坐剤噴霧剤及び液体製剤が含まれる。

0037

液体製剤としては、懸濁液、溶液シロップ剤及びエリキシル剤が含まれる。このような製剤は軟カプセル又は硬カプセル中の充填剤として用いてもよく、一般に担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールメチルセルロース、又は好適なオイル、及び1種以上の乳化剤及び/又は沈殿防止剤を含む。液体製剤はまた、例えばサシェ剤からの固体再構成によって調製することもできる。

0038

錠剤投与形の場合、用量に応じ、本発明のアプタマーは投与形の0.1質量%〜80質量%、より一般には投与形の5質量%〜60質量%を構成し得る。本発明のアプタマーに加え、錠剤は一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例としては、グリコール酸ナトリウムデンプンカルボキシメチルセルロースナトリウムカルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、クロスカルメロースナトリウムクロスポビドンポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微晶質セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は投与形の1質量%〜25質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含む。

0039

錠剤は、例えば、結合剤界面活性剤滑沢剤、及び/又は例えば、抗酸化剤着色剤香味剤保存剤及び/又は矯味剤のような他の可能性のある成分といった付加的賦形剤を含んでもよい。

0040

錠剤ブレンド直接打錠してもよく、又はローラーにより錠剤を形成してもよい。或いは、錠剤ブレンド又はブレンドの一部を、打錠前に湿式造粒乾式造粒溶融造粒溶融凝固、又は押出成形してもよい。最終的な製剤は1以上の層を含んでよく、コーティングしてもコーティングしなくてもよく、それを更にカプセル封入してもよい。

0041

経口投与用固体製剤は、即時放出及び/又は調節放出されるように調剤することができる。調節放出製剤としては、遅延放出持続放出パルス放出制御放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。

0042

本発明の医薬組成物はまた、血流中、筋肉中、又は内部器官中に直接投与してもよい。非経口投与のための好適な手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下が含まれる。非経口投与のために好適なデバイスとしては、有針(マイクロニードルを含む)注射器無針注射器及び注入技術が含まれる。

0043

非経口製剤は一般に、塩、炭水化物及び緩衝剤(好ましくは、3〜9のpHに緩衝)などの賦形剤を含有し得る水溶液であるが、適用によっては、それらは無菌非水溶液として、又は無菌発熱物質含水などの好適なビヒクルとともに使用される乾燥形態として調剤することがより好適である場合がある。

0044

例えば凍結乾燥によるなど、無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準製薬技術を用いて容易に達成することができる。

0045

非経口溶液の調製に使用する本発明の医薬組成物の溶解度は、溶解促進剤の配合などの適当な調剤技術の使用によって増大させることができる。

0046

非経口投与用の製剤は、即時放出及び/又は調節放出されるように調剤することができる。調節放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。従って、本発明の化合物は、有効化合物の調節放出を提供するインプラントデポーとして投与するための固体、半固体、又はチクソトロピー液体として調剤してもよい。このような製剤の例としては、薬物コーティングステント及びPGLAポリ(dl−乳酸コグリコール)酸(PGLA)マイクロスフェアが含まれる。

0047

本発明の医薬組成物はまた、皮膚又は粘膜局所的に、すなわち、皮膚に又は経皮的に投与してもよい。この目的に典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲルローション、溶液、クリーム軟膏撒布粉剤包帯フォーム、フィルム、皮膚パッチウエハース、インプラント、スポンジ、繊維、帯具及びマイクロエマルションが含まれる。リポソームもまた使用可能である。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油流動ワセリン白色ワセリングリセリン、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールが含まれる。浸透促進剤を配合してもよい。局所投与の他の手段としては、エレクトロポレーションによる送達イオン導入法(iontophoresis)、音波導入法(phonophoresis)、超音波導入
法(sonophoresis)及びマイクロニードル又は無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)注射が含まれる。局所投与用製剤は、即時放出及び/又は調節放出されるように調剤することができる。調節放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。

0048

ヒト患者への投与に関して、本発明のアプタマー及び/又は本発明の医薬組成物の総一日用量は、もちろん投与様式に応じて、一般に0.001mg〜5000mgの範囲である。例えば、静脈内一日用量は0.001mg〜40mgを必要とするだけである。総一日用量は単回用量で投与しても分割用量で投与してもよく、医師の判断で本明細書に示される典型的範囲から外れてもよい。

0049

これらの用量は約65kg〜70kgの体重を有する平均的なヒト被験者に基づくものである。医師は、小児及び高齢者など、体重がこの範囲外にある被験者に対する用量を容易に決定することができる。

0050

本発明はまた、本発明のアプタマー、医薬組成物、容器及び所望により使用説明書及び/又は投与手段を含むキットを包含する。

0051

本発明のアプタマー、医薬組成物及び/又はキットは、自己免疫疾患、特に、ヒトにおける自己免疫疾患の治療及び/又は診断において使用される。好ましくは、自己免疫疾患は、Gタンパク質共役受容体に特異的な自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患であり、この場合、自己抗体は前記自己免疫疾患に罹患している患者の血清中に存在する。より好ましくは、自己免疫疾患は、患者の血清におけるアドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1 ETA受容体、ムスカリン性M2受容体、アンギオテンシンII AT1受容体、及び/又は
PAR受容体に特異的な自己抗体の存在に関連する自己免疫疾患である。いっそうより好ましくは、自己免疫疾患は、心筋症、拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害、良性前立腺肥大、硬皮症、乾癬、レイノー症候群、子癇前症、腎臓同種移植片拒絶、心筋炎、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である。最も好ましくは、用語「自己免疫疾患」は、自己免疫疾患である拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、腎臓同種移植片拒絶、レイノー症候群及び/又はアルツハイマー病を意味する。

0052

本明細書において、用語「療法」、「治療」及び「治療上」は、治療する行為を意味し、「治療する」は以下に定義される。本明細書において、用語「治療する」は、この用語を適用する疾患、障害若しくは病態の進行を逆転させること、緩和すること、若しくは阻害すること、又はそのような疾患、障害若しくは病態の1以上の症状の進行を逆転させること、緩和すること、若しくは阻害することを意味する。本明細書において、「治療する」とはまた、哺乳動物における疾患、障害又は病態の発生の確率又は罹患率を、未治療対象集団と比較して、又は治療前の同じ哺乳動物と比較して低減することも意味し得る。例えば、本明細書において、「治療する」とは、疾患、障害又は病態を予防することを意味する場合もあり、疾患、障害若しくは病態の発症を遅延させる、若しくは予防すること、又は疾病、障害若しくは病態に関連する症状を遅延させる、若しくは予防することも含み得る。本明細書において、「治療する」とはまた、疾患、障害若しくは病態、又はそのような疾患、障害若しくは病態に関連する症状の重篤度を、哺乳動物がその疾患、障害又は病態に罹患する前に軽減することも意味し得る。このような、罹患前の疾患、障害若しくは病態の予防、又はその重篤度の軽減は、投与時にその疾患、障害又は病態に罹患していない被験体に、本明細書に記載されるように、本発明の組成物を投与することに関する
。本明細書において、「治療する」とはまた、疾患、障害若しくは病態、又はそのような疾患、障害若しくは病態に関連する1以上の症状の再発を予防することも意味し得る。

0053

疾患の治療及び/又は診断に関して、投与経路に関係なく、本発明のアプタマーは、1回治療サイクルにつき20mg/kg体重以下、好ましくは10mg/kg体重以下、より好ましくは1μg/kg〜20mg/kg体重の範囲から選択される、最も好ましくは0.01〜10mg/kg体重の範囲から選択される一日用量で投与される。

0054

本発明はまた、自己免疫疾患の治療及び/又は診断のための薬剤の製造における、本発明のアプタマー又は本発明の医薬組成物の使用を対象とする。好ましくは、自己免疫疾患は、心筋症、拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害、良性前立腺肥大、硬皮症、乾癬、レイノー症候群、子癇前症、腎臓同種移植片拒絶、心筋炎、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である。いっそうより好ましくは、用語「自己免疫疾患」は、自己免疫疾患である拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、腎臓同種移植片拒絶、レイノー症候群及び/又はアルツハイマー病を意味する。

0055

別の態様において、本発明は、自己免疫疾患の治療又は診断方法を対象とし、そのような治療を必要とする個体に有効量の本発明のアプタマー又は本発明の医薬組成物が投与される。好ましくは、自己免疫疾患は、心筋症、拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害、良性前立腺肥大、硬皮症、乾癬、レイノー症候群、子癇前症、腎臓同種移植片拒絶、心筋炎、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である。いっそうより好ましくは、用語「自己免疫疾患」は、自己免疫疾患である拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、腎臓同種移植片拒絶、レイノー症候群及び/又はアルツハイマー病を意味する。

0056

本発明のアプタマーは、自己免疫疾患の治療又は診断に使用される場合、必ずしも個体又は患者に投与される必要はない。治療効果又は診断効果はまた、身体又は体液からの、例えば自己抗体のような抗体の除去に本発明のアプタマーを使用することによって達成することもできる。このような除去は、本発明のアプタマーがex vivoにおいて、例えば、免疫吸着及び/又はアフェレシス中にのみ体液と接触され、従って、本発明のアプタマーが治療を受ける個体又は患者の身体に入らない状態での本発明のアプタマーの適用を含み得る。よって、本発明はまた、本発明のアプタマーを含むアフェレシスカラムも対象とする。

0057

アフェレシスは、ドナー又は患者の血液を、ある特定の構成要素を分離し、残りのものをそのドナー又は患者の循環に再び戻すような装置に通すという医療技術である。本発明のアプタマーは、アフェレシスの際の選択性成分として使用することができる。この選択性成分は、サンプル又は血液中に存在する、本発明のアプタマーによって特異的に標的とされる所望の特定構成要素、すなわち、抗体又は自己抗体を特異的に分離することを担う。好ましくは、本発明のアプタマーは、自己免疫疾患に罹患している患者に由来する血液又はその一部の治療的アフェレシスにおいて選択性成分として使用される。より好ましくは、自己免疫疾患は、心筋症、拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害、良性前立腺肥大、硬皮症、乾癬、レイノー症候群、子癇前症、腎臓同種移植片拒絶、心筋炎、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、及び/又はアルハイ
ー病である。いっそうより好ましくは、用語「自己免疫疾患」は、自己免疫疾患である拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、腎臓同種移植片拒絶、レイノー症候群及び/又はアルツハイマー病を意味する。

0058

本発明はまた、本発明のアプタマーと固相支持体との結合体に関する。当業者は、このようなアプタマーと固相支持体との結合体を製造するために使用可能な技術及び材料を十分認識している。好ましい実施形態では、固相支持体は、医学的、生化学的又は生物学的アッセイにおいて適用可能な固相材料、例えば、アフェレシス又はELISAアッセイにおいて使用される材料を含む。前記固相材料は、医学的、生化学的又は生物学的アッセイにおいて支持体として通常使用されるポリマーを含む。特に、本発明のアプタマーは、得られる生成物が、アフェレシスに好適なカラム、好ましくは、液体サンプル、好ましくは体液から、本発明のアプタマーが特異的に結合し得る抗体を除去するためのアフェレシスでの使用に好適なカラムの製造に使用可能となるような固相支持体に結合させることができる。

0059

さらなる態様において、本発明は、Gタンパク質共役受容体、好ましくは、Gタンパク質共役受容体であるアドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1 ETA受容体、ムスカリン性M2
受容体、アンギオテンシンII AT1受容体、及び/又はPAR受容体に特異的である、例えば自己抗体のような抗体の生体外検出及び/又は同定のための本発明のアプタマーの使用を対象とする。

0060

このような使用は、有効量の本発明のアプタマーの存在下及び不在下でのラット心筋細胞拍動数アッセイにおけるサンプルの試験を含み得る。サンプルと本発明のアプタマーが拍動数に及ぼす影響によって、当業者は個々の抗体の存在を結論付けることができる。また、サンプル中のこのような抗体の総量又は相対量に関するデータとともに、このような抗体の他の特性に関するデータも得ることができる。

0061

いわゆるラット心筋細胞拍動数アッセイは、患者に由来する、例えば、ヒトアドレナリン作動性α−1受容体、アドレナリン作動性β−1受容体、アドレナリン作動性β−2受容体、エンドセリン1 ETA受容体、ムスカリン性M2受容体、アンギオテンシンII
AT1受容体、及び/又はPAR受容体のような、いくつかのヒトGタンパク質共役受容体に特異的な抗体、例えば、自己抗体の検出及び同定のための、十分に確立されたアッセイである。このアッセイは、Wallukat et al. (1987) Effects of the serum gamma globulin fraction of patients with allergic asthma and dilated cardiomyopathy on chromotropic beta adrenoceptor function in cultured neonatal rat heart myocytes, Biomed. Biochim. Acta 46, 634-639; Wallukat et al. (1988) Cultivated cardiac muscle cells - a functional test system for the detection of autoantibodies against
the beta adrenergic receptor, Acta Histochem. Suppl. 35, 145-149;及びWallukat et al. (2010) Distinct patterns of autoantibodies against G-protein coupled receptors in Chagas' cardiomyopathy and megacolon. Their potential impact for early risk assessment in asymptomatic Chagas' patients, J. Am. Coll. Cardiol. 55, 463-468に詳細に記載されている。よって、当業者はこのアッセイの性質を十分認識し、その適用方法を知っている。

0062

本発明のアプタマーは、特に個々の抗体の検出及び/又は同定に使用することができ、前記抗体は、体液、好ましくは、ヒト身体の液体、より好ましくは、ヒト血液、血漿、血清、尿、糞便滑液間質液リンパ液唾液髄液及び/又は涙液中に存在するか、又はそれらに由来する。好ましい実施形態では、体液は、自己免疫疾患に罹患している
、又は罹患している疑いのある個体から採取される。好ましくは、自己免疫疾患は、心筋症、拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、特発性心筋症、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、シャーガス巨大食道、シャーガス神経障害、良性前立腺肥大、硬皮症、乾癬、レイノー症候群、子癇前症、腎臓同種移植片拒絶、心筋炎、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、及び/又はアルツハイマー病である。いっそうより好ましくは、用語「自己免疫疾患」は、自己免疫疾患である拡張型心筋症(DCM)、周産期心筋症(PPCM)、シャーガス心筋症、シャーガス巨大結腸、緑内障、高血圧症、肺高血圧症、悪性高血圧症、腎臓同種移植片拒絶、レイノー症候群及び/又はアルツハイマー病を意味する。

0063

このような抗体の検出及び/又は同定に関して、本発明のアプタマーは溶液中で又は固定化形態で使用可能である。

0064

本発明のアプタマーは、前記抗体の直接的又は間接的検出及び/又は同定に使用可能である。

0065

以下、例を挙げて本発明を更に説明し、例示する。

0066

概要
それぞれ配列番号1及び2を有する核酸配列からなるアプタマーは、Gタンパク質共役受容体を標的とする自己抗体に対して親和性があり、且つ、特異的な結合剤である。前記アプタマーは、AAB(自己抗体)機能を可溶状態で中和することができる。表面に固定化されたアプタマーはAABを捕捉することができる。その後溶出を行えば、捕捉されたAABを除去することができる。

0067

従って、本発明のアプタマーは、Gタンパク質共役受容体に対して機能的に活性なAABに関連する疾患の治療のために、治療目的及び診断目的で適当な分子であることが示された。

0068

材料及び方法
心筋細胞の調製及び培養
1〜3日齢のラットの心臓を無菌条件下で摘出し、ペニシリンストレプトマイシンを含有するリン酸緩衝生理食塩水PBS)に移した。心室組織を分離し、細片に切断し、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有する10mlのPBSで2回洗浄し、最後にPBSのみで1回洗浄した。これらの心室細片を、0.2%トリプシンを含有する30mlのPBSに懸濁させた。37℃で20分間インキュベートした後、このトリプシン処理を10mlの氷冷した熱不活化仔ウシ血清で停止させた。得られた懸濁液を130xgで6分間遠心分離し、ペレットを20mlのSM20−I培地に移した。細胞数の評価のため、100μlのこの懸濁液を100μlのトリパンブルー溶液に加えた。細胞培養のため、2.4×106細胞を、加湿空気平衡化し10%熱不活化仔ウシ血清、0.1mUイン
スリン、及び2μMフルオロデオキシウリジン非筋細胞による筋細胞肥大を防ぐ)を添加したグルコース含有SM20−I培地2.5mlに懸濁させ、12.5cm2のファ
ルコフラスコに移し、単層として37℃で4日間培養した。培地を2日後に更新した。

0069

バイオアッセイの原理
AABの同定及び定量のため、最初にWallukat and Wollenberger (Wallukat G, Wollenberger A. Effects of the serum gamma globulin fraction of patients with allergic asthma and dilated cardiomyopathy on chromotropic beta adrenoceptor function in cultured neonatal rat heart myocytes. Biomed Biochim Acta 1987;46:S634-9)によ
ってGタンパク質共役受容体に対するAABの測定のために確立され、最近、本発明者らが慢性シャーガス病においてアドレナリン作動性β1及びβ2受容体並びにムスカリン作動性M2受容体に対するAABの測定に関して詳細に記載した(Wallukat G, Munoz Saravia SG, Haberland A, Bartel S, Araujo R, Valda G, Duchen D, Diaz Ramirez I, Borges AC, Schimke I. Distinct patterns of autoantibodies against G-protein-coupled receptors in Chagas' cardiomyopathy and megacolon. Their potential impact for early risk assessment in asymptomatic Chagas' patients. J Am Coll Cardiol. 2010;55:463-8)バイオアッセイを用いた。

0070

このバイオアッセイにおいて、自発的に拍動する培養新生ラット心筋細胞の変時応答を記録した。なお、前記変時応答は、アドレナリン作動性β1及びβ2受容体又はアドレナリン作動性α1受容体を標的とするものなどのAABを刺激することによって生じる正の変時性と、ムスカリン作動性M2受容体又はエンドセリン受容体A型(ETA受容体)を標的とするものなどのAABを阻害することによって生じる負の変時性の和である(1単位のAAB活性=1拍/分の拍動数変化)。

0071

AAB種を変時応答(正又は負の変時性)への寄与に関して区別するために、β2受容体AABに対するICI−118.551、M2−AABに対するアトロピン、β1/β2受容体AABに対するプロプラノロール、ETA受容体に対するBQ610又はBQ123、α1アドレナリン受容体に対するプラゾシン、及びAT1受容体に対するイベサルタン(Ibesartan)又はロサルタンなどの特異的拮抗剤の存在下で分析を行った。特異的に
遮断された一度を除く残りの活性変化はAABにより生じたものである。

0072

上記に示した種々の受容体AABのさらなる同定は、前記受容体の細胞外ループに相当するAABエピトープ提示ペプチドを使用することで行った。

0073

前記バイオアッセイは、全てのヒト血清AAB、及びその配列がヒト受容体と相同であり(AAB標的化の場合)、且つGタンパク質系などの細胞の拍動数(収縮性、変時性)を調節する機構に関連する細胞表面の受容体を標的とする他の分子を検出及び定量することができる。

0074

AABの同定及び区別並びにAAB活性の測定のための血清サンプルの調製
1mlの対照及び患者血清と660μlの飽和硫酸アンモニウム溶液を混合し(終濃度40%硫酸アンモニウム)、4℃で18時間インキュベートした。6,000xgで15分間遠心分離した後、ペレットを750μlのPBSに再懸濁させ、750μlの飽和硫酸アンモニウム溶液と混合し(終濃度50%硫酸アンモニウム)、再び遠心分離した。この後、ペレットを700μlのPBSに懸濁させ、100倍容量のPBSに対して透析した。得られたIgG画分は測定まで−20℃で保存することができる。

0075

結果
特異的アプタマーによる、Gタンパク質共役受容体に対する種々のAABのAAB機能の阻害
以下では、抗体(患者血清由来の自己抗体)の活性の、アプタマー配列番号1(トロンビンアプタマー配列番号1又はARC183としても知られる、米国特許第5,543,293号明細書に記載)による、及びアプタマー配列番号2(トロンビンアプタマー配列番号2、又はARC2172若しくはNU172としても知られる、国際出願公開第2007/025049号に記載)による中和を検討した(表1)。

0076

この実施において以下の抗体(自己抗体=AAB):アドレナリン作動性α1受容体AAB、アドレナリン作動性β1受容体AAB、β2受容体AAB、ムスカリン性M2受容
体AAB、エンドセリン1 ETA受容体AAB(ETA−AAB)、アンギオテンシンII AT1受容体AAB、及びPAR受容体AABを検討した。

0077

このようなAABの存在は以下の病的状態:DCM、シャーガス心筋症、慢性シャーガス病、シャーガス巨大結腸、周産期心筋症、緑内障(Glaucom)、肺高血圧症、高血圧症、
悪性高血圧症(maligne hypertension)、糖尿病(diabetis mellitus)、アルツハイマー病
、腎臓同種移植片拒絶、レイノー症候群において記載されているが、同一又は類似のAABの媒体となり得る他の病的状態を排除するものではない。表1は、Gタンパク質共役受容体に向けられた全ての供試自己抗体の機能活性が、配列番号1を有するアプタマーを用いた場合に中和され、又は配列番号2を有するアプタマーを用いた場合には部分的に中和されたことを示す。

0078

0079

トロンビンアプタマーにより媒介されるAAB中和の用量反応曲線
以下では、単一トロンビンアプタマー−インキュベーションの用量反応曲線を評価した(図1)。これを実施したところ、Gタンパク質共役受容体に対するヒトAABが中和さ
れただけでなく、SHRラットの血液に由来するβ1受容体AABも中和された。実際に、β1受容体の第1又は第2ループに対するヒトAAB、AT1受容体及びアドレナリン作動性α1受容体に対するAABが中和された。ラットのβ1受容体AABは、自発的に形成されたAABである。

0080

これらの用量反応曲線は若干の違いを示すことが明らかになった。この中和効果はヒトα1受容体AABで最も有効であり、ラットβ1受容体AABでは最小の効果を示した。AAB濃度がIgG画分の0.1%前後であると考えると(Dr.Wallukatの私的情報)、種々のアプタマー濃度は終濃度約1.4nM AAB(通常のIgG濃度約10g/l=68.5μM、細胞培養培地中AABの希釈は1:50)となる。これにより、一般にAAB機能の完全な阻害には100nMのアプタマーが必要であるが、α1受容体AABなどのいくつかのAABでは、約1nMのアプタマー濃度で中和効果が始まるということが極めて論理的となる。

0081

競合するヒトIgG−3の存在下でのアプタマー−AAB親和性
ヒトIgGサブタイプに対するトロンビンアプタマー配列番号1の親和性を試験する前者の実験は、トロンビンアプタマー配列番号1がIgG−3、次いでIgG−4、IgG−2、及びIgG1に対して高い親和性を有することを示した。最後の3つのサブタイプ間の違いはわずかなものに過ぎず、サブタイプIgG−3に対する親和性が著しかった(データは示されていない)。

0082

ここで、AABに対するトロンビンアプタマー配列番号1の親和性が、IgG−3サブクラスに対するその一般的親和性に比べて高いかどうかを調べるために、以下の競合実験を行った:ヒト患者血清AAB(β1受容体AAB、第2ループ、1:50希釈)に対するトロンビンアプタマー配列番号1の用量反応曲線を求めるとともに、1つの実験セットにおいて、トロンビンアプタマーの結合に関してβ1受容体AABと競合可能な73nMのヒトIgG−3を加えた(図2)。特に低濃度のトロンビンアプタマー配列番号1(1、5、及び10nMトロンビンアプタマー)では(このIgG−3濃度は、トロンビンアプタマーに対して明らかにモル過剰である)、IgG−3が存在する場合でも存在しない場合でも、AAB中和効果間に違いは見られなかった。

0083

モデル自己抗体:受容体の第2の細胞外ループに対するウサギ抗ヒトエンドセリン受容体抗体(acris antibodies社、SP41222P)を用いたトロンビンアプタマーと自己抗体の間の結合の証明
1.バイオアッセイにおけるETA−AB機能試験及びトロンビンアプタマー配列番号1による中和
ヒトエンドセリン受容体の第2の細胞外ループに対してウサギエンドセリン受容体抗体(ETA−AB)を作製した。この抗体はバイオアッセイにおいて機能活性を示した。このETA−ABは、自発的に拍動する新生(neonatale)ラット心筋細胞の拍動数の減少を
引き起こした(図3)。100nMのトロンビンアプタマーを添加すると、このETA−ABの完全な中和が起こり、拍動数に変化が生じた(図3)。トロンビンアプタマー(配列番号1)を単独で新生(neonatale)ラット心筋細胞に添加しても、細胞に対して視覚
影響は無く、基本拍動数にも影響を及ぼさなかった(データは示されていない)。

0084

2.トロンビンアプタマー配列番号1とETA−ABの間の直接的結合の試験
2つの異なる試験設定のELISA試験において、トロンビンアプタマーとETA−ABの間の直接的結合を試験した。第1に、ETA−ABをELISAプレートに固定化し、そのトロンビンアプタマー配列番号1との結合能を試験した(図4)。第2の試験セットでは、トロンビンアプタマー配列番号1を固定化し、ETA−ABを結合に用いた(図5)。

0085

第1の試験セットでは、ELISAプレートへの固定化のために2種類の異なるタンパク質濃度を選択した:25nM(図4A)及び250nM(図4B)。対照として、同じ濃度のウサギIgG、ヒトIgGサブクラス(IgG−1、2、3及び4)と、非コーティングプラスチックプレートを用いた。さらなる対照をスクランブルトロンビンアプタマー配列とし、これを結合に用いた(図4C、D)。

0086

第2の試験セットでは、ETA−ABとトロンビンアプタマー配列番号1の間の結合を逆にして試験した。この場合には、ニュートラアビジンを予め固定化することにより、ELISAプレートにビオチン化トロンビンアプタマーを固定化した。その後、ETA−ABを結合に用いた(図5A、B)。

0087

図5Bと5Aの吸光度を比較すると、この与えられた試験では、0.1μMのトロンビンアプタマー(配列番号1)のコーティングで既に飽和に達していたことが示される。

0088

さらなる対照を、固定化スクランブルトロンビンアプタマーに対するETA−ABの結合とした(図6)。

0089

前記スクランブルトロンビンアプタマーに対するETA−ABの親和性は、トロンビンアプタマー(配列番号1)を結合に用いた場合に達成された親和性の約50%であった。

0090

血清からAABを除去するためのトロンビンアプタマーカラム(Thombinaptamar-column)
1.ウサギETA−ABを添加したヒト血清
以下では、トロンビンアプタマーカラムを作製し、血清からAABを除去するために用いた。対照として、スクランブルトロンビンアプタマーを保持するカラムを用いた。

0091

アプタマー(トロンビンアプタマー配列番号1)及びスクランブル対照配列を、0.1μmolの濃度でカラム材料(NHS活性化セファロース、GE healthcare)に結合させた。

0092

第1の試験セットでは、バイオアッセイ(図7)によってETA−AB活性を測定するためだけでなく、ELISA(図8)によっても測定するための機会を得るために、血清にウサギETA−AB(50nM)を添加した。添加を行った血清を前記カラム及び対照カラムに適用した。通過画分を採取し、保存した。結合したETA−ABを、3M KSCN溶液を用いて溶出させた。溶出液中のAAB活性を測定する前に、サンプルを4℃で3日間、生理学的バッファーに対して透析した。

0093

バイオアッセイでは、2つの画分中に採取された溶出液を測定した(図7)。トロンビンアプタマーカラムは溶出後にETA−AB活性を示したが、対照カラムは示さなかった。主要なETA−AB画分は第2の溶出液画分に存在し、これは使用する用量によった。カラムの容量は500μlであったが、全ての取り扱い工程に250μlを選択した。

0094

カラムの通過画分又は溶出液中のETA−ABをELISAにおいて検出するために、ELISAのETA−AB標準曲線にも、溶出液サンプル材料と同等の透析手順を施さなければならなかった(図8A)。この標準的材料を用い、サンプルにETA−ABが存在するかどうかを調べた(図8B)。

0095

特異的トロンビンアプタマーカラムだけが、添加を行った対照血清からのETA−ABと結合することができ、スクランブル対照アプタマーはETA−ABと結合しなかったことが示される。ここでは、ETA−ABは通過画分に見られたが、特異的カラムでは、溶
出液画分がETA−ABを含んでいた。

0096

対照血清由来の結合したヒトIgGは二次抗体との交差反応を介してETA−ABの存在を模倣する可能性があるということを排除するために、血清(40%及び100%)をまたELISAプレートに適用した。交差反応の最大潜在量を測定したところ、特異的抗ウサギAB検出よりも小さかった。更に、独立した試験では、これらの溶出液は通過画分サンプルの1/10より少ないヒトIgGを含んでいたことが示され(データは示されていない)、二次抗体の交差反応性の大きな影響は排除された。

0097

2.ヒトAAB含有血清
第2の一連の試験では、トロンビンアプタマーカラムを血清AABの除去に用いた。対照として、スクランブルトロンビンアプタマーカラムを用いた。

0098

この目的で、250μlのETA−AAB及びα1受容体AAB含有血清をカラムに適用した。通過画分及び溶出液を捕捉させ、バイオアッセイを用いてAAB活性を評価した(表2)。溶出は3M KSCNで行った。サンプルを生理学的バッファーに対して3日間透析した後、AAB活性の測定を行った。

0099

0100

アプタマー−磁性ビーズにより血清をAABから精製するための、考えられるキット
トロンビンアプタマー−磁性ビーズにより血清をAABから精製するため、又はAABを濃縮するためのキット。

0101

0102

エキソヌクレアーゼ保護の導入
以下では、アプタマー配列番号1の機能活性に及ぼす3’−dTキャップの導入の影響を調べた。3’−dTキャップは、ヌクレオチド配列をエキソヌクレアーゼ活性から保護し、生物学的流体中でのその安定性を高めると考えられる。アプタマー機能に及ぼす3’−dTキャップの影響を調べるにあたって、DCM患者由来のβ1受容体AAB(2.ループ)及びアルツハイマー患者由来のβ2受容体AABを使用した(表4)。両AABの機能活性は、100nMの3’−dTキャップ修飾アプタマーとともにインキュベートした際に中和された。3’−キャップ修飾は、アプタマー配列番号1の機能活性に影響を及ぼさなかった。

0103

キャップ保護されたアプタマーはそれだけでは、新生児心筋細胞の基本拍動数に影響を及ぼさなかった。

0104

0105

AABの検出のためのFITC標識トロンビンアプタマー
血清AABの検出のための直接蛍光マーカー標識トロンビンアプタマーの使用
これらの試験の目的は、Gタンパク質共役受容体に対する自己抗体を標的とする直接標識アプタマーの生成であり、最終的にこのようなAABの検出に活用される。

0106

この目的で、トロンビンアプタマーの5’末端をFITCで標識した。

0107

第1の試験では、FITC標識トロンビンアプタマーが、その非標識型に比べて、自己抗体を中和する完全な機能/活性を示すかどうかを調べた。これを、バイオアッセイを用いて調べた。

0108

図9は、100nMの5’−FITC−トロンビンアプタマーの、β1受容体AABを中和する能力を示す。FITC標識はトロンビンアプタマーの活性を低下させたが、この100nMという選択濃度では、β1受容体AAB活性の50%がなお中和された。このアプタマー濃度では、AAB活性の部分的阻害が見られた。

0109

FITC標識トロンビンアプタマーは、同濃度の非標識アプタマーと比べた場合に、AAB活性の部分的阻害を示したことから、この標識トロンビンアプタマーをサンドイッチアッセイに使用することが可能な戦略であるかどうかを調べるために、この分子を採取した。このため、非標識ビオチン化トロンビンアプタマーを、ニュートラアビジンを介してELISAプレートに固定化してAABを捕捉するために用い、一方、FITC標識抗トロンビンアプタマーの方は、吸着されたAAB材料の検出の目的で用いることを想定した。

0110

サンプルを複数のウェルから取り出し、2つを1つにし(最終容量200μl)、300μlのPBSで希釈し、分光蛍光光度計RF−5001PC(島津、日本)を用い、励起波長及び蛍光波長をそれぞれ494nm及び519nmとして、相対的蛍光を測定した。

0111

図10から分かるように、対照IgGサンプルと比較して、患者サンプル(ETA−AABを含有するIgG画分)を検出することができた。スクランブルトロンビンアプタマーをさらなる対照として用いた場合にも、蛍光を示さなかった。

0112

トロンビンアプタマーの機能に対するdTキャップの影響
次の試験において、Gタンパク質共役受容体に対する自己抗体を中和するトロンビンアプタマー活性に影響を及ぼすことなくエキソヌクレアーゼ(exonulease)活性から保護するためにdTキャップなどの保護基を導入することが可能であるかどうかを調べた。dTキャップの導入は、Gタンパク質共役受容体に対するAABを中和するトロンビンアプタマー機能に影響を及ぼすことなく可能であった(図11).

0113

12マー配列を生じるトロンビンアプタマーの末端切断
次の試験セットにおいて、トロンビンアプタマーを末端切断してもGタンパク質共役受容体に対する自己抗体をなお中和することができる産物を生じるかどうかを調べた。

0114

これにより、トロンビンアプタマー(ARC183)の原型15マー配列は末端切断を受けて配列番号3を有する12マーの配列となり、これをThrom−K1と呼称した。この末端切断型配列を、バイオアッセイでそのAAB中和能に関して試験した(β1受容体AABに関して示した、図12)。

実施例

0115

この12マー配列は完全な活性を示した。

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