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図面 (7)

課題

対象物熱加圧処理時に熱加圧装置の熱加圧面と対象物との間に配置されて、対象物と熱加圧面との直接の接触を防ぐ耐熱緩衝シートであって、予想される処理温度及び圧力の更なる上昇に対してより確実に対応できるシートを提供する。

解決手段

25℃での圧縮歪S25と250℃での圧縮歪S250との差S250−S25である圧縮歪変化量ΔS250が−5%以上である耐熱緩衝シートとする。ただし、S25及びS250は、それぞれ、熱機械分析(TMA)により評価した、評価温度25℃及び250℃での耐熱緩衝シートの圧縮歪STである。圧縮歪STは、25℃での耐熱緩衝シートの厚みをt0とし、TMAによって耐熱緩衝シートの厚み方向に圧縮力を加えたときの評価温度T(℃)での当該シートの厚みをt1として、式:ST=(t1−t0)/t0×100(%)により定められる。

概要

背景

耐熱性樹脂としてフッ素樹脂が知られている。特許文献1には、フッ素樹脂の一種であるポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と記載)の切削シートが開示されている。耐熱性樹脂シートであるPTFEシートは、高温下での使用が想定される。

概要

対象物熱加圧処理時に熱加圧装置の熱加圧面と対象物との間に配置されて、対象物と熱加圧面との直接の接触を防ぐ耐熱緩衝シートであって、予想される処理温度及び圧力の更なる上昇に対してより確実に対応できるシートを提供する。25℃での圧縮歪S25と250℃での圧縮歪S250との差S250−S25である圧縮歪変化量ΔS250が−5%以上である耐熱緩衝シートとする。ただし、S25及びS250は、それぞれ、熱機械分析(TMA)により評価した、評価温度25℃及び250℃での耐熱緩衝シートの圧縮歪STである。圧縮歪STは、25℃での耐熱緩衝シートの厚みをt0とし、TMAによって耐熱緩衝シートの厚み方向に圧縮力を加えたときの評価温度T(℃)での当該シートの厚みをt1として、式:ST=(t1−t0)/t0×100(%)により定められる。

目的

本発明は、
対象物の熱加圧処理時に熱加圧装置の熱加圧面と前記対象物との間に配置されて、前記対象物と前記熱加圧面との直接の接触を防ぐ耐熱緩衝シートであって、
25℃での圧縮歪S25と250℃での圧縮歪S250との差S250−S25である圧縮歪変化量ΔS250が、−5%以上である、耐熱緩衝シート、
を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

対象物熱加圧処理時に熱加圧装置の熱加圧面と前記対象物との間に配置されて、前記対象物と前記熱加圧面との直接の接触を防ぐ耐熱緩衝シートであって、25℃での圧縮歪S25と250℃での圧縮歪S250との差S250−S25である圧縮歪変化量ΔS250が、−5%以上である、耐熱緩衝シート。ただし、S25及びS250は、それぞれ、熱機械分析(TMA)により評価した、評価温度25℃及び250℃での前記耐熱緩衝シートの圧縮歪STである。圧縮歪STは、25℃での前記耐熱緩衝シートの厚みをt0とし、TMAによって前記耐熱緩衝シートの厚み方向に圧縮力を加えたときの前記評価温度T(℃)での当該シートの厚みをt1として、式:ST=(t1−t0)/t0×100(%)により定められる。

請求項2

対象物の熱加圧処理時に熱加圧装置の熱加圧面と前記対象物との間に配置されて、前記対象物と前記熱加圧面との直接の接触を防ぐ耐熱緩衝シートであって、前記耐熱緩衝シートに対して温度250℃、印加圧力20MPa及び保持時間3分の熱プレスを実施する前の25℃における当該シートの厚みに比べて、前記熱プレスを実施した後の25℃における当該シートの厚みが大きい、耐熱緩衝シート。

請求項3

前記耐熱緩衝シートは、フッ素樹脂のシートを含む請求項1又は2に記載の耐熱緩衝シート。

請求項4

前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)又は変性PTFEであり、前記変性PTFEにおけるテトラフルオロエチレン(TFE)単位の含有率が99質量%以上である請求項3に記載の耐熱緩衝シート。

請求項5

熱加圧装置による対象物の熱加圧処理方法であって、前記対象物と前記装置の熱加圧面との間に耐熱緩衝シートを配置して、当該シートにより前記対象物と前記熱加圧面との直接の接触を防いだ状態で前記熱加圧処理を実施し、前記耐熱緩衝シートが、請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱緩衝シートである、熱加圧処理方法。

技術分野

0001

本発明は、耐熱緩衝シート及びこれを用いた熱加圧処理方法に関する。

背景技術

0002

耐熱性樹脂としてフッ素樹脂が知られている。特許文献1には、フッ素樹脂の一種であるポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と記載)の切削シートが開示されている。耐熱性樹脂シートであるPTFEシートは、高温下での使用が想定される。

先行技術

0003

特開2001−341138号公報

発明が解決しようとする課題

0004

加圧装置を用いて対象物を熱加圧処理することがある。その際、熱加圧装置の熱加圧面と対象物(処理対象物)との間に耐熱緩衝シートを配置して、対象物と熱加圧面との直接の接触を防ぐこと、及び耐熱緩衝シートとして耐熱性樹脂シート、例えば特許文献1のPTFEシート、を使用すること、が考えられる。しかし、本発明者らの検討によれば、今後予想される処理温度及び圧力の更なる上昇に対して、特許文献1のPTFEシートでは必ずしも十分な対応ができない。

0005

本発明の目的は、対象物の熱加圧処理時に熱加圧装置の熱加圧面と対象物との間に配置されて、対象物と熱加圧面との直接の接触を防ぐ耐熱緩衝シートであって、予想される処理温度及び圧力の更なる上昇に対してより確実に対応できるシートの提供にある。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、
対象物の熱加圧処理時に熱加圧装置の熱加圧面と前記対象物との間に配置されて、前記対象物と前記熱加圧面との直接の接触を防ぐ耐熱緩衝シートであって、
25℃での圧縮歪S25と250℃での圧縮歪S250との差S250−S25である圧縮歪変化量ΔS250が、−5%以上である、耐熱緩衝シート、
を提供する。
ただし、S25及びS250は、それぞれ、熱機械分析(TMA:Thermomechanical Analysis)により評価した、評価温度25℃及び250℃での前記耐熱緩衝シートの圧縮歪STである。圧縮歪STは、25℃での前記耐熱緩衝シートの厚みをt0とし、TMAによって前記耐熱緩衝シートの厚み方向に圧縮力を加えたときの前記評価温度T(℃)での当該シートの厚みをt1として、式:ST=(t1−t0)/t0×100(%)により定められる。

0007

別の側面から、本発明は、
対象物の熱加圧処理時に熱加圧装置の熱加圧面と前記対象物との間に配置されて、前記対象物と前記熱加圧面との直接の接触を防ぐ耐熱緩衝シートであって、
前記耐熱緩衝シートに対して温度250℃、印加圧力20MPa及び保持時間3分の熱プレスを実施する前の25℃における当該シートの厚みに比べて、前記熱プレスを実施した後の25℃における当該シートの厚みが大きい、耐熱緩衝シート、
を提供する。

0008

また別の側面から、本発明は、
熱加圧装置による対象物の熱加圧処理方法であって、
前記対象物と前記装置の熱加圧面との間に耐熱緩衝シートを配置して、当該シートにより前記対象物と前記熱加圧面との直接の接触を防いだ状態で前記熱加圧処理を実施し、
前記耐熱緩衝シートが上記本発明の耐熱緩衝シートである、熱加圧処理方法、
を提供する。

発明の効果

0009

本発明の耐熱緩衝シートでは、TMAにより評価した25℃での圧縮歪S25と250℃での圧縮歪S250との差S250−S25である圧縮歪変化量ΔS250が−5%以上である。これは、厚み方向への圧縮力に対するシートの変形のしやすさ(変形しやすいほど圧縮歪STは負に大きくなる)が、25℃に比べて250℃で大きく増加しないこと、換言すれば、高温における厚み方向の耐圧縮力圧縮下での厚み方向の形状保持力)が高いことを意味する。したがって、本発明の耐熱緩衝シートによれば、予想される処理温度及び圧力の更なる上昇に対してより確実な対応が可能となる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明の耐熱緩衝シートの一例を模式的に示す断面図である。
図2は、耐熱緩衝シートの圧縮歪変化量ΔS250を評価する方法を説明するための模式図である。
図3は、耐熱緩衝シートに対する熱プレスの方法の一例を説明するための模式図である。
図4は、本発明の耐熱緩衝シートを用いた熱加圧処理の一例を説明するための模式図である。
図5は、実施例で実施した、耐熱緩衝シートに対する熱プレス試験A後の当該シートの外観を示す図である。
図6は、実施例で実施した、耐熱緩衝シートに対する熱プレス試験B後の当該シートの外観を示す図である。

0011

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。

0012

[耐熱緩衝シート]
本発明の耐熱緩衝シートの一例を図1に示す。図1に示す耐熱緩衝シート1は、PTFEシート2から構成される。図1の耐熱緩衝シート1は、PTFEシート2の単層構造を有している。耐熱緩衝シート1は、シート2に含まれるPTFEに由来する高い耐熱性及び柔軟性を有している。耐熱緩衝シート1は、対象物(処理対象物)と熱加圧面との直接の接触を防ぐ以外にも、その具体的な態様や熱加圧処理の種類、熱加圧装置の構造等によっては、熱加圧面から対象物に印加される熱及び/又は圧力を均一化し、熱及び/又は圧力の印加速度を調整する機能を有しうる。

0013

耐熱緩衝シート1における25℃での圧縮歪S25と250℃での圧縮歪S250との差S250−S25である圧縮歪変化量ΔS250は、−5%以上である。「−5%以上」とは、−5%又は−5%よりも正に大きな値であることを意味する。ただし、S25及びS250は、それぞれ、TMAにより評価した、評価温度25℃及び250℃での耐熱緩衝シート1の圧縮歪STである。圧縮歪STは、25℃での耐熱緩衝シート1の厚みをt0とし、TMAによって耐熱緩衝シート1の厚み方向に圧縮力を加えたときの上記評価温度T(℃)での当該シートの厚みをt1として、式:ST=(t1−t0)/t0×100(%)により定められる。具体的な評価方法について、図2を参照しながら説明する。

0014

耐熱緩衝シート1を切り出して試験片12を準備し、25℃にて、その厚みt0を測定する(図2(a))。試験片12の形状は、例えば、一辺が5〜10mmの正方形又は長方形である。次に、25℃に保持したTMA装置のステージ11上に試験片12を戴置し、圧縮プローブ13を降下させる(図2(b))。圧縮プローブ13の形状及び先端径は、円柱状及び1mmφとする。次に、25℃に保持したまま、圧縮プローブ13により試験片12に対してその厚み方向に圧力(5MPa)を印加して、25℃での試験片12の厚みt1を測定し、圧縮歪S25を求める(図2(c))。次に、印加圧力5MPaを保持したまま、昇温速度5℃/分にて昇温測定を開始し、250℃に達したときの試験片12の厚みt1を測定し、圧縮歪S250を求める(図2(d))。求めた圧縮歪S250とS25との差として、圧縮歪変化量ΔS250が算出される。厚みt1は、ステージ11の戴置面と圧縮プローブ13の先端との間の距離として、TMA装置により求めることができる。

0015

圧縮歪変化量ΔS250は、−3%以上、−1%以上、0%以上、2%以上、更には4%以上であってもよい。圧縮歪変化量ΔS250の上限は、例えば20%以下である。

0016

耐熱緩衝シート1における25℃での圧縮歪S25と300℃での圧縮歪S300との差S300−S25である圧縮歪変化量ΔS300は、例えば−15%以上である。この場合、処理温度及び圧力の更なる上昇に対して更に確実な対応が可能となる。圧縮歪変化量ΔS300は、−10%以上、−5%以上、−3%以上、−1%以上、0%以上、2%以上、3%以上、4%以上、更には5%以上であってもよい。圧縮歪変化量ΔS300の上限は、例えば20%以下である。圧縮歪変化量ΔS300は、圧縮歪変化量ΔS250よりも正に大きくてもよい。圧縮歪変化量ΔS300は、評価温度Tを25℃及び300℃として、圧縮歪変化量ΔS250と同様に求めることができる。

0017

耐熱緩衝シート1は、当該シート1に対して温度250℃、印加圧力20MPa及び保持時間3分の熱プレスを実施する前の25℃における当該シート1の厚みに比べて、上記熱プレスを実施した後の25℃における当該シート1の厚みが大きいシートであってもよい。この耐熱緩衝シート1は、高温圧縮下における厚み方向の形状保持力が高い。このとき、耐熱緩衝シート1は、圧縮歪変化量ΔS250及び/又はΔS300について上記範囲を満たしていてもよいし、いなくてもよい。耐熱緩衝シート1に対する熱プレスは、熱プレス装置21のステージ22上に模擬対象物24を戴置し、模擬対象物24の上に耐熱緩衝シート1を配置した状態で、熱加圧ヘッド23によって当該シート1の全体を熱プレスして実施する(図3参照)。ただし、耐熱緩衝シート1は、模擬対象物24の上面の全体を覆うように配置する。また、模擬対象物24の上面の温度がステージ22の設定温度(戴置面の温度)に達した後に熱プレスを実施する。模擬対象物24は、通常、ステージ22と接する面及び耐熱緩衝シート1と接する面が、いずれも、ステージ22の戴置面及び熱加圧ヘッド23の熱加圧面と同程度に平滑な金属板である。模擬対象物24の形状は、典型的には、円板立方体又は直方体である。模擬対象物24における耐熱緩衝シート1と接する面の面積は、測定精度を確保するために、15cm2以上が好ましい。模擬対象物24の厚みは、2〜4mmが好ましい。耐熱緩衝シート1の厚みは、当該シート1における被プレス領域中心近傍(例えば、直径10mmの円内)で測定する。

0018

耐熱緩衝シート1における熱プレス前の25℃における厚みをT0、熱プレス後の25℃における厚みをT1として、式IRT=(T1−T0)/T0×100(%)により求められる厚み増加率IRT(20MPa)は、例えば1%以上であり、2%以上、4%以上、5%以上、7%以上、更には9%以上であってもよい。厚み増加率IRT(20MPa)の上限は、例えば30%以下である。

0019

耐熱緩衝シート1は、当該シート1に対して温度250℃、印加圧力30MPa及び保持時間3分の熱プレスを実施する前の25℃における当該シート1の厚みに比べて、上記熱プレスを実施した後の25℃における当該シート1の厚みが大きいシートであってもよい。熱プレスは、印加圧力20MPaのときと同様に実施できる。このとき、厚み増加率IRT(30MPa)は、例えば1%以上であり、2%以上、3%以上、4%以上、更には5%以上であってもよい。厚み増加率IRT(30MPa)の上限は、例えば20%以下である。

0020

図1の耐熱緩衝シート1は、PTFEシート2から構成される。ただし、耐熱緩衝シート1に含まれる樹脂は、PTFEに限定されない。樹脂はフッ素樹脂であってもよく、換言すれば、耐熱緩衝シート1は、フッ素樹脂のシートを含んでいてもよい。フッ素樹脂の例は、PTFE、変性PTFE、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)及びポリフッ化ビニリデンPVDF)である。耐熱性及び柔軟性に特に優れることから、フッ素樹脂は、PTFE、変性PTFE、ETFEが好ましく、PTFE、変性PTFEが特に好ましい。

0021

変性PTFEは、TFEと変性コモノマーとの共重合体である。変性PTFEとして分類されるためには、共重合体におけるテトラフルオロエチレン(TFE)単位の含有率は99質量%以上が必要とされている。変性PTFEは、例えば、TFEと、エチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル及びヘキサフルオロプロピレンから選ばれる少なくとも1種の変性コモノマーとの共重合体である。

0022

PTFEシート2は、好ましくは、焼成を経たPTFEを含む焼成PTFEシートである。なお、本明細書においてPTFEの焼成とは、重合により得たPTFEをその融点(327℃)以上の温度、例えば340〜380℃、に加熱することを意味する。

0023

耐熱緩衝シート1の厚みは、例えば10μm以上であり、50μm以上、100μm以上、250μm以上、300μm以上、400μm以上、更には500μm以上であってもよい。厚みの上限は、例えば2000μm以下であり、1500μm以下、更には1000μm以下であってもよい。

0024

耐熱緩衝シート1の引張強度は、耐熱緩衝シート1に含まれる樹脂の種類によっても異なるが、MD(帯状のシートでは、通常、長手方向)について、例えば30MPa以上であり、40MPa以上、50MPa以上、60MPa以上、70MPa以上、80MPa以上、90MPa以上、更には100MPa以上であってもよい。引張強度は、TD(帯状のシートでは、通常、幅方向)について、例えば10MPa以上であり、15MPa以上、20MPa以上、25MPa以上、30MPa以上、35MPa以上、40MPa以上、更には45MPa以上であってもよい。引張強度の上限は、例えば500MPa以下である。上記範囲の引張強度を有する耐熱緩衝シート1によれば、例えば、熱加圧面と対象物との間への搬送による供給をより確実かつ安定して実施できる。

0025

耐熱緩衝シート1の最大引伸びは、耐熱緩衝シート1に含まれる樹脂の種類によっても異なるが、MDについて、例えば300%以下であり、275%以下、250%以下、225%以下、200%以下、180%以下、160%以下、140%以下、120%以下、100%以下、90%以下、更には80%以下であってもよい。MDについて、最大引張伸びの下限は、例えば5%以上である。最大引張伸びは、TDについて、例えば200%以上であり、400%以上、410%以上、420%以上、425%以上、430%以上、435%以上、更には440%以上であってもよい。TDについて、最大引張伸びの上限は、例えば700%以下である。MDについて、上記範囲の最大引張伸びを有する耐熱緩衝シート1、特に200%以下の最大引張伸びを有する耐熱緩衝シート1、によれば、例えば、熱加圧面と対象物との間への搬送による耐熱緩衝シート1の供給時に、熱加圧面及び/又は対象物と耐熱緩衝シート1との間に部分的に接合が生じたときにも、伸びによってシート1がこれらの部材に追従することを抑制できる。言い換えると、熱加圧処理に対する耐熱緩衝シート1の連続供給性を更に向上できる。

0026

耐熱緩衝シート1の引張強度及び最大引張伸びは、引張試験機を用いた引張試験により求めることができる。試験片の形状は、例えば、日本工業規格(JIS)K6251:1993に定められたダンベル状3号形である。上記試験片を使用する場合の測定条件は、例えば、試験片の標線間距離20mm、チャック間距離35mm及び引張速度200mm/分である。最大引張伸びは、試験前の上記標線間距離と、破断時の標線間距離とから算出できる。測定温度は、例えば、25±10℃である。

0027

耐熱緩衝シート1の寸法変化率(圧力を印加することなく270℃の雰囲気下で1時間静置したときの寸法変化率、以下同じ)は、MDについて、例えば−5.0%以下であり、−7.5%以下、−10.0%以下、−12.5%以下、−15.0%以下、更には−17.5%以下であってもよい。MDについて、寸法変化率の下限は、例えば−30.0%以上である。寸法変化率は、TDについて、例えば1.5%以下であり、1.3%以下、1.0%以下、0.7%以下、0.5%以下、0.3%以下、更には0%以下であってもよい。TDについて、寸法変化率の下限は、例えば−2.0%以上である。寸法変化率は、厚み方向について、例えば5.0%以上であり、7.5%以上、10.0%以上、12.5%以上、15.0%以上、17.5%以上、更には20.0%以上であってもよい。厚み方向について、寸法変化率の上限は、例えば40.0%以下である。なお、寸法変化率は、式:(X1−X0)/X0×100(%)により与えられる。X0は加熱前の寸法、X1は加熱後の寸法である。

0028

耐熱緩衝シート1では、少なくとも一方の主面上に他の層が配置されていてもよい。しかし、耐熱緩衝シート1として良好な熱伝導性が要求される場合には、主面上には他の層が配置されていないことが好ましい。言い換えると、耐熱緩衝シート1は単層であってもよい。

0029

耐熱緩衝シート1は、好ましくは、非多孔質シートである。耐熱緩衝シート1は、少なくとも使用領域において、双方の主面を連通する孔を有さない無孔シートであってもよい。耐熱緩衝シート1は、シート1に含まれる材料、例えばPTFE、の有する高い撥液性撥水性及び撥油性)に基づいて、水等の流体(fluid)を厚み方向に透過しない不透性シートであってもよい。また、耐熱緩衝シート1は、当該シート1に含まれる材料、例えばPTFE、の有する高い絶縁性に基づいて、絶縁性シート非導電シート)であってもよい。絶縁性は、例えば1×1014Ω/□以上の表面抵抗率により表される。表面抵抗率は、1×1015Ω/□以上、1×1016Ω/□以上、更には1×1017Ω/□以上であってもよい。耐熱緩衝シート1は、カーボンブラック等の導電性材料を含んでいてもよい。この場合、耐熱緩衝シート1は、導電性材料に基づく機能、例えば帯電防止機能、を有しうる。導電性材料を含む耐熱緩衝シート1の表面抵抗率は、例えば、1×1012Ω/□以下であり、1×108Ω/□以下、1×104Ω/□以下であってもよい。

0030

耐熱緩衝シート1の形状は、例えば、正方形及び長方形を含む多角形円形楕円形、並びに帯状である。多角形の角は丸められていてもよい。ただし、耐熱緩衝シート1の形状は、これらの例に限定されない。多角形、円形及び楕円形の耐熱緩衝シート1は枚葉として流通が、帯状の耐熱緩衝シート1は、巻芯巻回し巻回体ロール)としての流通が、それぞれ可能である。帯状である耐熱緩衝シート1の幅、及び、帯状である耐熱緩衝シート1を巻回した巻回体の幅は、自由に設定できる。

0031

[耐熱緩衝シートの製造方法]
耐熱緩衝シート1の製法の一例を、PTFEシート2又は変性PTFEシートから構成される耐熱緩衝シート1を例として、以下に説明する。ただし、耐熱緩衝シート1の製法は、以下に示す例に限定されない。

0032

最初に、PTFE粉末モールディングパウダー)を金型に導入し、金型内粉末に対して所定の圧力を所定の時間加えて予備成形する。予備成形は常温で実施できる。金型の内部空間の形状は、後述の切削旋盤による切削を可能とするために円柱状であることが好ましい。この場合、円柱状の予備成形品及びPTFEブロックが得られる。PTFEブロックが円柱状である場合には、ブロックを回転させながら連続的に表面を切削する切削旋盤の利用が可能となり、耐熱緩衝シート1を効率的に形成できる。次に、得られた予備成形品を金型から取り出し、PTFEの融点(327℃)以上の温度で所定の時間焼成して、PTFEブロックを得る。次に、得られたPTFEブロックを所定の厚みに切削して、切削シートであるPTFEシートを得る。次に、得られたPTFEシートを圧延して、圧延シートであるPTFEシート2を得る。得られたPTFEシート2は、そのまま耐熱緩衝シート1として使用しても、所定の処理や他の層の積層等を経た後に耐熱緩衝シート1として使用してもよい。圧延は、典型的には、MDへの一軸圧延である。圧延には、一対の金属ロールを備えるロール圧延装置を利用できる。圧延倍率は、厚み基準で、例えば1.5倍以上であり、1.8倍以上、2.0倍以上、2.3倍以上、2.5倍以上、2.8倍以上、更には3.0倍以上であってもよい。圧延倍率の上限は、例えば10.0倍以下である。圧延温度は、例えば100〜200℃であり、200〜300℃、更には300℃以上であってもよい。なお、上記製法によれば、形成する耐熱緩衝シート1の厚みの制御が比較的容易であり、帯状の耐熱緩衝シート1も形成できる。また、PTFE粉末に代わって変性PTFE粉末を用いることで、上記方法により、変性PTFEシートを形成できる。

0033

[耐熱緩衝シートの使用]
図4に示すように、耐熱緩衝シート1は、熱加圧装置31による対象物35の熱加圧処理時に熱加圧装置31の熱加圧面34と対象物35との間に配置して両者の固着を防ぐ耐熱緩衝シートとして使用できる。耐熱緩衝シート1は緩衝性に優れている。図4の熱加圧装置31は、ステージ32と、熱加圧面34を有する熱加圧ヘッド33とを備える。耐熱緩衝シート1は、熱加圧ヘッド33と対象物35との間に配置される。この例における熱加圧処理は、対象物35をステージ32上に戴置した状態で熱加圧ヘッド33とステージ32とを接近させて、典型的には熱加圧ヘッド33を下降させて、実施される。熱加圧処理は、例えば、対象物35の熱圧着、熱プレスである。

0034

耐熱緩衝シート1は、熱加圧面34と対象物35との間に搬送により供給及び配置してもよい。搬送により供給及び配置される耐熱緩衝シート1は、例えば、帯状である。

0035

熱加圧処理時における熱加圧装置31の加熱設定温度、言い換えると、耐熱緩衝シート1の使用温度は、例えば200℃以上であり、225℃以上、250℃以上、275℃以上、更には300℃以上であってもよい。使用温度の上限は、例えば330℃以下である。熱加圧処理時における熱加圧装置31の加圧設定圧力、言い換えると、耐熱緩衝シート1の使用圧力は、例えば10MPa以上であり、15MPa以上、20MPa以上、25MPa以上、更には30MPa以上であってもよい。使用圧力の上限は、例えば50MPa以下である。ただし、耐熱緩衝シート1の使用温度及び使用圧力は、これらの範囲に限定されない。上記例示より低い使用温度及び/又は使用圧力での耐熱緩衝シート1の使用も可能である。

0036

[熱加圧処理方法]
本発明の耐熱緩衝シート1を用いて対象物35を熱加圧処理できる。当該熱加圧処理方法は、熱加圧装置による対象物35の熱加圧処理方法であって、対象物35と熱加圧面34との間に耐熱緩衝シート1を配置して、当該シート1により対象物35と熱加圧面34との直接の接触を防いだ状態で熱加圧処理を実施する。耐熱緩衝シート1は、例えば搬送により、対象物35と熱加圧面34との間に供給及び配置できる。

0037

[熱加圧処理物の製造方法]
本発明の耐熱緩衝シート1を用いて、熱加圧処理物を製造できる。当該製造方法では、対象物35と熱加圧面34との間に耐熱緩衝シート1を配置して、当該シート1により対象物35と熱加圧面34との直接の接触を防いだ状態で熱加圧処理を実施して、対象物の熱加圧処理物を得る工程、を含む。熱加圧処理は、例えば、対象物35の熱圧着、熱プレスであり、この場合、熱圧着物、熱プレス物が得られる。

0038

以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。

0039

最初に、本実施例において作製した耐熱緩衝シートの評価方法を示す。

0040

[厚み]
厚みは、任意の3点に対するデジタルマイクメータ最小目盛0.001mm)による25℃での測定値平均値として求めた。

0041

[圧縮歪変形量]
圧縮歪変化量ΔS250及びΔS300を上述の方法により求めた。TMAに使用する試験片の形状及びサイズは、5mm×5mmの正方形とした。TMA装置には、BRUKER製、TMA4000SAを使用した。

0042

[模擬対象物に対する熱プレス試験]
<試験A>
ステージ22及び熱加圧ヘッド23を備える熱プレス装置21のステージ22上に、模擬的な熱プレス対象物(模擬対象物)24として直径47mm及び厚み3mmの円形のステンレス板Aを戴置した(図3参照)。ステージ22の設定温度は、250℃とした。模擬対象物24の上面の温度がステージ22の設定温度に達した後、サイズ60mm×60mmの正方形に裁断した評価対象の耐熱緩衝シート1を模擬対象物24の上に配置し、速やかに熱加圧ヘッド23を下降させて、温度250℃、印加圧力20MPa又は30MPa、保持時間3分の熱プレス試験を実施した。耐熱緩衝シート1は、模擬対象物24の上面の全体を覆うように配置した。試験後、25℃にまで冷却した後、耐熱緩衝シート1をステンレス板Aから剥離して、試験後の耐熱緩衝シート1の25℃での厚み及び外観を評価した。厚みは、耐熱緩衝シート1の中心の近傍(直径10mmの円内)において測定した。試験後の外観を図5に示す。

0043

<試験B>
ステンレス板Aの代わりに、ステンレス板B(厚み方向に延びる直径2mmの貫通孔が中央に設けられた直径47mm及び厚み4mmの円形)を模擬対象物24に用いた以外は、試験Aと同様にして、熱プレス試験を実施した。印加圧力は30MPaとした。試験後、25℃にまで冷却した後、耐熱緩衝シート1をステンレス板Bから剥離して、ステンレス板Bの貫通孔に対する耐熱緩衝シート1の貫入量を評価した。貫入量の測定には、ノギスを使用した。試験後の外観を図6に示す。なお、比較例1では、貫入したPTFEがステンレス板Bの裏面にまで拡がったため、耐熱緩衝シートをステンレス板Bから剥離することができなかった(図6参照。図6では、比較例1についてのみ、ステンレス板Bの裏面が示されている)。

0044

[引張強度及び最大引張伸び]
引張強度(引張破断強度)及び最大引張伸びは、引張試験機(島津製作所製、AG−I)を用いた引張試験により求めた。評価は、耐熱緩衝シートの長手方向(MD)及び幅方向(TD)の各々に対して実施した。試験片の形状は、JIS K6251:1993に定められたダンベル状3号形(標線間距離20mm)とした。測定条件は、測定温度25℃、チャック間距離35mm及び引張速度200mm/分とした。最大引張伸びは、試験前の上記標線間距離と、破断時の標線間距離とから算出した。

0045

[寸法変化率]
加熱時の寸法変化率は、評価対象の耐熱緩衝シートを加熱槽に収容して270℃で1時間静置した後、25℃に冷却して寸法を測定することで評価した。寸法の測定には、ノギスを使用した。評価は、耐熱緩衝シートのMD、TD及び厚み方向の各々に対して実施した。なお、寸法変化率は、耐熱緩衝シートに圧力を加えることなく評価した値である。

0046

(比較例1)
PTFE粉末(ダイキン工業製、ポリフロンPTFE M−12)を円筒状の金型に導入し、温度23℃、圧力8.5MPa及び圧力印加時間1時間の条件で予備成形した。次に、形成された予備成形品を金型から取り出し、370℃で24時間焼成して、高さ300mm、外径470mmの円柱状であるPTFEブロックを得た。次に、得られたPTFEブロックを切削旋盤により切削してPTFE切削フィルム(厚み486μm)を作製し、これを比較例1の耐熱緩衝シートとした。

0047

(実施例1)
比較例1と同様にして得たPTFEブロックを切削旋盤により切削して、PTFE切削フィルムを得た。次に、得られた切削フィルムを、175℃に保持した一対の金属ロールを備えるロール圧延装置によりMDに圧延してPTFE圧延フィルム(厚み508μm)を作製し、これを実施例1の耐熱緩衝シートとした。圧延倍率は、厚み基準で2.0倍とした。

0048

(実施例2)
圧延倍率を厚み基準で2.5倍とした以外は、実施例1と同様にしてPTFE圧延フィルム(厚み497μm)を作製し、これを実施例2の耐熱緩衝シートとした。

0049

(実施例3)
圧延倍率を厚み基準で3.0倍とした以外は、実施例1と同様にしてPTFE圧延フィルム(厚み500μm)を作製し、これを実施例3の耐熱緩衝シートとした。

0050

評価結果を以下の表1にまとめる。

0051

実施例

0052

表1に示すように、実施例1〜3の圧縮歪変化量ΔS250及びΔS300、特にΔS300、は、比較例1に比べて正に大きい値となり、即ち、実施例1〜3の耐熱緩衝シートは、高温における厚み方向の耐圧縮力に優れていた。また、実際の熱プレス試験においても、耐熱緩衝シートの厚み減少が抑制される(実施例によっては厚みの増大すら生じる)と共に、貫通孔への貫入を含むシートの変形が抑制された(図5,6参照)。寸法変化率の結果によれば、これらの特性は、製造時の圧延によりシート内に生じた厚み方向の圧縮応力が熱により開放されることに基づくと推定された。

0053

本発明の耐熱緩衝シートは、対象物の熱加圧処理時に熱加圧装置の熱加圧面と対象物との間に配置されて、対象物と熱加圧面との直接の接触を防ぐために使用できる。熱加圧処理は、例えば、熱圧着、熱プレスである。

0054

1耐熱緩衝シート
2PTFEシート
31 熱加圧装置
32ステージ
33熱加圧ヘッド
34 熱加圧面
35 対象物

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