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図面 (20)

課題

IgE特異的抗体投与し、アレルゲン誘発性アナフィラキシーを予防的に処置するための組成物及び方法を提供する。

解決手段

アレルギー反応を阻止する治療遺伝子をコードする核酸配列に、作動可能に連結されたプロモーターを含むベクターを開示する。また、ベクターを含む組成物及び哺乳動物アレルゲンに対する免疫応答又はアレルギー反応を軽減又は阻害するために、該ベクターを使用する方法を開示する。

概要

背景

発明の背景
アレルゲンは、感受性のある個体において、発疹から致死的アナフィラキシー反応に及ぶ、様々な反応を引き起こす。これらの反応は、アレルゲン抗原特異的免疫グロブリンE(IgE)に関連するI型過敏反応によって媒介される。アレルゲン特異的IgEがアナフィラキシーを誘発するのを妨げる治療法で、アレルギー個体を治療することに、相当な関心が存在している。かかるアプローチの1つは、組換えDNA由来ヒト化IgGκモノクローナル抗体オマリズマブ(Xolair(登録商標))(ヒトIgEに結合する)による治療である。オマリズマブは、IgEの、肥満細胞及び好塩基球の表面上のIgE受容体への結合を阻害し、従って、アレルギー応答メディエータ放出の程度を制限する。

感受性個体におけるアレルゲン誘発性アナフィラキシーに対する予防的処置として、抗IgEモノクローナル抗体を使用することにおける課題は、オマリズマブの単回投与によってもたらされる防護が2〜4週間と推定されることである。現在の治療法の半減期が短いことにより、持続的な効果的治療を維持するために、オマリズマブを、少なくとも1ヶ月に1回は非経口投与することが必要となる。

従って、IgE特異的抗体投与し、アレルゲン誘発性アナフィラキシーを予防的に処置するための代替組成物及び方法を開発するニーズがある。本発明は、かかる組成物及び方法を提供する。本発明のこの利点及び他の利点は、本明細書で提供される詳細な説明から明らかとなる。

概要

IgE特異的抗体を投与し、アレルゲン誘発性アナフィラキシーを予防的に処置するための組成物及び方法を提供する。アレルギー反応を阻止する治療遺伝子をコードする核酸配列に、作動可能に連結されたプロモーターを含むベクターを開示する。また、ベクターを含む組成物及び哺乳動物のアレルゲンに対する免疫応答又はアレルギー反応を軽減又は阻害するために、該ベクターを使用する方法を開示する。なし

目的

本発明は、抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードするか、又は可溶性IgE受容体、好酸球(eosinophil)、好塩基球(basophil)、IL−13又はIL−4をコードする核酸配列に、作動可能に連結されたプロモーターを含むベクターを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

抗IgE抗体若しくはその抗原結合断片をコードするか、又は可溶性IgE受容体好酸球好塩基球IL−13若しくはIL−4をコードする核酸配列に、作動可能に連結されたプロモーターを含むベクター

請求項2

ベクターが、アデノ随伴ウイルス(AAV)、アデノウイルスレンチウイルスレトロウイルス及びプラスミドからなる群から選択される、請求項1のベクター。

請求項3

ベクターがAAVベクターである、請求項2のベクター。

請求項4

AAVベクターが非ヒトアデノ随伴ウイルスである、請求項3のベクター。

請求項5

非ヒトアデノ随伴ウイルスがアカゲザルアデノ随伴ウイルスである、請求項4のベクター。

請求項6

アカゲザルアデノ随伴ウイルスがアデノ随伴ウイルス血清型rh.10である、請求項5のベクター。

請求項7

プロモーターが構成的に活性なプロモーターである、請求項1のベクター。

請求項8

プロモーターが細胞種特異的プロモーターである、請求項1のベクター。

請求項9

プロモーターが誘導性プロモーターである、請求項1のベクター。

請求項10

構成的に活性なプロモーターがニワトリベータアクチンプロモーターである、請求項7のベクター。

請求項11

核酸配列が、抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードし、抗体又はその抗原結合断片が、3つの相補性決定領域(CDR)を含む重鎖ポリペプチドであって、ここでCDR−H1は配列番号1の核酸配列を含み、CDR−H2は配列番号2の核酸配列を含み、及びCDR−H3は配列番号3の核酸配列を含む、重鎖ポリペプチド;並びに3つのCDRを含む軽鎖ポリペプチドであって、ここでCDR−L1は配列番号4の核酸配列を含み、CDR−L2は配列番号5の核酸配列を含み、CDR−L3は配列番号6の核酸配列を含む、軽鎖ポリペプチド、を含む、請求項1のベクター。

請求項12

抗IgE抗体が、配列番号7を含む重鎖可変領域及び配列番号8を含む軽鎖可変領域を含む、請求項11のベクター。

請求項13

ベクターが配列番号9の核酸配列を含む、請求項1のベクター。

請求項14

ベクターが、オマリズマブをコードする核酸配列を含む、請求項1のベクター。

請求項15

核酸配列が、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、scFv、dsFv、dAb及び一本鎖結合ポリペプチドからなる群から選択される抗IgE抗体断片をコードする、請求項1のベクター。

請求項16

請求項1〜15のいずれか1項のベクター及び医薬的に許容可能な担体を含む、組成物

請求項17

哺乳動物における、アレルゲンに対する免疫応答又はアレルギー反応阻害又は軽減する方法であって、哺乳動物に請求項1〜15のいずれかのベクターを投与することを含み、そうして核酸発現し、アレルゲンに対する免疫応答又はアレルギー反応が抑制又は軽減される、方法。

請求項18

組成物が、約30日以内に1回以下で哺乳動物に投与される、請求項17の方法。

請求項19

組成物の投与後、哺乳動物で、治療ベル又は予防レベルの、抗IgE抗体若しくはその抗原結合断片、又は可溶性IgE受容体、好酸球、好塩基球、IL−13、若しくはIL−4が、約30日間以上発現する、請求項18の方法。

請求項20

組成物が、予防的に哺乳動物に投与される、請求項17〜19のいずれか1項の方法。

請求項21

アレルゲンが、食物アレルゲン花粉イエダニ昆虫毒、ハチ刺毒、ピーナッツ、及び堅果からなる群から選択される、請求項17〜20のいずれか1項の方法。

請求項22

アレルギー反応がアナフィラキシーである、請求項17〜20のいずれか1項の方法。

請求項23

哺乳動物がヒトである、請求項17〜22のいずれか1項の方法。

請求項24

組成物が、口腔内筋肉内、経皮静脈内、動脈内、皮下、皮内、及び腹腔内からなる群から選択される投与経路によって哺乳動物に投与される、請求項17〜23のいずれか1項の方法。

請求項25

アレルギー組換えヒトマウスモデルを提供する方法であって、免疫不全マウスに、アレルギーとアナフィラキシーの臨床歴とを有するヒト被験体由来末梢血単核細胞送達することを含む、方法。

請求項26

末梢血単核細胞が、ピーナッツアレルギー及びアナフィラキシーの臨床病歴を有するヒト被験体由来である、請求項25のヒト化マウスモデル。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本特許出願は、2016年3月29日出願の米国仮特許出願第62/314,740号及び2015年4月9日出願の米国仮特許出願第62/145,035号(参照により組み込まれる)の利益を主張する。

0002

電子提出された物件の参照による組み込み
本明細書と同時提出され、且つ、以下の通り識別されるコンピューター可読のヌクレオチドアミノ酸配列表が、参照により、本明細書中にその全体が組み込まれる:2016年3月29日付ファイル名「722135_ST25.TXT」、5,718バイトのASCIIテキストファイル1件。

背景技術

0003

発明の背景
アレルゲンは、感受性のある個体において、発疹から致死的アナフィラキシー反応に及ぶ、様々な反応を引き起こす。これらの反応は、アレルゲン抗原特異的免疫グロブリンE(IgE)に関連するI型過敏反応によって媒介される。アレルゲン特異的IgEがアナフィラキシーを誘発するのを妨げる治療法で、アレルギー個体を治療することに、相当な関心が存在している。かかるアプローチの1つは、組換えDNA由来ヒト化IgGκモノクローナル抗体オマリズマブ(Xolair(登録商標))(ヒトIgEに結合する)による治療である。オマリズマブは、IgEの、肥満細胞及び好塩基球の表面上のIgE受容体への結合を阻害し、従って、アレルギー応答メディエータ放出の程度を制限する。

0004

感受性個体におけるアレルゲン誘発性アナフィラキシーに対する予防的処置として、抗IgEモノクローナル抗体を使用することにおける課題は、オマリズマブの単回投与によってもたらされる防護が2〜4週間と推定されることである。現在の治療法の半減期が短いことにより、持続的な効果的治療を維持するために、オマリズマブを、少なくとも1ヶ月に1回は非経口投与することが必要となる。

0005

従って、IgE特異的抗体投与し、アレルゲン誘発性アナフィラキシーを予防的に処置するための代替組成物及び方法を開発するニーズがある。本発明は、かかる組成物及び方法を提供する。本発明のこの利点及び他の利点は、本明細書で提供される詳細な説明から明らかとなる。

0006

発明の要旨
本発明は、抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードするか、又は可溶性IgE受容体、好酸球(eosinophil)、好塩基球(basophil)、IL−13又はIL−4をコードする核酸配列に、作動可能に連結されたプロモーターを含むベクターを提供する。本発明はまた、ベクターを含む組成物、及び哺乳動物における、アレルゲンに対する免疫応答又はアレルギー反応を阻害又は軽減するためのベクターを使用する方法を提供する。更に、本発明は、アレルギーの組換えヒトマウスモデルを提供する方法を提供する。

図面の簡単な説明

0007

図1Aは、アレルギーに関する組換えヒト化マウスモデル作出のためのプロトコールの模式図である。
図1B〜1Dは、ELISA(平均±標準誤差、n=4/群)によって測定した、ピーナッツアレルギー又はコントロールドナー由来ヒト血液単核細胞再構成した、NOD−scid−IL2Rgammanull(NSG)マウスの総ヒトIgG(図1B)、総ヒトIgE(図1C)及びピーナッツ特異的IgE(図1D)のレベルを示す実験データを示すグラフである。
図1B〜1Dは、ELISA(平均±標準誤差、n=4/群)によって測定した、ピーナッツアレルギー又はコントロールのドナー由来ヒト血液単核細胞で再構成した、NOD−scid−IL2Rgammanull(NSG)マウスの総ヒトIgG(図1B)、総ヒトIgE(図1C)及びピーナッツ特異的IgE(図1D)のレベルを示す実験データを示すグラフである。
図1B〜1Dは、ELISA(平均±標準誤差、n=4/群)によって測定した、ピーナッツアレルギー又はコントロールのドナー由来ヒト血液単核細胞で再構成した、NOD−scid−IL2Rgammanull(NSG)マウスの総ヒトIgG(図1B)、総ヒトIgE(図1C)及びピーナッツ特異的IgE(図1D)のレベルを示す実験データを示すグラフである。
図1Eは、ピーナッツ抽出物チャレンジ(challenge)後のマウスの画像を提供する。左パネル−ピーナッツチャレンジ後に正常に見える、非アレルギー性ドナー由来の単核細胞で再構成したマウス。右パネル−ピーナッツチャレンジの1分後に目/の周囲の腫れ、毛の逆立ち(pilar erecti)、及び毛皮掻痒/波立ち(ruffling)を示す、ピーナッツアレルギードナー由来の単核細胞で再構成したマウス。
図1F〜1Gは、ピーナッツアレルギーマウス(n=3)及びコントロールマウス(n=3)における、5週目のチャレンジの30分後の、アナフィラキシースコア(1〜5)(図1F)又は血漿ヒスタミンレベル(図1G)を示す実験データのグラフである。
図1F〜1Gは、ピーナッツアレルギーマウス(n=3)及びコントロールマウス(n=3)における、5週目のチャレンジの30分後の、アナフィラキシースコア(1〜5)(図1F)又は血漿ヒスタミンレベル(図1G)を示す実験データのグラフである。
図1Hは、マウスの皮膚における受動皮膚アナフィラキシーを示す画像であり、反応により、図に表示した、視覚可能な青色が生成した。ピーナッツアレルギー個体由来の、又は感作し、7.5週目にピーナッツ抽出物でチャレンジしたコントロールドナー由来の血液単核細胞で再構成したNSGマウス由来プール血清50μlの皮内注射の1日前に、ナイーブBalb/Cマウスの腹部を剃毛した。血清の皮内投与の24時間後、100μlの0.5%エバンスブルー色素及び100μgピーナッツ抽出物の混合物をマウスに静脈内投与した。30分後、マウスを屠殺し、腹部の皮膚を裏返し、反応を、視覚可能な青色により検証した。
図2A〜2Cは、感作及びチャレンジ後のNSGマウスにおける、ピーナッツ抗原誘発性アナフィラキシーに対するオマリズマブ処置の有効性を示す実験データを示す。図2Aは、オマリズマブ(n=9)での治療の1週間前及び治療の1週間後にELISAによって測定した遊離IgEレベルを示すグラフである。
図2Bは、ピーナッツチャレンジ後正常に見える、オマリズマブで処置したマウスの画像であり、図2Cは、オマリズマブ媒介性の、受動皮膚アナフィラキシー抑制を示す画像である。
図2Bは、ピーナッツチャレンジ後正常に見える、オマリズマブで処置したマウスの画像であり、図2Cは、オマリズマブ媒介性の、受動皮膚アナフィラキシー抑制を示す画像である。
図3Aは、CMVエンハンサーニワトリベータアクチン(CAG)プロモーター、抗IgEモノクローナル抗体オマリズマブの重鎖及び軽鎖フリン2A切断部位及びポリアデニル化シグナルを示すAAVrh.10anti−hIgEベクターの模式図である。
図3Bは、HEK293細胞における、AAVrh.10anti−hIgEベクターによってコードされる抗IgE抗体の発現を示すウエスタンブロットの画像である。
図3Cは、NSGマウス(n=5)へのAAVrh.10anti−hIgE又はAAVrh.10IgGcontrolの単回静脈内投与後の経時的な抗IgE抗体の持続的発現を示す実験データのグラフである。
図3Dは、Balb/C雌性マウス(n=5/群)への、AAVrh.10anti−hIgE、AAV9anti−hIgE、AAV8anti−hIgE又はAAVrh.10anti−nicotine(コントロール)の単回静脈内投与後の経時的な抗IgE抗体の持続的発現を示す実験データのグラフである。
図3Eは、NSG雌性マウス(n=5/群)への、AAVrh.10anti−hIgE、AAV9anti−hIgE、AAV8anti−hIgE又はAAVrh.10anti−nicotine(コントロール)の単回静脈内投与後の経時的な抗IgE抗体の持続的発現を示す実験データのグラフである。
図4Aは、NSGマウスの予防的処置を試験するための治療プロトコールの概略図である。
図4B〜4Dは、ELISAで測定した、AAVrh.10anti−hIgEベクター又はAAVrh.10anti−hIgGcontrolベクターで処置した、ピーナッツアレルギー由来のヒト血液単核細胞で再構成したNOD−scid−IL2Rgammanull(NSG)マウス、又はコントロールドナー由来のヒト血液単核細胞で再構成したマウスにおける総ヒトIgE(図4B)、総ピーナッツ特異的IgE(図4C)及び遊離IgE(図4D)のレベルを示す実験データのグラフである(平均±標準誤差、図B及びC;ピーナッツ(PN)アレルギーなしのドナーn=8、PNアレルギー+AAVrh.10IgGcontrolのドナーn=7、PNアレルギー+AAVrh.10anti−hIgEのドナーn=10、図C;PNアレルギーなしのドナーn−8、PNアレルギー+AAVrh.10IgGcontrolのドナーn=7、PNアレルギー+AAVrh.10anti−hIgEのドナーn=10)。
図4B〜4Dは、ELISAで測定した、AAVrh.10anti−hIgEベクター又はAAVrh.10anti−hIgGcontrolベクターで処置した、ピーナッツアレルギー由来のヒト血液単核細胞で再構成したNOD−scid−IL2Rgammanull(NSG)マウス、又はコントロールドナー由来のヒト血液単核細胞で再構成したマウスにおける総ヒトIgE(図4B)、総ピーナッツ特異的IgE(図4C)及び遊離IgE(図4D)のレベルを示す実験データのグラフである(平均±標準誤差、図B及びC;ピーナッツ(PN)アレルギーなしのドナーn=8、PNアレルギー+AAVrh.10IgGcontrolのドナーn=7、PNアレルギー+AAVrh.10anti−hIgEのドナーn=10、図C;PNアレルギーなしのドナーn−8、PNアレルギー+AAVrh.10IgGcontrolのドナーn=7、PNアレルギー+AAVrh.10anti−hIgEのドナーn=10)。
図4B〜4Dは、ELISAで測定した、AAVrh.10anti−hIgEベクター又はAAVrh.10anti−hIgGcontrolベクターで処置した、ピーナッツアレルギー由来のヒト血液単核細胞で再構成したNOD−scid−IL2Rgammanull(NSG)マウス、又はコントロールドナー由来のヒト血液単核細胞で再構成したマウスにおける総ヒトIgE(図4B)、総ピーナッツ特異的IgE(図4C)及び遊離IgE(図4D)のレベルを示す実験データのグラフである(平均±標準誤差、図B及びC;ピーナッツ(PN)アレルギーなしのドナーn=8、PNアレルギー+AAVrh.10IgGcontrolのドナーn=7、PNアレルギー+AAVrh.10anti−hIgEのドナーn=10、図C;PNアレルギーなしのドナーn−8、PNアレルギー+AAVrh.10IgGcontrolのドナーn=7、PNアレルギー+AAVrh.10anti−hIgEのドナーn=10)。
図5Aは、6週目にピーナッツ抽出物でチャレンジした後のマウスの画像を提供する。左−3週目のコントロールベクターで処理したマウスは、ピーナッツチャレンジ後の、目/鼻の周囲の腫れ、並びに毛の逆立ち、毛皮の掻痒/波立ち、歩行及び呼吸速度の減少を示した。右−3週目にAAVrh.10anti−hIgEで処置したマウスは、ピーナッツチャレンジ後正常に見えた。
図5B〜5Eは、AAVrh.10anti−hIgE処置後のアナフィラキシーの変化を示すグラフ及び画像である。図5Bは、累積移動距離赤外線ビームオープンフィールドチャンバーボックス評価に基づく自発運動を示す。6週目に評価した、ベクター及びコントロール処置マウスにおける次の30分間の横断距離を示す。(PNアレルギーなしのドナーn=8、PNアレルギー+AAVrh.10IgGcontrolのドナーn=6、PNアレルギー+AAVrh.10anti−hIgEのドナーn=10))。
図5Cは、6週目のピーナッツチャレンジ30分後のアナフィラキシースコアを示す(PNアレルギーなしのドナーn=8、PNアレルギー+AAVrh.10IgGcontrolのドナーn=6、PNアレルギー+AAVrh.10anti−hIgEのドナーn=10)。
図5Dは、7週目のピーナッツチャレンジ30分後の血漿ヒスタミンレベルを示す(PNアレルギーなしのドナーn=7、PNアレルギー+AAVrh.10IgGcontrolのドナーn=6、PNアレルギー+AAVrh.10anti−hIgEのドナーn=10)。
図5Eは、AAVrh.10anti−hIgE媒介性の受動皮膚アナフィラキシー抑制を示す:左パネル−ピーナッツアレルギードナーの血清由来のピーナッツ特異的IgEによって媒介されるピーナッツ抽出物誘発受動皮膚アナフィラキシー;右パネル−左パネルと同じドナーを用いて再構成したが、感作の3週間前にAAVrh.10anti−hIgEで予防的に処置した、ヒト化ピーナッツアレルギーNSGマウスの、プール血清由来のピーナッツ特異的IgEによって媒介される、ピーナッツ抽出物誘発受動皮膚アナフィラキシー。AAVrh.10anti−hIgE処置マウス由来の血清は、AAVrh.10IgGcontrolと比較して、ピーナッツ誘発ピーナッツ特異的IgE媒介性受動皮膚アナフィラキシーを阻止した。
図6Aは、NSGマウスにおけるピーナッツ誘発アナフィラキシーの治療的処置を試験するための治療プロトコールの概略図である。
図6B〜6Dは、ELISA(平均±標準誤差)で測定した、AAVrh.10anti−hIgEベクター又はAAVrh.10anti−hIgGcontrolベクターで処理したピーナッツアレルギー個体由来のヒト血液単核細胞で再構成されたNSGマウスにおける総ヒトIgE(図6B)、総ピーナッツ特異的IgE(図6C)及び遊離IgE(図6D)のレベルを示す実験データのグラフである。
図6B〜6Dは、ELISA(平均±標準誤差)で測定した、AAVrh.10anti−hIgEベクター又はAAVrh.10anti−hIgGcontrolベクターで処理したピーナッツアレルギー個体由来のヒト血液単核細胞で再構成されたNSGマウスにおける総ヒトIgE(図6B)、総ピーナッツ特異的IgE(図6C)及び遊離IgE(図6D)のレベルを示す実験データのグラフである。
図6B〜6Dは、ELISA(平均±標準誤差)で測定した、AAVrh.10anti−hIgEベクター又はAAVrh.10anti−hIgGcontrolベクターで処理したピーナッツアレルギー個体由来のヒト血液単核細胞で再構成されたNSGマウスにおける総ヒトIgE(図6B)、総ピーナッツ特異的IgE(図6C)及び遊離IgE(図6D)のレベルを示す実験データのグラフである。
図7Aは、10週目の、ピーナッツ抽出物チャレンジ後のマウス(mice mice)の画像を提供する:左パネル−オマリズマブで処置したマウスは、ピーナッツチャレンジ後の目/鼻の周囲の腫れ、並びに毛の逆立ち、毛皮の掻痒/波立ち、歩行及び呼吸速度の減少を示した;右パネル−10週目(治療後5週間)にAAVrh.10anti−hIgEで処置したマウスは、ピーナッツチャレンジ後正常に見えた。
図7B〜7Eは、AAVrh.10anti−hIgE処置後のアナフィラキシーの変化を示すグラフ及び画像である。図7Bは、ベクター、コントロール処置及びオマリズマブのマウスにおける、ピーナッツチャレンジの30分後に開始した、累積移動距離の赤外線ビームオープンフィールドチャンバーボックス評価に基づく自発運動を示す。示されているのは、7週目(即ち、治療後2週間)及び10週目(即ち、治療後5週間)についての、続いての30分にわたって横断された距離のデータである。7週目のデータは、AAVrh.10anti−HIgEについてはn=10、オマリズマブについてはn=9、及びAAVrh.10IgGcontrolについてはn=7、並びに10週目のデータは、AAVrh.10anti−hIgEについてはn=9、オマリズマブについてはn=5、及びAAVrh.10IgGcontrolについては=0。
図7Cは、ピーナッツチャレンジの30分後のアナフィラキシースコアを示す。示されているのは、7週目(即ち、治療後2週間)及び10週目(即ち、治療後5週間)についてのデータである。7週目のデータは、AAVrh.10anti−hIgEについてはn=10、オマリズマブについてはn=9、AAVrh.10IgGcontrolについてはn=7。10週目のデータは、AAVrh.10anti−hIgEについてはn=9、オマリズマブについてはn=5、AAVrh.10IgGcontrolについてはn=0。
図7Dは、ピーナッツチャレンジの30分後の血漿ヒスタミンレベルを示す。示されているのは、6週目(即ち、治療後1週間)及び9週目(即ち、治療後4週間)についてのデータである。6週目のデータは、AAVrh.10anti−hIgEについてはn=10、オマリズマブについてはn=9、及びAAVrh.10IgGcontrolはn=7。9週目のデータは、AAVrh.10anti−hIgEについてはn=9、オマリズマブはn=6、及びAAVrh.10IgGcontrolはn=0。
図7Eは、AAVrh.10anti−hIgE媒介性の受動皮膚アナフィラキシー抑制を示す。上パネル−7週目(治療後2週間)のピーナッツ抽出物は、ピーナッツアレルギードナーの血清由来のピーナッツ特異的IgEによって媒介される受動皮膚アナフィラキシーを誘発したが、非アレルギーコントロール由来ではしなかった。下パネル−10週目(即ち、治療後5週間)の、AAVrh.10anti−hIgEの持続的発現は色素の溢出を阻止するが、5週間前のオマリズマブの1回注射はもはや防護的ではなかった。
図8は、AAVrh.10anti−hIgE、オマリズマブ単独又はコントロールベクターによる処置後のマウスの生存を示すグラフである。生存期間及び処置タイプが、治療後の日数で示される。

0008

発明の詳細な説明
本発明は、遺伝子治療ベクター及びそれを使用する方法を提供し、哺乳動物における、アレルゲンに対する免疫応答又はアレルギー反応を阻害又は軽減するための、治療用導入遺伝子の持続的発現を提供する。ベクターは、抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードするか、又は可溶性IgE受容体、好酸球、好塩基球、IL−13、又はIL−4をコードする核酸配列に、作動可能に連結されたプロモーターを含むか、それから実質的に成るか、又はそれから成る。ベクターは、ベクターに実質的に影響を及ぼさない追加の構成要素(例、インビトロでのベクター操作を容易にするポリ(A)配列又は制限酵素部位等の遺伝学エレメント)を含み得る。しかしながら、いくつかの実施形態においては、ベクターは、任意の追加の構成要素(即ち、ベクターに内因性ではなく、核酸配列の発現をもたらし、それによって抗体を提供するために必要とされない構成要素)を含まない。

0009

本発明のベクターは、当該技術分野で公知の任意の遺伝子導入ベクターを含み得るか、
それから実質的になり得るか、又はそれからなり得る。かかるベクターの例としては、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、アデノウイルスベクターレンチウイルスベクターレトロウイルスベクター、及びプラスミドが挙げられる。好ましい実施形態においては、ベクターはAAVベクターである。

0010

アデノ随伴ウイルスは、パルボウイルス科メンバーであり、約5,000ヌクレオチド未満の直鎖状一本鎖DNAゲノムを含む。AAVは、効率的な複製のために、ヘルパーウイルス(即ち、アデノウイルス又はヘルペスウイルス)との共感染、又はヘルパー遺伝子の発現を必要とする。治療用核酸の投与のために用いられるAAVベクターは、典型的には、DNA複製及びパッケージングのための認識シグナルを含有する末端反復配列(ITR)のみが残るように、およそ96%の親ゲノムが欠失されている。これにより、ウイルス遺伝子の発現に起因する免疫学的又は毒性の副作用が排除される。更に、産生細胞に特異的AAVタンパク質送達することによって、所望により、AAV ITRを含むAAVベクターを、細胞ゲノムの特定領域に組み込むことが可能になる(例、米国特許第6,342,390号及び第6,821,511号参照)。組み込まれたAAVゲノムを含む宿主細胞は、細胞増殖の変化又は形態の変化を示さない(例えば、米国特許第4,797,368号参照)。

0011

AAV ITRは、非構造的な複製(Rep)タンパク質及び構造的キャプシド(Cap)タンパク質(ビリオンタンパク質(VP)としても知られる)のためのユニークなコードヌクレオチド配列に隣接している。末端145ヌクレオチドは自己相補的であり、T字型ヘアピンを形成するエネルギー的に安定な分子二重鎖が形成され得るように構成されている。これらのヘアピン構造は、細胞のDNAポリメラーゼ複合体のプライマーとして作用することによりウイルスDNA複製の起点として機能する。Rep遺伝子は、Repタンパク質Rep78、Rep68、Rep52、及びRep40をコードする。Rep78及びRep68はp5プロモーターから転写され、Rep 52及びRep40はp19プロモーターから転写される。Rep78及びRep68タンパク質は、AAV末端の分離を可能にするために、生産的複製の間にヘリカーゼ及びニッカーゼ機能を実行する多機能DNA結合タンパク質である(例、Im et al.,Cell,61:447−57(1990)参照)。これらのタンパク質は、内生AAVプロモーター及びヘルパーウイルス内のプロモーターからの転写も調節する(例、Pereira et al.,J.Virol.,71:1079−1088(1997)参照)。他のRepタンパク質は、Rep78及びRep68の機能を修飾する。cap遺伝子は、キャプシドタンパク質VP1、VP2及びVP3をコードする。cap遺伝子は、p40プロモーターから転写される。

0012

本発明のAAVベクターは、当該技術分野で公知の任意のAAV血清型を用いて生成され得る。いくつかのAAV血清型及び100超のAAV変異体が、アデノウイルスストック又はヒト若しくは非ヒト霊長類組織から単離されている(例、Wu et al.,Molecular Therapy,14(3):316−327(2006)に概説されている)。一般に、AAV血清型は、異なる血清型が、同一の一式遺伝子機能を有し、物理的及び機能的に、実質的に同等のビリオンを産成し、実質的に同一のメカニズムにより複製及び集合するように、核酸配列及びアミノ酸配列レベルで有意な相同性を有するゲノム配列を有する。AAV血清型1〜6及び7〜9は、他のすべての既存の、及び特性解析された血清型に特異的な中和血清と効率的に交差反応しないという点で「真の」血清型と定義される。対照的に、AAV血清型6、10(Rh10とも呼ばれる)及び11は、「真の」血清型の定義に従わないので、「変異」血清型とみなされる。AAV血清型2(AAV2)は、その病原性欠如広範囲感染性、及び導入遺伝子の長期発現を確立する能力のために、遺伝子治療用途に広範に用いられている(例、Carter,B.J.,Hum.GeneTher.,16:541−550(2005);及びWu et
al.,上記を参照)。種々のAAV血清型のゲノム配列及びその比較は、例えば、GenBank受入番号U89790、J01901、AF043303、及びAF085716、Chiorini et al.,J.Virol.,71:6823−33(1997);Srivastava et al.,J.Virol.,45:555−64(1983);Chiorini et al.,J.Virol.,73:1309−1319(1999);Rutledge et al.,J.Virol.,72:309−319(1998);及びWu et al.,J.Virol.,74:8635−47(2000))に開示されている。

0013

AAV rep及びITRの配列は、殆どのAAV血清型にわたって特に保存されている。例えば、AAV2、AAV3A、AAV3B、AAV4、及びAAV6のRep78タンパク質は、約89〜93%同一であると報告されている(Bantel−Schaal et al.,J.Virol.,73(2):939−947(1999)参照)。AAV血清型2、3A、3B及び6は、ゲノムレベルで合計約82%のヌクレオチド配列同一性を有することが報告されている(Bantel−Schaal et al.,上記)。その上、多くのAAV血清型のrep配列及びITRは、哺乳動物細胞におけるAAV粒子の産生中に他の血清型由来の対応する配列を効率的に交差補完する(即ち、機能的に置換する)ことが知られている。

0014

一般に、AAV粒子の細胞トロピシティー(cellular tropicity)を決定するキャップタンパク質及び関連するキャップタンパク質をコードする配列は、種々のAAV血清型にわたるRep遺伝子よりも、顕著に保存されていない。Rep及びITRの配列が他の血清型の対応する配列を交差補完する能力を考慮すると、AAVベクターは血清型の混合物を含み、それにより「キメラ」又は「シュードタイプ」のAAVベクターであり得る。キメラAAVベクターは、典型的には、2つ以上(例えば、2、3、4など)の種々のAAV血清型に由来するAAVキャプシドタンパク質を含む。対照的に、シュードタイプAAVベクターは、別のAAV血清型のキャプシドにパッケージングされた1つのAAV血清型の1つ以上のITRを含む。キメラ及びシュードタイプのAAVベクターは、例えば、米国特許第6,723,551号;Flotte,Mol.Ther.,13(1):1−2(2006);Gao et al.,J.Virol.,78:6381−6388(2004);Gao et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,99:11854−11859(2002);De et al.,Mol.Ther.,13:67−76(2006);及びGao et al.,Mol.Ther.,13:77−87(2006)に更に記載されている。

0015

一実施形態においては、AAVベクターは、ヒトに感染するAAV(例えば、AAV2)を用いて生成される。好ましい実施形態においては、ヒトに感染するAAVを用いて生成されるAAVベクターは、AAV8又はAAV9である。或いは、AAVベクターは、例えば、大型類人猿(例、チンパンジー)、旧世界ザル(例、マカク)、及び新世界ザル(例えばマーモセット)等の非ヒト霊長類に感染するAAVを用いて生成される。好ましくは、AAVベクターは、ヒトに感染するAAVでシュードタイピングされた、非ヒト霊長類に感染するAAVを用いて生成される。かかるシュードタイプのAAVベクターの例は、Cearley et al.,Molecular Therapy,13:528−537(2006)(例)に開示されている。一実施形態においては、AAV2逆位末端反復配列(ITR)でシュードタイピングされた、アカゲザルに感染するAAV由来のカプシドタンパク質を含むAAVベクターが生成され得る。

0016

特に好ましい実施形態においては、本発明のAAVベクターは、AAV2 ITRでシュードタイピングされた、アカゲザルに感染するAAV10(「AAVrh.10」とも呼ばれる)由来のキャプシドタンパク質を含む(例、Watanabe et al.,
Gene Ther.,17(8):1042−1051(2010);及びMao et al.,Hum.Gene Therapy,22:1525−1535(2011)を参照)。

0017

本発明のベクターは、抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードするか、又は可溶性IgE受容体、好酸球、好塩基球、IL−13又はIL−4をコードする核酸配列に、作動可能に連結されたプロモーターを含む。DNA領域は、それらが互いに機能的に関連している場合、「作動可能に連結」されている。プロモーターが配列の転写を制御する場合、プロモーターは、コード配列に「作動可能に連結」されている。

0018

「プロモーター」は、特定の遺伝子の転写を開始するDNAの領域である。様々な異なるソース由来の多数のプロモーターが、当該技術分野で周知である。プロモーターの代表的なソースとしては、例えば、ウイルス、哺乳動物、昆虫、植物、酵母及び細菌が挙げられ、これらのソース由来の好適なプロモーターは、例えば、ATCC及び他の商業的又は個別のソース等の受託機関から公的に入手可能な配列に基づいて、容易に入手可能か、又は合成的に作製され得る。プロモーターは、一方向性(即ち、一方向における転写を開始)又は双方向性(即ち、3’又は5’方向のいずれの転写も開始する)であり得る。

0019

本発明のベクターのプロモーターは、当該技術分野で公知の任意のプロモーターを含み得るか、実質的にそれからなり得るか、又はそれからなり得る。かかるプロモーターの種類の例としては、構成的に活性なプロモーター(例えば、ヒトベータアクチン、ニワトリベータアクチン、サイトメガロウイルス(CMV)及びSV40)、細胞種特異的プロモーター(例、CD19遺伝子プロモーター、CaMKIIa及びUAS)、又は誘導性プロモーター(例、Tet系(米国特許第5,464,758号及び第5,814,618号)、エクジソン誘導系(No et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,93:3346−3351(1996))、T−REX(商標)系(Invitrogen,Carlsbad,CA)、Cre−ERタモキシフェン誘導性リコンビナーゼ系(Indra et al.,Nuc.Acid.Res.,27:4324−4327(1999);Nuc.Acid.Res.,28:e99(2000);U.S.Patent7,112,715;及びKramer & Fussenegger,MethodsMol.Biol.,308:123−144(2005))及びLACSWITC(商標)系(Stratagene,San Diego,CA)が挙げられる。

0020

本発明の好ましい態様においては、プロモーターは、構成的に活性なプロモーター、誘導性プロモーター、又は細胞種特異的プロモーターである。プロモーターの一例は、ニワトリベータアクチンプロモーターである。

0021

「核酸配列」は、DNA又はRNAのポリマー、即ち、一本鎖又は二本鎖であり得、非天然又は改変ヌクレオチドを含有し得るポリヌクレオチド包含することが意図される。本明細書で使用される場合、用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は、リボヌクレオチド(RNA)又はデオキシリボヌクレオチド(DNA)のいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。これらの用語は、分子の一次構造を指し、従って、二本鎖及び一本鎖DNA並びに二本鎖及び一本鎖RNAを含む。該用語は、均等物として、ヌクレオチドアナログ及びメチル化及び/又はキャップされたポリヌクレオチド等であるがこれらに限定されない、修飾ポリヌクレオチドから作製されたRNA又はDNAのいずれかのアナログを含む。

0022

プロモーターに作動可能に連結された核酸配列は、アレルギー反応を阻止する治療遺伝子をコードする任意の核酸配列を含み得る。核酸配列は、好ましくは、抗IgE抗体又は
その抗原結合断片、可溶性IgE受容体、好酸球、好塩基球、IL−13又はIL−4をコードする。核酸配列は、活性タンパク質(例、可溶性IgE受容体、好酸球、好塩基球、IL−13、IL−4又はアレルギー反応を阻止する任意の治療遺伝子)及び第2の部分、通常は活性タンパク質の特性(例えば、有効性、溶解性、又は半減期)を改善するタンパク質、で構成される融合タンパク質もコードし得る。第2の部分の例は、当該技術分野で公知であり、例えば、免疫グロブリンFcドメイン及びポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。一実施形態においては、プロモーターに作動可能に連結された核酸配列は、抗IgE抗体又はその抗原結合断片のみをコードする。

0023

業者は、抗体が4つのポリペプチド:重(H)鎖ポリペプチドの2つの同一コピー及び軽(L)鎖ポリペプチドの2つのコピー、からなることを理解する。各重鎖は、1つのN末可変(VH)領域及び3つのC末定常(CH1、CH2及びCH3)領域を含有し、各軽鎖は1つのN末側可変(VL)領域及び1つのC末側定常(CL)領域を含有する。軽鎖及び重鎖の各対の可変領域は、抗体の抗原結合部位を形成する。本発明のベクターは、それぞれが抗IgE抗体の重鎖及び/又は軽鎖ポリペプチドの1以上をコードする、1以上の核酸配列を含み得る。これに関して、本発明のベクターは、抗IgE抗体の2つの重鎖ポリペプチド及び2つの軽鎖ポリペプチドをコードする単一の核酸配列を含み得る。或いは、本発明のベクターは、抗IgE抗体の両方の重鎖ポリペプチドをコードする第1の核酸配列及び抗IgE抗体の両方の軽鎖ポリペプチドをコードする第2の核酸配列を含み得る。更に別の実施形態においては、本発明のベクターは、抗IgE抗体の第1の重鎖ポリペプチドをコードする第1の核酸配列、抗IgE抗体の第2の重鎖ポリペプチドをコードする第2の核酸配列、抗IgE抗体の第1の軽鎖ポリペプチドをコードする第3の核酸配列、及び抗IgE抗体の第2の軽鎖ポリペプチドをコードする第4の核酸配列を含み得る。

0024

別の実施形態においては、ベクターは、抗IgE抗体の抗原結合断片(「抗体断片」とも呼ばれる)をコードする核酸配列を含み得る。用語「抗原結合断片」は、抗原(例、免疫グロブリンE)に特異的に結合する能力を保持する抗体の1以上の断片を指す(一般的に、Holliger et al.,Nat.Biotech.,23(9):1126−1129(2005)参照)。抗原結合断片の例としては、(i)VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片;及び(iii)抗体の単一アームのVLドメイン及びVHドメインからなるFv断片が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態においては、ベクターは、抗IgE抗体のFab断片をコードする核酸配列を含み得る。

0025

核酸配列は、当該技術分野で公知の任意の抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードし得る。一実施形態においては、核酸配列は、3つの相補性決定領域(CDR)を含む重鎖ポリペプチド(ここでCDR−H1は配列番号1の核酸配列を含み、CDR−H2は配列番号2の核酸配列を含み、及びCDR−H3は配列番号3の核酸配列を含む)並びに3つのCDRを含む軽鎖ポリペプチド(ここでCDR−L1は配列番号4の核酸配列を含み、CDR−L2は配列番号5の核酸配列を含み、及びCDR−L3は配列番号6の核酸配列を含む)を含む、抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードし得る。

0026

別の実施形態においては、核酸配列は、配列番号7を含む重鎖可変領域及び配列番号8を含む軽鎖可変領域を含む、抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードし得る。

0027

別の実施形態においては、核酸配列は、配列番号9を含む抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードする。

0028

別の実施形態においては、核酸配列は、高親和性のIgE結合モノクローナル抗体オマリズマブ(例、米国特許第6,682,735号参照)若しくはその抗原結合断片、又はオマリズマブと同じエピトープに結合する抗IgE抗体又は抗体断片を含む、抗IgE抗体又はその抗原結合断片コードし得る。これに関して、本発明のベクターは、オマリズマブの全長の重鎖及び軽鎖ポリペプチド(例、それぞれ配列番号10及び配列番号11)をコードする核酸配列を含み得る。

0029

抗体又はその抗原結合断片は、インビトロのソース(例、ハイブリドーマ又は抗体を組換えで産生する細胞株)及びインビボのソース(例、齧歯類)を含む任意の手段によって得られ得る。抗体を生成するための方法は、当該技術分野で公知であり、例えば、Koehler and Milstein,Eur.J.Immunol.,5:511−519(1976);Harlow and Lane(eds.),Antibodies:A Laboratory Manual,CSH Press(1988);及びC.A.Janeway et al.(eds.),Immunobiology,5th Ed.,Garland Publishing,New York,NY(2001))に記載されている。特定の実施形態においては、ヒト抗体又はキメラ抗体は、1以上の内在性免疫グロブリン遺伝子が1以上のヒト免疫グロブリン遺伝子で置換されるトランスジェニック動物(例、マウス)を用いて作製され得る。内在性抗体遺伝子がヒト抗体遺伝子と効果的に置換されるトランスジェニックマウスの例としては、HUMAB−MOUSE(商標)、Kirin TC MOUSE(商標)、及びKM−MOUSE(商標)が挙げられるが、これらに限定されない(例、Lonberg,Nat.Biotechnol.,23(9):1117−25(2005),及びLonberg,Handb.Exp.Pharmacol.,181:69−97(2008))。

0030

抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードする核酸配列は、当該技術分野で公知の方法を用いて生成され得る。例えば、核酸配列、ポリペプチド及びタンパク質は、標準的な組換えDNA方法論を用いて組換えにより製造され得る(例、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY,2001;及びAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons,NY,1994)。更に、抗IgE抗体又はその抗原結合断片をコードする、合成的に製造された核酸配列は、細菌、昆虫又は哺乳動物(例、ラット、ヒトなど)等のソースから単離及び/又は精製され得る。単離及び精製の方法は当該技術分野において周知である。或いは、本明細書に記載の核酸配列は、商業的に合成され得る。これに関して、該核酸配列は、合成され、組換えられ、単離され及び/又は精製され得る。

0031

ベクターは、抗IgE抗体又はその抗原結合断片、可溶性IgE受容体、好酸球、好塩基球、IL−13又はIL−4をコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターに加えて、宿主細胞において核酸配列の発現をもたらすエンハンサー、ポリアデニル化シグナル、転写ターミネーター、内部リボソーム侵入部位(IRES)等の更なる発現制御配列を含み得る。例示的な発現制御配列は、当該技術分野で公知であり、例えば、Goeddel,Gene Expression Technology:Methods
in Enzymology,Vol.185,Academic Press,San Diego,CA.(1990)に記載されている。

0032

本明細書で使用する場合、用語「エンハンサー」は、例えば、それが作動可能に連結されている核酸配列の転写を増加させるDNA配列を指す。エンハンサーは、核酸配列のコード領域から数キロ塩基離れて位置し得、調節因子の結合、DNAメチル化のパターン
又はDNA構造の変化を調節し得る。種々の異なるソース由来の多数のエンハンサーが当該技術分野で周知であり、クローニングされたポリヌクレオチドとして又はその内部で(例、ATCC等の寄託機関並びに他の商業的又は個別のソースから)入手可能である。(一般的に用いられるCMVプロモーター等の)プロモーターを含む多くのポリヌクレオチドは、エンハンサー配列も含む。エンハンサーは、コード配列の上流、内部、又は下流に位置し得る。抗IgE抗体又はその抗原結合断片、可溶性IgE受容体、好中球、好塩基球、IL−13、又はIL−4をコードする核酸配列は、CMVエンハンサー/ニワトリβアクチンプロモーター(CAGプロモーターとも呼ばれる)に作動可能に連結され得る(例、Niwa et al.,Gene,108:193−199(1991);Daly et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,96:2296−2300(1999);及びSondhi et al.,Mol.Ther.,15:481−491(2007)を参照)。

0033

本発明は、上記ベクター及び医薬的に許容可能な(例、生理学的に許容可能な)担体を含むか、それらから実質的になるか、又はそれらからなる、組成物を提供する。組成物が本発明のベクター及び医薬的に許容可能な担体から実質的になる場合、組成物に実質的に影響を与えない追加の成分(例、アジュバント緩衝剤安定化剤抗炎症剤可溶化剤防腐剤など)が含められ得る。組成物が本発明のベクター及び医薬的に許容可能な担体からなる場合、組成物は更なる成分を何ら含まない。任意の好適な担体が本発明の文脈内で用いられ得、かかる担体は当該技術分野で周知である。担体の選択は、組成物が投与され得る特定の部位及び組成物を投与するために用いられる特定の方法によって、ある程度決定される。組成物は、必要に応じて、本明細書に記載のベクター以外は滅菌的であり得る。組成物は、保存のために凍結又は凍結乾燥され、使用前に好適な滅菌担体中で再構成され得る。組成物は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,Lippincott
Williams & Wilkins,Philadelphia,PA(2001)(例)に記載されている従来技術に従って生成され得る。

0034

組成物に好適な製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、及び静菌剤を含有し得る水性及び非水性溶液等張滅菌溶液、及び懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び防腐剤を含み得る水性及び非水性滅菌懸濁液が挙げられる。製剤は、アンプル及びバイアル等の単位用量又は複数用量の密封容器で提供され得、使用直前滅菌液体担体(例えば、水)の添加のみを必要とする凍結乾燥(freeze−dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で保存され得る。即時溶液及び懸濁液は、前述の種類の滅菌粉末顆粒及び錠剤から調製され得る。好ましくは、担体は緩衝生理食塩水溶液である。より好ましくは、本発明のベクターは、投与前に、損傷から本発明のベクターを保護するように製剤化された組成物で投与される。例えば、組成物は、ガラス製品シリンジ、又は針等の、ベクターを調製、保存、又は投与するために用いられる装置でのベクターの損失を減少させるように製剤化され得る。組成物は、ベクターの光感受性及び/又は温度感受性を低下させるように製剤化され得る。この目的のために、組成物は、好ましくは、例えば上記のもの等の、医薬的に許容可能な液体担体、及びポリソルベート80、L−アルギニンポリビニルピロリドントレハロース及びこれらの組み合わせからなる群より選択される安定化剤を含む。かかる組成物の使用は、ベクターの棚寿命延長し、投与を容易にし、本発明の方法の効率を増加させる。ベクター含有組成物のための製剤は、例えば、Wright et al.,Curr.Opin.Drug Discov.Devel.,6(2):174−178(2003)及びWright et al.,Molecular Therapy,12:171−178(2005))に更に記載されている。

0035

組成物はまた、形質導入効率を増強するように製剤化され得る。更に、当業者は、本発明のベクターが、他の治療剤又は生物学的活性剤を含む組成物中に存在し得ることを理解
する。例えば、イブプロフェン又はステロイド等の、炎症を制御する因子は、ベクターのインビボ投与に伴う腫脹及び炎症を軽減するための組成物の一部であり得る。抗生物質、即ち殺菌剤及び防カビ剤は、既存の感染症を治療し、及び/又は遺伝子移入手順に関連する感染等の将来の感染リスクを低下させるために、存在し得る。

0036

本発明は、哺乳動物における、アレルゲンに対する免疫応答又はアレルギー反応を阻害又は軽減する方法であって、哺乳動物に本発明のベクターを投与することを含み、そうして核酸が発現し、免疫応答を阻害又は軽減するタンパク質を産生する、方法を提供する。好ましい実施形態においては、哺乳動物はヒトである。

0037

アレルゲンに対する免疫応答又はアレルギー反応の阻害又は軽減は、アレルゲンに対する任意の生理学的応答の任意の程度の改善を包含する。生理学的応答の非限定的な例としては、蕁麻疹、発疹、粘液産生、及びアナフィラキシーが挙げられる。好ましい実施形態においては、該方法によって軽減又は阻害される免疫応答又はアレルギー反応は、アナフィラキシーである。

0038

本発明のアレルゲンは、哺乳動物においてアレルギー反応を引き起こす任意のアレルゲンであり得る。本発明の方法によって治療され得るアレルゲンの非限定的な例としては:

0039

ピーナッツ、堅果(tree nut)(ヘーゼルナッツアーモンドカシューマカダミア、ピスチオパイナッツクルミブラジルナッツ、クリピーカン)、甲殻類(crustacean)/甲殻類(shellfish)(シタビラメイカサバタラ(cod fish)、ムラサキイガイ、マヒマヒ、キタカカマスオヒョウマグロ、サバ、サケマス、タラ(cod fish)、アンチョビ、タラ(pollock)、ナマズレッドスナッパーニシンヒラメ、サケ、マス、メカジキコクチマス、カキホタテイワシザリガニ、コダラ、ティラピアカニエビ二枚貝、スズキ、タコ)、醤油、乳(milk)/乳製品(dairy)(ヤギ乳、ウシ乳など)、小麦グルテン亜硫酸塩ゴマニンニクオート麦ホエイディル、バジルタイムヤムセイジライムクローブミント蜂蜜オレガノナツメグサトウダイコンケシの種子、オリスの根、ショウガキュウリアスパラガスクランベリーズッキーニラズベリーアカサスグリローズマリーオボアルブミンチョウセンアザミブラックビーン(black bean)、クミン種子、ネクタリンリンゴプラムバナナターメリックマンリンキノアカボチャ、ブラックオリーブグリーンオリーブ、真菌カビチーズカビ/食品カビ)、オレンジトウモロコシスイカニンジンジャガイモライマメホワイトビーン(white bean)、エンドウ豆コショウウイキョウカボチャ、ヒマワリ種、サヤマメ、キャラウェイの種、カルダモンの種、イナゴマメ(carob)(ガム)/イナゴマメ(locust
bean)、ゼラチンブタ、ウシ、魚)、カボチャ種子亜麻仁(flaxseed)/亜麻仁(linseed)、コリアンダーシラントロ、ブラックベリーアナトー種子キビカリフラワー菜種油ヒヨコマメ(chick pea)(ヒヨコマメ(garbanzo bean))、ブドウトマトキウイパパイヤセロリアボカドソバアルファgal、コメ、チョコレート、チキンシチメンチョウ、子、白インゲンマメライ麦大麦カゼインキャベツレタス、コショウ、牛肉/肉マンゴーナシホウレンソウ卵白卵黄全体、パパイヤ、ココナッツアンズブルーベリーハネデュメロン(honeydew)、メロン、カンタロープカラシバニラレモン、ライム、ブロッコリーシナモンタマネギパイナップル、ニンニク、グレーフルーツレンズマメ麦芽コーヒーマッシュルームメキシコ唐辛子ココア食品添加物パン酵母アスコルビン酸アスパルテーム硝酸塩グアール、MSG、カラギーナン)等の食物アレルゲン

0040

βラクタム抗生物質:ペニシリンアモキシシリンアンピシリンペニシリンGペニシリンVなど、セファロスポリン(cephalosoprins)、モノバクタムカルバペネム、非βラクタム抗生物質、抗ミコバクテリア薬、糖尿病薬がん化学療法薬、HIV医薬、自己免疫疾患のための免疫調節剤皮膚疾患修飾薬、周術期使用薬(perioperative agent)、アヘン剤コルチコステロイドプロタミンヘパリン抗凝固剤)、局所麻酔剤放射線造影剤アスピリン及び非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤生物学的修飾剤、サイトカイン、抗TNF薬、モノクローナル抗体、抗がんモノクローナル抗体、補完医薬品、抗発作薬等の医薬品;

0041

樹木花粉ネコ鱗屑)、イヌ(鱗屑)、モルモット、アヒル羽毛、ニワトリ羽毛、ガチョウ羽毛、(髪/鱗屑)、モルモット(上皮)、ブタ(pig)/ブタ(swine)(上皮)、ヤギ上皮、ハムスター(上皮)、マウス(上皮)、排泄物糞便、昆虫/毒液ミツバチ北米スズメバチ(white faced hornet)、アシナガバチ(paper wasp)、イエローフェイストホーネット(yellow−faced hornet)、スズメバチ(yellow jacket)、ヒアリ、アリなど)、カビ/真菌、イエダニハウスダストラテックス、草、ダニ草木(weedstrees)、ゴキブリ等の環境アレルゲン;及び

0042

精液(semen)/精液(seminal fluid)、血液及び血液製剤等の他の一般的なアレルゲンが挙げられる。

0043

好ましくは、アレルゲンは、食物アレルゲン(例、エビ又はシーフード、ピーナッツ、又は堅果)、花粉、イエダニ、又はハチ刺毒等の昆虫毒である。

0044

哺乳動物に組成物を送達するために、任意の投与経路が用いられ得る。実際、組成物を投与するために1超の経路が用いられ得るが、特定の経路は、別の経路よりもより即座且つより効果的な反応を提供し得る。好ましくは、組成物は、筋肉内注射によって投与される。ある用量の組成物は、また、体腔に塗布若しくは注入され、皮膚を介して(例、経皮パッチを介して)吸収され、吸入され、摂取され、組織に局所適用され、又は例えば、静脈内、腹腔内、口腔内、皮内、皮下若しくは動脈内投与により、非経口的に投与され得る。

0045

組成物は、スポンジ生体適合性網状組織機械リザーバ、又は機械的インプラント等の制御性放出又は持続的放出を可能にするデバイス中、又はデバイス上で(in or
on)投与することができる。インプラント(例、米国特許第5,443,505号参照)、移植可能なデバイス(例、機械的リザーバ若しくはインプラント又はポリマー組成物を含む装置)等のデバイス(例、米国特許第4,863,457号参照)は、AAVベクターの投与に特に有用である。組成物はまた、例えばゲルフォームヒアルロン酸、ゼラチン、コンドロイチン硫酸ビス−2−ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)、及び/又はポリ乳酸グリコール酸等のポリリン酸エステルを含む持続放出製剤(例、米国特許第5,378,475号参照)の形態で投与され得る。

0046

哺乳動物に投与される組成物中のベクターの用量は、哺乳動物のサイズ(質量)、任意の副作用の程度、特定の投与経路等を含む多くの要因に依存する。好ましくは、本発明の方法は、本明細書に記載の本発明のベクターを含む組成物の「治療有効量」を投与することを含む。「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するのに必要な用量及び期間で有効な量を指す。治療有効量は、アレルゲン感受性の程度、個体の年齢性別、及び体重、並びに個体において所望の応答を誘発するベクターの能力等の要因によって変動し得る。

0047

別の実施形態においては、本発明の方法は、本発明のベクターを含む組成物の「予防有効量」を投与することを含み得る。「予防有効量」は、所望の予防結果(例、免疫応答又はアレルギー反応の予防)を達成するのに必要な用量及び期間で有効な量を指す。予防的投与が必要な被験体は、当該技術分野で公知の通常のアレルギー試験によって容易に決定され得る。更に、アレルギー反応の既往歴がある被験体は、将来のアレルギー反応に対して予防的に処置され得る。

0048

抗IgE抗体(又は可溶性IgE受容体、好酸球、好塩基球、IL−13、又はIL−4)をコードするベクターは、治療又は予防処置期間中に複数回投与され得、及び/又は、細胞の組成物への十分な曝露を確実にするために、複数の投与経路(例、筋肉内及び皮下)を用い得る。例えば、組成物は、治療又は予防処置期間中、哺乳動物に2回以上(例、2、3、4、5、6、6、8、9又は10回以上)投与され得る。しかし、本発明の好ましい態様によれば、本明細書に記載のベクター(又はベクターを含む組成物)の単回投与は、治療なしの場合の免疫応答又はアレルギー反応と比較して、最小限の副作用で、アレルゲンに対する免疫応答又はアレルギー反応を阻害又は軽減するのに十分な、哺乳動物における治療又は予防のレベルで、抗IgE抗体(又は可溶性IgE受容体、好酸球、好塩基球、IL−13、又はIL−4)の長期発現を提供するのに十分である。いくつかの実施形態においては、発現レベルは、処置の間で、アレルゲンに対する複数回の曝露(例、2回以上、3回以上、5回以上、又は実に10回以上のアレルゲンへの曝露)に対する免疫応答又はアレルギー反応を阻害又は軽減するのに十分である。好ましくは、治療レベルは、哺乳動物において、ベクター又はそれを含む組成物の投与後、約30日以上(例、約45日以上、約60日以上、約75日以上、約90日又はそれ以上、約4ヶ月以上、約6ヶ月以上、約10ヶ月以上、又は実に約12ヶ月以上)の間発現する。従って、いくつかの実施形態においては、該方法は、ベクターを、哺乳動物に、約30日以内に1回以下、約45日以内に1回以下、約60日以内に1回以下、約75日以内に1回以下、又は実に約90日以内に1回以下(例、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約10ヶ月、又は約12ヶ月以内に1回以下)投与することを含む。

0049

特定の治療効果又は予防効果(即ち、アレルギー反応の軽減又は阻害)を達成するために必要な、組成物中のベクターの用量は、典型的には、細胞あたりのベクターゲノムコピー(gc/細胞)又は体重のキログラムあたりのベクターゲノムコピー(gc/kg)の単位で投与される。当業者は、当該技術分野で周知のこれら及び他の要因に基づいて、特定の免疫応答を有する患者を治療するための、適切なベクター用量範囲を容易に決定し得る。

0050

本発明は、免疫不全マウスに、アレルギーに罹患するヒト被験体由来の末梢血単核細胞(PBMC)を送達することを含む、アレルギーの組換えヒト化マウスモデルを提供する方法も提供する。好ましい実施形態においては、血液単核細胞は、アナフィラキシーの臨床歴を有する、任意のアレルギーに罹患するヒト被験体由来である。アレルギーは、本明細書においてさきに開示された通りの任意のアレルゲン、好ましくは食物アレルゲン、花粉、イエダニ、昆虫毒、ピーナッツ、堅果(tree nut)、又はハチ刺毒であり得る。より好ましい実施形態においては、ヒト被験体は、アナフィラキシーの臨床歴を有し、ピーナッツアレルギーに罹患している。PBMC細胞は、注射(例、腹腔内又は静脈内注射)等の任意の好適な方法によって、免疫不全マウスに送達され得る。PBMCは、必要に応じて、関連する抗原と共にマウスに供投与され得る。関連する態様においては、本発明はまた、アレルギーのモデルとして使用するのに好適なヒト化免疫不全マウスであって、アレルゲンに対するアレルギーに罹患するヒト被験体由来のPBMCを含み、且つ、アレルゲンに曝露された場合、免疫応答又はアレルギー反応を示す、マウスを提供する。PBMCは、食物アレルゲン、花粉、イエダニ、昆虫毒、ピーナッツ、堅果、又はハチ刺毒等の、本明細書においてさきに開示された通りの任意のアレルゲンに対するアレルギー
に罹患するヒト被験体由来であり得る。好ましい実施形態においては、PBMCは、ピーナッツアレルギー及びアナフィラキシーの臨床歴を有するヒト被験体由来である。

0051

以下の実施例は、本発明を更に説明するが、当然に、決してその範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

0052

実施例1
本実施例は、ピーナッツアレルギーの組換えヒト化マウスモデルの作出を実例で示す。

0053

ピーナッツに対するアレルギーに罹患するドナー又は非アレルギー性の健常なコントロール被験体のドナーから、ヘパリン化血液を得た。ドナーの血清中のアレルゲン特異的IgEの検出により(ImmunoCAPspecific IgE blood test;Phadia AB,Uppsala,Sweden)、特異的感作を確認した。Ficoll−Paque密度遠心分離(Ficoll(登録商標)Paque Plus,Sigma Aldrich,St Louis,MO)を用いることにより、ヘパリン化血液から血液単核細胞を単離した。ヒト細胞を用いる再構成の前に、マウス血清中に検出可能なヒトIgGが存在しないことを、ELISAによって検査した。

0054

Ficoll−Paque法により単離した細胞を、6〜8週齢のNOD−scidIL@Rgammanull(NSG)マウスに投与した。各動物は、全体積200μl(2か所の別々の注射部位に(100μlずつ)分割)の0.9%塩化ナトリウム中の100μg粗ピーナッツと混合した、RPMI(Sigma Aldrich,St Louis,MO)中の3×107個の血液単核細胞を腹腔内に受容した。

0055

25gの粉砕ピーナッツを250mlの20mMトリス緩衝液(pH7.2)と混合することにより、焙煎した無塩ピーナッツ(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogaea);Hampton Farms;Severn,NC)からのタンパク質抽出物を、マウスへの投与の日と同日に作製した。23℃、2時間後、水性画分収集し、続いて遠心分離して、残留した微量の脂肪及び不溶性粒子を除去した。基準としてウシ血清アルブミンを用いたBradford分析により、タンパク質濃度を測定した。

0056

腹腔内注射を介して、マウスを、100μgのピーナッツ粗抽出物で0〜4週目に週1回感作した。次いで、5〜10週目に、湾曲した20ゲージの針(図1A)を用いて、300μgのピーナッツ粗抽出物を用いて胃内強制投与(intragastric gavage)によりマウスにチャレンジし、アレルギー反応の徴候について、処置後最大4時間観察した。胃粘膜を介するピーナッツ抗原の吸収を最大にするために、すべてのマウスを、ピーナッツチャレンジの前に8時間絶食させた。マウスを、総ヒトIgG(図1B)、総ヒトIgE(図1C)、総マウスIgE、ピーナッツ特異的(PN特異的)ヒトIgE(図1D)、アナフィラキシー症状(図1E)、アナフィラキシースコア(図1F)、血漿ヒスタミン(図1G)及び受動性皮膚アナフィラキシー図1H)について評価した。

0057

結果は、ピーナッツアレルギー有り又は無しのドナーの単核細胞で再構成されたマウスは、再構成後にヒトIgGのレベルが上昇したことを示している(図1B)。対照的に、ピーナッツ感作後、ピーナッツアレルギー被験体由来の単核細胞で再構成されたマウスのみで、総ヒトIgE及びピーナッツ特異的IgEが発現した(図1C及び1D)。重要なことに、ピーナッツアレルギードナー由来の血液単核細胞で再構成されたマウスは、アレルギー反応に関連する臨床表現型を示した。マウスは、アナフィラキシースコア2±1(図1F)で目及び鼻の周囲の腫れ、毛の逆立ち、毛皮の掻痒/波立ち、歩行及び呼吸速度
の減少を示した(図1E)。これらの臨床的特徴は、非アレルギー性個体由来の血液単核細胞を受容した動物では観察されなかった。ピーナッツアレルギードナー由来の血液単核細胞で再構成し、次いでピーナッツ粗抽出物でチャレンジしたマウスにおけるヒスタミンレベルは、非ピーナッツアレルギー性アトピー性ドナー由来の血液単核細胞で再構成したマウスと比較すると、ピーナッツチャレンジ後、ヒスタミンのレベル上昇を示した(図1G)。

0058

まとめると、これらの研究からの結果は、ピーナッツアレルギードナー由来の血液単核細胞で再構成されたマウスは、アレルギー応答に関連する表現型を示したが、非アレルギー性ドナー由来の血液単核細胞を受容した動物においては、これらの特性は観察されなかった。

0059

再構成されたNOD−scidIL2Rgammanullマウスにおけるピーナッツ誘発性アナフィラキシーが、ヒトIgEによって媒介されることを実証するために、再構成マウスサブセットを250μg(他のネズミの研究で用いられている、体重当たりベースに基づく投与量)のオマリズマブ(Xolair(登録商標);Novartis,Huningue,France)で1回処置した。マウスを、IgEに関して、治療前及び治療1週間後に、及びアナフィラキシー徴候及び受動皮膚アナフィラキシーについてのマウスの身体的評価に関して、治療2週間後に評価した。

0060

結果は、アナフィラキシー症状の最初の徴候の後にオマリズマブで処置したマウスは、オマリズマブ投与の1週間後に、遊離IgEレベルが、治療1週間前のレベルと比較して有意に低かった(p<0.001)ことを示す(図2A)。オマリズマブマウスは、ピーナッツチャレンジ後正常に見えた(オマリズマブ治療の2週間後(図2B図1Eと比較))。最終的に、オマリズマブは、色素溢出を誘発しなかった非ピーナッツアレルギードナー由来の血清で観察された結果と同様に、ピーナッツ誘発ピーナッツ特異的IgE介在性受動皮膚アナフィラキシーを阻止した(図2C)。

0061

まとめると、実施例1の結果は、ピーナッツアレルギーのマウスモデルの作出を裏付ける。

0062

実施例2
本実施例は、抗hIgE抗体をコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターを含むAAVベクターの設計及び発現を実例で示す。

0063

発現カセットは、抗hIgEモノクローナル重鎖及び軽鎖cDNA配列及びウサギβグロビンポリアデニル化シグナルに作動可能に連結された、サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー及びニワトリβアクチンプロモーター(CAGプロモーター)からなる。ヒト化抗IgE抗体の配列番号10及び11由来の全長重鎖及び軽鎖アミノ酸配列を、ヒトの好ましいコドンを用いて逆翻訳し、配列を、mRNA定性及びタンパク質発現の改善のために最適化した。重鎖及び軽鎖に、それぞれ、Ig重鎖分泌シグナル及びIgκ分泌シグナルを付加した。フリン切断認識部位(RKRR)の下流のゾーシー・アシグナウイルス(Thosea asigna virus)(Tav)2A切断可能配列を用いることにより、重鎖及び軽鎖を同じオープンリーディングフレームにクローニングした。両抗体鎖は、同じオープンリーディングフレームから、等モル比で発現した(図3A)。

0064

最適化した全長抗hIgEcDNA配列を合成し、CAGプロモーターの制御下、pAAVプラスミドにクローニングした。AAVanti−hIgEベクターは、ベクター複製に必要な、AAV2由来のAAVRepタンパク質、生成されたAAVベクターの血清型を規定するAAVrh.10ウイルス構造(キャップ)タンパク質VP1、2及び
3;並びにE2、E4及びVA RNAのアデノウィルスヘルパー機能を有するプラスミドと共に、pAAVプラスミドのヒト胎児腎臓293T細胞(HEK 293T;アメリカンタイプカルチャーコレクション)への共トランスフェクションにより製造した。AAVanti−hIgEベクター(「AAVrh.10anti−hIgE」と呼ばれる)は、イオジキサノール勾配及びQHP陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製した。ベクターゲノム力価は、定量的TaqManリアルタイムPCR解析によって決定した。インビボ研究のためのコントロールとして、関係性の無い、ニコチンに対する抗体、AAVantiNic(「AAVrh.10IgGcontrol」と呼ばれる)をコードするベクターを用いた。

0065

AAVrh.10anti−hIgEによるモノクローナル抗体の発現をインビトロで評価するために、HEK293T細胞を、AAVrh.10anti−hIgEプラスミド又は関係性の無いヒト抗体コントロールをコードするAAVrh.10IgGcontrolプラスミドでトランスフェクションし、上清を72時間後に回収した。上清中の抗hIgE抗体の発現を、クマシーブルー染色SDS−PAGE並びにペルオキシダーゼ結合抗ヒトκ軽鎖ヤギ抗体及びペルオキシダーゼ結合抗ヒトIgGヤギ抗体及び増強化発光基質(Bio−Rad,Hercules,CA)によるウエスタン解析によって評価した。図3Bに示す通り、抗IgE抗体の重鎖及び軽鎖の両方が、細胞培養上清中に検出された。

0066

インビボ試験のために、6〜8週齢の、雌性NOD−scidIL2Rgammanull(NSG)マウス又は雌性Balb/Cマウスに、AAVrh.10anti−hIgEベクター、AAV9anti−hIgEベクター、AAV8anti−hIgEベクター、AAVrh.10anti−nicotineベクター(コントロール)、又はAAVrh.10controlベクターを、1011ゲノムコピー(gc)で、100μlの容量で、静脈内注射による1回投与を受容させた。

0067

尾静脈からの血液(100μl)を、時間0及び様々な時点で、24週まで評価した。血液サンプルを、23℃で1時間、その後4℃で30分凝固させ、次いで1800gで20分間スピンして血清を回収した。次いで、抗IgE抗体の濃度を、ELISAによって決定した。平底96ウェルEIARIAプレート(Corning,Corning,NY)のウェルを、100μlの炭酸緩衝液(pH9.6)中0.2μgのヒトIgEで、4℃で一晩コーティングし、次いでPBS中0.05%Tween 20(PBS−Tween)で洗浄し、PBS中5%乾燥ミルクで、23℃で60分間、ブロッキングした。ウェルに血清の連続希釈液を加え、23℃で60分間インキュベーションした。プレートをPBS−Tweenで3回洗浄し、100μlの、セイヨウワサビペルオキシダーゼに結合したマウス抗ヒトIgG(Abcam,Cambridge,MA)(1:2000希釈)を、PBS中1%乾燥ミルク中で、23℃で60分間インキュベーションした。4回の洗浄ステップの後、ペルオキシダーゼ基質(100μl/ウェル;Bio−Rad、Hercules、CA)を各ウェルに加え、23℃で15分間インキュベーションし、2%シュウ酸(100μl/ウェル)を加えて反応を停止させた。吸光度は415nmで測定した。抗hIgE抗体力価は、バックグラウンドの吸光度の2倍に等しいカットオフ値を用い、log(OD)−log(希釈)を補間することにより算出し、オマリズマブ抗体(Genentech,San Francisco,CA)による標準曲線に基づいてμg/mlに変換し、Pierce(商標)BCA Protein Assay
Kit (Life Technologies,Grand Island,NY)により定量した。図3Cに示す通り、200μg/mlを超えるレベルでのヒト抗IgEの発現が、実験期間(44週)で実証されたが、コントロール処置動物からは、ヒト抗IgEは検出されなかった。図3D〜3Eに示す通り、ヒト抗IgEの発現は、AAV抗IgEベクターのそれぞれについて実証されたが、コントロール処置動物からは、ヒト抗I
gEは検出されなかった。

0068

これらのデータは、AAV−anti−hIgE抗体発現カセットが、1回の投与から、高レベルの特異的な長期抗IgE抗体発現をもたらし得ることを示す。

0069

実施例3
本実施例は、アレルゲンに対するアレルギー反応を軽減するための、AAV−抗−hIgEベクターによる予防療法を実例で示す。

0070

AAVrh.10anti−hIgEでの前処置が、ピーナッツアレルギーマウスを防護するか否かを試験するために、NOD−scidIL2Rγnullマウス(6〜8週齢)を、AAVrh.10anti−hIgE(1011)又はAAVrh.10IgGcontrol(1011)で−3週目に処置し、次いで、0週目に血液単核細胞で再構成した。続いて、マウスにピーナッツ抽出物でチャレンジした(図4A)。ベクター注射後2週目から、抗hIgE抗体レベルを2週間毎に評価した。マウスを感作し、0〜4週目及び5〜8週目にそれぞれピーナッツ粗抽出物でチャレンジした。ヒトIgGレベルを、2週目、4週目及び8週目で評価した。ヒトIgE及びピーナッツ特異的IgEを4週目に評価した。遊離IgEレベルを4週目に評価した。アナフィラキシースコアは、各ピーナッツチャレンジ後30分で評価し、自発運動は6週目で、ヒスタミンレベルは7週目、且つ受動性皮膚アナフィラキシーは7.5週目に評価した。

0071

血液単核細胞の移入及びピーナッツ抽出物による感作後、総ヒトIgE、ピーナッツ特異的IgE及び遊離IgEレベルが誘導された(図4B〜D)。IgE応答は、ピーナッツアレルギードナー由来の血液単核細胞で再構成されたNSGマウスに、特異的なアレルゲンを投与した場合にのみ現れた。AAVrh.10anti−IgEで処置したマウスは、AAVrh.10IgGcontrolで処置したマウスと比較すると、28日目以降、総IgE及びピーナッツ特異的IgEのレベルが有意に低かった(p<0.002)。重要なことに、遊離IgEレベルは、AAVrh.10IgGcontrol処置マウスと比較して、AAVrh.10anti−hIgE処置マウスにおいて有意に低かった(p<0.01;図4D)。アナフィラキシー反応は、ピーナッツ抽出物を用いて胃内にチャレンジした30分後に評価した。驚くべきことに、AAVrh.10anti−hIgEで処置したマウスは、コントロールベクターを受容したものと比較して、臨床表現型、歩行抑制、より低いアナフィラキシースコア、ヒスタミン放出減少、及びPCA低下によって明らかにされた通り、はるかに重篤度が低いアレルギー表現型を示した。(図5A〜5D)。

0072

これらのデータは、AAVrh.10anti−hIgEベクターの1回の予防的処置が、免疫応答又はアレルギー反応を軽減又は阻害し得ることを実証する。

0073

実施例4
この実施例は、抗原への曝露後のベクター投与の有効性を実証する。

0074

抗AAVrh.10anti−hIgEによる処置が、マウスがピーナッツ抽出物で感作され、ピーナッツ抽出物誘発アレルギー反応を示した後、該ピーナッツアレルギーマウスを防護し得るか否かを決定するために、NOD−scidIL2Rgammanullマウスを、0週目に血液単核細胞で再構成し、次いで、それぞれ0〜4週目及び5〜10週目に、ピーナッツ粗抽出物で感作及びチャレンジした。ピーナッツチャレンジ(5週目)に関連するアナフィラキシーの最初の徴候の後、200μlの0.9%NaCl中のAAVrh.10anti−hIgE、AAVrh.10IgGcontrol又は250μgのヒト化抗IgE mAbのオマリズマブをマウスに投与した。抗hIgE抗体
レベルを固定間隔(2週間)で評価した(図6A)。ヒトIgGレベルを2、4及び8週目に評価した。ヒトIgEを4週目及び6週目に、遊離IgEレベルを4週目及び6週目に、そしてピーナッツ特異的IgEを4週目に評価した。7週目及び10週目の各ピーナッツチャレンジの30分後に、アナフィラキシースコア及び臨床スコアを評価した。自発運動は、7及び10週目に、ヒスタミンレベルは6及び9週目に、そして受動皮膚アナフィラキシーは7及び10週目に評価した。

0075

IgE応答は、血液単核細胞の移入及びピーナッツ抽出物による感作の後、ピーナッツアレルギードナー由来の血液単核細胞で再構成されたNSGマウスの群に特異的アレルゲンを注射した場合にのみ現れ、ピーナッツチャレンジ後持続した(図6B)。全てのマウスは、治療の1週間前、4週目にピーナッツ感作を完了した後、ピーナッツ特異的IgEを有するようになった(図6C)。AAVrh.10anti−IgE処置マウスの遊離IgEレベルは、AAVrh.10IgGcontrol処置マウスと比較して、治療後1週間に有意に減少(6週目;p<0.01)した(図6D)。AAVrh.10anti−hIgEで治療した5週間後の10週目において、ピーナッツアレルギーマウスには臨床的徴候がなかったが、オマリズマブで処置したピーナッツアレルギーマウスは、目及び鼻の周囲の腫れ、毛の逆立ち、毛皮の掻痒及び波立ちがあった(図7A)。治療2週間後の7週目では、AAVrh.10anti−hIgE及びオマリズマブ処置マウスの両方が、コントロールより歩行運動性が顕著に高かった(図7B、左)が、治療5週後の10週目では、AAVrh.10anti−hIgEマウスが、オマリズマブ処置マウスよりも、歩行運動性が顕著に高かった(図7B右;10週目までに、全てのコントロールマウスが死亡した)。臨床表現型及び歩行運動データ整合して、7週目(治療後2週間)のアナフィラキシースコアは、コントロールと比較して、AAVrh.10anti−hIgE及びオマリズマブの処置マウス両方について有意に低かったが、10週目(治療後5週間)では、AAVrh.10anti−hIgE治療のみが有効であり続けた(7週目で、オマリズマブマウスはコントロールマウスと同様であった(10週目までに全てのコントロールマウスが死亡した;図7C))。血漿ヒスタミンレベル(図7D)及び受動皮膚アナフィラキシー(図7E)についても同様の観察がなされた。

0076

生存解析は最も驚くべき観察であった。AAVrh.10anti−hIgEを受容したマウスのみが、治療後40日にわたって、死亡から防護された(図8)。オマリズマブ処置マウスの70%(7/10)が死亡し、89%(8/9)のAAVrh.10IgGcontrolマウスが死亡した一方、90%のAAVrh.10anti−hIgEマウス(9/10)は治療後最大40日生存した(最後の時点で評価)。アレルギー性ドナー、また非アレルギー性ドナーの両方由来の単核細胞での再構成の6〜7週間後、異種移植片対宿主病(GVHD)と整合して、ヒト化マウス及び小腸の両方において、マウス中に炎症性及び免疫性浸潤物が見られた(表I)。肺GVHDの診断特徴、即ちリンパ組織球性、形質細胞性及び好中球性の血管周囲炎(perivasculitits)及び細気管支周囲炎びまん性間質性好中球増加症及び多巣性細気管支上皮内好酸球含有物(multifocal bronchiolar intraepithelial
eosinophilic inclusion)が肺組織に見られた。小腸組織は、GVHDと一致する組織学的特徴、即ち、好酸球、好中球及びリンパ球浸潤を示した。

0077

刊行物、特許出願及び特許を含む、本明細書中に引用した全ての参考文献は、それぞれの参考文献が参照によって組み込まれることが個々に且つ具体的に示されているのと同程度及びその全体が本明細書中に記載されているのと同程度まで、参照によって本明細書中に組み込まれる。

0078

本発明の説明に関して(特に、以下の特許請求の範囲に関して)、用語「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1の」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書中
特記しないか文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方をカバーすると解釈すべきである。1以上の事項列記の後での用語「少なくとも1の」の使用(例えば、「A及びBのうち少なくとも1の」)は、本明細書中に特記しない又は文脈と明らかに矛盾しない限り、列記した事項から選択された1の事項(A若しくはB)又は列記した事項のうち2以上の任意の組み合わせ(A及びB)を意味すると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」は、特記しない限り、オープンエンドの用語(即ち、「〜を含むがそれらに限定されない」を意味する)と解釈すべきである。本明細書中の値の範囲の記述は、本明細書中に特記しない限り、その範囲内に入る各個別の値に個々に言及する省略方法として働くことのみを意図しており、各個別の値は、それが本明細書中に個々に記述されているかのように本明細書中に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中に特記しない又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施できる。本明細書中に提供される任意の及び全ての例又は例示的語句(例、「等(such as)」)の使用は、本発明をよりよく説明することのみを意図しており、特段特許請求されない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書中の全ての語句は、特許請求されていない任意の要素を本発明の実施に必須のものとして示していると解釈すべきではない。

実施例

0079

発明を実施するための、発明者が知る最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書中に記載されている。これらの好ましい実施形態のバリエーションは、上述の説明を読めば当業者に明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がかかるバリエーションを適宜使用することを予期しており、本発明者らは、本明細書中に具体的に記載されたのとは異なる方法で本発明が実施されることを意図している。従って、本発明は、適用法によって許容される通り、本明細書中に添付した特許請求の範囲に記載される主題の全ての改変及び均等物を含む。更に、その全ての可能なバリエーションでの上記要素の任意の組合せが、本明細書中に特記しない限り又は文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。

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