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技術 リンパ液流動性向上のための飲食品

出願人 株式会社ブルボン大橋俊夫
発明者 大橋俊夫前島大輔
出願日 2019年11月8日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-203487
公開日 2021年5月20日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-073912
状態 未査定
技術分野 食品の着色及び栄養改善 乳製品 菓子
主要キーワード リンパ液流 苦味剤 胃内への 膠質浸透圧 系脂肪酸 疾病リスク アルブミン量 抗菌タンパク質
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

生体におけるリンパ液流動性を向上させるための飲食品の提供。

解決手段

水を有効成分として含有する、リンパ液流動性向上のための飲食品。前記飲食品に対して80〜100質量%の水を含有することが好ましく、水における不純物の総量が0〜1質量%であることが更に好ましく、水は純水であることがより好ましい。

概要

背景

従来、リンパ系は、リンパ管の中を流れるリンパ液(単に「リンパ」ともいう)を介して、生体において様々な機能を果たすことが知られており、リンパ系の機能に基づく生体の恒常性維持、疾患の予防・治療等が研究されている。

生体におけるリンパ液は一様ではなく、一般に、リンパ液は無色透明液体であるのに対し、空腸由来し、腸間膜中のリンパ管を流れるリンパ液(腸間膜リンパ)は、他の器官に由来するリンパ液とは異なる白色である。腸間膜リンパは、他の器官に由来するリンパ液と比較して組成が異なり、生理学的、免疫学的に異なる機能を有すると考えられている。

近年、リンパ系についての研究が進んでいるものの、リンパ系が果たす生理学的、免疫学的機能については研究の余地が残されており、とりわけ腸間膜リンパの機能については十分な知見が得られていないというのが現状である。

ところで、従来、身体の健康を維持するために、毎日適量の水を摂取することが知られている。しかしながら、水を摂取することにより身体の健康が維持される生理学的および免疫学的メカニズムについてはいまだ解明されていない。

また、水を摂取することにより、生体内でのリンパ液の状態にどのような影響を及ぼすかについても十分な知見が得られておらず、水を摂取することによる身体の健康の維持においてリンパ液が果たす役割についての研究が依然として続けられている。

概要

生体におけるリンパ液の流動性を向上させるための飲食品の提供。水を有効成分として含有する、リンパ液流動性向上のための飲食品。前記飲食品に対して80〜100質量%の水を含有することが好ましく、水における不純物の総量が0〜1質量%であることが更に好ましく、水は純水であることがより好ましい。なし

目的

本発明は、生体におけるリンパ液の流動性を向上させるための飲食品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

水を有効成分として含有する、リンパ液流動性向上のための飲食品

請求項2

腸間膜下肢からなる群から選択される少なくとも一つの部位におけるリンパ液流動性を向上させる、請求項1に記載の飲食品。

請求項3

前記飲食品に対して80〜100質量%の水を含有する、請求項1または2に記載の飲食品。

請求項4

前記水における不純物の総量が0〜1質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲食品。

請求項5

前記水が純水である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲食品。

請求項6

前記飲食品が、健康食品機能性食品栄養補助食品または特定保健用食品である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲食品。

請求項7

清涼飲料水、乳、乳製品乳酸菌飲料酒類または冷菓の形態である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲食品。

技術分野

0001

本発明は、リンパ液流動性向上のための飲食品に関し、より具体的には、水を有効成分として含有するリンパ液流動性のための飲食品に関する。

背景技術

0002

従来、リンパ系は、リンパ管の中を流れるリンパ液(単に「リンパ」ともいう)を介して、生体において様々な機能を果たすことが知られており、リンパ系の機能に基づく生体の恒常性維持、疾患の予防・治療等が研究されている。

0003

生体におけるリンパ液は一様ではなく、一般に、リンパ液は無色透明液体であるのに対し、空腸由来し、腸間膜中のリンパ管を流れるリンパ液(腸間膜リンパ)は、他の器官に由来するリンパ液とは異なる白色である。腸間膜リンパは、他の器官に由来するリンパ液と比較して組成が異なり、生理学的、免疫学的に異なる機能を有すると考えられている。

0004

近年、リンパ系についての研究が進んでいるものの、リンパ系が果たす生理学的、免疫学的機能については研究の余地が残されており、とりわけ腸間膜リンパの機能については十分な知見が得られていないというのが現状である。

0005

ところで、従来、身体の健康を維持するために、毎日適量の水を摂取することが知られている。しかしながら、水を摂取することにより身体の健康が維持される生理学的および免疫学的メカニズムについてはいまだ解明されていない。

0006

また、水を摂取することにより、生体内でのリンパ液の状態にどのような影響を及ぼすかについても十分な知見が得られておらず、水を摂取することによる身体の健康の維持においてリンパ液が果たす役割についての研究が依然として続けられている。

0007

本発明者らは、水を生体に摂取させることにより、該生体においてリンパ液の流動性を向上させ得ることを見出した。本発明は、この知見に基づくものである。

0008

従って、本発明は、生体におけるリンパ液の流動性を向上させるための飲食品を提供することを目的とする。

0009

本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]水を有効成分として含有する、リンパ液流動性向上のための飲食品。
[2]腸間膜、下肢からなる群から選択される少なくとも一つの部位におけるリンパ液流動性を向上させる、[1]に記載の飲食品。
[3]前記飲食品に対して80〜100質量%の水を含有する、[1]または[2]に記載の飲食品。
[4]前記水における不純物の総量が0〜1質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の飲食品。
[5]前記水が純水である、[1]〜[4]のいずれかに記載の飲食品。
[6]前記飲食品が、健康食品機能性食品栄養補助食品または特定保健用食品である、[1]〜[5]のいずれかに記載の飲食品。
[7]清涼飲料水、乳、乳製品乳酸菌飲料酒類または冷菓の形態である、[1]〜[6]のいずれかに記載の飲食品。

0010

本発明によれば、生体におけるリンパ液の流動性を向上させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、絶食後のラット胃内への滅菌水投与後の各時間における腸間膜リンパの流動量を示すグラフである。
図2は、絶食後のラットの胃内への滅菌水投与後の各時間の腸間膜リンパにおけるアルブミンの量を示すグラフである。
図3は、絶食後のラットの胃内への滅菌水投与後の各時間の腸間膜リンパにおける長鎖脂肪酸の量を示すグラフである。
図4は、絶食後のラットの胃内への滅菌水投与後の各時間の腸間膜リンパにおけるインターロイキン−22の量を示すグラフである。
図5は、絶食後のラットの胃内への滅菌水投与後の各時間の腸間膜リンパにおける免疫細胞の量を示すグラフである。

発明の具体的説明

0012

本発明によれば、水を有効成分として含有する、リンパ液流動性向上のための飲食品(以下、「本発明の飲食品」という場合がある)が提供される。本明細書において、リンパ液の流動性の向上とは、生体のある部位のリンパ管において一定時間の間に流れるリンパ液の量が増大することを意味する。

0013

本発明の飲食品によれば、生体内における各部位のリンパ管においてリンパ液流動性を向上させることができる。リンパ液流動性向上の対象となるリンパ管が存在する部位としては、特に限定されないが、例えば、腸間膜、下肢等が挙げられる。

0014

本発明の飲食品は、水を有効成分として含んでなる。本明細書において「水」とは、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、塩類電解質)、塩素有機物等の不純物を含まないか、ほとんど含まない、純度が高い水であることが好ましい。不純物の総量は、水の質量に対して、好ましくは0〜1質量%、より好ましくは0〜0.98質量%、さらに一層好ましくは0〜0.9質量%である。リンパ液流動性向上剤に用いられる水としては、例えば、水道水、純水、精製水脱イオン水蒸留水等が挙げられる。これらの水は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明のリンパ液流動性向上剤においては、好ましくは純水が単独で使用される。

0015

本発明の飲食品によれば、生体内における各部位のリンパ管においてリンパ液流動性の低下を抑制することができるため、各部位のリンパ液の流動性が低下することにより生じる疾患の治療、および/またはリンパ液の流動性の低下を抑制することによる疾患の予防をすることができる。本明細書において「治療」とは、確立された疾患(病態)を改善することを意味する。また、本明細書において「予防」とは、疾患(病態)を、その確立前に抑制することを意味する。

0016

本発明の飲食品の適用対象となる疾患は、リンパ液流動性の低下に起因する疾患であれば特に限定されないが、例えば、腸間膜、下肢等のリンパ管におけるリンパ液流動性の低下に起因する疾患が挙げられる。具体的な疾患としては、例えば、免疫機能不全症、消化吸収機能不全症糖尿病大腸癌等が挙げられる。免疫機能不全症としては、例えば、食物アレルギー膠原病等が挙げられる。また、消化吸収機能不全症としては、例えば、タンパク質漏出胃腸症等が挙げられる。

0017

また、リンパ液は様々な物質細胞運搬を担うことが知られている。リンパ液によって運搬される物質、細胞としては、具体的には、アルブミン、脂肪酸サイトカイン水溶性分子等の物質、T細胞、B細胞等の免疫細胞が挙げられる。したがって、本発明の飲食品は、リンパ液により運搬される物質や細胞の量を向上させることが可能となるため、これらの物質や細胞によりもたらされる恒常性の維持、および/またはこれらの物質や細胞の量が低下することによりもたらされる疾患の予防および/または診断、治療、治療経過の評価等の作用を奏し得る。

0018

アルブミンは、生体内において血液を正常に循環させるための膠質浸透圧の維持する機能を有する。一般に、生体内において膠質浸透圧が正常に維持されない全身性浮腫の場合、本発明の飲食品によってリンパ液により運搬されるアルブミンの量が増大すると、浮腫の改善が見られると考えられる。また、アルブミンは分子内に正電荷および負電荷を有しているため、これらの電荷を介して生体内の様々な物質と結合し、目的の器官、組織等に運搬される。このよう物質としては、例えば、カルシウム亜鉛マグネシウム等の微量元素、脂肪酸、酵素ホルモン等が挙げられる。また、アルブミンは、生体に毒性を有する物質(毒素)とも結合し得、血液中に含まれる毒素と結合することで毒素の血中濃度を低下させることができる。したがって、本発明の飲食品によってリンパ液により運搬されるアルブミン量が増大すると、こうした生体物質輸送の改善や生体内毒素の排除に役立つと考えられる。

0019

本発明の飲食品は、リンパ液により運搬されるアルブミンの量を増大させることができるため、リンパ管を流動するアルブミン量の低下によって引き起こされる全身性浮腫等の症状や疾患を予防および/または治療することができる。

0020

脂肪酸は脂質を構成する物質の一つであり、生体を構成する様々な脂質(例えば、グリセロリン脂質トリアシルグリセロールコレステロールエステルスフィンゴ脂質エイコサノイド等)を形成する。したがって、本発明の飲食品によってリンパ液により運搬されるω3やω6等の脂肪酸の量が増大すると、心臓病脳梗塞等の予防につながると考えられる。

0021

本発明の飲食品は、リンパ液により運搬される脂肪酸の量を増大させることができるため、リンパ管を流動する長鎖脂肪酸量の低下によって引き起こされる心筋梗塞、脳梗塞等の症状や疾患を予防および/または治療することができる。例えば、α−リノレン酸エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)等のn−3(ω3)系脂肪酸は、血漿トリグリセリド減少、HDLコレステロール増加、血小板凝集抑制、炎症抑制等の作用を有し、また、虚血性心疾患、脳梗塞、心不全加齢性黄斑変性症等の症状や疾患に対する予防/治療効果があることが知られていることから、本発明の飲食品は、これらの症状や疾患の予防および/または治療に効果を有する。

0022

サイトカインは生体機能に関わる生理活性物質であり、例えば、インターロイキン、インターフェロン腫瘍性壊死因子ケモカインコロニー刺激因子増殖因子等が挙げられる。これらは免疫系の調節、炎症反応惹起、細胞の増殖や分化の調整、抗腫瘍作用に関係している。したがって、本発明の飲食品によってリンパ液により運搬されるサイトカインの量が増大すると、主に自然免疫機能の上昇が起こる。

0023

本発明の飲食品は、リンパ液により運搬されるサイトカインの量を増大させることができるため、リンパ管を流動するサイトカイン量の低下によって引き起こされる免疫不全等の症状や疾患を予防および/または治療することができる。例えば、インターロイキン−22(IL−22)は、呼吸器腸管、皮膚、肝臓内臓脂肪等の上皮細胞におけるIL−22受容体に作用し、粘液抗菌タンパク質の産生を誘導する。また、IL−22は、上皮細胞表面のフコシル化を誘導してバリア機能を向上させ、病原性細菌侵入を抑制することが知られていることから、本発明の飲食品は、免疫機能の増大、感染の抑制等の効果を有する。

0024

免疫細胞は、免疫機能に関与する細胞であり、直接的または間接的に外界からの異物抗原)を無効化して生体内から除去する作用を有する。したがって、本発明の飲食品によってリンパ液により運搬される免疫細胞の量が増大すると、免疫機能の増強、癌の発生の予防等が可能となる。

0025

本発明の飲食品は、リンパ液により運搬されるT細胞、B細胞、樹状細胞マクロファージ等の免疫細胞の量を増大させることができるためリンパ管を流動する免疫細胞の量の低下によって引き起こされる疾患等の症状や疾患を予防および/または治療することができる。

0026

本発明の飲食品における水の含有量としては、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、飲食品の質量に対して、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは85〜100質量%、さらに一層好ましくは90〜100質量%である。

0027

本発明の飲食品には、所望により、食品衛生許容可能な添加剤を添加してもよい。食品衛生上許容可能な添加剤としては、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、甘味剤酸味剤苦味剤着色剤保存剤、増粘安定剤、酸化防止剤発色剤漂白剤防腐剤香料等が挙げられる。

0028

本発明の飲食品の形態としては、本発明の効果が奏される限り特に限定されず、液状、ゲル状、ペースト状、固体状等の形態とすることができるが、水を有効成分として含有することから、液体状、ゲル状の形態であることが好ましい。具体的な飲食品としては、例えば、果汁飲料野菜飲料豆乳飲料コーヒー飲料茶飲料等の清涼飲料水、牛乳等の乳、乳飲料クリーム等の乳製品、ヨーグルト等の乳酸菌飲料、アルコール飲料等の酒類、ゼリーアイスクリーム等の冷菓が挙げられる。

0029

本発明の飲食品には、いわゆる健康食品、機能性食品、栄養補助食品または特定保健用食品(疾病リスク低減表示を含む)、特別用途食品(例えば、病者用食品、嚥下困難者用食品等)等に分類されるものも包含される。

0030

本発明の飲食品の摂取経路は、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、口腔内への経口摂取、または、鼻腔内、食道内胃内、腸内等への非経口摂取を挙げることができる。

0031

本発明の飲食品の摂取量は、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、水の量として、1日に体重1kg当たり、好ましくは10g以上、より好ましくは15g以上、さらに一層好ましくは20g以上とすることができる。また、飲食品の摂取量の上限は特に限定されないが、水の量として、例えば、1日に体重1kg当たり、50g以下、40g以下、30g以下、25g以下等とすることができる。飲食品の摂取量の範囲は、水の量として、1日に体重1kg当たり、好ましくは10〜50g、より好ましくは15〜30g、さらに一層好ましくは16〜25gとすることができる。

0032

飲食品の摂取スケジュールは、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、上述した量の飲食品を、1日に1回で、または複数可に分けて摂取する。複数回に分けて摂取する場合、摂取回数は特に限定されないが、例えば、2〜10回、2〜8回、2〜5回、3〜10回、3〜8回、3〜5回、4〜10回、4〜8回、4〜5回等とすることができる。また、複数回に摂取する場合、各摂取間の時間は特に限定されないが、例えば、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、7時間、10時間、12時間、15時間等とすることができる。

0033

本発明の飲食品の摂取対象は、リンパ系を有する生体であれば特に限定されないが、例えば哺乳動物であり、好ましくはヒトである。

0034

以下の実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0035

以下の各実施例において、実験動物として、標準的なペレット(実験動物用試料MFオリエンタ酵母株式会社製)および水を不断給餌して自由に摂食させて生育したオスのSprague-Dawleyラット(10〜12週齢、日本SLC株式会社製)を用いた。

0036

ラットの腸間膜の微小リンパ管からのリンパ液の収集は、ラット腹部正中線に沿って切開し、腸間膜の脂肪組織および結合組織を除去して腸間膜リンパ節および輸出リンパ管露出させ、輸出リンパ管にポリエチレンカテーテル外径0.5〜0.6mm)を挿入し、ポリエチレンカテーテルを介して流出するリンパ液を収集することにより行った。

0037

実施例1:腸間膜リンパの由来の検討
腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液(腸間膜リンパ)がどの器官に由来するものであるかについて検討した。具体的には、オスのSprague-Dawleyラットを一晩絶食させた後、空腸壁、回腸壁または胃壁粘膜および粘膜下層)にEvans blueを1ml(0.3〜0.4ml/kg体重注入し、腸間膜の微小リンパ管におけるEvans blueの流動を観察し、Evans blueが腸間膜の微小リンパ管に達するまでの時間を測定した。なお、空腸壁、回腸壁または胃壁にEvans blueを注入する個体数はそれぞれ5とした。結果は、空腸壁に注入されたEvans blueは平均で5分以内に腸間膜の微小リンパ管に達したが、回腸壁または胃壁に注入されたEvans blueは、平均で40〜60分後まで腸間膜の微小リンパ管に到達しなかった。これらの結果から、腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液は、主に空腸に由来するものであることが分かった。

0038

実施例2:腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液の量の変動
水の摂取が腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液の量にどのような影響を及ぼすかについて検討した。具体的には、4匹のオスのSprague-Dawleyラットを一晩絶食させた後、口からニードルカテーテルを挿入して胃内に滅菌水を3ml(1ml/kg体重)注入し、注入後、腸間膜リンパを経時的(注入後60分までは15分毎、注入後60〜180分は60分毎)に収集した。各時間で収集された腸間膜リンパの体積を測定した。結果を図1に示す。なお、滅菌水の注入後60〜120分、また、対照は、水を摂取させないラットを用いて、滅菌水の注入後1〜60分に収集された腸間膜リンパの体積の15分間の平均値(すなわち、1〜60分に収集された腸間膜リンパの体積の1/4の体積)とした。図中、**はP<0.01で有意差があることを意味し、NSは有意差がないことを意味する。

0039

図1に示されるように、胃内に滅菌水を摂取させた場合、その摂取後0〜15分、15〜30分、30〜45分および45〜60分のいずれの時間においても、対照と比較して腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液の量が有意に増大しており、特に、摂取直後(0〜15分)では顕著に増大していた。一方、摂取後60〜120分および120〜180分においては、対照と比較して腸間膜リンパの流動量に有意な変化は見られなかった。これらの結果から、水を摂取することにより、摂取直後に腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液の量が特に有意に増大し、摂取後60分まで有意な増大が継続し、その後平常量に戻ることが分かった。

0040

実施例3:腸間膜の微小リンパ管を流動するアルブミンの量の変動
水の摂取が腸間膜の微小リンパ管を流動するアルブミンの量にどのような影響を及ぼすかについて検討した。具体的には、実施例2において収集されたそれぞれの腸間膜リンパ(滅菌水の摂取後0〜60分、60〜120分および120〜180分)を遠心分離し、各上清におけるアルブミン濃度を、ELISAキットおよびELISA定量キット(Bethyl Laboratories社製)を用いて測定した。測定された各時間の腸間膜リンパにおけるアルブミン濃度、および実施例2で測定された各時間の腸間膜リンパの流量に基づいて、各時間の腸間膜の微小リンパ管を流動するアルブミンの量を算出した。結果を図2に示す。図中、**はP<0.01で有意差があることを意味し、NSは有意差がないことを意味する。

0041

図2に示されるように、胃内に滅菌水を摂取させた場合、その摂取後0〜60分においては、対照と比較して腸管膜の微小リンパ管を流動するアルブミンの量が有意に増大していた。一方、摂取後60〜120分および120〜180分においては、対照と比較してアルブミンの流動量に有意な変化は見られなかった。これらの結果から、水を摂取することにより、摂取後0〜60分において腸間膜の微小リンパ管を流動するアルブミンの量が有意に増大し、その後平常量に戻ることが分かった。この結果は、実施例2で示されたように、胃内への滅菌水の摂取により腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液の量が有意に増大したことに伴って、リンパ液中に含まれるアルブミンの流動量も有意に増大したことによるものであると示唆される。

0042

実施例4:腸間膜の微小リンパ管を流動する長鎖脂肪酸の量および組成の変動
水の摂取が腸間膜の微小リンパ管を流動する長鎖脂肪酸の量および組成にどのような影響を及ぼすかについて検討した。具体的には、実施例2において収集されたそれぞれの腸間膜リンパ(滅菌水の摂取後0〜60分、60〜120分および120〜180分)を遠心分離し、各上清における長鎖脂肪酸濃度を、DB−23カラム(Agilent Technologies社製)を用いたガスクロマトグラフィーGC−2014、株式会社島津製作所製)により測定した。測定された各時間の腸間膜リンパにおける長鎖脂肪酸濃度、および実施例2で測定された各時間の腸間膜リンパの流量に基づいて、各時間の腸間膜の微小リンパ管を流動する長鎖脂肪酸の量を算出した。結果を図3に示す。図中、**はP<0.01で有意差があることを意味し、NSは有意差がないことを意味する。

0043

図3に示されるように、胃内に滅菌水を摂取させた場合、その摂取後0〜60分においては、対照と比較して腸間膜の微小リンパ管を流動する長鎖脂肪酸の量が有意に増大していた。一方、摂取後60〜120分および120〜180分においては、対照と比較して長鎖脂肪酸の流動量に有意な変化は見られなかった。これらの結果から、水を摂取することにより、摂取後0〜60分において腸間膜の微小リンパ管を流動する長鎖脂肪酸の量が有意に増大し、その後平常量に戻ることが分かった。この結果は、実施例2で示されたように、胃内への滅菌水の摂取により腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液の量が有意に増大したことに伴って、リンパ液中に含まれる長鎖脂肪酸の流動量も有意に増大したことによるものであると示唆される。また、腸間膜の微小リンパ管を流動する長鎖脂肪酸の組成は滅菌水の摂取の前後で大きく変化することはなく、主な長鎖脂肪酸はパルミチン酸ステアリン酸オレイン酸、リノレン酸、ω−脂肪酸(アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA))であった。

0044

実施例5:腸間膜の微小リンパ管を流動するインターロイキン−22の量の変動
水の摂取が腸間膜の微小リンパ管を流動するインターロイキン−22(IL−22)の量にどのような影響を及ぼすかについて検討した。具体的には、実施例2において収集されたそれぞれの腸間膜リンパ(滅菌水の摂取後0〜60分、60〜120分および120〜180分)を遠心分離し、各上清におけるIL−22濃度を、マウス/ラットIL−22QuantikineELISAキット(M2200、R&D Systems社製)を用いて測定した。測定された各時間の腸間膜リンパにおけるIL−22濃度、および実施例2で測定された各時間の腸間膜リンパの流量に基づいて、各時間の腸間膜の微小リンパ管を流動するIL−22の量を算出した。結果を図4に示す。図中、**はP<0.01で有意差があることを意味し、NSは有意差がないことを意味する。

0045

図4に示されるように、胃内に滅菌水を摂取させた場合、その摂取後0〜60分においては、対照と比較して腸間膜の微小リンパ管を流動するIL−22の量が有意に増大していた。一方、摂取後60〜120分および120〜180分においては、対照と比較してIL−22の流動量に有意な変化は見られなかった。これらの結果から、水を摂取することにより、摂取後0〜60分において腸間膜の微小リンパ管を流動するIL−22の量が有意に増大し、その後平常量に戻ることが分かった。この結果は、実施例2で示されたように、胃内への滅菌水の摂取により腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液の量が有意に増大したことに伴って、リンパ液中に含まれるIL−22の流動量も有意に増大したことによるものであると示唆される。

0046

実施例6:腸間膜の微小リンパ管を流動する免疫細胞の量の変動
水の摂取が腸間膜の微小リンパ管を流動する免疫細胞の量にどのような影響を及ぼすかについて検討した。具体的には、実施例2において収集されたそれぞれの腸間膜リンパ(滅菌水の摂取後0〜60分、60〜120分および120〜180分)を希釈して、各希釈液における免疫細胞の数を、Turk液を用いて測定した。測定された各時間の腸間膜リンパにおける免疫細胞の数、および実施例2で測定された各時間の腸間膜リンパの流量に基づいて、各時間の腸間膜の微小リンパ管を流動する免疫細胞の量を算出した。結果を図5に示す。図中、**はP<0.01で有意差があることを意味し、NSは有意差がないことを意味する。

0047

図5に示されるように、胃内に滅菌水を摂取させた場合、その摂取後0〜60分においては、対照と比較して腸間膜の微小リンパ管を流動する免疫細胞の量が有意に増大していた。一方、摂取後60〜120分および120〜180分においては、対照と比較して免疫細胞の流動量に有意な変化は見られなかった。これらの結果から、水を摂取することにより、摂取後0〜60分において腸間膜の微小リンパ管を流動する免疫細胞の量が有意に増大し、その後平常量に戻ることが分かった。この結果は、実施例で示されたように、胃内への滅菌水の摂取により腸間膜の微小リンパ管を流動するリンパ液の量が有意に増大したことに伴って、リンパ液中に含まれる免疫細胞の流動量も有意に増大したことによるものであると示唆される。

0048

本発明によれば、生体におけるリンパ液の流動性を向上させることが可能となる。また、リンパ液の流動性を向上させることにより、リンパ液に含まれる細胞や物質の流動量を向上させることができるため、これらの細胞や物質の量の低下に起因する症状や疾患を予防および/または治療することが可能となる。

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