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技術 フィルタリング装置および微生物抽出装置

出願人 東芝テック株式会社
発明者 新井竜一小宮研一山邊奈緒子
出願日 2019年11月8日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-203098
公開日 2021年5月20日 (4ヶ月経過) 公開番号 2021-073903
状態 未査定
技術分野 サンプリング、試料調製 微生物・酵素関連装置 ペプチド又は蛋白質 酵素,微生物の固定化,処理
主要キーワード 吸入機構 磁化物質 微小物質 フィルタ受 密着部分 廃棄ボックス 洗浄液容器 ピペット機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

検出対象物濾別したフィルタを容易に取り出すことができるフィルタリング装置および微生物抽出装置の提供。

解決手段

試料に含まれる検出対象物を濾別するフィルタ42と、前記試料から前記検出対象物を濾別した後の前記フィルタが上部に密着する下ホルダ41bと、前記フィルタが上部に密着する前記下ホルダを反転させる反転機構と、前記反転機構により反転した前記下ホルダに注入される液体とともに前記下ホルダから剥離される前記フィルタを受け入れフィルタ受け45と、を具備するフィルタリング装置。

概要

背景

細菌などの微生物を含むサンプルをフィルタリングするフィルタリング装置がある。従来のフィルタリング装置は、例えば、ホルダ密着させたフィルタ溶液をフィルタリングした後、ホルダからフィルタを取り出す。しかしながら、フィルタリングした後のフィルタは、溶液などでホルダに張り付いてしまうために取り出しが容易ではないという課題がある。

概要

検出対象物濾別したフィルタを容易に取り出すことができるフィルタリング装置および微生物抽出装置の提供。試料に含まれる検出対象物を濾別するフィルタ42と、前記試料から前記検出対象物を濾別した後の前記フィルタが上部に密着する下ホルダ41bと、前記フィルタが上部に密着する前記下ホルダを反転させる反転機構と、前記反転機構により反転した前記下ホルダに注入される液体とともに前記下ホルダから剥離される前記フィルタを受け入れフィルタ受け45と、を具備するフィルタリング装置。

目的

本発明が解決しようとする課題は、検出対象物を濾別したフィルタを容易に取り出すことができるフィルタリング装置および微生物抽出装置を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

試料に含まれる検出対象物濾別するフィルタと、前記試料から前記検出対象物を濾別した後の前記フィルタが上部に密着する下ホルダと、前記フィルタが上部に密着する前記下ホルダを反転させる反転機構と、前記反転機構により反転した前記下ホルダに注入される液体とともに前記下ホルダから剥離される前記フィルタを受け入れフィルタ受けと、を具備するフィルタリング装置

請求項2

前記フィルタは、検出対象物としての微生物または前記微生物を固定した担体を濾別する、請求項1に記載のフィルタリング装置。

請求項3

前記試料から前記検出対象物を濾別した後、前記下ホルダの上にフィルタに挟んでセットされる上ホルダを前記下ホルダから分離させる分離機構を有し、前記反転機構は、前記分離機構によって前記上ホルダが前記下ホルダから分離した後、前記下ホルダを反転させる、請求項1又は2の何れか1項に記載のフィルタリング装置。

請求項4

さらに、前記反転機構により反転した前記下ホルダに前記フィルタを剥離するための液体を注入する送液機構を有する、請求項1乃至3の何れか1項に記載のフィルタリング装置。

請求項5

検出対象物としての微生物を固定する担体と検体とを液中で反応させた試料を生成する反応装置と、前記反応装置が生成した試料に含まれる前記微生物又は前記微生物を固定した担体を濾別するフィルタと、前記試料から前記微生物又は前記微生物を固定した担体を濾別した後の前記フィルタが上部に密着する下ホルダと、前記フィルタが上部に密着する前記下ホルダを反転させる反転機構と、前記反転機構により反転した前記下ホルダに注入される液体とともに前記下ホルダから剥離される前記フィルタを受け入れるフィルタ受けと、を具備する微生物抽出装置

技術分野

0001

本発明の実施形態は、フィルタリング装置および微生物抽出装置に関する。

背景技術

0002

細菌などの微生物を含むサンプルをフィルタリングするフィルタリング装置がある。従来のフィルタリング装置は、例えば、ホルダ密着させたフィルタ溶液をフィルタリングした後、ホルダからフィルタを取り出す。しかしながら、フィルタリングした後のフィルタは、溶液などでホルダに張り付いてしまうために取り出しが容易ではないという課題がある。

先行技術

0003

特表2008−521520号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明が解決しようとする課題は、検出対象物濾別したフィルタを容易に取り出すことができるフィルタリング装置および微生物抽出装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

実施形態によれば、フィルタリング装置は、フィルタと下ホルダと反転機構フィルタ受けとを具備する。フィルタは、試料に含まれる検出対象物を濾別する。下ホルダは、試料から検出対象物を濾別した後のフィルタが上部に密着する。反転機構は、フィルタが上部に密着する下ホルダを反転させる。フィルタ受けは、反転機構により反転した下ホルダに注入される液体とともに下ホルダから剥離されるフィルタを受け入れる。

図面の簡単な説明

0006

図1は、実施形態に係るフィルタリング装置を含む微生物抽出装置の構成例を示す図である。
図2は、実施形態に係るフィルタリング装置を含む各部を微生物抽出装置の筐体内に配置した例を示す上面図である。
図3は、実施形態に係る微生物抽出装置における微生物抽出処理の全体的な流れを説明するためのフローチャートである。
図4は、実施形態に係るフィルタリング装置の構成例を示す図である。
図5は、実施形態に係るフィルタリング装置によるフィルタリングおよびフィルタ回収動作を説明するためのフローチャートである。
図6は、実施形態に係るフィルタリング装置によるフィルタリングを説明するための模式図である。
図7は、実施形態に係るフィルタリング装置によるフィルタリング後のフィルタの状態を説明するための模式図である。
図8は、実施形態に係るフィルタリング装置における上ホルダの分離動作を説明するための模式図である。
図9は、実施形態に係るフィルタリング装置における下ホルダの反転動作を説明するための模式図である。
図10は、実施形態に係るフィルタリング装置において反転した下ホルダの開口部に洗浄液吐出口となるノズルを挿入した状態を説明するための模式図である。
図11は、実施形態に係るフィルタリング装置において反転した下ホルダへの洗浄液の注入する動作を説明するための模式図である。
図12は、実施形態に係るフィルタリング装置においてフィルタをフィルタ受けに回収した状態を説明するための模式図である。

実施例

0007

以下、実施形態に係るフィルタリング装置を含む微生物抽出装置について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係るフィルタリング装置20を含む微生物抽出装置1の構成例を示すブロック図である。また、図2は、実施形態に係るフィルタリング装置20を含む各部を微生物抽出装置1の筐体内に配置した例を示す上面図である。
微生物抽出装置1は、検出対象物(微小物質)としての微生物に特異的に結合する抗体で修飾されたビーズを用いて微生物を抽出する。微生物抽出装置1は、検出対象とする試料と微生物に特異的に結合する抗体が固定されたビーズとを混合して撹拌し、微生物をビーズに結合させる。微生物抽出装置1は、微生物が結合したビーズと結合していないビーズとの混合物を回収し、微生物が結合したビーズを濾別処理(フィルタリング)によって回収する。

0008

図1に示すように、微生物抽出装置1は、制御ボックス10、ピペット機構(送液機構)11、廃液容器12、洗浄液容器13、反応容器14、磁性ビーズ容器15、抗体容器16、検体容器17、反応装置18、凝集装置19、フィルタリング装置20、超音波洗浄器21、ピペットチップラック22、チップ廃棄ボックス23などを有する。

0009

制御ボックス10は、各部の動作制御および演算処理などを行う。制御ボックス10は、微生物抽出装置1内に設けられ、バスラインなどを介して制御対象となる各装置に接続される。制御ボックス10は、プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、クロック34および各種インターフェースなどを有する。

0010

プロセッサ31は、例えば、Central Processing Unit(CPU)である。プロセッサ31は、Application Specific IntegratedCircuit(ASIC)、又はField Programmable Gate Array(FPGA)等などであっても良い。プロセッサ31は、各部の動作を制御するための制御回路および各種の演算処理を行う演算回路を含む。メモリ32は、主記憶装置として機能する。メモリ32は、ROM、RAM、および、書き換え可能な不揮発性メモリなどにより構成する。ストレージ33は、補助記憶装置として機能する。ストレージ33は、ハードディスクドライブフラッシュメモリ等の記録媒体で構成する。ストレージ33は、例えば、プロセッサ31が実行する各種のプログラム、および、パラメータ等を記憶する。

0011

クロック34は、プロセッサ31が時刻又は経過時間を取得するための時計である。クロック34は、タイマとして機能してもよい。クロック34は、例えば、磁性ビーズと抗体とを反応させる反応時間、又は、ビーズと検体とを反応させる反応時間を計測するために用いられ得る。プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、及びクロック34は、例えば、互いにバスラインを介して接続される。

0012

ピペット機構11は、液体を吸入する吸入機構と放出する送液機構と液体の放出位置を移動させる移動機構とを有する。ピペット機構11は、液を吸入および吐出するノズルとして用いるピペットチップラック22にあるピペットチップが装着される。ピペット機構11は、複数のピペットチップを装着されて、複数のノズルを具備するものであっても良い。例えば、ピペット機構11は、並べて装着した複数のピペットチップで複数のノズルを形成し、各ノズルから液を吸入および放出する構成であっても良い。

0013

送液機構としてのピペット機構11は、装着されるピペットチップの先端(ノズル)から液体を吸入および放出する。ピペット機構11に装着されるピペットチップの先端(ノズル)は、例えば、廃液容器12、洗浄液容器13、反応容器14、磁性ビーズ容器15、抗体容器16、検体容器17およびフィルタリング装置20のホルダに保持された液体を吸入および注入できる形状を有する。これにより、ピペット機構11は、プロセッサ31の制御に基づいてピペットチップの先端から液体を容器やホルダから吸入または注入する。

0014

移動機構としてのピペット機構11は、装着したピペットチップの先端(ノズル)を移動させる。ピペット機構11は、図2の上面図に示すような微生物抽出装置1内においてノズルを3次元的に移動させる。例えば、ピペット機構11は、ノズルをプロセッサ31が指定する位置へ移動させてノズルから液体を吸入または放出する。例えば、ピペット機構11は、図2に示す位置にあるピペットチップラック22にあるピペットチップが装着部に装着される。また、ピペット機構11に装着されたピペットチップは、使用後にチップ廃棄ボックス23に廃棄される。

0015

廃液容器12は、廃液貯蔵する容器である。洗浄液容器13は、洗浄液、緩衝液または剥離液として用いられる溶液を貯蔵する容器である。洗浄液(剥離液または緩衝液)は、例えば、水である。反応容器14は、例えばビーズに対して検出対象物を結合させる反応などを行うための容器である。磁性ビーズ容器15は、反応容器14に投入する磁性ビーズを貯蔵する容器である。抗体容器16は、反応容器14に投入する抗体を貯蔵する容器である。検体容器17は、検出対象物とする微生物の有無又は量を調べたい検体が投入されて貯蔵される容器である。

0016

反応装置18は、反応容器14内での反応を行うための装置である。例えば、反応装置18は、磁性ビーズと抗体と緩衝液(洗浄液)とを投入した反応容器14を撹拌することにより抗体修飾反応を行う。抗体修飾反応を行った後、反応容器14の溶液は、磁性ビーズに検出対象物に特異的に結合する抗体を固定した担体(以下、ビーズと称する)が緩衝液に分散した状態にある。また、反応装置18は、抗体修飾反応を行った後の反応容器14内の溶液に検体を投入して撹拌することにより抗原抗体反応を行う。抗原抗体反応を行った後の反応容器14内の溶液には、ビーズ(担体)に検出対象物である微生物が固定された状態となる。

0017

反応装置18は、撹拌装置として機能する。反応装置18は、制御ボックス10のプロセッサ31による制御によって動作する。反応装置18は、磁性ビーズ、抗体、液体をピペット機構11によって注入された反応容器14を保持し撹拌する装置として機能することで抗体修飾反応を実行する。また、反応装置18は、抗体修飾したビーズ、検体、液体をピペット機構11によって注入された反応容器14を保持し撹拌する装置として機能することで抗原抗体反応を実行する。

0018

抗体修飾反応を行う場合、ピペット機構11は、プロセッサ31の制御により磁性ビーズ容器15内にある磁性ビーズを所定量だけ反応容器14に注入する。また、ピペット機構11は、プロセッサ31の制御により抗体容器16内にある抗体を所定量だけ反応容器14に注入する。さらに、ピペット機構11は、プロセッサ31の制御により洗浄液容器13内にある洗浄液(緩衝液)を所定量だけ反応容器14に注入する。反応装置18は、所定量の磁性ビーズ、抗体および緩衝液を注入した反応容器14を保持し撹拌する。

0019

抗原抗体反応を行う場合、ピペット機構11は、プロセッサ31の制御により抗体修飾反応によって洗浄液に抗体が修飾されたビーズが分散してある反応容器14に検体容器から検体を注入する。反応装置18は、検体を注入した反応容器14を保持し撹拌する。
撹拌装置としての反応装置18は、例えば、定期的な頻度で反応容器14の角度を変えることで反応容器14内の液体を撹拌する。また、反応装置18は、反応容器14を回転させることで反応容器14内の液体を撹拌するようにしても良い。また、反応装置18は、反応容器14に振動を与えることで反応容器14内の液体を攪拌するようにしても良い。また、反応装置18は、反応容器14内に設けられた羽根を所定速度で回転させることで反応容器14内の液体を撹拌するようにしても良い。また、反応装置18は、反応温度を管理するための温度センサーおよび温度制御機構を備えても良い。

0020

凝集装置19は、反応容器14内にあるビーズを凝集して洗浄する。磁性ビーズは、例えば可磁化物質を含む。このため、凝集装置19は、磁石等を利用した磁場を用いることで、反応容器14にあるビーズを移動させたり、その位置を保持したりすることができる。凝集装置19は、磁場を発生させる磁石を用いて、反応容器14内のビーズを凝集して洗浄する。

0021

凝集装置19は、反応容器14内のビーズを凝集し、プロセッサ31の制御下でピペット機構11を用いて液体を回収し、廃液容器に吐出される。続いてピペット機構11を用いて既定量の洗浄液を洗浄液容器13から反応容器14に添加する。撹拌装置としての反応装置18を用いて反応容器14内のビーズを洗浄液中で撹拌する。これらの動作を繰り返すことでビーズを洗浄液で洗浄し、夾雑物を取り除くことができる。

0022

凝集装置19は、磁石を用いてビーズを凝集する。凝集装置19は、プロセッサ31の制御下により反応容器14の壁面に磁石を位置させる。その結果、反応容器14内のビーズは、反応容器14の内壁のうち、磁石が位置する部分に寄せ集められる。逆にビーズを反応容器14内で分散させる場合には、凝集装置19は、磁石を反応容器14から遠ざけ、撹拌装置としての反応装置18を用いて反応容器14内のビーズを洗浄液中で撹拌する。

0023

フィルタリング装置20は、反応容器14内の溶液をフィルタリングする。例えば、フィルタリング装置20は、抗原抗体反応を行った後に凝集および洗浄した反応容器14内の溶液に対してフィルタリングを行う。フィルタリング装置20は、フィルタを用いて検出対象とする微生物が結合したビーズを濾別する。フィルタリング装置20は、検出対象とする微生物が結合したビーズをフィルタごと回収する。

0024

なお、フィルタリング装置20は、検出対象とする微生物を濾別するフィルタリングを行うものであれば良い。例えば、フィルタリング装置20は、フィルタを用いて、検出対象である微生物とビーズとを解離させて単体の微生物を残渣として濾別するようにしても良い。

0025

超音波洗浄器21は、検出対象とする微生物が結合したビーズを濾別したフィルタを洗浄する。超音波洗浄器21は、フィルタリングに使用したフィルタを回収した溶液に対して超音波を当てることにより、フィルタが濾別した微生物を洗浄液中に回収する。超音波洗浄器21によって微生物を濾別したフィルタを洗浄した溶液が検出対象物としての微生物の有無或いは量を検査するサンプルとなる。

0026

ピペットチップラック22は、未使用のピペットチップが配置される。例えば、ピペットチップラック22は、複数のピペットチップを所定の間隔でマトリクス状に並べて保持する。また、チップ廃棄ボックス23は、使用済みのピペットチップが廃棄されるボックスである。

0027

次に、実施形態に係る微生物抽出装置1における微生物抽出処理の全体的な流れについて説明する。
図3は、実施形態に係る微生物抽出装置1における微生物抽出処理の全体的な流れを説明するためのフローチャートである。
まず、ピペット機構11は、プロセッサ31からの指示に応じて、磁性ビーズ容器15内の磁性ビーズを反応容器14に所定量注入する(ACT11)。また、ピペット機構11は、プロセッサ31からの指示に応じて、磁性ビーズを投入した反応容器14に抗体容器16内の抗体を所定量注入する(ACT12)。さらに、ピペット機構11は、プロセッサ31からの指示に応じて、磁性ビーズおよび抗体を投入した反応容器14に緩衝液としての洗浄液を注入する。

0028

ここで、反応容器14に投入する磁性ビーズおよび抗体は、検体から抽出すべき検出対象物に対して十分に多い量に設定される。磁性ビーズと抗体とが結合したビーズ(担体)は、検体から抽出する検出対象物としての微生物と結合するものである。このため、磁性ビーズおよび抗体の投入量は、反応容器14に投入される検体内に含まれる検出対象物の最大検出量が全てビーズに結合するように調整される。

0029

磁性ビーズ、抗体および緩衝液を反応容器14に注入した後、反応装置18を用いて反応容器14を撹拌することにより抗体修飾反応を行う(ACT13)。例えば、反応装置18は、プロセッサ31が設定する所定の反応時間に達するまで反応容器14を撹拌し、所定の温度を維持するよう制御する。所定の反応温度、反応時間にて撹拌した反応容器14内では、抗体修飾反応によって緩衝液中で磁性ビーズと抗体とが結合する。磁性ビーズと抗体とが結合したビーズは、検出対象物としての微生物が固定可能なものとなる。

0030

抗体修飾反応を行った後、凝集装置19は、プロセッサ31の指示に従って凝集および洗浄処理を行う(ACT14)。すなわち、凝集装置19は、プロセッサ31の指示に応じて反応容器14内にあるビーズを凝集(回収)させる凝集処理を実行する。例えば、凝集装置19は、凝集処理として、反応容器14の外周に磁石を近づける。その結果、反応容器14内で緩衝液中に懸濁されたビーズは、反応容器14の磁石が近づけられた壁に集まる。

0031

凝集装置19は、凝集処理に続いて洗浄処理を実行する。ビーズを凝集した状態において、ピペット機構11を用いて反応容器14内の緩衝液が除去される。反応容器14内の緩衝液を除去した後、ピペット機構11を用いて反応容器14に洗浄液が添加され、洗浄液を添加した反応容器14を撹拌させる。これにより、反応容器14内のビーズが洗浄される。なお、凝集装置19は、上述したような凝集処理および洗浄処理を繰り返し実行するようにしても良い。

0032

次に、ピペット機構11は、プロセッサ31の制御に応じて、抗体修飾反応後に凝集および洗浄処理を実施した反応容器14に検体容器17内の検体を注入する(ACT15)。検体を注入した後、反応装置18は、検体を注入した反応容器14を撹拌させることにより抗原抗体反応を実行させる(ACT16)。例えば、反応装置18は、プロセッサ31が設定する所定の反応時間に達するまで反応容器14を撹拌、所定の温度を維持するよう制御する。所定の反応温度、反応時間にて撹拌した反応容器14内では、抗原抗体反応によって緩衝液中のビーズに検出対象物としての微生物が固定される。

0033

抗原抗体反応を行った後、凝集装置19は、プロセッサ31の指示に従って凝集および洗浄処理を行う(ACT17)。凝集装置19は、凝集処理として、抗原抗体反応後の反応容器14内にあるビーズを磁石を用いて凝集する。ピペット機構11は、ビーズを凝集した状態で、反応容器14内の緩衝液を除去する。ピペット機構11は、反応容器14内の緩衝液を除去した後、反応容器14に洗浄液を添加して撹拌する。これにより、反応容器14内のビーズが洗浄される。

0034

凝集装置19は、上述したような凝集処理および洗浄処理を所定回数繰り返し実行する。凝集および洗浄処理が所定回数行われることによって、反応容器14内の夾雑物が取り除かれる。その結果、反応容器14内には、検出対象物としての微生物が結合したビーズと検出対象物が結合していない単体のビーズとが残される。ピペット機構11は、抗原抗体反応後に凝集および洗浄を行った反応容器14に洗浄液を注入する(ACT18)。抗原抗体反応後に凝集および洗浄を行って洗浄液を注入した反応容器14内には、フィルタリングされる試料が生成される。試料が生成された反応容器14は、フィルタリング装置20へ移動される。

0035

フィルタリング装置20は、プロセッサ31の制御に従って、反応容器14内の溶液(試料)に含まれる検出対象物を濾別するフィルタリングを行う(ACT19)。フィルタリング装置20は、フィルタによって反応容器14内の溶液に含まれる検出対象物が結合したビーズ又は単体の検出対象物を濾別する。フィルタは、細菌などの微生物としての検出対象物が結合したビーズ又は単体の検出対象物と検出対象物が固定されていない単体のビーズとを分離するように構成する。これにより、検出対象物が結合したビーズ又は単体の検出対象物はフィルタ上に残渣として残り、検出対象物が固定されていない単体のビーズはフィルタ上には残らない。

0036

フィルタリングしたフィルタは、超音波洗浄器21により洗浄される(ACT20)。フィルタリング装置は、フィルタリングした後のフィルタを既定量の洗浄液とともにフィルタ受け(容器)中に回収する。超音波洗浄器21は、既定量の洗浄液中に回収したフィルタリング後のフィルタを超音波によって洗浄する。この結果、フィルタ上に残った検出対象物が結合したビーズ又は単一の検出対象物は、既定量の洗浄液中に抽出されることとなる。
以上の処理によって、微生物抽出装置1は、検体に含まれる検出対象物としての細菌などの微生物を抽出できる。

0037

次に、実施形態に係るフィルタリング装置20の構成について詳細に説明する。
図4は、実施形態に係るフィルタリング装置20の構成例を示す模式図である。
フィルタリング装置20は、微生物抽出装置1において検出対象物としての微生物を濾別するものとして用いられる。フィルタリング装置20は、ホルダ41、フィルタ42、分離機構43、移動機構44およびフィルタ受け45などにより構成される。

0038

ホルダ41は、第1ホルダ(上ホルダ)41aと第2ホルダ(下ホルダ)41bとで構成する。第1ホルダ41aと第2ホルダ41bとは密接と分離とが可能な構造を備える。第1ホルダ41aと第2ホルダ41bとは、図4に示すように、フィルタ42を挟んで密接した状態で保持される。ホルダ41は、第1ホルダ41aに注入した液体が漏れなくフィルタ42を介して第2ホルダ41bへ移動する構成する。例えば、第1ホルダ41aと第2ホルダ41bとが密着するフィルタ42の外側の部分には、液漏れ防止のためのパッキンとしてのOリングを設けても良い。

0039

フィルタ42は、板状の基材に多数の孔が設けられることで形成される。フィルタ42の基材の材料は、特定の材料に限定されるものではないが、例えばポリカーボネートである。フィルタ42に設ける孔の形状は、例えば、円筒形円錐台形状である。フィルタ42は、例えば基材に高エネルギーレーザー光照射して孔を形成することで作製され得る。また、孔の形状に合わせて作製された針を、基材に刺すことで、孔が機械的に形成されてもよい。フィルタ42は、針形状の突起が多数設けられた型を用いて形成されてもよい。

0040

なお、以下の説明では、フィルタ42において、溶液が加えられる側を一次側と称し、濾液が出ていく側を二次側と称することにする。

0041

分離機構43は、第1ホルダ41aを第2ホルダ41bから分離させる。分離機構43は、第2ホルダ41bとは分離した第1ホルダ41aを所定の位置へ移動させる。図4に示す構成例において、分離機構43は、モータ43a、ベルト43b、回転軸43c、ホルダ保持部43dなどにより構成する。

0042

モータ43aは、プロセッサ31の制御によって駆動する。モータ43aと回転軸43cとには、ベルト43bがかけ渡される。これにより、モータ43aの回転は、ベルト43bによって回転軸35に伝えられる。回転軸43cには、第1ホルダ41aを保持(把持)するホルダ保持部43dが取り付けられる。ホルダ保持部43dは、回転軸43cの回転に伴って回転軸43cを中心に回転する方向に移動する。すなわち、ホルダ保持部43dに保持される第1ホルダ41aは、モータ43aの回転に従動して回転する回転軸43cを中心として所定の方向に移動(反転)する。本実施形態においては、分離機構43は、第1ホルダ41aを第2ホルダ41bから分離させた後に回転軸43cを中心として所定の方向に反転させるものとする。

0043

移動機構44は、第2ホルダ41bを移動させる。移動機構44は、分離機構43によって第1ホルダ41aが分離した状態の第2ホルダ41bを所定位置へ移動させる。図4に示す構成例において、移動機構44は、モータ44a、ベルト44b、回転軸44c、ホルダ保持部44dなどにより構成する。

0044

モータ44aは、プロセッサ31の制御によって駆動する。モータ44aと回転軸44cとには、ベルト44bがかけ渡される。これにより、モータ44aの回転は、ベルト44bによって回転軸44cに伝えられる。回転軸44cには、第2ホルダ41bを保持するホルダ保持部44dが取り付けられる。ホルダ保持部44dは、モータ44aの回転に従動する回転軸44cの回転に伴って回転軸44cを中心に回転する方向に移動する。すなわち、移動機構44は、第1ホルダ41aから分離した第2ホルダ41bを回転軸44cを中心として所定の方向に反転させる。

0045

フィルタ受け45は、移動機構44によって第2ホルダ41bとともに移動されるフィルタ42を回収する。フィルタ受け45は、移動機構44によって回転軸44cを中心に反転する第2ホルダ41bを受ける位置に設置する。フィルタ受け45は、移動機構44によって第2ホルダ41bと共に反転されるフィルタ42よりも大きい開口部を有する。フィルタ受け45は、移動機構44によって反転される第2ホルダ41bに密着するフィルタ42に対応する位置に開口部が設けられるように設置される。

0046

第1ホルダ41aと第2ホルダ41bとは、分離機構43により分離される構造を有するものであれば良い。分離機構43は、第1ホルダ41aを第2ホルダ41bから分離し、第2ホルダ41bの移動を阻害しない位置に移動するものであれば良い。分離機構43は、第1ホルダ41aを180度反転させるものに限定されない。例えば、分離機構43は、第1ホルダ41aを上方に移動させるものであっても良い。また、分離機構43は、第1ホルダ41aと第2ホルダ41bとを人手で分離した後に、第1ホルダ41aを移動させる構成としても良い。

0047

また、移動機構44は、第2ホルダ41bに密着するフィルタ42をフィルタ受け45に回収できる位置へ移動させるものであれば良い。つまり、移動機構44が第2ホルダ41bを移動させる位置および角度は、フィルタ42をフィルタ受け45内に流し込める位置であれば良い。例えば、移動機構44が第2ホルダ41bを反転させる角度は、180度に限定されるものではない。また、移動機構44は、人手で第1ホルダ41aと第2ホルダ41bとを分離した後に、第2ホルダ41bを移動させる構成であっても良い。

0048

次に、実施形態に係るフィルタリング装置20を主としたフィルタリングの動作について説明する。
図5は、フィルタリング装置20におけるフィルタリングとフィルタ42の回収動作とを説明するためのフローチャートである。
フィルタリング装置20は、フィルタ42を挟んで第1ホルダ41aと第2ホルダ41bとを密着させた状態とする。ここでは、フィルタリング装置20は、第1ホルダ41aが上で第2ホルダ41bが下となるように密着させた状態で保持するものとする。この状態において、第1ホルダ41aは、上方からフィルタリングする試料(溶液)を注入可能とする。フィルタリング装置20において、反応容器14内にある抗体抗原反応後の溶液(試料)が第1ホルダ41aに上方から注入される。第1ホルダ41aに注入された溶液は、下へ移動し、フィルタ42を通って第2ホルダ41bへ移動する。これにより、フィルタリング装置20は、反応容器14内にある抗体抗原反応後の溶液をフィルタ42でフィルタリングする(ACT51)。

0049

図6は、フィルタリングの様子を模式的に示す図である。また、図7は、図6に示すようなフィルタリングが完了した状態を示す模式図である。
図6に示すように、第1ホルダ41aに注入された溶液は、フィルタ42を通して第2ホルダ41bへ移動する。ホルダ41内では、溶液に含まれる微生物(細菌などの検出対象物)が結合したビーズがフィルタ42上に残り、微生物が結合していないビーズが緩衝液(洗浄液)と共にフィルタ42を通過する。フィルタ42を通過する液体とビーズとは、第2ホルダ41bの下側(フィルタ42と対向する側)の開口部から廃棄される。このようなフィルタリングが完了すると、図7に示すように、フィルタ42上に、溶液に含まれていた細菌が結合したビーズがフィルタ42上に残る。

0050

フィルタリングが完了した後、フィルタリング装置20は、プロセッサ31の制御に従って、フィルタ42の回収動作を実行する。フィルタ42の回収動作として、フィルタリング装置20は、ホルダ41の分離、移動、フィルタの剥離などの動作を実行する。
フィルタリング装置20は、フィルタリングが完了した後、プロセッサ31の制御に従って、第1ホルダ41aを第2ホルダ41bから分離し(ACT52)、所定位置へ移動させる(ACT53)。すなわち、フィルタリング装置20において、分離機構43は、第1ホルダ41aを第2ホルダ41bから引き離して分離した後に反転させる。

0051

図8は、分離機構43による第1ホルダ41aの分離(移動)の様子を示す模式的に示す図である。
分離機構43は、モータ43aおよびベルト43bによって回転軸43cを回転させて、図8中に矢印aで示すように、回転軸43cを中心に第1ホルダ41aを反転(移動)させる。これにより、分離機構43は、第1ホルダ41aを第2ホルダ41bから引き離して反転する。この結果、第1ホルダ41aは、図8に示すように、第2ホルダ41bの上方から排除させる。

0052

フィルタリング装置20は、プロセッサ31の制御に従って、第1ホルダ41aの分離が完了した後、第2ホルダ41bを所定位置へ移動させる(ACT54)。フィルタリング装置20において、移動機構44は、第2ホルダ41bにフィルタ42を密着させたままで第2ホルダ41bを反転させる。移動機構44が第2ホルダ41bを反転させた位置には、フィルタ42を回収できるようにフィルタ受け45が配置される。

0053

図9は、移動機構44による第2ホルダ41bの分離(移動)の様子を示す模式的に示す図である。
移動機構44は、モータ44aおよびベルト44bによって回転軸44cを回転させ、図9中に矢印bで示すように、回転軸44cを中心に第2ホルダ41bを反転(移動)させる。これにより、移動機構44は、第2ホルダ41bに密着するフィルタ42がフィルタ受け45の開口部にあるように、第2ホルダ41bを反転させて移動させる。また、図9に示すように、移動機構44が反転させた第2ホルダ41bは、上方に洗浄液の吐出口となるピペットチップが挿入可能な開口部が位置する状態となる。

0054

第2ホルダ41bが反転した後、ピペット機構11は、プロセッサ31の制御に従って、反転した第2ホルダ41bの上方の開口部にピペットチップを挿入する(ACT55)。第2ホルダ41bの開口部にピペットチップを挿入した後、ピペット機構11は、プロセッサ31の制御に従って、反転した第2ホルダ41bの上方から洗浄液を注入する(ACT56)。第2ホルダ41bに密着するフィルタ42は、上方(フィルタ42とは反対側)から注入される洗浄液によって第2ホルダ41bから剥離される。第2ホルダ41bから剥離されたフィルタ42は、洗浄液とともにフィルタ受け45内に回収される。

0055

図10乃至12は、ピペット機構11が反転させた第2ホルダ41b内に洗浄液を注入する動作を模式的に示す図である。図10は、洗浄液の吐出口となるピペットチップの先端を反転させた第2ホルダ41bの上方に位置する開口部に挿入した状態を示す図である。図11は、第2ホルダ41bの開口部に挿入したピペットチップの先端から洗浄液を吐出した様子を示す図である。図12は、洗浄液によって第2ホルダ41bから剥離したフィルタ42の様子を示す図である。

0056

移動機構44が第2ホルダ41bを反転させた後、ピペット機構11は、図10に示すように、反転させた第2ホルダ41bの上方にピペットチップの先端を挿入する。ピペットチップを第2ホルダ41bの開口部に挿入した後、ピペット機構11は、図11に示すように、ピペットチップから洗浄液を吐出する。ピペットチップから吐出された洗浄液は、第2ホルダ41b内に注入される。

0057

第2ホルダ41b内に注入された洗浄液は、第2ホルダ41b内で下へ移動し、第2ホルダ41bに密着するフィルタ42に対して下方向への力を加える。さらに、第2ホルダ41b内に注入された洗浄液は、第2ホルダ41bとフィルタ42との密着部分浸透することで、フィルタ42を確実に剥離させる。液体としての洗浄液を第2ホルダに注入することで、液体が第2ホルダとフィルタとの密着部分に浸透することによりフィルタを確実に剥離できる。

0058

これにより、フィルタ42は、第2ホルダ41b内に注入された洗浄液で第2ホルダ41bから剥離され、フィルタ受け45内に回収される。この結果、フィルタ受け45には、図12に示すように、洗浄液とともにフィルタ42が回収されることとなる。洗浄液とともにフィルタ42を収容したフィルタ受け45は、超音波洗浄器21へ運ばれる。

0059

以上のように、フィルタリング装置は、微生物を濾別したフィルタが密着する第2ホルダを反転し、反転した第2ホルダに洗浄液を注入し、フィルタを洗浄液と共に回収する。これにより、フィルタリング装置は、微生物を濾別したフィルタを簡単に回収できる。また、フィルタリング装置を含む微生物抽出装置としては、微生物を濾別したフィルタを含む洗浄液に対して超音波洗浄などを含む微生物の抽出動作が実現できる。

0060

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0061

1…微生物抽出装置、10…制御ボックス、11…ピペット機構(送液機構)、14…反応容器、15…磁性ビーズ容器、16…抗体容器、17…検体容器、18…反応装置、19…凝集装置、20…フィルタリング装置、31…プロセッサ、41…ホルダ、41a…第1ホルダ(上ホルダ)、41b…第2ホルダ(下ホルダ)、42…フィルタ、43…分離機構、44…移動機構。

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