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技術 熱電モジュール、及び、熱電モジュールの製造方法

出願人 株式会社白山
発明者 内田健太郎鶴見重行
出願日 2019年10月17日 (1年8ヶ月経過) 出願番号 2019-190497
公開日 2021年4月30日 (2ヶ月経過) 公開番号 2021-068735
状態 未査定
技術分野 熱電素子
主要キーワード 合成樹脂製基材 多孔質化処理 熱電エレメント 電気伝達 出力用配線 マグネシウムシリサイド シリコーンオイルコンパウンド 吸熱板
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

耐久性を向上させた熱電モジュールを提供する。

解決手段

熱電モジュール1は、2枚一組の基板10と、熱電素子20を電気的に接続した電極30と、電極30を電気的に接続した熱電素子20を収容する収容室40と、基板10及び電極30を接触させる粘性接触層50とを有する。粘性接触層50は、熱伝導率0.7以上であり、かつ、基板10及び電極30が接触した状態を維持する粘度を有するのシリコーンオイルコンパウンドにより形成された層である。また、収容室40の内部の圧力は、当該収容室の外部の圧力より低い。封止材400は、粘性接触層50により、基板10と接触している。

概要

背景

例えば、特許文献1には、複数のp型およびn型熱電エレメントと、これらをはさみ、かつ、これらのp型エレメントとn型エレメントを電気的に接合するための電極が形成されている二枚の基板からなるπ型熱電変換素子と、前記二枚の基板と各々接続される吸熱板および放熱板と、これら吸熱板および放熱板を接続し、固定する樹脂ガラスセラミックス、金属等の低熱伝導率物質からなる構造体と、を備えるとともに、熱電変換素子から導かれる出力端子出力用配線入出力に係わる部分のみが外部に導き出され、熱電変換素子が上記吸熱板、放熱板および前記構造体により完全に囲まれ、外気遮断されていることを特徴とする熱発電装置が開示されている。

また、特許文献2には、多数並設されて電気的に直列に接続されたP型半導体層ならびにN型半導体層と、それら半導体層の吸熱側に配置された吸熱側熱導体と、それら半導体層の放熱側に配置された放熱側熱導体と、前記P型半導体層ならびにN型半導体層に通電する給電手段とを備えた熱電変換装置において、前記半導体層の厚さに基づいてその半導体層に通電する電流密度可変にしたことを特徴とし、前記各半導体層を接続する電極と前記熱導体との間に、フィラーを含有したシリコーングリース層が介在されていることを特徴とする熱電変換装置が開示されている。

概要

耐久性を向上させた熱電モジュールを提供する。熱電モジュール1は、2枚一組の基板10と、熱電素子20を電気的に接続した電極30と、電極30を電気的に接続した熱電素子20を収容する収容室40と、基板10及び電極30を接触させる粘性接触層50とを有する。粘性接触層50は、熱伝導率0.7以上であり、かつ、基板10及び電極30が接触した状態を維持する粘度を有するのシリコーンオイルコンパウンドにより形成された層である。また、収容室40の内部の圧力は、当該収容室の外部の圧力より低い。封止材400は、粘性接触層50により、基板10と接触している。

目的

本発明は、耐久性を向上させた熱電モジュールを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板と、熱電素子電気的に接続した電極と、前記基板及び前記電極との間に設けられ、熱伝導率0.7以上かつ粘性を有する粘性接触層とを有する熱電モジュール

請求項2

前記粘性接触層は、熱伝導率0.7以上であり、かつ、前記基板及び前記電極が接触した状態を維持する粘度を有するシリコーンオイルコンパウンドにより形成された層である請求項1に記載の熱電モジュール。

請求項3

前記電極を電気的に接続した熱電素子を収容する収容室をさらに有し、前記収容室の内部の圧力は、当該収容室の外部の圧力より低い請求項2に記載の熱電モジュール。

請求項4

前記基板は、2枚一組の基板であり、前記収容室は、角柱の形状に形成された封止材を含み前記封止材は、一方の前記基板と接触する面と、他方の前記基板と接触する面とが対向する位置関係となる、角柱の形状に形成され、前記粘性接触層は、前記基板及び前記封止材との間に設けられる請求項3に記載の熱電モジュール。

請求項5

熱伝導率0.7以上かつ粘性を有するシリコーンオイルコンパウンドを基板に塗布する工程と、前記基板に塗布したシリコーンオイルコンパウンドに電極を接触させ、当該基板に当該電極を接触させる工程とを有する熱電モジュールの製造方法。

請求項6

大気圧より低い圧力の不活性気体で満たされた空間内で、前記電極に電気的に接続した熱電素子を取り囲むよう配置した封止材と、2つの前記基板とにより、当該熱電素子を収容する工程をさらに有する請求項5に記載の熱電モジュールの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、熱電モジュール、及び、熱電モジュールの製造方法に関する。

背景技術

0002

例えば、特許文献1には、複数のp型およびn型熱電エレメントと、これらをはさみ、かつ、これらのp型エレメントとn型エレメントを電気的に接合するための電極が形成されている二枚の基板からなるπ型熱電変換素子と、前記二枚の基板と各々接続される吸熱板および放熱板と、これら吸熱板および放熱板を接続し、固定する樹脂ガラスセラミックス、金属等の低熱伝導率物質からなる構造体と、を備えるとともに、熱電変換素子から導かれる出力端子出力用配線入出力に係わる部分のみが外部に導き出され、熱電変換素子が上記吸熱板、放熱板および前記構造体により完全に囲まれ、外気遮断されていることを特徴とする熱発電装置が開示されている。

0003

また、特許文献2には、多数並設されて電気的に直列に接続されたP型半導体層ならびにN型半導体層と、それら半導体層の吸熱側に配置された吸熱側熱導体と、それら半導体層の放熱側に配置された放熱側熱導体と、前記P型半導体層ならびにN型半導体層に通電する給電手段とを備えた熱電変換装置において、前記半導体層の厚さに基づいてその半導体層に通電する電流密度可変にしたことを特徴とし、前記各半導体層を接続する電極と前記熱導体との間に、フィラーを含有したシリコーングリース層が介在されていることを特徴とする熱電変換装置が開示されている。

先行技術

0004

特開平11−251648号公報
特開平8−242022号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、耐久性を向上させた熱電モジュールを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明に係る熱電モジュールは、基板と、熱電素子を電気的に接続した電極と、前記基板及び前記電極との間に設けられ、熱伝導率0.7以上かつ粘性を有する粘性接触層とを有する。

0007

好適には、前記粘性接触層は、熱伝導率0.7以上であり、かつ、前記基板及び前記電極が接触した状態を維持する粘度を有するシリコーンオイルコンパウンドにより形成された層である。

0008

好適には、前記電極を電気的に接続した熱電素子を収容する収容室をさらに有し、前記収容室の内部の圧力は、当該収容室の外部の圧力より低い。

0009

好適には、前記基板は、2枚一組の基板であり、前記収容室は、角柱の形状に形成された封止材を含み、前記封止材は、一方の前記基板と接触する面と、他方の前記基板と接触する面とが対向する位置関係となる、角柱の形状に形成され、前記粘性接触層は、前記基板及び前記封止材との間に設けられる。

0010

また、本発明に係る熱電モジュールの製造方法は、熱伝導率0.7以上かつ粘性を有するシリコーンオイルコンパウンドを基板に塗布する工程と、前記基板に塗布したシリコーンオイルコンパウンドに電極を接触させ、当該基板に当該電極を接触させる工程とを有する。

0011

好適には、大気圧より低い圧力の不活性気体で満たされた空間内で、前記電極に電気的に接続した熱電素子を取り囲むよう配置した封止材と、2つの前記基板とにより、当該熱電素子を収容する工程をさらに有する。

発明の効果

0012

本発明によれば、耐久性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0013

本実施形態における熱電モジュール1の構成を例示する組立斜視図である。
本実施形態における熱電モジュール1の構成を例示する分解斜視図である。
図1における熱電モジュール1のY-Y線断面を例示する図である。
図1における熱電モジュール1のX-X線断面を例示する模式図である。
本実施形態における熱電モジュール1の製造方法(S10)を説明するフローチャートである。
部電極板304を接触した下部基板10Bを例示する図である。
上部電極板302を接触した上部基板10Aを例示する図である。
下部基板10B上に配置した熱電素子20を例示する図である。
封止材400を接触した下部基板10Bを例示する図である。

実施例

0014

まず、本発明がなされた背景を説明する。
熱電モジュールには、基板上に配置した熱電素子の上部と下部に温度差を与え発電する発電用モジュールと、熱電素子に通電することによってペルチェ効果による冷却を行うペルチェモジュールの2通りがある。どちらの熱電モジュールも従来は、熱電素子及び電極の接続、及び、電極及び基板の接続において、はんだ付けロウ付け銀ペースト等を用いて互いに接続し製作していた。そのため、熱電モジュールの使用時に発生する温度変化により熱電モジュールに応力が生じるため、例えば各部材の接続部分に負担が掛かる。これにより製品寿命縮める原因となっていた。
そこで、本発明によれば、電極及び基板の接続において、温度変化により生じた応力を緩和できるよう接続することにより、耐久性を向上させた熱電モジュールを提供することができる。

0015

次に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
まず、図1図4を参照し、本実施形態における熱電モジュール1の構成を説明する。
図1は、本実施形態における熱電モジュール1の構成を例示する組立斜視図である。
図2は、本実施形態における熱電モジュール1の構成を例示する分解斜視図である。
図1及び図2に例示するように、熱電モジュール1は、基板10と、熱電素子20と、電極30と、収容室40とを有する。
熱電素子20、電極30、及び、収容室40は、2枚一組の基板10(上部基板10A及び下部基板10B)の間に設けられている。熱電素子20及び電極30は、封止材400により封止した領域、いわゆる収容室40内に収容されている。
また、熱電モジュール1は、図2に例示したように、電極30により、p型熱電素子200及びn型熱電素子202をπ(パイ)型に組み合わせ直列接続した構造となっている。なお、本例の熱電モジュール1は、熱電素子20の上側と下側に温度差を与え発電させる発電用モジュールとする場合と、熱電素子20に通電することによってペルチェ効果による冷却を行うペルチェモジュールとする場合の2通りの使用が可能である。

0016

基板10は、図1及び図2に例示したように、一方の面に絶縁膜を設けた平板である。なお、基板10の一方の面に設けられた絶縁膜は、基板10と後述する電極30とが電気的に非接続とする膜である。基板10は、金属、絶縁性のセラミックス、又は、合成樹脂基材として製作することができ、熱伝導率が高い材料を用いることが好ましい。具体的には、金属製基材を用いて基板10を製作する場合、アルミニウムまたは銅から製作することができる。また、絶縁性のセラミックス製基材を用いて基板10を製作する場合、アルミナまたは窒化アルミニウムから製作することができる。また、合成樹脂製基材を用いて基板10を製作する場合、ガラスエポキシ樹脂等から製作することができる。なお、本例の基板10は、金属製基材を用いたものであり、具体的には、表面をアルマイト処理したアルミニウム板、表面に有機物薄膜若しくは酸化層を形成したアルミニウム板、ポリイミドシートにより絶縁したアルミニウム板、又は、表面に有機物の薄膜若しくは酸化層を形成した銅板である。本例の基板10は、表面をアルマイト処理したアルミニウム板である。

0017

熱電素子20は、図2に例示したように、熱及び電気エネルギーを相互に変換する材料(以下、熱電材料)を角柱状成形した素子であり、p型熱電素子200及びn型熱電素子202を含む。p型熱電素子200及びn型熱電素子202は、底面及び天面の形状において頂点の数が4つ以上の角柱状であればよいが、効率的に配列するには四角柱の形状(例えば直方体)が好ましい。

0018

p型熱電素子200に用いる熱電材料には、例えば、ビスマステルル(Bi−Te)合金を主成分とする熱電材料、MgAgSbを主成分とする熱電材料、又は、シリサイド系の熱電材料が含まれる。ビスマス−テルル(Bi−Te)合金を主成分とする熱電材料とは、例えばBi1.5Sb0.5Te3である。また、MgAgSb合金を主成分とする熱電材料とは、例えばLiを0.01原子%添加したMgAgSbである。また、シリサイド系の熱電材料とは、例えばLiを0.01原子%を添加したMg2Si0.3Sn0.7である。

0019

また、n型熱電素子202に用いる熱電材料として、例えば、ビスマス−テルル(Bi−Te)合金を主成分とする熱電材料、又は、シリサイド系の熱電材料が含まれる。ビスマス−テルル(Bi−Te)合金を主成分とする熱電材料とは、例えばBi2Te3である。また、シリサイド系の熱電材料とは、例えばSbを0.01原子%添加したMg2Si0.3Sn0.7である。

0020

ここで、p型熱電素子200及びn型熱電素子202に用いることができる、シリサイド系の熱電材料を詳細に説明する。シリサイド系の熱電材料とは、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)系の熱電材料であり、具体的にはMgSiSn合金、又は、Mg2Si合金を主成分とする熱電材料である。MgSiSn合金を主成分とする熱電材料には、例えば多孔質化処理したMg2Si 0.3Sn0.7が挙げられる。
MgSiSn合金、又は、MgSiSn合金を主成分とする熱電材料は、Mg2SiとMgOとで構成された母相と、母相中に形成された空孔と、空孔の壁面に付着した、シリコンを主成分とするシリコン層とを含む。母相は、MgSiSn合金において、化学組成が互いに異なる2つのSiリッチ相(第1Siリッチ相及び第2Siリッチ相と呼称する)を有する。第1Snリッチ相は、第2Siリッチ相よりSnの組成比率が高く、第2Siリッチ相は、第1Snリッチ相よりSiの組成比率が高い。また、熱電材料は、熱電材料の重量に対して1.0wt%以上20.0wt%以下のMgOを含有する。さらに、熱電材料を構成するシリコン層は、アモルファスSi、またはアモルファスSiと微結晶のSiとにより構成される。

0021

電極30は、金属製の薄板の電極である。電極30は、例えば、アルミナ、アルマイトステンレスニッケル鉄合金、銅・ニッケル合金リン青銅、銅・鉄系合金等の材料により形成することができる。なお、本実施形態の電極30は、銅の薄板である。電極30は、上部電極板300及び下部電極板302を含む。
上部電極板300は、上部基板10Aの板面に接触し、隣り合う2つの熱電素子20の天面を互いに電気的に接続する電極板である。
下部電極板302は、下部基板10Bの板面に接触し、隣り合う2つの熱電素子20の底面を互いに電気的に接続する電極板である。また、下部電極板302には、後述する収容室40の内部から外部に突出する外部電極304が含まれる。

0022

収容室40は、上部基板10A、下部基板10B、及び、封止材400により形成された封止領域である。収容室40の内側には、不活性ガス、又は、充填材充填されており、熱電素子20及び電極30が含まれる。また、収容室40の内部の圧力は、大気圧より1/3気圧以上1/2気圧以下に減圧した低い状態となっている。すなわち、収容室40の内部の圧力は、収容室40の外部の圧力より低くなっている。
ここで、収容室40を形成する封止材400は、低熱伝導率であり、かつ、気密性のある材料からなる。封止材400は、例えば、合成樹脂、ガラス、セラミックス、金属等の材料からなる。また、封止材400は、四角柱の形状に形成されている。封止材400は、上部基板10Aと接触する面と、下部基板10Bと接触する面とが対向する位置関係となるような、角柱の形状であり、本例では四角柱の形状である。封止材400は、熱電素子20及び電極30を取り囲むよう設けられる。

0023

次に、図3及び図4を参照し、本実施形態における熱電モジュール1の構成を詳細に説明する。
図3は、図1における熱電モジュール1のY-Y線断面を例示する図である。
図4は、図1における熱電モジュール1のX-X線断面を例示する模式図である。
図3に例示するように、基板10及び電極30は、基板10及び電極30の間に設けられた粘性接触層50により接触している。
粘性接触層50は、熱伝導率[W/mK]0.7以上かつ粘性を有する層である。具体的には、粘性接触層50は、熱伝導率[W/mK]0.7以上かつ粘性を有するシリコーンオイルコンパウンドを塗布し形成した層である。加えて、このシリコーンオイルコンパウンドは、電気絶縁性を有することが好ましい。
粘性接触層50を形成するシリコーンオイルコンパウンドは、シリコーンオイル基油とし、シリカ微粉もしくは金属粉を配合したものである。本例のシリコーンオイルコンパウンドは、いわゆる放熱用オイルコンパウンドであり、放熱用オイルコンパウンドの一例として、信越化学工業製の放熱用オイルコンパウンドKS−613が挙げられる。また、シリコーンオイルコンパウンドの熱伝導率[W/mK]は、例えば、0.6以上1.0以下であり、好ましくは0.7以上0.9以下であり、より好ましくは0.73以上0.87以下であり、さらに好ましくは0.75以上0.84以下である。なお、放熱用オイルコンパウンドKS−613の熱伝導率[W/mK]は、0.76である。熱伝導率が高いシリコーンオイルコンパウンドを用いる場合、配合された増稠剤添加剤によっては電気伝達をしやすい性質のシリコーンオイルコンパウンドがあるため、電気絶縁性を損なわないシリコーンオイルコンパウンドを選択することが好ましい。
また、粘性接触層50を形成するシリコーンオイルコンパウンドは、基板10及び電極30が接触した状態を維持する粘度を有する。これにより、粘性接触層50は、基板10と熱電素子20との間に熱膨張差による応力が生じ、基板10及び電極30の相対的な位置が動いた場合であっても、基板10及び電極30の接触状態を維持させる。
このように、粘性接触層50は、熱伝導率[W/mK]0.7以上、基板10及び電極30が接触した状態を維持する粘性、及び、電気絶縁性を有するシリコーンオイルコンパウンドにより形成された層である。

0024

また、図4に例示するように、基板10及び封止材400は、基板10及び封止材400の間に設けられた粘性接触層50により接触している。粘性接触層50は、基板10及び封止材400が接触する状態を維持する粘度を有することにより、収容室40は密閉状態を維持することができる。

0025

なお、図3に例示した熱電素子20及び電極30は、はんだにより接合されている。なお、はんだは、接合部材の一例であり、導電性ペースト(例えば銀ペースト又は銅ペースト)又は導電性接着材であってもよい。接合部材は、熱電モジュール1の利用される温度等の使用環境により決定する。

0026

次に、図5図9を参照し、本実施形態における熱電モジュール1の製造方法を説明する。
図5は、本実施形態における熱電モジュール1の製造方法(S10)を説明するフローチャートである。
図6は、下部電極板304を接触した下部基板10Bを例示する図である。
図7は、上部電極板302を接触した上部基板10Aを例示する図である。
図8は、下部基板10B上に配置した熱電素子20を例示する図である。
図9は、封止材400を接触した下部基板10Bを例示する図である。なお、図9は、上部基板10Aを省略し、便宜上、簡略的に表示している。
以下、図5に例示する製造方法(S10)を図6図9を参照しながら詳細に説明する。
テップ100(S100)において、製作者は、図6に例示するように、アルマイト処理したアルミニウムを基材する下部基板10Bにシリコーンオイルコンパウンドを薄く塗布する(粘性接触層50の形成)。そして、製作者は、粘性接触層50に薄い銅板で製作した下部電極302を接触させ、下部電極302と下部基板10Bとを接触した状態で着ける。また同様に、製作者は、図7に例示するように、アルマイト処理したアルミニウムを基材する上部基板10Aにシリコーンオイルコンパウンドを薄く塗布する(粘性接触層50の形成)。そして、製作者は、粘性接触層50に薄い銅板で製作した上部電極300を接触させて、上部電極300と上部基板10Aとを接触した状態で着ける。

0027

ステップ102(S102)において、製作者は、p型熱電素子200及びn型熱電素子202の天面及び底面に、はんだペーストを塗布する。

0028

ステップ104(S104)において、製作者は、図8に例示するように、はんだペーストを塗布したp型熱電素子200及びn型熱電素子202を、下部電極302上に配置する。

0029

ステップ106(S106)において、製作者は、下部電極302上に配置したp型熱電素子200及びn型熱電素子202に、上部電極300の位置を合わせながら、上部基板10Aを重ねる。

0030

ステップ108(S108)において、製作者は、熱電素子20の底面側に下部基板10Bを、熱電素子20の天面側に上部基板10Aを配置した状態で、これら全体の温度をはんだの融点以上に加熱する。これにより、製作者は、熱電素子20及び電極30を接合する。

0031

ステップ110(S110)において、製作者は、大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内、具体的には、1/3気圧以上1/2気圧以下に減圧し窒素ガスアルゴンガス等の不活性気体で満たされた空間内にて作業を行う。この減圧した作業空間は、部屋全体であってもよいし、組立作業を行うことのできる程度の作業空間を確保したものであってもよい。製作者は、図9に例示するように、熱電素子20を取り囲むよう下部基板10B上に封止材400を配置する。配置した封止材400は、粘性接触層50を介して、下部基板10Bに接触した状態で着く。次に、製作者は、封止材400に上部基板10Aを配置する。配置した上部基板10Aは、粘性接触層50を介して、封止材400に接触した状態で着く。そして、製作者は、封止材400同士の隙間を封止用接着剤で封止する(収容室40の製作)。即ち、2つの基板10及び封止材400により取り囲まれた空間である収容室40内に、熱電素子20を収容する。ここで、本例の封止用接着剤とは、例えばスリエム製のオレフィンシール材1152Cである。製作者は、封止用接着剤が固化し封止した後に、減圧した作業空間内から、製作した熱電モジュール1を取り出す。これにより、製作した熱電モジュール1の収容室40は、大気圧を受けることにより、上部基板10Aと下部基板10Bが大気圧により圧力を受け固定される。結果として、熱電モジュール1は、衝撃に強くかつ電気的接続がより確実となる。

0032

以上説明したように、本実施形態における熱電モジュール1によれば、基板10及び電極30の間にある粘性接触層50にて、基板10と熱電素子20との熱膨張差による応力を緩和し疲労破壊等の故障を防止できる。すなわち、熱電モジュール1の耐久性を向上させることができ、製品寿命を縮めることなく使用することができる。
また、本実施形態における熱電モジュール1によれば、減圧した不活性ガスで封止した収容室40により、熱電モジュールのサイズを大きくした場合であっても、基板10の板面に対して均等に圧力を付与することができるため、収容室40に内在する多数の熱電素子20及び電極30は確実な接続を得ることが期待出来る。

0033

次に、実施例1〜3における熱電モジュール1の耐久性試験をそれぞれ行った。以下その詳細を説明する。
[実施例1]
(熱電モジュール1の構成)
本例の熱電モジュール1に用いる熱電素子20には、n型熱電素子202としてBi2Te3を、p型熱電素子200としてBi1.5Sb0.5Te3を用いた。そして、本例の熱電モジュール1は、後述する耐久性試験の観点から、図5に例示した製造工程S10におけるS100〜S108の工程により製作した熱電モジュールとした。
(耐久性試験)
本例の熱電モジュール1における基板10及び電極30の間にある粘性接触層50により、熱電モジュール1の耐久性が向上するか否かの耐久性試験を実施した。具体的には、熱電モジュール1を0℃から200℃のヒートサイクル試験を100回行った。
試験結果)
その結果、本例の熱電モジュール1には疲労破壊等の故障は生じなかったことを確認した。基板10及び電極30の間にある粘性接触層50にて、基板10と熱電素子20との熱膨張差による応力を緩和したと考えられる。

0034

[実施例2]
(熱電モジュール1の構成)
本例の熱電モジュール1に用いる熱電素子20には、n型熱電素子202としてSbを0.01原子%添加したMg2Si0.3Sn0.7を、p型熱電素子200としてLiを0.01原子%を添加したMg2Si0.3Sn0.7を用いた。そして、本例の熱電モジュール1は、後述する耐久性試験の観点から、図5に例示した製造工程S10におけるS100〜S110の工程により製作した熱電モジュールとした。
(耐久性試験)
本例の熱電モジュール1における基板10及び電極30の間にある粘性接触層50と、収容室40との組み合わせにより、熱電モジュール1の耐久性が向上するか否かの試験を実施した。具体的には、実施例1と同様に、具体的には、熱電モジュール1を0℃から200℃のヒートサイクル試験を100回行った。
(試験結果)
その結果、本例の熱電モジュール1には疲労破壊等の故障は生じなかったことを確認した。基板10及び電極30の間にある粘性接触層50にて、基板10と熱電素子20との熱膨張差による応力を緩和したと考えられる。
また、本例の熱電モジュール1は、初期の熱電モジュールの故障率が大幅に減少し、さらにこのモジュールの取り扱いによる故障率も大幅に改善されたことを確認した。これは、上部基板10A及び下部基板10Bは、収容室40の内部の圧力を下げた状態で大気中に取り出すことにより、大気圧を上下から受ける。この結果、熱電素子20及び電極30は、しっかりと固定されることとなり、衝撃に強くかつ確実な電気的接続が得られた。

0035

[実施例3]
(熱電モジュール1の構成)
本例の熱電モジュール1に用いる熱電素子20には、n型熱電素子202としてSbを0.01原子%添加したMg2Si0.3Sn0.7を、p型熱電素子200としてLiを0.01原子%を添加したMgAgSbを用いた。即ち、実施例2の熱電モジュール1のp型熱電素子200をMgAgSbに置き換え、本例の熱電モジュール1とした。なお、MgAgSbは、300℃以上で急速に劣化し、室温に戻しても当初の特性には戻らないので、本例の熱電モジュール1は、300℃以下の温度環境で使用することが必須である。
(耐久性試験)
本例の熱電モジュール1における基板10及び電極30の間にある粘性接触層50と、収容室40との組み合わせにより、熱電モジュール1の耐久性が向上するか否かの試験を実施した。具体的には、熱電モジュール1を0℃から250℃のヒートサイクル試験を150回行った。
(試験結果)
その結果、本例の熱電モジュール1には疲労破壊等の故障は生じなかったことを確認した。基板10及び電極30の間にある粘性接触層50にて、基板10と熱電素子20との熱膨張差による応力を緩和したと考えられる。

0036

以上のように、実施例1〜3における熱電モジュール1によれば、p型熱電素子200及びn型熱電素子202の材料を変更しても、本モジュールの構造から基板10と熱電素子20との熱膨張差による応力は発生しないので、繰り返し使用しても疲労破壊等の故障は生じなかったことを確認した。

0037

1…熱電モジュール
10…基板
20…熱電素子
30…電極
40…収容室
400…封止材
50…粘性接触層

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