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技術 地中連続壁の構築方法

出願人 鹿島建設株式会社
発明者 安永正道
出願日 2019年10月25日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2019-194364
公開日 2021年4月30日 (9ヶ月経過) 公開番号 2021-067120
状態 未査定
技術分野 基礎工事に適用される隔壁
主要キーワード 長円形形状 カッティング方式 継手方式 湾曲形 断面長円形 所定断面 ドラムカッター 接合鋼板
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

地中連続壁の合理的な構築方法を提供する。

解決手段

バケット式掘削機を用い、3ガット分の先行エレメント用の溝11を掘削する(工程A〜C)。このとき、バケット式掘削機により掘削された平面視で両端に外側に凸の湾曲部を有する溝を、その両端の湾曲部の角部を削り落として、平面視で矩形状の溝に整形する(工程B)。整形された先行エレメント用の溝11にコンクリート打設して先行エレメント12を構築する(工程D)。水平多軸回転式掘削機を用い、先行エレメント12、12の端部のコンクリートを切削すると同時に、先行エレメント12、12間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝13を形成する(工程E)。後行エレメント用の溝13にコンクリートを打設して後行エレメント14を構築する(工程F)。

概要

背景

地中連続壁は、平面状あるいは円筒状に構築され、土留及び遮水壁として使用される。また、一般的には、構築しようとする地中連続壁の延在方向に先行エレメント後行エレメントとが交互に配置され、ある程度先行エレメントの構築が終わった時点で、先行エレメントと先行エレメントとの間に後行エレメントの構築を行う。

かかる地中連続壁の構築方法として、特許文献1に記載の方法が知られている。
これは、先ず、構築しようとする地中連続壁の延在方向に沿って所定の間隔をあけて先行エレメント用の溝を掘削し、この溝にコンクリート打設して先行エレメントを構築する。
次に、先行エレメントの端部(先行エレメント間に臨む先行エレメントの端部)のコンクリートを切削カッティング)すると同時に、先行エレメント間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝を形成し、この溝にコンクリートを打設して後行エレメントを構築する。

ここでの先行エレメントと後行エレメントとの結合方式継手方式)は、「カッティング継手方式」と呼ばれる。これは、先行エレメントにおける後行エレメントとの接続部分を5〜10cm程度切削して、先行エレメントのフレッシュなコンクリート面を露出させた状態で、後行エレメントのコンクリートを打設することにより、先行エレメントと後行エレメントとをコンクリートの接合だけで結合するものである。継手方式としては、その他、重ね継手方式、接合鋼板継手方式などもあるが、カッティング方式が最も簡便な方式であると言える。

概要

地中連続壁の合理的な構築方法を提供する。バケット式掘削機を用い、3ガット分の先行エレメント用の溝11を掘削する(工程A〜C)。このとき、バケット式掘削機により掘削された平面視で両端に外側に凸の湾曲部を有する溝を、その両端の湾曲部の角部を削り落として、平面視で矩形状の溝に整形する(工程B)。整形された先行エレメント用の溝11にコンクリートを打設して先行エレメント12を構築する(工程D)。水平多軸回転式掘削機を用い、先行エレメント12、12の端部のコンクリートを切削すると同時に、先行エレメント12、12間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝13を形成する(工程E)。後行エレメント用の溝13にコンクリートを打設して後行エレメント14を構築する(工程F)。

目的

本発明は、このような実状に鑑み、砂地盤若しくはこれと同等の地盤条件であることを前提に、バケット式掘削機と水平多軸回転式掘削機とを効率的に運用し、また、簡便なカッティング継手方式を採用する、地中連続壁の合理的な構築方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

地中連続壁構築方法であって、バケット式掘削機を用い、構築しようとする地中連続壁の延在方向に沿って所定の間隔をあけて先行エレメント用の溝を掘削する先行掘削工程と、前記バケット式掘削機により掘削された平面視で両端に外側に凸の湾曲部を有する溝を、その両端の湾曲部の角部を削り落として、平面視で矩形状の溝に整形する整形工程と、整形された先行エレメント用の溝にコンクリート打設して先行エレメントを構築する先行打設工程と、水平多軸回転式掘削機を用い、先行エレメントの端部のコンクリートを切削すると同時に、先行エレメント間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝を形成する後行掘削工程と、後行エレメント用の溝にコンクリートを打設して後行エレメントを構築する後行打設工程と、を含む、地中連続壁の構築方法。

請求項2

前記整形工程では、バケット式掘削機に削り落とし用の工具取付けて、再掘削することにより、整形することを特徴とする、請求項1記載の地中連続壁の構築方法。

請求項3

前記整形工程では、水平多軸回転式掘削機を用いて、再掘削することにより、整形することを特徴とする、請求項1記載の地中連続壁の構築方法。

請求項4

地中連続壁の構築方法であって、バケット式掘削機を用い、構築しようとする地中連続壁の延在方向に沿って所定の間隔をあけて先行エレメント用の溝を掘削する先行掘削工程と、前記バケット式掘削機により掘削された平面視で両端に外側に凸の湾曲部を有する溝の両端に、コンクリートより切削容易な材料からなり外側の面に湾曲部を有し内側の面に平面部を有する捨て型枠を配置して、捨て型枠間を平面視で矩形状の溝に整形する整形工程と、先行エレメント用の溝の捨て型枠間にコンクリートを打設して先行エレメントを構築する先行打設工程と、水平多軸回転式掘削機を用い、先行エレメントの端部のコンクリート及び捨て型枠を切削すると同時に、先行エレメント間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝を形成する後行掘削工程と、後行エレメント用の溝にコンクリートを打設して後行エレメントを構築する後行打設工程と、を含む、地中連続壁の構築方法。

請求項5

前記捨て型枠は、前記湾曲部と、前記平面部と、これらの間の空間保持部とから構成される、請求項4記載の地中連続壁の構築方法。

請求項6

前記先行エレメント用の溝は、前記バケット式掘削機により掘削される所定断面縦孔を3個以上連ねて形成し、前記後行エレメント用の溝は、前記水平多軸回転式掘削機により掘削される1個の所定断面の縦孔により形成することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の地中連続壁の構築方法。

技術分野

0001

本発明は、地中連続壁構築方法に関する。

背景技術

0002

地中連続壁は、平面状あるいは円筒状に構築され、土留及び遮水壁として使用される。また、一般的には、構築しようとする地中連続壁の延在方向に先行エレメント後行エレメントとが交互に配置され、ある程度先行エレメントの構築が終わった時点で、先行エレメントと先行エレメントとの間に後行エレメントの構築を行う。

0003

かかる地中連続壁の構築方法として、特許文献1に記載の方法が知られている。
これは、先ず、構築しようとする地中連続壁の延在方向に沿って所定の間隔をあけて先行エレメント用の溝を掘削し、この溝にコンクリート打設して先行エレメントを構築する。
次に、先行エレメントの端部(先行エレメント間に臨む先行エレメントの端部)のコンクリートを切削カッティング)すると同時に、先行エレメント間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝を形成し、この溝にコンクリートを打設して後行エレメントを構築する。

0004

ここでの先行エレメントと後行エレメントとの結合方式継手方式)は、「カッティング継手方式」と呼ばれる。これは、先行エレメントにおける後行エレメントとの接続部分を5〜10cm程度切削して、先行エレメントのフレッシュなコンクリート面を露出させた状態で、後行エレメントのコンクリートを打設することにより、先行エレメントと後行エレメントとをコンクリートの接合だけで結合するものである。継手方式としては、その他、重ね継手方式、接合鋼板継手方式などもあるが、カッティング方式が最も簡便な方式であると言える。

先行技術

0005

特許第2976102号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、地中連続壁を構築する場合に使用する掘削機には、水平多軸回転式掘削機とバケット式掘削機との2種類があり、掘削機の選定は、地盤条件エレメント間の継手方式、手配のしやすさなどから決められる。

0007

水平多軸回転式掘削機は、地盤条件に左右されず、岩や混じりの地盤の掘削に好適に用いることができる。しかし、水平多軸回転式掘削機は、掘削土泥水として排泥ポンプで排出(ポップアップ)する方式であり、地上部には土砂分離装置振動ふるい機、スクリューデカンタなどを含む)などの設備が必要である。

0008

バケット式掘削機は、岩や大きな礫が混じった地盤の掘削には適しないものの、砂地盤での掘削に好適である。また、バケット土砂を掴んで掘削し、そのまま搬出できるので、地上部に特別な設備が不要となる。従って、砂地盤の地域では多用されており、手配も容易であるので、可能な限り、バケット式掘削機を用いることが望ましい。

0009

そこで、先行エレメント用の溝は、バケット式掘削機を用いて掘削し、後行エレメント用の溝は、コンクリートのカッティングを含むことから、水平多軸回転式掘削機を用いて掘削することが考えられた。この場合、バケット式掘削機による先行エレメント用の溝を例えば3〜5個の縦孔(3〜5ガット)で形成するのに対し、水平多軸回転式掘削機による後行エレメント用の溝を1個の縦孔(1ガット)で形成することで、掘削土の処理に手間とコストのかかる水平多軸回転式掘削機の使用頻度を抑えることができる。

0010

しかしながら、水平多軸回転式掘削機は、掘削により、矩形断面の縦孔を形成できるのに対し、バケット式掘削機では、そのバケットの両面が曲面状を呈していることから、縦孔の断面形状は長円形トラック形状)となり、両端に、外側に凸(例えば25cm凸)の湾曲部が形成されてしまう。従って、そのままコンクリートを打設すると、先行エレメントの端部が外側に例えば25cm凸の湾曲形状となる。カッティング継手方式を採用する場合、後行エレメント用の溝の掘削時に、先行エレメントの端部を例えば10cm切削すると仮定すると、25+10=35cm程度の切削が必要となる。このため、後行エレメント用の溝の掘削は、両端で35cm程度のコンクリート切削を行いながらの掘削となり、掘削機の負荷が大となることから、掘削速度が遅くなったり、場合によっては掘削不能となる恐れがある。

0011

本発明は、このような実状に鑑み、砂地盤若しくはこれと同等の地盤条件であることを前提に、バケット式掘削機と水平多軸回転式掘削機とを効率的に運用し、また、簡便なカッティング継手方式を採用する、地中連続壁の合理的な構築方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明に係る地中連続壁の構築方法は、
バケット式掘削機を用い、構築しようとする地中連続壁の延在方向に沿って所定の間隔をあけて先行エレメント用の溝を掘削する先行掘削工程と、
前記バケット式掘削機により掘削された平面視で両端に外側に凸の湾曲部を有する溝を、その両端の湾曲部の角部を削り落として、平面視で矩形状の溝に整形する整形工程と、
整形された先行エレメント用の溝にコンクリートを打設して先行エレメントを構築する先行打設工程と、
水平多軸回転式掘削機を用い、先行エレメントの端部のコンクリートを切削すると同時に、先行エレメント間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝を形成する後行掘削工程と、
後行エレメント用の溝にコンクリートを打設して後行エレメントを構築する後行打設工程と、
を含む。

0013

ここで、前記整形工程では、バケット式掘削機に削り落とし用の工具取付けて、再掘削(リーミング)することにより、整形することができる。あるいは、水平多軸回転式掘削機を用いて、再掘削(リーミング)することにより、整形することができる。

0014

また、本発明に係る別の地中連続壁の構築方法は、
バケット式掘削機を用い、構築しようとする地中連続壁の延在方向に沿って所定の間隔をあけて先行エレメント用の溝を掘削する先行掘削工程と、
前記バケット式掘削機により掘削された平面視で両端に外側に凸の湾曲部を有する溝の両端に、コンクリートより切削容易な材料からなり外側の面に湾曲部を有し内側の面に平面部を有する捨て型枠を配置して、捨て型枠間を平面視で矩形状の溝に整形する整形工程と、
先行エレメント用の溝の捨て型枠間にコンクリートを打設して先行エレメントを構築する先行打設工程と、
水平多軸回転式掘削機を用い、先行エレメントの端部のコンクリート及び捨て型枠を切削すると同時に、先行エレメント間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝を形成する後行掘削工程と、
後行エレメント用の溝にコンクリートを打設して後行エレメントを構築する後行打設工程と、
を含む。

発明の効果

0015

本発明によれば、砂地盤若しくはこれと同等の地盤条件であることを前提に、先行エレメント用の溝を手配が容易で設備も簡易で済むバケット式掘削機を用いて掘削するので、効率良く作業を行うことができる。
また、バケット式掘削機で掘削することにより形成される断面長円形形状の縦孔を整形して断面矩形形状としてから、先行エレメント用のコンクリートを打設することで、カッティング継手方式のためのカッティング代を均一かつ少なくすることができ、カッティング継手方式の採用が容易となる。
又は、切削容易な捨て型枠を配置して整形してから、先行エレメント用のコンクリートを打設し、後行エレメント用の溝の掘削時に捨て型枠を切削・除去することで、カッティング継手方式の採用が容易となる。
そして、カッティングを含む後行エレメント用の溝の掘削については、水平多軸回転式掘削機を用いることで、確実なカッティングが可能となる。

図面の簡単な説明

0016

地下LNGタンクの例で地中連続壁の構築例を示す図
同上の地中連続壁の展開
バケット式掘削機及び水平多軸回転式掘削機の説明図
バケット式掘削機及び水平多軸回転式掘削機により掘削される溝形状(縦孔の断面形状)を示す平面図
本発明に係る地中連続壁の構築方法の第1実施形態を示す工程図
先行エレメントと後行エレメントの継手部分の平面図
本発明に係る地中連続壁の構築方法の第2実施形態を示す工程図
本発明に係る地中連続壁の構築方法の第3実施形態を示す工程図
捨て型枠の説明図

実施例

0017

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、地下LNGタンクの例で、地中連続壁の構築例を示す図である。
地中連続壁1はRC(鉄筋コンクリート)製であり、その構築後、その内部を掘削し、集水層2、RC底版3、RC側壁4、鋼製ドーム屋根5を構築している。6は凍結防止用ヒータである。

0018

図2は同上の地中連続壁の展開図であり、地中連続壁の延在方向に沿って間隔をあけて先行して構築される先行エレメント12と、先行エレメント12、12間に後から構築される後行エレメント14とが交互に配置されている。
ここにおいて、地中連続壁の延在方向における先行エレメント12の長さは、後行エレメント14の長さより長く、例えば3:1あるいは5:1程度である。

0019

図3(A)は先行エレメント用の溝の掘削に用いるバケット式掘削機100の掘削部を示している。
バケット式掘削機100は、図示しないクローラクレーンにより吊り下げられる掘削機本体101の下端開閉式のクラムシェルバケット102を備え、クラムシェルバケット102より地盤の掘削と排土とを繰り返して、所望の深度まで、掘削する。

0020

図3(B)は後行エレメント用の溝の掘削に用いる水平多軸回転式掘削機200の掘削部を示している。
水平多軸回転式掘削機200は、図示しないクローラクレーンにより吊り下げられる掘削機本体201の下端に、水平な2軸のドラムカッター202を備え、ドラムカッター202に回転を与えて、所望の深度まで、掘削する。

0021

図4(A)はバケット式掘削機100により掘削される縦孔の断面形状を示し、例えば、1200mm×3200mmの長円形形状となる。従って、例えば、長さ2700mmの矩形部の両端に、外側に250mm凸の湾曲部を有している。

0022

図4(B)は水平多軸回転式掘削機200により掘削される縦孔の断面形状を示し、例えば、1200mm×3200mmの矩形形状となる。

0023

次に、上記のバケット式掘削機100及び水平多軸回転式掘削機200を用いて行う、地中連続壁の構築方法について、説明する。

0024

図5は本発明に係る地中連続壁の構築方法の第1実施形態を工程順に示している。
図5(A)〜(C)は先行エレメント用の溝を掘削する先行掘削工程を示している。

0025

本実施形態では、先行エレメント用の溝11は、バケット式掘削機を用いて所定深度まで掘削される縦孔(1ガット分)を3つ連ねて、3ガット分の長さで形成する。そして、掘削順序は、第1ガット(G1)、第2ガット(G2)、第3ガット(G3)の順に並んでいるとすると、端部の第1ガット(G1)、反対側の端部の第3ガット(G3)、中央の第2ガット(G2)の順で掘削する。

0026

図5(A)はバケット式掘削機により第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)の掘削を終えた状態を示している。バケット式掘削機を用いているため、第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)の各縦孔は、断面長円形形状、すなわち両端に外側に凸の湾曲部を有する形状に形成されている。

0027

バケット式掘削機による第1ガット(G1)の掘削後、図5(B)に示すように、第1ガット(G1)の一端側(図の左端)の湾曲部の角部を削り落として、矩形状に整形する。また、バケット式掘削機による第3ガット(G3)の掘削後、同じく図5(B)に示すように、第3ガット(G3)の他端側(図の右端)の湾曲部の角部を削り落として、矩形状に整形する。

0028

かかる整形は、バケット式掘削機のクラムシェルバケットに削り落とし用の工具として、適宜の鉄板などを取付け、このクラムシェルバケットを第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)の縦孔に挿入することで、角部に残っている土砂を削り落とすことにより行う。これはリーミング(再掘削、整形掘削)という手法で、一度掘削した縦孔に削り落とし用の工具を付けたバケット式掘削機を再挿入することで、縦孔の断面形状を整形するのである。この場合、角部を削り落とすだけでよく、リーミング時にはほとんど排土しなくてよい。リーミング部の土の搬出は、第2ガット(G2)の掘削時及び沈降した土の床ざらえ時に一緒に行う。

0029

なお、リーミング(角部の削り落とし)は、最終的に形成される3ガット分の先行エレメント用の溝の両端、すなわち、第1ガット(G1)の図で右端と、第3ガット(G3)の図で左端とにのみ行えばよい。しかし、例えば第1ガット(G1)に対してリーミングを行う際、掘削機の左右のバランスが悪いと、掘削機が傾くことによってスムーズなリーミングができなくなる恐れがある。これを防止するためには、クラムシェルバケットの両側の爪部に平板を取付けて、リーミングを行うのが望ましい。このようにすると、結果的には、図7(B)のように、第1ガット(G1)の両端の湾曲部の角部を削り落とすことになる。第3ガット(G3)についても同様である。

0030

次に図5(C)に示すように、第1ガット(G1)と第3ガット(G3)との間、すなわち中央の第2ガット(G2)を、第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)と一部ラップさせる形で、バケット式掘削機により掘削する。
これにより最終的には、3ガット分の矩形断面の先行エレメント用の溝11を形成することができる。

0031

ここで、図5(A)〜(C)が先行掘削工程に相当し、そのうち図5(B)が整形工程に相当する。

0032

また、図5(A)〜(C)の工程で形成した3ガット分の先行エレメント用の溝11に対し、1ガット分の間隔をあけて、図5(A’)〜(C’)の工程で、同様の3ガット分の先行エレメント用の溝11を形成する。

0033

図5(D)は、先行エレメント用の溝11にコンクリートを打設して先行エレメント12を構築する先行打設工程を示している。
すなわち、先行エレメント用の溝11に、鉄筋籠(図示せず)を建て込んだ後、コンクリートを打設して、RC製の先行エレメント12を構築する。なお、鉄筋籠は、縦横主筋せん断補強鉄筋鉄筋組立鋼材のみで形成され、接合鋼板(ロッキングプレート)などは有していない。

0034

図5(E)は、先行エレメント12、12間に後行エレメント用の溝13を掘削する後行掘削工程を示している。
詳しくは、水平多軸回転式掘削機を用い、先行エレメント12、12の端部(先行エレメント12、12間に臨む先行エレメント12、12の端部)のコンクリートを切削(カッティング)するとともに、先行エレメント12、12間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝13を形成する。

0035

先行エレメント12の端部(後行エレメントとの接続部)のコンクリートを所定厚さ分(例えば5〜10cm)切削して、フレッシュなコンクリート面を露出させることにより、後行エレメント打設時に先行エレメントと後行エレメントとの接合を確実なものとすることができる。

0036

図5(F)は、後行エレメント用の溝13にコンクリートを打設して後行エレメント14を構築する後行打設工程を示している。
すなわち、後行エレメント用の溝13に、鉄筋籠(図示せず)を建て込んだ後、コンクリートを打設して、RC製の後行エレメント14を構築する。
これにより、先行エレメント12と後行エレメント14とが、コンクリート同士で、すなわちカッティング継手方式で、しっかりと接合する。

0037

図6は、先行エレメント12と後行エレメント14の継手部分の平面図である。先行エレメント12内の鉄筋籠12aは先行エレメント12内に収まり、後行エレメント14内の鉄筋籠14aも後行エレメント14内に収まっている。従って、先行エレメント12と後行エレメント14はコンクリート同士で接合している(カッティング継手方式)。

0038

本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
先行エレメント12を矩形状のコンクリートにできることから、継手方式としてカッティング工法の採用が容易となる。
カッティング工法の場合、鉄筋籠の形状が非常にシンプルになり(縦横の主筋、せん断補強鉄筋、鉄筋組立鋼材のみ)、コストの低減、効率的な(すなわち短時間での)建て込みが可能となる。

0039

先行3ガット、後行1ガットの削溝で、約75%がバケット式掘削機での掘削、残り25%が水平多軸回転式掘削機での掘削となる。掘削土の処理に手間とコストのかかる水平多軸回転式掘削機による土量を少なくすることができることから、全体コストを下げることができる。

0040

また、3ガット分の先行エレメント用の溝について、両端の各縦孔の掘削後、中央の縦孔を残した状態で、すなわち、単独の縦孔に対してリーミングを行うことで、掘削機が逃げることなく、確実にリーミングを行うことができる。

0041

図7は本発明に係る地中連続壁の構築方法の第2実施形態を工程順に示している。
図7(A)〜(C)は先行エレメント用の溝を掘削する先行掘削工程を示している。

0042

本実施形態でも、先行エレメント用の溝11は、バケット式掘削機を用いて所定深度まで掘削される縦孔(1ガット分)を3つ連ねて、3ガット分の長さで形成する。そして、掘削順序は、第1ガット(G1)、第2ガット(G2)、第3ガット(G3)の順に並んでいるとすると、端部の第1ガット(G1)、反対側の端部の第3ガット(G3)、中央の第2ガット(G2)の順で掘削する。

0043

図7(A)はバケット式掘削機により第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)の掘削を終えた状態を示している。バケット式掘削機を用いているため、第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)の各縦孔は、断面長円形形状、すなわち両端に外側に凸の湾曲部を有する形状に形成されている。

0044

バケット式掘削機による第1ガット(G1)の掘削後、図7(B)に示すように、第1ガット(G1)の両端の湾曲部の角部を削り落として、矩形状に整形する。また、バケット式掘削機による第3ガット(G3)の掘削後、同じく図7(B)に示すように、第3ガット(G3)の両端の湾曲部の角部を削り落として、矩形状に整形する。

0045

かかる整形は、水平多軸回転式掘削機を用い、これを第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)の縦孔に挿入することで、角部に残っている土砂を削り落とすことにより行う。これはリーミング(再掘削、整形掘削)という手法で、バケット式掘削機により一度掘削した縦孔に水平多軸回転式掘削機を挿入することで、縦孔の断面形状を整形するのである。この場合、角部を削り落とすだけでよく、リーミング時にはほとんど排土しなくてよい。なお、水平多軸回転式掘削機によりリーミングを行う場合は、各縦孔の左右の両端を削り落とすことになる。

0046

次に図7(C)に示すように、第1ガット(G1)と第3ガット(G3)との間、すなわち中央の第2ガット(G2)を、第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)と一部ラップさせる形で、バケット式掘削機により掘削する。
これにより最終的には、3ガット分の矩形断面の先行エレメント用の溝11を形成することができる。

0047

ここで、図7(A)〜(C)が先行掘削工程に相当し、そのうち図7(B)が整形工程に相当する。

0048

また、図7(A)〜(C)の工程で形成した3ガット分の先行エレメント用の溝11に対し、1ガット分の間隔をあけて、図7(A’)〜(C’)の工程で、同様の3ガット分の先行エレメント用の溝11を形成する。

0049

図7(D)は、先行エレメント用の溝11にコンクリートを打設して先行エレメント12を構築する先行打設工程を示している。図7(E)は、水平多軸回転式掘削機を用いて、先行エレメント12、12の端部のコンクリートを切削(カッティング)するとともに、先行エレメント12、12間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝13を形成する後行掘削工程を示している。図7(F)は、後行エレメント用の溝13にコンクリートを打設して後行エレメント14を構築する後行打設工程を示している。

0050

図7(D)〜(F)の工程は、図5(D)〜(F)の工程と同じである。従って、本実施形態は、図7(B)の整形工程において、水平多軸回転式掘削機を用いることを特徴としている。

0051

図8は本発明に係る地中連続壁の構築方法の第3実施形態を工程順に示している。
図8(A)〜(B)は先行エレメント用の溝を掘削する先行掘削工程を示している。

0052

本実施形態でも、先行エレメント用の溝11は、バケット式掘削機を用いて所定深度まで掘削される縦孔(1ガット分)を3つ連ねて、3ガット分の長さで形成する。そして、掘削順序は、第1ガット(G1)、第2ガット(G2)、第3ガット(G3)の順に並んでいるとすると、端部の第1ガット(G1)、反対側の端部の第3ガット(G3)、中央の第2ガット(G2)の順で掘削する。

0053

図8(A)はバケット式掘削機により第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)の掘削を終えた状態を示している。バケット式掘削機を用いているため、第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)の各縦孔は、断面長円形形状、すなわち両端に外側に凸の湾曲部を有する形状に形成されている。

0054

バケット式掘削機による第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)の掘削後、図8(B)に示すように、第1ガット(G1)と第3ガット(G3)との間、すなわち中央の第2ガット(G2)を、第1ガット(G1)及び第3ガット(G3)と一部ラップさせる形で、バケット式掘削機により掘削する。
これにより最終的には、3ガット分の先行エレメント用の溝11を形成することができる。この場合、先行エレメント用の溝11は、長円形断面を有し、両端に、外側に凸の湾曲部を有している。

0055

また、図8(A)〜(B)の工程で形成した3ガット分の先行エレメント用の溝11に対し、1ガット分の間隔をあけて、図8(A’)〜(B’)の工程で、同様の3ガット分の先行エレメント用の溝11を形成する。

0056

図8(C)は、先行エレメント用の溝11の両端(すなわち外側に凸の湾曲部)に、捨て型枠30を嵌め込んで、捨て型枠30、30間を平面視で矩形状の溝に整形する整形工程を示している。

0057

捨て型枠30は、図9に示すように、外側の面に湾曲部(円筒面をなす湾曲板)31を有し、内側の面に平面部(平板)32を有している。そして、湾曲部31と平面部32との間には、空間を保持するように、適数の梁33が配置され、空間保持部34が形成されている。
そして、捨て型枠30は、水平多軸回転式掘削機により切削容易な材料(少なくともコンクリートより切削容易な材料)、例えば、塩ビ(塩化ビニル樹脂)などで製作されている。

0058

図8(D)は、先行エレメント用の溝11の両端の捨て型枠30、30間にコンクリートを打設して先行エレメント12を構築する先行打設工程を示している。
すなわち、先行エレメント用の溝11の両端の捨て型枠30、30間に、鉄筋籠(図示せず)を建て込んだ後、コンクリートを打設して、RC製の先行エレメント12を構築する。

0059

図8(E)は、先行エレメント12、12間に後行エレメント用の溝13を掘削する後行掘削工程を示している。
詳しくは、水平多軸回転式掘削機を用い、先行エレメント12、12の端部のコンクリート及び捨て型枠30、30を切削(カッティング)するとともに、先行エレメント12、12間の地盤を掘削して、後行エレメント用の溝13を形成する。

0060

先行エレメント12の端部(後行エレメントとの接続部)のコンクリートを切削して、フレッシュなコンクリート面を露出させることにより、後行エレメント打設時に先行エレメントと後行エレメントとの接合を確実なものとすることができる。
また、このカッティング時に捨て型枠30を切削・除去することになるが、捨て型枠30は塩ビなどの切削しやすい材料で製作されているので、容易に切削・除去できる。従って、切削負荷の上昇を抑制することができる。

0061

図8(F)は、後行エレメント用の溝13にコンクリートを打設して後行エレメント14を構築する後行打設工程を示している。
すなわち、後行エレメント用の溝13に、鉄筋籠(図示せず)を建て込んだ後、コンクリートを打設して、RC製の後行エレメント14を構築する。
これにより、先行エレメント12と後行エレメント14とが、コンクリート同士で、すなわちカッティング継手方式で、しっかりと接合する。

0062

本実施形態は、捨て型枠30を用いて、先行エレメントを矩形状のコンクリートとする一方、捨て型枠30を切削容易な材料により製作して、カッティング工法の採用を容易としたことを特徴としている。

0063

なお、上記の実施形態では、先行エレメント用の溝11は、バケット式掘削機を用いて所定深度まで掘削される縦孔(1ガット分)を3つ連ねて、3ガット分の長さで形成する、3ガット掘削としたが、縦孔(1ガット分)を5つ連ねて、5ガット分の長さで形成する、5ガット掘削としてもよい。5ガット掘削の場合の掘削順序は、第1ガット(G1)、第2ガット(G2)、第3ガット(G3)、第4ガット(G4)、第5ガット(G5)の順に並んでいるとすると、例えば、端部の第1ガット(G1)、反対側の端部の第5ガット(G5)、中央の第3ガット(G3)、第1ガットと第3ガットとの間の第2ガット(G2)、第3ガットと第5ガットとの間の第4ガット(G4)の順とする。この場合、3ガット掘削時に、第1ガット(G1)と第3ガット(G3)に行ったリーミングが、第1ガット(G1)と第5ガット(G5)に行われる。

0064

また、図示の実施形態はあくまで本発明を概略的に例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。

0065

1地中連続壁
11先行エレメント用の溝
12 先行エレメント
12a鉄筋籠
13後行エレメント用の溝
14後行エレメント
14a 鉄筋籠
30 捨て型枠
31湾曲部
32平面部
33 梁
34 空間保持部
100バケット式掘削機
102クラムシェルバケット
200水平多軸回転式掘削機
202 ドラムカッター

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