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技術 組み換え改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)フィロウイルスワクチン

出願人 バヴァリアン・ノルディック・アクティーゼルスカブ
発明者 フォルクマン・アリアンシュタイガーヴァルト・ロービンホーホライン・フーベルトゥスディルマイアー・ウルリーケラウターバッハ・ヘニングハウスマン・ユルゲン
出願日 2021年1月6日 (9ヶ月経過) 出願番号 2021-000975
公開日 2021年4月22日 (5ヶ月経過) 公開番号 2021-063112
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 突然変異または遺伝子工学 動物,微生物物質含有医薬 微生物、その培養処理 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 増幅比率 防御服 中和滴定量 エキステンション ダンボ 出現場所 バイオセーフティレベル 増幅状態
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図面 (20)

課題

フィロウイルス感染症に対する組換え改変ワクシニアウイルスアンカラ系(MVA系)ワクチンを含む、改善されたフィロウイルスワクチン、並びにそれに関連する製品、製造方法および使用法を提供する。

解決手段

マールブルグウイルス(MARV)またはエボラウイルスグリコプロテイン抗原決定基をコードする少なくとも1個の異種ヌクレオチド配列を含む遺伝子操作された(組み換え)MVAおよびFPベクターに関する。特に、本発明は、エボラウイルスグリコプロテインおよびビリオンタンパク質40を含む組み換えMVAに関する。本発明は、例えば、対象に防御免疫反応を誘発するのに適したMVA及び遺伝子操作された(組み換え)FPVの製品、方法および使用、ならびにプライムブースト投薬計画にも関する。

概要

背景

フィロウイルスは、フィロウイルス科に属するエンベロープを持った、非分節マイナス鎖RNAウイルスである。これまでのところ、このウイルス科には2個のメンバーが確認されている。マールブルグウイルス(MARV)およびエボラウイルス(EBOV)である。フィロウイルスは、非常に毒性が強く、人から人へ容易に伝染し、そして並外れ致死率が高く、ヒトおよび非ヒト霊長類重症出血熱を引き起こす。フィロウイルス感染症は、ヒトにおいて、23%から90%もの範囲の致死率を有する。しかしながら、この伝染性および致死率にもかかわらず、承認された治療法や予防ワクチンはない。

流行の間、患者の隔離および防御服の使用および消毒措置(合わせてウイルス性出血熱VHF)隔離予防措置または障壁看病という)は、マールブルグまたはエボラウイルスのさらなる伝染を食い止め、そして流行を制御し終焉させるのに十分であった。フィロウイルスによって引き起こされる出血熱の有効な治療法は知られていないので、VHF隔離予防措置を適用して伝染を予防することは、現在のところ、フィロウイルスの流行を制御するために利用できる唯一の手段である。

フィロウイルスは、最初に、1967年にアフリカミドリザル組織を処理していたドイツとユーゴスラビアの数人の研究所の職員が重症の出血熱を発症した時に認識された。これらの流行によって、合計31例と7人の死亡が引き起こされた。このウイルスは、流行の1つが起こった場所であるドイツ、マールブルグにちなんでマールブルグウイルス(MARV)と名付けられた。この最初の流行の後、このウイルスは消え去り、1975年まで再出現しなかった。その時、おそらくジンバブエで感染した1人の旅行者フリカのヨハネスブルクで発病し、この旅行者の同行者と1人の看護師も感染した。この時以来、マールブルグ出血熱(MHF)は数例、散発的に確認されたが、この疾患は比較的稀にとどまっている。

第2のフィロウイルスであるエボラウイルス(EBOV)は、最初に、1976年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)部およびスーダン南部の2か所でエボラ出血熱EHF)の流行が起こった時に確認された。これらの流行は、エボラウイルスの2個の異なる種であることが後に証明されたウイルスによって引き起こされた。これらの2個の種は、それぞれが発見された国にちなんで名付けられた。両方のウイルスは共に非常に致死率が高く、ザイールでは90%、スーダンでは50%の患者が死亡した。1976年以来、エボラウイルスは散発的にアフリカで出現しており、1976年から1979年の間にいくつかの小規模から中規模の流行が確認され、1994年から1996年の間に再びガボンで確認された。より大規模なエボラ出血熱の流行は、1995年にザイールのキクウィト、および2000年にウガンダのグルで起こった。

フィロウイルスは、1個またはそれ以上の非ヒト動物の継続中のライフサイクルからヒトへ伝染するように思われる。エボラおよびマールブルグウイルスの自然界の保有宿主(複数を含む)を見つけようとする多くの試みにもかかわらず、それらの起源のままである。その結果、一体どのようにしてこのウイルスが自然界の保有宿主からヒトへ伝染するのかも不明のままである。しかし、一旦ヒトが感染すると、ヒトからヒトへの伝染によってさらなる感染が引き起こされる。特に、伝染は、感染した個人または彼らの体液と、別の人間との親密な個人的接触によって引き起こされる。フィロウイルス感染によって引き起こされる出血熱の記録に残る流行の間、感染した個人の世話をし(つまり、食事を与え、体を洗い、投薬した)、またはとても身近で働いた人々は、彼ら自身が感染する特に大きなリスクがあった。感染した体液との接触を通じた(つまり、これらの体液で汚染された、消毒していない注射器、針その他の医療器具の再利用を通じた)院内(病院)感染もまた、疾患の蔓延にとって重要な要因であった。感染していない人と感染した患者との親密な接触を最小限に抑えることは、通常、流行の間に、新たなフィロウイルス感染の数を減少させる。フィロウイルスは、実験室では、小さな浮遊粒子を通じて感染するある程度の能力を示したが、ヒトの間の空気伝播は明確には実証されていない。

これまでのところ、エボラウイルスの5つの株が確認されており、それらの最初の出現場所にちなんで名付けられている。ブンディブギョ(BEBOV)、象牙海岸(EBOV−CdI、タイフォレストウイルスまたはTAFVとも云われる)、レストン(EBOV−Reston)、スーダン(SEBOV)、およびザイール(ZEBOV)であり、ザイール、スーダン、およびブンディブギョ株は、一般的に、ヒトの疾病および死亡を引き起こす。エボラ−レストンは、ヒトに重症の疾患を引き起こさない唯一の知られたフィロウイルスであるが、サルでは致命的になりえる。マールブルグウイルスのいくつかの株が現在までのところ確認されており、ムソク株が最も高い致死率を有する。図1を参照照。

構造上は、フィロウイルスビリオンは、いくつかの形で出現しうる。長い、時には枝分かれしたフィラメント状のもの、さらには、「6」、文字「U」または円の形をしたより短いフィラメント状のものを含む。ウイルスのフィラメントは、最大で14ミクロン(μm)までの長さのものがあり、80ナノメーター(nm)の一定の直径を有し、そして脂質の膜でエンベロープされている。それぞれのビリオンは、約19キロ塩基対(kb)の長さの1個の一本鎖マイナスセンスRNA分子を含み、それは核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35)、ビリオンタンパク質40(VP40)、エンベロープグリコプロテイン(GP)、ビリオンタンパク質30(VP30)、ビリオンタンパク質24(VP24)、およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質(L)の順序で連続して配列された7個の遺伝子を含む。宿主細胞細胞質に入ると、このRNAは転写されて、このたんぱく質をコードするポリアデニル化されたサブゲノムmRNA種を生成する。転写および翻訳は、それぞれ異なるフィロウイルスについて推定される同一の機能をもった、7個の構造ポリペプチドの合成を引き起こす。4個のタンパク質(NP、VP30,VP35およびL)が、ヌクレオカプシド複合体中のウイルスゲノムRNAと関連している。残りの3個の構造タンパク質は、膜結合性である。GPは、タイプIの膜透過タンパク質であり、一方、VP24およびVP40はおそらくはこの膜の内側に位置している。エンベロープグリコプロテイン(GP)は、3個のヘテロ二量体コピーを含むホモ三量体(「ペプロマー」とも云われる)としてウイルスエンベロープに現れる。このヘテロ二量体は、フューリン開裂によって作られる「GP1」および「GP2」として知られる完全長GP前駆体(「GP0」と云われる)の2個の断片を含む。GP1およびGP2は、ジスルフィド結合によって結合する。非構造的な、分泌されたグリコプロテイン(sGP)がMARVではなく、EBOVによって発現される(H.Feldmann & M.P.Kiley,Curr.Top.Microbiol.Immunol.235:1−21(1999))。新しいウイルス粒子が、宿主細胞の表面から発することによって作られる(以下、参照)。

フィロウイルスのライフサイクルは、特定の細胞表面受容体にビリオンが付着して始まり、次いでビリオンエンベロープが細胞膜と融合し、ウイルスヌクレオカプシドが細胞質ゾル中に放出される。ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ(RNAP,または「L」タンパク質としても知られている)は、ヌクレオカプシドを部分的に脱殻し、遺伝子をプラス鎖mRNAの中に転写し、次いでそれらは構造的および非構造的タンパク質の中へ翻訳される。図2を参照。このRNAPは、ゲノムの3’末端に位置する単一プロモーターに結合する。転写は、遺伝子の後で終了するか、または次の遺伝子へ下流に続行する、つまりゲノムの3’末端に近い遺伝子は最大限転写される一方、5’末端に向かう遺伝子は転写される可能性が最も低い。従って、遺伝子順序は、簡単だが有効な転写調節の形である。生成される最も豊富なタンパク質は、核タンパク質(NP)であり、その細胞濃度は、いつRNAPが遺伝子転写からゲノム複製へと転換するかを決定する。複製は、それ自身がマイナス鎖ウイルス子孫ゲノムのコピーへと転写される、完全長プラス鎖抗ゲノムをもたらす。新たに合成された構造タンパク質およびゲノムは、細胞膜の内部の近くで自己組織化蓄積する。ウイルス粒子は、感染した宿主細胞から発芽し、成熟した感染ビリオンを生成しながらエンベロープされる。

従前のワクチン開発
1つまたはそれ以上のフィロウイルス種による感染に対する防御免疫力を誘導できる、安全な免疫原性ワクチンを開発しようと試みた間に、多くの戦略が評価され、明らかに一致しない結果をもたらした。その概要は、Marzi and Feldmann(A.Marzi and H.Feldmann,Expert Rev. Vaccines 13(4):521−531(2014))にまとめられている。例えば、3個のDNAプラスミド、つまり1つ目はZEBOVからエンベロープグリコプロテインを発現しているもの、2つ目はSEBOVからエンベロープグリコプロテインを発現しているもの、3つ目はZEBOVから核タンパク質を発現しているもの、の混合物を含む3価のDNAワクチンは安全で、免疫原性で、そしてヒトの3個の抗原の少なくとも1個に対して抗体反応を誘導することができた。しかしCD8+ T細胞反応は、ワクチン接種をした個体群の3分の1未満で検出された(J.E.Martin et al.,Vaccine Immunol.13(11):1267−1277(2006))。同様に、ZEBOV、SEBOV、マールブルグCi67(ラタイツァク株)、マールブルグムソケおよびマールブルグラブンからのエンベロープグリコプロテイン、さらにはZEBOVおよびマールブルグムソケからの核タンパク質を発現している4個の異なる組み換えアデノウイルスの混合物を含む5価アデノウイルス系「汎フィロウイルス」ワクチンである複合体は、ZEBOVまたはMARVの攻撃から非ヒト霊長類を防御し、両タイプのウイルスに対して抗体反応を誘導したが、このワクチンがCD8+ T細胞反応を誘導したかどうかは不明のままである(D.L.Swenson et al.,Clin. Vaccine Immunol.15(3):460−467(2008))。

ZEBOVに由来する、エンベロープグリコプロテイン、またはエンベロープグリコプロテインおよび核タンパク質の両者を発現しているヒトパラインフルエンザウイルス血清型3(HPIV3)である組み換えパラミクソウイルス鼻腔内投与は、以後のEBOVの攻撃からモルモットを防御した。げっ歯動物モデルは、しばしば霊長類では結果の予測が困難であり、げっ歯動物では有効であった以前の多くのEBOVワクチン候補が、非ヒト霊長類では完全に失敗した(A.Bukreyev et al.,J.Virol.80(5):2267−2279(2006))。ZEBOV由来の、エンベロープグリコプロテイン、またはエンベロープグリコプロテインおよび核タンパク質の両者を発現している組み換えHPIV3をアカゲザルに鼻腔内投与すると、エンベロープグリコプロテインを発現しているいかなる構成物も適度に免疫原性を示し、ワクチン接種後のZEBOVの攻撃に対して80%を超える動物を疾患から防御した(A.Bukreyev et al.,J.Virol.81(12):6379ー6388(2007))。最後に、水胞性口炎ウイルス(VSV)グリコプロテインをZEBOVエンベロープグリコプロテインで置き換えた組み換えVSVは、治療しなければ一様に死に致る感染後24時間も経った治療によって、モルモットの50%、マウスの100%を防御した。エボラウイルス感染に対する暴露後の治療選択肢を与え、暴露から20から30分後に治療を行った場合、8匹中4匹のアカゲザル(50%)が防御された(H.Feldmann,PLoS Pathogen 3(1):54−61(2007))。

Geisbertらは、非ヒト霊長類における致死的なEBOV感染からマウスやモルモットを防御したワクチン戦略の効果を評価した。彼らは、EBOVグリコプロテインおよび核タンパク質を発現しているベネズエラウマウイルス(VEEV)、EBOVグリコプロテイン、脂質Aを含むリポソームおよび不活性化EBOVを発現している組み換えワクシニアウイルス(VACV)、ならびに濃縮した不活性化全ビリオン調合液弱毒化した株に由来するRNAレプリコン粒子を使用した。彼らは,これらの戦略のいずれもがEBOVの頑強な攻撃から非ヒト霊長類を防御することに成功しなかったことがわかった(T.H Geisbert et al.,Emerging Infectious Diseases 8(3):503−507(2002))。

別の者たちは、抗体反応を誘導するために、非複製サブユニットワクチンとして、哺乳類バクテリア、植物または昆虫細胞で発現したウイルス様粒子(VLP)を使用した(D.L.Swenson et al.,Vaccine 23:3033−3042(2005);K.L.Warfield et al.,JID 196(2):430−437(2007),N.Kushnir et al.,Vaccine 31(1):58−83(2012),K.L.Warfield et al.,PLOS ONE 10(3):e0118881(2015),K.L.Warfield and M.J.Aman JID 204:1053−1059(2011),V.M.Wahl Jensen et al.,J Virol.79(16):10442−10450(2005),WO2003/039477,WO2006/046963,WO2006/073422,WO2004/042001,US8,900,595,US7,211,378)。しかし、フィロウイルスVLPは、大きなコストがかかる困難な生成プロセスが必要で、長時間室温で保存しなければならない。

このようにして、かなりの時間と労力を使った後に、いくつかの有望なワクチン候補が前臨床段階で現れたが、現在までのところ、利用できる承認された予防ワクチンはない。フィロウイルス感染症の伝染性と致死性を考えると、有効なワクチンの緊急の必要がある。

概要

フィロウイルス感染症に対する組換え改変ワクシニアウイルスアンカラ系(MVA系)ワクチンを含む、改善されたフィロウイルスワクチン、並びにそれに関連する製品、製造方法および使用法を提供する。マールブルグウイルス(MARV)またはエボラウイルスグリコプロテインの抗原決定基をコードする少なくとも1個の異種ヌクレオチド配列を含む遺伝子操作された(組み換え)MVAおよびFPベクターに関する。特に、本発明は、エボラウイルスグリコプロテインおよびビリオンタンパク質40を含む組み換えMVAに関する。本発明は、例えば、対象に防御免疫反応を誘発するのに適したMVA及び遺伝子操作された(組み換え)FPVの製品、方法および使用、ならびにプライムブースト投薬計画にも関する。B

目的

本発明は、対象に防御免疫力または防御免疫反応を提供する

効果

実績

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請求項1

(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプ抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である混合ワクチン

請求項2

(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である混合ワクチン。

請求項3

前記第1の組成物が、第2のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを含む、請求項1に記載の混合ワクチン。

請求項4

前記第1の組成物が、第3のフィロウイルスサブタイプまたは第4のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを含む、請求項2〜3に記載の混合ワクチン。

請求項5

前記フィロウイルスサブタイプが、エボラウイルス(EBOV)またはマールブルグウイルス(MARV)から選択される、請求項1〜4に記載の混合ワクチン。

請求項6

前記EBOVタンパク質抗原決定基が、ザイールエボラウイルス(ZEBOV)、スーダンエボラウイルス(SEBOV)、コートジボワールエボラウイルス(EBOV−Cdl)、レストンエボラウイルス(EBOV−Reston)およびブンディブギョエボラウイルス(BEBOV)からなる群から選択される1個またはそれ以上のEBOVサブタイプに由来する、請求項1〜5に記載の混合ワクチン。

請求項7

前記フィロウイルスタンパク質の抗原決定基が、エンベロープグリコプロテイン(GP)、核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35),ビリオンタンパク質40(VP40),ビリオンタンパク質30(VP30),ビリオンタンパク質24(VP24)およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質(L)からなる群から選択される、請求項1〜6に記載の混合ワクチン。

請求項8

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択される抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項1〜7に記載の混合ワクチン。

請求項9

前記第1の組成物中のMVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29および配列番号31を有する群から選択される4個の異なるフィロウイルスサブタイプに由来する抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項1〜8に記載の混合ワクチン。

請求項10

前記第1の組成物中のMVAベクターが、配列番号6、配列番号20、配列番号29および配列番号31を有する群から選択される4個の異なるフィロウイルスサブタイプに由来する抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項1〜9に記載の混合ワクチン。

請求項11

少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプに対して防御免疫反応を引き起こすのに使用する請求項1〜10に記載の混合ワクチンであって、前記第1の組成物を前記免疫反応プライミングするのに使用し、前記第2の組成物を前記免疫反応をブースティングするのに使用する、前記混合ワクチン。

請求項12

少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプに対して防御免疫反応を引き起こすのに使用する請求項1〜10に記載の混合ワクチンであって、前記第2の組成物を前記免疫反応をプライミングするのに使用し、前記第1の組成物を前記免疫反応をブースティングするのに使用する、前記混合ワクチン。

請求項13

前記ブースティング組成物が、前記ブースティング組成物のベクターの2回またはそれ以上の投与量を含む、請求項1〜12に記載の混合ワクチン。

請求項14

(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物であるキット

請求項15

(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物であるキット。

請求項16

前記第1の組成物が、第2のフィロウイルスサブタイプ、第3のフィロウイルスサブタイプまたは少なくとも4個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを含む、請求項14〜15に記載の混合ワクチン。

請求項17

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択される抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項14〜16に記載のキット。

請求項18

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29および配列番号31を有する群から選択される抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項14〜16に記載のキット。

請求項19

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号6、配列番号20、配列番号29および配列番号31を有する群から選択される抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項14〜16に記載のキット。

請求項20

少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプに対して防御免疫反応を引き起こすのに使用する請求項14〜19に記載のキットであって、前記第1の組成物を、前記免疫反応をプライミングするのに使用し、前記第2の組成物を前記免疫反応をブースティングするのに使用する、前記キット。

請求項21

少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプに対して防御免疫反応を引き起こすのに使用する請求項14〜19に記載のキットであって、前記第2の組成物を、前記免疫反応をプライミングするのに使用し、前記第1の組成物を前記免疫反応をブースティングするのに使用する、前記キット。

請求項22

前記ブースティング組成物が、前記ブースティング組成物のベクターの2回またはそれ以上の投与量を含む、請求項14〜21に記載のキット。

請求項23

フィロウイルスに起因する病気治療および/または予防における使用のためのフィロウイルスタンパク質の2個またはそれ以上の抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む組み換え改変ワクシニアウイルス(MVA)ベクター。

請求項24

前記フィロウイルスが、エボラウイルス(EBOV)またはマールブルグウイルス(MARV)から選択される、請求項23に記載の使用のための組み換えMVAベクター。

請求項25

前記EBOVタンパク質の前記抗原決定基が、ザイールエボラウイルス(ZEBOV)、スーダンエボラウイルス(SEBOV)、コートジボワールエボラウイルス(EBOV−CdI)、レストンエボラウイルス(EBOV−Reston)およびブンディブギョエボラウイルス(BEBOV)からなる群から選択される1個またはそれ以上のEBOVサブタイプに由来する、請求項23または24に記載の使用のための混合ワクチン。

請求項26

前記フィロウイルスタンパク質の抗原決定基が、エンベロープグリコプロテイン(GP)である、請求項23〜25に記載の使用のための組み換えMVAベクター。

請求項27

2個またはそれ以上のエボラサブタイプの抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項23〜26に記載の使用のための組み換えMVAベクター。

請求項28

。前記フィロウイルスタンパク質の前記抗原決定基が、エンベロープグリコプロテイン(GP)、核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35),ビリオンタンパク質40(VP40),ビリオンタンパク質30(VP30),ビリオンタンパク質24(VP24)およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質(L)からなる群から選択される、請求項23〜27に記載の組み換えMVAベクター。

請求項29

前記フィロウイルスタンパク質の前記抗原決定基が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択される、請求項23〜28に記載の使用のための組み換えMVAベクター。

請求項30

前記フィロウイルスタンパク質の前記抗原決定基が、配列番号29および/または配列番号6、配列番号20および配列番号31を含む、請求項23〜28に記載の使用のための組み換えMVAベクター。

請求項31

前記抗原決定基をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号28および/または配列番号5、配列番号19および配列番号30を含む、請求項23〜28に記載の使用のための組み換えMVAベクター。

請求項32

フィロウイルスに起因する病気の治療および/または予防における使用のための、フィロウイルスグリコプロテインの抗原タンパク質をコードし、さらにフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えMVAベクター。

請求項33

前記フィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードするヌクレオチド配列が配列番号33を含む、請求項32の使用のための組み換えMVAベクター。

請求項34

(a)配列番号5、配列番号19および配列番号30、(b)配列番号5、配列番号19、配列番号28および配列番号30、ならびに(c)配列番号19および配列番号33からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む組み換えMVAベクター。

請求項35

前記組み換えウイルスを作るのに使用した前記MVAは、MVA−BNウイルス、または鶏胚線維(CEF)細胞においてインビトロ生殖複製する能力を有するが、ヒトケラチン生成細胞株HaCat、ヒト骨肉腫細胞株143B,ヒト胚腎臓細胞株293、およびヒト頸部腺がん細胞株HeLaにおいては生殖複製する能力を有しない誘導体である、請求項1〜13に記載の混合ワクチン、請求項23〜33に記載の使用のための組み換えMVAベクターまたは請求項34の組み換えMVAベクター。

請求項36

前記組み換えウイルスを作るのに使用した前記MVAは、欧州動物細胞培養コレクション(ECACC)に受入番号V00083008として預託されている、MVA−BNである、請求項1〜13に記載の混合ワクチン、請求項23〜33に記載の使用のための組み換えMVAベクターまたは請求項34の組み換えMVAベクター。

請求項37

同時刺激分子をコードする核酸を含む、請求項23〜33、35、または36に記載の使用のための組み換えMVAベクター。

請求項38

対象の免疫反応に作用するための、請求項23〜37に記載の組み換えMVAベクター。

請求項39

薬剤またはワクチンとして使用するための、請求項23〜37に記載の組み換えMVAベクター。

請求項40

請求項23〜37に記載の前記組み換えMVAベクターを含むワクチン、組成物または細胞。

請求項41

前記組み換えMVAベクターを、1回、2回、3回または4回投与する、請求項23〜33または35〜39に記載の使用のための前記組み換えMVA。

請求項42

フィロウイルス感染症に対して強化された免疫反応を誘発する薬剤またはワクチンとして使用するための、請求項32〜33の組み換えMVAであって、前記MVAは、処置する対象において、フィロウイルス様粒子を生成する能力を有する、前記組み換えMVA。

請求項43

第1の投与(プライミング)のための第1のバイアルまたは容器、および第2の投与(ブースティング)のための第2のバイアルまたは容器に入った、請求項23〜33または35〜39に記載の組み換えMVAベクターを含むキット。

請求項44

個目、4個目またはさらなるバイアルまたは容器に入った、3回目、4回目またはさらなる投与のための前記組み換えMVAベクターを含む、請求項43に記載のキット。

請求項45

フィロウイルスに起因する病気の治療および/または予防のための薬剤を製造のための、請求項1〜11の前記混合ワクチンまたは請求項23〜36の前記組み換えMVAベクターの使用。

請求項46

請求項23〜36のいずれかのMVAベクターおよび医薬的に許容される担体、希釈剤および/または添加剤を含む薬剤組成物

請求項47

配列番号26を有するFPV−40Kプロモーターの制御下にあるフィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えFPVベクター。

請求項48

前記フィロウイルスが、エボラウイルス(EBOV)またはマールブルグウイルス(MARV)から選択される、請求項47の組み換えFPVベクター。

請求項49

前記EBOVタンパク質の前記抗原決定基が、ザイールエボラウイルス(ZEBOV)、スーダンエボラウイルス(SEBOV)、コートジボワールエボラウイルス(EBOV−CdI)、レストンエボラウイルス(EBOV−Reston)およびブンディブギョエボラウイルス(BEBOV)からなる群から選択される1個またはそれ以上のEBOVサブタイプに由来する、請求項48に記載の組み換えFPVベクター。

請求項50

前記フィロウイルスタンパク質の前記抗原決定基が、エンベロープグリコプロテイン(GP)、核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35),ビリオンタンパク質40(VP40),ビリオンタンパク質30(VP30),ビリオンタンパク質24(VP24)およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質(L)からなる群から選択される、請求項47〜49に記載の組み換えFPV。

請求項51

前記フィロウイルスタンパク質の前記抗原決定基が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37の群から選択される抗原タンパク質をコードする、請求項50に記載の組み換えFPVベクター。

請求項52

フィロウイルスに起因する病気の治療および/または予防で使用するための、請求項47〜51に記載の組み換えFPV。

請求項53

フィロウイルスに対する免疫反応をプライミングまたはブースティングするために使用する、請求項47〜51に記載の組み換えFPV。

請求項54

前記組み換えFPVベクターを、1回、2回、3回または4回投与する、請求項52または53に記載の使用のための組み換えFPV。

請求項55

フィロウイルスに起因する病気の治療および/または予防のための薬剤またはワクチンを製造するための、請求項47〜51の前記組み換えFPVの使用。

請求項56

対象にいて、フィロウイルスに対して免疫反応を誘発する方法であって、対象に、(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与すること含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である、前記方法。

請求項57

対象において、フィロウイルスに対して免疫反応を誘発する方法であって、対象に、(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与することを含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である、前記方法。

請求項58

前記第1の組成物が、第2のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを含む、請求項56に記載の方法。

請求項59

前記第1の組成物が、第3のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを含む、請求項58に記載の方法。

請求項60

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択される抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項56〜59に記載の方法。

請求項61

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、少なくとも4個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項56〜59に記載の方法。

請求項62

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37を有する4個の異なるフィロウイルスサブタイプに由来する抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項56〜61に記載の方法。

請求項63

前記ブースティング組成物を、前記プライミング組成物を投与した2〜12週後に投与する、請求項56〜62に記載の方法。

請求項64

前記ブースティング組成物を前記対象に2回またはそれ以上投与する請求項56〜63に記載の方法。

請求項65

対象者の免疫反応に作用する方法であって、請求項23〜39に記載の組み換えMVAベクターを前記対象に投与することを含む、前記方法。

請求項66

フィロウイルスに起因する病気の治療および/または予防で使用するための組み換えMVAベクターを生成する方法であって、(a)MVAウイルスを用いて宿主細胞を感染させるステップ、(b)請求項23〜37中いずれかのフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする少なくとも1個のヌクレオチド配列を含む組み換えベクターを用いて、前記感染した細胞に核酸を導入するステップであって、前記核酸配列が、少なくとも1個の前記ヌクレオチド配列をMVAウイルスゲノムの中に融合させることを指示できるゲノムMVAウイルス配列をさらに含むステップ、および(c)前記生成した組み換えMVAウイルスを特定し、分離し、および任意に精製するステップを含み、好ましくは、ステップ(a)とステップ(b)の順序は、ステップ(b)が1番目のステップで、ステップ(a)が2番目のステップとなるように変更できる、前記方法。

請求項67

フィロウイルスに起因する病気の治療および/または予防で使用するための組み換えFPVベクターを生成する方法であって、(a)FPVウイルスを用いて宿主細胞を感染させるステップ、(b)請求項47〜51のいずれかのフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする少なくとも1個のヌクレオチド配列を含む組み換えベクターを用いて、前記感染した細胞に核酸を導入するステップであって、前記核酸配列が、少なくとも1個の前記ヌクレオチド配列をFPVウイルスゲノムの中に融合させることを指示できるゲノムFPVウイルス配列をさらに含むステップ、および(c)生成された組み換えFPVウイルスを特定し、分離し、および任意に精製するステップを含み、好ましくは、ステップ(a)とステップ(b)の順序は、ステップ(b)が1番目のステップで、ステップ(a)が2番目のステップとなるように変更できる、前記方法。

請求項68

対象において、フィロウイルスに対して免疫反応を誘発する方法であって、対象に、(a)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与することを含み、または(c)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(d)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むFPVクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与することを含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である、前記方法。

請求項69

前記抗原決定基が、EBOVグリコプロテイン、好ましくは、ザイールエボラウイルス(ZEBOV)、スーダンエボラウイルス(SEBOV)、コートジボワールエボラウイルス(EBOV−CdI)レストンエボラウイルス(EBOV−Reston)およびブンディブギョエボラウイルス(BEBOV)からなる群から選択されるEBOVグリコプロテインである、請求項68の方法。。

請求項70

前記フィロウイルスタンパク質の前記抗原決定基が、エンベロープグリコプロテイン(GP)、核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35),ビリオンタンパク質40(VP40),ビリオンタンパク質30(VP30),ビリオンタンパク質24(VP24)およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質からなる群から選択される、請求項68の方法。

請求項71

前記フィロウイルスタンパク質の前記抗原決定基が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択される、請求項70に記載の方法。

請求項72

対象において、防御免疫力または防御免疫反応を提供する方法であって、対象に、(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与すること含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である、前記方法。

請求項73

対象において、防御免疫力または防御免疫反応を提供する方法であって、対象に、(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与することを含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である、前記方法。

請求項74

前記第1の組成物が、第2のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを含む、請求項72に記載の方法。

請求項75

前記第1の組成物が、第3のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを含む、請求項74に記載の方法。

請求項76

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択される抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項72〜75に記載の方法。

請求項77

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、少なくとも4個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項72〜75に記載の方法。

請求項78

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37を有する4個の異なるフィロウイルスサブタイプに由来する抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項72〜77に記載の方法。

請求項79

前記ブースティング組成物を、前記プライミング組成物を投与した2−12週後に投与する、請求項72〜78に記載の方法。

請求項80

前記ブースティング組成物を対象に2回またはそれ以上投与する請求項72〜79に記載の方法。

請求項81

前記第1の組成物が、第2のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを含む、請求項72に記載の方法。

請求項82

前記第1の組成物が、第3のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを含む、請求項72または73に記載の方法。

請求項83

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択される抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項72〜82に記載の方法。

請求項84

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、少なくとも4個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項72〜82に記載の方法。

請求項85

前記第1の組成物中の前記MVAベクターが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37を有する4個の異なるフィロウイルスサブタイプに由来する抗原タンパク質をコードする核酸を含む、請求項72〜84に記載の方法。

請求項86

前記ブースティング組成物を、前記プライミング組成物を投与した2−12週後に投与する、請求項84〜85に記載の方法。

請求項87

前記ブースティング組成物を対象に2回またはそれ以上投与する請求項72〜86に記載の方法。

請求項88

対象において、フィロウイルス様粒子を生成する方法であって、対象に、(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスグリコプロテインおよびフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含む、免疫学的に有効な量のMVAベクター、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む、免疫学的に有効な量の鶏痘ベクターまたはMVAベクターを投与することを含み、前記ベクターの一方はプライミングワクチンであり、他方のベクターはブースティングワクチンである、前記方法。

請求項89

対象において、フィロウイルス様粒子を生成する方法であって、対象に、(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスグリコプロテインおよびフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターまたはMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与すること含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である方法。

請求項90

対象において、フィロウイルスに対して強化した免疫反応を誘発する方法であって、この方法は対象に:(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスグリコプロテインおよびフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含む、免疫学的に有効な量のMVAベクター、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む、免疫学的に有効な量の鶏痘ベクターまたはMVAベクターを投与すること含み、前記ベクターの一方はプライミングワクチンであり、他方のベクターはブースティングワクチンである、前記方法。

請求項91

対象において、フィロウイルスに対して強化した免疫反応を誘発する方法であって、対象に、(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスグリコプロテインおよびフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターまたはMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与すること含み、前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である、前記方法。

請求項92

前記フィロウイルスVP40が、ザイールエボラウイルス(ZEBOV)、スーダンエボラウイルス(SEBOV)、コートジボワールエボラウイルス(EBOV−CdI)、レストンエボラウイルス(EBOV−Reston)およびブンディブギョエボラウイルス(BEBOV)からなる群から選択される、請求項88から91に記載の方法。

請求項93

前記フィロウイルスVP40が、ZEBOV、SEBOVおよびMARVの1個またはそれ以上から選択される、請求項88から91に記載の方法。

請求項94

前記フィロウイルスVP40が、ザイールメイインガまたはマールブルグムソケの群から選択される、請求項88から91に記載の方法。

請求項95

前記フィロウイルスグリコプロテインおよび前記フィロウイルスVP40が同じフィロウイルス株から選択される、請求項88から91に記載の方法。

請求項96

前記MVAベクターが、フィロウイルス核タンパク質(NP)をコードする核酸をさらに含み、好ましくは、前記フィロウイルス核タンパク質および前記フィロウイルスVP40が同じフィロウイルス株から由来する、請求項88から91に記載の方法。

請求項97

前記フィロウイルス株が、ザイールメイインガ、ザイールキクウィト、ザイールガボン、コートジボワールエボラウイルス、スーダンボニフェス、スーダンマリオ、スーダングル、マールブルグラブン、マールブルグオゾリン、マールブルグラタイチャク、マールブルグムソケ、マールブルグアンゴラ、好ましくは、ザイールメイインガまたはコートジボワールエボラウイルスの群から選択される、請求項96に記載の方法。

請求項98

前記フィロウイルスVP40が、配列番号34のタンパク質配列をコードする核酸を含む、請求項88から96に記載の方法。

請求項99

前記フィロウイルスVP40の抗原タンパク質をコードする核酸が配列番号33を含む、請求項88から96に記載の方法。

請求項100

前記組み換え鶏痘ベクターを、1回、2回、3回または4回投与する、請求項88から99に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、フィロウイルス疾患に対する組み換え改変ワクシニアウイルスアンカラ系(MVA系)ワクチンを含む改善されたフィロウイルスワクチン、ならびにそれに関連する製品、方法および使用に関する。特に、本発明は、フィロウイルスタンパク質抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む遺伝子操作(組み換え)されたMVAベクターに関する。本発明は、さらに、ワクチン接種の方法、特に、2個のウイルス性ベクター組成物を用いる同種および異種のプライムブーストワクチン投与法に関する。さらに詳しくは、本発明は、同種のプライム−ブーストワクチン投与法で使用する組み換えMVA、または異種のプライム−ブーストワクチン投与法で使用する組み換えMVAおよび/または組み換え鶏痘ウイルスFPV)に関する。本発明は、さらに、例えば、対象に防御免疫反応を誘導するのに適する、これらの生産物、方法および使用に関する。

背景技術

0002

フィロウイルスは、フィロウイルス科に属するエンベロープを持った、非分節マイナス鎖RNAウイルスである。これまでのところ、このウイルス科には2個のメンバーが確認されている。マールブルグウイルス(MARV)およびエボラウイルス(EBOV)である。フィロウイルスは、非常に毒性が強く、人から人へ容易に伝染し、そして並外れ致死率が高く、ヒトおよび非ヒト霊長類重症出血熱を引き起こす。フィロウイルス感染症は、ヒトにおいて、23%から90%もの範囲の致死率を有する。しかしながら、この伝染性および致死率にもかかわらず、承認された治療法や予防ワクチンはない。

0003

流行の間、患者の隔離および防御服の使用および消毒措置(合わせてウイルス性出血熱VHF)隔離予防措置または障壁看病という)は、マールブルグまたはエボラウイルスのさらなる伝染を食い止め、そして流行を制御し終焉させるのに十分であった。フィロウイルスによって引き起こされる出血熱の有効な治療法は知られていないので、VHF隔離予防措置を適用して伝染を予防することは、現在のところ、フィロウイルスの流行を制御するために利用できる唯一の手段である。

0004

フィロウイルスは、最初に、1967年にアフリカミドリザル組織を処理していたドイツとユーゴスラビアの数人の研究所の職員が重症の出血熱を発症した時に認識された。これらの流行によって、合計31例と7人の死亡が引き起こされた。このウイルスは、流行の1つが起こった場所であるドイツ、マールブルグにちなんでマールブルグウイルス(MARV)と名付けられた。この最初の流行の後、このウイルスは消え去り、1975年まで再出現しなかった。その時、おそらくジンバブエで感染した1人の旅行者フリカのヨハネスブルクで発病し、この旅行者の同行者と1人の看護師も感染した。この時以来、マールブルグ出血熱(MHF)は数例、散発的に確認されたが、この疾患は比較的稀にとどまっている。

0005

第2のフィロウイルスであるエボラウイルス(EBOV)は、最初に、1976年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)部およびスーダン南部の2か所でエボラ出血熱EHF)の流行が起こった時に確認された。これらの流行は、エボラウイルスの2個の異なる種であることが後に証明されたウイルスによって引き起こされた。これらの2個の種は、それぞれが発見された国にちなんで名付けられた。両方のウイルスは共に非常に致死率が高く、ザイールでは90%、スーダンでは50%の患者が死亡した。1976年以来、エボラウイルスは散発的にアフリカで出現しており、1976年から1979年の間にいくつかの小規模から中規模の流行が確認され、1994年から1996年の間に再びガボンで確認された。より大規模なエボラ出血熱の流行は、1995年にザイールのキクウィト、および2000年にウガンダのグルで起こった。

0006

フィロウイルスは、1個またはそれ以上の非ヒト動物の継続中のライフサイクルからヒトへ伝染するように思われる。エボラおよびマールブルグウイルスの自然界の保有宿主(複数を含む)を見つけようとする多くの試みにもかかわらず、それらの起源のままである。その結果、一体どのようにしてこのウイルスが自然界の保有宿主からヒトへ伝染するのかも不明のままである。しかし、一旦ヒトが感染すると、ヒトからヒトへの伝染によってさらなる感染が引き起こされる。特に、伝染は、感染した個人または彼らの体液と、別の人間との親密な個人的接触によって引き起こされる。フィロウイルス感染によって引き起こされる出血熱の記録に残る流行の間、感染した個人の世話をし(つまり、食事を与え、体を洗い、投薬した)、またはとても身近で働いた人々は、彼ら自身が感染する特に大きなリスクがあった。感染した体液との接触を通じた(つまり、これらの体液で汚染された、消毒していない注射器、針その他の医療器具の再利用を通じた)院内(病院)感染もまた、疾患の蔓延にとって重要な要因であった。感染していない人と感染した患者との親密な接触を最小限に抑えることは、通常、流行の間に、新たなフィロウイルス感染の数を減少させる。フィロウイルスは、実験室では、小さな浮遊粒子を通じて感染するある程度の能力を示したが、ヒトの間の空気伝播は明確には実証されていない。

0007

これまでのところ、エボラウイルスの5つの株が確認されており、それらの最初の出現場所にちなんで名付けられている。ブンディブギョ(BEBOV)、象牙海岸(EBOV−CdI、タイフォレストウイルスまたはTAFVとも云われる)、レストン(EBOV−Reston)、スーダン(SEBOV)、およびザイール(ZEBOV)であり、ザイール、スーダン、およびブンディブギョ株は、一般的に、ヒトの疾病および死亡を引き起こす。エボラ−レストンは、ヒトに重症の疾患を引き起こさない唯一の知られたフィロウイルスであるが、サルでは致命的になりえる。マールブルグウイルスのいくつかの株が現在までのところ確認されており、ムソク株が最も高い致死率を有する。図1を参照照。

0008

構造上は、フィロウイルスビリオンは、いくつかの形で出現しうる。長い、時には枝分かれしたフィラメント状のもの、さらには、「6」、文字「U」または円の形をしたより短いフィラメント状のものを含む。ウイルスのフィラメントは、最大で14ミクロン(μm)までの長さのものがあり、80ナノメーター(nm)の一定の直径を有し、そして脂質の膜でエンベロープされている。それぞれのビリオンは、約19キロ塩基対(kb)の長さの1個の一本鎖マイナスセンスRNA分子を含み、それは核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35)、ビリオンタンパク質40(VP40)、エンベロープグリコプロテイン(GP)、ビリオンタンパク質30(VP30)、ビリオンタンパク質24(VP24)、およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質(L)の順序で連続して配列された7個の遺伝子を含む。宿主細胞細胞質に入ると、このRNAは転写されて、このたんぱく質をコードするポリアデニル化されたサブゲノムmRNA種を生成する。転写および翻訳は、それぞれ異なるフィロウイルスについて推定される同一の機能をもった、7個の構造ポリペプチドの合成を引き起こす。4個のタンパク質(NP、VP30,VP35およびL)が、ヌクレオカプシド複合体中のウイルスゲノムRNAと関連している。残りの3個の構造タンパク質は、膜結合性である。GPは、タイプIの膜透過タンパク質であり、一方、VP24およびVP40はおそらくはこの膜の内側に位置している。エンベロープグリコプロテイン(GP)は、3個のヘテロ二量体コピーを含むホモ三量体(「ペプロマー」とも云われる)としてウイルスエンベロープに現れる。このヘテロ二量体は、フューリン開裂によって作られる「GP1」および「GP2」として知られる完全長GP前駆体(「GP0」と云われる)の2個の断片を含む。GP1およびGP2は、ジスルフィド結合によって結合する。非構造的な、分泌されたグリコプロテイン(sGP)がMARVではなく、EBOVによって発現される(H.Feldmann & M.P.Kiley,Curr.Top.Microbiol.Immunol.235:1−21(1999))。新しいウイルス粒子が、宿主細胞の表面から発することによって作られる(以下、参照)。

0009

フィロウイルスのライフサイクルは、特定の細胞表面受容体にビリオンが付着して始まり、次いでビリオンエンベロープが細胞膜と融合し、ウイルスヌクレオカプシドが細胞質ゾル中に放出される。ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ(RNAP,または「L」タンパク質としても知られている)は、ヌクレオカプシドを部分的に脱殻し、遺伝子をプラス鎖mRNAの中に転写し、次いでそれらは構造的および非構造的タンパク質の中へ翻訳される。図2を参照。このRNAPは、ゲノムの3’末端に位置する単一プロモーターに結合する。転写は、遺伝子の後で終了するか、または次の遺伝子へ下流に続行する、つまりゲノムの3’末端に近い遺伝子は最大限転写される一方、5’末端に向かう遺伝子は転写される可能性が最も低い。従って、遺伝子順序は、簡単だが有効な転写調節の形である。生成される最も豊富なタンパク質は、核タンパク質(NP)であり、その細胞濃度は、いつRNAPが遺伝子転写からゲノム複製へと転換するかを決定する。複製は、それ自身がマイナス鎖ウイルス子孫ゲノムのコピーへと転写される、完全長プラス鎖抗ゲノムをもたらす。新たに合成された構造タンパク質およびゲノムは、細胞膜の内部の近くで自己組織化蓄積する。ウイルス粒子は、感染した宿主細胞から発芽し、成熟した感染ビリオンを生成しながらエンベロープされる。

0010

従前のワクチン開発
1つまたはそれ以上のフィロウイルス種による感染に対する防御免疫力を誘導できる、安全な免疫原性ワクチンを開発しようと試みた間に、多くの戦略が評価され、明らかに一致しない結果をもたらした。その概要は、Marzi and Feldmann(A.Marzi and H.Feldmann,Expert Rev. Vaccines 13(4):521−531(2014))にまとめられている。例えば、3個のDNAプラスミド、つまり1つ目はZEBOVからエンベロープグリコプロテインを発現しているもの、2つ目はSEBOVからエンベロープグリコプロテインを発現しているもの、3つ目はZEBOVから核タンパク質を発現しているもの、の混合物を含む3価のDNAワクチンは安全で、免疫原性で、そしてヒトの3個の抗原の少なくとも1個に対して抗体反応を誘導することができた。しかしCD8+ T細胞反応は、ワクチン接種をした個体群の3分の1未満で検出された(J.E.Martin et al.,Vaccine Immunol.13(11):1267−1277(2006))。同様に、ZEBOV、SEBOV、マールブルグCi67(ラタイツァク株)、マールブルグムソケおよびマールブルグラブンからのエンベロープグリコプロテイン、さらにはZEBOVおよびマールブルグムソケからの核タンパク質を発現している4個の異なる組み換えアデノウイルスの混合物を含む5価アデノウイルス系「汎フィロウイルス」ワクチンである複合体は、ZEBOVまたはMARVの攻撃から非ヒト霊長類を防御し、両タイプのウイルスに対して抗体反応を誘導したが、このワクチンがCD8+ T細胞反応を誘導したかどうかは不明のままである(D.L.Swenson et al.,Clin. Vaccine Immunol.15(3):460−467(2008))。

0011

ZEBOVに由来する、エンベロープグリコプロテイン、またはエンベロープグリコプロテインおよび核タンパク質の両者を発現しているヒトパラインフルエンザウイルス血清型3(HPIV3)である組み換えパラミクソウイルス鼻腔内投与は、以後のEBOVの攻撃からモルモットを防御した。げっ歯動物モデルは、しばしば霊長類では結果の予測が困難であり、げっ歯動物では有効であった以前の多くのEBOVワクチン候補が、非ヒト霊長類では完全に失敗した(A.Bukreyev et al.,J.Virol.80(5):2267−2279(2006))。ZEBOV由来の、エンベロープグリコプロテイン、またはエンベロープグリコプロテインおよび核タンパク質の両者を発現している組み換えHPIV3をアカゲザルに鼻腔内投与すると、エンベロープグリコプロテインを発現しているいかなる構成物も適度に免疫原性を示し、ワクチン接種後のZEBOVの攻撃に対して80%を超える動物を疾患から防御した(A.Bukreyev et al.,J.Virol.81(12):6379ー6388(2007))。最後に、水胞性口炎ウイルス(VSV)グリコプロテインをZEBOVエンベロープグリコプロテインで置き換えた組み換えVSVは、治療しなければ一様に死に致る感染後24時間も経った治療によって、モルモットの50%、マウスの100%を防御した。エボラウイルス感染に対する暴露後の治療選択肢を与え、暴露から20から30分後に治療を行った場合、8匹中4匹のアカゲザル(50%)が防御された(H.Feldmann,PLoS Pathogen 3(1):54−61(2007))。

0012

Geisbertらは、非ヒト霊長類における致死的なEBOV感染からマウスやモルモットを防御したワクチン戦略の効果を評価した。彼らは、EBOVグリコプロテインおよび核タンパク質を発現しているベネズエラウマウイルス(VEEV)、EBOVグリコプロテイン、脂質Aを含むリポソームおよび不活性化EBOVを発現している組み換えワクシニアウイルス(VACV)、ならびに濃縮した不活性化全ビリオン調合液弱毒化した株に由来するRNAレプリコン粒子を使用した。彼らは,これらの戦略のいずれもがEBOVの頑強な攻撃から非ヒト霊長類を防御することに成功しなかったことがわかった(T.H Geisbert et al.,Emerging Infectious Diseases 8(3):503−507(2002))。

0013

別の者たちは、抗体反応を誘導するために、非複製サブユニットワクチンとして、哺乳類バクテリア、植物または昆虫細胞で発現したウイルス様粒子(VLP)を使用した(D.L.Swenson et al.,Vaccine 23:3033−3042(2005);K.L.Warfield et al.,JID 196(2):430−437(2007),N.Kushnir et al.,Vaccine 31(1):58−83(2012),K.L.Warfield et al.,PLOS ONE 10(3):e0118881(2015),K.L.Warfield and M.J.Aman JID 204:1053−1059(2011),V.M.Wahl Jensen et al.,J Virol.79(16):10442−10450(2005),WO2003/039477,WO2006/046963,WO2006/073422,WO2004/042001,US8,900,595,US7,211,378)。しかし、フィロウイルスVLPは、大きなコストがかかる困難な生成プロセスが必要で、長時間室温で保存しなければならない。

0014

このようにして、かなりの時間と労力を使った後に、いくつかの有望なワクチン候補が前臨床段階で現れたが、現在までのところ、利用できる承認された予防ワクチンはない。フィロウイルス感染症の伝染性と致死性を考えると、有効なワクチンの緊急の必要がある。

0015

本発明においては、複製欠損の種々のプライム—ブーストの組み合わせ、および複製能力のないベクターが、フィロウイルス感染症に対して効果的な免疫保護を引き起こすことが発見された。

0016

したがって、本発明の1つの一般的な態様は、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプ抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である混合ワクチンに関する。

0017

さらなる態様において、本発明は、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与すること含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である混合ワクチンに関する。

0018

さらなる態様において、本発明は、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物
を含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物であるキットに関する。

0019

さらなる態様において、本発明は、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物であるキットに関する。

0020

さらなる態様において、本発明は、フィロウイルスに起因する疾患の治療および/または予防で使用するためのフィロウイルスタンパク質の2個またはそれ以上の抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む組み換え改変ワクシニアウイルス(MVA)ベクターに関する。さらに別の態様において、本発明は、フィロウイルスに起因する疾患の治療および/または予防で使用するための、フィロウイルグリコプロテインの抗原タンパク質をコードし、さらにフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えMVAベクターに関する。別の実施形態において、本発明は、(a)配列番号5、配列番号19および配列番号30、(b)配列番号5、配列番号19、配列番号28および配列番号30、ならびに(c)配列番号19および配列番号33からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む組み換えMVAベクターに関する。ある特定の態様において、本発明は、前記組み換えMVAベクターを含む組成物、前記組み換えMVAベクターを含むワクチン、前記組み換えMVAベクターおよび薬剤の担体、希釈剤および/または添加剤を含む薬剤、ならびに前記組み換えMVAベクターを含む細胞に関する。ある特定の態様において、本発明は、フィロウイルスに起因する対象の疾患の治療および/または予防のための薬剤またはワクチンとして使用する前記組み換えMVAベクター、および前記組み換えMVAベクターを対象に投与することを含む、対象の免疫反応に作用する方法に関する。さらなる態様において、本発明は、第1の投与(プライミング)のための第1のバイアルまたは容器に入った前記組み換えMVAベクター、および第2の投与(ブースティング)のための第2のバイアルまたは容器に入った前記組み換えMVAベクターを含むキットに関する。

0021

本発明はさらに、配列番号26を有するFPV−40Kプロモーターの制御の下で、フィロウイルスタンパク質(例えば、上記または下記のいずれのフィロウイルスタンパク質、好ましくはフィロウイルスエンベロープグリコプロテイン)の少なくとも1個の抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えFPVベクターに関する。さらなる態様において、本発明は、フィロウイルスに起因する疾患の治療および/または予防で使用するためのフィロウイルスタンパク質の2個またはそれ以上の抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む組み換え鶏痘ウイルス(FPV)ベクターに関する。ある特定の態様において、本発明は、前記組み換えFPVベクターを含む組成物、前記組み換えFPVベクターを含むワクチン、前記組み換えFPVベクターおよび薬剤の担体、希釈剤および/または添加剤を含む薬剤、ならびに前記組み換えFPVベクターを含む細胞に関する。ある特定の態様において、本発明は、フィロウイルスに起因する対象の疾患の治療および/または予防のための薬剤またはワクチンとして使用する前記組み換えFPVベクター、および前記組み換えFPVベクターを対象に投与することを含む、対象の免疫反応に作用する方法に関する。

0022

さらなる態様において、本発明は、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む免疫学的に有効な量のMVAベクター、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む免疫学的に有効な量の鶏痘ベクター
を含み、
前記ベクターの一方はプライミングワクチンであり、他方のベクターはブースティングワクチンである混合ワクチンに関する。

0023

さらなる態様において、本発明は、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む免疫学的に有効な量のMVAベクター、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む免疫学的に有効な量の1個またはそれ以上の追加のMVAベクターを含み、
前記MVAベクターの一方はプライミングワクチンであり、他方のMVAベクターはブースティングワクチンである混合ワクチンに関する。

0024

さらなる態様において、本発明は、
(a)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物、
または、
(c)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(d)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むFPVベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物
を含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である混合ワクチンに関する。

0025

さらなる態様において、本発明は、対象のフィロウイルスに対して免疫反応を誘導する方法であって、この方法は対象に、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物
を投与することを含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である方法に関する。

0026

さらなる態様において、本発明は、対象のフィロウイルスに対して免疫反応を誘導する方法であって、この方法は対象に、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与することを含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である方法に関する。

0027

本発明は、さらに、フィロウイルスに起因する疾患の治療および/または予防において使用するための組み換えMVAベクターを生成する方法を対象にし、この方法は、
(a)MVAウイルスを用いて宿主細胞を感染させるステップ
(b)本発明のいずれかの実施形態のいずれかのフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする少なくとも1個のヌクレオチド配列を含む組み換えベクターを用いて、前記感染した細胞に核酸を導入するステップであって、前記核酸配列が、少なくとも1個の前記ヌクレオチド配列をMVAウイルスゲノムの中に組み込ませることを指示できるゲノムMVAウイルス配列をさらに含むステップ、および
(c)生成した組み換えMVAウイルスを特定し、分離し、および任意に精製するステップを含む。

0028

別の実施形態においては、上記のいずれの実施形態の組み換えMVAベクターを生成する方法におけるステップ(a)および(b)の順序も、ステップ(b)が1番目のステップで、ステップ(a)が2番目のステップとなるよう変更できる。

0029

本発明は、さらに、フィロウイルスに起因する疾患の治療および/または予防において使用するための組み換えFPVベクターを生成する方法を対象にし、この方法は、
(a)FPVウイルスを用いて宿主細胞を感染させるステップ、
(b)本発明の任意の実施形態のいずれのフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする少なくとも1個のヌクレオチド配列を含む組み換えベクターを用いて、前記感染した細胞に核酸を導入するステップであって、前記核酸配列が、少なくとも1個の前記ヌクレオチド配列をFPVウイルスゲノムの中に組み込ませることを指示できるゲノムFPVウイルス配列をさらに含むステップ、および
(c)生成した組み換えFPVウイルスを特定し、分離し、および任意に精製するステップを含む。

0030

別の実施形態においては、上記のいずれの実施形態の組み換えFPVベクターを生成する方法におけるステップ(a)および(b)の順序も、ステップ(b)が1番目のステップで、ステップ(a)が2番目のステップとなるよう変更できる。

0031

さらなる態様において、本発明は、フィロウイルスに対する免疫反応を対象において誘導する方法であって、この方法は対象に、
(a)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物、
または、
(c)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(d)フィロウイルスタンパク質の少なくとも1個の抗原決定基をコードする核酸を含むFPVベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物
を投与することを含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である方法に関する。

0032

さらなる態様において、本発明は、対象に防御免疫力または防御免疫反応を提供する方法であって、この方法は対象に、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物
を投与することを含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である方法に関する。

0033

さらなる態様において、本発明は、対象に防御免疫力または防御免疫反応を提供する方法であって、この方法は対象に、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物を投与することを含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である方法に関する。

0034

さらなる態様において、本発明は、対象にフィロウイルス様粒子を生成する方法であって、この方法は対象に、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスグリコプロテインおよびフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含む免疫学的に有効な量のMVAベクター、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む免疫学的に有効な量の鶏痘ベクターまたはMVAベクター
を投与して、対象にフィロウイルス様粒子を生成することを含み、
前記ベクターの一方はプライミングワクチンであり、他方のベクターはブースティングワクチンである方法に関する。

0035

さらなる態様において、本発明は、対象にフィロウイルス様粒子を生成する方法であって、この方法は対象に、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスグリコプロテインおよびフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターまたはMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物
を投与して、対象にフィロウイルス様粒子を生成することを含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である方法に関する。

0036

さらなる態様において、本発明は、対象のフィロウイルスに対して強化された免疫反応を誘導する方法であって、この方法は対象に、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスグリコプロテインおよびフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含む免疫学的に有効な量のMVAベクター、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む免疫学的に有効な量の鶏痘ベクターまたはMVAベクター
を投与して、対象にフィロウイルス様粒子を生成することを含み、
前記ベクターの一方はプライミングワクチンであり、他方のベクターはブースティングワクチンである方法に関する。

0037

さらなる態様において、本発明は、対象のフィロウイルスに対して強化された免疫反応を誘導する方法であって、この方法は対象に、
(a)医薬的に許容される担体と共に、少なくとも1個のフィロウイルスグリコプロテインおよびフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含むMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第1の組成物、および
(b)医薬的に許容される担体と共に、第1のフィロウイルスサブタイプの抗原タンパク質をコードする核酸を含む鶏痘ベクターまたはMVAベクターを、免疫学的に有効な量で含む第2の組成物
を投与して、対象にフィロウイルス様粒子を生成することを含み、
前記組成物の一方はプライミング組成物であり、他方の組成物はブースティング組成物である方法に関する。

0038

本明細書に組み込まれ、その一部を構成する付属の図面は、本発明のいくつかの実施形態を説明し、さらに説明文と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。

図面の簡単な説明

0039

種々の確認されたフィロウイルス株間の関係を描く系統樹を示す。この系統樹は、エンベロープグリコプロテイン(GP)遺伝子のコード領域および最大節約法を使用して作成した。マールブルグウイルスのラブンおよびラタイチャク株の両者は、23%の致死率を有し、一方ムソケおよびアンゴラ株は50%から88%の範囲の致死率を有した。スーダン株は41〜65%の致死率を有し、ザイール株は57〜90%の致死率を有した。コートジボワールおよびレストン株の両者は、いまだ人類に疾患を引き起こしていないが、レストンはブタに疾患を引き起こしている。
フィロウイルスゲノムの構造および遺伝子組織を示す。
MVA−mBN252Bの構造および遺伝子組織を示す。
MVA−mBN226Bの構造および遺伝子組織を示す。
選択マーカーを含むMVA−mBN254Aの構造および遺伝子組織を示す。
選択マーカーを含むMVA−mBN368Aの構造および遺伝子組織を示す。
プラスミドpBNX186の構造および遺伝子組織を示す。flank1(F1 IGR 88/89)およびflank2(F2 IGR 88/89)は、IGR 88/89を囲むMVA−BN配列である。F1 IGR 88/89、およびF2 IGR 88/89は、同種の組み換え現象において、発現カセットおよび選択カセット(NPT IIおよびeGFP)をMVA−BNの中に挿入するために使用する。組み換えウイルスの選択ができるように、大腸菌薬剤選択遺伝子ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NPT II)、および強化緑色蛍光タンパク質(eGFP)が、内部リボソーム導入部位(IRES)を介して結合し、強力合成ポックスウイルスプロモーター(PrS)の制御の下で挿入した。IGR 88/89のF2およびF2ー反復配列が、選択カセットの側面に位置し、選択的圧力が存在しない中で、同種の組み換えを介して選択カセット選択カセットの除去を可能にする。
プラスミドプラスミドpBNX197の構造および遺伝子組織を示す。flank1(F1 IGR 148/149)、およびflank2(F2 IGR 148/149)は、IGR 148/149を囲むMVA−BN配列である。F1 IGR 148/149、およびF2 IGR 148/149は、同種の組み換え現象において、発現カセットおよび選択カセット(GPTおよびRFP)をMVA−BNの中に挿入するために使用する。組み換えウイルスの選択ができるように、大腸菌グアニンキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ薬剤選択遺伝子(GPT)、および赤色蛍光タンパク質遺伝子(RFP)を、融合遺伝子として、強力合成ポックスウイルスプロモーター(PrS)の制御の下で挿入した。LoxP配列が、選択カセットの側面に位置し、Creリコンビナーゼを介した選択カセットの除去を可能にする。
Creリコンビナーゼを発現しているプラスミドpBN274の構造および遺伝子組織を示す。
プラスミドpBNX221の構造および遺伝子組織を示す。flank1(F1 IGR BamHI J鶏痘)、およびflank2(F2 IGR BamHIJ鶏痘)は、挿入部位BamHI Jを囲むFPV配列である。F1 IGR BamHI J鶏痘、およびF2 IGR BamHI J鶏痘は、同種の組み換え現象において、発現カセットおよび選択カセット(GPTおよびRFP)をFPVの中に挿入するために使用する。組み換えウイルスの選択ができるように、大腸菌グアニン−キサンチン−ホスホリボシル−トランスフェラーゼ薬剤選択遺伝子(GPT)、および赤色蛍光タンパク質遺伝子(RFP)を、融合遺伝子として、強力合成ポックスウイルスプロモーター(PrS)の制御の下で挿入した。LoxP配列が、選択カセットの側面に位置し、Creリコンビナーゼを介した選択カセットの除去を可能にする。
プラスミドpBNX214の構造および遺伝子組織を示す。flank1(F1 IGR 148/149)、およびflank2(F2 IGR 148/149)は、IGR 148/149を囲むMVA−BN配列である。F1 IGR 148/149、およびF2 IGR 148/149は、同種の組み換え現象において、発現カセットおよび選択カセット(GPTおよびRFP)をMVA−BNの中に挿入するために使用する。pBNX214は、導入遺伝子の発現のためのPrS5Eプロモーターをすでに含む。組み換えウイルスの選択ができるように、大腸菌グアニン−キサンチン−ホスホリボシル−トランスフェラーゼ薬剤選択遺伝子(GPT)、および赤色蛍光タンパク質遺伝子(RFP)を、融合遺伝子として、強力合成ポックスウイルスプロモーター(PrS)の制御の下で挿入した。LoxP配列が、選択カセットの側面に位置し、Creリコンビナーゼを介した選択カセットの除去を可能にする。
プラスミドpBN433の構造および遺伝子組織を示す。GP−MARV−ムソケを、プロモーターPrSの制御の下で、pBNX197のBspEI/NheI部位の中に挿入する。さらには、このプラスミドは、MVA−BNゲノムのIGR 148/149の側面に位置するMVA−BNDNA配列およびloxPによって側面に位置する選択カセットも含む。loxP部位は、Creリコンビナーゼを介した組み換えによって選択カセットを後に除去できる。
プラスミドpBN384の構造および遺伝子組織を示す。エボラウイルスザイールメイインガ(GP−ZEBOV−メイインガ)、およびマールブルグウイルスムソケ(GP−MARV−ムソケ)を、プロモーターPr7.5の制御の下で,pBNX197のMluI/NheI部位の中に挿入した。さらには、このプラスミドは、MVA−BNゲノムのIGR 148/149の側面に位置するMVA−BN DNA配列、およびloxPによって側面に位置した選択カセットも含む。loxP部位は、CREリコンビナーゼを介した組み換えによって選択カセットを後に除去できる。
プラスミドpBN385の構造および遺伝子組織を示す。エボラウイルススーダン(GP−SEBOV)、およびエボラウイルスアイボリーコースト(NP−EBOV−CdI)のグリコプロテイン遺伝子を、合成プロモーターPrSおよびPrLE1の制御の下で,pBNX186のMluI/NheI部位の中に挿入した。さらには、選択的圧力が存在しない中で、同種の組み換えを介して選択カセットを後に除去することができるようにするために、このプラスミドは、MVA−BNゲノムのIGR 148/149の側面に位置するMVA−BN DNA配列、ならびにF2およびF2rptによって側面に位置した選択カセットも含む。
プラスミドpBN436の構造および遺伝子組織を示す。エボラウイルスザイールメイインガ(GP−ZEBOV−メイインガ)のグリコプロテイン遺伝子を、PrS5Eプロモーターの制御の下で、pBNX214のBspEI/NotI部位の中に挿入した。さらには、このプラスミドは、MVA−BNゲノムのIGR 148/149の側面に位置するMVA−BN DNA配列、およびloxPによって側面に位置した選択カセットも含む。loxP部位は、Creリコンビナーゼを介した組み換えによって選択カセットを後に除去できる。
プラスミドpBN555の構造および遺伝子組織を示す。エボラウイルスザイールメイインガ(GP−ZEBOV−メイインガ)のグリコプロテイン遺伝子を、FPV−40Kプロモーターの制御の下で、pBNX221のMluI/NotI部位の中に挿入した。さらには、このプラスミドは、FPVゲノムの挿入部位BamHI Jの側面に位置するFPV DNA配列、およびloxPによって側面に位置する選択カセットも含む。loxP部位は、Creリコンビナーゼを介した組み換えによって選択カセットを後に除去できる。
MVA−BN−Filo(MVA−mBN226B)によるワクチン接種後の、カニクイザルマカクのGPに対する抗体のレベルを、ELISA法によって測定した結果を示す。動物に、MVA−BN−Filoを、4週間の間隔を置いて2回(−42日と−14日)ワクチン接種し、そしてELISA法による分析のために間隔を置いて血液を採取した。採取は、ワクチン接種の前(−42日、赤線(1))、第1回目のワクチン接種の後で、第2回目のワクチン接種の前(−14日、緑線(2))、および第2回目のワクチン接種の後(−5日、オレンジ線(3))に行った。左のグラフ血清中のマールブルグGPに特異的な抗体を示し、中間のグラフは血清中のエボラザイールGPに特定的な抗体を示し、右のグラフは血清中のエボラスーダンGPに特異定な抗体を示す。各ELISAでは、マールブルグアンゴラGP(左のグラフ)、エボラザイールGP(中間のグラフ)、またはエボラスーダンGP(右のグラフ)のいずれかによって免疫性を与えたカニクイザルーマカクから採取した高度免疫血清を、陽性対象として使用した。
MARV−ムソケを投与した後に、MVA−BN−Filo(MVA−mBN226B)によるワクチン接種の結果を示す。図7Aは、MVA−BN−Filoによるワクチン接種が、動物をMARV−ムソケの投与から、100%防御したことを示す。
MARV−ムソケを投与した後に、MVA−BN−Filo(MVA−mBN226B)によるワクチン接種の結果を示す。図7Bは、投与後の臨床スコアを示す。MARV−ムソケを投与した、ワクチン接種をした動物は、出血熱に伴う症状または組織学的変化をまったく示さず、肝臓脾臓副腎リンパ節またはにウイルスをまったく保有していなかった。
異種のMVAまたはFPV免疫付与後の抗体およびCD8 T細胞反応を示す。H−2Kk+ B6CBA F1マウスを、5×107TCID50のMVA−ZEBOV−GP(MVA;MVA−mBN354A,図3C参照)、またはFPV−ZEBOV−GP(FPV;FPVmBN368A、図3D参照)によって、0日目および21日目に皮下免疫付与した。(a)マウスは、21日目および41日目に、抗体分析のために血液採取した。ここに、ZEBOV−GPに固有の抗体+/−SEM平均濃度を示す。
異種のMVAまたはFPV免疫付与後の抗体およびCD8 T細胞反応を示す。H−2Kk+ B6CBA F1マウスを、5×107TCID50のMVA−ZEBOV−GP(MVA;MVA−mBN354A,図3C参照)、またはFPV−ZEBOV−GP(FPV;FPVmBN368A、図3D参照)によって、0日目および21日目に皮下免疫付与した。(b)41日目に、マウスを死なせ、それらの脾臓を、GP577−584ペプチド再刺激した後、フローサイトメトリー分析を行った。ここに、脾臓1個当たりのCD107a+、IFN−γ+およびTNF−α+CD8 T細胞× 104+/−SEMの絶対値を示す。rMVA=組み換えMVA−ZEBOV−GP(MVA mBN254、rFPV=組み換えFPV−ZEBOV−GP(FPV−mBN368)。
MVAまたはFPVによってマウスを皮下免疫付与した後のZEBOV−GPに特異的なCD8 T細胞反応を示す。ここに、ここに、脾臓1個当たりのCD107a+、IFN−γ+およびTNF−α+CD8 T細胞 × 104+/−標準誤差の絶対値を示す。1:MVA−mBN254またはFPV mBN368、2:MVA mBN226またはFPV mBN368、3:MVA−mBN255またはFPV mBN368。
実施例6に従い、試験の0日目および28日目に、投与量5×108TCID50(n=3)のMVA−BN−ZEBOV/GP(MVA−mBN254)、投与量5×108TCID50(n=3)のMVA−BN−ZEBOV/GP−VP40(MVA−mBN255)を投与したカニクイザルーマカクのZEBOV−GPに特異的な抗体を示す。結果は、平均値の標準誤差(SEM)と共に、幾何平均濃度(ng/ml)として提供する。
試験の0日目および28日目に、投与量5×108TCID50(n=2)のMVA−BN−ZEBOV/GP、またはMVA−BN−ZEBOV/GP−VP40(5×108TCID50、n=2)で3回ワクチン接種したカニクイザル−マカクの中和抗体反応を示す。追加の動物(n=2)に、試験の0日目および56日目に、陰性対象としてTBSを投与した。血清をZEBOV−GP固有の疑似ビリオン中和アッセイで分析した。結果は、VSVを発現しているZEBOV−GPの80%を中和する個々の抗体力価として提供する。
図12AおよびBは、MVA−BN−ZEBOV/GP−VP40(MVA−mBN255)で感染したHeLa細胞中のフィロウイルス様粒子の形成を示す。(A、B)MVA−BN−ZEBOV/GP−VP40(VLP)、およびMVA wtに感染したHeLa細胞の透過型電子顕微鏡TEM)による分析。HeLa細胞を、10のMOIでMVA−BN−ZEBOV/GP−VP40(A),またはBAC由来のMVA−wt(B)によって感染させ、薄い切片を作り、そしてTEMのために処理した。矢印 MVA−BN−ZEBOV/GP−VP40によって生成したVLPの横断面。Cは、HeLa細胞のGPおよびVP40の発現または同時発現免疫ブロット分析を示す。Dは、10のMOIで2日間、MVA−BN−ZEBOV/GP−VP40によって感染させた(Cで示すものと同じ上清アリコートの)HeLa細胞の上清から得た免疫沈降物の免疫ブロットを示す。VP40およびGPは、完全なままのVLP中に含まれる場合にだけ共沈殿され得るが、VLPがトリトン−X 100(1%)によって攪乱した後ではそれはできない。166:MVA mBN166,254:MVA−mBN254,255:MVA−mBN255。
は、ある組み換えMVA/FPV構成物の構造を示す。

0040

本発明者は、マールブルグウイルス(MARV)グリコプロテイン(GP)の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む組み換え改変ワク
ニアウイルスアンカラ(MVA)を含むワクチンが、マールブルグウイルスならびに天然痘に対しても防御免疫力を付与するのに十分な、細胞的および体液的の両者の反応を誘導することができるフィロウイルスワクチンを提供することを発見した。エボラウイルスザイール(ZEBOV)グリコプロテイン(GP)、エボラウイルススーダン(SEBOV)グリコプロテイン(GP)、またはEBOV核タンパク質(NP)の少なくとも1個の抗原決定基をコードする追加の異種ヌクレオチド配列を、組み換えMVAに挿入することによって、例えば、エボラ出血熱の致死的形態に関連する2つのタイプであるスーダンエボラウイルス(SEBOV)およびザイールエボラウイルス(ZEBOV)のような、MARVおよびEBOVの両者、さらにはMARVおよび/またはEBOVの多数の株に対してさえ免疫反応を誘導することができる多価ワクチンを作り出す。したがって、エボラGPの抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えMVAベクターは、エボラ株に対して非常に良い免疫反応を見せる。さらには、MVAおよびその誘導体(例えば、MVA−BN)の優れた安全性プロフィール、さらには、複数の異種ヌクレオチド配列を提供するそれらの能力は、安全な単一成分多価パンーフィロウイルスワクチンの生産を可能にする。このことは、開発の初期段階におけるいくつかの多成分ワクチンと大きく異なっている(以下、参照)。

0041

フィロウイルスに対する、特に非ヒト霊長類におけるMARVおよびEBOVに対する免疫反応を発生させる先行技術の試みが失敗したことを考えると、本発明は驚きであった。先行技術が教えたこと、および成し遂げたことからは、MVA系ワクチンが、フィロウイルス感染、特にMARVに対して、非ヒト霊長類を防御する免疫反応を発生させるということは期待できなかった。もちろん、本発明者が作成したデータおよび彼らの観察からは、このMVA系ワクチンがヒトにおいても免疫反応を誘導すると結論付けることは大いに合理的であり、もっともである。実際、FDAは、これらの非ヒト霊長類を防御するワクチンが、同様にヒトにも適していることの証明として、この非ヒト霊長類モデルを承認している。

0042

本発明者は、さらに、例えば、スーダンエボラウイルス(SEBOV)および/またはザイールエボラウイルス(ZEBOV)のようなEBOVの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む組み換え改変FPVと混合して、例えば、スーダンエボラウイルス(SEBOV)および/またはザイールエボラウイルス(ZEBOV)のようなEBOVの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む組み換え改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)を含むワクチン投与法が、防御免疫力を付与するのに十分な細胞性および体液性の両者の反応を誘導することができるフィロウイルスワクチンを提供することを発見した。

0043

本発明の基礎にある研究において、さらに、異種プライムおよびブーストとして、少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプ、特にフィロウイルスグリコプロテインの抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクター、および第1のフィロウイルスグリコプロテインの抗原タンパク質をコードする少なくとも1個の核酸を含むサブタイプ鶏痘ベクターが、特にMVAベクターが少なくとも1個のプライム組成物として、および鶏痘が強化組成物として使用された場合には、高レベルの抗体反応および最大で5倍まで高い細胞傷害性CD8 T細胞反応を誘導してフィロウイルス免疫原に対して防御免疫反応を発生させることを発見した。

0044

この組み換えMVAおよび/またはFPVは、1価、つまりEBOVの抗原決定基をコードするたった1個の異種配列を含むか、または多価、つまりEBOVの抗原決定基をコードする少なくとも2個の異種配列を含むかのいずれかでありえる。

0045

したがって、本発明は、少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプ、特にマールブルグウイルスおよび/またはエボラウイルス−サブタイプによる感染に対して二重の防御または交差の防御を付与する免疫反応を発生させるのに使用するワクチンまたは混合ワクチン、および少なくとも2個のフィロウイルスサブタイプ、特にマールブルグウイルスおよび/またはエボラウイルスーサブタイプに対するワクチンを製剤するために使用できるワクチンまたは混合ワクチンを提供する。したがって、エボラザイールメイインガおよびザイールキクウィトおよび/またはマールブルグムソケおよびマールブルグアンゴラのようなフィロウイルスに対する交差防御のためのワクチンを提供できる。さらには、フィロウイルス、特にZEBOVの少なくとも1個の表面グリコプロテインをコードする別の異種ヌクレオチド配列と共に、ZEBOVのVP40タンパク質のようなある種の抗原を発現しているMVAベクターを用いた免疫付与が、フィロウイルス様粒子、例えば、表面にフィロウイルスグリコプロテインを含むエボラウイルス様粒子を生成することができるということも今回、初めて発見された。このことは予想外であった。なぜなら、フィロウイルスのGPを細胞の表面へ移送することはMVAによって大きく阻害されるものと報告されていたからである(Sanger et al.J.Virol.Meth.81,29−35(2001))。しかし、フィロウイルス粒子の発芽は細胞表面で起こるので(Noda et al.,PLoS Pathog.2(9):e99(2006))、表面移送はGPを含むフィロウイルス−VLPの形成に必要である。本発明の基礎にある研究において、フィロウイルスビリオンタンパク質40((VP40)およびグリコプロテイン、例えば、VLPを生成することができるGP−ZEBOV−メイインガを発現している組み換えMVAは、種々のプライム−ブーストの組み合わせによって強化された免疫反応を誘導し、フィロウイルス感染に対して非ヒト霊長類を防御した。行われたこの研究は、さらに、フィロウイルスグリコプロテインを発現している組み換えMVAにのみに基づいている同種プライム−ブーストおよびフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)が、フィロウイルス感染に対して非ヒト霊長類を防御したことを示すことができた。

0046

少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプの抗原グリコプロテイン、特にマールブルグウイルスおよび/またはエボラウイルスのグリコプロテインをコードする核酸、および第1のフィロウイルスグリコプロテインの抗原タンパク質をコードする少なくとも1個の核酸を含む鶏痘ベクターをもった異種プライム−ブーストとしてのビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターの使用は、強化されたCD8 T細胞反応を発生させることがさらに発見された。少なくとも1個のフィロウイルスサブタイプの抗原グリコプロテイン、特にエボラウイルスのグリコプロテインをコードする核酸、およびビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードする核酸を含むMVAベクターの使用は、例えば、すでにプライミング後である非ヒト霊長類に、ブースティング後にさらに改善した、より高度の中和抗体反応を誘導し、そして、そのようにして、1個またはそれ以上のフィロウイルス感染、特にザイールメイインガおよびザイールキクウィトに対して免疫反応を発生させることをさらに発見した。フィロウイルスグリコプロテインと共に、フィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)のようなある種の抗原を発現しているMVAベクターを用いた免疫付与は、完全なままのフィロウイルスビリオンに似ているVLPの表面全体を覆うフィロウイルスエンベロープグリコプロテインを発現するVPLを生成することができることも示された。このようにして、フィロウイルスVP40タンパク質をMVAベクターの中へコードする核酸を組み込むことによって、抗原タンパク質またはタンパク質、特にMVAベクターを発現しているウイルス性ベクターの免疫反応が強化されることが示された。

0047

以後、本発明の典型的な実施形態を詳細に説明し、本発明の実施例を付属の図面中で説明する。

0048

組み換えMVAウイルス

0049

1つの態様において、本発明は、フィロウイルスグリコプロテイン(GP)、特にエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む組み換え改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)を提供する。別の態様において、本発明は、フィロウイルスグリコプロテイン、特にエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列、およびさらに別のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む組み換えMVAベクターを提供する。MVAは、皮膚ワクシニア株アンカラの鶏胚線維芽細胞に570回を超える連続継代を行うことによって生成されている(漿尿膜ワクシニアウイルスアンカラウイルス、CVA;検討するには Mayr et al.(1975),Infection 3:6ー14を参照)。これは、トルコ、アンカラにあるVaccination Instituteに何年も保有されて、ヒトのワクチン接種の主成分として使用されている。しかし、ワクシニアウイルスに伴う重症のワクチン接種後の合併症のために、より弱毒化した、安全な天然痘ワクチンを生成するいくつかの試みがなされた。

0050

1960年から1974年の期間中に、Anton Mayr教授が、CEF細胞に570回の連続継代を行うことによってCVAを弱毒化することに成功した(Mayr et al.(1975))。生成したMVAが無発病性であることが、種々の動物モデルで示された(Mayr,A.& Danner,K(1978),Dev. Bio. Stand.41:225−234)。プレ天然痘ワクチンとしてのMVAの初期開発の一部として、ワクシニアによる副作用のリスクをもつ対象に対して、Lister Elstreeと合成して、MVAー517を使用する臨床試験が行われた(Stickl(1974),Prev. Med.3:97−101;Stickl and Hochstein−Mintzel(1971),Munch.Med.Wochenschr.113:1149−1153)。1976年に、(571回目の継代に相当する)MVA−571原種由来のMVAが、ドイツで、2段階の非経口天然痘ワクチン接種プログラムの中で、プライマーワクチンとして登録された。続いて、MVA−572が、対象の多くはワクシニアに伴う合併症の高いリスクをもった群に属していたが、多数が1から3歳までの、重症の副作用の報告がない子供であった約120,000人の白人に対して使用された(Mayr et al.(1978),Zentralbl. Bacteriol.(B)167:375−390)。MVAー572は、欧州動物細胞培養コレクションにECACCV94012707として寄託されている。

0051

MVAを弱毒化するために使用された継代の結果として、CEF細胞で行われた継代の数によって決まる、いくつかの異なる株または分離株がある。例えば、MVA−572は、ドイツで、天然痘撲滅プログラムの間、プレ−ワクチンとして小さい投与量で使用され、MVA−575は家畜ワクチンとして広範に使用された。MVA、さらにはMVA−BNは、祖先のCVAウイルスと比較して、ゲノムの約13%(6個の部位から26.6kb)を欠いている。この欠失は、いくつかの病原性および宿主範囲遺伝子、さらにはAタイプ封入体遺伝子に影響する。MVA−575は、2000年12月7日に、欧州動物細胞培養コレクション(ECACC)に、受入番号V00120707として寄託された。この弱毒化したCVAウイルスMVA(改変ワクシニアウイルスアンカラ)は、原発鶏胚線維芽細胞に、CVAの連続的増殖(570回を超える継代)を行って得た。

0052

1970年代にMayr et al.が、MVAがヒトおよび哺乳動物において非常に弱毒化し、さらに無発病性であることを実証したが、ある研究者達はMVAが哺乳類およびヒトの細胞株において完全には弱毒化していないと報告してきた。なぜならば、残存複製がこれらの細胞で起きるかもしれないからである(Blanchard et al.(1998),J.Gen. Virol.79:1159ー1167;Carroll & Moss(1997),Virology238:198ー211;U.S. Patent No.5,185,146;Ambrosini et al.(1999),J.Neurosci.Res.55:569)。これらの出版物で報告された結果は、種々の知られたMVAの株から得られたものであると想定される。なぜなら、使用されたウイルスは、本質的に特性、特に種々の細胞株における成長行動が異なっているからである。このような残存複製は、ヒトに使用する場合における安全性への懸念を含む、種々の理由によって望ましくないものである。

0053

より安全なワクチンまたは薬剤のような生産物の開発のための強化された安全性プロフィールを有するMVAの株が、Bavarian Nordic社によって開発されている。MVAは、Bavarian Nordic社がさらに継代し、MVA−BNと命名した。MVA−BNの代表例および好ましいサンプルは、2000年8月30日に、欧州細胞培養コレクション(ECACC)に、受入番号V00083008として寄託された。MVA−BNはさらに、WO 02/42480(US 2003/0206926)、およびWO 03/048184(US 2006/0159699)に記載されており、両者は参照することによって本明細書に組み込まれる。

0054

MVA−BNは、ウイルスのようにコードされた遺伝子が非常に効率的に発現しているヒト細胞に付着し、入ることができる。MVA−BNは、原発鶏胚線維芽細胞(CEF)に強く順応し、ヒト細胞において複製しない。ヒト細胞においては、ウイルス性遺伝子は発現し、感染性ウイルスは生成されない。MVA−BNは、米国の疾病対策予防センターによると、バイオセーフティレベル1の有機体分類されている。MVA−BNおよびその誘導体の調製物は、多くのタイプの動物、および免疫不全の人々を含む2000人を超えるヒトの対象に対して投与されている。すべてのワクチンは、一般的に安全で良好な耐容性を有することが証明された。その高い弱毒性および減少した病原性にもかかわらず、前臨床研究では、MVA−BNは、ワクシニアに対して、さらにMVAゲノムの中にクローンされた遺伝子によってコードされた異種遺伝子生産物に対して、体液性および細胞性の両者の免疫反応を引き起こすことが示された(E.Harrer et al.(2005),Antivir. Ther. 10(2):285−300;A Cosma et al.(2003),Vaccine 22(1):21−9;M.Di Nicola et al.(2003),Hum. Gene Ther.14(14):1347−1360;M.Di Nicola et al.(2004),Clin. Cancer Res.,10(16):5381−5390)。

0055

MVAの「誘導体」または「変異体」とは、本明細書で記載されているように、本質的にMVAと同じ複製特性を示すが、それらのゲノムの1個またはそれ以上の部分で違いを示すウイルスを指す。MVA−BN、さらにはMVA−BNの誘導体または変異体は、ヒトおよびマウス、そして強く免疫を抑制したマウスでさえも、インビボ生殖的に複製できない。より具体的にいえば、MVA−BN、またはMVA−BNの誘導体もしくは変異体は、鶏胚線維芽細胞(CEF)において生殖的複製の能力も、好ましく有しているが、ヒトケラチン生成細胞細胞株HaCaT(Boukamp et al.(1988),J. Cell Biol.106:761−771),ヒト骨肉腫細胞株143B(ECACC寄託番号91112502)ヒト胚腎臓細胞株293(ECACC寄託番号85120602)、およびヒト腺がん細胞株HeLa(ATCC寄託番号CCL−2)においては生殖的複製の能力を有しない。さらには、MVA−BNの誘導体または変異体は、HeLa細胞およびHaCaT細胞株のMVA−575よりも、少なくとも2倍少ない、より好ましくは3倍少ないウイルス増幅比率を有する。MVA変異体のこれらの特性のための試験およびアッセイは、WO 02/42480(US 2003/0206926)およびWO 03/048184(US 2006/0159699)に記載されている。

0056

「生殖的複製ができない」または「生殖的複製の能力がない」という用語は、例えば、WO 02/42480に記載されており、これには上記した望ましい特性を有するMVAをどのようにして得るのかが教示されている。この用語は、WO 02/42480またはUS Patent No.6,761,893に記載されたアッセイを用いて、感染4日後のウイルス増幅比率が1よりも小さいウイルスに適用される。

0057

「生殖的複製ができない」という用語は、感染4日後のウイルス増幅比率が1よりも小さいウイルスを指す。WO 02/42480またはUS Patent No.6,761,893に記載されたアッセイは、ウイルス増幅比率の決定に適用できる。

0058

ウイルスのこの増幅または複製は、通常、増幅比率といわれる、感染した細胞から生成したウイルス(アウトプット)の、まず第1に細胞を感染させるのに最初に使用した量(インプット)に対する比率表現される。増幅比率1は、感染した細胞から生成したウイルスの量が、細胞を感染させるのに最初に使用した量と同じ増幅状態を示し、このことは感染した細胞がウイルス感染および生殖にとって許容状態にあることを意味する。対象的に、増幅比率が1よりも小さいこと、つまり、インプットのレベルと比較して、アウトプットが減少したことは、生殖的複製が不足していること、したがってウイルスの弱毒化を示す。

0059

MVA系ワクチンの長所は、それらの安全性プロフィール、さらには大規模なワクチン生産が可能なことを含む。前臨床試験は、MVA−BNが、他のMVA株と比較して優れた弱毒性および効能を示すことを明らかにした(WO 02/42480)。MVA−BN株のさらなる特性は、DNAプライムワクシニアウイルスブースト投与法と比較したとき、ワクシニアウイルスプライム/ワクシニアウイルスブースト投与法におけるのと実質的に同じレベルの免疫力を誘導する能力である。

0060

本明細書における最も好ましい実施形態である組み換えMVA−BNウイルスは、哺乳類細胞における独特な複製欠損および確立した無発病性の故に安全だと考えられる。さらには、その効能に加えて、産業規模の製造の実現可能性は有益である。さらには、MVA系ワクチンは、複数の異種抗原輸送し、そして体液性および細胞性免疫力の同時誘導を可能にする。

0061

好ましい実施形態においては、組み換えウイルスを発生させるために使用するいずれの実施形態の組み換えMVAベクターは、鶏胚線維芽(CEF)細胞をインビトロで生殖的複製をする能力を有するMVA−BNウイルスまたは誘導体であるが、ヒトケラチン生成細胞細胞株HaCaT、ヒト骨肉腫細胞株143B、ヒト胚腎臓細胞株293、およびヒト頸腺がん細胞株HeLaにおいて生殖的複製をする能力は有しない。

0062

別の実施形態においては、組み換えウイルスを発生させるために使用するいずれの実施形態の組み換えMVAベクターも、欧州動物細胞培養コレクション(ECACC)に受入番号V00083008として寄託されているMVA−BNである。

0063

本発明にとって有益なMVAベクターは、両者とも本明細書に参照することによって組み込まれているWO 02/042480およびWO 02/24224に記載されているような当該技術分野で周知の方法を使用して調製できる。

0064

別の態様においては、組み換えウイルスを発生させるのに適するMVAウイルス株は、MVA−572株、MVA−575株または同様に弱毒化したいずれのMVA株でありうる。さらに適するものは、欠失漿尿膜ワクシニアウイルスアンカラ(dCVA)のような突然変異体MVAでありうる。dCVAは、MVAゲノムのdel I,del II,del III,del IV,del V,およびdel VI欠失部位を含む。この部位は、複数の異種配列の挿入のために特に有益である。dCVAは、(ヒト293,143B,およびMRCー5細胞株のような)ヒト細胞株において、(増幅比率が10を超えて)生殖的複製することができ、そして、このことがウイルス系ワクチン接種戦略のために有益なさらなる突然変異によって最適化することを可能にする(WO 2011/092029参照)。

0065

組み換えFPV

0066

1つの態様において、本発明は、フィロウイルスグリコプロテイン(GP)、特にエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えFPVを提供する。別の態様においては、本発明は、フィロウイルスグリコプロテイン、特にエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列、およびさらに別のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む組み換えFPVを提供する。

0067

本発明によるFPVは、アビポックスウイルス属中の原型種である。多数のFPV株が、説明され、例えば、CEVA Laboratories,Cynamid Webster, Fort Dodge, Intercontinental Laboratories, Intervet (NOBILIS VARIOLE), Merial (DIFTOSEC CT strain), Schering−Plough, Select Laboratories, Solvay, Syntro−Zeon and Vineland Laboratoriesから入手できる。FP1は、生まれて1日の鶏にワクチンとして使用できるように改変したDuvette株である。この株は、1980年10月に、0DCEP 25/CEP67/2309と命名された市販の鶏痘ウイルスワクチン株であり、InstituteMerieux,Inc.から入手できる。FP5は、鶏胚由来の市販の鶏痘ウイルスワクチン株であり、米国ウィスコシン州マディソンにあるAmerican Scientific Laboratories(Schering Corp.の一部門)、獣医免許番号:165、連番:30321から入手できる。オーストラリアのCyanamid Websters PtY, Ltdから入手できるFPVM(弱ワクチン株)およびFPV S(標準ワクチン株)のような鶏痘ウイルスの弱毒化した種々の株が知られている。米国農務省(USDA)のチャレンジ株が、C.L.Afonso et al.,J. Virol.74(8):3815−3831(2000)、74(8):3815−3831(2000)によってさらに説明されている。FP9は、IAHHoughton Laboratories (英国、セントアイブス)のTomeley、Binns、BoursnellおよびBrownによって、1980年代の終わりに得られた、ワクチン目的に使用された鶏痘株である。それは、HP1からの鶏胚線維芽細胞(CEF)培養中で、継代を438回行ったウイルスのプラーク精製から誘導された(A.Mayr & K.Malicki(1966)、Zentralbl Veterinarmed(B)13:1-13、Skinner et al.(2005)、Expert Res. Vaccines 4(1):63−76)。他の弱毒化した株は、S.Jenkins et al.(1991)、AidsResearch and Human Retroviruses 7(12):991:998に記載されているような POXVAC−TC である。寄託され株は、例えば、鶏痘ウイルスATCC(登録商標VR−229(1928年以前にニュージャージー州の鶏のとさかからの典型的な鶏痘疥癬)、および鶏痘ウイルスATCC(登録商標)VR−250(1950年ケンタッキー州の鶏)を包含する。

0068

別の態様においては、組み換えウイルスを発生させるのに適するFPVウイルス株は、上記のいずれの株、またはいずれの類似のFPV株でもありうる。別の態様においては、FPVは、FP1、FP5、FP9、FPV M、FPV S、ATCC(登録商標)VR−229、ATCC(登録商標)VR−250、USDA株、およびPOXVAC−TCの群から選択される。さらに別の実施形態においては、いずれの実施形態のFPVも、弱毒化したFPVである。

0069

FPVの長所は、このウイルスが鳥類だけに疾患を引き起こすことであるが、ワクシニアウイルスとは免疫学的に非交差反応的であり、したがって天然痘を体験したヒトの既存の免疫力を免れることができる一方、哺乳類細胞に侵入し、導入遺伝子を発現することができる。

0070

組み換えFPVを発生させるために適する組み換えFPVベクターは、確立した方法で作成することができる。生きた弱毒化した鶏痘ウイルスは、の細胞のウイルスを複数回継代して生成しうる。FPVベクターの調製は、例えば、Michael J.P.Lawman and Patricia D.Lawman (eds)Cancer Vaccines: Method and Protocols, Methods in Molecular Biology, vol.1139, Chapter 32 Paul M. Howley, Kerrilyn R. Diener and John D.Hayball p.407−427に記載されている。ウイルス系ワクチン接種戦略に有益な組み換えFPVの生成は、EP 0 284 416 B1、WO88/02022、WO89/03429、WO89/03879、WO89/07644、WO89/12684、WO90/02191、WO91/02072、WO89/03879 および WO94/019014にも記載されている。ゲノム配列およびゲノム組織は、Afonso et al. and Laidlaw and Skinner (C.L. Afonso et al.(2000),J. Virol.74(8):3815ー3831,S.M.Laidlaw and M.A.Skinner (2004),Journal of General Virology 85:305−322)に記載されている。FPVの例示のゲノム配列は、GenBank受入番号AF198100.1に見出すことができる。

0071

抗原決定基

0072

抗原決定基という用語は、細胞性反応または体液性反応を問わず、抗原固有の免疫反応を引き起こすために宿主免疫システム刺激するいずれの分子を指す。抗原決定基は、宿主に免疫反応をいまだに引き起こすタンパク質、ポリペプチド、抗原性タンパク質断片、抗原およびエピトープを含み、そして 例えば、グリコシル化されたタンパク質、ポリペプチド、抗原性タンパク質断片、抗原およびエピトープ、ならびにこのような分子をコードするヌクレオチド配列を含む抗原、タンパク質の相同体または変異体、ポリペプチド、および抗原タンパク質断片、抗原およびエピトープの一部を形成しうる。このように、タンパク質、ポリペプチド、抗原タンパク質断片、抗原とエピトープは、特定の天然ヌクレオチドまたはアミノ酸配列に限定されず、天然配列と同一の配列、さらには欠失、追加、挿入および置換のような天然配列に対する修飾を包含する。

0073

「エピトープ」という用語は、B細胞及び/またはT細胞が、単独または、例えば、主要な組織適合複合体(「MHC」)タンパク質またはT細胞受容体のような別のタンパク質と共にして反応する抗原上の部位をいう。エピトープは、隣接アミノ酸、またタンパク質の第2または第3の少なくとも一方の折り畳みによって並列したは非隣接アミノ酸の両者から形成されうる。隣接アミノ酸から形成されたアミノ酸は、変性溶媒に暴露されると典型的には保持されるが、第3の折り畳みによって形成されたエピトープは、変性溶媒で処理されると典型的には失われる。エピトープは、典型的には、少なくとも5,6,7,8,9,10個またはそれ以上のアミノ酸を含むが、一般的には20個未満のアミノ酸を含み、それらは独特の空間的な構造を有する。エピトープの空間的な構造を決定する方法は、例えば、X線結晶構造解析および2次元核磁気共鳴を含む。例えば、Methodsin Molecular Biology,Vol.66,Glenn E. Morris,Ed(1996)の「Epitope MappingProtocols」を参照。

0074

好ましくは、相同体または変異体は、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列のレベルにおいて、言及したタンパク質、ポリペプチド、抗原タンパク質断片、抗原およびエピトープと、少なくとも約50%、少なくとも約60%または65%、少なくとも約70%または75%、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、または89%、より典型的には、少なくとも約90%、91%、92%、93%、または94%そして、さらにより典型的には、少なくとも約95%、96%、97%、98%または99%、最も典型的には、少なくとも約99%の同一性を有する。

0075

核酸とアミノ酸間の配列の同一性を決定する技術は、当該技術分野で周知である。2個またはそれ以上の配列が、それらの「同一性パーセント」を決定することで比較できる。核酸またはアミノ酸配列の2つの配列の同一性パーセントは、整列させた2個の配列間の完全な一致数を、より短い配列の長さで除したものに100を乗じた数である。

0076

本明細書に記載するタンパク質、ポリペプチド、抗原タンパク質断片、抗原およびエピトープに関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列同一性の一部として保存的置換置換を考慮しないで、配列を整列させ、最大の配列同一性パーセントを達成するために必要ならばギャップ導入した後の、基準配列(つまり、それがそこから誘導されたタンパク質、ポリペプチド、抗原タンパク質断片、抗原またはエピトープ)中のアミノ酸残留物と同一の候補配列中のアミノ酸残留物のパーセントとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のための整列は、例えば、BLAST、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトのような公開されているコンピューターソフトを使用するなど、当該技術分野の技術の範囲内の種々の方法で達成できる。当業者は、比較する配列の全長にわたり最大の整列を達成するために必要ないずれかのアルゴリズムを含む、整列を測定するための適切なパラメータを決定できる。

0077

同じことは、必要な変更を加えた上で、ヌクレオチド配列同一性パーセント(%)にも適用される。

0078

例えば、核酸配列の適切な整列は、Smith and Waterman,(1981),Advances in Applied Mathematics 2:482−489記載の局所相同アルゴリズムによって提供されている。このアルゴリズムは、Dayhoff, Atlas of Protein Sequences and Structure, M. O.Dayhoff ed.,5 suppl.3:353−358,National Biomedical Research Foundation,Washington,D.C.,USA,and normalized by Gribskov(1986),Nucl. AcidsRes. 14(6):6745ー6763が開発したスコアリングマトリックスを使用してアミノ酸配列に適用できる。Acids Res. 14(6):6745−6763。配列の同一性パーセントを決定するこのアルゴリズムの典型的な実施は、the Genetics Computer Group (Madison, Wis.)の 「BestFit」 という実用新案によって提供されている。この方法のデフォルトーパラメータは、Wisconsin Sequence Analysis Package Program Manual,Version 8 (1995)(Genetics Computer Group,Madison,Wis.から入手可能)に説明されている。本発明の文脈における同一性パーセントを確立する好ましい方法は、(エディンバラ大学が著作権を有し、John F. CollinsおよびShane S. Sturrokが開発し、そしてIntelliGenetics,Inc.(カリフォルニア州、マウンテンビュー)が販売する)MPSRCH package of programsを使用することである。このパッケージ一式から、デフォルトーパラメータをスコアリングーテーブル(例えば、ギャップオープニングペナルティー12、ギャップエキステンションペナルティ1、およびギャップ6)のために使用する、Smith−Watermanアルゴリズムを用いることができる。生成したデータから、「一致」値が「配列同一性」を反映する。同一性パーセントまたは配列間の類似性を計算するための他の適切なプログラムは、本技術分野において一般的に周知である。例えば、他の整列プログラムは、デフォルト−パラメータを使用するBLASTである。例えば、BLASTNおよびBLASTPが、次のデフォルト−パラメータをつかって使用できる。genetic code=standard;filter=none;strand=both;cutoff=60;expect=10;Matrix=BLOSUM62;Descriptions=50 sequences;sort by=HIGHSCORE;Databases=non−redundant,GenBank+EMBLDDBJ+PDB+ GenBank CDS translations+Swiss protein+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、次のインターネットアドレスで見つけることができる。http://wvw.ncbi.nlm.gov/cgi−bin/BLAST

0079

本明細書のいくつかの実施形態においては、異種核酸が、抗原タンパク質全体ではなく、抗原ドメインまたは抗原タンパク質断片をコードする。これらの断片は、抗原性または免疫原性を有するのに十分ないずれかの長さを有する。断片は、少なくとも8個のアミノ酸の長さ、好ましくは10−20個アミノ酸の長さだが、より長いこともありうる。例えば、少なくとも、50,100,200,500,600,800,1000,1200,1600,2000個のアミノ酸の長さ、またはこれらの間のいずれかの長さである。

0080

いくつかの実施形態においては、抗原タンパク質断片またはその免疫原性ポリペプチドをコードする少なくとも1個の核酸断片が、本発明のウイルス性ベクターの中に挿入される。別の実施形態においては、異なる抗原タンパク質をコードする約2−6個の異なる核酸が、1個またはそれ以上のこのウイルス性ベクターの中に挿入される。いくつかの実施形態においては、種々のタンパク質の免疫原性断片またはサブユニットを使用できる。例えば、単一のタンパク質の異なる部位から、または同じ株の異なるタンパク質から、または異なる株からのタンパク質相同分子種からのいくつかの異なるエピトープが、このベクターから発現されうる。

0081

定義

0082

本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明 らか に別の意味を示していない限り、複数形の意味を含むことに留意しなければならない。従って、例えば、「抗原決定基」に言及する場合は、1個またはそれ以上の抗原決定基を含み、「該方法」に言及する場合は、本明細書が記載する方法を修正または代替しうる、当業者に知られた同等のステップおよび方法への言及を含む。

0083

他に別の指示がない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、この一連の要素のすべての要素に言及するものと解する。当業者は、本明細書に記載されている発明の特定の実施形態のおおくの均等物を認識し、または単なる日常的な実験を用いるだけで確認できるであろう。このような均等物は、本発明に包含されるものとする。

0084

本明細書およびそれに続く特許請求の範囲を通じて、文脈上他に解されない限り、「comprise(含む)」という単語、ならびに「comprises(含む)」および「comprising(含む)」のような変形は、記載された完全体もしくはステップまたは完全体もしくはステップの群の包含を意味するが、他のいずれの完全体もしくはステップまたは完全体もしくはステップの群の除外は意味しないものと解する。本明細書で用いる場合、「comprising(含む)」という用語は、「containing(含む)」または「including(含む)」または、本明細書で用いる場合に、時に「having(有する)」という用語で置き換えることができる。前記の用語(comprising(含む)、containing(含む)、including(含む)、having(有する))のいずれも、本明細書において、発明の態様または実施形態の文脈で用いる場合、「consisting of (から成る)」の用語で置き換えることができるが、あまり好ましくはない。

0085

本明細書で用いる場合、「consisting of (から成る)」は、請求項の要素の中で特定されていないいずれの要素、ステップ、または成分をも除外する。本明細書で用いる場合、「consisting essentially of(本質的に〜から成る)」は、請求項の基本的かつ新規な特性に実質的に影響しない材料またはステップを除外しない。

0086

本明細書で用いる場合、複数の引用要素間の接続用語「および/または」個々のおよび複合の両者の選択肢を包含するものと解する。例えば、「および/または」によって2個の要素が結合する場合、第1の選択肢は、第2の要素なしで第1の要素を適用できることを指す。第2の選択肢は、第1の要素なしで第2の要素を適用できることを指す。第3の選択肢は、第1および第2の要素を合わせてて適用できることを指す。これらの選択肢のいずれもが、この用語の意味の範囲に含まれ、したがって、本明細書で用いる「および/または」という用語の要件を満たすものと解する。これらの選択肢の2個以上の同時適用可能性、この用語の意味の範囲に含まれ、したがって、「および/または」という用語の要件を満たすものと解する。

0087

この明細書の本文を通じて、いくつかの文献が引用されている。本明細書が以上または以下で引用する(すべての特許、特許出願、科学的出版物、製造者仕様書指示書等を含む)それぞれの文献は、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。参照することによって組み込まれた内容がこの明細書と矛盾し、またはこの明細書と一貫性がない場合、本明細書がこのようないかなる内容にも優先するものとする。本明細書のいかなる開示も、本発明が先行発明を理由としてかかる開示に先行することはできないことを承認するものと解されてはならない。

0088

本発明のフィロウイルス抗原タンパク質の文脈における「実質的に類似する」という用語は、ポリペプチドが、10〜20個のアミノ酸の比較ウインドウにわたり、基準配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性のある配列を含むことを示す。配列同一性パーセントは、比較ウインドウにわたり、2個の最適に整列させた配列を比較して決定する。この場合、比較ウインドウのポリヌクレオチド配列の一部は、この2個の配列の最適な整列のための(追加または欠失を含まない)基準配列と比較した場合に、追加または欠失(つまりギャップ)を含みうる。このパーセントは、一致した位置の数を出すために同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列で起きる位置の数を決定し、その一致した位置の数を比較ウインドウの中の位置の数の合計で除し、その結果に100を乗じて配列同一性パーセントを算出する。

0089

本明細書で用いる「サブタイプ」という用語は、「種」によって置き換えることができる。それは、マールブルグまたはエボラウイルスのようないずれのフィロウイルスの株、分離株、分岐群または変異体を含む。「株」、「分岐群」、「分離株」という用語は、微生物分類法に言及する専門家に周知の技術用語である。分類法のシステムは、これまでに特徴付けられたすべての微生物を、科、属、種、株の階層的順序に分類する(FieldsVirology,ed.by Fields B.N.,Lippincott−Raven Publishers,4th edition 2001)。科のメンバーの基準はそれらの系統発生的関係であるが、属は共通の特性を共有するすべてのメンバーを含み、そして種は複製する系統を構成し、そして特定の生態的地位を占める多元的分類として定義される。「株」または「分岐群」という用語は、微生物、つまり基本的な形態またはゲノム構造および組織のような共通の特性を共有するが、宿主範囲、組織親和性地理的分布、弱毒性または病原性のような生物学的特性において異なるウイルスを表す。例えば、5個のエボラウイルスのサブタイプが知られている。それらは、ザイールエボラウイルス、スーダンエボラウイルス、レストンエボラウイルス、ブンディブギョエボラウイルスおよびアイボリーコーストエボラウイルスである。ザイールエボラウイルス株は、例えば、ザイールメイインガ、ザイールキクウィト、ザイールガボン(1994)、ザイールガボン(1996年2月)、ザイールガボン(1996年10月)である。マールブルグウイルスのサブタイプまたは種はたった1個しかない。つまり、マールブルグムソケおよびマールブルグアンゴラを含む株としてこれまで知られていたビクトリアマールブルグウイルスである。さらなる株または分離株については、図1も参照。

0090

「TCID50」という用語は、「組織培養感染性投与量」の略であり、接種された細胞培養の50%に病理学的変化を発生させる病原性物質の量であって、TCID50/mlとして表現される。TCID50を決定する方法は当業者に周知である。それは、例えば、WO 03/053463の実施例2に記載されている。

0091

本明細書で用いられる「対象」という用語は、例えば、ヒト、非ヒト哺乳動物および(非ヒト)霊長類を含む、生きている多細胞脊椎動物有機体である。本明細書においては、「対象」という用語は、「動物」という用語と同義に用いられうる。

0092

任意の実施形態において言及される「フィロウイルスに起因する疾患」という用語は、本明細書に記載される任意のフィロウイルスの株、分離株または変異体、または(以上または以下の任意の場所において、および/または以上または以下の任意の実施形態において記載された)いずれのフィロウイルスの株、分離株または変異体の組み合わせの感染に起因するいずれの疾患でもありうる。

0093

本明細書で用いられる「強化された」という用語は、(例えば、抗原固有の抗体反応またはZEBOV−GP固有の抗体反応を中和する)抗体反応、サイトカイン反応またはCD8 T細胞反応(例えば、免疫優勢CD8 T細胞反応)のような、フィロウイルスに対する免疫反応に関して用いられる場合、MVAベクター(MVAベクターはフィロウイルスビリオンタンパク質40をまったく発現しない)の同種のプライム—ブースト混合ワクチンを投与した動物から観察される対応する免疫と比較した、MVAの同種のプライム−ブースト混合ワクチンを投与した動物における免疫反応の増加を指すか、または、本発明によるMVA(MVAベクターはフィロウイルスビリオンタンパク質40をまったく発現しない)およびFPVベクターの異種のプライム−ブースト混合ワクチンを投与した動物から観察される対応する免疫反応と比較した、本発明によるMVAおよびFPVベクターの異種のプライム−ブースト混合ワクチンを投与した動物における免疫反応の増加を指す。好ましくは、「強化された」という用語は、例えば、中和抗体反応のような抗体反応、サイトカイン反応またはCD8 T細胞反応等の免疫反応に関して用いられる場合、同じプライム−ブーストのインターバルを用いて、FPVベクターはプライムとして提供され、MVAベクターは免疫反応をブーストするために提供される、逆のプライム−ブースト混合ワクチンを投与した動物から観察される対応する免疫反応と比較した、本発明による、プライムとしてのMVAおよびブーストとしてのFPVベクターの異種のプライム−ブースト混合ワクチンを投与した動物における免疫反応の増加を指す。

0094

本発明の文脈において、「免疫優勢CD8 T細胞反応」とは、MVAおよび/またはFPVベクターによってコードされた組み換え抗原に対する宿主の主要なCD8 T細胞反応を意味する。したがって、組み換えMVAの同種プライム−ブースト、または組み換えMVAおよびFPVの異種のプライム−ブーストによってコードされた組み換え抗原に対する免疫優勢CD8 T細胞反応は、この組み換えMVAまたはFPVのいずれの組み換え抗原に対するCD8 T細胞反応よりも大きく発生させることができる。この場合、このMVAベクターは、フィロウイルスビリオンタンパク質40をまったく発現しない。

0095

CD8 T細胞反応のレベルは、ELISPOTアッセイ(例えば、インターフェロンガンマ(IFN−γ)ELISPOT)のような、しかしこれに限定されない、本技術分野で周知に方法によって決定できる。手順は、例えば、Current Protocols in Immunology(John Wiley & Son,Inc.(1994)(例えば、Chapter 6,Section 19:ELISPOPT Assay to Detect Cytokine−secreting Murine and Human Cells, Supplement 10)、または、Schneider, et al.,Nat. Med.4:397-402(1998))、および、例えば、本発明の特定のウイルスについては実施例に記載の技術によって説明されている。他の適切なアッセイは、CD8 T細胞活性のための細胞内サイトカインのレベルを分析するICSアッセイを含む。例えば、このCD8 T細胞反応は、動物の対象に抗原固有のT細胞反応全体の51%、60%、70%、80%、90%または100%のような50%を超える抗原固有のCD8 T細胞反応を含みうる。好ましくは、CD8 T細胞反応は、さらに、この動物の対象におけるサイトカイン反応全体の0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、またはそれ以上といった、その0.1%またはそれ以上を示す。いくつかの実施形態においては、第2回または第3回のブーストの後、本発明による組み換えウイルスベクターは、CD8 T細胞コンパートメント全体の少なくとも0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、または30%であるコードされた抗原に対するCD8 T細胞反応を宿主に誘導する。

0096

抗体反応のレベルは、本技術分野で知られた方法によって決定できる。任意の適するプラーク減少中和滴定量(PRNT)アッセイを、ポリペプチド(または、このようなポリペプチドを発現しているポリヌクレオチド)が、1個またはそれ以上のフィロウイルスサブタイプの1個またはそれ以上のフィロウイルス抗原に対して1個またはそれ以上の中和抗体を誘導するか否かを決定するために使用することができる。フィロウイルスに対する典型的なプラーク減少中和滴定量アッセイが、実施例に記載されている。他のPRNT方法および形式は当業者に周知である。

0097

フィロウイルスタンパク質

0098

本明細書で交互に用いられているように、「グリコプロテイン遺伝子」または「GP遺伝子」という用語は、任意のフィロウイルス株または分離株において、グリコプロテイン、特に膜透過エンベロープグリコプロテインをコードする遺伝子、またはこの遺伝子の相同体または変異体を指すが、このグリコプロテイン遺伝子の正確な配列および/または遺伝子位置は、株または分離株間で異なりうる。例えば、SEBOVのマレオ株(SEBOV−マレオ)では、グリコプロテイン遺伝子(GP−SEBOV−マレオ遺伝子)は、GenBank受入番号U23069.1で付番されているところに従い、ヌクレオチド120〜1004および1004〜2149(終点を含む)を含む。EBOV転写産物は、いくつかのヌクレオチドが2回読まれるように、転写の間に編集を受ける。GP−SEBOV−マレオ遺伝子は、さらに、GenBank受入番号U23069.1で付番されているところに従い、ヌクレオチド120〜1004および1004〜2149(終点を含む)に広がるオープンリーディングフレーム(ORF)をコードするタンパク質を含む。GP−SEBOV−マレオ遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号1(GenBank受入番号U23069.1)に記載されている。

0099

本明細書で用いられる場合には、「相同体」または「変異体」は、好ましくは、参照した遺伝子、タンパク質、ポリペプチド、抗原タンパク質断片、抗原およびエピトープと、少なくとも約50%、少なくとも約60%または65%、少なくとも約70%または75%、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、または89%、より典型的には、少なくとも約90%、91%、92%、93%、または94%そして、さらにより典型的には、少なくとも約95%、96%、97%、98%または99%、最も典型的には、少なくとも約99%のヌクレオチド配列同一性を有する。「相同体」または「変異体」という用語は、さらに、それぞれ遺伝子およびタンパク質の欠失した、切断された、その他突然変異した型を包含する。例として、例えば、シグナル−ペプチド、さらには完全長GP−EBOVまたはGP−MARVタンパク質の膜透過および/または細胞質ドメイン欠くGP−EBOVまたはGP−MARVタンパク質の可溶性形態が包含される。

0100

本明細書で交互に用いられる、「グリコプロテイン」または「GP」という用語は、グリコプロテイン、特に膜透過エンベロープグリコプロテイン、またはグリコプロテインの相同体または変異体を指す。

0101

GP−EBOV−マレオのアミノ酸配列が、配列番号2(GenBank受入番号U23069.1のアミノ酸配列)に記載されている。GP−SEBOV−マレオタンパク質は、シグナル−ペプチド、細胞外ドメイン、膜透過ドメイン、および細胞質ドメインを含む(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot受入番号Q66798参照)。GP−SEBOV−マレオタンパク質のシグナル−ペプチドは配列番号2のアミノ酸1〜32から成り、GP−SEBOV−マレオタンパク質の細胞外ドメインは配列番号2のアミノ酸33〜650または配列番号2のアミノ酸1〜650から成り、GP−SEBOV−マレオタンパク質の膜透過ドメインは配列番号2のアミノ酸651〜671から成り、そしてGP−SEBOV−マレオタンパク質の細胞質ドメインは配列番号2のアミノ酸672〜676から成る。

0102

GP−ZEBOV−メイインガのアミノ酸配列をコードする核酸は、配列番号19に記載されている。GP−ZEBOV−メイインガは、配列番号20(GenBank受入番号ABX75367.1)に記載されているタンパク質を含む。

0103

同様に、本明細書で同義に用いられる、「グリコプロテイン遺伝子」または「NP遺伝子」という用語は、いずれのフィロウイルス株または分離株において、核タンパク質をコードする遺伝子、またはこの遺伝子の相同体または変異体を指すが、この核タンパク質遺伝子の正確な配列および/または遺伝子位置も、株または分離株間で異なりうる。例えば、SEBOVのボニフェス株(SEBOV−ボニフェス)では、核タンパク質遺伝子(NP−SEBOV−ボニフェス遺伝子)は、GenBank受入番号AF173836.1で付番されているところに従い、ヌクレオチド383〜2599(終点を含む)を含む。NP−SEBOV−ボニフェス遺伝子は、さらに、GenBank受入番号AF173836.1で付番されているところに従い、ヌクレオチド383〜2599(終点を含む)に渡るオープン−リーディング−フレーム(ORF)をコードするタンパク質を含む。このNP−SEBOV−ボニフェス遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号3(GenBank受入番号AF173836.1)に記載されている。

0104

NP−EBOV−ボニフェスのアミノ酸配列が、配列番号4(GenBank受入番号AF173836.1のアミノ酸配列)に記載されている。NP−SEBOV−ボニフェスタンパク質は、コイルされたコイル−ドメインを含む(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot受入番号Q9QP77参照)。NP−SEBOV−ボニフェスタンパク質のコイルされたコイル−ドメインは、配列番号4のアミノ酸334〜363から成る。

0105

ある特定の実施形態においては、抗原決定基をコードする核酸、好ましくは抗原タンパク質、より好ましくは上記または下記のいずれのタンパク質は、完全長タンパク質である。

0106

組み換えMVAおよびFPV

0107

本明細書に記載されているのは、ポックスウイルス(例えば、MVAまたはMVA−BNまたはFPV)ゲノムの種々の挿入部位に組み込まれたEBOVおよび/またはMARVに由来する異種または異質の核酸配列を含む組み換えポックスウイルス(例えば、MVAまたはMVA−BNまたはFPV)である。この異種の核酸は、例えば、ウイルス抗原を含む、1個またはそれ以上の異質のタンパク質および/または異質の抗原をコードしうる。

0108

一般的に、本明細書に記載される「組み換え」MVAまたはFPVは、標準的な遺伝子工学的方法、つまり本発明のMVAまたはFPVによって生成され、したがって遺伝子操作され、または遺伝子改変されたMVAまたはFPVであるMVAまたはFPVをいう。したがって、「組み換えMVAまたはFPV」という用語は、組み換え核酸を安定的にそれらのゲノムに、好ましくは転写単位の形態で、組み込まれたMVA/FPVを含む。転写単位は、プロモーター、エンハンサーターミネーターおよび/またはサイレンサーを含みうる。本発明の組み換えMVA/FPVは、調節要素の誘導の際に、異種抗原決定基、ポリペプチドまたはタンパク質(抗原)を発現しうる。本発明の任意の実施形態の文脈における「MVA/FPV」という用語は、MVA、FPV、またはMVAおよびFPVの個々の、または複合の選択肢の両者を包含する。

0109

本明細書で用いられる場合、「異種の」遺伝子、核酸、抗原またはタンパク質は、野生型ポックスウイルスゲノム(例えば、MVAまたはMVA−BNまたはFPV)中に存在しない核酸またはアミノ酸配列であると解される。当業者は、「異種遺伝子」は、MVAまたはMVA−BNまたはFPVのようなポックスウイルス中に存在する場合、組み換えポックスウイルスを宿主細胞に投与した後に、それが、対応する異種遺伝子生産物として、つまり「異種抗原」および/または「異種タンパク質」として発現するように、このポックスウイルスゲノムの中へ組み込まれるべきことを理解している。発現は、通常、異種遺伝子を、ポックスウイルスに感染している細胞の中で発現することを可能にする調節要素に操作して結合することによって達成する。好ましくは、この調節要素は、天然または合成ポックスウイルスプロモーターを含む。

0110

1つの態様においては、本発明の組み換えMVA/FPVベクターは、エボラウイルス(EBOV)および/またはマールブルグウイルス(MARV)から選択されるフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む。別の実施形態においては、本発明の組み換えMVA/FPVベクターは、ザイールエボラウイルス(ZEBOV)、スーダンエボラウイルス(SEBOV)、コートジボワールエボラウイルス(EBOV−CdI、またはタイフォレストウイルスまたはTAFVとも呼ばれる)、レストンエボラウイルス(REBOV)およびブンディブギョエボラウイルス(BEBOV)からなる群から選択される1個またはそれ以上のEBOV−サブタイプから選択されるフィロウイルスタンパク質(例えば、EBOVタンパク質)の1個またはそれ以上の抗原決定基の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む。

0111

別の実施形態によれば、本発明の組み換えMVA/FPVベクターは、ザイールメイインガ、ザイールキクウィト、ザイールガボン、コートジボワールエボラウイルス、スーダンボニフェス、スーダンマレオ、スーダングル、マールブルグラブン、マールブルグオゾリン、マールブルグラタイチャク、マールブルグムソケ、マールブルグアンゴラの群から選択されるフィロウイルスタンパク質、好ましくはEBOVタンパク質、MARVタンパク質またはこれらの完全長タンパク質の1個またはそれ以上の抗原決定基を含む。

0112

好ましくは、(例えば、ザイールメイインガ、ザイールキクウィト、ザイールガボン、コートジボワールエボラウイルス、スーダンボニフェス、スーダンマレオ、スーダングル、マールブルグラブン、マールブルグオゾリン、マールブルグラタイチャク、マールブルグムソケ、マールブルグアンゴラの群から選択される)このフィロウイルスタンパク質の抗原決定基は、エンベロープグリコプロテイン(GP)、核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35)、ビリオンタンパク質40(VP40)、ビリオンタンパク質30(VP30)、ビリオンタンパク質24(VP24)、およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質(L)からなる群から選択される。

0113

別の実施形態においては、このフィロウイルスタンパク質の抗原決定基は、エンベロープグリコプロテイン(GP)、好ましくは、少なくともエンベロープグリコプロテイン(GP)およびビリオンタンパク質40(VP40)である。

0114

別の実施形態においては、このフィロウイルスタンパク質の抗原決定基は、ZEVOVおよびSEBOV、好ましくは、少なくともエンベロープグリコプロテイン(GP)およびビリオンタンパク質40(VP40)の群から選択されるエンベロープグリコプロテイン(GP)であり、GPおよびVP40は同じ株に由来し、好ましくは、この同じ株はZEBOVおよびSEBOVの群から選択される。

0115

別の実施形態においては、このフィロウイルスタンパク質の抗原決定基は、少なくともエンベロープグリコプロテイン(GP)およびビリオンタンパク質40(VP40)であり、GPおよびVP40は異なる分離株または同じ分離株に由来する。好ましくは、この異なる、または同じ分離株は、ザイールメイインガ、ザイールキクウィト、ザイールガボン、コートジボワールエボラウイルス、スーダンボニフェス、スーダンマレオ、スーダングル、マールブルグラブン、マールブルグオゾリン、マールブルグラタイチャク、マールブルグムソケおよびマールブルグアンゴラの群から選択され、好ましくは、この分離株は、ザイールメイインガ、スーダングル、マールブルグムソケおよびマールブルグアンゴラの群から選択され、最も好ましくは、この分離株は、ザイールメイインガ、スーダングル、およびマールブルグムソケの群から選択される。別の好ましい実施形態においては、本発明の組み換えMVA/FPVベクターは、2個,3個、4個またはそれ以上のエボラおよび/またはマールブルグ−サブタイプの抗原決定基をコードするヌクレオチド配列を含む。

0116

別の好ましい実施形態は、本発明いずれかの実施形態の組み換えMVA/FPVベクターを対象にし、このベクターは、エンベロープグリコプロテイン(GP)、核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35)、ビリオンタンパク質40(VP40)、ビリオンタンパク質30(VP30)、ビリオンタンパク質24(VP24)、およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質(L)からなる群から選択される2個、3個、4個またはそれ以上のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基を含む。

0117

好ましい実施形態においては、本発明の任意の実施形態の組み換えMVA/FPVベクターは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択される1個、2個、3個、4個またはそれ以上のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基を含む。

0118

好ましい実施形態においては、本発明の任意の実施形態の組み換えMVA/FPVベクターは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択されるフィロウイルスタンパク質の抗原決定基を含む。

0119

別の実施形態においては、本発明の任意の実施形態の組み換えMVA/FPVベクターは、配列番号20からなるフィロウイルスタンパク質の抗原決定基を含む。

0120

別の実施形態においては、本発明の任意の実施形態の組み換えMVA/FPVベクターは、配列番号20および配列番号34からなる群から選択されるフィロウイルスタンパク質の抗原決定基を含む。

0121

別の実施形態においては、本発明の任意の実施形態の組み換えMVA/FPVベクターは、配列番号6、配列番号20、配列番号31および配列番号34からなる群から選択されるフィロウイルスタンパク質の抗原決定基を含む。

0122

別の実施形態においては、本発明の任意の実施形態の組み換えMVA/FPVベクターは、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31および配列番号34からなる群から選択されるフィロウイルスタンパク質の抗原決定基を含む。

0123

別の好ましい実施形態においては、本発明の任意の実施形態の組み換えMVA/FPVベクターは、配列番号6、配列番号20、配列番号29、配列番号31、配列番号34および配列番号37からなる群から選択されるフィロウイルスタンパク質の抗原決定基を含む。

0124

別の好ましい実施形態においては、本発明の任意の実施形態のMVAベクターは、配列番号29および/または配列番号6、配列番号20、配列番号31からなるフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む。

0125

別の好ましい実施形態においては、本発明の任意の実施形態のMVAベクターは、配列番号28および/または配列番号5、配列番号19、配列番号30を含むヌクレオチド配列を含む。

0126

別の好ましい実施形態においては、本発明の任意の実施形態のMVAベクターは、配列番号33を含むフィロウイルスビリオンタンパク質40(VP40)の抗原タンパク質をコードするヌクレオチド配列、または配列番号34を含むタンパク質配列をコードするヌクレオチド配列を含む。

0127

別の好ましい実施形態においては、本発明の任意の実施形態の組み換えMVAベクターは、(a)配列番号5、配列番号19および配列番号30、(b)配列番号5、配列番号19、配列番号28および配列番号30、ならびに(c)配列番号19および配列番号33からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。

0128

別の態様において、本発明は、フィロウイルスグリコプロテイン、特にフィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む組み換えMVAベクターまたはFPVベクターを含む。

0129

フィロウイルスグリコプロテインは、GP−MARVまたはGP−EBOVをコードしうる。

0130

本明細書が記載する実施形態のために、MARVのグリコプロテインを、MARV−ムソケ、好ましくは完全長MARV−ムソケから誘導でき、MARV−ムソケはビクトリア湖株またはMARV−ムソケの分離株から誘導できる。GP−MARVが、MARV−ラブン MARV−オゾリン、MARV−ラタイチャクまたはMARV−アンゴラからも誘導できる。完全長GP−MARV−ムソケをコードするヌクレオチド配列が、配列番号6のアミノ酸1−681または19−681をコードする配列番号5に示されている。好ましい実施形態においては、GP−MARV−ムソケは、好ましくは配列番号6のタンパク質をコードする配列番号5のヌクレオチド配列を含む。ある特定の実施形態においては、GP−MARV−ムソケは切断されており、切断GP−MARV−ムソケは配列番号6のアミノ酸1−648またはアミノ酸19−648(GenBank受入番号ABA87127.1)を含むエンベロープグリコプロテインの細胞外ドメインドメインのみを含みうる。本明細書に記載される別の実施形態においては、MARVのグリコプロテインは、MARV−アンゴラ、好ましくは完全長GP−MARV−アンゴラから誘導できる。好ましい実施形態においては、GP−MARV−アンゴラは、配列番号37のアミノ酸をコードする配列番号36のヌクレオチド配列を含む。

0131

EBOVのグリコプロテインは、GP−SEBOVであるか、またはGP−ZEBOV、特にGP−ZEBOVのメイインガ株(GP−ZEBOV−メイインガ)から誘導できる完全長GP−ZEBOV−メイインガは、配列番号20のアミノ酸配列をコードする配列番号19のヌクレオチド配列を含む。好ましい実施形態においては、GP−ZEBOV−メイインガは、配列番号20のタンパク質を好ましくコードする配列番号19のヌクレオチド配列を含む。GP−EBOVは、GP−BEBOV、GP−EBOV−CdIまたはGP−EBOV−レストンでもありうる。GP−ZEBOVは、切断されていることがあり、そして配列番号20のアミノ酸1〜636をコードするために改変した、または配列番号20のアミノ酸314〜464に渡るムチンドメインを欠失するために改変した配列番号19のヌクレオチド配列を含みうる。

0132

GP−SEBOVは、GP−SEBOVのグル株(GP−SEBOV−グル)から誘導しうる。本発明のある特定の実施形態においては、GP−SEBOVは、配列番号31のアミノ酸配列を好ましくコードする配列番号30のヌクレオチド配列を含む。

0133

本発明による組み換えMVA/FPVは、さらに、破傷風トキソイド断片C配列も含みうる。好ましい実施形態においては、GP−MARV−ムソケ、特に完全長MARV−ムソケ−GPは、さらに破傷風トキソイド断片Cを含む。破傷風トキソイド断片Cは、配列番号8のアミノ酸配列をコードする配列番号7のヌクレオチド配列を含みうる ある特定の実施形態においては、切断GP−MARV−ムソケは、さらに、配列番号8のアミノ酸配列のアミノ酸760〜1213をコードする配列番号7のヌクレオチド配列のヌクレオチド2281〜3642を含みうる破傷風トキソイド断片C(TCC)を含む。

0134

本発明の組み換えMVA/FPVベクターは、免疫刺激または共刺激分子をさらに含みうる。好ましい実施形態においては、GP−MARV−ムソケの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列は、さらに1個またはそれ以上の免疫刺激分子を含む。ある特定の実施形態においては、この1個またはそれ以上の免疫刺激分子は、配列番号10のアミノ酸配列をコードする配列番号9を含みうるヒトCD40配位子(hCD40L)である。ある特定の実施形態においては、1個またはそれ以上のこの免疫刺激分子は、配列番号12のアミノ酸配列をコードする配列番号11を含みうるヒトインターロイキン−15受容体(hIL15R−スシ)のスシドメインを含む融合タンパク質である。

0135

1個またはそれ以上の免疫刺激分子は、共刺激分子の三つ組み(つまり、TRICOM)として集合的に知られる、リンパ球機能関連抗原3(LFA−3,またはCD58)、細胞間接着分子1(ICAM−1,またはCD54)およびB7.1(CD80)でありうる。本明細書で用いられる「TRICOM」は、抗原固有の免疫反応を増加させるために特定の抗原を発現している組み換えウイルスベクター(例えば、ポックスウイルスベクター)に含まれる、(CD80としても知られている)B7ー1、細胞内接着分子−1(CD54としても知られているICAM−1)およびリンパ球機能関連抗原−3(CD58としても知られているLFA−3)から成るTriad of COstimlatory Moleculesの省略である。TRICOMの個々の成分は、同じまたは異なるプロモーターの制御の下にあることができ、そして特定の抗原をもった同じベクターに、または別のベクターに提供することができる。典型的なベクターは、例えば、Hodge et al., “A Triad of Costimulatory Molecules Synergize to Amplify T−Cell Activation,” Cancer Res.59:5800−5807 (1999)および U.S. Patent No.7,211,432 B2に開示されており、両者は参照することにより本明細書に組み込まれている。LFA−3は、配列番号14のアミノ酸配列をコードする配列番号13のヌクレオチド配列を含むことができ、ICAM−1は、配列番号16のアミノ酸配列をコードする配列番号15のヌクレオチド配列を含むことができ、そしてB7.1は、配列番号18のアミノ酸配列をコードする配列番号17のヌクレオチド配列を含むことができる。

0136

本発明の組み換えMVA/FPVは、配列番号22のアミノ酸配列をコードする配列番号21のヌクレオチド配列を含むワクシニアウイルス遺伝子B5mのような膜アンカー配列をさらに含むこともできる。特に、本明細書に記載された抗原決定基は、このB5mのような膜アンカーに好ましく動作可能に結合することができる。したがって、組み換えMVA/FPVが膜アンカー配列を含むものと本明細書でいう場合、組み換えMVA/FPVが含む抗原決定基が、膜アンカーに好ましく動作可能に結合することを意味する。膜アンカーは、細胞膜の外側の表面に異種ポリペプチドを固定することができるいずれのポリペプチドを指す。好ましくは、膜アンカーは、本明細書で「B5Rアンカー」または「B5m」と名付けた、ワクシニアウイルスB5Rタンパク質の細胞質および膜透過ドメインを含む。定義したように、B5Rアンカーは、例えば、WR株のような任意のタイプのワクシニアウイルスからのB5Rタンパク質の42アミノ酸のCー末端断片((Katz et al. J Virol.71(4):3178−87(1997))、または、より好ましくはMVAを指す。さらには、参照B5Rアンカー配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%のような、例えば少なくとも90%、または少なくとも95%、少なくとも98%のような配列同一性を有するB5Rアンカー変異体も、本発明に含まれる。好ましいアンカー配列が、配列番号21に示され、その翻訳生産物も配列番号22に示されている。

0137

好ましい実施形態においては、完全長および/または切断GP−ZEBOVは、さらにワクシニアウイルス遺伝子B5mを含む。

0138

別の態様において、本発明は、上記のような、フィロウイルスグリコプロテインの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む組み換えMVA/FPVベクターを含み、さらにウイルス様粒子(VLP)を形成するのに必要な追加のフィロウイルスタンパク質をコードする異種ヌクレオチド配列を含む。1つの実施形態においては、このVLPを形成するのに必要なフィロウイルスタンパク質をコードする追加の異種ヌクレオチド配列は、VP40でありうる。ある特定の実施形態においては、ウイルス様粒子を形成し、またはVLPの形成を増進するために必要な追加のフィロウイルスタンパク質は、NP−EBOVおよびVP40−EBOVであり、これらのタンパク質は、上に示したような株から誘導することができる。好ましくは、フィロウイルス核タンパク質(例えば、NP−EBOV)およびフィロウイルスビリオンタンパク質40(例えば、VP40−EBOV)は、同じフィロウイルス株から誘導される。GPおよびVP40(追加で、またはNPの発現なしで)を発現している、さらには感染している細胞からGPを含むEBOV−VLPを発生させることができる、組み換えMVAを用いて非ヒト霊長類にワクチン接種することによって、本発明者は、非ヒト霊長類にフィロウイルスの攻撃に対する防御を実現することができた。ワクチン接種をした動物にウイルス様粒子を生成することは、真正なフィロウイルス感染に存在するウイルス粒子を綿密に模倣する追加のワクチンモダリティを作る。そのような組み換えMVAフィロVLPワクチン接種は、体液性および細胞性免疫反応の両者を刺激し、したがってフィロウイルスの攻撃を防御した。フィロウイルスVLPを提供する弱毒化したMVAウイルスを用いたワクチン接種のさらなる長所は、接種のためのウイルス様粒子の精製、および追加のMVAを介した免疫刺激の必要を回避することである。同じ株から誘導したフィロウイルス核タンパク質(例えば、NP−EBOV)およびフィロウイルスビリオンタンパク質40(例えば、VP40−EBOV)の使用は、VLPの形成を増進するするために、好ましくは、綿密にウイルス粒子を模倣して、フィロウイルス感染に対する防御を改善するために、均一の半径をもった同種GPスパイク修飾VLPを発生させるために有利である。

0139

本発明は、フィロウイルスグリコプロテインの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列、およびさらに別のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む組み換えMVA/FPVベクターにも関する。さらなるフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードするヌクレオチド配列は、核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35)、ビリオンタンパク質40(VP40)、ビリオンタンパク質30(VP30)、ビリオンタンパク質24(VP24)、およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質(L)からなる群から選択される1個またはそれ以上のフィロウイルスタンパク質をコードしうる。前記遺伝子およびタンパク質のそれぞれは、上記した1個またはそれ以上のフィロウイルス株から得ることができる。ある特定の実施形態のNP−EBOV−CdIは,配列番号29のアミノ酸配列をコードする配列番号28のヌクレオチド配列を含む。

0140

ある特定の実施形態においては、VP40はMARVまたはEBOVから選択され、好ましくは、VP40はザイールエボラウイルス(ZEBOV)、スーダンエボラウイルス(SEBOV)、コートジボワールエボラウイルス(EBOV−CdI、またはタイフォレストウイルスまたはTAFVとも呼ばれる)、レストンエボラウイルス(EBOV−レストン)およびブンディブギョエボラウイルス(BEBOV)からなる群から選択される1個またはそれ以上のEBOV−サブタイプから選択される。好ましい実施形態においては、VP40は、ZEBOV、SEBOVおよびMARVの1個またはそれ以上から選択される。ある特定の実施形態においては、フィロウイルスグリコプロテインおよびフィロウイルスVP40は、同じフィロウイルス株から選択される。さらに好ましい実施形態
においては、VP40および/またはフィロウイルスグリコプロテインは、ザイールメイインガ、ザイールキクウィト、ザイールガボン、コートジボワールエボラウイルス、スーダンボニフェス、スーダンマレオ、スーダングル、マールブルグラブン、マールブルグオゾリン、マールブルグラタイチャク、マールブルグムソケおよびマールブルグアンゴラの1個またはそれ以上から選択され、より好ましくは、ザイールメイインガ(VP40−ZEBOV−メイインガ)、スーダングル(VP40−SEBOV−グル)、マールブルグムソケ(VP40−MARV−ムソケ)およびマールブルグアンゴラ(VP40−MARV−アンゴラ)の1個またはそれ以上から選択される。さらなる実施形態においては、任意の実施形態のMVAベクターは、さらに、フィロウイルス核タンパク質(NP)を含み、好ましくは、このフィロウイルス核タンパク質およびフィロウイルスVP40は同じフィロウイルス株から誘導される。さらなる実施形態においては、VP40は、VP40−ZEBOV−メイインガまたはVP40−MARV−ムソケをコードする核酸配列を含む。別の実施形態においては、フィロウイルスVP40は、配列番号33のヌクレオチド配列を含む。さらなる実施形態においては、VP40は、配列番号34のタンパク質配列をコードする核酸を含む。さらに好ましい実施形態においては、VP40は、配列番号34のアミノ酸配列をコードする配列番号33のヌクレオチド配列を含む。

0141

さらに好ましい実施形態においては、この組み換えMVA/FPVベクターは、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする2個の異種ヌクレオチド配列、およびさらに別のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする少なくとも1個の異種ヌクレオチド配列を含む。ある特定の実施形態においては、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする第1の異種ヌクレオチド配列がGP−MARVをコードし、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする第2の異種ヌクレオチド配列がGP−EBOVをコードする。本発明によるさらに好ましい実施形態においては、組み換えMVA/FPVベクターは、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする3個の異種ヌクレオチド配列、およびさらに別のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする少なくとも1個の異種ヌクレオチド配列を含む。好ましくは、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする第1の異種ヌクレオチド配列がGP−MARVをコードし、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする第2の異種ヌクレオチド配列がGP−EBOVをコードし、そしてフィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする第3の異種ヌクレオチド配列が、第2の異種ヌクレオチド配列によってコードされたGP−EBOVとは異なる、EBOV株または分離株から誘導したGP−EBOVをコードする。したがって、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする1個の異種ヌクレオチド配列は、GP−SEBOVーグルおよび他の1個のGP−ZEBOV−メイインガをコードしうる。

0142

別の実施形態においては、組み換えMVA/FPVベクターは、EBOV株または分離株からのGP−EBOVの抗原決定基をコードする2個の異種ヌクレオチド配列、およびMARV株または分離株からのGP−MARVの抗原決定基をコードする2個の異種ヌクレオチド配列を含み、好ましくは、MARV株はMARV−アンゴラおよびMARV−ムソケであり、このEBOV株はZEBOVおよび/またはSEBOV、好ましくはZEBOV−メイインガおよびSEBOV−グルである。もちろん、すでに上述のように、さらに別のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードするこのさらに別のヌクレオチド配列は、核タンパク質(NP)、ビリオンタンパク質35(VP35)、ビリオンタンパク質40(VP40)、ビリオンタンパク質30(VP30)、ビリオンタンパク質24(VP24)、およびRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質(L)からなる群から選択されるフィロウイルスタンパク質もコードでき、すでに上で示したように、このフィロウイルスタンパク質はこれらの異なる株からも誘導しうる。

0143

本発明のさらに好ましい実施形態による、組み換えMVA/FPVベクターは、GP−MARVおよびGP−EBOVのフィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする2個の異種ヌクレオチド配列、およびVP40の抗原決定基をコードする第3の異種ヌクレオチド配列を含む。そのようなVP40は、以上または以下で説明したような、いずれのVP40でもありうる。したがって、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインの抗原決定基をコードする1個の異種ヌクレオチド配列は、GP−SEBOV−グルをコードでき、他方の1個のGP−ZEBOV−メイインガおよび第3の異種ヌクレオチド配列は、フィロウイルスタンパク質VP40−ZEBOV、VP40−SEBOVまたはVP40−MARV、好ましくはVP40−ZEBOV−メイインガまたはVP40−MARV−ムソケの抗原決定基をコードしうる。

0144

さらに好ましい実施形態においては、組み換えMVA/FPVベクターは、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインであるGP−EBOV、好ましくはGP−ZEBOVおよび/またはGP−SEBOV、より好ましくはGP−ZEBOV−メイインガおよびGP−SEBOV−グル、GP−MARVの1個のフィロウイルスエンベロープグリコプロテイン、好ましくはGP−MARV−ムソケまたはGP−MARV−アンゴラおよびNP−EBOV−CdI、NP−ZEBOVおよびNP−MARV、好ましくはNP−MARV−ムソケまたはNP−MARV−アンゴラの群から好ましく選択される少なくとも1個のフィロウイルス核タンパク質、の抗原決定基をコードする2個の異種ヌクレオチド配列を含む。

0145

MVAまたはFPVへの組み込み部位

0146

さらに別のフィロウイルスタンパク質をコードする少なくとも1個の異種ヌクレオチド配列を任意に、さらに含むフィロウイルスグリコプロテインの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列は、MVAの1個またはそれ以上の遺伝子間領域(IGR)の中へ挿入しうる。ある特定の実施形態においては、このIGRは、IGR07/08、IGR44/45、IGR64/65、IGR88/89、IGR136/137、およびIGR148/149から選択される。ある特定の実施形態においては、組み換えMVAの5個未満、4個未満、3個未満、または2個未満のIGRが、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインおよび/またはさらに別のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む。異種ヌクレオチド配列は、自然に生じる1個またはそれ以上の欠失部位の中へ、特にMVAゲノムの主たる欠失部位I,II,III,IV,V,またはVIの中へ追加的または代替的に挿入されうる。ある特定の実施形態においては、組み換えMVAの5個未満、4個未満、3個未満、または2個未満の少ない自然に生じる欠失部位は、フィロウイルスエンベロープグリコプロテインおよび/またはさらに別のフィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含む。

0147

フィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含むMVAの挿入部位の数は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、またはそれ以上でありうる。ある特定の実施形態においては、この異種ヌクレオチド配列は、4個、3個、2個、またはそれよりも少ない挿入部位に挿入される。好ましくは、2個の挿入部位を使用する。ある特定の実施形態においては、3個の挿入部位を使用する。好ましくは、この組み換えMVAは、2個または3個の挿入部位に挿入された、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、または7個の遺伝子を含む。

0148

さらに別のフィロウイルスタンパク質をコードする少なくとも1個の異種ヌクレオチド配列を任意に、さらに含むフィロウイルスグリコプロテインの抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列は、FPVの1個またはそれ以上の遺伝子間領域(IGR)の中へ挿入しうる。好ましい実施形態においては、IGRは、ゲノムの1.3−kbpのHindIII断片のORF7および9の間に位置している(Drillien et al,Virology 160:203−209(1987)(US5,180,675)および Spehner et al.,J.Virol. 64:527−533(1990)参照)。ある特定の実施形態においては、異種ヌクレオチド配列は、本明細書に参照することによって組み込まれるEP 0 538 496 A1およびWO 05/048957に記載されているような、鶏痘の挿入部位に挿入することができる。本発明のさらに好ましい鶏痘挿入部位は、LUS挿入部位,FP14挿入部位,および43K挿入部位である。これらの挿入部位は、時に、FPN006/FPN007(LUS挿入部位),FPN254/FPN255(LUS挿入部位),FPV060/FPV061(FP14挿入部位),およびFPV107/FPV108(43K挿入部位)ともいわれる。

0149

1つの好ましい実施形態においては、鶏痘の挿入部位はLUS挿入部位である。鶏痘ウイルスゲノムのそれぞれの末端には、2本の長い独特な配列(LUS)があり(Genbank受入番号:AF198100.1)、したがって、それぞれのゲノムには2個のLUS挿入部位がある。このゲノムの左の末端のLUS挿入部位は、FPV006の3’およびFPV007 125Lの5’にあり、好ましくは、GenBank受入番号AF 198100.1に注釈がされているように、鶏痘ゲノム配列中の7470位と7475位の間である。このゲノムの右の末端のLUS挿入部位は、FPV254の3’およびFPV255の5’にあり、好ましくは、例えば、GenBank受入番号AF 198100.1の鶏痘ゲノム配列中の281065位と281070位の間である。1つの実施形態においては、この異種ヌクレオチド配列は、ヌクレオチド281065位と281070位内のいずれの位置にも挿入できる。

0150

別の好ましい実施形態においては、鶏痘の挿入部位はFP14挿入部位である。この部位は、鶏痘ゲノム配列ゲノムのFPV060の3’およびFPV061の5’にあり、好ましくは、例えば、GenBank受入番号AF198100.1の鶏痘ゲノムの67080位と67097位の間である。1つの実施形態においては、DNA配列の67080位と67097位の間のヌクレオチドは、組み換えウイルス中で欠失され、そして興味のある配列を示す定義された挿入遺伝子と置き換える。1つの実施形態においては、FP14挿入部位は、FPV060遺伝子の相同分子種と、例えば、AF 198100.1のFPV061の相同分子種の間にある。「FPV060、FPV061、FPV254」等の用語は、GenBank受入番号AF 198100.1で注釈されているように、5’から3’まで番号が付されたそれぞれの遺伝子の対応するコード配列(つまり、CDS)の位置を指す。好ましい実施形態においては、FP14挿入部位は、(GenBank受入番号AF 198100.1で注釈されているように、IGR60/61挿入部位としても言及される)鶏痘ゲノム配列中の67091位および67092位の間にある。

0151

別の好ましい実施形態においては、鶏痘の挿入部位は43K挿入部位と命名されている。この部位は、FPV107の3’およびFPV108の5’、好ましくは、GenBank受入番号AF198100.1に注釈がされているように、鶏痘ゲノム配列の128178位にある。

0152

好ましい実施形態においては、この組み込み部位はFP14(IGR60/61)および/またはBamHI J領域である。BamHI J領域は、本明細書に参照することによって組み込まれる、Jenkins et al.(1991),AidsResearch and Human Retroviruses 7(12):991:998にさらに記載されている。

0153

ある特定の実施形態においては、このIGRはIGR BamHI JFPVである。

0154

フィロウイルスタンパク質の抗原決定基をコードする異種ヌクレオチド配列を含むFPVの挿入部位の数は、1個または2個でありうる。好ましくは、2個の挿入部位を使用する。別の好ましい実施形態においては、この組み換えFPVは、1個または2個の挿入部位に挿入された、少なくとも1個、2個、3個、4個または5個の遺伝子を含む。

0155

本明細書で提供される組み換えMVA/FPVウイルスは、当該技術分野で周知の日常的な方法によって発生させることができる。組み換えポックスウイルスを得る、または外因性コード配列をポックスウイルスゲノムに挿入する方法は、当業者に周知である。例えば、DNAのクローン作成、DNAおよびRNAの単離、ウエスタンブロット分析、RTPCRおよびPCR増幅の諸技術のような標準的な分子生物学の技術の方法は、Molecular Cloning, A laboratory Manual (2nd Ed.) (J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))に記載されており、そしてウイルスの取り扱いおよび操作の技術は、Virology MethodsManual(B.W.J. Mahy et al.(eds.),Academic Press (1996)に記載されている。同様に、MVAの取り扱い、操作および遺伝子工学の技術およびノウハウは、Molecular Virology:A Practical Approach (A.J. Davison & R.M. Elliott (Eds.), The Practical Approach Series, IRL Press at Oxford University Press, Oxford, UK (1993)(例えば、Chapter 9: Expression of genes by Vaccinia virus vectors))、およびCurrent Protocols in Molecular Biology (John Wiley & Son, Inc. (1998) (例えば、Chapter 16, Section IV: Expression of proteins in mammalian cells using vaccinia viral vector参照))に記載されている。

0156

本明細書で開示される種々の組み換えMVA/FPVの生成のためには、様々な方法を適用しうる。ウイルスの中に挿入するDNA配列は、MVAまたはFPVのDNAの切片と同種のDNAが挿入された大腸菌プラスミド構成体の中に置くことができる。これとは別に、挿入されるDNA配列はプロモーターに結合させることができる。このプロモーターと遺伝子の結合は、このプロモーターと遺伝子の結合が、非本質的な遺伝子座を含むMVAまたはFPV DNAの領域の側面に位置するDNA配列と同種のDNAによって両末端が側面に位置するように、このプラスミド構成体の中に配置できる。結果として生じるプラスミド構成体は、大腸菌バクテリアの中で増殖によって増幅させ、そして単離できる。挿入するDNA遺伝子配列を含む単離したプラスミドは、培養がMVAで感染するのと同時に、例えば、鶏胚線維芽細胞(CEF)の細胞培養nの中へ遺伝子導入できる。プラスミド中の同種のMVA DNAとウイルスゲノムのそれぞれの間の組み換えは、異質のDNA配列の存在によって改変したMVAを発生させることができる。

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