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技術 IBUKI種ホップのルプリンパウダーを用いた発酵アルコール飲料の製法

出願人 キリンホールディングス株式会社
発明者 村上敦司川崎由美子杉村哲内藏萌
出願日 2019年10月16日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-189445
公開日 2021年4月22日 (4ヶ月経過) 公開番号 2021-061801
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード 移送コスト 乳化分離 圧縮ペレット 水質調整剤 発酵工程前 発芽小麦 発芽大麦 香味特徴
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年4月22日)のものです。
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課題

リナロール由来するホップ香気を十分に有するとともに雑味の増加が抑制された、IBUKIホップルプリンパウダー原料とする発酵アルコール飲料製法の提供。

解決手段

原料として、IBUKI種ホップのルプリンパウダーを用いて発酵アルコール飲料を製造する方法であって、前記ルプリンパウダーが、破砕された後に、前記方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了した後、かつ、発酵工程前に、その原料混合物に添加され、発酵アルコール飲料中のリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノール含有量が所定の範囲に調整される、方法。

概要

背景

ホップビールに爽快な苦味香りを付与する。ホップに由来する香りはビールのキャラクター形成に大きな影響を与えている。香気特徴を表現する言葉として、フローラルスパイシーシトラスフルーティー、ホッピー、スパイシー、マスカット等が一般的に用いられている(非特許文献1〜5)。

従来、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料の製造において、主原料として用いられるホップは、通常、収穫後に乾燥し、圧縮ペレット状に加工して低温保存され、その後に用いられている。また、ビールの苦味の本体であるイソα酸の前駆体にあたるα酸は、ホップ中のルプリン粒中に存在する。そのため、篩分けなどによって全重量中に占めるルプリン粒の比率を高めて濃縮したペレットパウダーが市販されている。

ペレットを用いる利点は、主に、ホップロット毎のα酸含有量バラつき補正することや、移送コストを削減できる点にある。また、ペレットについては、加工時に圧縮されることによりルプリンの構造が破壊されることが分かっている(非特許文献6)。

ルプリンパウダーは、例えば、−20℃〜−35℃の条件下で粉砕したホップを、0.15〜0.5mmのによって分画することにより調製することができ、この場合、篩を通った画分が目的のホップ調製物となる。ホップ調製物中に含まれるルプリン粒の濃度は、篩の目開きを調節することによって調整することができる。あるいは、一旦分画した後、篩を通った画分に、篩を通らなかった画分の一部を添加することにより、ルプリン粒の濃度を下げることもできる。また、ルプリン粒の濃度を下げるために、篩を通らなかった画分に代えて、全ホップまたはその粉砕物を添加することもできる。

一方で、ホップ形態とその添加方法による香味特徴の違い、例えば、ホップをペレットやルプリンパウダーの形態に加工することによる飲料の香味の違いについて、十分な知見が得られているとはいえない。

概要

リナロールに由来するホップ香気を十分に有するとともに雑味の増加が抑制された、IBUKI種ホップのルプリンパウダーを原料とする発酵アルコール飲料製法の提供。原料として、IBUKI種ホップのルプリンパウダーを用いて発酵アルコール飲料を製造する方法であって、前記ルプリンパウダーが、破砕された後に、前記方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了した後、かつ、発酵工程前に、その原料混合物に添加され、発酵アルコール飲料中のリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が所定の範囲に調整される、方法。なし

目的

本発明は、リナロールに由来するホップ香気を十分に有するとともに雑味の増加が抑制された、IBUKI種ホップのルプリンパウダーを原料とする発酵アルコール飲料およびその製法、ならびに発酵アルコール飲料にリナロールに由来するホップ香気を効率的に付与するとともに、雑味の増加を抑制する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

原料として、IBUKIホップルプリンパウダーを用いて発酵アルコール飲料を製造する方法であって、前記ルプリンパウダーが、破砕された後に、前記方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了した後、かつ、発酵工程前に、その原料混合物に添加され、発酵アルコール飲料中のリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノール含有量が、以下の範囲:リナロール:72〜119ppb;2−エチル−1−ヘキサノール:発酵アルコール飲料中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、ジクロロメタン溶出画分分析用試料として用い、内部標準物質としてボルネオール(Borneol)を分析用試料中25ppbになるよう添加し、以下のGCMS分析条件:を用いるGC/MS分析における、ボルネオールに対するレスポンス比として、80.8%未満に調整される、方法。

請求項2

2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、前記レスポンス比として79.2%以下に調整される、請求項1に記載の方法。

請求項3

2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、前記レスポンス比として78.2%以下に調整される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記ルプリンパウダーが、剪断力および/または圧力によって破砕される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記発酵アルコール飲料が、ビール風味発酵アルコール飲料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法によって製造される、発酵アルコール飲料。

請求項7

ビール風味発酵アルコール飲料である、請求項6に記載の発酵アルコール飲料。

請求項8

原料としてIBUKI種ホップのルプリンパウダーを用いる発酵アルコール飲料に、リナロールに由来するホップ香気を効率よく付与するとともに、雑味の増加を抑制する方法であって、前記発酵アルコール飲料の製造過程において、前記ルプリンパウダーが、破砕された後に、前記方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了した後、かつ、発酵工程前に、その原料混合物に添加され、発酵アルコール飲料中のリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、以下の範囲:リナロール:72〜119ppb;2−エチル−1−ヘキサノール:発酵アルコール飲料中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、ジクロロメタン溶出画分を分析用試料として用い、内部標準物質としてボルネオール(Borneol)を分析用試料中25ppbになるよう添加し、以下のGC/MS分析条件:を用いるGC/MS分析における、ボルネオールに対するレスポンス比として、80.8%未満に調整される、方法。

請求項9

2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、前記レスポンス比として79.2%以下に調整される、請求項8に記載の方法。

請求項10

2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、前記レスポンス比として78.2%以下に調整される、請求項8に記載の方法。

請求項11

前記ルプリンパウダーが、剪断力および/または圧力によって破砕される、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記発酵アルコール飲料が、ビール風味発酵アルコール飲料である、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、発酵アルコール飲料製法に関し、より具体的には、IBUKIホップルプリンパウダーを用いた発酵アルコール飲料の製法に関する。

背景技術

0002

ホップはビールに爽快な苦味香りを付与する。ホップに由来する香りはビールのキャラクター形成に大きな影響を与えている。香気特徴を表現する言葉として、フローラルスパイシーシトラスフルーティー、ホッピー、スパイシー、マスカット等が一般的に用いられている(非特許文献1〜5)。

0003

従来、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料の製造において、主原料として用いられるホップは、通常、収穫後に乾燥し、圧縮ペレット状に加工して低温保存され、その後に用いられている。また、ビールの苦味の本体であるイソα酸の前駆体にあたるα酸は、ホップ中のルプリン粒中に存在する。そのため、篩分けなどによって全重量中に占めるルプリン粒の比率を高めて濃縮したペレットやパウダーが市販されている。

0004

ペレットを用いる利点は、主に、ホップロット毎のα酸含有量バラつき補正することや、移送コストを削減できる点にある。また、ペレットについては、加工時に圧縮されることによりルプリンの構造が破壊されることが分かっている(非特許文献6)。

0005

ルプリンパウダーは、例えば、−20℃〜−35℃の条件下で粉砕したホップを、0.15〜0.5mmのによって分画することにより調製することができ、この場合、篩を通った画分が目的のホップ調製物となる。ホップ調製物中に含まれるルプリン粒の濃度は、篩の目開きを調節することによって調整することができる。あるいは、一旦分画した後、篩を通った画分に、篩を通らなかった画分の一部を添加することにより、ルプリン粒の濃度を下げることもできる。また、ルプリン粒の濃度を下げるために、篩を通らなかった画分に代えて、全ホップまたはその粉砕物を添加することもできる。

0006

一方で、ホップ形態とその添加方法による香味特徴の違い、例えば、ホップをペレットやルプリンパウダーの形態に加工することによる飲料の香味の違いについて、十分な知見が得られているとはいえない。

先行技術

0007

T. Kishimoto et al., J. Agric. Food Chem., 54, 8855-8861, 2006
G. T. Eyres et al., J. Agric. Food Chem., 55, 6252-6261, 2007
V. E. Peacock, et al., J. Agric. Food Chem., 28, 774-777, 1980
K. C. Lam et al., J. Agric. Food Chem, 34, 763-770, 1986
V. E. Peacock et al., J. Agric. Food Chem., 29, 1265-1269, 1981
Acta Alimentaria, Vol. 40 (2), pp. 282-290, 2011

0008

本発明者らは、複数の品種のホップについて、ホップから得られるルプリンパウダーを用いて発酵アルコール飲料を製造すると、香気成分(例えばリナロールなど)の抽出効率が低いという問題を見出した。一方で、ルプリンをペレットにして使用すると、リナロールの抽出効率は増加するものの、渋みが増加するという問題を見出した。

0009

さらに、IBUKI種ホップのルプリンパウダーについて検討したところ、このルプリンパウダーを用いて発酵アルコール飲料を製造すると、雑味が少なく爽快なホップ香気を付与することができるが、上述の通り成分の抽出効率が悪く、経済的に効率的な製法とはいえなかった。一方で、ルプリンを破砕することで成分の抽出効率を上げることができるが、雑味(収斂味、渋み様の刺激)が増加してしまうという課題が見出された。

0010

このような状況下、本発明者らは、発酵アルコール飲料の製造過程において、IBUKI種ホップのルプリンパウダーを適度に破砕した後に冷却後の発酵前液に添加することにより、リナロールに由来するホップ香気を発酵アルコール飲料に効率よく付与する一方で、発酵アルコール飲料の雑味の増加を抑制できることを見出した。また、このようなホップ香気の効率的な付与と雑味の増加の抑制のためには、発酵アルコール飲料中におけるリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの濃度を所定の範囲に調整することが好ましいことを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。

0011

従って、本発明は、リナロールに由来するホップ香気を十分に有するとともに雑味の増加が抑制された、IBUKI種ホップのルプリンパウダーを原料とする発酵アルコール飲料およびその製法、ならびに発酵アルコール飲料にリナロールに由来するホップ香気を効率的に付与するとともに、雑味の増加を抑制する方法を提供する。

0012

すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)原料として、IBUKI種ホップのルプリンパウダーを用いて発酵アルコール飲料を製造する方法であって、
前記ルプリンパウダーが、破砕された後に、前記方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了した後、かつ、発酵工程前に、その原料混合物に添加され、
発酵アルコール飲料中のリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、以下の範囲:
リナロール:72〜119ppb;
2−エチル−1−ヘキサノール:発酵アルコール飲料中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、ジクロロメタン溶出画分分析用試料として用い、内部標準物質としてボルネオール(Borneol)を分析用試料中25ppbになるよう添加し、以下のGCMS分析条件:



を用いるGC/MS分析における、ボルネオールに対するレスポンス比として、80.8%未満
に調整される、方法。
(2)2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、前記レスポンス比として79.2%以下に調整される、前記(1)に記載の方法。
(3)2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、前記レスポンス比として78.2%以下に調整される、前記(1)に記載の方法。
(4)前記ルプリンパウダーが、剪断力および/または圧力によって破砕される、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記発酵アルコール飲料が、ビール風味発酵アルコール飲料である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法によって製造される、発酵アルコール飲料。
(7)ビール風味発酵アルコール飲料である、前記(6)に記載の発酵アルコール飲料。
(8)原料としてIBUKI種ホップのルプリンパウダーを用いる発酵アルコール飲料に、リナロールに由来するホップ香気を効率よく付与するとともに、雑味の増加を抑制する方法であって、
前記発酵アルコール飲料の製造過程において、前記ルプリンパウダーが、破砕された後に、前記方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了した後、かつ、発酵工程前に、その原料混合物に添加され、
発酵アルコール飲料中のリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、以下の範囲:
リナロール:72〜119ppb;
2−エチル−1−ヘキサノール:前記(1)に記載のGC/MS分析における、ボルネオールに対するレスポンス比として、80.8%未満
に調整される、方法。
(9)2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、前記レスポンス比として79.2%以下に調整される、前記(8)に記載の方法。
(10)2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が、前記レスポンス比として78.2%以下に調整される、前記(8)に記載の方法。
(11)前記ルプリンパウダーが、剪断力および/または圧力によって破砕される、前記(8)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12)前記発酵アルコール飲料が、ビール風味発酵アルコール飲料である、前記(8)〜(11)のいずれかに記載の方法。

0013

本発明によれば、IBUKI種ホップのルプリンパウダーを原料とする発酵アルコール飲料において、リナロールに由来するホップ香気が効率よく付与されるとともに、雑味の増加が抑制される。

発明の具体的説明

0014

本発明において「発酵アルコール飲料」とは、炭素源窒素源および水などを原料として酵母により発酵させたアルコールエタノール含有飲料を意味する。本発明における発酵アルコール飲料は、好ましくはビール風味発酵アルコール飲料とされ、このビール風味発酵アルコール飲料には、例えば、原料として麦芽を使用した発酵麦芽飲料や、原料として麦芽を使用しないビール風味発酵アルコール飲料も含まれる。本発明において「発酵麦芽飲料」とは、炭素源、窒素源および水などを原料として酵母により発酵させた飲料であって、原料として少なくとも麦芽を使用した飲料を意味する。このような発酵麦芽飲料としては、ビール、発泡酒、リキュール(例えば、酒法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)などが挙げられる。

0015

本発明において「雑味」とは、収斂味または渋み様の刺激、あるいはこれらの組み合わせをいう。

0016

本明細書において、「ppb」および「ppm」は、質量/容量(w/v)の濃度を表し、それぞれ「μg/L」および「mg/L」と同義である。

0017

本発明の方法は、原料として、IBUKI種ホップのルプリンパウダーを用いて発酵アルコール飲料を製造する方法、および原料としてIBUKI種ホップのルプリンパウダーを用いる発酵アルコール飲料に、リナロールに由来するホップ香気を効率よく付与するとともに、雑味の増加を抑制する方法である。この方法では、前記ルプリンパウダーが、破砕された後に、前記方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了した後、かつ、発酵工程前に、その原料混合物に添加される。

0018

本発明に用いられるIBUKI種ホップは、麒麟麦酒株式会社によって育種されたホップであり、市販されている。本発明では、IBUKI種ホップのルプリンパウダー(ルプリン粒またはルプリン)を、破砕した後に用いる。ルプリンパウダーの破砕は、粉末を破砕することのできる公知の方法、例えば、剪断力や圧力、あるいはこれらの組み合わせを用いる方法によって行うことができる。例えば、ルプリンと水を混ぜた懸濁液を乳化分離装置(例えばバイミックブレンダー)を用いてブレンドすることにより、ルプリンパウダーを破砕することができる。

0019

本発明の方法では、上述の破砕後のルプリンパウダーは、該方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了した後、かつ、発酵工程前に、その原料混合物に添加される。これにより、ルプリンパウダーに余分な熱が加わることを回避できる。ここで用いる「加熱操作」との用語は、自然な温度変化ではなく、加熱することを目的とした人為的な操作を意味するものであり、例えば、発酵工程における酵母の生理作用による発熱などは含まない。よって、例えば、上記の加熱操作を伴う工程には、麦汁煮沸工程は含まれるが、発酵工程は含まれない。

0020

本発明の方法では、製造される発酵アルコール飲料中のリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの含有量をそれぞれ所定の範囲内となるように調整することが好ましい。そして、ルプリンパウダーの破砕の程度および破砕後のルプリンパウダーの添加量は、リナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が上記の所定の範囲に含まれるように決定することができる。このような破砕程度の調整や添加量の調整は、リナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの含有量をモニタリングすることにより、当業者であれば適切に行うことができる。

0021

発酵アルコール飲料中のリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの定量は、当業者に公知の方法、例えば、GC/MS分析により行うことができる。このGC/MS分析は、例えば、次のように実施することができる。まず、発酵アルコール飲料中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、ジクロロメタン溶出画分を分析用試料として用いる。定量は内部標準法によって行い、内部標準物質にはボルネオール(Borneol)を用い、分析用試料中25ppbになるよう添加する。GC/MSの分析条件は、後記実施例に記載の表2に従うことができる。

0022

製造される発酵アルコール飲料中のリナロールの含有量は、好ましくは72〜119ppb、より好ましくは81〜119ppbとされる。また、製造される発酵アルコール飲料中の2−エチル−1−ヘキサノールの含有量は、上述のGC/MSの分析におけるボルネオール(内部標準物質)に対するレスポンス比として、好ましくは80.8%未満、より好ましくは79.2%以下、さらに好ましくは78.2%以下とされる。2−エチル−1−ヘキサノールの含有量の下限値は特に限定されるものではないが、例えば、前記レスポンス比として60.0%、好ましくは65.7%とすることができる。

0023

本発明の一つの実施態様によれば、本発明の方法は、麦汁もしくは液糖またはこれらの混合物を用意し、発酵工程に適した温度において破砕後のルプリンパウダーを添加し、得られた混合物に酵母を添加して発酵させることにより実施することができる。

0024

本発明の方法では、米、とうもろこし、こうりゃん、馬鈴薯でんぷん、糖類(例えば、液糖)等の酒税法で定める副原料や、タンパク質分解物酵母エキス等の窒素源、香料色素起泡泡持ち向上剤水質調整剤、発酵助成剤等のその他の添加物醸造原料として使用することができる。また、未発麦類(例えば、未発芽大麦(エキス化したものを含む)、未発芽小麦(エキス化したものを含む))を醸造原料として使用してもよい。

0025

以下の実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0026

実施例においては、次のプロトコールを用いた。

0027

1.ルプリンの破砕手段と試飲サンプルの作製方法
IBUKI種ホップ(麒麟麦酒株式会社製)のルプリンと水を混ぜた懸濁液を、乳化分離装置(バイタミックスブレンダー:品番VM0111)を用いて3〜20分間破砕した。その後氷水で冷却した。ビール風味発酵アルコール飲料の製造に用いられる通常の発酵前液(麦汁および液糖を含有。麦芽比率51%)(12℃)に、破砕したルプリンを1L当たり2g(破砕処理前の重量として)になるよう添加した。そこに、ビール酵母を添加して、13℃で7日間の発酵を行なったサンプルを、試飲サンプルとした。

0028

2.GC/MS分析によるホップ香気成分の定量
発酵アルコール飲料中のリナロールおよび2−エチル−1−ヘキサノールの定量は、GC/MS分析により行った。具体的には、まず、発酵アルコール飲料中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、ジクロロメタン溶出画分を分析用試料として用いた。定量は内部標準法によって行い、内部標準物質として、ボルネオール(Borneol)を分析用試料中25ppbになるよう添加した。GC/MSの分析条件は、以下の表2に示す。

0029

0030

上記の定量の結果は、リナロールの濃度については「ppb」を単位とする数値で表し、2−エチル−1−ヘキサノールの濃度については、内部標準物質であるボルネオールのピーク面積に対する2−エチル−1−ヘキサノールのピーク面積の比(レスポンス比)の百分率で表す。

0031

3.官能評価
実施例における官能評価は、試飲サンプルの雑味(特に、収斂味および渋み様の刺激)の強度について、訓練された3名のパネルが実施した。評価は、雑味の強度に関する0〜4の5段階のスコアによって行い、具体的な評価基準は、スコア0(雑味なし)、1(雑味を僅かに感じる)、2(雑味を感じる)、3(雑味をやや強く感じる)、および4(雑味を強く感じる)とした。また、ルプリンパウダーの破砕処理をしていないサンプルのスコアを0とし、20分間の破砕処理をしたサンプルのスコアを3とした。官能評価結果は、各パネルが付けたスコアの平均値±標準偏差を算出して示した。

0032

実施例1:破砕による香気抽出効率向上の検証
ルプリン破砕によるホップ香気と雑味の変化を明らかにするため、ルプリン破砕あり(処理時間20分)となし(処理時間0分)のルプリン懸濁液をそれぞれ添加した試飲サンプルを作製し、それぞれのサンプルのホップ香気分析と雑味の官能評価試験を行った。ホップ香気はリナロール含有量を指標とし、GC/MS分析により定量した。結果を以下の表3に示す。

0033

0034

表3からわかるように、ルプリン破砕によってリナロールに代表されるホップ香気成分の濃度を1.6倍に上昇させることができた。一方で、破砕により雑味(収斂味、渋み様の刺激)が明らかに増加した。

0035

実施例2:雑味を低減しうる破砕処理条件の検討
ルプリン破砕時間を制御することで、香気付与効率を上げても雑味を抑制することが可能か否かを調べるため、破砕処理時間を0〜20分とする複数の試飲サンプルを作製し、それぞれのサンプルについて、リナロール含有量および2−エチル−1−ヘキサノール含有量の定量、ならびに雑味の官能評価試験を行った。結果を以下の表4に示す。

0036

0037

表4からわかるように、雑味強度は破砕時間が長くなるほど増加した。また、雑味強度と相関して2−エチル−1−ヘキサノールの含有量が増加することが明らかになった。そして、雑味が少なく、爽快なホップ香気を付与するための2−エチル−1−ヘキサノールの濃度範囲は、内部標準物質であるボルネオールに対するレスポンス比として、80.8%未満、好ましくは79.2%以下、さらに好ましくは78.2%以下であると考えられた。

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