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技術 超音波診断装置及びプログラム

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 内藤達也西垣森緒
出願日 2019年10月4日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2019-183405
公開日 2021年4月15日 (6ヶ月経過) 公開番号 2021-058298
状態 未査定
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 速度弁 境界成分 ノイズカットフィルタ 演算処理器 位相差ベクトル 成分フィルタ 反射信号成分 タッチ操作情報
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図面 (8)

課題

簡単な装置構成で、超音波画像データ多重反射成分を抑制することである。

解決手段

超音波診断装置100は、超音波送受信する超音波探触子2から得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部14と、生成された超音波画像データから超音波の音線方向に垂直な輝度値境界成分を抽出する境界線抽出部15cと、抽出された境界成分の速度が、境界成分の周囲の組織成分の速度に比べて略整数倍の多重反射成分を、生成された超音波画像データから抽出し、抽出した多重反射成分を超音波画像データから抑制して多重反射成分抑制画像データを生成する制御部18と、を備える。

概要

背景

超音波診断は、超音波探触子患者の被検体体表又は体腔内から当てるという簡単な操作で心臓胎児の様子が超音波画像として得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行うことができる。このような超音波診断を行うために用いられる超音波診断装置が知られている。超音波画像データは、圧電素子を有する超音波探触子から超音波が被検体に送信され、反射した超音波を超音波探触子が受信し、その受信した信号に様々な処理を行うことで得られる。

超音波画像データには、超音波の多重反射により、実際の被検体の像とは異なる虚像が含まれることがある。多重反射は、超音波探触子から出射された超音波が、被検体内若しくは超音波探触子の表面の2つの境界面の間を複数回反射する現象である。超音波画像において多重反射は、画像診断において妨げになる。特に、体動組織が動くときに、多重エコーによる像は周囲のエコーと異なる動きをするために目障りになることがある。

このため、プローブ(超音波探触子)を超音波の送波方向に移動させることにより、得られる単反射信号成分変位量と多重反射信号成分の変位量との差から、多重反射信号成分を効果的に低減する超音波診断装置が知られている(特許文献1参照)。

概要

簡単な装置構成で、超音波画像データの多重反射成分を抑制することである。超音波診断装置100は、超音波を送受信する超音波探触子2から得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部14と、生成された超音波画像データから超音波の音線方向に垂直な輝度値境界成分を抽出する境界線抽出部15cと、抽出された境界成分の速度が、境界成分の周囲の組織成分の速度に比べて略整数倍の多重反射成分を、生成された超音波画像データから抽出し、抽出した多重反射成分を超音波画像データから抑制して多重反射成分抑制画像データを生成する制御部18と、を備える。

目的

本発明の課題は、簡単な装置構成で、超音波画像データの多重反射成分を抑制することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

音波送受信する超音波探触子から得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部と、前記生成された超音波画像データから前記超音波の音線方向に垂直な輝度値境界成分を抽出する抽出部と、前記抽出された境界成分の速度が、当該境界成分の周囲の組織成分の速度に比べて略整数倍多重反射成分を前記生成された超音波画像データから抽出し、当該抽出した多重反射成分を当該超音波画像データから抑制して多重反射成分抑制画像データを生成する抑制部と、を備える超音波診断装置

請求項2

前記境界成分の周囲の組織成分の速度を取得し、前記境界成分の速度を取得する速度取得部を備える請求項1に記載の超音波診断装置。

請求項3

前記速度取得部は、時間差をおいた複数フレームの前記生成された超音波画像データの相関をとることにより前記組織成分の速度を取得する請求項2に記載の超音波診断装置。

請求項4

前記速度取得部は、組織ドプラ法により前記生成された超音波画像データの前記組織成分の速度を取得する請求項2に記載の超音波診断装置。

請求項5

前記速度取得部は、時間差をおいた複数フレームの前記生成された超音波画像データの相関をとることにより前記境界成分の速度を取得する請求項2から4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項6

前記抑制部は、前記抽出した多重反射成分を含む領域を当該領域の周囲の輝度値に合わせることにより、当該多重反射成分を前記超音波画像データから抑制する請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項7

前記抑制部は、前記抽出した多重反射成分を含む領域と同じ位置の切出領域に境界成分が乗っていない超音波画像データから当該切出領域を切り出し、前記生成された超音波画像データの境界線成分の領域を除去して切出領域を貼る請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項8

前記抑制部は、スムージングフィルターを用いて前記抽出した多重反射成分を含む領域をフィルタリングする請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項9

前記抽出部は、前記生成された超音波画像データからミラー対称となるミラー成分を有する前記超音波の音線方向に垂直な輝度値の境界成分であるミラー成分を抽出し、前記抑制部は、前記抽出されたミラー成分によりミラー対象となっている多重反射成分を前記生成された超音波画像データから抽出し、当該抽出した多重反射成分を当該超音波画像データ又は前記多重反射成分抑制画像データから抑制する請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項10

前記生成された超音波画像データと、前記生成された多重反射成分抑制画像データと、を表示部に表示する制御部を備える請求項1から9のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項11

前記制御部は、前記生成された超音波画像データと、前記生成された多重反射成分抑制画像データと、を並べて一画面上に表示する請求項10に記載の超音波診断装置。

請求項12

前記制御部は、前記表示された超音波画像データ又は多重反射成分抑制画像データの選択入力に応じて、選択された超音波画像データ又は多重反射成分抑制画像データを表示する請求項10又は11に記載の超音波診断装置。

請求項13

超音波を送受信する超音波探触子から得られた受信信号にFFTを行うFFT処理部と、前記FFTが行われた受信信号の所定の周波数以上の高い周波数の成分を除去する除去部と、前記高い周波数の成分が除去された受信信号に逆FFTを行う逆FFT処理部と、前記逆FFTが行われた受信信号に基づいて多重反射成分抑制画像データを生成する抑制部と、を備える超音波診断装置。

請求項14

前記生成された多重反射成分抑制画像データからミラー対称となるミラー成分を有する前記超音波の音線方向に垂直な輝度値の境界成分であるミラー成分を抽出する抽出部と、前記抽出されたミラー成分によりミラー対象となっている多重反射成分を前記多重反射成分抑制画像データから抽出し、当該抽出した多重反射成分を当該多重反射成分抑制画像データから抑制する抑制部と、を備える請求項13に記載の超音波診断装置。

請求項15

前記超音波探触子から得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部と、前記生成された超音波画像データと、前記生成された多重反射成分抑制画像データと、を表示部に表示する制御部と、を備える請求項13又は14に記載の超音波診断装置。

請求項16

前記制御部は、前記生成された超音波画像データと、前記生成された多重反射成分抑制画像データと、を並べて一画面上に表示する請求項15に記載の超音波診断装置。

請求項17

前記制御部は、前記表示された超音波画像データ又は多重反射成分抑制画像データの選択入力に応じて、選択された超音波画像データ又は多重反射成分抑制画像データを表示する請求項15又は16に記載の超音波診断装置。

請求項18

コンピューターを、超音波を送受信する超音波探触子から得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部、前記生成された超音波画像データから前記超音波の音線方向に垂直な輝度値の境界成分を抽出する抽出部、前記抽出された境界成分の速度が、当該境界成分の周囲の組織成分の速度に比べて略整数倍の多重反射成分を前記生成された超音波画像データから抽出し、当該抽出した多重反射成分を当該超音波画像データから抑制して多重反射成分抑制画像データを生成する抑制部、として機能させるためのプログラム

請求項19

コンピューターを、超音波を送受信する超音波探触子から得られた受信信号にFFTを行うFFT処理部、前記FFTが行われた受信信号の所定の周波数以上の高い周波数の成分を除去する除去部、前記高い周波数の成分が除去された受信信号に逆FFTを行う逆FFT処理部、前記逆FFTが行われた受信信号に基づいて多重反射成分抑制画像データを生成する抑制部、として機能させるためのプログラム。

技術分野

0001

本発明は、超音波診断装置及びプログラムに関する。

背景技術

0002

超音波診断は、超音波探触子患者の被検体体表又は体腔内から当てるという簡単な操作で心臓胎児の様子が超音波画像として得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行うことができる。このような超音波診断を行うために用いられる超音波診断装置が知られている。超音波画像データは、圧電素子を有する超音波探触子から超音波が被検体に送信され、反射した超音波を超音波探触子が受信し、その受信した信号に様々な処理を行うことで得られる。

0003

超音波画像データには、超音波の多重反射により、実際の被検体の像とは異なる虚像が含まれることがある。多重反射は、超音波探触子から出射された超音波が、被検体内若しくは超音波探触子の表面の2つの境界面の間を複数回反射する現象である。超音波画像において多重反射は、画像診断において妨げになる。特に、体動組織が動くときに、多重エコーによる像は周囲のエコーと異なる動きをするために目障りになることがある。

0004

このため、プローブ(超音波探触子)を超音波の送波方向に移動させることにより、得られる単反射信号成分変位量と多重反射信号成分の変位量との差から、多重反射信号成分を効果的に低減する超音波診断装置が知られている(特許文献1参照)。

先行技術

0005

特開平3−114451号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1の超音波診断装置では、超音波探触子の振動子(圧電素子)を移動させるための移動装置が必要であり、装置構成が大掛かりで複雑となっていた。

0007

本発明の課題は、簡単な装置構成で、超音波画像データの多重反射成分を抑制することである。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の超音波診断装置は、
超音波を送受信する超音波探触子から得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記生成された超音波画像データから前記超音波の音線方向に垂直な輝度値境界成分を抽出する抽出部と、
前記抽出された境界成分の速度が、当該境界成分の周囲の組織成分の速度に比べて略整数倍の多重反射成分を前記生成された超音波画像データから抽出し、当該抽出した多重反射成分を当該超音波画像データから抑制して多重反射成分抑制画像データを生成する抑制部と、を備える。

0009

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記境界成分の周囲の組織成分の速度を取得し、前記境界成分の速度を取得する速度取得部を備える。

0010

請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記速度取得部は、時間差をおいた複数フレームの前記生成された超音波画像データの相関をとることにより前記組織成分の速度を取得する。

0011

請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記速度取得部は、組織ドプラ法により前記生成された超音波画像データの前記組織成分の速度を取得する。

0012

請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記速度取得部は、時間差をおいた複数フレームの前記生成された超音波画像データの相関をとることにより前記境界成分の速度を取得する。

0013

請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記抑制部は、前記抽出した多重反射成分を含む領域を当該領域の周囲の輝度値に合わせることにより、当該多重反射成分を前記超音波画像データから抑制する。

0014

請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記抑制部は、前記抽出した多重反射成分を含む領域と同じ位置の切出領域に境界成分が乗っていない超音波画像データから当該切出領域を切り出し、前記生成された超音波画像データの境界線成分の領域を除去して切出領域を貼る。

0015

請求項8に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記抑制部は、スムージングフィルターを用いて前記抽出した多重反射成分を含む領域をフィルタリングする。

0016

請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記抽出部は、前記生成された超音波画像データからミラー対称となるミラー成分を有する前記超音波の音線方向に垂直な輝度値の境界成分であるミラー成分を抽出し、
前記抑制部は、前記抽出されたミラー成分によりミラー対象となっている多重反射成分を前記生成された超音波画像データから抽出し、当該抽出した多重反射成分を当該超音波画像データ又は前記多重反射成分抑制画像データから抑制する。

0017

請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記生成された超音波画像データと、前記生成された多重反射成分抑制画像データと、を表示部に表示する制御部を備える。

0018

請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、前記生成された超音波画像データと、前記生成された多重反射成分抑制画像データと、を並べて一画面上に表示する。

0019

請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、前記表示された超音波画像データ又は多重反射成分抑制画像データの選択入力に応じて、選択された超音波画像データ又は多重反射成分抑制画像データを表示する。

0020

請求項13に記載の発明の超音波診断装置は、
超音波を送受信する超音波探触子から得られた受信信号にFFTを行うFFT処理部と、
前記FFTが行われた受信信号の所定の周波数以上の高い周波数の成分を除去する除去部と、
前記高い周波数の成分が除去された受信信号に逆FFTを行う逆FFT処理部と、
前記逆FFTが行われた受信信号に基づいて多重反射成分抑制画像データを生成する抑制部と、を備える。

0021

請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の超音波診断装置において、
前記生成された多重反射成分抑制画像データからミラー対称となるミラー成分を有する前記超音波の音線方向に垂直な輝度値の境界成分であるミラー成分を抽出する抽出部と、
前記抽出されたミラー成分によりミラー対象となっている多重反射成分を前記多重反射成分抑制画像データから抽出し、当該抽出した多重反射成分を当該多重反射成分抑制画像データから抑制する抑制部と、を備える。

0022

請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載の超音波診断装置において、
前記超音波探触子から得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記生成された超音波画像データと、前記生成された多重反射成分抑制画像データと、を表示部に表示する制御部と、を備える。

0023

請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、前記生成された超音波画像データと、前記生成された多重反射成分抑制画像データと、を並べて一画面上に表示する。

0024

請求項17記載の発明は、請求項15又は16に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、前記表示された超音波画像データ又は多重反射成分抑制画像データの選択入力に応じて、選択された超音波画像データ又は多重反射成分抑制画像データを表示する。

0025

請求項18に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
超音波を送受信する超音波探触子から得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部、
前記生成された超音波画像データから前記超音波の音線方向に垂直な輝度値の境界成分を抽出する抽出部、
前記抽出された境界成分の速度が、当該境界成分の周囲の組織成分の速度に比べて略整数倍の多重反射成分を前記生成された超音波画像データから抽出し、当該抽出した多重反射成分を当該超音波画像データから抑制して多重反射成分抑制画像データを生成する抑制部、
として機能させる。

0026

請求項19に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
超音波を送受信する超音波探触子から得られた受信信号にFFTを行うFFT処理部、
前記FFTが行われた受信信号の所定の周波数以上の高い周波数の成分を除去する除去部、
前記高い周波数の成分が除去された受信信号に逆FFTを行う逆FFT処理部、
前記逆FFTが行われた受信信号に基づいて多重反射成分抑制画像データを生成する抑制部、
として機能させる。

発明の効果

0027

本発明によれば、簡単な装置構成で、超音波画像データの多重反射成分を抑制できる。

図面の簡単な説明

0028

本発明の実施の形態の超音波診断装置の外観図である。
超音波診断装置の機能構成を示すブロック図である。
水中にチューブを入れた被検体を模擬した実験系を示す図である。
水中にチューブ及びアルミ箔を入れた被検体を模擬した実験系における第1の多重反射成分を示す図である。
水中にチューブ及びアルミ箔を入れた被検体を模擬した実験系における第2の多重反射成分を示す図である。
超音波画像表示処理を示すフローチャートである。
画像選択画面を示す図である。

実施例

0029

本願発明者らは、種々の超音波診断装置における多重反射の原因分析を行う過程で、多重反射のメカニズムを見出し、以下の発明に至った。
添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。

0030

まず、図1及び図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態の超音波診断装置100の外観図である。図2は、超音波診断装置100の機能構成を示すブロック図である。

0031

図1及び図2に示すように、本実施の形態の超音波診断装置100は、超音波診断装置本体1と、超音波探触子2と、を備える。超音波探触子2は、図示しない患者の生体などの被検体に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体で反射した超音波の反射波反射超音波:エコー)を受信する。超音波診断装置本体1は、ケーブル3を介して、超音波探触子2と接続され、超音波探触子2に電気信号駆動信号を送信することによって被検体に対して送信超音波を送信させるとともに、超音波探触子2にて受信した被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子2で生成された電気信号である受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像として画像化する。

0032

超音波探触子2は、圧電素子からなる振動子を備えており、この振動子は、例えば、方位方向走査方向)に一次元アレイ状に複数配列されている。本実施の形態では、例えば、192個の振動子を備えた超音波探触子2を用いている。なお、振動子は、二次元アレイ状に配列されたものであってもよい。また、振動子の個数は、任意に設定することができる。また、本実施の形態では、超音波探触子2について、リニア走査方式の電子スキャンプローブを採用するが、リニア走査方式、セクタ走査方式あるいはコンベックス走査方式の何れの方式を採用することもできる。また電子走査方式あるいは機械操作方式のいずれも原理的には用いることができるが、電子走査式において好適である。

0033

図2に示すように、超音波診断装置本体1は、例えば、操作入力部11と、送信部12と、受信部13と、画像生成部14と、画像処理部15と、表示制御部16と、表示部17と、抑制部、制御部としての制御部18と、記憶部19と、を備える。

0034

操作入力部11は、例えば、診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報などのデータの入力などを行うための各種スイッチ、各種キーハードキー)、トラックボールマウスキーボードなどを備え、医師技師などの操作者からの操作入力に応じた操作信号を制御部18に出力する。なお、操作入力部11は、表示部17の表示画面上に形成されたタッチパネルを含み、操作者からのタッチ操作受け付けタッチ操作情報を制御部18に出力する構成としてもよい。

0035

送信部12は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2にケーブル3を介して電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子2に送信超音波を発生させる回路である。また、送信部12は、例えば、クロック発生回路遅延回路パルス発生回路、若しくはそれらの機能を持つ演算回路を備えている。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミング送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、駆動信号の送信タイミングを振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させて送信超音波によって構成される送信ビーム集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。上述のように構成された送信部12は、例えば、超音波探触子2に配列された複数(例えば、192個)の振動子のうちの連続する一部(例えば、64個)を駆動して送信超音波を発生させる。

0036

受信部13は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2からケーブル3を介して電気信号である受信信号を受信する回路である。受信部13は、例えば、増幅器、A/D変換回路整相加算回路を備えている。増幅器は、受信信号を、振動子毎に対応した個別経路毎に、予め設定された増幅率増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をA/D変換するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算整相加算)して音線データを生成するための回路である。

0037

画像生成部14は、制御部18の制御に従って、受信部13からの音線データに対して包絡線検波処理やログ圧縮などを実施し、ダイナミックレンジゲインの調整を行って輝度変換することにより、断層画像データとしてのBモード画像データを生成する。すなわち、Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。2次元断層像を得るために、送受信に用いる開口の位置を少しずつずらす。

0038

また、画像生成部14は、受信部13からの音線データに基づき、TDI(Tissue Doppler Imaging:組織ドプラ法)により、組織ドプラ画像データを生成する機能を有するものとする。組織ドプラ法は、従来は血流計測に用いられていたカラードプラ法を被検体の心筋壁などの組織に応用することにより,非侵襲的心筋速度などの体動としての組織の速度を計測する方法である。より具体的には、組織ドプラ法は、カラードプラ法と同様に、被検体の同じ位置に複数回超音波を当てて、その反射波の周波数差により、被検体の組織の速度を検出し、被検体の速度を色で表現した断層画像データとしての組織ドプラ画像データを生成する。

0039

画像生成部14は、位相検波部、データ並び替え制御部、不要成分フィルター、相関演算部、データ演算部、ノイズカットフィルター、フレームフィルター、組織ドプラ画像演算部を有し、制御部18の制御に従って、受信部13から入力された組織ドプラモードの音線データから、組織ドプラ画像データを生成して、画像処理部15に出力する。位相検波部は、受信部13から入力された組織ドプラモードの音線データを位相検波して組織ドプラの複素ドプラ信号に変換する。データ並び替え制御部は、組織ドプラの複素ドプラ信号を超音波の送受信の繰り返し回数アンサンブル数)のアンサンブル方向に配列する。相関演算部は、不要成分が除去された組織ドプラの複素ドプラ信号の自己相関演算平均値位相差ベクトルの平均値)の実部及び虚部を算出する。データ演算部は、組織の各部位における移動速度や方向を算出し、組織ドプラによる速度や移動方向データを生成する。組織ドプラ画像演算部は、組織の各部位における速度や移動方向を反映した着色を行ない、画面に表示する。

0040

なお、画像生成部14は、Bモード画像データ、組織ドプラ画像データ、組織ドプラによる速度や移動方向データの他、A(Amplitude)モード画像データ、M(Motion)モード画像データ、カラードプラ法による画像データなどが生成できるものであってもよい。

0041

画像処理部15は、制御部18の制御に従って、画像生成部14から出力されたBモード画像データ、組織ドプラ画像データに対して情報処理を施す。画像処理部15は、画像メモリー部15aと、速度取得部15bと、抽出部としての境界線抽出部15cと、多重反射同定部15dと、を有する。画像メモリー部15aは、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーによって構成され、画像生成部14から出力されたBモード画像データ、組織ドプラ画像データをフレーム単位で一時的に記憶する。画像処理部15は、画像メモリー部15aに記憶する。画像メモリー部15aに記憶されたBモード画像データは、制御部18の制御に従って、表示制御部16に送信される。

0042

速度取得部15bは、制御部18の制御に従って、画像メモリー部15aに記憶されたBモード画像データから、被検体の組織の境界線の速度を算出して取得し、画像メモリー部15aに記憶された組織ドプラ画像データから、被検体の組織の速度を取得する。境界線抽出部15cは、制御部18の制御に従って、画像メモリー部15aに記憶されたBモード画像データから、輝度差に応じた境界線を抽出する。多重反射同定部15dは、制御部18の制御に従って、境界線抽出部15cにより抽出された境界線のうち、速度取得部15bに取得された境界線の速度が、被検体の組織の速度の略整数倍である境界線を選択して多重反射成分と同定する。

0043

表示制御部16は、制御部18の制御に従って、画像処理部15より受信したBモード画像データに座標変換などを施して表示部17用の画像信号に変換して表示部17に出力する。

0044

表示部17は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイ無機ELティスプレイ及びプラズマディスプレイなどの表示装置が適用可能である。表示部17は、制御部18からの表示制御情報、又は表示制御部16から出力された画像信号に従って表示画面上に画像の表示を行う。

0045

制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、ROMに記憶されているシステムプログラムなどの各種処理プログラム読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って超音波診断装置100の各部の動作を集中制御する。ROMは、半導体などの不揮発メモリーなどにより構成され、超音波診断装置100に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な、例えば、後述する超音波画像表示処理を実行するための超音波画像表示プログラムなどの各種処理プログラムや、ガンマテーブルなどの各種データなどを記憶する。これらのプログラムは、コンピューターが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。

0046

記憶部19は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの大容量記録媒体によって構成されており、超音波画像データなどを記憶する。

0047

超音波診断装置100が備える各部について、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能は、集積回路などのハードウェア回路として実現することができる。集積回路とは、例えばLSI(Large Scale Integration)であり、LSIは集積度の違いにより、IC(IntegratedCircuit)、システムLSIスーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサーを利用してもよい。また、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能をソフトウェアにより実行するようにしてもよい。この場合、このソフトウェアは一つ又はそれ以上のROMなどの記憶媒体光ディスク、又はハードディスクなどに記憶されており、このソフトウェアが演算処理器により実行される。

0048

つぎに、図3図7を参照して、超音波診断装置100の動作を説明する。まず、図3図5を参照して、超音波画像中の多重反射成分について説明する。図3は、水中にチューブを入れた被検体を模擬した実験系を示す図である。図4は、水4中にチューブ5及びアルミ箔6を入れた被検体を模擬した実験系における多重反射成分7を示す図である。図5は、水4中にチューブ5及びアルミ箔6を入れた被検体を模擬した実験系における多重反射成分8を示す図である。

0049

超音波画像データ(ここでは、Bモード画像データ)の画像中に現れる多重反射成分(多重反射像)は、画像診断の妨げになることがある。特に、頸動脈などを観察しているときに多重反射の影響が出ることがある。そこで、この多重反射の発生原因調査するために、以下の実験を行った。

0050

図3に示すように、まず血管を模擬した筒状のチューブ5を用意して、水4で満たした容器(図示略)の中に入れる。なお、チューブ5内は水で満たす。この状態で、超音波診断装置100を用いて、水4の水面に超音波探触子2のヘッド部の少なくとも先端部(超音波出射部)を浸けて、Bモード画像データを生成、表示して、チューブ5内を観察する。超音波探触子2とチューブ5間の距離が、チューブ5の太さよりも離れている場合、チューブ5内に特に反射体らしきものは見られない。この時、チューブ5の下方にはチューブ5の多重反射は見られる。

0051

そして、図3の状態の容器に、筋膜を模擬したアルミ箔6を用意して、水4中に浸け、チューブ5の上方に設置する。超音波診断装置100を用いて、この容器内の様子をBモード画像データで観察すると、アルミ箔6の反射体らしき虚像が見える。図3ではチューブ5内にはBモード画像に何も見られなかったため、この虚像は、多重反射像(多重反射成分)であると考えられる。

0052

そして、超音波探触子2を静止して容器のステージを下方に下げるとチューブ5内に見られた虚像は、2つの成分(図4に示す多重反射成分7、図5に示す多重反射成分8)に切り分けられることがわかった。超音波探触子2は、ステージの下げに応じて下がらない。また、アルミ箔6とチューブ5との位置関係によっては、チューブ5内に多重反射が現れるものもあるし、チューブ5外に多重反射が現れるものもある。1つ目の多重反射成分7は「ステージを下げる速度と同じ速度で変位する成分」で、もう一つの多重反射成分8は「ステージを下げる速度の2倍の速度で変位する成分」である。

0053

図4に示すように、多重反射成分7は、チューブ5の前壁に対してミラー対称となる。つまり、超音波探触子2の超音波の音線方向において、チューブ5の前壁に対するアルミ箔6の距離d1と、チューブ5の前壁に対する多重反射成分7の距離d2とは、等しくなる。図4において、超音波探触子2から出射される超音波を矢印破線で示し、図5でも同様とする。

0054

図5に示すように、多重反射成分8は、アルミ箔6と超音波探触子2との間による多重反射になる。超音波探触子2の音線方向において、超音波探触子2の先端面(超音波出射面)に対するアルミ箔6の距離d3と、アルミ箔6に対する多重反射成分8の距離d4とは、等しくなる。このように、多重反射成分8は、超音波探触子2とチューブ5の前壁又はアルミ箔6との距離の2倍の位置に見られることが特徴である。多重反射成分8は、被検体の生体内でのエコーの反射によるものになり、本実施の形態での主としての抑制対象とする。

0055

このように、生体内でみられる多重反射成分は、多重反射成分7,8の2つに切り分けることができる。上記の実験については、多重反射成分8が、超音波探触子2に対するステージ(アルミ箔6)の速度の2倍の速度の多重反射成分であることについて説明したが、超音波探触子2−被検体(アルミ箔6)間の反射の回数によっては、速度が略整数倍になる。ここで、速度の略整数倍の許容範囲としては、速度の整数倍±10%以内であるとする。また、多重反射成分8の特徴として、多重反射成分の輪郭が、筋膜(アルミ箔6)や、頸動脈(チューブ5)の壁と垂直になるという特徴があげられる。ここで、垂直とは、超音波探触子2の音線方向に対して、例えば45〜135°の角度とする。この範囲の角度以外の多重反射成分は、Bモード画像上で目立たないため、抑制対象としないものとする。

0056

ついで、図6及び図7を参照して、超音波診断装置100で実行される超音波画像表示処理を説明する。図6は、超音波画像表示処理を示すフローチャートである。図7は、画像選択画面170を示す図である。

0057

超音波画像表示処理は、Bモード画像データ、又はBモード画像データから多重反射成分を抑制した多重反射成分抑制画像データを選択して、ライブの超音波画像として表示する処理である。あらかじめ、医師、技師などの操作者により、超音波診断装置100を用いて、患者などの被検体に超音波探触子2が当てられる状態にされているものとする。

0058

超音波診断装置100において、例えば、操作入力部11を介して、超音波画像表示処理の実行指示が入力されたことをトリガーとして、制御部18は、ROMに記憶された超音波画像表示プログラムに従い、超音波画像表示処理を実行する。

0059

図6に示すように、まず、制御部18は、送信部12に、同一の(生成)時刻の通常のBモード画像データ生成用の送信信号と組織ドプラによる速度や移動方向データ生成用の送信信号を生成させて、超音波探触子2に超音波を送受信させ、受信部13により受信信号から音線データを生成させ、画像生成部14に、音線データから1フレームの通常のBモード画像データ及び組織ドプラによる速度や移動方向データを生成させ、画像処理部15により、画像メモリー部15aに記憶させる(ステップS11)。

0060

そして、制御部18は、境界線抽出部15cにより、ステップS11で記憶された通常のBモード画像データの画像の輝度が例えば所定値上の高い部分と当該所定値未満の低い部分との境界の境界線を抽出する(ステップS12)。そして、制御部18は、境界線抽出部15cにより、ステップS12で抽出された境界線のうち、超音波の音線方向に垂直(例えば音線方向から45〜135°の角度)な境界線成分を多重反射成分の候補として抽出する(ステップS13)。

0061

そして、制御部18は、速度取得部15bにより、ステップS13で境界線成分が抽出されたBモード画像データと(生成)時刻が異なる(前後の)Bモード画像データを読み出し、ステップS13で境界線成分が抽出されたBモード画像データとの相関をとることで、境界線成分の時刻差あたりの移動量から当該境界線成分の速度を算出して取得し、ステップS13で境界線成分が抽出されたBモード画像データと時刻が同じ組織ドプラによる速度や移動方向データを読み出し、抽出された境界線成分の周囲の組織の速度を取得する(ステップS14)。そして、制御部18は、多重反射同定部15dにより、ステップS14で算出された境界線成分の速度が、当該境界線成分の周囲の組織の速度の略整数倍(例えば整数倍±10%以内)である境界線成分の領域を多重反射成分として選択する(ステップS15)。

0062

そして、制御部18は、ステップS15で選択された境界線成分の領域の多重反射成分を抑制する処理を行う(ステップS16)。ステップS16では、制御部18は、境界線成分の領域における境界線成分の輝度値を周囲の組織の輝度値に合わせて下げる画像処理をBモード画像データに施して多重反射成分抑制画像データを生成する。制御部18は、ステップS16で生成された多重反射成分抑制画像データの多重反射成分抑制画像と、ステップS11で生成されたBモード画像データのBモード画像とを並べた画像選択画面を生成して表示部17に表示する(ステップS17)。ステップS17では、例えば、図7に示す画像選択画面170が表示される。画像選択画面170は、多重反射成分抑制画像表示領域171と、Bモード画像表示領域172と、OKボタン173と、NGボタン174と、を有する。多重反射成分抑制画像表示領域171とBモード画像表示領域172とは、横方向に並べられているが、並べる方向は、縦方向など、他の方向としてもよい。また、抑制のOKボタン173or抑制のNGボタン174のようなボタンでなくとも、多重反射成分抑制ありor多重反射成分抑制無しのそれぞれの超音波画像を直接選択できるようにしてもよい。

0063

ステップS17において、制御部18は、最新の多重反射成分抑制画像データの多重反射成分抑制画像を多重反射成分抑制画像表示領域171に表示させ、同一の(生成)時刻のBモード画像データのBモード画像を画像メモリー部15aから読み出してBモード画像表示領域172に表示させる。なお、操作入力部11を介して操作者から多重反射成分抑制画像表示領域171のクリック入力がされたときに、多重反射成分抑制画像が全画面表示され、操作入力部11を介して操作者からBモード画像表示領域172のクリック入力がされたとき、Bモード画像が全画面表示される構成としてもよい。

0064

OKボタン173は、多重反射成分抑制画像表示選択の入力を受け付けるボタンである。NGボタン174は、多重反射成分抑制画像表示を選択せず、通常のBモード画像表示選択の入力を受け付けるボタンである。

0065

そして、制御部18は、操作入力部11を介して、操作者から、OKボタン173又はNGボタン174のクリック入力があり、多重反射成分抑制画像又はBモード画像の画像選択入力があるか否かを判別する(ステップS18)。画像選択入力がない場合(ステップS18;NO)、ステップS11に移行される。

0066

画像選択入力がある場合(ステップS18;YES)、制御部18は、ステップS18の画像選択入力が、多重反射成分抑制画像の選択であるか否かを判別する(ステップS19)。多重反射成分抑制画像の選択である場合(ステップS19;YES)、制御部18は、多重反射成分抑制画像データを生成して表示する多重反射成分抑制画像データ表示処理を行い(ステップS20)、超音波画像表示処理を終了する。ステップS20では、制御部18は、ステップS11〜S16と同様にして多重反射成分抑制画像データを生成し、生成した多重反射成分抑制画像データの多重反射成分抑制画像を表示部17に全画面表示することを繰り返してライブ表示する。

0067

Bモード画像の選択である場合(ステップS19;NO)、制御部18は、通常のBモード画像データを生成して表示するBモード画像データ表示処理を行い(ステップS21)、超音波画像表示処理を終了する。ステップS21では、制御部18は、ステップS11と同様にしてBモード画像データを生成し、生成したBモード画像データのBモード画像を表示部17に全画面表示することを繰り返してライブ表示する。ステップS20,S21において、例えば、操作入力部11を介してフリーズ指示が入力されると、フリーズされた多重反射成分抑制画像データ又はBモード画像データ及びそのシネデータを表示、保存するフリーズ処理が実行されて多重反射成分抑制画像データ表示処理が終了する。また、操作者があらかじめ設定をしておけば、多重反射成分抑制の有無を常時表示できることとしてもよい。

0068

以上、本実施の形態によれば、超音波診断装置100は、超音波を送受信する超音波探触子2から得られた受信信号に基づいてBモード画像データを生成する画像生成部14と、生成されたBモード画像データから超音波の音線方向に垂直な輝度値の境界線成分を抽出する境界線抽出部15cと、抽出された境界線成分の速度が、境界線成分の周囲の組織成分の速度に比べて略整数倍の多重反射成分を、生成されたBモード画像データから抽出し、抽出した多重反射成分をBモード画像データから抑制して多重反射成分抑制画像データを生成する制御部18と、を備える。このため、超音波探触子2を移動させる装置が不要な簡単な装置構成で、Bモード画像データの多重反射成分を抑制できる。

0069

また、超音波診断装置100は、境界線成分の周囲の組織成分の速度を取得し、境界線成分の速度を取得する速度取得部15bを備える。速度取得部15bは、組織ドプラ法により、生成されたBモード画像データの組織成分の速度を取得する。このため、境界線成分の周囲の組織成分の速度を容易かつ確実に取得できる。

0070

また、速度取得部15bは、時間差をおいた複数フレーム(2フレーム)の、生成されたBモード画像データの相関をとることにより境界線成分の速度を取得する。このため、境界線成分の速度を容易かつ確実に取得できる。

0071

また、制御部18は、生成されたBモード画像データと、生成された多重反射成分抑制画像データと、を表示部に表示する。このため、表示された多重反射成分が抑制前のBモード画像と、多重反射成分の抑制御の多重反射成分抑制画像と、を視覚的に確認できる。

0072

また、制御部18は、生成されたBモード画像データと、生成された多重反射成分抑制画像データと、を並べて画像選択画面170の一画面上に表示する。このため、表示された多重反射成分の抑制前のBモード画像と、多重反射成分の抑制御の多重反射成分抑制画像と、を視覚的に容易に比べることができる。

0073

また、制御部18は、表示されたBモード画像データ又は多重反射成分抑制画像データの選択入力に応じて、選択されたBモード画像データ又は多重反射成分抑制画像データを表示する。このため、Bモード画像データと多重反射成分抑制画像データとのいずれかを容易に選択して表示でき、多重反射成分抑制が好ましくない場合にも、Bモード画像データを表示できる。

0074

また、制御部18は、抽出した多重反射成分の領域を当該領域の周囲の輝度値に合わせるように下げることにより、多重反射成分をBモード画像データから抑制する。このため、容易かつ確実に多重反射成分をBモード画像データから抑制できる。

0075

なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る好適な超音波診断装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。

0076

また、上記実施の形態では、図6のステップS14において、制御部18が、組織ドプラ画像データから、境界線成分の周囲の組織成分の速度を取得する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、制御部18が、境界線成分が抽出されたBモード画像データと、画像メモリー部15aから読み出した時刻が異なる(前後の)Bモード画像データとの相関をとることにより、境界線成分の周囲の組織成分の速度を算出して取得する構成としてもよい。

0077

また、上記実施の形態では、多重反射成分の抑制方法として、図6のステップS16において、制御部18が、境界線成分の領域の輝度値を周囲の組織の輝度値に合わせて下げる画像処理を、抽出されたBモード画像データに施して、境界線成分の領域から多重反射成分を抑制して多重反射成分抑制画像データを生成する構成としたが、これに限定されるものではない。多重反射成分の抑制方法の第1の変形例は、被検体に脈動のような動きがある場合に、制御部18は、ステップS13で境界線成分が抽出されたBモード画像データと時刻が異なる(前後の)複数フレームのBモード画像データを読み出し、境界線成分の領域と同じ位置の領域に境界線成分が乗っていないBモード画像データを選択して当該領域を切り出し(切出領域とする)、境界線成分が抽出されたBモード画像データの境界線成分の領域を除去して切出領域を貼る画像処理を施して多重反射成分抑制画像データを生成する構成としてもよい。この構成にすることにより、容易かつ確実に多重反射成分をBモード画像データから抑制できる。

0078

多重反射成分の抑制方法の第2の変形例を説明する。
まず、ここで簡単に組織ドプラの原理について説明する。組織ドプラは被検体内の同一部位に対して複数回の送受信を行い、各送受信におけるエコー信号を比較することで、当該の部位における動きを算出するものである。具体的にはエコー信号を直交検波し、同一部位における検波信号位相の回転量を移動量に換算するものであり、この技術は広く知られている。なお、直交検波における周波数は、たとえば送信波形中心周波数でもよい。
また、同様の手法で同一部位において複数回の送受信により得た信号の直交検波信号から位相の回転の速いもの、遅いものをフィルター処理により分離する手法も知られており、位相回転の速いものをハイパスフィルターで抽出し、これを血流信号として表示する超音波血流映像装置の原理は広く知られている。
本第2の変形例においては、血流映像装置の場合とは逆に位相回転の遅いもののみをローパスフィルターにより抽出することで、移動量の大きい多重反射信号を除去することが可能となる。この場合、速いものとは被検体の組織成分の速度の略整数倍の速度の成分を示し、遅いものは通常の組織成分の変位量(速度)を示す。
超音波血流映像装置においては、相関演算を用いて位相ベクトルの回転を算出するが、被検体内での移動量の算出にはFFT(Fast Fourier Transform)を用いることも行われており、例えば超音波ドプラ血流計においては、直交検波した同一部位の信号をFFTすることで、血流の速度を求めることができる。本第2の変形例でも同様にFFTを用いて速度弁別を行い、速度の速いもの、すなわちFFT出力において周波数成分の速いものを除去したのちに、逆FFTにより時間波形に戻すことで多重反射成分を除去した画像を提供することが可能である。

0079

より具体的には、制御部18は、送信部12により被検体の同一位置に複数の超音波を送信させ、受信部13により得られた被検体の同一位置の複数の音線データに対して、画像生成部14により、FFTを行い、FFTが行われた音線データをローパスフィルターでフィルタリングすることにより、所定の周波数以上の速度が速い(周波数成分の速い)多重反射成分を除去し、当該多重反射成分を除去した音線データに逆FFTを行い、逆FFTを行った音線データを用いてBモード画像データ(多重反射成分抑制画像データ)を生成させる。この所定の周波数は、被検体の組織成分の速度の略整数倍の速度の成分を除去するための閾値の周波数であり、例えば、予め設定された所定の周波数がローパスフィルターに設定されているものとする。この構成にすることにより、容易かつ確実に多重反射成分をBモード画像データから抑制できる。またBモード画像上のFFTを行う範囲は、操作入力部11を介して操作者から表示中のBモード画像上の任意の範囲の選択入力を受け付けて選択してもよい。

0080

多重反射成分の抑制方法の第3の変形例として、制御部18が、ステップS13で境界線成分が抽出された1フレームのBモード画像データの境界線成分の領域に適宜調整したスムージングフィルターを用いてフィルタリングの画像処理を施して多重反射成分抑制画像データを生成する構成としてもよい。スムージングフィルターとは、ノイズ成分を低減させて、よりなめらか測定結果(画像)を出力させるためのなめらか具合を調整するフィルターを指す。この構成にすることにより、容易かつ確実に多重反射成分をBモード画像データから抑制できる。

0081

また、画像処理によって、ミラーの役割をしている境界線成分(ミラー成分)(図4のチューブ5の前壁に対応する成分)を抽出し、そのミラー成分によって、ミラー対称(線対称)となっている多重反射成分(図4の多重反射成分7に対応する成分))を算出し、多重反射成分の抑制を行ってもよい。より具体的には、制御部18は、画像処理部15により、画像処理により、Bモード画像データのBモード画像から、ミラー成分を抽出し、そのミラー成分によって、ミラー対称となっている多重反射成分を抽出し、抽出した多重反射成分の抑制を行う。このミラー対象の多重反射成分の抑制方法は、上記実施の形態、第1の変形例又は第3の変形例の多重反射成分の抑制方法を用いることができる。この構成により、ミラー対象の多重反射成分を抑制できる。また、ミラー成分の抑制元は、多重反射成分(上記組織成分の速度の略整数倍の速度の成分)抑制前のBモード画像データに限定されるものではなく、当該多重反射成分の抑制後のBモード画像データ(多重反射成分抑制画像データ)としてもよい。

0082

また、以上の実施の形態における超音波診断装置100を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。

0083

100超音波診断装置
1超音波診断装置本体
11操作入力部
12 送信部
13 受信部
14画像生成部
15画像処理部
15a画像メモリー部
15b 速度取得部
15c境界線抽出部
15d多重反射同定部
16表示制御部
17 表示部
18 制御部
19 記憶部
2 超音波探触子
2a振動子
3 ケーブル

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