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図面 (1)

課題

高温下でも電荷保持性に優れるエレクトレットを提供する。

解決手段

エレクトレットは、ポリテトラフルオロエチレン以外からなる織布または不織布と、該織布または不織布を構成する繊維の少なくとも一部の表面を被覆するポリテトラフルオロエチレンとを含み、ポリテトラフルオロエチレンの含有量が20質量%以上であり、かつ、空隙率が30体積%以上である。また、エレクトレットは、織布または不織布がガラス織布またはガラス不織布からなり、コロナ放電により帯電させたものである。

概要

背景

エレクトレットは、スピーカーヘッドフォンマイクロフォン超音波センサー圧力センサー加速度センサー振動制御装置高性能フィルターエネルギーハーベストとしての振動発電などの各種用途に利用されている。

このようなエレクトレットとして、近年、フレキシブル性を特徴とする有機エレクトレットの開発が盛んに行われており、薄膜大面積化が可能という特徴を生かし、ウェアラブルエレクトロニクスを始めとする、種々の用途への展開が想定されている。しかし、従来の有機エレクトレットは、長時間に亘る電荷保持性、および、高い圧電率保持性の点で改良の余地があった。

この点に関し、特許文献1には、ガラス繊維からなる織布または不織布から構成される繊維層状構造体の表面および裏面がフッ素樹脂からなる被覆層被覆されたサンドイッチ構造を有する圧電素子シートが開示されている。

概要

高温下でも電荷保持性に優れるエレクトレットを提供する。エレクトレットは、ポリテトラフルオロエチレン以外からなる織布または不織布と、該織布または不織布を構成する繊維の少なくとも一部の表面を被覆するポリテトラフルオロエチレンとを含み、ポリテトラフルオロエチレンの含有量が20質量%以上であり、かつ、空隙率が30体積%以上である。また、エレクトレットは、織布または不織布がガラス織布またはガラス不織布からなり、コロナ放電により帯電させたものである。なし

目的

本発明は、以上のことに鑑みてなされたものであり、高温下でも電荷保持性に優れるエレクトレットを提供する

効果

実績

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請求項1

ポリテトラフルオロエチレン以外からなる織布または不織布と、該織布または不織布を構成する繊維の少なくとも一部の表面を被覆するポリテトラフルオロエチレンとを含み、前記ポリテトラフルオロエチレンの含有量が20質量%以上であり、かつ、空隙率が30体積%以上であるエレクトレット

請求項2

前記織布または不織布がガラス織布またはガラス不織布である、請求項1に記載のエレクトレット。

請求項3

コロナ放電により帯電させたものである、請求項1または2に記載のエレクトレット。

請求項4

シグナル電極と、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレクトレットと、グランド電極とをこの順で含む、センサー素子または振動発電素子

技術分野

0001

本発明は、エレクトレット、および、センサー素子または振動発電素子に関する。

背景技術

0003

このようなエレクトレットとして、近年、フレキシブル性を特徴とする有機エレクトレットの開発が盛んに行われており、薄膜大面積化が可能という特徴を生かし、ウェアラブルエレクトロニクスを始めとする、種々の用途への展開が想定されている。しかし、従来の有機エレクトレットは、長時間に亘る電荷保持性、および、高い圧電率保持性の点で改良の余地があった。

0004

この点に関し、特許文献1には、ガラス繊維からなる織布または不織布から構成される繊維層状構造体の表面および裏面がフッ素樹脂からなる被覆層被覆されたサンドイッチ構造を有する圧電素子シートが開示されている。

先行技術

0005

特開2019−106395号公報

発明が解決しようとする課題

0006

エレクトレットは、前述などの各種用途に利用されており、これらの用途のためにエレクトレットを製造する際には、フロー装置リフロー装置による半田付けが行われることがあるが、このような半田付けの際には高温に曝されることにより、エレクトレットの機能が低下するという問題があった。特に最近では、鉛フリー半田が多用されることに伴い、半田付け時の温度が従来よりさらに高温の260℃程度となり、このような高温に曝されることによりエレクトレットの機能自体喪失するという大きな問題が生じやすくなってきた。

0007

さらに、近年では前記各種用途自体が高温下で使用されることがあり、このような高温下でもエレクトレット性能、つまり電荷を保持できることが求められるようになっている。しかしながら、高温下では、エレクトレットに保持された電荷が減衰しやすく、前記特許文献に記載されているような従来のエレクトレットには、高温下での電荷保持性の点で改良の余地があった。

0008

本発明は、以上のことに鑑みてなされたものであり、高温下でも電荷保持性に優れるエレクトレットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者が、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成例によれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の構成例は以下の通りである。

0010

[1]ポリテトラフルオロエチレン以外からなる織布または不織布と、
該織布または不織布を構成する繊維の少なくとも一部の表面を被覆するポリテトラフルオロエチレンとを含み、
前記ポリテトラフルオロエチレンの含有量が20質量%以上であり、かつ、空隙率が30体積%以上であるエレクトレット。

0011

[2] 前記織布または不織布がガラス織布またはガラス不織布である、[1]に記載のエレクトレット。

0012

[3]コロナ放電により帯電させたものである、[1]または[2]に記載のエレクトレット。

0013

[4]シグナル電極と、[1]〜[3]のいずれかに記載のエレクトレットと、グランド電極とをこの順で含む、センサー素子または振動発電素子。

発明の効果

0014

本発明によれば、高温(例:200℃以上)下でも電荷保持性に優れるエレクトレットを提供することができる。また、本発明によれば、電荷保持量の多いエレクトレットを得ることができ、しかも、保持された電荷が高温下でも減衰し難いエレクトレットを得ることができる。
さらに、本発明によれば、高温下でも優れた感度を有し、微弱押圧力振動に対しても優れた応答性を有し、測定対象を精度良く検知できるセンサー素子または振動発電素子を得ることができる。

図面の簡単な説明

0015

図1は、0〜300℃の温度範囲における、下記実施例および比較例で測定した1回目熱刺激電流の値をプロットした図を示す。

0016

≪エレクトレット≫
本発明に係るエレクトレット(以下「本エレクトレット」ともいう。)は、ポリテトラフルオロエチレン以外からなる織布または不織布(以下これらを併せて「基材」ともいう。)と、該織布または不織布を構成する繊維の少なくとも一部の表面を被覆するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを含み、前記PTFEの含有量が20質量%以上であり、かつ、エレクトレットの空隙率が30体積%以上であることを特徴とする。

0017

本発明のような構成のエレクトレットでは、PTFE部が電荷保持機能部になると考えられるため、PTFEの含有量が多くなるにしたがって、保持される電荷量も増加すると想定されたが、本発明者が鋭意検討した結果、PTFEの含有量が前記範囲にあり、かつ、エレクトレットの空隙率が前記範囲にある場合のみ、高温下での電荷保持性に優れるエレクトレットを得ることができることが分かった。
なお、前記高温下とは、例えば200℃以上であり、通常200〜300℃であり、好ましくは220〜300℃、より好ましくは250〜300℃である。

0018

本エレクトレットにおけるPTFEの含有量の下限は、好ましくは22質量%以上、より好ましくは25質量%以上であり、PTFEの含有量の上限は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。
PTFEの含有量が前記範囲にあると、電荷保持量が多く、高温下での電荷保持性により優れるエレクトレットを容易に得ることができる。
該PTFEの含有量は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定することができる。

0019

本エレクトレットの空隙率の上限は、好ましくは75体積%以下、より好ましくは60体積%以下、さらに好ましくは50体積%以下、特に好ましくは40体積%以下である。
空隙率が前記範囲にあると、電荷保持性に優れ、特に高温下での電荷保持性により優れるエレクトレットを容易に得ることができる。
本発明によれば、PTFEの含有量が20質量%以上、好ましくは前記範囲でありながら、30体積%以上、好ましくは前記範囲の空隙率を保有可能なエレクトレットを得ることができる。

0020

該空隙率は、本エレクトレットを構成するPTFEおよび基材の質量比および本エレクトレットの質量実測値から、空隙がないものとして算出された本エレクトレットの理論体積と、該エレクトレットの寸法を測定することにより算出された実測体積との差から下記式により算出することができる。
空隙率(体積%)=(1−(理論体積/実測体積))×100

0021

本エレクトレットは、コロナ放電により帯電させたものであることが好ましい。帯電(分極)方法としては様々な方法が知られているが、このような公知の方法の中でもコロナ放電は、マイルドな条件下で、効率的に電荷を注入することができるため好ましい。
本エレクトレットがコロナ放電により帯電されたものである場合、特に、PTFE含有量および空隙率が前記範囲にあることで、本エレクトレットに含まれるPTFEの内部まで電荷を注入することができると考えられ、これにより、特に高温下での電荷保持性に優れるエレクトレットを得ることができると考えられる。

0022

本エレクトレットの形状および大きさは特に制限されず、所望の用途等に応じて適宜選択すればよい。
本エレクトレットの厚さも特に制限されず、用いる用途に応じて適宜選択すればよいが、通常10μm〜1mm、好ましくは50〜500μmである。

0023

従来のエレクトレットは、該エレクトレットに押圧がかかることで縮み、該エレクトレットの両面に設けられた電極間距離が変化することで、センサーとして機能していた。
一方、本エレクトレットによれば、該エレクトレット表面と、電極との間に、前記基材に起因するギャップ(隙間)が形成されると考えられる。そして、このようなエレクトレット素子に押圧がかかったり、該素子が振動を受けることで、素子に弾性歪みが発生し、内部の空間が変化するとともに、前記ギャップも変化することで、センサー素子や振動発電素子として機能し、圧電特性に優れると考えられる。

0024

本エレクトレットは、前記効果を奏するため、スピーカー、ヘッドフォン、マイクロフォン、超音波センサー、圧力センサー、加速度センサー、振動制御装置、高性能フィルター、振動発電などの、各種用途に好適に使用でき、これらの中でも、特に高温下で使用され得る用途に好適に使用できる。

0025

<織布または不織布>
前記織布または不織布としてはPTFEを含まなければ特に制限されず、従来公知の織布または不織布を用いることができ、有機材料製の不織布または織布を用いてもよく、無機材料製の不織布または織布を用いてもよいが、前記効果がより発揮される等の点から、無機材料製の不織布または織布を用いることが好ましい。

0026

前記有機材料としては、体積抵抗率が1.0×1013Ω・cm以上であるポリマーが好ましく、例えば、ポリアミド系樹脂(例:6−ナイロン、6,6−ナイロン)、芳香族ポリアミド系樹脂(例:アラミド)、含フッ素系樹脂(例:ポリフッ化ビニリデン)、イミド系樹脂(例:ポリイミドポリアミドイミドビスマレイミド)が挙げられる。

0027

これらの中でも、耐熱性耐候性に優れる等の点から、分子および結晶構造に起因する双極子を持たないポリマーであることが好ましい。このようなポリマーとしては、例えば、シリコーン樹脂等の非フッ素系樹脂、および、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の含フッ素系樹脂が挙げられる。

0028

これらの中でも、耐熱性および耐候性等の観点から、連続使用可能温度が高く、ガラス転移点を本エレクトレットの使用温度域に持たないポリマーであることが好ましい。連続使用可能温度は、UL746B(UL規格)に記載の連続使用温度試験により測定でき、200℃以上であることが好ましい。また、耐湿性の観点から、撥水性を示すポリマーであることが好ましい。
これらの特性を有するポリマーとしては、含フッ素系樹脂が好ましい。

0029

前記無機材料としては、ガラス繊維、ロックウール炭素繊維アルミナ繊維ウォラストナイトチタン酸カリウムなどのセラミックス繊維が挙げられる。これらの中でも、ガラス繊維および/またはセラミックス繊維が好ましく、ガラス繊維がより好ましい。つまり、前記基材としては、ガラス織布またはガラス不織布であることが好ましい。このようなガラス織布またはガラス不織布を基材として用いると、引張強度などの機械的物性が高いため好ましい。また、PTFEとの帯電特性の観点からも、ガラス織布またはガラス不織布を基材として用いることが好ましい。

0030

前記ガラス織布としては、具体的には、ガラスクロスロービングクロス等が挙げられ、ガラス不織布としては、具体的には、サフェースマットガラスマット等が挙げられる。

0031

前記基材の中では、機械的物性が高く、電荷保持性および電荷安定性により優れるエレクトレットを容易に得ることができる等の点から、ガラス織布が好ましい。

0032

前記基材を構成する繊維の平均繊維径は、好ましくは0.05〜50μm、より好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.3〜10μmである。
平均繊維径が前記範囲内にあると、繊維表面積が大きくなることで電荷を保持する十分な空間を形成でき、薄い不織布または織布を形成した場合でも繊維の分布均一性を高くすることができる点で好ましい。

0033

前記平均繊維径は、測定対象となる繊維(群)を走査型電子顕微鏡(SEM)観察(倍率:10000倍)し、得られたSEM画像から無作為に20本の繊維を選び、これらの各繊維の繊維径長径)を測定し、この測定結果に基づいて算出される平均値である。

0034

前記基材を構成する繊維の、下記式で算出される繊維径変動係数は、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.01〜0.5である。繊維径変動係数が前記範囲内にあると、繊維は繊維径が均一となり、該繊維を用いて得られる基材はより高い空隙率を有するため、また、電荷保持性の高い基材を得ることができ好ましい。
繊維径変動係数=標準偏差/平均繊維径
(なお、「標準偏差」とは、前記20本の繊維の繊維径の標準偏差である。)

0035

前記基材を構成する繊維の繊維長は、好ましくは0.1〜1000mm、より好ましくは0.5〜100mm、さらに好ましくは1〜50mmである。

0036

前記基材に含まれる繊維の種類は特に制限されず、従来公知の繊維を用いることができ、また、表面がシランカップリング剤等で処理されたものであってもよい。また、2種以上の繊維を用いた基材であってもよい。

0037

前記基材は、前記繊維をシート状に集積または製織したものであるが、このような基材は、単層から構成されるもの、材質や繊維径等の異なる2層以上から構成されるものの何れでもよい。

0038

前記不織布の製造方法は特に制限されず、従来公知の、湿式抄造、乾式抄造等を採用すればよい。

0039

前記織布を構成する繊維は、モノフィラメントマルチフィラメント等のいずれを用いてもよい。織り方としても特に制限されず、平織り綾織り、朱子織り、二十織り、筒織りなどが挙げられる。織構成である、織組織糸番手糸密度等は特に制限されない。

0040

前記基材の空隙率は、電荷保持性の高い基材を容易に得ることができる等の点から、好ましくは30〜90体積%、より好ましくは50〜70体積%である。
該空隙率は、基材を構成する繊維の比重と基材の質量実測値とから、空隙がないものとして算出された基材の理論体積と、該基材の寸法を測定することにより算出された実測体積との差から下記式により算出することができる。
空隙率(体積%)=(1−(理論体積/実測体積))×100

0041

前記基材の目付は、好ましくは200g/m2以下、より好ましくは1〜150g/m2である。

0042

前記基材の厚さは、用いる用途に応じて適宜選択すればよいが、通常10μm〜1mm、好ましくは20〜500μmである。

0043

<エレクトレットの製造方法>
本エレクトレットの製造方法は、基材を構成する繊維の少なくとも一部の表面をPTFEが被覆する構造体を得ることができる方法であり、特に制限されないが、好ましくは、PTFE含有の液を基材に塗布する方法(以下「塗布方法」ともいう。)、または、基材をPTFE含有の液に浸漬する方法(以下「浸漬方法」ともいう。)が挙げられる。
これらの中でも、前記本発明の効果がより発揮され、特に前述の通り好ましいコロナ放電による帯電処理を行う際に、特に前記本発明の効果がより発揮される等の点から、浸漬方法が特に好ましい。

0044

前記塗布する場合には、電荷保持性により優れる等の点から、基材の両面(基材の面積が最も大きい面の両方)に塗布することが好ましく、基材の両面にPTFE層を形成することがより好ましい。

0045

・塗布方法、浸漬方法
前記塗布方法、浸漬方法によれば、容易にPTFEの薄膜化が可能であり、PTFEが薄膜である場合、低エネルギーまたは短時間(例:1分程度)でコロナ処理等の帯電処理が可能であるため好ましい。
前記塗布方法、浸漬方法に用いるPTFEを含む液としては、PTFEディスパージョンを用いることが好ましい。

0046

前記PTFEディスパージョンとしては、PTFE粒子を水に分散させたものであれば特に制限されず、従来公知のディスパージョンを用いることができ、市販品を用いることもできる。
前記PTFEディスパージョンに含まれるPTFE粒子としては、光散乱法により測定された平均粒径が0.15〜0.35μmである粒子が好ましく、PTFE粒子の濃度が10〜60質量%であるディスパージョンが好ましい。
なお、前記PTFEディスパージョンには、安定剤等の従来公知の添加剤が含まれていてもよい。

0047

前記塗布または浸漬した後は、乾燥や焼成をすることが好ましい。
該乾燥や焼成条件は、用いる液等に応じて適宜選択すればよいが、乾燥温度は、好ましくは50〜150℃、より好ましくは80〜120℃であり、乾燥時間は、好ましくは0.5〜1時間であり、焼成温度は、好ましくは300〜400℃、より好ましくは320〜380℃であり、焼成時間は、好ましくは10〜120分である。

0048

[帯電処理]
本エレクトレットの製造方法は、前記塗布方法および/または浸漬方法で得られたPTFE付き基材を帯電(分極)処理(エレクトレット化処理)する工程を含むことが好ましい。
該帯電処理の方法としては、従来公知の方法を用いることができ、特に制限されないが、例えば、直流電圧印加処理や交流電圧印加処理等の電圧印加処理コロナ放電処理が挙げられる。これらの中でも、前記PTFE付き基材に、マイルドな条件下で、効率的に電荷を注入することができるため、コロナ放電処理が好ましい。

0049

例えば、コロナ放電処理は、市販の高電圧電源と電極からなる装置を使用して行うことができる。
放電条件は適宜選択すればよいが、好ましい条件としては、高電圧電源の電圧が−0.1〜−20kV、より好ましくは−1〜−15kV、電流が0.1〜100mA、より好ましくは1〜80mAである条件が挙げられる。
特に、電圧を前記範囲を超えて大きくすると、スパークの発生等により、素子に注入される電荷にムラが生じたり、そもそも帯電処理できない場合がある。

0050

≪センサー素子および振動発電素子≫
本発明に係るセンサー素子および振動発電素子は、シグナル電極と、前記本エレクトレットと、グランド電極とをこの順で含み、好ましくは、前記本エレクトレットの一方の面に、シグナル電極が形成され、他方の面にグランド電極が形成された積層体を含む。
前記センサー素子および振動発電素子は、従来の圧電センサー素子や振動発電素子が有する従来公知の層、例えば、絶縁層、前記シグナル電極やグランド電極以外の電極層などを有していてもよく、また、前記センサー素子や振動発電素子から電気を取り出す部材などを有していてもよい。
また、前記本エレクトレットは、モノモルフバイモルフおよび積層型のいずれであってもよい。

0051

前記シグナル電極やグランド電極としては、従来公知の電極を用いることができ、例えば、アルミニウム、銅、銀、ニッケルなどの金属板が挙げられる。
また、高い出力電圧を示すセンサー素子や振動発電素子を得ることができる等の点から、これら電極の一方を、導電性フィラーバインダーとを含む導電性塗料から形成される導電性塗膜層としてもよい。

0052

前記シグナル電極やグランド電極の厚さは特に制限されず、従来の電極と同様の厚さであればよいが、所望のセンサー素子や振動発電素子を容易に製造できる等の点から、好ましくは0.001〜1mm、より好ましくは0.01〜0.1mmである。

0053

前記シグナル電極と、本エレクトレットと、グランド電極とを積層する方法としては、必要により熱をかけながら圧着する方法、従来公知の接着剤で積層する方法等が挙げられるが、前者が好ましい。

0054

次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。

0055

[実施例1]
単繊維径が5〜8μmであり、繊維径変動係数が0.3であるガラス繊維を束ねることで繊維束繊維束径(長径):15μm)を形成し、得られた繊維束を平織することでガラスクロス(厚さ:90μm)を作成した。
得られたガラスクロスの質量は128g/m2であり、下記式に基づき算出した空隙率は54体積%であった。
空隙率=(1−ガラスクロスの単位体積当たりの質量/ガラスの比重)×100

0056

PTFEディスパージョン(「D−210C」、ダイキン工業(株)製)を、前記ガラスクロスに含浸コーティングし、強制対流式オーブン(「DO−450FA」、アズワン(株)製)を用いて320℃で30分間焼成することで、PTFEコーティングガラスクロス(厚さ:約100μm)を作製した。
得られたPTFEコーティングガラスクロスの質量は162g/m2であった。

0057

得られたPTFEコーティングガラスクロスから試験片切り出し、窒素ガスフロー下、500℃で30分間焼成した前後の質量変化熱重量分析にて測定し、この質量変化から、PTFEコーティングガラスクロス中のPTFEの含有量を求めた。該PTFEの含有量は27質量%であった。

0058

PTFEコーティングガラスクロスを構成するPTFEおよびガラスクロスの質量比および該PTFEコーティングガラスクロスの質量実測値から、空隙がないものとして算出されたPTFEコーティングガラスクロスの理論体積と、該PTFEコーティングガラスクロスの寸法を測定することにより算出された実測体積との差から、下記式により、得られたPTFEコーティングガラスクロスの空隙率を算出したところ、該空隙率は33体積%であった。
空隙率(体積%)=(1−(理論体積/実測体積))×100

0059

得られたPTFEコーティングガラスクロスに対し、電機(株)製のコロナ放電装置(SH−2005PN)、高圧電源および針型電極を用いて、電極間電圧−15kVの条件で、電流値が1〜2mAに安定するように、針型電極とアース電極の距離を10mmに調整しながら、室温下で1分間コロナ放電による分極処理を行うことでエレクトレットを得た。

0060

<電荷量Qの測定>
得られたエレクトレットを(株)リガク製のTS−FETTにセットし、接触法昇温速度5℃/分の条件で、0℃から300℃まで昇温した時の1回目の熱刺激電流(I1st)を測定した。

0061

前記1回目の熱刺激電流を測定した後、エレクトレットを冷却速度5℃/分で0℃まで冷却した。その後連続して、昇温速度5℃/分の条件で、0℃から300℃まで昇温した時の2回目の熱刺激電流(I2nd)を測定した。

0062

前記I1stおよびI2ndを用い、下記式に基づいて、30〜300℃の温度範囲(dT)における電荷量Q30〜300(nC/cm2)と、250〜300℃の温度範囲(dT)における電荷量Q250〜300(nC/cm2)とを算出した。結果を表1に示す。また、0〜300℃の温度範囲における前記1回目の熱刺激電流の値をプロットした図を図1に示す。
電荷量Q(nC/cm2)=∫(I1st−I2nd)・dT

0063

[比較例1]
実施例1において、用いたPTFEディスパージョンの代わりに、該ディスパージョンを5倍に希釈したPTFEディスパージョンを用いた以外は、実施例1と同様にして、質量150g/m2のPTFEコーティングガラスクロスを作製した。
得られたPTFEコーティングガラスクロス中のPTFEの含有量は18質量%であり、得られたPTFEコーティングガラスクロスの空隙率は44体積%であった。これらの値は、実施例1と同様にして算出した。
得られたPTFEコーティングガラスクロスを用いた以外は実施例1と同様にして、エレクトレットを作製し、電荷量Qを測定した。結果を表1および図1に示す。

0064

[比較例2]
実施例1において、PTFEディスパージョン(D−210C)を、ガラスクロスに含浸コーティングした後、120℃で60分間乾燥し、次いで、PTFEディスパージョン(「D−210C」)を、乾燥後のガラスクロスに含浸コーティングし、強制対流式オーブン(DO−450FA)を用いて320℃で30分間焼成した以外は、実施例1と同様にして、質量180g/m2のPTFEコーティングガラスクロスを作製した。
得られたPTFEコーティングガラスクロス中のPTFEの含有量は39質量%であり、得られたPTFEコーティングガラスクロスの空隙率は27体積%であった。これらの値は、実施例1と同様にして算出した。
得られたPTFEコーティングガラスクロスを用いた以外は実施例1と同様にして、エレクトレットを作製し、電荷量Qを測定した。結果を表1および図1に示す。

実施例

0065

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