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技術 薄肉鋼材のアーク溶接用の高クロムクリープ抵抗性溶接金属

出願人 リンカーングローバル,インコーポレイテッド
発明者 ステファーノソレンティーノ
出願日 2020年9月18日 (11ヶ月経過) 出願番号 2020-157391
公開日 2021年4月1日 (5ヶ月経過) 公開番号 2021-049582
状態 未査定
技術分野 溶接材料およびその製造
主要キーワード 電力工学 消耗物 薄肉鋼 鋼粒子 フラクシング 溶接被覆 フェライト含有量 高クロム含有
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

解決手段

溶接金属組成物は、9.00〜12.00重量%のクロム、0.02〜0.06重量%の炭素、0.3〜0.7重量%のマンガン、0.1〜0.3重量%のケイ素、0.5〜1.2重量%のニッケル、0.1〜0.5重量%のモリブデン、1.0〜1.5重量%のコバルト、0.03〜0.08重量%のニオブ、0.2〜0.8重量%のタングステン、0.3〜0.8重量%の銅、0.005〜0.010重量%のホウ素、及び0.005〜0.025重量%の窒素を含むことが可能であり、鋼溶接金属組成物の残部が鉄及び不可避不純物である。溶接後熱処理を使用することなくアーク放電溶接プロセスによって加工物上に鋼溶接金属組成物を堆積させる方法も、記載される。高クロムクリープ抵抗性鋼溶接金属組成物を製造する消耗アーク放電溶接電極も記載される。

概要

背景

マルテンサイト高クロム鋼材料は、発電産業又は化学及び石油化学産業において広く使用されている。特に、ベイナイト及びマルテンサイトCr鋼は、薄肉ボイラー膜壁において使用されている。これらの構成部品は、高い作業温度と、それと同時に生じる応力を受ける。高クロム鋼の構成及び修理アーク溶接広範囲に使用し、そしてそれに続いて、溶接継手における十分な延性及び衝撃強さを回復させるために、溶接後熱処理(PWHT)を実施する。溶接継手は、母材鋼の酸化腐食抵抗及びクリープ強度適合しなければならない。さらに、ボイラー膜壁などの大溶接構造のPWHTは高度に非実用的であり、費用がかかり、且つ時間がかかるものである。

高温での適用のために、約9重量%のクロム含有量を有する鋼組成物が広く使用されてきた。しかしながら、これらの組成物では、620℃より高い温度で蒸気雰囲気中、不十分な酸化抵抗性が生じ、それによって、それらの適用温度範囲は有意に制限される。特に、熱輸送を伴うボイラー構成部品において、酸化物スケール断熱材として作用し、それによって金属温度が増加し、従って、対応する構成部品の寿命が低下する。さらに、酸化物スケールは、作動間に剥離した場合、次に続く蒸気運搬する構成部品上に浸食損傷を引き起こすであろう。剥離した酸化物スケールは閉鎖を引き起こし得、しばしば蒸気流を妨げ、局所的加熱及び壊滅的破損をもたらし得る。

高クロム含有量、すなわち、9重量%より多いクロムの含有は、良好な蒸気酸化抵抗のために欠くことができない。約11〜12%のクロム含有量は、現在、650℃までの作業温度を可能にすると見なされており、これによって発電所効率が有意に引き上げられている。しかしながら、そのようなクロム含有量は、Z相形成に関する推進力を増加させる。Z相は急速に粗大化し、それによって、周囲の強化MX沈殿物消費する複合窒化物であり、主に9〜12%Cr鋼のクリープ強度に寄与する(Mはニオブ又はバナジウムであり、且つXは炭素又は窒素である)。高クロム含有量も炭化クロム沈殿物の粗大化速度を増加させる。MX及び炭化クロム沈殿物の微細構造安定作用喪失両方とも、マルテンサイト(Cr>11%を有する)高クロム熱抵抗性グレードの長期のクリープ破断強度の低下の原因となる。

高温材料クリープ挙動及びクリープ特性の低下は、高温応力下、長期間作動するよう設計された構成部品及び構造の寿命を制限する。クリープは、高温で最もしばしば生じる、加荷重下での材料の時間依存性変形である。材料の構造変化は、通常、クリープを促進し、続いて、粒間クリープ損傷出現速度加速させる。クリープは、弱化しない場合、破裂をもたらし、そして構成部品の寿命に有意な影響を与える。

概要

薄肉鋼材のアーク溶接用の高クロムクリープ抵抗性溶接金属を提供する。 鋼溶接金属組成物は、9.00〜12.00重量%のクロム、0.02〜0.06重量%の炭素、0.3〜0.7重量%のマンガン、0.1〜0.3重量%のケイ素、0.5〜1.2重量%のニッケル、0.1〜0.5重量%のモリブデン、1.0〜1.5重量%のコバルト、0.03〜0.08重量%のニオブ、0.2〜0.8重量%のタングステン、0.3〜0.8重量%の銅、0.005〜0.010重量%のホウ素、及び0.005〜0.025重量%の窒素を含むことが可能であり、鋼溶接金属組成物の残部が鉄及び不可避不純物である。溶接後熱処理を使用することなくアーク放電溶接プロセスによって加工物上に鋼溶接金属組成物を堆積させる方法も、記載される。高クロムクリープ抵抗性鋼溶接金属組成物を製造する消耗アーク放電溶接電極も記載される。

目的

銅は有害なデルタフェライトを抑制し、そして置換によるマトリックス強化、並びに銅リッチFCC相の形態での沈殿物強化を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

9.00〜12.00重量%のCr、0.02〜0.06重量%のC、0.3〜0.7重量%のMn、0.1〜0.3重量%のSi、0.5〜1.2重量%のNi、0.1〜0.5重量%のMo、1.0〜1.5重量%のCo、0.03〜0.08重量%のNb、0.2〜0.8重量%のW、0.3〜0.8重量%のCu、0.005〜0.010重量%のB、及び0.005〜0.025重量%のNを含んでなる鋼溶接金属組成物であって、前記鋼溶接金属組成物の残部が鉄及び不可避不純物である、鋼溶接金属組成物。

請求項2

Crの含有量が11重量%である、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項3

Mnの含有量が0.4〜0.6重量%である、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項4

Niの含有量が0.8〜1.0重量%である、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項5

Moの含有量が0.2〜0.4重量%である、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項6

Coの含有量が1.1〜1.3重量%である、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項7

Nbの含有量が0.04〜0.07重量%である、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項8

Wの含有量が約0.3〜0.7重量%である、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項9

Cuの含有量が0.4〜0.7重量%である、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項10

Bの含有量が0.006〜0.009重量%である、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項11

前記組成物が、低炭素焼戻しされていないマルテンサイト微細構造を有する、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項12

前記組成物が、55MPaにおいて、650℃の温度で少なくとも2500時間の一軸クリープ抵抗性を有する、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項13

前記組成物が、20℃において少なくとも27Jの衝撃強靭性を有し、且つ/又は360以下のビッカース硬度を有する、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物。

請求項14

SMAW(MMA)法のための消耗アーク放電溶接被覆電極であって、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物を前記電極が製造するような量で存在する、鋼金属コアと、金属粉末フェロアロイ酸化物スラグ生成剤結合剤押出成形助剤フラクシング成分、気体生成剤及び脱酸素剤を含有する外部コーティングとを含んでなる、消耗アーク放電溶接被覆電極。

請求項15

FCAW法のための消耗アーク放電溶接ワイヤー電極であって、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物を前記ワイヤー電極が製造するような量で存在する、外部鋼金属シースと、金属粉末、フェロアロイ、酸化物、スラグ生成剤、結合剤、フラクシング成分、気体生成剤及び脱酸素剤を含んでなる、前記シースによって包囲されたコアとを含んでなる、消耗アーク放電溶接ワイヤー電極。

請求項16

請求項1に記載の組成物を有する鋼から製造される、GMAW及び/又はGTAW法のための消耗アーク放電溶接ワイヤー又はロッド

請求項17

SAW法のための凝集フラックスと組み合わせて使用される消耗アーク放電溶接ワイヤー電極であって、請求項1に記載の鋼溶接金属組成物を前記電極が製造するような量で存在する、固体又はフラックスコア金属ワイヤーと、ケイ酸塩、酸化物、炭酸塩フルオライト、金属粉末、フェロアロイを含有する凝集化フラックスとを含んでなる、消耗アーク放電溶接ワイヤー電極。

請求項18

アーク放電溶接プロセスによって加工物上に鋼溶接金属組成物を堆積させる方法であって、a)アーク放電によって消耗電極を少なくとも部分的に融解し、融解した鋼溶接金属組成物を加工物上に堆積させることと;b)前記融解した鋼溶接金属組成物を冷却及び固化して、堆積された鋼溶接金属組成物を前記加工物上に形成することとを含んでなり、前記鋼溶接金属組成物が、9.00〜12.00重量%のCr、0.02〜0.06重量%のC、0.3〜0.7重量%のMn、0.1〜0.3重量%のSi、0.5〜1.2重量%のNi、0.1〜0.5重量%のMo、1.0〜1.5重量%のCo、0.03〜0.08重量%のNb、0.2〜0.8重量%のW、0.3〜0.8重量%のCu、0.005〜0.010重量%のB、及び0.005〜0.025重量%のNを含んでなり、前記鋼溶接金属組成物の残部が鉄及び不可避の不純物であり、且つ前記鋼溶接金属組成物が溶接後熱処理を受けない、方法。

請求項19

前記堆積された鋼溶接金属組成物がマルテンサイト微細構造を有する、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記堆積された組成物が、55MPaにおいて、650℃の温度で少なくとも2500時間の一軸クリープ抵抗性を有する、請求項18に記載の方法。

技術分野

0001

クロムクリープ抵抗性溶接金属組成物が提供される。溶接後熱処理(PWHT)を使用することなく、アーク放電溶接プロセスによって加工物上に高クロムクリープ抵抗性鋼溶接金属組成物を堆積させる方法も提供される。高クロムクリープ抵抗性鋼溶接金属組成物を製造する消耗アーク放電溶接電極も提供される。

背景技術

0002

マルテンサイト高クロム鋼材料は、発電産業又は化学及び石油化学産業において広く使用されている。特に、ベイナイト及びマルテンサイトCr鋼は、薄肉ボイラー膜壁において使用されている。これらの構成部品は、高い作業温度と、それと同時に生じる応力を受ける。高クロム鋼の構成及び修理アーク溶接広範囲に使用し、そしてそれに続いて、溶接継手における十分な延性及び衝撃強さを回復させるために、溶接後熱処理(PWHT)を実施する。溶接継手は、母材鋼の酸化腐食抵抗及びクリープ強度適合しなければならない。さらに、ボイラー膜壁などの大溶接構造のPWHTは高度に非実用的であり、費用がかかり、且つ時間がかかるものである。

0003

高温での適用のために、約9重量%のクロム含有量を有する鋼組成物が広く使用されてきた。しかしながら、これらの組成物では、620℃より高い温度で蒸気雰囲気中、不十分な酸化抵抗性が生じ、それによって、それらの適用温度範囲は有意に制限される。特に、熱輸送を伴うボイラー構成部品において、酸化物スケール断熱材として作用し、それによって金属温度が増加し、従って、対応する構成部品の寿命が低下する。さらに、酸化物スケールは、作動間に剥離した場合、次に続く蒸気運搬する構成部品上に浸食損傷を引き起こすであろう。剥離した酸化物スケールは閉鎖を引き起こし得、しばしば蒸気流を妨げ、局所的加熱及び壊滅的破損をもたらし得る。

0004

高クロム含有量、すなわち、9重量%より多いクロムの含有は、良好な蒸気酸化抵抗のために欠くことができない。約11〜12%のクロム含有量は、現在、650℃までの作業温度を可能にすると見なされており、これによって発電所効率が有意に引き上げられている。しかしながら、そのようなクロム含有量は、Z相形成に関する推進力を増加させる。Z相は急速に粗大化し、それによって、周囲の強化MX沈殿物消費する複合窒化物であり、主に9〜12%Cr鋼のクリープ強度に寄与する(Mはニオブ又はバナジウムであり、且つXは炭素又は窒素である)。高クロム含有量も炭化クロム沈殿物の粗大化速度を増加させる。MX及び炭化クロム沈殿物の微細構造安定作用喪失両方とも、マルテンサイト(Cr>11%を有する)高クロム熱抵抗性グレードの長期のクリープ破断強度の低下の原因となる。

0005

高温材料クリープ挙動及びクリープ特性の低下は、高温応力下、長期間作動するよう設計された構成部品及び構造の寿命を制限する。クリープは、高温で最もしばしば生じる、加荷重下での材料の時間依存性変形である。材料の構造変化は、通常、クリープを促進し、続いて、粒間クリープ損傷出現速度加速させる。クリープは、弱化しない場合、破裂をもたらし、そして構成部品の寿命に有意な影響を与える。

発明が解決しようとする課題

0006

高い作業温度、酸化及び腐食抵抗性並びにクリープ強度を必要とする鋼部材溶接するために使用可能であるマルテンサイト鋼組成物中でのクロム含有量の制限の観点において、電力工学的用途で薄肉溶接構成のために使用される高クロム鋼が必要とされている。さらに、そのような高Cr鋼は、(PWHTを実施せず)溶接されたままの状態で使用するために適切であるべきである。

課題を解決するための手段

0007

溶接後熱処理(PWHT)を使用することなく高クロムクリープ抵抗性鋼溶接金属組成物が提供される。アーク放電溶接プロセスによって加工物上に高クロムクリープ抵抗性鋼溶接金属組成物を堆積させる方法も提供される。

0008

一実施形態において、鋼溶接金属組成物であって、9.00〜12.00重量%のクロム(Cr)、0.02〜0.06重量%の炭素(C)、0.3〜0.7重量%のマンガン(Mn)、0.1〜0.3重量%のケイ素(Si)、0.5〜1.2重量%のニッケル(Ni)、0.1〜0.5重量%のモリブデン(Mo)、1.0〜1.5重量%のコバルト(Co)、0.03〜0.08重量%のニオブ(Nb)、0.2〜0.8重量%のタングステン(W)、0.3〜0.8重量%の銅(Cu)、0.005〜0.010重量%のホウ素(B)及び0.005〜0.025重量%の窒素(N)を含んでなり;鋼溶接金属組成物の残部は鉄(Fe)及び不可避不純物である、鋼溶接金属組成物。

0009

別の実施形態において、アーク放電溶接プロセスによって加工物上に鋼溶接金属組成物を堆積させる方法であって、a)アーク放電によって消耗電極を少なくとも部分的に融解し、そして融解した鋼溶接金属組成物を加工物上に堆積させることと;b)前記融解した鋼溶接金属組成物を冷却及び固化して、堆積された鋼溶接金属組成物を加工物上に形成することと、を含んでなり、鋼溶接金属組成物が、9.00〜12.00重量%のCr、0.02〜0.06重量%のC、0.3〜0.7重量%のMn、0.1〜0.3重量%のSi、0.5〜1.2重量%のNi、0.1〜0.5重量%のMo、1.0〜1.5重量%のCo、0.03〜0.08重量%のNb、0.2〜0.8重量%のW、0.3〜0.8重量%のCu、0.005〜0.010重量%のB及び0.005〜0.025重量%のNを含んでなり;鋼溶接金属組成物の残部はFe及び不可避の不純物であり、鋼溶接金属組成物がPWHTを受けない、方法。

0010

本発明の特定の実施形態は、特定の部品物理的形態及び部品の配列であってよく、その好ましい実施形態は本明細書において説明され、そしてその一部を形成する添付の図面において例示されるであろう。

図面の簡単な説明

0011

アーク放電溶接プロセスによって加工物上に鋼溶接金属組成物を堆積させる方法の代表的且つ非限定的な実施形態の工程系統図である。

0012

本発明の一実施形態は、種々の消耗物によって堆積される鋼溶接金属組成物を含み得る。消耗物を堆積させるために、被覆アーク溶接SMAW)、サブマージアーク溶接SAW)、ガスタングステンアーク溶接GTAW)、ガス金属アーク溶接GMAW)、フラックスコアアーク溶接(FCAW)法及びそれらの組合せなどの種々の溶接プロセスが使用されてよい。鋼溶接金属組成物は、鉄(Fe)、クロム(Cr)、炭素(C)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、銅(Cu)、ホウ素(B)、窒素(N)及び潜在的な追加要素を含んでなる。

0013

本発明の別の実施形態は、極端に長い期間において良好なクリープ特徴を示し、且つ高い使用温度及び薄材に意図される鋼溶接金属組成物を含み得る。一実施形態において、この組成物は、強度、強靭性などを含む、優れた酸化及び腐食抵抗性をさらに示す。一実施形態において、鋼溶接金属組成物は、溶接後熱処理(PWHT)を使用しないことが意図されている。本鋼溶接金属組成物は、クリープ抵抗性であり、且つ構造が高温において連続使用を受ける発電産業又は化学及び石油化学産業において使用され得る、高いクロム含有量を有する溶接構造、例えば、薄肉部材中に含まれ得る。

0014

本明細書に記載される定義及び方法は、本発明の実施形態をより良好に定義するため、そして実施形態の実施において当業者を導くために提供される。別途記載がない限り、用語は、関連技術の技術者によって、従来の使用に従って理解されるであろう。

0015

別途示されない限り、本明細書及び関連請求項において使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数値は、全ての例において、「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。従って、それと反対に示されない限り、次に続く明細書及び関連請求項において明らかにされた数値パラメーターは近似値であり、これは、本発明の実施形態によって得られるように求められる所望の特性次第で変動し得る。少なくとも、そして特許請求の範囲への等価物教義の適用を限定する試みとしてではなく、それぞれの数値パラメーターは、少なくとも報告された有効数字の数値に関して、そして通常の切上げ技術を適用することによって解釈されるべきである。

0016

いくつかの実施形態において、(特に特定の追従する請求項に関連して)特定の実施形態の記載に関連して使用される特定の「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「the」という用語及び類似の用途は、別途特に注記されない限り、単数及び複数の両方を含むように解釈されることができる。いくつかの実施形態において、「又は(or)」という用語は、請求項を含めて本明細書で使用される場合、別途明示されない限り、「及び/又は(and/or)」を意味するように使用され、選択肢のみを参照するか、又は選択肢が相互排他的である。

0017

「含んでなる(comprise)」、「有する(have)」及び「含む(include)」という用語は、非制限的な連結動詞である。「含んでなる(comprises)」、「含んでなる(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」及び「含む(including)」などのこれらの動詞の1つ又は複数のいずれの形態又は時制も非制限的である。例えば、1つ又は複数のステップを「含んでなる(comprises)」か、「有する(has)」か又は「含む(includes)」いずれの方法も、それらの1つ又は複数のステップのみを有することに制限されず、そして他の記載されていないステップも含むことが可能である。同様に、1つ又は複数の特徴を「含んでなる(comprises)」か、「有する(has)」か又は「含む(includes)」いずれの組成物又はデバイスも、それらの1つ又は複数の実施形態のみを有することに制限されず、そして他の記載されていない実施形態も含むことが可能である。

0018

本明細書に記載される全ての方法は、本明細書中で別途明示されない限り、又は文脈上明白に否定されない限り、いずれかの適切な順番で実行可能である。本明細書の特定の実施形態に関して提供される、いずれかの及び全ての例、又は例示的用語(例えば、「など(such as)」)の使用は、本発明のより良好な例示のみを意図し、別途請求される本発明の範囲を制限するものではない。明細書中の用語は、請求されない要素が本発明の実施に欠くことができないことを示していると解釈されるべきではない。

0019

本明細書中に開示される別の要素又は実施形態のグループ化は、制限するものとして解釈されない。各グループ員は、個々に、又は本明細書に見出されるグループ又は他の要素の他の員とのいずれかの組合せで記載され、且つ請求されることが可能である。グループの1つ又は複数の員が、便宜上又は特許性の理由のため、グループに含まれるか、又はそれから削除されることができる。そのようないずれかの包含又は削除が生じる場合、本明細書は、変性としてグループを含有すると見なされ、従って、添付の請求項において使用される全てのMarkushグループの記載を完全に達成する。

0020

実施形態を詳細に説明したが、添付の請求項において定義される実施形態の範囲を逸脱することなく、修正、変形及び同等の実施形態が可能であることは明らかであろう。さらに、実施形態の全ての例が、非限定的な実施例として提供されることは理解されるべきである。

0021

実施形態の追加的な特徴及び要素は、添付の記載及び特許請求の範囲を参照することによって、より良好に理解されるであろう。

0022

鋼溶接金属組成物
クロム:
マルテンサイトの安定化によって鋼のクリープ破断強度を改善するためにクロムは不可欠な要素であり、且つ鋼に満足なレベルの熱腐食(酸化)抵抗性を与えるためにも添加される。クロムは持続高温酸化抵抗性に関して安定な酸化物スケールの形成において不可欠な要素であるため、クロムは炭化物の形成の主要成分でもあり、またマトリックス中に溶解している。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物のクロム含有量は9.00〜12.00重量%であってよい。そのような含有量によって、アーク溶接の実際的に興味深い、いずれの冷却速度においても融解状態からの冷却時に鋼のマルテンサイト構造が得られる。

0023

炭素:
炭素は本質的な強化要素であって、且つCr、Mo、V、Ta、N及びNbと組み合わせて、炭化物/炭窒化物相を形成することができる。炭素含有量の増加によって、高温使用に関する適用性は減少する。さらに、高い量の炭素によって炭化物/炭窒化物体積分率は増加し、鋼の延性は減少し、そして硬度は望ましくないレベルまで増加し、それによって、成形性及び溶接性は低下する。炭素の濃度が低すぎると、低強度の軟質焼戻しされていないマルテンサイトが導かれる。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物の炭素含有量は0.02〜0.06重量%であってよい。

0024

マンガン:
マンガンは有効な脱酸素要素である。それによって融解の間に熱成形性が改善されて、そしてリン及び硫黄などの不純物の除去が容易となる。マンガンは硫黄と結合し、フェライト形成を減少させる。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物のマンガン含有量は0.3〜0.7重量%であってよい。

0025

ケイ素:
ケイ素は脱酸化剤であり、溶接性を改善して、そして蒸気酸化に対する抵抗性を増加させる。高濃度のケイ素は、高温強度及び特にクリープ破断強度を減少させる。またケイ素は、優先的には粒子境界において分離し、強靭性を減少させる。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物のケイ素含有量は0.1〜0.3重量%であってよい。

0026

ニッケル:
ニッケルはマルテンサイト構造を安定化させ、そしてフェライトの形成を抑制する。しかしながら、それは強靭性を改善し、ニッケル含有量が高いほどクリープ抵抗性が減少する。さらに、ニッケル含有量の増加は費用面での有意な影響を有する。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物のニッケル含有量は0.5〜1.2重量%であってよい。

0027

モリブデン:
モリブデンは、固体溶液強化の要因であり、且つクリープ破断強度も改善する。モリブデンは、フェライト安定化要素でもある。モリブデンの添加は慎重に制御されなければならない。高含有量のモリブデンは強靭性を悪化させて、そして高温環境での使用寿命の間のフェライト含有量の増加を引き起こし得る。さらに、高濃度のモリブデンは効果的に均質化することが困難である可能性があり、このことは、化学的性質の位置の制御を得る能力を抑制する。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物のモリブデン含有量は0.1〜0.5重量%であってよい。

0028

コバルト:
コバルトは、鋼中のオーステナイト安定化要素であり、そして低温度で有害なデルタフェライト保留を制限することにおいて有用である。それは、固体溶液強化によって、クリープ破断強度を増加させる。低濃度のコバルトは、焼戻し軟化に対する抵抗性を強化する効果を有する。逆に、高い量のコバルトは、高温作動間に金属間の相の強化された沈殿のため、脆化を誘発し得る。高濃度のCoは均質化することが困難である可能性があり、このことは、化学的性質の位置の制御を得る能力を抑制する。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物のコバルト含有量は1.0〜1.5重量%であってよい。

0029

ニオブ:
ニオブは炭素(及び窒素)と結合して、NbCなどの微細沈殿物が形成される。これは、クリープ破断強度を改善するために効果的である。さらに、ニオブリッチの沈殿物は鋼粒子構造を改善し、そしてオーステナイトの粒子オーステナイト化熱処理の間に過度に粗大化するのを防ぐように補助する。添加されるニオブの量が少なすぎる場合、沈殿物の体積分率は低く、そして気付かれる効果は最小である。しかしながら、ニオブ含有量を増加させることによって他の窒化物の沈殿が抑制され得、クリープ破断抵抗性に関して効率的なバナジウム沈殿物が減少し、マトリックス中の炭素が消費され、それによって、マルテンサイトラス密度、並びにM23C6などの他の炭化物沈殿物の数密度は減少し、そして長期クリープ破断抵抗性が減少し得る。さらに、高いニオブ含有量は一次炭化物形成を促進する可能性があり、その径は過度に大きい可能性があり、それによって使用中の極小構造上の損傷が促進される。高濃度のニオブは均質化することが困難である可能性があり、このことは、化学的性質の位置の制御を得る能力を抑制する。少量で添加されたニオブは窒化バナジウム中に溶解可能であり、従って、窒化バナジウムの安定性を改善することができる。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物のニオブ含有量は0.03〜0.08重量%であってよい。

0030

タングステン:
タングステンは溶液強化剤である。タングステンは炭化物中に組み込まれ、そしてクリープ強度強化及び長期安定性に寄付する。しかしながら、この要素は高価であり、そして高い量は、鋼製造及び鋳造プロセスの間の強い分離を導き得、そして有意な脆化を導く金属間層の形成をもたらし得る。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物のタングステン含有量は0.2〜0.8重量%であってよい。

0031

銅:
銅はオーステナイト安定剤であり、且つクエンチ後にマルテンサイト構造を効果的に安定させるために添加されてよい。銅は有害なデルタフェライトを抑制し、そして置換によるマトリックス強化、並びに銅リッチFCC相の形態での沈殿物強化を提供するのに有利であり得る。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物の銅含有量は0.3〜0.8重量%であってよい。

0032

ホウ素:
ホウ素は、炭化物の粗大化を抑制することによって、炭化物沈殿物を安定化させる。またホウ素は境界において分離し、境界を強化し、高温におけるクリープ抵抗性を強化する。高い量のホウ素は、鋼内でのホウ素の適切な分散のために、より高いオーステナイト化温度の使用を必要とし、これは次いで、粒径の増加を導き、それによって粗大化窒化ホウ素相の形成によって、延性及び強靭性などの機械的特性が低下する。さらに、高い量のホウ素は熱加工性に悪影響を与える。特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物のホウ素含有量は0.005〜0.010重量%であってよい。

0033

鋼溶接金属組成物の成分は上記されており、そして残余又は残部としては鉄及び不可避の不純物が含まれる。不可避の不純物としては、原材料、再原料及び製造設備を含む、条件次第で溶接金属中捕捉されことが可能である要素(例えば、P、Sなど)が含まれてよい。

0034

一実施形態において、鋼溶接金属組成物は、約11重量%のCrを含んでなり得、且つ620℃より高く、最高650℃において優れた酸化及び腐食特性を有し、これは、最高580〜620℃までの使用に制限される名目上2.25重量%のCr(ASME T23、T24)及び9重量%タイプ(ASME T91)を有する膜壁管用の鋼を超える。さらに、特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物は、既存のクロム含有マルテンサイト鋼を超える短期静的引張特性を有する。さらに、別の実施形態において、鋼溶接金属組成物は、薄肉管(例えば小口径中空管)上でPWHTを行わずに使用されるように設計され、且つ溶接された薄肉管と同様又は類似のクリープ強度並びに酸化及び腐食抵抗性を有する。鋼溶接金属組成物は、高い焼入性を有し、そしてそのようなものとして、溶接パラメーターの差に対する応答は最小であり、従って、T23及びT24グレードと比較して改善された溶接性が得られる。

0035

別の実施形態において、鋼溶接金属組成物は、約10.50〜約11.50重量%のCr、約0.03〜約0.05重量%のC、約0.4〜約0.6重量%のMn、約0.15〜約0.25重量%のSi、約0.8〜約1.0重量%のNi、約0.2〜約0.4重量%のMo、約1.1〜約1.4重量%のCo、約0.04〜約0.07重量%のNb、約0.3〜0.7重量%のW、約0.4〜約0.7重量%のCu、約0.006〜約0.009重量%のB及び約0.005〜0.025重量%のNを含んでなり得;鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物である。

0036

別の実施形態において、鋼溶接金属組成物は、約10.75〜約11.25重量%のCr、約0.035〜約0.045重量%のC、約0.45〜約0.55重量%のMn、約0.15〜約0.25重量%のSi、約0.85〜約0.95重量%のNi、約0.25〜約0.35重量%のMo、約1.2〜約1.35重量%のCo、約0.04〜約0.06重量%のNb、約0.4〜約0.6重量%のW、約0.5〜約0.65重量%のCu、約0.007〜約0.009重量%のB及び約0.005〜0.025重量%のNを含んでなり得;鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物である。

0037

別の実施形態において、鋼溶接金属組成物は、11.0重量%のクロム、0.04重量%の炭素、0.5重量%のマンガン、0.2重量%のケイ素、0.9重量%のニッケル、0.3重量%のモリブデン、1.3重量%のコバルト、0.05重量%のニオブ、0.5重量%のタングステン、0.6重量%の銅、0.008重量%のホウ素及び0.0230重量%の窒素を含んでなり得;鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物である。

0038

別の実施形態において、鋼溶接金属組成物は、低炭素の焼戻しされていないマルテンサイト微細構造を有する。

0039

加えて、別の実施形態において、鋼溶接金属組成物は、高温においてクリープ抵抗性である。特に、一実施形態において、鋼溶接金属組成物は、650℃の温度で、100MPaにおいて少なくとも300時間、90MPaにおいて少なくとも600時間、70MPaにおいて少なくとも1500時間及び55MPaにおいて少なくとも2500時間の一軸クリープ強度を有する。

0040

より特に、特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物は、650℃の温度で、100MPaにおいて少なくとも330時間、90MPaにおいて少なくとも610時間、70MPaにおいて少なくとも1600時間及び55MPaにおいて少なくとも2800時間の一軸クリープ強度を有する。

0041

より特に、特定の実施形態において、鋼溶接金属組成物は、650℃の温度で、100MPaにおいて336時間、90MPaにおいて619時間、70MPaにおいて1609時間及び55MPaにおいて少なくとも2879時間の一軸クリープ強度を有する。そのようなものとして、特定の実施形態において、溶接金属組成物のクリープ抵抗性は、2.25重量%のみのCrを含んでなる既存の組成物に等しいか、又はそれを超える。

0042

一実施形態において、堆積された鋼溶接金属組成物は、620℃の温度で少なくとも5000時間の一軸クリープ抵抗性を有し得る。より特に、堆積された鋼溶接金属組成物は、620℃の温度で少なくとも10000時間の一軸クリープ抵抗性を有し得る。

0043

一実施形態において、鋼溶接金属組成物は、20℃で少なくとも27Jの衝撃強靭性を有する。そのようなものとして、一実施形態において、鋼溶接金属組成物の衝撃強靭性は、ANSI、ASME、EPRI、EN、TUVコード、標準及び推奨法に設定された適用可能な必要条件を超える。

0044

別の実施形態において、鋼溶接金属組成物は360VHN以下のビッカース硬度を有する。

0045

鋼溶接金属組成物を堆積させる方法
一実施形態において、図1に示すように、アーク放電溶接プロセスによって加工物上に鋼溶接金属組成物を堆積させる方法100が提供される。一実施形態において、この方法は、アーク放電によって消耗電極を少なくとも部分的に融解し、融解した鋼溶接金属組成物を加工物上に堆積させるステップ102と;前記融解した鋼溶接金属組成物を冷却及び固化して、堆積された鋼溶接金属組成物を加工物上に形成するステップ104とを含み、鋼溶接金属組成物が、約10.50〜約11.50重量%のCr、約0.03〜約0.05重量%のC、約0.4〜約0.6重量%のMn、約0.15〜約0.25重量%のSi、約0.8〜約1.0重量%のNi、約0.2〜約0.4重量%のMo、約1.1〜約1.3重量%のCo、約0.04〜約0.07重量%のNb、約0.3〜0.7重量%のW、約0.4〜約0.7重量%のCu、約0.006〜約0.009重量%のB及び約0.005〜0.025重量%のNを含んでなり;鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物であり、且つ鋼溶接金属組成物が溶接後熱処理(PWHT)を受けない106。

0046

別の実施形態において、アーク放電溶接プロセスによって加工物上に鋼溶接金属組成物を堆積させる方法が提供される。一実施形態において、この方法は、アーク放電によって消耗電極を少なくとも部分的に融解し、融解した鋼溶接金属組成物を加工物上に堆積させることと;前記融解した鋼溶接金属組成物を冷却及び固化して、堆積された鋼溶接金属組成物を加工物上に形成することと、を含み、鋼溶接金属組成物が、約10.75〜約11.25重量%のCr、約0.035〜約0.045重量%のC、約0.45〜約0.55重量%のMn、約0.15〜約0.25重量%のSi、約0.85〜約0.95重量%のNi、約0.25〜約0.35重量%のMo、約1.2〜約1.35重量%のCo、約0.04〜約0.06重量%のNb、約0.4〜約0.6重量%のW、約0.5〜約0.65重量%のCu、約0.007〜約0.009重量%のB及び約0.005〜0.025重量%のNを含んでなり;鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物であり、鋼溶接金属組成物がPWHTを受けない。

0047

一実施形態において、アーク放電溶接プロセスによって加工物上に鋼溶接金属組成物を堆積させる方法が提供される。一実施形態において、この方法は、アーク放電によって消耗電極を少なくとも部分的に融解し、融解した鋼溶接金属組成物を加工物上に堆積させることと;前記融解した鋼溶接金属組成物を冷却及び固化して、堆積された鋼溶接金属組成物を加工物上に形成することと、を含み、鋼溶接金属組成物が、11.0重量%のクロム、0.04重量%の炭素、0.5重量%のマンガン、0.2重量%のケイ素、0.9重量%のニッケル、0.3重量%のモリブデン、1.3重量%のコバルト、0.05重量%のニオブ、0.5重量%のタングステン、0.6重量%の銅、0.008重量%のホウ素及び0.0230重量%の窒素を含んでなり;鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物であり、鋼溶接金属組成物がPWHTを受けない。

0048

特定の実施形態において、本開示の方法は、加工物を選択することも含み得る。特定の実施形態による方法において、堆積された鋼溶接金属組成物は、マルテンサイト微細構造を有する。

0049

加えて、特定の実施形態による方法において、鋼溶接金属組成物は、650℃の温度で、100MPaにおいて少なくとも300時間、90MPaにおいて少なくとも600時間、70MPaにおいて少なくとも1500時間及び55MPaにおいて少なくとも2500時間の一軸クリープ強度を有する。

0050

より特に、特定の実施形態による方法において、鋼溶接金属組成物は、650℃の温度で、100MPaにおいて少なくとも330時間、90MPaにおいて少なくとも610時間、70MPaにおいて少なくとも1600時間及び55MPaにおいて少なくとも2800時間の一軸クリープ強度を有する。

0051

より特に、特定の実施形態による方法において、鋼溶接金属組成物は、650℃の温度で、100MPaにおいて336時間、90MPaにおいて619時間、70MPaにおいて1609時間及び55MPaにおいて少なくとも2879時間の一軸クリープ強度を有する。

0052

特定の実施形態による方法において、堆積された鋼溶接金属組成物は、620℃の温度で少なくとも5000時間の一軸クリープ抵抗性を有し得る。より特に、一実施形態による方法において、堆積された鋼溶接金属組成物は、620℃の温度で少なくとも10000時間の一軸クリープ抵抗性を有し得る。

0053

特定の実施形態による方法において、鋼溶接金属組成物は、20℃で少なくとも27Jの衝撃強靭性を有する。

0054

特定の実施形態による方法において、鋼溶接金属組成物は360VHN以下のビッカース硬度を有する。

0055

鋼溶接金属組成物を堆積させる方法は、いずれのアーク溶接法も含み得る。例えば、被覆アーク溶接(SMAW)、サブマージアーク溶接(SAW)、ガスタングステンアーク溶接(GTAW)、ガス金属アーク溶接(GMAW)、フラックスコアアーク溶接(FCAW)法及びそれらの組合せが使用されてよい。

0056

溶接条件及び溶接材料成分は、当該技術分野において既知の方法に従って適切に制御され得る。

0057

一実施形態において、上記条件下で堆積された鋼溶接金属組成物は、極端に長い期間及び高い使用温度における有利なクリープ特徴、並びに衝撃強靭性、酸化抵抗性、腐食抵抗性、強度及び硬度を含む他の有利な特徴を示す。さらに、PWHTを使用することなく、そのような溶接金属を含む溶接構造を得ることができる。

0058

消耗アーク放電溶接電極
一実施形態において、SMAW(MMA)法のための消耗アーク放電溶接被覆電極が提供される。消耗アーク放電溶接被覆電極は、鋼金属コアと、金属粉末フェロアロイ酸化物スラグ生成剤結合剤押出成形助剤フラクシング成分、気体生成剤及び脱酸素剤を含有する外部コーティングとを含んでなり、これらは、電極が、約10.75〜約11.25重量%のCr、約0.035〜約0.045重量%のC、約0.45〜約0.55重量%のMn、約0.15〜約0.25重量%のSi、約0.85〜約0.95重量%のNi、約0.25〜約0.35重量%のMo、約1.2〜約1.35重量%のCo、約0.04〜約0.06重量%のNb、約0.4〜約0.6重量%のW、約0.5〜約0.65重量%のCu、約0.007〜約0.009重量%のB及び約0.005〜0.025重量%のNを含んでなり、鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物である鋼溶接金属組成物を製造するような量で存在する。

0059

別の実施形態において、FCAW法のための消耗アーク放電溶接ワイヤー電極が提供される。消耗アーク放電溶接ワイヤー電極は、外部鋼金属シースと、金属粉末、フェロアロイ、酸化物、スラグ生成剤、結合剤、フラクシング成分、気体生成剤及び脱酸素剤を含んでなるシースによって包囲されたコアとを含んでなり、これらは、ワイヤー電極が、約10.75〜約11.25重量%のCr、約0.035〜約0.045重量%のC、約0.45〜約0.55重量%のMn、約0.15〜約0.25重量%のSi、約0.85〜約0.95重量%のNi、約0.25〜約0.35重量%のMo、約1.2〜約1.35重量%のCo、約0.04〜約0.06重量%のNb、約0.4〜約0.6重量%のW、約0.5〜約0.65重量%のCu、約0.007〜約0.009重量%のB及び約0.005〜0.025重量%のNを含んでなり、鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物である鋼溶接金属組成物を製造するような量で存在する。

0060

別の実施形態において、約10.75〜約11.25重量%のCr、約0.035〜約0.045重量%のC、約0.45〜約0.55重量%のMn、約0.15〜約0.25重量%のSi、約0.85〜約0.95重量%のNi、約0.25〜約0.35重量%のMo、約1.2〜約1.35重量%のCo、約0.04〜約0.06重量%のNb、約0.4〜約0.6重量%のW、約0.5〜約0.65重量%のCu、約0.007〜約0.009重量%のB及び約0.005〜0.025重量%のNを含んでなり、鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物である組成物を有する鋼から製造される、GMAW法のための消耗アーク放電溶接ワイヤー電極が提供される。

0061

別の実施形態において、約10.75〜約11.25重量%のCr、約0.035〜約0.045重量%のC、約0.45〜約0.55重量%のMn、約0.15〜約0.25重量%のSi、約0.85〜約0.95重量%のNi、約0.25〜約0.35重量%のMo、約1.2〜約1.35重量%のCo、約0.04〜約0.06重量%のNb、約0.4〜約0.6重量%のW、約0.5〜約0.65重量%のCu、約0.007〜約0.009重量%のB及び約0.005〜0.025重量%のNを含んでなり、鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物である組成物を有する鋼から製造される、GTAW法のための消耗アーク放電溶接ワイヤー又はロッドが提供される。

0062

別の実施形態において、SAW法のための凝集フラックスと組み合わせて使用される消耗アーク放電溶接ワイヤー電極が提供される。消耗アーク放電溶接ワイヤー電極及びフラックスの組合せは、固体又はフラックスコア鋼金属ワイヤーと、ケイ酸塩、酸化物、炭酸塩フルオライト、金属粉末、フェロアロイを含有する凝集化フラックスとを含んでなり、これらは、ワイヤー電極及びフラックスの組合せが、約10.75〜約11.25重量%のCr、約0.035〜約0.045重量%のC、約0.45〜約0.55重量%のMn、約0.15〜約0.25重量%のSi、約0.85〜約0.95重量%のNi、約0.25〜約0.35重量%のMo、約1.2〜約1.35重量%のCo、約0.04〜約0.06重量%のNb、約0.4〜約0.6重量%のW、約0.5〜約0.65重量%のCu、約0.007〜約0.009重量%のB及び約0.005〜0.025重量%のNを含んでなり、鋼溶接金属組成物の残部は鉄及び不可避の不純物である鋼溶接金属組成物を製造するような量で存在する。

0063

1つ又は複数の例示的な実施形態が本明細書に提示された。明白にするために、本出願において、物理的実施の全ての特徴が記載又は示されているわけではない。本発明の特徴を組み込む物理的実施形態の展開において、実施によって、又は時間によって変動する、システム関連、ビジネス関連、政府関連及び他の制約との適合性などの開発者の目的を達成するために、多数の実施に特定の決定がなされなければならないことは理解される。開発者の努力は時間のかかるものであるが、そのような努力は、それにもかかわらず、当業者の通常の作業であろう。

0064

本方法は、様々な構成要素又はステップを「含んでなる(comprising)」ことに関して本明細書に記載されるが、本方法は、様々な構成要素又はステップ「から本質的になる(consist essentially of)」か、又は「からなる(consist of)」ことも可能である。

0065

本発明の実施形態のより良好に理解することを促進するために、好ましい又は代表的な特徴の次の実施例が提供される。次の実施例が実施形態の範囲を制限するか、又は定義するものとして理解されるべきではない。

0066

次の非制限的な実施例は、本発明の実施形態をさらに例示するために提供される。次の実施例に開示された技術は、本発明者が、本発明の実施形態の実施において良好に作用することを見出したアプローチであり、従って、その実施のためのモードの例を構成するものとして考えることができることは、当業者に認識されるべきである。しかしながら、当業者は、本発明の実施形態に関して、実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく、開示された特定の実施形態に関して多くの変更が可能であり、且つ同様又は類似の結果がなお得られることを認識するべきである。

0067

実施例1
溶接金属の化学組成を表1に示す(量は重量%で示される)。

0068

0069

直径4mm低水被覆電極及び250℃の予熱パス間温度を使用して、SMAW法によって、組成物を溶接し、そしてAWS 5.5標準的幾何構造に適合する加工物上に堆積させた。

0070

堆積させた融解組成物を冷却させて、そして加工物上で固体化させた。PWHTは実行されない。

0071

溶接金属組成物は次の特性を有した:
(PWHTを実行しない)組成物の構造:低炭素の焼戻しされていないマルテンサイト。
種々の応力条件下での一軸クリープ強度

0072

0073

鋼溶接金属組成物の衝撃強靭性は、20℃において>27Jであると測定された(ANSI、ASME、EPRI、EN、TUVコード、標準及び推奨法に設定された適用可能な必要条件を超える)。

0074

鋼溶接金属組成物のビッカース硬度は<360VHNであった。

0075

上記で開示された特定の実施形態は、本明細書の教示の利点を有する、当業者に明らかである、異なるが同等の様式で修正及び実施されてよいため、これらの実施形態は例示目的のみである。さらに、下記特許請求の範囲において記載されるもの以外、本明細書に示される構成又は設計の詳細に対する制限は意図されない。従って、上記で開示された特定の例示的な実施形態が、変更、組合せ又は修正されてもよく、且つ全てのそのような変更は、本発明の範囲及び精神の範囲内であると考えられることは明白である。本明細書に実例として開示される実施形態は、本明細書に特に開示されていないいずれかの要素及び/又は本明細書に開示されたいずれかの任意選択的な要素の不在下で適切に実施されてもよい。また、特許権所有者によって別途明示的に、又は明らかに定義されない限り、特許請求の範囲中の用語は、それらの明白且つ通常の意味を有する。

実施例

0076

本発明を導いた研究は、贈与契約FSR−CT−2014−00032の下、European Union’s Research Fund for Coal and Steel(RFCSリサーチプログラムからの資金を受けたものである。

0077

100アーク放電溶接プロセスによって加工物上に鋼溶接金属組成物を堆積させる方法
102 アーク放電によって消耗電極を少なくとも部分的に融解し、融解した鋼溶接金属組成物を加工物上に堆積させるステップ
104 融解した鋼溶接金属組成物を冷却及び固化して、堆積された鋼溶接金属組成物を加工物上に形成するステップ
106 鋼溶接金属組成物は溶接後熱処理(PWHT)を受けない

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