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技術 RFIDタグ、RFIDタグ内蔵タイヤ、およびRFIDタグの共振周波数を調整する方法

出願人 株式会社フェニックスソリューション
発明者 杉村詩朗
出願日 2019年9月10日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-164868
公開日 2021年3月18日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-044674
状態 未査定
技術分野 線状基本アンテナ アンテナの支持 タイヤ一般 デジタルマーク記録担体 アンテナの細部
主要キーワード 半固定コンデンサ 原理モデル 耐震ゴム レーザ照射器 正キャリア 略直線形状 大容量値 使用国
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図面 (20)

課題

ゴム製品に埋め込んで使用される場合に、ゴムに含まれるカーボンブラックと、ゴム自体の比誘電率によって影響されないRFIDタグ、RFIDタグ内蔵タイヤ、およびRFIDタグの共振周波数調整方法を提供する。

解決方法

RFIDタグ22は、導波器13と、折り返し放射器10と、アンテナ内蔵タグ11と、を含み、折り返し放射器10とアンテナ内蔵タグ11とは同一のプリント基板21に配設され、折り返し放射器10は開放部を有する1ターン未満のコイル12と同調半固定コンデンサ14とを備え、1ターン未満のコイル12と同調半固定コンデンサ14とは共振回路を構成し、導波器13は、1ターン未満のコイル12の一方の開放部の端部に一端が接続された略直線状の導体であって、1ターン未満のコイル12とアンテナ内蔵タグ11のアンテナとが電磁界結合されている。

概要

背景

従来、自動車タイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用するRFIDタグの殆どが半波長ダイポールアンテナ方式を用いたRFIDタグを使用しており、ゴム製品に含まれるカーボンブラックと、ゴム自体の比誘電率による影響のためアンテナの実効電気長およびインピーダンスが様々に変化し、共振周波数などの特性が変動するため、ゴム製品に合わせた調整が必要であった。

特に、カーボンブラックを含むゴム製品の中にダイポールアンテナ方式を用いたRFIDタグを埋め込んだ場合、RFIDタグの2つの給電点の間に数10KΩから数100KΩの抵抗が接続されることになり、これが半波長ダイポールアンテナの2つのアンテナエレメント間に存在することでアンテナの実効電気長およびインピーダンスに大きく影響する。

また、RFIDタグの共振周波数については、タグの使用国毎に異なる通信周波数に合わせた設定が必要になる場合、およびRFIDタグの製造上のバラツキに対応した調整が必要になる場合がある。しかし、ダイポールアンテナでは、アンテナの共振周波数がアンテナの長さで決まるため、RFIDタグ製造時の共振周波数の設定または調整が困難であった。

特許文献1(特許第4069958号公報)には、無線ICチップと、無線ICチップと接続され、所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路を設けた給電回路基板と、給電回路基板が貼着又は近接配置されており、給電回路から供給された送信信号放射する、及び/又は、受信信号を受けて給電回路に供給する放射板と、を備え、送信信号及び/又は受信信号の周波数は、共振回路の共振周波数に実質的に相当すること、を特徴とする無線ICデバイスが開示されている。

特許文献2(特開2017−132291号公報)には、RFIDチップとアンテナとを備えたRFIDタグ内蔵タイヤにおいて、アンテナを、RFIDチップに接続される第1のアンテナと、第1のアンテナの外部に設けられて第1のアンテナに電磁界結合される第2のアンテナとから構成するとともに、RFIDチップと第1のアンテナとを第1の固定部材に固定し、RFIDタグをタイヤのカーカスプライ端タイヤ径方向外側に配置し、第2のアンテナをカーカスプライを構成する導電性カーカスプライコードと電磁界結合させるようにしたRFIDタグ内蔵タイヤが開示されている。

特許文献3(特許第4174801号公報)には、リーダライタに接続する励磁コイルと、励磁コイルに電磁結合させる共振回路と、可変コンデンサを介して接地する補助電極とを備えてなり、補助電極は、共振回路に容量結合させる識別タグリーダライタ用アンテナが開示されている。

概要

ゴム製品に埋め込んで使用される場合に、ゴムに含まれるカーボンブラックと、ゴム自体の比誘電率によって影響されないRFIDタグ、RFIDタグ内蔵タイヤ、およびRFIDタグの共振周波数の調整方法を提供する。RFIDタグ22は、導波器13と、折り返し放射器10と、アンテナ内蔵タグ11と、を含み、折り返し放射器10とアンテナ内蔵タグ11とは同一のプリント基板21に配設され、折り返し放射器10は開放部を有する1ターン未満のコイル12と同調半固定コンデンサ14とを備え、1ターン未満のコイル12と同調半固定コンデンサ14とは共振回路を構成し、導波器13は、1ターン未満のコイル12の一方の開放部の端部に一端が接続された略直線状の導体であって、1ターン未満のコイル12とアンテナ内蔵タグ11のアンテナとが電磁界結合されている。

目的

本発明の主な目的は、タイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用した場合にも、ゴム製品の比誘電率およびゴム製品に含まれるカーボンブラックの影響を受けることのない、RFIDタグ、およびRFIDタグ内蔵タイヤを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

導波器と、折り返し放射器と、アンテナ内蔵タグと、を含み、前記折り返し放射器と前記アンテナ内蔵タグとは同一のプリント基板に配設され、前記折り返し放射器は開放部を有する1ターン未満のコイル同調半固定コンデンサとを備え、前記1ターン未満のコイルと前記同調半固定コンデンサとは共振回路を構成し、前記導波器は、前記1ターン未満のコイルの一方の開放部の端部に一端が接続された略直線状の導体であって、前記1ターン未満のコイルと前記アンテナ内蔵タグのアンテナとが電磁界結合される、RFIDタグ

請求項2

ゴム製品に埋め込んで使用される、請求項1に記載のRFIDタグ。

請求項3

前記1ターン未満のコイルの折り返し部分から前記導波器の他端までの実効電気長は、通信周波数電波波長をλとして、λ/4、λ/2、3λ/4、または5λ/8である、請求項1または2に記載のRFIDタグ。

請求項4

前記導波器は導体の網線で形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のRFIDタグ。

請求項5

前記プリント基板は多層プリント基板であって、前記折り返し放射器は前記多層プリント基板の中間層に配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のRFIDタグ。

請求項6

前記1ターン未満のコイルの巻回軸上に前記アンテナ内蔵タグのアンテナの中心が位置するように配置される、請求項1から5のいずれか1項に記載のRFIDタグ。

請求項7

前記プリント基板は長手方向の長さが1mm以上16mm以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載のRFIDタグ。

請求項8

前記導波器は長さが40mm以上200mm以下である、請求項1から7のいずれか1項に記載のRFIDタグ。

請求項9

前記プリント基板は比誘電率が4以上5以下である、請求項1から8のいずれか1項に記載のRFIDタグ。

請求項10

さらに、メアンダパターン導波素子が前記プリント基板に配設され、前記導波素子は前記1ターン未満のコイルの他方の開放部の端部に接続された、請求項1から9のいずれか1項に記載のRFIDタグ。

請求項11

前記導波素子の実効電気長はλ/4である、請求項10に記載のRFIDタグ。

請求項12

さらに、直方体形状の抵抗体が前記プリント基板に配設され、前記1ターン未満のコイルの他方の開放部の端部に前記抵抗体の長手方向の一方の端部が接続された、請求項1から9のいずれか1項に記載のRFIDタグ。

請求項13

前記抵抗体の長手方向の一方の端部と他方の端部との間の抵抗値は1kΩ以上30kΩ以下である、請求項12に記載のRFIDタグ。

請求項14

前記抵抗体の長手方向の長さは2mm以上10mm以下である、請求項12または13に記載のRFIDタグ。

請求項15

前記同調半固定コンデンサは前記プリント基板に配設され、前記同調半固定コンデンサの一方および/または他方の電極スリット孔を有し、前記スリット孔の大きさが増加すると前記同調半固定コンデンサの容量値が減少する、請求項1から14のいずれか1項に記載のRFIDタグ。

請求項16

前記折り返し放射器の共振周波数は前記RFIDタグの通信周波数に一致する、請求項15に記載のRFIDタグ。

請求項17

発振器、RFIDタグの通信周波数と同一の共振周波数を有する測定用アンテナ反射レベルサーチ回路、およびレーザ照射器を備えて、請求項16に記載のRFIDタグの共振周波数を調整する方法であって、前記RFIDタグを前記測定用アンテナの近傍に配置するステップ、前記発振器が前記RFIDタグの通信周波数に相当する正弦波信号を出力するステップ、前記測定用アンテナが前記発振器の出力を前記RFIDタグに送信するステップ、前記レーザ照射器がレーザ放射し、前記スリット孔の大きさを大きくして前記同調半固定コンデンサの容量値を減少させるステップ、および前記反射レベルサーチ回路が前記発振器の出力をモニターし、前記発振器の出力が所定のレベルまで増加すると前記レーザ照射器のレーザ照射を停止するステップ、を含むRFIDタグの共振周波数を調整する方法。

請求項18

前記レーザ照射を停止するステップは、前記発振器の出力が所定のレベルまで増加することに加えて、前記発振器の出力を所定時間間隔でモニターし、前記発振器の出力の時間差分または負になることを前記レーザ照射器のレーザ照射を停止する条件とする、請求項17に記載のRFIDタグの共振周波数を調整する方法。

請求項19

前記RFIDタグを前記測定用アンテナの近傍に配置するステップは、前記RFIDタグの前記導波器を所定の比誘電率を有するゴム製品で挟み込んだ状態で、前記RFIDタグを前記測定用アンテナの近傍に配置する、請求項17または18に記載のRFIDタグの共振周波数を調整する方法。

請求項20

請求項1から16のいずれか1項に記載のRFIDタグを埋め込んだRFIDタグ内蔵タイヤ

請求項21

タイヤのサイドウォールに前記RFIDタグを埋め込んだ、請求項20に記載のRFIDタグ内蔵タイヤ。

請求項22

前記RFIDタグを前記タイヤの回転軸を中心として放射状方向に沿って埋め込んだ、請求項21に記載のRFIDタグ内蔵タイヤ。

請求項23

前記RFIDタグ内蔵タイヤが加硫タイヤである、請求項20から22のいずれか1項に記載のRFIDタグ内蔵タイヤ。

技術分野

0001

本発明は、RFIDタグ、RFIDタグ内蔵タイヤ、およびRFIDタグの共振周波数を調整する方法に関する。

背景技術

0002

従来、自動車タイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用するRFIDタグの殆どが半波長ダイポールアンテナ方式を用いたRFIDタグを使用しており、ゴム製品に含まれるカーボンブラックと、ゴム自体の比誘電率による影響のためアンテナの実効電気長およびインピーダンスが様々に変化し、共振周波数などの特性が変動するため、ゴム製品に合わせた調整が必要であった。

0003

特に、カーボンブラックを含むゴム製品の中にダイポールアンテナ方式を用いたRFIDタグを埋め込んだ場合、RFIDタグの2つの給電点の間に数10KΩから数100KΩの抵抗が接続されることになり、これが半波長ダイポールアンテナの2つのアンテナエレメント間に存在することでアンテナの実効電気長およびインピーダンスに大きく影響する。

0004

また、RFIDタグの共振周波数については、タグの使用国毎に異なる通信周波数に合わせた設定が必要になる場合、およびRFIDタグの製造上のバラツキに対応した調整が必要になる場合がある。しかし、ダイポールアンテナでは、アンテナの共振周波数がアンテナの長さで決まるため、RFIDタグ製造時の共振周波数の設定または調整が困難であった。

0005

特許文献1(特許第4069958号公報)には、無線ICチップと、無線ICチップと接続され、所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路を設けた給電回路基板と、給電回路基板が貼着又は近接配置されており、給電回路から供給された送信信号放射する、及び/又は、受信信号を受けて給電回路に供給する放射板と、を備え、送信信号及び/又は受信信号の周波数は、共振回路の共振周波数に実質的に相当すること、を特徴とする無線ICデバイスが開示されている。

0006

特許文献2(特開2017−132291号公報)には、RFIDチップとアンテナとを備えたRFIDタグ内蔵タイヤにおいて、アンテナを、RFIDチップに接続される第1のアンテナと、第1のアンテナの外部に設けられて第1のアンテナに電磁界結合される第2のアンテナとから構成するとともに、RFIDチップと第1のアンテナとを第1の固定部材に固定し、RFIDタグをタイヤのカーカスプライ端タイヤ径方向外側に配置し、第2のアンテナをカーカスプライを構成する導電性カーカスプライコードと電磁界結合させるようにしたRFIDタグ内蔵タイヤが開示されている。

0007

特許文献3(特許第4174801号公報)には、リーダライタに接続する励磁コイルと、励磁コイルに電磁結合させる共振回路と、可変コンデンサを介して接地する補助電極とを備えてなり、補助電極は、共振回路に容量結合させる識別タグリーダライタ用アンテナが開示されている。

先行技術

0008

特許第4069958号公報
特開2017−132291号公報
特許第4174801号公報

発明が解決しようとする課題

0009

特許文献1に記載の発明の無線ICデバイスは、無線ICチップと放射板の間に所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路を配置し、送信信号及び/又は受信信号の周波数を共振回路の共振周波数に実質的に相当するように構成したものである。しかし、放射板が給電回路と磁界結合および/または容量結合しているため(第1実施例、図1から図7参照)、放射板の信号源インピーダンスが高く、無線ICデバイスをカーボンブラックを含むゴム製品に埋め込んだ場合には無線ICデバイスの共振周波数などの特性がカーボンブラックのインピーダンスおよびゴム製品の比誘電率の影響を受けやすいとの課題があった。

0010

特許文献2に記載の発明のRFIDタグ内蔵タイヤは、RFIDチップに接続される第1のアンテナと、第1のアンテナの外部に設けられた第2のアンテナとを電磁界結合するとともに、第2のアンテナを導電性のカーカスプライコードと電磁界結合させたRFIDタグ内蔵タイヤであるが、第1のアンテナと第2のアンテナとが電磁界結合しており、第2のアンテナの信号源インピーダンスが高いため、やはり、RFIDタグをカーボンブラックを含むゴム製品に埋め込んだ場合にはRFIDタグの共振周波数などの特性がカーボンブラックのインピーダンスおよびゴム製品の比誘電率の影響を受けやすいとの課題があった。
また、特許文献2に記載の発明では、第2のアンテナが共振回路を構成していないため、アンテナの共振周波数の調整が困難であった。

0011

特許文献3に記載の発明の識別タグのリーダライタ用アンテナは、可変コンデンサの容量値を制御することでリーダライタ用アンテナの共振周波数を調整することができることを特徴とするが、可変コンデンサの制御回路を必要とし、RFIDタグのアンテナに用いるには構成が複雑すぎる。また、本発明の主な目的である、タイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用する略直線形状のアンテナを備えたRFIDタグへの適用については全く開示されていない。

0012

本発明の主な目的は、タイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用した場合にも、ゴム製品の比誘電率およびゴム製品に含まれるカーボンブラックの影響を受けることのない、RFIDタグ、およびRFIDタグ内蔵タイヤを提供することである。
本発明の第2の目的は、長さを変更することなく共振周波数を容易に調整することのできる線形アンテナを備えたRFIDタグを提供することである。
本発明の第3の目的は、RFIDタグのアンテナの共振周波数を通信周波数と一致するように調整する、自動調整方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

(1)
一局面に従うRFIDタグは、導波器と、折り返し放射器と、アンテナ内蔵タグと、を含み、折り返し放射器とアンテナ内蔵タグとは同一のプリント基板に配設され、折り返し放射器は開放部を有する1ターン未満のコイル同調半固定コンデンサとを備え、1ターン未満のコイルと同調半固定コンデンサとは共振回路を構成し、導波器は、1ターン未満のコイルの一方の開放部の端部に一端が接続された略直線状の導体であって、1ターン未満のコイルとアンテナ内蔵タグのアンテナとが電磁界結合されている。

0014

この場合、RFIDタグのリーダライタより発するキャリアが導波器を介して折り返し放射器に伝わることで位相反転し、折り返し部分に起電力が生じて磁界が発生し、この磁界により受信信号がアンテナ内蔵タグに伝送される。

0015

また、タイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用するRFIDタグで多く用いられる通常のダイポールアンテナでは、物理的な長さの変動による実効電気長の変動、および/または、導波器の周囲の物質の比誘電率の変化に伴う電波波長の変動による実効電気長の変動に対して、アンテナの共振周波数が実効電気長に反比例して変化する。
これに対して、一局面に従うRFIDタグの場合、折り返し放射器が共振回路を構成しているため、導波器の物理的な長さの変動による実効電気長の変動、および/または、導波器の周囲の物質の比誘電率の変化に伴う電波の波長の変動による実効電気長の変動に対して、RFIDタグのアンテナの共振周波数の変動が少ない。

0016

(2)
第2の発明にかかるRFIDタグは、一局面に従うRFIDタグにおいて、ゴム製品に埋め込んで使用されてもよい。

0017

RFIDタグがタイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用される場合、ゴム製品に含まれるカーボンブラックによるインピーダンスの影響、およびRFIDタグの周囲のゴム製品の比誘電率の変動により、RFIDタグが、アンテナ内蔵タグと折り返し放射器との電磁界結合の効率の低下、共振周波数の変動などの影響を受ける。
これに対して、本発明のRFIDタグでは、共振周波数付近で折り返し放射器が低インピーダンスになることにより、カーボンブラックによるインピーダンスの影響を受けることなく、折り返し部分で発生した磁界を効率よくアンテナ内蔵タグに伝導することができる。
また、折り返し放射器が共振回路を構成していることにより、アンテナの実効電気長が変化しても、RFIDタグのアンテナの共振周波数の変動が少ない。

0018

なお、ゴム製品に埋め込まれるとは、RFIDタグが完全にゴム製品の中に埋め込まれる場合に限定されない。例えば、RFIDタグをゴム製品の表面に何らかの方法で固定する場合でも、RFIDタグはカーボンブラックによるインピーダンスの影響、あるいはゴム製品の比誘電率の影響を受ける。そして、一局面に従うRFIDタグは、このような場合にも同様の効果を得ることができる。したがって、ゴム製品の表面に固定したRFIDタグは本発明でいう「ゴム製品に埋め込まれる」に含まれる。

0019

(3)
第3の発明にかかるRFIDタグは、一局面または第2の発明にかかるRFIDタグにおいて、1ターン未満のコイルの折り返し部分から導波器の他端までの実効電気長は、通信周波数の電波の波長をλとして、λ/4、λ/2、3λ/4、または5λ/8であってもよい。

0020

この場合、RFIDタグはより長い通信距離を確保することができる。

0021

(4)
第4の発明にかかるRFIDタグは、一局面から第3の発明にかかるRFIDタグにおいて、導波器は導体の網線編線を含む、以下同様)で形成されていてもよい。

0022

導波器を導体の網線で形成した場合、タイヤ成形時等の加圧による導波器の長さの変動を抑えることができる。また、導波器を導体の網線で形成することによって、ゴムが網線の中まで浸透するため、導波器がタイヤのゴムから剥離することがない。さらに、導体を網線により形成することにより、タイヤの変形力または圧力が導体に加わった場合でも、導波器の断線を防止することができる。

0023

(5)
第5の発明にかかるRFIDタグは、一局面から第4の発明にかかるRFIDタグにおいて、プリント基板は多層プリント基板であって、折り返し放射器は多層プリント基板の中間層に配置されていてもよい。

0024

この場合、折り返し放射器の1ターン未満のコイルを中間層に形成すると、RFIDタグを埋め込むゴム製品と1ターン未満のコイルとが直接接触することがないため、ゴム製品に埋め込んだことによる折り返し放射器の共振周波数などの変動をより少なくすることができる。また、多層プリント基板を3層以上とし、1ターン未満のコイルと同調半固定コンデンサをともに中間層に形成した場合には、折り返し放射器の共振周波数などの変動をさらに少なくすることができる。

0025

(6)
第6の発明にかかるRFIDタグは、一局面から第5の発明にかかるRFIDタグにおいて、1ターン未満のコイルの巻回軸上にアンテナ内蔵タグのアンテナの中心が位置するように配置されていてもよい。

0026

この場合、折り返し放射器の1ターン未満のコイルとアンテナ内蔵タグのアンテナとの電磁界結合の効率を高めることができる。

0027

(7)
第7の発明にかかるRFIDタグは、一局面から第6の発明にかかるRFIDタグにおいて、プリント基板の長手方向の長さが1mm以上16mm以下であってもよい。

0028

この場合、プリント基板の長さを16mm以下とすることにより、タイヤなどのゴム製品に埋め込んだ場合に、タイヤ成形時等の加圧による折り返し放射器の破損を防止することができる。

0029

(8)
第8の発明にかかるRFIDタグは、一局面から第7の発明にかかるRFIDタグにおいて、導波器の長さは40mm以上200mm以下であってもよい。

0030

導波器の長さを40mm未満とした場合にはRFIDタグの通信距離の確保が困難になり、また、導波器の長さが200mmを超えた場合にはRFIDタグをタイヤに埋め込むことが困難になる。

0031

(9)
第9の発明にかかるRFIDタグは、一局面から第8の発明にかかるRFIDタグにおいて、プリント基板の比誘電率が4以上5以下であってもよい。

0032

この場合、小さな面積で必要な最大容量値を備えた同調半固定コンデンサを形成することができる。

0033

(10)
第10の発明にかかるRFIDタグは、一局面から第9の発明にかかるRFIDタグにおいて、さらに、メアンダパターン導波素子がプリント基板に配設され、導波素子は1ターン未満のコイルの他方の開放部の端部に接続されていてもよい。

0034

この場合、メアンダパターンの導波素子は同一電気長に対する導波素子の形状を短く形成することができ、プリント基板の長手方向の長さを短縮することができる。

0035

(11)
第11の発明にかかるRFIDタグは、第10の発明にかかるRFIDタグにおいて、導波素子の実効電気長をλ/4としてもよい。

0036

この場合、導波器の実効電気長をλ/4、導波素子の実効電気長をλ/4とすることにより、全長λ/2のダイポールアンテナを備えたRFIDタグと実質的に同一の特性を備えたRFIDタグを構成することができる。

0037

(12)
第12の発明にかかるRFIDタグは、一局面から第9の発明にかかるRFIDタグにおいて、さらに、直方体形状の抵抗体がプリント基板に配設され、1ターン未満のコイルの他方の開放部の端部に抵抗体の長手方向の一方の端部が接続されていてもよい。

0038

RFIDタグがカーボンブラックを含むタイヤに埋め込まれて使用される場合、抵抗体を1ターン未満のコイルの他方の開放部の端部に接続することにより、抵抗体とタイヤのカーボンブラックとが電気的に結合し、その結果、折り返し放射器および抵抗体を配設するプリント基板の長手方向の長さを短縮することができる。

0039

(13)
第13の発明にかかるRFIDタグは、第12の発明にかかるRFIDタグにおいて、抵抗体の長手方向の一方の端部と他方の端部との間の抵抗値は1kΩ以上30kΩ以下であってもよい。

0040

RFIDタグがカーボンブラックを含むタイヤに埋め込まれて使用される場合、抵抗体の抵抗値を1kΩ以上30kΩ以下とすることによって、抵抗体とタイヤのカーボンブラックとの電気的結合の効果を高めることができる。

0041

(14)
第14の発明にかかるRFIDタグは、第12の発明または第13の発明にかかるRFIDタグにおいて、抵抗体の長手方向の長さは2mm以上10mm以下であってもよい。

0042

抵抗体の長さが2mm未満の場合、抵抗体とカーボンブラックの電気的結合が十分でなく、また、抵抗体の長さが10mmを超えた場合は、プリント基板の長手方向の長さが長くなり、タイヤ成形時等の加圧による折り返し放射器の破損のリスクが高まる。

0043

(15)
第15の発明にかかるRFIDタグは、一局面から第14の発明にかかるRFIDタグにおいて、同調半固定コンデンサはプリント基板に配設され、同調半固定コンデンサの一方および/または他方の電極スリット孔を有し、スリット孔の大きさが増加すると同調半固定コンデンサの容量値が減少するようにしてもよい。

0044

この場合、スリット孔の大きさを大きくすることによって、同調半固定コンデンサの容量値を減少させ、折り返し放射器の共振周波数を調整することができる。スリット孔の大きさは、例えばレーザ照射等により大きくしてもよい。

0045

(16)
第16の発明にかかるRFIDタグは、第15の発明にかかるRFIDタグにおいて、折り返し放射器の共振周波数がRFIDタグの通信周波数に一致するように調整してもよい。

0046

この場合、通信周波数における、折り返し放射器とアンテナ内蔵タグとの電磁界結合の効率を高めるとともに、RFIDタグの通信周波数における折り返し放射器のインピーダンスを低インピーダンスにすることができる。

0047

(17)
他の局面にかかるRFIDタグの共振周波数を調整する方法は、発振器、RFIDタグの通信周波数と同一の共振周波数を有する測定用アンテナ反射レベルサーチ回路、およびレーザ照射器を備えて、第16の発明にかかるRFIDタグの共振周波数を調整する方法であって、RFIDタグを測定用アンテナの近傍に配置するステップ、発振器がRFIDタグの通信周波数に相当する正弦波信号を出力するステップ、測定用アンテナが発振器の出力をRFIDタグに送信するステップ、レーザ照射器がレーザを放射し、スリット孔の大きさを大きくして同調半固定コンデンサの容量値を減少させるステップ、および反射レベルサーチ回路が発振器の出力をモニターし、発振器の出力が所定のレベルまで増加するとレーザ照射器のレーザ照射を停止するステップ、を含むものである。

0048

RFIDタグの通信周波数については、RFIDタグの使用国毎に異なる通信周波数に合わせた設定が必要になる場合、およびRFIDタグの製造上のバラツキに対応した調整が必要になる場合がある。しかし、従来のプリント基板上に構成したRFIDタグは、アンテナの共振周波数の製造後の微調整のためにはコンデンサ等の部品の変更が必要となり、コンデンサを配置するスペース、および配置方法に対応した微調整が困難であった。

0049

これに対して、他の局面にかかるRFIDタグの共振周波数を調整する方法では、発振器、RFIDタグの通信周波数と同一の共振周波数を有する測定用アンテナ、反射レベルサーチ回路、およびレーザ照射器を用いて、自動的にアンテナの共振周波数をRFIDタグの通信周波数に合わせることができる。
本発明の調整方法は、測定用アンテナとRFIDタグのアンテナ(導波器および折り返し放射器)との間で反射作用が生じ、測定用アンテナの共振周波数とRFIDタグのアンテナの共振周波数が一致したときに、測定用アンテナの共振周波数における発振器の出力信号が最も大きくなることを利用している。
そして、反射レベルサーチ回路が発振器の出力をモニターし、発振器の出力が所定のレベルまで増加するとレーザ照射器のレーザ照射を停止することにより、自動的に、測定用アンテナの共振周波数とRFIDタグのアンテナの共振周波数とが一致するように同調半固定コンデンサの容量値を調整することができる。

0050

(18)
第18の発明にかかるRFIDタグの共振周波数を調整する方法は、他の局面にかかるRFIDタグの共振周波数を調整する方法において、レーザ照射を停止するステップは、発振器の出力が所定のレベルまで増加することに加えて、発振器の出力を所定時間間隔でモニターし、発振器の出力の時間差分または負になることをレーザ照射器のレーザ照射を停止する条件としてもよい。

0051

この場合、発振器の出力の時間差分が零または負となるように、すなわち、測定用アンテナの共振周波数における発振器の出力信号が最も大きくなるように同調半固定コンデンサの容量値を調整することができるため、測定用アンテナの共振周波数とRFIDタグのアンテナの共振周波数とをより正確に一致させることができる。

0052

(19)
第19の発明にかかるRFIDタグの共振周波数を調整する方法は、第17の発明または第18の発明にかかるRFIDタグの共振周波数を調整する方法において、RFIDタグを測定用アンテナの近傍に配置するステップは、RFIDタグの導波器を所定の比誘電率を有するゴム製品で挟み込んだ状態で、RFIDタグを測定用アンテナの近傍に配置してもよい。

0053

この場合、調整中のRFIDタグのアンテナの実効電気長が、ゴム製品に埋め込まれた状態でのRFIDタグのアンテナの実効電気長に近くなるため、より高精度にアンテナの共振周波数を調整することができる。

0054

(20)
さらに他の局面にかかるRFIDタグ内蔵タイヤは、一局面から第16の発明にかかるRFIDタグを埋め込んだRFIDタグ内蔵タイヤである。

0055

一局面から第16の発明にかかるRFIDタグを埋め込んだRFIDタグ内蔵タイヤでは、カーボンブラックのインピーダンスの影響、およびタイヤ成形および加硫に伴う比誘電率の変化等による共振周波数の変化が少なく、通信距離の低下を抑えることができるため、リーダライタによって、確実にタイヤの固有情報を読み取ることができる。

0056

(21)
第21の発明にかかるRFIDタグ内蔵タイヤは、第20の発明にかかるRFIDタグ内蔵タイヤにおいて、タイヤのサイドウォールにRFIDタグを埋め込んでもよい。

0057

この場合、RFIDタグのタイヤへの埋め込みが容易であるとともに、タイヤの側面にリーダライタを配置したときの通信距離を増加させることができる。

0058

(22)
第22の発明にかかるRFIDタグ内蔵タイヤは、第21の発明にかかるRFIDタグ内蔵タイヤにおいて、RFIDタグをタイヤの回転軸を中心として放射状方向に沿って埋め込んでもよい。

0059

この場合、車の加速または減速におけるタイヤの変形によるRFIDタグの損傷を少なくし、RFIDタグのタイヤからの剥離を防止することができる。

0060

(23)
第23の発明にかかるRFIDタグ内蔵タイヤは、第20から第22の発明にかかるRFIDタグ内蔵タイヤにおいて、RFIDタグ内蔵タイヤが加硫タイヤであってもよい。

0061

この場合、加硫することによってタイヤのゴムの弾性限界を大きくすることができる。ただし、一般には、加硫によるゴムの比誘電率の変動に伴う通信距離の低下が課題となるが、本発明では、折り返し放射器に共振回路を構成し、折り返し放射器のインピーダンスを低インピーダンスとすることで、カーボンブラックのインピーダンスの影響、およびゴムの比誘電率等の特性の変動に伴う通信距離の低下を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0062

RFIDタグの模式的斜視図である。
RFIDタグの多層プリント基板を分解した態様での模式的斜視図である。
RFIDタグの動作を説明する模式図である。
RFIDタグの等価回路図である。
RFIDタグに用いられるアンテナ内蔵タグを分解した態様での模式的斜視図の一例である。
RFIDタグに用いられるアンテナ内蔵タグの模式的等価回路図の一例である。
原理モデルによる第1の実施形態の検証に用いたRFIDタグの構造図である。
同調半固定コンデンサが3.9pFでアンテナの全長が152mmの場合の反射損失周波数特性を示す図である。
同調半固定コンデンサの容量値を変化させた場合の共振周波数および反射損失最小値の容量値依存性を示す図である。
同調半固定コンデンサの容量値3.9pFにおいて、さらにカーボンブラックの等価抵抗10kΩを追加した場合の反射損失の周波数特性を示す図である。
同調半固定コンデンサの容量値3.9pFでの、共振周波数および反射損失最小値のアンテナの全長に対する依存性を示す図である。
通常のダイポールアンテナの、共振周波数および反射損失最小値の、アンテナの長さに対する依存性を示す図である。
折り返し放射器の端部を信号源直接駆動した場合の共振周波数と反射損失最小値のアンテナ全長に対する依存性を示す図である。
折り返し放射器の端部を信号源で直接駆動するRFIDタグの構造図である。
第2の実施形態におけるRFIDタグの模式的上面図である。
第3の実施形態におけるRFIDタグの模式的上面図である。
第4の実施形態における、RFIDタグの折り返し放射器の共振周波数を調整する自動調整装置の構成を示す図である。
図18(a)は測定用アンテナ単体写真図18(b)は測定用アンテナ単体の場合の発振器の出力の周波数特性を示す図である。
図19(a)は測定用アンテナの上にRFIDタグを配置した写真、図19(b)は、測定用アンテナの近傍にRFIDタグを配置し、RFIDタグの共振周波数が測定用アンテナの共振周波数より低い場合の発振器の出力の周波数特性を示す図、図19(c)は、測定用アンテナの近傍にRFIDタグを配置し、RFIDタグの共振周波数と測定用アンテナの共振周波数とが一致した場合の発振器の出力の周波数特性を示す図である。
図20(a)は反射レベルサーチ回路の検波回路への入力信号波形の一例、図20(b)は反射レベルサーチ回路の検波回路の模式的等価回路図、図20(c)は反射レベルサーチ回路の検波回路の出力波形の一例を示す図である。
第5の実施形態における、RFIDタグ内蔵タイヤの模式的断面図である。

実施例

0063

以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付す。また、同符号の場合には、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さないものとする。

0064

[第1の実施形態]
図1は、RFIDタグ22の模式的斜視図であり、図2はRFIDタグ22の多層プリント基板を分解した態様での模式的斜視図であり、図3はRFIDタグ22の動作を説明する模式図であり、図4はRFIDタグ22の等価回路図である。

0065

図1から図4に示すように、RFIDタグ22は、1ターン未満のコイル12と同調半固定コンデンサ14で構成される折り返し放射器10と、アンテナ内蔵タグ11と導波器13とを含む。
第1の実施形態では、折り返し放射器10の1ターン未満のコイル12は3層のプリント基板21の中間層21bの上面に、メッキ印刷エッチング蒸着等の手法によって形成される。同調半固定コンデンサ14は、3層のプリント基板21の中間層21bの上面の1ターン未満のコイル12の一方の開放部12aと、3層のプリント基板21の下層21cの上面の同調半固定コンデンサ電極14aとの対向する部分に形成される。同調半固定コンデンサ14の厚さと比誘電率とは、中間層21bの厚さと比誘電率とに相当する。同調半固定コンデンサ電極14aはスルーホール20を介して1ターン未満のコイル12の他方の開放部12bに接続される。
したがって、同調半固定コンデンサ14は1ターン未満のコイル12の一方の開放部12aと他方の開放部12bとの間に接続され、1ターン未満のコイル12と同調半固定コンデンサ14とはLC共振回路を構成する。そして、LC共振回路の共振周波数はRFIDタグ22の通信周波数に一致する。本実施形態では比誘電率4.6のプリント基板21を使用している。小さな面積で必要な最大容量値を備えた同調半固定コンデンサ14を形成するためにはプリント基板21の比誘電率は高い方が望ましく、比誘電率4以上5以下のプリント基板21を使用することができる。
また、第1の実施形態では、プリント基板21として多層プリント基板を使用し、折り返し放射器10を多層プリント基板の中間層21bに配設し、ゴム製品と折り返し放射器10が直接接触しないようにすることにより、さらにインピーダンスを安定に保っている。ただし、単層両面プリント基板を用いて、上面に1ターン未満のコイル12を、上面と下面との間に同調半固定コンデンサ14を形成することも可能である。

0066

アンテナ内蔵タグ11と1ターン未満のコイル12とは電磁界結合をしており、RFIDタグ22の受信時には1ターン未満のコイル12の信号がアンテナ内蔵タグ11に伝送される。また、RFIDタグ22の送信時にはアンテナ内蔵タグ11の信号が1ターン未満のコイル12に伝送される。アンテナ内蔵タグ11は特に限定されないが、アンテナ内蔵タグ11の磁界の方向と1ターン未満のコイル12の磁界の方向が一致していること、および、1ターン未満のコイル12の巻回軸上にアンテナ内蔵タグ11のアンテナの中心が位置するように配置されていることが望ましい。なお、1ターン未満のコイル12の巻回軸上にアンテナ内蔵タグ11のアンテナの中心が位置するとは、例えばアンテナ内蔵タグ11のアンテナがコイルで構成されたアンテナの場合、1ターン未満のコイル12の巻回軸とアンテナ内蔵タグ11のアンテナの巻回軸が一致することをいう。

0067

導波器13は略直線状の導体であって、一端が接続端子19およびスルーホール20を介して1ターン未満のコイル12の一方の開放部12aに接続される。導波器13は、導体の網線で形成されていることが望ましい。これは、導波器13を導体の網線で形成した場合、ゴムが網線の中まで浸透するため、タイヤ成形時等の加圧による導波器13の長さの変動を抑えることができ、かつ、導波器13がタイヤのゴムから剥離することを防止できるからである。導体の材料としては、銅、真鍮、鉄、ステンレスなどが望ましいが、これらに限定されない。
折り返し放射器10の折り返し部分から導波器13の他端までの実効電気長(図3参照)は、通信周波数の波長をλとして、λ/4、λ/2、3λ/4、または5λ/8であることが望ましい。これは、実効電気長を上記の値に設定した場合に、RFIDタグ22がより長い通信距離を確保することができるからである。
なお、本実施形態では、直方体形状のプリント基板21の長手方向の長さ(折り返し放射器10の長手方向の長さに相当)は約15mm、導波器13の長さは約135mmであり、アンテナの全長L(導波器13の長さと折り返し放射器10の長さの合計)は約150mmである。RFIDタグ22をタイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用する場合にはゴム製品の比誘電率により電波の波長λが短くなるため、最適な導波器13の長さ、およびアンテナの全長Lはより短くすることができる。
なお、プリント基板21の長手方向の長さとしては、1mm以上16mm以下とすることができる。プリント基板21の長さを16mm以下とすることにより、タイヤなどのゴム製品に埋め込んだ場合に、タイヤ成形時等の加圧による折り返し放射器10の破損を防止することができる。
また、導波器13の長さとしては40mm以上200mm以下とすることができる。導波器13の長さを40mm未満とした場合にはRFIDタグ22の通信距離の確保が困難になり、また、導波器13の長さが200mmを超えた場合にはRFIDタグ22をタイヤに埋め込むことが困難になる。

0068

図3を参照してRFIDタグ22の動作を説明する。RFIDタグ22がリーダライタから電波を受信する場合、リーダライタ(図示せず)より発生する電波は導波器13を伝送して折り返し放射器10に伝わり、1ターン未満のコイル12の折り返し部分に起電力が生じて磁界が発生する。そして、この磁界がアンテナ内蔵タグ11のアンテナに伝送される。折り返し放射器10のインピーダンスは低インピーダンスに設定構成されており、こうすることでカーボンブラックによるインピーダンスの影響を受けることなく、折り返し部分で発生した磁界を効率よくアンテナ内蔵タグ11に伝導することができる。負電流17、正電流18は、1ターン未満のコイル12の折り返し部分の電流の向きが受信する電磁波の位相に合わせて変化することを示している。また負キャリア15、正キャリア16は1ターン未満のコイル12および導波器13の電圧波形の一例を示している。ただし、これらの電圧波形は、折り返し放射器10の折り返し部分から当該導波器13の他端までの実効電気長によって変化する。

0069

同調半固定コンデンサ14の容量値は、実質的に同調半固定コンデンサ電極14aの面積と3層のプリント基板21の中間層21bの厚さおよび比誘電率によって決定される。したがって、初期状態において、スリット孔14dを除いた同調半固定コンデンサ電極14aの面積を、同調半固定コンデンサ14の容量値が必要な最大値となるように設定しておく。そして、レーザ照射などの方法で、スリット孔14b、14c、および14dの大きさを大きくし、同調半固定コンデンサ14の実効的な面積を小さくすることで、同調半固定コンデンサ14の容量値を減少させることができる。
また、別の方法として、多層プリント基板21a、21b、21cのうち、多層プリント基板21aのみにスリット孔14bを設けるとともに、スリット孔14bに当接する1ターン未満のコイル12の開放部12aに突起部分を設ける。そして、レーザ照射などの方法でスリット孔14bに当接する開放部12aの突起部分の金属箔切除することによっても、同調半固定コンデンサ14の容量値を減少させることができる。

0070

(アンテナ内蔵タグ11の構成例)
図5は、RFIDタグ22に用いられるアンテナ内蔵タグ11を分解した態様での模式的斜視図の一例である。また、図6は、RFIDタグ22に用いられるアンテナ内蔵タグ11の模式的等価回路図の一例である。
アンテナ内蔵タグ11は、多層アンテナAとICモジュールBとで構成されている。多層アンテナAは3層の基板A5、A6、A7を含み、基板A5にはICモジュールBとの接続端子A1、A2が配設されている。また、基板A6と基板A7とはそれぞれ、コイルA3とコイルA4とが配設されている。基板A5,A6,A7の間はそれぞれスルーホールで接続され、接続端子A1はコイルA3の一端に接続され、コイルA3の他端はコイルA4の一端に接続され、コイルA4の他端は接続端子A2に接続されている。コイルA3の巻回軸とコイルA4の巻回軸とは一致していることが望ましい。アンテナ内蔵タグ11の等価回路図6に示す構成である。
なお、図5および図6に記載のアンテナ内蔵タグ11は、2つのコイルA3とA4とを積層して形成した多層アンテナを備えているが、コイルは単層でもよく、また、ループアンテナメアンダアンテナなどであっても、1ターン未満のコイル12と磁界の方向とが一致していれば使用可能である。

0071

(原理モデルによる第1の実施形態の動作の検証)
第1の実施形態のアンテナ内蔵タグ11、折り返し放射器10、および導波器13を備えたRFIDタグ22の原理モデルをMOM法(Method of Moments)を用いて検証した。
図7に検証したRFIDタグ22の構成を示す。図7(a)はRFIDタグ22の全体図、図7(b)は折り返し放射器10およびアンテナ内蔵タグ11の詳細図である。図7(b)において、アンテナ内蔵タグ11は信号源11aおよび約2ターンのコイルからなるアンテナ11bから構成されており、アンテナ11bと1ターン未満のコイル12とは電磁界結合している。アンテナ内蔵タグ11は外周4mm×4mmであり、折り返し放射器10の1ターン未満のコイル12は外形4mm×16mmで、開放部(上側)の端部に同調半固定コンデンサ14を接続している。1ターン未満のコイル12の開放部にはさらにカーボンブラックの抵抗に相当するカーボンブラック等価抵抗10aが接続されている。アンテナ内蔵タグ11のアンテナ11bと1ターン未満のコイル12とはX方向において、1mm離れて平行に配置されている。アンテナの全長L(導波器13の長さと折り返し放射器10の長さの合計)は152mmであり、これをλ/2とする周波数は986MHzである。

0072

同調半固定コンデンサ14の容量値、同調半固定コンデンサ14がある場合におけるカーボンブラック等価抵抗10a(10kΩ)の有無、およびアンテナの全長L、のそれぞれに対する、共振周波数(反射損失が最小となる周波数)および反射損失の最小値の変化をシミュレーションで確認した。
また、比較例として、通常のダイポールアンテナの長さに対する共振周波数および反射損失の最小値の変化と、折り返し放射器10の端部を信号源11aで直接駆動した場合のアンテナの全長Lに対する共振周波数および反射損失の最小値の変化をシミュレーションで確認した。給電点のインピーダンスは50Ωとしているが、折り返し放射器10を信号源11aで直接駆動した場合は信号源11aのインピーダンスを1kΩとしている。
なお、以下のシミュレーションでは、RFIDタグ22はゴム製品には埋め込まれていない。

0073

(反射損失の周波数特性)
図8に同調半固定コンデンサ14が3.9pFでアンテナの全長Lが152mmの場合の反射損失の周波数特性を示した。この場合、875MHzで反射損失最小となり、その値は−22.7dBである。

0074

(共振周波数および反射損失最小値の容量値に対する依存性)
図9に同調半固定コンデンサ14の容量値を変化させた場合の共振周波数および反射損失最小値の容量値依存性を示した。なお、このときのアンテナの全長L(導波器13の長さと折り返し放射器10の長さの合計)は152mmである。図9からわかるように、容量値を変化させることで共振周波数を調整することができる。また、反射損失最小値は共振周波数860MHz付近で最小となるが、約800MHzから930MHzの広い範囲で反射損失−10dB以下となる。したがって、同調半固定コンデンサ14の容量値を調整することにより、RFIDタグ22の共振周波数を調整することができる。

0075

(カーボンブラック等価抵抗(10kΩ)がある場合の反射損失の周波数特性)
図10に同調半固定コンデンサ14の容量値3.9pFにおいて、さらにカーボンブラックの等価抵抗10kΩを追加した場合の反射損失の周波数特性を示した。カーボンブラックの等価抵抗10kΩの無い図8と比較すると、共振周波数は同一で、反射損失最小値はむしろ小さくなっていることがわかる。したがって、本発明のRFIDタグ22は折り返し放射器10がカーボンブラックを含むゴム製品に埋め込まれた場合にも反射損失の周波数特性に対する影響は少ない。

0076

(共振周波数および反射損失最小値のアンテナの全長Lに対する依存性)
図11に、同調半固定コンデンサ14の容量値3.9pFでの、共振周波数および反射損失最小値のアンテナの全長L(導波器13の長さと折り返し放射器10の長さの合計)に対する依存性を示す。共振周波数は865MHz以上880MHz以下の範囲に収まっており、アンテナの全長Lに対する依存性は少ない。反射損失は138mmから160mmの範囲で−10dB以下となっており、図9図11の結果より、以下のことがわかる。アンテナの共振周波数は同調半固定コンデンサ14の容量値で決まり、アンテナの全長Lの変化に対しては、共振周波数の変化は少なく、アンテナの全長Lの変化が±8%程度の範囲であれば反射損失も許容範囲(−10dB以下)に入っている。

0077

(通常のダイポールアンテナの場合のアンテナの長さに対する依存性)
図12に、通常のダイポールアンテナの、共振周波数および反射損失最小値の、アンテナの長さに対する依存性を示した。通常のダイポールアンテナでは、共振周波数は、ほぼアンテナの長さの逆数に比例しており、アンテナの全長Lが152mmを中心として±8%程度変化した場合、共振周波数は860MHz以上980MHz以下の範囲で変化する。

0078

(折り返し放射器10の端部を直接駆動した場合のアンテナの長さに対する依存性)
図13に折り返し放射器10の端部を信号源11aで直接駆動した場合の共振周波数と反射損失最小値とのアンテナの全長Lに対する依存性を示した。また、図14にはシミュレーションに用いた折り返し放射器10および信号源11aの構成を示した。同調半固定コンデンサ14の容量値は3.9pF、折り返し放射器10の1ターン未満のコイル12は外形4mm×16mmである。なお、この構成の場合、給電点のインピーダンスが50Ωでは反射損失が−1dB程度と大きいため、このシミュレーションに限って、信号源11aのインピーダンスを1kΩに設定している。折り返し放射器10の端部を直接駆動した場合、同調半固定コンデンサ14が接続されていても、通常のダイポールアンテナと同様に、共振周波数はほぼアンテナの長さの逆数に比例して変化する。

0079

(原理モデルによる第1の実施形態の検証 まとめ)
アンテナ内蔵タグ11、折り返し放射器10、および導波器13で構成される本発明のRFIDタグ22では、RFIDタグ22の共振周波数(反射損失が最小となる周波数)は折り返し放射器10の同調半固定コンデンサ14の容量値で決まる。アンテナの全長Lの変化に対しては、共振周波数の変化は少なく、アンテナの全長Lの変化が±8%程度の範囲であれば反射損失も許容範囲(−10dB以下)に入る。
したがって、RFIDタグ22が自動車タイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用された場合、ゴム製品の比誘電率の変化等によりアンテナの実効電気長が変化した場合にも、共振周波数または反射損失の変化は少ない。
また、折り返し放射器10の両端に10kΩの抵抗を追加した場合にも共振周波数または反射損失の変化が少ないことから、RFIDタグ22をカーボンブラックを含むゴム製品の中に埋め込んで使用した場合にも特性の変化は少ないと考えられる。

0080

一方、比較例としてシミュレーションした通常のダイポールアンテナのシミュレーション結果では共振周波数がアンテナの長さの逆数に比例している。したがって、通常のダイポールアンテナでは、RFIDタグを、カーボンブラックを含むゴム製品の中に埋め込んで使用した場合、ゴム製品の比誘電率の変化等によりアンテナの実効電気長が変化すると、RFIDタグの共振周波数が変化することが確認された。
また、第2の比較例としてシミュレーションした、折り返し放射器10の端部を直接駆動したRFIDタグ22についても共振周波数がアンテナの長さの逆数に比例している。したがって、アンテナの長さを変化させたときの、RFIDタグ22の共振周波数の変化を小さくするためには、折り返し放射器10とアンテナ内蔵タグ11のアンテナ11bとが電磁界結合されることが必要である。
なお、アンテナの全長L(導波器13の長さと折り返し放射器10の長さの合計)152mmの場合、共振周波数が870MHz付近において反射損失が最小になる。また、ダイポールアンテナでは共振周波数が870MHzとなるのは約155mmである。このことから、本発明の場合、アンテナの全長Lは導波器13の長さ(136mm)ではなく、導波器13の長さと折り返し放射器10の長さの合計であること、すなわち、折り返し放射器10もアンテナの一部として機能していることが確認された。

0081

[第2の実施形態]
図15は第2の実施形態のRFIDタグ22の模式的上面図である。図15において、折り返し放射器10はプリント基板21に配設され、1ターン未満のコイル12はプリント基板21の上面に形成されている。また、同調半固定コンデンサ14の一方の電極はプリント基板21の上面に、他方の電極はプリント基板21の下面に形成され、他方の電極はスルーホール20を介して、1ターン未満のコイル12の他方の開放部の端部に接続されている。第2の実施形態のRFIDタグ22では、1ターン未満のコイル12の一方の開放部の端部に導波器13が接続されているが、さらに、他方の開放部の端部にメアンダパターンの導波素子13aが接続されている。導波素子13aはプリント基板21の上面に配設されている。導波器13の実効電気長および導波素子13aの実効電気長はともに、通信周波数の波長をλとして、λ/4であることが望ましいが、これに限定されない。
本実施形態ではプリント基板21は一層の両面基板となっているが、これを第1の実施形態同様、多層プリント基板21a、21b、21cとすることもできる。

0082

第2の実施形態のRFIDタグ22は、1ターン未満のコイル12の他方の開放部の端部に導波素子13aを接続することによって、折り返し放射器10および導波素子13aを配設するプリント基板21の長手方向の長さを短縮することができる。本実施形態ではプリント基板21の長手方向の長さは約10mmであり、第1の実施形態と比較すると長さが約5mm短縮されている。
第2の実施形態のRFIDタグ22では、導波器13の実効電気長をλ/4、導波素子13aの実効電気長をλ/4とすることにより、全長λ/2のダイポールアンテナを備えたRFIDタグと実質的に同一の特性を備えたRFIDタグ22を構成することができる。

0083

[第3の実施形態]
図16は第3の実施形態のRFIDタグ22の模式的上面図である。
図16において、折り返し放射器10は、プリント基板21に配設され、1ターン未満のコイル12はプリント基板21の上面に形成されている。同調半固定コンデンサ14の一方の電極はプリント基板21の上面に、他方の電極はプリント基板21の下面に形成され、他方の電極はスルーホール20を介して、1ターン未満のコイル12の他方の開放部の端部に接続されている。
第3の実施形態のRFIDタグ22では、1ターン未満のコイル12の一方の開放部の端部に導波器13が接続されているが、さらに、他方の開放部の端部に直方体形状の抵抗体13bが接続されている。抵抗体13bはプリント基板21の上面に配設されている。
抵抗体13bは、例えばカーボンレジン系抵抗インクを印刷焼成することにより形成することができる。第3の実施形態のRFIDタグ22をタイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用する場合、抵抗体13bはゴム製品に直接接触することが望ましい。
第3の実施形態の場合、抵抗体13bの抵抗値は約5kΩであるが、タイヤのカーボンブラックの含有量に合わせて、1kΩ以上30kΩ以下とすることができる。また、抵抗体13bの長手方向の長さは約5mmであるが、2mm以上10mm以下とすることができる。抵抗体13bの長さが2mm未満の場合、抵抗体13bとカーボンブラックの結合が十分でなく、また、抵抗体13bの長さが10mmを超えた場合は、プリント基板21の長手方向の長さが長くなり、タイヤ成形時等の加圧による折り返し放射器10の破損のリスクが高まる。

0084

第3の実施形態のRFIDタグ22は、特にカーボンブラックを含むタイヤに埋め込まれて使用される場合、抵抗体13bとタイヤのカーボンブラックとが電気的に結合する。
この結果、折り返し放射器10および抵抗体13bを配設するプリント基板21の長手方向の長さを第2の実施形態よりさらに短縮することができる。

0085

[第4の実施形態]
図17は、第4の実施形態のRFIDタグ22の折り返し放射器10の共振周波数を調整する方法を実現する自動調整装置36の構成を示す図である。また、図18は、測定用アンテナ23単体の写真(図18(a))、および測定用アンテナ23単体の場合の発振器28の出力の周波数特性を示す図(図18(b))である。図19は測定用アンテナ23の上にRFIDタグ22を配置した写真(図19(a))、および測定用アンテナ23の近傍にRFIDタグ22を配置した場合の発振器28の出力の周波数特性を示す図(図19(b)、(c))である。図20は自動調整装置36の反射レベルサーチ回路29に含まれる検波回路31の構成および動作を示す図である。

0086

以下、図18から図20を参照して、第4の実施形態のRFIDタグ22の折り返し放射器10の共振周波数を調整する方法について説明する。単体の測定用アンテナ23を発振器28に接続した場合、図18(b)に示すように、測定用アンテナ23の共振周波数において発振器28の出力は最小となる。これに対して、測定用アンテナ23の近傍に、RFIDタグ22を配置した場合、図19(b)および図19(c)に示すように、測定用アンテナ23とRFIDタグ22との間で反射作用が生じる。

0087

このため、測定用アンテナ23の共振周波数24とRFIDタグ22の折り返し放射器10の共振周波数25が同じである場合は、図19(c)に示すように、共振周波数24において発振器28の出力にピークが生じる。
一方、RFIDタグ22の共振周波数25が測定用アンテナ23の共振周波数24より小さい場合には、共振周波数24の近傍において発振器28の出力にピークが生じる。しかし、このピークのレベルは、図19(b)に示すように、図19(c)の、測定用アンテナ23の共振周波数24とRFIDタグ22の折り返し放射器10の共振周波数25が同じ場合に比べて小さい。
したがって、測定用アンテナ23の共振周波数24における発振器28の出力をモニターし、共振周波数24における発振器28の出力が最大となるように同調半固定コンデンサ14の容量値を調整することで、RFIDタグ22の折り返し放射器10の共振周波数25を測定用アンテナ23の共振周波数24に合わせることができる。

0088

具体的には、
a)RFIDタグ22を、RFIDタグ22の通信周波数と同一の共振周波数24を備えた測定用アンテナ23の近傍に配置する。
b)発振器28からRFIDタグ22の通信周波数に相当する正弦波信号を出力する。
c)発振器28の出力を測定用アンテナ23からRFIDタグ22に送信する。
d)レーザ照射器30からレーザ照射ヘッド27を介してレーザを放射して同調半固定コンデンサ14のスリット孔14b、14c、14dの大きさを大きくし、容量値を減少させる。
e)反射レベルサーチ回路29が発振器28の出力をモニターし、発振器28の出力が所定のレベルまで増加した時点でレーザ照射器30のレーザ照射を停止する。
上記a)からe)のステップにより、RFIDタグ22の折り返し放射器10の共振周波数25を測定用アンテナ23の共振周波数24と等しくなるように調整することができる。

0089

なお、上記e)は、本来は共振周波数24における発振器28の出力が最大となることをモニターするものである。したがって、発振器28の出力を所定時間間隔でモニターしている場合には、発振器28の出力が所定のレベルより大きいだけでなく、発振器28の出力の所定時間間隔における時間差分が正から零または負に変化することをレーザ照射停止の条件に加えてもよい。

0090

図20を参照して、反射レベルサーチ回路29に用いることのできる検波回路31の構成および動作を説明する。図20(b)は検波回路31の模式的等価回路図である。本等価回路は、検波回路31の入力端子32、出力端子33、コンデンサ34、ダイオード35を含む。
図20(a)に示すように、振幅が時間とともに増加する高周波信号を、図20(b)に示す検波回路31へ入力した場合、検波回路31によりDC電圧に変換され、検波回路31の出力端子33からは、図20(c)に示す、DC電圧が増加する信号が出力される。反射レベルサーチ回路29は、検波回路31の出力端子33の電圧と、所定の基準電圧とを比較し、出力端子33の電圧が所定の基準電圧より大きい場合にレーザ照射器30にレーザ照射停止信号を送るように構成することができる。

0091

なお、タイヤなどのゴム製品に埋め込んで使用するRFIDタグ22の共振周波数を調整する場合には、RFIDタグ22を埋め込むゴム製品と類似の比誘電率および導電率を備えた物質により導波器13を挟み込んだ状態で調整を行ってもよい。この場合、調整中のRFIDタグ22のアンテナの実効電気長が、ゴム製品に埋め込まれた状態でのRFIDタグ22のアンテナの実効電気長に近くなるため、より高精度に折り返し放射器10の共振周波数を調整することができる。

0092

[第5の実施形態]
図21は第5の実施形態におけるRFIDタグ22を内蔵したRFIDタグ内蔵タイヤ46の模式的断面図である。
図21において、RFIDタグ22を内蔵したRFIDタグ内蔵タイヤ46は、ホイールリム40、ビードワイヤ41、カーカス42、サイドウォール43、ブレーカーコード44、およびトレッド45を含む。

0093

本実施形態においては、RFIDタグ22はサイドウォール43にアンテナ線をタイヤの回転軸を中心として放射状方向に沿って埋め込んでいる。
これは、以下の理由によるものである。
まず、加速または減速におけるタイヤの変形による損傷が少なくRFIDタグ22のRFIDタグ内蔵タイヤ46からの剥離を防止できること、
次に、RFIDタグリーダライタ自動車に近づけた場合、RFIDタグ22をサイドウォール43に埋め込むことでリーダライタとの間の距離を短くできること、
第3に、RFIDタグ22とリーダライタとの間に障害となるものが少ないこと、である。

0094

なお、RFIDタグ22の埋め込み位置は上記に限定されず、ブレーカーコード44とトレッド45との間など、RFIDタグ内蔵タイヤ46の任意の場所にRFIDタグ22を埋め込むことができる。例示すると次のとおりである。
RFIDタグ22は、インナーライナーとサイドウォール43の本体との間に配置することができる。RFIDタグ22は、インナーライナーと本体プライとの間に挟まれてもよい。RFIDタグ22は、本体プライとビードフィラーとの間に挟まれてもよい。RFIDタグ22は、2つの本体プライの間に挟まれてもよい。RFIDタグ22は、ビードフィラーとサイドウォールゴムとの間に挟まれてもよい。

0095

また、RFIDタグ22を加硫タイヤに埋め込む方法としては、例えば、加硫前のタイヤ素材グリーンタイヤ)にRFIDタグ22を固定し(埋め込み、または貼り付け)、加硫前のタイヤ素材に接触させた後、タイヤ素材を加硫させる方法がある。上記方法により、タイヤにRFIDタグ22を容易に埋め込み、または貼り付けることができる。
RFIDタグ22をタイヤに埋め込む際は、直接タイヤ素材に固定してもよく、あるいはRFIDタグ22を硬化性接着剤封入した状態でタイヤに埋め込んでもよい。硬化性接着剤としては、天然ゴムスチレンブタジエンゴム、およびブタジエンゴムのうちの少なくとも1つが挙げられる。RFIDタグ22をタイヤ内面に貼り付ける場合は、硬化性接着剤を用いてタイヤ内面に貼り付けてもよい。
なお、上記ではゴム製品としてタイヤについて説明した。しかし、ゴム製品としてタイヤ以外に、例えば、建築物耐震用に用いられる耐震ゴムに埋め込まれるRFIDタグ、あるいはエンジンホースなどに用いられる耐熱ゴムに埋め込まれるRFIDタグ等にも本発明を適用することができる。

0096

本発明において、RFIDタグ22が『RFIDタグ』に相当し、導波器13が『導波器』に相当し、折り返し放射器10が『折り返し放射器』に相当し、アンテナ内蔵タグ11が『アンテナ内蔵タグ』に相当し、1ターン未満のコイル12が『1ターン未満のコイル』に相当し、同調半固定コンデンサ14が『同調半固定コンデンサ』に相当し、スリット孔14b、14c、14dが『スリット孔』に相当し、プリント基板21が『プリント基板』に相当し、多層プリント基板21a、21b、21cが『多層プリント基板』に相当し、メアンダパターンの導波素子13aが『メアンダパターンの導波素子』に相当し、抵抗体13bが『抵抗体』に相当し、発振器28が『発振器』に相当し、測定用アンテナ23が『測定用アンテナ』に相当し、反射レベルサーチ回路29が『反射レベルサーチ回路』に相当し、レーザ照射器30が『レーザ照射器』に相当し、RFIDタグ内蔵タイヤ46が『RFIDタグ内蔵タイヤ』に相当し、サイドウォール43が『サイドウォール』に相当し、1ターン未満のコイルの開放部12a、12bは『1ターン未満のコイルの開放部』に相当し、同調半固定コンデンサ電極14aは『同調半固定コンデンサ電極』に相当する。

0097

本発明の好ましい実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。

0098

10 折り返し放射器
11アンテナ内蔵タグ
12 1ターン未満のコイル
12a、12b 1ターン未満のコイルの開放部
13導波器
13aメアンダパターンの導波素子
13b抵抗体
14同調半固定コンデンサ
14a 同調半固定コンデンサ電極
14b、14c、14dスリット孔
21プリント基板
21a、21b、21c多層プリント基板
22RFIDタグ
23測定用アンテナ
28発振器
29反射レベルサーチ回路
30レーザ照射器
46 RFIDタグ内蔵タイヤ
43 サイドウォール

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